説明

固体撮像装置とその駆動方法、及び電子機器

【課題】CMOS固体撮像装置において、複数のフローティングディフュージョン部を有する画素を備え、小信号、大信号に対応して、リセットノイズの除去を可能にする。
【解決手段】画素に複数のフローティングディフュージョン部を備える。複数のフローティングディフュージョン部をリセットした後、前段のフローティングディフュージョン部のリセットレベルの信号N1を後段回路に取り込む。次に、前段のフローティングディフュージョン部に光電変換部からの電荷を転送し、その信号S1を後段回路に取り込む。次に、前段と後段のフローティングディフュージョンを接続し、接続されたフローティングディフュージョン部の信号N2を後段回路に取り込む。次いで、光電変換部から残りの電荷を転送して、接続されているフローティングディフュージョン部の信号S2を後段回路に取り込む。そして、信号S1−N1の差分の信号、信号S2−N2の差分の信号をとる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置とその駆動方法、及びこの固体撮像装置を備えたカメラ等の電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
固体撮像装置(イメージセンサ)として、CMOS固体撮像装置が知られている。CMOS固体撮像装置は、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、さらにカメラ付き携帯電話などの各種携帯端末機器等に用いられている。
【0003】
従来のCMOS固体撮像装置では、光電変換部となるフォトダイオード(PD)の電荷をフローティングディフュージョン部(FD)に転送し、フローティングディフュージョン部の電位を読み取ることで画素信号を取り出すものが多く知られている。その場合、フローティングディフュージョン部の容量が小さいと、電圧に変換されるゲインが上がり、それ以後のノイズが小さく見えるためS/Nは良いが、扱える電荷量が少ない。逆に、フローティングディフュージョン部の容量が大きいと、扱える電荷量は大きくなるが、S/Nが低くなる。
【0004】
この取り扱い電荷量とS/Nのトレードオフの関係を解決するために、フローティングディフュージョン部を2つの容量で構成する固体撮像装置が提案されている。この固体撮像装置では、電荷量が少ないときは、1つの容量(FD1)で読み出した信号(S1)を使い、電荷量が多いときは、2つの容量(FD1,FD2)で読み出した信号(S2)を使うようになされている。特許文献1、2、3は、このような固体撮像装置の従来例を示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭63−67976号公報
【特許文献2】特表2009−505498号公報
【特許文献3】国際公開WO2005/083790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これらの固体撮像装置を実施するとした場合も、フローティングディフュージョン部が1個だけのものと同様に、上記信号S1やS2と、FD1やFD2がリセットされた状態の1個または2個のリセットレベル信号(N)との差分をとって、実際の信号とする。しかし、従来例の駆動方法では、以下の問題点が有ることが分かった。
【0007】
(1)信号S1とS2の少なくとも一方は、差分をとってもリセットノイズ等が除去できない。又はフレームメモリが必要となる。
(2)差分をとる回路に制限がかかる。すなわち、リセットレベル信号Nと信号Sの読み出す順番が逆でも対応しなければならない。差分をとるときも、元の信号を壊してはならない。
【0008】
例えば、特許文献1は、フォトダイオードPDが1つ目のフローティングディフュージョン部FDを兼ねている。従って、いわゆる3トランジスタ型の画素と同じく、信号S1とS2を出力した後に、フォトダイオードPDをリセットしてリセットレベル信号Nを取ることになり、リセットレベル信号Nとの差分を取っても両方の信号S1、S2にリセットノイズが残る。
【0009】
特許文献2は、フォトダイオードPDとフローティングディフュージョン部FDが転送トランジスタで分離されている、いわゆる4トランジスタ型の画素との組み合わせである。従って、4トランジスタ型の画素と同じく、信号S1とリセットレベル信号Nとの差分を取ることでリセットノイズが除去できる。しかし、特許文献2で開示されている駆動方法では、信号S2には2つの容量を分けるトランジスタDCGの電荷分配に起因するノイズが、リセットレベル信号Nとの差分を取っても除去できない。また、信号がN→S1→S2の順に出てくるので、S1とNとの差分を取るときもリセットレベル信号Nを壊さずに保持しておかないと、S2とNの差分を取ることができない。従って、使えるカラム処理回路に制限がかり、或いはリセットレベル信号Nを保持するための、面積をとる容量が必要になる。すなわち、ノイズに注意すると面積の広い容量が必要になる等の問題があった。
【0010】
特許文献3は、フローティングディフュージョン部FDを2つに分割している別の例である。この例は、蓄積時にフォトダイオードPDからフローティングディフュージョン部FDへ電荷をオーバーフローさせて、フローティングディフュージョン部FDにも電荷を埋めることを前提としている。この例では、信号S2にリセットノイズと、蓄積期間の分のフローティングディフュージョン部FDの暗電流とが乗る。また、信号がN1→S1→S2→N2の順に出てくるので、カラム処理回路はリセットレベルと信号レベルのどちらが先に出ても対応できるものである必要がある。
【0011】
本発明は、上述の点に鑑み、複数のフローティングディフュージョン部を有する画素を備えて、小信号、大信号に対応して夫々の信号共に、カラム処理回路でのリセットノイズの除去を可能にした固体撮像装置とその駆動方法を提供するものである。
本発明は、かかる固体撮像装置を備えたカメラ等の電子機器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る固体撮像装置は、複数の画素が配列された画素領域を有する。画素は、光電変換部と、転送トランジスタと、光電変換部からの電荷を、転送トランジスタを通じて受け取る複数のフローティングディフュージョン部を備える。さらに画素は、フローティングディフュージョン部をリセットするリセットトランジスタと、複数のフローティングディフュージョン部の接続をオン・オフ制御する分離トランジスタを備える。さらに画素は、フローティングディフュージョン部の電位に対応する信号を出力する増幅トランジスタを備える。そして、本固体撮像装置は次のように動作する。光電変換部から見て初段のフローティングディフュージョン部を、リセットトランジスタを介してリセットして、該初段のフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込む。光電変換部から初段のフローティングディフュージョン部へ転送トランジスタを通じて電荷転送して該電荷を含む初段のフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込む。分離トランジスタをオンして光電変換部から見て前段のフローティングディフュージョン部と後段のフローティングディフュージョン部を接続する。そして、この接続されたフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込む。光電変換部から前記接続されたフローティングディフュージョン部へ転送トランジスタを通じて電荷転送して該電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込む。後段回路において、電荷転送後の初段のフローティングディフュージョン部の出力と、リセットした初段のフローティングディフュージョン部の出力との差分をとる。また、光電変換部から転送された電荷を含む接続されたフローティングディフュージョン部の出力と、電荷転送前の接続されたフローティングディフュージョン部の出力との差分をとるようにする。
【0013】
本発明の固体撮像装置では、小信号、大信号に対応して夫々の信号共に、カラム処理回路でのリセットノイズの除去が可能になる。
【0014】
本発明に係る固体撮像装置の駆動方法は、複数の画素が配列された画素領域を有し、画素が次の要素を有する固体撮像装置を備える。画素は、光電変換部と、転送トランジスタと、光電変換部からの電荷を、転送トランジスタを通じて受け取る複数のフローティングディフュージョン部と、フローティングディフュージョン部をリセットするリセットトランジスタを有する。さらに画素は、複数のフローティングディフュージョン部の接続をオン・オフ制御する分離トランジスタと、フローティングディフュージョン部の電位に対応する信号を出力する増幅トランジスタを有する。
【0015】
そして、光電変換部から見て初段のフローティングディフュージョン部を、リセットトランジスタを介してリセットして、該初段のフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込む。光電変換部から初段のフローティングディフュージョン部へ転送トランジスタを通じて電荷転送して該電荷を含む初段のフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込む。分離トランジスタをオンして光電変換部から見て前段のフローティングディフュージョン部と後段のフローティングディフュージョン部を接続して該接続されたフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込む。光電変換部から接続されたフローティングディフュージョン部へ転送トランジスタを通じて電荷転送して該電荷を含む接続されたフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込む。後段回路において、電荷転送後の初段のフローティングディフュージョン部の出力と、リセットした初段のフローティングディフュージョン部の出力との差分をとる。また、光電変換部から転送された電荷を含む接続されたフローティングディフュージョン部の出力と、電荷転送前の接続されたフローティングディフュージョン部の出力との差分をとる。
【0016】
本発明の固体撮像装置の駆動方法では、小信号、大信号に対応して夫々の信号共に、カラム回路でのリセットノイズの除去が可能になる。
【0017】
本発明に係る電子機器は、固体撮像装置と、固体撮像装置の光電変換部に入射光を導く光学系と、固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路とを備える。固体撮像装置は、上記本発明の固体撮像装置で構成される。
【0018】
本発明の電子機器では、上記固体撮像装置を備えるので、小信号、大信号に対応してそれぞれの信号共に、カラム処理回路でのリセットノイズ除去が可能になる。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る固体撮像装置及びその駆動方法によれば、複数のフローティングディフュージョン部を有する画素を備えて、小信号、大信号に対応してそれぞれの信号共に、カラム処理回路でのリセットノイズ除去を可能にする。従って、画質の向上を図ることができる。
【0020】
本発明に係る電子機器によれば、上記固体撮像装置において、小信号、大信号に対応してそれぞれの信号共に、カラム処理回路でのリセットノイズ除去を可能にするので、画質が向上し、高品質の電子機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】CMOS固体撮像装置の例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る固体撮像装置の第1実施の形態を示す画素の等価回路図である。
【図3】第1実施の形態に係る固体撮像装置の駆動方法を示す駆動タイミング波形図である。
【図4】第1実施の形態に係る固体撮像装置の駆動時のポテンシャル図である。
【図5】本発明に係る固体撮像装置の第2実施の形態を示す駆動タイミング波形図である。
【図6】第2実施の形態に係る固体撮像装置の駆動方法を示す駆動タイミング波形図である。
【図7】本発明の固体撮像装置の画素の変形例に係る等価回路図である。
【図8】本発明に係る固体撮像装置の第3実施の形態を示す画素の等価回路図である。
【図9】第3実施の形態に係るフォトダイオードと第1、第2フローティングディフュージョン部を含む部分の概略断面図である。
【図10】第3実施の形態に係る固体撮像装置の駆動時のポテンシャル図である。
【図11】本発明に係る固体撮像装置の第4実施の形態を示す画素の等価回路図である。
【図12】第4実施の形態に係る駆動タイミング波形図である。
【図13】第4実施の形態に係る固体撮像装置の駆動時のポテンシャル図(その1)である。
【図14】第4実施の形態に係る固体撮像装置の駆動時のポテンシャル図(その2)である。
【図15】本発明に係る固体撮像装置の第5実施の形態を示す画素の等価回路図である。
【図16】第5実施の形態に係る固体撮像装置の駆動タイミング波形図である。
【図17】本発明の第6実施の形態に係る電子機器を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.CMOS固体撮像装置の概略構成例
2.第1実施の形態(固体撮像装置の構成例とその駆動方法)
3.第2実施の形態(固体撮像装置の構成例とその駆動方法)
4.第3実施の形態(固体撮像装置の構成例とその駆動方法)
5.第4実施の形態(固体撮像装置の構成例とその駆動方法)
6.第5実施の形態(固体撮像装置の構成例とその駆動方法)
7.第6実施の形態(電子機器の構成例)
【0023】
<1.CMOS固体撮像装置の概略構成例>
図1に、本発明の実施の形態に適用されるCMOS固体撮像装置の一例の概略構成を示す。本例のCMOS固体撮像装置1は、半導体基板11例えばシリコン基板に光電変換部を含む複数の画素2が規則的に2次元行列状に配列された画素領域3と、周辺回路部とを有して構成される。画素2としては、後述するように、1つの光電変換部と複数のフローティングディフュージョン部と複数の画素トランジスタからなる単位画素を適用することができる。また、画素2としては、複数のフローティングディフュージョン部と、複数の光電変換部が転送トランジスタを除く他の画素トランジスタを共有した、いわゆる画素共有の構造を適用することができる。複数の画素トランジスタは、転送トランジスタ、リセットトランジスタ、増幅トランジスタ及び選択トランジスタの4トランジスタに、さらに分離トランジスタを加えた構成とすることができる。あるいは複数の画素トランジスタは、選択トランジスタを省略した3トランジスタに、さらに分離トランジスタを加えたで構成とすることができる。
【0024】
周辺回路部は、垂直駆動回路4と、カラム処理回路5と、水平駆動回路6と、出力回路7と、制御回路8など、いわゆるアナログ回路やロジック回路を有して構成される。
【0025】
制御回路8は、入力クロックと、動作モードなどを指令するデータを受け取り、また固体撮像装置の内部情報などのデータを出力する。さらに、制御回路8では、垂直同期信号、水平同期信号及びマスタクロックに基いて、垂直駆動回路4、カラム処理回路5及び水平駆動回路6などの動作の基準となるクロック信号や制御信号を生成する。そして、これらの信号を垂直駆動回路4、カラム処理回路5及び水平駆動回路6等に入力する。
【0026】
垂直駆動回路4は、例えばシフトレジスタによって構成され、画素駆動配線を選択し、選択された画素駆動配線に画素を駆動するためのパルスを印加し、行単位で画素を駆動する。すなわち、垂直駆動回路4は、画素領域3の各画素2を行単位で順次垂直方向に選択走査する。そして、垂直信号線9を通して各画素2の光電変換素子となる例えばフォトダイオードにおいて受光量に応じて生成した信号電荷に基く画素信号をカラム処理回路5に印加する。
【0027】
カラム処理回路5は、画素2の例えば列ごとに配置されており、1行分の画素2から出力される画像信号を受け、画素列ごとに信号レベルとリセットレベルの差分をとり、ノイズ除去などの信号処理を行う。すなわちカラム処理回路5は、画素2固有の固定パターンノイズを除去するためのCDSや、信号増幅、AD変換等の信号処理を行う。カラム処理回路5の出力段には水平選択スイッチ(図示せず)が水平信号線10との間に接続されて設けられる。
【0028】
水平駆動回路6は、例えばシフトレジスタによって構成され、水平走査パルスを順次出力することによって、カラム処理回路5の各々を順番に選択し、カラム処理回路5の各々から画素信号を水平信号線10に出力させる。
【0029】
出力回路7は、カラム処理回路5の各々から水平信号線10を通して順次に印加される画像信号に対し、ゲイン調整や傷補正などの信号処理を行って出力する。例えば、バファリングだけする場合もあるし、黒レベル調整、列ばらつき補正、各種デジタル信号処理などが行われる場合もある。入出力端子12は、外部と信号のやりとりをする。
【0030】
<2.第1実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
本発明に係る固体撮像装置の第1実施の形態は、複数の画素が2次元行列状に配列された画素領域を有し、画素が次の要素を備える。画素は、物理量を検出し、物理量に応じた電荷を蓄える蓄積部、すなわち光電変換部となるフォトダイオードPDと、フォトダイオードPDから電荷を転送する転送トランジスタを備える。また、画素は、フォトダイオードPDからの電荷を、転送トランジスタを通じて受け取る複数の検出部、すなわち複数のフローティングディフュージョン部FDと、フローティングディフュージョン部PDをリセットするリセットトランジスタを備える。さらに、画素は、複数のフローティングディフュージョン部FD間の接続をオン・オフ制御する分離トランジスタと、フローティングディフュージョン部FDの電位に対応する信号を出力する増幅トランジスタを備える。
【0031】
図2に、第1実施の形態に係る固体撮像装置の画素の等価回路を示す。本実施の形態では、2つのフローティングディフュージョン部FD1、FD2を有して構成される。画素21は、1つのフォトダイオードPDと、各1つの転送トランジスタTr1、リセットトランジスタTr2、増幅トランジスタTr3、選択トランジスタTr4及び分離トランジスタTr5と、2つのフローティングディフュージョン部FD1、FD2を備える。
【0032】
すなわち、フォトダイオードPDは、転送トランジスタTr1を介して第1フローティングディフュージョン部FD1に接続される。第1フローティングディフュージョン部FD1は、増幅トランジスタTr3のゲートに接続されると共に、分離トランジスタTr5を介して第2フローティングディフュージョン部FD2に接続される。第2フローティングディフュージョン部FD2は、リセットトランジスタTr2に接続されると共に、容量素子Cに接続される。容量素子Cの他端は接地される。この例では、第2フローティングディフュージョン部FD2は、寄生容量だけでなく、容量素子Cによりトータルの容量を稼いでいる。容量素子Cは、例えば、ポリシリコンなどで形成しても良いし、別の例では、容量素子Cをあらわに作らず拡散層の寄生容量を利用するだけでも良い。一例として、容量素子Cは、ポリシリコン膜―ゲート酸化膜―Si基板の構造で構成してもよいし、1層目ポリシリコン膜―SiNなどの層間膜―2層目ポリシリコン膜の構造で構成してもよい。増幅トランジスタTr3は、そのドレインが選択トランジスタTr4に接続され、そのソースが垂直信号線9に接続される。さらに、リセットトランジスタTr2及び選択トランジスタTr4のそれぞれのドレインが電源Vddに接続される。
【0033】
小信号と大信号の読み出しを好適にするためには、第2フローティングディフュージョン部FD2は、第1フローティングディフュージョン部FD1の2倍〜20倍程度の容量を有することが望ましい。そして、第2フローティングディフュージョン部FD2の容量は、フォトダイオードPDFの飽和電荷を丁度受け切れる程度が良い。第2フローティングディフュージョン部FD2の容量が小さすぎると、信号S1と信号S2のゲインの差が小さく、効果が小さくなる。大きすぎると、S2でほとんど全ての信号領域を扱うことになりS1の意味があまり無くなる。
【0034】
転送トランジスタTr1のゲートは、転送配線15に接続される。分離トランジスタTr5のゲートは、分離配線16に接続される。選択トランジスタTr4のゲートは選択配線17に接続される。リセットトランジスタTr2のゲートは、リセット配線18に接続される。
【0035】
上記画素21では、選択トランジスタTr4がオン状態のとき、増幅トランジスタTr3は第1フローティングディフュージョン部FD1の電位に対応した信号を垂直信号線9に出力する。また、増幅トランジスタTr3は、分離トランジスタTr5がオンした状態では、接続された第1及び第2フローティングディフュージョン部FD1及びFD2の電位に対応した信号を垂直信号線9に出力する。この垂直信号線9が前述したように後段回路であるカラム処理回路に接続され、垂直信号線9に出力された信号がカラム処理回路に取り込まれる。リセットトランジスタTr2は、第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2の電荷を電源Vdd、すなわち電源配線に排出して第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2をリセットする。
【0036】
本実施の形態の固体撮像装置は、次に述べる駆動方法により駆動するように構成される。
【0037】
[駆動方法]
図3及び図4に、第1実施の形態の固体撮像装置の駆動方法を示す。図3に、画素21を読み出すときの駆動タイミングを示し、図4に駆動時のポテンシャルを示す。本実施の形態の固体撮像装置では、信号電荷として電子を用いている。画素を読み出す前にフォトダイオードPDには多くの電荷(電子)eが蓄積されているとする(図4(1)参照)。
【0038】
図3に示すように、選択配線17を通じて選択パルスPselを印加して選択トランジスタTr4をオンして画素を選択する。この状態で、リセット配線18及び分離配線16を通じて夫々リセットパルスPrst及び分離パルスPsepを印加してリセットトランジスタTr2及び分離トランジスタTr5をオンし、フローティングディフュージョン部FD1及びFD2をリセットする。リセットトランジスタTr2及び分離トランジスタTr5をオフすることで、図3の時点(1)及び図4(1)の状態になる。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力しているリセットレベル信号を、N1としてカラム処理回路に取り込む。
【0039】
次に、図3の時点(2)で転送トランジスタTr1に転送配線15を通じて転送パルスPtgを印加して転送トランジスタTr1をオンし、フォトダイオードPDから電荷eを第1フローティングディフュージョン部FD1へ転送する。このとき、電荷eが多い場合は、フォトダイオードPD側にも電荷eが残る(図4(2)参照)。
【0040】
次に、図3の時点(3)で示すように、転送トランジスタTr1をオフする。この時点(3)で電荷eは、第1フローティングディフュージョン部FD1に溜められる(図4(3)参照)。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している第1フローティングディフュージョンFD1の信号を、S1としてカラム処理回路に取り込む。
【0041】
信号N1に電荷による信号が乗って信号S1になっているので、カラム処理回路のCDS処理で信号S1と信号N1の差分をとることで、リセットノイズなどを除去した信号を得ることができる。
【0042】
フォトダイオードPDの電荷eが多いときは、図4(3)に示すように、フォトダイオードPD側に電荷eが残り、電荷eが少ないときは、フォトダイオードPD側には残らず、第1フローティングディフュージョン部FD1に完全転送される。信号S1は、電荷eが少ないときに正しい信号としてえられる。この信号は、第1フローティングディフュージョン部FD1だけを用いるので、ゲインの高い信号となる。
【0043】
次に、図3の時点(4)に示すように、分離配線16を通じて分離パルスPsepを印加して分離トランジスタTr5をオンし、第1及び第2フローティングディフュージョン部FD1及びFD2を接続する。第1フローティングディフュージョン部FD1の信号S1は、接続されたフローティングディフュージョン部FD1及びFD2にわたって蓄積されることになる(図4(4)参照)。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している信号を、N2としてカラム処理回路に取り込む。
【0044】
次に、図3の時点(5)に示すように、再度転送パルスPtgを印加して、転送トランジスタTr1をオンし、フォトダイオードPDの残りの電荷eを接続されているフローティングディフュージョン部FD1、FD2に転送する。このとき、第1フローティングディフュージョン部FD1と第2フローティングディフュージョン部FD2が接続されて、容量が大きくなっているので、フォトダイオードPDに電荷eが残らない(図4(5)参照)。
【0045】
次に、図3の時点(6)で転送トランジスタTr1をオフする。この時点(6)で電荷eは、接続されている第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2に溜められる(図4(6)参照)。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している信号を、S2としてカラム処理回路に取り込む。
【0046】
信号N2に電荷による信号が乗って信号S2になっているので、カラム処理回路のCDS処理で信号S2と信号N2の差分をとることで、リセットノイズなどを除去した信号を得ることができる。この信号は、残りの電荷eが多い時も少ない時も正しい信号として得られる。但し、この信号は、ゲインが低い信号である。
【0047】
次いで、信号S1と信号N1との差分を取った信号と、信号S2と信号N2との差分を取った信号を、出力部において入力換算ゲインを揃えて加算する。ここで、入力換算ゲインを揃えるとは、同じ光電子数に対しては同じ信号値になるよう、2つの差分信号に対して出力部では異なるゲインをかけることである。入力換算ゲインを揃えて加算する処理は、アナログ信号で行ってもよいし、AD変換後にデジタル信号で行ってもよい。また、この処理は、出力部でなくとも、カラム回路部や固体撮像装置の外部で行うことも可能である。
【0048】
S1−N1の差分信号が一定値より小さい小信号の場合には、このS1−N1の差分信号を採用し、そうでない大信号の場合はS1−N1の差分信号とS2−N2の差分信号を加算した信号を採用する。これにより、暗い部分は高ゲインできれいに撮影することができ、明るい部分は低ゲインで白飛びしにくく撮影することができる。
【0049】
小信号の場合でも、S1−N1の差分信号による1回の読み出しで、フォトダイオードPDの電荷eがゼロになっていても、2回の読み出しを行い、S1−N1の差分信号を採用することが、好ましい。
【0050】
第1実施の形態に係る固体撮像装置及びその駆動方法によれば、フローティングディフュージョン部FDをFD1とFD2に2分割して高ゲインと低ゲインの信号を出力する。この場合に、両方の信号が、リセットレベル信号→リセットレベル信号に信号電荷が乗った信号、の順で出力される。すなわち、N1→S1→N2→S2の順に信号が出力される。従って、両方の信号とも、カラム処理回路でCDS処理することができ、リセットノイズなどを除去することができる。
【0051】
本実施の形態に係るカラム処理回路は、通常のCMOS固体撮像装置のカラム処理回路を流用できるなど、カラム処理回路上の制限が少ない。すなわち、本実施の形態のカラム処理回路は、フローティングディフュージョン部を分割していない現在主流の画素に対応する、N→Sの順に出力された信号の差分を取る通常のカラム処理回路で対応することができる。
【0052】
本実施の形態では、信号が2セット出力されるので、カラム処理回路は、画素1列に対応して2個配置してもよい。あるいは、カラム処理回路は、画素1列に対応して1個配置し、1個のカラム処理回路を2回用いてもよい。差分をとるときに、信号Nを保持する必要がないので、別途リセットレベルを保持しておくための、サンプルホールド用の面積を取る容量を設ける必要がない。因みに、別途リセットレベルを保持するための容量を設ける場合には、ノイズに注意するために面積の広い容量が必要になる。
【0053】
<3.第2実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
本発明に係る固体撮像装置の第2実施の形態は、前述の第1実施の形態で説明したと同様の画素領域及び画素(等価回路を含む)を有する。従って、画素領域及び画素の詳細説明は省略する。そして、本実施の形態の固体撮像装置は、次に述べる駆動方法により駆動するように構成される。
【0054】
[駆動方法]
図5及び図6に、第2実施の形態の固体撮像装置の駆動方法を示す。図5に、画素21を読み出すときの駆動タイミングを示し、図6に駆動時のポテンシャルを示す。本実施の形態の固体撮像装置では、信号電荷として電子を用いている。画素を読み出す前にフォトダイオードPDには多くの電荷(電子)eが蓄積されているとする(図6(1)参照)。
【0055】
本実施の形態の駆動方法は、図5に示すように、時点(3)と時点(4)との間に2回目のリセットパルスPrstを印加する点で第1実施の形態と異なり、それ以外のタイミング波形は第1実施の形態と同じである。
【0056】
すなわち、図5に示すように、選択配線17を通じて選択パルスPselを印加して選択トランジスタTr4をオンして画素を選択する。この状態で、リセット配線18及び分離配線16を通じて夫々リセットパルスPrst及び分離パルスPsepを印加してリセットトランジスタTr2及び分離トランジスタTr5をオンし、フローティングディフュージョン部FD1及びFD2をリセットする。図5の時点(1)及び図6(1)の状態になる。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している信号を、N1としてカラム処理回路に取り込む。
【0057】
次に、図5の時点(2)で転送トランジスタTr1に転送配線15を通じて転送パルスPtgを印加して転送トランジスタTr1をオンし、フォトダイオードPDから電荷eを第1フローティングディフュージョン部FD1へ転送する。このとき、電荷eが多い場合は、フォトダイオードPD側にも電荷eが残る(図6(2)参照)。
【0058】
次に、図5の時点(3)で示すように、転送トランジスタTr1をオフする。この時点(3)で電荷eは、第1フローティングディフュージョン部FD1に溜められる(図6(3)参照)。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している第1フローティングディフュージョンFD1の信号を、S1としてカラム処理回路に取り込む。
【0059】
カラム処理回路のCDS処理で、信号S1と信号N1の差分を取り、リセットノイズを除去した信号を得る。図6ではフォトダイオードPDの電荷eが多いので、図6(3)では、フォトダイオードPDに電荷eが残る。
ここまでは、第1実施の形態と同様である。
【0060】
次に、図5の時点(3)と時点(4)との間に、再度、リセットパルスPrstを印加して第1フローティングディフュージョン部FD1の信号S1を除去し、第1フローティングディフュージョンFD1をリセットする。同時に、分離パルスPsepを印加して分離トランジスタTr5をオンし、第1及び第2フローティングディフュージョン部FD1及びFD2を接続する(図6(4)参照)。このとき、接続されたフローティングディフュージョンFD1及びFD2の信号をN2として、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力し、カラム処理回路に取り込む。信号N2は、接続された第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2のリセットレベル信号に相当する。
【0061】
次に、図5の時点(5)に示すように、転送パルスPtgが印加されて転送トランジスタTr1がオンし、フォトダイオードPDの残りの電荷eが接続された第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2に転送される(図6(5)参照)。
【0062】
次に、図5の時点(6)で転送トランジスタTr1をオフする。このとき、接続されたフローティングディフュージョンFD1及びFD2の信号をS2として(図6(6)参照)、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力し、カラム処理回路に取り込む。信号S2は、信号N2に信号電荷eを上乗せした信号に相当する。
【0063】
そして、カラム処理回路のCDS処理で、信号S2と信号N2の差分を取り、リセットノイズを除去した信号を得る。その後、出力回路において、S1とN1の差分の信号と、S2とN2の差分の信号を、入力換算ゲインを揃えて加算する。
【0064】
第2実施の形態に係る固体撮像装置及びその駆動方法によれば、図5の時点(3)と時点(4)の間でリセットパルスPretの印加により、信号電荷S1が捨てられ、残りの信号がS2となる。S1−N1の差分の信号が一定値より小さい場合には、この差分の信号をそのまま採用する。そうでない場合は、S1−N1の差分の信号に、S2−N2の差分の信号を、入力換算ゲインを揃えて加算することで、第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
第2実施の形態では、第1実施の形態と異なり、信号S1を一旦除去するので、第2フローティングディフュージョン部FD2の容量が小さくて済む。また、信号N2のレベルが毎回一定になるので、垂直信号線の出力レンジが狭い設計で済むこと等が長所である。
【0066】
[画素等価回路の変形例]
図7に、第1実施の形態、第2実施の形態における画素の等価回路の変形例を示す。本例の画素の等価回路は、リセットトランジスタTr2を第1フローティングディフュージョン部FD1側に接続している。図では電源Vddが2個設けられているが、リセットトランジスタTr2に接続された電源Vddは、下側の画素等価回路の選択トランジスタTr4に接続された電源Vddと共有しており、実質的には、電源は1個である。それ以外の構成は、図2と同様であるので重複説明を省略する。
【0067】
この等価回路の画素を備えた固体撮像装置においても、図2の等価回路の画素を備えた第1実施の形態、第2実施の形態で説明したと同様の駆動方法が採られ、同様の効果を奏する。
【0068】
<4.第3実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
本発明に係る固体撮像装置の第3実施の形態について説明する。図8は、本実施の形態の画素の等価回路を示す。この等価回路では、リセットトランジスタTr2を第1フローティングディフュージョン部FD1側に接続すると共に、分離トランジスタTr5のドレイン領域を省略して構成される。図9に、第1フローティングディフュージョン部FD1、分離トランジスタTr5及び第2フローティングディフュージョン部FD2の概略断面構造を示す。第1導電型、例えばp型の半導体ウェル領域(シリコン)23に、フォトダイオードPDとn型半導体領域による第1フローティングディフュージョン部FD1が形成される。フォトダイオードPDと第1フローティングディフュージョンFD1との間にゲート絶縁膜24を介して転送ゲート電極25が形成され、ここに転送トランジスタTr1が形成される。一方、第1フローティングディフュージョンFD1をソースとして、半導体ウェル領域23の表面にゲート絶縁膜24を介して分離トランジスタTr5の分離ゲート電極26が形成される。ドレイン側に対応する部分には絶縁膜による素子分離領域27が形成され、ドレインとなる半導体領域は形成されない。
【0069】
図8の等価回路におけるその他の構成は、図7と同様であるので、対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0070】
図9に示すように、分離ゲート電極26に高レベルの分離パルスPsepが印加されると、分離ゲート電極26下のp型半導体ウェル領域23の表面に反転層28が形成される。この反転層28が第2フローティングディフュージョン部FD2として作用する。
【0071】
[駆動方法]
図10に、動作時の各領域のポテンシャルを示す。動作は基本的に図4で説明したと同様である。先ず、図10(1)に示すように、選択トランジスタTr4をオンして画素を選択した状態で、リセットトランジスタTr2をオンして第1フローティングディフュージョン部FD1をリセットする。このときのリセットレベル信号N1を垂直信号線9に出力してカラム処理回路に取り込む。
【0072】
次に、図10(2)に示すように、転送トランジスタTr1をオンしてフォトダイオードPDの電荷eを第1フローティングディフュージョン部FD1に転送する。
【0073】
次に、図10(3)に示すように、転送トランジスタTr1をオフする。このときの第1フローティングディフュージョン部FD1の信号をS1として、垂直信号線9に出力して、カラム処理回路に取り込む。そして、カラム処理回路のCDS処理で、信号S1と信号N1の差分を取り、リセットノイズが除去された信号を得る。
【0074】
次に、図10(4)に示すように、分離ゲート電極26に分離パルスPsepを印加して反転層28による第2フローティングディフュージョン部FD2を形成する。この第2フローティングディフュージョン部FD2は、第1フローティングディフュージョン部FD1と接続される。従って、信号S1が接続された第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2にわたり蓄積される。この接続された第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2の信号をN2として、垂直信号線9に出力し、カラム処理回路に取り込む。
【0075】
次に、図10(5)に示すように、転送トランジスタTr1をオンし、フォトダイオードPDFの残りの電荷eを接続されている第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2に転送する。
【0076】
次に、図10(6)に示すように、転送トランジスタTr1をオフする。このとき、接続された第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2の信号をS2として、垂直信号線9に出力し、カラム処理回路に取り込む。カラム処理回路のCDS処理で信号S2と信号N2の差分をとることで、リセットノイズなどを除去した信号を得ることができる。
【0077】
次いで、信号S1と信号N1との差分を取った信号と、信号S2と信号N2との差分を取った信号を出力部において入力換算ゲインを揃えて加算する。
【0078】
本実施の形態では、分離トランジスタTr5と、第2フローティングディフュージョン部FD2とが一体に構成された形になる。
【0079】
第3実施の形態に係る固体撮像装置及びその駆動方法によれば、第1実施の形態と同様の効果を奏する。
【0080】
<5.第4実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
本発明に係る固体撮像装置の第4実施の形態について説明する。第4実施の形態に係る固体撮像装置は、画素内に3つのフローティングディフュージョン部を配置して構成される。図11に、第4実施の形態の画素の等価回路を示す。画素22は、1つのフォトダイオードPDと、各1つの転送トランジスタTr1、リセットトランジスタTr2、増幅トランジスタTr3、選択トランジスタTr4を備える。さらに、画素22は、2つの分離トランジスタTr51、Tr52と、3つのフローティングディフュージョン部FD1、Fd2、FD3とを備える。
【0081】
すなわち、フォトダイオードPDは、転送トランジスタTr1を介して第1フローティングディフュージョン部FD1に接続される。第1フローティングディフュージョンFD1は、増幅トランジスタTr3のゲートに接続されると共に、第1分離トランジスタTr51を介して第2フローティングディフュージョン部FD2に接続される。第2フローティングディフュージョン部FD2は、第2分離トランジスタTr52を介して第3フローティングディフュージョン部FD3に接続される。第3フローティングディフュージョン部FD3は、リセットトランジスタTr2に接続され、リセットトランジスタTr2のドレインが電源Vddに接続される。第2フローティングディフュージョン部FD2及び第3フローティングディフュージョン部FD3と接地間には、それぞれ容量素子C1、C2が接続される。一方、増幅トランジスタTr3は、そのドレインが選択トランジスタTr4を介して電源Vddに接続され、そのソースが垂直信号線9に接続される。
【0082】
転送トランジスタTr1のゲートは、転送配線15に接続される。第1分離トランジスタTr51のゲート及び第2分離トランジスタTr52のゲートは、それぞれ第1分離配線161及び第2分離配線162に接続される。リセットトランジスタTr2のゲートは、リセット配線17に接続される。選択トランジスタTr4のゲートは、選択配線18に接続される。
【0083】
ここで、第1、第2、第3フローティングディフュージョン部FD1、FD2、FD3の容量の好ましい条件を示す。第2フローティングディフュージョン部FD2は、第1フローティングディフュージョン部FD1の2〜20倍が好ましく、第3フローティングディフュージョン部FD3は、第2フローティングディフュージョン部FD2の2〜20倍が好ましい。
【0084】
上記画素22では、選択トランジスタTr4がオン状態のとき、増幅トランジスタTr3は第1フローティングディフュージョン部FD1の電位に対応した信号を垂直信号線9に出力する。また、増幅トランジスタTr3は、第1分離トランジスタTr51がオンした状態では、接続された第1及び第2フローティングディフュージョン部FD1及びFD2の電位に対応した信号を垂直信号線9に出力する。増幅トランジスタTr3は、第1分離トランジスタTr51及び第2分離トランジスタTr52がオンした状態では、接続された第1、第2及び第3フローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3の電位に対応した信号を垂直信号線9に出力する。この垂直信号線9が前述したように後段回路であるカラム処理回路に接続され、垂直信号線9に出力された信号がカラム処理回路に取り込まれる。リセットトランジスタTr2は、第1、第2及び第3フローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3の電荷を電源Vdd、すなわち電源配線に排出して第1、第2及び第3ローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3をリセットする。
【0085】
そして、本実施の形態の固体撮像装置は、次に述べる駆動方法により駆動するように構成される。その他の構成は、第1実施の形態と同様である。
【0086】
[駆動方法]
図12〜図14に、第4実施の形態の固体撮像装置の駆動方法を示す。図12に、画素21を読み出すときの駆動タイミングを示し、図13及び図14にその時のポテンシャルを示す。本実施の形態の固体撮像装置では、信号電荷として電子を用いている。画素を読み出す前にフォトダイオードPDには多くの電荷(電子)eが蓄積されているとする(図13(1)参照)。
【0087】
図12に示すように、選択配線17を通じて選択パルスPselを印加して選択トランジスタTr4をオンして画素を選択する。この状態で、リセット配線18を通じてリセットパルスPrstを印加してリセットトランジスタTr2をオンする。同時に、第1分離配線161及び第2分離配線162を通じて夫々第1分離パルスPsep1及び第2分離パルスPsep2を印加して第1分離トランジスタTr51及び第2分離トランジスタTr52をオンする。これにより、第1、第2及び第3フローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3を接続し、第1、第2及び第3フローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3をリセットする。リセットトランジスタTr2、第1、第2分離トランジスタTr51、Tr52をオフすることで。図12の時点(1)及び図13(1)の状態になる。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している第1フローティングディフュージョン部FD1のリセットレベル信号を、N1としてカラム処理回路に取り込む。
【0088】
次に、図12の時点(2)で、転送トランジスタTr1に転送配線15を通じて転送パルスPtgを印加して転送トランジスタTr1をオンし、フォトダイオードPDから電荷eを第1フローティングディフュージョン部FD1へ転送する。このとき、電荷eが多い場合は、フォトダイオードPD側にも電荷eが残る(図13(2)参照)。
【0089】
次に、図12の時点(3)で示すように、転送トランジスタTr1をオフする。この時点(3)で電荷eは、第1フローティングディフュージョン部FD1に溜められる(図13(3)参照)。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している第1フローティングディフュージョンFD1の信号を、S1としてカラム処理回路に取り込む。
【0090】
カラム処理回路のCDS処理で、信号N1に電荷による信号が乗った信号S1と、信号N1との差分をとることで、リセットノイズなどを除去した第1信号を得る。
【0091】
次に、図12時点(4)に示すように、第1分離配線161を通じて第1分離パルスPsep1を印加して第1分離トランジスタTr51をオンし、第1及び第2フローティングディフュージョン部FD1及びFD2を接続する。第1フローティングディフュージョン部FD1の信号S1は、接続されたフローティングディフュージョン部FD1及びFD2にわたって蓄積される(図13(4)参照)。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している信号(接続されているFD1及びFD2の信号)をN2としてカラム処理回路に取り込む。
【0092】
次に、図12の時点(5)に示すように、転送パルスPtgを印加して、転送トランジスタTr1をオンし、フォトダイオードPDの電荷eを接続されているフローティングディフュージョン部FD1、FD2に転送する。
【0093】
次に、図12の時点(6)で転送トランジスタTr1をオフする。この時点(6)で電荷eは、接続されている第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2に溜められる(図13(6)参照)。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している信号(接続されているFD1及びFD2の信号)を、S2としてカラム処理回路に取り込む。
【0094】
カラム処理回路のCDS処理で、信号N2に電荷による信号が乗った信号S2と信号N2の差分をとることで、リセットノイズなどを除去した第2信号を得る。
【0095】
次に、図12時点(7)に示すように、第1分離トランジスタTr51がオン状態で、第2分離配線162を通じて第2分離パルスPsep2を印加して第2分離トランジスタTr51をオンする。これにより、第1、第2及び第3フローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3が接続され、信号S2が第1、第2及び第3フローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3にわたって蓄積される(図1314(7)参照)。このとき、増幅、FD2及びFD3の信号)をN3としてカラム処理回路に取り込む。
【0096】
次に、図12の時点(8)に示すように、転送パルスPtgを印加して、転送トランジスタTr1をオンし、フォトダイオードPDの残りの電荷eを接続されているフローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3に転送する。
【0097】
次に、図12の時点(9)で転送トランジスタTr1をオフする。この時点(9)で電荷eは、接続されている第1、第2及び第3フローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3に溜められる(図13(9)参照)。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している信号(接続されているFD1、FD2及びFD2の信号)を、S3としてカラム処理回路に取り込む。
【0098】
カラム処理回路のCDS処理で、信号N3に電荷による信号が乗った信号S3と信号N3の差分をとることで、リセットノイズなどを除去した第3信号を得る。
【0099】
次いで、上記第1信号と第2信号と第3信号を出力部において入力換算ゲインを揃えて加算する。
【0100】
小信号のときは第1信号を採用し、中信号のときは第1信号と第2信号を加算した信号を採用し、大信号のときは第1信号、第2信号及び第3信号を加算した信号を採用する。前述と同様に、小信号、中信号、大信号のいずれの場合も、3回の読み出しを行う。
【0101】
第4実施の形態に係る固体撮像装置及びその駆動方法によれば、フローティングディフュージョン部FDをFD1、FD2、FD3に3分割している。高ゲインと中ゲインと低ゲインの信号を出力する場合に、各信号が、リセットレベル信号→リセットレベル信号に信号電荷が乗った信号、の順で出力される。すなわち、N1→S1→N2→S2→N3→S3の順に信号が出力される。従って、各信号とも、カラム処理回路でCDS処理することができ、リセットノイズなどを除去することができる。その他、第1実施の形態で説明した効果を奏する。
【0102】
[変形例]
図11の画素を備えた固体撮像装置において、第2実施の形態と同様の駆動方法を採用することができる。すなわち、図13(3)の後に信号S1をリセットして、第1分離トランジスタTr51をオンして、第1及び第2フローティングディフュージョン部FD1及びFD2を接続する。接続されたFD1、FD2の信号S1の無い信号N2をカラム処理回路に取り込む。次に、フォトダイオードPDの電荷eを接続されている第1、第2フローティングディフュージョンFD1、FD2に転送して、接続されているFD1、FD2の信号S2をカラム処理回路に取り込み、CDS処理してS2−N2の差分の第2信号を得る。
【0103】
次に、信号S2をリセットした後、第2分離トランジスタTr52をオンして、第1、FD2及び第3フローティングディフュージョン部FD1、FD2及びFD3を接続する。接続されたFD1、FD2及びFD3の信号S2の無い信号N3をカラム処理回路に取り込む。次に、フォトダイオードPDの残りの電荷eを接続されている第1、第2及びFD3フローティングディフュージョンFD1、FD2及びFD3に転送する。電荷転送された、接続されているFD1、FD2及びFD3の信号S3をカラム処理回路に取り込み、CDS処理してS3−N3の差分の第3信号を得る。そして、出力部において、入力換算ゲインを揃えて第1信号と第2信号と第3信号を加算する。
【0104】
この変形例に係る固体撮像装置及びその駆動方法によれば、信号S1、S2を一旦除去するので、第2、第3のフローティングディフュージョン部FD2、FD3の容量が小さくて済む。また、信号N2、N3のレベルが毎回一定になるので、垂直信号線の出力レンジが狭い設計で済むこと等、第2実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0105】
<6.第5実施の形態>
[固体撮像装置の構成例]
本発明に係る固体撮像装置の第5実施の形態について説明する。第5実施の形態に係る固体撮像装置は、画素として画素共有構造、本例では2画素共有構造を備えた固体撮像装置に適用した場合である。図15に、第5実施の形態の画素の等価回路を示す。画素31は、2つのフォトダイオードPD1、PD2と、2つの転送トランジスタTr11、Tr12と、共有する1つのリセットトランジスタTr2、増幅トランジスタTr3及び選択トランジスタTr4を備える。さらに、画素31は、2つのフローティングディフュージョンFD1、FD2と、1つの分離トランジスタTr5を備える。
【0106】
すなわち、フォトダイオードPD1及びPD2は、それぞれ第1及び第2転送トランジスタTr11及びTr12を介して第1フローティングディフュージョン部FD1に接続される。第1フローティングディフュージョン部FD1は、増幅トランジスタTr3のゲートに接続されると共に、分離トランジスタTr5を介して第2フローティングディフュージョン部FD2に接続される。第2フローティングディフュージョン部FD2は、リセットトランジスタTr2に接続され、リセットトランジスタTr2のドレインが電源Vddに接続される。第2フローティングディフュージョン部FD2と接地間には容量素子Cが接続される。一方、増幅トランジスタTr3は、そのドレインが選択トランジスタTr4を介して電源Vddに接続され、そのソースが垂直信号線9に接続される。
【0107】
第1転送トランジスタTr11のゲートは、第1転送配線151に接続される。第2転送トランジスタTr12のゲートは、第2転送配線152に接続される。分離トランジスタTr5のゲートは、分離配線16に接続される。リセットトランジスタTr2のゲートは、リセット配線1718に接続される。選択トランジスタTr4のゲートは、選択配線1817に接続される。
【0108】
そして、本実施の形態の固体撮像装置は、次に述べる駆動方法により駆動するように構成される。その他の構成は、第1実施の形態で説明したと同様である。
【0109】
[駆動方法]
図16に示すように、選択配線17を通じて選択パルスPselを印加して選択トランジスタTr4をオンして画素を選択する。この状態で、リセット配線18を通じてリセットパルスPrstを印加してリセットトランジスタTr2をオンする。同時に、分離配線16を通じて分離パルスPsepを印加して分離トランジスタTr5をオンして、第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2を接続し、第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2をリセットする。
【0110】
リセットトランジスタTr2及び分離トランジスタTr5をオフすることで、図16の時点(1)の状態になる。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している第1フローティングディフュージョン部FD1のリセットレベル信号をN1としてカラム処理回路に取り込む。
【0111】
次に、図16の時点(2)で、第1転送トランジスタTr11に第1転送配線151を通じて第1転送パルスPtg1を印加して第1転送トランジスタTr11をオンする。これにより、第1フォトダイオードPD1からの電荷eを第1フローティングディフュージョン部FD1に転送する。このとき、電荷eが多い場合は、フォトダイオードPD側にも電荷eが残る。
【0112】
次に、図16の時点(3)で示すように、第1転送トランジスタTr11をオフする。この時点(3)で電荷eは、第1フローティングディフュージョン部FD1に溜められる。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している第1フローティングディフュージョンFD1の信号を、S1としてカラム処理回路に取り込む。
【0113】
カラム処理回路のCDS処理で、信号N1に電荷による信号が乗った信号S1と、信号N1との差分をとることで、リセットノイズなどを除去した第1信号を得る。
【0114】
次に、図16の時点(4)に示すように、分離配線16を通じて分離パルスPsep1を印加して分離トランジスタTr5をオンし、第1及び第2フローティングディフュージョン部FD1及びFD2を接続する。第1フローティングディフュージョン部FD1の信号S1は、接続されたフローティングディフュージョン部FD1及びFD2にわたって蓄積される。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している信号(接続されているFD1及びFD2の信号)をN2としてカラム処理回路に取り込む。
【0115】
次に、図16の時点(5)に示すように、第1転送パルスPtg1を印加して、第1転送トランジスタTr11をオンし、第1フォトダイオードPD1の電荷eを接続されているフローティングディフュージョン部FD1、FD2に転送する。
【0116】
次に、図16の時点(6)で第1転送トランジスタTr1をオフする。この時点(6)で電荷eは、接続されている第1、第2フローティングディフュージョン部FD1、FD2に溜められる。このとき、増幅トランジスタTr3を通じて垂直信号線9に出力している信号(接続されているFD1及びFD2の信号)を、S2としてカラム処理回路に取り込む。
【0117】
カラム処理回路のCDS処理で、信号N2に電荷による信号が乗った信号S2と信号N2の差分をとることで、リセットノイズなどを除去した第2信号を得る。
【0118】
次いで、上記第1信号と第2信号を出力部において入力換算ゲインを揃えて加算する。
【0119】
次に、図16の時点(7)〜時点(12)において、第2フォトダイオードPD2からの電荷eによる信号を読み出す。第2フォトダイオードPD2の電荷eのフローティングディフュージョン部FD1、FD2への転送は第2転送トランジスタTr2をオンして行われる。時点(7)〜時点(12)の駆動は、前段の時点(1)〜時点(6)の繰り返しであるので、重複説明を省略する。このようにして、2画素の信号が読み出される。
【0120】
第5実施の形態に係る固体撮像装置及びその駆動方法においても、第1実施の形態で説明したと同様の効果を奏する。
【0121】
上例では、フローティングディフュージョン部FDを、2つあるいは3つに分割した構成について説明したが、フローティングディフュージョン部FDを、それ以上に分割してフォトダイオードに電荷が残らないようになるまで、4回以上読み出すことも可能である。
【0122】
本発明の固体撮像装置は、可視光以外にも、X線や粒子束などの物理量を電荷量に変換して検出するもの全般に適用できる。
【0123】
<7.第6実施の形態>
[電子機器の構成例]
本発明に係る固体撮像装置は、固体撮像装置を備えたカメラ、カメラ付き携帯機器、固体撮像装置を備えたその他の機器、等の電子機器に適用することができる。
【0124】
本実施の形態に係る電子機器は、基本構成として、固体撮像装置と、固体撮像装置に入射光を導く光学系と、固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路を備え、固体撮像装置に上述の実施の形態の固体撮像装置を用いて構成される。
【0125】
図17に、本発明の電子機器の一例としてカメラに適用した実施の形態を示す。本実施の形態に係るカメラ41は、光学レンズ群(光学系)42、固体撮像装置43、DSP(Digital signal processor)44、フレームメモリ45、中央処理装置(CPU)46を備える。さらに、表示装置47、記録装置48、操作系49及び電源系50等を備えて構成される。このうち、DSP44、フレームメモリ45、CPU46、表示装置47、記録装置48、操作系49及び電源系50は、共通のバスライン51に接続されている。
【0126】
光学レンンズ群42は、被写体からの像光(入射光)を固体撮像装置43の撮像面(画素アレイ部:画素部)に導くものである。固体撮像装置43は、上述した実施の形態のいずれか1つの固体撮像装置が適用される。この固体撮像装置43は、光学レンズ群42によって撮像面に結像された像光を画素単位で電気信号に変換する。DSP44は、固体撮像装置43を制御するとともに、そこからの信号を受け、画像信号を生成するものである。フレームメモリ45は、DSP44で処理される画像信号を一時的に記憶するために使用されるメモリである。
【0127】
表示装置47は、DSP44の処理結果として出力された画像信号を表示するものである。記録装置48は、その画像信号を例えば磁気テープ、磁気ディスク、光ディスク等に記録するものである。操作系49は、カメラを操作するためのものである。電源系50は、固体撮像装置43を駆動するための電力を印加するものである。CPU46は、これらの動作を制御する。
【0128】
本発明は、光学系42、固体撮像装置43、DSP44、CPU46、フレームメモリ45、電源系50等をモジュール化したカメラモジュールの形態を取ることができる。
本発明は、このようなカメラモジュールを備えた例えば携帯電話に代表されるカメラ付き携帯機器などを構成することができる。
さらに上記のモジュール化した撮像機能を有するモジュール、いわゆる撮像機能モジュ−ルとして構成することができる。本発明は、このような撮像機能モジュールを備えた電子機器を構成することができる。
【0129】
第6実施の形態に係るカメラ等の電子機器41によれば、固体撮像装置において、複数のフローティングディフュージョン部を有する画素を備えて、小信号、大信号に対応して夫々の信号共に、カラム回路でのリセットノイズの除去を可能にしている。従って、画質の改善を図ることができ、高品質の電子機器を提供できる。高品質のカメラを提供することができる。
【符号の説明】
【0130】
1・・固体撮像装置、2、21、22、31・・画素、3・・画素領域、4・・垂直駆動回路、5・・カラム処理回路、6・・水平駆動回路、7・・出力回路、8・・制御回路、9・・垂直信号線、10・・水平信号線、11・・基板、12・・入出力端子、PD、PD1、PD2・・フォトダイオード、Tr1、Tr11、Tr12・・転送トランジスタ、Tr2・・リセットトランジスタ、Tr3・・増幅トランジスタ、Tr4・・選択トランジスタ、Tr5、Tr51、Tr52・・分離トランジスタ、Vdd・・電源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が配列された画素領域を有し、
前記画素は、
光電変換部と、
転送トランジスタと、
前記光電変換部からの電荷を、前記転送トランジスタを通じて受け取る複数のフローティングディフュージョン部と、
前記フローティングディフュージョン部をリセットするリセットトランジスタと、
前記複数のフローティングディフュージョン部の接続をオン・オフ制御する分離トランジスタと、
前記フローティングディフュージョン部の電位に対応する信号を出力する増幅トランジスタと
を備え、
前記光電変換部から見て初段のフローティングディフュージョン部を、前記リセットトランジスタを介してリセットして該初段のフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込み、
前記光電変換部から前記初段のフローティングディフュージョン部へ前記転送トランジスタを通じて電荷転送して該電荷を含む初段のフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込み、
前記分離トランジスタをオンして前記光電変換部から見て前段のフローティングディフュージョン部と後段のフローティングディフュージョン部を接続して該接続されたフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込み、
前記光電変換部から前記接続されたフローティングディフュージョン部へ前記転送トランジスタを通じて電荷転送して該電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込み、
電荷転送後の前記初段のフローティングディフュージョン部の出力と、リセットした前記初段のフローティングディフュージョン部の出力との差分、及び前記光電変換部から転送された電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョン部の出力と、電荷転送前の前記接続されたフローティングディフュージョン部の出力との差分をとるようにした
固体撮像装置。
【請求項2】
それぞれの差分の信号の入力換算ゲインを揃えて、加算する
請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記画素が2次元行列状に配列され、
前記後段回路が、前記画素に列に対応して配置されている
請求項2記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記フローティングディフュージョン部は、1画素に2つ備えている
請求項1乃至3のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前段のフローティングディフュージョン部の電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョンの出力を後段回路で取り込み、
前記接続されたフローティングディフュージョン部をリセットせずに、前記光電変換部からの電荷を、前記接続されたフローティングディフュージョン部へ転送して、該接続されたフローティングディフュージョンの出力を後段回路で取り込み、
前記後段回路に取り込まれた両出力の差分をとる
請求項1乃至4のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項6】
前記光電変換部から転送された電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョン部の出力を取り込む前に、前段のフローティングディフュージョン部の電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョン部をリセットする
請求項1乃至4のいずれかに記載の固体撮像装置。
【請求項7】
複数の画素が配列された画素領域を有し、
前記画素が、
光電変換部と、
転送トランジスタと、
前記光電変換部からの電荷を、前記転送トランジスタを通じて受け取る複数のフローティングディフュージョン部と、
前記フローティングディフュージョン部をリセットするリセットトランジスタと、
前記複数のフローティングディフュージョン部の接続をオン・オフ制御する分離トランジスタと、
前記フローティングディフュージョン部の電位に対応する信号を出力する増幅トランジスタを有する
固体撮像装置において、
前記光電変換部から見て初段のフローティングディフュージョン部を前記リセットトランジスタを介してリセットして該初段のフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込み、
前記光電変換部から前記初段のフローティングディフュージョン部へ前記転送トランジスタを通じて電荷転送して該電荷を含む初段のフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込み、
前記分離トランジスタをオンして前記光電変換部から見て前段のフローティングディフュージョン部と後段のフローティングディフュージョン部を接続して該接続されたフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込み、
前記光電変換部から前記接続されたフローティングディフュージョン部へ前記転送トランジスタを通じて電荷転送して該電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョン部の出力を後段回路で取り込み、
電荷転送後の前記初段のフローティングディフュージョン部の出力と、リセットした前記初段のフローティングディフュージョン部の出力との差分、及び前記光電変換部から転送された電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョン部の出力と、電荷転送前の前記接続されたフローティングディフュージョン部の出力との差分をとるようにした
固体撮像装置の駆動方法。
【請求項8】
それぞれの差分の信号の入力換算ゲインを揃えて加算する
請求項7記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項9】
画素が2次元行列状に配列され、
前記後段回路が、前記画素に列に対応して配置されている
請求項8記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項10】
前記フローティングディフュージョン部は、画素毎に2つ備えている
請求項7乃至9のいずれかに記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項11】
前段のフローティングディフュージョン部の電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョンの出力を後段回路で取り込み、
前記接続されたフローティングディフュージョン部をリセットせずに、前記光電変換部からの電荷を、前記接続されたフローティングディフュージョン部へ転送して、該接続されたフローティングディフュージョンの出力を後段回路で取り込み、
前記後段回路に取り込まれた両出力の差分をとる
請求項7乃至10のいずれかに記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項12】
前記光電変換部から転送された電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョン部の出力を取り込む前に、前段のフローティングディフュージョン部の電荷を含む前記接続されたフローティングディフュージョン部をリセットする
請求項7乃至10のいずれかに記載の固体撮像装置の駆動方法。
【請求項13】
固体撮像装置と、
前記固体撮像装置の光電変換部に入射光を導く光学系と、
前記固体撮像装置の出力信号を処理する信号処理回路とを備え、
前記固体撮像装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の固体撮像装置で構成される
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−119349(P2012−119349A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264870(P2010−264870)
【出願日】平成22年11月29日(2010.11.29)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】