説明

固体撮像装置及びその製造方法

【課題】 マイクロレンズ表面での反射を防ぐとともに感度向上に有効なマイクロレンズ構造を有し、色再現性の優れた固体撮像装置ならびに固体撮像装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 固体撮像素子基板1と、入射光を光電変換する複数の受光部2と、第1アクリル平坦膜3と、ベイヤ型の色配列をしたRGB原色フィルタである薄膜カラーフィルタ4R、4G、4Bと、第2アクリル平坦膜5と、複数の受光部2のそれぞれの上方に位置し、入射光をそれぞれ下方に位置する受光部2に集光する複数のマイクロレンズ7とを備え、マイクロレンズ7の表面上には、粒子8が形成されている

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体撮像装置及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくはフレアやゴーストといった不具合の発生を防ぎ、かつ感度向上に有効なマイクロレンズを備えた固体撮像装置及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、光を電荷に変換する光電変換部を有するCCD型固体撮像装置およびMOS型固体撮像装置などの固体撮像装置は、ビデオカメラおよびデジタルスチルカメラ、あるいはファクシミリなどの、様々な画像入力機器に使用されている。また、このような固体撮像装置においては、小型化、高解像度化の要請により、受光部であるフォトダイオードの面積が減少してきている。このような受光部の面積減少に伴う光電変換特性の低下を補うため、いわゆるオンチップマイクロレンズが開発された。オンチップマイクロレンズは、画素ごとに形成された受光部の上方の凸型のドーム状、半球状あるいは半円筒状の樹脂から構成される。このマイクロレンズは、転送領域等の受光部以外の領域に入射しようとする光を屈折させて受光部に集光する役割を担う。
【0003】
図6は、従来のマイクロレンズの形成方法を示すマイクロレンズの断面図である。
まず、図6(A)に示されるように、固体撮像素子基板1および入射光を電気信号に変換するための受光部2の凹凸表面上にアクリル樹脂を全面回転塗布した後、加熱乾燥させて第1アクリル平坦膜3を形成する。この第1アクリル平坦膜3上に白色光を分光するためのカラーフィルタ4R、4G、4Bを形成する。さらにカラーフィルタ4R、4G、4Bの凹凸表面上にアクリル樹脂を全面回転塗布した後、200〜250℃で加熱乾燥する。この塗布・乾燥工程を2〜5回繰り返すことによって平坦性の高い第2アクリル平坦膜5が形成される。このとき、カラーフィルタ4Rはレッドのカラーフィルタを示し、カラーフィルタ4Gはグリーンのカラーフィルタを示し、カラーフィルタ4Bはブルーのカラーフィルタを示している。
【0004】
次に、図6(B)に示されるように、第2アクリル平坦膜5上に合成樹脂膜6を全面回転塗布した後、低温乾燥させる。この後、フォトマスクを用いて所定のパターンとなるようにg線(波長436nm)、i線(365nm)等の紫外光を合成樹脂膜6に照射し、各画素に分離独立するように合成樹脂膜6をパターンニングする。
【0005】
次に、合成樹脂膜6に対して紫外線による全面露光を行い、可視光領域の透過率を全領域で90%以上に向上させる(図6(C))。この後、全面加熱溶融処理(リフロー)を行い、上記合成樹脂膜6を所望とする曲率をもった上凸型の半球状に熱変形させ、マイクロレンズ7を形成する(図6(D))。マイクロレンズ7を構成する樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂あるいはアクリル系樹脂であって、上記のような形成方法が適用できる樹脂材料が用いられる。
【0006】
図6(E)に、上記方法で形成されたマイクロレンズ7へ入射する光の光線を示す。この図から明らかなように、大半の入射光は、マイクロレンズ7で集光され、受光部2に到達するが、一部の光は、マイクロレンズ7表面で反射して、カメラレンズ(図外)側へ進む。
【特許文献1】特願2004−251868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来のマイクロレンズの形成方法によりマイクロレンズを形成した場合、マイクロレンズ表面は凹凸がなく、滑らかな状態になるため、デジタルカメラに組み込んだ際に、斜めから入射した光がマイクロレンズ表面で反射し易く、カメラレンズとの間で反射や散乱が起こる。そして、このような斜め入射光の反射・散乱は、ゴーストやフレアといった画像欠陥の原因となることがわかっている。
【0008】
そのため、マイクロレンズ表面に反射防止膜を形成することも提案されている。例えば、特開平10−150179号には、フッ化アルミニウム膜等をマイクロレンズ表面上に形成する技術が開示されている。
【0009】
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたものであり、マイクロレンズ表面での反射を防ぐとともに感度向上に有効なマイクロレンズ構造を有し、色再現性の優れた固体撮像装置及びその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明の固体撮像装置は、入射光を光電変換する受光部と、前記受光部の上方に位置し、前記入射光を集光するマイクロレンズとを備え、前記マイクロレンズの表面には、複数の粒子が形成されていることを特徴とする。
【0011】
これによって、マイクロレンズ表面に形成された粒子によりマイクロレンズ表面での入射光の反射を防止しつつ感度を向上させることができる。すなわち、ゴーストやフレアといった画像欠陥を防ぎつつ感度を向上させることができるので、色再現性の優れた固体撮像装置を実現することができる。
【0012】
また、本発明の固体撮像装置は、入射光を光電変換する複数の受光部と、前記複数の受光部のそれぞれの上方に位置し、レッドフィルタ、グリーンフィルタ及びブルーフィルタのいずれかとして機能し、かつ前記入射光を集光する複数のマイクロレンズとを備え、前記複数のマイクロレンズの各々は、粒子を含有し、前記マイクロレンズが含有する粒子の粒子径は、レッドフィルタとして機能するマイクロレンズ、グリーンフィルタとして機能するマイクロレンズ、ブルーフィルタとして機能するマイクロレンズでそれぞれ異なることを特徴とする固体撮像装置とすることもできる。
【0013】
これによって、マイクロレンズ表面に形成された粒子によりマイクロレンズ表面での入射光の反射を防止しつつ感度を向上させることができる。すなわち、ゴーストやフレアといった画像欠陥を防ぎつつ感度を向上させることができるので、色再現性の優れた固体撮像装置を実現することができる。さらに、マイクロレンズがカラーフィルタの役割も兼ねるので、カラーフィルタを形成する必要が無くなり、小型の固体撮像装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、マイクロレンズの表面に粒子を形成すること、あるいはマイクロレンズに粒子を含有させて粒子を含有したマイクロレンズ表面をエッチングし所望の凹凸を持たせることで、マイクロレンズ表面での反射を低減させ、カメラレンズとの間で反射光が発生しにくくなるため、デジタルカメラに組み込んだ際にゴーストやフレアといった画像欠陥を防ぐことが可能となる。また、マイクロレンズにより入射光の集光効率が向上するので、感度を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態における固体撮像装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態における固体撮像装置の構造を示す断面図である。
【0017】
この固体撮像装置は、固体撮像素子基板1と、固体撮像素子基板1内に形成されたフォトダイオードである複数の受光部2と、受光部2上に形成された第1アクリル平坦膜3と、第1アクリル平坦膜3上に形成されたベイヤ型の色配列をしたRGB原色フィルタである薄膜カラーフィルタ4R、4G、4Bと、カラーフィルタ4R、4G、4B上に形成された第2アクリル平坦膜5と、複数の受光部2のそれぞれの上方に位置するように第2アクリル平坦膜5上に形成され、入射光をそれぞれ下方に位置する受光部2に集光する複数のマイクロレンズ7と、マイクロレンズ7表面に形成された例えば顔料粒子等の粒子8とから構成される。このとき、カラーフィルタ4Rはレッドのカラーフィルタを示し、カラーフィルタ4Gはグリーンのカラーフィルタを示し、カラーフィルタ4Bはブルーのカラーフィルタを示している。
【0018】
ここで、粒子8の大きさ(粒子径)は、画素毎で異なり、カラーフィルタ4Rが形成されて赤色光を光電変換するレッド画素(図1におけるr)における粒子8の粒子径と、カラーフィルタ4Gが形成されて緑色光を光電変換するグリーン画素(図1におけるg)における粒子8の粒子径と、カラーフィルタ4Bが形成されて青色光を光電変換するブルー画素(図1におけるb)における粒子8の粒子径とは異なる。例えば、レッド画素における粒子8の粒子径は25nm〜200nm、好ましくは150nm程度にされ、粒子間隔は100nm〜200nm、好ましくは165nm程度にされる。また、グリーン画素における粒子8の粒子径は25nm〜100nm、好ましくは75nm程度にされ、粒子間隔は100nm〜165nm、好ましくは125nm程度にされる。さらに、ブルー画素における粒子8の粒子径は25nm〜100nm、好ましくは50nm程度にされ、粒子間隔は100nm〜165nm、好ましくは125nm程度にされる。
【0019】
これによって、レッド画素、グリーン画素、ブルー画素で光路長が揃い、反射防止構造が形成されるので、マイクロレンズ表面での反射、フレアを低減することができる。
【0020】
図2(A)〜図2(F)は上記構造を有する固体撮像装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0021】
まず、図2(A)に示されるように、固体撮像素子基板1に入射光を光電変換して電気信号に変換するための受光部2を複数形成する。その後、固体撮像素子基板1及び受光部2の凹凸表面上にアクリル樹脂を全面回転塗布した後に加熱乾燥させて第1アクリル平坦膜3を形成する。この第1アクリル平坦膜3上に白色光を分光するための薄膜カラーフィルタ4R、4G、4Bを形成する。さらにカラーフィルタ4R、4G、4Bの凹凸表面上に、アクリル樹脂を全面回転塗布した後、200〜250℃で加熱乾燥する。この塗布・乾燥工程を2〜5回繰り返すことによって平坦性の高い第2アクリル平坦膜5が形成される。
【0022】
次に、図2(B)に示されるように、第2アクリル平坦膜5上に、例えばアクリル系の樹脂よりなる合成樹脂膜6を全面回転塗布した後、低温乾燥させる。この後、フォトマスクを用いて所定のパターンとなるようにg線(波長436nm)、i線(365nm)等の紫外光を合成樹脂膜6に照射し、各画素に分離独立するように合成樹脂膜6をパターンニングする。
【0023】
次に、図2(C)に示されるように、合成樹脂膜6に対して紫外線による全面露光を行い、可視光領域の透過率を全領域で90%以上に向上させる。
【0024】
次に、図2(D)に示されるように、全面加熱溶融処理(リフロー)を行い、上記合成樹脂膜6を所望とする曲率をもった上凸型の半球状に熱変形させ、マイクロレンズ7を形成する。
【0025】
次に、図2(E)に示されるように、上記マイクロレンズ7全面に粒子8を含有したレジスト10を全面回転塗布した後、50℃〜250℃でベークする。これにより、レジスト10に含まれる含有粒子8以外の溶剤9、例えば分散剤やバインダーが除去され、マイクロレンズ7上には粒子8だけが残存する(図2(F))。
【0026】
以上のように本実施の形態の固体撮像装置によれば、固体撮像装置はマイクロレンズ構造を有し、マイクロレンズ表面上には粒子が形成される。よって、マイクロレンズ表面での入射光の反射を防止しつつ感度を向上させることができる。すなわち、ゴーストやフレアといった画像欠陥を防ぎつつ感度を向上させることができるので、色再現性の優れた固体撮像装置を実現することができる。
【0027】
なお、本実施の形態の固体撮像装置において、入射光の反射を低減させる粒子はマイクロレンズ表面上に形成されるとしたが、粒子が固体撮像装置の最表面に形成されればこれに限られず、例えば図3に示されるマイクロレンズのない構造を有する固体撮像装置では、第2アクリル平坦膜5の上に粒子8が形成されてもかまわない。また、マイクロレンズ及び平坦膜のない構造を有する固体撮像装置では、カラーフィルタ4上に粒子が形成されてもかまわない。
【0028】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態における固体撮像装置の構造を示す断面図である。
【0029】
この固体撮像装置は、固体撮像素子基板11と、固体撮像素子基板11内に形成されたフォトダイオードである複数の受光部12と、受光部12上に形成された第1アクリル平坦膜13と、第1アクリル平坦膜13上に形成された第2アクリル平坦膜15と、複数の受光部12のそれぞれの上方に位置するように第2アクリル平坦膜15上に形成され、入射光をそれぞれ下方に位置する受光部12に集光する複数のマイクロレンズ17R、17G、17Bと、マイクロレンズ17R、17G、17B表面に露出した例えば顔料粒子等の粒子18R、18G、18Bとから構成される。
【0030】
ここで、マイクロレンズ17R、17G、17Bは、それぞれレッド特性のマイクロレンズ、ブルー特性のマイクロレンズ及びグリーン特性のマイクロレンズであり、レンズとしてだけでなくカラーフィルタとしても機能する。すなわち、マイクロレンズ17Rはレッドのカラーフィルタとして機能し、マイクロレンズ17Gはグリーンのカラーフィルタとして機能し、マイクロレンズ17Bはブルーのカラーフィルタとして機能する。
【0031】
また、粒子18R、18G、18Bは、それぞれマイクロレンズ17R、17G、17Bに含有される粒子であり、粒子の大きさ(粒子径)は画素毎で異なる。つまり、マイクロレンズ17Rが形成されて赤色光を光電変換するレッド画素(図4におけるr)における粒子18Rの粒子径と、マイクロレンズ17Gが形成されて緑色光を光電変換するグリーン画素(図4におけるg)における粒子18Gの粒子径と、マイクロレンズ17Bが形成されて青色光を光電変換するブルー画素(図4におけるb)における粒子18Bの粒子径とは異なる。例えば、レッド画素における粒子18Rの粒子径は25nm〜200nm、好ましくは150nm程度にされ、グリーン画素における粒子18Gの粒子径は25nm〜100nm、好ましくは75nm程度にされ、ブルー画素における粒子18Bの粒子径は25nm〜100nm、好ましくは50nm程度にされる。
【0032】
これによって、レッド画素、グリーン画素、ブルー画素で光路長が揃い、反射防止構造が形成されるので、マイクロレンズ表面での反射、フレアを低減することができる。
【0033】
図5(A)〜図5(D)は上記構造を有する固体撮像装置の製造方法を工程順に示す断面図である。
【0034】
まず、図5(A)に示されるように、図2に示される第1の実施の形態の固体撮像装置の製造方法と同様に、固体撮像素子基板11に受光部12を複数形成した後、固体撮像素子基板11および受光部12の凹凸表面上に第1アクリル平坦膜13及び第2アクリル平坦膜15を形成する。
【0035】
次に、図5(B)に示されるように、第2アクリル平坦膜15上に顔料レジスト16を全面回転塗布した後、低温乾燥させる。この後、グレートーンマスクを用いてg線(波長436nm)、i線(365nm)等の紫外光を顔料レジスト16に照射し、マイクロレンズ形状になるように露光、現像する(図5(C))。このとき、顔料レジスト16は、色フィルタ特性があり、原色の固体撮像装置であればレッド顔料レジスト、グリーン顔料レジスト及びブルー顔料レジストになる。これによって、カラーフィルタ及びマイクロレンズとして機能するマイクロレンズ17R、17G、17Bが形成される。
【0036】
次に、図5(D)に示されるように、各色を持つマイクロレンズ17R、17G、17B全面に酸素あるいはCF系のガスを用いたプラズマエッチング処理を実施し、各色を持つマイクロレンズ17R、17G、17B内の例えば分散媒あるいはバインダー等の溶剤を除去する。これによって、各色を持つマイクロレンズ17R、17G、17Bに対応した粒子18R、18G、18Bがマイクロレンズ17R、17G、17Bの表面に露出する。
【0037】
以上のように本実施の形態の固体撮像装置によれば、固体撮像装置はマイクロレンズ構造を有し、マイクロレンズ表面には粒子が露出する。よって、マイクロレンズ表面での入射光の反射を防止しつつ感度を向上させることができる。すなわち、ゴーストやフレアといった画像欠陥を防ぎつつ感度を向上させることができるので、色再現性の優れた固体撮像装置を実現することができる。さらに、マイクロレンズがカラーフィルタの役割も兼ねるので、カラーフィルタを形成する必要が無くなり、小型の固体撮像装置を実現することができる。
【0038】
なお、本実施の形態の固体撮像装置の製造方法において、グレースケールマスクを用いて色を持つマイクロレンズを形成したが、次のような方法によりマイクロレンズを形成してもよい。すなわち、図5(B)に示される工程において各色の顔料フィルタを全面回転塗布した後に、硬化ベークする。そして、顔料フィルタの上に、図1(A)〜(D)で示される方法を用いてマイクロレンズを形成した後、酸素あるいはCF系のガスを用いたプラズマ処理を実施し、顔料フィルタに転写する。これにより、色を持つマイクロレンズが形成される。その後、この工程を各色、つまりレッド、グリーン、ブルーの顔料フィルタに対して繰り返すことで各色を持つマイクロレンズを形成することができる。
【0039】
以上、本発明の固体撮像装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態の限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
【0040】
例えば、第1、第2の実施の形態の固体撮像装置において、粒子は顔料粒子であるとしたが、固体撮像装置の最表面に形成できればこれに限られず、違う組成の粒子であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0041】
また、第1、第2の実施形態の固体撮像装置において、原色フィルタ搭載の固体撮像装置を説明したが、もちろん補色フィルタ搭載の固体撮像装置でも問題なく、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、固体撮像装置及びその製造方法に利用でき、特にマイクロレンズ構造を有する固体撮像装置及びその製造方法に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施の形態における固体撮像装置の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における固体撮像装置の製造方法を示す断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における固体撮像装置の変形例を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態における固体撮像装置の構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における固体撮像装置の製造方法を示す断面図である。
【図6】従来の固体撮像装置の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0044】
1、11 固体撮像素子基板
2、12 受光部
3、13 第1アクリル平坦膜
4R レッドのカラーフィルタ
4G グリーンのカラーフィルタ
4B ブルーのカラーフィルタ
5、15 第2アクリル平坦膜
6 合成樹脂膜
7 マイクロレンズ
8 粒子
9 溶剤
10 レジスト
16 顔料レジスト
17R レッド特性のマイクロレンズ
17G グリーン特性のマイクロレンズ
17B ブルー特性のマイクロレンズ
18R レッド特性のマイクロレンズの含有粒子
18G グリーン特性のマイクロレンズの含有粒子
18B ブルー特性のマイクロレンズの含有粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射光を光電変換する受光部と、
前記受光部の上方に位置し、前記入射光を集光するマイクロレンズとを備え、
前記マイクロレンズの表面には、複数の粒子が形成されている
ことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項2】
前記マイクロレンズの表面に形成された粒子は、顔料粒子である
ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項3】
前記固体撮像装置は、さらに、複数の前記受光部及び前記マイクロレンズと、前記複数の受光部の上方に位置し、ベイヤ型の色配列をした原色フィルタを備え、
前記マイクロレンズの表面に形成された粒子の大きさ(粒子径)は、レッドフィルタが配置されたレッド画素、グリーンフィルタが配置されたグリーン画素及びブルーフィルタが配置されたブルー画素で異なる
ことを特徴とする請求項1記載の固体撮像装置。
【請求項4】
前記レッド画素の前記マイクロレンズの表面に形成された粒子は、25nm〜200nmの粒子径と、100nm〜200nmの粒子間隔とを有し、
前記グリーン画素の前記マイクロレンズの表面に形成された粒子は、25nm〜100nmの粒子径と、100nm〜165nmの粒子間隔とを有し、
前記ブルー画素の前記マイクロレンズの表面に形成された粒子は、25nm〜100nmの粒子径と、100nm〜165nmの粒子間隔とを有する
ことを特徴とする請求項3記載の固体撮像装置。
【請求項5】
前記レッド画素の前記マイクロレンズの表面に形成された粒子は、150nmの粒子径と、165nmの粒子間隔とを有し、
前記グリーン画素の前記マイクロレンズの表面に形成された粒子は、75nmの粒子径と、125nmの粒子間隔とを有し、
前記ブルー画素の前記マイクロレンズの表面に形成された粒子は、50nmの粒子径と、125nmの粒子間隔とを有する
ことを特徴とする請求項4記載の固体撮像装置。
【請求項6】
入射光を光電変換する複数の受光部と、
前記複数の受光部のそれぞれの上方に位置し、レッドフィルタ、グリーンフィルタ及びブルーフィルタのいずれかとして機能し、かつ前記入射光を集光する複数のマイクロレンズとを備え、
前記複数のマイクロレンズの各々は、粒子を含有し、
前記マイクロレンズが含有する粒子の粒子径は、レッドフィルタとして機能するマイクロレンズ、グリーンフィルタとして機能するマイクロレンズ、ブルーフィルタとして機能するマイクロレンズでそれぞれ異なる
ことを特徴とする固体撮像装置。
【請求項7】
前記マイクロレンズが含有する粒子は、前記マイクロレンズ表面に露出しており、
前記粒子のマイクロレンズ表面への露出は、前記マイクロレンズにエッチング処理を施すことで行われる
ことを特徴とする請求項6記載の固体撮像装置。
【請求項8】
前記レッドフィルタとして機能するマイクロレンズが含有する粒子は、25nm〜200nmの粒子径を有し、
前記グリーンフィルタとして機能するマイクロレンズが含有する粒子は、25nm〜100nmの粒子径を有し、
前記ブルーフィルタとして機能するマイクロレンズが含有する粒子は、25nm〜100nmの粒子径を有する
ことを特徴とする請求項6記載の固体撮像装置。
【請求項9】
前記レッドフィルタとして機能するマイクロレンズが含有する粒子は、150nmの粒子径を有し、
前記グリーンフィルタとして機能するマイクロレンズが含有する粒子は、75nmの粒子径を有し、
前記ブルーフィルタとして機能するマイクロレンズが含有する粒子は、50nmの粒子径を有する
ことを特徴とする請求項8記載の固体撮像装置。
【請求項10】
基板に、入射光を光電変換する受光部を形成する受光部形成工程と、
前記受光部の上方に、前記入射光を集光するマイクロレンズを形成するマイクロレンズ形成工程と、
前記マイクロレンズの表面に粒子を含有するレジストを塗布し、前記レジストに対して加熱処理を施して前記レジスト中の溶剤を除去し、前記マイクロレンズの表面に粒子を形成する粒子形成工程とを含む
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項11】
基板に、入射光を光電変換する受光部を複数形成する受光部形成工程と、
前記複数の受光部のそれぞれの上方に、レッドフィルタ、グリーンフィルタ及びブルーフィルタのいずれかとして機能し、かつ前記入射光を集光する複数のマイクロレンズを形成するマイクロレンズ形成工程とを含み、
前記マイクロレンズ形成工程において、前記複数の受光部のそれぞれの上方に、機能させるフィルタの種類に対応した粒子径の粒子を含有したレジストを形成し、グレースケールマスクを使用して前記レジストをレンズ形状としてマイクロレンズを形成する
ことを特徴とする固体撮像装置の製造方法。
【請求項12】
前記固体撮像装置の製造方法は、さらに、前記複数のマイクロレンズの各々に対してエッチング処理を施し、前記マイクロレンズが含有する粒子を前記マイクロレンズの表面に露出させる粒子露出工程を含む
ことを特徴とする請求項11記載の固体撮像装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−261238(P2006−261238A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73801(P2005−73801)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】