説明

固有情報設定システムおよび固有情報設定装置

【課題】無線機器の設置場所が不明確な場合であっても所望の無線機器を探し出せるようにする。
【解決手段】フロアレイアウト図G1を表示する。このフロアレイアウト図G1において、自己の現在位置を第1の測定地点として指定し(MA)、計測開始ボタンBT1を押す。次に、測定地点を変え、第2の測定地点を指定し(MB)、計測開始ボタンBT1を押す。さらに、測定地点を変え、第3の測定地点を指定し(MC)、計測開始ボタンBT1を押す。このようにして、第1,第2,第3の測定地点において、通信可能圏内の無線機器から識別情報(物理識別子)の返送を受け、受信電波強度と対として、各測定地点での計測結果として記憶する。これら計測地点での計測結果から、識別情報を返送してきた無線機器の位置を特定し、その特定した位置をフロアレイアウト図G1中に表示する(M1,M2,M3)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、無線機器に対して固有情報設定装置より無線通信により管理番地や各種のパラメータなどの固有情報を設定する固有情報設定システムおよび固有情報設定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
施工の簡略化などを目的として、建物の空調制御用機器(例えば、コントローラ、センサ、アクチュエータ)の無線化が進みつつある。これらの無線機器には空調制御システムとして機能させるために管理番地や各種のパラメータなどの固有情報を設定する必要がある。
【0003】
この無線機器に固有情報を設定するための方式として、従来より、
(1)固有情報設定用のスイッチを無線機器に設ける方式.
(2)固有情報設定装置を無線機器に通信線で接続し、通信線を介する固有情報設定装置からの操作で、無線機器内部の不揮発性メモリに固有情報を書き込む方式.
などがある。
【0004】
上述した方式(1)では、スイッチと読み込み回路が必要となり、上述した方式(2)では、固有情報設定装置との有線通信回路が必要となる。また、方式(1),(2)ともに、天井裏等に設置された無線機器に対して固有情報の設定を行うような場合、梯子などを利用して無線機器に近づく必要があり、設定作業が煩わしく、時間もかかる。なお、設置前に固有情報を設定しておいたとしても、固有情報に変更が生じれば、やはり梯子などを利用して無線機器に近づく必要がある。
【0005】
これに対し、無線機器に対して固有情報設定装置より無線通信により固有情報の設定を行うようにすれば、梯子などを利用して無線機器に近づかなくてもよく、設定作業が簡単となる。例えば、特許文献1では、ワイヤレス式アドレス設定器(固有情報設定装置)を用いて、無線通信により、現場に設置された端末器(無線機器)にアドレス(固有情報)を設定するようにしている。以下、この特許文献1に示された方式を方式(3)と呼ぶ。
【0006】
方式(3)では、ワイヤレス式アドレス設定器を使用するにあたって、設定用操作部を介して、各端末器の物理識別子(識別情報)とその端末器に割り当てるアドレスとを入力する。これにより、ワイヤレス式アドレス設定器内に、各端末器の物理識別子とその端末器に割り当てるアドレスとの対応関係を登録する。端末器にアドレスを設定する際には、所望の端末器が設置されている場所にワイヤレス式アドレス設定器を持って行き、その端末器の物理識別子を選択操作部を介して入力する。この時、ワイヤレス式アドレス設定器の送受信部は、所望の端末器の送受信部に向ける。すると、入力した物理識別子に対応するアドレスが読み出され、所望の端末器に向けて送出される。これにより、所望の端末器に、その端末器の物理識別子と対応づけて登録したアドレスが設定される。
【0007】
【特許文献1】特開平8−140169号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した方式(3)では、ワイヤレス式アドレス設定器に各端末器の物理識別子とその端末器に割り当てるアドレスとの対応関係を登録しなければならず、このための登録作業が面倒である。
また、上述した方式(3)では、端末器の設置場所が分かっていることが前提であり、端末器の設置場所が不明確な場合には、アドレスの設定が困難であった。
また、上述した方式(3)では、ワイヤレス式アドレス設定器の通信可能圏内に複数の端末器が混在するような場合、所望の端末器に対するアドレスが別の端末器に設定されてしまう虞れがあった。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、固有情報設定装置に各無線機器の識別情報とその無線機器に割り当てる固有情報との対応関係を登録する必要がなく、無線機器の設置場所が不明確な場合であっても所望の無線機器を探し出し、その無線機器のみに正しく固有情報を設定することが可能な固有情報設定システムおよび固有情報設定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このような目的を達成するために本発明は、無線機器と、この無線機器に対して無線通信により固有情報を設定する固有情報設定装置とを備えた固有情報設定システムにおいて、固有情報設定装置に、指定されたエリアのレイアウト図を画面に表示するレイアウト図表示手段と、このレイアウト図表示手段が表示するレイアウト図において、自己の現在位置を計測地点として指定したうえ計測開始が指示された場合、通信可能圏内の無線機器に対してその無線機器に設定されている識別情報の返送指令を送信する返送指令送信手段と、この返送指令送信手段からの返送指令に応えて返送されてきた識別情報とその識別情報の受信時の電波強度とを対とし前記計測地点での計測結果として記憶する計測結果記憶手段と、この計測結果記憶手段が記憶する少なくとも3つの計測地点での計測結果に基づいて、その計測結果に含まれる識別情報毎にその識別情報を返送してきた無線機器の位置を特定し、その特定した無線機器の位置をレイアウト図中に表示する無線機器位置特定手段とを設け、無線機器に、固有情報設定装置より送られてくる識別情報の返送指令に応えて自己に設定されている識別情報を返送する識別情報返送手段を設けたものである。なお、本発明は、固有情報設定システムとしてではなく、固有情報設定装置としても実現することができる。
【0011】
この発明によれば、例えば、1階フロアに設置されている無線機器に対して管理番地やパラメータなどの固有情報を設定したい場合、固有情報設定装置の画面上に1階フロアのレイアウト図を表示させる。そして、1階フロアにおける自己の現在位置を第1の計測地点として指定し、計測開始を指示する。すると、固有情報設定装置は、通信可能圏内の無線機器に対して、その無線機器に設定されている識別情報の返送指令を送信する。通信可能圏内の無線機器は、固有情報設定装置からの識別情報の返送指令に応えて、自己に設定されている識別情報を返送する。なお、この場合の識別情報とは、例えば製造番号のような無線機器を特定し得る情報のことをいう。固有情報設定装置は、通信可能圏内の無線機器から識別情報が返送されてくると、返送されてきた識別情報とその識別情報の受信時の電波強度との対を第1の計測地点での計測結果として記憶する。
【0012】
次に、1階フロアにおける計測地点を変更し、変更後の自己の現在位置を第2の計測地点として指定し、計測開始を指示する。すると、固有情報設定装置は、通信可能圏内の無線機器に対して、その無線機器に設定されている識別情報の返送指令を送信する。通信可能圏内の無線機器は、固有情報設定装置からの識別情報の返送指令に応えて、自己に設定されている識別情報を返送する。固有情報設定装置は、通信可能圏内の無線機器から識別情報が返送されてくると、返送されてきた識別情報とその識別情報の受信時の電波強度との対を第2の計測地点での計測結果として記憶する。
【0013】
次に、1階フロアにおける計測地点をさらに変更し、変更後の自己の現在位置を第3の計測地点として指定し、計測開始を指示する。すると、固有情報設定装置は、通信可能圏内の無線機器に対して、その無線機器に設定されている識別情報の返送指令を送信する。通信可能圏内の無線機器は、固有情報設定装置からの識別情報の返送指令に応えて、自己に設定されている識別情報を返送する。固有情報設定装置は、通信可能圏内の無線機器から識別情報が返送されてくると、返送されてきた識別情報とその識別情報の受信時の電波強度との対を第3の計測地点での計測結果として記憶する。
【0014】
このようにして、本発明では、少なくとも3つの計測地点で、通信可能圏内の無線機器からの識別情報の返送を受け、返送されてきた識別情報とその識別情報の受信時の電波強度との対を各計測地点での計測結果として記憶する。ここで、例えば、計測地点を3つとし、その3つの計測地点での計測結果が記憶されているものとすれば、その計測結果に含まれる識別情報毎にその識別情報を返送してきた無線機器の位置を3辺測位法などのアルゴリズムによって特定することが可能である。
【0015】
すなわち、識別情報の受信時の電波強度をもとにその識別情報を返送してきた無線機器と各計測地点との間の距離を推定し、この推定した距離より3辺測位法などのアルゴリズムによって、識別情報を送信してきた無線機器の位置を特定することが可能である。この場合、計測地点をさらに増やすことによって、無線機器の位置の特定精度を高めることが可能となる。本発明では、このようにして無線機器の位置を特定し、その特定した無線機器の位置をレイアウト図中に表示する。これにより、無線機器の設置場所が不明確な場合であっても、所望の無線機器を探し出すことが可能となる。
【0016】
また、本発明では、固有情報設定装置に設定情報入力部表示手段を設け、レイアウト図中に表示されているその位置が特定された無線機器の中から、所望の無線機器が設定対象の無線機器として指定された場合、その指定された設定対象の無線機器に対する設定情報の入力部を表示するようにする。
【0017】
例えば、レイアウト図中に、無線機器A,B,Cがその位置を特定して表示されているとする。この中から、無線機器Aを設定対象の無線機器として指定すると、無線機器Aに対する設定情報の入力部が表示される。この場合、無線機器Aに対する設定情報の入力部として、例えば、実際の無線機器Aの記憶部から設定情報のデフォルト値を取得し、そのデフォルト値を含む各種設定情報の入力ウィンドウを表示するようにしたり、固有情報設定装置自身の記憶部から無線機器Aの種類に応じた設定情報のデフォルト値を取得し、そのデフォルト値を含む各種設定情報の入力ウィンドウを表示するようにしたりする。
【0018】
これにより、レイアウト図中に表示されている無線機器の中から、所望の無線機器を設定対象の無線機器として指定して、この設定対象の無線機器に対する設定情報の入力部を表示させ、この設定情報の入力部から設定対象の無線機器への所望の設定情報(固有情報)を入力することが可能となる。
【0019】
また、本発明では、固有情報設定装置に設定情報送信手段を設け、設定情報の入力部に所望の設定情報が入力され、その設定情報の入力が確定された場合、その確定された設定情報を設定対象の無線機器の識別情報を付加して通信可能圏内の無線機器に対して送信するようにする。また、無線機器に固有情報記憶手段を設け、固有情報設定装置より送られてくる設定情報を受信し、その設定情報に付加されている識別情報と自己に設定されている識別情報とが一致していた場合、その設定情報を自己に割り当てられた固有情報として記憶するようにする。
【0020】
例えば、無線機器Aを設定対象の無線機器とし、この無線機器Aに対する設定情報の入力部に所望の設定情報が入力され、その設定情報の入力が確定されたとする。この場合、その確定された設定情報が無線機器Aの識別情報#1を付加して、固有情報設定装置から通信可能圏内の無線機器に送信される。ここで、通信可能圏内の無線機器Aは、固有情報設定装置より送信されてきた設定情報に付加されている識別情報#1と自己の識別情報#1とが一致するので、その設定情報を自己に割り当てられた固有情報として記憶する。これにより、設定対象の無線機器のみに、正しく固有情報を設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、固有情報設定装置の画面上にレイアウト図を表示し、このレイアウト図において計測地点を指定するようにし、その指定した少なくとも3つの計測地点での計測結果に基づいて、その計測結果に含まれる識別情報毎にその識別情報を返送してきた無線機器の位置を特定し、その特定した無線機器の位置をレイアウト図中に表示するようにしたので、レイアウト図中に表示されているその位置が特定された無線機器の中から所望の無線機器を設定対象の無線機器として指定し、その指定した設定対象の無線機器に対する設定情報の入力部を表示したり、その設定情報の入力部に入力された設定情報を設定対象の識別情報を付加して通信可能圏内の無線機器に送信するようにして、固有情報設定装置に各無線機器の識別情報とその無線機器に割り当てる固有情報との対応関係を登録することなく、無線機器の設置場所が不明確な場合であっても所望の無線機器を探し出し、その無線機器のみに正しく固有情報を設定することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係る固有情報設定システムの一実施の形態を示す構成図である。
同図において、1(1−1〜1−3)は空調制御用の無線機器(例えば、コントローラ、センサ、アクチュエータ)、2は固有情報設定装置であり、無線機器1,固有情報設定装置2ともに双方向の無線通信機能を有している。
この実施の形態では、固有情報設定装置2としてパーソナルコンピュータを用いているが、独自のハードウェアを搭載した専用の設定装置としてもよい。
【0023】
図1において、無線機器1−1〜1−3は天井裏に設置され、固有情報設定装置2は室内側において操作者が持ち運ぶ。無線機器1−1〜1−3には、製造番号のような物理識別子が機器固有の識別情報として設定されている。この物理識別子は、固有情報設定装置2の交信圏内で重複がなければよい。この例では、無線機器1−1に対して物理識別子#1が、無線機器1−2に対して物理識別子#2が、無線機器1−3に対して物理識別子#3が設定されている。
【0024】
図2に無線機器1の内部構成の概略を示す。無線機器1は、CPU1A、ROM1B、RAM1C、不揮発性メモリ1D、無線送受信回路1E、計測制御用入出力回路1F、アンテナ1Gを備えている。CPU1Aは、RAM1Cおよび不揮発性メモリ1Dにアクセスしながら、ROM1Bに格納されたプログラムに従って動作する。
【0025】
ROM1Bには、本実施の形態特有のプログラムとして、固有情報設定装置2側の固有情報設定プログラムと協働して固有情報の設定を行う固有情報設定プログラム(無線機器側の固有情報設定プログラム)が格納されている。この固有情報設定プログラムは工場出荷段階でROM1Bに格納されている。
【0026】
また、この実施の形態において、無線機器1の物理識別子は不揮発性メモリ1Dに格納されている。また、不揮発性メモリ1Dには、無線機器1に設定されるべき固有情報(設定情報)のデフォルト値、すなわち各種設定情報項目およびその設定情報項目に対する設定情報のデフォルト値が格納されている。このデフォルト値は工場出荷時に設定されている。
【0027】
図3に固有情報設定装置2のハードウェア構成の概略を示す。同図において、2−1はCPU、2−2はRAM、2−3はROM、2−4はハードディスクなどの記憶装置、2−5は無線送受信部、2−6,2−7はインターフェイス、2−8はディスプレイ、2−9はキーボード、2−10はマウス、2−11はアンテナである。CPU2−1は、RAM2−2にアクセスしながら、ROM2−3や記憶装置2−4に格納されたプログラムに従って動作する。
【0028】
記憶装置2−4には、本実施の形態特有のプログラムとして、無線機器1側の固有情報設定プログラムと協働して無線機器1への固有情報の設定を行う固有情報設定プログラム(固有情報設定装置側の固有情報設定プログラム)が格納されている。この固有情報設定プログラムは、例えばCD−ROMなどの記録媒体に記録された状態で提供され、この記録媒体から読み出されて記憶装置2−4にインストールされている。
【0029】
また、記憶装置2−4には、無線機器1が設置されているフロアのレイアウト図が格納されている。例えば、無線機器1が設置されている施設がn階のビルであるものとした場合、各階のフロアのレイアウト図が格納されている。なお、この実施の形態において、無線機器1−1〜1−3は、1階のフロアに設置されているものとする。
【0030】
以下、図4に示すシーケンス図を参照して、無線機器1(CPU1A)および固有情報設定装置2(CPU2−1)が実行する固有情報設定プログラムに従う処理動作について説明する。なお、この例では、固有情報を設定したい所望の無線機器(設定対象の無線機器)を無線機器1−2とする。
【0031】
〔手順1:レイアウト図の表示〕
操作者は、固有情報設定装置2を起動し、そのディスプレイ2−8上に、1階のフロアのレイアウト図(以下、単に、フロアレイアウト図と言う)を表示させる(図4:矢印(1))。図5にディスプレイ2−8におけるフロアレイアウト図の表示例を示す。この場合、ディスプレイ2−8には、フロアレイアウト図G1と、計測開始ボタンBT1と、確定ボタンBT2と、メッセージの表示欄MSと、計測地点の入力欄PWなどが表示される。
【0032】
フロアレイアウト図G1中には、1階フロアにおける各部屋の配置、1階フロアに設けられている各種設備の位置など、そのフロア内の詳細な情報が表示される。このフロアレイアウト図G1は、拡大/縮小表示が可能であり、フロアレイアウト図G1における「長さ」と「実距離」との関係は予め定められている。また、フロアレイアウト図G1中の原点位置なども予め定められている。
【0033】
〔手順2:第1の計測地点での計測〕
次に、操作者は、1階のフロア内の任意の地点を第1の計測地点PAとし、この第1の計測地点PAまで固有情報設定装置2を持って移動し、フロアレイアウト図G1上で第1の計測地点PAの位置をマーキングする(図4:矢印(2))。
【0034】
この例では、フロアレイアウト図G1上の第1の計測地点PAの位置までポインタを移動し、マウスクリックする。すると、図6に示すように、第1の計測地点PAの位置を示すマークMAがフロアレイアウト図G1中に表示される。
【0035】
そして、操作者は、計測地点の入力欄PWを「地点PA」とし、計測開始ボタンBT1をマウスクリックする。すると、固有情報設定装置2は、通信可能圏内の無線機器1に対して物理識別子の返送指令を送信する(図4:矢印(3))。
【0036】
この場合、通信可能圏内には、図1に示したように、無線機器1−1,1−2,1−3が位置しているものとする。この固有情報設定装置2からの物理識別子の返送指令に応えて、通信可能圏内の無線機器1−1,1−2,1−3は、自己に設定されている物理識別子#1,#2,#3を返送する(図4:矢印(4))。
【0037】
固有情報設定装置2は、通信可能圏内の無線機器1−1,1−2,1−3から物理識別子#1,#2,#3が返送されてくると、その物理識別子#1,#2,#3の受信時の電波強度(受信電波強度)V1A,V2A,V3Aを計測し、物理識別子#1と受信電波強度V1Aとを対とし、物理識別子#2と受信電波強度V2Aとを対とし、物理識別子#3と受信電波強度V3Aとを対とし、これらの物理識別子と受信電波強度との対を第1の計測地点PAでの計測結果として記憶する。そして、第1の計測地点PAでの計測を完了したことをメッセージの表示欄MSで知らせる。
【0038】
〔手順3:第2の計測地点での計測〕
次に、操作者は、1階のフロア内での計測地点を変える。この場合、第1の計測地点PAから離れた任意の位置を第2の計測地点PBとし、この第2の計測地点PBまで固有情報設定装置2を持って移動する。そして、フロアレイアウト図G1上で、第2の計測地点PBの位置をマーキングする(図4:矢印(5))。すると、図7に示すように、第2の計測地点PBの位置を示すマークMBがフロアレイアウト図G1中に表示される。
【0039】
そして、操作者は、計測地点の入力欄PWを「地点PB」とし、計測開始ボタンBT1をマウスクリックする。すると、固有情報設定装置2は、通信可能圏内の無線機器1(1−1,1−2,1−3)に対して物理識別子の返送指令を送信する(図4:矢印(6))。この固有情報設定装置2からの物理識別子の返送指令に応えて、通信可能圏内の無線機器1−1,1−2,1−3は、自己に設定されている物理識別子#1,#2,#3を返送する(図4:矢印(7))。
【0040】
固有情報設定装置2は、通信可能圏内の無線機器1−1,1−2,1−3から物理識別子#1,#2,#3が返送されてくると、その物理識別子#1,#2,#3の受信時の電波強度(受信電波強度)V1B,V2B,V3Bを計測し、物理識別子#1と受信電波強度V1Bとを対とし、物理識別子#2と受信電波強度V2Bとを対とし、物理識別子#3と受信電波強度V3Bとを対とし、これらの物理識別子と受信電波強度との対を第2の計測地点PBでの計測結果として記憶する。そして、第2の計測地点PBでの計測を完了したことをメッセージの表示欄MSで知らせる。
【0041】
〔手順4:第3の計測地点での計測〕
次に、操作者は、1階のフロア内での計測地点をさらに変える。この場合、第1の計測地点PAおよび第2の計測地点PBから離れた任意の位置を第3の計測地点PCとし、この第3の計測地点PCまで固有情報設定装置2を持って移動する。そして、フロアレイアウト図G1上で、第3の計測地点PCの位置をマーキングする(図4:矢印(8))。すると、図8に示すように、第3の計測地点PCの位置を示すマークMCがフロアレイアウト図G1中に表示される。
【0042】
そして、操作者は、計測地点の入力欄PWを「地点PC」とし、計測開始ボタンBT1をマウスクリックする。すると、固有情報設定装置2は、通信可能圏内の無線機器1(1−1,1−2,1−3)に対して物理識別子の返送指令を送信する(図4:矢印(9))。この固有情報設定装置2からの物理識別子の返送指令に応えて、通信可能圏内の無線機器1−1,1−2,1−3は、自己に設定されている物理識別子#1,#2,#3を返送する(図4:矢印(10))。
【0043】
固有情報設定装置2は、通信可能圏内の無線機器1−1,1−2,1−3から物理識別子#1,#2,#3が返送されてくると、その物理識別子#1,#2,#3の受信時の電波強度(受信電波強度)V1C,V2C,V3Cを計測し、物理識別子#1と受信電波強度V1Cとを対とし、物理識別子#2と受信電波強度V2Cとを対とし、物理識別子#3と受信電波強度V3Cとを対とし、これらの物理識別子と受信電波強度との対を第3の計測地点PCでの計測結果として記憶する。そして、第3の計測地点PCでの計測を完了したことをメッセージの表示欄MSで知らせる。
【0044】
〔手順5:無線機器の位置の特定〕
固有情報設定装置2は、第3の計測地点PCでの計測を完了すると、自動的に、計測地点PA,PB,PCでの計測結果に基づいて、その計測結果に含まれる物理識別子#1,#2,#3毎にその物理識別子を返送してきた無線機器1−1,1−2,1−3の位置を特定し、その特定した無線機器1−1,1−2,1−3の位置をフロアレイアウト図G1中に表示する(図4:矢印(11))。図9にフロアレイアウト図G1中に表示された無線機器1−1,1−2,1−3の位置を示す。無線機器1−1,1−2,1−3の位置はマークM1,M2,M3で示される。
【0045】
この場合、例えば、物理識別子#1を返送してきた無線機器1−1の位置の特定は、次のようにして行う。物理識別子#1に対しては、第1の計測地点PAでの受信電波強度V1Aと、第2の計測地点PBでの受信電波強度V1Bと、第3の計測地点PCでの受信電波強度V1Cとが記憶されている。この受信電波強度V1A,V1B,V1Cより物理識別子#1を返送してきた無線機器1−1と各計測地点PA,PB,PCとの間の距離R1A,R1B,R1Cを推定する。
【0046】
そして、この推定した距離R1A,R1B,R1Cより、3辺測位法などのアルゴリズムによって、無線機器1−1の位置を特定する(図10参照)。これと同様にして、物理識別子#2を返送してきた無線機器1−2の位置、物理識別子#3を返送してきた無線機器1−3の位置も特定する。
【0047】
〔手順6:設定対象の無線機器の指定〕
操作者は、フロアレイアウト図G1中にその位置が表示された無線機器1−1,1−2,1−3の中から、所望の無線機器を設定対象の無線機器として指定する。この例では、設定対象の無線機器を無線機器1−2とし、この無線機器1−2の位置を示すマークM2をマウスクリックする(図4:矢印(12))。マークM2は、マウスクリックされると、その表示色が変わる。
【0048】
〔手順7:設定対象の無線機器からの設定情報のデフォルト値の取得〕
すると、固有情報設定装置2は、設定対象の無線機器1−2の物理識別子#2を付加して、通信可能圏内の無線機器1(1−1〜1−3)に対して設定情報のデフォルト値の送信要求を送る(図4:矢印(13))。
【0049】
通信可能圏内の無線機器1(1−1〜1−3)は、固有情報設定装置2からの設定情報のデフォルト値の送信要求を受信し、その送信要求に付加されている物理識別子#2と自己に設定されている物理識別子とが一致しているか否かを判断する。
【0050】
この場合、設定対象の無線機器1−2において、その送信要求に付加されている物理識別子#2と自己に設定されている物理識別子#2とが一致していると判断される。これにより、設定対象の無線機器1−2は、固有情報設定装置2からの設定情報のデフォルト値の送信要求に応えて、自己が記憶している各種設定情報項目およびその設定情報項目に対する設定情報のデフォルト値を固有情報設定装置2へ返送する(図4:矢印(14))。
【0051】
固有情報設定装置2は、設定対象の無線機器1−2から返送されてくる各種設定情報項目およびその設定情報項目に対する設定情報のデフォルト値を取得し、そのデフォルト値を含む各種設定情報の入力ウィンドウW1(図11参照)をフロアレイアウト図G1の横に表示する(図4:矢印(15))。
【0052】
この例では、各種設定情報の入力ウィンドウW1中、設定情報項目として、「コントローラ名称」、「論理アドレス(管理番地)」、「連動制御方式」、「復電時運転状態」、「セットバック動作指令」、「室温設定方式」が表示される。「コントローラ名称」と「論理アドレス(管理番地)」はその設定情報の入力欄が空白とされており、「連動制御方式」は「連動あり」、「復電時運転状態」は「前回状態」、「セットバック動作指令」は「セットバック有り」、「室温設定方式」は「年間冷房主設定」としてその設定情報の入力欄にデフォルト値が設定されている。
【0053】
〔手順8:設定情報の入力〕
操作者は、この表示された各種設定情報の入力ウィンドウW1において、「コントローラ名称」や「論理アドレス(管理番地)」については、所望の設定情報を入力する。「連動制御方式」、「復電時運転状態」、「セットバック動作指令」、「室温設定方式」については、変更の必要があれば、その設定情報を変更する(図4:矢印(16))。
【0054】
〔手順9:設定情報の送信〕
そして、操作者は、各種設定情報の入力ウィンドウW1からの設定情報の入力を終了した後、確定ボタンBT2をマウスクリックする(図12参照)。すると、固有情報設定装置2は、設定対象の無線機器1−2に対する設定情報の入力が確定したと判断し、その確定された入力ウィンドウW1中の設定情報を設定対象の無線機器1−2の物理識別子#2を付加して通信可能圏内の無線機器1(1−1〜1−3)に対して送信する(図4:矢印(17))。
【0055】
通信可能圏内の無線機器1(1−1〜1−3)は、固有情報設定装置2からの設定情報を受信し、その設定情報に付加されている物理識別子#2と自己に設定されている物理識別子とが一致しているか否かを判断する。
【0056】
この場合、設定対象の無線機器1−2において、その設定情報に付加されている物理識別子#2と自己に設定されている物理識別子#2とが一致していると判断される。これにより、設定対象の無線機器1−2は、固有情報設定装置2からの設定情報を自己に割り当てられた固有情報として記憶し、ACK信号を固有情報設定装置2へ返す(図4:矢印(18))。
【0057】
固有情報設定装置2は、設定対象の無線機器1−2からACK信号が返送されてくると、設定対象の無線機器1−2への固有情報の設定が完了したことをメッセージの表示欄MSで知らせる。
【0058】
上述した実施の形態では、無線機器1−2を設定対象の無線機器としたが、設定対象の無線機器を無線機器1−1とした場合でも、無線機器1−2を設定対象の無線機器とした場合と同様の手順で、無線機器1−1への固有情報の設定を行うことができる。設定対象の無線機器を無線機器1−3とした場合も同様である。
【0059】
なお、この場合、各種設定情報の入力ウィンドウW1は、フロアレイアウト図G1上で次の設定対象の無線機器が選択されるまで表示され続ける。また、この場合、固有情報の設定がまだ行われていない無線機器は、その無線機器の位置を示すマークの表示色で分かる。
【0060】
また、上述した実施の形態では、設定対象の無線機器から各種設定情報項目およびその設定情報項目に対する設定情報のデフォルト値を取得するようにしたが、固有情報設定装置2のメモリに無線機器1の種類に応じた各種設定情報項目およびその設定情報項目に対する設定情報のデフォルト値を記憶させておき、そのメモリから設定対象の無線機器1−2の種類に応じた各種設定情報項目およびその設定情報項目に対する設定情報のデフォルト値を読み出すようにしてもよい。
【0061】
この場合のシーケンス図を図13に示す。図4に示したシーケンス図と比較して分かるように、図13に示したシーケンス図では設定対象の無線機器1−2への設定情報のデフォルト値の送信要求が省略され(図4における矢印(13))、設定対象の無線機器1−2の種類に応じた各種設定情報項目およびその設定情報項目に対する設定情報のデフォルト値が固有情報設定装置2自身のメモリから読み出され、そのデフォルト値を含む各種設定情報の入力ウィンドウW1が表示される(図13:矢印(13))。他は、図4に示したシーケンス図と同じであるので、その説明は省略する。
【0062】
以上の説明から分かるように、本実施の形態によれば、3つの計測地点での計測結果に基づいて、その計測結果に含まれる物理識別子毎にその物理識別子を返送してきた無線機器の位置が特定され、その特定された無線機器の位置がフロアレイアウト図中に表示されるので、無線機器の設置場所が不明確な場合であっても所望の無線機器を探し出すことができるようになる。
【0063】
また、本実施の形態によれば、フロアレイアウト図中から所望の無線機器を設定対象の無線機器として指定すると、その指定した設定対象の無線機器に対する各種設定情報の入力ウィンドウが表示され、この各種設定情報の入力ウィンドウから設定対象の無線機器に対する固有情報の設定を行うことができるので、固有情報設定装置に各無線機器の物理識別子とその無線機器に割り当てる固有情報との対応関係を登録しなくてもよく、面倒な登録作業が不要となる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、各種設定情報の入力ウィンドウから入力された設定情報が設定対象の無線機器の物理識別子を付加して通信可能圏内の無線機器に送信され、設定情報に付加された物理識別子の一致を確認して設定対象の無線機器に固有情報として記憶されるので、固有情報設定装置の通信可能圏内に複数の無線機器が混在するような場合であっても、所望の無線機器のみに正しく固有情報を設定することができるようになる。
【0065】
なお、本実施の形態では、計測地点を3つとしたが、計測地点は3つに限られるものではない。計測地点をさらに増やすことによって、無線機器の位置の特定精度を高めることが可能となる。
【0066】
また、本実施の形態では、計測地点をマウスクリックによって特定し、マーキングするようにしたが、GPSなどを用いて固有情報設定装置の現在位置を自動的にフロアレイアウト図中に表示するようにし、その位置をマーキングするようにしてもよい。
【0067】
また、本実施の形態では、固有情報設定装置自身の位置をフロアレイアウト図中で指定するようにしたが、例えば、計測用の無線装置を3台以上仮設置し、この仮設置した無線装置の位置を自身の現在位置としてフロアレイアウト図中で指定するようにし、これら仮設置した無線装置で受信される無線機器からの物理識別子とその物理識別子の受信時の電波強度との対を各計測地点での計測結果として記憶し、この記憶した計測結果から通信可能圏内の無線機器の位置を特定し、その特定した無線機器の位置をフロアレイアウト図中に表示するようにしてもよい。
【0068】
また、本実施の形態において、無線機器は、天井裏や高所に機器を設置し、かつパラメータ設定を必要とする機器として、コントローラ以外にも、空調制御用バルブ・ダンパ・センサ、照明機器、無線LANや構内PHSで使用される端末なども考えられる。
【0069】
図14および図15に図4のシーケンス図を用いて説明した固有情報設定システムにおける固有情報設定装置2および無線機器1の要部の機能ブロック図を示す。
【0070】
この方式(方式1)において、固有情報設定装置2は、表示部2Aと、レイアウト図を記憶するレイアウト図記憶手段2Bと、レイアウト図表示手段2Cと、識別情報返送指令送信手段2Dと、識別情報受信手段2Eと、受信電波強度計測手段2Fと、計測結果記憶手段2Gと、無線機器位置特定手段2Hと、設定情報入力部表示手段2Iと、設定情報送信手段2Jとを備えている。無線機器1は、識別情報返送手段1Aと、設定情報のデフォルト値送信手段1Bと、固有情報記憶手段1Cと、各種設定情報のデフォルト値を記憶する記憶部1Dとを備えている。
【0071】
〔固有情報設定装置〕
固有情報設定装置2において、レイアウト図表示手段2Cは、指定されたエリアのレイアウト図をレイアウト図記憶手段2Bから読み出して、表示部2Aに表示する。識別情報返送指令送信手段2Dは、表示部2Aに表示されたレイアウト図において、自身の現在位置を計測地点として指定したうえ計測開始が指示された場合、通信可能圏内の無線機器1に対してその無線機器に設定されている識別情報の返送指令を送信する。
【0072】
識別情報受信手段2Eは、識別情報返送指令送信手段2Dからの返送指令に応えて通信可能圏内の無線機器1から返送されてきた識別情報を受信する。受信電波強度計測手段2Fは、識別情報受信手段2Eが受信した識別情報について、その識別情報の受信時の電波強度(受信電波強度)を計測する。計測結果記憶手段2Gは、識別情報受信手段2Eが受信した識別情報毎に、その識別情報とその識別情報の受信電波強度とを対とし、計測地点での計測結果として記憶する。
【0073】
無線機器位置特定手段2Hは、計測結果記憶手段2Gが記憶する3つの計測地点での計測結果に基づいて、その計測結果に含まれる識別情報毎にその識別情報を返送してきた無線機器1の位置を特定し、その特定した無線機器1の位置を表示部2Aにおけるレイアウト図中に表示する。
【0074】
設定情報入力部表示手段2Iは、表示部2Aにおけるレイアウト図中に表示されているその位置が特定された無線機器1の中から、所望の機器が設定対象の無線機器として指定された場合、その指定された設定対象の無線機器に対する設定情報の入力部を表示部2Aに表示する。
【0075】
この場合、設定情報入力部表示手段2Iは、設定情報のデフォルト値の送信要求を設定対象の無線機器の識別情報を付加して通信可能圏内の無線機器へ送り、これに応えて設定対象の無線機器から送られてきた設定情報のデフォルト値を取得し、そのデフォルト値を含む各種設定情報の入力ウィンドウを設定情報の入力部として表示する。
【0076】
設定情報送信手段2Jは、表示部2Aに表示された設定情報の入力部に所望の設定情報が入力され、その設定情報の入力が確定された場合、その確定された設定情報を設定対象の無線機器の識別情報を付加して通信可能圏内の無線機器1に対して送信する。
【0077】
〔無線機器〕
無線機器1において、識別情報返送手段1Aは、固有情報設定装置2より送られてくる識別情報の返送指令に応じて自己に設定されている識別情報を固有情報設定装置2へ返送する。
【0078】
固有情報のデフォルト値送信手段1Bは、固有情報設定装置2からの設定情報のデフォルト値の送信要求に応えて、その設定情報のデフォルト値の送信要求に付加されている識別情報が自己に設定されている識別情報と一致していた場合、記憶部1Dに記憶されている各種設定情報のデフォルト値を固有情報設定装置2へ返送する。
【0079】
固有情報記憶手段1Cは、固有情報設定装置2からの設定情報を受信し、その設定情報に付加されている識別情報が自己に設定されている識別情報と一致していた場合、受信した設定情報を自己に割り当てたれた固有情報として記憶する。
【0080】
図16および図17に図13のシーケンス図を用いて説明した固有情報設定システムにおける固有情報設定装置2および無線機器1の要部の機能ブロック図を示す。
【0081】
この方式(方式2)において、固有情報設定装置2は、無線機器の種類に応じた各種設定情報のデフォルト値を記憶する記憶部2Kを備えており、設定情報入力部表示手段2Iは、指定された設定対象の無線機器の種類に応じた各種設定情報のデフォルト値を記憶部2Kから読み出して、設定対象の無線機器に対する設定情報の入力部を表示部2Aに表示する。
【0082】
この方式において、無線機器1は、図15に示したような設定情報のデフォルト値送信手段1Bや各種設定情報のデフォルト値を記憶する記憶部1Dは備えていない。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明に係る固有情報設定システムの一実施の形態を示す構成図である。
【図2】この固有情報設定システムにおける無線機器の内部構成の概略を示す図である。
【図3】この固有情報設定システムにおける固有情報設定装置の内部構成の概略を示す図である。
【図4】この固有情報設定システムにおいて固有情報設定装置から設定対象の無線機器へ固有情報を設定する際の動作を示すシーケンス図(方式1)である。
【図5】固有情報設定装置のディスプレイ上でのフロアレイアウト図の表示例を示す図である。
【図6】第1の計測地点の位置を示すマークがフロアレイアウト図中に表示された状況を示す図である。
【図7】第2の計測地点の位置を示すマークがフロアレイアウト図中に表示された状況を示す図である。
【図8】第3の計測地点の位置を示すマークがフロアレイアウト図中に表示された状況を示す図である。
【図9】通信可能圏内の無線機器の位置を示すマークがフロアレイアウト図中に表示された状況を示す図である。
【図10】無線機器と各計測地点との間の距離からその無線機器の位置を特定する状況を示す図である。
【図11】設定対象の無線機器のデフォルト値を含む各種設定情報の入力ウィンドウがフロアレイアウト図の横に表示された状況を示す図である。
【図12】各種設定情報の入力ウィンドウからの設定情報の入力を終了した後に確定ボタンをマウスクリックする状況を示す図である。
【図13】この固有情報設定システムにおいて固有情報設定装置から設定対象の無線機器へ固有情報を設定する際の動作を示すシーケンス図(方式2)である。
【図14】図4のシーケンス図を用いて説明した方式とした固有情報設定システムにおける固有情報設定装置の要部の機能ブロック図である。
【図15】図4のシーケンス図を用いて説明した方式とした固有情報設定システムにおける無線機器の要部の機能ブロック図である。
【図16】図13のシーケンス図を用いて説明した方式とした固有情報設定システムにおける固有情報設定装置の要部の機能ブロック図である。
【図17】図12のシーケンス図を用いて説明した方式とした固有情報設定システムにおける無線機器の要部の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0084】
1(1−1〜1−3)…無線機器、2…固有情報設定装置、1A…CPU、1B…ROM、1C…RAM、1D…不揮発性メモリ、1E…無線送受信回路、1F…計測制御用入出力回路、1G…アンテナ、2−1…CPU、2−2…RAM、2−3…ROM、2−4…記憶装置、2−5…無線送受信部、2−6,2−7…インターフェイス、2−8…ディスプレイ、2−9…キーボード、2−10…マウス、2−11…アンテナ、G1…フロアレイアウト図、BT1…計測開始ボタン、BT2…確定ボタン、MS…メッセージの表示欄、PW…計測地点の入力欄、MA,MB,MC…計測地点の位置を示すマーク、M1,M2,M3…無線機器の位置を示すマーク、W1…各種設定情報の入力ウィンドウ、1A…識別情報返送手段、1B…設定情報のデフォルト値送信手段、1C…固有情報記憶手段、1D…記憶部、2A…表示部、2B…レイアウト図記憶手段、2C…レイアウト図表示手段、2D…識別情報返送指令送信手段、2E…識別情報受信手段、2F…受信電波強度計測手段、2G…計測結果記憶手段、2H…無線機器位置特定手段、2I…設定情報入力部表示手段、2J…設定情報送信手段、2K…記憶部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線機器と、この無線機器に対して無線通信により固有情報を設定する固有情報設定装置とを備えた固有情報設定システムにおいて、
前記固有情報設定装置は、
指定されたエリアのレイアウト図を画面に表示するレイアウト図表示手段と、
このレイアウト図表示手段が表示するレイアウト図において、自己の現在位置を計測地点として指定したうえ計測開始が指示された場合、通信可能圏内の無線機器に対してその無線機器に設定されている識別情報の返送指令を送信する返送指令送信手段と、
この返送指令送信手段からの返送指令に応えて返送されてきた識別情報とその識別情報の受信時の電波強度との対を前記計測地点での計測結果として記憶する計測結果記憶手段と、
この計測結果記憶手段が記憶する少なくとも3つの前記計測地点での計測結果に基づいて、その計測結果に含まれる識別情報毎にその識別情報を返送してきた無線機器の位置を特定し、その特定した無線機器の位置を前記レイアウト図中に表示する無線機器位置特定手段とを備え、
前記無線機器は、
前記固有情報設定装置より送られてくる識別情報の返送指令に応えて自己に設定されている識別情報を返送する識別情報返送手段を備える
ことを特徴とする固有情報設定システム。
【請求項2】
請求項1に記載された固有情報設定システムにおいて、
前記固有情報設定装置は、
前記レイアウト図中に表示されているその位置が特定された無線機器の中から、所望の無線機器が設定対象の無線機器として指定された場合、その指定された設定対象の無線機器に対する設定情報の入力部を表示する設定情報入力部表示手段
を備えることを特徴とする固有情報設定システム。
【請求項3】
請求項2に記載された固有情報設定システムにおいて、
前記固有情報設定装置は、
前記設定情報の入力部に所望の設定情報が入力され、その設定情報の入力が確定された場合、その確定された設定情報を前記設定対象の無線機器の識別情報を付加して通信可能圏内の無線機器に対して送信する設定情報送信手段を備え、
前記無線機器は、
前記固有情報設定装置より送られてくる設定情報を受信し、その設定情報に付加されている識別情報と自己に設定されている識別情報とが一致していた場合、その設定情報を自己に割り当てられた固有情報として記憶する固有情報記憶手段と
を備えることを特徴とする固有情報設定システム。
【請求項4】
無線機器に対して無線通信により固有情報を設定する固有情報設定装置において、
指定されたエリアのレイアウト図を画面に表示するレイアウト図表示手段と、
このレイアウト図表示手段が表示するレイアウト図において、自己の現在位置を計測地点として指定したうえ計測開始が指示された場合、通信可能圏内の無線機器に対してその無線機器に設定されている識別情報の返送指令を送信する返送指令送信手段と、
この送信手段からの返送指令に応えて返送されてきた識別情報とその識別情報の受信時の電波強度との対を前記計測地点での計測結果として記憶する計測結果記憶手段と、
この計測結果記憶手段が記憶する少なくとも3つの前記計測地点での計測結果に基づいて、その計測結果に含まれる識別情報毎にその識別情報を返送してきた無線機器の位置を特定し、その特定した無線機器の位置を前記レイアウト図中に表示する無線機器位置特定手段と
を備えることを特徴とする固有情報設定装置。
【請求項5】
請求項4に記載された固有情報設定装置において、
前記レイアウト図中に表示されているその位置が特定された無線機器の中から、所望の無線機器が設定対象の無線機器として指定された場合、その指定された設定対象の無線機器に対する設定情報の入力部を表示する設定情報入力部表示手段
を備えることを特徴とする固有情報設定装置。
【請求項6】
請求項5に記載された固有情報設定装置において、
前記設定情報の入力部に所望の設定情報が入力され、その設定情報の入力が確定された場合、その確定された設定情報を前記設定対象の無線機器の識別情報を付加して通信可能圏内の無線機器に対して送信する設定情報送信手段
を備えることを特徴とする固有情報設定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−164803(P2009−164803A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−340747(P2007−340747)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000006666)株式会社山武 (1,808)
【Fターム(参考)】