説明

国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システム

移動機の在圏するサービスエリアのある国に応じて、サーバがサービス提供の態様を制御する国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムを提供する。 移動機1は、移動通信モード設定機能により設定された移動通信モードに応じて、この移動機1の在圏するサービスエリアを判定する。あるいは、基地局から受信した移動通信ネットワークのシステムに関する報知情報により、在圏するサービスエリアを判定する。移動機1は、サービスを要求するリクエストを、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に向けて送信するとき、同時に、判定されたサービスエリアを記述したリージョン・ヘッダを付加する。移動機1ではなく、ゲートウェイG/W63がリージョン・ヘッダを付加することも可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、国際ローミング対応型移動機が、コンテンツ配信等のサービスを提供するサーバにアクセスしてサービスを要求する、国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システム、サーバ、国際ローミング対応型移動機、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム、ゲートウェイに関するものである。
【背景技術】
【0002】
国際ローミングとは、ある国をサービスエリアとする移動通信ネットワーク(ホームネットワーク)に加入しているユーザが、国外の移動通信ネットワークのサービスエリアにおいても、ホームネットワーク在圏時と同様に通信できる移動通信サービスをいう。
国際ローミングの方式として、端末ローミングとチップローミングとが知られている。端末ローミングは、ホームネットワークから国外の移動通信ネットワークに移動(ローミングアウト)しても通信可能な移動機(デュアル移動機,複合移動機)を用いる方式である(特許文献1参照)。
以下の説明では、端末ローミングを例にして、第3世代の国際標準規格である、日本のW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)ネットワークとヨーロッパ系のGSM(GSM:Global System for Mobile Communication)ネットワークの双方で、少なくとも利用可能な移動機について説明する。
【0003】
図13は、国際ローミング対応型移動機のハードウエア構成例を示すブロック図である。
図中、制御部106は、CPU(Central Processing Unit)を含み、メモリ(ROM/RAM:Read Only Memory/Random Access Memory)110に記憶された制御プログラムやアプリケーションプログラムによって、無線送受信部102および音声信号処理部103を制御し、電話系の発着信制御および非電話系のネットワーク接続制御を行う。
メモリ110の一部として着脱自在な外部メモリーカードを備える場合がある。
無線送受信部102は、複数の移動通信モード(W−CDMA,CDMA2000,GSM)に対応している。
【0004】
ユーザは、現在位置に応じてキー入力部109を操作することにより、複数の移動通信モードのうち、1つを選択する。制御部106は、選択された移動通信モードに応じて、無線送受信部102の内部構成を設定する。
音声信号処理部103は、無線送受信部102で復調された音声データをデジタル/アナログ変換して、スピーカ(受話器)104から出力させる。一方、マイクロフォン(送話器)105から入力された音声信号をアナログ/デジタル変換して、無線送受信部102に出力して変調させる。
【0005】
最近の移動機は、コンテンツ配信サービスなど、ネットワークを介して多様な非電話系サービス(コンテンツ・サービス)の提供を受ける機能を備えている。
制御部106は、また、表示部107、デジタル・カメラ部108、キー入力部109、外部インターフェース111に接続され、Webページへのアクセスの他、撮影,ゲーム,電子メールの送受信等の制御をする。キー入力部109は、コンテンツのメニュー選択や配信要求の入力等を行う。表示部107は、キー入力操作の確認表示やコンテンツのメニュー表示、ダウンロードした画像コンテンツの表示等をする。
【0006】
ここで、コンテンツ・サービスとは、コンテンツ・データの配信を受けることを目的とするものに限らない。移動機1からのリクエストにより、コンテンツ・プロバイダのサーバが、リクエストに応じた何らかのサービスを提供することを意味する。
従って、画像データ、音楽データ、あるいは、ゲーム等のプログラム、の配信に限らない。証券売買などの取引データ、銀行口座への振り込み、あるいは、クレジットカードなどによる電子決済等を、ネットワークを介して行う場合を含む。
【0007】
ところが、国際ローミング対応型移動機に、国内専用機に対して提供されているコンテンツ・サービスを提供するとなると、種々の問題が発生する。
図14は、国際ローミングによるコンテンツ・サービスの問題点を示す説明図である。
図中、61は国際ローミング対応型の移動機である。
121は国内(日本)の移動通信ネットワーク(ホームネットワーク)のサービスエリア、122は国外(例えば、英国)の移動通信ネットワークのサービスエリアである。
123は、国内(日本)に会社所在地がある銀行(コンテンツ・プロバイダ)のサーバ(Webサーバ:World Wide Webサーバ)、124は、国内に会社所在地がある配信会社(コンテンツ・プロバイダ)のサーバ(Webサーバ)である。
【0008】
問題のある第1の例として、移動機61から日本の銀行のサーバ123にアクセスし、口座振り込みをする場合を考える。
移動機61が国内のサービスエリア121に在圏しており、国内の移動通信ネットワーク(無線アクセスネットワーク+コアネットワーク)およびインターネットを経由して日本の銀行のサーバ123にアクセスする場合は問題ない。
しかし、移動機61が国外のサービスエリア122に在圏していて、日本の銀行のサーバ123にアクセスする場合は、移動機61の在圏するサービスエリアのある国と銀行のサーバ123のある国とが異なるとともに、国外の日時と日本の日時とでは時差があることから、決済処理の法律的効果に影響を与えるおそれがある。
【0009】
問題のある第2の例として、移動機61から、日本の配信会社のサーバ124にアクセスし、著作権を伴うコンテンツを購入し、移動機61にダウンロードする場合を考える。
コンテンツの複製権、公衆送信権が、ユーザの所在する国別に契約されている場合や、ユーザの所在する国によっては契約が結ばれていない場合など、種々の場合が想定される。
従って、移動機61が、配信会社の会社所在地である日本のサービスエリア121に在圏している場合は特に問題ない。しかし、移動機61が、国外のサービスエリア122に在圏して、配信会社のサーバ124に、コンテンツの配信を要求した場合は、コンテンツの著作権に関する契約関係に従って、移動機61が在圏する国に応じて、サービスの態様を変える必要がある。
【0010】
上述したように、法律上の日時の取り決め、配信コンテンツの著作権契約等が整理されていないと、種々の問題がある。そのため、コンテンツ・プロバイダ側には、ビジネス上の危険性から、国際ローミング対応の移動機61には一律にサービスを提供しないという意向がある。そうすると、この国際ローミング対応の移動機61が日本に在圏しているときに、国内専用機と同等のサービス提供すら行われないことになる。
【0011】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)標準では、国際ローミング対応の移動機61がどのサービスエリアからアクセスしたかを、サーバ側で知ることができない。
これに対し、パーソナルコンピュータからサーバにアクセスするために、インターネット・プロバイダの保有するアクセスポイントからインターネットに接続する場合を想定する。アクセスポイントに接続したパーソナルコンピュータは、インターネット・プロバイダからIP(Internet Protocol)アドレスが割り当てられる。このIPアドレスを判定すると、不完全ながらも、このパーソナルコンピュータの所在する国がわかる。
ところが、国際ローミング対応の移動機61では、国外のネットワークにローミングアウトしている場合でも、ホームネットワークの交換ノードにおいて、IPアドレスが割り当てられる。そのため、移動機61が他国のサービスエリアに在圏している場合でも、移動機61に割り当てられたIPアドレスは国内を示すものとなるから、在圏しているサービスエリアの国を知ることができなかった。
【特許文献1】特開2001−119750
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、国際ローミングに対応した移動機がサーバにアクセスしてサービスを要求する際に、各サーバが、移動機の在圏するサービスエリア、サービスエリアのある国、サービスエリアのある国および事業者に応じて、ビジネスに適したサービスの提供の態様を制御することを可能にする、国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システム、サーバ、国際ローミング対応型移動機、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム、ゲートウェイを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、請求項1に記載の発明においては、国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムにおいて、国際ローミング対応型移動機が、国際ローミング対応型移動通信ネットワークを経由して、サーバにサービスを要求し、該サーバが前記サービスを提供する国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムであって、前記サービスを要求するリクエストを前記国際ローミング対応型移動通信ネットワークに送信する国際ローミング対応型移動機と、該国際ローミング対応型移動機により送信され、前記国際ローミング対応型移動通信ネットワークにより中継されたリクエストを受信し、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアに応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御するサーバを有するものである。
従って、サーバは、国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアに応じて、サービスの提供の態様を自由に制御することにより、ビジネスに適したサービスができる。
【0014】
上述した請求項1に記載の発明におけるサーバは、請求項2に記載の発明においては、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国に応じて、請求項3に記載の発明においては、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記サービスの提供の態様を制御するものである。
移動機が在圏するサービスエリアの情報としては、国を特定できるものであればよい。国内か国外かを特定できればよい場合もある。国に加えて、事業者を特定することもできる。
サービスの提供の態様として、例えば、国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアが国内であれば、国内専用移動機と同等のサービスを受け付け、在圏するサービスエリアが国外であれば、サービスを受け付けない。あるいは、国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国に応じて、サービスの提供の可否を制御することができる。
【0015】
請求項4〜請求項10に記載の発明は、サーバの発明である。請求項5〜請求項7に記載のものと請求項8に記載のものとは、異なるタイプのサーバである。
請求項4に記載の発明においては、国際ローミング対応型移動機からサービスを要求するリクエストを受信し、前記国際ローミング対応型移動機に、前記サービスを提供するサーバであって、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアに応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御するサービス提供態様制御手段を有するものである。
【0016】
請求項5に記載の発明においては、請求項4に記載のサーバにおいて、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのデータを取得するサービスエリア取得手段を有し、前記サービス提供態様制御手段は、前記サービスエリア取得手段により取得されたサービスエリアに応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御するものである。
請求項6に記載の発明においては、請求項5に記載のサーバにおいて、前記サービスエリア取得手段は、前記国際ローミング対応型移動機からサービスを要求するリクエストを受信するときに、前記サービスエリアのデータを取得するものである。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のサーバにおいて、前記サービスエリア取得手段は、前記リクエストのヘッダ領域に付加されたヘッダに記述された前記サービスエリアのデータを取得するものである。
【0017】
請求項8に記載の発明においては、請求項4に記載のサーバにおいて、前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードまたは国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードの交換ノード・アドレスの通知を受け、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定するサービスエリア判定手段を有し、前記サービス提供態様制御手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアに応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御するものである。
【0018】
請求項4から8までのいずれか1項に記載のサーバにおいて、前記サービス提供態様制御手段は、請求項9に記載の発明においては、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国に応じて、また、請求項10に記載の発明においては、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御するものである。
【0019】
請求項11〜請求項18に記載の発明は、国際ローミング対応型移動機の発明である。
請求項11に記載の発明においては、サービスを要求するリクエストをサーバに向けて送信し、該サーバに、前記サービスを提供させる国際ローミング対応型移動機であって、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定するサービスエリア判定手段と、該サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアを前記サーバに通知することにより、前記サービスエリアに応じて、当該国際ローミング対応型移動機が前記リクエストにより要求したサービスの提供の態様を制御させるサービスエリア通知手段を有するものである。
従って、サーバは、国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアのある国に応じて、サービスの提供の態様を自由に制御することにより、ビジネスに適したサービスができる。
【0020】
請求項12に記載の発明においては、請求項11に記載の国際ローミング対応型移動機において、ユーザの選択操作により、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムに対し、複数の事業者の中から1つの事業者を設定する事業者設定手段を有し、前記サービスエリア判定手段は、前記事業者設定手段により設定された事業者に応じて、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定するものである。
【0021】
請求項13に記載の発明においては、請求項11に記載の国際ローミング対応型移動機において、ユーザの選択操作により、複数の移動通信モードの中から1つの移動通信モードを設定する移動通信モード設定手段を有し、前記サービスエリア判定手段は、前記移動通信モード設定手段により設定された移動通信モードに応じて、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定するものである。
従って、既存の国際ローミング対応型移動機に備わる移動通信モード設定手段を利用して、簡単に在圏するサービスエリアを判定できる。
【0022】
請求項14に記載の発明においては、請求項11に記載の国際ローミング対応型移動機において、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアにある基地局から、該サービスエリアを提供する移動通信ネットワークシステムに関する報知情報を受信する報知情報受信手段を有し、前記サービスエリア判定手段は、前記報知情報受信手段により受信された報知情報により、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定するものである。
従って、従来の移動通信ネットワークシステムに備わっている移動通信ネットワークシステムに関する報知情報を利用して、簡単に在圏するサービスエリアを判定できる。
【0023】
請求項15に記載の発明においては、請求項11に記載の国際ローミング対応型移動機において、前記サービスエリア通知手段は、当該国際ローミング対応型移動機が前記リクエストを前記サーバに向けて送信するときに、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアを前記サーバに通知するものである。
在圏するサービスエリアをサーバに通知する新たな手順を設けてもよいが、既存の「リクエスト」に在圏するサービスエリアの情報を乗せることにより、新たな手順を設ける必要がない。
【0024】
請求項16に記載の発明においては、請求項15に記載の国際ローミング対応型移動機において、前記サービスエリア通知手段は、前記リクエストのヘッダ領域に前記サービスエリアを記述したヘッダを付加した上で、前記リクエストを前記サーバに向けて送信するものである。
従来の「リクエスト」のエンティティ・ボディ領域に在圏するサービスエリアを記述してもよいが、そのヘッダ領域を拡張することにより、簡単に、既存の「リクエスト」に在圏するサービスエリアの情報を乗せることができる。また、従来の「リクエスト」と互換性があるから、既存のサーバに対して支障を与えないで在圏するサービスエリアをサーバに通知することができる。
【0025】
請求項11から16までのいずれか1項に記載の国際ローミング対応型移動機において、請求項17に記載の発明においては、前記サービスエリア判定手段は、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国を判定し、前記サービスエリア通知手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国を前記サーバに通知することにより、前記サービスエリアのある国に応じて、当該国際ローミング対応型移動機が前記リクエストにより要求したサービスの提供の態様を制御させるものである。
一方、請求項18に記載の発明においては、前記サービスエリア判定手段は、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国および事業者を判定し、前記サービスエリア通知手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者を前記サーバに通知することにより、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、当該国際ローミング対応型移動機が前記リクエストにより要求したサービスの提供の態様を制御させるものである。
移動機が在圏するサービスエリアの情報としては、国を特定できるものであればよい。国内か国外かを特定できればよい場合もある。国に加えて、事業者を特定することもできる。
サービスの提供の態様として、例えば、国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアが国内であれば、国内専用移動機と同等のサービスを受け付け、在圏するサービスエリアが国外であれば、サービスを受け付けない。あるいは、国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国に応じて、サービスの提供の可否を制御することができる。
【0026】
請求項19〜請求項32に記載の発明は、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムの発明である。請求項19〜前記28に記載のものは、請求項29,請求項30に記載のものとは異なるタイプの国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムである。
請求項19に記載の発明においては、国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストをサーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムであって、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定するサービスエリア判定手段と、該サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアを前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させるサービスエリア通知手段を有するものである。
従って、サーバは、国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアのある国に応じた対応を任せられて、サービスの提供の態様を自由に制御することにより、ビジネスに適したサービスができる。
なお、上述した国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムの構成を、ホームネットワークのある国における構成に限った場合であっても、サービスエリア判定手段とサービスエリア通知手段を備えることができる。
【0027】
請求項20に記載の発明においては、請求項19に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムにおいて、前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、前記サービスエリア判定手段は、前記交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスに応じて、前記国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアを判定するものである。
従って、国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスを用いて簡単に在圏するサービスエリアを判定することができる。
【0028】
国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスは、IPアドレスなど、移動通信ネットワークシステムにおいて、上述した交換ノードが区別できるものであればよい。
すなわち、請求項21に記載の発明においては、前記交換ノードのアドレスは、前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた移動パケット交換ノードのIPアドレスである。
請求項22に記載の発明においては、請求項20に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムにおいて、前記交換ノード・アドレス取得手段は、前記交換ノードのアドレスを、該交換ノードのアドレスを記憶するホームロケーションレジスタから取得するものである。
【0029】
一方、請求項23に記載の発明においては、請求項19に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムにおいて、前記国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、前記サービスエリア判定手段は、前記交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスに応じて、前記国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアを判定するものである。
請求項24に記載の発明においては、請求項23に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムにおいて、前記交換ノード・アドレス取得手段は、前記国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードのアドレスを、該交換ノードのアドレスを記憶するホームロケーションレジスタから取得するものである。
【0030】
請求項25に記載の発明においては、請求項19に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムにおいて、前記サービスエリア通知手段は、前記国際ローミング対応型移動機により送信されたサービスを要求するリクエストが前記サーバに向けて中継されるときに、前記サービスエリアを前記サーバに通知するものである。
在圏するサービスエリアをサーバに通知する新たな手順を設けてもよいが、既存の「リクエスト」に在圏するサービスエリアの情報を乗せることにより、新たな手順を設ける必要がない。
【0031】
請求項26に記載の発明においては、請求項25に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムにおいて、前記サービスエリア通知手段は、前記リクエストのヘッダ領域に前記サービスエリアを記述したヘッダを付加した上で、前記リクエストを前記サーバに向けて中継させるものである。
既存の「リクエスト」のエンティティ・ボディ領域に所在国を記述してもよいが、そのヘッダ領域を拡張することにより、簡単に、既存の「リクエスト」に在圏するサービスエリアの情報を乗せることができる。また、従来の「リクエスト」と互換性があるから、既存のサーバに対して支障を与えないで所在国をサーバに通知することができる。
【0032】
請求項19から26までのいずれか1項に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムにおいて、前記サービスエリア通知手段は、請求項27に記載の発明においては、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国を前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアのある国に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させ、一方、請求項28に記載の発明においては、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者を前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させるものである。
【0033】
請求項29に記載の発明においては、国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストをサーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムであって、前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる交換ノード・アドレス通知手段を有するものである。
一方、請求項30に記載の発明においては、国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストをサーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムであって、前記国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる交換ノード・アドレス通知手段を有するものである。
従って、サーバは、国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアの国に応じた対応を任せられて、サービスの提供の態様を自由に制御することにより、ビジネスに適したサービスができる。
国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムにおいては、接続要求を受けた交換ノードのアドレス、あるいは、位置登録要求を受けた交換ノードのアドレスに応じて国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアを判定する構成を必要としない。
国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスは、移動パケット交換ノードのIPアドレス,あるいは、移動パケット交換ノード・アドレス等である。
【0034】
請求項29または30に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムにおいて、前記交換ノード・アドレス通知手段は、前記交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、請求項31に記載の発明においては、判定されたサービスエリアのある国に応じて、一方、請求項32に記載の発明においては、判定されたサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記サービスの提供の態様を制御させるものである。
移動機が在圏するサービスエリアの情報としては、国を特定できるものであればよい。国内か国外かを特定できればよい場合もある。国に加えて、事業者を特定することもできる。
なお、上述した国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムの構成を、ホームネットワークのある国における構成に限った場合であっても、サービスエリア判定手段とサービスエリア通知手段を備えることができる。
【0035】
請求項33〜請求項39に記載の発明はゲートウェイの発明である。請求項33〜請求項35に記載ものと、請求項36〜請求項39に記載のものとは異なるタイプのゲートウェイである。
請求項33に記載の発明においては、国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストを、パケット中継交換ネットワークおよびインターネットを経由して、サーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム内における、前記パケット中継交換ネットワークと前記インターネットとの間に設けられたゲートウェイであって、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定するサービスエリア判定手段と、該サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアを前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させるサービスエリア通知手段を有するものである。
従って、請求項19に記載の発明と同様に、サーバは、国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアの国に応じた対応を任せられて、サービスの提供の態様を自由に制御することにより、ビジネスに適したサービスができる。
ゲートウェイに、サービスエリア判定手段およびサービスエリア通知手段を設けたので、従来の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム内の構成の大幅な変更を要しない。
【0036】
請求項33に記載のゲートウェイにおいて、請求項34に記載の発明においては、前記サービスエリア通知手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国を前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアのある国に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させるものである。
一方、請求項35に記載の発明においては、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者を前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させるものである。
【0037】
請求項36に記載の発明においては、国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストを、パケット中継交換ネットワークおよびインターネットを経由して、サーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム内における、前記パケット中継交換ネットワークと前記インターネットとの間に設けられたゲートウェイであって、前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる交換ノード・アドレス通知手段を有するものである。
一方、請求項37に記載の発明は、国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストを、パケット中継交換ネットワークおよびインターネットを経由して、サーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム内における、前記パケット中継交換ネットワークと前記インターネットとの間に設けられたゲートウェイであって、前記国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる交換ノード・アドレス通知手段を有するものである。
従って、請求項29または30に記載の発明と同様に、サーバは、国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアの国に応じた対応を任せられて、サービスの提供の態様を自由に制御することにより、ビジネスに適したサービスができる。
ゲートウェイに、サービスエリア判定手段およびサービスエリア通知手段を設けたので、従来の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム内の構成の大幅な変更を要しない。
【0038】
請求項38に記載の発明においては、請求項36または37に記載のゲートウェイにおいて、前記交換ノード・アドレス通知手段は、該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアのある国に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させるものである。
一方、請求項39に記載の発明においては、判定されたサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させるものである。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、サービスを提供するサーバが国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアを判定できるので、金融サービス、着信メロディ配信サービス、キャラクター配信サービス等において、サービス可能な国を予めコンテンツ・プロバイダのサーバが設定しておくことにより、コンテンツ・プロバイダそれぞれのビジネスに適した形でサービスの提供を可能にするという効果がある。
国内専用機にのみ提供できるコンテンツを、国際ローミング対応型移動機に配信できるようになり、コンテンツ・プロバイダにも移動機ユーザにも利点がある。
また、従来の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムを更新しなくても済むか、あるいは、従来の国際ローミング対応型移動機をそのまま使用できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態を説明する、国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムの全体構成図である。
【図2(a)】HTTPリクエストの説明図である。
【図2(b)】HTTPヘッダの説明図である。
【図3(a)】フェーズ1における移動機の内部処理の説明図である。
【図3(b)】フェーズ2における移動機の内部処理の説明図である。
【図4】フェーズ2における構成を有する移動機の動作例を示す第1の説明図である。
【図5】フェーズ2における構成を有する移動機の動作例を示す第2の説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を説明する、国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムの全体構成図である。
【図7】図6に示した実施の形態における制御手順を説明するための信号シーケンス図である。
【図8】本発明の他の実施の形態を説明する、国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムの部分構成図である。
【図9】図8に示した実施の形態における制御手順を説明するための信号シーケンス図である。
【図10】本発明の各実施の形態を楽曲配信に利用した場合の一例を示す説明図である。
【図11】本発明の各実施の形態をネットワーク・バンキングに利用した場合の一例を示す説明図である。
【図12】本発明の各実施の形態をキャラクター画像配信に利用した場合の一例を示す説明図である。
【図13】国際ローミングが可能な移動機のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【図14】国際ローミングによるコンテンツ配信サービスの問題点を示す説明図である。
【符号の説明】
【0041】
1,61…移動機、2…国内の移動通信ネットワーク、3…国外の移動通信ネットワーク、4…コンテンツ・プロバイダのサーバ、5,8…基地局、6,9…移動パケット交換ノードSGSN、7,62…関門パケット交換ノードGGSN、10,63,203…ゲートウェイG/W、201,204…移動通信交換ノードMSC、202…第3世代ホームロケーションレジスタ3GHLR
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
図1は、本発明の実施の形態を説明する、国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムの全体構成図である。
1は国際ローミング対応型の移動機である。
2は国内(日本)の移動通信ネットワーク(ホームネットワーク)であり、例えば、W−CDMAネットワークである。3は国外の移動通信ネットワーク(他のネットワーク)であり、例えば、GSMネットワークである。4は、国内に所在するコンテンツ・プロバイダのサーバ(Webサーバ)である。例えば、図14に示した銀行のサーバ123や配信会社のサーバ125である。
国内の移動通信ネットワーク2において、5は基地局BS(Base Station)、6は移動パケット交換ノードSGSN(serving GPRS support node)、7は関門パケット交換ノードGGSN(Gate way GPRS support node)である。
【0043】
移動機1と基地局5は無線アクセスネットワークである。
移動パケット交換ノードSGSN6、関門パケット交換ノードGGSN7は、コアネットワーク内にあって、例えば、GSM(Global System for Mobile Communication)上で提供されるパケット・ベアラ・サービスGPRS(General Packet Radio Service)のための交換ノードである。
移動パケット交換ノードSGSNは、無線アクセスネットワークとパケット交換コアネットワークとの間のゲートウェイであって、移動通信特有の制御機能を含むIPルータで構成される。
関門パケット交換ノードGGSNは、パケット交換コアネットワークとパケット交換中継ネットワークとの間のゲートウェイであって、移動通信特有の制御機能を含んだIPファイアウオールルータである。
【0044】
一方、国外の移動通信ネットワーク3において、8は基地局BS、9は移動パケット交換ノードSGSNである。移動パケット交換ノードSGSN6は、国内の移動通信ネットワーク2内にある関門パケット交換ノードGGSN7に接続されている。
10は、ゲートウェイ(G/W:Gate Way)であり、国内(ホームネットワークがある国)に設置されている。パケット交換中継ネットワークとインターネットとの間のゲートウェイであって、インターネットを経由して、国内に所在するコンテンツ・プロバイダのサーバ4に接続する。
【0045】
移動機1は、国内の移動通信ネットワーク2のサービスエリアから、国外のネットワーク3のサービスエリアに移動しても、同様の通信が可能な国際ローミング対応型の移動機である。
この移動機1は、国内(日本)の移動通信ネットワーク2のサービスエリア、あるいは、国外の移動通信ネットワーク3のサービスエリアに在圏して、サービスを要求するリクエストを送信する。
コンテンツ・プロバイダのサーバ4は、移動機1により送信され、国内(日本)の移動通信ネットワーク2およびまたは国外の移動通信ネットワーク3により中継されたリクエストを受信し、移動機1が在圏するサービスエリアのある国に応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御する。
【0046】
ここで、移動機1が在圏するサービスエリアを判定する機能をいずれのブロックに持たせるかにより、複数の実施の態様がある。
図1を参照して、これらの機能が移動機1側にある実施の形態について説明する。
また、後述する図6を参照して、これらの機能が移動通信ネットワーク側にある実施の形態、および、コンテンツ・プロバイダのサーバ4側にある実施の形態について説明する。
図1において、移動機1は、移動機自身が在圏しているサービスエリアを自律的に判定する機能を備えている。また、判定されたサービスエリアをコンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知することにより、判定されたサービスエリアのある国に応じて、この移動機1が要求したサービスの提供の態様を制御させる機能を有している。
上述したサービスエリアの判定機能は、図3,図4を参照して後述することにし、先に、サービスエリアを通知する機能について説明する。
【0047】
移動機1は、サービスを要求するHTTP(Hypertext Transfer Protocol)リクエストを、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に向けて送信するとき、同時に、サービスエリア判定機能により判定されたサービスエリアをコンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知する。
具体的には、上述したHTTPリクエストのヘッダ領域にサービスエリアを記述したリージョン・ヘッダを付加した上で、このHTTPリクエストをコンテンツ・プロバイダのサーバ4に向けて送信する。
コンテンツ・プロバイダのサーバ4は、移動機1からのHTTPリクエストに付加されているサービスエリアのデータを取得し、このサービスエリアのある国に応じて、自らのコンテンツビジネスへの影響を考慮し、コンテンツ・プロバイダ4に都合のよいように、コンテンツ配信等の要求に対する処理を制御する。
【0048】
コンテンツ・プロバイダのサーバ4は、このHTTPリクエストを受信し、移動機1に対し、コンテンツを配信する場合は、HTTPレスポンスによってコンテンツをダウンロードさせる。
ここで、移動機1が在圏するサービスエリアは、コンテンツ・プロバイダのサーバ4からの要求によって通知するのではなく、HTTPリクエストを送信するときに、一方的に送信している。コンテンツ・プロバイダのサーバ4によっては、サービスエリアのある国に応じた処理をしない。そのような場合は、リージョン・ヘッダ自体が無視されるだけで、サーバに障害を与えることはない。
【0049】
図2は、HTTPリクエストおよびHTTPヘッダの説明図である。
図2(a)に示すように、HTTPリクエストは、HTTPヘッダ領域21とエンティティ・ボディ領域22とで構成される。
図2(b)に、HTTPヘッダ21を例示するが、説明は省略する。
HTTPヘッダ領域21には複数種類の制御データが含まれている。各制御データは、そのヘッダ名とそのヘッダ値との対が繰り返し連続して記述されている。この中の1つに、ローミング情報を示す「リージョン・ヘッダ(Region Header)」21aが拡張ヘッダとして、従来のHTTPヘッダ領域21に付加されている。
一方、エンティティ・ボディ領域22には、HTML(Hypertext Markup Language)形式でドキュメントが記述されている。
リージョン・ヘッダ(Region Header)21aは、ヘッダ名を、例えば、「x−jphone−region」とし、そのヘッダ値は、ローミング情報であり、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)のTS25.331の10.3.1.11に規定する移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(Public Land Mobile Network identity)を用いる。
【0050】
移動通信ネットワーク識別子PLMN identityの上位3桁は、国識別子(MCC:Mobile Country Code)であり、下位2桁は、事業者識別子(MNC:Mobile Network Code)であって、国と事業者とにより、移動通信ネットワークのサービスエリアを表している。
移動機1が、国内(日本)の移動通信ネットワーク2のサービスエリアに在圏しているときは、移動通信ネットワーク識別子PLMN identityは、「20020」となる。ここで、上位3桁の「200」は、日本を表す国識別子MCCであり、下位2桁の「20」は「ジェイフォン株式会社」を表す事業者識別子MNCである。
移動機1が、国外のネットワーク3のサービスエリアに在圏しているときも同様に、通信ネットワーク識別子PLMN identityはサービスエリアを表示するが、在圏しているサービスエリアが国内か国外かを通知すればよい場合もある。従って、移動機1が国外のネットワーク3のサービスエリアに在圏しているときは、例えば、「FFFFF」としてもよい。ここで、上位3桁の「FFF」は、国外を示す国識別子(MCC:Mobile Country Code)と定義する。
【0051】
次に、上述した移動機1が在圏しているサービスエリアの判定機能について説明する。この判定機能は、本発明の開発段階に応じて、第1の実施の形態としてフェーズ1の構成、第2の実施の形態としてフェーズ2の構成をとる。
図3(a)は、フェーズ1における移動機1の内部処理の説明図であり、図3(b)は、フェーズ2における移動機1の内部処理の説明図である。
最初に、フェーズ1の構成を説明する。
31は通信処理部、32は情報保持部、33はアプリケーション部である。
なお、移動機1のハードウエア構成は、図13に示した構成を前提とする。
通信処理部31は、移動通信モード設定機能と移動機1が在圏するサービスエリアの判定機能を有する。
【0052】
図13のキー入力部109がユーザの選択操作を検出したとき、移動通信モード設定機能は、W−CDMAモードあるいはGSMモード等、複数の移動通信モードの中から1つの移動通信モードを設定する。
例えば、移動機1のキー入力部109には、「W−CDMA」と「GSM」とを切り替えるキーが設けられている。あるいは、表示部107に移動通信モード選択画面を表示させ、その画面上で、「W−CDMA」,「GSM」等の中から、ユーザがキー操作で選択する。
サービスエリアの判定機能は、この移動通信モード設定機能により設定された移動通信モードに応じて、この移動機1が在圏するサービスエリアを判定する。
すなわち、ユーザがW−CDMAモードを選択したときは、無線送受信部102がW−CDMAモードに設定されるので、サービスエリアの判定機能は、移動機1が国内に在圏していると判定する。
一方、ユーザがGSMモードを選択したときは、無線送受信部102がGSMモードに設定されるので、サービスエリアの判定機能は、国外に在圏していると判定する。
【0053】
あるいは、表示部107に国モード設定画面を表示させ、その画面上で、「国内」と「国外」の一方を、ユーザがキー操作で選択する。移動機内部では、この選択操作により、移動通信モードを「国内」であれば「W−CDMA」に、「国外」であれば「GSM」に切り替える。
なお、ユーザの選択操作によって不適切な在圏国が入力される可能性があることを考慮して、移動機1は、ユーザにより選択された在圏国が適切であるか否かを判断し、選択された在圏国が不適切である場合には、通信をできなくする構成を採ることも可能である。
【0054】
あるいは、表示部107に「エリアモード選択」画面を表示させ、その画面上で、「国内(日本)」と「国外(GSM900MHz帯,GSM1800MHz帯)」と「国外(GSM1800MHz帯)」の中から、ユーザがキー操作で選択する。「国外(GSM900MHz帯,GSM1800MHz帯)」あるいは「国外(GSM1800MHz帯)」を選択したときは、「通信事業者選択(オペレータ選択)」画面に切り替わり、それぞれの移動通信モードを使用する事業者(オペレータ)のリストが表示される。
なお、移動通信モードと国内外との対応として、移動通信ネットワークによっては、「CDMA2000」の場合は国内、「GSM」の場合は「国外」とすることもできる。
【0055】
ここで、「手動」で事業者を選択して移動通信ネットワークに対する設定をすれば、その事業者のサービスエリアに在圏しているものとして、その事業者に割り当てられている移動通信モードおよび周波数で基地局に対し、位置登録する処理を開始する。
設定された事業者のサービスエリアに移動機1が在圏しており、かつ、国際ローミング利用契約がされているときは、位置登録されて通信が可能となるが、選択され設定された事業者のサービスエリアに在圏していないとき、または、国際ローミング利用契約がされていないときは通信ができない。
事業者が国毎に分かれている(例えば、Vodafone NL,Vodafone UK)ので、事業者の設定によって、移動機1が在圏するサービスエリアの事業者とあわせて、移動機1が在圏するサービスエリアのある国も設定できる(単なる国内,国外の設定を含む)。
位置登録が成功すれば、ユーザによる、移動通信モードおよび周波数の設定、移動機1が在圏するサービスエリアのある国およびこのサービスエリアの事業者の設定、が間違っていないことがわかる。
【0056】
「通信事業者選択(オペレータ選択)」画面において、「自動」で事業者を選択して設定することもできる。例えば、選択する事業者を、順次、自動的に切り替えて行き、その事業者のサービスエリアに在圏しているものとして、基地局に位置登録する処理を開始する。選択された事業者のサービスエリアに在圏しており、かつ、国際ローミング利用契約がされているときは、位置登録されて通信が可能となる。
切り替えられた事業者のサービスエリアに在圏していないとき、あるいは、国際ローミング利用契約がされていないときは、位置登録されない。その場合は、次の事業者に切り替えて位置登録ができるかを試行する。位置登録がされれば、そのときの事業者に設定される。
【0057】
上述した説明では、まず移動通信モードおよび周波数を選択してから、事業者を選択していた。しかし、移動通信モードおよび周波数とは無関係に、ユーザが事業者リストの中から事業者を選択してもよい。選択の結果、位置登録ができれば、事業者の選択によって、移動通信ネットワークに対して、移動通信モードおよび周波数、移動機1が在圏するサービスエリアのある国(国内,国外の設定を含む)も設定される。
ユーザが国リストの中から、国を選択してもよい。選択の結果、位置登録ができれば、国の選択によって、移動通信モードおよび周波数、移動機1が在圏するサービスエリアのある国(国内,国外の設定を含む)、事業者も設定される。1国に複数の事業者が存在すれば、デフォルトで1つの事業者が自動的に選択されるようにすればよい。
【0058】
図3(a)に示した情報保持部32は、移動機1が国内のサービスエリアに在圏しているときは、移動通信ネットワーク識別子PLMN identityを「20020」(国識別子MCCは「200」)として、少なくとも国識別子MCCを図13に示したメモリ110に保持する。
一方、移動機1が国外のサービスエリアに在圏しているときは、移動通信ネットワーク識別子PLMN identityを、例えば、「FFFFF」(所在国識別子MCCは「FFF」)として、少なくとも国識別子MCCをメモリ110に保持する。
上述した事業者選択の場合のように、移動機1が在圏するサービスエリアのある国と、このサービスエリアの事業者とがわかる場合は、それに応じて具体的に、移動通信ネットワーク識別子PLMN identityをメモリ110に保持する。単に、国内か国外かを判別できればよい場合は、国外を、全て「FFFFF」としてもよい。
情報保持部32は、また、「送出許可情報」も保持する。この「送出許可情報」は、顧客情報(ユーザID、ローミング情報等)を移動通信ネットワーク外のコンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知することを同意したときに登録されるものである。
移動機1は、電波を受信できない地域に移動したり、無線回線障害を受けたりする場合がある。
このような場合に、セッションが切れた後の再開時にも、移動通信ネットワーク識別子PLMN identityあるいは国識別子MCCが保持されているので、改めてサービスエリア判定機能を実行する手順を踏まなくてよいので、再開に要する時間が短縮される。
【0059】
アプリケーション部33は、Webブラウザアプリケーションにて、移動機1が在圏しているサービスエリアの通知機能を実現する。
コンテンツ・プロバイダのサーバ4にコンテンツを要求するとき、HTTPリクエストのヘッダ領域に、情報保持部32に保持された国識別子を少なくとも含むリージョン・ヘッダを付加した上で、このリクエストをコンテンツ・プロバイダのサーバ4に向けて中継する。
【0060】
次に、図3(b)を参照して、フェーズ2における移動機1の内部処理を説明する。
34は通信処理部、35は情報保持部、36はアプリケーション部である。
なお、移動機1のハードウエア構成は、図13に示した構成を前提とする。
通信処理部34は、報知情報受信機能と、移動機1が在圏するサービスエリアの判定機能を有する。
報知情報受信機能は、ネットワーク側からこのネットワークのシステムに関する報知情報を受信する報知情報受信機能を有している。
すなわち、この移動機1が、基地局BS5のサービスエリアに在圏するときは、このサービスエリアを提供する国内の移動通信ネットワーク2のシステムに関する報知情報を受信する。この移動機1が、基地局BS8のサービスエリアに在圏するときは、このサービスエリアを提供する国外の移動通信ネットワーク3のシステムに関する報知情報を受信する。
【0061】
上述した報知情報として、例えば、図2を参照して既に説明した、移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(国識別子MCC+事業者識別子MNC)を用いることができる。
この移動通信ネットワーク識別子PLMN identityは、従来も、電話系の情報として、基地局BS5,8から移動機1に送信されるシステム情報ブロックSIB(System Information Blocks)中に含まれていた。しかし、移動機1は、下位レイヤのプロトコルで受信する、この移動通信ネットワーク識別子PLMN identityを、上位のアプリケーション・レイヤ(HTTPレイヤ)で用いるようなことは行っていなかった。
移動機1が在圏するサービスエリアの判定機能は、報知情報受信機能により受信された報知情報に含まれている移動通信ネットワーク識別子PLMN identityを取得する。
【0062】
図3(b)に示した情報保持部35は、移動通信ネットワーク識別子PLMN identityのうち、少なくとも国識別子MCCを保持する。
移動機1が国内のサービスエリアに在圏しているときは、移動通信ネットワーク識別子PLMN identityである「20020」(国識別子MCCは「200」)、少なくとも国識別子「200」を、図13に示したメモリ110に保持する。
一方、移動機1が国外のサービスエリアに在圏しているときは、その国外のサービスエリアの国識別子MCC+その事業者識別子からなる移動通信ネットワーク識別子PLMN identity、少なくとも国識別子MCCを、メモリ110に保持する。
情報保持部35は、また、フェーズ1の場合と同様に、「送出許可情報」を保持している。
アプリケーション部36は、フェーズ1の場合と同様に、移動機1が在圏しているサービスエリアを通知する機能を実現する。
【0063】
このフェーズ2においては、移動機1が国外に在圏しているときも、単に国外というだけでなく、国識別子により具体的に国を特定できる。
従って、コンテンツ・プロバイダ4は、移動機1の在圏するサービスエリアのある国毎に、サービスの態様を変えることができる。
例えば、著作権者が、ある国に在圏する移動機1にはコンテンツ配信を認めるが、他のある国に在圏する移動機1には認めないというような場合に対応できる。
あるいは、コンテンツの複製権、公衆送信権が、国ごとに異なる会社に帰属して、国毎に著作権使用料の支払い先を変えるような場合にも対応できる。
【0064】
なお、フェーズ2においても、コンテンツ・プロバイダのサーバ4側では、フェーズ1においてした処理方法を踏襲できる。この場合、国内か国外かを判別することができればよいので、フェーズ1と同様に、国外は、全て「FFFFF」としてもよい。
また、フェーズ2においては、国内、国外とも、事業者識別子MNCを含んでいるため、コンテンツ・プロバイダが提供するサービスを、事業者に応じて変えることもできる。
事業者識別子MNCは、コンテンツ・プロバイダ側において、米国のように広い国土を複数の事業者のサービスエリアで区別する必要性がある場合に有効である。
【0065】
図4は、フェーズ2における構成を有する移動機1の動作例を示す第1の説明図である。
移動機1の電源をオンとすることにより起動する。
S41において、移動機1は基地局BS5または基地局BS8からSIB(System Information Block)を受信し、これに含まれた移動通信ネットワーク識別子PLMN identityを取得する。
S42において、移動機を購入後の最初のアクセスであるか否かを判定する。そうであれば、顧客情報をコンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知することの了解(パーミッション)を得るためのプロトコルが開始される。
移動機(UE)1側からネットワーク(NW)側に対して、ネットワーク自動調整指示が送信され、ネットワーク側から「同意画面」(画面a)の表示データが送信される。
【0066】
移動機1では、S43において、「画面a」に示した同意画面を表示部107(図13)に表示する。ユーザが「OK」ボタンを選択してローミング情報を含む顧客情報をコンテンツ・プロバイダ4に通知することに同意したときは、OKリクエストをネットワークに送信する。
一方、ユーザが「NO」ボタンを選択して同意しなかったときには、不許可リクエストをネットワークに送信する。
いずれの場合も、ネットワーク側から応答がある。応答には、「通知許可」あるいは「通知不許可」の情報を含むので、移動機1側では、「ローミング情報送出許可」、あるいは、「ローミング情報送出不許可」の状態を、図3(b)に示した情報保持部35で保持する。
なお、図示の例では、ユーザID,製造番号,ローミング情報をまとめて同意を求めているが、ローミング情報単独で同意を求めてもよい。
【0067】
図5は、フェーズ2における構成を有する移動機1の動作例を示す第2の説明図である。
図4に示したフローチャートの処理を終了した後、引き続き、移動機1側からコンテンツ・プロバイダのサーバ4に、コンテンツを要求する処理を示している。
S51において、「ローミング情報送出許可」が情報保持部35に保持されているか否かを判定する。
「ローミング情報不許可」が保持されていたときには、ネットワークを経由してコンテンツ・プロバイダのサーバ4に、リージョン・ヘッダのないHTTPリクエストを送信する。
コンテンツ・プロバイダのサーバ4側では、リージョン・ヘッダが含まれているか否かを判定する。
このときは、含まれていないので、ネットワークを経由して、含まれていない旨の応答を移動機1に返す。移動機1のS53において、「画面b」に示す設定変更指示画面を表示することにより、移動機1がアクセスしたコンテンツ・プロバイダのサーバ4のサイト(Webページ)が使用できないことを通知する。
【0068】
一方、移動機1のS51において、「ローミング情報送出許可」が情報保持部35に保持されていたときは、S54において、国内で待ち受け(国内に在圏)状態であるか否かに応じて、HTTPリクエストをネットワークを経由してコンテンツ・プロバイダのサーバ4に送信する。
このステップS51は、情報保持部35に保持された保持情報の場合分けを示すものである。実際には、情報保持部35において保持されている、移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)をリージョン・ヘッダに記述して、ネットワークを経由し、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に送信する。
その結果として、国内で待ち受け(在圏)であれば、リージョン・ヘッダに「20020」を指定してHTTPリクエストを送信し、国外で待ち受け(在圏)であれば、リージョン・ヘッダに「xxxxx」を指定(国と事業者によって異なるコードとなる)してHTTPリクエストを送信することになる。国内か国外かを識別するだけでよければ、「20020」か「FFFFF」のいずれかを保持する。
【0069】
コンテンツ・プロバイダのサーバ4側では、S52においてリージョン・ヘッダありと判定した後、S55において、リージョン・ヘッダが「20020」であるか否かを判定し、そうであれば、移動機1側に、「画面c」に例示する利用画面を表示するデータを送信する。
すなわち、コンテンツ・プロバイダ4のWebサイトのトップページ(Webページ)を表示させる。
以後の処理は図示を省略するが、ユーザは、所望の着信メロディ等の音楽コンテンツを選択するとともに、課金処理を済ませ、音楽コンテンツのダウンロードを行う。
一方、S55において、リージョン・ヘッダが「20020」でなければ、移動機1側のS57において、「画面d」に示す利用不許可表示画面のデータを送信する。
すなわち、アクセスされたコンテンツ・プロバイダのサーバ4のサイトは、国外からは利用できない旨の通知をする。
【0070】
上述した説明は、移動機1の側において、移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)を、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知するものであった。
これに対し、移動機1自体は、従来と同様のものとし、移動通信ネットワーク側に、移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)を、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知する機能を付加するという他の実施の形態を採用することもできる。
図6は、この本発明の他の実施の形態を説明する、国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムの全体構成図である。
図1,図14と同様な部分には同じ符号を付している。
移動機61は、図13,図14に示した従来の国際ローミング対応型の移動機である。関門パケット交換ノードGGSN62,ゲートウェイG/W63には、それぞれ、図1に示した関門パケット交換ノードGGSN6、ゲートウェイG/W10にはない機能が付加されている。
【0071】
国内の移動通信移動通信ネットワーク2、国外の移動通信ネットワーク3、および、ゲートウェイG/W63は、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムに相当する。
国際ローミング対応型の移動機61により送信された、サービスを要求するリクエストをコンテンツ・プロバイダのサーバ4に向けて中継することにより、コンテンツ・プロバイダのサーバ4側にサービスを提供させる。
この国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムは、移動機61が在圏するサービスエリアを判定するサービスエリア判定機能と、判定されたサービスエリアを示す移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)をコンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知することにより、判定されたサービスエリアのある国に応じて、移動機61により要求されたサービスの提供の態様を制御させるサービスエリア通知機能を有している。
上述したサービスエリア判定機能、サービスエリア通知機能を、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムを構成するノードのいずれに持たせるかによって種々のネットワークが構築される。
【0072】
以下の説明では、サービスエリア判定機能およびサービスエリア通知機能を国内(ホームネットワークがある国)に設置されているゲートウェイG/W63において実現する場合について説明する。
従来と同様に、移動パケット交換ノードSGSN6は、国内の移動通信ネットワーク2に在圏する移動機61から接続要求を受ける。移動パケット交換ノードSGSN9は、国外の移動通信ネットワーク3に在圏する移動機61から接続要求を受ける。
また、従来と同様に、関門パケット交換ノードGGSN62は、移動機61から接続要求を受けた移動パケット交換ノードSGSN6またはSGSN9のIPアドレスを取得する交換ノードIPアドレス取得機能を有している。
【0073】
この実施の形態においては、従来とは異なり、関門パケット交換ノードGGSN62は、移動パケット交換ノードSGSN6のIPアドレス、および、移動パケット交換ノードSGSN9のIPアドレスをゲートウェイG/W63に通知するようにした。
また、ゲートウェイG/W63は、サービスエリア判定機能を有する。すなわち、関門パケット交換ノードGGSN62により取得された、移動パケット交換ノードIPアドレスに応じて、この移動パケット交換ノードの属するネットワークのサービスエリアを示す、移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)を判定するとともに、この判定したサービスエリアを、移動機61が在圏するサービスエリアであるとみなす。
【0074】
移動機61側から送信されたサービスを要求するリクエストが、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に向けて中継されるときに、サービスエリア判定機能により判定されたサービスエリアをコンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知することにより、サービスエリアのある国に応じて、移動機61により要求されたサービスの提供の態様を制御させる。
より具体的には、上述したリクエストのヘッダ領域にサービスエリアを示す、移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)を記述したリージョン・ヘッダを付加した上で、このリクエストをコンテンツ・プロバイダのサーバ4に向けて中継する。
上述したゲートウェイG/W63のサービスエリア通知機能は、図3を参照して説明したフェーズ1,フェーズ2の構成をとる移動機1が有するサービスエリア通知機能と同様である。
従って、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムの構成を、ホームネットワークのある国における構成に限った場合であっても、例えば、ゲートウェイG/W63に、サービスエリア判定手段とサービスエリア通知手段を備えさせることができる。
【0075】
図7は、図6に示した実施の形態における制御手順を説明するための信号シーケンス図である。
移動機61からネットワーク接続要求が国内の移動通信ネットワーク2の基地局BS5および移動パケット交換ノードSGSN6、または、国外の移動通信ネットワーク3の基地局BS8および移動パケット交換ノードSGSN9を経由して、関門パケット交換ノードGGSN62に送信される。
関門パケット交換ノードGGSN62は、移動機61に対するIPアドレスを割り当てる。このIPアドレスを、上述したネットワーク接続要求の経路を逆方向にたどって、移動機61に払い出しする。
関門パケット交換ノードGGSN62は、また、ゲートウェイG/W63に対し、PDPコンテクスト(Packet Data Protocol context)として、ネットワーク接続要求が中継されてきた移動パケット交換ノードSGSN6またはSGSN9のIPアドレスを通知する。
【0076】
しかし、通知されたSGSN6,9のIPアドレスは、サービスエリアを示す移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)ではない。
従って、ゲートウェイG/W93において、移動パケット交換ノードSGSN6またはSGSN9に関し、これらのIPアドレスと、これらの属するネットワークが提供するサービスエリアを示す移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)との対応テーブルを記憶装置65に保持しておく。
例えば、IPアドレスがxxx.xxx.AAA.xxxの場合は何々国(国識別子MCC)、IPアドレスxxx.xxx.BBB.xxxの場合は、何々国(国識別子MCC)という対応付けを行う。
単に、国内か国外かを判別できればよい場合は、国外のサービスエリアを示す移動通信ネットワーク識別子PLMN identityを、「FFFFF」としてもよい。
その結果、移動パケット交換ノードSGSN6またはSGSN9のうち、いずれかのIPアドレスが通知されたとき、この対応テーブルを参照し、これらの属する移動通信ネットワークが提供するサービスエリアを判定する。かつ、このサービスエリアを移動機61が在圏するサービスエリアでもあるとして、このサービスエリアを示す少なくとも、国識別子MCCを記憶装置65に保持しておく。もちろん、移動通信ネットワーク識別子PLMN identityを記憶装置65に保持しておいてもよい。
【0077】
また、図示を省略したが、予め、HTTPリクエストにリージョン・ヘッダを付加してよいか否か、すなわち、図4,図5に示した処理と同様に、事前に何らかの認証画面を用い、「ローミング情報送出可」,「ローミング情報送出不可」の確認をしておく。
ユーザが顧客情報の通知を同意したときは「ローミング情報送出可」を、同意しないときは「ローミング情報送出不可」(Permission情報)を、ゲートウェイG/W63に登録し、各移動機61の加入者番号(Mobile Subscriber Number、厳密には、MSISDN)毎に、記憶装置65に保持しておく。
【0078】
コンテンツ・プロバイダのサーバ4は、リージョン・ヘッダに記述されたサービスエリアを示す、少なくとも国識別子MCCによって、移動機61が国内の移動通信ネットワーク2のサービスエリアに在圏しているのか、国外の移動通信ネットワーク3のサービスエリアに在圏しているのかを判別する。
【0079】
上述した説明では、ゲートウェイG/W63の記憶装置65に、対応テーブルを記憶させた。このような構成に代えて、コアネットワーク中の移動パケット交換ノードSGSN6,9、あるいは、関門パケット交換ノードGGSN62等に同様の対応テーブルを備え付けて、サービスエリアを示す移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)に変換し、リージョン・ヘッダをHTTPヘッダに付加して中継することもできる。
【0080】
さらに他の実施の形態として、移動パケット交換ノードSGSN6,9のIPアドレスをそのまま、リージョン・ヘッダに記述して、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知することもできる。
この場合、上述した説明において、ゲートウェイG/W63の記憶装置65に記憶させることとした、IPアドレスとサービスエリアとの対応テーブルは、オープンサイトであるコンテンツ・プロバイダのサーバ4側に置く必要がある。
【0081】
上述した図6,図7を参照した説明では、従来と同様の国際ローミング対応型の移動機61を用い、移動通信ネットワーク側の、例えば、ゲートウェイG/W63において、移動機61から接続要求を受けた移動パケット交換ノードSGSN6あるいはSGSN9のIPアドレスを取得し、取得されたIPアドレスに応じて、対応テーブルを参照し、移動機61の在圏するサービスエリアを判定し、判定されたサービスエリアをリージョン・ヘッダに記述して、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知していた。
あるいは、他の実施の形態として、移動パケット交換ノードSGSN6あるいはSGSN9のIPアドレスを、そのまま、リージョン・ヘッダに記述して、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知し、コンテンツ・プロバイダのサーバ4側において、移動機61の在圏するサービスエリアを判定していた。
以下、移動通信ネットワーク側において、異なる方法でサービスエリアを判定する実施の形態について説明する。
【0082】
図8は、本発明の他の実施の形態を説明する、国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムの部分構成図である。
図1,図6と同様な部分には同じ符号を付している。図1,図6では、記載を省略したが、音声通信サービスとネットワークサービスとが提供される移動通信ネットワークでは、移動通信交換ノードMSC(Mobile Switching Center)201が、基地局BS5と関門パケット交換ノードGGSN7間にあり、移動通信交換ノードMSC204が、基地局BS8と関門パケット交換ノードGGSN7間にある。なお、3GPPでは基地局のことをNode−Bという。
関門パケット交換ノードGGSN7の機能は、図1に示した従来のものと同じものである。
【0083】
移動機61は、国内の移動通信ネットワーク2において、従来と同様に、電源投入時などにおいて、基地局5を経由して移動通信交換ノードMSC201に対して位置登録をするとともに、基地局5を経由して、移動パケット交換ノードSGSN6に対しても位置登録をする。
移動機61は、国外の移動通信ネットワーク3においても同様に、基地局8を経由して移動通信交換ノードMSC204および移動パケット交換ノードSGSN9に対して位置登録をする。
移動パケット交換ノードSGSN6は、国内の移動通信ネットワーク2に在圏する移動機61から接続要求を受ける。一方、移動パケット交換ノードSGSN9は、国外の移動通信ネットワーク3に在圏する移動機61から接続要求を受ける。
【0084】
202は、移動機61のユーザが加入契約したホームネットワーク(図示の例では、国内の移動通信ネットワーク2)にある、第3世代(3G)のホームロケーションレジスタ3GHLR(Home Location Register)である。この3GHLR202は、加入者番号(Mobile Subscriber ISDN)に対応して、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)、位置登録済み等の設定状態、交換機系データ設定、転送先番号、最後に位置登録した、「VLR(Vistor Location Register)アドレス」,「MSCアドレス」,「SGSNアドレス」等を管理している。
【0085】
上述した移動通信交換ノードMSCあるいは移動パケット交換ノードSGSNは、国内の移動通信ネットワーク2あるいは国外の移動通信ネットワーク3の内の複数地域に分散配置されている。
移動機61が位置登録を要求した、移動通信交換ノードMSCの「MSCアドレス」および移動パケット交換ノードSGSNの「SGSNアドレス」は、3GPPのTS23およびCCITT(ITU−T)勧告E.164に準拠し、両者は、それぞれ独立に3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202で管理されている。
「MSCアドレス」は、移動機61から位置登録要求を受けた移動通信交換ノードMSC201あるいはMSC204を特定する情報であって、その上位桁(digits)に、移動通信交換ノードMSCのサービスエリアのある国を識別する「国番号CC(Country Code)」、および、「国内宛先コード(National Destination Code)」を含んでいる。
一方、「SGSNアドレス」は、移動機61から位置登録要求を受けた移動パケット交換ノードSGSN6またはSGSN9を特定する情報であって、その上位桁に移動パケット交換ノードMSCのサービスエリアのある国を識別する「国番号CC(Country Code)」、および、「国内宛先コード(National Destination Code)」を含んでいる。両者のサービスエリアは、完全に一致する場合もあれば、いずれか一方が他方よりも広い場合もある。しかし、これらを、移動機61が在圏するサービスエリアのデータであるとみなす。
【0086】
「国番号CC」により国が特定でき、「国内宛先コードNDC」により事業者(オペレータ)が特定できる。「国内宛先コードNDC」はGSM Asociationにおいて公開されている。
既に説明した「移動通信ネットワーク識別子PLMN identity」のうち、「国識別子MCC」は、「国番号CC」から得られ、「事業者(オペレータ)識別子MNC」は、「国内宛先コードNDC」から得られる。
【0087】
この国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムも、移動機61が在圏するサービスエリアを判定する機能と、判定されたサービスエリアを示す移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも国識別子MCC)、「MSCアドレス」、あるいは、「SGSNアドレス」をコンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知することにより、少なくとも、判定されたサービスエリアのある国に応じて、移動機61により要求されたサービスの提供の態様を制御させる通知機能を有している。
上述した判定機能、通知機能を、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムを構成するいずれのノードに持たせるかによって、種々のネットワークが構築される。
【0088】
以下の説明では、上述した判定機能および通知機能を国内(ホームネットワークのある国)に設置されているゲートウェイG/W203において実現する場合を説明する。
従来も、3GHLR202は、「MSCアドレス」および「SGSNアドレス」を3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202に記憶していたが、これをG/W203から要求して読み出すルートは設置されていなかった。
この実施の形態では、ゲートウェイG/W223が3GHLR202にアクセスするルートを設置し、移動機61の在圏情報として、移動機61が位置登録を要求した移動通信交換ノードMSCの「MSCアドレス」(少なくとも「国番号CC」)、または、移動機61が位置登録を要求した移動パケット交換ノードSGSNの「SGSNアドレス」(少なくとも「国番号CC」)を、3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202から取得するようにした。
【0089】
ゲートウェイG/W203は、この取得したデータに基づいて、移動機61が在圏するサービスエリア(少なくとも在圏国)を判定する。
ゲートウェイG/W203は、判定結果を用いて、リージョン・ヘッダを作成し、コンテンツ・プロバイダのサーバCP4に、リージョン・ヘッダを付加したHTTPリクエストを転送する。移動機61が国外の移動通信ネットワーク3に在圏するときは、一律に、移動通信ネットワーク識別子PLMN identityを「FFFFF」、国識別子MCCを「FFF」とする場合もある。
【0090】
図9は、図8に示した実施の形態における制御手順を説明するための信号シーケンス図である。
移動機61は、従来と同様に、電源投入時などにおいて、移動機61は、在圏するサービスエリアが国内の移動通信ネットワーク2か、国外の移動通信ネットワーク3かに応じて、基地局5を経由して移動通信交換ノードMSC201に対して、または、基地局8を経由して移動通信交換ノードMSC204に対して位置登録要求をする。
移動通信交換ノードMSC201,MSC204は、3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202に位置登録要求を行い、位置登録要求に対する応答を、移動機61に通知する。
位置登録が成功したとき、3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202には、この移動機61が位置登録要求をした移動通信ノードMSC201またはMSC204の「MSCアドレス」が登録される。
移動機61は、また、在圏するサービスエリアが国内の移動通信ネットワーク2か国外の移動通信ネットワーク3かに応じて、基地局5を経由して移動パケット交換ノードSGSN6に対して、または、基地局8を経由して移動パケット交換ノードSGSN9に対して位置登録要求をし、位置登録が成功したとき、3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202には、この移動機61が位置登録要求をした移動パケット交換ノードSGSN6またはSGSN9による「SGSNアドレス」が登録される。
以上の位置登録処理は、従来と同様の処理である。
【0091】
移動機61が国内の移動通信ネットワーク2に在圏しており、加入者がネットワークサービスを利用するために、パケット通信動作を開始するときに、移動機61から送信されるネットワーク接続要求は、基地局BS5、移動パケット交換ノードSGSN6を経由して、関門パケット交換ノードGGSN7に送信される。一方、移動機61が国外の移動通信ネットワーク3に在圏しており、パケット通信動作を開始するときに、ネットワーク接続要求は、基地局BS8、移動パケット交換ノードSGSN9を経由して、関門パケット交換ノードGGSN7に送信される。上述したネットワーク接続要求には、移動機61の加入者番号(MSISDN)が含まれている。
【0092】
関門パケット交換ノードGGSN7は、ゲートウェイG/W203に対し、ネットワーク接続要求をするが、これには、移動機61の加入者番号(MSISDN)とともに、この移動機61に払い出す予定のIPアドレスを含んでいる。従って、ゲートウェイG/W203において、移動機61の加入者番号(MSISDN)と移動機61に払い出す予定のIPアドレスとの対応がわかり、これを記憶しておく、
ゲートウェイG/W203からネットワーク接続要求に対して応答が返されると、関門パケット交換ノードGGSN7は、移動機61に与えるIPアドレスを、移動機61からネットワーク接続要求を受けた移動パケット交換ノードSGSN6あるいはSGSN9を経由して移動機61に払い出しする。
【0093】
関門パケット交換ノードGGSN7は、この実施の形態においても、予め、HTTPリクエストにリージョン・ヘッダを付加してよいか否か、すなわち、図4,図5に示した処理と同様に、事前に何らかの認証画面を用い、「ローミング情報送出可」,「ローミング情報送出不可」の確認をしておく。
ユーザが顧客情報の通知を同意したときは「ローミング情報送出可」を、同意しないときは「ローミング情報送出不可」の情報(Permission情報)を、各移動機61の加入者番号(MSISDN)毎にゲートウェイG/W203の記憶装置65に保持しておく。
【0094】
移動機61側から、HTTPリクエストがゲートウェイG/W203に送信されてきたとき、記憶装置65に記憶された、移動機61の加入者番号に関するPermission情報が、「ローミング情報送出可」であるか否かのチェックが行われる。
ゲートウェイG/W203は、HTTPリクエストの送出元のIPアドレス、すなわち、移動機61のIPアドレスがわかるので、先に記憶しておいた移動機61の加入者番号(MSISDN)と移動機61に払い出す予定のIPアドレスとの対応関係に基づいて、HTTPリクエストを送出した移動機61の加入者電話番号(MSISDN)がわかる。この加入者電話番号(MSISDN)を検索キーとして記憶装置65を検索し、「ローミング情報送出可」であれば、3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202に、移動機61の加入者電話番号(MSISDN)を検索キーとして、移動機61の在圏情報を問い合わせる。
移動機61の在圏情報とは、先に説明した「MSCドレス」あるいは「SGSNアドレス」(少なくとも「国番号CC」)である。
【0095】
なお、上述した「Permission情報」は、ゲートウェイG/W203以外の、例えば、3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202に保持しておき、ここで、Permission情報が、「ローミング情報送出可」であるか否かの判定を行ってもよい。
移動通信交換ノードMSCごとにビジタロケーションレジスタVLR(Vistor Location Register)が設置されている。ビジタロケーションレジスタVLRに記憶される情報は、基本的に、3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202にもコピーされている。
国内の移動通信ネットワーク2および国外の移動通信ネットワーク3内にある全てのビジタロケーションレジスタVLRから、移動機61の在圏情報を検索することは、効率が非常に悪いから、3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202に問い合わせる。
3Gホームロケーションレジスタ3GHLR202は、ゲートウェイG/W203からの在圏情報の問い合わせにより、移動機61から位置登録要求を受けた移動通信交換ノードの「MSCアドレス」、あるいは、移動パケット交換ノードSGSの「SGSNアドレス」を、ゲートウェイG/W203に通知する。
【0096】
ゲートウェイG/W203は、移動機61が在圏するサービスエリアを示すデータとして、「移動通信ネットワーク識別子PLMN identity(少なくとも、国識別子MCC)」、あるいは、「MSCアドレス(少なくとも、国番号CC)」,「SGSNアドレス(少なくとも、国番号CC)」が記述されたリージョン・ヘッダを付加した上で、このHTTPリクエストを、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に向けて中継する。
なお、単に、国内か国外かを判別できればよい場合は、国を識別するコードは、国外のサービスエリアについては、例えば、「FFF」を用いてもよい。
【0097】
さらに他の実施の形態として、「MSCアドレス」あるいは「SGSNアドレス」を、そのまま、リージョン・ヘッダに記述して、コンテンツ・プロバイダのサーバ4に通知することもできる。
この場合、オープンサイトであるコンテンツ・プロバイダのサーバ4側において、移動機61が在圏するサービスエリアのある国を少なくとも識別する必要がある。このサービスエリアの事業者を識別できるようにすることも可能である。
【0098】
上述した図6,図7を参照した説明では、ゲートウェイG/W63は、移動機61から接続要求を受けた移動パケット交換ノードSGSN6あるいはSGSN9のIPアドレスを、関門パケット交換ノードGGSN62を経由して取得していた。
これに代えて、移動機61から接続要求を受けた移動パケット交換ノードSGSN6あるいはSGSN9の「SGSNアドレス」を、関門パケット交換ノードGGSN62を経由して取得するようにしてもよい。あるいは、移動機61から位置登録要求を受けた移動通信交換ノードMSC201あるいはMSC204の「MSCアドレス」を、関門パケット交換ノードGGSN62を経由して取得するようにしてもよい。
【0099】
また、図8,図9を参照した説明では、ゲートウェイG/W203は、移動機61から位置登録要求を受けた移動通信交換ノードの「MSCアドレス」、あるいは、移動機61から位置登録要求を受けた移動パケット交換ノードSGSNの「SGSNアドレス」を、3Gホームロケーションレジスタ3GHLRから取得していた。
これに代えて、3Gホームロケーションレジスタ3GHLRに、上述した移動機61から接続要求を受けた移動パケット交換ノードSGSN6あるいはSGSN9のIPアドレスを記憶するようにし、ゲートウェイG/W203は、このIPアドレスを、3Gホームロケーションレジスタ3GHLRから取得するようにしてもよい。
また、音声交換ノードMSCを経由してインターネット接続を行う場合にも、リージョン・ヘッダの付加は可能である。
移動機61からのHTTPリクエストは、音声交換ノードMSCを経由しゲートウェイG/Wに通知されるので、HTTPリクエストを受けたゲートウェイG/Wは、下層レイヤで取得したMSISDNを基にホームロケーションレジスタHLRより在圏情報を取得する。この在圏情報を基にリージョン・ヘッダを付加する。ただし、この場合のゲートウェイG/Wは、これまで説明したゲートウェイG/W10,63,203とは全く別のノードである。
【0100】
図10は、本発明の各実施の形態を楽曲配信サービスに利用した場合の一例を示す説明図である。
国外からの楽曲ダウンロードを規制する場合を説明する。
具体的な曲名(曲名b)が特定された後、ダウンロードを要求したときに、「利用可」,「利用不可」の応答を返す。
移動機1の表示部107の表示画面71は、「曲名b」が選択されたときのものである。コンテンツ・プロバイダのサーバ4からは、HTTPレスポンスによって、「曲名b」の着信メロディの所在を示すURIの情報が送信されている。
移動機1から、このURIを指定し、リージョン・ヘッダを付加したリクエストをコンテンツ・プロバイダのサーバ4に送信する。
リージョン・ヘッダに記述された移動機が在圏するサービスエリアの属する国に応じて、「利用可」の場合は表示画面72となり、音楽アイコン72aをユーザが選択することにより、「曲名b」の着信メロディがメモリ110の所定の記憶領域にダウンロードされる。課金処理は、ダウンロード完了後までに行われる。
一方、「利用不可」の場合は、表示画面73となり、海外(移動機1が国外に在圏)からの利用であることから、音楽配信サービスが利用できないことを通知する。
【0101】
図11は、本発明の各実施の形態をネットワーク・バンキングに利用した場合の一例を示す説明図である。時差等を考慮して海外からの入金処理を規制する場合を説明する。
表示画面81は、銀行の口座振込のページにアクセスして、「口座番号」と「入金額」とを入力したときのものである。
リージョン・ヘッダに記述された移動機が在圏するサービスエリアの属する国に応じて、「利用可」の場合は表示画面82となり、指定口座に入金処理する旨の通知がされる。
「利用不可」の場合は表示画面83となり、海外からの利用であることから、ネットワーク・バンキングが利用できないことを通知する。
【0102】
図12は、本発明の各実施の形態をアニメーションなどのキャラクター画像配信に利用した場合の一例を示す説明図である。
著作権者の許諾を受けていない海外へのダウンロードをさせない場合を説明する。
表示画面91は、キャラクター画像のダウンロードサイトにおいて、特定のキャラクター画像Aを選択した結果を示すものである。
リージョン・ヘッダに記述された、移動機が在圏するサービスエリアの属する国に応じて、「利用可」の場合は表示画面92となり、キャラクター画像Aが移動機1にダウンロードされて表示される。
「利用不可」の場合は、表示画面93となり、海外からの利用であることから、このキャラクター画像配信が利用できないことを通知する。
【0103】
上述した説明では、コンテンツ・プロバイダのサーバ4は、ホームネットワークと同じ国内にあるものとして説明した。
しかし、コンテンツ・プロバイダのサーバ4は、どの国にあってもよいし、このコンテンツ・プロバイダの会社所在地もどの国にあってもよい。
コンテンツ・プロバイダのサーバ4に代えて、移動通信ネットワークを運営している事業者自体が、コンテンツ・サービス事業を運営しているサーバであってもよい。
コンテンツ・プロバイダのサーバ4は、サービスを要求してきた移動機の在圏するサービスエアのある国に応じて、サービスの態様を、予め、各国の法規や契約内容等を考慮して定めておけばよい。
【0104】
上述した説明では、端末ローミングにより国際ローミングに対応した移動機1(図1),移動機61(図6)を用いた場合について説明した。
本発明の国際ローミング対応型移動機としては、この他、移動機のチップを差し替えることで国際ローミングに対応するものを含む。
このような移動機においても、同様に、リージョン・ヘッダを有するリクエストをサーバが受信することにより、移動機が在圏するサービスエリアのある国等に応じて、サービスの態様を制御させることができる。
移動機側において、移動機1(図1)のフェーズ2の場合と同様に、移動通信ネットワークから報知情報を取得して、移動機が在圏するサービスエリアの判定をし、リージョン・ヘッダを有するリクエストをサーバに送信することができる。
また、移動通信ネットワーク側において、図6と同様に移動機が在圏するサービスエリアの判定をし、移動通信ネットワーク側において、リクエストにリージョン・ヘッダを付加し、このリクエストをサーバに送信することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
国際ローミング対応型移動機が、国際ローミング対応型移動通信ネットワークを経由して、サーバにサービスを要求し、該サーバが前記サービスを提供する国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システムであって、
前記サービスを要求するリクエストを前記国際ローミング対応型移動通信ネットワークに送信する国際ローミング対応型移動機と、
該国際ローミング対応型移動機により送信され、前記国際ローミング対応型移動通信ネットワークにより中継されたリクエストを受信し、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアに応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御するサーバ、
を有することを特徴とする国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国に応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システム。
【請求項3】
前記サーバは、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワーク利用システム。
【請求項4】
国際ローミング対応型移動機からサービスを要求するリクエストを受信し、前記国際ローミング対応型移動機に、前記サービスを提供するサーバであって、
前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアに応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御するサービス提供態様制御手段、
を有することを特徴とするサーバ。
【請求項5】
前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのデータを取得するサービスエリア取得手段を有し、
前記サービス提供態様制御手段は、前記サービスエリア取得手段により取得されたサービスエリアに応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項6】
前記サービスエリア取得手段は、前記国際ローミング対応型移動機からサービスを要求するリクエストを受信するときに、前記サービスエリアのデータを取得する、
ことを特徴とする請求項5に記載のサーバ。
【請求項7】
前記サービスエリア取得手段は、前記リクエストのヘッダ領域に付加されたヘッダに記述された前記サービスエリアのデータを取得する、
ことを特徴とする請求項6に記載のサーバ。
【請求項8】
前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードまたは国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードの交換ノード・アドレスの通知を受け、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定するサービスエリア判定手段を有し、
前記サービス提供態様制御手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアに応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載のサーバ。
【請求項9】
前記サービス提供態様制御手段は、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国に応じて、受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御する、
ことを特徴とする請求項4から8までのいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項10】
前記サービス提供態様制御手段は、前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記受信したリクエストにより要求されるサービスの提供の態様を制御する、
ことを特徴とする請求項4から8までのいずれか1項に記載のサーバ。
【請求項11】
サービスを要求するリクエストをサーバに向けて送信し、該サーバに、前記サービスを提供させる国際ローミング対応型移動機であって、
当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定するサービスエリア判定手段と、
該サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアを前記サーバに通知することにより、前記サービスエリアに応じて、当該国際ローミング対応型移動機が前記リクエストにより要求したサービスの提供の態様を制御させるサービスエリア通知手段、
を有することを特徴とする国際ローミング対応型移動機。
【請求項12】
ユーザの選択操作により、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムに対し、複数の事業者の中から1つの事業者を設定する事業者設定手段を有し、
前記サービスエリア判定手段は、前記事業者設定手段により設定された事業者に応じて、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定する、
ことを特徴とする請求項11に記載の国際ローミング対応型移動機。
【請求項13】
ユーザの選択操作により、複数の移動通信モードの中から1つの移動通信モードを設定する移動通信モード設定手段を有し、
前記サービスエリア判定手段は、前記移動通信モード設定手段により設定された移動通信モードに応じて、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定する、
ことを特徴とする請求項11に記載の国際ローミング対応型移動機。
【請求項14】
当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアにある基地局から、該サービスエリアを提供する移動通信ネットワークシステムに関する報知情報を受信する報知情報受信手段を有し、
前記サービスエリア判定手段は、前記報知情報受信手段により受信された報知情報により、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定する、
ことを特徴とする請求項11に記載の国際ローミング対応型移動機。
【請求項15】
前記サービスエリア通知手段は、当該国際ローミング対応型移動機が前記リクエストを前記サーバに向けて送信するときに、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアを前記サーバに通知する、
ことを特徴とする請求項11に記載の国際ローミング対応型移動機。
【請求項16】
前記サービスエリア通知手段は、前記リクエストのヘッダ領域に前記サービスエリアを記述したヘッダを付加した上で、前記リクエストを前記サーバに向けて送信する、
ことを特徴とする請求項15に記載の国際ローミング対応型移動機。
【請求項17】
前記サービスエリア判定手段は、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国を判定し、
前記サービスエリア通知手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国を前記サーバに通知することにより、前記サービスエリアのある国に応じて、当該国際ローミング対応型移動機が前記リクエストにより要求したサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項11から16までのいずれか1項に記載の国際ローミング対応型移動機。
【請求項18】
前記サービスエリア判定手段は、当該国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアのある国および事業者を判定し、
前記サービスエリア通知手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者を前記サーバに通知することにより、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、当該国際ローミング対応型移動機が前記リクエストにより要求したサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項11から16までのいずれか1項に記載の国際ローミング対応型移動機。
【請求項19】
国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストをサーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムであって、
前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定するサービスエリア判定手段と、
該サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアを前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させるサービスエリア通知手段、
を有することを特徴とする国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項20】
前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、
前記サービスエリア判定手段は、前記交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスに応じて、前記国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアを判定する、
ことを特徴とする請求項19に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項21】
前記交換ノードのアドレスは、前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた移動パケット交換ノードのIPアドレスである、
ことを特徴とする請求項20に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項22】
前記交換ノード・アドレス取得手段は、前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスを、該交換ノードのアドレスを記憶するホームロケーションレジスタから取得する、
ことを特徴とする請求項20に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項23】
前記国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、
前記サービスエリア判定手段は、前記交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスに応じて、前記国際ローミング対応型移動機の在圏するサービスエリアを判定する、
ことを特徴とする請求項19に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項24】
前記交換ノード・アドレス取得手段は、前記国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードのアドレスを、該交換ノードのアドレスを記憶するホームロケーションレジスタから取得する、
ことを特徴とする請求項23に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項25】
前記サービスエリア通知手段は、前記国際ローミング対応型移動機により送信されたサービスを要求するリクエストが前記サーバに向けて中継されるときに、前記サービスエリアを前記サーバに通知する、
ことを特徴とする請求項19に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項26】
前記サービスエリア通知手段は、前記リクエストのヘッダ領域に前記サービスエリアを記述したヘッダを付加した上で、前記リクエストを前記サーバに向けて中継させる、
ことを特徴とする請求項25に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項27】
前記サービスエリア通知手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国を前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアのある国に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項19から26までのいずれか1項に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項28】
前記サービスエリア通知手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者を前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項19から26までのいずれか1項に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項29】
国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストをサーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムであって、
前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、
該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる交換ノード・アドレス通知手段、
を有することを特徴とする国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項30】
国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストをサーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステムであって、
前記国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、
該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる交換ノード・アドレス通知手段、
を有することを特徴とする国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項31】
前記交換ノード・アドレス通知手段は、前記交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアのある国に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項29または30に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項32】
前記交換ノード・アドレス通知手段は、前記交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項29または30に記載の国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム。
【請求項33】
国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストを、パケット中継交換ネットワークおよびインターネットを経由して、サーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム内における、前記パケット中継交換ネットワークと前記インターネットとの間に設けられたゲートウェイであって、
前記国際ローミング対応型移動機が在圏するサービスエリアを判定するサービスエリア判定手段と、
該サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアを前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させるサービスエリア通知手段、
を有することを特徴とするゲートウェイ。
【請求項34】
前記サービスエリア通知手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国を前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアのある国に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項33に記載のゲートウェイ。
【請求項35】
前記サービスエリア通知手段は、前記サービスエリア判定手段により判定されたサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者を前記サーバに通知することにより、該サーバに、前記サービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項33に記載のゲートウェイ。
【請求項36】
国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストを、パケット中継交換ネットワークおよびインターネットを経由して、サーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム内における、前記パケット中継交換ネットワークと前記インターネットとの間に設けられたゲートウェイであって、
前記国際ローミング対応型移動機から接続要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、
該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる交換ノード・アドレス通知手段、
を有することを特徴とするゲートウェイ。
【請求項37】
国際ローミング対応型移動機により送信された、サービスを要求するリクエストを、パケット中継交換ネットワークおよびインターネットを経由して、サーバに向けて中継することにより、該サーバに前記サービスを提供させる、国際ローミング対応型移動通信ネットワークシステム内における、前記パケット中継交換ネットワークと前記インターネットとの間に設けられたゲートウェイであって、
前記国際ローミング対応型移動機から位置登録要求を受けた交換ノードのアドレスを取得する交換ノード・アドレス取得手段を有し、
該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアに応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる交換ノード・アドレス通知手段、
を有することを特徴とするゲートウェイ。
【請求項38】
前記交換ノード・アドレス通知手段は、該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアのある国に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項36または37に記載のゲートウェイ。
【請求項39】
前記交換ノード・アドレス通知手段は、該交換ノード・アドレス取得手段により取得された交換ノード・アドレスを前記サーバに通知することにより、該サーバに、該交換ノード・アドレスに応じて、前記交換ノードの属する移動通信ネットワークのサービスエリアを判定させ、判定されたサービスエリアのある国および該サービスエリアの事業者に応じて、前記リクエストにより要求されたサービスの提供の態様を制御させる、
ことを特徴とする請求項36または37に記載のゲートウェイ。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【国際公開番号】WO2005/029886
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514051(P2005−514051)
【国際出願番号】PCT/JP2004/013616
【国際出願日】平成16年9月17日(2004.9.17)
【出願人】(501440684)ソフトバンクモバイル株式会社 (654)
【Fターム(参考)】