説明

圧力変換器エラーを検出及び補償する方法及び装置

圧力変換器エラーを検出及び補正するための方法及び装置は、流体圧装置の運転を調整するためのバルブ、前記バルブからの圧力出力を検出するための圧力変換器、及び前記圧力変換器の圧力測定エラーを計算するための論理回路を含むマイクロプロセッサを含む。前記圧力変換器は、前記検出された圧力に相当する圧力測定値を出力するように構成される。前記圧力測定エラーは、前記バルブの前記実際の出力圧力並びに前記バルブの前記実質的に既知である実際の出力圧力が前記実質的に既知である運転状態で取得された前記圧力変換器からの第1圧力測定値を使用して計算することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般的な圧力変換器に関し、より詳細には、閉回路システムに使用される圧力変換器の測定精度を向上させるための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子制御ソレノイドバルブは、流体圧-機械式の制御が組み合わされた変速機、特に、変速機におけるより円滑な変速に効果的な、例えば、バンドクラッチ及び/又はプレートクラッチ等の、クラッチの段階的又は連続的な断続を可能にする変速機の変速性能を向上させる。現在製造されている変速機において、これらのバルブアセンブリは、変速機バルブボディの内部に取り付けられると共に変速機に配置されたポンプから圧力流体が供給される。変速は、変速機システムにおける各バルブの時間消費及びコスト高な較正を必要とするバルブの開回路を使用して行われる。しかしながら、較正は、最初のうち正確であっても、変速機の部品の摩耗、変速機作動流体の劣化、システムの性質上の本来の非線形性、等に起因して経時的に精度が低下することがあり、同様に、変速機の変速動作に負の影響を及ぼすことがある。さらに、現システムは、本質的に、電気負荷変動、圧力脈動、温度変動、及び他のシステム非線形性に起因して、運転中にエラーが発生する傾向にある。
【0003】
ソレノイドバルブの閉回路制御は、自動変速機におけるクラッチ連結及びライン圧調整に利用されるソレノイドパイロット及び調整バルブの正確な較正の必要性を避けるための手段として提案されている。閉回路制御は、特定の変速クラッチバンド又はプレートによってソレノイドバルブへ伝達されるトルクを示すフィードバック信号の提供を含む。変速機作動流体によってクラッチアクチュエータを作動させる圧力は、クラッチ伝達トルクを示す。変速機システムの閉回路制御は、各クラッチアクチュエータへの流体圧力を検知するために圧力変換器を使用することによって成すことが可能である。検出された圧力に対応する電気信号は、変速機制御ユニット(TCU) へ伝送される。変速機制御ユニットは、それから、実際の検出圧力とアクチュエータに対する望ましい出力圧力に対応する目標圧力との差を決定する。変速機制御ユニットは、実際の圧力が目標圧力に到達する時まで、クラッチ調整バルブ又はクラッチアクチュエータを直接制御するために、線形或いはパルス幅変調(PWM) ソレノイドバルブの一方へ送る電流レベル又は負荷サイクルを制御する。
【0004】
閉回路変速機システムは、クラッチアクチュエータを作動させる流体圧がいかにして正確に測定されるかに影響を受ける。圧電性の圧力変換器は、低コストであることから、しばしば多くの圧力検出アプリケーションから実行可能な選択が行われる。しかしながら、それらの使用は、それらの非線形応答、低出力信号強度、及び温度感受性に起因して、設計の自由度が小さいことを余儀なくされる。例えば、圧電性の圧力変換器は、一般に、非線形性のため信号の増幅及び補正を必要とする。さらに、圧電性の圧力変換器は、内部応力に過敏であり、圧力変換器によって圧力が誤検出されることがある。望ましくない、そして、しばしば避けられないが、圧力変換器が他の部品に取り付けられた場合、内部応力が発生することがある。圧力変換器が圧力変換器内部の熱応力を生じることにも影響を受け易い極度な温度条件は、誤った圧力測定値を生むことがある。これら及び他の運転状態は、圧力変換器の精度に悪影響を及ぼすことがある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】典型的な閉回路変速機制御システムの概略を説明する図である。
【図2】2A及び2Bは、典型的な圧力検出ユニットの上面及び底面の斜視図である。
【図3】検出ユニットを使用する典型的な変速機マニホールドの上面の分解斜視図である。
【図4】組立て状態で示される図3の典型的な変速機マニホールドの上面の斜視図である。
【図5】圧力測定エラーを算出するための典型的な補正を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の考察及び図面を参照して、開示されたシステム及び方法の実例となるアプローチを詳細に示す。図面は、いくつかの可能なアプローチの典型を示すが、スケール及び正確な特徴を必要とせず、本発明のよりよい図解及び説明のため、誇張する、取り除く、又は部分的に切断することが可能である。さらに、明細書中の説明は、余すところがない或いは他の点の限定となること、或いは、図面に示されるとともに以下の詳細な説明に説明される正確な形状及び形態によって、クレームを限定することを意図していない。
【0007】
「バルブ」の文言又は明細書を通じて使用されるその種々のバリエーションは、以下に定義されたものを含むがそれによって、:管を通過する又はポート或いは通路の開放、閉塞、或いは遮断によって開口を通過する、例えば、ガス、流体、或いは遊離した粒子等の流れを調節する種々の装置;及び1つ以上のポート或いは通路を開放、閉塞、或いは部分的に遮断する可動の部品によって流体の流れを開始、停止、或いは調節することが可能な種々の機械的又は電気的装置に限定されることがない。
【0008】
「変換器」の文言又は明細書を通じて使用されるその種々のバリエーションは、以下に定義されたものを含むがそれによって、:信号又は刺激を受け取る及び応答する装置;及び信号又は刺激(例えば、熱或いは圧力或いは光或いは動作等)を受け取る及び典型的な方法でそれに応答するいかなる装置に限定されることがない。
【0009】
「圧力」の文言又は明細書を通じて使用されるその種々のバリエーションは、以下に定義されたものを含むがそれによって、:面積又は体積の単位が適用される力;パスカル(SI単位)或いはダイン(cgs単位)或いはポンド/スクエアインチに限定されることがない。
【0010】
「流体圧」の文言又は明細書を通じて使用されるその種々のバリエーションは、以下に定義されたものを含むがそれによって、:圧力下における流体によって移動する、或いは操作されるものを含む流体圧に限定されることがない。
【0011】
「データ」の文言又は明細書を通じて使用されるその種々のバリエーションは、以下に定義されたものを含むがそれによって、:事実に基づく情報、特に解析或いは根拠を使用する或いは決定するために系統立てられた情報;科学的実験から導かれた評価;数値或いはコンピュータによる処理のための形で表された他の情報に限定されることがない。
【0012】
「ポンプ」の文言又は明細書を通じて使用されるその種々のバリエーションは、以下に定義されたものを含むがそれによって、:汲み上げ、圧縮、或いは流体移動のための機械又は装置に限定されることがない。
【0013】
図1は、自動車用変速機のための典型的な閉回路圧力制御システムを概略的に図解したものである。破線は電子通信経路を示すのに対し、圧力制御システム10の種々の要素を繋ぐ実線は流体通路を示す。例えば、変速(ギアシフト)用のクラッチ等の、種々の変速機部品の作動を制御するために使用することができる。圧力制御システム10は、変速機部品を作動させるために使用される圧力を検出するための種々の変換器を含む。圧力変換器の精度は、変速機部品を制御可能な精度に影響を及ぼす。不正確な圧力測定値は、変速機部品に誤った圧力が適用される結果となり、部品の正確な制御を困難にする。圧力変換器の不正確さを補正するため、この中で説明される典型的な圧力測定補正方式は、変速機部品を制御可能な精度に制限を受ける、圧力変換器エラーを補正するために圧力制御システム10を使用する。圧力制御システム10は典型的な圧力測定補正方式を使用する圧力制御システムの単に一例に過ぎないことが理解されるであろう。圧力測定補正方式は、圧力変換器を利用する他の適用と同様に、発明の目的から離れることなく、圧力変換器を使用する種々の異なる形態の圧力制御システムが利用されることも、理解されるであろう。
【0014】
圧力制御システム10は、複数個のソレノイドバルブ12,14及び16を含む。バルブ12,14及び16の各々は、ソレノイド18,20及び22を含み、個々に、制御信号に応答して対応するバルブを開放及び閉塞するように操作可能である。バルブ12,14及び16は、例えば、可変ブリードソレノイド(VBS)バルブ、或いは可変電磁力ソレノイド(VFS)バルブ等の、数種類の比例バルブとすることができる。バルブ12,14及び16は、圧力幅変調(PWM)バルブとすることもできる。VBS及びVFSは、バルブが開放される又は部分的に開放されることに基づき圧力を調整することから、比例バルブとしても知られている。一方、PWMバルブは、バルブが開放されている間の時間の、期間の範囲内の一定の割合の時間を含む負荷サイクルに基づき操作される。負荷サイクル中にPWMバルブが開放及び閉塞されることによって、PWMバルブは、VBSバルブの定常動作を実行する。3つのバルブは図1に図示されているが、実施においては、少数の或いはより多くのバルブが特定の適用への要求によって使用されることが認識されるであろう。
【0015】
バルブ12,14及び16は、バルブへ圧力流体が供給可能なようにポンプ24に流体接続されている。ポンプ24は、変速機入力軸又はポンプを作動させる回転トルクを出力可能な他の装置によって運転される。
【0016】
バルブ12,14及び16は、例えば、各々のクラッチアクチュエータ26,28及び30等の対応する流体圧作動の変速機部品に流体接続されている。クラッチアクチュエータ26,28及び30は、例えば、バンドクラッチ、プレートクラッチ、或いは他の同様の装置等の自動変速機装置を作動させるために利用することができる。バルブ12,14及び16は、各々のクラッチアクチュエータ26,28及び30を作動させる圧力が選択的に調整されることによる変速(ギアチェンジ)の間、各々のクラッチによって伝達される多大なトルクを制御するために操作可能である。
【0017】
バルブ12,14及び16の操作は、各々のバルブコントローラ32,34及び36によって制御されている。各バルブコントローラ32,34及び36は、対応する変速機制御ユニット38に電気通信されている。変速機制御ユニット38とバルブコントローラ32,34及び36との間の電気通信リンクは、各々の破線33,35及び37によって図1に示されており、ワイヤ通信及びワイヤレス通信の両通信モードを含む。変速機制御ユニット38は、各バルブコントローラ32,34及び36へ、バルブ12,14及び16から出力する望ましい圧力を示す圧力制御指令信号を出力する。予め決定された発見的規則を利用するバルブコントローラ32,34及び36は、一定の電圧を発生するための、望ましい電圧を生じることが可能な励磁ドライバである、各々の対応するバルブドライバ40,42及び44に指令を出す。バルブコントローラ32,34及び36において実行される発見的規則(ヒューリスティックルール)は、例えば、全体を参照してこの中に組み込まれた明細書、米国特許第7,194,349号、タイトル「閉回路,バルブに基づく変速機制御アルゴリズム」に説明された可変ゲイン制御構造を含む。
【0018】
変速機制御ユニット38とバルブコントローラ32,34及び36は、各々、少なくとも1つのマイクロプロセッサを含む。図1では切り離された構成であるが、変速機制御ユニット38は、単一のマイクロプロセッサに1つ以上のバルブコントローラ32,34及び36と組み合わせることもできる。一般に、マイクロプロセッサは、不正確な圧力測定値を決定及び補正するための、例えば、この中で説明された、指令を蓄積するための1つ以上のメモリ、及び前記指令を実行するための1つ以上のプロセッサを含む。この中で説明される種々のステップ及びプロセスは、このような指令で全体或いは部分的に具体化される。
【0019】
バルブコントローラ32,34及び36は、望ましい出力に関連して対応するバルブ12,14及び16の圧力状態を入力情報として受け入れ可能であるとともに、受け取った情報の少なくとも一部に基づく一定の電圧を生じるために、対応するバルブドライバ40,42及び44に指令するための発見的規則を適用することができる。対応するバルブドライバ40,42及び44から電圧を受け入れ可能なソレノイド18,20及び22は、受け取った電圧に応じて、各々、バルブ12,14及び16を開放及び閉塞するために作動する。
【0020】
圧力変換器46,48及び50は、各々のバルブ12,14及び16の出力圧力を検出及び監視するために使用することができる。圧力変換器46,48及び50は、種々の圧力変換器のあらゆるものを含むが、圧電性のセンサに限定されることを含まない。各圧力変換器46,48及び50は、検出された圧力に相当する電気信号を出力するように構成されている。一般に、電気信号は、正確に較正された変換器によって測定された圧力を正確に反映する。しかしながら、発生する一定の条件は、圧力変換器が不正確な圧力信号を出力する原因となる。例えば、圧力変換器が変速機マニホールド等の他の要素に取り付けられるプロセスは、圧力変換器ハウジングに歪みを生じさせる原因となる。圧力変換器は、歪みを検出するとともにそれを圧力として誤って認識する。これは、圧電性のセンサを使用する場合、特に現実的となる。このような不正確な圧力測定値を決定及び補正するための補正については、より詳細に後述する。
【0021】
圧力変換器46,48及び50(図1において各々破線52,54及び56によって示される)によって生じた電気信号は、各々の対応する特定用途向け集積回路(ASIC) 58,60及び62によって受け取られる。ASIC 58,60及び62は、対応する圧力変換器46,48及び50によって測定されたものとして、各々、バルブ12,14及び16の圧力状態出力に関連する情報の入力として受け入れ可能である。ASIC 58,60及び62は、例えば、変速機用の対応する圧力変換器から変速機制御ユニット38及びバルブコントローラ32,34及び36が受け取った信号の調整等、種々の機能を実行するように構成されている。ASICは、要求された時にしばらく経ってから検索のために内部メモリ内に圧力及び圧力変換器較正データを蓄積することもできる。
【0022】
各ASIC 58,60及び62は、対応するバルブコントローラ32,34及び36の各々、及び変速機制御ユニット38と電気通信可能である。ASIC 58,60及び62と対応するバルブコントローラ32,34及び36との間の電気通信リンクは、図1に各々破線64,66及び68によって示されており、ワイヤ通信及びワイヤレス通信の両通信モードを含む。ASIC 58,60及び62と変速機制御ユニット38との間の電気通信リンクは、図1に各々破線65,67及び69によって示されており、ワイヤ通信及びワイヤレス通信の両通信モードを含む。前記電気通信は、一方向性或いは双方向性である。2つのデバイスのうち一方だけが他方のデバイスへ通信信号を送信可能である場合、一方向性通信が起きる。例えば、ASICは、変速機制御ユニットへ対応する圧力変換器によって測定された圧力測定値を示す通信信号を送信するように構成されているが、変速機制御ユニットから通信信号を受け取るようには構成されていない。他方、双方向性通信は、ASICと変速機制御ユニットとの双方が相互に通信可能である場合に起きる。
【0023】
ASIC 58,60及び62の各々は、少なくとも1つのマイクロプロセッサを含む。図1では別個に切り離されて示されているが、変速機制御ユニット38と1つ以上のASIC 58,60及び62は、単一のマイクロプロセッサに組み込むことができる。一般に、マイクロプロセッサは、それらが不正確な圧力測定値を決定及び補正するために説明されたように、指令を蓄積するための1つ以上のメモリ、及び指令を実行するための1つ以上のプロセッサを含む。この中で説明される種々のステップ及びプロセスは、このような指令の全部或いは一部を具体化することが可能である。
【0024】
変速機制御ユニット38は、特定の自動車及び駆動系コンピュータ70及びASIC 58,60及び62から受け取った入力に基づくエンジンと変速機との組み合わせの望ましいシフト特性を提供するようにプログラムされている。変速機制御ユニット38が駆動系コンピュータ70から受け取った入力の種々のタイプには、例えば、マニホールド真空度、エンジン運転温度、ギア選択、スロットル位置、その他等がある。変速機制御ユニット38は、バルブコントローラ32,34及び36へ送る、望ましい圧力に対応する圧力出力指令信号を生じることができる。
【0025】
圧力変換器46,48及び50は、各々、ASIC 58,60及び62を経由して変速機制御ユニット38及びバルブコントローラ32,34及び36へ入力を提供することができる。バルブコントローラ32,34及び36は、各々、対応するバルブ12,14及び16からの圧力出力の決定の少なくとも一部に基づき、バルブドライバ40,42及び44へ指令を出す。バルブコントローラ32,34及び36は、変速機制御ユニット38から指令圧力値を、また、対応する圧力変換器46,48及び50から計測された圧力測定値を受け取ることができる。バルブコントローラ32,34及び36で実行される制御論理回路は、出力圧力を等しくする、或いは変速機制御ユニット38から受け取った指令圧力により接近して近似させるために、対応するバルブ12,14及び16の設定値に対して行われる調整を決定する。
【0026】
例えば、変速機制御ユニット38、ASIC 58,60及び62、及びバルブコントローラ32,34及び36等を利用するような計算デバイスは、各々、蓄積するための1つ以上のメモリ、及び実行するための1つ以上のプロセッサ、関連させた要素を操作するための指令を含む。この中で説明される種々のステップ及びプロセスは、このような指令の全部或いは一部を具体化することができる。コンピュータによって実行可能な指令は、種々のプログラミング言語及び/又は工学を使用して作成されたコンピュータプログラムを用いて編集或いは翻訳処理することが可能である。一般に、マイクロプロセッサ等のプロセッサは、例えば、メモリ、コンピュータ可読媒体、及び同様のものから指令を受け取り、この中で説明されるプロセスの1つ以上を含む、1つ以上のプロセスを行うものに関連して指令を実行する。このような指令及び他のデータは、種々のコンピュータ可読媒体を使用して蓄積及び伝達することができる。
【0027】
コンピュータ可読媒体は、コンピュータが読み取り可能な提供されるデータ(例えば、指令)に関するいかなる実体的な媒体を含むことができる。このような媒体は、多様な形態をとり、不揮発性媒体及び揮発性媒体を含むが、これに限定されない。不揮発性媒体は、例えば、光学或いは磁気ディスク及び他の永続性のメモリを含む。揮発性媒体は、典型的にメインメモリを構成するダイナミック ランダム アクセス メモリ(DRAM)を含む。このような指令は、プロセッサに接続されるシステムバスによって構成されるワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む、1つ以上の伝達媒体によって伝達することができる。伝達媒体は、例えば、電波周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に発生するような、音波、光波及び電磁波を、含む又は伝達することができる。コンピュータ可読媒体の共通の形態は、例えば、フロッピーディスク、ハードディスク、磁気テープ、他のあらゆる磁性媒体、CD-ROM、DVD、他のあらゆる光学媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EEPROM、他のあらゆるメモリチップ或いはカートリッジ、或いはコンピュータが読み取り可能なあらゆる媒体を含む。
【0028】
圧力変換器46,48及び50は、特定の適用への要求に応じて種々の方法でパッケージすることができる。図2A及び2Bに示されるのは、複合的な圧力変換器が共通のハウジング74に配設された典型的な単位センサパッケージ72である。センサパッケージ72は、例えば、以下により詳細に説明されるように、変速機制御ユニット38或いは流体分配マニホールドへ取り付けることにより、圧力制御システム10へ容易に組み込むことができる。種々のパッケージ形態の例は、一般に挙げられる、同時係属米国特許出願Ser. No. 11/235,614タイトル「マニホールド用圧力変換器パッケージ」、及び米国特許出願Ser. No. 11/447,323タイトル「中央集積圧力検出パッケージを備えるマニホールドアセンブリ」の明細書の内容をそっくりそのまま参照することにより説明される。
【0029】
圧力変換器(図1の圧力変換器46,48及び50を含む)は、通常、ハウジング74中に円形或いは多角形の形状に配置されることが示されている。前記圧力変換器は、ハウジング74に取り付け可能な回路基板76によって支持されている。選択的に、回路基板76は、ハウジング74の一部として形成することができる。各圧力変換器は、直立した壁80によって定義される独立したセンサ仕切り78内に個々に囲うことが可能である。独立した仕切りによって圧力変換器を囲うことは、センサを安定化させるとともに、付加的に、腐食性の環境における運転に起因するダメージから保護することができる。各ASIC 58,60及び62は、ASICの対応する圧力変換器を囲うために利用される同一のセンサ仕切り78内に配置することもできる。
【0030】
センサパッケージ72内の電子部品は、ハウジング74にカバー82を適当に取り付けることにより、周囲環境から保護することができる。センサパッケージ72が、可能なセンサパッケージングの組み合わせのうちの単なる一例であることは、理解されるであろう。また、他のパッケージング形態は、特定の適用への要求に応じて実施することができる。圧力変換器が共通のハウジングに配置されることへの要求はない。各圧力変換器は、その自身の独立したハウジング内に一括することが可能である。
【0031】
図1、3及び4を参照すると、センサパッケージ72は、例えば、マニホールド84等の独立した要素に取り付けられる。マニホールド84は、特定の適用への要求に応じて種々のあらゆる形態とすることができる。例えば、マニホールド84は、各々、圧力変換器46,48及び50を対応するクラッチアクチュエータ26,28及び30へ流体接続するための流体溝通路88を含むボディ86を含むことができる。流体溝88は、通常、センサパッケージ72を取り付け可能な中央の場所90への流体経路を定めるように形成されている。また、マニホールド84は、マニホールドボディ86の表面94に沿って設けられてシールとして機能するガスケット92を含むことができる。ガスケット92は、通常、マニホールドボディ86の流体溝88に対応する複数個の開口96を含む。マニホールドカバー98は、流体溝88を閉塞するために使用される。マニホールドカバー98は、複数個のねじ付固定部材100を使用してマニホールドボディ86に取付けられ、これにより、マニホールドボディ86とマニホールドカバー98との間にガスケット92が装着される。
【0032】
マニホールドカバー98は、カバー98がマニホールドボディ86に取り付けられる場合に流体溝88に流体的に隣接する連続した圧力ポートを形成するための中央の場所90の周りに配置されるオリフィス102群を含むことができる。各圧力オリフィス102は、センサパッケージ72(図2B参照)の回路基板76を貫通して延びる対応する圧力ポート106に流体接続される。圧力ポート106は、対応する圧力変換器46,48及び50(図1参照)に流体連通されている。各オリフィス102は、マニホールド84のオリフィス102とマニホールドカバー98の圧力ポート106との間に液密な通路を形成するためのOリングを収容するためのザグリ穴108を含むことができる。センサパッケージ72は、2つの要素間の界面から流体が放出されることを妨げるための適当なシール性能を有するガスケット或いは他のシールシステムを利用するマニホールドカバー98に対してもシールされる。センサパッケージ72は、例えば、ねじ付固定部材112、或いは、リベット、スタッド・ナット固定システム、他の同様のもの等の他の適当な取付機構を利用するマニホールド84に取り付けることができる。
【0033】
図1を参照すると、クラッチアクチュエータ26,28及び30は、各々、対応するバルブ12,14及び16を選択的に開放及び閉塞させることにより作動させることができる。バルブコントローラ32,34及び36は、2つの圧力バルブの入力として受け取ることができる。指令圧力(制御圧力と呼ばれることもある)は、変速機制御ユニット38から受け取り、バルブからの圧力出力を示す検出された圧力信号は、各々、ASIC 58,60及び62から受け取る。バルブコントローラ32,34及び36は、変速機制御ユニット38から受け取った指令圧力に基づき、対応するバルブドライバ40,42及び44へ入力を出す。バルブがVBSバルブである場合、バルブドライバに対する入力は、変速機制御ユニット38によって指令された望ましい圧力を得るための必要量でバルブを開放する。バルブがPWMバルブである場合、バルブドライバに対する入力は、指令圧力を得るための負荷サイクルを定義する。
【0034】
変速機の部品の摩耗、変速機の作動流体の劣化、システムの性質に内在する非線形性、他の同様の要因を含むが限定されない種々の要因は、特定のバルブからの圧力出力が変速機制御ユニット38によって指令される圧力と異なることを引き起こす原因となる。バルブコントローラ32,34及び36は、指令圧力と圧力変換器46,48及び50によって検出されたバルブ出力圧力との差を計算することにより、バルブ出力圧力エラーを決定するように構成される。バルブ出力圧力エラーが、予め設定された許容可能な範囲の範囲内で発生した場合、バルブからの圧力出力は、変速機制御ユニット38によって指令された圧力に調和するものと見做し、圧力測定エラーを補正するためのこれ以上の補正動作は必要ではない。他方で、もし、バルブ出力圧力エラーが予め設定された許容可能な範囲の範囲外で発生した場合、バルブコントローラは、バルブを指令圧力を得るための設定に調整するための対応するバルブドライバへ入力を提供する。
【0035】
圧力変換器46,48及び50によって生じた圧力測定精度は、バルブコントローラ32,34及び36によって計算されたバルブ出力圧力エラーの精度に影響を及ぼすことがある。不正確な圧力測定値は、バルブコントローラが誤ったバルブ出力圧力エラーを算出する原因となる。同様に、これは、指令圧力を得るための試みにおいて、バルブ設定の誤った調整を導くことになる。
【0036】
圧力変換器は、当初は正確に較正されるが、引き続き発生する一定の条件は、較正に不利な結果をもたらすことがある。例えば、センサパッケージ72をマニホールド84へ取り付けるプロセスは、ハウジング74に僅かな歪みを発生させることがある。この歪みは、圧力センサによって検出され、圧力が誤認識されることがある。また、圧力変換器は、圧力測定精度に影響を及ぼす温度変化に左右されることがある。ハウジング74、回路基板76、或いは圧力変換器自身に発生する温度勾配は、例えば、圧力変換器の精度にも影響を及ぼす。また、高度及び天候に起因する大気圧変化は、圧力変換器の較正へ影響を及ぼす。これらは数ある条件の一部に過ぎず、圧力変換器較正に不利に影響を及ぼすことがある。圧力変換器較正における変化は永久的或いは一時的である。
【0037】
圧力変換器46,48及び50の較正における永久的及び一時的な変化を補正するため、圧力は、一般にバルブからの圧力出力が少なくとも実質的に既知の(及び実質上正確に知られた)種々の運転状態で定期的に読み取られる。圧力出力が実質的に既知と考えられる間の運転状態の例として、自動車の変速機がパーキング状態の場合(変速機がパーキングの時、通常、バルブ12,14及び16は閉塞されている);例えばギアシフトチェンジ中に発生する、変速機制御ユニット38が特定のバルブを閉塞させる制御信号を送信する場合;及び自動車が発進した後の期間及びポンプ圧がまだ立ち上がっていない状態、を含むが限定されない。スクエアインチ当たり5ポンド(5psi)以下の出力圧力は、実質的に既知と見做される出力圧力を得るために0に十分に接近すると通常考えられている。圧力測定エラーは、検出された圧力と実際の既知の圧力との差に基づいて計算することができる。圧力測定エラーは、その較正における変化を少なくとも部分的に補正するために、影響を受けた圧力変換器のその後の圧力測定値に加えることができる。
【0038】
圧力変換器較正を評価するのに利用される既知の圧力状態は、バルブからの圧力出力が実質的に0である運転状態を含むが限定されない。これは、例えば、バルブ12,14及び16が閉塞されている場合に発生する。一般に、バルブ12,14及び16は、自動車のエンジンはまだ始動されていないが、イグニッションが最初にONされた時に閉塞されている。イグニッションをONすることで、電子変速機制御ユニット38、圧力変換器46,48及び50、及びASIC 58,60及び62を含む変速機電子機器が作動する。自動車のエンジンがまだ始動されておらず、結果的に圧力変換器46,48及び50が0圧力測定値を生じるべきであるので、流体圧ポンプ24は、流体圧システムへ圧力流体をまだ供給していない。0以外の圧力測定値は、対応する圧力変換器の較正における変化を指し示す。0でない圧力測定値は、圧力変換器較正における変化を少なくとも部分的に補正するために、影響を受けた圧力変換器のその後の圧力測定値を加えることが可能な圧力測定エラーを意味する。
【0039】
バルブ12,14及び16の出力圧力が実質的に既知である他の変速機運転状態は、バルブが常時閉塞された状態を含む。例えば、典型的に、バルブは、変速(ギアシフト)を開始する前に閉塞される。ギアシフトは、対応するバルブ12,14及び16を開放させるとともに望ましい圧力を伝達させる適当なバルブコントローラ32,34及び36へ指令圧力信号を伝達する変速機制御ユニット38によって発生する。ギアシフトを開始する前にバルブが閉塞されるため、対応する圧力変換器46,48及び50が0の圧力測定値を生じることが求められる。0以外の圧力測定値は、各々の圧力変換器の較正における変化を意味する。圧力変換器の圧力測定値に対応する検出された圧力測定エラーは、補正された圧力測定値に到達するように、圧力変換器のその後の圧力測定値に加えることができる。
【0040】
また、各圧力変換器46,48及び50の較正は、自動車が運転状態である間、定期的に確認されている。変速機制御ユニット38は、各々のクラッチアクチュエータ26,28及び30の現在の運転状態を追跡するように構成されている。また、変速機制御ユニット38は、圧力変換器46,48及び50によって検出される圧力を監視する。ギアシフトを起こすため、クラッチアクチュエータの1つ、例えば、クラッチアクチュエータ26を作動させるための指令圧力を出す前に、この圧力変換器46の場合、圧力測定値は、対応する圧力変換器から得ることができる。圧力測定値は、変速機制御ユニット38によって指令された圧力と比較される。変速機制御ユニット38がまだクラッチアクチュエータ26を作動させていないため、バルブ12は閉塞位置に位置し、バルブ12からの圧力出力は実質的に0であるべきである。実質的に0(正又は負の選択された許容範囲)以外の圧力測定値は、圧力センサ較正が許容可能な許容範囲外であることを意味する。
【0041】
変速機制御ユニット38及びASIC 58,60及び62は、圧力測定エラーを計算するための論理回路を含む。計算された圧力測定エラーは、それを計算したデバイスによって使用されるか又は他のデバイスへ伝達される。例えば、変速機制御ユニット38によって計算された圧力測定エラーは、ASIC 58,60及び62とバルブコントローラ32,34及び36とによって利用するために伝達される。同様に、ASIC 58,60及び62によって計算された圧力測定エラーは、変速機制御ユニット38同様、対応するバルブコントローラ32,34及び36へ伝達される。また、計算された圧力測定エラーは、連続して多数のデバイス間に伝達することができる。例えば、変速機制御ユニット38によって計算された圧力測定エラーは、順に圧力測定エラーをバルブコントローラ32へ転送することが可能なASIC 58へ伝えることができる。計算された圧力測定エラーは、変速機制御ユニット38、ASIC 58,60及び62、及びバルブコントローラ32,34及び36のメモリに蓄積することができる。
【0042】
ASIC 58,60及び62は、補正された圧力測定値を計算するために、計算された圧力測定エラーを使用することができる。補正された圧力測定値は、予め計算された圧力測定エラーを対応する圧力変換器46,48及び50から受け取った圧力測定値に加えることによって計算することができる。補正された圧力測定値は、各々、バルブコントローラ32,34及び36へ伝達することができる。変速機制御ユニット38から指令圧力を受け取ると、バルブコントローラ32,34及び36が、バルブ12,14及び16のバルブ設定(例えば、バルブ開放)を決定するために、各々、ASIC 58,60及び62から受け取った対応する補正された圧力測定値を使用することは、実質的に、変速機制御ユニット38から受け取った指令圧力を(例えば、選択された許容範囲内で)生じることになる。バルブコントローラ32,34及び36は、望ましいバルブ設定を生じるための適当なバルブ制御信号を公式化することができる。
【0043】
また、圧力測定エラーは、各々の圧力変換器が生じた圧力測定値の不正確さの主な原因となる補正された指令圧力を計算するために変速機制御ユニットによって利用することができる。変速機制御ユニット38は、圧力測定エラーを計算する、又はASIC 58,60及び62からそれを受け取ることができる。補正された指令圧力は、各々の圧力変換器46,48及び50に関連付けられた圧力測定エラーを、対応するバルブ12,14及び16の各々に向けた対応する指令圧力(例えば、補正されていない指令圧力)に加えることにより計算することができる。補正された指令圧力は、適当なバルブコントローラ32,34及び36へ伝達することができる。補正された指令圧力が、ASIC 58,60及び62から受け取った補正されていない圧力測定値(対応する圧力変換器46,48及び50の実際の圧力測定値に基づく)とともに、バルブ12,14及び16のバルブ設定を決定するために、上述したように、対応するバルブコントローラ32,34及び36によって利用されることは、補正されていない指令圧力に対応する出力圧力を生じる。
【0044】
また、圧力測定エラーは、対応する圧力変換器46,48及び50から受け取った補正されていない圧力測定値に基づき補正された圧力測定値を計算するために、バルブコントローラ32,34及び36によって利用することができる。補正された圧力測定値は、予め計算された圧力測定エラーを対応する圧力変換器から受け取った圧力測定値に加えることにより計算することができる。変速機制御ユニット38から指令圧力を受け取ると、バルブコントローラ32,34及び36が、バルブ12,14及び16のバルブ設定(例えば、バルブ開放)を決定するために、対応する補正された圧力測定値を利用することは、実質的に、変速機制御ユニット38から受け取った指令圧力を生じる(例えば、選択された許容範囲の範囲内で)ことになる。バルブコントローラ32,34及び36は、望ましいバルブ設定を生じるための適当なバルブ制御信号を公式化することができる。
【0045】
また、圧力測定エラーは、変速機制御ユニット38から受け取った指令圧力に基づく補正された指令圧力を計算するために、バルブコントローラ32,34及び36によって利用することができる。補正された指令圧力は、予め計算された圧力測定エラーを変速機制御ユニット38から受け取った補正されていない指令圧力に加えることにより計算することができる。バルブコントローラ32,34及び36が、バルブ12,14及び16のバルブ設定(例えば、バルブ開放)を決定するために、対応するASIC 58,60及び62から受け取った補正されていない圧力測定値に関連して補正された指令圧力を利用することは、実質的に、補正された指令圧力を生じる(例えば、選択された許容範囲の範囲内で)ことになる。バルブコントローラ32,34及び36は、望ましいバルブ設定を生じるための適当なバルブ制御信号を公式化することができる。
【0046】
図5を参照すると、圧力測定エラーを計算するための典型的なエラー補正フロー113が図解されている。計算された圧力測定エラーは、補正された圧力測定値或いは特定の適用の要求に応じた補正された指令圧力を計算するために利用することができる。
【0047】
閉回路圧力制御システム10は、最初に、ステップ114で電圧が加えられる。これは、例えば、自動車のイグニッションがONされた時に起こる。ステップ116では、制御バルブの出力圧力が実質的に既知であるか否かが決定される。例えば、圧力制御システム10に最初に電圧が加えられた時、制御バルブの出力圧力は、通常、実質的に既知である。エラー補正フロー113では、制御バルブの出力圧力が実質的に既知である場合、圧力変換器から最初の圧力測定値を得るために、結果としてステップ118へ進む。それから、最初の圧力測定値及び実質的に既知の制御バルブの出力圧力は、ステップ120で最初の圧力測定エラーを計算するために利用される。
【0048】
最初の圧力測定エラーは、補正された圧力指令及び補正された圧力測定値を計算するために利用される。補正された圧力測定値を計算するために最初の圧力測定エラーを使用した場合、エラー補正フローは、圧力変換器を使用して第2圧力測定値を得るステップ124へ進む。ステップ126では、補正された圧力測定値は、上述したように、第2圧力測定値及び予め計算された最初の圧力測定エラーを使用して計算される。ステップ128では、計算された補正された圧力測定値を使用して、制御バルブの運転を制御するための制御信号が公式化される。
【0049】
また、ステップ130では、補正された圧力指令を計算するために、最初の圧力測定エラーが使用される。補正された指令圧力は、上述したように、予め計算された最初の圧力測定エラー及び補正されていない指令圧力を使用して計算することができる。ステップ128では、計算された補正された指令圧力を使用して制御バルブの運転を制御するための制御信号を公式化することができる。
【0050】
計算された圧力測定エラーは、圧力変換器の較正におけるその後の変化の主な原因となるため、定期的に更新される。ステップ128で制御バルブの運転を制御するために制御信号を公式化した後、エラー補正フロー113は、制御バルブの出力圧力が実質的に既知である状態で制御バルブを引き続き運転するか否かを決定するため、ステップ116へ戻る。出力圧力が実質的に既知でない場合、予め計算された圧力測定エラーは更新されず、補正された圧力測定値或いは補正された指令圧力が予め計算された最初の圧力測定エラーを使用して算出された時点で、補正フローはステップ122へ進む。制御バルブの出力圧力が実質的に既知であると決定されると、エラー補正フローはステップ118及びステップ120へ進み、更新された圧力測定エラーが、制御バルブの出力圧力が実質的に既知である時点で得られた圧力変換器の圧力測定値を使用して計算される。その後、更新された圧力測定エラーは、圧力測定エラーが再度更新されるような時まで、その後の圧力測定値(124及び126)及び補正された指令圧力(130)を計算するために使用することができる。
【0051】
上述した組み合わせは、単なる実施可能な形態を挙げたものに過ぎない。流体圧システムの組み合わせは、個々の要素の形態同様、圧力変換器パッケージ及びマニホールドを含むが限定されないことは認識されるべきであり、クレームされた装置の範囲から外れることなく異なる形態を有することができる。さらに、上記実施例は自動車の変速機にフォーカスしているが、この中での装置の説明は、いかなる流体圧検出システムに使用することができることが理解されるべきである。
【0052】
プロセス、システム、方法等、この中で説明されたものに関して、このようなプロセス、その他のステップはいくつかの整然とした順序に従って起きるように説明されているが、このようなプロセスは、この中で説明された順序以外の順序で行われる説明されたステップで実行することができることが理解されるべきである。さらに、いくつかのステップは加えられる可能性がある他のステップと同時に行うことができる、又はこの中で説明されたいくつかのステップは省略することができることは、理解されるべきである。言い換えると、この中でのプロセスの記載は、いくつかの特徴を説明する目的のためのものであり、クレームの範囲を限定するためのものであると解釈されるべきではない。
【0053】
当然のことながら、上記記載は、例示的なものであり、限定することを意図していない。実施例以外の多くの組み合わせ及び適用は、上記記載を読むことで当業者にとって明白である。開示されたシステム及びプロセスの範囲は、上記記載に関連することなく決定されるべきであるが、それよりも、そのようなクレームが題されたものに相当する全範囲とともに、従属するクレームに関連して決定されるべきである。それは、将来の開発がこの中で説明された技術によって起こるとともに、説明されたシステム及び方法がそのような将来の実施形態に組み込まれることを期待し、且つ意図するものである。つまり、この中で説明されたシステム及びプロセスは、改良及び変更が可能であるとともに以下のクレームによってのみ限定されることが理解されるべきである。
【0054】
クレームにおける全ての用語は、この中で作られたものと正反対であることを明白に示唆するものでなければ、当業者によって理解される最も広範囲な正当な構成及び通常の意味を与えることを意図している。具体的には、例えば、a, the, said, その他、等の個別の冠詞の使用は、クレームが正反対に明確な限定を列挙するものでなければ、示された要素の1つ以上を列挙するように解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変速機における圧力を制御するためのシステムであって、
流体圧装置(26,28,30)の運転を調整するバルブ(12,14,16)と、
前記バルブ(12,14,16)の出力圧力を検出するための圧力変換器(46,48,50)であって、
検出された圧力に相当する圧力測定値及び前記バルブ(12,14,16)の実際の出力圧力が実質的に既知である運転状態で取得される第1圧力測定値と、を出力するように構成される前記圧力変換器(46,48,50)と、
前記圧力変換器(46,48,50)の圧力測定エラーである前記第1圧力測定値及び実質的に既知である前記バルブ(12,14,16)の実際の出力圧力を使用して計算される前記圧力測定エラーを計算するための論理回路を含むマイクロプロセッサ(38,58,60,62)と、
を含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記マイクロプロセッサ(58,60,62)は、前記第1圧力測定値の後で取得されて前記圧力変換器(46,48,50)から受け取った第2圧力測定値を含む第1変数、及び前記予め計算された圧力測定エラーを含む第2変数を使用する補正された圧力測定値を計算するための論理回路、を含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記バルブ(12,14,16)の運転を制御するためのバルブコントローラ(32,34,36)であって、前記補正された圧力測定値を前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から入力として受け取るとともに前記バルブ(12,14,16)の運転を制御するために使用される制御信号及び前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から受け取った前記補正された圧力測定値を使用して公式化される前記制御信号を出力するように構成される前記バルブコントローラ(32,34,36)を、さらに含むことを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記バルブ(12,14,16)から出力する望ましい圧力に対応する指令圧力を出力するように構成される変速機制御ユニット(38)、及び
前記バルブ(12,14,16)の運転を制御するためのバルブコントローラ(32,34,36)、前記指令圧力を前記変速機制御ユニット(38)から入力として受け取るとともに前記補正された圧力測定値を前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から入力として受け取るように構成される前記バルブコントローラ(32,34,36)、前記変速機制御ユニット(38)から受け取った前記指令圧力及び前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から受け取った前記補正された圧力測定値を使用して公式化された前記バルブ(12,14,16)の前記運転を制御するために使用される制御信号を出力するようにさらに構成される前記バルブコントローラ(32,34,36)、をさらに含むことを特徴とする請求項2記載のシステム。
【請求項5】
前記マイクロプロセッサ(38)は、前記バルブ(12,14,16)から出力する望ましい圧力及び前記計算された圧力測定エラーを使用して計算された調整された指令圧力を計算するための論理回路をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記マイクロプロセッサ(38)から受け取った前記調整された指令圧力を使用して公式化された前記バルブ(12,14,16)の前記運転を制御するために使用される制御信号を出力するように構成されるバルブコントローラ(32,34,36)、をさらに含むことを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記バルブ(12,14,16)の前記運転を制御するためのバルブコントローラ(32,34,36)であって、前記圧力測定エラーを前記マイクロプロセッサ(38,58,60,62)から入力として受け取るとともに前記バルブの前記運転を制御するために使用される制御信号及び前記マイクロプロセッサ(38,58,60,62)から受け取った前記圧力測定エラーを使用して公式化された前記制御信号を出力するように構成される前記バルブコントローラ(32,34,36)、をさらに含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記マイクロプロセッサ(58,60,62)は、前記圧力測定エラー及び前記第1圧力測定値の後で取得された前記圧力測定値から受け取った第2圧力測定値を出力するように構成されており、前記システムは、さらに、
前記バルブ(12,14,16)から出力する望ましい圧力に対応する指令圧力を出力するように構成される変速機制御ユニット(38)、及び
前記バルブ(12,14,16)の前記運転を制御するためのバルブコントローラ(32,34,36)であって、前記指令圧力を前記変速機制御ユニット(38)から入力として受け取るとともに前記圧力測定エラー及び前記第2圧力測定値を前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から入力として受け取るように構成される前記バルブコントローラ(32,34,36)と、前記バルブ(12,14,16)の前記運転を制御するために使用される制御信号である前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から受け取った前記圧力測定エラー並びに少なくとも1つの前記指令圧力及び前記第2圧力測定値を使用して公式化された前記制御信号を出力するように構成される前記バルブコントローラ(32,34,36)と、
を含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記マイクロプロセッサ(58,60,62)は、前記圧力変換器(46,48,50)から受け取った前記圧力測定エラー及び第2圧力測定値、前記第1圧力測定値の後で取得された前記第2圧力測定値を出力するように構成されており、前記システムはさらに、
前記圧力測定エラーを前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から入力として受け取るとともに前記バルブ(12,14,16)から出力する前記望ましい圧力及び前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から受け取った前記圧力測定エラーに対応する指令圧力を出力するように構成される変速機制御ユニット(38)、及び
前記バルブ(12,14,16)の運転を制御するためのバルブコントローラ(32,34,36)であって、前記指令圧力及び圧力測定エラーを前記変速機制御ユニット(38)から、及び前記第2圧力測定値を前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から入力として受け取るように構成されるとともに、前記バルブ(12,14,16)の前記運転を制御するために使用される制御信号である、前記変速機制御ユニット(38)から受け取った前記指令圧力、前記圧力測定エラーを使用して公式化される前記制御信号及び前記マイクロプロセッサ(58,60,62)から受け取った前記第2圧力測定値を出力するように構成される前記バルブコントローラ(32,34,36)、を含むことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項10】
圧力変換器(46,48,50)の測定エラーを検出及び補正するための方法であって、
バルブ(12,14,16)の出力圧力を検出するために前記圧力変換器(46,48,50)を使用し、前記圧力変換器(46,48,50)が、前記検出された圧力に相当する圧力測定値を出力するように構成されるステップと、
前記バルブ(12,14,16)の前記出力圧力が実質的に既知である時に第1圧力測定値を得るステップと、
前記第1圧力測定値及び前記第1圧力測定値が得られた時に生じる前記バルブ(12,14,16)の前記実質的に既知である出力圧力を使用して第1圧力測定エラーを計算するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記第1圧力測定値の後で第2圧力測定値を得るステップと、
前記第1圧力測定値及び前記第1圧力測定エラーを使用して第1補正された圧力測定値を計算するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記バルブ(12,14,16)が実質的に既知である時に第3圧力測定値を得るステップと、
前記第3圧力測定値及び第4圧力測定値が得られた時に生じる前記バルブ(12,14,16)の前記実質的に既知である出力圧力を使用して第2圧力測定エラーを計算するステップと、
前記第3圧力測定値及び前記第2圧力測定エラーを使用して第2補正された圧力測定値を計算し、前記第2圧力測定エラーが、次の補正された圧力測定値を計算するために使用された後、前記第1圧力測定エラーは、前記第2圧力測定エラーが算出されるまで次の補正された圧力測定値を計算するために使用されるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記バルブ(12,14,16)及び前記第1圧力測定エラーから出力する望ましい圧力を使用して第1補正された指令圧力を計算するステップ、をさらに含むことを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項14】
前記バルブの前記出力圧力が実質的に既知である時に第3圧力測定値を得るステップと、
前記第3圧力測定値及び前記第3圧力測定値が得られた時に生じる前記バルブ(12,14,16)の前記実質的に既知である出力圧力を使用して第2圧力測定エラーを計算するステップと、
前記バルブ(12,14,16)から出力する望ましい圧力及び前記第2圧力測定エラーを使用して第2補正された指令圧力を計算し、前記第2圧力測定エラーが次の補正された指令圧力を計算するために使用された後、前記第1圧力測定エラーは、前記第2圧力測定エラーが算出されるまで次の補正された指令圧力を計算するために使用されるステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記第1圧力測定値は、前記バルブ(12,14,16)が実質的に閉塞されている時に得られることを特徴とする請求項10記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2011−525225(P2011−525225A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511104(P2011−511104)
【出願日】平成21年5月27日(2009.5.27)
【国際出願番号】PCT/IB2009/005746
【国際公開番号】WO2009/147490
【国際公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(390033020)イートン コーポレーション (290)
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
【Fターム(参考)】