説明

圧電振動片の製造方法、並びにウエハ、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計

【課題】マスク部材を誤配置した状態でレジストパターンを形成することを防止して低コスト化を図ること。
【解決手段】レジストパターン形成工程は、一の電極膜用に用意されたマスク部材に形成されたマスク側マークを、ウエハSに形成された複数のウエハ側マークS3、S4のうち、該マスク部材に対応するウエハ側マークS3、S4に位置合わせしながらマスク部材をウエハSに配置し、マスク側マークは互いに間隔をあけて形成された一対のマーク部からなるとともに、該一対のマーク部間の間隔は複数のマスク部材ごとに異なり、複数のウエハ側マークS3、S4はそれぞれ、互いに間隔をあけて形成された一対の凹部S5、S6からなるとともに、該一対の凹部S5、S6間の間隔は、該ウエハ側マークS3、S4が対応するマスク部材における一対のマーク部間の間隔と同等となるように複数のウエハ側マークS3、S4ごとに異なる圧電振動片の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電振動片の製造方法、並びにウエハ、圧電振動子、発振器、電子機器、および電波時計に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話や携帯情報端末機器には、時刻源や制御信号のタイミング源、リファレンス信号源等として、水晶等を利用した圧電振動片を有する圧電振動子が用いられている。この種の圧電振動片としては、圧電材料からなる圧電板と、電圧が印加されたときに圧電板を振動させる電極部と、を備え、電極部が、圧電板の外表面上に積層されるとともに互いにパターンが異なる複数層の電極膜からなる構成が知られている。
【0003】
ところで、このような圧電振動片は、ウエハを利用して一度に複数製造するのが一般的であり、製造方法の一例として、例えば下記特許文献1に示されるような方法が挙げられる。この方法では、ウエハに、圧電基板の外形形状を形成するとともにアライメントマーカーを形成した後、電極部を形成する。
ここで、電極部の各電極膜を形成する際には、まずウエハにレジスト膜を塗布した後、フォトマスクをウエハに配置してレジスト膜をパターニングすることでレジストパターンを形成し、その後、レジストパターンに基づいて電極膜を形成する。この過程でフォトマスクをウエハに配置する際、アライメントマーカーを用いてフォトマスクをウエハに位置合わせすることで、電極部を高精度に形成することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−142795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで前述のように、電極部が、互いにパターンが異なる複数層の電極膜からなる場合には、各電極膜に対応して形状が互いに異なるレジストパターンを形成するため、複数種類のフォトマスクを用いる必要がある。
しかしながら、前記従来の圧電振動片の製造方法では、本来配置すべきフォトマスクとは種類が異なるフォトマスクを配置してレジストパターンを形成するおそれがある。この場合、電極膜が所望のパターンにパターニングされなくなり、ウエハを廃棄する等して製造コストが上昇してしまう。
【0006】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、マスク部材を誤配置した状態でレジストパターンを形成することを防止して低コスト化を図ることができる圧電振動片の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明に係る圧電振動片の製造方法は、圧電材料からなる圧電板と、電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる電極部と、を備え、該電極部は、前記圧電板の外表面上に積層されるとともに互いにパターンが異なる複数層の電極膜からなる圧電振動片を形成する圧電振動片の製造方法であって、前記圧電板の外形形状が形成されたウエハに前記電極部を形成する電極形成工程を有し、該電極形成工程は、フォトリソグラフィ技術により前記複数層の電極膜それぞれを前記ウエハに形成する複数の電極膜形成工程を有し、前記複数の電極膜形成工程はそれぞれ、前記ウエハにレジスト膜を塗布した後、各電極膜用に用意された複数のマスク部材のうち、該電極膜形成工程で形成する一の電極膜用に用意された前記マスク部材を前記ウエハに配置し、その後、該マスク部材を介して光を照射してレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程を有し、該レジストパターン形成工程は、前記一の電極膜用に用意された前記マスク部材に形成されたマスク側マークを、前記ウエハに形成された複数のウエハ側マークのうち、該マスク部材に対応する前記ウエハ側マークに位置合わせしながら前記マスク部材を前記ウエハに配置し、前記マスク側マークは、前記マスク部材に互いに間隔をあけて形成された一対のマーク部からなるとともに、該一対のマーク部間の間隔は、前記複数のマスク部材ごとに異なり、前記複数のウエハ側マークはそれぞれ、前記ウエハに互いに間隔をあけて形成された一対の凹部からなるとともに、該一対の凹部間の間隔は、該ウエハ側マークが対応する前記マスク部材における前記一対のマーク部間の間隔と同等となるように、前記複数のウエハ側マークごとに異なっていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るウエハは、前記圧電振動片の製造方法に用いられるウエハであって、前記複数のマスク部材それぞれに対応する複数のウエハ側マークが形成され、該複数のウエハ側マークはそれぞれ、互いに間隔をあけて形成された一対の凹部からなるとともに、該一対の凹部間の間隔は、該ウエハ側マークが対応する前記マスク部材における前記一対のマーク部間の間隔と同等となるように、前記複数のウエハ側マークごとに異なっていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、一対の凹部間の間隔が、ウエハ側マークが対応するマスク部材における一対のマーク部間の間隔と同等となるように、複数のウエハ側マークごとに異なっているので、レジストパターン形成工程の際、一の電極膜用に用意されたマスク部材とは異なるマスク部材のマーク部を、一の電極膜用に用意されたマスク部材に対応するウエハ側マークの凹部に位置合わせしようとしても、一対のマーク部の一方が凹部からずれてしまう。これにより、異なる種類のマスク部材を配置した状態でレジストパターンを形成するのを防止することが可能になり、ウエハの廃棄などを抑え圧電振動片の低コスト化を図ることができる。
【0010】
また、前記圧電振動片の製造方法では、前記マーク部は、前記マスク部材を貫通する露出開口とされ、前記凹部の平面視形状は、前記露出開口の平面視形状と同等とされ、前記レジストパターン形成工程は、前記露出開口から前記凹部を露出させることで前記マスク側マークを前記ウエハ側マークに位置合わせしても良い。
【0011】
この場合、レジストパターン形成工程の際、露出開口から凹部を露出させることでマスク側マークをウエハ側マークに位置合わせするので、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
【0012】
また、前記圧電振動片の製造方法では、前記露出開口の平面視形状は、一対の露出開口が離間する一方向、および該マスク部材の表面に沿いかつ前記一方向に直交する他方向の両方向に非対称であっても良い。
【0013】
この場合、露出開口の平面視形状が、前記一方向および前記他方向の両方向に非対称であるので、レジストパターン形成工程の際、マスク部材を正規の向きに対して前記一方向に反転させたり、前記他方向に反転させたりした状態で、露出開口から凹部を露出させようとしても凹部の全体を露出させることができない。これにより、マスク部材を異なる向きで配置した状態でレジストパターンを形成するのを防止することができる。
【0014】
また、前記圧電振動片の製造方法では、前記レジストパターン形成工程は、前記ウエハ上に被覆部材を配置し、前記一の電極膜用に用意された前記マスク部材に対応する前記ウエハ側マークにおける前記凹部を、該被覆部材により覆いながらレジスト膜を塗布しても良い。
【0015】
この場合、レジストパターン形成工程の際、前記凹部を被覆部材により覆いながらレジスト膜を塗布するので、レジスト膜が塗布されることにより凹部の平面視形状が不鮮明になるのを抑制し、マーク部を凹部に確実に位置合わせすることができる。
【0016】
また、本発明の圧電振動子は、前記圧電振動片の製造方法により製造された圧電振動片を備えていることを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、前記圧電振動片の製造方法により製造された圧電振動片を備えているので低コスト化を図ることができる。
【0018】
また、本発明の発振器は、前記圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、前記圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする。
また、本発明の電波時計は、前記圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする。
【0019】
本発明に係る発振器、電子機器および電波時計によれば、前記圧電振動子を備えているので、低コストな発振器、電子機器および電波時計を製造することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る圧電振動片の製造方法およびウエハによれば、マスク部材を誤配置した状態でレジストパターンを形成することを防止して低コスト化を図ることができる。
また、本発明に係る圧電振動子、発振器、電子機器および電波時計によれば、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に係る一実施形態の圧電振動子のケースの中身を見た図であって、圧電振動片を平面視した状態の図である。
【図2】図1に示す圧電振動片を上面から見た平面図である。
【図3】図1に示す圧電振動片を下面から見た平面図である。
【図4】図1に示す圧電振動片の斜視図である。
【図5】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図6】図1のB−B線に沿う断面図である。
【図7】図2のC−C線に沿う断面図である。
【図8】本発明に係る圧電振動片の製造方法に用いられる圧電振動片の製造装置を構成する外形マスクの平面図である。
【図9】本発明に係る圧電振動片の製造方法に用いられる圧電振動片の製造装置を構成する第1マスクの平面図である。
【図10】本発明に係る圧電振動片の製造方法に用いられる圧電振動片の製造装置を構成する第2マスクの平面図である。
【図11】本発明に係る圧電振動片の製造方法のフローチャートである。
【図12】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、図2のC−C線に相当する断面図である。
【図13】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、ウエハの平面図である。
【図14】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、ウエハの平面図である。
【図15】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、図2のC−C線に相当する断面図である。
【図16】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、ウエハの平面図である。
【図17】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、ウエハの平面図である。
【図18】圧電振動片の製造方法の作用を説明する図であって、レジストパターン形成工程の際、被覆部材により貫通孔を覆わずにレジスト膜を塗布した状態を示す平面図である。
【図19】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、図2のC−C線に相当する断面図である。
【図20】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、図2のC−C線に相当する断面図である。
【図21】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、ウエハの平面図である。
【図22】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、図2のC−C線に相当する断面図である。
【図23】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、ウエハの平面図である。
【図24】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、ウエハの平面図である。
【図25】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、図2のC−C線に相当する断面図である。
【図26】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、図2のC−C線に相当する断面図である。
【図27】圧電振動片の製造方法を示す工程図であって、ウエハの平面図である。
【図28】圧電振動片の製造方法の作用を説明する図であって、第1マスクを反転させたとき平面図である。
【図29】本発明に係る発振器の一実施形態を示す構成図である。
【図30】本発明に係る電子機器の一実施形態を示す構成図である。
【図31】本発明に係る電波時計の一実施形態を示す構成図である。
【図32】本発明に係る圧電振動片の製造方法で用いる露出開口および貫通孔の変形例を示す平面図である。
【図33】本発明に係る圧電振動片の製造方法で用いる露出開口および貫通孔の変形例を示す平面図である。
【図34】本発明に係る圧電振動片の製造方法で用いる露出開口および貫通孔の変形例を示す平面図である。
【図35】本発明に係る圧電振動片の製造方法で用いる露出開口および貫通孔の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る圧電振動子を説明する。
図1に示すように、圧電振動子1は、シリンダパッケージタイプの圧電振動子であって、音叉型の圧電振動片2と、圧電振動片2がマウントされたプラグ4と、プラグ4とともに圧電振動片2を気密封止するケース3とを備えている。
【0023】
図2、3に示すように、圧電振動片2は、水晶、タンタル酸リチウムやニオブ酸リチウム等の圧電材料から形成された音叉型の振動片であり、所定の電圧が印加されたときに振動するものである。
【0024】
この圧電振動片2は、平行に配置された一対の振動腕部8、9と、これら一対の振動腕部8、9の基端側を一体的に固定する基部10と、を有する圧電板11と、一対の振動腕部8、9の外表面上に形成されて一対の振動腕部8、9を振動させる第1の励振電極12と第2の励振電極13とからなる励振電極14と、第1の励振電極12及び第2の励振電極13に電気的に接続されたマウント電極15、16とを有している。
【0025】
また、本実施形態の圧電振動片2は、一対の振動腕部8、9の両主面上に、振動腕部8、9の基端部から先端部に向かって一定長さL形成された溝部17を備えている。この溝部17は、図4に示すように、振動腕部8、9の基端部から略中間付近まで形成されている。なお、一対の振動腕部8、9の腕幅は共通であり、それぞれWとする。また、基部10において一対の振動腕部8、9の基端部と連結されている部分を股部10aとする。
【0026】
図2、3、5に示すように、第1の励振電極12と第2の励振電極13とからなる励振電極14は、一対の振動腕部8、9を互いに接近又は離間する方向に所定の共振周波数で振動させる電極であり、一対の振動腕部8、9の外表面に、それぞれ電気的に切り離された状態でパターニングされて形成されている。具体的には、第1の励振電極12が、一方の振動腕部8の溝部17上と、他方の振動腕部9の両側面上とに主に形成され、第2の励振電極13が、一方の振動腕部8の両側面上と他方の振動腕部9の溝部17上とに主に形成されている。
【0027】
また、図2、3に示すように、第1の励振電極12及び第2の励振電極13は、基部10の両主面上において連続的に形成されており、それぞれ引き出し電極19、20を介してマウント電極15、16に電気的に接続されている。このマウント電極15、16は、圧電板11の基端側に形成されている。すなわち、励振電極14、マウント電極15、16及び引き出し電極19、20は、所定の電圧が印加されたときに一対の振動腕部8、9を振動させる電極部(積層体)18として機能している。
【0028】
図6、7に示すように、電極部18は、クロム(Cr)からなる下地金属層(電極膜)18aと、金(Au)からなる仕上金属層(電極膜)18bと、が圧電板11の外表面上に順次積層されて構成されている。これらの金属層18a、18bのパターンは、互いに異なっている。
下地金属層18aは、仕上金属層18bと圧電振動片2との密着性を向上させるためのものである。
【0029】
また、仕上金属層18bは、図4、5、7に示すように、少なくとも振動腕部8、9の基端部から先端部に至る領域で、仕上金属層18bの一部或いは全部が除去されている。
より詳しくは、振動腕部8、9の基端部より先端部側では、基端部から一定長さL以上離間した位置まで(図4に示す領域RA)、仕上金属層18bの全部が除去されている。さらに、振動腕部8、9の基端部より基部10側には、基端部から基部10に向かって振動腕部8、9の腕幅Wの2倍離間した位置に至るまで(図4に示す領域RB)、仕上金属層18bの全部が除去されている。
【0030】
すなわち、電極部18は、振動腕部8、9の溝部17が形成されている領域を含む領域RA及び領域RBで、溝部17内を含めて全面的に下地金属層18aにより形成されている。そして、領域RA及び領域RBには、下地金属層18aを覆うように酸化珪素(SiO2)等からなる絶縁膜34が被覆されている。これにより、振動腕部8、9の励振電極12、13間に導電性粒子が付着した場合でも、電極間の短絡を防止することができる。
【0031】
ここで本実施形態では、領域RAおよび領域Rbを合わせた領域である単層領域Rは、励振電極12、13の形成領域となっており、この単層領域Rでは、仕上金属層18bを除去した状態で下地金属層18a上に絶縁膜34を形成することで、絶縁膜34の密着性を向上させて励振電極12、13の短絡が確実に防がれている。
一方、圧電板11における単層領域Rよりも基端側に形成された引き出し電極19、20及びマウント電極15、16は、上述したように下地金属層18a及び仕上金属層18bが積層された状態となっている。以下では、これら下地金属層18a及び仕上金属層18bが積層されている領域を積層領域Pとする。
【0032】
また、一対の振動腕部8、9の先端には、自身の振動状態を所定の周波数の範囲内で振動するように調整(周波数調整)を行うための重り金属膜21が被膜されている。この重り金属膜21は、周波数を粗く調整する際に使用される粗調膜21aと、微小に調整する際に使用される微調膜21bとに分かれている。これら粗調膜21a及び微調膜21bを利用して周波数調整を行うことで、一対の振動腕部8、9の周波数をデバイスの公称周波数の範囲内に収めることができる。
【0033】
ケース3は、図1に示すように、有底円筒状に形成されており、圧電振動片2を内部に収納した状態でプラグ4の後述するステム30の外周に対して圧入されて、嵌合固定されている。なお、このケース3の圧入は、真空雰囲気下で行われており、ケース3内の圧電振動片2を囲む空間が真空に保たれた状態となっている。
【0034】
プラグ4は、ケース3を密閉させるステム30と、このステム30を貫通するように平行配置された2本のリード端子31と、ステム30の内側に充填されてステム30とリード端子31とを固定させる絶縁性の充填材32とを有している。
ステム30は、金属材料で環状に形成されたものである。また、充填材32の材料としては、例えばホウ珪酸ガラスである。また、リード端子31の表面及びステム30の外周には、それぞれ同材料の後述するめっき層35が施されている。
【0035】
2本のリード端子31は、ケース3内に突出している部分がインナーリード31aとなり、ケース3外に突出している部分がアウターリード31bとなっている。リード端子31は、その直径が例えば約0.12mmであり、リード端子31の母材の材質としては、コバール(FeNiCo合金)が慣用されている。また、図6に示すように、リード端子31の外表面及びステム30の外周には、めっき層35が被覆されている。被膜させるめっきの材質としては、下地膜35aに銅(Cu)めっき等が用いられ、仕上膜35bに融点が例えば300度程度の高融点ハンダめっき(錫と鉛の合金で、その重量比が1:9)が用いられる。
また、ステム30の外周に被膜されためっき層35を介在させながらケース3の内周に真空中で冷間圧接させることにより、ケース3の内部を真空状態で気密封止できるようになっている。
【0036】
そして図7に示すように、インナーリード31aとマウント電極15、16とは、仕上膜(高融点ハンダめっき)35bを溶解させて形成された接合部Eを介して仕上金属層18b上にマウントされている。すなわち、接合部Eを介してインナーリード31aとマウント電極15、16とが機械的に接合されていると同時に、電気的に接続されている。その結果、圧電振動片2は、2本のリード端子31にマウントされた状態となっている。
【0037】
なお、上述した2本のリード端子31は、一端側(アウターリード31b側)が外部に電気的に接続され、他端側(インナーリード31a側)が圧電振動片2に対してマウントされる外部接続端子として機能する。
【0038】
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、2本のリード端子31のアウターリード31bに対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、インナーリード31a、接合部E、マウント電極15、16及び引き出し電極19、20を介して、第1の励振電極12及び第2の励振電極13からなる励振電極14に電流を流すことができ、一対の振動腕部8、9を接近・離間させる方向に所定の周波数で振動させることができる。そして、この一対の振動腕部8、9の振動を利用して、時刻源、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源等として利用することができる。
【0039】
(圧電振動片の製造方法)
次に、上述した圧電振動片2を、圧電材料からなるウエハS(図12参照)を用いて形成する方法について説明する。
はじめに、この製造方法に用いる圧電振動片の製造装置40について説明する。
図8から図10に示すように、この製造装置40は、圧電板11の外形形状をウエハSに形成する外形マスク41と、下地金属層18a用および仕上金属層18b用にそれぞれ用意された2つ(複数)の電極膜用マスク(マスク部材)42、43と、を備えている。
【0040】
これらのマスク41、42、43はそれぞれ、内部が露光領域41a、42a、43aとされた枠状部41b、42b、43bと、露光領域41a、42a、43aに配置されるとともに図示しない連結部を介して枠状部41b、42b、43bに連結された複数の被覆部41c、42c、43cと、を備えている。
【0041】
各マスク41、42、43の枠状部41b、42b、43bの外形形状、および露光領域41a、42a、43aはいずれも平面視矩形状、図示の例では平面視正方形状となっており、枠状部41b、42b、43bおよび露光領域41a、42a、43aは、各マスク41、42、43の軸線と同軸に配置されている。
【0042】
また、外形マスク41の被覆部41cは、圧電板11の外形形状に形成され、2つの電極膜用マスク42、43のうち、下地金属層18a用に用意された第1マスク42の被覆部42cは、下地金属層18aの外形形状に形成され、仕上金属層18b用に用意された第1マスク43の被覆部43cは、仕上金属層18bの外形形状に形成されている。
なお、図8から図10に示す各マスク41、42、43では、図面の見易さのため、各被覆部41c、42c、43cの形状を簡略化しているとともに、各被覆部41c、42c、43cの数を省略している。
【0043】
図8に示すように、外形マスク41の枠状部41bには、2つの電極膜用マスク42、43それぞれに対応する2つのウエハ側マークS3、S4(図13参照)をウエハSに形成する2つのマーク形成部41d、41eが形成されている。マーク形成部41d、41eは、枠状部41bを貫通する一対のマーク用開口41f、41gからなる。
【0044】
一対のマーク用開口41f、41gは、互いに間隔をあけて配置されており、図示の例では、枠状部41bのうち、この外形マスク41の軸線を間に挟んで対向する各部分に1つずつ配置されている。本実施形態では、一対のマーク用開口41f、41gが離間する一方向は、枠状部41bの一辺に平行となっている。
また、2つのマーク形成部41d、41eのうち、一方の第1マーク形成部41dにおける一対のマーク用開口41fは、他方の第2マーク形成部41eにおける一対のマーク用開口41gに対して、この外形マスク41の表面に沿いかつ前記一方向に直交する他方向にずらされて配置されている。
【0045】
そして、一対のマーク用開口41f、41g間の間隔は、2つのマーク形成部41d、41eごとに異なっている。
また、マーク用開口41f、41gの平面視形状は、前記一方向および前記他方向の両方向に非対称となっており、図示の例では、前記一方向および前記他方向にそれぞれ延在する直線部が連結されたL字状となっている。
【0046】
図9および図10に示すように、2つの電極膜用マスク42、43の枠状部42b、43bにはそれぞれ、マスク側マーク42d、43dが形成されている。本実施形態では、マスク側マーク42d、43dは、電極膜用マスク42、43に互いに間隔をあけて形成され、電極膜用マスク42、43を貫通する一対の露出開口(マーク部)42f、43fとなっている。
【0047】
ここでマスク側マーク42d、43dは、2つの電極膜用マスク42、43ごとに異なっており、本実施形態では、一対の露出開口42f、43f間の間隔が2つの電極膜用マスク42、43ごとに異なっている。
図9に示すように、前記第1マスク42に形成されたマスク側マーク42dは、外形マスク41の前記第1マーク形成部41dと対応しており、第1マスク42のマスク側マーク42dにおける一対の露出開口42f間の間隔は、外形マスク41の第1マーク形成部41dにおける一対のマーク用開口41f間の間隔と同等となっている。
【0048】
また、これらの露出開口42fの平面視形状は、第1マーク形成部41dの平面視形状と同等となっている。本実施形態では、露出開口42fの平面視形状は、一対の露出開口42fが離間する一方向、および第1マスク42の表面に沿いかつ前記一方向に直交する他方向の両方向に非対称となっており、前記一方向および前記他方向にそれぞれ延在する直線部が連結されたL字状となっている。
【0049】
また図10に示すように、前記第2マスク43に形成されたマスク側マーク43dは、外形マスク41の前記第2マーク形成部41eと対応しており、第2マスク43のマスク側マーク43dにおける一対の露出開口43f間の間隔は、第2マーク形成部41eにおける一対のマーク用開口41g間の間隔と同等となっている。
【0050】
また、これらの露出開口43fの平面視形状は、第2マーク形成部41eの平面視形状と同等となっている。本実施形態では、露出開口43fの平面視形状は、一対の露出開口43fが離間する一方向、および第2マスク43の表面に沿いかつ前記一方向に直交する他方向の両方向に非対称となっており、前記一方向および前記他方向にそれぞれ延在する直線部が連結されたL字状となっている。
【0051】
次に、前記圧電振動片の製造装置40を用いて圧電振動片2を形成する圧電振動片の製造方法について、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、図12に示すように、水晶のランバート原石を所定の角度でスライスして一定の厚みのウエハSとする。続いて、このウエハSをラッピングして粗加工した後、加工変質層をエッチングで取り除き、その後ポリッシュ等の鏡面研磨加工を行って、所定の厚みのウエハSとする(S10)。
【0052】
次に、研磨後のウエハSに圧電板11の外形形状を複数形成する外形形成工程を行う(S20)。
このとき、まず、ウエハSの両面に、例えばクロム層および金層などが積層されてなる図示しない保護膜を、例えばスパッタリング等により積層する。その後、ウエハSの両面に、前記保護膜の上からポジ型の図示しないレジスト膜を塗布し、このレジスト膜上に前記外形マスク41を配置する。
【0053】
そして、この外形マスク41を介して前記レジスト膜に光を照射し、該レジスト膜にレジストパターンを露光する。外形マスク41を取り外した後、前記レジスト膜を現像して露光部分を除去し、その後、メタルエッチングを行って前記露光部分から露出された前記保護膜を除去する。さらに前記レジスト膜を除去するとともに、水晶エッチングを行って前記保護膜の除去部分から露出されたウエハSをエッチングし、その後、前記保護膜を除去することで、外形形成工程が終了する。
【0054】
この外形形成工程を行うことで、図13に示すように、ウエハSに、圧電板11の外形形状が形成される。このウエハSの平面視形状は矩形状、図示の例では正方形状となっており、ウエハSの外周部S1の内側に位置する板形成領域S2内に、圧電板11の外形形状が形成されている。板形成領域S2は、外形マスク41の露光領域41aから露出する部分であり、板形成領域S2では、圧電板11の外形形状、およびこの外形形状と前記外周部S1とを連結する図示しない連結部を除いた部分が、前記水晶エッチングにより除去されている。
【0055】
ここで本実施形態では、外形マスク41に前記マーク形成部41d、41eが形成されているので、前記外形形成工程の際、ウエハSに圧電板11の外形形状と同時に、2つの電極膜用マスク42、43それぞれに対応する2つのウエハ側マークS3、S4が形成される。
2つのウエハ側マークS3、S4は、前記外形形成工程に際して外形マスク41をレジスト膜上に配置したときに、マーク形成部41d、41eから露出した部分に形成され、これらのウエハ側マークS3、S4はそれぞれ、ウエハSに、互いに間隔をあけて形成された一対の貫通孔(凹部)S5、S6からなる。
【0056】
一対の貫通孔S5、S6は、ウエハSの外周部S1のうち、このウエハSの軸線を間に挟んで対向する各部分に1つずつ配置されている。本実施形態では、一対の貫通孔S5、S6が離間する一方向は、外周部S1の一辺に平行となっている。
また、2つのウエハ側マークS3、S4のうちのいずれか一方の一対の貫通孔S5は、いずれか他方の一対の貫通孔S6に対して、このウエハSの表面に沿いかつ前記一方向に直交する他方向にずらされて配置されている。
【0057】
また、貫通孔S5、S6の平面視形状は、前記露出開口42f、43fの平面視形状と同等となっている。
本実施形態では、貫通孔S5、S6の平面視形状は、前記一方向および前記他方向の両方向に非対称となっており、前記一方向および前記他方向にそれぞれ延在する直線部が連結されたL字状となっている。
【0058】
そして、一対の貫通孔S5、S6間の間隔は、ウエハ側マークS3、S4が対応する電極膜用マスク42、43における一対の露出開口42f、43f間の間隔と同等となるように、2つのウエハ側マークS3、S4ごとに異なっている。
本実施形態では、2つのウエハ側マークS3、S4のうち、第1マスク42に対応する第1ウエハ側マークS3の一対の貫通孔S5間の間隔は、第1マスク42の前記一対の露出開口42f間の間隔と同等となっている。また、2つのウエハ側マークS3、S4のうち、第2マスク43に対応する第2ウエハ側マークS4の一対の貫通孔S6間の間隔は、第2マスク43の前記一対の露出開口43f間の間隔と同等となっている。
【0059】
前記外形形成工程を行うとともに、一対の振動腕部8、9に溝部17を形成する溝部形成工程(S30)行った後、圧電板11の外形形状が形成されたウエハSに電極部18を形成する電極形成工程を行う(S40)。この工程では、電極部18(励振電極14、引き出し電極19、20及びマウント電極15、16)及び重り金属膜21を形成する。
【0060】
始めに、図14および図15に示すように、圧電板11上に下地金属層18aとなる第1金属膜28a、及び仕上金属層18bとなる第2金属膜28bを、蒸着やスパッタリング等により順次成膜し、金属積層膜28を形成する(S41)。
ここでウエハSが、例えば水晶で形成される等して透明である場合、貫通孔S5、S6の形状の確認が難しい。そこで本実施形態のように、ウエハSの表面に、第1金属膜28aや第2金属膜28bのような金属膜を形成すると、貫通孔S5、S6の形状の確認が容易になる。
【0061】
次に、前記第1マスク42を用い、フォトリソグラフィ技術により下地金属層18aをウエハSに形成する第1電極膜形成工程を行う(S47)。
この第1電極膜形成工程では、まず、ウエハSに、レジスト膜50を塗布した後、第1マスク42を配置し、その後、該第1マスク42を介して光を照射して第1レジストパターンを形成する第1レジストパターン形成工程を行う(S42)。
【0062】
このとき、まず図16に示すように、被覆部材44をウエハS上に配置し、第1ウエハ側マークS3の貫通孔S5を被覆部材44により覆いながらレジスト膜50を塗布する。これにより、図17に示すように、貫通孔S5および貫通孔S5の周辺部を除いた部分にレジスト膜50が塗布されることとなり、図18に示すように、レジスト膜50が塗布されることにより貫通孔S5の形状が不鮮明になるのを抑制することができる。
【0063】
これにより図19に示すような、金属積層膜28およびレジスト膜50が積層されたウエハSを形成した後、ウエハSに第1マスク42を配置する。このとき、第1マスク42に形成されたマスク側マーク42dを第1ウエハ側マークS3に位置合わせし、露出開口42fから貫通孔S5を露出させるように第1マスク42をウエハSに配置する。ここで、貫通孔S5の平面視形状が、露出開口42fの平面視形状と同等とされているので、このとき、露出開口42fから貫通孔S5の全体が露出される。
【0064】
ここで本実施形態では、第1マスク42が、マスク側マーク42dを第1ウエハ側マークS3に位置合わせしてウエハSに配置されたときに、第1マスク42の被覆部42cは、マウント電極15、16、励振電極12、13、引き出し電極19、20及び重り金属膜21の形成領域を被覆するように構成されている。そこで、第1マスク42を介して光を照射した後、第1マスク42を取り外してレジスト膜50を現像すると、図20に示すように、金属積層膜28を残しておきたい部分、つまり前記形成領域を被覆するようなレジストパターンが形成される。
【0065】
そして、残ったレジスト膜50をマスクとして、第1金属膜28aおよび第2金属膜28bをエッチング加工するエッチング工程を行った後(S43)、レジスト膜50を除去する。このエッチング工程により、図21および図22に示すように、第1金属膜28aが、電極部18を構成する2つの金属層のうちの下地金属層18aとなる。
【0066】
次に、前記第2マスク43を用い、フォトリソグラフィ技術により仕上金属層18bをウエハSに形成する第2電極膜形成工程を行う(S48)。この第2電極膜形成工程は、単層領域R(図4参照)に存在する第2金属膜28bを除去することで行う。
この第2電極膜形成工程では、まず、ウエハSに、レジスト膜50を塗布した後、第2マスク43を配置し、その後、該第2マスク43を介して光を照射して第2レジストパターンを形成する第2レジストパターン形成工程を行う(S44)。
【0067】
このとき、まず図23に示すように、被覆部材44をウエハS上に配置し、第2ウエハ側マークS4の貫通孔S6を被覆部材44により覆いながらレジスト膜50を塗布する。これにより、図24に示すように、貫通孔S6および貫通孔S6の周辺部を除いた部分にレジスト膜50が塗布される。
その後、第2マスク43に形成されたマスク側マーク43dを第2ウエハ側マークS4に位置合わせし、露出開口43fから貫通孔S6を露出させるように第2マスク43をウエハSに配置する。
【0068】
ここで本実施形態では、第2マスク43が、マスク側マーク43dを第2ウエハ側マークS4に位置合わせしてウエハSに配置されたときに、第2マスク43の被覆部43cは、前記積層領域Pを被覆するように構成されている。そこで、第2マスク43を介して光を照射した後、第2マスク43を取り外してレジスト膜50を現像すると、図25に示すように、第2金属膜28bを残しておきたい部分、つまり前記積層領域Pを被覆するようなレジストパターンが形成されることとなる。
【0069】
そして、残ったレジスト膜50をマスクとして、第2金属膜28bをエッチング加工により除去するエッチング工程を行った後(S45)、レジスト膜50を除去する。このエッチング工程により、図26および図27に示すように、第2金属膜28bが、電極部18を構成する2つの金属層のうちの仕上金属層18bとなり、電極部18および重り金属膜21が形成されて電極形成工程が終了する。
【0070】
その後、仕上金属層18bが除去された単層領域Rにおいて、下地金属層18a上にSiO2等の無機絶縁材料からなる絶縁膜34を、図示しないメタルマスク等を介してCVD法等を行うことにより形成する(S46)。すると、単層領域Rの下地金属層18aを覆うように絶縁膜34が形成される。
その後、ウエハSに形成された全ての振動腕部8、9に対して、共振周波数を粗く調整する粗調工程を行う。これは、例えば重り金属膜21の粗調膜21aにレーザー光を照射して、一対の振動腕部8、9の先端にかかる重量を軽減させることで、周波数を粗く調整する工程である(S51)。
【0071】
次いで、ウエハSと圧電振動片2とを連結していた連結部を切断して、複数の圧電振動片2をウエハSから切り離して小片化する切断工程を行う(S52)。これにより、ウエハSから、電極部18(励振電極14、引き出し電極19、20及びマウント電極15、16)及び重り金属膜21が形成された圧電振動片2を一度に複数製造することができる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態に係る圧電振動片の製造方法およびウエハによれば、一対の貫通孔S5、S6間の間隔が、ウエハ側マークS3、S4が対応する電極膜用マスク42、43における一対の露出開口42f、43f間の間隔と同等となるように、複数のウエハ側マークS3、S4ごとに異なっているので、レジストパターン形成工程の際、本来用いられるべき電極膜用マスク42、43とは異なる電極膜用マスク42、43の露出開口42f、43fを、本来用いられるべき電極膜用マスク42、43に対応するウエハ側マークS3、S4の貫通孔S5、S6に位置合わせしようとしても、一対の露出開口42f、43fの一方が貫通孔S5、S6からずれてしまう。これにより、異なる種類の電極膜用マスク42、43を配置した状態でレジストパターンを形成するのを防止することが可能になり、ウエハSの廃棄などを抑え圧電振動片2の低コスト化を図ることができる。
【0073】
また、レジストパターン形成工程の際、前記貫通孔S5、S6を被覆部材44により覆いながらレジスト膜50を塗布するので、レジスト膜50が塗布されることにより貫通孔S5、S6の平面視形状が不鮮明になるのを抑制し、露出開口42f、43fを貫通孔S5、S6に確実に位置合わせすることができる。
さらに、レジストパターン形成工程の際、露出開口42f、43fから貫通孔S5、S6を露出させることでマスク側マーク42d、43dをウエハ側マークS3、S4に位置合わせするので、前述の作用効果を確実に奏功させることができる。
【0074】
また、露出開口42f、43fの平面視形状が、前記一方向および前記他方向の両方向に非対称であるので、図28に示すように、レジストパターン形成工程の際、例えば電極膜用マスク42を正規の向きに対して前記一方向に反転させたり、前記他方向に反転させたりした状態で、露出開口42fから貫通孔S5を露出させようとしても貫通孔S5の全体を露出させることができない。これにより、電極膜用マスク42、43を異なる向きで配置した状態でレジストパターンを形成するのを防止することができる。
【0075】
そして、本実施形態に係る圧電振動子1は、前記圧電振動片の製造方法により製造された圧電振動片2を備えているので低コスト化を図ることができる。
【0076】
(発振器)
次に、本発明に係る発振器の一実施形態について、図29を参照しながら説明する。
本実施形態の発振器100は、図29に示すように、圧電振動子1を、集積回路101に電気的に接続された発振子として構成したものである。この発振器100は、コンデンサ等の電子部品102が実装された基板103を備えている。基板103には、発振器用の上述した集積回路101が実装されており、この集積回路101の近傍に、圧電振動子1が実装されている。これら電子部品102、集積回路101及び圧電振動子1は、図示しない配線パターンによってそれぞれ電気的に接続されている。なお、各構成部品は、図示しない樹脂によりモールドされている。
【0077】
このように構成された発振器100において、圧電振動子1に電圧を印加すると、この圧電振動子1内の圧電振動片2が振動する。この振動は、圧電振動片2が有する圧電特性により電気信号に変換されて、集積回路101に電気信号として入力される。入力された電気信号は、集積回路101によって各種処理がなされ、周波数信号として出力される。
これにより、圧電振動子1が発振子として機能する。
また、集積回路101の構成を、例えば、RTC(リアルタイムクロック)モジュール等を要求に応じて選択的に設定することで、時計用単機能発振器等の他、当該機器や外部機器の動作日や時刻を制御したり、時刻やカレンダー等を提供したりする機能を付加することができる。
【0078】
上述したように、本実施形態の発振器100によれば、低コスト化された信頼性の高い圧電振動子1を備えているので、発振器100自体も同様に低コスト化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な周波数信号を得ることができる。
【0079】
(電子機器)
次に、本発明に係る電子機器の一実施形態について、図30を参照して説明する。なお電子機器として、上述した圧電振動子1を有する携帯情報機器110を例にして説明する。始めに本実施形態の携帯情報機器110は、例えば、携帯電話に代表されるものであり、従来技術における腕時計を発展、改良したものである。外観は腕時計に類似し、文字盤に相当する部分に液晶ディスプレイを配し、この画面上に現在の時刻等を表示させることができるものである。また、通信機として利用する場合には、手首から外し、バンドの内側部分に内蔵されたスピーカ及びマイクロフォンによって、従来技術の携帯電話と同様の通信を行うことが可能である。しかしながら、従来の携帯電話と比較して、格段に小型化及び軽量化されている。
【0080】
次に、本実施形態の携帯情報機器110の構成について説明する。この携帯情報機器110は、図30に示すように、圧電振動子1と、電力を供給するための電源部111とを備えている。電源部111は、例えば、リチウム二次電池からなっている。この電源部111には、各種制御を行う制御部112と、時刻等のカウントを行う計時部113と、外部との通信を行う通信部114と、各種情報を表示する表示部115と、それぞれの機能部の電圧を検出する電圧検出部116とが並列に接続されている。そして、電源部111によって、各機能部に電力が供給されるようになっている。
【0081】
制御部112は、各機能部を制御して音声データの送信及び受信、現在時刻の計測や表示等、システム全体の動作制御を行う。また、制御部112は、予めプログラムが書き込まれたROMと、このROMに書き込まれたプログラムを読み出して実行するCPUと、このCPUのワークエリアとして使用されるRAM等とを備えている。
【0082】
計時部113は、発振回路、レジスタ回路、カウンタ回路及びインターフェース回路等を内蔵する集積回路と、圧電振動子1とを備えている。圧電振動子1に電圧を印加すると圧電振動片2が振動し、この振動が水晶の有する圧電特性により電気信号に変換されて、発振回路に電気信号として入力される。発振回路の出力は二値化され、レジスタ回路とカウンタ回路とにより計数される。そして、インターフェース回路を介して、制御部112と信号の送受信が行われ、表示部115に、現在時刻や現在日付或いはカレンダー情報等が表示される。
【0083】
通信部114は、従来の携帯電話と同様の機能を有し、無線部117、音声処理部118、切替部119、増幅部120、音声入出力部121、電話番号入力部122、着信音発生部123及び呼制御メモリ部124を備えている。
無線部117は、音声データ等の各種データを、アンテナ125を介して基地局と送受信のやりとりを行う。音声処理部118は、無線部117又は増幅部120から入力された音声信号を符号化及び複号化する。増幅部120は、音声処理部118又は音声入出力部121から入力された信号を、所定のレベルまで増幅する。音声入出力部121は、スピーカやマイクロフォン等からなり、着信音や受話音声を拡声したり、音声を集音したりする。
【0084】
また、着信音発生部123は、基地局からの呼び出しに応じて着信音を生成する。切替部119は、着信時に限って、音声処理部118に接続されている増幅部120を着信音発生部123に切り替えることによって、着信音発生部123において生成された着信音が増幅部120を介して音声入出力部121に出力される。
なお、呼制御メモリ部124は、通信の発着呼制御に係るプログラムを格納する。また、電話番号入力部122は、例えば、0から9の番号キー及びその他のキーを備えており、これら番号キー等を押下することにより、通話先の電話番号等が入力される。
【0085】
電圧検出部116は、電源部111によって制御部112等の各機能部に対して加えられている電圧が、所定の値を下回った場合に、その電圧降下を検出して制御部112に通知する。このときの所定の電圧値は、通信部114を安定して動作させるために必要な最低限の電圧として予め設定されている値であり、例えば、3V程度となる。電圧検出部116から電圧降下の通知を受けた制御部112は、無線部117、音声処理部118、切替部119及び着信音発生部123の動作を禁止する。特に、消費電力の大きな無線部117の動作停止は、必須となる。更に、表示部115に、通信部114が電池残量の不足により使用不能になった旨が表示される。
【0086】
即ち、電圧検出部116と制御部112とによって、通信部114の動作を禁止し、その旨を表示部115に表示することができる。この表示は、文字メッセージであっても良いが、より直感的な表示として、表示部115の表示面の上部に表示された電話アイコンに、×(バツ)印を付けるようにしても良い。
なお、通信部114の機能に係る部分の電源を、選択的に遮断することができる電源遮断部126を備えることで、通信部114の機能をより確実に停止することができる。
【0087】
上述したように、本実施形態の携帯情報機器110によれば、低コスト化された信頼性の高い圧電振動子1を備えているので、携帯情報機器自体も同様に低コスト化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定した高精度な時計情報を表示することができる。
【0088】
(電波時計)
次に、本発明に係る電波時計の一実施形態について、図31を参照して説明する。
本実施形態の電波時計130は、図31に示すように、フィルタ部131に電気的に接続された圧電振動子1を備えたものであり、時計情報を含む標準の電波を受信して、正確な時刻に自動修正して表示する機能を備えた時計である。
日本国内には、福島県(40kHz)と佐賀県(60kHz)とに、標準の電波を送信する送信所(送信局)があり、それぞれ標準電波を送信している。40kHz若しくは60kHzのような長波は、地表を伝播する性質と、電離層と地表とを反射しながら伝播する性質とを併せもつため、伝播範囲が広く、上述した2つの送信所で日本国内を全て網羅している。
【0089】
以下、電波時計130の機能的構成について詳細に説明する。
アンテナ132は、40kHz若しくは60kHzの長波の標準電波を受信する。長波の標準電波は、タイムコードと呼ばれる時刻情報を、40kHz若しくは60kHzの搬送波にAM変調をかけたものである。受信された長波の標準電波は、アンプ133によって増幅され、複数の圧電振動子1を有するフィルタ部131によって濾波、同調される。
本実施形態における圧電振動子1は、上述した搬送周波数と同一の40kHz及び60kHzの共振周波数を有する水晶振動子部138、139をそれぞれ備えている。
【0090】
さらに、濾波された所定周波数の信号は、検波、整流回路134により検波復調される。
続いて、波形整形回路135を介してタイムコードが取り出され、CPU136でカウントされる。CPU136では、現在の年、積算日、曜日、時刻等の情報を読み取る。読み取られた情報は、RTC137に反映され、正確な時刻情報が表示される。
搬送波は、40kHz若しくは60kHzであるから、水晶振動子部138、139は、上述した音叉型の構造を持つ振動子が好適である。
【0091】
なお、上述の説明は、日本国内の例で示したが、長波の標準電波の周波数は、海外では異なっている。例えば、ドイツでは77.5KHzの標準電波が用いられている。従って、海外でも対応可能な電波時計130を携帯機器に組み込む場合には、さらに日本の場合とは異なる周波数の圧電振動子1を必要とする。
【0092】
上述したように、本実施形態の電波時計130によれば、低コスト化された信頼性の高い圧電振動子1を備えているので、電波時計自体も同様に低コスト化を図ることができる。さらにこれに加え、長期にわたって安定して高精度に時刻をカウントすることができる。
【0093】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、圧電振動子の一例として、シリンダパッケージタイプの圧電振動子1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、表面実装型の圧電振動子や、セラミックパッケージタイプの圧電振動子、また、シリンダパッケージタイプの圧電振動子1を、さらにモールド樹脂部で固めて表面実装型振動子としても構わない。
【0094】
また、音叉型の圧電振動片2に限られず、AT型の圧電振動片に本発明を適用することも可能である。
さらに、電極部18も、圧電板11の外表面上に積層されるとともに互いにパターンが異なる複数層の電極膜からなるものであれば、上述した実施形態に示すものに限られない。例えば、3層以上の電極膜が積層されていても良い。
【0095】
また、上述した実施形態では、レジスト膜50としてポジ型を用いたが、ネガ型であっても良い。
さらに、上述した実施形態では、ウエハSに圧電板11の外形形状と同時に、2つの電極膜用マスク42、43それぞれに対応する2つのウエハ側マークS3、S4が形成されるものとしたが、これに限られない。
さらにまた、上述した実施形態では、ウエハ側マークS3、S4が貫通孔S5、S6からなるものとしたが、ウエハ側マークS3、S4が、ウエハSを非貫通の凹部であっても良い。
【0096】
また、上述した実施形態では、レジストパターン形成工程の際、被覆部材44をウエハS上に配置し、電極膜用マスク42、43に対応するウエハ側マークS3、S4の貫通孔S5、S6の周辺部を被覆部材44により覆いながらレジスト膜50を塗布するものとしたが、被覆部材44により覆わなくても良い。
【0097】
また、第1マスク42および第2マスク43の前記露出開口42f、43fの平面視形状およびウエハSの貫通孔S5、S6は、前記一方向および前記他方向の両方向に非対称となっていれば、上述した実施形態に示したものに限られず、図32から図35に示すような平面視形状であっても良い。
【0098】
例えば、図32に示すように、露出開口45A(貫通孔S11)の平面視形状が、前記一方向および前記他方向の両方向に非対称な五角形状であっても良い。この平面視形状は、前記一方向および前記他方向の両方向に沿って延在する正方形(矩形)の一つの角部が面取りされた形状となっている。
【0099】
さらに例えば、図33から図35に示すように、露出開口45B、45C、45D(貫通孔S12、S13、S14)が、互いに非連続とされた複数の部分により構成されていても良い。
図33および図34に示す露出開口45B、45C(貫通孔S12、S13)は、平面視形状が前記一方向および前記他方向にそれぞれ延在する直線部が連結されたL字状の第1部分45aと、第1部分45aの直線部の各非連結部に前記一方向および前記他方向の両方向に対向するように配置された第2部分45bと、により構成されている。第2部分45bの平面視形状は、前記一方向および前記他方向の両方向に沿って延在する正方形状(矩形状)となっている。なお、図33に示す露出開口45B(貫通孔S12)では、第2部分45bが、第1部分45aの前記一方向の内側で、かつ前記他方向の内側に位置する大きさとされ、図34に示す露出開口45C(貫通孔S13)では、第2部分45bが、第1部分45aよりも前記一方向の外側に食み出し、かつ前記他方向の外側に食み出す大きさとなっている。
図35に示す露出開口45D(貫通孔S14)は、平面視円形状であるとともに大きさが互いに異なる第1部分45aおよび第2部分45bを備えている。
さらにまた、上述した実施形態では、露出開口(貫通孔)の平面視形状が、前記一方向および前記他方向の両方向に非対称となっているものとしたが、非対称でなくても良い。
【0100】
また、上述した実施形態では、レジストパターン形成工程の際、露出開口42f、43fから貫通孔S5、S6を露出させるように、電極膜用マスク42、43をウエハSに配置するものとしたが、これに限られるものではない。
例えば、電極膜用マスクに、マーク部としての露出開口を形成するのに代えて、電極膜用マスクの幅を、複数の電極膜用マスクごとに異ならせ、レジストパターン形成工程の際、マーク部としての電極膜用マスクの両側端部を、貫通孔に位置合わせしても良い。
【0101】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 圧電振動子
2 圧電振動片
11 圧電板
18 電極部
18a 下地金属層(電極膜)
18b 仕上金属層(電極膜)
42、43 電極膜用マスク(マスク部材)
42d、43d マスク側マーク
42f、43f、45A、45B、45C、45D 露出開口(マーク部)
44 被覆部材
50 レジスト膜
S ウエハ
S3、S4 ウエハ側マーク
S5、S6、S11、S12、S13、S14 貫通孔
100 発振器
110 携帯情報機器(電子機器)
130 電波時計

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電材料からなる圧電板と、
電圧が印加されたときに前記圧電板を振動させる電極部と、を備え、
該電極部は、前記圧電板の外表面上に積層されるとともに互いにパターンが異なる複数層の電極膜からなる圧電振動片を形成する圧電振動片の製造方法であって、
前記圧電板の外形形状が形成されたウエハに前記電極部を形成する電極形成工程を有し、
該電極形成工程は、フォトリソグラフィ技術により前記複数層の電極膜それぞれを前記ウエハに形成する複数の電極膜形成工程を有し、
前記複数の電極膜形成工程はそれぞれ、前記ウエハにレジスト膜を塗布した後、各電極膜用に用意された複数のマスク部材のうち、該電極膜形成工程で形成する一の電極膜用に用意された前記マスク部材を前記ウエハに配置し、その後、該マスク部材を介して光を照射してレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程を有し、
該レジストパターン形成工程は、前記一の電極膜用に用意された前記マスク部材に形成されたマスク側マークを、前記ウエハに形成された複数のウエハ側マークのうち、該マスク部材に対応する前記ウエハ側マークに位置合わせしながら前記マスク部材を前記ウエハに配置し、
前記マスク側マークは、前記マスク部材に互いに間隔をあけて形成された一対のマーク部からなるとともに、該一対のマーク部間の間隔は、前記複数のマスク部材ごとに異なり、
前記複数のウエハ側マークはそれぞれ、前記ウエハに互いに間隔をあけて形成された一対の凹部からなるとともに、該一対の凹部間の間隔は、該ウエハ側マークが対応する前記マスク部材における前記一対のマーク部間の間隔と同等となるように、前記複数のウエハ側マークごとに異なっていることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の圧電振動片の製造方法であって、
前記マーク部は、前記マスク部材を貫通する露出開口とされ、
前記凹部の平面視形状は、前記露出開口の平面視形状と同等とされ、
前記レジストパターン形成工程は、前記露出開口から前記凹部を露出させることで前記マスク側マークを前記ウエハ側マークに位置合わせすることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項3】
請求項2記載の圧電振動片の製造方法であって、
前記露出開口の平面視形状は、一対の露出開口が離間する一方向、および該マスク部材の表面に沿いかつ前記一方向に直交する他方向の両方向に非対称であることを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の圧電振動片の製造方法であって、
前記レジストパターン形成工程は、前記ウエハ上に被覆部材を配置し、前記一の電極膜用に用意された前記マスク部材に対応する前記ウエハ側マークにおける前記凹部を、該被覆部材により覆いながらレジスト膜を塗布することを特徴とする圧電振動片の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電振動片の製造方法に用いられるウエハであって、
前記複数のマスク部材それぞれに対応する複数のウエハ側マークが形成され、
該複数のウエハ側マークはそれぞれ、互いに間隔をあけて形成された一対の凹部からなるとともに、該一対の凹部間の間隔は、該ウエハ側マークが対応する前記マスク部材における前記一対のマーク部間の間隔と同等となるように、前記複数のウエハ側マークごとに異なっていることを特徴とするウエハ。
【請求項6】
請求項1から4のいずれか1項に記載の圧電振動片の製造方法により製造された圧電振動片を備えていることを特徴とする圧電振動子。
【請求項7】
請求項6に記載の圧電振動子が、発振子として集積回路に電気的に接続されていることを特徴とする発振器。
【請求項8】
請求項6に記載の圧電振動子が、計時部に電気的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項9】
請求項6に記載の圧電振動子が、フィルタ部に電気的に接続されていることを特徴とする電波時計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2012−80243(P2012−80243A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222193(P2010−222193)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】