説明

地図情報作成装置及びそれを備えた自律移動装置

【課題】自律移動装置に備えられる地図情報作成装置において、精度の良い地図情報を作成する。
【解決手段】地図情報作成装置1は、周囲の環境を認識して周囲情報を取得する環境認識部2と、環境認識部2が取得した周囲情報に基づいて地図情報を作成する地図情報作成部3と、自己の位置及び向きを変化させる駆動装置4と、地図情報作成部3が作成した地図情報に基づいて駆動装置4の動作を制御する制御部5と、地図情報を記憶する記憶部6と、地図情報と周囲情報とを照合して自己の位置情報を取得する位置認識部7と、を備える。地図情報作成部3は、地図情報と周囲情報とを照合した結果、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報を基にして地図情報を更新するので、地図情報作成装置1は、自律的に移動しながら精度の良い地図情報を作成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲環境情報を取得して地図情報を作成する地図情報作成装置及びそれを備えた自律移動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自律的に移動する車両やロボットといった自律移動体が開発され、例えば、病院で入院患者に食事を運搬する配膳ロボット等に試みられている。これらの自律移動体が自律的に移動するためには、壁面等の障害物を検出してそれを回避すると共に、地図上における自己の位置座標や向きといった自己の位置情報を取得する必要がある。自律移動体が自己の位置情報を取得する方法としては、例えば、車両においては、駆動輪のモータに取り付けられたエンコーダから求められる車輪の回転数や、ジャイロから求められる自律移動体の回転角度等の内部データを用いて移動距離や移動方向を決定する、いわゆるデッドレコニング(dead reckoning推定航法)が知られている。
【0003】
しかし、デッドレコニングでは、例えば、車輪がスリップする等によって位置情報に誤差が生じることがある。そこで、上記のような自律移動体では、通常、マップマッチングによる位置情報の補正が行われる。すなわち、自律移動体は予め地図情報を記憶しておく記憶媒体と、周囲情報を取得する種々のセンサ等とを備え、記憶された地図情報と、センサ等を用いて取得した周囲情報とを照合して、その照合結果に基づき、デッドレコニングによって取得された位置情報を補正することにより、より正確な位置情報を取得することができる。
【0004】
また、この種の自律移動体では、例えば、レーザレンジファインダを用いて一定角度又は一定間隔で水平スキャンを行い、物体からの反射波を受信して二次元平面内に分布する一群のスキャンポイントを取得し、これらのスキャンポイントの中から、所定条件でスキャンポイントを選択し、選択されたスキャンポイントを連結して線分の集合を形成し、この線分の集合から壁面の位置を取得することにより、地図情報を作成し、この地図情報に基づいて自律移動するロボットが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
また、例えば、CCDカメラで撮像したイメージから、所定の基準位置となる認識標識と比較される対象ターゲットを抽出し、この対象ターゲットの形状が認識標識の形状と一致するかを判断すると共に、この対象ターゲットとの距離が上記の認識標識との間の距離と一致するかを判断する等により、自己の位置情報を正確に抽出することができるロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【非特許文献1】Li Zhang & Bijoy K. Ghosh, "Line Segment Based Map Building and Localization Using 2D Laser Rangefinder", IEEE Int. Conf. On Robotics & Automation, pp.2538-2543,2000
【特許文献1】特許第3883006号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1に示される自律移動体は、レーザレンジファインダによってスキャンされたスキャンポイントを基に、これらを連結して線分の集合を形成して地図情報を作成するものであり、地図情報を作成する際に基準となる線分を有していない。そのため、例えば、周回する経路を作成するようなとき、地図情報作成位置と地図情報作成終了位置とが一致するような正確な地図情報を作成することは困難であった。また、特許文献1に示される自律移動体は、予め基準位置となる認識標識を壁面や天井等に設けておく必要があるので、例えば、自律移動体の稼動領域において、壁面等の領域を特徴づける特徴物の配置が変更されたとき等に、自己の位置を特定することができず、また、予め取得されていた地図情報を更新することもできなかった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、自己の位置情報を正確に取得すると共に、地図情報を適宜に更新して、精度の良い地図情報を作成することができる地図情報作成装置及びそれを備えた自律移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、周囲の環境を認識して周囲情報を取得する環境認識手段と、前記環境認識手段が取得した周囲情報に基づいて地図情報を作成する地図情報作成手段と、自己の位置及び向きを変化させる移動手段と、前記移動手段の動作を制御する制御手段と、を備えた地図情報作成装置であって、前記地図情報を記憶する記憶手段と、前記地図情報と前記周囲情報とを照合して自己の位置情報を取得する位置認識手段と、をさらに備え、前記地図情報作成手段は、前記位置認識手段が前記地図情報と前記周囲情報とを照合した結果、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報を基にして地図情報を更新するものである。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の地図情報作成装置において、前記地図情報及び周囲情報は、特徴物を示す線情報又は特徴物に設けられた標識を示す点情報を含むものである。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1に記載の地図情報作成装置において、前記地図情報及び周囲情報は、特徴物を示す線情報を含み、前記位置認識手段は、前記線情報のうち、平行でない2つの線情報を使用して自己の位置情報を取得するものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の地図情報作成装置において、前記2つの線情報は、前記線情報のうち最も長い線と、この線と最も直角に近い角度で交わる線としたものである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1に記載の地図情報作成装置において、前記地図情報及び周囲情報は、特徴物を示す線情報を含み、前記記憶手段は、前記線情報の角度情報を記憶しており、前記地図情報作成手段は、地図情報の更新時に、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報を地図情報として登録する登録処理を行い、登録される線情報の角度を前記記憶手段に記憶された角度に合わせるものである。
【0013】
請求項6の発明は、請求項2に記載の地図情報作成装置において、前記地図情報作成手段は、前記地図情報の更新時に、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報を地図情報として登録する登録処理を行い、登録された地図情報から所定範囲内に削除対象となる点情報又は線情報が存在するかを検索し、削除対象が検出されると、検出された線情報又は点情報を削除する削除処理を行うものである。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の地図情報作成装置を備え、該装置が作成した地図情報に基づいて移動する自律移動装置である。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、周囲情報と地図情報とを照合して、自己の位置情報を修正した後に、地図情報を更新するので、精度の良い地図情報を作成することができる。
【0016】
請求項2の発明によれば、線情報又は点情報といった簡単なアルゴリズムを用いることにより、精度の良い自己の位置情報を取得することができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、照合する線情報の数が少なくなるので、少ない計算量で位置情報を取得することができるようになり、また、地図情報上の線情報に誤差があるとき、照合に使用しなかった線情報に基づいて地図情報を更新することができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、最も長い線は、一般に多くのスキャンデータ等から成るので、この線情報を基準として照合を行うことにより、少ない線情報を使用したときでも、誤差が少なく、より精度の高い位置情報を取得することができる。
【0019】
請求項5の発明によれば、地図情報として記憶された線情報の微妙なズレを回避することができ、地図情報作成手段は、直線から成るきれいな地図情報を作成することができる。
【0020】
請求項6の発明によれば、取得された位置情報にズレがあっても、地図情報作成手段は、削除対象を的確に検出し、間違った地図情報の更新を行わないようすることができる。
【0021】
請求項7の発明によれば、位置情報の取得には使用されなかった情報を基にして地図情報を正確に更新するので、自律移動装置の駆動領域において壁面等の特徴物のレイアウトが変更されたときでも、自律移動装置は特徴物に接触することなく、正確に自律移動することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の一実施形態に係る地図情報作成装置及びそれを備えた自律移動装置を備えた自律移動装置について、図1を参照して説明する。本実施形態の地図情報作成装置1は、周囲環境情報を取得しながら移動することにより、指示された作業を遂行する自律移動装置に備えられるものである。
【0023】
本実施形態の地図情報作成装置1は、周囲の環境を認識して周囲情報を取得する環境認識部2(環境認識手段)と、環境認識部2が取得した周囲情報に基づいて地図情報を作成する地図情報作成部3(地図情報作成手段)と、自己の位置及び向きを変化させる駆動装置4(移動手段)と、地図情報作成部3が作成した地図情報に基づいて駆動装置4の動作を制御する制御部5(制御手段)と、を備える。また、地図情報作成装置1は、地図情報を記憶するメモリ等から成る記憶部6(記憶手段)と、地図情報と周囲情報とを照合して自己の位置情報を取得する位置認識部7(位置認識手段)と、走行領域内の目的地や走行のためのパラメータなどを入力するためのインタフェース8と、をさらに備える。また、地図情報作成装置1は、電池9を備え、上記の各手段は電池9の給電により動作する。
【0024】
環境認識部2は、地図情報作成装置1の本体の特定の位置を原点とし、その原点から臨む空間を、例えば、レーザレンジファインダ等の環境認識センサを用いて一定角度又は一定間隔でスキャンして、原点からの方向毎にその方向にある壁面等の特徴物上にある点の位置座標を検出し、スキャンの時系列に従って順序付けられた複数の位置座標の集合を、周囲情報における線情報Lとして取得する。また、レーザレンジファインダが、壁面等の特徴物からの反射光を受光して、受光した光量を評価できる場合、反射時の光量損失が少ない回帰反射板を予め壁面等の特徴物や天井等に設けておき、この回帰反射板で反射された光の光量からその位置座標を特定して、これを周囲情報における点情報Pとして取得してもよい。なお、上述したレーザによるスキャンは必ずしも水平である必要はなく、傾斜していてもよいし、照射されるレーザは一定の拡がりを有していてもよい。
【0025】
また、環境認識部2として、CCDカメラを備え、また、壁面や天井面に予め設置された位置認識標識の配置や形状等を記憶部6に記憶させておき、CCDカメラで撮像したイメージから、比較される対象物を抽出し、記憶部6に記憶された認識標識の形状と、抽出された対象物の形状とが一致するかを判断することにより、特徴物の点情報Pを取得してもよい。さらに、環境認識部2には障害物検知用超音波センサ等が適用されてもよく、地図情報作成装置1が自己の位置情報を特定することができるように、少なくとも上述した線情報L又は点情報Pといった周囲情報を取得することができれば、その検出装置や検出方法については特に限定されない。
【0026】
記憶部6は、地図情報作成装置が搭載する自律移動装置の稼働領域において、壁、フェンス、柵等の平面状の特徴物を表現する線分の集合がマップセグメントとして予め設定され、これらの線分の、少なくとも始点及び終点の座標を線情報として記憶し、また、壁面や天井等に配置された回帰反射板等の位置座標を点情報として記憶している。また、位置認識部7は、記憶部6に記憶された地図情報と周囲情報とを照合するための種々のプログラム及びこれを実行するマイコン等から成る。
【0027】
インタフェース8は、人が直接操作できるタッチパネルやキーボードや、人又は他の装置から遠隔操作可能な通信手段等により構成される。地図情報作成装置1は、このインタフェース8を介して目的地を指示されると、記憶部6に記憶された地図情報、又は地図情報作成部3により更新された地図情報に基づいて、目的地までの走行経路を生成し、制御部5が駆動装置4を駆動させることにより移動を開始する。または、インタフェース8から移動量を指示されると、制御部5が駆動装置4を駆動させることにより移動を開始する。
【0028】
駆動装置4は、電池9の電力で駆動されるモータ及びこのモータの駆動出力を床面に伝える車輪等を備える。上記のモータ又は車輪等には、その回転数や回転速度を計測するエンコーダが設けられている。また、地図情報作成装置1は、好ましくは、自己の回転方向の移動を検出するためのジャイロセンサ(図示せず)を備え、上記のエンコーダの出力及びジャイロセンサの検出角度を用いて移動距離や移動方向を知ることができ、それらに基づいてデッドレコニングを行い、環境認識部2が取得した周囲情報と記憶部6に記憶された地図情報とを照合する範囲を限定することができる。
【0029】
以下、本実施形態の地図情報作成装置1における動作の概略を図2に示したフローを参照して説明する。地図情報作成装置1は、インタフェース8において動作開始の操作信号が入力されると、まず、環境認識部2が、周囲情報を取得する(S1)。次に、位置認識部7は、環境認識部2が取得した周囲情報と、記憶部6に予め記憶されていた地図情報とを照合して、自己の位置情報を取得できたかを判断する(S2)。位置情報が取得されると、地図情報作成部3は、位置認識部7が地図情報と周囲情報とを照合した結果、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報を基に地図情報として更新できる情報があるかを判断する(S3)。具体的には、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報には存在するが地図情報には存在しない情報、すなわち地図情報として新たに登録できる情報があるか、又は、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報には存在しないが地図情報には存在する情報、すなわち地図情報から削除できる情報があるかを判断する。そして、これら登録対象又は削除対象となる情報があるとき、地図情報作成部3は、これらの情報に基づいて地図情報を更新する(S4)。ここで「更新」とは、新たに登録できる情報を地図情報上に登録する登録処理を行うこと、及び地図情報上から削除できる情報を削除する削除処理を行うことをいう。地図情報作成装置1は、インタフェース8において終了指示が入力されるまで、上述のS1〜S4の動作を繰り返し、終了指示が入力されると上述の動作を終了する(S5)。
【0030】
次に、上述した地図情報作成装置1の各動作のうち、環境認識部2が周囲情報を取得して、位置認識部7が周囲情報と記憶部6に予め記憶されていた地図情報とを照合して、自己の位置情報を取得する手順について、更に詳細に説明する。まず、環境認識部2が周囲情報を線情報Lとして取得するときの手順について、図3(a)〜(c)を参照して説明する。図中の実線は記憶部6に地図情報として記憶された特徴物の位置を表す線情報(以下、線分lという)を示し、点線は環境認識部2が取得した周囲情報に含まれる線情報Lを示す。
【0031】
地図情報作成装置1は、例えば、駆動装置4に備えられたエンコーダ等を用いてデットレコニングを行い、自己の推定位置(x,y,a)を割り出す。上記x、yは夫々(x,y)座標系における地図情報作成装置1の位置座標を示す。また、上記aは地図情報作成装置1の向きを示しており、例えば、地図情報作成装置1の進行方向(xr軸)とx軸とのなす角により表される。次に、環境認識部2は、レーザレンジファインダ等を用いて、壁面等の特徴物を線情報Lとして検出する。この線情報Lは、地図情報作成装置1の相対位置(図中の(xr,yr)座標系)として検出された後、地図情報作成装置1の推定位置を基に、位置認識部7で用いられる(x,y)座標系の座標データに変換される。例えば、環境認識部2が、地図情報作成装置1の推定位置(x,y,a)から距離r、xr軸に対する角度θの位置にスキャンポイントspを検出したとき、このスキャンポイントspは(x,y)座標系における座標データ(x+r・cos(a+θ),y+r・sin(a+θ))と変換される。なお、線情報Lは、線分の始点及び終点を含む少なくとも2点の座標データによって表される。
【0032】
取得された線情報Lは、位置認識部7において、記憶部6に記憶された地図情報と照合される。図3(a)に示されるように、2本の線情報Lが取得され、それらの重心Gから予め定められた範囲に、地図情報として記憶された線分lが存在し、それらの線分lとの角度差(図中のα1,α2)が所定の範囲にあるとき、位置認識部7は、取得された線情報Lと地図情報における線分lとが一致するものと判断する。本実施形態において、位置認識部7は、環境認識部2が取得した周囲情報のうち、一定の領域にある周囲情報と地図情報とを照合してもよいし、環境認識部2が取得した周囲情報の全ての領域と地図情報とを照合してもよい。
【0033】
線情報Lと地図情報の線分lとが一致するものと判断されると、位置認識部7は、線情報Lと線分lとの角度差(α1,α2)から、図3(b)に示されるように、地図情報作成装置1の推定位置の角度を補正する。通常、上記角度差α1,α2は一致するが、微小な検出誤差を生じることがあるので、これらの平均角度を算出して地図情報作成装置1の角度を補正することにより、精度の良い位置情報が取得される。次に、位置認識部7は、線情報Lと線分lとの相対距離(図中のdx,dy)から、図3(c)に示されるように、地図情報作成装置1の推定位置の座標を補正する。これにより、地図情報作成装置1は、自己の位置情報を正確に取得することができる。
【0034】
上記の環境認識部2において、複数の線情報Lが取得されたとき、位置認識部7は、取得された線情報Lのうち、平行でない2本の線情報Lを使用し、これを地図情報と照合して自己の位置情報を取得する。このようにすると、照合する線情報L及び線分lの数が少なくなるので、少ない計算量で位置情報を取得することができるようになり、また、地図情報上の線分間に誤差があるとき、照合に使用しなかった線情報Lに基づいて地図情報を更新することができる。また、地図情報との照合に用いられる2つの線情報Lは、好ましくは、最も長い線情報Lと、この線情報Lと最も直角に近い角度で交わる線情報Lとする。最も長い線情報Lは、多くのスキャンデータ等から成るので、この線情報Lを基準として照合を行うことにより、2本の線情報Lを使用したときでも、誤差が少なく、より精度の高い位置情報を取得することができる。
【0035】
次に、環境認識部2が周囲情報を点情報Pとして取得するときの手順について、図4(a)(b)を参照して説明する。図中の○印は、記憶部6に地図情報として記憶された、予め壁面等の特徴物や、天井等に配置される回帰反射板等の点情報(以下、標識p1,p2,…,pn)であり、図中の■印は、環境認識部2がレーザレンジファインダ等を用いて取得した周囲情報に含まれる点情報P(P1,P2)を示す。この例においても、位置認識部7は、取得された点情報Pと地図情報として記憶された標識pを照合して、少なくとも2点の点情報P(P1,P2)の位置から予め定められた範囲(図中の点線円)に、地図情報として記憶された回帰反射板等の標識p1,p2が存在するとき、これら点情報P(P1,P2)と、標識p1,p2とが一致するものと判断する。そして、上述の線情報Lを使用した位置情報の取得と同様に、位置認識部7は、図4(b)に示されるように、地図情報作成装置1の位置座標及び角度を補正して、自己の位置情報を取得する。
【0036】
次に、地図情報作成部3が、位置情報の取得する際の照合に使用されなかった周囲情報に基づいて地図情報を更新するときの手順の一例を、図5(a)乃至(h)及び図6を参照して説明する。ここでは、図5(a)に示されるように、デフォルトの地図情報として線分l,lが記憶部6に記憶され、照合に使用されなかった周囲情報として線情報Lが抽出されたものとする。この例のように、周囲情報として抽出された情報が線情報(線分)であるとき(S6)、地図情報作成部3は、その線分とのなす角度及び距離が所定範囲内にある地図情報が存在するかを判断する(S7)。図5(a)の例では、線情報Lとのなす角度γ及び距離vが所定範囲内にある地図情報上の線分lの存在が確認されたものとする。このとき、地図情報作成部3は、図5(b)に示されるように、線情報Lを、線分の中心gに回転させ、線分lとの角度を一致させると共に、図5(c)に示されるように、線情報Lを、線分lの方向に対する垂線vの長さがゼロになるように移動させ(S8)、回転及び移動後の線情報L’は、線分lと重複する部分wがあるかを判断する(S9)。そして、重複する部分wがあるとき、地図情報作成部3は、回転及び移動後の線情報L’を地図情報上の線分lとして登録する登録処理を行う。このとき、線分lと線分lとの重複する部分wについては、新たに登録される線分lに含まれるものとして地図情報を修正する(S10)。ここで、回転及び移動後の線情報L’を線分lに合成したものを、新たな一本の線分lとして地図情報を修正するようにしてもよい。
【0037】
次に、地図情報作成部3は、図5(d)に示されるように、地図情報作成装置1に備えられた環境認識センサの座標s及び線分lの両端の座標によって囲まれる三角形の領域A1に、削除対象となる地図情報上の線分が含まれているかを判断する(S11)。そして、領域A1に地図情報上の線分が含まれているとき、この線分のうち、領域A1に含まれる線分を削除する(S12)。図5(d)の例では、線分lのうち、線分Dの部分を削除する。次に、地図情報作成部3は、図5(e)に示されるように、環境認識センサの座標sと、線分lの両端の座標のうち座標sに近い座標pとを結ぶ線分を、予め設定された距離dだけ延伸した線分rを半径とする扇型の領域A2に、削除対象となる地図情報上の線分が含まれているかを判断する(S13)。そして、領域A2に地図情報上の線分が含まれているとき、この線分のうち、領域A2に含まれる線分を削除する(S14)。図5(e)の例では、線分lのうち、線分Dの部分を削除する。なお、地図情報上の線分の削除は、上述のように、領域A1,A2に含まれる部分のみを削除してもよいし、図5(f)に示されるように、削除される線分を含む線分l,lの全体を削除するようにしてもよい。なお、上述のように、扇型の領域A2の半径rを、線分lの両端の座標のうち、座標sに近い座標pを延伸した所定の長さにすると、削除対象を検索する領域が大きくなり過ぎないので、削除処理の高速化を図ることができる。
【0038】
また、地図情報作成部3は、地図情報作成部3は、図5(g)に示されるように、線情報Lとのなす角度及び距離が所定範囲内にある地図情報が存在しないとき(S7)、又は、線情報Lを回転及び移動させても所定の回転角度内及び移動範囲内に地図情報が存在しないとき(S9)、線情報Lを、地図情報上の線分lとして登録する(S15)。次に、図5(h)に示されるように、上述と同様の手順で定められた領域A1,A2に含まれる地図情報上の線分を削除する(S11〜S14)。また、照合に使用されなかった周囲情報が点情報であるとき等、その情報が線分(線情報)でないとき、地図情報作成部3は、照合に使用されなかった周囲情報を地図情報として登録し(S16)、登録された地図情報と同種の地図情報が、その周囲情報の位置から予め設定された範囲内にあるかを判断し(S17)、その範囲内に含まれる地図情報を削除する(S18)。これらの動作は、照合に使用されなかった周囲情報の数だけ繰り返される。上述のように、地図情報作成部3は、位置情報の取得に用いられなかった周囲情報を基に、この周囲情報から所定範囲にある地図情報のうち、削除対象を的確に検出する。そのため、例え取得された位置情報にズレがあっても、地図情報作成部3は、削除対象を的確に検出して間違った地図情報の更新を行わないようすることができる。なお、本実施形態において、地図情報の更新手順は、上述した例に限られない。
【0039】
次に、地図情報作成部3が地図情報の削除処理を行う際の好ましい動作例について、図7(a)〜(c)を参照して説明する。ここでは、図7(a)に示されるように、デフォルトの地図情報として線分lが存在し、周囲情報として線情報Lが取得されたものとする。この例において、地図情報作成部3は、周囲情報と地図情報との照合時に、線情報又は線分を構成するスキャンポイント等の各点列において、始点と終点を予め定めておく。そして、領域A1,A2に登録又は削除対象となる情報が存在するとき、地図情報作成部3は、図7(b)に示されるように、線情報Lと線分lとの夫々の始点S,sから終点F,fのベクトルのなす角度を検出し、検出された角度が予め設置された条件を満たす場合(例えば、90°以上等)には、線分の削除処理を行わないようにする。こうすれば、図7(c)に示されるように、稼動領域にブロック状の特徴物Bが設置され、線分lが地図情報作成装置1からは周囲情報として取得されない特徴物Bの側面を表しているときでも、地図情報作成装置1は線分lを削除しないようにすることができる。
【0040】
次に、地図情報作成装置1が実行する自己の位置情報の取得から地図情報の更新までの一連の手順について、3パターンの例示により説明する。まず、第1のパターンを図8(a)〜(e)に示す。ここでは、図8(a)に示されるように、記憶部6が、デフォルトの地図情報として線分l,lを記憶しているものとする。上述のように、地図情報作成装置1は、地図情報を更新する前に、まず、環境認識部2が周囲情報を取得する。取得された周囲情報は、図8(b)に示されるように、線情報L,L,Lとする。そして、位置認識部7は、記憶部6に記憶されたデフォルトの地図情報と取得された周囲情報を照合して、自己の位置情報を取得する。図8(b)の例では、線情報L,Lから所定の座標位置及び角度に、線分l,lがあることから、位置認識部7は、これらの一致するものと判断して、図8(c)に示されるように、自己の推定位置の座標及び角度を修正して、正確な位置情報を取得する。位置情報が取得されると、地図情報作成部3は、位置認識部7が地図情報と周囲情報とを照合した結果、位置情報の取得には使用されなかった情報の中に、地図情報として更新できる情報があるかを判断する。図8(d)の例では、線情報Lが更新できる情報として抽出される。そして、地図情報作成部3は、図8(d)に示されるように、抽出された線情報Lを地図情報上に線分lとして新たに登録して、これを記憶部6に記憶させる。このように、本実施形態の地図情報作成装置1は、周囲情報と地図情報とを照合して、自己の位置情報を修正した後に、地図情報を更新するので、精度の良い地図情報を作成することができる。
【0041】
続いて、第2のパターンを図9(a)〜(e)に示す。図9(a)に示されるように、記憶部6が、デフォルトの地図情報として、回帰反射板等の標識p,pを記憶しているものとする。このときも、上述の線情報Lを用いたときと同様の手順により地図情報が更新される。すなわち、環境認識部2が、図9(b)に示されるように、周囲情報として、点情報P,P,Pが取得されると、位置認識部7は、標識p,p及び点情報P,Pとを照合して、図9(c)に示されるように、位置情報を取得する。その後、地図情報作成部3は、地図情報と周囲情報との照合の結果、図9(d)に示されるように、位置情報の取得には使用されなかった点情報Pを抽出して、図9(e)に示されるように、これを地図情報上の標識pとして新たに登録して、これを記憶部6に記憶させる。
【0042】
次に、第3のパターンを図10(a)〜(e)に示す。図10(a)に示されるように、記憶部6が、デフォルトの地図情報として線分l,l,lを記憶していて、環境認識部2が、図10(b)に示されるように、周囲情報として線情報L,L,L,Lを取得したものとする。このときも上述の同様に、位置認識部7は、周囲情報の線情報L,Lと、地図情報の線分l,lとを照合して、図10(c)に示されるように、位置情報を取得する。また、地図情報作成部3は、図10(d)に示されるように、位置情報の取得には使用されなかった情報の中に、地図情報として更新できる情報を抽出する。このとき、地図情報として更新できる情報として線分l,lが抽出されている。線情報Lに関しては、図6のフロー中で、S6→S7→S15→S11→S13の順に処理を行うことにより、地図情報上に線分lとして新たに登録される。一方、線情報Lに関しては、S6→S7→S15→S11→S12→S13の順に処理を行うことにより、地図情報上に線分lとして新たに登録されると共に、図10(e)に示されるようにデフォルトの地図情報にあり、周囲情報として取得されなかった線分lが削除される。なお、図6のフローに示される登録及び削除処理は、照合に使用されなかった周囲情報の数だけ繰り返し実行される。
【0043】
上述の図10(d)の線分lのように、地図情報の更新において、削除される情報があるとき、地図情報作成部3は、周囲情報のサーチ範囲を広げて、削除対象が存在しないことを確認する。すなわち、位置情報を取得する際に地図情報との照合に使用された周囲情報が、環境認識部2が取得した周囲情報の一部の領域であるときは、地図情報との照合で使用されなかった領域にも削除対象が存在しないことを確認した後に地図情報の更新を行う。こうすれば、取得された位置情報にズレがあったときでも、地図情報作成部3は、間違った地図情報の更新を行わないようすることができる。なお、位置情報を取得する際に地図情報との照合に使用された周囲情報が、環境認識部2が取得した周囲情報と一致するときは、環境認識部2において、より広い範囲について再度のセンシングを行い、削除対象となる情報の座標位置を確実にカバーする広い範囲の周囲情報を取得する。
【0044】
自己の位置情報を取得するには、上述したパターン以外にも、図11(a)(b)に示されるように、周囲情報として1本の線情報L及び1点の点情報Pを取得できれば、図11(c)(d)に示されるように、位置認識部7は、これらをデフォルトの地図情報として記憶された線分l,l及び標識pと照合して、地図情報における線分l及び標識pから自己の位置情報を一意的に取得することができる。このように、線情報と点情報とを組み合わせることにより、例えば、長い一方向の壁しかないような通路といった線情報の取得が制限されうる環境においても、位置認識部7は自己の位置情報を正確に取得することができる。
【0045】
好ましくは、記憶部6は、地図情報における線分(線情報)の角度情報を記憶していている。そして、地図情報作成部3は、地図情報の更新において新たに登録される線情報の角度を、記憶部6に記憶された角度に合わせる。ここで角度情報とは、線情報と基準座標軸(例えば、x軸)とのなす角をいう。図11の例では、記憶部6は、予め線分lの角度を記憶していて、図11(e)に示されるように、線情報Lが新たな線分l’として登録されるとき、この新たに登録される線分l’の角度と、予め記憶された線分lの角度情報とが所定の角度差以内であれば、地図情報作成部3は、これらが同一直線上にあるものと判断して、線分l’の角度を線分lの角度情報に合わせて、これを新たな地図情報として登録する処理を行う。このようにすれば、地図情報として記憶された線分の微妙なズレを回避することができ、地図情報作成部3は、直線から成るきれいな地図情報を作成することができる。また、地図情報作成装置1を備えた自律移動体の稼動領域における通路等が、直角に交わる壁で構成されていることがある。この場合、壁方向を座標軸と一致させておくと、地図情報の線情報の向きは、x軸又はy軸のどちらかと一致することになる。また、壁面が突出しているような使用環境においては、地図情報として登録される線分の近傍に、登録される線分とは角度の異なる線分が記憶されていることがある。上述のように、地図情報における線分(線情報)の角度情報を記憶し、各々の線分の角度差が所定の範囲以上であるときは、登録される線分の近傍にある、角度の異なる線分の削除処理を行わないようにすることにより、地図情報作成部3は、削除するべき情報と、削除すべきでない情報とを識別することができ、必要な地図情報を誤って削除することがない。なお、登録される線分は、自身の角度情報と予め記憶された特定の角度(例えば、x軸との角度が0°、45°、90°…等)との差が所定範囲内である場合に、自身の角度情報をこの特定の角度と一致するように、その座標を合わせるようにしてもよい。
【0046】
また、地図情報作成部3は、図11(f)に示されるように、線分l’及び線分lを1本の線分lとして記憶部6に記憶させてもよい。このようにすれば、重複する線情報(線分)を1本の線情報として処理することができるので、位置情報取得時の照合に要する計算量を少なくして、迅速に照合を行えるようになり、また、記憶部6の記憶容量を効率的に使用できる。
【0047】
また、本実施形態の地図情報作成装置1を備えた自律移動装置は、周囲情報と予め記憶された地図情報とを照合して自己の位置情報を取得して、この位置情報の取得には使用されなかった情報を基にして地図情報を正確に更新するので、自律移動装置の稼動領域において、例えば、新たな棚が設置されたり、パーティションのレイアウトが変更される等、特徴物の配置が変更されたときでも、位置を誤認識することなく、正確に自律移動することができる。
【0048】
なお、本発明は、種々の変形が可能であり、地図情報と周囲情報とを照合して自己の位置情報を取得する際に、位置情報の取得には使用されなかった情報を基にして地図情報を更新するものであれば、上記構成に限られない。また、自己の位置情報の取得に使用される情報は、本実施形態で説明した線情報や点情報に限られない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係る地図情報作成装置のブロック構成図。
【図2】同地図情報作成装置における動作フローを示す図。
【図3】(a)乃至(c)は同地図情報作成装置が周囲情報として得られた線情報に基づいて自己の位置情報を取得するときの動作パターンを示す図。
【図4】(a)(b)は同地図情報作成装置が周囲情報として得られた点情報に基づいて自己の位置情報を取得するときの動作パターンを示す図。
【図5(a)−(c)】(a)乃至(c)は同地図情報作成装置が地図情報の更新時の動作パターンを示す図。
【図5(d)−(f)】(d)乃至(f)は同地図情報作成装置が地図情報の更新時の動作パターンを示す図。
【図5(g)−(h)】(g)(h)は同地図情報作成装置が地図情報の更新時の動作パターンを示す図。
【図6】同地図情報作成装置における地図情報の更新時の動作フローを示す図。
【図7】(a)乃至(c)は同地図情報作成装置が地図情報を削除するときの好ましい動作パターン例を示す図。
【図8】(a)乃至(e)は同地図情報作成装置が周囲情報として取得された線情報に基づいて地図情報を登録するときの動作パターンを示す図。
【図9】(a)乃至(e)は同地図情報作成装置が、周囲情報として取得された点情報に基づいて地図情報を登録するときの動作パターンを示す図。
【図10】(a)乃至(e)は同地図情報作成装置が周囲情報として取得された線情報に基づいて地図情報を登録及び削除するときの動作パターンを示す図。
【図11】(a)乃至(f)は同地図情報作成装置が周囲情報として取得された線情報及び点情報に基づいて地図情報を登録するときの動作パターンを示す図。
【符号の説明】
【0050】
1 地図情報作成装置(自律移動装置)
2 環境認識部(環境認識手段)
3 地図情報作成部(地図情報作成手段)
4 駆動装置(移動手段)
5 制御部(制御手段)
6 記憶部(記憶手段)
7 位置認識部(位置認識手段)
L 線情報
P 点情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の環境を認識して周囲情報を取得する環境認識手段と、前記環境認識手段が取得した周囲情報に基づいて地図情報を作成する地図情報作成手段と、自己の位置及び向きを変化させる移動手段と、前記移動手段の動作を制御する制御手段と、を備えた地図情報作成装置であって、
前記地図情報を記憶する記憶手段と、
前記地図情報と前記周囲情報とを照合して自己の位置情報を取得する位置認識手段と、をさらに備え、
前記地図情報作成手段は、前記位置認識手段が前記地図情報と前記周囲情報とを照合した結果、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報を基にして地図情報を更新することを特徴とする地図情報作成装置。
【請求項2】
前記地図情報及び周囲情報は、特徴物を示す線情報又は特徴物に設けられた標識を示す点情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の地図情報作成装置。
【請求項3】
前記地図情報及び周囲情報は、特徴物を示す線情報を含み、
前記位置認識手段は、前記線情報のうち、平行でない2つの線情報を使用して自己の位置情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の地図情報作成装置。
【請求項4】
前記2つの線情報は、前記線情報のうち最も長い線と、この線と最も直角に近い角度で交わる線であることを特徴とする請求項3に記載の地図情報作成装置。
【請求項5】
前記地図情報及び周囲情報は、特徴物を示す線情報を含み、
前記記憶手段は、前記線情報の角度情報を記憶しており、
前記地図情報作成手段は、地図情報の更新時に、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報を地図情報として登録する登録処理を行い、登録される線情報の角度を前記記憶手段に記憶された角度に合わせることを特徴とする請求項1に記載の地図情報作成装置。
【請求項6】
前記地図情報作成手段は、前記地図情報の更新時に、位置情報の取得には使用されなかった周囲情報を地図情報として登録する登録処理を行い、登録された地図情報から所定範囲内に削除対象となる点情報又は線情報が存在するかを検索し、削除対象が検出されると、検出された線情報又は点情報を削除する削除処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の地図情報作成装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の地図情報作成装置を備え、該装置が作成した地図情報に基づいて移動する自律移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)−(c)】
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【図5(d)−(f)】
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【図5(g)−(h)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−305255(P2008−305255A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153123(P2007−153123)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】