説明

地図表示装置

【課題】指定された道路に沿って簡単な操作で地図をスクロールさせることができる地図表示装置を提供する。
【解決手段】ユーザが幹線道路32を押圧すると幹線道路32上の押圧された位置が地図30の中心に表示されるように地図30がスクロールされ、スクロールの基準となる道路として幹線道路32が指定される。ロータリスイッチ206cを右回転させると、幹線道路32がカーソル31から外れないようにしながら下方に地図30はスクロールされる。つまり、カーソル31が幹線道路32上を上方向に進行しているように、地図30はスクロールされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指定された道路に沿って地図をスクロールする地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指定された道路に沿って地図をスクロールさせるとき、上下方向に地図をスクロールしたらよいか、左右方向に地図をスクロールしたらよいかを判断するナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。ユーザは、ナビゲーション装置によって判断された上下方向、または左右方向の中から1方向を、タッチパネルの操作やジョイスティックの操作によって選択し、地図をスクロールさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−258514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
道なりに地図をスクロールさせるときの対象となる道路が斜め方向の場合、上下方向に地図をスクロールさせる操作と、左右方向に地図をスクロールさせる操作とを繰り返さなければならず、操作が煩雑になるという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明による地図表示装置は、地図を表示モニタに表示させる地図表示制御手段と、スクロール対象となる道路を指定する道路指定手段と、指定された道路のスクロール方向を選択するスクロール方向選択手段とを備え、地図表示制御手段は、スクロール方向選択手段によって選択されたスクロール方向で、道路指定手段によって指定された道路に沿って地図をスクロールさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、指定された道路に沿って簡単な操作で地図をスクロールさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の形態によるナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】入力装置を説明するための図である。
【図3】地図に表示された道路の中から地図スクロールの基準となる道路を指定する操作を説明するための図である。
【図4】指定された道路に沿って地図をスクロールさせる操作を説明するための図である。
【図5】指定された道路に沿って地図をスクロールさせる操作を説明するための図である。
【図6】本発明の実施形態における地図スクロール処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態における地図スクロール処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1を示す。このナビゲーション装置1は、表示モニタ16に表示された道路の中から地図のスクロールの基準となる道路をユーザに指定させ、その指定された道路に沿って地図をスクロールすることができる。
【0009】
ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、タッチパネル19、タッチパネルコントロール部110、VICS(Vehicle Information and Communication System)(登録商標)情報受信部111およびディスクドライブ112を有している。ディスクドライブ112には、地図データが記憶されたDVD−ROM113が装填されている。
【0010】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。制御回路11がDVD−ROM113に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0011】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは、車両の進行方向を検出する。車速センサ14bは、車速を検出する。GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲などを決定する。また、車両の現在地を地図上に自車位置マークとして表示する。
【0012】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなる。それらはDVD−ROM113に記憶された地図データなどに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図の表示を行うことができる。
【0013】
ディスクドライブ112は、DVD−ROM113から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。地図表示用データは、複数の縮尺の地図データを有する。これにより、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM113以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどから地図データを読み出してもよい。
【0014】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、現在地付近の地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。
【0015】
入力装置18は、ユーザが各種コマンドの設定などするための操作キーを有し、ロータリスイッチ、操作パネル上のボタンスイッチやパネル周囲のハードスイッチなどによって実現される。入力装置18はセンターコンソールの下部側に設置される。図2を参照して入力装置18の詳細について説明する。
【0016】
図2に示すように、入力装置18は、戻るボタン202、メニュー画面表示ボタン203、情報・TVボタン204、オーディオボタン205、8方向&決定スイッチ206、広域ボタン207、詳細ボタン208、ナビメニューボタン209、現在地ボタン210、設定ボタン211、状態表示ボタン212、画面・消ボタン213、第1のお気に入りボタン214および第2のお気に入りボタン215を有する。
【0017】
戻るボタン202は、項目設定中の各画面では一つ前の画面に戻すボタンである。項目設定の最終画面では決定を入力するボタンである。メニュー画面ボタン203は、ナビゲーション装置1のメニュー画面を表示させるボタンである。情報・TVボタン204は、情報・TV(不図示)に関するメニュー画面を表示させるボタンである。オーディオボタン205は、オーディオ(不図示)に関するメニュー画面を表示させるボタンである。
【0018】
8方向&決定スイッチ206は、8方向ボタン206a、決定ボタン206bおよびロータリスイッチ206cから構成される。8方向ボタン206aは、三角マークが付された4つのボタンとこれら4つのボタンに挟まれて配置されている4つのボタンとから構成される。8方向ボタン206aを操作することにより、表示モニタ16に表示されたボタンやメニューを選択することができる。決定ボタン206bは、8方向ボタン206aの操作により選択されたボタンやメニューに定義された処理を実行させるためのボタンである。ロータリスイッチ206cは、8方向&決定スイッチ206の外周部に配置されたリング状の操作部材であり、矢印R方向に回動操作することができるスイッチである。ロータリスイッチ206cを回動操作することによって、指定された道路に沿って地図をスクロールさせることができる。
【0019】
広域ボタン207は、地図表示の縮尺を広域側に切り換えるボタンである。詳細ボタン208は、地図表示の縮尺を詳細側に切り換えるボタンである。ナビメニューボタン209は、ナビゲーションシステムのメニュー画面を表示させるボタンである。現在地ボタン210は、車両の現在地周辺の地図を表示させるボタンである。設定ボタン211は、設定メニュー画面を表示させるボタンである。状態表示ボタン212は、エアコン(不図示)、オーディオ(不図示)の動作状態を表示させるボタンである。画面・消ボタン213は、表示モニタ16の画面に表示された画像を全て消去したり、画面表示色、明るさ、コントラストなどを調整したりするボタンである。第1のお気に入りボタン214および第2のお気に入りボタン215は、それぞれのボタンに登録されている機能を実行させるボタンである。
【0020】
ユーザは、表示モニタ16に表示された画像の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって、入力装置18を操作して目的地を設定する。目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は、現在地検出装置14により検出された現在地を出発地とし、目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、他の道路と区別して表示モニタ16に表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画像や音声などによる進行指示で経路誘導を行う。
【0021】
図1のタッチパネル19は、表示モニタ15の表面に積層される透明のタッチスイッチである。表示モニタ16に表示される画像はタッチパネル19を通して表示される。このため、ユーザが表示モニタ16に表示された各種ボタンや表示メニューなどを指などで押圧すると、タッチパネル19が押圧される。タッチパネル19は、タッチパネル19上の押圧位置に応じた信号をタッチパネルコントロール部110に送出する。タッチパネルコントロール部110は、その信号に基づいてタッチパネル19の押圧位置を算出し制御回路11に出力する。そして、制御回路11は、タッチパネルコントロール部110から出力された信号に基づいて、押圧された各種ボタンや表示メニューに定義された処理を実行する。
【0022】
VICS情報受信部111は、図示しないVICS情報センタから提供される渋滞情報などのVICS情報を受信し、制御回路11に出力する。受信されたVICS情報は渋滞表示線やアイコンとして地図に重ねて表示される。
【0023】
次に、図3〜図5を参照して、本発明の実施形態における地図のスクロール操作を説明する。このスクロール操作により、地図に表示された道路の中からスクロールの基準となる道路を指定し、その道路に沿って地図をスクロールさせることができる。
【0024】
本発明の実施形態におけるナビゲーション装置1は、地図をスクロールするモードとして、タッチスクロールモードとダイヤルスクロールモードとを有する。タッチスクロールモードは、押圧された位置が画面の中央に移動するように地図をスクロールするモードであり、従来の地図をスクロールするモードである。ダイヤルスクロールモードは、ロータリスイッチ206cの操作により、指定された道路に沿って地図をスクロールするモードであり、本発明の地図をスクロールするモードである。最初は、タッチスクロールモードに設定されているものとして説明する。
【0025】
図3を参照して、地図に表示された道路の中からスクロールの基準となる道路を指定する操作を説明する。表示モニタ16の画面に地図30が表示されると、画面にはカーソル31が表示される。カーソル31の位置は、地図30または画面の中心の位置に対応する。
【0026】
図3(a)に示すようにユーザが幹線道路32を押圧すると、図3(b)に示すように幹線道路32上の押圧された位置が地図30の中心に表示されるように地図30がスクロールされる。そして、スクロールモードがタッチスクロールモードからダイヤルスクロールモードに切り替わり、スクロールの基準となる道路として幹線道路32が指定される。ここで、幹線道路は、高速道路、有料道路、国道、県道などの主要道路である。
【0027】
一方、ユーザが押圧した道路が幹線道路でなかったり、ユーザが押圧した位置に道路がなかったりした場合は、スクロールモードは、タッチスクロールモードからダイヤルスクロールモードに切り替わらない。
【0028】
図4および図5を参照して、指定された道路に沿って地図をスクロールさせる操作を説明する。スクロールさせる方向は、ロータリスイッチ206の回転方向によって選択することができる。図4(a)に示すようにユーザがロータリスイッチ206cを右回転すると、図4(b)に示すように、幹線道路32がカーソル31から外れないようにしながら下方に地図30がスクロールされる。つまり、カーソル31が幹線道路32上を上方向に移動するように、地図30がスクロールされる。一方、ユーザがロータリスイッチ206cを左回転すると、幹線道路32がカーソル31から外れないようにしながら上方に、地図30がスクロールされる。つまり、カーソル31が幹線道路32上を下方向に移動するように、地図30がスクロールされる。
【0029】
また、本発明の実施形態では、ロータリスイッチ206cを回動する操作量を変更することによって、スクロールの速度を変更することができる。ロータリスイッチ206cの回転角度が大きくするとスクロール速度は大きくなり、回転角度を小さくするとスクロール速度は小さくなる。
【0030】
図4(c)に示すように、カーソル31が幹線道路32,33同士の交差点34に移動すると、地図30のスクロールは停止する。そして、地図30の縮尺は詳細側に切り替わり、図5(a)に示すように交差点34周辺の詳細地図40が表示モニタ16に表示される。
【0031】
図5(a)に示すように、詳細地図40が表示されると、交差点34を通過後にカーソルを移動させる分岐道路を指定させるための矢印41〜43が表示される。ロータリスイッチ206cの回動操作によって矢印41〜43の中からひとつの矢印41を選択することができる。ロータリスイッチ206cを右回転すると、選択される矢印は右側の矢印に移動し、左回転すると、選択される矢印は左側の矢印に移動する。選択された矢印41の表示態様は、他の矢印42,43の表示態様と異なるように変更される。
【0032】
矢印41を選択した後、8方向&決定スイッチ206の決定ボタン206bを押圧すると、矢印41の選択が確定し、スクロールの基準となる分岐道路の指定が確定する。そして、地図の縮尺は図4(c)の地図30の縮尺と同一の縮尺に戻る。
【0033】
ユーザがロータリスイッチ206cを右回転すると、図5(b)に示すように、カーソル31が、分岐道路である幹線道路33上を選択された矢印41の方向へ移動するように、地図30がスクロールされる。つまり、幹線道路33がカーソル31から外れないようにしながら左方向に、地図30がスクロールされる。その後、ロータリスイッチ206cを左回転すると、カーソル31が交差点34の方向へ幹線道路33上を戻るように、地図30がスクロールされる。つまり、幹線道路33がカーソル31から外れないようにしながら右方向に、地図30がスクロールされる。
【0034】
タッチスクロールモードで地図のスクロールを再び行いたい場合は、地図を再び押圧して、ダイヤルスクロールモードからタッチスクロールモードに切り替えることができる。
【0035】
次に、本発明の実施形態における地図スクロール処理について、図6および図7のフローチャートを参照して説明する。図6および図7の処理は、地図が表示モニタ16に表示されるとスタートするプログラムにより、制御回路11において実行される。
【0036】
ステップS601では、表示モニタ16に表示された地図が押圧されたか否かを判定する。地図が押圧された場合はステップS601が肯定判定され、ステップS602へ進む。地図が押圧されていない場合はステップS604へ進む。ステップS602では、地図に表示されている対象物のうち、ステップS601で押圧された対象物は幹線道路であるか否かを判定する。タッチパネルコントロール部110で算出されたタッチパネル19の押圧位置が、表示されている幹線道路から所定距離内であるか否かによって幹線道路が押圧されたか否かを判定する。幹線道路の表示位置は幹線道路のリンクやノードの位置情報から算出する。押圧された対象物が幹線道路である場合はステップS602が肯定判定され、図7のステップS701へ進む。押圧された対象物が幹線道路でない場合はステップS602が否定判定され、ステップS603に進む。
【0037】
ステップS603では、地図の押圧位置が画面の中心に移動するように地図をスクロールする。ステップS604では、地図が表示モニタ16に表示されているか否かを判定する。地図が表示モニタ16に表示されている場合はステップS604が肯定判定され、ステップS601に戻る。地図が表示モニタ16に表示されていない場合はステップS604が否定判定され、地図スクロール処理を終了する。
【0038】
ステップS701では、地図上の押圧位置が画面の中心になるように地図を表示する。ステップS702では、ロータリスイッチ206cの回動方向および回動操作量を検出する。
【0039】
ステップS703では、ステップS702で検出したロータリスイッチ206cの回転方向に基づいて地図のスクロール方向を検定する。たとえば、ロータリスイッチ206cが右回転された場合は、道路の一方の方向(順方向)へ道路に沿って地図をスクロールし、ロータリスイッチ206cが左回転された場合は、道路の他方の方向(逆方向)へ道路に沿って地図をスクロールする。ステップS704では、ステップS702で検出したロータリスイッチ206cの単位時間当たりの回動操作量に基づいて地図のスクロール速度を決定する。
【0040】
ステップS705では、ステップS601で押圧された幹線道路上にカーソルが常に表示されるようにしながら、ステップS703で決定したスクロール方向およびステップS704で決定したスクロール速度で地図をスクロールする。つまり、ステップS703で決定した道路の方向(順方向または逆方向)およびステップS704で決定した速度でカーソルが幹線道路上を移動しているように地図をスクロールする。
【0041】
ステップS706では、幹線道路同士の交差点上にカーソルが表示されているか否かを判定する。幹線道路同士の交差点の位置は、交差点に対応するノードの位置情報から算出することができる。幹線道路同士の交差点上にカーソルが表示されている場合はステップS706が肯定判定され、ステップS707へ進む。幹線道路同士の交差点上にカーソルが表示されていない場合はステップS706が否定判定され、ステップS710に進む。
【0042】
ステップS707では、幹線道路同士の交差点周辺の詳細地図を表示モニタ16に表示させるとともに、交差点から分岐している分岐道路を選択させるための矢印を表示させる。ステップS708では、矢印が選択されたか否かを判定する。矢印が選択された場合はステップS708が肯定判定され、ステップS709へ進む。矢印が選択されていない場合はステップS708を繰り返す。
【0043】
ステップS709では、選択された矢印に基づいて、ロータリスイッチ206cを時計回りに回転したときのスクロール方向を決定する。具体的には、ロータリスイッチ206cを時計回りに回転すると、選択された矢印に対応する分岐道路に沿って、カーソル31が交差点から離れる方向に地図をスクロールする。一方、ロータリスイッチ206cを反時計回りに回転すると、選択された矢印に対応する分岐道路に沿って、カーソル31が交差点に近づく方向に地図をスクロールする。
【0044】
ステップS710では、地図の縮尺を元に戻す。ステップS711では、表示モニタ16に表示された地図が押圧されたか否かを判定する。地図が押圧された場合はステップS711が肯定判定され、図6のステップS601に戻る。地図が押圧されない場合はステップS710が否定判定され、ステップS701に戻る。
【0045】
以上の本発明の実施形態によるナビゲーション装置1は次のような作用効果を奏する。
(1)ロータリスイッチ206cの回転方向によって地図のスクロール方向を選択できるようにして、地図画面上で指定された幹線道路32に沿って、選択されたスクロール方向で地図30をスクロールするようにした。したがって、地図をスクロールさせるときの対象となる道路が斜め方向の場合でも、上下方向に地図をスクロールさせる操作と、左右方向に地図をスクロールさせる操作とを繰り返す必要がないので、指定された幹線道路32に沿って簡単に地図30をスクロールさせることができる。
【0046】
(2)回動可能な操作部材であるロータリスイッチ206cの回動方向により地図をスクロールさせる方向を選択できるようにした。これにより、ロータリスイッチ206cを少し回転して地図がスクロールした方向から、ロータリスイッチ206cの回転方向と地図のスクロール方向との間の関係を容易に認識することができ、便利である。さらに、ロータリスイッチ206cの回転方向を逆にすればすぐにスクロール方向を変更できる。
【0047】
(3)幹線道路32,33同士の交差点34が表示モニタ16に表示されたとき、地図30のスクロールを停止させ、表示モニタ16に表示された交差点34の分岐道路32,33のうち、どの道路に沿って地図をスクロールさせるかをユーザに指定させ、指定された分岐道路33に沿って地図30をスクロールするようにした。したがって、交差点を右左折するルートに沿って地図をスクロールさせることができるので便利である。
【0048】
(4)回動可能な操作部材であるロータリスイッチ206cの回動操作によって、交差点の分岐道路32,33の中でスクロールの基準となる分岐道路33を指定できるようにした。これにより、地図30のスクロールと、分岐道路32,33の指定とを一つの操作部材206cで行えるので便利である。
【0049】
(5)地図画面を押圧してスクロールの基準となる道路を指定できるようにした。したがって、簡単な操作によって、スクロールの基準となる道路を指定できる。
【0050】
(6)ロータリスイッチ206cの単位時間当たりの回動操作量に応じて地図30のスクロール速度を変更するようにした。これにより、地図のスクロール速度を容易に変更することができ便利である。
【0051】
以上の実施の形態を次のように変形することができる。
(1)道路の一方の方向および他方の方向のうちのひとつの方向を選択することができれば、選択するときに使用する操作部材はロータリスイッチ206cに限定されない。たとえば、ジョイスティックで選択できるようにしてもよい。
【0052】
(2)回動可能な操作部材であればロータリスイッチ206cに限定されない。
【0053】
(3)幹線道路同士の交差点上にカーソルが表示されたとき、交差点から分岐している分岐道路を指定させるための矢印を表示させたが、幹線道路同士の交差点が表示モニタ16に表示されたときに交差点から分岐している分岐道路を指定させるための矢印を表示させるようにしてもよい。また、交差点から分岐している分岐道路を指定させるための矢印を表示させるとき、地図の縮尺を変更したが、地図の縮尺を変更しないようにしてもよい。
【0054】
(4)スクロールの基準となる道路は幹線道路に限定されない。たとえば、地図に市道しか表示されていない場合、市道に沿って地図をスクロールさせるようにしてもよい。
【0055】
(5)スクロールされる地図の向きは、北を上に表示するノースアップ表示でもよいし、カーソルの進行方向を上にするヘッディングアップ表示でもよく、とくに限定されない。
【0056】
(6)地図画面を押圧して指定された道路をスクロールの基準とする道路(基準道路)として指定するようにした。しかし、ユーザが所望の道路を指定できれば、基準道路の指定方法は実施形態に限定されない。たとえば、道路の名称を表示したリストから基準道路を指定できるようにしてもよい。
【0057】
(7)回動可能な操作部材であるロータリスイッチ206cの回動操作によって、交差点の分岐道路32,33の中でスクロールの基準となる分岐道路33を指定できるようにした。しかし、詳細地図40に表示された矢印41〜43を押圧することによりスクロールの基準となる分岐道路33を指定できるようにしてもよい。
【0058】
(8)地図表示装置であれば、車載ナビゲーション装置に限定されない。たとえば、本発明は地図が表示される携帯ナビゲーション装置あるいは携帯式電子機器についても適用できる。
【0059】
実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。変形例同士をどのように組み合わせることも可能である。
【0060】
以上の説明はあくまで一例であり、発明は、上記の実施形態に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0061】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
16 表示モニタ
18 入力装置
19 タッチパネル
110 タッチパネルコントロール部
206b 決定ボタン
206c ロータリスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示モニタに表示させる地図表示制御手段と、
スクロール対象となる道路を指定する道路指定手段と、
指定された道路のスクロール方向を選択するスクロール方向選択手段とを備え、
前記地図表示制御手段は、前記スクロール方向選択手段によって選択されたスクロール方向で、前記道路指定手段によって指定された道路に沿って前記地図をスクロールさせることを特徴とする地図表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の地図表示装置において、
前記スクロール方向選択手段は、回動可能な操作部材を含み、前記操作部材の回動方向により前記道路のスクロール方向を選択することを特徴とする地図表示装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の地図表示装置において、
前記道路指定手段によって指定された道路上の特定の交差点における分岐道路の中からいずれかひとつの分岐道路を指定する分岐道路指定手段を備え、
前記地図表示制御手段は、前記特定の交差点まで地図のスクロールが進んだときに前記地図のスクロールを停止させ、前記分岐道路指定手段によって前記分岐道路が指定された後は、前記分岐道路指定手段によって指定された分岐道路に沿って前記地図をスクロールさせることを特徴とする地図表示装置。
【請求項4】
請求項3に記載の地図表示装置において、
前記分岐道路指定手段は、前記操作部材の回動操作によって分岐道路を指定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれ1項に記載の地図表示装置において、
前記道路指定手段は、前記表示モニタに表示された道路を押圧して指定することを特徴とする地図表示装置。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれ1項に記載の地図表示装置において、
前記地図表示制御手段は、前記操作部材の回動操作量に応じた速度で前記地図をスクロールさせることを特徴とする地図表示装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−27689(P2011−27689A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−176507(P2009−176507)
【出願日】平成21年7月29日(2009.7.29)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】