説明

地点検索装置

【課題】非通知番号(数字列184)及び通知番号(数字列186)のような特殊な数字列を先頭部分に含む電話番号であっても、その電話番号に関連付けられた地点を検索することのできる「地点検索装置」を提供することである。
【解決手段】移動体通信機器20の通信発信履歴情報を読み出し、該通信発信履歴情報から選択された電話番号に関連付けられる地点を検索する地点検索装置であって、前記通信発信履歴情報から選択された電話番号の先頭部分に所定の数字列(数字列184、186)が含まれるか否かを判定する数字列判定手段と、前記電話番号の先頭部分に所定数字列が含まれるときに、前記選択された電話番号から該所定数字列を取り除く数字列削除手段と、
該番号削除手段によって所定数字列を取り除かれた電話番号に関連づけられる地点を検索する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置等に適用され、携帯電話の発信履歴に含まれる電話番号に対応付けられる地点を検索する地点検索装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、目的地点を指定することにより、現在位置からその目的地点までの経路を算出し、その経路を地図上に表示することにより利用者を目的地まで誘導する。この目的地点を指定する方法としては、住所を入力することにより地図上の地点を指定する方法、また、電話番号を入力して当該電話番号に関連付けられた地図上の地点を指定する方法等、様々なものが提案されている。
【0003】
従来、例えば、携帯電話機等の移動体通信機器の発信履歴から電話番号を読み出し、その電話番号に関連付けられた地点を指定する方法が提案されている(特許文献1)。この方法では、利用者が電話番号の入力操作を行うことなく、電話番号に関連付けられた地点を容易に指定することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−202955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述したように携帯電話機の発信履歴から読み出される電話番号に関連付けられる地点を検索する地点検索装置では、発信履歴の電話番号の先頭部分に発信者番号通知・非通知を表す番号(数字列)の「186」、「184」が含まれている場合、その電話番号が正確に認識されない。そのため、先頭部分に特殊な番号を含む電話番号については関連する地点を検索することができない。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、非通知番号(数字列184)及び通知番号(数字列186)のような特殊な数字列を先頭部分に含む電話番号であっても、その電話番号に関連付けられた地点を検索することのできる地点検索装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る地点検索装置は、移動体通信機器の通信発信履歴情報を読み出し、該通信発信履歴情報から選択された電話番号に関連付けられる地点を検索する地点検索装置であって、前記通信発信履歴情報から選択された電話番号の先頭部分に所定の数字列が含まれるか否かを判定する数字列判定手段と、前記電話番号の先頭部分に所定数字列が含まれるときに、前記選択された電話番号から該所定数字列を取り除く数字列削除手段とを有し、前記番号削除手段によって所定数字列を取り除かれた電話番号に関連づけられる地点を検索するように構成される。
【0008】
このような構成により、移動体通信機器の発信者履歴情報から選択された電話番号の先頭部分に所定数字列が含まれる場合には、その所定数字列が取り除かれたあとの電話番号が地点検索に用いられるようになる。
【0009】
前記所定数字列は、発信者非通知・通知を表す番号を表す数字列184及び186を含み得る。
【0010】
この場合、移動体通信機器の発信者履歴情報から選択された電話番号の先頭部分に発信者非通知・通知を表す番号(数字列)の「184」、「186」が含まれる場合であっても、その発信者非通知・通知の番号が取り除かれたあとの電話番号、即ち、真の電話番号に関連付けられた地点が検索されるようになる。
【0011】
本発明に係る地点検索装置において、前記所定数字列の含まれていない電話番号の先頭部分に移動体通信機器特有の数字列が含まれるか否かを判定する特有数字列判定手段を有し、前記特有数字列が含まれているときに、前記電話番号を地点検索の対象から除外するように構成することができる。
【0012】
このような構成により、発信者通知・非通知を表す番号(数字列)等の所定数字列が含まれていない電話番号の先頭部分に携帯電話機等の移動体通信機器特有の数字列、例えば、090、050が含まれる場合、その電話番号が地点検索の対象から除去されるようになるので、無駄な検索処理がなされることを防止することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る地点検索装置によれば、発信履歴情報から選択された電話番号の先頭部分に、電話の相手先を特定するための情報と関係のない発信非通知・通知番号等を表す所定数字列が付与されていたとしても、その所定数字列が除去されたのちの電話番号が地点の検索に用いられるようになるので、前記発信履歴情報から選択された電話番号に関連付けられた地点を検索することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る地点検索装置が適用された車載ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】携帯電話機の発信履歴情報から選択される電話番号からナビゲーションの目的地点を設定するための処理手順の第1の例を示すフローチャートである。
【図3】携帯電話機から取り込んだ発信履歴情報の表示例を示す図である。
【図4】携帯電話機の発信履歴情報から選択される電話番号からナビゲーションの目的地点を設定するための処理手順の第2の例を示すフローチャートである。
【図5A】携帯電話機に保存された発信履歴情報の一例を示す図である。
【図5B】図5Aに示す発信履歴から生成される電話番号リストを含む発信履歴による目的地設定画面の一例を示す図である。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0016】
本発明の実施形態に係る地点検索装置が適用される車載ナビゲーション装置は図1に示すように構成される。
【0017】
図1において、車載ナビゲーション装置100は、コンピュータユニット(CPUを含む)にて構成される処理ユニット10を有している。処理ユニット10には、車両ナビゲーションに必要な位置情報を提供するためのGPSユニット14、センサ類15(ジャイロセンサ、加速度センサ等)及び電話番号情報を含む地図情報及び各種情報を記憶する記憶部13(例えば、ハードディスクユニット)が接続されている。また、処理ユニット10には、車室内に設けられ、LCD等により構成される表示部12、操作ボタンや表示部12内に構成されるタッチパネル等の操作部11、車室内に設けられたスピーカ17に音声信号を供給する出力回路16が接続されている。
【0018】
処理ユニット10は、GPSユニット14及びセンサ類15からの各種情報及び記憶部13から読み出した地図情報に基づいて車両ナビゲーションに係る処理を実行し、表示部12にナビゲーションに係る地図ともに車両位置マーク及び案内経路等を表示させるようになっている。また、処理ユニット10は、前記経路案内において種々のメッセージをスピーカ17から出力させるようにそのメッセージを表す音声信号を出力回路16に供給する。
【0019】
処理ユニット10は、車両ナビゲーションの目的地点を検索する機能(地点検索装置)を有している。この車両ナビゲーションの目的地点を検索する機能は、具体的には、操作部11や表示部12を利用して入力される住所から地図上の地点を検索する機能、同様にして入力される施設名に対応付けられた地図上の地点を検索する機能、同様にして入力される電話番号に関連付けられた地図上の地点を検索する機能等を有する。また、車載ナビゲーション装置100には、携帯電話機20(移動体通信機器)が接続可能になっており、処理ユニット10は、接続された携帯電話機20から発信履歴情報を取り込み、その発信履歴に含まれる電話番号に関連付けられる地図上の地点を検索する処理が可能となっている。このとき、車載用ナビゲーション装置100と携帯電話機20との接続形態は、有線(ケーブル接続)でも無線(ブルートゥース接続)でもよい。
【0020】
処理ユニット10は、図2に示す手順に従って携帯電話機20の発信履歴情報に含まれる電話番号から車両ナビゲーションの目的地点を設定する。
【0021】
図2において、処理ユニット10は、接続された携帯電話機20から発信履歴情報を読み出す(S11)。表示部12には、例えば、図3に示すように、読み出された発信履歴情報に含まれる宛先名と電話番号とが表示されるとともに、電話発信の選択ボタン及び目的地設定の選択ボタン30が表示される。乗員が操作部11を利用して表示された電話番号あるいは宛先名から目的とする1つを選択し、表示部12の電話発信及び目的地設定のいずれかの選択ボタンを操作すると、処理ユニット10は、その選択された電話番号(選択された宛先名に対応する電話番号)を取得し(S12)、その電話番号で電話発信するものであるか、目的地設定するものであるかを判定する(S13)。乗員が電話発信の選択ボタンを操作した場合であって、選択された電話番号をもって電話発信するものであるとの判定がなされると(S13で発信)、処理ユニット10は、接続された携帯電話機20にその選択された電話番号を送ると共に発信の起動をかける(S17)。これにより、携帯電話機20は、処理ユニット10からの電話番号に対して発信を行う。携帯電話機20と相手先電話機とがつながると、乗員は、ヘッドセット等を用いて携帯電話機20により、ハンズフリーで通話を行う。
【0022】
一方、乗員が目的地設定の選択ボタン30を操作した場合であって、選択された電話番号から目的地を設定ものであるとの判定がなされると(S13で目的地設定)、処理ユニット10は、取得した電話番号の先頭部分に発信通知番号の「186」または発信非通知番号の「184」の数字列が含まれているか否かを判定する(S14)。いずれの数字列も含まれていない場合(S14でNO)、処理ユニット10は、前記取得した電話番号に関連付けられた地図上の地点を地図情報から検索し、その地点が得られれば、得られた地点を車両ナビゲーションの目的地点として設定する(S16)。
【0023】
一方、前記数字列「186」、「184」のいずれかが前記取得した電話番号の先頭部分に含まれている場合(S14でYES)、処理ユニット10は、その数字列を前記取得した電話番号から削除する(S15)。そして、処理ユニット10は、前記数字列が削除されたあとの電話番号に関連付けられた地図上の地点を地図情報から検索し、その地点が得られれば、その地点を車両ナビゲーションの目的地点として設定する(S16)。上記処理により、利用者によって、例えば、表示部12の画面上で図3に示す電話番号「184−03−3433−5111」に対応した目的地設定の選択ボタン30が操作されると、数字列「184」の削除された電話番号「03−3433−5111」に対応付けられた地点を目的地として設定される。
【0024】
このようにして目的地設定の処理が終了すると、処理ユニット10は、車両ナビゲーション処理に移行し、その設定された目的地、現在位置、各種条件等に基づいた経路探索処理、更に経路案内処理などを行う。
【0025】
前述したような車両ナビゲーション装置100での電話番号に基づいた地点検索の処理によれば、携帯電話機20から取り込まれた発信履歴情報から選択された電話番号の先頭部分に、電話相手先を特定するための情報と関係のない発信通知番号「186」や発信非通知番号「184」の数字列が付与されていたとしても、その数字列が削除されたのちの電話番号が地点の検索に用いられるようになるので、前記発信履歴情報から選択された電話番号に関連付けられた地点を検索することができるようになる。
【0026】
処理ユニット10は、図4に示す処理手順に従って、携帯電話機20の発信履歴情報に含まれる電話番号から車両ナビゲーションの目的地点を設定することもできる。
【0027】
図4において、処理ユニット10は、車両ナビゲーションに必要な目的地の設定モードが、直接入力での設定モード、及び携帯電話機20の発信履歴情報を用いた設定モードのいずれであるかを判定する(S21)。乗員が操作部11及び表示部12を利用して直接入力での設定モードを選択すると(S21で直接入力)、処理ユニット10は、その設定モードとともに入力された住所から地図上の地点を検索し、その検索により得られた地点を車両ナビゲーションの目的地点として設定する(S29)。一方、乗員が操作部11及び表示部12を利用して発信履歴を用いた設定モードを選択すると(S21で発信履歴)、処理ユニット10は、車両ナビゲーション装置100に接続された携帯電話機20から発信履歴情報を取り込み、その発信履歴情報から、例えば、先頭の電話番号を選択する(S22)。そして、処理ユニット10は、その選択した電話番号の先頭部分に発信通知番号の「186」または発信非通知番号の「184」の数字列が含まれているか否かを判定する(S23)。いずれかの数字列が含まれている場合(S23でYES)、処理ユニット10は、その数字列を前記選択した電話番号から削除する(S24)。
【0028】
処理ユニット10は、選択した電話番号が、あるいは、発信通知番号「186」または発信非通知番号「184」の数字列を削除した場合には(S23でYES、S24)、その数字列が削除されたのちの電話番号が、更に携帯電話機やPHS端末特有の番号を表す数字列(例えば、090、070等)を含むか否かを判定する(S25)。もし、そのような数字列を含まないのであれば(S25でNO)、処理ユニット10は、その電話番号を表示部12に表示させる電話番号リストに追加する(S26)。一方、前記携帯電話機やPHS端末特有の番号を含む場合(S25でYES)、処理ユニット10は、その電話番号は、地点設定することができないとして、前記電話番号リストに追加しない。
【0029】
処理ユニット10は、携帯電話機20から取り込んだ発信履歴情報に含まれる電話番号の全てについての処理が終了したか否かを判定し(S27)、まだ残りの電話番号があれば(S27でNO)、発信履歴情報から次の電話番号を選択する(S22)。その後、前述したのと同様の処理(S23、S24、S25、S26)が実行される。同様の処理が、携帯電話機20から取り込んだ発信履歴情報に含まれる電話番号の全てについて行われる。これにより図5Aに示すような発信履歴が携帯電話機20に記憶されている場合、図5Bに示すような電話番号リストが表示部12に表示される。そして電話番号リストが表示されると(S27でYES)、処理ユニット10は、表示部12に表示された電話番号リストから操作部11を利用して乗員によって選択された電話番号を取得する(S28)。そして、処理ユニット10は、取得した電話番号に関連付けられた地図上の地点を検索し、その地点が得られれば、その地点を車両ナビゲーションの目的地点として設定する(S29)。
【0030】
このような電話番号に基づいた地点検索の処理によれば、前述した処理(図2参照)と同様に、携帯電話機20から取り込まれた発信履歴情報から選択された電話番号の先頭部分に、電話相手先を特定するための情報と関係のない発信通知番号「186」や発信非通知番号「184」の数字列が付与されていたとしても、その数字列が削除されたのちの電話番号が地点の検索に用いられるようになるので、前記発信履歴情報から選択された電話番号に関連付けられた地点を検索することができるようになる。また、発信履歴情報に含まれる電話番号が携帯電話機やPHS端末を特定するものである場合、選択可能な電話番号リストに含まれないので(検索の対象から除外されるので)、乗員が誤って地点を特定することのできないこのような電話番号を選択することを防止でき、その結果、無駄な地点検索の処理を未然に防止することができる。
【0031】
前述した実施の形態では、電話番号が発信通知番号「186」や発信非通知番号「184」を含む場合にその番号を表す数字列を除去するものであったが、その他、電話相手先を特定するための情報と関係のない数字列を除去することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
以上、説明したように、本発明に係る地点検索装置は、発信非通知番号(数字列184)及び発信通知番号(数字列186)のような特殊な数字列を先頭部分に含む電話番号であっても、その電話番号に関連付けられた地点を検索することができるという効果を有し、ナビゲーション装置等に適用され、携帯電話機の発信履歴に含まれる電話番号に対応付けられる地点を検索する地点検索装置として有用である。
【符号の説明】
【0033】
10 処理ユニット
11 操作部
12 表示部
13 記憶部
14 GPSユニット
15 センサ類(ジャイロセンサ・加速度センサ)
16 出力回路
17 スピーカ
20 携帯電話機
100 車載ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体通信機器の通信発信履歴情報を読み出し、該通信発信履歴情報から選択された電話番号に関連付けられる地点を検索する地点検索装置であって、
前記通信発信履歴情報から選択された電話番号の先頭部分に所定の数字列が含まれるか否かを判定する数字列判定手段と、
前記電話番号の先頭部分に所定数字列が含まれるときに、前記選択された電話番号から該所定数字列を取り除く数字列削除手段とを有し、
前記番号削除手段によって所定数字列を取り除かれた電話番号に関連づけられる地点を検索する地点検索装置。
【請求項2】
前記所定数字列は、184及び186を含む請求項1記載の地点検索装置。
【請求項3】
前記所定数字列の含まれていない電話番号の先頭部分に移動体通信機器特有の数字列が含まれるか否かを判定する特有数字列判定手段を有し、
前記特有数字列が含まれているときに、前記電話番号を地点検索の対象から除外する地点検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2010−230375(P2010−230375A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76243(P2009−76243)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】