説明

基板処理装置

【課題】オペレータ自身が操作画面を新規に作成できるようにする。
【解決手段】操作画面を新規に作成するためのカスタマイズシステムと、複数の機能毎に所定の子ウインドウをそれぞれ記憶する記憶部と、カスタマイズ化した操作画面が保存されるカスタマイズ部とをコントローラにプログラムする。
カスタマイズシステムが起動されると、カスタマイズ移行画面を表示し、カスタマイズシステムは、カスタマイズ移行画面上で新規に作成する予定の操作画面である新規作成画面の数が設定されると、切り替え釦のみ表示されている初期画面を表示する。この切り替え釦が押下されると、画面を切り替え、切り替えられた画面で表示される子ウインドウを選択し、この選択された子ウインドウを初期画面に貼り付けて表示し、カスタマイズ部に前記新規作成画面として前記初期画面を保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、例えば、半導体集積回路装置(以下、ICという。)の製造方法において、半導体素子を含む集積回路が作り込まれる半導体ウエハ(以下、ウエハという。)に金属膜や絶縁膜および半導体膜を形成するのに利用して有効なものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ICの一例であるDRAM(Dynamic Random-Access Memory)やDRAM混載システムLSI(以下、DRAMという。)の製造方法において、ウエハに電気容量絶縁膜やゲート絶縁膜として適用される容量絶縁膜を形成するのに、搬送室の周りに複数の処理モジュール(プロセスチャンバ)が設置されたマルチチャンバ型連続処理装置が使用される場合がある。
従来のマルチチャンバ型連続処理装置は、複数の処理モジュールをそれぞれ制御するサブコントローラをメインコントローラによって統括的に制御するように構成されているとともに、サブコントローラをシーケンス制御するためのプロセスレシピがメインコントローラの操作画面(ウインドウ)に表示されたり、サブコントローラによって検出された処理モジュールの状況がメインコントローラの操作画面に表示されるように構成されている。例えば、特許文献1参照。
【特許文献1】特開2001−230209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、マルチチャンバ型連続処理装置においては、メインコントローラを操作し易くするために、メインコントローラにはGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフエース)システムが搭載されている。
ここで、GUIシステムとは、メインコントローラの表示装置の操作画面(ウインドウ)上のアイコン(機能を表す図形記号)をマウスポインタで指示してクリックしたり、カーソルで指示して決定したり、タッチパネルディスプレイの場合にはタッチしたりして選択することにより、処理や命令、判断およびデータ等を入力したり、操作画面を切り替えたりすることができるようにプログラミングされたシステムである。
マルチチャンバ型連続処理装置に搭載されたGUIシステムは、その装置の運用に必要な情報が膨大であるために、オペレータ自身が操作画面を適宜に切り替えて表示することによって所望の情報を見ることができるように、構成されている。
通例、この操作画面のフォーマット(形式)はマルチチャンバ型連続処理装置のメインコントローラに予めプログラミングされて提供される。
しかしながら、高集積化や膜種の多様化およびシステムインテグレーテッド化等の進展に伴って、オペレータに通知しなければならない情報および提供しなければならない機能は増大の一途をたどり、マルチチャンバ型連続処理装置の運用に必要な操作画面のフォーマットは、多種多様になって来ている。
一方、オペレータによっては必要とする情報または機能は限られている。
例えば、成膜運転状態となった場合には、操作画面上で監視すべき情報および必要な操作は限定される。
【0004】
本発明の目的は、オペレータが専用の操作画面を自由に作成することができる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願において開示される発明のうち代表的なものは、次の通りである。
(1)入力手段で構成される入力装置と、操作画面で構成される表示装置と、前記入力手段からの指示入力を制御して前記操作画面の切り替えを行う画面制御部とが搭載されたコントローラを備えている基板処理装置であって、
前記コントローラは、操作画面を新規に作成するためのカスタマイズシステムと、
複数の機能毎に所定の子ウインドウをそれぞれ記憶する記憶部と、
カスタマイズ化した操作画面が保存されるカスタマイズ部とを有し、
前記カスタマイズシステムが起動されると、カスタマイズ移行画面を表示し、前記カスタマイズシステムは、前記カスタマイズ移行画面上で新規に作成する予定の操作画面である新規作成画面の数が設定されると、切り替え釦のみ表示されている初期画面を表示し、この切り替え釦が押下されると、画面を切り替え、切り替えられた画面で表示される子ウインドウを選択し、この選択された子ウインドウを前記初期画面に貼り付けて表示し、前記カスタマイズ部に前記新規作成画面として前記初期画面を保存する
ことを特徴とする基板処理装置。
(2)入力手段で構成される入力装置と、操作画面で構成される表示装置と、前記入力手段からの指示入力を制御して前記操作画面の切り替えを行う画面制御部とが搭載されたコントローラを備えている基板処理装置の運用方法であって、
予め、複数の機能毎に所定の子ウインドウを記憶部にそれぞれ記憶しておき、
前記コントローラの操作画面を新規に作成するためのカスタマイズシステムが起動されると、カスタマイズ移行画面を表示し、前記カスタマイズシステムは、前記カスタマイズ移行画面上で新規に作成する予定の操作画面である新規作成画面の数が設定されると、切り替え釦のみ表示されている初期画面を表示し、この切り替え釦が押下されると、画面を切り替え、切り替えられた画面で表示される子ウインドウを選択し、この選択された子ウインドウを前記初期画面に貼り付けて表示し、カスタマイズ部に前記新規作成画面として前記初期画面を保存する
ことを特徴とする基板処理装置の運用方法。
【発明の効果】
【0006】
前記(1)(2)によれば、オペレータが操作画面を自由に作成することができるので、多種多様の操作画面を予めプログラミングせずに全てのオペレータの要求に対応することができる。
他方、オペレータは自分が作成した操作画面を利用して、基板処理装置を所望通りに運用することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の一実施の形態を図面に即して説明する。
【0008】
本実施の形態において、本発明に係る基板処理装置は、図1および図2に示されているように、マルチチャンバ型連続処理装置(以下、連続処理装置という。)として構成されており、この連続処理装置はICの製造方法にあってウエハに所望の薄膜を堆積させる成膜工程に使用されるように構成されている。
なお、本実施の形態に係る連続処理装置においてはウエハ搬送用のキャリアとしては、FOUP(front opening unified pod 。以下、ポッドという。)が使用されている。
以下の説明において、前後左右は図1を基準とする。すなわち、第二ウエハ移載室40側が前側、その反対側すなわち第一ウエハ移載室10側が後側、第一予備室20側が左側、第二予備室30側が右側とする。
【0009】
図1および図2に示されているように、連続処理装置は搬送室としての第一ウエハ移載室10を備えており、第一ウエハ移載室10は大気圧未満の圧力(負圧)に耐えるロードロックチャンバ構造に構成されている。第一ウエハ移載室(以下、負圧移載室という。)10の筐体(以下、負圧移載室筐体という。)11は、平面視が六角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。
【0010】
負圧移載室10の中央部には、ウエハを保持して搬送する搬送装置としてのウエハ移載装置12が設置されており、ウエハ移載装置12は負圧下においてウエハWを移載するように構成されている。ウエハ移載装置(以下、負圧移載装置という。)12は、スカラ形ロボット(selective compliance assembly robot arm SCARA)によって構成されており、負圧移載室筐体11の底壁に設置されたエレベータ13によって気密シールを維持しつつ昇降するように構成されている。
負圧移載装置12はウエハWを保持する保持部としての一対のアーム14、15を備えている。上側に位置する第一アーム(以下、上側アームという。)14の先端部には、二股のフォーク形状に形成された上側エンドエフェクタ16が取り付けられており、下側に位置する第二アーム(以下、下側アームという。)15の先端部には、下側エンドエフェクタ17が取り付けられている。
【0011】
負圧移載室筐体11の6枚の側壁のうち正面側に位置する2枚の側壁には、負圧移載室10に対してウエハWを搬入搬出する予備室としての第一予備室20と第二予備室30とがそれぞれ隣接して連結されている。
第一予備室20の筐体(以下、第一予備室筐体という。)21および第二予備室30の筐体(以下、第二予備室筐体という。)31はいずれも、平面視が大略四角形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されているとともに、負圧に耐え得るロードロックチャンバ構造に構成されている。
【0012】
互いに隣接した第一予備室筐体21の側壁および負圧移載室筐体11の側壁には搬入搬出口22、23がそれぞれ開設されており、負圧移載室10側の搬入搬出口23には搬入搬出口22、23を開閉するゲートバルブ24が設置されている。第一予備室20には第一予備室用仮置き台25が設置されている。
互いに隣接した第二予備室筐体31の側壁および負圧移載室筐体11の側壁には搬入搬出口32、33がそれぞれ開設されており、負圧移載室10側の搬入搬出口33には搬入搬出口32、33を開閉するゲートバルブ34が設置されている。第二予備室30には第二予備室用仮置き台35が設置されている。
【0013】
第一予備室20および第二予備室30の前側には、大気圧以上の圧力(正圧)を維持可能な構造に構成された第二ウエハ移載室(以下、正圧移載室という。)40が隣接して連結されており、正圧移載室40の筐体(以下、正圧移載室筐体という。)41は、平面視が横長の長方形で上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。
正圧移載室40には正圧下でウエハWを移載する第二ウエハ移載装置(以下、正圧移載装置という。)42が設置されており、正圧移載装置42はスカラ形ロボットによって2枚のウエハを同時に搬送し得るように構成されている。
正圧移載装置42は正圧移載室40に設置されたエレベータ43によって昇降されるように構成されているとともに、リニアアクチュエータ44によって左右方向に往復移動されるように構成されている。
【0014】
互いに隣接した第一予備室筐体21の側壁および正圧移載室筐体41の側壁には搬入搬出口26、27がそれぞれ開設されており、正圧移載室40側の搬入搬出口27には搬入搬出口26、27を開閉するゲートバルブ28が設置されている。
互いに隣接した第二予備室筐体31の側壁および正圧移載室筐体41の側壁には搬入搬出口36、37がそれぞれ開設されており、正圧移載室40側の搬入搬出口37には搬入搬出口36、37を開閉するゲートバルブ38が設置されている。
図1に示されているように、正圧移載室40の左側にはノッチ合わせ装置45が設置されている。
また、図2に示されているように、正圧移載室40の上部にはクリーンエアを供給するクリーンユニット46が設置されている。
【0015】
図1および図2に示されているように、正圧移載室筐体41の正面壁には三つのウエハ搬入搬出口47、48、49が左右方向に並べられて開設されており、これらのウエハ搬入搬出口47、48、49はウエハWを正圧移載室40に対して搬入搬出し得るように設定されている。これらのウエハ搬入搬出口47、48、49にはポッドオープナ50がそれぞれ設置されている。
【0016】
ポッドオープナ50はポッドPを載置する載置台51と、載置台51に載置されたポッドPのキャップを着脱するキャップ着脱機構52とを備えており、載置台51に載置されたポッドPのキャップをキャップ着脱機構52によって着脱することにより、ポッドPのウエハ出し入れ口を開閉するようになっている。
ポッドオープナ50の載置台51に対してはポッドPが、図示しない工程内搬送装置(RGV)によって供給および排出されるようになっている。したがって、載置台51によってキャリアステージとしてのポッドステージが構成されていることになる。
【0017】
図1に示されているように、負圧移載室筐体11の6枚の側壁のうち背面側に位置する2枚の側壁には、第一処理モジュールとしての第一CVDモジュール61と、第二処理モジュールとしての第二CVDモジュール62とがそれぞれ隣接して連結されている。第一CVDモジュール61および第二CVDモジュール62はいずれも、枚葉式CVD装置(枚葉式コールドウオール形CVD装置)によってそれぞれ構成されている。
また、負圧移載室筐体11における6枚の側壁のうちの残りの互いに対向する2枚の側壁には、第三処理モジュールとしての第一クーリングモジュール63と、第四処理モジュールとしての第二クーリングモジュール64とがそれぞれ連結されており、第一クーリングモジュール63および第二クーリングモジュール64はいずれも、処理済みのウエハWを冷却するように構成されている。
なお、図1中、65、66、67、68はウエハ搬入搬出口である。
【0018】
連続処理装置は図3に示された制御システム70を備えている。
図3に示されているように、制御システム70はパーソナルコンピュータ等から構築されたメインコントローラ71を備えている。メインコントローラ71にはLANシステム72を介して、負圧移載装置12を制御するサブコントローラ73、正圧移載装置42を制御するサブコントローラ74、第一CVDモジュール(第一処理モジュール)61を制御するサブコントローラ75、第二CVDモジュール(第二処理モジュール)62を制御するサブコントローラ76、第一クーリングモジュール(第三処理モジュール)63を制御するサブコントローラ77、第二クーリングモジュール(第四処理モジュール)64を制御するサブコントローラ78等が接続されている。
メインコントローラ71には、キーボードやマウス等の入力手段によって構成された入力装置81、テレビモニタ等の表示部(操作画面)によって構成された表示装置82、記憶媒体駆動装置等によって構成された記憶装置83等が接続されている。
また、メインコントローラはホストコンピュータ84に接続することができるようになっている。
【0019】
メインコントローラ71はGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフエース)システム85を備えている。
メインコントローラ71にはウインドウカスタマイズ化システム(以下、カスタマイズシステムという。)86がプログラミングされて組み込まれており、カスタマイズシステム86はオペレータがGUIシステムのウインドウを自由に作成(カスタマイズ)することができるように構成されている。
カスタマイズシステム86は、複数の機能(温度や圧力およびガス流量等)毎に所定の子ウインドウを少なくとも記憶する記憶部87と、GUIシステムの操作画面(以下、ウインドウという場合がある。)における指定された位置に、記憶部87の複数のウインドウのうち選択された子ウインドウを表示することにより、カスタマイズしたウインドウとして保存するカスタマイズ部88とを備えており、後述するプロセスフローを実行するように構成されている。
ここで、子ウインドウとは、ウインドウ内に表示されている画面で、特に、機能毎に表示されている画面のこと、である。
【0020】
以下、前記構成に係る連続処理装置が使用されたICの製造方法における成膜工程のシーケンスのフローを説明する。
【0021】
これから成膜すべきウエハWは25枚がポッドPに収納された状態で、成膜工程を実施する連続処理装置へ工程内搬送装置によって搬送されて来る。
図1および図2に示されているように、搬送されて来たポッドPは第一予備室20におけるポッドオープナ50の載置台51の上に工程内搬送装置から受け渡されて載置される。ポッドPのキャップがキャップ着脱機構52によって取り外され、ポッドPのウエハ出し入れ口が開放される。
【0022】
ポッドPがポッドオープナ50によって開放されると、正圧移載室40に設置された正圧移載装置42はウエハ搬入搬出口47を通してポッドPからウエハWを1枚ずつピックアップし、第一予備室20に搬入搬出口26、27を通して搬入(ウエハローディング)し、ウエハWを第一予備室用仮置き台25に移載して行く。
この移載作業中には、負圧移載室10側の搬入搬出口22、23はゲートバルブ24によって閉じられており、負圧移載室10の負圧は維持されている。
【0023】
ポッドP内のウエハWの第一予備室用仮置き台25への移載が完了すると、正圧移載室40側の搬入搬出口26、27がゲートバルブ28によって閉じられ、第一予備室20が排気装置(図示せず)によって負圧に排気される。
第一予備室20が予め設定された圧力値に減圧されると、負圧移載室10側の搬入搬出口22、23がゲートバルブ24によって開かれる。
【0024】
次に、負圧移載室10の負圧移載装置12は搬入搬出口22、23を通して第一予備室用仮置き台25から処理前のウエハWを1枚ずつピックアップして負圧移載室10に搬入する。
例えば、負圧移載装置12は処理前のウエハWを第一CVDモジュール61のウエハ搬入搬出口65に搬送して、ウエハ搬入搬出口65から第一CVDモジュール61である枚葉式CVD装置の処理室へ搬入(ウエハローディング)する。
【0025】
第一CVDモジュール61において所定の成膜処理が終了すると、成膜処理後(成膜済)のウエハWは第一CVDモジュール61から負圧移載装置12によってピックアップされて、負圧に維持されている負圧移載室10に第一CVDモジュール61のウエハ搬入搬出口65から搬出(ウエハアンローディング)される。
【0026】
成膜処理後のウエハWを第一CVDモジュール61から負圧移載室10に搬出すると、負圧移載装置12は成膜処理後のウエハWを第一クーリングモジュール63の冷却室へウエハ搬入搬出口67およびゲート67Aを通して搬入するとともに、冷却室のウエハ載置台に移載する。
ウエハWは第一クーリングモジュール63において冷却処理される。
【0027】
第一クーリングモジュール63において予め設定された冷却時間が経過すると、冷却処理後のウエハWは負圧移載装置12によって第一クーリングモジュール63からピックアップされて、負圧移載室10の搬入搬出口23へ搬送され、第一予備室20に搬入搬出口23を通して搬出されて第一予備室用仮置き台25に移載される。
【0028】
第一予備室20のロードロックが解除された後に、正圧移載室40の第一予備室20に対応したウエハ搬入搬出口47がポッドオープナ50によって開かれるとともに、載置台51に載置された空のポッドPのキャップがポッドオープナ50によって開かれる。
続いて、正圧移載室40の正圧移載装置42は第一予備室用仮置き台25からウエハWを搬入搬出口27を通してピックアップして正圧移載室40に搬出し、正圧移載室40のウエハ搬入搬出口47を通してポッドPに収納(チャージング)して行く。
【0029】
処理済の25枚のウエハWのポッドPへの収納が完了すると、ポッドPのキャップがポッドオープナ50のキャップ着脱機構52によってウエハ出し入れ口に装着され、ポッドPが閉じられる。
閉じられたポッドPは載置台51の上から次の工程へ工程内搬送装置によって搬送されて行く。
以上の作動が繰り返されることにより、ウエハが1枚ずつ順次に処理されて行く。
【0030】
以上の成膜工程のシーケンスの実施に際して、実施状況の監視等に供するために、メインコントローラ71は表示装置82のモニタ(表示部)に、例えば、図4に示されているようなウインドウ90を表示する。
図4に示されたウインドウ90は、常に同一の表示内容が表示される第一表示部としてのタイトルパネル91およびナビパネル92と、切替ボタンによって表示内容が切り替わる第二表示部としてのセンタパネル93と、を備えている。
本実施の形態においては、センタパネル93のレイアウトや表示内容のフォーマットを、連続処理装置を運転するオペレータの異なる目的に対応したものとすることができるようにしている。
ちなみに、オペレータの異なる目的の具体例としては、次のものがある。
1) 生産部門のオペレータの場合は、製品を生産する目的。
2) 生産技術部門のオペレータの場合は、製品の品質を守る目的。製品に不具合が有った時に、原因を究明するために各種のロギングデータを収集する。
3) 試験部門のオペレータの場合は、連続処理装置の性能を調査する目的。例えば、メンテナンス作業として、処理室内温度の均一性を測定するために、温度計を設置して温度測定したり、処理室内のパーティクルを測定したりする。
【0031】
以下、生産部門のオペレータ(以下、オペレータと略称する場合がある。)が第一ユーザ画面を新規に作成(カスタマイズ)する場合を例にして、カスタマイズシステム86のプログラムフローを図5に即して説明する。
なお、カスタマイズシステム86を実行する前提として、安全性を期すために、メインコントローラ71の成膜工程のシーケンスフローを実行するシステムがダウンされる。
【0032】
カスタマイズシステム86が起動すると、図5に示された第一ステップA1(以下、各ステップについて同様に表記する。)において、図6に示されたカスタマイズモード移行画面94がメインコントローラ71の表示装置82のウインドウにGUIシステム85を介して表示される。
ちなみに、ユーザ画面カスタマイズモードに移行した後は、タイトルパネル91内の見易い場所に「ユーザ画面カスタマイズ中」の注記が表示される。
【0033】
カスタマイズモード移行画面94において、オペレータがユーザ画面カスタマイズ開始釦を押下する(A2)と、ユーザ画面追加数設定ダイヤログ95が表示される(A3)ので、オペレータは追加画面数を設定する(A4)。
次いで、追加釦を押下する(A5)か、または、変更釦を押下する(A6)。
【0034】
カスタマイズモード移行画面94において、オペレータがユーザ画面削除釦を押下する(A7)と、ユーザ画面削除ダイヤログ96が表示される(A8)ので、オペレータは削除したいユーザ画面の番号を設定する(A9)。
次いで、削除釦が押下される(A10)と、カスタマイズ部88は設定された番号のユーザ画面を削除する(A11)。
所望のユーザ画面の削除が終了すると、カスタマイズモード移行画面表示ステップA1に戻る。
また、追加釦押下ステップA5や変更釦押下ステップA6やユーザ画面削除釦押下ステップA7および削除釦押下ステップA10において、押下されない場合にも、カスタマイズモード移行画面表示ステップA1に戻る。
【0035】
翻って、追加釦が押下される(A5)か変更釦が押下される(A6)と、図7に示されたユーザ画面カスタマイズモード初期画面97がウインドウに表示される(A12)。
ユーザ画面カスタマイズモード初期画面97には第一ユーザ画面(ユーザ画面1)が表示されるが、第一ユーザ画面が新規作成の場合(新規作成画面の場合)には切り替え釦98のみ表示され、子ウインドウは何も表示されない。
【0036】
オペレータがユーザ画面カスタマイズモード初期画面97の切り替え釦群98のうち、例えば、第一プロセスモジュール(PM1)釦を押下する(A13)と、ウインドウの表示が図8に示された子ウインドウ選択画面99に切り替わるので、オペレータは貼り付けたい子ウインドウ99aをクリックする(A14)。
この子ウインドウ選択画面99は見た目には図4と同じであり、カスタマイズシステム86の記憶部87またはメインコントローラ71の記憶装置83に予め記憶されている画面が使用される。
子ウインドウはウインドウ90のセンタパネル93に表示される複数のアイコンを意味し、各子ウインドウには互いに異なる機能がそれぞれ付与されている。
【0037】
子ウインドウ選択画面99において、オペレータが子ウインドウを押下する(A14)と、表示先ユーザ画面指定ダイヤログ100が表示される(A15)ので、オペレータは表示先のユーザ画面の番号を指定する(A16)。
次いで、OK釦が押下される(A17)と、カスタマイズ部88は指定された番号のユーザ画面に選択された子ウインドウ99aを、図9に示された編集後のユーザ画面101のように表示する(A18)。
なお、図5では省略しているが、編集後のユーザ画面101においては、子ウインドウ99aをクリック(タッチパネルの場合にはタッチ)すると、例えば、図9に示されているように、ポップアップウインドウ102が表示されるので、同一の編集後のユーザ画面101内で子ウインドウ99aを移動または削除することができる。
また、編集後のユーザ画面101内の子ウインドウ99aの大きさは自動的に調整することができるし、表示しきれない場合には、スクロールバー機能や縮小拡大表示機能によって対応することができる。
【0038】
OK釦押下ステップA17においてOK釦が押下されない場合には、フローはユーザ画面カスタマイズモード初期画面表示ステップA12に戻る。
また、画面切替釦押下ステップA13において画面切替釦が押下されない場合には、フローはカスタマイズモード移行画面表示ステップA1に戻る。
【0039】
第一ユーザ画面において、登録釦が押下される(A19)と、カスタマイズ部88は作成後のユーザ画面101を第一ユーザ画面としてユーザ登録と関連づけて、カスタマイズ部88内の保存部に保存する。
なお、第一ユーザ画面の保存は、センタパネル93での指定位置の座標(Xn,Yn)と、選択した子ウインドウ毎に予め付されたIDとによって実行することができる。
【0040】
以上のようにしてカスタマイズした第一ユーザ画面が、生産部門のオペレータが連続処理装置を運用する際に実行される時のプロセスフローを図10によって説明する。
【0041】
まず、前述した成膜工程のシーケンスを実施すべく、図10に示されているように、制御システム70がパワーオンリセットされると、パワーオンリセット信号がメインコントローラ71に入力される(図示せず)。これにより、メインコントローラ71のプログラムはプログラム0番地からプロセスフローを開始する。
【0042】
続いて、ログインステップB1において、生産部門のオペレータが、自分のユーザIDを表示装置82のウインドウに入力することにより、ログインする。
【0043】
生産部門のオペレータがユーザIDを入力してログインすると、カスタマイズシステム86は生産部門のオペレータが予めカスタマイズした前述の第一ユーザ画面(図9参照)をカスタマイズ部88内の保存部から自動的に読み出して、メインコントローラ71の表示装置82のウインドウに表示する(B2)。
【0044】
その後は、前述した成膜工程のシーケンスのプロセスフローが順次実施されて行く。
この際には、生産部門のオペレータはウインドウに表示されている自分専用の第一ユーザ画面を監視しつつ連続処理装置を制御し、製品を生産して行くことになる。
【0045】
なお、カスタマイズフォーマット表示ステップB2のプロセスフローを例示すると、図11のようになる。
カスタマイズシステム86はカスタマイズされた第一ユーザ画面のパラメータをカスタマイズ部88の保存部から読み込む(C1)。
続いて、カスタマイズシステム86は、ウインドウ90のセンタパネル93における座標(Xn,Yn)の位置に、例えばIDが「101」の子ウインドウ99aを表示する(C2)。
次に、カスタマイズシステム86は次の子ウインドウ99aが有るかを判断する(C3)。
次の子ウインドウ99aが有る場合には、カスタマイズシステム86はステップC1に戻り、保存部に次の子ウインドウ99aを読み込む。
次の子ウインドウ99aが無い場合には、カスタマイズシステム86はステップC4に進み、カスタマイズされた第一ユーザ画面をウインドウ90に表示する。
カスタマイズされた第一ユーザ画面を生産部門のオペレータ自身によって確認されると、カスタマイズ表示プロセスフローは終了する。
【0046】
前記実施の形態によれば、次の効果が得られる。
【0047】
1) メインコントローラにおける操作画面のフォーマットをオペレータ自身が自由にフォーマティング(カスタマイズ)することができるので、多種多様のフォーマットを予めプログラミングせずに済み、連続処理装置のイニシャルコストを低減することができる。
【0048】
2) メインコントローラにおける操作画面のフォーマットを連続処理装置をこれから運転しようとするオペレータの異なる目的に対応したものとすることにより、オペレータが連続処理装置を所望通りに運用し易くさせることができるので、連続処理装置の全体としてのスループットを向上させることができるとともに、誤操作を防止することができる。
【0049】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0050】
前記実施の形態ではCVD装置について説明したが、酸化装置や拡散装置、アニール装置および熱処理装置等の基板処理装置全般に適用することができる。
【0051】
また、ウエハを処理する場合について説明したが、液晶パネルや磁気ディスク、光ディスク等の基板全般について適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態であるマルチチャンバ型連続処理装置を示す平面断面図である。
【図2】その側面断面図である。
【図3】その制御システムを示すブロック図である。
【図4】メインコントローラのモニタのウインドウを示す模式図である。
【図5】カスタマイズシステムのプログラムフローチャートである。
【図6】カスタマイズモード移行画面を示す模式図である。
【図7】ユーザ画面カスタマイズモード初期画面を示す模式図である。
【図8】子ウインドウ選択画面を示す模式図である。
【図9】編集後のユーザ画面を示す模式図である。
【図10】カスタマイズしたオペレータ自身による連続処理装置の運用時のプロセスフローチャートである。
【図11】カスタマイズフォーマット表示のプロセスフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
W…ウエハ(基板)、P…ポッド(基板キャリア)、10…負圧移載室(搬送室)、11…負圧移載室筐体、12…負圧移載装置(搬送装置)、13…エレベータ、14…上側アーム(保持部)、15…下側アーム(保持部)、16、17…エンドエフェクタ、20…第一予備室、21…第一予備室筐体、22、23…搬入搬出口、24…ゲートバルブ、25…第一予備室用仮置き台、26、27…搬入搬出口、28…ゲートバルブ、30…第二予備室、31…第二予備室筐体、32、33…搬入搬出口、34…ゲートバルブ、35…第二予備室用仮置き台、36、37…搬入搬出口、38…ゲートバルブ、40…正圧移載室(ウエハ移載室)、41…正圧移載室筐体、42…正圧移載装置(ウエハ移載装置)、43…エレベータ、44…リニアアクチュエータ、45…ノッチ合わせ装置、46…クリーンユニット、47、48、49…ウエハ搬入搬出口、50…ポッドオープナ、51…載置台、52…キャップ着脱機構、61…第一CVDモジュール(第一処理モジュール)、62…第二CVDモジュール(第二処理モジュール)、63…第一クーリングモジュール(第三処理モジュール)、64…第二クーリングモジュール(第四処理モジュール)、65、66、67、68…ウエハ搬入搬出口、70…制御システム(制御装置)、71…メインコントローラ、72…LANシステム、73〜78…サブコントローラ、81…入力装置、82…表示装置、83…記憶装置、84…ホストコンピュータ、85…GUIシステム、86…カスタマイズシステム、87…記憶部、88…カスタマイズ部、90…操作画面(ウインドウ)、91…タイトルパネル、92…ナビパネル、93…センタパネル、94…カスタマイズモード移行画面、95…ユーザ画面追加数設定ダイヤログ、96…ユーザ画面削除ダイヤログ、97…ユーザ画面カスタマイズモード初期画面、98…切り替え釦群、99…子ウインドウ選択画面、100…表示先ユーザ画面指定ダイヤログ、101…編集後のユーザ画面、102…ポップアップウインドウ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力手段で構成される入力装置と、操作画面で構成される表示装置と、前記入力手段からの指示入力を制御して前記操作画面の切り替えを行う画面制御部とが搭載されたコントローラを備えている基板処理装置であって、
前記コントローラは、操作画面を新規に作成するためのカスタマイズシステムと、
複数の機能毎に所定の子ウインドウをそれぞれ記憶する記憶部と、
カスタマイズ化した操作画面が保存されるカスタマイズ部とを有し、
前記カスタマイズシステムが起動されると、カスタマイズ移行画面を表示し、前記カスタマイズシステムは、前記カスタマイズ移行画面上で新規に作成する予定の操作画面である新規作成画面の数が設定されると、切り替え釦のみ表示されている初期画面を表示し、この切り替え釦が押下されると、画面を切り替え、切り替えられた画面で表示される子ウインドウを選択し、この選択された子ウインドウを前記初期画面に貼り付けて表示し、前記カスタマイズ部に前記新規作成画面として前記初期画面を保存する
ことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−257476(P2007−257476A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83060(P2006−83060)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】