説明

塗布具

【課題】容易に、ノズル本体の軸線に対するノズルヘッドの軸線の傾斜角度を調整することができ、目標部位に液体を塗布することができる塗布具を提供すること。
【解決手段】塗布具1は、第1のシリンジ2と第2のシリンジ3とを装填して用いられ、塗布具本体7と、操作部8と、開閉手段9と、ボンベ300に接続されたチューブ10と、シース11と、操作部12と、長尺状のノズル本体43、ノズル支持部41およびノズルヘッド42を有するノズル4とを備えている。ノズル本体43は、先端部に、湾曲または屈曲しており、可撓性を有する湾曲部431を有している。操作部12を操作してシース11を移動させることにより、シース11の先端からの湾曲部431の突出長を調整してその湾曲部431の形状を変更し、ノズル本体43の軸線433に対するノズルヘッド42の軸線426の傾斜角度θを調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体を患部等に噴射する塗布具が知られている。例えば、2種以上の液体を混合して患部等に噴射し、癒着防止材や生体組織接着材等を形成する方法が知られており、そのための塗布具が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような塗布具では、ノズルの先端部の角度を調整して、液体の噴射方向を変更する操作が行われる。
【0004】
従来の塗布具は、前記ノズルの角度調整のために、そのノズルの先端部に、焼きなました金属製のロッドを内蔵した柔軟なチューブを有しており、鉗止等を用いて、ノズルの角度調整を行っている。
【0005】
しかしながら、前記従来の塗布具では、ノズルの角度調整の際は、操作者(使用者)は、一方の手で塗布具を把持し、他方の手で鉗止を操作する必要があり、両手が塞がってしまうという欠点がある。そして、特に、腹腔鏡下での限られた空間でのノズルの角度調整は、困難である。
【0006】
【特許文献1】特開2002−282368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、容易に、ノズル本体の軸線に対するノズルヘッドの軸線の傾斜角度を調整することができ、目標部位に液体を塗布することができる塗布具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1) 液体を供給する供給手段と、
湾曲または屈曲しており、可撓性を有する湾曲部を先端側に有する長尺状のノズル本体と、前記ノズル本体の先端に設けられたノズルヘッドとを有し、前記ノズルヘッドの軸線が、前記ノズル本体の軸線に対して傾斜しているノズルとを備え、
前記供給手段により液体を前記ノズルへ送り、前記ノズルヘッドから吐出して塗布する塗布具であって、
前記ノズル本体の長手方向に沿って移動可能に設けられ、前記湾曲部の形状を規制する形状規制部材と、
前記形状規制部材を前記ノズル本体の長手方向に沿って移動操作する操作部とを備え、
前記操作部を操作して前記形状規制部材を移動させることにより、前記湾曲部の形状を変更し、前記ノズル本体の軸線に対する前記ノズルヘッドの軸線の傾斜角度を調整するよう構成されていることを特徴とする塗布具。
【0009】
(2) 前記形状規制部材は、前記ノズル本体の少なくとも前記湾曲部が挿入される管体を有し、
前記操作部を操作して前記管体を移動させることにより、前記管体の先端からの前記湾曲部の突出長を調整して前記湾曲部の形状を変更し、前記ノズル本体の軸線に対する前記ノズルヘッドの軸線の傾斜角度を調整するよう構成されている上記(1)に記載の塗布具。
【0010】
(3) 前記ノズルヘッドの最大外径は、前記管体の先端部の内径よりも大きい上記(2)に記載の塗布具。
【0011】
(4) 前記ノズルヘッドの最大外径は、前記管体の先端部の内径以下であり、
前記管体は、その内部に前記ノズルヘッドを収納し得るよう構成されている上記(2)に記載の塗布具。
【0012】
(5) 前記形状規制部材は、前記湾曲部が前記形状規制部材により矯正されて直線状となる第1の位置と、前記湾曲部が前記形状規制部材により規制されることなく湾曲または屈曲した状態となる第2の位置との間で移動し得るよう構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の塗布具。
【0013】
(6) 前記形状規制部材を前記第1の位置に位置決めする第1の位置決め手段と、前記第2の位置に位置決めする第2の位置決め手段とを有する上記(5)に記載の塗布具。
【0014】
(7) 前記操作部は、前記形状規制部材を移動させるために指を当てて操作する指当部と、
前記形状規制部材と前記指当部とを接続する接続部とを有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の塗布具。
【0015】
(8) 前記供給手段を操作する方の手で、前記操作部を操作し得るよう構成されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の塗布具。
【0016】
(9) 前記形状規制部材を先端方向または基端方向に付勢する付勢手段を有する上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の塗布具。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、容易に、ノズル本体の軸線に対するノズルヘッドの軸線の傾斜角度を調整することができ、これにより、容易に、目標部位に液体を塗布することができる。特に、操作者は、片方(一方)の手で、前記傾斜角度を調整する操作と、液体を吐出(噴出)する操作とを行うことができ、従来のように両手が塞がってしまうことがなく、これにより、他方の手で、他の作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の塗布具を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の塗布具の第1実施形態を示す斜視図、図2は、本発明の塗布具の第1実施形態を示す部分斜視図、図3および図4は、それぞれ、図1に示す塗布具における開閉手段のA−A線断面図(図3はガス流路が遮断された状態を示し、図4はガス流路が開放された状態を示す)、図5〜図9は、それぞれ、図1に示す塗布具のノズルおよびシリンジの概略部分縦断面図(塗布状態の経時的変化を示す図)である。図10および図11は、それぞれ、図1に示す塗布具の概略図であって、図10(a)および図11(a)は、それぞれ、概略部分縦断面図、図10(b)および図11(b)は、それぞれ、ノズルヘッドの正面図である。図15は、図1に示す塗布具に装填される第1のシリンジ(第2のシリンジも同様)の部分縦断面図である。なお、説明の都合上、図1、図2、図5〜図9、図10(a)および図11(a)中の左側を「先端」、右側を「後端(基端)」といい、図15中の下側を「先端」、上側を「後端」という。また、図1〜図4、図10および図11中の上側を「上」、下側を「下」という。
【0019】
これらの図に示す塗布具1は、液組成が異なる2種の液体(第1の液体L1、第2の液体L2)を混合しながら塗布するものである(図7参照)。図1および図2に示すように、この塗布具1は、第1の液体L1を収納する第1のシリンジ(供給手段)2と、第2の液体L2を収納する第2のシリンジ(供給手段)3とをそれぞれ装填して用いられる。
【0020】
まず、塗布具1の構成について説明する前に、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3の構成について説明する。第1のシリンジ2と第2のシリンジ3とは、ほぼ同様の構成であるため、代表的に第1のシリンジ2について説明する。
【0021】
図15に示すように、本実施形態における第1のシリンジ2は、外筒(シリンジ外筒)21と、外筒21内で摺動し得るガスケット24と、ガスケット24を外筒21の長手方向(軸方向)に沿って移動操作する押し子(プランジャロッド)26とを備えている。ガスケット24は、押し子26の先端に連結されている。
【0022】
外筒21は、有底筒状の部材で構成され、先端側底部の中央部には、外筒21の胴部に対し縮径した縮径部(口部)22が一体的に突出形成されている。
【0023】
外筒21の後端外周には、フランジ23が一体的に形成されている。
また、外筒21の外周面には、液量を示す目盛りが付されている。
【0024】
外筒21の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂が挙げられるが、その中でも、成形が容易であり、かつ水蒸気透過性が低い点で、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステルのような樹脂が好ましい。なお、外筒21の構成材料は、内部の視認性を確保するために、実質的に透明であるのが好ましい。
【0025】
このような外筒21内には、弾性材料で構成されたガスケット24が収納されて(挿入されて)いる。ガスケット24の外周部には、複数(2つ)のリング状の突部が全周にわたって形成されており、これらの突部が外筒21の内周面に密着しつつ摺動することで、液密性をより確実に保持するとともに、摺動性の向上が図れる。
【0026】
また、ガスケット24には、その後端面に開放する中空部25が形成されている。この中空部25は、後述する押し子26のヘッド部28が螺入(嵌入)される。中空部25の内面には、雌ネジが形成されている。
【0027】
ガスケット24の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、あるいはそれらの混合物等の弾性材料が挙げられる。
【0028】
押し子26は、横断面が十文字状をなす棒状の本体部27を有している。
本体部27の先端側には、ガスケット24の中空部25内に挿入され、ガスケット24と連結されるヘッド部(連結部)28が形成されている。ヘッド部28の外周には、中空部25の内面の雌ネジと螺合し得る雄ネジが形成されている。この雄ネジを雌ネジと螺合することにより、ガスケット24と押し子26とが連結される。なお、ガスケット24と押し子26は、螺合による連結に限らず、例えば凹凸嵌合等により連結された構成、接着、融着等により固着された構成、一体成形された構成であってもよい。
【0029】
また、本体部27の後端側には、円盤状のフランジ29が形成されている。
また、押し子26の構成材料としては、前述した外筒21の構成材料として例示したものと同様のものを用いることができる。
【0030】
第1のシリンジ2は、塗布具1に装填される以前に、外筒21とガスケット24とで囲まれた空間(貯液空間)20に、第1の液体L1が充填される。
【0031】
第2のシリンジ3も、第1のシリンジ2と同様に、外筒21と、外筒21内で摺動し得るガスケット24と、ガスケット24を移動操作する押し子26とで構成され、空間20に第2の液体L2が充填される。各部の構成は同様であるため、その説明は省略する。
【0032】
第1のシリンジ2に充填される第1の液体L1と、第2のシリンジ3に充填される第2の液体L2とは、それらの組成(成分)が異なるものである。
【0033】
本発明においては、第1の液体L1と第2の液体L2とは、塗布具1の用途、使用目的、症例等に応じて適宜選定される。例えば、生体組織接着材の投与に使用する場合、第1の液体L1および第2の液体L2のうちの一方は、トロンビンを含有する液体(溶液等)、他方はフィブリノーゲンを含有する液体(溶液等)とすることができる。
【0034】
また、癒着防止材の投与に使用する場合、第1の液体L1および第2の液体L2のうちの一方は、スクシンイミジル基で修飾したカルボキシメチルデキストリンを含有する液体(溶液等)、他方は、リン酸水素二ナトリウムを含有する液体(溶液等)とすることができる。
【0035】
このような組み合わせの第1の液体L1および第2の液体L2は、それらを混合すると、変質、すなわち、ゲル化(固化)する。ゲル化することにより、例えば、第1の液体L1と第2の液体L2とが混合したもの(以下、「混合物」という)が、塗布された生体組織(目的部位)に確実に留まることができる。また、混合物が目的部位に確実に留まるため、当該目的部位において、生体組織接着材や癒着防止材としての機能を確実に発揮することができる。
【0036】
なお、第1の液体L1および第2の液体L2の種類および組み合わせは、上述したものに限定されないことは、言うまでもない。
【0037】
このような構成の第1のシリンジ2および第2のシリンジ3の各押し子26をそれぞれ押圧操作することより、後述するノズル4の第1の流路44に第1の液体L1を、第2の流路45に第2の液体L2を容易かつ確実に供給する(送る)ことができる。また、各押し子26の押圧操作は、塗布具1の操作者(使用者)により手動で行なわれる。このため、操作者は、混合物の塗布を自身の任意のタイミングで行なうことができる。
【0038】
第1の液体L1が充填された第1のシリンジ2と、第2の液体L2が充填された第2のシリンジ3とが装填される塗布具1は、塗布具本体7と、ノズル4と、操作部8と、開閉手段(弁機構)9と、ボンベ(ガス供給手段)300に接続されたチューブ(ガス流路)10と、シース(形状規制部材)11と、操作部12とを有している(図1参照)。
【0039】
塗布具1を構成する各部について説明する前に、ボンベ300について説明する。
ボンベ300は、その内部空間に高圧の(圧縮された)無菌ガスG(以下、単に「ガスG」と言う)が充填されており、当該ガスGを塗布具1(ノズル4)に供給する(送る)ことができる。このボンベ300には、塗布具1に対するガスGの供給/供給停止を制御する開閉自在なバルブ(コック)301が設置されている。塗布具1を使用するときには、バルブ301を開状態にする。
【0040】
図1および図2に示すように、塗布具本体7は、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3を並べて(並列に)固定するものである。この塗布具本体7は、基部71と、基部71の先端に設けられた前板(第1の係合部)72と、基部71の後端に設けられた後板(第2の係合部)73と、基部71の後板73付近に設けられた指掛け部751および752とを有している。
【0041】
基部71は、その上部に、横断面がほぼ半円弧状をなす凹部711および712が並列に設けられている。凹部711には、第1のシリンジ2の外筒21が収納され、凹部712には、第2のシリンジ3の外筒21が収納される。
【0042】
基部71の先端には、前板72が設けられている。この前板72には、凹部711および712のそれぞれに対応する位置に、溝721および722が形成されている。第1のシリンジ2および第2のシリンジ3を装填するとき、溝721には、第1のシリンジ2の縮径部22が挿入され、溝722には、第2のシリンジ3の縮径部22が挿入される。
【0043】
基部71の後端には、後板73が設けられている。この後板73には、凹部711および712のそれぞれに対応する位置に、凹部731および732が形成されている。第1のシリンジ2および第2のシリンジ3を装填するとき、凹部731には、第1のシリンジ2のフランジ23(基端部)が係合し(挿入され)、凹部732には、第2のシリンジ3のフランジ23(基端部)が係合する。
【0044】
このように、塗布具本体7では、前板72に各縮径部22が係合するとともに、後板73に各フランジ23が係合することにより、第1のシリンジ2と第2のシリンジ3とを確実に並列に固定することができる。
【0045】
基部71の後板73付近には、指掛け部751および752が設けられている。指掛け部751および752には、それぞれ、塗布具1を使用するときに使用者の指を掛けることができる。指掛け部751は、上方に突出した板片で構成され、指掛け部752は、下方に突出した板片で構成されている。また、各指掛け部751および752は、それぞれ、先端方向に臨む面が円弧状(湾曲凹状)をなすものである。
【0046】
塗布具本体7は、当該塗布具本体7を構成する各部が一体的に形成されたものであってもよいし、各部がそれぞれ別体で構成されこれらを接合したものであってもよい。
【0047】
塗布具本体7の構成材料としては、特に限定されず、例えば、各種金属材料や各種プラスチック等を単独または組み合わせて用いることができる。このような材料を用いた場合、例えば金型成形により塗布具本体7を容易に製造することができる。
【0048】
塗布具本体7の後端側には、操作部8が塗布具本体7に対してその長手方向に移動可能に設置されている。この操作部8は、第1のシリンジ2の押し子26と第2のシリンジ3の押し子26とを先端方向(図1、図2および図4中の矢印C方向)へ押圧操作する部位である。操作部8は、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3の押し子26のフランジ29同士を連結する連結部81と、連結部81の後端側に位置する押圧部82と、連結部81から先端方向に向かって延在するレール部83とを有している。
【0049】
連結部81には、上方へ向かって開放する凹部811および812がそれぞれ設けられている。凹部811は、第1のシリンジ2の押し子26のフランジ29に対応した形状をなしており、当該フランジ29が係合する(図2参照)。また、凹部812は、第2のシリンジ3の押し子26のフランジ29に対応した形状をなしており、当該フランジ29が係合する(図2参照)。
【0050】
このような構成の連結部81により、第1のシリンジ2および第2のシリンジ3の押し子26のフランジ29同士を確実に連結、固定することができ、よって、これらの押し子26を一括して矢印C方向に移動させることができる。
【0051】
また、連結部81には、凹部811と凹部812との間に、筒状をなす筒状部813が設けられている。この筒状部813は、その軸線が図1中(図2も同様)上下方向と平行となるように設けられている。また、筒状部813には、開閉手段9のほとんどが収納されている。
【0052】
連結部81の筒状部813の外周部には、長尺状をなすレール部83が先端方向に向かって突出形成されている。このレール部83は、塗布具本体7の基部71に設けられ、長尺状をなすガイド713に挿入される。操作部8の矢印C方向への押圧操作によりレール部83がガイド713に案内されることとなり、よって、前記押圧操作を円滑に行うことができる。
【0053】
連結部81の筒状部813の後端側には、板状をなす押圧部82が筒状部813に対して塗布具本体7の長手方向に移動可能に設置されている。
【0054】
この押圧部82は、塗布具1を使用する、すなわち、混合物を患部等の目標部位に塗布するとき、使用者によって押圧される部位である。塗布具1を使用するとき、例えば指掛け部751に人差し指を掛け、指掛け部752に中指を掛け、押圧部82に親指を掛けることができる。これにより、塗布具1を安定して確実に把持することができる。また、操作部8(押圧部82)の押圧操作を円滑かつ確実に行うことができ、よって、塗布具1の操作性が向上する。
また、押圧部82は、後述する開閉手段9の第2の接続部92に連結されている。
【0055】
操作部8の構成材料としては、特に限定されず、例えば、塗布具本体7についての説明で挙げたような材料を用いることができる。このような材料を用いた場合、例えば金型成形により操作部8を容易に製造することができる。
【0056】
前述したように、操作部8の筒状部813には、開閉手段9が設置されている。開閉手段9は、ボンベ300からノズル4に至るガスGの流れを遮断/開放するものである。この開閉手段9を介して、すなわち、開閉手段9の作動により、第1のチューブ101と第2のチューブ102とが遮断(図3参照)/連通(図4参照)する。
【0057】
図3および図4に示すように、開閉手段9は、第1のチューブ101に接続された第1の接続部91と、第2のチューブ102に接続された第2の接続部92と、第1の接続部91内に収納され、開閉自在な弁部93とを有している。
【0058】
第1の接続部91は、管状をなすものである。この第1の接続部91の内腔部には、下流側に位置し、弁部93が収納される収納部912が設けられている。また、第1の接続部91の内腔部には、収納部912の上流側の内径より縮径した縮径部913が設けられており、当該縮径部913と収納部912との境界に内径が急峻に変化した段差部911が形成されている。
【0059】
第2の接続部92は、管状をなすものである。前述したように、第2の接続部92は、操作部8の押圧部82に連結されている。第2の接続部92は、下端部921が弁部93のシール部材94に支持されており、当該シール部材94を介して第1の接続部91の下流側に設置されている。この第2の接続部92は、第1の接続部91に対して、軸線同士が一致する第1の姿勢(図3に示す状態)と、下端部921を支点として軸線が押圧部82(操作部8)の矢印C方向(操作方向)に傾倒する第2の姿勢(図4に示す状態)とに変位可能に設置されている。
【0060】
弁部93は、弾性材料で構成されたシール部材94と、シール部材94より上流側に位置するフランジ部95と、フランジ部95をシール部材94側に付勢する付勢部96とを有している。
【0061】
シール部材94は、その形状がリンク状をなすものである。このシール部材94は、その内周部941が第2の接続部92の下端部921の外周部922に密着している。また、シール部材94の外周部942は、第1の接続部91の収納部912の内周部914に密着している。このようなシール部材94により、当該シール部材94を介して、第1の接続部91と第2の接続部92とが気密に連結される。
【0062】
フランジ部95は、その外径が第2の接続部92の外径より拡径したものである。このフランジ部95は、第2の接続部92の下端面に、間隙97を介して、対向配置されている。
【0063】
付勢部96は、本実施形態では圧縮コイルバネで構成されたものであり、それが圧縮された状態で、上端部961がフランジ部95に当接し、下端部962が第1の接続部91の段差部911に当接している。これにより、フランジ部95を確実にシール部材94側に付勢することができる。
【0064】
このような構成の弁部93では、フランジ部95は、第2の接続部92が第1の姿勢のとき、すなわち、第2の接続部92に外力が付与されていないとき、付勢部96に付勢されてシール部材94に気密に密着する(図3参照)。これにより、弁部93は閉状態となる。
【0065】
また、操作部8の押圧部82による矢印C方向へ押圧力が第2の接続部92に作用すると、当該第2の接続部92は、第1の姿勢から第2の姿勢へ変位する。このとき、フランジ部95は、付勢部96の付勢力に抗して変位することなり、これにより、フランジ部95の周縁部951の一部(または全部)がシール部材94から離間して、当該シール部材94との間に間隙98が生じる(図4参照)。これにより、ガスGは間隙98を介して第1の接続部91から第2の接続部92に流れ込む、すなわち、弁部93は開状態となる。
【0066】
以上のような構成の開閉手段9では、操作部8による押圧操作に連動して、弁部93が確実に開/閉することができる(供給手段の操作に連動して、ガス供給手段によりガスが供給される)。これにより、弁部93が閉状態のとき、ボンベ300からノズル4に至るガスGの流れを確実に遮断することができ、弁部93が開状態のとき、当該ガスGの流れを確実に開放することができる。
【0067】
なお、第1の接続部91、第2の接続部92、フランジ部95および付勢部96の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、各種金属材料や各種プラスチック等を単独または組み合わせて用いることができる。
【0068】
また、シール部材94の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料を用いることができる。
【0069】
塗布具本体7の前板72には、ノズル4が設置されている。このノズル4は、チューブ10を通過したガスG(気体)と、第1のシリンジ2の縮径部22を通過した第1の液体L1と、第2のシリンジ3の縮径部22を通過した第2の液体L2とを吐出(噴出)するものである。
【0070】
図1に示すように、ノズル4は、長尺状のノズル本体43と、ノズル本体43の基端部を支持するノズル支持部41と、ノズル本体43の先端に設けられたノズルヘッド42とを有している。
【0071】
ノズル支持部41は、例えば金属材料や樹脂材料で構成され、外形形状がブロック状をなすものである。このノズル支持部41は、先端および基端に開口する中空部を有している。また、ノズル支持部41の上壁部413には、その上壁部413の基端にも開放する開口414が形成されている。このようなノズル支持部41は、その基端開口部411が塗布具本体7の前板72に係合する。これにより、ノズル4が塗布具本体7に固定される。
【0072】
図5〜図9に示すように、ノズルヘッド42は、外形形状が円柱状をなすものである。このノズルヘッド42には、その内部に中空部425が形成されている。中空部425は、先端壁部424に開口する、隣接した一対の開口部を有している。各開口部は、それぞれ、ガスGを吐出する第3の吐出口(気体吐出口(ガス噴出口))423として機能する。
【0073】
また、ノズルヘッド42の最大外径は、後述するシース11の先端部の内径よりも大きい。これにより、ノズルヘッド42がシース11内に入り込んでしまうこと、すなわち、ノズルヘッド42の先端がシース11の先端よりも基端側に移動してしまうのを防止することができ、これによって、塗布し得る領域を広くすることができる。
【0074】
ノズルヘッド42の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、ノズル支持部41の構成材料と同一のものを用いることができる。
【0075】
図1に示すように、ノズル本体43は、長尺な管状体で構成され、ノズル支持部41の先端開口部412とノズルヘッド42の基端とを接続している。
【0076】
ノズル本体43は、先端部(先端側)に、湾曲または屈曲しており、可撓性(柔軟性)を有する湾曲部431を有している。湾曲部431は、本実施形態では、その先端が斜め下側を向くように、湾曲または屈曲している。この湾曲部431により、ノズルヘッド42の軸線426は、ノズル本体43の軸線(厳密には、ノズル本体43の湾曲部431より基端側の部分432の軸線)433に対して傾斜している。
【0077】
湾曲部431が後述するシース11により規制されることなく湾曲または屈曲した状態のときの、ノズル本体43の軸線433に対するノズルヘッド42の軸線426の傾斜角度θ(以下、「最大傾斜角度θMAX」と言う)は、30〜90°程度であるのが好ましく、45〜70°程度であるのがより好ましい。
【0078】
ノズル本体43の湾曲部431は、軟質材料、弾性材料等で構成されている。また、ノズル本体43の湾曲部431より基端側の部分432は、硬質材料で構成されているものでも、軟質材料、弾性材料等で構成され、可撓性を有するものでもよい。
【0079】
また、湾曲部431と、ノズル本体43の湾曲部431より基端側の部分432とは、別部材で構成され、接着、融着等により固着された構成でもよく、また、一体成形された構成であってもよい。
【0080】
ノズル本体43の構成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種の軟質または硬質樹脂、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、シリコーンゴムのような各種ゴム材料や、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、ステンレス鋼、アルミニウム、銅または銅系合金等の各種金属材料、各種ガラス、アルミナ、シリカ等の各種セラミックスが挙げられ、ノズル本体43の湾曲部431より基端側の部分432には、これらのうちのいずれも用いることができ、また、湾曲部431には、これらのうちの軟質材料や弾性材料を用いることができる。
【0081】
このノズル本体43の基端部は、ノズル支持部41に、接着、融着等により固着されている。
【0082】
また、ノズル本体43は、それを挿通する、後述の3本のチューブを保護する保護部材(被覆部材)としても機能する。
【0083】
ノズル支持部41およびノズル本体43には、3本のチューブが挿通している。これら3本のチューブには、第1の液体L1をノズルヘッド42側へ送る第1の流路(液体移送路)44を画成するものと、第2の液体L2をノズルヘッド42側へ送る第2の流路(液体移送路)45を画成するものと、ボンベ300からのガスGをノズルヘッド42側へ送る第3の流路(ガス流路)46を画成するものとがある。また、各チューブは、それぞれ、軟質の樹脂材料(弾性材料)で構成されている。この軟質の樹脂材料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリアミド、ポリエステル、シリコン等が挙げられ、これらの中でも、特にポリブタジエンを用いるのが好ましい。各チューブの構成材料にポリブタジエンを用いた場合、適度な可撓性、耐薬品性、および薬品の吸着防止性に優れる。
【0084】
このようなチューブで画成された第1の流路44、第2の流路45および第3の流路46の基端部は、それぞれ、第1のシリンジ2の縮径部22、第2のシリンジ3の縮径部22およびチューブ10の第2のチューブ102と液密(気密)に接続されている。
【0085】
また、第1の流路44は、ノズルヘッド42を挿通しており、その先端が先端壁部424に開口している。この先端壁部424に開口した開口部が第1の液体L1を吐出する第1の吐出口421として機能する。第1の吐出口421は、2つの第3の吐出口423のうちの一方(図5中下側)の第3の吐出口423と同心的に配置されている。第1の液体L1は、第1のシリンジ2の縮径部22、第1の流路44を順に経て、第1の吐出口421から吐出する(噴出する)。
【0086】
第2の流路45も第1の流路44と同様に、ノズルヘッド42を挿通しており、その先端が先端壁部424に開口している。この先端壁部424に開口した開口部が第2の液体L2を吐出する第2の吐出口422として機能する。第2の吐出口422は、2つの第3の吐出口423のうちの他方(図5中上側)の第3の吐出口423と同心的に配置されている。第2の液体L2は、第2のシリンジ3の縮径部22、第2の流路45を順に経て、第2の吐出口422から吐出する(噴出する)。
【0087】
図5(図6〜図9も同様)に示すように、第1の吐出口421と第2の吐出口422との大きさは、互いに同等となっている。また、これらの第1の吐出口421と第2の吐出口422の外周部にそれぞれ配置された2つの第3の吐出口423同士も、大きさが互いに同等となっている。
【0088】
第3の流路46は、その先端がノズルヘッド42の基端部に挿入され、中空部425に開口している。ガスGは、弁部93(開閉手段9)が開状態のとき、ボンベ300からチューブ10、第3の流路46、中空部425を順に経て、各第3の吐出口423からそれぞれ噴出する。
【0089】
なお、チューブ10は、開閉手段9を介して上流側(ボンベ300側)に位置する第1のチューブ101と、下流側(ノズル4側)に位置する第2のチューブ102とで構成されている。チューブ10(第1のチューブ101および第2のチューブ102)の構成材料としては、特に限定されないが、例えば、第1の流路44、第2の流路45および第3の流路46を画成するチューブと同様の材料を用いることができる。
【0090】
このような構成のノズル4では、操作部8を操作した際、各第3の吐出口423からガスGが高速に吐出する。この高速に吐出したガスGに、第1の吐出口421から吐出した第1の液体L1と、第2の吐出口422から吐出した第2の液体L2とが巻き込まれる(混合する)。このとき、第1の液体L1および第2の液体L2は、それぞれ、霧状となって噴出する。これにより、第1の液体L1と第2の液体L2とが確実に混合され、患部に塗布される。
【0091】
図1、図10および図11に示すように、塗布具1は、ノズル本体43の湾曲部431の形状を規制する形状規制部材として、シース(長尺状の管体)11を有している。シース11内(シース11の貫通孔)には、ノズル本体43が挿通し(挿入され)ており、そのシース11は、ノズル本体43に対し、ノズル本体43の長手方向(軸方向)に沿って移動可能になっている。なお、シース11は、そのシース11内に、ノズル本体43の少なくとも湾曲部432が挿入されるようになっていればよいが、本実施形態では、ノズル本体43の基端部の近傍まで挿入されるようになっている。
【0092】
このシース11は、湾曲部431の形状を規制し得るように、硬質材料で構成されており、必要かつ十分な剛性を有し、さらには低摺動性を有していることが望ましい。
【0093】
シース11の構成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の硬質樹脂、ステンレス鋼、アルミニウム、銅または銅系合金等の各種金属材料、各種ガラス、アルミナ、シリカ等の各種セラミックスが挙げられる。
【0094】
また、塗布具1は、シース11をノズル本体43の長手方向に沿って移動操作する操作部12を有しており、この操作部12を操作してシース11を移動させることにより、シース11の先端からの湾曲部431の突出長を調整してその湾曲部431の形状を変更し、ノズル本体43の軸線433に対するノズルヘッド42の軸線426の傾斜角度θを調整するよう構成されている。
【0095】
操作部12は、シース11を移動させるために指を当てて(掛けて)操作する指当部(指掛け部)121と、シース11と指当部121とを接続する接続部122とで構成されている。
【0096】
指当部121の基端側は、斜め上側に向って突出し、その上側の表面に、湾曲凹面が形成されている。この指当部121の上側の面は、指を当てる(掛ける)指当面(指掛け面)123を構成している。
【0097】
また、指当面123には、指200の滑り止め手段が設けられているのが好ましい。この滑り止め手段は、凹凸(例えば、指当面123の図10中左右方向に沿って並設された複数のリブ)等で構成することができる。これにより、指当部121を指で操作(引いたり、また、押したり)して、シース11を移動させる際、指が滑ってしまうのを防止することができる。
【0098】
接続部122は、図示の構成では、略板状をなし、その先端が、シース11の基端の上部に接合されており、ノズル支持部41の上壁部413に形成されている開口414から上側に突出した状態で、ノズル本体43の長手方向に沿って配置されている。
【0099】
前記指当部121は、この接続部122の基端に設けられており、指掛け部751の近傍(塗布具本体7の中央部)に配置されている。
【0100】
これにより、操作部8(供給手段)を操作する方の手で、操作部12を操作することができる。すなわち、片方(一方)の手で、傾斜角度θを調整する操作と、第1の液体L1および第2の液体L2を吐出(噴出)する操作と、ガスGを噴出する操作とをすべて行うことができるようになっている。
【0101】
指当部121と接続部122とは、別部材で構成され、接着、融着等により固着された構成でもよく、また、一体成形された構成であってもよい。
【0102】
また、シース11と操作部12とは、別部材で構成され、接着、融着等により固着された構成でもよく、また、一体成形された構成であってもよい。
【0103】
ここで、前記シース11は、図11に示すように、湾曲部431がシース11により矯正(規制)されて直線状となり、ノズルヘッド42の軸線426の方向とノズル本体43の軸線433の方向とが一致する第1の位置(傾斜角度θ=0°)と、図1および図10に示すように、湾曲部431がシース11により規制されることなく湾曲または屈曲した状態となり、ノズル本体43の軸線433がノズルヘッド42の軸線426に対して傾斜する第2の位置(傾斜角度θ=θMAX)との間で移動し得るようになっている。これにより、シース11を第1の位置と第2の位置との間の所定の位置に移動させることで、傾斜角度θを0°から最大傾斜角度θMAXまでの範囲内で自在に調整することができる。
【0104】
また、塗布具1は、シース11を第1の位置に位置決めする第1の位置決め手段と、第2の位置に位置決めする第2の位置決め手段とを有している。
【0105】
図示の構成では、第1の位置決め手段は、図11に示すように、ノズル支持部41の上壁部413の開口414に臨む図11中右側の端部(端面)415と、操作部12の接続部122の図11中左側の端部(端面)124とで構成されている。また、第2の位置決め手段は、図10に示すように、シース11の図10中右側の端部(端面)111と、ノズル支持部41の下壁部416に形成されている段差部417とで構成されている。
【0106】
まず、図10に示すように、シース11が第2の位置に位置しているときは、湾曲部431の全体がシース11の先端から突出し、湾曲部431は、シース11により規制されることなく湾曲または屈曲した状態となっている。このとき、シース11の端部111と、ノズル支持部41の段差部417とが当接している。
【0107】
塗布具1を使用するとき、すなわち、傾斜角度θを調整するときは、例えば、指掛け部752に中指を掛け、指当部121の指当面123に人差し指を当ててその指当部121を先端方向に移動させる。これにより、図11に示すように、シース11は、先端方向に移動し、湾曲部431がシース11内に挿入されてゆき、傾斜角度θは、徐々に減少してゆく。そして、シース11が第1の位置まで移動すると、湾曲部431の全体がシース11内に挿入され、湾曲部431は、シース11により矯正されて直線状となる。また、このとき、ノズル支持部41の上壁部413の端部415と、操作部12の接続部122の端部124とが当接し、シース11は、第1の位置で停止する(位置決めされる)。なお、シース11が第1の位置に位置しているときは、シース11の先端からノズルヘッド42が突出している。
【0108】
次に、指当部121を基端方向に移動させると、図10に示すように、シース11は、基端方向に移動し、湾曲部431がシース11の先端から突出してゆき、傾斜角度θは、徐々に増大してゆく。そして、シース11が第2の位置まで移動すると、湾曲部431の全体がシース11の先端から突出し、湾曲部431は、シース11による規制がなくなり、湾曲または屈曲した状態となる。また、このとき、シース11の端部111と、ノズル支持部41の段差部417とが当接し、シース11は、第2の位置で停止する(位置決めされる)。
【0109】
前記傾斜角度θを調整する操作と、第1の液体L1および第2の液体L2を吐出(噴出)する操作とは、どのような順番で行うこともできる。
【0110】
すなわち、傾斜角度θを調整する操作と、第1の液体L1および第2の液体L2を噴出する操作とを同時に行ってもよく、また、第1の液体L1および第2の液体L2を噴出する操作を先に開始し、その後、傾斜角度θを調整する操作を行ってもよい。これらの場合は、それぞれ、第1の液体L1および第2の液体L2の噴出を開始した後、傾斜角度θの調整により、塗布を行う範囲を広げることができる。
【0111】
また、傾斜角度θを調整する操作を先に行って、その後、第1の液体L1および第2の液体L2を噴出する操作を行ってもよい。なお、後述する塗布具1の作動状態についての説明では、代表的に、この場合を説明する。
【0112】
また、傾斜角度θを調整する操作を先に行って、その後、第1の液体L1および第2の液体L2を噴出する操作を開始し、その後、さらに、傾斜角度θを調整する操作を行ってもよい。
【0113】
次に、使用可能状態となった、すなわち、第1の液体L1が充填された第1のシリンジ2と、第2の液体L2が充填された第2のシリンジ3とが装填され、かつボンベ300に接続された状態の塗布具1の作動状態について説明する。
【0114】
第1のシリンジ2および第2のシリンジ3には、それぞれ、患部に塗布するのに必要な(十分な)程度の液量の第1の液体L1および第2の液体L2が充填されている。また、ボンベ300は、バルブ301が開状態となっており、塗布具1に対してガスGを供給可能となっている。
【0115】
また、塗布具1では、シール部材94にフランジ部95を押し付ける付勢部96の力(付勢力)に抗して、シール部材94とフランジ部95との間に間隙98を生じさせる力、すなわち、第2の接続部92を第1の姿勢から第2の姿勢へ傾倒させる矢印C方向への押圧力は、第1のシリンジ2の押し子26と第2のシリンジ3の押し子26とを先端方向に移動させる力より大きくなるように設定されている。このような設定を行う方法としては、例えば、付勢部96のバネ定数、各液体の粘度、各外筒21の内径等の諸条件を適宜設定することより可能となる。
【0116】
このような塗布具1に対して、まず、前述したように、例えば指掛け部752に中指を掛け、指当部121の指当面123に人差し指を当てて、指当部121を移動操作し、傾斜角度θを所定の角度に調整する。
【0117】
次に、例えば塗布具本体7の指掛け部751に人差し指を掛け、指掛け部752に中指を掛け、操作部8の押圧部82に親指を掛ける。このとき、第1の流路44には第1の液体L1が供給されておらず、第2の流路45にも第2の液体L2が供給されておらず、第3の流路46にもガスGが供給されていない(図5参照)。このため、ノズル4からは、ガスG、第1の液体L1および第2の液体L2は、吐出されていない。
【0118】
次に、この状態で、親指で押圧部82を押圧操作すると、まず、第2の接続部92が傾倒して、シール部材94とフランジ部95との間に間隙98が生じ、この間隙98を介してガスGが流通する(図4参照)。これにより、ガスGが第2のチューブ102を介して第3の流路46に供給され、よって、ノズル4の各第3の吐出口423からガスGが噴出される(図6参照)。
【0119】
また、親指による押圧部82に対する押圧操作は、操作部8全体、すなわち、各押し子26を先端方向に移動するまでには至っていない。このため、第1の流路44および第2の流路45には、未だ第1の液体L1および第2の液体L2が供給されていない。
【0120】
さらに、押圧部82を押圧すると、第2の接続部92の傾倒が限界となり、親指からの押圧力が押圧部82を介して連結部81に伝達される。これにより、連結部81(操作部8全体)が移動し始め、よって、第1のシリンジ2から第1の液体L1が押し出されるとともに、第2のシリンジ3からも第2の液体L2が押し出される。この押し出された第1の液体L1は、第1の流路44を先端方向に流れ、第1の吐出口421に至り、そこから噴出する(図7参照)。また、第2の液体L2は、第1の液体L1とほぼ同様に、第2の流路45を先端方向に流れ、第2の吐出口422に至り、そこから噴出する(図7参照)。
【0121】
噴出された第1の液体L1および第2の液体L2は、前述したようにガスGの作用により、それぞれ霧状になり、互いに混合して患部に塗布される。
【0122】
患部に対する所定量の塗布が完了した後、親指の押圧部82(操作部8)に対する押圧力を緩めていくと、まず、操作部8全体の移動が停止する。これにより、各押し子26の移動が停止し、よって、第1の液体L1および第2の液体L2の噴出がそれぞれ停止する(図8参照)。このとき、押圧部82の押圧による第2の接続部92の第2の姿勢が維持されているため、ガスGは、まだ噴出されている(図8参照)。
【0123】
さらに、親指の押圧部82に対する押圧力を緩めていくと、遂には、押圧部82を押圧していた親指が当該押圧部82から離間する。これにより、第2の接続部92に対する押圧力が解除されて、第2の接続部92が第1の姿勢に戻る。これにより、シール部材94とフランジ部95との間の間隙98がなくなる、すなわち、シール部材94とフランジ部95の周縁部951の全周とが互いに密着する(図3参照)。このとき、第3の流路46へのガスGの供給が停止し、よって、ガスGの各第3の吐出口423からの噴出も停止する(図9参照)。
【0124】
以上説明したように、この塗布具1によれば、容易に、ノズル本体43の軸線433に対するノズルヘッド42の軸線426の傾斜角度θを調整することができ、これにより、容易に、患部等の目標部位に第1の液体L1と第2の液体L2との混合液を塗布することができる。特に、操作者は、片方(一方)の手で、傾斜角度θを調整する操作と、第1の液体L1および第2の液体L2を吐出(噴出)する操作と、ガスGを噴出する操作とをすべて行うことができ、従来のように両手が塞がってしまうことがなく、これにより、他方の手で、他の作業を行うことができる。
【0125】
また、塗布具1では、第1の液体L1および第2の液体L2をノズル4から吐出/吐出停止するときの、ノズル4に対するガスGの供給/供給停止のタイミングを最適に設定することができる。換言すれば、塗布具1は、ノズル4からは、ガスGが、第1の液体L1および第2の液体L2より容易かつ確実に先立って吐出されるよう構成されている。
【0126】
これにより、第1の液体L1および第2の液体L2のみが患部に噴出され塗布されるのを防止することができる。また、先立って噴出されたガスGにより、第1の液体L1および第2の液体L2がそれぞれ確実に霧状となって噴出され、よって、これらの液体同士が確実に混合する。
【0127】
また、塗布具1では、ガスGは、第1の液体L1および第2の液体L2より遅れて噴出が停止するよう構成されている。これにより、各液体の噴出が停止することで当該各液体が各吐出口に残留した(付着した)場合、これらの残留した液体をガスGが吹き飛ばすことができる。よって、各吐出口付近において第1の液体と第2の液体とが反応することにより生じる不都合(例えば、凝固による各吐出口の目詰まり)をより確実に防止することができる。
【0128】
なお、本発明では、第1の吐出口421と第2の吐出口422とが並んでいる方向と、傾斜角度θを調整する際、ノズルヘッド42が振られる方向との関係は、本実施形態のものには限定されず、例えば、第1の吐出口421と第2の吐出口422とが並んでいる方向と、ノズルヘッド42が振られる方向とが、略一致していてもよい。
【0129】
<第2実施形態>
図12は、本発明の塗布具の第2実施形態におけるノズル、形状規制部材および操作部を示す部分斜視図である。なお、説明の都合上、図12中の左側を「先端」、右側を「後端(基端)」という。
【0130】
以下、本発明の塗布具の第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0131】
第2実施形態は、形状規制部材の構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0132】
図12に示す塗布具1では、形状規制部材として、長さが比較的短い管体13を有している。管体13の長手方向の長さは、ノズル本体43の湾曲部431の長手方向の長さと略同一か、または、それよりも若干長い。これにより、塗布具1の軽量化を図ることができる。
【0133】
また、ノズル本体43の湾曲部431より基端側の部分432は、硬質材料で構成されている。
この塗布具1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0134】
<第3実施形態>
図13は、本発明の塗布具の第3実施形態を示す概略図であって、図13(a)は、概略部分縦断面図、図13(b)は、ノズルヘッドの正面図である。なお、説明の都合上、図13(a)中の左側を「先端」、右側を「後端(基端)」といい、図13中の上側を「上」、下側を「下」という。
【0135】
以下、本発明の塗布具の第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0136】
図13に示す塗布具1では、操作部12の接続部122の下面には、下側に向って突出する突出部125が設けられている。また、塗布具本体7の底面には、上側に向って突出する突出部76が設けられている。この突出部76は、突出部125よりも基端側に位置している。
【0137】
そして、塗布具1は、シース11および操作部12を基端方向に付勢する付勢部(付勢手段)14を有している。
【0138】
この付勢部14は、本実施形態では、伸長コイルバネで構成されたものであり、それが伸長された状態で、右端部が塗布具本体7の突出部76に固定され、左端部が操作部12の接続部122の突出部125に固定されている。これにより、シース11を確実に基端方向に付勢することができる。
【0139】
図13に示すように、シース11は、付勢部14の復元力(弾性力)により、基端方向に付勢され、これにより、第2の位置に位置し、湾曲部431は、シース11により規制されることなく湾曲または屈曲した状態となっている。
【0140】
指当部121に指を当ててその指当部121を付勢部14の復元力に抗して先端方向に移動させと、シース11は、先端方向に移動し、湾曲部431がシース11内に挿入されてゆき、傾斜角度θは、徐々に減少してゆく。そして、指当部121から指を離すと、シース11は、付勢部14の復元力により、第2の位置に移動する(戻る)。
【0141】
この塗布具1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この塗布具1では、指当部121から指を離すと、シース11が第2の位置に移動するので、湾曲部431がシース11により規制されることなく湾曲または屈曲した状態を基本姿勢(基本状態)として、傾斜角度θの調整を容易に行うことができる。
【0142】
<第4実施形態>
図14は、本発明の塗布具の第4実施形態を示す概略図であって、図14(a)は、概略部分縦断面図、図14(b)は、ノズルヘッドの正面図である。なお、説明の都合上、図14(a)中の左側を「先端」、右側を「後端(基端)」といい、図14中の上側を「上」、下側を「下」という。
【0143】
以下、本発明の塗布具の第4実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0144】
図14に示す塗布具1では、操作部12の接続部122の下面には、下側に向って突出する突出部125が設けられている。また、塗布具本体7の底面には、上側に向って突出する突出部76が設けられている。この突出部76は、突出部125よりも基端側に位置している。
【0145】
そして、塗布具1は、シース11および操作部12を先端方向に付勢する付勢部(付勢手段)14を有している。
【0146】
この付勢部14は、本実施形態では、圧縮コイルバネで構成されたものであり、それが圧縮された状態で、右端部が塗布具本体7の突出部76に固定され、左端部が操作部12の接続部122の突出部125に固定されている。これにより、シース11を確実に先端方向に付勢することができる。
【0147】
図14に示すように、シース11は、付勢部14の復元力(弾性力)により、先端方向に付勢され、これにより、第1の位置に位置し、湾曲部431は、シース11により矯正されて直線状になっている。
【0148】
指当部121に指を当ててその指当部121を付勢部14の復元力に抗して基端方向に移動させと、シース11は、基端方向に移動し、湾曲部431がシース11の先端から突出してゆき、傾斜角度θは、徐々に増大してゆく。そして、指当部121から指を離すと、シース11は、付勢部14の復元力により、第1の位置に移動する(戻る)。
【0149】
この塗布具1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
そして、この塗布具1では、指当部121から指を離すと、シース11が第1の位置に移動するので、湾曲部431がシース11により矯正されて直線状になっている状態を基本姿勢(基本状態)として、傾斜角度θの調整を容易に行うことができる。
【0150】
<第5実施形態>
図16および図17は、それぞれ、本発明の塗布具の第5実施形態を示す概略部分縦断面図である。なお、説明の都合上、図16および図17中の左側を「先端」、右側を「後端(基端)」といい、図16および図17中の上側を「上」、下側を「下」という。
【0151】
以下、本発明の塗布具の第5実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0152】
図16および図17に示す塗布具1では、ノズルヘッド42(ノズルヘッド42およびノズル本体43)の最大外径は、シース11の先端部の内径以下(シース11の内径以下)に設定されており、ノズルヘッド42をシース11内に収納し得るよう(ノズルヘッド42の先端がシース11の先端よりも基端側に位置し得るよう)構成されている。すなわち、シース11内にノズルヘッド42が収納されるとともに、湾曲部431がシース11により矯正(規制)されて直線状となる図17に示す第1の位置(収納位置)と、図16に示す第2の位置との間で、シース11が移動し得るよう構成されている。
【0153】
また、ノズルヘッド42の基端部の外径は、先端側に向かって漸増しており、ノズルヘッド42の基端部の外面がガイド面427を構成している。このガイド面427により、シース11内にノズルヘッド42を収納(挿入)する際、容易に収納することができる。
【0154】
また、ノズル本体43の外面には、環状のリブ(凸条)434が設けられている。このリブ434は、ノズル本体43の湾曲部431より基端側の所定位置に設けられている。
【0155】
一方、シース11の外径および内径は、それぞれ、基端部でその基端側が縮径し、シース11の基端部の内部に段差部112が形成されている。シース11の縮径部の内径は、ノズル本体43の外径と略同じか、または若干小さく設定されており、その段差部112にノズル本体43のリブ434が当接し得るようになっている。
【0156】
これらリブ434および段差部112により、シース11を第1の位置に位置決めする第1の位置決め手段(ストッパー)が構成される。
【0157】
また、塗布具1は、図示の構成では、図12に示す第2実施形態のような操作部12を有しており、シース11と図示しない指当部121とは、接続部122により接続されている。
【0158】
塗布具1を使用する場合、ノズル4のノズルヘッド42を生体内の目標部位に移動させる際は、図17に示すように、ノズルヘッド42をシース11内に収納する。この場合、図16に示す位置から、操作部12の指当部121(図1、図10参照)を先端方向に移動させると、シース11は、先端方向に移動し、湾曲部431およびノズルヘッド42は、シース11内に挿入されてゆく。そして、図17に示すように、シース11が第1の位置まで移動すると、湾曲部431およびノズルヘッド42の全体がシース11内に挿入され、また、湾曲部431は、シース11により矯正されて直線状となる。また、このとき、リブ434と段差部112とが当接し、シース11は、第1の位置で停止する(位置決めされる)。
【0159】
このようにノズルヘッド42をシース11内に収納することにより、前記ノズルヘッド42を目標部位に移動させる際、ノズルヘッド42(ノズル4の先端部)に体液等の異物が付着するのを抑制(または防止)することができる。
この塗布具1によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0160】
以上、本発明の塗布具を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、塗布具を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0161】
また、本発明の塗布具は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0162】
また、前記実施形態では、形状規制部材は、管体で構成されているが、本発明では、これに限らず、形状規制部材は、例えば、横断面形状が略C字状の部材(例えば、管体の一部を切り欠いたもの)や、棒状体等であってもよい。形状規制部材を棒状体で構成する場合は、ノズル本体(ノズル)に孔部(内腔)を設け、その孔部に棒状体を挿入する。
【0163】
また、前記実施形態では、液組成が異なる2種の液体は、吐出後に、混合されるように構成されているが、本発明では、これに限らず、液組成が異なる2種の液体は、混合されてから、吐出されるように構成されていてもよい。
【0164】
また、前記実施形態では、液組成が異なる2種の液体を吐出するように構成されているが、本発明では、これに限らず、吐出する液体は、例えば、1種でもよく、また、3種以上でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0165】
【図1】本発明の塗布具の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の塗布具の第1実施形態を示す部分斜視図である。
【図3】図1に示す塗布具における開閉手段のA−A線断面図(ガス流路が遮断された状態を示す図)である。
【図4】図1に示す塗布具における開閉手段のA−A線断面図(ガス流路が開放された状態を示す図)である。
【図5】図1に示す塗布具のノズルおよびシリンジの概略部分縦断面図(塗布状態の経時的変化を示す図)である。
【図6】図1に示す塗布具のノズルおよびシリンジの概略部分縦断面図(塗布状態の経時的変化を示す図)である。
【図7】図1に示す塗布具のノズルおよびシリンジの概略部分縦断面図(塗布状態の経時的変化を示す図)である。
【図8】図1に示す塗布具のノズルおよびシリンジの概略部分縦断面図(塗布状態の経時的変化を示す図)である。
【図9】図1に示す塗布具のノズルおよびシリンジの概略部分縦断面図(塗布状態の経時的変化を示す図)である。
【図10】図1に示す塗布具の概略図である。
【図11】図1に示す塗布具の概略図である。
【図12】本発明の塗布具の第2実施形態におけるノズル、形状規制部材および操作部を示す部分斜視図である。
【図13】本発明の塗布具の第3実施形態を示す概略図である。
【図14】本発明の塗布具の第4実施形態を示す概略図である。
【図15】図1に示す塗布具に装填される第1のシリンジ(第2のシリンジも同様)の部分縦断面図である。
【図16】本発明の塗布具の第5実施形態を示す概略部分縦断面図である。
【図17】本発明の塗布具の第5実施形態を示す概略部分縦断面図である。
【符号の説明】
【0166】
1 塗布具
2 第1のシリンジ(供給手段)
20 空間
21 外筒
22 縮径部(口部)
23 フランジ
24 ガスケット
25 中空部
26 押し子
27 本体部
28 ヘッド部
29 フランジ
3 第2のシリンジ(供給手段)
4 ノズル
41 ノズル支持部
411 基端開口部
412 先端開口部
413 上壁部
414 開口
415 端部
416 下壁部
417 段差部
42 ノズルヘッド
421 第1の吐出口
422 第2の吐出口
423 第3の吐出口(気体吐出口)
424 先端壁部
425 中空部
426 軸線
437 ガイド面
43 ノズル本体
431 湾曲部
432 湾曲部より基端側の部分
433 軸線
434 リブ
44 第1の流路(液体移送路)
45 第2の流路(液体移送路)
46 第3の流路(ガス流路)
7 塗布具本体
71 基部
711、712 凹部
713 ガイド
72 前板(第1の係合部)
721、722 溝
73 後板(第2の係合部)
731、732 凹部
751、752 指掛け部
76 突出部
8 操作部
81 連結部
811、812 凹部
813 筒状部
82 押圧部
83 レール部
9 開閉手段(弁機構)
91 第1の接続部
911 段差部
912 収納部
913 縮径部
914 内周部
92 第2の接続部
921 下端部
922 外周部
93 弁部
94 シール部材
941 内周部
942 外周部
95 フランジ部
951 周縁部
96 付勢部
961 上端部
962 下端部
97、98 間隙
10 チューブ(ガス流路)
11 シース
111 端部
112 段差部
12 操作部
121 指当部
123 指当面
124 端部
125 突出部
13 管体
14 付勢部
101 第1のチューブ
102 第2のチューブ
300 ボンベ(ガス供給手段)
301 バルブ
400 矢印
L1 第1の液体
L2 第2の液体
G ガス(無菌ガス)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を供給する供給手段と、
湾曲または屈曲しており、可撓性を有する湾曲部を先端側に有する長尺状のノズル本体と、前記ノズル本体の先端に設けられたノズルヘッドとを有し、前記ノズルヘッドの軸線が、前記ノズル本体の軸線に対して傾斜しているノズルとを備え、
前記供給手段により液体を前記ノズルへ送り、前記ノズルヘッドから吐出して塗布する塗布具であって、
前記ノズル本体の長手方向に沿って移動可能に設けられ、前記湾曲部の形状を規制する形状規制部材と、
前記形状規制部材を前記ノズル本体の長手方向に沿って移動操作する操作部とを備え、
前記操作部を操作して前記形状規制部材を移動させることにより、前記湾曲部の形状を変更し、前記ノズル本体の軸線に対する前記ノズルヘッドの軸線の傾斜角度を調整するよう構成されていることを特徴とする塗布具。
【請求項2】
前記形状規制部材は、前記ノズル本体の少なくとも前記湾曲部が挿入される管体を有し、
前記操作部を操作して前記管体を移動させることにより、前記管体の先端からの前記湾曲部の突出長を調整して前記湾曲部の形状を変更し、前記ノズル本体の軸線に対する前記ノズルヘッドの軸線の傾斜角度を調整するよう構成されている請求項1に記載の塗布具。
【請求項3】
前記ノズルヘッドの最大外径は、前記管体の先端部の内径よりも大きい請求項2に記載の塗布具。
【請求項4】
前記ノズルヘッドの最大外径は、前記管体の先端部の内径以下であり、
前記管体は、その内部に前記ノズルヘッドを収納し得るよう構成されている請求項2に記載の塗布具。
【請求項5】
前記形状規制部材は、前記湾曲部が前記形状規制部材により矯正されて直線状となる第1の位置と、前記湾曲部が前記形状規制部材により規制されることなく湾曲または屈曲した状態となる第2の位置との間で移動し得るよう構成されている請求項1ないし4のいずれかに記載の塗布具。
【請求項6】
前記形状規制部材を前記第1の位置に位置決めする第1の位置決め手段と、前記第2の位置に位置決めする第2の位置決め手段とを有する請求項5に記載の塗布具。
【請求項7】
前記操作部は、前記形状規制部材を移動させるために指を当てて操作する指当部と、
前記形状規制部材と前記指当部とを接続する接続部とを有する請求項1ないし6のいずれかに記載の塗布具。
【請求項8】
前記供給手段を操作する方の手で、前記操作部を操作し得るよう構成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の塗布具。
【請求項9】
前記形状規制部材を先端方向または基端方向に付勢する付勢手段を有する請求項1ないし8のいずれかに記載の塗布具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−289617(P2008−289617A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137206(P2007−137206)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】