塗布処理装置
【課題】 無駄なレジスト液の消費を極力抑えて、かつスループットを低下させずに、インラインでレジスト液の粘度調整を行うことができる塗布処理装置を提供すること。
【解決手段】 高濃度塗布液と溶剤とを混合して所定濃度に希釈された希釈塗布液とする混合部70と、希釈塗布液を吐出して基板に塗布膜を形成する塗布液吐出機構14と、混合部70から塗布液吐出機構14へ向けて希釈塗布液を送給する送給配管69、送給配管69からの希釈塗布液を一時的に貯留するバッファタンク71、及びバッファタンク71から塗布液吐出機構14へ希釈塗布液を供給する供給ポンプ74を有する希釈塗布液供給機構と、バッファタンク71から希釈塗布液を取り込み、混合部70に戻して循環させる希釈塗布液循環部と、希釈塗布液の送給先を塗布液吐出機構14側と塗布液循環部側とで切り替える切替機構とを具備する。
【解決手段】 高濃度塗布液と溶剤とを混合して所定濃度に希釈された希釈塗布液とする混合部70と、希釈塗布液を吐出して基板に塗布膜を形成する塗布液吐出機構14と、混合部70から塗布液吐出機構14へ向けて希釈塗布液を送給する送給配管69、送給配管69からの希釈塗布液を一時的に貯留するバッファタンク71、及びバッファタンク71から塗布液吐出機構14へ希釈塗布液を供給する供給ポンプ74を有する希釈塗布液供給機構と、バッファタンク71から希釈塗布液を取り込み、混合部70に戻して循環させる希釈塗布液循環部と、希釈塗布液の送給先を塗布液吐出機構14側と塗布液循環部側とで切り替える切替機構とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置用のガラス基板等の基板に、レジスト液等の塗布液を塗布する塗布処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶表示装置(LCD)や半導体デバイスの製造工程においては、フォトリソグラフィー技術を用いて、ガラス基板や半導体ウエハに所定の回路パターンを形成している。このフォトリソグラフィー技術においては、ガラス基板にレジスト液を供給して塗布膜を形成する塗布処理を行った後、これを乾燥し、引き続き露光処理、現像処理を逐次行っている。
【0003】
この中で、レジスト塗布処理においては、ガラス基板等を回転させてその回転中心の真上から基板表面にレジスト液を滴下し、遠心力によって基板全面にレジスト液を広げる回転塗布と、スリット型ノズルからレジスト液を吐出しながら、基板とノズルとを直線的に相対移動させ、所定の膜厚のレジスト膜を形成するスリット塗布が用いられている。
【0004】
いずれの塗布方式の場合にも、レジスト液の粘度によって膜厚等が変化し、レジスト液の粘度はレジストとこれに加えられるシンナー等の溶剤の配合割合により決定されるため、要求される膜厚等に応じてレジストとシンナーとの配合割合を変えて適切な塗布処理を行うことが指向されている。
【0005】
しかしながら、配合割合の異なるレジスト液を用いる場合にはタンク毎交換する必要あり、また、レジスト膜厚の変更要求に供えるため粘度の異なる多種のレジスト液のタンクを予め用意しておかねばならない。さらに、同じ粘度のレジスト液を用いても、日々の環境条件等の違いにより必ずしも同じ膜厚のレジスト膜が得られないことがある。このような場合、粘度の僅かに異なるレジスト液に交換して対処することが望まれるが、このような微調整は困難であった。
【0006】
このような問題に対応した技術として特許文献1には、レジストと溶剤とを所定の比率でインラインで混合し、そのようにして混合されたレジスト液をノズルを介して半導体ウエハ等の被処理基板に供給する技術が提案されている。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1では、実際に正しい配合になっているかどうかを検証する手段が開示されておらず、もし配合が所定のものからずれており、最初の被処理基板の膜厚が所定の範囲から外れた場合には、その被処理基板に使用したレジストが無駄になるとともに、その図4に示す配管88に存在するレジスト液を棄てて、配合を再試行する必要があり、その分レジスト液が無駄になる。特に、LCD用のガラス基板は、近時益々大型化してきており、1辺が2mもの巨大なものが出現するに至り、このようなレジスト液の無駄が無視することができないものとなっている。さらに、このような再試行を行う場合には、その分の時間が無駄になりスループットが低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−242045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、無駄なレジスト液の消費を極力抑えて、かつスループットを低下させずに、インラインでレジスト液の粘度調整を行うことができる塗布処理装置および塗布処理方法、ならびにそのような塗布処理方法を実施するためのコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一観点では、高濃度の塗布液を送出する高濃度塗布液送出部と、溶剤を送出する溶剤送出部と、前記塗布液送出部および溶剤送出部と配管接続され、前記高濃度塗布液と前記溶剤とを混合して所定濃度に希釈された希釈塗布液とする混合部と、希釈塗布液を吐出して基板に塗布膜を形成する塗布液吐出機構と、前記混合部から前記塗布液吐出機構へ向けて希釈塗布液を送給する希釈塗布液送給配管と、前記送給配管からの希釈塗布液を一時的に貯留するバッファタンクと、このバッファタンクから前記塗布液吐出機構へ希釈塗布液を供給するための供給ポンプとを有する希釈塗布液供給機構と、前記バッファタンクから希釈塗布液を取り込み、前記混合部に戻して循環させる希釈塗布液循環部と、前記希釈塗布液の送給先を前記塗布液吐出機構側と前記塗布液循環部側とで切り替える切替機構と、を具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高濃度塗布液と溶剤とをインラインで混合して濃度調整を行うとともに、配合割合がずれていた場合に、その調整を行うので、塗布液の無駄を極力防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置を具備するレジスト塗布・現像処理システムを示す概略平面図。
【図2】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置を示す概略平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置の基板搬送機構の概略構成を示す断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置のレジスト供給ノズルを示す概略斜視図。
【図5】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置におけるレジスト液供給系を制御系とともに示す概略構成図。
【図6】レジスト液塗布処理の手順について説明するフローチャート。
【図7】ローラーに希釈レジスト液をモニター塗布し、乾燥状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する手順を示す図。
【図8】ガラス基板に希釈レジスト液をモニター塗布し、乾燥状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する手順を示す図。
【図9】移動するベルト上に希釈レジストをモニター塗布し、乾燥状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する装置の一例を示す図。
【図10】移動するベルト上に希釈レジストをモニター塗布し、乾燥状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する装置の他の例を示す図。
【図11】ローラーに希釈レジスト液をモニター塗布し、ウェット状態のモニター塗布膜の膜厚の経時変化からモニター塗布膜の膜厚を得るための手順を示す図。
【図12】ガラス基板に希釈レジスト液をモニター塗布し、ウェット状態のモニター塗布膜の膜厚の経時変化からモニター塗布膜の膜厚を得るための手順を示す図。
【図13】移動するベルト上に希釈レジストをモニター塗布し、ウェット状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する装置の一例を示す図。
【図14】ウェット膜厚の経時変化の一例を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る塗布処理装置が搭載されたLCD用ガラス基板のレジスト塗布および露光後の現像に適用されるレジスト塗布・現像処理システムの概略平面図である。
【0014】
このレジスト塗布・現像処理システム100は、複数のLCD用ガラス基板(以下、単に基板という)Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション1と、基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理ステーション2と、露光装置4との間で基板Gの受け渡しを行うためのインターフェイスステーション3とを備えており、カセットステーション1とインターフェイスステーション3はそれぞれ処理ステーション2の両端に配置されている。なお、図1において、レジスト塗布・現像処理システム100の長手方向をX方向、平面上においてX方向と直交する方向をY方向とする。
【0015】
カセットステーション1は、カセットCをY方向に並べて載置できる載置台9と、処理ステーション2との間で基板Gの搬入出を行うための搬送装置11を備えており、この載置台9と外部との間でカセットCの搬送が行われる。搬送装置11は搬送アーム11aを有し、カセットCの配列方向であるY方向に沿って設けられた搬送路10上を移動可能であり、搬送アーム11aによりカセットCと処理ステーション2との間で基板Gの搬入出が行われる。
【0016】
処理ステーション2は、基本的にX方向に伸びる基板G搬送用の平行な2列の搬送ラインA・Bを有しており、搬送ラインAに沿ってカセットステーション1側からインターフェイスステーション3に向けて、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21と、第1の熱的処理ユニットセクション26と、レジスト処理ユニット23と、第2の熱的処理ユニットセクション27と、が配列されている。
【0017】
また、搬送ラインBに沿ってインターフェイスステーション3側からカセットステーション1に向けて、第2の熱的処理ユニットセクション27と、現像処理ユニット(DEV)24と、i線UV照射ユニット(i−UV)25と、第3の熱的処理ユニットセクション28と、が配列されている。スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21の上の一部にはエキシマUV照射ユニット(e−UV)22が設けられている。なお、エキシマUV照射ユニット(e−UV)22はスクラバ洗浄に先立って基板Gの有機物を除去するために設けられ、i線UV照射ユニット(i−UV)25は現像の脱色処理を行うために設けられる。
【0018】
スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21では、その中で基板Gが略水平姿勢で搬送されながら洗浄処理および乾燥処理が行われるようになっている。現像処理ユニット(DEV)24では、基板Gが略水平姿勢で搬送されながら、現像液塗布、リンス、乾燥処理が逐次行われるようになっている。これらスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21および現像処理ユニット(DEV)24では、基板Gの搬送は例えばコロ搬送またはベルト搬送により行われ、基板Gの搬入口および搬出口は相対向する短辺に設けられている。また、i線UV照射ユニット(i−UV)25への基板Gの搬送は、現像処理ユニット(DEV)24の搬送機構と同様の機構により連続して行われる。
【0019】
レジスト処理ユニット23は、基板Gを略水平姿勢で搬送しながら、レジスト液を供給し、塗布膜を形成する本実施形態に係るレジスト塗布装置(CT)23aと、減圧雰囲気に基板Gをさらすことにより基板G上に形成された塗布膜に含まれる揮発成分を蒸発させて塗布膜を乾燥させる減圧乾燥装置(VD)23bとを備えている。レジスト塗布装置(CT)23aについては後で詳細に説明する。
【0020】
第1の熱的処理ユニットセクション26は、基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)31、32を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)31はスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)32はレジスト処理ユニット23側に設けられている。これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)31、32の間に第1の搬送装置33が設けられている。
【0021】
熱的処理ユニットブロック(TB)31は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニットと、基板Gに対して脱水ベーク処理を行う2つの脱水ベークユニットと、基板Gに対して疎水化処理を施すアドーヒージョン処理ユニットが4段に積層された構成を有している。また、熱的処理ユニットブロック(TB)32は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニットと、基板Gを冷却する2つのクーリングユニットと、基板Gに対して疎水化処理を施すアドーヒージョン処理ユニットが4段に積層された構成を有している。
【0022】
第1の搬送装置33は、パスユニットを介してのスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21からの基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間の基板Gの搬入出、およびパスユニットを介してのレジスト処理ユニット23への基板Gの受け渡しを行う。
【0023】
第1の搬送装置33は、上下動、前後動、旋回動可能であり、熱的処理ユニットブロック(TB)31・32のいずれのユニットにもアクセスすることができるようになっている。
【0024】
第2の熱的処理ユニットセクション27は、基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)34、35を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)34はレジスト処理ユニット23側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)35は現像処理ユニット(DEV)24側に設けられている。そして、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)34、35の間に、第2の搬送装置36が設けられている。
【0025】
熱的処理ユニットブロック(TB)34は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニットと基板Gに対してプリベーク処理を行う3つのプリベークユニットが4段に積層された構成となっている。また、熱的処理ユニットブロック(TB)35は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニットと、基板Gを冷却するクーリングユニットと、基板Gに対してプリベーク処理を行う2つのプリベークユニットが4段に積層された構成となっている。
【0026】
第2の搬送装置36は、パスユニットを介してのレジスト処理ユニット23からの基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間の基板Gの搬入出、パスユニットを介しての現像処理ユニット(DEV)24への基板Gの受け渡し、および後述するインターフェイスステーション3の基板受け渡し部であるエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44に対する基板Gの受け渡しおよび受け取りを行う。なお、第2の搬送装置36は、第1の搬送装置33と同じ構造を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)34、35のいずれのユニットにもアクセス可能である。
【0027】
第3の熱的処理ユニットセクション28は、基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)37、38を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)37は現像処理ユニット(DEV)24側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)38はカセットステーション1側に設けられている。そして、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)37、38の間に、第3の搬送装置39が設けられている。
【0028】
熱的処理ユニットブロック(TB)37は、下から順に、基板Gの受け渡しを行うパスユニットと、基板Gに対してポストベーク処理を行う3つのポストベークユニットが4段に積層された構成を有している。また、熱的処理ユニットブロック(TB)38は、下から順に、ポストベークユニットと、基板Gの受け渡しおよび冷却を行うパス・クーリングユニットと、基板Gに対してポストベーク処理を行う2つのポストベークユニットが4段に積層された構成を有している。
【0029】
第3の搬送装置39は、パスユニットを介してのi線UV照射ユニット(i−UV)25からの基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間の基板Gの搬入出、パス・クーリングユニットを介してのカセットステーション1への基板Gの受け渡しを行う。なお、第3の搬送装置39も第1の搬送装置33と同じ構造を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)37、38のいずれのユニットにもアクセス可能である。
【0030】
処理ステーション2では、以上のように2列の搬送ラインA・Bを構成するように、かつ基本的に処理の順になるように各処理ユニットおよび搬送装置が配置されており、これら搬送ラインA・B間には空間40が設けられている。そして、この空間40を往復動可能にシャトル(基板載置部材)41が設けられている。このシャトル41は基板Gを保持可能に構成されており、シャトル41を介して搬送ラインA・B間で基板Gの受け渡しが行われる。シャトル41に対する基板Gの受け渡しは、上記第1から第3の搬送装置33・36・39によって行われる。
【0031】
インターフェイスステーション3は、処理ステーション2と露光装置4との間で基板Gの搬入出を行う搬送装置42と、バッファカセットを配置するバッファステージ(BUF)43と、冷却機能を備えた基板受け渡し部であるエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44とを有しており、タイトラー(TITLER)と周辺露光装置(EE)とが上下に積層された外部装置ブロック45が搬送装置42に隣接して設けられている。搬送装置42は搬送アーム42aを備え、この搬送アーム42aにより処理ステーション2と露光装置4との間で基板Gの搬入出が行われる。
【0032】
次に、このように構成されたレジスト塗布・現像処理システム100における処理動作の概略について説明する。まず、カセットステーション1の載置台9に配置されたカセットC内の基板Gが、搬送装置11により処理ステーション2のエキシマUV照射ユニット(e−UV)22に直接搬入され、スクラブ前処理が行われる。次いで搬送装置11により基板Gがスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21に搬入され、スクラブ洗浄される。スクラブ洗浄処理後、基板Gは例えばコロ搬送により第1の熱的処理ユニットセクション26に属する熱的処理ユニットブロック(TB)31のパスユニットに搬出される。
【0033】
熱的処理ユニットブロック(TB)31のパスユニットに配置された基板Gは、最初に、熱的処理ユニットブロック(TB)31の脱水ベークユニットに搬送されて加熱処理され、次いで熱的処理ユニットブロック(TB)32のクーリングユニットに搬送されて冷却された後、レジストの定着性を高めるために熱的処理ユニットブロック(TB)31のアドヒージョン処理ユニットおよび熱的処理ユニットブロック(TB)32のアドヒージョン処理ユニットのいずれかに搬送され、そこでHMDSによりアドヒージョン処理(疎水化処理)される。その後、基板Gは、クーリングユニットに搬送されて冷却され、さらに熱的処理ユニットブロック(TB)32のパスユニットに搬送される。このような一連の処理を行う際の基板Gの搬送処理は、全て第1の搬送装置33によって行われる。
【0034】
熱的処理ユニットブロック(TB)32のパスユニットに配置された基板Gは、パスユニットに設けられた、例えば、コロ搬送機構等の基板搬送機構によって、レジスト処理ユニット23内へ搬入される。レジスト塗布装置(CT)23aにおいては、基板Gを水平姿勢で搬送しながらレジスト液を供給して塗布膜を形成し、その後、減圧乾燥装置(VD)23bにて塗布膜に減圧乾燥処理が施される。その後、基板Gは減圧乾燥装置(VD)23bに設けられた基板搬送アームにより、レジスト処理ユニット23から第2の熱的処理ユニットセクション27に属する熱的処理ユニットブロック(TB)34のパスユニットに受け渡される。
【0035】
熱的処理ユニットブロック(TB)34のパスユニットに配置された基板Gは、第2の搬送装置36により、熱的処理ユニットブロック(TB)34のプリベークユニットおよび熱的処理ユニットブロック(TB)35のプリベークユニットのいずれかに搬送されてプリベーク処理され、その後熱的処理ユニットブロック(TB)35のクーリングユニットに搬送されて所定温度に冷却される。そして、第2の搬送装置36により、さらに熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニットに搬送される。
【0036】
その後、基板Gは第2の搬送装置36によりインターフェイスステーション3のエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44へ搬送され、必要に応じて、インターフェイスステーション3の搬送装置42により外部装置ブロック45の周辺露光装置(EE)に搬送されて、そこで、レジスト膜の外周部(不要部分)を除去するための露光が行われる。次いで、基板Gは、搬送装置42により露光装置4に搬送されてそこで基板G上のレジスト膜に所定パターンで露光処理が施される。なお、基板Gは、一旦、バッファステージ(BUF)43上のバッファカセットに収容され、その後に露光装置4に搬送される場合がある。
【0037】
露光終了後、基板Gはインターフェイスステーション3の搬送装置42により外部装置ブロック45の上段のタイトラー(TITLER)に搬入されて基板Gに所定の情報が記された後、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44に載置される。基板Gは、第2の搬送装置36により、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44から第2の熱的処理ユニットセクション27に属する熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニットへ搬送される。
【0038】
熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニットから現像処理ユニット(DEV)24まで延長されている例えばコロ搬送機構を作用させることにより、基板Gは熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニットから現像処理ユニット(DEV)24へ搬入される。現像処理ユニット(DEV)24では、例えば、基板を水平姿勢で搬送しながら現像液が基板G上に液盛りされ、その後、一旦、基板Gの搬送を停止して基板Gを所定角度傾けることにより、基板G上の現像液を流し落とし、さらにこの状態で基板Gにリンス液を供給して、現像液を洗い流す。その後、基板Gを水平姿勢に戻して、再び搬送を開始し、乾燥用窒素ガスまたは空気を基板Gに吹き付けることにより、基板Gを乾燥させる。
【0039】
現像処理終了後、基板Gは現像処理ユニット(DEV)24から連続する搬送機構、例えばコロ搬送によりi線UV照射ユニット(i−UV)25に搬送され、基板Gに対して脱色処理が施される。その後、基板Gはi線UV照射ユニット(i−UV)25内のコロ搬送機構により第3の熱的処理ユニットセクション28に属する熱的処理ユニットブロック(TB)37のパスユニットに搬出される。
【0040】
熱的処理ユニットブロック(TB)37のパスユニットに配置された基板Gは、第3の搬送装置39により熱的処理ユニットブロック(TB)37のポストベークユニットおよび熱的処理ユニットブロック(TB)38のポストベークユニットのいずれかに搬送されてポストベーク処理され、その後熱的処理ユニットブロック(TB)38のパス・クーリングユニットに搬送されて所定温度に冷却された後、カセットステーション1の搬送装置11によって、カセットステーション1に配置されている所定のカセットCに収容される。
【0041】
次に、レジスト塗布装置(CT)23aについて詳細に説明する。
図2はレジスト塗布装置(CT)23aの概略平面図である。レジスト塗布装置(CT)23aは、表面の所定位置に所定のガスを噴射するための複数のガス噴射口16が設けられたステージ12と、ステージ12上で基板GをX方向に搬送する基板搬送機構13と、ステージ12上を移動する基板Gの表面にレジスト液を供給するレジスト供給ノズル14と、レジスト供給ノズル14を洗浄等するためのノズル洗浄ユニット15とを備えている。
【0042】
ステージ12は、基板Gの搬送方向の上流から下流に向けて、大略的に、導入ステージ部12a、塗布ステージ部12b、搬出ステージ部12cに分けられる。導入ステージ部12aは、熱的処理ユニットブロック(TB)32のパスユニットから塗布ステージ部12bへ基板Gを搬送するためのエリアである。塗布ステージ部12bには、レジスト供給ノズル14が配置されており、基板Gとレジスト供給ノズル14との間に直線的な相対移動を生じさせながらレジスト供給ノズル14からレジスト液を吐出させて、基板G上にレジスト液がスキャン塗布される。搬出ステージ部12cは、塗布膜が形成された基板Gを減圧乾燥装置(VD)23bへ搬出するためのエリアである。
【0043】
基板Gは、ガス噴射口16から噴射されるガスによって、水平姿勢で、ステージ12から浮上した状態で保持され、この状態で基板搬送機構13により搬送される。
【0044】
ステージ12の搬出ステージ部12cには、ガス噴射口16に加えて、搬出ステージ部12cへ搬送されてきた基板Gを基板搬送アーム19に受け渡すために、基板Gを持ち上げるリフトピン47が設けられている。
【0045】
図3は基板搬送機構13の概略構成を示す断面図である。基板搬送機構13は、基板GのY方向端の一部を保持する基板保持部材51a、51bと、ステージ12のY方向側面に、X方向に延在するように配置された直線ガイド52a、52bと、基板保持部材51a、51bを保持し、直線ガイド52a、52bと嵌合した連結部材50と、連結部材50をX方向で往復移動させるX軸駆動機構53と、を備えている。
【0046】
基板保持部材51a、51bはそれぞれ、台座部49に基板Gを吸着保持するための吸着パッド48が1個以上設けられた構造を有しており、吸着パッド48は図示しない真空ポンプ等を動作させることにより、基板Gを吸着保持することができるようになっている。吸着パッド48は、基板Gにおいてレジスト液が塗布されない部分の裏面側、つまり基板Gの裏面のY方向端部近傍で、基板Gを保持する。X軸駆動機構53としては、例えば、ベルト駆動機構や、ボールねじ、エアースライダ、電動スライダ、リニアモータ等が挙げられる。
【0047】
図4はレジスト供給ノズル14の概略構造を示す斜視図である。レジスト供給ノズル14は、一方向に長い長尺状の箱体14aに、レジスト液を略帯状に吐出するスリット状のレジスト吐出口14bが設けられた構造を有している。レジスト供給ノズル14にはレジスト吐出口14bと基板Gとの間隔を測定するセンサ(図示せず)が取り付けられており、このセンサの測定値に基づいて基板Gにレジスト液を供給する際のレジスト供給ノズル14の位置が制御される。
【0048】
次に、レジスト液供給系について説明する。
図5は、上記レジスト塗布装置(CT)23aにおけるレジスト液供給系を制御系とともに示す図である。本実施形態のレジスト液供給系は、高濃度レジスト液が貯留された高濃度レジスト液タンク61と、レジスト液を希釈する溶剤として例えばシンナーが貯留された溶剤タンク64と、高濃度レジスト液と溶剤とを混合する混合部70とを有している。混合部70は、高濃度レジスト液と溶剤とを乱流状態で合流させ、レイノルズ数を高める合流ブロック67と、多数のじゃま板が設けられてそこを通過することにより高濃度レジスト液と溶剤とをより確実に混合するためのスタティックミキサ68とを有している。そして、このように混合部70により高濃度レジスト液と溶剤とが混合されて希釈レジスト液となる。
【0049】
高濃度レジスト液タンク61と合流ブロック67とは配管62で接続されており、配管62には高濃度レジスト液ポンプ63が設けられていて、高濃度レジスト液タンク61内の高濃度レジスト液は高濃度レジスト液ポンプ63により合流ブロック67に供給される。一方、溶剤タンク64と合流ブロックとは配管65で接続されており、配管65には溶剤ポンプ66が設けられていて、溶剤タンク64内の溶剤、例えばシンナーは溶剤ポンプ66により合流ブロック67に供給される。なお、配管62および配管65は管径が細くなっており液が乱流化されやすくなっている。
【0050】
合流ブロック67からレジスト液吐出ノズル14側へ延びるように希釈レジスト液送給配管69が設けられており、上記スタティックミキサ68はこの希釈レジスト液送給配管69に設けられている。希釈レジスト液送給配管69には配管69a,69bを介して2つのバッファタンク71a,71bに接続されており、混合部70で所定の配合に調整された希釈レジスト液がこれらバッファタンク71a,71bに供給される。そして、バッファタンク71a、71bは、それぞれその底部に設けられた配管72a,72bを介してレジスト液吐出ノズル14に至る配管73に接続されており、配管73にはレジスト液供給ポンプ74が設けられていて、このポンプ74を作動させることによりバッファタンク71a,71bのいずれかから希釈レジスト液がレジスト液吐出ノズル14に供給される。一方、配管69a,69bにはそれぞれ開閉バルブ75a,75bが設けられており、配管72a,72bには開閉バルブ76a,76bが設けられている。そして、これらのバルブの開閉動作により、バッファタンク71a,71bのいずれかへ選択的にレジスト液が供給され、バッファタンク71a,71bのいずれかから選択的にレジスト液が排出される。なお、上記バッファタンク71a,71b、レジスト液供給ポンプ74、および配管69a,69b,72a,72b,73、バルブ76a,76bがレジスト液供給機構を構成している。
【0051】
一方、配管69のバッファタンク71a,71bに至る途中には、循環用配管69cを介してモニター用バッファタンク77が接続されている。モニター用バッファタンク77の底部には、循環用配管82cが接続されており、この循環用配管82cはリターン配管82が接続されている。このリターン配管82は三方弁76を介して配管69の合流ブロック67とスタティックミキサ68との間の部分に接続されている。リターン配管82には、循環用ポンプ84が設けられており、配管69、モニター用バッファタンク77、循環用配管82c、リターン配管82、および三方弁76を経て配管69に至る循環ラインが構成されている。モニター用バッファタンク77に至る配管69cにはバルブ75cが設けられており、上述したバッファタンク71a,71bに至る配管69a,69bに設けられたバルブ75a,75bとこのバルブ75cを操作することにより、希釈レジスト液をレジスト供給機構側と循環ライン側とで切り替えることが可能となっている。すなわち、バルブ75a,75b,75cはこれらの切替機構として機能する。
【0052】
リターン配管82には、それぞれ配管82a,82bを介してバッファタンク71a,71bも接続されており、循環用ポンプ84によりバッファタンク71a,71bからレジスト液をリターンさせることも可能である。なお、配管82a,82b,82cには、開閉バルブ83a,83b,83cが設けられている。
【0053】
このモニター用バッファタンク77の底部には上記配管82cの他にモニター用配管78も接続されており、配管78の他端にはモニター塗布用吐出ノズル79が接続されている。配管78にはモニター塗布用ポンプ80が設けられており、このポンプ80を作動させることによりモニター用バッファタンク77からモニター用配管78を介してモニター塗布用吐出ノズル79へ所定の配合比に希釈された希釈レジスト液が供給される。なお、配管78には開閉バルブ81が設けられている。
【0054】
モニター塗布用吐出ノズル79から吐出されたレジスト液は適宜の被塗布体、例えばローラーまたはガラス基板にモニター塗布される。そして、モニター塗布用吐出ノズル79の近傍には、膜厚測定装置85が設けられており、モニター塗布により形成された塗布膜の膜厚を測定する。
【0055】
なお、上記ポンプ63,66,74,80,84としては、この分野で一般的に用いられているベローズポンプ、ダイアフラムポンプ、シンリンジポンプ等を用いることができる。
【0056】
このようなレジスト液供給系の制御を含め、レジスト塗布装置(CT)23aの制御は、コントローラ90によって行われる。コントローラ90は上記ポンプ63,66,74,80,84の制御および全てのバルブの制御を行うとともに、さらに各種駆動機構等の他の構成部を制御するようになっている。レジスト液供給系に対しては、上記モニター用塗布によって形成された膜の膜厚を膜厚測定装置85で測定した結果に基づいて、ポンプ63および66を制御し、レジスト液タンク61内の高濃度のレジスト液と、溶剤タンク64内のシンナー等の溶剤との混合割合を微調整するとともに、混合して希釈された希釈レジスト液の供給先等を制御するようになっている。
【0057】
コントローラ90は、上位のレジスト塗布・現像処理システム100の全体を制御する上位のプロセスコントローラ92によって制御されるようになっている。コントローラ90およびプロセスコントローラ92は、コンピュータにより構成されている。
【0058】
プロセスコントローラ92は、上述のようなコントローラ90を介してのポンプおよびバルブ等の制御の他、レジスト塗布・現像処理システム100の各構成部を制御する。プロセスコントローラ92には、工程管理者がレジスト塗布・現像システム100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、レジスト塗布・現像システム100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース93が接続されている。
【0059】
また、プロセスコントローラ92には、レジスト塗布・現像システム100で実行される各種処理をプロセスコントローラ92の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じてプラズマエッチング装置の各構成部に処理を実行させるためのプログラムすなわちレシピが格納された記憶部94が接続されている。格納されているレシピには、上記コントローラ90によるポンプおよびバルブ等の制御も含まれている。
【0060】
レシピはハードディスクや半導体メモリに記憶されていてもよいし、CDROM、DVD等の可搬性の記憶媒体に収容された状態で記憶部94の所定位置にセットするようになっていてもよい。さらに、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0061】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース93からの指示等にて任意のレシピを記憶部94から呼び出してプロセスコントローラ92に実行させることで、プロセスコントローラ92の制御下で、レジスト塗布・現像システムでの所望の処理が行われる。
【0062】
次に、以上のように構成されたレジスト塗布装置(CT)23aにおける処理動作について説明する。
【0063】
まず、ステージ12の各部において所定の高さに基板Gを浮上させることができる状態とし、熱処理ユニットブロック(TB)32のパスユニットからコロ搬送機構により基板Gを導入ステージ部12aに進入させ、基板Gの一部がまだコロによって支持されている状態で、基板保持部材51a、51bに基板GのY方向端を保持させ、浮いた状態の基板Gをステージ12の導入ステージ部12aへ搬入する。
【0064】
基板Gが所定の位置に配置されたレジスト供給ノズル14の下を通過する際に、レジスト供給ノズル14からレジスト液が基板Gの表面に供給され、塗布膜が形成される。
【0065】
以下、レジスト液塗布処理の手順について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、高濃度レジスト液が貯留された高濃度レジスト液タンク61と、レジスト液を希釈する溶剤として例えばシンナーが貯留された溶剤タンク64とから、高濃度レジスト液と溶剤とが所定の割合で混合部70に供給される(ステップ1)。この際の高濃度レジスト液と溶剤との割合は、レシピに規定されており、その情報に基づいてプロセスコントローラ92、コントローラ90を介して高濃度レジスト液ポンプ63、溶剤ポンプ66に指令が出力される。
【0066】
混合部70に供給された高濃度レジスト液と溶剤とは、合流ブロック67およびスタティックミキサ68により混合され、十分に混合された状態の希釈レジスト液とされる(ステップ2)。そして、バルブ75cを開き、バルブ75a,75bを閉じ、さらにバルブ83cを開き81を閉じ、循環用ポンプ84を駆動させて、配管69、モニタ用レジスト液タンク77、配管82c、リターン配管82、および三方バルブ76を経て再び配管69に至る循環ラインを構成し、上述のように高濃度レジストと溶剤とが混合されて形成された希釈レジスト液を循環させる(ステップ3)。
【0067】
次いで、バルブ81を開いて、モニター塗布用ポンプ80を駆動させることにより循環ラインを構成するモニター用バッファタンク77から希釈レジスト液を取り出し、モニター塗布用吐出ノズル79に供給し、モニター塗布用吐出ノズル79から混合液(レジスト液)を吐出してモニター塗布を行い、モニター用塗布膜の膜厚を測定する(ステップ4)。このモニター塗布膜の膜厚は、高濃度レジスト液と溶剤との配合割合の指標となるパラメータとして用いられる。
【0068】
このステップは、図7、8に示すような手順で行うことができる。図7の例では、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液をローラー95上に供給してローラー95上に塗布膜を形成した後、加熱処理し(図7の(a))、その後、膜厚測定装置85によりローラー95上に形成されたモニター用塗布膜の膜厚を測定し(図7の(b))、その後ローラー95を洗浄する(図7の(c))。図8の例では、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液を小型ガラス基板96上に供給してガラス基板96上に塗布膜を形成した後、加熱処理し(図8の(a))、その後、膜厚測定装置85によりガラス基板96上に形成されたモニター用塗布膜の膜厚を測定し(図8の(b))、その後ガラス基板96を洗浄する(図8の(c))。これらのモニター塗布に際して、塗布開始直後は膜厚が安定しないため、ローラー95、ガラス基板96のいずれの場合にも、後半(塗布開始点より100mm以降)の膜厚を測定する。
【0069】
また、図9や図10に示すベルトを用いた装置によりモニター塗布および膜厚測定を行うこともできる。
【0070】
図9の装置では、例えばスチール製のベルト101を上部ローラ102,103と下部ローラ104,105に巻き掛け、一方の上部ローラ102の直上にモニター塗布用吐出ノズル79を配置し、他方の上部ローラ103の直上に膜厚測定装置85を配置し、これらの間に、ベルト101が通過するように、小型の減圧乾燥装置106を配置する。また、ベルト101の下部ロール104,105の間には、シンナー等の溶剤からなる洗浄液が貯留された洗浄槽107が配置されており、ベルト101が洗浄槽107内の洗浄液に浸漬されるようになっている。下部ローラ105と上部ローラ102の間には、スプレーリンスノズル108、気体ブローノズル109が配置されている。
【0071】
このような装置においては、図示しないベルト駆動装置によりベルト101を矢印方向に移動させながら、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液をベルト101上に吐出して塗布膜を形成し、小型の減圧乾燥装置106により塗布膜を乾燥させ、乾燥後の塗布膜の膜厚を膜厚測定装置85により測定する。その後ベルト101上の塗布膜は、洗浄槽107で洗浄除去され、スプレーリンスノズル108でリンスされ、気体ブローノズル109からの気体吹き付けにより乾燥され、引き続き同様にして次のモニター塗布が行われる。
【0072】
このような装置により、より高精度で高濃度レジスト液と溶剤との配合割合の指標となる膜厚測定を行うことができる。また、モニター塗布用吐出ノズル79による塗布をローラの上で行うので、ギャップ制御が容易である。また、膜厚測定装置85もローラの直上に設けられているのでベルト101の撓み等の影響を受けずに安定的に高精度で膜厚測定を行うことができる。さらに、小型の減圧乾燥装置106の減圧は、減圧乾燥ユニット(VD)23bが備えている減圧ポンプから配管を分岐することで行うことができ、新たに減圧ポンプを追加する必要がない。
【0073】
図10の装置は、減圧乾燥装置106の代わりに、ヒーター110を設けてより完全乾燥させるようにしたものである。これにより、ほぼ実膜厚になるため、より精度を高めることができる。なお、ヒーター110によりベルト101が高温になるため、上部ローラ103の下流側に冷却ブローノズル111が設けられている。ヒーター110の代わりにオーブンを配置してもよい。
【0074】
以上は、レジスト液が乾燥した状態での塗布膜を測定する例について説明したが、図11〜13に示すような手順でウエット状態の膜厚の経時変化を測定してもよい。図11の例では、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液をローラー95上に供給してローラー95上に塗布膜を形成し(図11の(a))、その後、ウェット状態で膜厚測定装置85によりローラー95上に形成された塗布膜の経時変化(2点以上)を測定し(図11の(b))、その後、ローラー95を洗浄する(図11の(c))。図12の例では、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液を小型ガラス基板96上に供給してガラス基板96上に塗布膜を形成し(図12の(a))、その後、ウェット状態で膜厚測定装置85によりガラス基板96上に形成された塗布膜の経時変化(2点以上)を測定し(図12の(b))、その後、ガラス基板96を洗浄する(図12の(c))。
【0075】
図13の装置は、図9の装置から減圧乾燥装置106を取り外したものであり、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液をベルト101上に供給して塗布膜を形成し、その後、ウェット状態で膜厚の経時変化を測定する。
【0076】
ウエット膜厚の経時変化は、例えば図14のグラフに示すようになっており、このようなグラフから適宜のアルゴリズムを用い溶剤揮発後の乾燥膜厚を算出する。測定対象膜の正しい光学定数および形成膜厚を把握することができていれば、ベーキング前、後にかかわらず予測計算膜厚を同時に表示することが可能である。
【0077】
なお、上記図9の装置はモニター塗布および膜厚測定の一連の操作においてタクトタイムを短くすることができるが、希釈レジスト液中の溶剤を完全に蒸発させることができないおそれがある。その場合には、上記のように膜厚の経時変化を測定して図14のグラフからアルゴリズムを用いて乾燥膜厚を算出すればよい。
【0078】
このようにして測定した膜厚測定装置85による膜厚測定データはコントローラ90に送られ、さらにプロセスコントローラー92に送られて、所定の膜厚の範囲かどうかが判断される(ステップ5)。
【0079】
所定の範囲であると判断された場合には、バルブ75cを閉じ、バルブ75aを開くことにより、レジスト液供給機構へ希釈レジストが供給され、レジスト液吐出ノズル14から希釈レジスト液が吐出されて基板G上にレジスト液が塗布される(ステップ6)。このステップ6においては、まず、バッファタンク71aおよび71bのいずれか、例えばバッファタンク71a内に希釈レジスト液が供給される。バッファタンク71aは、1枚の基板の塗布に必要な量(例えば80mL)の希釈レジスト液が貯留されるようになっており、バルブ76aを開にしてポンプ74を駆動させることにより、その中の希釈レジスト液が配管72a,73を介してレジスト液吐出ノズル14に供給され、実際の基板Gへのレジスト液塗布に供される。なお、次の基板の塗布に備えて、バッファタンク71bに希釈レジスト液を貯留しておくことにより、次の基板の塗布にはバッファタンク71bの希釈レジスト液を用いて塗布を行うことができるので、スループットを高く維持することができる。
【0080】
一方、上記ステップ5で所定の膜厚範囲から外れていると判断された場合には、プロセスコントローラ92からコントローラ90を介して高濃度レジスト液ポンプ63、溶剤ポンプ66に指令が出力され高濃度レジスト液と溶剤との割合が変更される(ステップ7)。
【0081】
高濃度レジスト液と溶剤とは変更された割合で混合部70に供給され、混合部70の合流ブロック67およびスタティックミキサ68で混合され、その割合が再調整された希釈レジスト液に対して上記ステップ3の循環ラインへの循環およびステップ4のモニター塗布および膜厚測定を行い、再度ステップ5の判断がなされる。通常は、1回の再試行で所定の濃度に調整される。
【0082】
以上の濃度調整において、膜厚測定は5秒程度の短期間で行うことができ、再試行をする場合でも短期間で終了するので、1枚の基板への塗布処理が1分程度とすれば、従前の基板の塗布処理の間に濃度調整を行うことができる。したがって、基板1枚ごとに濃度調整を行うことができる。もちろんロットごとに濃度調整を行うようにしてもよい。
【0083】
このように、インラインでレジスト液の濃度調整を行い、しかもレジスト液をレジスト液吐出ノズルへ送給する配管に循環ラインを設けてモニター塗布を行い、その膜厚を測定することにより、希釈レジスト液の配合割合を把握することができ、その結果に基づいて配合割合を適切に制御することができるので、レジスト液の無駄をなくすることができる。しかもレジスト液塗布の間に次の塗布に用いるレジスト液の濃度調整を行うことができるので、スループットを低下させることがない。
【0084】
なお、バッファタンク71aまたは71bのレジスト液が所定の濃度になっていない場合には、バルブ76aまたは76bを閉じてバルブ83aまたは83bを開き、循環用ポンプ84によりリターン配管82を介して循環させるようにすることができる。
【0085】
次に、実際にこのようなインラインでのレジスト液の濃度調整およびモニター用膜厚測定を行うための条件例について示す。モニター塗布用ポンプ80の容量を6mLとし、循環ポンプ84の容量を10mLとし、配管の内径を4.35mmとし、膜厚測定の再試行を考慮して基板1枚の塗布時間である1分間で2回測定するとし、膜厚測定装置において5秒で測定可能と仮定する。モニター用バッファタンク77からモニター塗布用吐出ノズル間の容量を19.5mLとした場合に、置換量は約3倍であるから、モニター用バッファタンク77の容量を60mLとする。また、スタティックミキサー68の容積を7.5mL、循環ラインの配管容積を7.4mLとすると、循環用ポンプ84により循環しなければならない量は、循環用ポンプ84の容量10mL、モニター用バッファタンク77の容量60mLを考慮して、7.5+60+10+7.4=84.9mLとなる。上記のように1分で膜厚測定を2回行い、ポンプ63または66からの補正量供給時間を3秒と仮定すると、実際に循環用ポンプ84にて循環させ得る時間は、1分−(5秒+3秒)×2=44秒となる。リロード時間と吐出時間とを同じと考えると、44秒で2回循環させる必要がある。したがって、44秒÷2÷2=11秒で上で計算した84.9mLを吐出しなければならない。したがって、循環用ポンプ84の吐出レートは84.9÷11=7.7mL/秒であり、流速に換算すると519mm/秒となる。上記仮定は、現実的な条件を仮定したものであり、その結果の循環ポンプ84の流速である519mm/秒も現実的な数値であるから、上述のようなインラインでのレジスト液の濃度調整が十分に実現可能であることが確認された。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、基板を一方向に移動させながら長尺状のレジスト供給ノズルからレジスト液を供給するスキャン塗布の例を示したが、これに限定されることなく、例えばノズルを移動させてスキャン塗布する場合であっても、回転塗布の場合であっても適用可能であることは言うまでもない。
【0087】
また、高濃度レジスト液と溶剤との配合割合の指標となるパラメータとして塗布膜の膜厚を用いたが、これに限らず、他のパラメータであってもよい。さらに、塗布液としてレジスト液を用いた場合について示したが、ポリイミドや誘電体膜に用いる塗布液等、他の塗布液の場合であっても適用可能である。さらにまた、基板としてLCD用ガラス基板を用いた例について示したが、半導体ウエハ等、他の基板の場合でも適用可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0088】
12;ステージ
13;基板搬送機構
14;レジスト液吐出ノズル
23a;レジスト塗布装置(CT)
61;高濃度レジスト液タンク
62,65;配管
63;高濃度レジスト液ポンプ
64;溶剤タンク
66;溶剤ポンプ
67;合流ブロック
68;スタティックミキサ
69;希釈レジスト送給配管
69c;循環用配管
70;混合部
71a,71b;バッファタンク
74;レジスト液供給ポンプ
75a,75b,75c;バルブ(切替機構)
76;三方弁
77;モニター用バッファタンク
78;モニター用配管
79;モニター塗布用吐出ノズル
80;モニター塗布用ポンプ
82;リターン配管
82c;循環用配管
84;循環用ポンプ
85;膜厚測定装置
90;コントローラ
92;プロセスコントローラ
94;記憶部
100;レジスト塗布・現像処理システム
101;ベルト
102,103;ローラ
106;減圧乾燥装置
110;ヒーター
G;LCD用ガラス基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置用のガラス基板等の基板に、レジスト液等の塗布液を塗布する塗布処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶表示装置(LCD)や半導体デバイスの製造工程においては、フォトリソグラフィー技術を用いて、ガラス基板や半導体ウエハに所定の回路パターンを形成している。このフォトリソグラフィー技術においては、ガラス基板にレジスト液を供給して塗布膜を形成する塗布処理を行った後、これを乾燥し、引き続き露光処理、現像処理を逐次行っている。
【0003】
この中で、レジスト塗布処理においては、ガラス基板等を回転させてその回転中心の真上から基板表面にレジスト液を滴下し、遠心力によって基板全面にレジスト液を広げる回転塗布と、スリット型ノズルからレジスト液を吐出しながら、基板とノズルとを直線的に相対移動させ、所定の膜厚のレジスト膜を形成するスリット塗布が用いられている。
【0004】
いずれの塗布方式の場合にも、レジスト液の粘度によって膜厚等が変化し、レジスト液の粘度はレジストとこれに加えられるシンナー等の溶剤の配合割合により決定されるため、要求される膜厚等に応じてレジストとシンナーとの配合割合を変えて適切な塗布処理を行うことが指向されている。
【0005】
しかしながら、配合割合の異なるレジスト液を用いる場合にはタンク毎交換する必要あり、また、レジスト膜厚の変更要求に供えるため粘度の異なる多種のレジスト液のタンクを予め用意しておかねばならない。さらに、同じ粘度のレジスト液を用いても、日々の環境条件等の違いにより必ずしも同じ膜厚のレジスト膜が得られないことがある。このような場合、粘度の僅かに異なるレジスト液に交換して対処することが望まれるが、このような微調整は困難であった。
【0006】
このような問題に対応した技術として特許文献1には、レジストと溶剤とを所定の比率でインラインで混合し、そのようにして混合されたレジスト液をノズルを介して半導体ウエハ等の被処理基板に供給する技術が提案されている。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1では、実際に正しい配合になっているかどうかを検証する手段が開示されておらず、もし配合が所定のものからずれており、最初の被処理基板の膜厚が所定の範囲から外れた場合には、その被処理基板に使用したレジストが無駄になるとともに、その図4に示す配管88に存在するレジスト液を棄てて、配合を再試行する必要があり、その分レジスト液が無駄になる。特に、LCD用のガラス基板は、近時益々大型化してきており、1辺が2mもの巨大なものが出現するに至り、このようなレジスト液の無駄が無視することができないものとなっている。さらに、このような再試行を行う場合には、その分の時間が無駄になりスループットが低下してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−242045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、無駄なレジスト液の消費を極力抑えて、かつスループットを低下させずに、インラインでレジスト液の粘度調整を行うことができる塗布処理装置および塗布処理方法、ならびにそのような塗布処理方法を実施するためのコンピュータ読取可能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一観点では、高濃度の塗布液を送出する高濃度塗布液送出部と、溶剤を送出する溶剤送出部と、前記塗布液送出部および溶剤送出部と配管接続され、前記高濃度塗布液と前記溶剤とを混合して所定濃度に希釈された希釈塗布液とする混合部と、希釈塗布液を吐出して基板に塗布膜を形成する塗布液吐出機構と、前記混合部から前記塗布液吐出機構へ向けて希釈塗布液を送給する希釈塗布液送給配管と、前記送給配管からの希釈塗布液を一時的に貯留するバッファタンクと、このバッファタンクから前記塗布液吐出機構へ希釈塗布液を供給するための供給ポンプとを有する希釈塗布液供給機構と、前記バッファタンクから希釈塗布液を取り込み、前記混合部に戻して循環させる希釈塗布液循環部と、前記希釈塗布液の送給先を前記塗布液吐出機構側と前記塗布液循環部側とで切り替える切替機構と、を具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、高濃度塗布液と溶剤とをインラインで混合して濃度調整を行うとともに、配合割合がずれていた場合に、その調整を行うので、塗布液の無駄を極力防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置を具備するレジスト塗布・現像処理システムを示す概略平面図。
【図2】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置を示す概略平面図。
【図3】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置の基板搬送機構の概略構成を示す断面図。
【図4】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置のレジスト供給ノズルを示す概略斜視図。
【図5】本発明の一実施形態に係るレジスト塗布装置におけるレジスト液供給系を制御系とともに示す概略構成図。
【図6】レジスト液塗布処理の手順について説明するフローチャート。
【図7】ローラーに希釈レジスト液をモニター塗布し、乾燥状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する手順を示す図。
【図8】ガラス基板に希釈レジスト液をモニター塗布し、乾燥状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する手順を示す図。
【図9】移動するベルト上に希釈レジストをモニター塗布し、乾燥状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する装置の一例を示す図。
【図10】移動するベルト上に希釈レジストをモニター塗布し、乾燥状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する装置の他の例を示す図。
【図11】ローラーに希釈レジスト液をモニター塗布し、ウェット状態のモニター塗布膜の膜厚の経時変化からモニター塗布膜の膜厚を得るための手順を示す図。
【図12】ガラス基板に希釈レジスト液をモニター塗布し、ウェット状態のモニター塗布膜の膜厚の経時変化からモニター塗布膜の膜厚を得るための手順を示す図。
【図13】移動するベルト上に希釈レジストをモニター塗布し、ウェット状態のモニター塗布膜の膜厚を測定する装置の一例を示す図。
【図14】ウェット膜厚の経時変化の一例を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る塗布処理装置が搭載されたLCD用ガラス基板のレジスト塗布および露光後の現像に適用されるレジスト塗布・現像処理システムの概略平面図である。
【0014】
このレジスト塗布・現像処理システム100は、複数のLCD用ガラス基板(以下、単に基板という)Gを収容するカセットCを載置するカセットステーション1と、基板Gにレジスト塗布および現像を含む一連の処理を施すための複数の処理ユニットを備えた処理ステーション2と、露光装置4との間で基板Gの受け渡しを行うためのインターフェイスステーション3とを備えており、カセットステーション1とインターフェイスステーション3はそれぞれ処理ステーション2の両端に配置されている。なお、図1において、レジスト塗布・現像処理システム100の長手方向をX方向、平面上においてX方向と直交する方向をY方向とする。
【0015】
カセットステーション1は、カセットCをY方向に並べて載置できる載置台9と、処理ステーション2との間で基板Gの搬入出を行うための搬送装置11を備えており、この載置台9と外部との間でカセットCの搬送が行われる。搬送装置11は搬送アーム11aを有し、カセットCの配列方向であるY方向に沿って設けられた搬送路10上を移動可能であり、搬送アーム11aによりカセットCと処理ステーション2との間で基板Gの搬入出が行われる。
【0016】
処理ステーション2は、基本的にX方向に伸びる基板G搬送用の平行な2列の搬送ラインA・Bを有しており、搬送ラインAに沿ってカセットステーション1側からインターフェイスステーション3に向けて、スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21と、第1の熱的処理ユニットセクション26と、レジスト処理ユニット23と、第2の熱的処理ユニットセクション27と、が配列されている。
【0017】
また、搬送ラインBに沿ってインターフェイスステーション3側からカセットステーション1に向けて、第2の熱的処理ユニットセクション27と、現像処理ユニット(DEV)24と、i線UV照射ユニット(i−UV)25と、第3の熱的処理ユニットセクション28と、が配列されている。スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21の上の一部にはエキシマUV照射ユニット(e−UV)22が設けられている。なお、エキシマUV照射ユニット(e−UV)22はスクラバ洗浄に先立って基板Gの有機物を除去するために設けられ、i線UV照射ユニット(i−UV)25は現像の脱色処理を行うために設けられる。
【0018】
スクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21では、その中で基板Gが略水平姿勢で搬送されながら洗浄処理および乾燥処理が行われるようになっている。現像処理ユニット(DEV)24では、基板Gが略水平姿勢で搬送されながら、現像液塗布、リンス、乾燥処理が逐次行われるようになっている。これらスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21および現像処理ユニット(DEV)24では、基板Gの搬送は例えばコロ搬送またはベルト搬送により行われ、基板Gの搬入口および搬出口は相対向する短辺に設けられている。また、i線UV照射ユニット(i−UV)25への基板Gの搬送は、現像処理ユニット(DEV)24の搬送機構と同様の機構により連続して行われる。
【0019】
レジスト処理ユニット23は、基板Gを略水平姿勢で搬送しながら、レジスト液を供給し、塗布膜を形成する本実施形態に係るレジスト塗布装置(CT)23aと、減圧雰囲気に基板Gをさらすことにより基板G上に形成された塗布膜に含まれる揮発成分を蒸発させて塗布膜を乾燥させる減圧乾燥装置(VD)23bとを備えている。レジスト塗布装置(CT)23aについては後で詳細に説明する。
【0020】
第1の熱的処理ユニットセクション26は、基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)31、32を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)31はスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)32はレジスト処理ユニット23側に設けられている。これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)31、32の間に第1の搬送装置33が設けられている。
【0021】
熱的処理ユニットブロック(TB)31は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニットと、基板Gに対して脱水ベーク処理を行う2つの脱水ベークユニットと、基板Gに対して疎水化処理を施すアドーヒージョン処理ユニットが4段に積層された構成を有している。また、熱的処理ユニットブロック(TB)32は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニットと、基板Gを冷却する2つのクーリングユニットと、基板Gに対して疎水化処理を施すアドーヒージョン処理ユニットが4段に積層された構成を有している。
【0022】
第1の搬送装置33は、パスユニットを介してのスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21からの基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間の基板Gの搬入出、およびパスユニットを介してのレジスト処理ユニット23への基板Gの受け渡しを行う。
【0023】
第1の搬送装置33は、上下動、前後動、旋回動可能であり、熱的処理ユニットブロック(TB)31・32のいずれのユニットにもアクセスすることができるようになっている。
【0024】
第2の熱的処理ユニットセクション27は、基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)34、35を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)34はレジスト処理ユニット23側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)35は現像処理ユニット(DEV)24側に設けられている。そして、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)34、35の間に、第2の搬送装置36が設けられている。
【0025】
熱的処理ユニットブロック(TB)34は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニットと基板Gに対してプリベーク処理を行う3つのプリベークユニットが4段に積層された構成となっている。また、熱的処理ユニットブロック(TB)35は、下から順に基板Gの受け渡しを行うパスユニットと、基板Gを冷却するクーリングユニットと、基板Gに対してプリベーク処理を行う2つのプリベークユニットが4段に積層された構成となっている。
【0026】
第2の搬送装置36は、パスユニットを介してのレジスト処理ユニット23からの基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間の基板Gの搬入出、パスユニットを介しての現像処理ユニット(DEV)24への基板Gの受け渡し、および後述するインターフェイスステーション3の基板受け渡し部であるエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44に対する基板Gの受け渡しおよび受け取りを行う。なお、第2の搬送装置36は、第1の搬送装置33と同じ構造を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)34、35のいずれのユニットにもアクセス可能である。
【0027】
第3の熱的処理ユニットセクション28は、基板Gに熱的処理を施す熱的処理ユニットが積層して構成された2つの熱的処理ユニットブロック(TB)37、38を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)37は現像処理ユニット(DEV)24側に設けられ、熱的処理ユニットブロック(TB)38はカセットステーション1側に設けられている。そして、これら2つの熱的処理ユニットブロック(TB)37、38の間に、第3の搬送装置39が設けられている。
【0028】
熱的処理ユニットブロック(TB)37は、下から順に、基板Gの受け渡しを行うパスユニットと、基板Gに対してポストベーク処理を行う3つのポストベークユニットが4段に積層された構成を有している。また、熱的処理ユニットブロック(TB)38は、下から順に、ポストベークユニットと、基板Gの受け渡しおよび冷却を行うパス・クーリングユニットと、基板Gに対してポストベーク処理を行う2つのポストベークユニットが4段に積層された構成を有している。
【0029】
第3の搬送装置39は、パスユニットを介してのi線UV照射ユニット(i−UV)25からの基板Gの受け取り、上記熱的処理ユニット間の基板Gの搬入出、パス・クーリングユニットを介してのカセットステーション1への基板Gの受け渡しを行う。なお、第3の搬送装置39も第1の搬送装置33と同じ構造を有しており、熱的処理ユニットブロック(TB)37、38のいずれのユニットにもアクセス可能である。
【0030】
処理ステーション2では、以上のように2列の搬送ラインA・Bを構成するように、かつ基本的に処理の順になるように各処理ユニットおよび搬送装置が配置されており、これら搬送ラインA・B間には空間40が設けられている。そして、この空間40を往復動可能にシャトル(基板載置部材)41が設けられている。このシャトル41は基板Gを保持可能に構成されており、シャトル41を介して搬送ラインA・B間で基板Gの受け渡しが行われる。シャトル41に対する基板Gの受け渡しは、上記第1から第3の搬送装置33・36・39によって行われる。
【0031】
インターフェイスステーション3は、処理ステーション2と露光装置4との間で基板Gの搬入出を行う搬送装置42と、バッファカセットを配置するバッファステージ(BUF)43と、冷却機能を備えた基板受け渡し部であるエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44とを有しており、タイトラー(TITLER)と周辺露光装置(EE)とが上下に積層された外部装置ブロック45が搬送装置42に隣接して設けられている。搬送装置42は搬送アーム42aを備え、この搬送アーム42aにより処理ステーション2と露光装置4との間で基板Gの搬入出が行われる。
【0032】
次に、このように構成されたレジスト塗布・現像処理システム100における処理動作の概略について説明する。まず、カセットステーション1の載置台9に配置されたカセットC内の基板Gが、搬送装置11により処理ステーション2のエキシマUV照射ユニット(e−UV)22に直接搬入され、スクラブ前処理が行われる。次いで搬送装置11により基板Gがスクラブ洗浄処理ユニット(SCR)21に搬入され、スクラブ洗浄される。スクラブ洗浄処理後、基板Gは例えばコロ搬送により第1の熱的処理ユニットセクション26に属する熱的処理ユニットブロック(TB)31のパスユニットに搬出される。
【0033】
熱的処理ユニットブロック(TB)31のパスユニットに配置された基板Gは、最初に、熱的処理ユニットブロック(TB)31の脱水ベークユニットに搬送されて加熱処理され、次いで熱的処理ユニットブロック(TB)32のクーリングユニットに搬送されて冷却された後、レジストの定着性を高めるために熱的処理ユニットブロック(TB)31のアドヒージョン処理ユニットおよび熱的処理ユニットブロック(TB)32のアドヒージョン処理ユニットのいずれかに搬送され、そこでHMDSによりアドヒージョン処理(疎水化処理)される。その後、基板Gは、クーリングユニットに搬送されて冷却され、さらに熱的処理ユニットブロック(TB)32のパスユニットに搬送される。このような一連の処理を行う際の基板Gの搬送処理は、全て第1の搬送装置33によって行われる。
【0034】
熱的処理ユニットブロック(TB)32のパスユニットに配置された基板Gは、パスユニットに設けられた、例えば、コロ搬送機構等の基板搬送機構によって、レジスト処理ユニット23内へ搬入される。レジスト塗布装置(CT)23aにおいては、基板Gを水平姿勢で搬送しながらレジスト液を供給して塗布膜を形成し、その後、減圧乾燥装置(VD)23bにて塗布膜に減圧乾燥処理が施される。その後、基板Gは減圧乾燥装置(VD)23bに設けられた基板搬送アームにより、レジスト処理ユニット23から第2の熱的処理ユニットセクション27に属する熱的処理ユニットブロック(TB)34のパスユニットに受け渡される。
【0035】
熱的処理ユニットブロック(TB)34のパスユニットに配置された基板Gは、第2の搬送装置36により、熱的処理ユニットブロック(TB)34のプリベークユニットおよび熱的処理ユニットブロック(TB)35のプリベークユニットのいずれかに搬送されてプリベーク処理され、その後熱的処理ユニットブロック(TB)35のクーリングユニットに搬送されて所定温度に冷却される。そして、第2の搬送装置36により、さらに熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニットに搬送される。
【0036】
その後、基板Gは第2の搬送装置36によりインターフェイスステーション3のエクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44へ搬送され、必要に応じて、インターフェイスステーション3の搬送装置42により外部装置ブロック45の周辺露光装置(EE)に搬送されて、そこで、レジスト膜の外周部(不要部分)を除去するための露光が行われる。次いで、基板Gは、搬送装置42により露光装置4に搬送されてそこで基板G上のレジスト膜に所定パターンで露光処理が施される。なお、基板Gは、一旦、バッファステージ(BUF)43上のバッファカセットに収容され、その後に露光装置4に搬送される場合がある。
【0037】
露光終了後、基板Gはインターフェイスステーション3の搬送装置42により外部装置ブロック45の上段のタイトラー(TITLER)に搬入されて基板Gに所定の情報が記された後、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44に載置される。基板Gは、第2の搬送装置36により、エクステンション・クーリングステージ(EXT・COL)44から第2の熱的処理ユニットセクション27に属する熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニットへ搬送される。
【0038】
熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニットから現像処理ユニット(DEV)24まで延長されている例えばコロ搬送機構を作用させることにより、基板Gは熱的処理ユニットブロック(TB)35のパスユニットから現像処理ユニット(DEV)24へ搬入される。現像処理ユニット(DEV)24では、例えば、基板を水平姿勢で搬送しながら現像液が基板G上に液盛りされ、その後、一旦、基板Gの搬送を停止して基板Gを所定角度傾けることにより、基板G上の現像液を流し落とし、さらにこの状態で基板Gにリンス液を供給して、現像液を洗い流す。その後、基板Gを水平姿勢に戻して、再び搬送を開始し、乾燥用窒素ガスまたは空気を基板Gに吹き付けることにより、基板Gを乾燥させる。
【0039】
現像処理終了後、基板Gは現像処理ユニット(DEV)24から連続する搬送機構、例えばコロ搬送によりi線UV照射ユニット(i−UV)25に搬送され、基板Gに対して脱色処理が施される。その後、基板Gはi線UV照射ユニット(i−UV)25内のコロ搬送機構により第3の熱的処理ユニットセクション28に属する熱的処理ユニットブロック(TB)37のパスユニットに搬出される。
【0040】
熱的処理ユニットブロック(TB)37のパスユニットに配置された基板Gは、第3の搬送装置39により熱的処理ユニットブロック(TB)37のポストベークユニットおよび熱的処理ユニットブロック(TB)38のポストベークユニットのいずれかに搬送されてポストベーク処理され、その後熱的処理ユニットブロック(TB)38のパス・クーリングユニットに搬送されて所定温度に冷却された後、カセットステーション1の搬送装置11によって、カセットステーション1に配置されている所定のカセットCに収容される。
【0041】
次に、レジスト塗布装置(CT)23aについて詳細に説明する。
図2はレジスト塗布装置(CT)23aの概略平面図である。レジスト塗布装置(CT)23aは、表面の所定位置に所定のガスを噴射するための複数のガス噴射口16が設けられたステージ12と、ステージ12上で基板GをX方向に搬送する基板搬送機構13と、ステージ12上を移動する基板Gの表面にレジスト液を供給するレジスト供給ノズル14と、レジスト供給ノズル14を洗浄等するためのノズル洗浄ユニット15とを備えている。
【0042】
ステージ12は、基板Gの搬送方向の上流から下流に向けて、大略的に、導入ステージ部12a、塗布ステージ部12b、搬出ステージ部12cに分けられる。導入ステージ部12aは、熱的処理ユニットブロック(TB)32のパスユニットから塗布ステージ部12bへ基板Gを搬送するためのエリアである。塗布ステージ部12bには、レジスト供給ノズル14が配置されており、基板Gとレジスト供給ノズル14との間に直線的な相対移動を生じさせながらレジスト供給ノズル14からレジスト液を吐出させて、基板G上にレジスト液がスキャン塗布される。搬出ステージ部12cは、塗布膜が形成された基板Gを減圧乾燥装置(VD)23bへ搬出するためのエリアである。
【0043】
基板Gは、ガス噴射口16から噴射されるガスによって、水平姿勢で、ステージ12から浮上した状態で保持され、この状態で基板搬送機構13により搬送される。
【0044】
ステージ12の搬出ステージ部12cには、ガス噴射口16に加えて、搬出ステージ部12cへ搬送されてきた基板Gを基板搬送アーム19に受け渡すために、基板Gを持ち上げるリフトピン47が設けられている。
【0045】
図3は基板搬送機構13の概略構成を示す断面図である。基板搬送機構13は、基板GのY方向端の一部を保持する基板保持部材51a、51bと、ステージ12のY方向側面に、X方向に延在するように配置された直線ガイド52a、52bと、基板保持部材51a、51bを保持し、直線ガイド52a、52bと嵌合した連結部材50と、連結部材50をX方向で往復移動させるX軸駆動機構53と、を備えている。
【0046】
基板保持部材51a、51bはそれぞれ、台座部49に基板Gを吸着保持するための吸着パッド48が1個以上設けられた構造を有しており、吸着パッド48は図示しない真空ポンプ等を動作させることにより、基板Gを吸着保持することができるようになっている。吸着パッド48は、基板Gにおいてレジスト液が塗布されない部分の裏面側、つまり基板Gの裏面のY方向端部近傍で、基板Gを保持する。X軸駆動機構53としては、例えば、ベルト駆動機構や、ボールねじ、エアースライダ、電動スライダ、リニアモータ等が挙げられる。
【0047】
図4はレジスト供給ノズル14の概略構造を示す斜視図である。レジスト供給ノズル14は、一方向に長い長尺状の箱体14aに、レジスト液を略帯状に吐出するスリット状のレジスト吐出口14bが設けられた構造を有している。レジスト供給ノズル14にはレジスト吐出口14bと基板Gとの間隔を測定するセンサ(図示せず)が取り付けられており、このセンサの測定値に基づいて基板Gにレジスト液を供給する際のレジスト供給ノズル14の位置が制御される。
【0048】
次に、レジスト液供給系について説明する。
図5は、上記レジスト塗布装置(CT)23aにおけるレジスト液供給系を制御系とともに示す図である。本実施形態のレジスト液供給系は、高濃度レジスト液が貯留された高濃度レジスト液タンク61と、レジスト液を希釈する溶剤として例えばシンナーが貯留された溶剤タンク64と、高濃度レジスト液と溶剤とを混合する混合部70とを有している。混合部70は、高濃度レジスト液と溶剤とを乱流状態で合流させ、レイノルズ数を高める合流ブロック67と、多数のじゃま板が設けられてそこを通過することにより高濃度レジスト液と溶剤とをより確実に混合するためのスタティックミキサ68とを有している。そして、このように混合部70により高濃度レジスト液と溶剤とが混合されて希釈レジスト液となる。
【0049】
高濃度レジスト液タンク61と合流ブロック67とは配管62で接続されており、配管62には高濃度レジスト液ポンプ63が設けられていて、高濃度レジスト液タンク61内の高濃度レジスト液は高濃度レジスト液ポンプ63により合流ブロック67に供給される。一方、溶剤タンク64と合流ブロックとは配管65で接続されており、配管65には溶剤ポンプ66が設けられていて、溶剤タンク64内の溶剤、例えばシンナーは溶剤ポンプ66により合流ブロック67に供給される。なお、配管62および配管65は管径が細くなっており液が乱流化されやすくなっている。
【0050】
合流ブロック67からレジスト液吐出ノズル14側へ延びるように希釈レジスト液送給配管69が設けられており、上記スタティックミキサ68はこの希釈レジスト液送給配管69に設けられている。希釈レジスト液送給配管69には配管69a,69bを介して2つのバッファタンク71a,71bに接続されており、混合部70で所定の配合に調整された希釈レジスト液がこれらバッファタンク71a,71bに供給される。そして、バッファタンク71a、71bは、それぞれその底部に設けられた配管72a,72bを介してレジスト液吐出ノズル14に至る配管73に接続されており、配管73にはレジスト液供給ポンプ74が設けられていて、このポンプ74を作動させることによりバッファタンク71a,71bのいずれかから希釈レジスト液がレジスト液吐出ノズル14に供給される。一方、配管69a,69bにはそれぞれ開閉バルブ75a,75bが設けられており、配管72a,72bには開閉バルブ76a,76bが設けられている。そして、これらのバルブの開閉動作により、バッファタンク71a,71bのいずれかへ選択的にレジスト液が供給され、バッファタンク71a,71bのいずれかから選択的にレジスト液が排出される。なお、上記バッファタンク71a,71b、レジスト液供給ポンプ74、および配管69a,69b,72a,72b,73、バルブ76a,76bがレジスト液供給機構を構成している。
【0051】
一方、配管69のバッファタンク71a,71bに至る途中には、循環用配管69cを介してモニター用バッファタンク77が接続されている。モニター用バッファタンク77の底部には、循環用配管82cが接続されており、この循環用配管82cはリターン配管82が接続されている。このリターン配管82は三方弁76を介して配管69の合流ブロック67とスタティックミキサ68との間の部分に接続されている。リターン配管82には、循環用ポンプ84が設けられており、配管69、モニター用バッファタンク77、循環用配管82c、リターン配管82、および三方弁76を経て配管69に至る循環ラインが構成されている。モニター用バッファタンク77に至る配管69cにはバルブ75cが設けられており、上述したバッファタンク71a,71bに至る配管69a,69bに設けられたバルブ75a,75bとこのバルブ75cを操作することにより、希釈レジスト液をレジスト供給機構側と循環ライン側とで切り替えることが可能となっている。すなわち、バルブ75a,75b,75cはこれらの切替機構として機能する。
【0052】
リターン配管82には、それぞれ配管82a,82bを介してバッファタンク71a,71bも接続されており、循環用ポンプ84によりバッファタンク71a,71bからレジスト液をリターンさせることも可能である。なお、配管82a,82b,82cには、開閉バルブ83a,83b,83cが設けられている。
【0053】
このモニター用バッファタンク77の底部には上記配管82cの他にモニター用配管78も接続されており、配管78の他端にはモニター塗布用吐出ノズル79が接続されている。配管78にはモニター塗布用ポンプ80が設けられており、このポンプ80を作動させることによりモニター用バッファタンク77からモニター用配管78を介してモニター塗布用吐出ノズル79へ所定の配合比に希釈された希釈レジスト液が供給される。なお、配管78には開閉バルブ81が設けられている。
【0054】
モニター塗布用吐出ノズル79から吐出されたレジスト液は適宜の被塗布体、例えばローラーまたはガラス基板にモニター塗布される。そして、モニター塗布用吐出ノズル79の近傍には、膜厚測定装置85が設けられており、モニター塗布により形成された塗布膜の膜厚を測定する。
【0055】
なお、上記ポンプ63,66,74,80,84としては、この分野で一般的に用いられているベローズポンプ、ダイアフラムポンプ、シンリンジポンプ等を用いることができる。
【0056】
このようなレジスト液供給系の制御を含め、レジスト塗布装置(CT)23aの制御は、コントローラ90によって行われる。コントローラ90は上記ポンプ63,66,74,80,84の制御および全てのバルブの制御を行うとともに、さらに各種駆動機構等の他の構成部を制御するようになっている。レジスト液供給系に対しては、上記モニター用塗布によって形成された膜の膜厚を膜厚測定装置85で測定した結果に基づいて、ポンプ63および66を制御し、レジスト液タンク61内の高濃度のレジスト液と、溶剤タンク64内のシンナー等の溶剤との混合割合を微調整するとともに、混合して希釈された希釈レジスト液の供給先等を制御するようになっている。
【0057】
コントローラ90は、上位のレジスト塗布・現像処理システム100の全体を制御する上位のプロセスコントローラ92によって制御されるようになっている。コントローラ90およびプロセスコントローラ92は、コンピュータにより構成されている。
【0058】
プロセスコントローラ92は、上述のようなコントローラ90を介してのポンプおよびバルブ等の制御の他、レジスト塗布・現像処理システム100の各構成部を制御する。プロセスコントローラ92には、工程管理者がレジスト塗布・現像システム100を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、レジスト塗布・現像システム100の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース93が接続されている。
【0059】
また、プロセスコントローラ92には、レジスト塗布・現像システム100で実行される各種処理をプロセスコントローラ92の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じてプラズマエッチング装置の各構成部に処理を実行させるためのプログラムすなわちレシピが格納された記憶部94が接続されている。格納されているレシピには、上記コントローラ90によるポンプおよびバルブ等の制御も含まれている。
【0060】
レシピはハードディスクや半導体メモリに記憶されていてもよいし、CDROM、DVD等の可搬性の記憶媒体に収容された状態で記憶部94の所定位置にセットするようになっていてもよい。さらに、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0061】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース93からの指示等にて任意のレシピを記憶部94から呼び出してプロセスコントローラ92に実行させることで、プロセスコントローラ92の制御下で、レジスト塗布・現像システムでの所望の処理が行われる。
【0062】
次に、以上のように構成されたレジスト塗布装置(CT)23aにおける処理動作について説明する。
【0063】
まず、ステージ12の各部において所定の高さに基板Gを浮上させることができる状態とし、熱処理ユニットブロック(TB)32のパスユニットからコロ搬送機構により基板Gを導入ステージ部12aに進入させ、基板Gの一部がまだコロによって支持されている状態で、基板保持部材51a、51bに基板GのY方向端を保持させ、浮いた状態の基板Gをステージ12の導入ステージ部12aへ搬入する。
【0064】
基板Gが所定の位置に配置されたレジスト供給ノズル14の下を通過する際に、レジスト供給ノズル14からレジスト液が基板Gの表面に供給され、塗布膜が形成される。
【0065】
以下、レジスト液塗布処理の手順について、図6のフローチャートを参照しながら説明する。
まず、高濃度レジスト液が貯留された高濃度レジスト液タンク61と、レジスト液を希釈する溶剤として例えばシンナーが貯留された溶剤タンク64とから、高濃度レジスト液と溶剤とが所定の割合で混合部70に供給される(ステップ1)。この際の高濃度レジスト液と溶剤との割合は、レシピに規定されており、その情報に基づいてプロセスコントローラ92、コントローラ90を介して高濃度レジスト液ポンプ63、溶剤ポンプ66に指令が出力される。
【0066】
混合部70に供給された高濃度レジスト液と溶剤とは、合流ブロック67およびスタティックミキサ68により混合され、十分に混合された状態の希釈レジスト液とされる(ステップ2)。そして、バルブ75cを開き、バルブ75a,75bを閉じ、さらにバルブ83cを開き81を閉じ、循環用ポンプ84を駆動させて、配管69、モニタ用レジスト液タンク77、配管82c、リターン配管82、および三方バルブ76を経て再び配管69に至る循環ラインを構成し、上述のように高濃度レジストと溶剤とが混合されて形成された希釈レジスト液を循環させる(ステップ3)。
【0067】
次いで、バルブ81を開いて、モニター塗布用ポンプ80を駆動させることにより循環ラインを構成するモニター用バッファタンク77から希釈レジスト液を取り出し、モニター塗布用吐出ノズル79に供給し、モニター塗布用吐出ノズル79から混合液(レジスト液)を吐出してモニター塗布を行い、モニター用塗布膜の膜厚を測定する(ステップ4)。このモニター塗布膜の膜厚は、高濃度レジスト液と溶剤との配合割合の指標となるパラメータとして用いられる。
【0068】
このステップは、図7、8に示すような手順で行うことができる。図7の例では、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液をローラー95上に供給してローラー95上に塗布膜を形成した後、加熱処理し(図7の(a))、その後、膜厚測定装置85によりローラー95上に形成されたモニター用塗布膜の膜厚を測定し(図7の(b))、その後ローラー95を洗浄する(図7の(c))。図8の例では、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液を小型ガラス基板96上に供給してガラス基板96上に塗布膜を形成した後、加熱処理し(図8の(a))、その後、膜厚測定装置85によりガラス基板96上に形成されたモニター用塗布膜の膜厚を測定し(図8の(b))、その後ガラス基板96を洗浄する(図8の(c))。これらのモニター塗布に際して、塗布開始直後は膜厚が安定しないため、ローラー95、ガラス基板96のいずれの場合にも、後半(塗布開始点より100mm以降)の膜厚を測定する。
【0069】
また、図9や図10に示すベルトを用いた装置によりモニター塗布および膜厚測定を行うこともできる。
【0070】
図9の装置では、例えばスチール製のベルト101を上部ローラ102,103と下部ローラ104,105に巻き掛け、一方の上部ローラ102の直上にモニター塗布用吐出ノズル79を配置し、他方の上部ローラ103の直上に膜厚測定装置85を配置し、これらの間に、ベルト101が通過するように、小型の減圧乾燥装置106を配置する。また、ベルト101の下部ロール104,105の間には、シンナー等の溶剤からなる洗浄液が貯留された洗浄槽107が配置されており、ベルト101が洗浄槽107内の洗浄液に浸漬されるようになっている。下部ローラ105と上部ローラ102の間には、スプレーリンスノズル108、気体ブローノズル109が配置されている。
【0071】
このような装置においては、図示しないベルト駆動装置によりベルト101を矢印方向に移動させながら、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液をベルト101上に吐出して塗布膜を形成し、小型の減圧乾燥装置106により塗布膜を乾燥させ、乾燥後の塗布膜の膜厚を膜厚測定装置85により測定する。その後ベルト101上の塗布膜は、洗浄槽107で洗浄除去され、スプレーリンスノズル108でリンスされ、気体ブローノズル109からの気体吹き付けにより乾燥され、引き続き同様にして次のモニター塗布が行われる。
【0072】
このような装置により、より高精度で高濃度レジスト液と溶剤との配合割合の指標となる膜厚測定を行うことができる。また、モニター塗布用吐出ノズル79による塗布をローラの上で行うので、ギャップ制御が容易である。また、膜厚測定装置85もローラの直上に設けられているのでベルト101の撓み等の影響を受けずに安定的に高精度で膜厚測定を行うことができる。さらに、小型の減圧乾燥装置106の減圧は、減圧乾燥ユニット(VD)23bが備えている減圧ポンプから配管を分岐することで行うことができ、新たに減圧ポンプを追加する必要がない。
【0073】
図10の装置は、減圧乾燥装置106の代わりに、ヒーター110を設けてより完全乾燥させるようにしたものである。これにより、ほぼ実膜厚になるため、より精度を高めることができる。なお、ヒーター110によりベルト101が高温になるため、上部ローラ103の下流側に冷却ブローノズル111が設けられている。ヒーター110の代わりにオーブンを配置してもよい。
【0074】
以上は、レジスト液が乾燥した状態での塗布膜を測定する例について説明したが、図11〜13に示すような手順でウエット状態の膜厚の経時変化を測定してもよい。図11の例では、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液をローラー95上に供給してローラー95上に塗布膜を形成し(図11の(a))、その後、ウェット状態で膜厚測定装置85によりローラー95上に形成された塗布膜の経時変化(2点以上)を測定し(図11の(b))、その後、ローラー95を洗浄する(図11の(c))。図12の例では、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液を小型ガラス基板96上に供給してガラス基板96上に塗布膜を形成し(図12の(a))、その後、ウェット状態で膜厚測定装置85によりガラス基板96上に形成された塗布膜の経時変化(2点以上)を測定し(図12の(b))、その後、ガラス基板96を洗浄する(図12の(c))。
【0075】
図13の装置は、図9の装置から減圧乾燥装置106を取り外したものであり、モニター塗布用吐出ノズル79から希釈レジスト液をベルト101上に供給して塗布膜を形成し、その後、ウェット状態で膜厚の経時変化を測定する。
【0076】
ウエット膜厚の経時変化は、例えば図14のグラフに示すようになっており、このようなグラフから適宜のアルゴリズムを用い溶剤揮発後の乾燥膜厚を算出する。測定対象膜の正しい光学定数および形成膜厚を把握することができていれば、ベーキング前、後にかかわらず予測計算膜厚を同時に表示することが可能である。
【0077】
なお、上記図9の装置はモニター塗布および膜厚測定の一連の操作においてタクトタイムを短くすることができるが、希釈レジスト液中の溶剤を完全に蒸発させることができないおそれがある。その場合には、上記のように膜厚の経時変化を測定して図14のグラフからアルゴリズムを用いて乾燥膜厚を算出すればよい。
【0078】
このようにして測定した膜厚測定装置85による膜厚測定データはコントローラ90に送られ、さらにプロセスコントローラー92に送られて、所定の膜厚の範囲かどうかが判断される(ステップ5)。
【0079】
所定の範囲であると判断された場合には、バルブ75cを閉じ、バルブ75aを開くことにより、レジスト液供給機構へ希釈レジストが供給され、レジスト液吐出ノズル14から希釈レジスト液が吐出されて基板G上にレジスト液が塗布される(ステップ6)。このステップ6においては、まず、バッファタンク71aおよび71bのいずれか、例えばバッファタンク71a内に希釈レジスト液が供給される。バッファタンク71aは、1枚の基板の塗布に必要な量(例えば80mL)の希釈レジスト液が貯留されるようになっており、バルブ76aを開にしてポンプ74を駆動させることにより、その中の希釈レジスト液が配管72a,73を介してレジスト液吐出ノズル14に供給され、実際の基板Gへのレジスト液塗布に供される。なお、次の基板の塗布に備えて、バッファタンク71bに希釈レジスト液を貯留しておくことにより、次の基板の塗布にはバッファタンク71bの希釈レジスト液を用いて塗布を行うことができるので、スループットを高く維持することができる。
【0080】
一方、上記ステップ5で所定の膜厚範囲から外れていると判断された場合には、プロセスコントローラ92からコントローラ90を介して高濃度レジスト液ポンプ63、溶剤ポンプ66に指令が出力され高濃度レジスト液と溶剤との割合が変更される(ステップ7)。
【0081】
高濃度レジスト液と溶剤とは変更された割合で混合部70に供給され、混合部70の合流ブロック67およびスタティックミキサ68で混合され、その割合が再調整された希釈レジスト液に対して上記ステップ3の循環ラインへの循環およびステップ4のモニター塗布および膜厚測定を行い、再度ステップ5の判断がなされる。通常は、1回の再試行で所定の濃度に調整される。
【0082】
以上の濃度調整において、膜厚測定は5秒程度の短期間で行うことができ、再試行をする場合でも短期間で終了するので、1枚の基板への塗布処理が1分程度とすれば、従前の基板の塗布処理の間に濃度調整を行うことができる。したがって、基板1枚ごとに濃度調整を行うことができる。もちろんロットごとに濃度調整を行うようにしてもよい。
【0083】
このように、インラインでレジスト液の濃度調整を行い、しかもレジスト液をレジスト液吐出ノズルへ送給する配管に循環ラインを設けてモニター塗布を行い、その膜厚を測定することにより、希釈レジスト液の配合割合を把握することができ、その結果に基づいて配合割合を適切に制御することができるので、レジスト液の無駄をなくすることができる。しかもレジスト液塗布の間に次の塗布に用いるレジスト液の濃度調整を行うことができるので、スループットを低下させることがない。
【0084】
なお、バッファタンク71aまたは71bのレジスト液が所定の濃度になっていない場合には、バルブ76aまたは76bを閉じてバルブ83aまたは83bを開き、循環用ポンプ84によりリターン配管82を介して循環させるようにすることができる。
【0085】
次に、実際にこのようなインラインでのレジスト液の濃度調整およびモニター用膜厚測定を行うための条件例について示す。モニター塗布用ポンプ80の容量を6mLとし、循環ポンプ84の容量を10mLとし、配管の内径を4.35mmとし、膜厚測定の再試行を考慮して基板1枚の塗布時間である1分間で2回測定するとし、膜厚測定装置において5秒で測定可能と仮定する。モニター用バッファタンク77からモニター塗布用吐出ノズル間の容量を19.5mLとした場合に、置換量は約3倍であるから、モニター用バッファタンク77の容量を60mLとする。また、スタティックミキサー68の容積を7.5mL、循環ラインの配管容積を7.4mLとすると、循環用ポンプ84により循環しなければならない量は、循環用ポンプ84の容量10mL、モニター用バッファタンク77の容量60mLを考慮して、7.5+60+10+7.4=84.9mLとなる。上記のように1分で膜厚測定を2回行い、ポンプ63または66からの補正量供給時間を3秒と仮定すると、実際に循環用ポンプ84にて循環させ得る時間は、1分−(5秒+3秒)×2=44秒となる。リロード時間と吐出時間とを同じと考えると、44秒で2回循環させる必要がある。したがって、44秒÷2÷2=11秒で上で計算した84.9mLを吐出しなければならない。したがって、循環用ポンプ84の吐出レートは84.9÷11=7.7mL/秒であり、流速に換算すると519mm/秒となる。上記仮定は、現実的な条件を仮定したものであり、その結果の循環ポンプ84の流速である519mm/秒も現実的な数値であるから、上述のようなインラインでのレジスト液の濃度調整が十分に実現可能であることが確認された。
【0086】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、基板を一方向に移動させながら長尺状のレジスト供給ノズルからレジスト液を供給するスキャン塗布の例を示したが、これに限定されることなく、例えばノズルを移動させてスキャン塗布する場合であっても、回転塗布の場合であっても適用可能であることは言うまでもない。
【0087】
また、高濃度レジスト液と溶剤との配合割合の指標となるパラメータとして塗布膜の膜厚を用いたが、これに限らず、他のパラメータであってもよい。さらに、塗布液としてレジスト液を用いた場合について示したが、ポリイミドや誘電体膜に用いる塗布液等、他の塗布液の場合であっても適用可能である。さらにまた、基板としてLCD用ガラス基板を用いた例について示したが、半導体ウエハ等、他の基板の場合でも適用可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0088】
12;ステージ
13;基板搬送機構
14;レジスト液吐出ノズル
23a;レジスト塗布装置(CT)
61;高濃度レジスト液タンク
62,65;配管
63;高濃度レジスト液ポンプ
64;溶剤タンク
66;溶剤ポンプ
67;合流ブロック
68;スタティックミキサ
69;希釈レジスト送給配管
69c;循環用配管
70;混合部
71a,71b;バッファタンク
74;レジスト液供給ポンプ
75a,75b,75c;バルブ(切替機構)
76;三方弁
77;モニター用バッファタンク
78;モニター用配管
79;モニター塗布用吐出ノズル
80;モニター塗布用ポンプ
82;リターン配管
82c;循環用配管
84;循環用ポンプ
85;膜厚測定装置
90;コントローラ
92;プロセスコントローラ
94;記憶部
100;レジスト塗布・現像処理システム
101;ベルト
102,103;ローラ
106;減圧乾燥装置
110;ヒーター
G;LCD用ガラス基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高濃度の塗布液を送出する高濃度塗布液送出部と、
溶剤を送出する溶剤送出部と、
前記塗布液送出部および溶剤送出部と配管接続され、前記高濃度塗布液と前記溶剤とを混合して所定濃度に希釈された希釈塗布液とする混合部と、
希釈塗布液を吐出して基板に塗布膜を形成する塗布液吐出機構と、
前記混合部から前記塗布液吐出機構へ向けて希釈塗布液を送給する希釈塗布液送給配管と、
前記送給配管からの希釈塗布液を一時的に貯留するバッファタンクと、このバッファタンクから前記塗布液吐出機構へ希釈塗布液を供給するための供給ポンプとを有する希釈塗布液供給機構と、
前記バッファタンクから希釈塗布液を取り込み、前記混合部に戻して循環させる希釈塗布液循環部と、
前記希釈塗布液の送給先を前記塗布液吐出機構側と前記塗布液循環部側とで切り替える切替機構と、
を具備することを特徴とする塗布処理装置。
【請求項2】
前記切替機構は、
前記バッファタンクから前記希釈塗布液循環部への希釈塗布液の供給および遮断を行う第1の開閉バルブと、
前記バッファタンクから前記塗布液吐出機構への希釈塗布液の供給および遮断を行う第2の開閉バルブと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の塗布処理装置。
【請求項3】
希釈塗布液を吐出してモニター塗布を行うモニター塗布用吐出ノズルと、前記送給配管からの希釈塗布液を一時的に貯留するモニター用バッファタンクと、このモニター用バッファタンクから前記モニター塗布用吐出ノズルへ希釈塗布液を供給するためのモニター塗布用ポンプと、前記希釈塗布液が塗布される被塗布体とを有するモニター塗布機構と、
前記モニター塗布機構により塗布された塗布膜の厚さを測定する膜厚測定装置と、
前記膜厚測定装置による膜厚測定の結果から前記高濃度塗布液と溶剤との混合割合が所定の範囲か否かを判断し、当該混合割合が所定の範囲でないと判断した場合には、前記希釈塗布液の送給先を前記希釈塗布液循環部のままとして、前記高濃度塗布液送出部から送出される高濃度塗布液と前記溶剤送出部から送出される溶剤との混合比率を調整し、前記混合割合が所定の範囲内の場合には、前記切替機構を操作して前記希釈塗布液の送出先を前記塗布液吐出機構側とするように制御する制御機構と、を、さらに備え、
前記希釈塗布液循環部は、さらに前記モニター用バッファタンクから希釈塗布液を取り込み、前記混合部に戻して循環させ、
前記切替機構は、さらに希釈塗布液の送給先をモニター塗布用吐出ノズルと前記塗布液循環部側とで切り替えることを特徴とする請求項1に記載の塗布処理装置。
【請求項4】
前記切替機構は、
前記バッファタンクから前記希釈塗布液循環部への希釈塗布液の供給および遮断を行う第1の開閉バルブと、
前記バッファタンクから前記塗布液吐出機構への希釈塗布液の供給および遮断を行う第2の開閉バルブと、
前記モニター用バッファタンクから前記希釈塗布液循環部への希釈塗布液の供給および遮断を行う第3の開閉バルブと、
前記モニター用バッファタンクから前記モニター塗布用吐出ノズルへの希釈塗布液の供給および遮断を行う第4の開閉バルブと、
を有することを特徴とする請求項3に記載の塗布処理装置。
【請求項5】
前記モニター塗布機構の前記被塗布体はローラーであり、ローラーを回転させながらモニター塗布を行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の塗布処理装置。
【請求項6】
前記モニター塗布機構の前記被塗布体はモニター用基板であり、前記モニター塗布用吐出ノズルと前記モニター用基板との間に相対移動を生じさせながら前記モニター用基板にモニター塗布を行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の塗布処理装置。
【請求項7】
前記モニター塗布機構の前記被塗布体は複数の搬送ローラーに巻き掛けられたベルトであり、ベルトを移動させながらモニター塗布を行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の塗布処理装置。
【請求項8】
前記モニター塗布用吐出ノズルからの希釈塗布液の吐出は、いずれかの前記搬送ローラの直上で行われることを特徴とする請求項7に記載の塗布処理装置。
【請求項9】
前記膜厚測定装置は、いずれかの前記搬送ローラの直上で膜厚測定を行うように配置されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の塗布処理装置。
【請求項10】
前記混合部は、前記高濃度塗布液と溶剤とを乱流状態で合流させる合流ブロックと、合流ブロックの下流側に設けられたスタティックミキサとを有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の塗布処理装置。
【請求項11】
前記塗布液吐出機構は、基板の幅に対応するスリットを有し、基板との間を一定間隔に保った状態で相対的な直線運動をさせながら前記希釈塗布液を吐出することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の塗布処理装置。
【請求項12】
前記バッファタンクは、基板1枚分に相当する希釈塗布液を貯留することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の塗布処理装置。
【請求項13】
前記希釈塗布液供給機構は、前記バッファタンクを2つ有し、これら2つのバッファタンクのうち一方を前記塗布液吐出機構側へ接続することを特徴とする請求項12に記載の塗布処理装置。
【請求項1】
高濃度の塗布液を送出する高濃度塗布液送出部と、
溶剤を送出する溶剤送出部と、
前記塗布液送出部および溶剤送出部と配管接続され、前記高濃度塗布液と前記溶剤とを混合して所定濃度に希釈された希釈塗布液とする混合部と、
希釈塗布液を吐出して基板に塗布膜を形成する塗布液吐出機構と、
前記混合部から前記塗布液吐出機構へ向けて希釈塗布液を送給する希釈塗布液送給配管と、
前記送給配管からの希釈塗布液を一時的に貯留するバッファタンクと、このバッファタンクから前記塗布液吐出機構へ希釈塗布液を供給するための供給ポンプとを有する希釈塗布液供給機構と、
前記バッファタンクから希釈塗布液を取り込み、前記混合部に戻して循環させる希釈塗布液循環部と、
前記希釈塗布液の送給先を前記塗布液吐出機構側と前記塗布液循環部側とで切り替える切替機構と、
を具備することを特徴とする塗布処理装置。
【請求項2】
前記切替機構は、
前記バッファタンクから前記希釈塗布液循環部への希釈塗布液の供給および遮断を行う第1の開閉バルブと、
前記バッファタンクから前記塗布液吐出機構への希釈塗布液の供給および遮断を行う第2の開閉バルブと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の塗布処理装置。
【請求項3】
希釈塗布液を吐出してモニター塗布を行うモニター塗布用吐出ノズルと、前記送給配管からの希釈塗布液を一時的に貯留するモニター用バッファタンクと、このモニター用バッファタンクから前記モニター塗布用吐出ノズルへ希釈塗布液を供給するためのモニター塗布用ポンプと、前記希釈塗布液が塗布される被塗布体とを有するモニター塗布機構と、
前記モニター塗布機構により塗布された塗布膜の厚さを測定する膜厚測定装置と、
前記膜厚測定装置による膜厚測定の結果から前記高濃度塗布液と溶剤との混合割合が所定の範囲か否かを判断し、当該混合割合が所定の範囲でないと判断した場合には、前記希釈塗布液の送給先を前記希釈塗布液循環部のままとして、前記高濃度塗布液送出部から送出される高濃度塗布液と前記溶剤送出部から送出される溶剤との混合比率を調整し、前記混合割合が所定の範囲内の場合には、前記切替機構を操作して前記希釈塗布液の送出先を前記塗布液吐出機構側とするように制御する制御機構と、を、さらに備え、
前記希釈塗布液循環部は、さらに前記モニター用バッファタンクから希釈塗布液を取り込み、前記混合部に戻して循環させ、
前記切替機構は、さらに希釈塗布液の送給先をモニター塗布用吐出ノズルと前記塗布液循環部側とで切り替えることを特徴とする請求項1に記載の塗布処理装置。
【請求項4】
前記切替機構は、
前記バッファタンクから前記希釈塗布液循環部への希釈塗布液の供給および遮断を行う第1の開閉バルブと、
前記バッファタンクから前記塗布液吐出機構への希釈塗布液の供給および遮断を行う第2の開閉バルブと、
前記モニター用バッファタンクから前記希釈塗布液循環部への希釈塗布液の供給および遮断を行う第3の開閉バルブと、
前記モニター用バッファタンクから前記モニター塗布用吐出ノズルへの希釈塗布液の供給および遮断を行う第4の開閉バルブと、
を有することを特徴とする請求項3に記載の塗布処理装置。
【請求項5】
前記モニター塗布機構の前記被塗布体はローラーであり、ローラーを回転させながらモニター塗布を行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の塗布処理装置。
【請求項6】
前記モニター塗布機構の前記被塗布体はモニター用基板であり、前記モニター塗布用吐出ノズルと前記モニター用基板との間に相対移動を生じさせながら前記モニター用基板にモニター塗布を行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の塗布処理装置。
【請求項7】
前記モニター塗布機構の前記被塗布体は複数の搬送ローラーに巻き掛けられたベルトであり、ベルトを移動させながらモニター塗布を行うことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の塗布処理装置。
【請求項8】
前記モニター塗布用吐出ノズルからの希釈塗布液の吐出は、いずれかの前記搬送ローラの直上で行われることを特徴とする請求項7に記載の塗布処理装置。
【請求項9】
前記膜厚測定装置は、いずれかの前記搬送ローラの直上で膜厚測定を行うように配置されることを特徴とする請求項7または請求項8に記載の塗布処理装置。
【請求項10】
前記混合部は、前記高濃度塗布液と溶剤とを乱流状態で合流させる合流ブロックと、合流ブロックの下流側に設けられたスタティックミキサとを有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の塗布処理装置。
【請求項11】
前記塗布液吐出機構は、基板の幅に対応するスリットを有し、基板との間を一定間隔に保った状態で相対的な直線運動をさせながら前記希釈塗布液を吐出することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の塗布処理装置。
【請求項12】
前記バッファタンクは、基板1枚分に相当する希釈塗布液を貯留することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の塗布処理装置。
【請求項13】
前記希釈塗布液供給機構は、前記バッファタンクを2つ有し、これら2つのバッファタンクのうち一方を前記塗布液吐出機構側へ接続することを特徴とする請求項12に記載の塗布処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2010−192920(P2010−192920A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91138(P2010−91138)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【分割の表示】特願2005−230425(P2005−230425)の分割
【原出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【分割の表示】特願2005−230425(P2005−230425)の分割
【原出願日】平成17年8月9日(2005.8.9)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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