説明

塗液の塗布装置および塗布方法

【課題】口金と基板間のギャップを口金全長に渡って、再現性良く高精度に調整することができ、かつ、調整した状態を安定して維持できることから、塗液を高品位に塗布することが容易な塗液の塗布装置と塗布方法を提供する。
【解決手段】基板を固定するテーブルと、塗液を吐出する口金と、該口金を該基板に対面させて支持する口金ホルダーと、該テーブルと該口金とを相対移動させる移動手段とを有する塗布装置であって、該口金ホルダーは、口金ホルダー基材と、該口金の長手方向に離散する複数の位置で該口金を該口金ホルダー基材に固定する口金固定手段、ならびに該口金に対して該基板の表面に垂直な方向に荷重を付与する荷重付与手段を少なくとも1つ有し、該荷重付与手段は荷重を発生する荷重発生部および該荷重の大きさを調整するための荷重調整機構を有する塗液の塗布装置とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と略称することもある)に代表されるディスプレイパネル、液晶カラーフィルター(LCM)、光学フィルタ、プリント基板、半導体等の特に高粘度塗液を塗布するような分野に使用可能であり、例えばPDP製造工程における、ガラス基板など被塗布対象物表面に薄膜パターンを形成するにあたって好適に用いられる塗液の塗布装置および方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にPDPは、前面板と背面板の間に形成された放電空間内で放電を生じさせることで、キセノンガスから波長147nmを中心とする紫外線を生じ、この紫外線が蛍光体を励起することによって表示が可能となる。R(赤)、G(緑)、B(青)に発光する蛍光体を塗り分けた放電セルを駆動回路によって発光させることにより、フルカラー表示に対応できる。
【0003】
このPDPには、電極が放電空間に露出している直流型(DC型)と、絶縁層で覆われている交流型(AC型)の2タイプがある。AC型は、表示電極/誘電体層/保護層を形成した前面ガラス板と、アドレス電極/誘電体層/隔壁層/蛍光体層を形成した背面ガラス板とを貼り合わせ、ストライプ状あるいは格子状の隔壁で仕切られた放電空間内にHe-Xe、または、Ne-Xeの混合ガスを封入した構造を有している。R、G、Bの各蛍光体層は、粉末状の蛍光体粒子を主成分とする蛍光体ペーストが、背面板に形成されたストライプ状あるいは格子状の隔壁間に形成された凹部に充填されてなる。このような構造のものを高い生産性と高品質で製造するには、蛍光体を一定のパターン状に塗り分ける技術が重要となる。
【0004】
この種の塗布工程には、従来、スクリーン印刷が使用されていたが、近年においては、複数の吐出孔を有する口金を使用し、この口金を背面板と対向させ、相対的に移動させながら、蛍光体ペーストを凹部に充填する方法が検討、提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
この方法では、背面板と口金吐出孔出口との距離(以降、ギャップとする)は、数十μmから数百μm程度にする必要がある。背面板の凹部に、複数の吐出孔から均一に蛍光体ペーストを充填するには、このギャップを全吐出孔で等しく、かつ、適切な範囲に設定する必要がある。ギャップが狭すぎると背圧によってペーストが出にくく、所望の吐出量を凹部に充填することができない。更に狭くなれば、ペーストが吐出孔周りに付着して塗布すらできなくなる。また、ギャップが広すぎると、吐出孔から出たペーストの柱状流が、口金と背面板の相対移動によって生じた随伴流の影響を受けてふらつき、凹部に塗布できなくなる。よってギャップは、全吐出孔均一に、かつ、適切な範囲に設定する必要がある。
【0006】
しかしながら近年、背面板は大型化する傾向にあり、それに伴い口金も長尺化され、背面板を載せるテーブルも大きくなり、口金と背面板のギャップを均一に保つのが難しくなっている。
【0007】
具体的に、口金は長手方向において1mを超えるような長尺口金であり、ギャップを均一に保つためには口金自身の加工精度を向上し高精度な真直度を得る必要がある。しかし、高精度加工技術のハードルは高く、必要とする精度を得るためには、加工のコストアップや、加工時間の増大をまねく。テーブルについても同様であり、大型化することで加工のコストアップや加工時間の増大をまねく。
【0008】
他にも、口金の自重たわみによる変形が無視できなくなり、また、テーブルも自重たわみによる変形でその平面度が悪くなることも考えられ、その結果、ギャップを均一に保つことが困難となり、大型の背面板への蛍光体ペーストの塗布を精度良く行うことができないという問題があった。
【0009】
ギャップを一定に保つ方法としては、たとえばスリットダイの保持部を工夫し、スリットダイのスリッと被塗布部材表面との間のギャップを均一に調整する方法が提案されている。(特許文献2)
具体的には、スリットダイがダイ支持部材を介し、複数の引きボルトと押しボルトにより変形せしめられ、ギャップの調整を行う方法が開示されている。

しかしながら、特許文献2記載の方法では、ダイを変形させるためにボルトを用いているため、高精度で微細な調整が困難であることが伺える。
例えばギャップを均一に調整するためにダイを数μmから10μmのオーダーで変形させて調整する時、前記引きボルトや押しボルトにM8サイズ(メートル細目ネジ)を用いた場合、そのピッチは1mmである。つまり、ボルトを1回転させることで、大凡1mmの変化量をダイへ与えることとなる。つまり、ダイを10μm変形させたいとき、ボルトは1/100回転させることになる。調整は人手による作業であり、1/100回転という極めて微小な動作は、個人誤差を含むため再現性に乏しく、毎回、所望の調整結果を安定して得ることが極めて困難である。
【0010】
さらに、特許文献3には、固定ネジによりダイをダイ支持部材に吊り下げ固定し、固定ネジの両側にダイを押し引きするネジを設けてギャップの調整を行う方法が開示されている。
【0011】
この方法でも、特許文献2と同様に、押し引きに用いるネジピッチの問題から、毎回、所望の調整結果を安定して得ることが極めて困難である。
【0012】
更に、塗布の前にはダイ先端部をクリーニング装置、例えばゴムロールに布を巻いたようなものをダイ先端部に押し当てて摺動させ、クリーニングすることが一般的である。このとき、ダイに外力が加わることになるため、ダイはギャップ調整後、支持部材に強固に固定されている必要がある。
【0013】
しかし、押し引きに用いるボルトについて、一般的にネジ部には、微小なガタがあるため、特許文献2や3に記載の方法だと、ギャップ調整したのにもかかわらず、ガタのぶんだけダイの変形量が変わり、ギャップを均一に保てなくなるという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特開平10−27543号公報
【特許文献2】特開平6−142588号公報
【特許文献3】特開2004−14607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、
口金と基板間のギャップを口金全長に渡って、再現性良く高精度に調整することができ、かつ、調整した状態を安定して維持できることから、塗液を高品位に塗布することが容易な塗液の塗布装置と塗布方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するために、本発明は、
基板を固定するテーブルと、塗液を吐出する口金と、該口金を該基板に対面させて支持する口金ホルダーと、該テーブルと該口金とを相対移動させる移動手段とを有する塗布装置であって、該口金ホルダーは、口金ホルダー基材と、該口金の長手方向に離散する複数の位置で該口金を該口金ホルダー基材に固定する口金固定手段、ならびに該口金に対して該基板の表面に垂直な方向に荷重を付与する荷重付与手段を少なくとも1つ有し、該荷重付与手段は荷重を発生する荷重発生部および該荷重の大きさを調整するための荷重調整機構を有する。
【0017】
また、前記荷重付与手段は、前記口金に付与する荷重の向きおよび大きさを変更可能であることが好ましい。
【0018】
また、前記荷重発生部が、弾性部材からなることが好ましく、空気シリンダーであっても良い。
【0019】
また、前記口金固定手段のうち、少なくとも2つは、それぞれ前記口金の長手方向に関して両端から長手方向長さの25%以内の位置に配置することが好ましく、
前記荷重付与手段の少なくとも1つは、前記口金の長手方向に関して前記口金の中間位置に配置することが好ましい。
【0020】
また、前記口金固定手段は、前記荷重付与機構で荷重を付与する前に前記口金を固定する第1の口金固定手段と、前記荷重付与機構で荷重を付与した後に前記口金を固定する第2の口金固定手段からなり、該第2の口金固定手段は、前記口金を前記口金ホルダーの前記荷重付与手段により荷重を付与する方向および該口金の長手方向に平行な面に固定することが好ましい。
【0021】
また、前記口金に対して前記基板の面に垂直な方向に荷重を付与し、該口金を変形させて塗布することが好ましい
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、
基板を固定するテーブルと、塗液を吐出する口金と、該口金を該基板に対面させて支持する口金ホルダーと、該テーブルと該口金とを相対移動させる移動手段とを有する塗布装置であって、該口金ホルダーは、口金ホルダー基材と、該口金の長手方向に離散する複数の位置で該口金を該口金ホルダー基材に固定する口金固定手段、ならびに該口金に対して該基板の表面に垂直な方向に荷重を付与する荷重付与手段を少なくとも1つ有し、該荷重付与手段は荷重を発生する荷重発生部および該荷重の大きさを調整するための荷重調整機構を有するので、口金を高精度に変形させることができる。これにより、口金と基板間のギャップを口金全長に渡って、再現性良く高精度に調整することができることから、容易に塗液を高品位に塗布することが可能となる。
【0023】
また、前記荷重付与手段を、前記口金に付与する荷重の向きおよび大きさを変更可能とすることによって、口金を基板の表面に垂直な方向に対して、近づける方向や遠ざける方向に変形させることができる。これにより、口金またはテーブルの自重たわみが大きい場合や加工精度が悪い場合でも、口金に所望の変形を与えることで口金と基板間のギャップを口金全長に渡って、再現性良く高精度に調整することができる。また、口金またはテーブルを高精度に加工する必要もないことから、加工のコストを抑えることが可能となる。
【0024】
また、前記荷重発生部を、弾性部材とすることによって、弾性部材の圧縮量から発生する荷重で口金を変形させることから、数μmから数十μmオーダーの口金変形量に対して、荷重を調整するために操作する弾性部材の圧縮量を大きくでき、微小な口金変形量を個人誤差などの影響を受けずに、再現性良く高精度に調整することができる。その結果、口金と基板間のギャップを口金全長に渡って、再現性良く高精度に調整することができることから、容易に塗液を高品位に塗布することが可能となる。
【0025】
また、前記荷重発生部を、空気シリンダーとすることによって、
空気シリンダーが発生する荷重で口金を変形させることから、口金変形量を圧縮空気の圧力を操作することで調整するので、数μmから数十μmオーダーの変形量に対して、荷重を調整するために操作する圧力範囲を大きくでき、微小な口金変形量を個人誤差などの影響を受けずに、再現性良く高精度に調整することができる。
また、前記口金固定手段を、前記荷重付与機構で荷重を付与する前に前記口金を固定する第1の口金固定手段と、前記荷重付与機構で荷重を付与した後に前記口金を固定する第2の口金固定手段からなるように構成し、該第2の口金固定手段を、前記口金を前記口金ホルダーの前記荷重付与手段により荷重を付与する方向および該口金の長手方向に平行な面に固定することによって、第2の口金固定手段を用いて口金を高精度に変形させた状態で固定できることから、口金と基板間のギャップを口金全長に渡って、より強固に調整された状態を維持することができる。その結果、口金に外力が加わることがあっても、安定して高品位な塗布を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施態様に係る塗液の塗布装置の概略斜視図である。
【図2】本発明の塗布装置に用いる口金ホルダーの一例の正面図である。
【図3】図2に示した荷重付与機構の別の実施態様の拡大図である。
【図4】図2に示した荷重付与機構のさらに別の実施態様の拡大図である。
【図5】口金と基板間のギャップを調整するまでの手順を示した拡大図である。
【図6】口金と基板間のギャップを調整するまでの手順を示した拡大図である。
【図7】口金の先端部をクリーニングしている状態を示した拡大図である。
【図8】図2)に示した荷重付与機構のさらに別の実施態様の拡大図である。
【図9】図1に示した口金のY方向断面図である。
【図10】図1に示した口金のX方向断面図である。
【図11】図1の装置に搭載された基板の上面図である。
【図12】図1の装置の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の塗布装置は、
基板を固定するテーブルと、塗液を吐出する口金と、該口金を該基板に対面させて支持する口金ホルダーと、該テーブルと該口金とを相対移動させる移動手段とを有するもので、
たとえば、プラズマディスプレイパネル用部材における蛍光体塗布工程に特に好ましく適用することができるものである。すなわち、赤、緑、青の3種類のいずれかの色に発光する蛍光体粉末を含む蛍光体ペーストをプラズマディスプレイパネル用基板に塗布する際に好適に用いることができる。
【0028】
図1に、本発明の一実施態様に係る塗液の塗布装置の概略斜視図を示し、図2に口金ホルダー1の詳細図を示す。図2(a)は正面図、(b)はA−A断面における拡大図、(c)はB−B断面における拡大図である。
【0029】
これら図に示すように、口金ホルダー1の両端は、Z軸駆動部15に構成されたリニアガイド15a、15bによって支持されており、テーブル7の面に対して垂直方向に移動可能な構成となっている。
【0030】
口金ホルダー1は、口金ホルダー基材1a、1bと、該口金2の長手方向に離散する複数の位置で該口金2を該口金ホルダー基材1a、1bに固定する口金固定手段(第1の口金固定手段71aおよび第2の口金固定手段72b)、ならびに該口金2に対して該基板4の表面に垂直な方向に荷重を付与する荷重付与手段72を少なくとも1つ有し、該荷重付与手段72は荷重を発生する荷重発生部73a、73bおよび該荷重の大きさを調整するための荷重調整機構74を有している。
【0031】
口金固定手段としては、ボルトまたは固定ピンを用いることが好ましいが、一般的にはボルトを用いることが多く、例えば口金ホルダー基材1a、1bに穴を形成し、口金2にネジを切って締結固定するが、確実に固定できるものであれば、その手段は特に限定するものではない。
【0032】
また、口金固定手段は口金2の長手方向に離散する複数の位置に設けて、口金ホルダー基材1a、1bへ口金2をより強固に固定できることが好ましい。
また、口金2の長手方向に関して口金固定手段は、口金2の中央に対称となるよう配置することが好ましい。そうすることで、口金2を口金ホルダー基材1a、1bへ固定する際、口金2が捩れたりすることを抑制できる。
なお、ここで長手方向とは図1に示したY方向のことを指し、幅方向とはX方向のことであり塗布方向を指し、高さ方向をZ方向とする。
【0033】
荷重付与手段72は、口金ホルダー基材1aに固定されており、連結部75を介して荷重発生部73a、73bで発生する荷重を口金2に付与する。付与する荷重の大きさおよび向きの調整は、荷重調整機構74を操作することで行う。
【0034】
荷重発生部73a、73bは、弾性部材からなり、該弾性部材を圧縮することで荷重を発生させる。
【0035】
荷重発生部73aは口金2を基板4に近づける方向へ荷重を発生させ、73bは、口金2を基板4から遠ざける方向へ荷重を発生させるようになっている。
【0036】
弾性部材としては、寸法、バネ定数など様々なバリエーションがあり、かつ入手しやすいものとしてコイルバネを用いることが好ましい。
コイルバネは、圧縮バネや引張バネがあるが、どちらを用いるかは荷重付与手段72の構成の仕方によって適宜決定すればよいし、さらに、板バネやゴムなどの弾性部材を用いることもできる場合がある。
【0037】
荷重調整機構74は、ネジ部78と弾性部材を圧縮させるための上ストッパ76と下ストッパ77を有した棒状であり、荷重発生部73a、73bと連結部75を貫通して口金ホルダー基材1aにねじ込むよう構成している。
【0038】
荷重調整機構74の上部は、操作部79を有しており、六角レンチやモンキーなどの工具を用いて回転できるような形状にしておくことが好ましく、わずかな力で荷重調整機構74を回転させることが可能となる。他の手段としては、操作部79の径を大きくしてローレット溝を形成することでも同様の操作が可能となる。もしくは、操作部79をモーターと接続して遠隔操作で荷重調整機構74を回転させてもよい。
【0039】
また、より安定した調整作業を行えるように、口金2に対すう荷重の向きを高さ方向に規制するためのスライド機構80を設けることが好ましい。そうすることで連結部75が傾いて口金2に偏当たりすることがなくなる。なお、スライド機構80は、リニアブッシュやリニアガイドを適用することができる。また、荷重調整機構74が連結部75を貫通する部分を摺動させることでその機能を代用することも可能である。
【0040】
口金2を基板4に近づける方向(以下、下向き)へ荷重を付与するとき、操作部79を操作し、荷重調整機構74を時計回りに回す。
すると、荷重調整機構74は、ネジ部78のピッチに対応した距離を下向きに移動する。あわせて、上ストッパ76と下ストッパ77も一緒に移動し、上ストッパ76が荷重発生部73aを圧縮していくことで口金2へ下向きの荷重を付与する。
この時、荷重の大きさは、荷重調整機構74の移動距離、つまり荷重発生部73aを圧縮した距離と、荷重発生部73aのバネ定数で決定される。
【0041】
一方、口金2を基板4から遠ざける方向(以下、上向き)へ荷重を付与するとき、操作部79を操作し、荷重調整機構74を反時計回りに回す。
【0042】
すると、荷重調整機構74はネジ部78のピッチに対応した距離を上向きに移動する。あわせて、上ストッパ76と下ストッパ77も一緒に移動し、下ストッパ77が荷重発生部73bを圧縮していくことで口金2へ上向きの荷重を付与する。
この時も前述と同様、荷重の大きさは、荷重調整機構74の移動距離、つまり荷重発生部73bを圧縮した距離と、荷重発生部73bのバネ定数で決定される。
【0043】
例えば下向きに荷重を付与する場合、荷重調整機構74のネジ部78にM8サイズ(メートル細目ネジ、ピッチ1mm)を用い、荷重発生部73aにバネ定数150N/mmの圧縮コイルバネを用いた場合、荷重調整機構74を1回転させることで、1mmの変化量を荷重発生部73aに与えることになる。その結果、荷重発生部が1mm圧縮することで150Nの荷重を口金2へ付与することで口金2が変形する。
【0044】
上向きに荷重を付与する場合も同様の考え方で良いが、口金2の重量が非常に大きい場合は、口金2の自重を考慮した荷重を付与することが好ましい。
本発明では、このように口金2を所望の量だけ変形させることにより、口金2と基板4間のギャップを口金2の全長に渡って、再現性良く高精度に調整することができる。
【0045】
特に、口金2の変形量を数μmから数十μmのオーダーで調整したいときは、荷重調整機構74の操作量を大きくしつつも、口金2へ付与する荷重を小さくすることが好ましい。
つまり、荷重調整機構74の操作量に対して、口金2の変形量を小さくするよう、バネ定数の小さなものを選定することで、操作量に対する口金2の変形の感度を鈍くすることが好ましく、その結果、荷重調整機構74の操作時に生じる調整誤差や個人誤差の影響を受けにくくすることが可能となる。
【0046】
この時、変形量は口金2の断面二次モーメントやヤング率によって左右されるので、これらを考慮してバネ定数を選定すればよい。
【0047】
具体的には、口金2を変形させることで調整したい量に対して、いくらの荷重をかければ良いかをあらかじめ、たわみの計算式により求めておき、その荷重と荷重調整機構74で操作したい操作量から荷重発生部73a、73bのバネ定数を適宜決定することが好ましい。
【0048】
本図では、荷重発生部73a、73bを2つで構成し、73aは下向きの荷重を付与し、73bは上向きの荷重を付与するよう独立したものとしている。
前述したように、口金2の自重を考慮した結果、下向きより上向きに荷重を付与する方がより大きな荷重が必要となる場合がある。そのため、下向きの荷重を付与する荷重発生部73aより荷重発生部73bの方が大きなバネ定数のもの選定することが望ましい場合があり、そうすることでより高精度な調整が可能となることもあるが、要求する精度や調整の際の操作性によっては、これに限定するものではなく、同じバネ定数のものを用いても良い。
【0049】
図3に図2に示した荷重付与機構の別の実施態様を示す。
【0050】
図3(a)は、荷重を付与していないときの図であり、(b)は下向きに荷重を付与したときの図である。
【0051】
荷重発生部73を1つで構成したものである。基本的には図2の場合と同様の操作であり、
下向きへ荷重を付与するとき、操作部79を操作し、荷重調整機構74を時計回りに回す。
すると、荷重調整機構74は、ネジ部78のピッチに対応した距離を下向きに移動し、荷重発生部73を圧縮していく。その時、連結部75の下方に対して荷重を付与することで口金2へ下向きの荷重を付与することが可能となる。
【0052】
一方、図示しないが、上向きへ荷重を付与するとき、操作部79を操作し、荷重調整機構74を反時計回りに回す。
【0053】
すると、荷重調整機構74は、ネジ部78のピッチに対応した距離を上向きに移動し、荷重発生部73を圧縮していく。その時、連結部75の上方に対して荷重を付与することで口金2へ上向きの荷重を付与することが可能となる。
【0054】
以上のように要求する精度や調整の際の操作性、設置スペースなどを鑑み、荷重発生部73を1つにして荷重付与手段72をコンパクトに構成することも可能である。
【0055】
また、図1において、テーブル7には口金2のたわみや変形量を測定するための測定器81a、81b、81cが長手方向に関して複数配置されている。
測定器81a、81b、81cは、要求される精度を測定できるならばいかなるものであっても良いが、具体的には、リニアゲージや非接触レーザー変位計などが高精度測定可能であるため好ましい。
【0056】
測定器81aと81bは、口金2両端の高さ方向の位置を測定し、81cは口金2中央の高さ方向の位置を測定する。
【0057】
テーブル7がY方向へ移動し、測定器81a、81b、81cが口金2の真下に移動できるように構成する。
【0058】
測定器81a、81b、81cは、あらかじめテーブル7表面の高さと同じになるよう、治具などを用いて基準出しを行っておく。
【0059】
例えば、口金2を測定したとき測定器81a、81b、81cがすべて同じ値であれば、テーブルと口金2は、長手方向に関して少なくとも両端と中央でギャップが均一であるということになる。
【0060】
なお、測定器81a、81b、81cの基準出しを行ったにもかかわらず、両端の測定器81aと81bの値が異なる場合、口金2自身または口金ホルダー1が全体的に傾いているということになる。このような場合は、リニアガイド15aと15bをそれぞれ個別に動かし、両端の測定器81aと81bが同じ値になるよう調整すればよい。
【0061】
なお、測定器81a、81b、81cの数は、特に限定するものではなく、より正確なたわみを測定する場合には、その数を増やせば良い。
【0062】
図4は、本発明の別の実施態様であり、図2(b)と同様に中央での断面図である。
荷重発生部73に別の手段として、空気シリンダーを用いてもよい。
【0063】
この時、荷重調整機構74は、圧縮空気の空気圧を調整するための減圧弁となり、口金2に付与する荷重は、空気圧と空気シリンダーの断面積で決定される。
【0064】
例えば、断面積15cmの空気シリンダーを用い、空気圧を100kPaかけた場合、大凡150Nの荷重を口金2へ付与することで口金2が変形する。
本発明では、このように口金2を所望の量だけ変形させることにより、口金2と基板4間のギャップを口金全長に渡って、再現性良く高精度に調整することができる。
【0065】
特に、口金2の変形量を数μmから数十μmのオーダーで調整したいときは、荷重調整機構74の空気圧調整範囲を大きくしつつも、口金2へ付与する荷重を小さくすることが好ましい。
【0066】
つまり、荷重調整機構74の空気圧調整範囲に対して、口金2の変形量を小さくするよう、断面積の小さなものを選定することで、操作量に対する口金2の変形の感度を鈍くすることが好ましく、その結果、荷重調整機構74の操作時に生じる調整誤差や個人誤差の影響を受けにくくすることが可能となる。
【0067】
この時、変形量は口金2の断面二次モーメントやヤング率によって左右されるので、これらを考慮した断面積の空気シリンダーを選定すればよい。
【0068】
具体的には、口金2を変形させて調整したい量に対して、いくらの荷重をかければ良いかをあらかじめ、たわみの計算式により求めておき、その荷重と荷重調整機構74での空気圧調整範囲から荷重発生部の断面積を適宜決定することが好ましい。
【0069】
また、荷重調整機構74の操作をより高精度に行うために、精密形減圧弁を用いることが好ましい。
【0070】
本図では、複動形空気シリンダーを用い、引き込み側と押し込み側にそれぞれ空気圧をかけれるよう電磁弁82を接続している。
電磁弁が通常位置の時は、下向きの荷重を付与し、電磁弁を作動させた時は、上向きの荷重を付与するものである。
【0071】
また、例えば口金2の加工精度などにより変形の方向が毎回同じであって、荷重を付与する向きがあらかじめ決まっているような場合だと、単動形空気シリンダーを用いて荷重を付与する方向に圧縮空気を導入するように構成することも可能である。
【0072】
図5(a)、(b)、(c)から図6(a)、(b)、(c)は、図2の口金ホルダー1へ口金2を装填、固定し、口金2と基板4間のギャップを調整するまでの手順を示した図である。
【0073】
これら図を用いて、本発明の手順を以下に説明していく。
【0074】
図5(a)、(b)、(c)は、口金2を口金ホルダー1へ装填した後、長手方向に関して両端部に配された第1の口金固定手段71aで固定した状態の図である。
【0075】
図5(a)は、正面図、(b)はA−A断面拡大図、(c)はB−B断面拡大図である。
【0076】
図5(a)において、口金ホルダー1は2枚の板状からなる口金ホルダー基材1a、1bで構成されており、複数の口金固定手段で固定できるよう構成されている。荷重付与手段72は、長手方向に関して、口金2の中央位置に設けられている。
【0077】
まず、口金2の変形量を測定するための測定器81a、81b、81cは、口金2の真下に位置させておく。
【0078】
まず、口金2を口金ホルダー1へ装填し、両端部にあたる第1の口金固定手段71aのみを固定することが好ましい。
【0079】
何故なら、両端部のみを固定することで口金2は、両端支持されていることとなり、例えば長手方向に関して中央一箇所から荷重を口金2へ付与した場合、口金2は無理なく容易に変形できるからである。
【0080】
また、ここで述べる両端部というのは、口金2の長手方向に関して両端から長手方向長さの25%以内の位置であることが好ましい。
【0081】
25%を越える位置の場合、つまり、第1の口金固定手段71aが長手方向に関して中央に近づくにつれ、口金2の両端部が垂れ下がる傾向となり、例えば荷重付与手段72で中央に荷重を付与しても、両端部の傾向は大きく変わらない場合もある。
【0082】
なお、図5(a)、(b)に示した状態は、荷重付与手段72で口金2には、まだ荷重を付与はしていない、フリーな状態にある。
【0083】
図6(a)、(b)、(c)は、図5(a)、(b)、(c)から荷重付与手段72を用いて口金2へ荷重を付与した状態を示した図である。
荷重付与手段72は、中間位置、すなわち口金長手方向の中心から口金の長手方向長さの10%以内の位置に設けられていることが好ましい。
前述のとおり、第1の口金固定手段71aのみを固定した口金2は、両端支持されていることとなり、例えば長手方向に関して中央一箇所から口金2へ荷重を付与した場合、口金2は無理なく容易に変形できるからである。
しかし、中央以外の所望の箇所に対して変形を与えたいときはこの限りではなく、中央近傍であってもよいし、長手方向に関して複数設けた口金固定手段の中間位置に複数設けてもよいし、例えば口金2の両端部を積極的に変形させたい場合は、両端部にあたる第一固定手段71aの位置を口金の両端から25%以内の範囲で長手方向の中央寄りの位置に配置し、口金の最両端近傍に荷重付与手段72を設けて変形さても良い。
【0084】
まず、リニアガイド15a、15bによって支持された口金ホルダー1をテーブル7に近づく方向に下降させ、測定器81a、81b、81cに接触させる。
口金2の両端部である測定器81a、81bの位置と、中央である測定器81cの位置の高さ方向の位置を測定することで、現時点における口金2と基板4間のギャップが確認できる。
【0085】
この測定結果をもとに、荷重調整機構74を操作し、口金2へ荷重を付与していく。
両端部に対して中央の高さ方向の位置が高い場合は、口金2を押さえる方向の荷重を付与するとよい。
【0086】
両端に対して中央の高さ方向の位置が低い場合は、口金2を引き上げる方向の荷重を付与するとよい。
【0087】
ここでは、例えば両端部に対して中央の高さ方向の位置が高い場合として説明する。
まず、測定器81cの値を確認しながら、操作部79を操作し荷重調整機構74を時計回りに回転させる。
【0088】
すると、上ストッパ76と下ストッパ77が下方向に移動していく。
さらに荷重調整機構74を回転させていくと、上ストッパが荷重発生部73aを圧縮していくことで下向きの荷重が発生する。
そして、この荷重が連結部75を介して口金2へ付与され、口金2が変形を開始する。
【0089】
さらに荷重調整機構74を回転させていき、測定器81cの値が所望の値となったら、荷重調整機構74を回転を止める。
【0090】
なお、この時、荷重発生部73bはまったく圧縮されていないフリーの状態であり、連結部75に対していかなる荷重も付与していない状態にある。
【0091】
次に、この状態で口金2を強固に固定するため、第2の口金固定手段71bで口金2を固定する。
【0092】
もし、第2の口金固定手段71bが荷重を付与する方向、すなわち高さ方向に長手方向を有するボルトまたは固定ピンで固定するような構成とした場合は、口金2が口金ホルダー基材1a、1bと接触する面の高さ方向の位置に倣って変形してしまう。その結果、荷重付与手段72で口金2へ与えた所望の変形量が変わり、口金2と基板4間のギャップが悪化する。
【0093】
したがって、第2の口金固定手段71bは、前記口金を前記口金ホルダーの前記荷重付与手段により荷重を付与する方向および前記口金の長手方向に平行な面に固定することが好ましい。
【0094】
なお、第1の固定手段については、この限りではなく、荷重付与手段72で荷重を付与した際、口金2が高さ方向にずれないよう高さ方向に方向長手方向を有するボルトまたは固定ピンであっても良いし、固定時の締結力や付与する荷重の大きさとの兼ね合いで、口金2が口金ホルダー1からずれないのならば、前記荷重付与手段により荷重を付与する方向および前記口金の長手方向に垂直な方向に長手方向を有するボルトまたは固定ピンであってもよい。
【0095】
図7(a)、(b)は、口金2の先端部をクリーニングしている状態を示した図である。
ゴムロール83で支持された布84が、口金2と接触することで口金2の先端部をクリーニングする。
【0096】
口金2と基板4間のギャップ調整が完了してから、リニアガイド15a、15bによって支持された口金ホルダー1を移動させ、口金2を布84に接触させる。
この時、長手方向に関して、口金全域を均一にクリーニングするため、数mmオーダーで口金2を布84に押さえつける。すると、布84を支持しているゴムロール83が弾性変形することにより、口金全域に接触することができ、結果、均一にクリーニング可能となる。
【0097】
つまり、この状態では口金2に対してゴムロール83が荷重を付与していることとなり、口金2の変形量が変わる可能性もあるため、口金2は、第1の口金固定手段71aと第1の口金固定手段71bからなる複数の位置に配した口金固定手段により、強固に締結することが好ましい。
【0098】
また図6(c)に示したように、口金ホルダー基材1a、1bの口金固定手段の下方は、口金2を支持するような形状としてもよい。このようにすることで、万が一、口金固定手段が破損した場合でも、口金2が口金ホルダー1から落下することを防ぐことができる。
【0099】
また、荷重付与手段72を用いて口金2へ与える変形量をさらに小さくしてより高精度にギャップを調整したいときは、荷重発生部73a、73bバネ定数を小さくすればよいが、その他の手段として、第1の口金固定手段71aと第2の口金固定手段71bを締結した後、荷重付与手段72で荷重を付与しても良い。
【0100】
つまり、変形対象物である口金2の剛性が高まることから、より高い荷重を付与することが必要となる。これは、荷重発生部73aまたは73bをより多く圧縮させるということなので、荷重調整機構74の操作量を大きくすることができる。つまり、荷重調整機構74の操作量に対して、口金2の変形量を小さくするよう、バネ定数の小さなものを選定することで、操作量に対する口金2の変形の感度を鈍くすることと同様の効果が得られることがある。
【0101】
図8(a)、(b)に荷重付与手段72の配置について別の実施態様を示す。
【0102】
荷重付与機構72は、口金2を所望の方向に変形させることができるのであれば、その配置や個数は特に限定されるものではなく、図8(a)に示すとおり、口金2の両側面に配置してもよいし、図8(b)に示すとおり口金2の真上に配置することも可能である。
【0103】
次に、本発明に係る塗液の塗布装置の全体構成を説明する。
【0104】
図1において、基板4はテーブル7の上に載置され、テーブル7に設けた吸着装置(図
示略)により吸着して固定される。なお、基板4には塗布領域68がある。テーブル7は、その中心を軸として、回転を可能とするθ軸部材(図示しない)により支持されている。このθ軸部材は、X軸駆動部12上に設けられたリニアガイド11a、11bなどで構成されたY軸駆動部11に搭載され、テーブル7がリニアガイド11a、11bに沿って機台13のY軸方向に移動するとともに、θ軸部材を中心として回動する。X軸駆動部12は、機台13上に設けられたリニアガイド12a、12bなどによって構成され、テーブル7がリニアガイド12a、12bに沿って機台13のX軸方向に移動する。これらX軸駆動部12およびY軸駆動部11は互いに直交するように調整されている。X軸駆動部12は、基板4に塗液を塗布するための、口金2と基板4の相対移動手段であって、塗布動作においてはテーブル7をX軸方向に移動させる。
【0105】
機台13の中央部上方には、X軸駆動部12によって移動するテーブル7が通過するように門型の支持台14が、X軸と直交する形で設けられている。支持台14の下流側(図面における奥側)には、リニアガイド15a、15bによって構成されたZ軸駆動部15が設けられている。口金ホルダー1は、その両端がリニアガイド15a、15bによって支持され、リニアガイド15a、15bに沿ってテーブル7の面に対して垂直方向に移動する。口金ホルダー1には塗液を吐出する口金2が、機台13のY軸方向中央を基準にして取り付けられる。
【0106】
ここで、本発明に係る装置に用いられる口金について説明する。
【0107】
図9は、図1に示した口金2のY方向における縦断面図を示しており、図10は口金2のX方向における縦断面図を示している。口金2は、塗液55を溜める塗液溜め部52と、塗液55を吐出する吐出開口部53と、塗液溜め部52に塗液55を供給するための塗液供給口54を有する。吐出開口部53は、口金2の幅方向に直線状に配列された複数の吐出孔56からなる。塗液供給口54は、塗液溜め部52に挿入された、パイプ57の先端に開口した孔である。また、図1の支持台14の口金上方には、塗液溜め部52の塗液の液面高さを検出するための液面センサ58が取り付けられており、液面高さを計測することができるように構成されている。
【0108】
口金は、塗布領域68のサイズに合わせて選択されるが、本実施形態においては塗布領域68に形成された全ての溝(凹部)に対して1回の塗布動作で塗液を付与できるよう、溝に対応した数、ピッチで吐出孔が略一直線状に配列されている。すなわち、本実施形態は、プラズマディスプレイの背面板に塗液を付与する装置であり、口金2はR、G、Bのいずれかの蛍光体粉末を含んだ塗液が塗布される溝に対応した数、ピッチで吐出孔を有している。
口金2には、塗液を供給するための配管が接続され、この配管の反対側先端部には、塗液の供給をコントロールする開閉バルブ41を介して塗液タンク43が接続される。塗液タンク43には所定圧力の気体圧力源44が配管を介して接続されている。また、口金2には、吐出孔から塗液を吐出させるための気体圧力を供給する配管が接続され、この配管の反対側先端部は気体圧力の切換バルブ42を介して所望圧力の気体圧力源44に接続されている。切換バルブ42は三方弁であり、塗液溜め部52、気体圧力源44にそれぞれ接続されるほか、切り換えることで大気に開放されるように構成されている。
【0109】
口金2への塗液供給は、切換バルブ42を大気開放にした状態で開閉バルブ41を開くことにより行い、塗液溜め部52の上部に空間を残す形で塗液を所定量供給する。続いて、塗液の吐出は切換バルブ42を気体圧力源44に切り換えて、この空間に気体圧力を供給することにより行われる。
【0110】
基板への塗布工程は、口金2の塗液溜め部52に塗液を供給する工程と、塗布領域に塗液を塗布する工程を有し、それらをたとえば交互に繰り返す。塗布領域に塗液を塗布する工程では、一回の工程で、塗液溜め部52内の塗液のうち一部(所定量)を使って塗布領域1面に塗布する。これにより、塗液溜め部52内の液面高さ(吐出孔から液面までの距離)は一定高さ下降するため、次の塗液供給工程で塗液を所定量供給(補給)し、液面を所定の高さ(塗液量)にする。
【0111】
そして、支持台14の上流側(図面における手前側)の側面には、基板4の塗布領域68の位置を計測する第1の位置センサとしてカメラ21、23が取り付けられ、かつ、塗布領域68の基準溝の位置を計測する第2の位置センサとしてカメラ22が取り付けられている。これらのカメラは、それぞれ、支持台14のY軸方向に独立して移動可能となるように、XおよびZ軸方向の微調整機構を介してY1搬送部24、Y3搬送部26、Y2搬送部25に取り付けられている。このY1〜Y3搬送部は、リニアガイド14a、14bによって構成され、カメラ21,22,23は、Y軸方向に移動した場合においてもテーブル面からの高さが一定になるよう構成されている。また、各カメラはモニタテレビに接続され視野の画像を表示できるように構成されている。
【0112】
さらに、本実施形態においては、コンピュータなどにて構成される制御部31と、サーボモーターなどで構成される移動駆動部34が設けられている。制御部31は、移動制御部33を有し、移動制御部33は移動駆動部34を介して塗布装置の動作を制御し、基板4と口金2とを、X方向に相対移動させる。また制御部31は、塗布条件を入力表示するタッチパネル部を備えた供給制御部32を有し、口金2への塗液の供給、口金からの塗液の吐出を制御する。
【0113】
続いて、塗液を塗布する基板について説明する。図11は、基板4を上から見た一例を示す図である。基板4には塗布領域68がある。塗布領域68のそれぞれには、塗布方向にのびる直線状の隔壁35が全面に渡り所定間隔で形成され、隔壁の間に溝(凹部)を形成している。なお、図示しないが、背面板としての基板の輝度向上、消費電力低減といった性能向上のためには、該隔壁間に溝を分断する横隔壁を形成してもよい。塗布領域68の四隅付近には、基板面に形成された隔壁パターンとの位置関係を示すアライメントマークA1〜A4が設けられている。このアライメントマークは、塗布領域の隔壁パターンを形成するときに一緒に作成される。これにより、隔壁パターンとアライメントマークの位置関係が精度良く形成される。アライメントマークは、A1とA3を結ぶ直線が隔壁の長手方向と平行になるように、また、A1とA2を結ぶ直線が隔壁の長手方向と直交するように設けられる。そして、本実施形態においては、基準溝位置(基準凹部)を各塗布領域の中央の溝位置(凹部)とする。アライメントマークの間隔XA,YAおよび各塗液塗布溝の基準溝とアライメントマークの距離Ysは基板情報として制御部31に与える。
【0114】
次に、この基板と口金との位置合わせについて説明する。図12は、上述の装置に上述の基板を配置した状態を示す部分上面図(a)および部分正面図(b)である。X軸駆動部12の上流側端面には、口金2の位置を検出する位置センサとしてカメラ27が、機台のY軸方向中央の位置に取り付けられている。また、口金2のそれぞれの下面(吐出孔面)には、一列に並べられた吐出孔の中央近傍に、基板の基準溝(基準凹部)と位置あわせする基準吐出孔の位置を示すマークMが付されている。従って、X軸を操作することにより、カメラ27によって口金2の基準孔の位置を計測し、それぞれのX軸、Y軸座標を記憶させる。
【0115】
そして、基板4においては、機台13のY軸方向中央を基準にしてあらかじめ基板情報に基づき位置決めしたカメラ21、23の位置に、テーブルのX軸を操作して下流側2個のアライメントマークA1、A2を移動させ、各々の位置を計測する。さらに、カメラ22により基板の基準溝のY軸方向の位置を計測する。なお、カメラ21,22,23,27の相対位置情報はあらかじめ制御部31に与えておく。こうして求めた口金2の基準吐出孔の位置座標と、塗布領域68の基準溝位置座標を基に、テーブルのY軸、θ軸を動作させて、各塗布領域において基板と口金各々の相対位置合わせを行う。
【0116】
このように、Y軸方向において、塗布領域の基準溝を中央に、そして口金の基準孔も中央にすることで、基板4の歪みや口金2の加工精度による位置ずれ誤差を半減でき、塗布領域68に形成された全ての溝中心に対向して、口金2の吐出孔を位置合わせできる。
続いて塗布動作について説明する。塗布を開始する場合は、まず、口金2の塗液溜め部内に塗液を供給する。塗液の供給は前述したように図1の切換バルブ42を大気開放にした状態で開閉バルブ41を開いて、所定の量に達するまで供給する。次に、基板搭載に移る。
【0117】
この動作は口金2内への塗液供給と並行して行うことが可能で、そうすることで口金2への塗液供給の待ち時間を少なくすることができる。
【0118】
テーブル7を上流側端部に移動する。Y軸およびθ軸は中央ゼロの位置でテーブル面のほぼ中央に外部移載機により塗布する基板4を搭載し、塗布方向にのびる隔壁がテーブルのX軸方向とほぼ平行となる状態にして吸着固定する。外部移載機は例えば多軸のロボットを用い、ロボットのアームで基板4をテーブル7上部に横持ちする。テーブル7には複数の昇降可能なピンを設け、このピンを上昇して基板を受け取り、アームを退避させてピンを下降することにより基板をテーブル面に受け取る。
【0119】
次に、塗布領域68に塗液55を塗布する動作に入る。まず、基板位置決めを行う。テーブル7を移動させて、塗布領域68のアライメントマークA1、A2をカメラ21、23の視野に入れる。次に、カメラ21の視野中心を基準にアライメントマークA1のX、Y方向のずれ量を求める。また、カメラ23の視野中心からアライメントマークA2のX、Y方向のずれ量を求める。この2つのX軸方向のずれ量とアライメントマークの間隔YAから基板の傾きと、傾きを修正したときのアライメントマークA1の移動量を求める。
【0120】
算出した結果に応じ、テーブルのθ軸を回転して基板の傾きを修正し、X、Y軸を移動してカメラ21の視野中心にアライメントマークA1を位置合わせする。
【0121】
この時点で、カメラ22の視野内には塗布領域68の塗液塗布溝の基準溝が観測されるので、溝の中心位置を判断し、テーブル7のY軸を移動することで、口金2の基準孔と塗布領域68の塗液塗布溝の基準溝中心とのY軸方向の位置を合わせる。
【0122】
位置決めが終わると塗液の塗布動作に移る。口金2の塗液溜め部内への塗液供給が完了していることを確認し(未完の場合は待つ)、テーブル7のX軸を塗布領域68の位置決め位置から下流方向に予めプログラムした速度で移動させる。X軸座標が、あらかじめ設定された塗液吐出位置になったら口金2から塗液を吐出し、吐出停止位置になれば吐出を停止する。この塗液の吐出および停止は、図1に示した切換バルブ42により行う。
【0123】
これで塗布領域68への塗液55の塗布が終了したことになる。なお、塗布が終わった口金を基板から離間させることで、吐出孔周辺の残存塗液が基板面に付着するのを防止できる。
塗布を終了すると、基板排出に移る。基板4の排出はテーブル7を下流端に移動し、吸着した基板4を解除し、ピンを上昇して移載機により取り出す。移載機は上流側の基板搬入と下流側の排出専用に各1台配置することで、基板排出中に次に塗布する基板が準備できるので、基板搬入から排出までの時間を短縮することができる。基板4を排出した時点で一連の動作が終了する。連続して基板4に塗布する場合には、上記塗液供給から開始する。
なお、上述した態様は、口金を固定し、テーブル(基板)を移動することで塗液を基板に塗布する態様であったが、口金を移動し、テーブル(基板)を固定することで塗液を基板に塗布しても同様の効果が得られる。
【実施例】
【0124】
<実施例1>
図1、2に示す口金ホルダー、塗布装置を用いて、口金の調整を行った。
口金は長さが990mm、重量は45kgのものを用いた。
口金の長手方向に関して、たわみが10μm未満になるように調整することとする。
口金固定手段は、長手方向に関して6箇所設け、M6のボルトで締結固定するようにした。
荷重付与機構は、長手方向口金の中央に1箇所とした。
6箇所の口金固定手段のうち、長手方向に関して最両端にある口金固定手段の位置は、口金の端部から50mmの位置(口金の長手方向両端から約5%の位置)とした。
【0125】
荷重発生部には、直径φ25mm×自由長さ25mmの圧縮コイルバネを用いた。圧縮コイルバネは2つ用い、上向き荷重と下向き荷重を与えらるよう構成した。両者のバネ定数は、83N/mmである。
【0126】
荷重調整機構は、M16(ピッチ2mm)のボルトとコイルバネから構成されボルトを1回転させることで2mmの変化量をコイルバネに与えることができるようにした。
口金の長手方向のたわみを確認するために、塗布機のテーブルに測定器を口金長手方向に関して、口金両端部と中央部に対応する位置に3箇所設置した。
測定器は、市販のリニアゲージ『ミツトヨ製 542シリーズ LGF−0110L』を用いた。そして、両端の測定点を基準(ゼロ)とした時、中央の測定点において最も大きな値を口金のたわみとした。
まず、口金を口金ホルダーに装填し、口金ホルダー基材とボルトで締結する。この時点では、第一固定手段である口金両端部のみをボルトで締結する。
【0127】
次に、テーブルを動かし口金の真下に測定器を移動させ口金のたわみを測定する。
【0128】
結果、たわみは中央部がテーブル側に近い傾向で18μmとなった。
【0129】
そして、荷重付与手段で口金に荷重を付与するために荷重調整機構を回す。
【0130】
ネジは右ネジを用いたので、口金の中央部を基板と遠ざける方向に変形させるために、反時計方向に回す。
【0131】
すると、下側のコイルバネが圧縮され、口金に荷重が付与されていく。
測定器の値を確認しながらさらに荷重調整機構を回し、所望の10μm未満の値になったので、操作をやめた。
【0132】
結果、両端の測定点を基準(ゼロ)とした時、中央の測定点は6μmとなった。
また、この時、荷重調整機構のネジは3回転させており、コイルバネは6mm圧縮されることで約500Nの荷重を生じていたことになる。
【0133】
続いて、この調整した結果を強固に維持するために、第二固定手段である残りの4箇所をボルトで締結固定した。
【0134】
そして、この状態で基板に塗布を行ったところ、非常に良好な塗布品位の製品を得ることができた。
【0135】
次に、別の口金に交換し再度、調整した。
【0136】
先ほどとは異なる作業者が調整作業を行った。
【0137】
同様の手順で口金ホルダーに口金を装填し、第一固定手段である両端のみを締結した。
【0138】
結果、たわみは中央部がテーブル側に近い傾向で11μmとなった。
【0139】
測定器の値を確認しながらさらに荷重調整機構を回し、8μmになったので、操作をやめ、第二固定手段である残りの4箇所をボルトで締結固定した。この時、ボルトは1.5回転回していた。
【0140】
以上のように、いかなる作業者でも容易に数μm〜オーダーの調整が可能であり、かつ、調整の際の操作量が大きいことから、個人誤差などの影響を受けずに高精度な調整が可能であることがわかる。
【0141】
続いて、図7(b)に示す口金のクリーニング装置を使って、口金先端のクリーニングを行った。
【0142】
ゴムロールは、金属の軸にゴムがライニングされたものである。その表面には帯状の布が通過し、口金に接触することで拭き取り洗浄を行う。
ゴムは、シリコンゴム(ゴム硬度60°)をライニングし、布は『東レ製 トレシー』を用いた。
【0143】
口金をゴムロールに約1.5mm押し込んで、布でクリーニングを行った。
そして、測定器でたわみの確認を行ったところ、先ほどと同様に8μmのたわみのままであり、クリーニング装置の外力により調整結果が変化しないことがわかった。
<実施例2>
図1、4に示す口金ホルダー、塗布装置を用いて、口金の調整を行った。
【0144】
荷重付与手段以外は実施例1と同様である。
【0145】
荷重発生部には、市販の空気シリンダー『SMC製 CU32シリーズ』を用いた。
【0146】
まず、口金を口金ホルダーに装填し、口金ホルダー基材とボルトで締結する。この時点では、第一固定手段である口金両端部のみをボルトで締結する。次に、テーブルを動かし口金の真下に測定器を移動させ口金のたわみを測定する。
【0147】
結果、たわみは中央部がテーブル側に近い傾向で20μmとなった。
【0148】
そして、荷重付与手段で口金に荷重を付与するために電磁弁を作動させ、口金の中央部を基板から遠ざける方向に変形させるために、空気シリンダーのロッド側に圧力をかける。
次に荷重調整機構である減圧弁を操作し、空気圧を高めていくことで、口金に荷重が付与されていく。
【0149】
測定器の値を確認しながらさらに荷重調整機構を操作し、所望の10μm未満の値になったので、操作をやめた。
【0150】
結果、両端の測定点を基準(ゼロ)とした時、中央の測定点は7μmとなった。
また、この時、空気圧は0.6MPa、空気シリンダーの断面積は32mmであるので、約500Nの荷重を生じていたことになる。続いて、この調整した結果を強固に維持するために、第二固定手段である残りの4箇所をボルトで締結固定した。
【0151】
そして、この状態で基板に塗布を行ったところ、非常に良好な塗布品位の製品を得ることができた。
【0152】
次に、別の口金に交換し再度、調整した。
【0153】
先ほどとは異なる作業者が調整作業を行った。
【0154】
同様の手順で口金ホルダーに口金を装填し、第一固定手段である両端部のみをボルトで締結した。
【0155】
結果、たわみは中央部がテーブル側に近い傾向で10μmとなった。
【0156】
測定器の値を確認しながらさらに荷重調整機構を操作し、6μmになったので、操作をやめ、第二固定手段である残りの4箇所をボルトで締結固定した。この時、空気圧は約0.4MPaであった。
【0157】
以上のように、いかなる作業者でも容易に数μm〜オーダーの調整が可能であり、かつ、調整の際の操作量が大きいことから、個人誤差などの影響を受けずに高精度な調整が可能であることがわかる。続いて、実施例1と同様に図7(b)に示す口金のクリーニング装置を使って、口金先端のクリーニングを行った。
測定器でたわみの確認を行ったところ、先ほどと同様に6μmのたわみのままであり、クリーニング装置の外力により調整結果が変化しないことがわかった。
<比較例1>
図2に示したコイルバネを取り除き、それ以外は実施例1と同様にして口金の調整を行った。
【0158】
まず、口金を口金ホルダーに装填し、口金ホルダー基材とボルトで締結する。この時点では、第一固定手段である口金両端部のみをボルトで締結する。
【0159】
次に、テーブルを動かし口金の真下に測定器を移動させ口金のたわみを測定した。
結果、たわみは中央部がテーブル側に近い傾向で17μmとなった。
【0160】
そして、荷重付与手段で口金に荷重を付与するために荷重調整機構を回す。
ネジは右ネジを用いたので、口金の中央部を基板と遠ざける方向に変形させるために、反時計方向に回す。
【0161】
すると、下ストッパが上昇し、連結部に軽く接触させた。
【0162】
この時点で、測定器の値を確認すると両端の測定点を基準(ゼロ)とした時、中央の測定点は−38μmとなり、従来と逆方向のたわみ、つまり中央部がテーブルから遠ざかる方向にたわみが大きくなってしまった。
【0163】
そのため、ネジ部を時計方向に回し、下ストッパを連結部から離した。
【0164】
次いで、再度、下ストッパを慎重に接触させた。しかし、結果は、−24μmとなり先ほどと同様、中央部がテーブルから遠ざかる方向のたわみとなった。
【0165】
よって、この状態を良化させるために、ネジ部を大凡10°時計方向に回転させたところ、中央部はテーブル側に近い傾向で11μmとなった。
【0166】
口金および口金ホルダーの剛性により、操作量=たわむ変化量とはならないものの、操作量の影響が大きすぎるため極めて調整しづらく、また10μm未満に抑えることが困難な結果となった。
【0167】
本調整では、作業者の感覚的な要素や熟練が必要とされ、誰でも容易に調整できないことがわかった上に、調整に時間を要するという問題も明らかになった。
【産業上の利用可能性】
【0168】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの塗布装置に限らず、液晶用カラーフィルター
(LCM)の塗布装置などにも応用することができ、その応用範囲がこれらに限られるも
のではない。
【符号の説明】
【0169】
1 口金ホルダー
1a,1b 口金ホルダー基材
2 口金
3 支持部
4 基板
6 移載装置
7 テーブル
11 Y軸駆動部
11a、11b リニアガイド
12 X軸駆動部
12a,12b リニアガイド
13 機台
14 支持台
14a,14b リニアガイド
15 Z軸駆動部
15a,15b リニアガイド
21 カメラ
22 カメラ
23 カメラ
24 Y1搬送部
25 Y2搬送部
26 Y3搬送部
27 カメラ
28a,28b 当接面
29 支持面
30 保持手段
31 制御部
32 供給制御部
33 移動制御部
34 移動駆動部
35 隔壁
41 開閉バルブ
42 切換バルブ
43 塗液タンク
44 気体圧力源
52 塗液溜め部
53 吐出開口部
54 塗液供給口
55 塗液
56 吐出孔
57 パイプ
58 液面センサ
68 塗布領域

71a 第1の口金固定手段
71b 第2の口金固定手段
72 荷重付与手段
73、73a、73b 荷重発生部
74 荷重調整機構
75 連結部
76 上ストッパ
77 下ストッパ
78 ネジ部
79 操作部
80 スライド機構
81a、81b、81c 測定器
82 電磁弁
83 ゴムロール
84 布
A1、A2、A3、A4 アライメントマーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を固定するテーブルと、塗液を吐出する口金と、該口金を該基板に対面させて支持する口金ホルダーと、該テーブルと該口金とを相対移動させる移動手段とを有する塗布装置であって、該口金ホルダーは、口金ホルダー基材と、該口金の長手方向に離散する複数の位置で該口金を該口金ホルダー基材に固定する口金固定手段、ならびに該口金に対して該基板の表面に垂直な方向に荷重を付与する荷重付与手段を少なくとも1つ有し、該荷重付与手段は荷重を発生する荷重発生部および該荷重の大きさを調整するための荷重調整機構を有することを特徴とする塗液の塗布装置。
【請求項2】
前記荷重付与手段は、前記口金に付与する荷重の向きおよび大きさを変更可能である請求項1に記載の塗液の塗布装置。
【請求項3】
前記荷重発生部が、弾性部材からなる請求項1または2のいずれかに記載の塗液の塗布装置。
【請求項4】
前記荷重発生部が、空気シリンダーである請求項1または2のいずれかに記載の塗液の塗布装置。
【請求項5】
前記口金固定手段のうち、少なくとも2つは、それぞれ前記口金の長手方向に関して両端から長手方向長さの25%以内の位置に配置することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の塗液の塗布装置。
【請求項6】
前記荷重付与手段の少なくとも1つは、前記口金の長手方向に関して前記口金の中間位置に配置することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の塗液の塗布装置。
【請求項7】
前記口金固定手段は、前記荷重付与手段で荷重を付与する前に前記口金を固定する第1の口金固定手段と、前記荷重付与手段で荷重を付与した後に前記口金を固定する第2の口金固定手段からなり、該第2の口金固定手段は、前記口金を前記口金ホルダーの前記荷重付与手段により荷重を付与する方向および該口金の長手方向に平行な面に固定することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の塗液の塗布装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の塗液の塗布装置を用い、前記口金に対して前記基板の面に垂直な方向に荷重を付与し、該口金を変形させて塗布する塗液の塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−172820(P2010−172820A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−17789(P2009−17789)
【出願日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】