説明

塩化セチルピリジニウムの殺ウイルス活性

本開示はウイルス病原体を不活化する発明的方法に関し、本方法のステップは:(a)1重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムを含有する液体媒質を含む殺ウイルス組成物を提供するステップと、(b)当該殺ウイルス組成物を、消毒の標的となる表面と接触させるステップとを含む。本開示はさらに、発明的殺ウイルス組成物に関し、本組成物は(a)液体媒質と、(b)1重量/容量%未満の濃度の当該液体媒質に溶解した塩化セチルピリジニウムと、(c)エキステンダーと、(d)促進剤とを含む。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
[0001]本願は米国特許出願第10/703,969号の一部継続であり、その優先権を主張する。
【発明の背景】
【0002】
発明の分野
[0002]本発明は、表面接触消毒のため、ならびにウイルス粒子によって引き起こされる感染の医薬治療および予防のための、殺ウイルス剤としての第四級アンモニウム化合物の使用に関する。具体的には、本発明は、比較的短時間のウイルス粒子の接触破壊とその後のウイルス粒子に対する残存付随毒性のための、低濃度溶液での塩化セチルピリジニウムの使用に関する。さらに詳しくは、本発明は、表面消毒のための、乾燥組成物粉末から溶液までの塩化セチルピリジニウムの組成物および適用を、コロナウイルスの破壊または阻害のための気道治療用スプレーまたはエアゾール吸入剤として、およびHIV感染予防における発泡体、フィルム、液体または坐剤として記載する。
【0003】
関連技術の説明
[0003]ウイルスは、生細胞において複製できる最小の感染性病原体であると考えられている。宿主細胞への核酸転移およびさらなる後代の産生を促進する宿主のその後の機能の正確な機構は、十分には理解されていない。ウイルスは、1つまたは複数のタンパク質コートによって取り囲まれた核酸のコアを有し、コロナウイルスの場合のように、さらに外被に覆われているものもある。核酸には2種類、リボース(RNA)またはデオキシリボース(DNA)がある。適した宿主が一旦侵入されると、この遺伝物質は、複製に向かわせる原因となる。核酸は、タンパク質コートがないと、通常は細胞に入ることができない。
【0004】
[0004]一般に、DNAウイルスは宿主細胞の核内で増殖するのに対し、RNAウイルスは細胞質で増殖する。RNAウイルスの中には細胞膜からの出芽のように出現するように見えるものもある。一般に、ミクソウイルスおよびライノウイルス、例えばコロナウイルス、ならびにヒト免疫不全ウイルス(「HIV」)はRNAタイプのものであり、他方パポバウイルス(ヘルペス)、アデノウイルス(ポックス)およびオルトミクソウイルス科(インフルエンザおよびパラインフルエンザ)などのウイルスはDNAベースのものである。コロナウイルス、例えば、風邪を引き起こすものは、多種多様な宿主に感染することが分かっている。例えば、コロナウイルスは、ヒト、イヌ、ネコ、ブタおよびトリに感染することが分かっている。
【0005】
[0005]殺ウイルス剤は、多種多様な設定において、例えば、病院、患者の部屋、治療施設およびウイルスの不活化が有益な効果を有するであろうその他の表面において、病原性ウイルスの有害な存在の制限または根絶において重要な役割を果たしている。それでもなお、強力で有効な殺ウイルス剤の必要性は、環境の安全への懸念に対して釣り合いをとられなければならない。
【0006】
[0006]塩化セチルピリジニウム(CPC)は、メルクインデックス(メルクインデックス、第11版、メルク社(Merck & Co.)、ニュージャージー州ローウェイ(1989)、311頁)に記載される第四級アンモニウム化合物であり、殺菌特性および防腐特性を有する。広範な抗菌特性を有すると現在知られているものは陽イオン化合物であり、このためにグラム陰性菌およびグラム陽性菌双方の不活化のための有効成分となっている。感受性であると分かっている細菌の例としては、大腸菌、ネズミチフス菌、緑膿菌、炭疽菌、枯草菌、カンピロバクター菌、リステリア菌、黄色ブドウ球菌および肺炎連鎖球菌がある。塩化セチルピリジニウムはまた、カンジダアルビカンス(Candida albicans)および亜種、出芽酵母、トルロプシスグラブラタ(Torulopsis glabrata)、白癬菌種、アスペルギルスフラーブス(Aspergillus flavus)および黒色アスペルギルス(Aspergillus niger)、スタキボトリスアトラ(Stachybotrys atra)、ケトミウムグロボスム(Chaetomium globosum)、ヒストプラスマカプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、ペニシリウムシクロピウム(Penicillium cyclopium)およびクラドスポルムレジネ(Cladosporum resinae)などの真菌に影響を及ぼす、その抗真菌特性についても知られている(Reed, R.H.、「Cetyl Pyridinium Chloride:Status Report.」 University of Northumbria School of Applied and Molecular Biology、2002年1月)。
【0007】
[0007]CPCは、口腔内細菌叢を乱すことのない、認められている広域型の抗菌殺菌作用によって、オーラルリンスおよびトローチ剤に一般的に用いられている。例えば、市販のオーラルリンス製品として、スコープ(Scope)(登録商標)(プロクターアンドギャンブル)、セパコール(Cepacol)(登録商標)(J.B.ウィリアムズ)およびアクト(Act)(登録商標)(ジョンソンアンドジョンソン)が挙げられる。これらの製品におけるCPCの製剤濃度は、0.04%〜0.05%の範囲であり、これは通常、好ましくない微生物に対して有効である能力を有しながら、安全なレベルとして認識されている。また、CPCの、プラークおよび歯肉炎の減少および阻害における有効成分としての効力についても多数言及されており、これによって口腔衛生成分としての使用が促進されている(Hunter−Rindereleら、J. Clin. Res. 72:107113、1997)。しかし、抗菌剤としてのCPCの効力は、リンス、トローチ剤、歯磨剤およびオーラルケア製品の製剤によく使われる成分によって大きく妨げられているという証拠が多数存在する(Addyら、J. Dent. Res. 72:719、1993)。その他の市販の殺菌製品用途としては、女性用洗浄液ならびに擦り傷および軽傷用の局所消毒薬が挙げられる。
【0008】
[0008]ウイルス病原体、特に、このような病原体が活性を長期間保持できる、無生物表面上に存在するものの排除は、多種多様な設定における殺菌環境の維持に対する長年にわたる課題であった。このような静的に存在するウイルス病原体の排除のための適切な機構を提供しようとしていくつかの消毒剤が開発されてきた。しかし、こういった消毒剤の多くは所望の特徴を少ししか持っていない傾向がある。例えば、腐食性であり得るものもあれば、不快なものまたは処理面の変色を引き起こし得るものもある。
【0009】
[0009]したがって、求められるものは、従来の薬剤で経験され得る副作用を最小にしながらまたは排除しながら、表面接触消毒を提供する殺ウイルス剤、ならびにウイルス粒子によって引き起こされる感染の医薬治療および予防のための組成物である。
【0010】
[0010]本発明は上記の1つまたは複数の問題の影響を克服することまたは少なくとも減少させることを対象とする。
【発明の概要】
【0011】
[0011]本発明は、無生物上に、ヒトまたはその他の動物の気道、特に口腔または鼻腔内に、およびHIVの予防または阻害のためにヒトの肛門または泌尿生殖路内に、存在するウイルスを不活化するための、組成物および方法を含む。本発明はまた、一般大衆が最大の残存結果の表面の浄化を必要とする、病院、公衆トイレ、運搬用車両および施設で通常見られるものなどの、ウイルス病原体に感染した領域、ツールまたは装置を浄化するための、方法および組成物を含む。
【0012】
[0012]本発明は、液体またはその他の適した媒質に可溶化したCPCの使用を含む。特定の実施形態は、表面接触消毒剤として、またはヒトまたはその他の動物の気道におけるウイルス病原体の破壊のための口咽頭適用におけるスプレーとして使用するための、飲用水または滅菌水のいずれかにCPCを溶解するステップを含む。さらに、本発明のさらにその他の実施形態は、CPC含有化合物を含む殺ウイルスキットを提供する。このようなキットでは、CPC含有化合物を、使用に先立って作用濃度に希釈するための濃縮型で提供できる。
【0013】
[0013]本発明の特定のその他の実施形態は、ヒトおよびその他の動物によって安全に経口摂取し得る組成物を提供することによって、本発明の組成物および方法を、病原性ウイルスに曝露されたヒトおよびその他の動物を治療するのに適したものにする。代替実施形態では、有効量のCPCを、病原性ウイルスに対する曝露に先立って、治療を受けているヒトおよびその他の動物に適用できる。したがって、本発明は、ウイルス感染症の予防および治療の両方のための組成物および方法を含む。これらの特定の実施形態では、本発明は、ヒトおよび/またはその他の動物への薬剤投与に適した不活化組成物を含み得る。薬剤投与に適したこのような組成物はまた、1種または複数の製薬上許容される担体を含み得る。これらの組成物は、ウイルス感染を治療または予防するために、スプレーもしくはオーラルリンス(もしくはその他の許容される形)として粘膜もしくは口腔および咽喉を含む、口腔表面に、または皮膚表面および開放創および肛門もしくは膣管を含む、任意の他の適した身体表面に局所適用できる。
【定義】
【0014】
[0014]
「不活化する」または「不活化」とは、ウイルス病原体の感染する能力および/または宿主において病的反応を引き起こす能力を、破壊、排除または低下させる能力を有することを意味し、このような不活化能は、ウイルス病原体の感染する能力および/または宿主において病的反応を引き起こす能力の少なくとも1logオーダー低下(90%)を提供することが好ましく、2logオーダー低下(99%)がより好ましく、3logオーダー低下(99.9%)が最も好ましい。
【0015】
[0015]「接触させる」または「接触している」とは、本発明の組成物がウイルス病原体を不活化できるように、本発明の1種または複数の組成物をウイルス病原体と接触させることを指す。
【0016】
[0016]「促進剤」とは、CPCのウイルス病原体を不活化する能力を増強または促進するよう作用する化合物または物質を表す。
【0017】
[0017]「エキステンダー」とは、ウイルス病原体に対するCPCの不活化能を拡大または延長するよう作用する化合物または物質を表す。
【0018】
[0018]「製薬上許容される」とは、特定の宿主(例えば、ヒトまたはその他の動物)に投与または適用した場合に重大な副作用を生じない組成物を指す。
【0019】
[0019]「製薬上許容される担体」としては、使用した場合に製薬上許容されるままである、ありとあらゆる溶媒、媒質、コーティング剤または湿潤剤など、ならびに、特定の促進剤およびエキステンダーが挙げられる。
【具体的な実施形態の詳細な説明】
【0020】
[0020]本発明の例示的実施形態を以下に記載する。明瞭にするため、この明細書に実際の実施のすべての特徴を記載するわけではない。当然のことながら、そのような実際の実施形態の開発では、開発者の具体的な目標を達成するために、多数の実施に特有の決定、例えば、実施毎に変わる、システムに関連した、およびビジネスに関連した制限の順守がなされるはずである。さらに、当然のことながら、このような開発努力は複雑で多大な時間を要するものであり得るが、それにもかかわらず、この開示の利益を有する当業者にとっては慣例の取り組みである。
【0021】
[0021]本発明は、液体またはその他の適した媒質に可溶化したCPCの組成物およびウイルス病原体を不活化するための、これらの組成物の使用を提供する。本発明は、表面接触消毒剤として、またはヒトもしくはその他の動物の気道におけるウイルス病原体の破壊のための適用ではスプレーとして使用するための、何か適した液体媒質、例えば、飲用水または滅菌水または等張生理食塩水に可溶化しているCPCをさらに含む。CPCを可溶化することは選択量のCPC粉末を液体媒質選択物に添加することによって行わなくてはならない。本発明の組成物の代替実施形態はまた、得られる溶液を安定化し、その氷点を下げるための、安定化剤、例えば、ポリプロピレングリコールの添加を含む。
【0022】
1. 表面接触消毒剤
[0022]表面接触消毒剤および消毒を対象とする、本発明の実施形態では、CPC溶液濃度の範囲は、0.0%超〜最大約1.0%であってよく、濃度は具体的な用途に応じて変わる。家庭での適用を対象とする特定の実施形態では、0.0%超〜1.0%、好ましくは、0.01%〜0.5%、より好ましくは、0.02%〜0.05%、最も好ましくは、約0.025%という溶液濃度が、特定のウイルス病原体、例えばコロナウイルスおよびインフルエンザウイルスおよびHIVウイルスの不活化をさらに促進する、穏和であるが有効な抗菌消毒剤を提供する。ウイルス生物体のより多くの病原性の株が存在する、より積極的な消毒を必要とする適用では、確実に表面の汚染物質を最大接触破壊し、残存存在がさらなる汚染を妥当な期間内阻害するよう、最大約1.0%の高濃度のCPCが必要とされる場合もある。
【0023】
[0023]CPCはまた、界面活性も有し、固体表面に積極的に付着するので、残存作用が促進される。エキステンダー、例えば、それだけには限らないが、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはナトリウムカルボキシメチルセルロースをはじめとするセルロースエーテルを、CPCの残存不活化作用の毒性および寿命を延長または促進するために、本発明の特定の実施形態において、種々の濃度で補助剤として使用できる。これらの化合物は、粘度調整剤、乳化剤、エマルションにおける保護コロイドとして、および皮膜形成剤として広く認識されている。粘度特性は、水溶性ポリマーとしての置換度に応じて変わる。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの場合には、0.01%〜2.5%の置換が皮膜形成およびカプセル封入を引き起こすが、カルボキシメチルセルロースの0.5%〜5.0%で同様の結果が達成される。本発明の特定の実施形態では、これらのエキステンダー化合物は表面付着を高め、乾燥すると、耐水性度の異なる固体皮膜をもたらし得る。特定のその他の実施形態では、エキステンダーは非イオン性界面活性剤であることが考慮される。本発明に用途を見出す非イオン性界面活性剤としては、それだけには限らないが、当業者には容易に分かる、種々の濃度のTween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンが挙げられる。
【0024】
[0024]本発明のその他の実施形態は、CPCの不活化特性を加速するよう機能する促進剤の添加を含み得る。本発明の組成物の代替実施形態は、それだけには限らないが、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ヨウ化第一銅およびオレイン酸銅をはじめとする、亜鉛または銅化合物を含有する溶液を含み得る。本発明のさらにその他の実施形態は、促進剤または加速剤として作用するクエン酸を含み得る。ジカルボン酸中へのCOOH分子の添加はCPCの長い有機テールの反応性を高めると考えられている。クエン酸の促進剤としての使用は、オルトミクソウイルス科に直接向けられる使用において特に有効である。実際、コロナウイルス、RSVウイルス、オルトミクソウイルス科およびレトロウイルスのうち、オルトミクソウイルス科(インフルエンザおよびパラインフルエンザ)だけが、有効であるためにクエン酸添加を必要とする。
【0025】
[0025]必要な濃度は促進剤毎に変わるが、当業者ならば容易に分かる。例えば、酸化亜鉛は、0.0重量/容量%超〜約2.5%重量/容量ほどの高さの濃度で促進剤として使用でき、クエン酸は0.0%重量/容量超〜約0.5%重量/容量ほどまでの高さの範囲の濃度で使用できる。
【0026】
[0026]本発明の組成物および方法はまた、CPC組成物を種々の洗浄塗布器、例えばワイプ、モップヘッド、スプレーなどと組み合わせることを考慮する。
【0027】
[0027]本発明の方法は、CPC含有組成物を、病原体を不活化するために、または病原体の増殖を阻害するために十分な時間接触させることを含む。病原体を不活化するために十分な接触時間は、病原体毎に変わり得るが、当業者ならば容易に分かる。期間は0秒超〜約3分間の範囲であることが好ましく、30秒〜1分間がより好ましく、十分な期間が約45秒であることが最も好ましい。その他の実施形態では、本発明は、有害なまたは好ましくない病原体を抱える環境表面を除染する方法を提供する。このような一実施形態では、病原体は環境表面に付随しており、本方法は、環境表面を、表面を除染するのに十分な量の組成物と接触させることを含む。そのように望まれるかもしれないが、除染は病原体の全消失をもたらす必要はなく、除染が、活性なウイルス性病原体の存在の少なくとも1log減少(90%)をもたらすことが好ましく、2log減少(99%)がより好ましく、3log減少(99.9%)が最も好ましい。処理面が本発明の組成物で十分に処理されたことを確実にするために、組成物および方法が、色素、塗料ならびにその他のマーキングおよび識別化合物をさらに含む実施形態もある。
【0028】
[0028]本発明は、領域を、エキステンダーおよび/または促進剤を含むCPC含有組成物に曝露することを含んでなる、領域を保護する(例えば、微生物の汚染から保護する)方法または除染する(例えば、領域中のウイルス粒子を不活化することによってその領域を除染する)方法をさらに提供する。このような領域の曝露時間は領域毎に、およびエキステンダーおよび/または促進剤毎に変わり得るが、当業者であれば容易に分かる。このような曝露時間は0秒超〜約3分間の範囲であることが好ましく、30秒〜1分間がより好ましく、十分な期間が約45秒であることが最も好ましい。これらの方法はどんな種類の領域または物品(例えば、医療機器または治療台または紙製/布製おむつまたはマット)にも適用できる。例えば、領域が、有孔であるか無孔の、様々なハードまたはソフト表面のいずれかであり得る実施形態もある。
【0029】
[0029]本発明のその他の実施形態は、CPC含有化合物を含む殺ウイルスキットを提供する。このようなキットでは、使用に先立って作用濃度に希釈するための濃縮型のCPC含有化合物を提供できる。これらのキットにはまた、1種または複数のエキステンダーおよびまたは促進剤を含めることができる。さらに、これらのキットは、使用方法およびまたは用いるべき所望の希釈比についての説明書を提供できる。このようなキットは、特定の種類のウイルス性病原体を標的とする方法を提供でき、これはCPC濃度の変化、または特定のエキステンダーおよび/または促進剤の使用を含み得る。
【0030】
2.薬剤適用
[0030]本発明はまた、ヒトおよびその他の動物において、ウイルス媒介性病原性反応の治療および予防において有用である組成物および方法を含む。ウイルス媒介性のこのような反応は、ヒトおよびその他の動物の気道、特に上気道のウイルス感染であることが好ましい。例えば、適したCPC含有組成物は、ヒト、イヌ、ネコ、ブタおよびトリをはじめ、多種多様な宿主に感染できる、コロナウイルスを不活化するのに有効である。CPC含有化合物はまた、オルトミクソウイルス科すなわちインフルエンザウイルスを不活化できる。本発明の組成物および方法はまた、ヒトおよびその他の動物における皮膚表面および開放創のウイルス媒介性病原性反応の治療および予防において有用である。例えば、炭疽菌との皮膚接触に起因する病原状態の治療および予防において。さらに、CPC含有化合物はHIVを不活化できる。したがって、特定の実施形態では、本発明は、発泡体、フィルム、液体または坐剤の形での肛門または泌尿生殖路への適用による、性感染病、例えばHIVの治療および予防において有用であり得る。
【0031】
[0031]いくつかの実施形態では、本発明は、病原体ウイルスに曝露された、ヒトおよびその他の動物を治療するのに適した組成物および方法を提供する。代替実施形態では、有効量のCPCを、ウイルス病原体への曝露に先立って、治療を受けているヒトおよびその他の動物に適用する。したがって、本発明は、ウイルス感染の予防および治療双方のための組成物および方法を含む。これらの特定の実施形態では、本発明は、ヒトおよび/またはその他の動物への薬剤投与に適した不活化組成物を含み得る。
【0032】
[0032]上気道感染、例えばインフルエンザまたは風邪の場合には、ウイルス感染は、咽喉および気道に主に位置したままであり、組織を弱体化し、続発性細菌感染を招くことによって、その他の微生物による感染にかかりやすくする。本発明では、スプレー、例えば、ポンプ装置によるものまたは噴射型エアゾールによる、このような領域へのCPCの送達により、ウイルスおよびCPCに対して感受性である続発性感染細菌病原体の接触破壊が可能となる。このような装置は、市場から容易に入手でき、これらとしては、ケンブリッジコンサルタンツ社(Cambridge Consultants)またはウィルデン社(Wilden)製の定量吸入剤が挙げられる。製薬上許容されるCPC含有組成物は、本発明の方法において、宿主内の感染の標的組織領域に直接的に使用できる。例えば、口咽頭スプレーまたはリンスを用いて、適したCPC含有組成物を、ウイルス病原体を不活化するのに有効である濃度で、感染個体の咽頭、口腔および/または鼻腔に送達できる。さらに、このようなスプレーまたはリンスを、実際の感染に先立って、曝露が疑われる際にウイルス病原体を不活化するために使用することさえもできる。
【0033】
[0033]口咽頭適用の場合には、滅菌溶液中、0.0%超〜0.5%、好ましくは、0.01%〜0.1%、より好ましくは、0.025%〜0.05%の範囲のCPCを、スプレーとして口腔および咽頭の領域に適用し、粘膜表面のウイルス病原体の接触破壊を可能にし、ウイルス病原体の感染を減少または排除する。本発明の組成物および方法はまた、ヒトおよびその他の動物の肺における、ウイルス媒介性病原性反応の治療および予防において有用である。ヒトおよびその他の動物の肺におけるウイルス病原体の治療および予防の場合には、CPCを含有する製薬上許容される組成物を、気管および肺胞の組織ならびに周囲組織と直接接触させるための、ミストまたはミスト様吸入剤として適用できる。このような肺内適用では、滅菌溶液中の有用なCPC濃度は、0.0%超〜0.5重量/容量%、好ましくは0.01%〜0.1%、より好ましくは、0.025%〜0.05%の範囲であり得る。CPC溶液が、ウイルス病原体の宿主となっている組織の細胞構造内に確実に輸送されると、さらなる見せかけのウイルス感染が起こることがある。CPCは高度にカチオン性であるため、口腔および粘膜表面に容易に吸収、保持され、それによって延長された残存作用のための機構が提供される。
【0034】
[0034]薬剤投与に適したこのような組成物にはまた、1種または複数の製薬上許容される担体を含めることができる。これらの組成物は、ウイルス感染を治療または予防するために、スプレーまたはオーラルリンス(またはその他の許容される形)として粘膜または口腔および咽喉をはじめとする口腔表面に、または何か他の適した身体表面、例えば、皮膚表面および開放創に局所適用できる。
【0035】
[0035]本発明の特定の実施形態はまた、性感染病、特に、HIVを治療および予防するための組成物および方法を提供する。CPC含有組成物はゲル、発泡体、フィルム、液体または坐剤の形で提供できる。このような形では、化合物を、感染個体の肛門または泌尿生殖路に直接適用できる。あるいは、本発明の化合物は、間接適用、例えば、コンドームおよびその他の非薬剤避妊具のパッケージングにおける添加剤において有用であり得る。
【0036】
[0036]製薬上許容される担体に加え、または製薬上許容される担体としてエキステンダーを本発明の組成物に使用できる。このようなエキステンダーとしては、それだけには限らないが、セルロースエーテルヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースが挙げられ、それらは種々の濃度で使用できる。特定のその他の実施形態では、エキステンダーは非イオン性界面活性剤であることが考慮される。本発明に用途を見出す非イオン性界面活性剤としては、それだけには限らないが、当業者には容易に分かる種々の濃度のTween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンが挙げられる。
【0037】
[0037]本発明の代替実施形態には、CPCの不活化特性を加速するのに適した促進剤を含めることができる。例えば、ウイルス粒子のCPC媒介性不活化を加速するために、CPC含有組成物に酸化亜鉛の形の亜鉛を含めることができる。特定のその他の実施形態では、本組成物に促進剤または加速剤として作用するクエン酸を含めることができる。クエン酸の促進剤としての使用は、オルトミクソウイルス科に直接向けられる使用において特に有効である。本発明のさらにその他の実施形態では、CPC含有組成物にエキステンダーと促進剤の双方を含めることができる。
【0038】
[0038]必要な濃度は促進剤毎に変わるが、当業者ならば容易に分かる。例えば、酸化亜鉛は、0.0重量/容量%超〜約2.5%重量/容量ほどの高さの濃度で促進剤として使用でき、クエン酸は0.0%重量/容量超〜約0.5%重量/容量ほどの高さの範囲の濃度で使用できる。
【0039】
[0039]また、本発明のさらにその他の実施形態では、製剤は、任意の数の着色剤もしくは矯味剤、または着色剤もしくは矯味剤の変化をさらに含む(例えば、色素とペパーミント油)。
【0040】
[0040]本発明を、その具体的な実施形態を特に参照して説明してきたが、詳細に示し、説明した本発明の形は、その好ましい実施形態としてとられるべきであるということは理解されるべきである。特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更および改変を行うことができる。
【実施例】
【0041】
[0041]本発明は、(1)CPCが殺ウイルス剤として有効であり得るかどうか、有効である場合は最小阻害投与量を調べる、(2)宿主細胞およびそれへの投与量のあらゆる副作用を調べる、(3)CPC、塩化ベンザルコニウム、およびトリクロサンの抗ウイルス作用を比較するin vivo試験および負荷研究に由来するものである。例示的実施形態として、本発明は、組織培養において可能性ある抗ウイルス物質がウイルス感染作用を阻害する程度を直接測定する方法を必要とする。明確なプラークを生じる、ウイルスと細胞株との組合せには、プラーク減少が推奨される。その他の細胞変性作用(CPE)は、明確なプラークを生じないウイルスと細胞株で測定でき、または特定の細胞変性作用が決定的な特徴であってもよい。
【0042】
実施例1:コロナウイルス
[0042]プラーク形成および本発明のCPC化合物のコロナウイルス活性に対する作用を実証するために、ネコ伝染性腹膜炎II型(FIP II型)コロナウイルス培養物を、CrFK細胞培養で増殖させた。未処理ウイルスは対照として役割を果たした。あるいは、ウイルス懸濁液を、3種の濃度のCPCに300秒間曝露した。濃度は、認可されたUSP等級塩化セチルピリジニウム粉末を滅菌水に添加して濃度0.025%、0.05%および0.10%の溶液各10mlを作製することによって作製した。曝露の最後に、ウイルスをCrFK細胞培養において力価測定した。ウイルス力価測定は、処理したウイルスの段階希釈0.1mlをCrFk細胞培養物に接種することによって、各被験物質濃度で達成する。段階希釈は最初のウイルス濃度、すなわち5百万/ml(6.7log単位)の10−1〜10−8まで調製し、次いで各希釈物を96ウェルマイクロプレートの4つのウェルの各々に入れる(反復)。次いで、接種した細胞(ウェルあたり80μl)を37℃、COインキュベーター中で5日間インキュベートした。次いで、それらをCPE阻害について顕微鏡によって観察し、TCID50/mlとして力価を記録し、プラーク形成単位(pfu)としても表した。補正ウイルス力価(陽性数×希釈)をlog/mlで記録する。このようにして殺ウイルス活性を、被験物質と対照の間のウイルス力価のlog減少数として定義する(ReedおよびMeunch)。以下の表は、FIP II型コロナウイルスの破壊におけるCPCの効力を実証するものである。
【0043】
【表1】

【0044】
[0043]本発明では、0.025%濃度のCPCの存在下、5百万ウイルス/mlを含有するウイルス懸濁液の5分間の曝露の結果としてウイルス力価の有意な減少が生じた。この減少は、存在するウイルス粒子の99.95%より多くの減少に置き換わる。表面領域に対する同様の死滅作用を仮定すれば、濃度0.025%/inのCPCの適用は3logより多くのウイルスの減少をもたらす。代替有効成分として塩化ベンザルコニウムおよびトリクロサンを、CPCに関して用いたものと同様に3濃度で用いる比較試験からは、本質的に異なる結果が得られ、細胞毒性の増加が実証された。塩化ベンザルコニウムに関しては、0.10%の曝露のみがウイルスの減少をもたらし、その減少率は約20%であった。トリクロサンは、3レベルすべてで細胞毒性を示したが、3レベルすべてでウイルスは減少しなかった。本発明では、溶液中濃度0.025%のCPCは、5分間不都合な細胞変性作用を伴うことなく、一貫して、FIP II型コロナウイルスの3logより高い致死毒性を実証した。
【0045】
実施例2:オルトミクソウイルス科
[0044]オルトミクソウイルス科ウイルス培養物を、プラーク形成および本発明のCPC化合物のインフルエンザ型ウイルス活性に対する作用を実証するために、MDCK(NBL−2)5(ATCCタイプCCL−34)細胞培養物で増殖させた。インフルエンザウイルス、検体インフルエンザA/Equi 2?Miami 1/63、ATCC VR517を、in vitroアッセイを実施するのに十分なウイルス粒子を提供するために細胞培養物で継代した。最初のウイルス濃度、すなわち5百万/ml(6.7log単位)の10−1〜10−8の段階希釈を調製し、次いで各希釈を、96ウェルマイクロプレートの4つのウェルの各々に入れた(反復)。対照力価は平均6.5log/mlであった。ウイルス懸濁液を3濃度のCPCに300秒間曝露した。次いで、接種した細胞(ウェルあたり80μl)を、37℃、COインキュベーター中で5日間インキュベートした。未処理ウイルスはベースライン対照として役割を果たした。
【0046】
[0045]0.05%および0.025%のCPCを取り入れた際には、5分の曝露後に力価の有意な減少は全く観察されなかった。さらに、pH調整目的で、CPCに0.1%のTSPおよび酢酸添加処理を含めたその後の試験でも、ウイルス力価に対して有意な影響は全く示されなかった。
【0047】
[0046]しかしながら、0.025%(重量/容量)および0.05%(重量/容量)CPC溶液双方への0.1%クエン酸(重量/容量)の添加は、ウイルス力価に対して3.5logより大幅な減少をもたらした。さらに、0.025%CPCおよび0.1%クエン酸を含有する試験溶液の使用は、観察される細胞傷害性作用を全く引き起こさなかった。血清の存在下でのさらなる試験もまた同様のlog減少をもたらした。さらに、0.1%のクエン酸および酢酸双方のpHは2.3であり、どちらの溶液もそのレベルでは細胞傷害性ではなかった。すべての結果はReedおよびMuench法に基づくものであった。
【0048】
実施例3:FeLV
[0047]FeLVレトロウイルス培養物を、プラーク形成および本発明のCPC化合物の、HIVのネコ代替(surrogate)に対する作用を実証するために、CrFK(ATCCタイプCCL−94)細胞培養物で増殖させた。FeLVレトロウイルスを6.0log/mlの力価まで細胞培養物で増殖させた。細胞傷害性についての初期試験から、コロナウイルス試験と一致するデータが得られた。
【0049】
[0048]要するに、ウイルス懸濁液を3濃度のCPC、0.025%、0.05%および0.10%に300秒間曝露した。未処理ウイルスは対照として役割を果たした。曝露の最後に、CrFK細胞培養物でウイルスの力価を測定した。ウイルスの力価測定は、処理したウイルスの段階希釈0.1mlを、CrFK細胞培養物に接種することによって各被験物質濃度で達成した。段階希釈は最初のウイルス濃度、すなわち、5百万/ml(6.7log単位)の10−1〜10−8まで調製し、次いで各希釈を、96ウェルマイクロプレートの4つのウェルの各々に入れた(反復)。次いで、接種した細胞(ウェルあたり80μl)を、37℃、COインキュベーター中で5日間インキュベートした。濃度0.025%でのCPC処理は細胞傷害性ではなかったが、濃度0.05%および0.1%では細胞傷害性であった。
【0050】
[0049]0.025%というCPCレベルのCPCは、0.1%クエン酸と併用する場合もそれを伴わない場合も、ウイルス力価の3.5log/mlより大幅な減少を引き起こした。血清の有無は、FeLVウイルスのCPC媒介性不活化に影響を及ぼさなかった。さらに、ウイルスの3レベルのCPCに対する曝露はすべて、0.1%クエン酸を伴っても伴わなくとも、FeLVウイルスの100%減少をもたらした。すべての結果はReedおよびMuench法に基づくものであった。
【0051】
実施例概要
[0050]当業者ならば、FIP−2コロナおよびオルトミクソウイルス科ウイルスは、耐久性のある、回復力に富むウイルス検体に相当し、抗生物質および殺生物剤に対して高い耐性を有することは認識されよう。コロナはエンベロープ型ウイルスであり、SARSウイルスに極めて類似しており、SARSウイルスの実験室試験の代替(surrogate)である。コロナおよびオルトミクソウイルス科ウイルスは、耐性のある生物体であり、宿主系の外に長期間存在する能力を有する。これらのウイルスは、種類に応じて乾燥に対して耐性を有しており、宿主に移り、感染を引き起こすための完全な能力を持ちながら表面に長期間存在することができる。
【0052】
[0051]本発明に関する研究に基づいて、0.025%CPC溶液の、スプレー装置またはワイプまたは直接液体を注ぐことによる固体表面への適用の結果、有効な消毒剤適用となり、コロナおよびオルトミクソウイルス科ウイルスを排除する。その上、本研究からは、0.025%溶液レベルで不都合な細胞の様子は実証されなかったので、ヒトにおける口腔および咽喉領域への本発明の特定の組成物の導入により、コロナおよびオルトミクソウイルス科ウイルスおよびその他のあまり耐性のないウイルスの、害はないが有効である殺菌および阻害薬を提供できる。さらに、先行技術によって、CPCに付随する抗生性および抗真菌性特性がさらに支持されているので、ウイルス疾患、例えば、風邪、インフルエンザまたはSARSの治療のための化合物の使用では別の利益も提供される。具体的には、0.025%CPC溶液の気道の粘膜表面への添加は、細菌に関連する続発性感染を阻害することによって罹患個体にとって利益となる。
【0053】
[0052]本発明は改変でき、本明細書における教示の利益を有する当業者には明らかな、異なっているが同等な方法で実施できるように、上記で開示した特定の実施形態は単に例示的なものである。さらに、特許請求の範囲に記載されるもの以外には、本明細書に示される構成または設計の詳細には何ら制限しようとするものではない。したがって、上記に開示された特定の実施形態を変更または改変でき、すべてのこのような変更は本発明の範囲および趣旨内であると考えられることは明らかである。したがって、本明細書において追求される保護は特許請求の範囲に示される通りである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウイルス病原体を不活化する方法であって、
(a)1重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムを含有する液体媒質を含む殺ウイルス組成物を提供するステップと、
(b)当該殺ウイルス組成物を、消毒の標的となる表面と接触させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記殺ウイルス組成物が0.5重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記殺ウイルス組成物が0.05重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記殺ウイルス組成物が0.03重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種のエキステンダーをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1種のエキステンダーがセルロースエーテルである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記セルロースエーテルがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記非イオン性界面活性剤がTween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種の促進剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1種の促進剤が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ヨウ化第一銅、オレイン酸銅およびクエン酸からなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1種の促進剤が、0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記液体媒質が滅菌水、飲用水および滅菌生理食塩水からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記殺ウイルス組成物が、少なくとも1種の促進剤と少なくとも1種のエキステンダーとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも1種のエキステンダーがセルロースエーテルである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記セルロースエーテルがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1種のエキステンダーが、Tween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1種の促進剤が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ヨウ化第一銅、オレイン酸銅およびクエン酸からなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1種の促進剤が0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記殺ウイルス組成物を、塗布器の使用によって消毒の標的となる表面と接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記塗布器がワイプ、モップヘッドおよび噴霧器からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記殺ウイルス組成物が芳香成分をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記殺ウイルス組成物を前記表面に少なくとも3分間接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記殺ウイルス組成物を前記表面に少なくとも45秒間接触させる、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
無生物表面上のウイルス病原体を不活化する方法であって、
(a)1重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムを含有する、液体媒質を含む殺ウイルス組成物を提供するステップと、
(b)当該殺ウイルス組成物を、消毒の標的となる無生物の表面と接触させるステップと
を含む方法。
【請求項27】
前記殺ウイルス組成物が0.5重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記殺ウイルス組成物が0.05重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記殺ウイルス組成物が0.03重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種のエキステンダーをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記少なくとも1種のエキステンダーがセルロースエーテルである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記セルロースエーテルがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
前記非イオン性界面活性剤が、Tween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種の促進剤をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
前記少なくとも1種の促進剤が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ヨウ化第一銅、オレイン酸銅およびクエン酸からなる群から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記少なくとも1種の促進剤が0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記液体媒質が水性媒質である、請求項26に記載の方法。
【請求項39】
前記液体媒質が滅菌水、飲用水、滅菌生理食塩水および脂肪アルコールからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種の促進剤と少なくとも1種のエキステンダーとをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1種のエキステンダーがセルロースエーテルである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記セルロースエーテルがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
前記少なくとも1種のエキステンダーが、Tween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記少なくとも1種の促進剤が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ヨウ化第一銅、オレイン酸銅およびクエン酸からなる群から選択される、請求項40に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1種の促進剤が0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項40に記載の方法。
【請求項47】
前記殺ウイルス組成物を、塗布器の使用によって消毒の標的となる表面と接触させる、請求項26に記載の方法。
【請求項48】
前記塗布器がワイプ、モップヘッドおよび噴霧器からなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記殺ウイルス組成物が芳香成分をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項50】
前記殺ウイルス組成物を前記表面と少なくとも3分間接触させる、請求項26に記載の方法。
【請求項51】
前記殺ウイルス組成物を前記表面と少なくとも45秒間接触させる、請求項26に記載の方法。
【請求項52】
感染性の高い感染症の治療方法であって、
(a)0.05重量/容量%未満の濃度で液体媒質に溶解した塩化セチルピリジニウムを含有する製薬上許容される殺ウイルス組成物を提供するステップと、
(b)当該殺ウイルス組成物を宿主生物の感染表面領域に局所適用するステップと
を含む方法。
【請求項53】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物が0.03重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物が0.025重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物が少なくとも1種のエキステンダーをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記少なくとも1種のエキステンダーがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
前記非イオン性界面活性剤がTween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物が少なくとも1種の促進剤をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項60】
前記少なくとも1種の促進剤が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛およびクエン酸からなる群から選択される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記少なくとも1種の促進剤が0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記液体媒質が水性媒質である、請求項52に記載の方法。
【請求項63】
前記液体媒質が、滅菌水、飲用水、滅菌生理食塩水および脂肪アルコールからなる群から選択される、請求項52に記載の方法。
【請求項64】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物が少なくとも1種の促進剤と少なくとも1種のエキステンダーとをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項65】
前記少なくとも1種のエキステンダーがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記非イオン性界面活性剤が、Tween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記少なくとも1種のエキステンダーが、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛およびクエン酸からなる群から選択される、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記少なくとも1種の促進剤が0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物を、オーラルリンス、ゲル、発泡体、フィルム、ミストおよび坐剤からなる群から選択される形で、感染表面領域と接触させる、請求項52に記載の方法。
【請求項71】
前記殺ウイルス組成物の適用を、殺ウイルス組成物を含む被膜およびコンドームによって行う、請求項52に記載の方法。
【請求項72】
前記感染表面領域が生物の肺中にある、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記感染表面領域が生物の泌尿生殖路中にある、請求項70に記載の方法。
【請求項74】
前記感染表面領域が生物の肛門管中にある、請求項70に記載の方法。
【請求項75】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物を、スプレーの形で、前記感染表面領域と接触させる、請求項52に記載の方法。
【請求項76】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物が矯味成分をさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項77】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物を、前記感染表面領域と少なくとも3分間接触させる、請求項52に記載の方法。
【請求項78】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物を、前記感染表面領域と少なくとも1分間接触させる、請求項52に記載の方法。
【請求項79】
前記製薬上許容される殺ウイルス組成物を、前記感染表面領域と少なくとも45秒間接触させる、請求項52に記載の方法。
【請求項80】
前記感染表面領域が粘膜である、請求項52に記載の方法。
【請求項81】
前記粘膜が、鼻腔、口腔、口咽頭腔、泌尿生殖路および肛門管中のものからなる群から選択される、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
(a)液体媒質と、
(b)1重量/容量%未満の濃度で当該液体媒質に溶解した塩化セチルピリジニウムと、
(c)エキステンダーと、
(d)促進剤と
を含む殺ウイルス組成物。
【請求項83】
前記殺ウイルス組成物が0.5重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項82に記載の組成物。
【請求項84】
前記殺ウイルス組成物が0.05重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項82に記載の組成物。
【請求項85】
前記殺ウイルス組成物が0.03重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項82に記載の組成物。
【請求項86】
前記少なくとも1種のエキステンダーがセルロースエーテルである、請求項82に記載の組成物。
【請求項87】
前記セルロースエーテルがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項86に記載の組成物。
【請求項88】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項82に記載の組成物。
【請求項89】
前記非イオン性界面活性剤がTween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項88に記載の組成物。
【請求項90】
前記少なくとも1種の促進剤が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ヨウ化第一銅、オレイン酸銅およびクエン酸からなる群から選択される、請求項82に記載の組成物。
【請求項91】
前記少なくとも1種の促進剤が0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
前記液体媒質が、滅菌水、飲用水、滅菌生理食塩水または脂肪アルコールからなる群から選択される、請求項82に記載の組成物。
【請求項93】
前記組成物が製薬上許容される、請求項82に記載の組成物。
【請求項94】
宿主生物においてウイルスを不活化する方法であって、
(a)溶解した0.05%未満の塩化セチルピリジニウムを含有する液体媒質を含む殺ウイルス組成物を提供するステップと、
(b)当該殺ウイルス組成物を、ウイルスで汚染されている表面と接触させるステップと
を含む方法。
【請求項95】
前記殺ウイルス組成物が0.03重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記殺ウイルス組成物が0.025重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項97】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種のエキステンダーをさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項98】
前記少なくとも1種のエキステンダーがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
前記非イオン性界面活性剤が、Tween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種の促進剤をさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項102】
前記少なくとも1種の促進剤が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、ヨウ化第一銅、オレイン酸銅およびクエン酸からなる群から選択される、請求項101に記載の方法。
【請求項103】
前記少なくとも1種の促進剤が0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記ウイルスが、コロナウイルス、オルトミクソウイルス科ウイルスおよびヒト免疫不全ウイルスから選択される、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
前記ウイルスがオルトミクソウイルス科のみである、請求項104に記載の方法。
【請求項106】
液体媒質が水性媒質である、請求項94に記載の方法。
【請求項107】
前記液体媒質が、滅菌水、飲用水、滅菌生理食塩水および脂肪アルコールからなる群から選択される、請求項94に記載の方法。
【請求項108】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種の促進剤と少なくとも1種のエキステンダーとをさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項109】
前記少なくとも1種のエキステンダーがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項108に記載の方法。
【請求項111】
前記非イオン性界面活性剤が、Tween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記少なくとも1種のエキステンダーが、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛およびクエン酸からなる群から選択される、請求項108に記載の方法。
【請求項113】
前記少なくとも1種の促進剤が0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項112に記載の方法。
【請求項114】
前記ウイルスがコロナウイルス、オルトミクソウイルス科ウイルスおよびヒト免疫不全ウイルスから選択される、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記殺ウイルス組成物を、オーラルリンス、ゲル、発泡体、フィルム、ミストおよび坐剤からなる群から選択される形で、前記ウイルスで汚染されている表面と接触させる、請求項94に記載の方法。
【請求項116】
前記ウイルスがコロナウイルス、オルトミクソウイルス科ウイルスおよびヒト免疫不全ウイルスから選択される、請求項115に記載の方法。
【請求項117】
前記殺ウイルス組成物を、ミストの形で、前記ウイルスで汚染されている表面と接触させる、請求項94に記載の方法。
【請求項118】
前記ウイルスがコロナウイルス、オルトミクソウイルス科ウイルスおよびヒト免疫不全ウイルスから選択される、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記殺ウイルス組成物を、スプレーの形で、前記ウイルスで汚染されている表面と接触させる、請求項94に記載の方法。
【請求項120】
前記ウイルスがコロナウイルス、オルトミクソウイルス科ウイルスおよびヒト免疫不全ウイルスから選択される、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記殺ウイルス組成物が矯味成分をさらに含む、請求項94に記載の方法。
【請求項122】
前記殺ウイルス組成物を、コロナウイルスで汚染されている表面と少なくとも3分間接触させる、請求項94に記載の方法。
【請求項123】
前記殺ウイルス組成物を、コロナウイルスで汚染されている表面と少なくとも1分間接触させる、請求項94に記載の方法。
【請求項124】
前記殺ウイルス組成物を、コロナウイルスで汚染されている表面と少なくとも45秒間接触させる、請求項94に記載の方法。
【請求項125】
前記ウイルスで汚染されている表面が口腔の粘膜である、請求項94に記載の方法。
【請求項126】
前記ウイルスで汚染されている表面が鼻腔の粘膜である、請求項94に記載の方法。
【請求項127】
前記ウイルスで汚染されている表面が口咽頭腔の粘膜である、請求項94に記載の方法。
【請求項128】
ウイルス感染症を不活化する方法であって、
(a)溶解した0.05%未満の塩化セチルピリジニウムを含有する液体媒質を含む殺ウイルス組成物を提供するステップと、
(b)当該殺ウイルス組成物を、ウイルス感染組織の表面領域と接触させるステップと
を含む方法。
【請求項129】
前記殺ウイルス組成物が0.03重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記殺ウイルス組成物が0.025重量/容量%未満の塩化セチルピリジニウムをさらに含む、請求項128に記載の方法。
【請求項131】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種のエキステンダーをさらに含む、請求項128に記載の方法。
【請求項132】
前記少なくとも1種のエキステンダーがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項131に記載の方法。
【請求項133】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項131に記載の方法。
【請求項134】
前記非イオン性界面活性剤がTween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種の促進剤をさらに含む、請求項128に記載の方法。
【請求項136】
前記少なくとも1種の促進剤が、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛およびクエン酸からなる群から選択される、請求項135に記載の方法。
【請求項137】
前記少なくとも1種の促進剤が、0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記液体媒質が水性媒質である、請求項128に記載の方法。
【請求項139】
前記液体媒質が、滅菌水、飲用水、滅菌生理食塩水および脂肪アルコールからなる群から選択される、請求項128に記載の方法。
【請求項140】
前記殺ウイルス組成物が少なくとも1種の促進剤と少なくとも1種のエキステンダーとをさらに含む、請求項128に記載の方法。
【請求項141】
前記少なくとも1種のエキステンダーがヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはナトリウムカルボキシメチルセルロースである、請求項140に記載の方法。
【請求項142】
前記少なくとも1種のエキステンダーが非イオン性界面活性剤である、請求項140に記載の方法。
【請求項143】
前記非イオン性界面活性剤が、Tween80、トリトン、チロキサポール、プルロニックおよびスパンからなる群から選択される、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記少なくとも1種のエキステンダーが、酸化亜鉛、酢酸亜鉛、バシトラシン亜鉛、炭酸亜鉛、クエン酸亜鉛、ヨウ素酸亜鉛、ヨウ化亜鉛、過酸化亜鉛、プロピオン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛およびクエン酸からなる群から選択される、請求項140に記載の方法。
【請求項145】
前記少なくとも1種の促進剤が0.0%超および0.5重量/容量%の間の濃度のクエン酸である、請求項144に記載の方法。
【請求項146】
前記殺ウイルス組成物を、オーラルリンスの形で、前記ウイルス感染組織の表面領域と接触させる、請求項128に記載の方法。
【請求項147】
前記殺ウイルス組成物を、ミストの形で、前記ウイルス感染組織の表面領域と接触させる、請求項128に記載の方法。
【請求項148】
前記殺ウイルス組成物を、スプレーの形で、ウイルス感染組織の表面領域と接触させる、請求項128に記載の方法。
【請求項149】
前記殺ウイルス組成物が矯味成分をさらに含む、請求項128に記載の方法。
【請求項150】
前記殺ウイルス組成物を、前記ウイルス感染組織の表面領域と少なくとも3分間接触させる、請求項128に記載の方法。
【請求項151】
前記殺ウイルス組成物を、前記ウイルス感染組織の表面領域と少なくとも1分間接触させる、請求項128に記載の方法。
【請求項152】
前記殺ウイルス組成物を、前記ウイルス感染組織の表面領域と少なくとも45秒間接触させる、請求項128に記載の方法。
【請求項153】
前記ウイルス感染組織の表面領域が口腔の粘膜である、請求項128に記載の方法。
【請求項154】
前記ウイルス感染組織の表面領域が鼻腔の粘膜である、請求項128に記載の方法。
【請求項155】
前記ウイルス感染組織の表面領域が口咽頭腔中にある、請求項128に記載の方法。
【請求項156】
前記ウイルス感染組織の表面領域が生物の肺中にある、請求項128に記載の方法。

【公表番号】特表2007−515204(P2007−515204A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−539670(P2006−539670)
【出願日】平成16年11月3日(2004.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/036949
【国際公開番号】WO2005/046738
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(506155554)ヴァイラトックス, エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】