説明

変性されたクレーを含む炎症予防皮膚外用剤

本発明の皮膚外用剤は、アトピー性皮膚炎症の発症を予防し、皮膚刺激性の低い皮膚外用剤を提供することを課題とし、1)4級アミノ基を有する化合物で変性されたクレー、および2)生体構成成分類似構造を含む側鎖を有するポリマーまたはコポリマーを含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚外用剤、具体的には炎症予防効果を有する皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の著しい西欧化、社会生活における負荷ストレスの急増などが原因と思われる、予後の良くないアトピー性皮膚炎や敏感肌を患う人が急増している。これらの人の皮膚の炎症(アトピー性皮膚炎症など)は、従来から使用されてきた抗炎症皮膚外用医薬や抗炎症医薬部外品などによる処置によっては十分に治癒されないことが多い。
このような炎症に対しては、該抗炎症皮膚外用医薬や抗炎症医薬部外品などよりもむしろ、化粧料の汎用原料である多価アルコールをリッチに配合した化粧料が有効であったり、5−HT拮抗剤などの別用途の医薬剤が有効であることがある(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。
【0003】
しかしながら、アトピー性皮膚炎症などに対して十分な治療効果を有する剤は未だに見出されていない。そのため、多くのアトピー性皮膚炎症はデキサメタゾンやプレドニゾロンなどのステロイド抗炎症剤の外用投与と、サイクロスポリンなどの免疫抑制剤、アスコルビン酸などの抗酸化剤、5−HT拮抗薬との併用により姑息的に治療されており、アトピー性皮膚炎症患者は不便を忍ばねばならないのが現状であった。したがって、アトピー性皮膚炎などに対して、単独製剤で充分な効果を奏する炎症予防外用剤の開発が望まれていた。
さらに、これらの剤には患部の雑菌汚染、紫外線障害等の副作用があることが懸念され、アトピー性皮膚炎症の長期に渡る治療に用いることには課題があった。
【0004】
また、前記したアトピー性皮膚炎症の従来の治療剤は、発症したアトピー性皮膚炎症を治療することを目的とする剤である。一方で、アトピー性皮膚炎の発症を有効に予防する手段は知られていない。一般に発症した炎症を鎮めることは困難であることが知られており、アトピー性皮膚炎症の発症を予防することができる剤を提供することは意義深い。
【0005】
また、通常の皮膚炎症に対しては、水分蒸散値などの保湿代表値を低くする皮膚外用剤が有効であると考えられている。アトピー性皮膚炎症についても、水分蒸散値との間に、因果関係が存することが報告されている(非特許文献1)。しかしながら、水分蒸散値などの保湿代表値を低くする皮膚外用剤のアトピー性皮膚炎症に対する治療効果は低く、従来の皮膚外用剤とは異なる作用メカニズムを有する皮膚外用剤を開発することが望まれている。
【0006】
生体構成成分類似構造の一つであるホスホリルコリン類似基を含有する重合体は、抗炎症皮膚外用剤に、抗炎症医薬とともに含有されて用いられることが知られている(例えば、特許文献4を参照)。該抗炎症皮膚外用剤は、皮膚に保湿性を付与し、また肌に対する刺激が少ないという効果を有することが知られている。
【0007】
ベントナイトは炎症皮膚外用剤に含有されることで、該炎症皮膚外用剤の系を安定化させうることが知られている(例えば、特許文献5を参照)。
また、有機変性されたベントナイトは、油性化粧料に含有されることで、油相の増粘剤として作用しうることが知られている(例えば、特許文献6参照)。
【特許文献1】特開2003−95956号公報
【特許文献2】特開平8−217695号公報
【特許文献3】特開2001−48721号公報
【特許文献4】特開2003−26608号公報
【特許文献5】特開2003−113069号公報
【特許文献6】特開2003−26529号公報
【非特許文献1】Watanabe, M., Tagami, H., Horii, I., Takahashi, M., Kligman, A.M. Functional analyses of the superficial stratum corneum in atopic xerosis. Arch.Dermatol. 127,1689-1692, 1991.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような状況下において為されたものであり、アトピー性皮膚炎症の発症を有意に抑制し、該炎症の発症の予防に有効である製剤を提供することを課題とする。
さらに本発明は、上記製剤であって、低刺激性で日常的に使用することができる製剤を提供することを課題とする。
また本発明は、アトピー性皮膚炎症の発症の予防と抗炎症作用を併せ持つ皮膚外用剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、アトピー性皮膚炎症の発症を有意に抑制することができ、該炎症の発症の予防に有効である、低刺激性で日常的に使用できる製剤を求めて鋭意研究努力を重ねた。その結果、水分蒸散値などの保湿代表値が低いだけではなく、従来の皮膚外用剤とは異なるアトピー性皮膚炎症抑制メカニズムを有する製剤を見出し、該製剤が上記効果を有することを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0010】
(1) 1)4級アミノ基を有する化合物で変性されたクレー、および2)生体構成成分類似構造を含む側鎖を有するポリマーまたはコポリマーを含有することを特徴とする皮膚外用剤。
(2) 前記クレーが、4級アミノ基を有する化合物で変性されたベントナイト、モンモリロナイトまたはカオリナイトであることを特徴とする、(1)に記載の皮膚外用剤。
(3) 前記4級アミノ基を有する化合物が、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドであることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の皮膚外用剤。
(4) 前記生体構成成分類似構造が、糖類似構造、アミノ酸類似構造またはリン脂質類似構造であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
(5) 前記生体構成成分類似構造が、グルコシルオキシエチル基、リジン残基又はトリメチルアミノエトキシホスホエチル基であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
(6) 前記ポリマーまたはコポリマーが、下記式(X)で示されるアクリル酸類またはメタクリル酸類の1種または2種以上を含むビニルモノマーを付加重合させて得られるポリマーまたはコポリマーであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0011】
【化1】

(式(X)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは生体構成成分類似構造を含む基を示す。)
【0012】
(7) 前記ポリマーまたはコポリマーが、ポリグルコシルオキシエチルメタクリレート、ポリメタクリロイルリジン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチルコポリマーおよびメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリルコポリマーからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【0013】
(8) さらに、シリコーンを含有することを特徴とする、(1)〜(7)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
(9) 前記シリコーンが、揮発性シリコーン、低粘度シリコーンおよび中粘度シリコーンの少なくとも3種のシリコーンを含むことを特徴とする、(8)に記載の皮膚外用剤。(10) 前記シリコーンがアルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体を含み、皮膚外用剤全量に対する該アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体の含有量が0.1〜10質量%であることを特徴とする、(8)に記載の皮膚外用剤。
(11) 前記シリコーンが、1)揮発性シリコーン、低粘度シリコーン及び中粘度シリコーンの少なくとも3種のジメチコンまたはフェニルメチコン、ならびに2)アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体を含むことを特徴とする、(8)に記載の皮膚外用剤。
【0014】
(12) ショ糖脂肪酸エステルをさらに含有することを特徴とする、(1)〜(11)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
(13) キク科ゴボウのアルコール抽出物、ウコギ科ニンジンのアルコール抽出物、カバノキ科シラカバのアルコール抽出物、マメ科クジンのアルコール抽出物、シソ科セージのアルコール抽出物、クルミ科コウキのアルコール抽出物、キク科セイヨウノギリソウのアルコール抽出物、シソ科ローズマリーのアルコール抽出物、グリチルリチン酸及び/又はその塩、グリチルレチン酸エステル、ウルソール酸及び/又はその塩、ウルソール酸エステル、植物ステロイド(フィトステロール)の配糖体、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトチフェン、ブフェキサマク、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ハイドロコルチゾール、タクロニムスからなる群から選択される一種または二種以上の抗炎症成分を、さらに含有することを特徴とする、(1)〜(12)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
(14) 油中水乳化剤形であることを特徴とする、(1)〜(13)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
(15) アトピー性皮膚炎を改善または予防するための、(1)〜(14)のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、アトピー性皮膚炎症の発症を有意に抑制することができ、該炎症の発症の予防に有効であり、低刺激性で日常的に使用することができる皮膚外用剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
前記の通り、本発明の皮膚外用剤は、4級アミノ基を有する化合物で変性されたクレー(以下、「変性クレー」とも称する)および、生体構成成分類似構造を含む側鎖を有するポリマーまたはコポリマーを含むが、その他の任意成分、例えばシリコーン、抗炎症成分、ショ糖脂肪酸エステル、その他を含むことができる。
【0017】
<1.4級アミノ基を有する化合物で変性されたクレー>
本発明の皮膚外用剤は、4級アミノ基を有する化合物で変性されたクレーを含有するこ
とを特徴とする。クレーを変性させる4級アミノ基を有する化合物としては、特に限定されるわけではないが、クオタニウムと称される化合物が例示される。クオタニウムとは、低分子の置換第4級アンモニウム塩であって、国際基準化粧品原材料(INCI)に登録された化粧料原料である。
さらに、クレーを変性させる4級アミノ基を有する化合物は、クオタニウム化合物のなかでも、従来の皮膚外用剤に含有されるクオタニウム化合物であることが好ましい。従来の皮膚外用剤で使用されているクオタニウム化合物としては、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等が好ましく例示される。ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド等は、クレーとともに安定な油中水乳化構造を形成することができるので、本発明の皮膚外用剤の皮膚バリア機能を高めることができると推定される。
【0018】
一方、4級アミノ基を有する化合物で変性されるクレー(未変性クレー)としては、従来の皮膚外用剤に含有されるクレーであれば特段の限定無く使用することができる。従来の皮膚外用剤に含有されるクレーとしては、スメクタイト系のベントナイトやモンモリロナイト;カオリナイト;イライト;マリーンクレイ(海泥);デザートローズクレイ;パスカライトなどが挙げられる。
これらのうち、油中水乳化構造を安定化させ、アトピー性皮膚炎症の肌のバリア機能を向上させることができると推察されるベントナイト;モンモリロナイト、ヘクトライト、ナイトライト、アルミニウムサポナイトなどのモンモリロナイト;又はカオリナイトが好ましく例示される。
【0019】
4級アミノ基を有する化合物でクレーを「変性する」とは、例えばクレーのシリケート層の間に4級アミノ基を有する化合物を挿入させることをいうが、特にこれに限定されるわけではなく、4級アミノ基を有する化合物によりクレーの物性を変化させることをいう。かかる変性により、4級アミノ基を有する化合物の4級アミノ基とクレーの陰イオン性部分にペアード・イオン(イオン結合)を生じさせ、疎水基と親水基が緩い状態で会合した複合体である、界面活性能を有するクレーを得ることが好ましい。
【0020】
本発明の皮膚外用剤に含有される4級アミノ基を有する化合物で変性されたクレーの製造方法の一例を以下に説明する。
前記未変性クレーを分散媒に分散させる。該分散媒は水系の溶媒であることが好ましく、水であってもよい。分散未変性クレーを含む分散液に、さらに4級アミノ基を有する化合物を加え、よく撹拌する。4級アミノ基を有する化合物は、水に溶解されて加えられてもよい。加えられる4級アミノ基を有する化合物の量は、分散未変性クレーの量に対して0.1〜20質量%であることが好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましい。本発明の皮膚外用剤の油中水乳化構造を安定化させ、アトピー性皮膚炎症の肌のバリア機能を向上させるためである。
撹拌後、分散質を濾取し、脱水、乾固することにより本発明における変性クレーを得ることができる。あるいは、分散質を濾取することなく、減圧濃縮することにより分散剤を除去して乾固させることにより、本発明における変性クレーを得ることもできる。
得られた変性クレーは、好ましくは所望のサイズ(粒径が1〜1000μmであることが好ましい)に粉砕され、本発明の皮膚外用剤に含有される。
【0021】
本発明における変性クレーは、前述したように調製して使用されることもできるが、市販されているものを使用することもできる。市販されている変性クレーには、化粧料などの皮膚外用剤などとして用いられているものもある。市販されている変性クレーとしては、例えば、エレメンティス社より「ベントン38V」の名称で販売されている、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド変性ヘクトライトなどが好ましく例示される。
【0022】
本発明における変性クレーは、本発明の皮膚外用剤の乳化を促進し、また乳化状態を安定化する作用を有し、さらに後述する生体構成成分類似構造を含む側鎖を有するポリマーまたはコポリマーとともに、相乗的に抗炎症作用を発揮する。
【0023】
以下、本発明における変性クレーの製造例を示す。
<製造例1>
カオリン95質量部を水500質量部に分散させ、これに5質量%ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液100質量部を加えた。良く攪拌した後、減圧下で濃縮し、次いで、減圧下で40℃に加温しながら乾固した。得られた乾固物を乾式ボールミルで粉砕した。得られた粉砕物を、さらに0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、二次凝集を壊砕して一次粒子のサイズの粒子とした。得られた有機変性カオリナイトを、後述の実施例で用いた。
<製造例2>
モンモリロナイト95質量部を水500質量部に分散させ、これに5質量%トリブチルアンモニウムクロリド水溶液100質量部を加えた。良く攪拌した後、減圧下で濃縮し、次いで、減圧下で40℃に加温しながら乾固した。得られた乾固物を乾式ボールミルで粉砕した。得られた粉砕物を、さらに0.9mm丸穴スクリーンを装着したパルベライザーで粉砕し、二次凝集を壊砕して一次粒子のサイズの粒子とした。得られた有機変性モンモリロナイトを、後述の実施例で用いた。
【0024】
<2.生体構成成分類似構造を側鎖に有するポリマーまたはコポリマー>
本発明の皮膚外用剤は、ポリマーまたはコポリマー(以下、両者を総称して「(コ)ポリマー」とも称する)を必須成分として含む。本発明の皮膚外用剤に含まれる(コ)ポリマーは、ビニルポリマーのように炭素原子−炭素原子結合が連続している主鎖と、生体構成成分類似構造を含む側鎖とを有する。
【0025】
本発明の皮膚外用剤に含まれる(コ)ポリマーは、付加重合性を有するビニルモノマーを単独重合または共重合させることにより得られる。付加重合性を有するビニルモノマーとは、特に限定されないが、(メタ)アクリル酸(エステル)類、スチレン類、ビニルアルコール類、その他が挙げられる。これらのうち、好ましくはアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルを挙げることができる。
【0026】
本発明の皮膚外用剤に含まれる(コ)ポリマーの側鎖は、生体構成成分類似構造を有する。ここで生体構成成分とは、生体の構成に必須の糖類、タンパク、ペプチド、アミノ酸、リン脂質、スフィンゴ糖脂質、スフィンゴリン脂質等を意味する。生体構成成分類似構造とは、生体構成成分の部分構造、またはその部分構造の一部が変化した構造を意味する。ここで「一部が変化する」とは、例えば、配糖化、アルキル化、アルケニル化、アリール化、アシル化、アミド化、ホスホリル化、(アルキル)アミノ化、リン酸エステル化されることを意味する。
【0027】
本発明における(コ)ポリマーの側鎖が有する生体構成成分類似構造は、好ましくは糖類似構造、アミノ酸類似構造、リン脂質類似構造である。糖類類似構造としてはグルコシルオキシエチル基を挙げることができ、アミノ酸類似構造としてはリジン残基を挙げることができ、リン脂質類似構造としてはトリメチルアミノエトキシホスホエチル基等を挙げることができる。
【0028】
【化2】

【0029】
前記の通り、本発明の皮膚外用剤に含有される(コ)ポリマーはビニルモノマーを(共)重合することにより製造される。ここで、(共)重合されるビニルモノマーの少なくとも一部を、生体構成成分類似構造が適切に導入されたビニルモノマーとすることにより、生体構成成分類似構造を含む側鎖を有する(コ)ポリマーを得ることができる。
【0030】
本発明の皮膚外用剤に含有される(コ)ポリマーの製造法の一例を以下に説明する。
前記生体構成成分類似構造を導入されたビニルモノマーを得る。生体構成成分類似構造を導入されたビニルモノマーとしては、例えば、下記式(X)に示されるアクリル酸またはメタクリル酸類を挙げることができる。
【0031】
【化3】

(式(X)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは生体構成成分類似構造を含む基を示す。)
【0032】
上記式(X)で示されるアクリル酸またはメタクリル酸類は、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸を、グルコシルオキシエチルエステル化する、トリメチルアミノエトキシホスホエチルエステル化する、アミノ酸(例えばリジン)でアミド化することにより得ることができるが、これに限定されるわけではない。
【0033】
製造された生体構成成分類似構造を導入されたビニルモノマー(好ましくは上記式(X)で示されるアクリル酸類またはメタクリル酸類)の1種または2種以上を付加重合させる。ここで、生体構成成分類似構造を導入されたビニルモノマーだけを重合させてもよいが、必要に応じて、他のビニルモノマー(生体構成成分類似構造を導入されていないビニルモノマー)とともに共重合させてもよい。ここで他のビニルモノマーとしては、特に限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキル及びメタクリル酸アルキルから選択される1種または2種以上のモノマーを挙げることができる。
【0034】
本発明の皮膚外用剤に含まれる(コ)ポリマーは、生体構成成分類似構造を導入されたビニルモノマーと他のビニルモノマーがブロック共重合など規則的に重合された重合体でもよいが、好ましくはランダム共重合された重合体である。
また、本発明の皮膚外用剤に含まれる(コ)ポリマーは、生体構成成分類似構造を導入されたビニルモノマー単位数(A)と、他のビニルモノマー単位数(B)を、(A):(B)=100:0〜5:95の比率で含むことが好ましい。
【0035】
本発明の皮膚外用剤に含まれる(コ)ポリマーの重量平均分子量は、1×104〜1×106であればよいが、特に限定されない。
【0036】
前記重合における重合反応条件は、通常のアクリル酸などの重合反応と同様の条件にすればよい。例えば、溶液中または分散液中で行うことができ、また重合開始剤を用いることができる。重合開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル等を用いることができる。
【0037】
本発明の皮膚外用剤に含有される(コ)ポリマーには、公知のものもあり、また市販されているものもある。それらの中には皮膚外用剤の原料として用いられているものもある。本発明の皮膚外用剤は、これらの市販されている(コ)ポリマーを含有してもよい。
市販されている(コ)ポリマーとしては、ポリグルコシルオキシエチルメタクリレート(日本精化株式会社製、「p−GEMA−s」)、ポリメタクリロイルリジン(岐阜シェラック株式会社製、「PMリジン」)、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(日本油脂株式会社製「リピデュア−C」)、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチルコポリマー(日本油脂株式会社製、「リピデュア−PMB」)及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリルコポリマー(日本油脂株式会社製、「リピデュア−S」)が好ましく例示される。
より好ましくは、リピデュア−Cである。
【0038】
<3.本発明の皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、前述した変性クレーおよび(コ)ポリマーを、必須成分として含有する。
【0039】
本発明の皮膚外用剤は、唯一種の前記変性クレーを含有してもよく、二種以上の前記変性クレーを組み合わせて含有していてもよい。本発明の皮膚外用剤における前記変性クレーの総含有量は、皮膚外用剤全量に対して、好ましくは0.1〜5質量%であり、より好ましくは、0.5〜3質量%である。
前記の含有量の下限より少なすぎると、前記変性クレーが有する乳化及び乳化物の安定化作用が発現されない場合がある。前記含有量の上限より多すぎると、ゲル化により硬化し、却って離水などの原因となり、皮膚外用剤の安定性が損なわれる場合がある。
本発明の皮膚外用剤に含まれる変性クレーは、皮膚外用剤中に分散されていることが好ましい。
【0040】
本発明の皮膚外用剤は、唯一種の前記(コ)ポリマーを含有してもよく、二種以上の前記(コ)ポリマーを組み合わせて含有してもよい。本発明の皮膚外用剤における前記(コ)ポリマーの総含有量は、皮膚外用剤全量に対して、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜5質量%である。
前記含有量の下限より少なすぎると、皮膚外用剤が塗布されても、皮膚の炎症の改善効果が十分に奏されない場合がある。前記含有量の上限より多すぎると前記効果が頭打ちであるにもかかわらず、系の安定性を損なう場合がある。
本発明の皮膚外用剤に含まれる(コ)ポリマーは、皮膚外用剤中に溶解または分散されていることが好ましい。
【0041】
前述の通り、本発明の皮膚外用剤は、前記必須成分以外にシリコーンを含有することが好ましい。含有されるシリコーンは、皮膚外用剤において通常使用されるものであれば特段の限定無く使用することができるが、例えばジメチコン、フェニルメチコン、シクロメチコン、アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体などが好ましく例示される。
【0042】
特に、本発明の皮膚外用剤は、揮発性シリコーン、低粘度シリコーンおよび中粘度シリコーンの少なくとも3種類のシリコーンを組み合わせて含むことが好ましい。
ここで、揮発性シリコーンとは、1気圧における沸点が200℃以下のシリコーンを意味する。例えば、ジメチコン環状5量体、ジメチコン環状4量体またはジメチコン環状3量体などのシクロメチコン類;1気圧20℃における粘度が5mPascal・秒以下のジメチコンなどが好適に例示できる。
低粘度シリコーンとは、1気圧20℃における粘度が10〜1000mPascal・秒、より好ましくは10〜500mPascal・秒であるシリコーンを意味する。
中粘度シリコーンとは、1気圧20℃における粘度が1000〜100000mPascal・秒、より好ましくは5000〜70000mPascal・秒であるシリコーンを意味する。
【0043】
本発明の皮膚外用剤に揮発性シリコーン、低粘度シリコーンおよび中粘度シリコーンの少なくとも3種類のシリコーンを含有させると、該皮膚外用剤が皮膚に塗布されるときの摩擦が低減され、摩擦による皮膚への刺激が低減される。さらに、該3種類のシリコーンを含有させることにより、該皮膚外用剤の塗布により形成された被膜の防水性が向上し、油性のベタ付き感が低減される。
【0044】
本発明の皮膚外用剤におけるシリコーンの好ましい含有量は、総量で、皮膚外用剤全量に対して20〜40質量%であり、より好ましくは25〜35質量%である。シリコーンの含有量が多すぎると、べたつくなどの使用性を損なう場合があり、少なすぎると前記した効果を発揮しない場合があるからである。
さらに、本発明の皮膚外用剤は、該皮膚外用剤全量に対して、揮発性シリコーン、低粘度シリコーンおよび中粘度シリコーンをそれぞれ、0.1〜3質量%、15〜25質量%および5〜10質量%含有することがより好ましい。
本発明の皮膚外用剤が有する抗炎症作用は、通常の炎症予防外用剤とは異なり、必ずしも経皮的水分散逸量の抑制などの、皮膚保湿性に依存するものではない。しかしながら、皮膚に防水性を付与することは、水溶性の起炎症成分の皮膚への浸入を防御することができるという点で有利である。したがって上記の通り、本発明の皮膚外用剤はシリコーンを含むことが好ましい。
【0045】
また、本発明の皮膚外用剤は、界面活性剤としてアルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体を含有していてもよい。アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体とは、ポリオキシエチレンメチルシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレンメチルシロキサン共重合体等を例示することができる。該アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体は、部分的に架橋構造を有していてもよい。
【0046】
アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体には市販されているものもあるので、このような市販品を購入して、本発明の皮膚外用剤に含有させることもできる。好ましい市販品としては、「シリコーンKF-6011」,「シリコーンKF-6013」,「シリコーンKF-6014」,「シリコーンKF6015」,「シリコーンKF6016」,「シリコーンKF-6017」,「シリコーンKF-6018」などのポリオキシエチレン付加物;「シリコーンKF-6012」などのポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン付加物(いずれも、信越化学株式会社製)を例示することができる。これらのうち、「シリコーンKF-6017」が好ましく例示される。
【0047】
本発明の皮膚外用剤は、一種のアルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体を含有することもでき、2種以上を組み合わせて含有することもできる。アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体は、本発明の皮膚外用剤の乳化構造を安定化する作用を有するとともに、前記したシリコーンとしての特性も有する。
本発明の皮膚外用剤における、アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体の含有量は、皮膚外用剤全量に対して、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは1〜6質量%である。該含有量が少なすぎると前記乳化構造を安定化する作用が十分に
奏されない場合があり、多すぎると却って安定性を損ねる場合がある。
【0048】
本発明の皮膚外用剤は、前記ジメチコン及び/又はフェニルメチコンである揮発性シリコーン、低粘度シリコーン及び中粘度シリコーンに加えて、さらに前記アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体を含有することが好ましい。
【0049】
前述の通り、本発明の皮膚外用剤は、抗炎症作用を有する成分を含有することが好ましい。抗炎症作用を有する成分を含有させることにより、本発明の皮膚外用剤が有する抗炎症作用をさらに向上させることができる。
【0050】
抗炎症作用を有する成分としては、例えば植物のアルコール抽出物(キク科ゴボウのアルコール抽出物、ウコギ科ニンジンのアルコール抽出物、カバノキ科シラカバのアルコール抽出物、マメ科クジンのアルコール抽出物、シソ科セージのアルコール抽出物、クルミ科コウキのアルコール抽出物、キク科セイヨウノギリソウのアルコール抽出物、シソ科ローズマリーのアルコール抽出物を含む)、グリチルリチン酸及び/又はその塩、グリチルレチン酸エステル(例えば、グリチルレチン酸ステアリル)、ウルソール酸及び/又はその塩、ウルソール酸エステル、植物ステロイド(フィトステロール)の配糖体、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトチフェン、ブフェキサマク、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ハイドロコルチゾール、タクロニムスおよびイブプロフェンから選択される1種または2種以上を好ましく例示することができる。
【0051】
前記植物のアルコール抽出物とは、植物を抽出溶媒であるアルコールで抽出処理することにより得られる成分である。抽出溶媒であるアルコールは、エタノールやイソプロパノールなどの1価アルコール;1,3−ブタンジオール、プロピレングリコール、グリセリンなどの多価アルコール類が好ましく例示される。
前記植物のアルコール抽出物は、抽出に用いた抽出溶媒とともに本発明の皮膚外用剤に含有されてもよく、該抽出溶媒を除去(例えば留去)してから含有させてもよい。該抽出溶媒が揮発性を有する場合には、抽出溶媒を除去してから含有させることが好ましく、多価アルコールなどのように揮発性を有さない場合は、抽出溶媒とともに含有させることが好ましい。
【0052】
本発明の皮膚外用剤における抗炎症成分の好ましい含有量は、総量で0.01〜5質量%であり、より好ましくは0.02〜1質量%である。
【0053】
後述するように、本発明の皮膚外用剤の剤形は乳化剤形であることが好ましい。本発明の皮膚外用剤は、乳化剤形である場合には、乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを含有することが好ましい。ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖モノラウリン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステルなどが好ましく例示され、ショ糖モノラウリン酸エステルが特に好ましく例示される。
【0054】
一般的に、乳化剤形の皮膚外用剤には、その乳化状態を安定させるために非イオン界面活性剤(特にポリオキシエチレン付加型の非イオン界面活性剤)が含有されている。その一方で、非イオン界面活性剤は皮膚に対する刺激性が強いという性質を有する。
一方、本発明の皮膚外用剤は、皮膚炎症を改善するために用いられるという特徴を有するので、炎症に対する刺激性が低いことが好ましい。したがって、本発明の皮膚外用剤は、たとえ乳化剤形であったとしても、非イオン界面活性剤(特にポリオキシエチレン付加型の非イオン界面活性剤)の含有量が低いことが好ましい。前記したショ糖脂肪酸エステルは、本発明の皮膚外用剤の乳化を安定化させることができるので、ポリオキシエチレン付加型の非イオン界面活性剤の含有量を低減させるか、または実質的に含有させないこと
ができる。
【0055】
前記した通り、非イオン界面活性剤(特にポリオキシエチレン付加型の非イオン界面活性剤)の含有量を制限するという観点から、本発明の皮膚外用剤はショ糖脂肪酸エステルを0.1〜2質量%、より好ましくは0.2〜1質量%含有することが好ましい。
一方、本発明の皮膚外用剤におけるポリオキシエチレン付加型の非イオン界面活性剤の含有量は低く制限されていることが好ましく、その含有量は1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、特に好ましくは配合されない。
【0056】
本発明の皮膚外用剤は、前記した成分以外に、通常皮膚外用剤で使用される成分を任意に含有することができる。通常皮膚外用剤で使用される成分としては、例えばオイル・ワックス類、炭化水素類、高級脂肪酸類、高級アルコール類、合成エステル油類の油剤類、界面活性剤類、多価アルコール類、保湿成分類、増粘剤、粉体類、無機顔料類、パール剤類、有機色素類、有機粉体類、紫外線吸収剤類、低級アルコール類、ビタミン類が例示される。
【0057】
オイル、ワックス類としては、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等が例示される。
炭化水素類としては、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が例示される。
高級脂肪酸類としては、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等が例示される。
高級アルコール類としては、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等が例示される。
合成エステル油類の油剤類としては、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリトリット等の合成エステル油類が例示される。
【0058】
界面活性剤類としては、アニオン界面活性剤類、カチオン界面活性剤類、両性界面活性剤類、非イオン界面活性剤類が挙げられる。
アニオン界面活性剤類としては、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等が例示される。
カチオン界面活性剤類としては、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等が例示される。
両性界面活性剤類としては、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等が例示される。
非イオン界面活性剤類としては、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリ
コール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等が例示される。
【0059】
多価アルコール類としては、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が例示される。
保湿成分類としては、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等が例示される。
増粘剤としては、グアガム、クインスシード、カラギーナン、ガラクタン、アラビアガム、ペクチン、マンナン、デンプン、キサンタンガム、カードラン、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、コンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、グリコーゲン、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、ヒドロキシエチルグアガム、カルボキシメチルグアガム、デキストラン、ケラト硫酸,ローカストビーンガム,サクシノグルカン,カロニン酸,キチン,キトサン、カルボキシメチルキチン、寒天、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、ベントナイト等が例示される。
【0060】
粉体類としては、表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が例示される。
無機顔料類としては、表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛が例示される。
パール剤類としては、表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等が例示される。
有機色素類としては、レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等が例示される。
有機粉体類としては、ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等が例示される。
【0061】
紫外線吸収剤類としては、パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、糖系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等が例示される。
低級アルコール類としては、エタノール、イソプロパノール、フェノキシエタノール等が例示される。
ビタミン類としては、ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩,ビタミンB6ト
リパルミテート,ビタミンB6ジオクタノエート,ビタミンB2又はその誘導体,ビタミンB12,ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類、α−トコフェロール,β−トコフェロール,γ−トコフェロール,ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノンなどが例示される。
【0062】
本発明の皮膚外用剤の剤形は、特段の限定はされないが、好ましくは乳化剤形であり、さらに好ましくは油中水乳化剤形である。油中水乳化剤形のなかでも、内相を50質量%以上含有する高内相油中水乳化剤形が好ましい。乳化剤形(好ましくは油中水乳化剤形)とすることより、本発明の皮膚外用剤が皮膚の保湿性を高めることができ、バリア機能をも著しく向上させ得るからである。
本発明の皮膚外用剤は、乳化剤形である場合には、前記したように乳化剤としてショ糖脂肪酸エステルを含有することが好ましい。
【0063】
本発明の皮膚外用剤は皮膚炎症を治療または予防するために用いられうるが、好ましくは皮膚炎症の発症を予防(炎症予防)するために用いられる。さらに好ましくは、皮膚のバリア機能が低下して起炎症性物質などが真皮内に侵入することにより発症する炎症を予防するために用いられる。したがって、本発明の皮膚外用剤は、抗炎症作用または炎症予防作用を有する旨を表示(例えばその包装に表示)されていてもよい。
本発明の皮膚外用剤の治療または予防対象である炎症は、アトピー性皮膚炎に由来する炎症であることが好ましい。本発明の皮膚外用剤は、皮膚の保湿性および皮膚バリア機能を高め、アトピー性皮膚炎症の発症を抑制する作用(炎症予防作用)を発揮する。さらに、皮膚バリア機能の低下によりアトピー性皮膚炎が再発するのを防止することができる。
これは、本発明の皮膚外用剤が、1)炎症に伴って生ずる経皮的散逸水分量亢進の抑制、2)経皮的散逸水分量の増加が誘起する炎症因子の遊走の抑制、および3)皮膚バリア機能の低下に伴う起炎症成分の侵入の防止の作用を複合的に有しているからである。このことは後述の実施例においても説明されている。
【0064】
本発明の皮膚外用剤は、皮膚に外用で投与されることが好ましい。皮膚に外用で投与するとは、経皮投与することが含まれ、塗り薬として皮膚に塗布する、または貼り薬として投与することなどが挙げられる。
【0065】
本発明の皮膚外用剤は、皮膚に外用で投与される任意の組成物に適用されることができる。皮膚に外用で投与される組成物としては、例えば皮膚外用医薬品、化粧料(医薬部外品を含む)、皮膚外用雑貨等が好適に例示される。特に好ましくは化粧料を挙げることができる。とりわけ本発明の皮膚外用剤は、医薬部外品に適用されることが好ましい。医薬部外品とは、薬事法で定義される医薬部外品をいう。
本発明の皮膚外用剤が医薬部外品である場合は、製剤中に有効成分として抗炎症剤を配合することにより、抗炎症作用を訴求する医薬部外品とすることもできる。この場合、「抗炎症作用を訴求する」とは、例えば抗炎症作用を有する医薬部外品である旨をその包装に表示することが挙げられる。
【0066】
本発明の皮膚外用剤は前記変性クレーおよび(コ)ポリマーを含むこと以外は、その剤形に応じて、通常の皮膚外用剤の製造方法と同様の方法で製造することができる。
【実施例】
【0067】
以下に、実施例を挙げて、本発明についてさらに詳細に説明を加えるが、かかる実施例にのみ、本発明が限定されないことは言うまでもない。
【0068】
<実施例1>
下記表1に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤を作製した。
80℃に加熱された成分イに、成分ハを分散させた。分散された成分ハを含む成分イを撹拌しながら、これに80℃に加熱された成分ロを徐々に加えて乳化させた。得られた乳化物を攪拌冷却して、油中水乳化剤形の乳液を得た。以下これを、「クリームA」と称する。
また、下記表2、3に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤を作製した。
成分イ、成分ハ及び成分ニを75℃に加熱し、撹拌、可溶化した。75℃に加熱された成分イに成分ロを加えて混練りし、これに75℃に加熱された成分ハを加えて希釈した。得られた希釈物に、撹拌下75℃に加熱された成分ニを徐々に加えて乳化した。得られた乳化物を撹拌冷却して、油中水乳化剤形の乳液を得た。以下これを、「クリームA−2」「クリームB」と称する。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【表3】

【0071】
<試験例1-1>
NC/Ngaマウス皮膚炎に対する予防効果
試験動物として体重約30gのNC/Nga系雄性マウス(6〜7週齢)を、1検体(クリームA、白色ワセリン及び無処置)につき10匹を用いた。NC/Nga系マウスは、血漿中の全免疫グロブリンEが高濃度であり、皮膚病変に炎症性の細胞が侵入するといった診断上の特徴を有する皮膚病変を発症する従来の条件下で飼育された(下記文献1,2及び3を参照)。
前記クリームA(50mg/マウス)、白色ワセリン(50mg/マウス)をマウスの頸背部に、8週間、5回/週の頻度で塗布した。8週間経過後、各群のマウスそれぞれの吻側背部の皮膚症状を観察し、観察された皮膚症状を7段階に分類し、経時的な炎症悪化に対する予防効果を評価した。観察された皮膚症状を、下記表4の判定基準に従って0〜6点に判定した。
<試験例1-2>
NC/Ngaマウス皮膚炎に対する予防効果
試験動物として体重約30gのNC/Nga系雄性マウス(6〜7週齢)を、1検体(クリームA-2、クリームB及び無処置)につき10匹を用いた。
前記クリームA-2(50mg/マウス)、前記クリームB(50mg/マウス)をマウスの頸背部に、8週間、5回/週の頻度で塗布した。8週間経過後、各群のマウスそれぞれの吻側背部の皮膚症状を観察し、観察された皮膚症状を7段階に分類し、経時的な炎症悪化に対する予防効果を評価した。観察された皮膚症状を、下記表4の判定基準に従って0〜6点に判定した。
【0072】
文献1 Kondo, K., Nagami, T., Teramoto, S., 1964. Differences in haematopoietic
death among inbred strains of mice. In Bond, S. V., Sugahara, T. (Eds.), Comparative Cellular and Species Radiosensitivity. Tokyo, Igakushoin. 20.
文献2 Matsuda, H., Watanabe, N., Geba, G.P., Sperl, J., Tsudzuki, M., Hiroi,
J., Matsumoto, M., Ushio, J., Saito, S., Askenase, P.W., Ra, C., 1997. Development of atopic dermatitis-like skin lesion with IgE hyperproduction in NC/Nga mice. Int. Immunol. 9, 461-466.
文献3 Suto, H., Matsuda, H., Mitsuishi, K., Hira, K., Uchida, T., Unno, T., Ogawa, H., Ra, C., 1999. NC/Nga mice: a mouse model for atopic dermatitis. Int. Arch. Allergy Immunol. 120 (suppl. 1), 70-75.
【0073】
【表4】

【0074】
検体毎(試験例1−1:クリームA、白色ワセリン及び無処置、試験例1−2:クリームA−2、クリームB及び無処置)に、得られた判定スコアの平均値を求めた。その結果が図1(試験例1−1)及び図2(試験例1−2)に示される。
図1に示されたように、8週間の飼育による無処置群のNC/Ngaマウスの判定結果は、3.3±0.4であった。白色ワセリンは、皮膚炎の発症を抑制する傾向を示したが、無処置に比べて有意な差は認められなかった。一方クリームAは、皮膚炎の発症を有意に抑制する作用を示した。このことから、クリームAはアトピー性皮膚炎を予防する効果が高いことがわかった。
又、図2に示されるように、クリームA−2とクリームBの比較から、シリコーンの配合により、アトピー性皮膚炎を予防する効果が一層高まることがわかった。
【0075】
<試験例2>水分蒸散抑制効果の測定
以下に示す通り、アクリルカップを用いて水分蒸散抑制試験を行った。
アクリルカップに、ケラチンパウダーをコートした濾紙をセットした。この濾紙に、0.2gのサンプル(クリームAまたはワセリン)を塗布した。温度30℃、湿度30%の条件下で24時間放置した。その後、水分蒸散量を測定した。この測定結果を下記の表5に示した。
【0076】
【表5】

【0077】
表5に示されたように、クリームAおよびワセリンはいずれも水分蒸散抑制作用を示すが、クリームAの水分蒸散抑制作用の程度は、ワセリンには及ばないことも明らかになった。通常、アトピー性皮膚炎は、水分蒸散が抑制されることにより改善されると言われている。クリームAは、水分蒸散抑制作用に関してワセリンよりも低いにもかかわらず、試験例1−1に示した通り、優れたアトピー性皮膚炎予防効果を示す。このことから、本発明の皮膚外用剤は、従来知られていない作用機序でアトピー性皮膚炎を予防していることが明らかになった。
【0078】
<試験例3>皮膚機能改善効果の測定
実施例1のクリームAを用いて、経皮的水分蒸散量(TEWL)を指標に有機変性クレーと、生体構成成分類似構造を有するポリマーの組合せによる皮膚機能改善効果を検討した。即ち、パネラー(n=2)の前腕全体を良く洗浄した後、前腕内側部に2cm×4cmの部位を3カ所設け、テヴァメーター(インテグラル社製)でTEWLを測定(TEWL1)し、部位差、パネラー間差がないことを確認した上で、粘着テープで15回ストリッピングを行い、人工的な肌荒れモデルを作成した。ストリッピング後30分間静置し、ストリッピングの影響がおさまるのを待ち、TEWLを測定(TEWL2)し、各部位の同等性を再確認した。その後、直ちに、検体を50μg投与し、1時間静置し、良く洗浄して、10分静置した後、TEWLを測定(TEWL3)した。このTEWL1〜3より、次の式に従って、TEWL抑制率を算出した。又、検体としては実施例1のクリームAの他に、実施例1のクリームAの「リピジュア−C」を水に置換したもの(比較例1)とクリームAの「ベントン−38V」を水に置換したもの(比較例2)を用いた。結果を表6に示す。これより本発明の皮膚外用剤における有機変性クレーと、生体構成成分類似構造を有するポリマーの組合せによる皮膚機能改善効果が明らかになった。即ち、有機変性クレーと、生体構成成分類似構造を有するポリマーとを含む皮膚外用剤の投与は、皮膚上に速やかにバリア層の再構築を促し、その結果皮膚機能が改善されることが判る。この様な作用がアトピー性皮膚炎の改善に寄与しているものと思われる。
TEWL抑制率(%)=(1−(TEWL3−TEWL1)/(TEWL2−TEWL1))×100
【0079】
【表6】

* TEWL抑制率(%)はパネラー(n=2)の平均値で表している。
【0080】
<実施例2〜5>
実施例1と同様に、下記の表7および表8に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤を作製した。実施例2〜5で作製された皮膚外用剤は、医薬部外品として用いることができる。作製した医薬部外品を、ボランティア(n=1)の損傷皮膚へ投与して、刺激感試験を行い評価した。具体的には、ガムテープで3回ストリッピングした前腕内側部の部位(1×2cm)に検体を投与(40μl)し、さらに同部位を5回擦過した際に刺激を感じるか否かを判定した。
医薬部外品2〜5は何れも刺激感を誘起しなかった。これにより、表8に示されたような生体類似構造を側鎖に有する(コ)ポリマーは、いずれも本発明の皮膚外用剤に適切に適用されうることがわかった。
【0081】
【表7】

【0082】
【表8】

【0083】
<実施例6〜7>
実施例1と同様に、下記の表9、10に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤を製造した。実施例6〜7で作製した皮膚外用剤は、医薬部外品として用いることができる。作製した医薬部外品について、実施例2と同様に、ボランティア(n=1)の損傷皮膚に投与し、刺激感試験を行い評価した。いずれのサンプルも刺激感を誘起しなかった。
【0084】
【表9】

【0085】
【表10】

【0086】
<実施例8〜18>
実施例1と同様に、下記の表11、12に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤を作製した。実施例8〜18で作製された皮膚外用剤は、医薬部外品として用いられることができる。作製した医薬部外品について、実施例2と同様に、ボランティア(n=1)の損
傷皮膚に投与し、刺激感試験を行い評価した。いずれのサンプルも刺激感を誘起しなかった。
【0087】
【表11】

【0088】
【表12】

【0089】
<実施例19〜24>
実施例2と同様に、下記の表13、14に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤を作製した。実施例19〜24で作製された皮膚外用剤は、抗炎症皮膚外用医薬品として用いることができる。作製した抗炎症皮膚外用医薬品について、実施例2と同様に、ボランティア(n=1)の損傷皮膚に投与して、刺激感試験を行い評価した。いずれのサンプルも刺激感を誘起しなかった。
【0090】
【表13】

【0091】
【表14】

【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明の皮膚外用剤は、有効な炎症予防作用を示すので、皮膚炎症の発症を予防するために用いられうる。また、該皮膚外用剤は極めて低刺激性であるので、治療後の皮膚炎症の発症の再発を防止するために、日常的に長期にわたって使用されうる。また、抗炎症剤を配合することによって、本発明の皮膚外用剤を抗炎症医薬部外品、抗炎症皮膚外用医薬に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】試験例1−1の結果を示す図である。
【図2】試験例1−2の結果を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)4級アミノ基を有する化合物で変性されたクレー、および
2)生体構成成分類似構造を含む側鎖を有するポリマーまたはコポリマー
を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項2】
前記クレーが、4級アミノ基を有する化合物で変性されたベントナイト、モンモリロナイトまたはカオリナイトであることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
前記4級アミノ基を有する化合物が、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリドであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
前記生体構成成分類似構造が、糖類似構造、アミノ酸類似構造またはリン脂質類似構造であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項5】
前記生体構成成分類似構造が、グルコシルオキシエチル基、リジン残基またはトリメチルアミノエトキシホスホエチル基であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項6】
前記ポリマーまたはコポリマーが、下記式(X)で示されるアクリル酸類またはメタクリル酸類の1種または2種以上を含むビニルモノマーを付加重合させて得られるポリマーまたはコポリマーであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【化1】

(式(X)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Xは生体構成成分類似構造を含む基を示す。)
【請求項7】
前記ポリマーまたはコポリマーが、ポリグルコシルオキシエチルメタクリレート、ポリメタクリロイルリジン、ポリメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチルコポリマー、及びメタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ステアリルコポリマーからなる群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項8】
さらに、シリコーンを含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項9】
前記シリコーンが、揮発性シリコーン、低粘度シリコーンおよび中粘度シリコーンの少なくとも3種のシリコーンを含むことを特徴とする、請求項8に記載の皮膚外用剤。
【請求項10】
前記シリコーンがアルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体を含み、皮膚外用剤全量に対する該アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体の含有量が、0.1〜10質量%であることを特徴とする、請求項8に記載の皮膚外用剤。
【請求項11】
前記シリコーンが、
1)揮発性シリコーン、低粘度シリコーン及び中粘度シリコーンの少なくとも3種のジメチコンまたはフェニルメチコン、ならびに
2)アルキレンオキサイド メチルシロキサン共重合体
を含むことを特徴とする、請求項8に記載の皮膚外用剤。
【請求項12】
さらに、ショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項13】
さらに、キク科ゴボウのアルコール抽出物、ウコギ科ニンジンのアルコール抽出物、カバノキ科シラカバのアルコール抽出物、マメ科クジンのアルコール抽出物、シソ科セージのアルコール抽出物、クルミ科コウキのアルコール抽出物、キク科セイヨウノギリソウのアルコール抽出物、シソ科ローズマリーのアルコール抽出物、グリチルリチン酸及び/又はその塩、グリチルレチン酸エステル、ウルソール酸及び/又はその塩、ウルソール酸エステル、植物ステロイド(フィトステロール)の配糖体、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトチフェン、ブフェキサマク、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベクロメタゾン、ベタメタゾン、ハイドロコルチゾール、タクロニムスからなる群から選択される1種または2種以上の抗炎症成分を含有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項14】
油中水乳化剤形であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項15】
アトピー性皮膚炎を改善または予防するための、請求項1〜14のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−524115(P2008−524115A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−529296(P2007−529296)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【国際出願番号】PCT/JP2005/022139
【国際公開番号】WO2006/067945
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【Fターム(参考)】