説明

外付け式人間型手のためのアクチュエータおよび電子機器のパッケージング

【課題】外付け式人間型手のためのアクチュエータおよび電子機器のパッケージングを提供すること。
【解決手段】人間型ロボット用の下腕アセンブリは、第1の側および第2の側を有する腕サポートと、腕サポートの第1の側に取り付けられる複数の手首アクチュエータと、腕サポートの第2の側に取り付けられる複数の指アクチュエータと、腕サポートの第1の側にやはり配置される複数の電子機器とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(連邦政府の支援を受けた研究または開発に関する陳述)
[0001]本発明は、NASA宇宙活動協定(NASA Space Act Agreement)第SAA−AT−07−003号の下において政府支援によりなされた。政府は、本発明において一定の権利を有し得る。
【0002】
[0002]本発明は、人間型ロボットに関し、より詳細には、人間型ロボットの下腕のための作動システム用のパッケージングに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ロボットは、関節部またはモータ駆動型ロボット関節を介して相互連結される一連の剛体リンクを使用して、物体を操作することが可能な、自動型デバイスである。典型的なロボットにおける各関節は、自由度(DOF:degree of freedom)とも呼ばれる、独立した制御変数を呈する。エンドエフェクタは、例えば作業工具または物体を把持するなど、手元の作業を実施するために使用される特定のリンクである。したがって、ロボットの正確な動作制御は、タスクレベルの指定により調整され得て、すなわち、物体レベル制御(すなわちロボットの片手または両手の中に保持された物体の挙動を制御する能力)、エンドエフェクタ制御、および関節レベル制御によって、調整され得る。集合的に、種々の制御レベルが協働して、所要のロボット動作性、器用さ、および作業タスク関連機能性を達成する。
【0004】
[0004]人間型ロボットは、とりわけ、全身、胴部、および/または付属物であるか否かに関わらず、ほぼ人間の構造または外観を有するロボットであり、人間型ロボットの構造的複雑さは、実施される作業タスクの性質に大きく左右される。人間型ロボットの使用は、特に人間が使用するように作製されたデバイスまたはシステムと直接的に相互にやり取りすることが必要な場合に、好ましい場合がある。幅広い範囲の作業タスクが人間型ロボットに期待され得ることにより、異なる制御モードが、同時に必要とされる場合がある。例えば、正確な制御が、加えられるトルクまたは力、動作、および種々の把持タイプに対する制御と並び、上述の様々な空間内において与えられなければならない。
【0005】
[0005]人間の動作に近づけるために、ロボット内の各関節は、DOFごとに少なくとも1つのアクチュエータを要する。さらに、これらのアクチュエータは、人間の構造および外観にほぼ相当する構成体の中にパッケージングされなければならない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
[0006]したがって、本明細書においては、器用な人間型ロボット用の下腕アセンブリをパッケージングするための一構成が提示される。人間型ロボット用の下腕アセンブリは、第1の側および第2の側を有する腕サポートと、腕サポートの第1の側に取り付けられる複数の手首アクチュエータと、腕サポートの第2の側に取り付けられる複数の指アクチュエータと、腕サポートの第1の側にやはり配置される複数の電子機器とを備える。
【0007】
[0007]複数の指アクチュエータは、第1の複数の指アクチュエータと、腕サポートの第2の側に取り付けられる第2の複数の指アクチュエータとを含む。サポートリブが、腕サポートの第1の側に配置される。1つの手首アクチュエータが、サポートリブの各側に取り付けられる。
【0008】
[0008]添付の図面と関連させて理解することにより、本発明を実施するための最良の形態の以下の詳細な説明から、本発明の上述の特徴および利点ならびに他の特徴および利点が、容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による器用な人間型ロボットの概略斜視図である。
【図2】図1の器用な人間型ロボット用の上腕の概略斜視図である。
【図3】図1および図2の器用な人間型ロボット用の下腕の概略斜視図である。
【図3A】図1から図3の器用な人間型ロボット用の下腕の別の概略斜視図である。
【図3B】図1から図3Aの器用な人間型ロボット用の下腕の一部分の拡大概略斜視図である。
【図4】図1から図3Bの器用な人間型ロボット用の下腕サポートの第1の側の概略斜視図である。
【図4A】図1から図4の器用な人間型ロボット用の、下腕サポートの第1の側および複数の電子機器の拡大概略斜視図である。
【図5】図1から図4の器用な人間型ロボット用の下腕サポートの第2の側の概略斜視図である。
【図6】図1から図5の器用な人間型ロボット用の、下腕サポートの第2の側および第1の複数の指アクチュエータの概略斜視図である。
【図6A】図1から図6の器用な人間型ロボット用の、下腕サポートの第2の側および第2の複数の指アクチュエータの概略斜視図である。
【図7】図1から図6Bの器用な人間型ロボット用の、下腕サポートの第1の側および複数の手首アクチュエータおよび電子機器の概略斜視図である。
【図8】図1から図7の器用な人間型ロボット用の1つの手首アクチュエータの概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0021]同様の参照番号が複数の図面にわたって同一または類似の構成要素を指す図面を参照すると、図1は、多自由度(DOF)により1つまたは複数のタスクを実施するように適合化された器用な人間型ロボット10を示す。
【0011】
[0022]この人間型ロボット10は、頭部12、胴部14、腰部15、腕16、手18、指19、および親指21を備えてよく、それらの中またはそれらの間に、多様な関節が配設される。さらに、ロボット10は、脚部、トレッド、または、ロボットの特定の用途もしくは意図される用途に応じた別の可動式または固定式ベースなどの、タスクに適した固定具またはベース(図示せず)を備えてもよい。例えば胴部14の背の上に担持または着用される再充電式電池パックまたは別の適切なエネルギー供給部などの電源部13が、様々な関節を作動させるように様々な関節に十分な電気エネルギーを供給するために、ロボット10に一体的に設置されてよい。
【0012】
[0023]一実施形態によれば、ロボット10は、肩関節アセンブリ(矢印A)、肘関節アセンブリ(矢印B)、手首関節アセンブリ(矢印C)、首関節アセンブリ(矢印D)、および腰部関節アセンブリ(矢印E)、さらには各ロボット指19の指骨間に位置する様々な指関節アセンブリ(矢印F)などの(それらに限定されない)、複数の独立的に可動なロボット関節および相互依存的に可動なロボット関節によって、構成される。
【0013】
[0024]各ロボット関節は、1つまたは複数のDOFを有し得る。例えば、肩関節アセンブリ(矢印A)および肘関節アセンブリ(矢印B)などのいくつかの関節は、ピッチおよびロールの形式の少なくとも2つのDOFを有し得る。同様に、首関節アセンブリ(矢印D)は、少なくとも3つのDOFを有することができ、腰部アセンブリおよび手首アセンブリ(それぞれ矢印EおよびC)は、1つまたは複数のDOFを有し得る。タスクの複雑性に応じて、ロボット10は、40以上のDOFによる動作が可能である。単純化のため図1には図示されないが、各ロボット関節は、例えば関節モータ、リニアアクチュエータ、およびロータリアクチュエータ等々の、1つまたは複数のアクチュエータを含み、この1つまたは複数のアクチュエータにより駆動される。
【0014】
[0025]腕16は、上腕22および下腕(または前腕)24に区分される。上腕22は、肩関節アセンブリ(矢印A)から肘関節アセンブリ(矢印B)まで延在する。肘関節アセンブリ(矢印B)から延在するのは、下腕24、手18、指19、および親指21である。単純化のため、本明細書において説明されるように、上方は頭部12の方向であり、下方は腰部15の方向である。ロボット10は、人間の形を模するように意図されるため、例えば上腕22、下腕24、および手18等々を含む腕16などの様々な四肢は、対称的であり、左側および右側の両側に同一の対称的な骨格構造を基本的に備えることが、当業者には理解されよう。したがって、図1のように正面から見た場合に、右腕16および右手18は、実際には図面の左側に位置することになる。
【0015】
[0026]図2を参照すると、上腕22が図示されている。複数の腕16に対して一方の上腕22のみが図示されているが、左腕および右腕16は共に、以下に説明するように同一の態様で作動する。上腕22は、第1のDOFを実現する第1の肩関節S1、第2のDOFを実現する第2の肩関節S2、および第3の自由度を実現する第3の肩関節S3を含む、肩関節アセンブリ(矢印A)を有する。第1から第3の肩関節S1、S2、S3は共に、人間の肩が行うことが可能な動作に相当する動作を行う。具体的には、第1の肩軸A1を中心とした第1の肩関節S1の回転により、第2の肩関節S2に関する第2の肩軸A2が、所望の位置へと移動する。第1の肩関節S1の位置に基づき、次いで、第2の肩軸A2を中心とする第2の肩関節S2の回転により、腕16が、胴部14に対して上下に、または胴部14に対して前後に、またはそれらのある組合せにて移動する。第3の肩関節S3は、第3の肩軸A3を中心として上腕22を回転させる。第3の肩関節S3の回転により、上腕22は、軸方向に回転し、すなわち、第3の肩関節S3の回転により、肘関節アセンブリ(矢印B)が回転されて、上方または下方に向けられる。したがって、第1の肩関節S1、第2の肩関節S2、および第3の肩関節S3が共に、肩関節アセンブリ(矢印A)の動作を行う。
【0016】
[0027]さらに、上腕22は、第1の肘関節L1および第2の肘関節L2を含む肘関節アセンブリ(矢印B)を備える。第1の肘関節L1および第2の肘関節L2はそれぞれ、1自由度を実現する。第1の肘関節L1および第2の肘関節L2が共に、人間の肘が行うことが可能な動作に相当する動作を行う。第1の肘軸B1を中心とする第1の肘関節L1の回転により、肘関節アセンブリ(矢印B)の下方の上腕22の部分が、屈曲する、および直線状になる。さらに、第2の肘軸B2を中心とする第2の肘関節L2の回転により、肘関節アセンブリ(矢印B)の下方の上腕22の部分が、軸方向に回転し、すなわち、第2の肘軸B2を中心とする第2の肘関節L2の回転により、下腕24および手18(図1)が回転されて、手のひらが上方または下方に向けられる。
【0017】
[0028]図3は、手首関節アセンブリ(矢印C)、手18、指19、および親指21を含む、下腕24を図示する。下腕24は、複数の指(および親指)アクチュエータ26と、複数の手首アクチュエータ28とを備える。さらに、指アクチュエータ26および手首アクチュエータ28のための複数の電子機器30が、下腕24上に支持される。下腕24は、下腕24を上腕22に連結するために使用されるロードセル32(図3Aに図示される)に装着される。ロードセル32により、下腕24から離れて位置するロボット10上の電子機器は、下腕24が被る全荷重をモニタリングすることが可能となる。
【0018】
[0029]指アクチュエータ26は、親指21のためのアクチュエータを含む。多数の指アクチュエータ26が、各指19および親指21に対応し得る。一般的には、DOFごとに1つの指アクチュエータ26に加えて、各指19または親指21ごとに1つの追加の指アクチュエータ26が使用可能でなければならない。したがって、3つのDOFを有する各指19は、4つの指アクチュエータ26を要し、2つのDOFを有する各指19は、3つの指アクチュエータ26を要する、等々となる。
【0019】
[0030]手18は、4DOFを有する親指21と、それぞれが3DOFを有する2つの指19と、それぞれが1DOFを有する2つの指19(それぞれが1DOFを有するこれら2つの指19は、必要な1つの追加の指アクチュエータ26を共有する)とを備える。さらに、手首関節アセンブリ(矢印C)は、2DOFを有する。したがって、下腕24は、14DOFを実現し、16個の指アクチュエータ26と、2個の手首アクチュエータ28とを要する。下腕24内に指アクチュエータ26、手首アクチュエータ28、および関連付けされる電子機器30をパッケージングすることにより、下腕24用の自己充足型作動/制御システムが形成される。この下腕24アセンブリは、1つのモジュールとして組み立てられて、人間型ロボット10用の上腕22などの適切な装置に取り付けられ得る。
【0020】
[0031]図示される実施形態においては、下腕24は、幅9.14cm(3.6インチ)および長さ20.1cm(7.9インチ)の手18を有する。手18のこの幅は、人間の男性の手のほぼ60パーセンタイルであり、手18のこの長さは、人間の男性の手のほぼ80パーセンタイルである。手首関節アセンブリ(矢印C)は、直径7.62cm(3インチ)である。下腕24の手首関節アセンブリ(矢印C)までの長さは、22.9cm(9インチ)であり、最大直径は、12.7cm(5インチ)であり、中間地点の直径は、10.2cm(4インチ)であり、これは、人間の男性の前腕の80パーセンタイルである。したがって、下腕24は、ほぼ人間の前腕のサイズおよび外観からなる。
【0021】
[0032]図4および図5は、下腕24用の下腕サポート40の概略斜視図である。下腕サポート40は、概して平坦である。図4は、サポート40の第1の側42、すなわち甲側を図示し、これは、手18が手のひらを下方に向けている場合に上方に向く。図5は、サポート40の第2の側44、すなわち手のひら側を図示し、これは、手18が手のひらを上方に向けている場合に上方に向く。サポート40は、第1の側42からサポート40の中心の下方に突出するサポートリブ46を備える。サポート40は、サポート40上に組み付けられる構成要素へのアクセスを与えるために、および、サポート40の重量を軽減するために、複数の開口48を画成してよい。さらに、サポート40は、以下において説明されるように、サポート40に対して様々な下腕24構成要素を装着するための複数の装着孔50を画成してよい。
【0022】
[0033]図6および図6Aは、第1の複数の指アクチュエータ26Aおよび第2の複数の指アクチュエータ26Bが上に取り付けられる、サポート40の第2の(手のひらの)側44を図示する。第1の複数の指アクチュエータ26Aは、共通ハウジング52内に組み付けられる。ハウジング52は、サポート40の第2の(手のひらの)側44の上に取り付けられる。ハウジング52は、概して半円形状を有し、5つの指アクチュエータ26が、ハウジング52内に半円状にパッケージングされ、1つの指アクチュエータ26が、この半円状部の中心にパッケージングされる。第2の複数の指アクチュエータ26Bは、さらに10個の指アクチュエータ26を備える。第2の複数の指アクチュエータ26Bは、個別に収容される。第2の複数の指アクチュエータ26Bは、サポート40の上に個別に取り付けられる。強度をさらに高めるために、サポートアーチ(図示せず)が、第1の複数の指アクチュエータ26Aを覆って配置され、サポート40に固定されてよい。第2の複数の指アクチュエータ26Bが、次いで、このサポートアーチに固定されてよい。第1の複数の指アクチュエータ26Aおよび第2の複数の指アクチュエータ26Bは、概して半円形状を形成して、下腕24の第2の(手のひらの)側44を形成する。
【0023】
[0034]個別に収容される指アクチュエータ26はそれぞれ、概して台形の断面形状を有するハウジングを有し、それにより、指アクチュエータ26を第2の複数の指アクチュエータ26Bからなる概して半円状/アーチ状の構成でパッケージングするのを補助する。さらに、指アクチュエータ26はそれぞれ、一方の端部に固定されるモータ54と、他方の端部53に装着される腱(図示せず)とを備える。アクチュエータ26は、モータ54から指アクチュエータ26の腱端部53まで、内方へとテーパ形状をなす。いったん組み付けられると、指アクチュエータ26は、人間の前腕と同様のテーパ状の外観をなす。
【0024】
[0035]図7は、下腕24の第1の側(甲側)42を図示する。第1の手首アクチュエータ28Aおよび第2の手首アクチュエータ28Bは、サポート40の第1の側42の上に取り付けられる。第1および第2の手首アクチュエータ28Aおよび28Bは、互いに対して鏡像関係で、サポートリブ46の両側に取り付けられる。
【0025】
[0036]図8は、手首アクチュエータ28の概略斜視図を示す。手首アクチュエータ28はそれぞれ、サポート40の第1の(甲の)側42(図7に図示される)に固定されるスライダサポート55を有する。モータ54は、ボールナット57を回転させる。ボールナットは、ボールねじ56に螺合し、ボールねじ56は、手首アクチュエータスライダ58に連結される。ボールナット57は、モータ54により回転されるが、ボールねじ56は、手首アクチュエータスライダ58に連結されることにより回転を妨げられる。ボールねじ56は、手首アクチュエータ軸Wを画定する。モータ54が、ボールナット57を回転させると、ボールねじ56は、手首アクチュエータ軸Wに沿って並進される。ボールねじ56の軸方向移動により、手首アクチュエータスライダ58が動かされる。手首リンク60(図3において図示される)が、リンク装着部62にてスライダ58に装着される。手首リンク60は、アクチュエータスライダ58から延在し、手首関節アセンブリ(矢印C)に装着される。手首アクチュエータスライダ58が、サポート40に対して並進されると、手首リンク60もまた並進して、手首関節アセンブリ(矢印C)の作動を開始させる。
【0026】
[0037]図3から図3Bおよび図4に戻り参照すると、複数の電子機器30が、サポート40に固定される。図示される実施形態においては、電子機器30は、リングボード64、下腕制御装置66、複数のモータドライバ68、および複数のDC電力調整器70を備える。
【0027】
[0038]リングボード64は、サポート40に取り付けられ、ロードセル32の周囲に同心状に配置される。リングボード64およびロードセル32は、上腕22に対する下腕24のコンパクトなパッケージングを実現しつつ、必要な配線を考慮した、概して平坦な構成を有する。リングボード64は、指アクチュエータ26と、手首アクチュエータ28と、モータドライバ68と、下腕制御装置66と、DC電力調整器70との間に接続回路を提供する。さらに、リングボード64は、ロボット10の残りの部分に対する電気的インターフェースを提供し、ロボット10からモータ電力、プロセッサ電力、およびデータ通信を受領する。
【0028】
[0039]下腕制御装置66は、モータドライバ68にモータコマンドを配信する。モータコマンドは、ロボット10に関連付けされ下腕24の上流に位置する他の制御装置から発せられる。
【0029】
[0040]モータドライバ68はそれぞれ、指アクチュエータ26および手首アクチュエータ28においてモータ54のための整流を行う。モータドライバ68はそれぞれ、指アクチュエータ26および手首アクチュエータ28用の少なくとも3つのモータ54と接続される。下腕24内の指アクチュエータ26および手首アクチュエータ28の全てを制御するために、合計で6つのモータドライバ68が存在する。必要なモータドライバ68の全てが、下腕24上にパッケージングされる。モータドライバ68はそれぞれ、下腕24のテーパ形状を考慮して、概して台形形状を有する。モータドライバ68は、リングボード64に対して概して垂直方向の関係にて配置される。したがって、モータドライバ68はそれぞれ、この配置に対応するために、可撓性回路基板部分76を備える。可撓性回路基板部分76により、モータドライバ68は、下腕24の概してテーパ状の全体形状に倣って、手首に近づくにしたがって内方へとテーパ形状をなすことが可能となる。
【0030】
[0041]モータドライバ68の挿抜を容易にするために、各モータドライバ68は、挿入孔74を備える。挿入孔74は、共通の保持リングプライヤと共に使用するように設計される。保持リングプライヤは、可撓性部分72に対する損傷を防ぎつつ、モータドライバ68の挿抜のいずれかを容易にするように、挿入孔74内に嵌入する。
【0031】
[0042]DC電力調整器70は、サポートリブ46の両側に取り付けられ、下腕制御装置66に、および手18内に配置された他のデバイスに、電圧制御電力を供給する。DC電力調整器70は、サポートリブ46と手首アクチュエータ48との間に配置される。サポートリブ46に対して直に電力調整器70を取り付けることにより、サポート40は、電圧調整器70により生成される熱を放散するためのヒートシンクとしての役割を果たすことが可能である。
【0032】
[0043]下腕ハウジング72(図1に図示される)が、指アクチュエータ26、手首アクチュエータ28、および電子機器30の周囲にて、下腕24の外部に取り付けられる。下腕ハウジング72は、概して円形形状を有し、これは、肘関節アセンブリ(矢印B)から手首関節アセンブリ(矢印C)にかけてテーパ形状をなす。したがって、下腕24は、人間の前腕と同様の外観を有する。
【0033】
[0044]本発明を実施するための最良の実施形態を詳細に説明したが、この発明が関係する技術の当業者には、添付の特許請求の範囲内において本発明を実施するための様々な代替の設計および実施形態が認識されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側および第2の側を有する腕サポートと、
前記腕サポートの前記第1の側に取り付けられる複数の手首アクチュエータと、
前記腕サポートの前記第2の側に取り付けられる複数の指アクチュエータと、
前記腕サポートの前記第1の側に配置される複数の電子機器と
を備える、人間型ロボット用の下腕アセンブリ。
【請求項2】
前記複数の指アクチュエータは、
半円形状ハウジング内に組み付けられ、前記腕サポートの前記第2の側に取り付けられる、第1の複数の指アクチュエータと、
半円形状アーチに構成され、前記第1の複数の指アクチュエータの周囲において前記腕サポートの前記第2の側に取り付けられる、第2の複数の指アクチュエータと
を備える、請求項1に記載の下腕アセンブリ。
【請求項3】
前記腕サポートの前記第1の側は、サポートリブを備え、前記複数の手首アクチュエータのそれぞれが、前記サポートリブの各側に取り付けられる、請求項1に記載の下腕アセンブリ。
【請求項4】
前記複数の電子機器は、リングボード、複数のモータドライバ、下腕制御装置、および複数の電力調整器を含む、請求項3に記載の下腕アセンブリ。
【請求項5】
前記複数の電力調整器のそれぞれが、前記サポートリブと前記各手首アクチュエータとの間において、前記サポートリブの各側に取り付けられる、請求項4に記載の下腕アセンブリ。
【請求項6】
複数のモータをさらに備え、前記複数のモータのそれぞれが、前記複数の指アクチュエータおよび手首アクチュエータのそれぞれと関連付けられ、前記モータドライバのそれぞれが、前記複数のモータの中の少なくとも3つと関連付けられる、請求項4に記載の下腕アセンブリ。
【請求項7】
前記複数の指アクチュエータは、少なくとも16個の指アクチュエータを含む、請求項4に記載の下腕アセンブリ。
【請求項8】
前記下腕から延在する手をさらに備え、前記手は、手のひら側を備え、前記腕サポートの前記第2の側は、前記手の手のひら側に関連付けられる、請求項1に記載の下腕アセンブリ。
【請求項9】
第1の側および第2の側を有する腕サポートと、
前記腕サポートの前記第1の側に取り付けられる複数の手首アクチュエータと、
前記腕サポートの前記第2の側に取り付けられる第1の複数の指アクチュエータと、
前記第1の複数の指アクチュエータの周囲において前記腕サポートの前記第2の側に取り付けられる第2の複数の指アクチュエータと、
前記腕サポートの前記第1の側に配置される複数の電子機器と
を備える、人間型ロボット用の下腕アセンブリ。
【請求項10】
前記腕サポートの前記第1の側は、サポートリブを備え、前記複数の手首アクチュエータのそれぞれが、前記サポートリブの各側に取り付けられる、請求項9に記載の下腕アセンブリ。
【請求項11】
前記複数の電子機器は、リングボード、複数のモータドライバ、下腕制御装置、および複数の電力調整器を含む、請求項9に記載の下腕アセンブリ。
【請求項12】
複数のモータをさらに備え、前記複数のモータのそれぞれが、前記第1の複数の指アクチュエータ、前記第2の複数の指アクチュエータ、および前記複数の手首アクチュエータのそれぞれと関連付けられ、前記モータドライバのそれぞれが、前記複数のモータの中の少なくとも3つと関連付けられる、請求項11に記載の下腕アセンブリ。
【請求項13】
前記第1の複数の指アクチュエータは、少なくとも6つの指アクチュエータを含み、前記第2の複数の指アクチュエータは、少なくとも10個の指アクチュエータを含む、請求項12に記載の人間型ロボット用の下腕。
【請求項14】
前記下腕から延在する手をさらに備え、前記手は、手のひら側を備え、前記腕サポートの前記第2の側は、前記手の手のひら側に関連付けられる、請求項1に記載の人間型ロボット用の下腕。
【請求項15】
第1の側および第2の側を有する腕サポートと、
前記腕サポートの前記第1の側に取り付けられる複数の手首アクチュエータと、
前記腕サポートの前記第2の側に取り付けられる複数の指アクチュエータと、
前記腕サポートの前記第1の側に配置されるサポートリブであって、前記複数の手首アクチュエータのそれぞれがこのサポートリブの各側に取り付けられる、サポートリブと、
前記腕サポートの前記第1の側に配置される複数の電子機器と
を備える、人間型ロボット用の下腕アセンブリ。
【請求項16】
前記複数の指アクチュエータは、
半円形状ハウジング内に組み付けられ、前記腕サポートの前記第2の側に取り付けられる、第1の複数の指アクチュエータと、
半円形状アーチ内で構成され、前記第1の複数の指アクチュエータの周囲において前記腕サポートの前記第2の側に取り付けられる、第2の複数の指アクチュエータと
を備える、請求項15に記載の下腕アセンブリ。
【請求項17】
前記複数の電子機器は、リングボード、複数のモータドライバ、下腕制御装置、および複数の電力調整器を含む、請求項15に記載の下腕アセンブリ。
【請求項18】
前記複数の電力調整器のそれぞれが、前記サポートリブと前記各手首アクチュエータとの間において、前記サポートリブの各側に取り付けられる、請求項17に記載の下腕アセンブリ。
【請求項19】
複数のモータをさらに備え、前記複数のモータはそれぞれ、前記複数の指アクチュエータおよび手首アクチュエータのそれぞれに関連付けられ、前記モータドライバはそれぞれ、前記複数のモータの中の少なくとも3つに関連付けられる、請求項17に記載の下腕アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−67932(P2011−67932A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−170023(P2010−170023)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(505212049)ジーエム・グローバル・テクノロジー・オペレーションズ・インコーポレーテッド (221)
【出願人】(510149563)ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ・アズ・リプレゼンテッド・バイ・ジ・アドミニストレーター・オブ・ザ・ナショナル・エアロノーティクス・アンド・スペース・アドミニストレーション (27)
【Fターム(参考)】