説明

外装材一体型太陽エネルギー変換装置及び外装構造

【課題】太陽電池モジュール等の太陽エネルギー変換モジュールの効率低下を抑制できる外装材一体型太陽エネルギー変換装置及び外装構造を提供する。
【解決手段】本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1'''は、面板部として太陽電池等の太陽エネルギー変換モジュール3、面板部の棟端及び軒端に相互に係合又は重合する棟側成形部としての棟側フレーム2B、軒側成形部としての軒側フレーム2Aを一体的に固定してなる外装材一体型太陽エネルギー変換装置1'''において、軒側成形部に傾斜部24を設け、該傾斜部24は、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から軒側成形部の最軒端に向かって略直線的に設けられ、面板部と傾斜部24とは連続することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池モジュール等の太陽エネルギー変換モジュールの効率低下を抑制できる外装材一体型太陽エネルギー変換装置及び外装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電は、クリーンエネルギーを得る手段として幅広い利用が期待され、近年、建築物の屋根、壁等に適用されるようになり、生活に必要な電力を補うシステムとして実用化されている。
太陽電池を屋根に設置する方法としては、横長形状の太陽電池モジュールを軒棟方向に階段状に重ねて設置する、「段葺き」がしばしば用いられる。
ところが、この「段葺き」により太陽電池モジュールを設置すると、棟側から太陽光が入射した場合、上段側の太陽電池モジュールや段状の軒側端部の影が下段側の太陽電池モジュールにかかり、発電量が低下してしまうという問題があった。即ち太陽電池モジュールは、複数の太陽電池素子のうち、一つでも出力が低下すると、その素子が直列に接続された抵抗となってしまい、太陽電池モジュール全体の出力低下を起こしてしまうからである。
【0003】
特許文献1では、太陽電池モジュールへの入射光が周辺部材によって遮られる部分の太陽電池を、他の太陽電池より幅広にすることによって発電量の低下を防止することが提案されている。
しかし、太陽電池モジュールを幅広にする分、高価な太陽電池モジュールを余計に必要とするため費用が増加し、また、影になる部分は結局のところ発電に寄与しないため無駄になってしまうという問題点があった。
【特許文献1】特開2000−349326
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、入射光が遮られる部分を極力少なくし、効率の低下を抑制した外装材一体型太陽エネルギー変換装置及び外装構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、面板部として太陽電池等の太陽エネルギー変換モジュール、面板部の棟端及び軒端に相互に係合又は重合する棟側成形部としての棟側フレーム、軒側成形部としての軒側フレームを一体的に固定してなる外装材一体型太陽エネルギー変換装置において、軒側成形部に傾斜部を設け、該傾斜部は、太陽エネルギー変換モジュールの最軒端から軒側成形部の最軒端に向かって略直線的に設けられ、面板部と傾斜部とは連続することを特徴とする外装材一体型太陽エネルギー変換装置に関するものである。
【0006】
また、本発明は、上記外装材一体型太陽エネルギー変換装置を敷設してなる外装構造であって、外装面が太陽エネルギー変換モジュールと傾斜部とで構築される外装構造をも提案するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置は、軒端に傾斜部を設けたので、上段側の外装材一体型太陽エネルギー変換装置によって形成される影の範囲を極力狭くし、下段側の太陽エネルギー変換モジュールの効率低下を抑制できる。
【0008】
特に傾斜部を、太陽エネルギー変換モジュールの最軒端から軒側成形部の最軒端に向かって略直線的に設けられるようにすると、太陽エネルギー変換モジュール上を流下する雨水等が円滑に傾斜部に導かれ、下段側の外装材一体型太陽エネルギー変換装置へ流下するものとなる。また、この場合、太陽光による影の範囲を最大限に狭くし、効率低下を最大限に抑制することができる。
【0009】
さらに、面板部の軒端に太陽エネルギー変換モジュールのずれ止め部を有すると、何等かの負圧や経年によって太陽エネルギー変換モジュールと外装材との固定が弱まった場合において、太陽エネルギー変換モジュールのずれを防止して脱落防止を図ることができ、さらには止水材の使用量を少なくすることができる。
【0010】
また、こうした外装材一体型太陽エネルギー変換装置を敷設してなる本発明の外装構造では、太陽エネルギー変換モジュールの効率低下が抑制されるので、建築物の屋根、壁等に好適に適用することができるものである。
【0011】
さらに、敷設状態における傾斜部の下段側への同一平面上より軒側に下段の太陽エネルギー変換モジュールが存在するようにした場合、太陽光が傾斜部の上段側への同一平面上より軒側から入射する範囲において形成される影が一切下段側の太陽エネルギー変換モジュール上にかかることがないものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
傾斜部を、太陽エネルギー変換モジュールの最軒端から軒側成形部の最軒端に向かって略直線的に設け、敷設状態における傾斜部の下段側への同一平面上より軒側に下段の太陽エネルギー変換モジュールが存在するようにする。
【実施例1】
【0013】
以下、本発明を図示参考例に基づいて説明する。
本発明の参考例の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1は、図1(b)に示すように面板部11に太陽エネルギー変換モジュール(太陽電池モジュール)3を一体化させた構造であって、面板部11の棟端には棟側成形部22を有し、面板部11の軒端には軒側成形部23を有し、これら棟側成形部22及び軒側成形部23は相互に係合又は重合して連結される構成である。そして、軒端には、傾斜部24が設けられている。
【0014】
本発明に用いる太陽エネルギー変換モジュール3は、太陽電池,太陽熱温水器等の太陽エネルギー(太陽光、太陽熱)を利用した全ての装置を含むものである。前記太陽電池としては、多結晶,単結晶,アモルファス等、どのようなものを用いてもよい。一般的に太陽電池は、導電性基体、裏面反射層、光電変換部材としての半導体層、透明導電層から構成され、前記導電性基体としては、例えば鋼板、銅、チタン、アルミニウム、ステンレス、カーボンシートを用いることができ、その他にも導電層が設けられたポリエステル、ポリイミド、ポリエチレンナフタライド、エポキシ等の樹脂フィルムやセラミックス等を用いることもできる。前記半導体層は特に限定するものではなく、アモルファスシリコン半導体、多結晶シリコン半導体、結晶シリコン半導体、銅インジウムセレナイド等の化合物半導体を用いることができる。例えば近年提案された可撓性を有するアモルファスシリコン太陽電池は極めて薄肉で軽量であるため好ましい。
【0015】
本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1は、上記太陽エネルギー変換モジュール3と外装材2とを一体化してなるものでもよいし、太陽エネルギー変換モジュール3の周縁(棟軒縁及び左右側縁)にフレームを配したものでもよい。
太陽エネルギー変換モジュール3を外装材2と一体化して外装材一体型太陽エネルギー変換装置1とする態様において、外装材2は、その面板部21の表面に太陽エネルギー変換モジュール3を一体化しない状態では、一般的な横葺き外装材と略同様であって、一般的な横葺き外装材として成形されたものを流用することもでき、ロール成形、プレス成形、押出し型成形、或いはこれらの組合せ等により成形される。また、この外装材2は、敷設状態において下段側の外装材2の棟側成形部22に上段側の外装材2の軒側成形部23が階段状に重ねられるものであって、これらは相互に係合又は重合する形式のもの、即ち連結可能な形状であれば、特にその形状等については何等限定されるものではない。
この外装材2は、代表的には概ね0.4〜1.6mm程度の溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防錆処理鋼板、特殊鋼、非鉄金属、ステンレス鋼板、耐候性鋼板、銅板、アルミニウム合金板、鉛板、亜鉛板、チタニウム板などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
尚、面板部11は、外装材一体型太陽エネルギー変換装置1における面板部を指し、面板部21とは当該態様における外装材2の面板部を指す。
【0016】
図示参考例における面板部11(外装材2の面板部21)の棟端に設けられる棟側成形部22は、面板部21から一段上がってから棟側へ延在する端縁を表面側に折り返して軒側へ延在させて溝状の棟側係合部221を形成し、続いてその端縁を軒側上方へ延在させ、その上端を折り返し状に屈曲させ、さらにその端縁を軒側下方へなだらかな谷状(谷状部分222)に屈曲させ、さらに上向き傾斜する案内部223を備える構成とした。
また、図示参考例における面板部11(外装材2の面板部21)の軒端に設けられる軒側成形部23は、傾斜部24の下端を棟側へ折り返し状に延出して上向き傾斜させ、なだらかな山状(山状部分231)に屈曲させ、さらに水上側へ延在させて軒側係合部232を形成し、さらにその先端を裏面側に折り返した構成とした。
そして、図示参考例の外装材1は、棟側成形部22と軒側成形部23とが、敷設状態において係合する(棟側係合部221と軒側係合部232との係合)ばかりでなく、複数箇所でそれぞれが弾性的に当接している構成とした。そのため、図示参考例の横葺き外装材1は、複数の弾性的当接によって、より安定且つ強固な係合、抜け止め、雨仕舞性、強固な接合(当接)などの効果が果たされる。
【0017】
また、面板部11(外装材2の面板部21)の軒端に設けられる傾斜部24は、軒側下方へ向かって傾斜状に設けられるものであって、図示参考例のように太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から軒側成形部23の最軒端に向かって略直線的(平坦状)に設けられることが望ましいが、屋根や壁の勾配、太陽光の入射角度等を考慮して最適な傾斜角度を決定すればよい。さらに、この傾斜部24は、略直線的に設けても、凹状或いは凸状などのアールや角を設けてもよく、太陽光による影の範囲を狭くする態様であればよい。
図1(a)に示す従来の段葺きでは面板部21の軒端を面板部21に対して略垂直状に折曲した折下げ部25が形成され、該折下げ部25が最軒端となる構成である。これに対し、本発明における外装材2では面板部21の軒端を傾斜状に折曲して傾斜部24を形成する構成であって、傾斜部24の下端の鋭角状部分が最軒端となる構成である点で、従来の段葺きとは明らかに異なる。或いは、傾斜部24の角度は屋根の水勾配(面板部11)に対して鈍角状に設けられ、直角状及び鋭角状に設けた場合には、影の範囲を極力狭くするという効果が得られない,と説明することもできる。そして、従来の段葺きでは、折下げ部25を含む略直角状の部分が太陽光を遮って下段の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1’の棟側に、大きな影の範囲を形成してしまうが、本発明における外装材一体型太陽エネルギー変換装置1では、傾斜部24の存在により、太陽光を遮って形成される影の範囲を極力狭くすることができる。傾斜部24の角度は、より好ましくはGL(グランドライン)の平行線に対して鈍角状に設ける。このような構成にすることにより、季節・時間によって変化する太陽光に対して、受光効率の低下を最小限に抑え、変換効率の低下を抑制する。
【0018】
また、図1〜3の参考例の態様において、太陽エネルギー変換モジュール3を外装材2の面板部21に一体化する手段、構造について特に限定するものではなく、外装材2の面板部21と太陽エネルギー変換モジュール3との間の部分に両面テープ(図示せず)を設けて固定し、且つ太陽エネルギー変換モジュール3の周縁部を止水材4にて外装材2の表面に固定するようにしてもよいし、或いは外装材2の表面に樹脂層を被覆形成し、該樹脂層に太陽エネルギー変換モジュール3を埋設するようにしてもよく、両面テープの他に接着剤,熱ラミ等を用いてもよく、その他どのような一体化手段、構造を採用してもよい。
後述する図4の実施例の態様において、太陽エネルギー変換モジュール3の周縁(棟軒縁及び左右側縁)にフレームを固定する手段、構造について特に限定するものではなく、例えば各フレームの保持部に止水材を介して端縁に固定するようにしてもよいし、接着剤やビス等を用いて固定するようにしてもよい。
【0019】
図示参考例では、面板部11の棟端及び軒端に窪み部分211,212が形成され、該窪み部分211,212に太陽エネルギー変換モジュール3の棟端及び軒端並びに止水材4が位置するように一体化しているので、外装材2と太陽エネルギー変換モジュール3との一体化作業を容易に行うことができる。
また、特に面板部11の軒端に窪み部分212を設けたので、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から傾斜部24がなだらかに連結されたものとなっている。さらにこの構成により、傾斜部24が、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から軒側成形部23の最軒端に向かって略直線的に設けられるものとなり、太陽エネルギー変換モジュール3上を流下する雨水等が円滑に傾斜部24に導かれ、下段側の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1へ流下するものとなる。また、傾斜部24を、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から軒側成形部23の最軒端に向かって略直線的に設けられるようにすると、太陽光による影の範囲を最大限に狭くし、効率低下を最大限に抑制することもできる。
さらに、この窪み部分212は、太陽エネルギー変換モジュール3のずれ止め部をも兼ねるものであり、万が一何等かの負圧や経年によって太陽エネルギー変換モジュールと外装材との固定が弱まった場合において、太陽エネルギー変換モジュール3のずれを防止して脱落防止を図ることができ、さらには止水材4の使用量を後述する図3の参考例に比べて少なくすることができる。
【0020】
そして、このように構成される外装材一体型太陽エネルギー変換装置1は、それのみを敷設して外装構造を施工してもよいし、屋根面の適宜部分に通常の外装材を適宜組み合わせて外装面を施工するようにしてもよい。また、複数の屋根面から構成される屋根では、例えば一屋根面を外装材一体型太陽エネルギー変換装置1にて、別の一屋根面を横葺き外装材にて施工するようにしてもよい。
【0021】
また、敷設に際しては、太陽エネルギー変換モジュール3として太陽電池モジュールを用いた場合では電気配線等の装備、太陽熱温水器を用いた場合では配管等の設備を適宜に配する以外については一般的な横葺き外装材と全く同様に施工することができる。
【0022】
このように本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1及び外装構造は、軒端に傾斜部24を設けているので、上段側の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1によって形成される影の範囲を極力狭くし、下段側の太陽エネルギー変換モジュール3の効率低下を抑制できる。
【0023】
傾斜部24による効果を図2を用いて詳細に説明する。
図2(a)は図1(a)の段葺き外装材1’の拡大断面図であって、図2(b)は図1(b)の本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1の拡大断面図である。
図中、黒矢印は、太陽エネルギー変換モジュール3に対して垂直方向からの太陽光を表しており、この時に最大の太陽エネルギーを得ることができる点では従来の段葺きも本発明のものも同様である。
図中αは、太陽エネルギー変換モジュール3に対して垂直方向から軒側の範囲を示しており、太陽光がこのαで示された角度範囲で入射する場合に、両者に有意な差異は生じない。そのため、本発明の参考例である図2(b)でも従来の段葺きである図2(a)でも、白矢印でこの角度範囲における太陽光を表した。
図中βは、太陽エネルギー変換モジュール3に対して垂直方向から棟側であって、傾斜部24の傾斜面の角度までの範囲を示しており、太陽光がこのβで示された角度範囲で入射する場合には、両者には大きな差異が生じる。即ち、前述のように従来の段葺きにて、点線の斜線の範囲で影が形成されるのはこの場合である。この場合、本発明でも僅かに影が形成されるが、明らかに小さいものであり、下段側の太陽エネルギー変換モジュール3への影響もまた小さい。そのため、本発明の参考例である図2(b)では、白矢印でこの角度範囲における太陽光を表し、従来の段葺きである図2(a)では、通常の矢印でこの角度範囲における太陽光を表した。
図中γは、傾斜面の角度から棟側の範囲を示しており、太陽光がこのγで示された角度範囲で入射する場合には、本発明でも従来の段葺きと同様に上段の太陽エネルギー変換モジュール3自体が下段の太陽エネルギー変換モジュール3の影となってしまうが、少なくとも従来の段葺きよりも影は小さい。そのため、本発明の参考例である図2(b)では、小さい白矢印でこの角度範囲における太陽光を表し、従来の段葺きである図2(a)では、通常の矢印でこの角度範囲における太陽光を表した。
このように従来の段葺きでは、太陽光がαで示された範囲の角度で入射する場合にのみ影が形成されないが、それ以外のβやγの範囲では折下げ部25を含む略直角状の部分が太陽光を遮って下段の太陽エネルギー変換モジュール3上に大きな影を形成してしまう。これに対し、本発明では、面板部11の軒端に傾斜部24が設けられているので、太陽光がαで示された範囲の角度で入射する場合に影が形成されない点では従来の段葺きと同様であるが、太陽光がβで示された範囲の角度で入射する場合にも殆ど影が形成されず、下段側の太陽エネルギー変換モジュール3の効率低下を抑制できる。さらにγで示された範囲の角度で入射する場合にも少なくとも従来の段葺きよりも形成される影は小さい。
要するに白矢印で表される好ましい太陽光の範囲が、従来の段葺きでは垂直方向から軒側の範囲(α)のみであるのに対し、本発明では傾斜部24の傾斜面の角度方向から軒側の広い範囲(α+β)に亘るものである。
【0024】
図3に示す本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1”及び外装構造は、敷設状態における傾斜部24の下段側への同一平面上より軒側に下段の太陽エネルギー変換モジュール3が存在する場合であって、前記参考例と図面に同一符号を付して説明を省略する。
この参考例では、太陽光が傾斜部24の上段側への同一平面上より軒側から入射する範囲(図2(b)におけるα+β)において、形成される影が下段側の太陽エネルギー変換モジュール3上に一切かからないものとなる。
また、この参考例では前記図1,2の参考例のように窪み部分212を設けてはいないが、止水材4の形状を工夫するすることにより、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から傾斜部24がなだらかに連結されたものとなっている。そのため、この構成により、傾斜部24が、太陽エネルギー変換モジュール3の最軒端から軒側成形部23の最軒端に向かって略直線的に設けられるものとなり、前述と同様な効果が果たされるものとなる。
【0025】
図4に示す本発明の外装材一体型太陽エネルギー変換装置1'''及び外装構造は、太陽エネルギー変換モジュール3の周縁(棟軒縁及び左右側縁)にフレームを配した態様であって、前記参考例のように外装材2を用いることなく、太陽エネルギー変換モジュール3を軒側フレーム2A、棟側フレーム2B、及び左右の側面フレーム(図示せず)で保持することによて外装材としての機能を持たせた構成と言い換えることもできる。
この実施例における軒側フレーム2Aは、太陽エネルギー変換モジュール3の軒縁を保持する略コ字状の軒縁保持部26と、傾斜部24と、軒側成形部23とからなり、棟側フレーム2Bは、太陽エネルギー変換モジュール3の棟縁を保持する略コ字状の棟縁保持部27と、棟側成形部22とからなる構成であって、吊り子5によって下地6に固定されている。また、傾斜部24や軒側成形部23、棟側成形部22については前記外装材2を一体化させた参考例(図1〜3)における外装材2の各部と同様に特に形状等を限定するものではなく、前記参考例と同様な作用効果を奏するものである。
【0026】
以上本発明を図面の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0027】
クリーンエネルギーを得る手段として建築物の屋根、壁等に幅広い利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】(a)従来の外装材一体型太陽エネルギー変換装置を用いた外装構造の一部を示す側断面図、(b)本発明の参考例の外装材一体型太陽エネルギー変換装置を用いた外装構造の一部を示す側断面図、(c)その要部の拡大断面図である。
【図2】(a)従来の外装材一体型太陽エネルギー変換装置における太陽光の入射方向による影の形成状況を示す拡大断面図、(b)本発明の参考例の外装材一体型太陽エネルギー変換装置における太陽光の入射方向による影の形成状況を示す拡大断面図である。
【図3】(a)本発明の他の参考例の外装材一体型太陽エネルギー変換装置を用いた外装構造の一部を示す側断面図、(b)その拡大断面図である。
【図4】(a)本発明の一実施例の外装材一体型太陽エネルギー変換装置を用いた外装構造の一部を示す側断面図、(b)その拡大断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1,1” 外装材一体型太陽エネルギー変換装置(参考例)
1''' 外装材一体型太陽エネルギー変換装置(実施例)
2A 軒側フレーム
2B 棟側フレーム
24 傾斜部
3 太陽エネルギー変換モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
面板部として太陽電池等の太陽エネルギー変換モジュール、面板部の棟端及び軒端に相互に係合又は重合する棟側成形部としての棟側フレーム、軒側成形部としての軒側フレームを一体的に固定してなる外装材一体型太陽エネルギー変換装置において、軒側成形部に傾斜部を設け、該傾斜部は、太陽エネルギー変換モジュールの最軒端から軒側成形部の最軒端に向かって略直線的に設けられ、面板部と傾斜部とは連続することを特徴とする外装材一体型太陽エネルギー変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の外装材一体型太陽エネルギー変換装置を敷設してなる外装構造であって、外装面が太陽エネルギー変換モジュールと傾斜部とで構築されることを特徴とする外装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−188947(P2006−188947A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−84829(P2006−84829)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【分割の表示】特願2003−346365(P2003−346365)の分割
【原出願日】平成15年10月3日(2003.10.3)
【出願人】(000165505)元旦ビューティ工業株式会社 (159)
【Fターム(参考)】