説明

外観検査装置および外観検査方法

【課題】 被検査画像から微小欠陥を検出するとともに、当該欠陥の色の違いを識別することができる外観検査装置および外観検査方法。
【解決手段】 被検査基板を撮像部30で撮像することで被検査画像を取得する。被検査画像に対して微分処理部412は水平方向に微分演算処理を行う。そして、微分処理部412は、水平方向の微分処理結果に対して、さらに垂直方向に微分演算処理を行い欠陥候補検出画像423を生成する。欠陥検出部403が欠陥候補検出画像423中の欠陥候補と、欠陥候補が示す特徴を記録した欠陥識別情報428とを比較することで、欠陥を検出するとともに、検出された欠陥が白欠陥であるか黒欠陥であるか識別することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被対象物上の欠陥を検出することで被対象物の外観検査を行う外観検査装置および外観検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの製造において、生産性を向上するため歩留まりの改善が求められている。歩留まりを改善するため半導体デバイスの製造工程において半導体ウェハ上(以下、単に基板と称する)に形成されたデバイスパターン形状の異常(ショート、断線等)や基板表面の異物などを検出し、検出された欠陥の情報を上流工程にフィードバックすることが行なわれている。特に、このようなプロセスにおいては、いかに精度よく欠陥を検出することができるかが重要となっている。
【0003】
このような欠陥を検出する技術として、基板上を撮像して得られた画像(検査画像)と、欠陥を有しない画像(参照画像)とを比較して欠陥を検出する特許文献1に記載された欠陥検出装置が知られている。特許文献1に記載された欠陥検出装置では、試料表面に現れる反復パターン内の互いに同一であるべきパターンをそれぞれ撮像することにより得られた検査画像と参照画像の2枚の画像を使って対応する画素値を比較することで相違部分を欠陥として検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−164487号公報(例えば、図5、図6など)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体デバイスの製造はデバイスパターンの微細化が進み、検出すべき欠陥の寸法も小さくなっている。ところで、特許文献1のような欠陥検出装置では、検査画像と参照画像とを用いて比較することで欠陥の検出を行っているため、基板表面を撮像する撮像部の撮像分解能の1画素以下の寸法となる欠陥(以下、微小欠陥と称する)を検出するには、検査画像と参照画像との完全な位置合わせが必要となる。しかしながら、検査画像と参照画像を用いる場合、これらの画像の濃度が異なれば位置合わせ精度が悪化するため微小欠陥を確実に検出するという点で問題がある。
【0006】
また、検査画像と参照画像との完全な位置合わせができ、これらの画像の対応する画素値を比較することができたとしても、検査画像と参照画像との差分画像のダイナミックレンジを確保するため差の絶対値を計算するので、検出された欠陥が画像上で黒色に近い欠陥か白色に近い欠陥かを区別することができない。そのため、検出された欠陥の色まで識別できないという問題がある。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、1画素以下の微小欠陥を検出するとともに、当該欠陥の色の違いを識別することができる外観検査装置および外観検査方法である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明(外観検査装置)は、被検査物の表面の画像データを取得する画像取得部と、画像取得部により得られる画像データの各画素に対して、第1の方向に微分演算を行った後に、第2の方向に微分演算を行い、欠陥候補を含む欠陥候補検出画像を生成する候補画像生成部と、欠陥候補に対応する白欠陥および黒欠陥を表す画素データの配置情報を欠陥識別情報としてあらかじめ記憶しておく記憶部と、欠陥候補検出画像内の欠陥候補を欠陥識別情報と比較することで、欠陥候補が白欠陥または黒欠陥のいずれであるかを検出する欠陥検出部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、候補画像生成部は、画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行う第1微分器と、第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向に微分演算を行う第2微分器と、を具備し、第2微分器で生成された画像を欠陥候補検出画像とすることを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明は、欠陥候補検出画像は、第1微分器が、画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行い、第2微分器が第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向に微分演算を行い生成された第1微分画像と、第1微分器が、画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行い、第2微分器が第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向の逆方向に微分演算を行い生成された第2微分画像と、第1微分器が、画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向の逆方向に微分演算を行い、第2微分器が第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向に微分演算を行い生成された第3微分画像と、第1微分器が、画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向の逆方向に微分演算を行い、第2微分器が第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向の逆方向に微分演算を行い生成された第4微分画像と、を合成して生成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明(外観検査方法)は、被検査物の画像データを取得する画像取得工程と、画像取得工程で得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行った後に、第2の方向に微分演算を行い、欠陥候補を含む欠陥候補検出画像を生成する候補画像生成工程と、欠陥候補に対応する白欠陥および黒欠陥を表す画素データの配置情報を欠陥識別情報としてあらかじめ記憶しておく記憶工程と、欠陥検出工程によって生成された欠陥候補検出画像内の欠陥候補を欠陥識別情報と比較することで、欠陥候補が白欠陥または黒欠陥のいずれであるかを検出する欠陥検出工程と、を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項5に係る発明は、候補画像生成工程は、画像取得工程により得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行う第1微分工程と、第1微分工程により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向に微分演算を行う第2微分工程と、を具備し、第2微分工程で生成された画像を欠陥候補検出画像とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1ないし請求項5のいずれかに係る発明によれば、被検査物上に存在する1画素以下の微小欠陥を検出するとともに、検出された欠陥が黒欠陥であるか白欠陥であるかを識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】外観検査装置の構成を示す説明図である。
【図2】被検査基板の撮像を説明するための図である。
【図3】制御部の構造を示す図である。
【図4】制御部の機能構成を示すブロック図である。
【図5】第1の実施形態の微分演算処理を説明するための図である。
【図6】1画素の黒欠陥に対する微分演算処理を説明するための図である。
【図7】1画素の白欠陥に対する微分演算処理を説明するための図である。
【図8】パターンの角部に対する微分演算処理を説明するための図である。
【図9】外観検査の一連のフローを示す図である。
【図10】欠陥検出処理のフローを示す図である。
【図11】第1の実施形態で得られる欠陥候補検出画像を示す図である。
【図12】第2の実施形態の微分演算処理を説明するための図である。
【図13】第2の実施形態により得られる特定パターンである。
【図14】第2の実施形態で得られる欠陥候補検出画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は本発明の一実施形態に係る外観検査装置100の構成を示す説明図である。なお、図1において、図示および説明の都合上、Z軸方向が鉛直方向を表し、XY平面が水平面を表すものとして定義するが、それらの位置関係を把握するために便宜上定義するものであって、以下に説明する各方向を限定するものではない。
【0016】
外観検査装置100は、表面に配線等のパターンが形成された半導体基板やガラス基板、プリント配線基板等(以降、基板と称す)の上面を撮像し基板の欠陥を検出する外観検査装置である。
【0017】
外観検査装置100は、主として、被検査基板6を保持するとともに、水平方向に移動する基板保持部20と、基板保持部20に水平に保持された被検査基板6の表面を撮像し、その像を取得する撮像部30と、各部を制御するとともに、欠陥検出を行う制御部40とを備える。
【0018】
基板保持部20は、被検査基板6を水平に保持するステージ21と、ステージ21をX・Y・θ方向に移動するステージ駆動部22とを備える。
【0019】
ステージ21は平板状の外形を有し、ステージ21の上面には、図示しない吸着溝が設けられている。これらの吸着溝の内底部には図示しない複数の吸引孔が分散して形成されている。これらの吸引孔は、配管を介して真空ポンプ等に接続されており、真空ポンプを動作させることによって、吸着溝内の雰囲気を排気することができる。これにより、ステージ21の上面に形成された吸着溝に吸引圧が発生し、被検査基板6を載置する際にはステージ21の上面に固定的に保持することができる。
【0020】
ステージ駆動部22は、図示を省略する回転機構と、ステージ21を回転可能に支持する支持プレート24と、支持プレート24をX軸方向に移動させるX方向移動機構25と、X方向移動機構25を介して支持プレート24を支持するベースプレート27と、ベースプレート27をY軸方向に移動させるY方向移動機構26とを備え、ステージ21を図1中のX軸方向、Y軸方向、およびZ軸周りの回転方向に移動させる。ステージ駆動部22は制御部40と電気的に接続されており、制御部40からの指示に応じてステージ21を移動させる。
【0021】
回転機構はステージ21を、支持プレート24上の中心に位置する回転軸を中心として所定の角度の範囲内で回転させる。
【0022】
X方向移動機構25は、リニアモータ251と、支持プレート24とベースプレート27との間にX方向に伸びる一対のガイド部252とを備える。リニアモータ251は、支持プレート24の下面に取り付けられた図示しない移動子と、ベースプレート27の上面に敷設された図示しない固定子とからなる。このため、リニアモータ251を動作させると、ベースプレート27上のガイド部252に沿って支持プレート24がX軸方向に移動する。
【0023】
Y方向移動機構26は、リニアモータ261と、ベースプレート27と基台28との間にベースプレート27の一部を案内するY軸方向に伸びる図示を省略するガイド部とを備える。リニアモータ261は、ベースプレート27の下面に取り付けられた図示しない移動子と、外観検査装置100の基台28上に敷設された図示しない固定子とからなる。このため、リニアモータ261を動作させると、基台28上のガイド部に沿ってベースプレート27がY軸方向に移動する。
【0024】
撮像部30は、照明光を出射する光源31と、被検査基板6に照明光を導くとともに被検査基板6からの光が入射する光学系32と、光学系32により結像された被検査基板6の上面の像を電気信号に変換し、画像データとして制御部40へと出力する撮像デバイス33とを備える。撮像部30は、ステージ21の上方に配設されており、ステージ21に保持された被検査基板6を撮像することができる。なお、撮像部30は制御部40と電気的に接続されており、制御部40からの指示に応じて被検査基板6の上面の像を取得し、取得した像を画像データとして制御部40に送信する。
【0025】
光源31は、例えばLED等で構成されたライン照明でありライン照明から出射された照明光が被検査基板6の上面を線状に照らす。なお、光源31は被検査基板6の性状に応じて特定波長の光のみを照射するための光学フィルタ等を備えてもよい。
【0026】
光学系32は、レンズ等の光学部材により構成されており、光源31から照射された照明光を被検査基板6に導くとともに、被検査基板6の表面で反射した反射光を撮像デバイス33へ導く。
【0027】
撮像デバイス33は、いわゆるリニアイメージ(一次元イメージセンサ)を採用することができる。光源31から照射された照明光が被検査基板6上で反射され、その反射光を光学系32を介して受光することで、被検査基板6上の線状の像を取得する。例えば、リニアイメージセンサが1024個の受光素子を有する場合は、最大で1024画素の線状の像を取得することができる。なお、このような撮像部30としては、例えば1次元CCDラインセンサカメラなどを用いることができる。
【0028】
図2の点線矢印で示されるように、ステージ21がY軸方向とX軸方向とについて交互に移動することによって、撮像部30が被検査基板6の表面を相対的に往復走査する。したがって、撮像部30は基板W上を、スキャン幅を有する短冊状の複数のストライプ(部分画像)として連続的に撮像する。そして、制御部40にスキャン幅の部分画像の画像データが連続的に入力される。このように、撮像部30は、スキャン撮像を行う方向を交互に逆方向としながら、被検査基板6の表面の全域をスキャン撮像しながら制御部40に線状の画像データを送信する。なお、本説明ではステージ21が撮像部30に対してY軸方向とX軸方向とについて交互に移動する構成であるが、これに限られるものではなく、撮像部30がステージ21に対して同様に移動する構成としてもよい。
【0029】
制御部40の構成について図3を用いて説明する。制御部40は、各種の演算処理を実行しつつ、外観検査装置100が備える各部の動作を制御する機能を有する。制御部40は、例えば各種演算処理を行うCPUからなる演算部41と、ROMやRAMからなる記憶部42と、プログラムや各種のデータファイルなどを記憶するハードディスクからなる固定ディスク43と、各種表示を行うディスプレイからなる表示部44と、キーボードおよびマウスなどの入力部45、光ディスク、磁気ディスク、光磁気ディスクなどの記録媒体46から読み取りを行う読取装置47と、LAN等のインターフェイス(I/F)を介してデータを行う通信部48とを有するコンピュータによって構成される。
【0030】
コンピュータにインストールされたプログラム461にしたがってコンピュータが動作することにより、当該コンピュータが外観検査装置100の制御部40として機能する。なお、制御部40において実現される各機能部は、コンピュータによって所定のプログラムが実行されることによって実現されてもよいし、専用のハードウェアによって実現されてもよい。また、例えば表示部44と入力部45との機能が一体となったタッチパネルディスプレイなどを用いても良い。
【0031】
制御部40として機能するコンピュータには、事前に読取装置47を介して記録媒体46からプログラム461が読み出され、固定ディスク43に記憶される。そして、プログラム461が記憶部42にコピーされるとともに演算部41が記憶部42のプログラム461に従って演算処理を実行することにより、外観検査装置100が被検査基板6の検査を実行する。
【0032】
次に制御部40によって実現される欠陥検出に関わる各機能部について図4を用いて説明する。図3は、制御部40が備える演算部41がプログラム461に従って動作することにより実現する各機能部について説明するためのブロック図である。なお、これらの機能は専用の電気回路により実現されてもよく、部分的に電気回路が用いられてもよい。
【0033】
制御部40は、画像データ421等を記憶しておく記憶部42と、プログラム461にしたがって演算処理を実行する演算部41とを備える。
【0034】
記憶部42は、撮像部30から送られてくる被検査基板6の上面を撮像して取得した線状の像である1次元の画像データ421と、後記する候補画像生成部401によって生成された欠陥候補検出画像423、検出される欠陥に対応する画素データの配置情報を記録した欠陥識別情報428とを記憶する。
【0035】
画像データ421は、ステージ21に保持された被検査基板6上を撮像部30が走査することで取得した1次元画像であり、記憶部42には複数の1次元の画像データ421が記憶されることとなるが図示の都合上、1つの画像データ421のみ示している。なお、画像データ421は多階調(例えば、256階調)の濃淡画像で表される。
【0036】
欠陥識別情報428は、後述する候補画像生成部401によって生成される欠陥候補検出画像423に含まれる欠陥候補が示す画素データの配置情報の特徴が記録されている。
【0037】
演算部41は、プログラム461にしたがって演算処理を実行することにより、画像データ421から欠陥を検出する候補画像生成部401と、候補画像生成部401によって生成された欠陥候補検出画像423から欠陥を検出する欠陥検出部403と、画像処理部404とを備える。
【0038】
画像処理部404は、撮像部30がY軸方向に相対的に走査して取得した1次元の画像データ421を、あらかじめ設定した分だけ記憶部42から読み出し、多階調の濃淡で表される2次元の画像データを生成する。この2次元の画像データが、被検査画像422(図4)となる。例えば、上述した1024個の受光素子を有する撮像部30で取得した1次元の画像データ421を1024個読み出すことで、1024×1024画素からなる被検査画像422を生成することができる。このように所定のサイズとなる被検査画像422を生成し、候補画像生成部401に送る。なお、画像サイズはこれに限られるものではなく、演算処理の性能に応じて任意に変更することが可能である。
【0039】
候補画像生成部401は、入力される2次元の画像データに対して微分演算処理を行う微分処理部412を備える。したがって、入力画像として被検査画像422が候補画像生成部401に入力されると、微分処理部412によって微分演算処理が行なわれ欠陥候補検出画像423が生成される。微分処理部412について図5を用いて説明を行う。
【0040】
微分処理部412は、被検査画像422に対して第1の方向である水平方向に微分演算処理を行う水平微分器413と、水平方向と直交する第2の方向である垂直方向に微分演算処理を行う垂直微分器414とを備える。そして、被検査画像422が入力されると水平微分器413による水平方向(画像の幅方向)についての微分演算処理が行なわれ、当該処理が行なわれた画像に対して垂直微分器414による垂直方向(画像の高さ方向)についての微分演算処理が行なわれる。水平微分器413による微分演算処理が行なわれた後、垂直微分器414によって微分演算処理が行なわれた画像が欠陥候補検出画像423となる。なお、被検査画像422を各微分器で処理する順番はこれに限るものではなく、垂直微分器414による微分演算処理の後に、水平微分器413による微分演算処理を行っても良い。
【0041】
水平微分器413は、被検査画像422の階調値f(x,y)が入力されると当該画像を構成する各位置での画素に対して水平方向に1階微分し、水平微分画像の階調値F(x,y)を求める。水平微分画像の階調値F(x,y)は数式1により求めることができる。なお、ここでx、yは画像の幅および高さ方向の画素の位置をあらわすための変数である。
【数1】

【0042】
そして、水平微分画像の階調値F(x,y)が垂直微分器414に入力される。垂直微分器414は、水平微分画像の階調値F(x,y)が入力されると当該画像を構成する各位置での画素に対して垂直方向に1階微分し、2階微分画像の階調値F(x,y)を求める。2階微分画像の階調値F(x,y)は数式2により求めることができる。
【数2】

【0043】
以上、微分処理部412によって生成された2階微分画像の階調値F(x,y)を画像として表示したものが欠陥候補検出画像423となる。
【0044】
次に、微分処理部412によって得られる欠陥候補検出画像423の一例について図6から図8を用いて具体的に説明する。図6は、寸法が1画素の黒欠陥が撮像された被検査画像422の階調値f(x,y)が入力された場合について説明するための図である。なお、本実施例では説明の便宜上、2値画像を用いて説明を行い、階調値が0となる画素は黒画素を表し、階調値が255となる画素は白画素を表している。また、図中でNと表しているものは、隣接画素が存在しないため後述する微分演算処理が行えない画素を表している。これらは、図7,8においても同様である。
【0045】
図6(a)は入力画像の階調値f(x,y)を表している。特に、寸法が1画素の黒欠陥を表しているものである。この入力画像の階調値f(x,y)を上述した数式1を用いて微分処理を行うことで、図6(b)で表される水平方向に微分した画像の階調値F(x,y)を得ることができる。
【0046】
図6(b)は、水平微分器413により水平方向に1階微分することで得られた画像の階調値F(x,y)である。当該画像を構成する各画素において、図中の右側端部に位置する画素の階調値はNとなる。Nは上述したとおり、右側に隣接画素が存在しないため微分処理が行えなかったことを表している。この画像の階調値F(x,y)を上述した数式2を用いて微分処理を行うことで、図6(c)で表される水平方向に微分した結果の画像の階調値F(x,y)を得ることができる。
【0047】
図6(c)は、垂直微分器414により垂直方向にさらに1階微分することで得られた画像の階調値F(x,y)である。当該画像を構成する各画素において、図中の下側端部に位置する画素の階調値はNとなる。当該画像の階調値F(x,y)を画像として図6(d)に示す。
【0048】
図6(d)は、入力画像を水平方向に微分演算処理を行なった後、さらに垂直方向に微分演算処理を行うことで得られた画像の階調値F(x,y)を画像として表している。その際、階調値が0となっている画素については中間調(例えば、階調値が127)で表し(図中では斜線ハッチングで表現)、階調値が−255となっている(負となっている)画素については階調値が0である黒として表し、階調値が255となっている(正となっている)画素については階調値が255である白として表している。
【0049】
このように表現することで、微分処理部412によって生成された画像から、特徴的なパターンである黒欠陥パターン4231を特定するのが容易になる。なお、階調値がNである画素については図中では点ハッチングで示しており、当該画素については上記以外の階調値として、例えば階調値を100としてもよい。なぜなら、階調値を100と設定することで、これらの画素を特定することができるからである。また、これらは入力画像の端部に1画素幅で出現するものであり、後記する欠陥検出部403で確実に欠陥から除外することができる。
【0050】
図7は、寸法が1画素の白欠陥を有する画像に対して微分処理部412によって微分演算処理を行なった結果である。微分演算処理については図6で示した黒欠陥の処理と同様であるため、図6との相違点についてのみ説明する。黒欠陥に対する微分演算処理と大きく異なる点は、最終的に得られた画像における白画素と黒画素の配置である。黒欠陥の場合、図6(d)に示したように、左上に黒画素、右上に白画素、左下に白画素、右下に黒画素の配置となる。これに対し、図7(d)に示すように、検出すべき欠陥が白欠陥の場合、黒欠陥の結果とは白黒が反転したものとなる。つまり、左上に白画素、右上に黒画素、左下に黒画素、右下に白画素の配置となる。このような特徴的なパターンである白欠陥パターン4235が生成されることで欠陥の検出および欠陥の色を特定することが容易となる。
【0051】
図8は画像中の配線等のパターンに対して微分処理部412によって微分演算処理を行なった結果である。微分演算処理については、図6や図7で示した処理と同様であるため相違点についてのみ説明する。
【0052】
配線等のパターンに対して微分演算処理を行うことで大きく異なる点は、パターンを構成する画素であって、2方向に隣接する画素を有する画素(以降では、角部の画素と称する)の近傍に、黒画素または白画素が配置されることである。図8(a)では、階調値が0で表される画素の集合がパターンを表しており、当該パターンを構成する画素のうち、角部の画素に相当する画素の近傍に黒画素に相当する階調値が−255、白画素に相当する階調値が255の画素が配置される(図8(c))。つまり、被検査画像中に配線等のパターンが存在する場合、その角部の画素に隣接する位置で黒画素または白画素が配置される特徴的なパターンである角部パターン4230が生成されるので、白欠陥、黒欠陥、および配線等のパターンに対応する特徴的パターンである黒欠陥パターン4231、白欠陥パターン4235、角部パターン4230をあらかじめ欠陥識別情報428として記憶部42に記憶しておくことで、欠陥検出部403で配線等のパターンと、白欠陥および黒欠陥を検出するとともに欠陥の色を判別することができる。
【0053】
欠陥検出部403は、記憶部42にあらかじめ記憶されている欠陥識別情報428を読み込み、白欠陥および黒欠陥に対応する特定パターンと一致する欠陥候補が含まれるか、欠陥候補検出画像423に対して特定パターンでパターンマッチングを行う。これにより、白欠陥および黒欠陥を判別して検出する。そして、検出結果を表示部44に表示する。
【0054】
次に、外観検査装置100において被検査基板6の検査が行われる際の動作について説明する。図9は外観検査の一連の流れを示す図である。
【0055】
検査に際して、図示しないプリアライメント装置によって被検査基板6の位置合わせが行なわれ(ステップS21)、プリアライメント装置から図示しない搬送ロボット等により外観検査装置100に被検査基板6が搬入されステージ21上に載置される(ステップS22)。
【0056】
ステージ駆動部22が駆動し、ステージ21がY軸方向とX軸方向とについて交互に移動することで撮像部30が被検査基板6の表面を相対的に往復走査する。そして、撮像部30はその下方で被検査基板6の表面を撮像することで、多階調の1次元の画像データ421を連続的に取得し、記憶部42に記憶する(ステップS23)。被検査基板6の一方側端部から他方側端部まで画像データの取得が完了すると、隣接するストライプの撮像を行う。これを繰り返すことで被検査基板6の全面を撮像する。
【0057】
撮像部30により撮像され、記憶部42に記憶された1次元の画像データ421を、あらかじめ設定したサイズごとに読み出しを行い、画像処理部404が多階調で表される2次元の画像データ421を生成する。この2次元の画像データが、被検査画像422となる(ステップS24)。
【0058】
画像処理部404で生成された被検査画像422は候補画像生成部401に送られ、欠陥検出処理が行なわれる(ステップS25)。欠陥検出処理についての詳細は後述する。
【0059】
欠陥検出処理が完了すると被検査基板6は図示しない搬送ロボット等により外観検査装置100から搬出される(ステップS26)。
【0060】
続いて、図10を用いてステップS25の欠陥検出処理の流れについて詳細に説明する。欠陥検出処理では、まずステップS24で生成された被検査画像422が微分処理部412に入力される。微分処理部412は、水平微分器413により被検査画像422の各画素に対して水平方向の微分演算処理を行う。被検査画像422に対する水平方向の微分演算処理が完了すると、新たに水平微分画像が生成される(ステップS251)。生成された水平微分画像は垂直微分器414へ送られる。
【0061】
垂直微分器414は、水平微分画像の各画素に対して垂直方向の微分演算処理を行う。水平微分画像に対する垂直方向の微分演算処理が完了すると欠陥候補検出画像423が生成される(ステップS252)。ステップS252で生成された欠陥候補検出画像423には、被検査画像422中の欠陥に対応する欠陥候補が含まれている。
【0062】
図11を参照しつつ、被検査画像422に対して微分演算処理を行うことで生成される、欠陥候補検出画像423について説明する。図11(a)は被検査画像422の一例を示している。図11(b)は、被検査画像422が微分処理部412によって微分演算処理されることで生成された欠陥候補検出画像423を示している。
【0063】
被検査画像422には、被検査基板6上に形成されている配線等のパターン4220と、パターン4220以外の下地領域に存在する寸法が1画素となる黒欠陥4221と、パターン4220に生じている寸法が1画素となる白欠陥4225とが含まれている。例えば、黒欠陥4221はパーティクル等の欠陥であり、白欠陥4225はパターン4220の一部断線等の欠陥である。
【0064】
このような欠陥を含む被検査画像422を、微分処理部412に入力して微分演算処理を行うと、図11(b)で示すように、欠陥候補検出画像423中に図6ないし図8で説明した特定パターンが出現する。具体的には、黒欠陥4221に対応する黒欠陥パターン4231が、黒欠陥4221と同じ位置に出現する。同様に白欠陥4225に対応する白欠陥パターン4235が、黒欠陥4225と同じ位置に出現する。そして、パターン4220の角部に対応する角部パターン4230が、パターン4220の角部の近傍に出現する。生成された欠陥候補検出画像423は欠陥検出部403に送られる。
【0065】
欠陥検出部403は、記憶部42にあらかじめ記憶している欠陥識別情報428を読み込み、欠陥候補検出画像423に含まれる欠陥候補と比較することで当該欠陥が黒欠陥であるか白欠陥であるかを判別する(ステップS253)。つまり、あらかじめ白欠陥、黒欠陥、パターンに対応する特定パターンを欠陥識別情報428に保持しておき、欠陥候補検出画像423に対して画像のパターンマッチングを行うことで、各欠陥候補がいずれの欠陥であるかを判別することができる。
【0066】
そして、欠陥の検出結果を表示部44に表示する(ステップS244)。なお、欠陥の検出結果を表示部44に表示せずに、欠陥情報を管理するサーバー等にアップロードしてもよい。
【0067】
以上、説明したように外観検査装置100では被検査画像422の各画素に対して、水平方向の微分演算処理を行い、水平方向の微分演算処理を行なった結果に対してさらに垂直方向の微分演算処理を行うことで、欠陥の特徴に応じた特定パターンを有する欠陥候補検出画像423を取得することができる。そして、あらかじめ記憶部42に記憶している欠陥識別情報428と比較することで、1画素以下の欠陥を検出するとともに、当該欠陥が黒欠陥であるか白欠陥であるかを判別することができる。
【0068】
次に図12を用いて第2の実施形態について説明する。図12は微分処理部412の構成を示す図である。第1の実施形態とは、水平微分器413および垂直微分器414が正および負の方向に微分演算処理を行っている点、垂直微分器414の微分演算処理の結果を加算するための加算器415を備えている点で異なる。また、残余の点については同様であるため、図5と同一構成については同一符号を用いるとともに説明を省略する。
【0069】
水平微分器413は、被検査画像422の階調値f(x,y)が入力されると正の水平方向(画像の右側方向)について微分演算処理を行い、水平微分画像の階調値FH1(x,y))を求める。水平微分画像の階調値FH1(x,y)は数式3により求めることができる。そして、水平微分画像の階調値FH1(x,y)が垂直微分器414に入力される。垂直微分器414は、水平微分画像の階調値FH1(x,y)が入力されると当該画像を垂直方向に微分演算処理し、2階微分画像F(x,y)を求める。2階微分画像の階調値F(x,y)は数式4により求めることができる。
【数3】

【数4】

【0070】
同様に残りの水平および垂直方向に対しても微分演算処理を行う。なお、各方向に対する2階微分画像の階調値F(x,y)ないしF(x,y)は、数式5ないし数式7により求めることができる。
【数5】

【数6】

【数7】

【0071】
すなわち、本実施形態では微分処理部412において図12で示す4種の水平方向および垂直方向の微分演算処理を行う。これにより、4つの2階微分画像の階調値F(x,y)、F(x,y)、F(x,y)、F(x,y)が算出される。
【0072】
加算器415は、垂直微分器414で生成された4つの2階微分画像の階調値を画素毎に加算することで欠陥候補検出画像424を生成する。この際、4つの2階微分画像の平均を求めるようにして、欠陥候補検出画像424を生成してもよい。
【0073】
第1の実施形態と同様に、1画素の黒欠陥および白欠陥、並びにパターンに対して第2の実施形態の微分演算処理により得られる各欠陥の特定パターンについて図13を用いて説明する。なお、図13では、図6(a)から(c)で示した画素ごとの階調値については省略し、最終的に得られる各欠陥を表す特定パターンのみを示す。
【0074】
図13(a)は、寸法が1画素の黒欠陥に対して第2の実施形態の微分演算処理を行なうことで生成された黒欠陥パターン4241を示している。黒欠陥パターン4241は3×3画素の矩形形状となり中央部が欠陥の色に対応するように黒の画素として表される。言い換えると、黒欠陥パターン4241は中央の画素が黒画素で構成される千鳥模様となる。
【0075】
図13(b)は、寸法が1画素の白欠陥から得られる特定パターンを表している。白欠陥パターン4245は、3×3画素の矩形形状となり中央部が欠陥の色に対応するように白の画素として表される。言い換えると、白欠陥パターン4245は中央の画素が白画素で構成される千鳥模様となる。
【0076】
図13(c)は、パターンの角部に対応する角部パターン4240を表している。角部パターン4240は、右上(左上)および左下(右下)の画素が黒く、左上(右上)および右下(左下)の画素が白く表される2×2画素の矩形形状となる。このような画素の配置で表される模様がパターンの角部の特定パターンとなる。
【0077】
以上、第2の実施形態においては、上述した特徴を有する各欠陥に対応する特定パターンを欠陥識別情報428として、あらかじめ記憶部42に記憶しておく。
【0078】
このような第2の実施形態の微分処理部412に、図14(a)で示す被検査画像422を入力すると、被検査画像422が微分処理部412によって微分演算処理され、図14(b)で示される欠陥候補検出画像424が生成される。第1の実施形態(図11)と同様に、被検査画像422の黒欠陥4221の位置に対応するように、欠陥候補検出画像424でも黒欠陥パターン4241が生成される。同様に、白欠陥4225の位置に対応して、白欠陥パターン4245が生成され、パターン4240の角部に対応して、角部パターン4240が生成される。
【0079】
このように、4種の微分演算処理により生成された画像を加算することで、欠陥候補検出画像424中に生成される特定パターンが強調され、欠陥候補検出画像424に含まれる欠陥候補が白欠陥または黒欠陥のいずれであるかの検出が容易になる。つまり、寸法が1画素以下の微小欠陥であっても、欠陥候補検出画像424中で欠陥候補が強調されるため検出することができる。
<変形例>
【0080】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記の実施の形態に限られるものではなく様々な変形が可能である。
【0081】
上記実施形態では、水平・垂直方向に形成されたパターンが含まれる被検査画像を水平方向に微分し、垂直方向にさらに微分を行うことで欠陥の検出を行っているがこれに限られるものではない。例えば、被検査画像に含まれるパターンには、45度(135度)方向に形成されるものがある。このような場合、45度(135度)方向に微分演算処理を行い、さらに直交する方向に微分演算処理を行うことで、上記実施形態と同様に黒欠陥、白欠陥およびパターンの角部が特定パターンに変換されて欠陥候補検出画像に現れる。したがって、あらかじめ斜め方向の微分演算処理によって得られる特定パターンを記憶部42等に記憶しておくことで、被検査画像中に45度(135度)方向に形成されるパターンが存在する場合でも、微小欠陥を検出するとともに、当該欠陥が黒欠陥であるか白欠陥であるかを判断することができる。
【0082】
また、上記実施形態では、数式1ないし数式7で表されるとおり微分演算処理を行う際、対象画素に隣接する画素を減算することで各画素の微分演算処理の結果を算出しているがこれに限られるものではなく、例えば、2画素あるいは3画素等の離間した画素に対して対象画素を減算するようにしてもよい。
【0083】
また、上記実施形態では、微分処理部412で数式1、数式2により欠陥候補検出画像422を生成していたがこれに限られるものではない。例えば、水平(垂直)方向の微分演算処理に対応する微分フィルタを用いても同様の効果を得ることができる。
【0084】
また、上記実施形態では、撮像部30が被検査基板6を撮像することで画像データを取得していたがこれに限られるものではない。例えば、別の装置で被検査物を撮像し、ネットワークや記録媒体等を介して制御部40に入力するようにしてもよい。
【0085】
また、本実施形態の外観検査装置は、例えば、半導体基板や、プリント配線基板、フラットパネルディスプレイ基板等を被検査物として検査を行ってもよい。
【符号の説明】
【0086】
6 被検査基板
20 基板保持部
21 ステージ
22 ステージ駆動部
30 撮像部
40 制御部
41 演算部
100 外観検査装置
401 候補画像生成部
403 欠陥検出部
412 微分処理部
413 水平微分器
414 垂直微分器
422 被検査画像
423,424 欠陥候補検出画像
428 欠陥識別情報
4221 黒欠陥
4225 白欠陥
4231,4241 黒欠陥パターン
4235,4245 白欠陥パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査物の表面の画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部により得られる画像データの各画素に対して、第1の方向に微分演算を行った後に、第2の方向に微分演算を行い、欠陥候補を含む欠陥候補検出画像を生成する候補画像生成部と、
前記欠陥候補に対応する白欠陥および黒欠陥を表す画素データの配置情報を欠陥識別情報としてあらかじめ記憶しておく記憶部と、
前記欠陥候補検出画像内の欠陥候補を前記欠陥識別情報と比較することで、前記欠陥候補が白欠陥または黒欠陥のいずれであるかを検出する欠陥検出部と、を備えることを特徴とする外観検査装置。
【請求項2】
前記候補画像生成部は、
前記画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行う第1微分器と、
前記第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向に微分演算を行う第2微分器と、を具備し、
前記第2微分器で生成された画像を前記欠陥候補検出画像とすることを特徴とする請求項1に記載の外観検査装置。
【請求項3】
前記欠陥候補検出画像は、
前記第1微分器が、前記画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行い、前記第2微分器が前記第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向に微分演算を行い生成された第1微分画像と、
前記第1微分器が、前記画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行い、前記第2微分器が前記第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向の逆方向に微分演算を行い生成された第2微分画像と、
前記第1微分器が、前記画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向の逆方向に微分演算を行い、前記第2微分器が前記第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向に微分演算を行い生成された第3微分画像と、
前記第1微分器が、前記画像取得部により得られる画像データの各画素に対して第1の方向の逆方向に微分演算を行い、前記第2微分器が前記第1微分器により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向の逆方向に微分演算を行い生成された第4微分画像と、を合成して生成されたことを特徴とする請求項2に記載の外観検査装置。
【請求項4】
被検査物の画像データを取得する画像取得工程と、
前記画像取得工程で得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行った後に、第2の方向に微分演算を行い、欠陥候補を含む欠陥候補検出画像を生成する候補画像生成工程と、
前記欠陥候補に対応する白欠陥および黒欠陥の画素データの配置情報を欠陥識別情報としてあらかじめ記憶しておく記憶工程と、
前記欠陥検出工程によって生成された前記欠陥候補検出画像内の欠陥候補を前記欠陥識別情報と比較することで、前記欠陥候補が白欠陥または黒欠陥のいずれであるかを検出する欠陥検出工程と、を備えることを特徴とする外観検査方法。
【請求項5】
前記候補画像生成工程は、
前記画像取得工程により得られる画像データの各画素に対して第1の方向に微分演算を行う第1微分工程と、
前記第1微分工程により生成された第1画像データの各画素に対して第1の方向に直交する第2の方向に微分演算を行う第2微分工程と、を具備し、
前記第2微分工程で生成された画像を前記欠陥候補検出画像とすることを特徴とする請求項4に記載の外観検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−242291(P2012−242291A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113838(P2011−113838)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】