多孔質層を含む半導体発光デバイス
【課題】発光デバイスからの光抽出を向上させること。
【解決手段】発光デバイスは、n型領域とp型領域の間に配置された発光層を有する半導体構造体を含む。多孔質領域は、発光層とn型領域及びp型領域のうちの1つに電気的に接続したコンタクトとの間に配置される。多孔質領域は、吸収性のコンタクトから離れる方向に光を散乱させ、これによりデバイスからの光抽出を向上させることができる。幾つかの実施形態において、多孔質領域は、GaN又はGaPのようなn型半導体材料である。
【解決手段】発光デバイスは、n型領域とp型領域の間に配置された発光層を有する半導体構造体を含む。多孔質領域は、発光層とn型領域及びp型領域のうちの1つに電気的に接続したコンタクトとの間に配置される。多孔質領域は、吸収性のコンタクトから離れる方向に光を散乱させ、これによりデバイスからの光抽出を向上させることができる。幾つかの実施形態において、多孔質領域は、GaN又はGaPのようなn型半導体材料である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質半導体層を含む発光ダイオードのような半導体発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)のような半導体発光デバイスは、現在利用可能な最も効率的な光源の1つである。可視スペクトル全域で作動可能な高輝度LEDの製造において現在関心を集める材料系は、III−V族半導体、特に、III族窒化物材料とも称されるガリウム、アルミニウム、インジウム、及び窒素の2元、3元、及び4元合金、並びにガリウム、アルミニウム、インジウム、ヒ素及びリンの2元、3元、及び4元合金を含む。多くの場合、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシ(MBE)、又は他のエピタキシャル技術によって、III族窒化物デバイスは、サファイア、シリコンカーバイド、又はIII族窒化物基板上でエピタキシャル成長し、III族リン化物デバイスは、ガリウムヒ素上でエピタキシャル成長する。多くの場合、n型領域が基板上に堆積され、その次に活性領域がn型領域上に堆積され、その後、p型領域が活性領域上に堆積される。層の順序は、p型領域が基板に隣接するように反転される場合もある。
【0003】
市販のLEDは理想的なデバイスではなく、半導体層内部及び半導体−金属界面の両方で多くの光学的損失機構を含み、例えば、半導体層の内部においては活性層再吸収及びフリー・キャリア吸収があり、半導体金属界面においては高反射性の有効なオーミック・コンタクトを実現するのが困難である。内部全反射又は導波現象によって捕捉される光線は、特にこれらの機構によって影響を受ける。
【0004】
図1は、ここに引用により組み入れられる米国特許番号第6,229,160号においてより詳しく説明される発光デバイスを図示する。図1のLEDは、基板、例えばGaAs、GaP、又はサファイアの上に成長した複数のp型及びn型のドープされたエピタキシャル層10を備えた、ヘテロ構造体を含む。p型層及びn型層は、活性領域11の中又は近くにp−n接合領域を設けるように配置される。透過な基板又は層12である光抽出(及び電流広がり)のための窓は、デバイスの上部窓層である。同様に、光抽出(及び電流広がり)のための窓層13が、ウェハ接合、エピタキシャル成長、又は再成長によって、上部窓層の反対側のエピタキシャル層に取り付けられて、底部窓層となる場合がある。
窓層に取り付けられた上部及び底部の電気的オーミック・コンタクト14、15は、再結合及びそれに続く活性領域からの光の発生のための、p−n接合領域の中へ電子及び正孔の注入を可能にする。
【0005】
デバイスからの光の抽出を増加させるために、第1の窓の側壁16は、上部表面17の領域の広さが活性デバイスの領域の広さより大きくなるように、垂直方向に対して1つの角度β(又は複数の角度)で配向する。側壁は、ヘテロ構造体に対して斜角をなす。角度βは、(図1に示すように)デバイスの高さの関数として一定である必要はなく、デバイスの高さに従って連続的に変化して、その結果、部分的又は全体的に凹形又は凸形の側壁形状となる場合もある。側壁の配向により、図1の光線18によって示されるように、側壁に当たった光はデバイスの上部表面におけるエスケープ・コーンの中へ内部全反射される。上部表面において内部全反射された光の殆どは、光線19によって示されるように、側壁におけるエスケープ・コーンの中へと方向を変える。
【0006】
図1に示されるデバイスの成形は、光抽出を増加させる場合もあるが、このデバイスは幾つかの欠点を有する。第一に、デバイスの効率は、コンタクト14及び15の固有の吸収のために、依然として損なわれる。バック・コンタクト15として一般的に使用されるフルシート合金化されたAuZnを用いると、光出力は低い反射率のせいで減少する。反射性のAgを基にしたダイ接着エポキシと共に、パターン形成した(約20%の面積被覆率の)AuZnバック・コンタクトで置き換えることにより、わずかに光出力を増大させることができる。第二に、デバイスの中の1つ又はそれ以上の厚い窓層の存在は、実際的には高温での成長及びプロセシングのステップによってのみ実現可能であるが、これは、欠陥及びドーパント原子を再分配させることによって半導体層の品質を損なうことがある。第三に、構造体の厚さ及び横方向の広がりは、適切な形状を維持するように、一緒に縮小拡大されなければならない。従って、成形チップは簡単に縮小拡大可能ではなく、非正方形のフットプリントには適していない。活性領域面積は、チップの横方向の広がり全体の約半分であるので、その結果、活性領域における電流密度は2倍になり、そのことにより高い動作温度及び高い電流における内部効率を減少させる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
当該技術分野において、光抽出を向上させる技術が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によると、発光デバイスは、n型領域とp型領域との間に配置された発光層を有する半導体構造体を含む。多孔質領域は、発光層とn型領域及びp型領域のうちの1つに電気的に接続したコンタクトとの間に配置される。多孔質領域は、吸収性のコンタクトから離れる方向に光を散乱させ、これによりデバイスからの光抽出を向上させることができる。幾つかの実施形態において、多孔質領域は、GaN又はGaPのようなn型半導体材料である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】米国特許番号第6,229,160号に記載された半導体LEDの断面図である。
【図2】基板上に成長したデバイス層の断面図である。
【図3】第2の構造体に接合した図2のデバイスの断面図である。
【図4】コンタクトと半導体デバイス層との間に配置された多孔質半導体領域を含み、コンタクトが半導体構造体の上部表面及び底部表面上に配置された、成形されたデバイスの断面図である。
【図5】基板上に成長したデバイス層の断面図である。
【図6】第2の構造体に接合した図5のデバイスの断面図である。
【図7】コンタクトと半導体デバイス層との間に配置された多孔質半導体領域を含み、コンタクトが両方とも半導体構造体の底部表面上に配置された、成形されたデバイスの断面図である。
【図8】多孔質半導体領域を形成するための、電気化学陽極エッチングのプロセスを図示する。
【図9】基板上に成長したデバイス層の断面図である。
【図10】多孔質半導体領域を含む、基板上に成長したデバイス層の断面図である。
【図11】コンタクトを形成し、マウント上にデバイスをマウントした後の、図10に示されたデバイスの断面図である。
【図12】成長基板を除去し、基板の除去によって露出した表面を粗面化した後の、図11に示されたデバイスの断面図である。
【図13】多孔質半導体領域を含む、スポットエミッタ・デバイスの断面図である。
【図14】半導体発光デバイスのためのパッケージの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態によると、半導体発光デバイスは、多孔質半導体層のような散乱層を含む。散乱層は、デバイスから放出されたフォトンの方向をランダム化し、デバイスの上部表面といった、デバイスから抽出された光の大部分が放出され得る所望のデバイスの発光面に向けて光を散乱する拡散反射面として機能することによって、吸収性コンタクトのような吸収性の構造体から離れる方向に光を方向づけるように配置される。下記の例において説明されるデバイスは、一般に、GaAs基板上に成長するIII族リン化物半導体層を含むが、幾つかの実施形態においては、III族窒化物半導体層が使用される場合がある。
【0011】
幾つかの実施形態において、散乱層は多孔質GaP又は他のIII族−P層である。多孔質層は、一般に電気的及び熱的に伝導性である。多孔質層は、多くの場合n型層から形成されるが、下記の幾つかの実施形態で説明されるように、多孔質とされた後に、n型多孔質層をp型導電性へと変換することができる。散乱の量は、多孔質層の厚さ及び多孔率によって決定される。多孔質層は一般に4ミクロンと40ミクロンの間の厚さを有するが、幾つかの実施形態において、デバイス中のn型にドープされた基板全体又は2元エピタキシャル層を多孔質とすることができる。多孔質層は、5%と80%の間の多孔率を有する場合があり、多くの場合20%と40%の間の多孔率を有する。多孔率は、下限は光を散乱する多孔質層の能力によって、上限は多孔質層の抵抗率及び機械的安定性によって、限定される。適切な多孔率は、多孔質領域の厚さに関係する場合がある。同じ量の散乱を提供するために、より厚い多孔質領域は、薄い多孔質領域よりも多孔性が低くてもよい。
【0012】
多孔質層は、2ステップ・プロセスによって形成することができる。第1のステップにおいて、電気化学陽極エッチングによって、孔が作られる。このステップにおいて、多孔質領域の深さが決定される。第2ステップにおいて、孔は、所望の多孔率に達するまで、光化学陽極エッチングによって拡大される。電気化学陽極エッチングの第1ステップの一例が、図8に示される。エッチングされる層は、例えば、2×1017cm-3のドナー密度を有するn型GaP単結晶層とすることができる。ウェハ80は、例えば銀ペースト84によって、銅板82に接続される。テフロン(登録商標)86のような材料が、多孔質とされることになるウェハ80の部分88を隔離する。ウェハは、参照電極としての標準カロメル電極(SCE)83及び白金対極85を備えた標準電気化学セルの中の作用電極として、0.5MのH2SO4電解液に曝される。セルは、ポテンシオスタット87によって制御される。強い正電位(15V SCE)の印加は、表面欠陥において、ミクロンオーダーで離間したサブミクロンのピットのエッチングを引き起こす。これらのピットは、トンネル様構造を有する表面下ネットワークのエッチングのための開始点として機能する。
エッチングは主としてトンネルの端部で生じるので、ネットワークはより深く成長するが、トンネルは拡大及び融合しない。エッチャント溶液、バイアス電圧、及び基板のドーピングが孔の密度及び大きさに影響するが、除去される材料の量は、主として時間積算電流密度の関数である。結果として生じる多孔質構造の深さは、これら全ての変数の関数である。多孔質領域の横方向の広がりは、エッチングの前に、例えばSiN又はフォトレジストで非多孔質領域をマスキングすることによって、制御することができる。
【0013】
光化学陽極エッチングの第2ステップの一例において、電気化学的にエッチングされたウェハは、2V SCEの正電位の印加下で、50mW/cm2のXeランプからのサブバンドギャップ光を使用して、H2O:H2SO4:H2O2電解液に曝される。印加された電位は上述の陽極エッチングプロセスを生じさせるには低すぎ、且つサブバンドギャップ光は、電解液−半導体界面においてのみ吸収されるので、主たる効果は、第1ステップにおいて規定された層の多孔率を増加させることである。多孔率の度合いは、光度、エッチャント濃度、及び基板パラメータの関数である時間積算電流密度により決定される。Si、GaN、SiC、及びGaPのような任意の適切な半導体材料が、上述のプロセスによって多孔質とされることができる。GaP及びGaNのような2元材料は、多孔質領域の魅力的な候補であるが、3元及び4元のIII族リン化物及びIII族窒化物材料もまた、多孔質とすることができる。半導体材料における導電型及びドーパント濃度は、例えば形成される孔の大きさ及び間隔に影響を与えることによって、多孔質層の特性に影響を及ぼす場合がある。幾つかの実施形態において、多孔質領域は、p型層でない層、すなわち意図的にドープされない層、又はゼロ(意図的にドープされない)と1019cm-3の間のドーパント濃度でドープされたn型層から形成される。
【0014】
図2、図3、及び図4は、本発明の1つの実施形態の製作を示す。図2において、例えばn型AlInGaP層を含むn型領域32を、n型GaAs又は任意の他の適切な基板30の上で成長させる。例えば、単一のAlInGaP発光層、又は障壁層によって分離された多重AlInGaP量子井戸層を含む発光領域又は活性領域34を、n型領域32の上に成長させ、次いで、例えばp型AlGaAs領域を含むp型領域36を成長させる。n型領域32、活性領域34、及びp型領域36のそれぞれは、例えば、反対の導電型の層又は意図的にドープされない層、バッファ層又は核形成層のような準備層(preparation layer)、後で成長基板の剥離を促進するように設計され、又は基板除去の後に半導体構造体を薄くする、剥離層、及び発光領域が効率的に発光するために望ましい特定の光学的又は電気的特性のために設計されたデバイス層といった、異なる組成及びドーパント濃度の多層を含むことができる。厚い領域38は、例えば、気相エピタキシによって形成される厚いp型GaP領域とすることができ、これをp型領域36の上に成長させる。厚い領域38は、エピタキシャル層32、34、及び36に機械的支持を提供するので、基板30を除去することができる。
【0015】
図3において、吸収性GaAs基板とすることができる基板30は取り除かれ、基板30の除去によって露出したn型領域32の表面に接合39される透明領域40で置き換えられる。接合は、ここに引用により組み入れられる米国特許番号第5,376,580号においてより詳細に説明される。接合領域40は、例えば、n型GaP領域とすることができる。接合の後、図4に示されるように、領域40の全て又は幾らかの部分を、上述のように多孔質とすることができる。デバイスは、図示されるように成形され、第1及び第2のコンタクト46及び44が、デバイスの上部表面及び底部表面に形成される。多孔質領域40は、デバイスの底部表面の方向に向かう光を、さもなければ光がそこで吸収される場合があるコンタクト44から離れる方向に散乱する。デバイスの主たる光抽出面は、その上にコンタクト46が形成される上部表面(図4における厚い領域38の上部表面)、及びデバイスの4つの側面である。垂直な側壁を備える直方体、又は内向きの角度をなす側壁を備える切頭角錐を含む他の形状も可能である。光抽出を増加させるために、領域38の上部及びチップの側部上にランダム又は周期的な表面テクスチャが加えられる場合がある。幾つかの実施形態において、デバイスの1つ又はそれ以上の側壁が、多孔質とされる。
【0016】
図5、図6、及び図7は、本発明のまた別の実施形態の製作を示す。図5に示されるように、p型領域36がまず基板30上に形成され、次いで活性領域34及びn型領域36が形成される。約15ミクロンのオーダーの厚さの、厚いn型領域38がn型領域32の上に形成される。領域38の一部分又は全てが、上述のように多孔質とされる。図6に示されるように、コンタクト金属44が領域38に取り付けられる。半導体構造体はその後、コンタクト44を介してホスト基板42に接合される。図7に示されるように、基板30は取り除かれ、第2のコンタクト46が、p型領域36の露出した表面上に形成される。図7に示されるデバイスは、図3においてn型領域32を接合領域40へと接合するのに必要とされるような、高温のウェハ接合ステップを回避する。
【0017】
図9、図10、図11、及び図12は、本発明のまた別の実施形態の製作を示す。図9において、n型InGaP−AlInP超格子又はn型AlGaAs層92、発光領域94、p型AlInGaP層96、及び厚いn型GaP層98を含むデバイス層を、基板30上で成長させる。図10において、厚いn型GaP領域98は、上述のプロセスによって多孔質とされる。例えばAuZnとすることができるZnを含む層124(図11)が、n型多孔質GaP層98の上に形成され、その後、層98は、Znが層124から層98へと拡散するようにデバイスを加熱することによって、p型にされる。あるいは、層98は、気相プロセスによってp型にされてもよく、その場合、Znを入れたアンプル中にデバイスを置き、次にアンプルを加熱して、Znを気相から層98の中へ送り込む。あるいは、層98は、成長反応器の中にデバイスを配置し、ジエチル亜鉛のようなZn源を導入して、ZnがZn源から解離して層98の中へ取り込まれるようにすることによって、p型にされることができる。
【0018】
図11に示されるように、多孔質領域98、p型領域96、及び活性領域94の一部分が取り除かれて、n型領域92の一部分を露出するメサ121が形成される。幾つかの実施形態において、基板30とn型領域92との間の界面91は、メサ121がエッチングされるときに、エッチング停止層として作用する。コンタクト120が、例えば蒸着又はめっきによって、メサ121の中に形成される。コンタクト120は、メサ121の側部及び/又は底部においてn型領域92に電気的に接続し、誘電体層122によってp型領域96及び98から電気的に隔離される。デバイスのウェハは、まずダイシングされて個々のデバイスとされ、次にそれぞれのデバイスは、成長方向に対して反転されてマウント130の上にマウントとされ、この場合、マウント130は、デバイスよりも大きい横方向の広がりを有することができる。あるいは、デバイスのウェハをマウントのウェハに接続し、次にダイシングして個々のデバイスとすることができる。マウント130は、例えば、Siのような半導体、金属、又はAlNのようなセラミックとすることができ、pコンタクト126に電気的に接続する少なくとも1つの金属パッド132、及びnコンタクト120に電気的に接続する少なくとも1つの金属パッド134を有することができる。
相互接続部128は、例えば、はんだ又は金スタッド・バンプとすることができ、これが半導体デバイスをマウント130に接続する。
【0019】
図12において、基板30は、基板材料に適したエッチングのようなプロセスによって除去される。半導体層を支持し、基板除去の間のクラッキングを防ぐために、デバイスとマウント130の間に剛性のアンダーフィルを設けることができる。基板30の除去によって露出されたn型領域92の上部表面は、例えば、光電気化学的エッチングのようなエッチングプロセスによって、又は研削のような機械的プロセスによって、粗面化136されてもよい。光が抽出される表面を粗面化することで、デバイスからの光抽出を向上させることができる。あるいは、フォトニック結晶構造を、基板30の除去によって露出されたn型領域92の上部表面に形成することができる。幾つかの実施形態においては、勾配付けされたアルミニウム含有層をGaAs成長基板上に成長させる。GaAs基板はエッチングによって取り除かれるので、エッチャントが勾配付けされたアルミニウム含有層に接触するとき、エッチング速度はアルミニウム含有量に伴って変化し、その結果、粗い表面が得られる。成長基板はこのように取り除かれ、露出された表面は、単一のエッチング・ステップによって粗面化することができる。成長基板が取り除かれる実施形態において、成長基板はウェハ・スケールで取り除かれることができ、すなわち成長基板はデバイスのウェハ全体から1ステップで取り除かれ、次いで成長基板の除去の後、個別のデバイスがダイシングされる。あるいは、デバイスのウェハをダイシングして個別のデバイスとし、個別のデバイスを任意の横方向の広がりの別の構造体へと取り付け、その後、成長基板をダイ・スケールで個別のデバイスから取り除くことができる。
【0020】
上述の実施形態において、多孔質領域は吸収性コンタクトから離れる方向に光を散乱する。コンタクトに到達する光の量が減少するため、吸収性コンタクトの横方向の広がりは限定される必要はなく、このことによりデバイスの電気的特性を向上させることができ、それにより性能が改善される。それに加えて、コンタクトの横方向の広がりが増加することで、同様の特性をもつ非多孔質層と比較して高い、多孔質層の抵抗率に起因する抵抗の増加を補償することができる。いくつかの実施形態において、多孔質領域は、活性領域に最も近接した多孔質領域の表面が活性領域から0.1ミクロンから0.4ミクロン離間するように、活性領域と吸収性コンタクトの間に位置し、この多孔質層は、導波管の中に捕捉された光を散乱するために役立つ。散乱光のうちの幾らかは有効に抽出されることができ、デバイスの効率に寄与する。幾つかの実施形態において、随意のワイヤグリッド偏光子138が、デバイス(図12)の上部表面136の上に形成され、所望されない偏光の光をチップの中へと反射して戻しながら、一方で所望の偏光の光がチップから外にでることを可能にする。多孔質層は逆反射された光の偏光をランダム化して、所望の偏光の光の出力の増大を提供することができる。幾つかの実施形態において、チップを横切る電流広がりを増加させるために、インジウムスズ酸化物(ITO)のような透明導電体を上部表面136の上に形成することができる。基板30の除去によりコンタクト金属120の一部が露出され、改善された導電率のための直接的な金属ITOコンタクトを提供することができる。
【0021】
多孔質領域はまた、チップ内部に横方向に光を閉じ込めるために用いられる場合もある。図13は、散乱層を含むスポットエミッタ・デバイスの断面図である。領域140及び142を含むn型領域を成長基板の上で成長させ、次いで活性領域146及びp型領域148を成長させる。活性領域146及びp型領域148の一部は取り除かれ、そのためpコンタクト147及びnコンタクト144の両方をデバイスの底部表面上に形成することができる。デバイスは、マウント145の上にマウントされる。成長基板(図示せず)は、取り除くことができる。n型領域の部分140は、上述のように多孔質とされる。電流は、nコンタクト144から多孔質領域140及びn型領域142を通って、活性領域146へと広がる。多孔質領域140は、いかなる光もn型領域の非多孔質領域142の中へと散乱するので、デバイスから放出されるいかなる光もn型領域142に対応する表面から放出される。多孔質領域140は、このように光を小さい発光領域に限定して、望ましくは小さな光源サイズを作り出す。n型領域142、活性領域146、及びp型領域148は、III族リン化物又はIII族窒化物層とすることができる。
【0022】
幾つかの実施形態において、蛍光体、及び/又はダイクロイック又は偏光子といった二次的な光学素子のような波長変換層を、当技術分野で公知のように、デバイスの表面の上に付与することができる。
【0023】
図14は、米国特許番号第6,274,924号においてより詳細に説明されるパッケージされた発光デバイスの分解図である。ヒート・シンク・スラグ100が、インサート成形されたリードフレームの中へ配置される。インサート成形されたリードフレームは、例えば、電気経路を提供する金属フレーム106の周りに成形された、充填材入りプラスチック材料105である。スラグ100は、任意にリフレクタ・カップ102を含むことができる。前述の実施形態において説明されたデバイスのいずれかとすることができる発光デバイスのダイ104が、直接的に又は熱伝導性サブマウント103を介して間接的にスラグ100にマウントされる。光学レンズとすることができるカバー108を付加することができる。
【0024】
詳細に本発明が説明されたので、本開示が与えられたならば、当業者は、本明細書において説明された本発明の概念の精神から逸脱することなく、改変を行うことができることを理解することになる。例えば、上述のように、実施例はIII族リン化物半導体層を有するデバイスを説明するが、本発明の実施形態は、III族窒化物半導体層、II−VI族半導体層、又は他の任意の適切な材料系の半導体層で実施できる。さらに、上記の実施例において、所与のエピタキシャル構造は、特定のコンタクト配置と共に示されるが、エピタキシャル構造及びコンタクト配置は互換性があり、示された特定の実施に限定されない。従って、本発明の範囲は、図示及び説明された特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。
【0025】
以下に本発明の実施態様を記載する。
(態様1)n型領域とp型領域との間に配置された発光層を含む半導体構造体と、
前記n型領域及び前記p型領域のうちの一方に対して電気的に接続されたコンタクトとを具備し、
前記半導体構造体が前記コンタクトと前記発光層との間に配置された多孔質領域を含み、
前記半導体構造体が、該半導体構造体から抽出される光が放出される上部表面をさらに含み、
前記発光層が前記上部表面と前記多孔質領域との間に配置される、
ことを特徴とするデバイス。
(態様2)前記多孔質領域が4ミクロンと40ミクロンとの間の厚さを有する、態様1に記載のデバイス。
(態様3)前記多孔質領域が5%と80%の間の多孔率を有し、
該多孔率が前記多孔質領域中の空気の容量百分率である、態様1に記載のデバイス。
(態様4)前記多孔質領域が20%と40%の間の多孔率を有し、
該多孔率が前記多孔質領域の中の空気の容量百分率である、態様1に記載のデバイス。
(態様5)前記多孔質領域がn型領域を含む態様1に記載のデバイス。
(態様6)前記多孔質領域がp型領域を含む態様1に記載のデバイス。
(態様7)前記多孔質領域がGaPを含む態様1に記載のデバイス。
(態様8)前記発光層に最も近い前記多孔質領域の表面が、該発光層に対して0.1ミクロンから0.4ミクロンだけ間隔をおかれている、態様1に記載のデバイス。
(態様9)前記多孔質領域が前記n型領域と前記コンタクトとの間に配置される、態様1に記載のデバイス。
(態様10)前記コンタクトが第1コンタクトであり、該第1コンタクトが前記半導体構造体の底部表面上の前記n型領域に対して電気的に接続された、デバイスであって、
さらに、前記半導体構造体の上部表面上の前記p型領域に対して電気的に接続された第2コンタクトを具備する、態様9に記載のデバイス。
(態様11)前記多孔質領域が前記p型領域と前記コンタクトとの間に配置される、態様1に記載のデバイス。
(態様12)前記コンタクトが第1コンタクトであり、該第1コンタクトが前記p型領域に対して電気的に接続された、デバイスであって、
さらに、前記n型領域に対して電気的に接続された第2コンタクトを具備し、
前記第1コンタクトが、前記半導体構造体の底部表面上に配置され、前記第2コンタクトの少なくとも一部分が該半導体構造体中に形成されたトレンチ内に配置される、態様11に記載のデバイス。
(態様13)前記コンタクトが第1コンタクトであるデバイスであって、
さらに第2コンタクトを具備し、
前記第1コンタクト及び前記第2コンタクトのうちの一方が前記半導体構造体の底部表面上に配置され、前記第1コンタクト及び前記第2コンタクトのうちの他方が前記半導体構造体中に形成されたトレンチ内に配置される、態様1に記載のデバイス。
(態様14)前記半導体構造体の上部表面の上に配置された導電性材料をさらに具備する、態様13に記載のデバイス。
(態様15)前記導電性材料がインジウムスズ酸化物を含む態様14に記載のデバイス。
(態様16)AlInP及びInGaPの交互層を含む超格子をさらに具備し、
該超格子が、前記発光層と前記半導体構造体の上部表面との間に配置される、態様13に記載のデバイス。
(態様17)前記半導体構造体の側部表面が該半導体構造体の上部表面に対して実質的に垂直である、態様1に記載のデバイス。
(態様18)前記半導体構造体の側部表面が該半導体構造体の上部表面に対して傾斜している、態様1に記載のデバイス。
(態様19)前記半導体構造体の側部表面が多孔質である態様1に記載のデバイス。
(態様20)前記半導体構造体の上部表面の上に配置された偏光子をさらに具備する、態様1に記載のデバイス。
【0026】
(態様21)上部表面を有する半導体構造体を具備し、
前記半導体構造体がn型領域とp型領域との間に配置された発光層を含み、
前記上部表面の第1の部分が多孔質領域の上部表面であり、
該上部表面の第2の部分が非多孔質領域の上部表面である、
ことを特徴とするデバイス。
(態様22)前記上部表面の前記第2の部分が、前記半導体構造体から抽出される光の大部分が放出される表面である、態様21に記載のデバイス。
(態様23)前記発光層の側部領域が前記上部表面の前記第2の部分に対応する、態様21に記載のデバイス。
(態様24)前記多孔質領域がGaNである態様21に記載のデバイス。
【0027】
(態様25)n型領域とp型領域との間に配置される発光層を含んだ半導体構造体を準備する段階と、
前記半導体構造体における或る領域を多孔質にする段階と、
前記半導体構造体の上にコンタクトを形成する段階と、
を含み、
前記コンタクトが前記n型領域及び前記p型領域のうちの一方に対して電気的に接続されており、
前記半導体構造体における前記多孔質領域が、前記コンタクトと前記発光層との間に配置されており、
前記半導体構造体が、さらに、該半導体構造体から抽出される光が放出される上部表面を具備し、
前記発光層が前記上部表面と前記多孔質領域との間に配置されている、
ことを特徴とする方法。
(態様26)前記半導体構造体を準備する段階が、成長基板の上に半導体構造体を成長させることを含み、
さらに、
前記成長基板を取り除く段階と、
前記半導体構造体をホスト基板に接合する段階と、
を含む、態様25に記載の方法。
(態様27)前記半導体構造体を準備する段階が、成長基板の上に半導体構造体を成長させることを含み、
さらに、
前記半導体構造体をダイシングして個別の発光デバイスにする段階と、
単一の発光デバイスをマウントに接続する段階と、
前記接続する段階の後に、前記成長基板を除去する段階と、
を含む、態様25に記載の方法。
(態様28)さらに、前記成長基板を取り除く段階により露出した表面を粗面化する段階を含む、態様27に記載の方法。
(態様29)さらに、前記成長基板を取り除く段階により露出した表面の上に導電性材料を形成する段階を含む、態様27に記載の方法。
(態様30)さらに、前記成長基板を取り除く段階により露出した表面の上に偏光子を配置する段階を含む、態様27に記載の方法。
(態様31)前記半導体構造体における或る領域を多孔質にする段階の後に、前記多孔質領域が5%と80%との間の多孔率を有し、該多孔率が多孔質領域中の空気の容量百分率である、態様25に記載の方法。
(態様32)前記半導体構造体における或る領域を多孔質にする段階の後に、前記多孔質領域が20%と40%との間の多孔率を有し、該多孔率が多孔質領域中の空気の容量百分率である、態様25に記載の方法。
(態様33)前記多孔質領域がn型領域を含む態様25に記載の方法。
(態様34)前記多孔質領域がp型領域を含む態様25に記載の方法。
(態様35)前記多孔質領域がGaPを含む態様25に記載の方法。
(態様36)前記半導体構造体における或る領域を多孔質にする段階が、
前記半導体構造体の中にn型層を準備すること、
前記n型層を多孔質にすること、及び、
前記n型多孔質層をp型導電型に変換すること、
を含む、態様25に記載の方法。
【符号の説明】
【0028】
30 基板
32、92 n型領域
34、94、146 活性領域
36、96、148 p型領域
38、98 厚い領域、多孔質領域
40 接合領域、多孔質領域
44、120、144 nコンタクト
46、126、147 pコンタクト
121 メサ
140 多孔質領域
130、145 マウント
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質半導体層を含む発光ダイオードのような半導体発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(LED)のような半導体発光デバイスは、現在利用可能な最も効率的な光源の1つである。可視スペクトル全域で作動可能な高輝度LEDの製造において現在関心を集める材料系は、III−V族半導体、特に、III族窒化物材料とも称されるガリウム、アルミニウム、インジウム、及び窒素の2元、3元、及び4元合金、並びにガリウム、アルミニウム、インジウム、ヒ素及びリンの2元、3元、及び4元合金を含む。多くの場合、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシ(MBE)、又は他のエピタキシャル技術によって、III族窒化物デバイスは、サファイア、シリコンカーバイド、又はIII族窒化物基板上でエピタキシャル成長し、III族リン化物デバイスは、ガリウムヒ素上でエピタキシャル成長する。多くの場合、n型領域が基板上に堆積され、その次に活性領域がn型領域上に堆積され、その後、p型領域が活性領域上に堆積される。層の順序は、p型領域が基板に隣接するように反転される場合もある。
【0003】
市販のLEDは理想的なデバイスではなく、半導体層内部及び半導体−金属界面の両方で多くの光学的損失機構を含み、例えば、半導体層の内部においては活性層再吸収及びフリー・キャリア吸収があり、半導体金属界面においては高反射性の有効なオーミック・コンタクトを実現するのが困難である。内部全反射又は導波現象によって捕捉される光線は、特にこれらの機構によって影響を受ける。
【0004】
図1は、ここに引用により組み入れられる米国特許番号第6,229,160号においてより詳しく説明される発光デバイスを図示する。図1のLEDは、基板、例えばGaAs、GaP、又はサファイアの上に成長した複数のp型及びn型のドープされたエピタキシャル層10を備えた、ヘテロ構造体を含む。p型層及びn型層は、活性領域11の中又は近くにp−n接合領域を設けるように配置される。透過な基板又は層12である光抽出(及び電流広がり)のための窓は、デバイスの上部窓層である。同様に、光抽出(及び電流広がり)のための窓層13が、ウェハ接合、エピタキシャル成長、又は再成長によって、上部窓層の反対側のエピタキシャル層に取り付けられて、底部窓層となる場合がある。
窓層に取り付けられた上部及び底部の電気的オーミック・コンタクト14、15は、再結合及びそれに続く活性領域からの光の発生のための、p−n接合領域の中へ電子及び正孔の注入を可能にする。
【0005】
デバイスからの光の抽出を増加させるために、第1の窓の側壁16は、上部表面17の領域の広さが活性デバイスの領域の広さより大きくなるように、垂直方向に対して1つの角度β(又は複数の角度)で配向する。側壁は、ヘテロ構造体に対して斜角をなす。角度βは、(図1に示すように)デバイスの高さの関数として一定である必要はなく、デバイスの高さに従って連続的に変化して、その結果、部分的又は全体的に凹形又は凸形の側壁形状となる場合もある。側壁の配向により、図1の光線18によって示されるように、側壁に当たった光はデバイスの上部表面におけるエスケープ・コーンの中へ内部全反射される。上部表面において内部全反射された光の殆どは、光線19によって示されるように、側壁におけるエスケープ・コーンの中へと方向を変える。
【0006】
図1に示されるデバイスの成形は、光抽出を増加させる場合もあるが、このデバイスは幾つかの欠点を有する。第一に、デバイスの効率は、コンタクト14及び15の固有の吸収のために、依然として損なわれる。バック・コンタクト15として一般的に使用されるフルシート合金化されたAuZnを用いると、光出力は低い反射率のせいで減少する。反射性のAgを基にしたダイ接着エポキシと共に、パターン形成した(約20%の面積被覆率の)AuZnバック・コンタクトで置き換えることにより、わずかに光出力を増大させることができる。第二に、デバイスの中の1つ又はそれ以上の厚い窓層の存在は、実際的には高温での成長及びプロセシングのステップによってのみ実現可能であるが、これは、欠陥及びドーパント原子を再分配させることによって半導体層の品質を損なうことがある。第三に、構造体の厚さ及び横方向の広がりは、適切な形状を維持するように、一緒に縮小拡大されなければならない。従って、成形チップは簡単に縮小拡大可能ではなく、非正方形のフットプリントには適していない。活性領域面積は、チップの横方向の広がり全体の約半分であるので、その結果、活性領域における電流密度は2倍になり、そのことにより高い動作温度及び高い電流における内部効率を減少させる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
当該技術分野において、光抽出を向上させる技術が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態によると、発光デバイスは、n型領域とp型領域との間に配置された発光層を有する半導体構造体を含む。多孔質領域は、発光層とn型領域及びp型領域のうちの1つに電気的に接続したコンタクトとの間に配置される。多孔質領域は、吸収性のコンタクトから離れる方向に光を散乱させ、これによりデバイスからの光抽出を向上させることができる。幾つかの実施形態において、多孔質領域は、GaN又はGaPのようなn型半導体材料である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】米国特許番号第6,229,160号に記載された半導体LEDの断面図である。
【図2】基板上に成長したデバイス層の断面図である。
【図3】第2の構造体に接合した図2のデバイスの断面図である。
【図4】コンタクトと半導体デバイス層との間に配置された多孔質半導体領域を含み、コンタクトが半導体構造体の上部表面及び底部表面上に配置された、成形されたデバイスの断面図である。
【図5】基板上に成長したデバイス層の断面図である。
【図6】第2の構造体に接合した図5のデバイスの断面図である。
【図7】コンタクトと半導体デバイス層との間に配置された多孔質半導体領域を含み、コンタクトが両方とも半導体構造体の底部表面上に配置された、成形されたデバイスの断面図である。
【図8】多孔質半導体領域を形成するための、電気化学陽極エッチングのプロセスを図示する。
【図9】基板上に成長したデバイス層の断面図である。
【図10】多孔質半導体領域を含む、基板上に成長したデバイス層の断面図である。
【図11】コンタクトを形成し、マウント上にデバイスをマウントした後の、図10に示されたデバイスの断面図である。
【図12】成長基板を除去し、基板の除去によって露出した表面を粗面化した後の、図11に示されたデバイスの断面図である。
【図13】多孔質半導体領域を含む、スポットエミッタ・デバイスの断面図である。
【図14】半導体発光デバイスのためのパッケージの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態によると、半導体発光デバイスは、多孔質半導体層のような散乱層を含む。散乱層は、デバイスから放出されたフォトンの方向をランダム化し、デバイスの上部表面といった、デバイスから抽出された光の大部分が放出され得る所望のデバイスの発光面に向けて光を散乱する拡散反射面として機能することによって、吸収性コンタクトのような吸収性の構造体から離れる方向に光を方向づけるように配置される。下記の例において説明されるデバイスは、一般に、GaAs基板上に成長するIII族リン化物半導体層を含むが、幾つかの実施形態においては、III族窒化物半導体層が使用される場合がある。
【0011】
幾つかの実施形態において、散乱層は多孔質GaP又は他のIII族−P層である。多孔質層は、一般に電気的及び熱的に伝導性である。多孔質層は、多くの場合n型層から形成されるが、下記の幾つかの実施形態で説明されるように、多孔質とされた後に、n型多孔質層をp型導電性へと変換することができる。散乱の量は、多孔質層の厚さ及び多孔率によって決定される。多孔質層は一般に4ミクロンと40ミクロンの間の厚さを有するが、幾つかの実施形態において、デバイス中のn型にドープされた基板全体又は2元エピタキシャル層を多孔質とすることができる。多孔質層は、5%と80%の間の多孔率を有する場合があり、多くの場合20%と40%の間の多孔率を有する。多孔率は、下限は光を散乱する多孔質層の能力によって、上限は多孔質層の抵抗率及び機械的安定性によって、限定される。適切な多孔率は、多孔質領域の厚さに関係する場合がある。同じ量の散乱を提供するために、より厚い多孔質領域は、薄い多孔質領域よりも多孔性が低くてもよい。
【0012】
多孔質層は、2ステップ・プロセスによって形成することができる。第1のステップにおいて、電気化学陽極エッチングによって、孔が作られる。このステップにおいて、多孔質領域の深さが決定される。第2ステップにおいて、孔は、所望の多孔率に達するまで、光化学陽極エッチングによって拡大される。電気化学陽極エッチングの第1ステップの一例が、図8に示される。エッチングされる層は、例えば、2×1017cm-3のドナー密度を有するn型GaP単結晶層とすることができる。ウェハ80は、例えば銀ペースト84によって、銅板82に接続される。テフロン(登録商標)86のような材料が、多孔質とされることになるウェハ80の部分88を隔離する。ウェハは、参照電極としての標準カロメル電極(SCE)83及び白金対極85を備えた標準電気化学セルの中の作用電極として、0.5MのH2SO4電解液に曝される。セルは、ポテンシオスタット87によって制御される。強い正電位(15V SCE)の印加は、表面欠陥において、ミクロンオーダーで離間したサブミクロンのピットのエッチングを引き起こす。これらのピットは、トンネル様構造を有する表面下ネットワークのエッチングのための開始点として機能する。
エッチングは主としてトンネルの端部で生じるので、ネットワークはより深く成長するが、トンネルは拡大及び融合しない。エッチャント溶液、バイアス電圧、及び基板のドーピングが孔の密度及び大きさに影響するが、除去される材料の量は、主として時間積算電流密度の関数である。結果として生じる多孔質構造の深さは、これら全ての変数の関数である。多孔質領域の横方向の広がりは、エッチングの前に、例えばSiN又はフォトレジストで非多孔質領域をマスキングすることによって、制御することができる。
【0013】
光化学陽極エッチングの第2ステップの一例において、電気化学的にエッチングされたウェハは、2V SCEの正電位の印加下で、50mW/cm2のXeランプからのサブバンドギャップ光を使用して、H2O:H2SO4:H2O2電解液に曝される。印加された電位は上述の陽極エッチングプロセスを生じさせるには低すぎ、且つサブバンドギャップ光は、電解液−半導体界面においてのみ吸収されるので、主たる効果は、第1ステップにおいて規定された層の多孔率を増加させることである。多孔率の度合いは、光度、エッチャント濃度、及び基板パラメータの関数である時間積算電流密度により決定される。Si、GaN、SiC、及びGaPのような任意の適切な半導体材料が、上述のプロセスによって多孔質とされることができる。GaP及びGaNのような2元材料は、多孔質領域の魅力的な候補であるが、3元及び4元のIII族リン化物及びIII族窒化物材料もまた、多孔質とすることができる。半導体材料における導電型及びドーパント濃度は、例えば形成される孔の大きさ及び間隔に影響を与えることによって、多孔質層の特性に影響を及ぼす場合がある。幾つかの実施形態において、多孔質領域は、p型層でない層、すなわち意図的にドープされない層、又はゼロ(意図的にドープされない)と1019cm-3の間のドーパント濃度でドープされたn型層から形成される。
【0014】
図2、図3、及び図4は、本発明の1つの実施形態の製作を示す。図2において、例えばn型AlInGaP層を含むn型領域32を、n型GaAs又は任意の他の適切な基板30の上で成長させる。例えば、単一のAlInGaP発光層、又は障壁層によって分離された多重AlInGaP量子井戸層を含む発光領域又は活性領域34を、n型領域32の上に成長させ、次いで、例えばp型AlGaAs領域を含むp型領域36を成長させる。n型領域32、活性領域34、及びp型領域36のそれぞれは、例えば、反対の導電型の層又は意図的にドープされない層、バッファ層又は核形成層のような準備層(preparation layer)、後で成長基板の剥離を促進するように設計され、又は基板除去の後に半導体構造体を薄くする、剥離層、及び発光領域が効率的に発光するために望ましい特定の光学的又は電気的特性のために設計されたデバイス層といった、異なる組成及びドーパント濃度の多層を含むことができる。厚い領域38は、例えば、気相エピタキシによって形成される厚いp型GaP領域とすることができ、これをp型領域36の上に成長させる。厚い領域38は、エピタキシャル層32、34、及び36に機械的支持を提供するので、基板30を除去することができる。
【0015】
図3において、吸収性GaAs基板とすることができる基板30は取り除かれ、基板30の除去によって露出したn型領域32の表面に接合39される透明領域40で置き換えられる。接合は、ここに引用により組み入れられる米国特許番号第5,376,580号においてより詳細に説明される。接合領域40は、例えば、n型GaP領域とすることができる。接合の後、図4に示されるように、領域40の全て又は幾らかの部分を、上述のように多孔質とすることができる。デバイスは、図示されるように成形され、第1及び第2のコンタクト46及び44が、デバイスの上部表面及び底部表面に形成される。多孔質領域40は、デバイスの底部表面の方向に向かう光を、さもなければ光がそこで吸収される場合があるコンタクト44から離れる方向に散乱する。デバイスの主たる光抽出面は、その上にコンタクト46が形成される上部表面(図4における厚い領域38の上部表面)、及びデバイスの4つの側面である。垂直な側壁を備える直方体、又は内向きの角度をなす側壁を備える切頭角錐を含む他の形状も可能である。光抽出を増加させるために、領域38の上部及びチップの側部上にランダム又は周期的な表面テクスチャが加えられる場合がある。幾つかの実施形態において、デバイスの1つ又はそれ以上の側壁が、多孔質とされる。
【0016】
図5、図6、及び図7は、本発明のまた別の実施形態の製作を示す。図5に示されるように、p型領域36がまず基板30上に形成され、次いで活性領域34及びn型領域36が形成される。約15ミクロンのオーダーの厚さの、厚いn型領域38がn型領域32の上に形成される。領域38の一部分又は全てが、上述のように多孔質とされる。図6に示されるように、コンタクト金属44が領域38に取り付けられる。半導体構造体はその後、コンタクト44を介してホスト基板42に接合される。図7に示されるように、基板30は取り除かれ、第2のコンタクト46が、p型領域36の露出した表面上に形成される。図7に示されるデバイスは、図3においてn型領域32を接合領域40へと接合するのに必要とされるような、高温のウェハ接合ステップを回避する。
【0017】
図9、図10、図11、及び図12は、本発明のまた別の実施形態の製作を示す。図9において、n型InGaP−AlInP超格子又はn型AlGaAs層92、発光領域94、p型AlInGaP層96、及び厚いn型GaP層98を含むデバイス層を、基板30上で成長させる。図10において、厚いn型GaP領域98は、上述のプロセスによって多孔質とされる。例えばAuZnとすることができるZnを含む層124(図11)が、n型多孔質GaP層98の上に形成され、その後、層98は、Znが層124から層98へと拡散するようにデバイスを加熱することによって、p型にされる。あるいは、層98は、気相プロセスによってp型にされてもよく、その場合、Znを入れたアンプル中にデバイスを置き、次にアンプルを加熱して、Znを気相から層98の中へ送り込む。あるいは、層98は、成長反応器の中にデバイスを配置し、ジエチル亜鉛のようなZn源を導入して、ZnがZn源から解離して層98の中へ取り込まれるようにすることによって、p型にされることができる。
【0018】
図11に示されるように、多孔質領域98、p型領域96、及び活性領域94の一部分が取り除かれて、n型領域92の一部分を露出するメサ121が形成される。幾つかの実施形態において、基板30とn型領域92との間の界面91は、メサ121がエッチングされるときに、エッチング停止層として作用する。コンタクト120が、例えば蒸着又はめっきによって、メサ121の中に形成される。コンタクト120は、メサ121の側部及び/又は底部においてn型領域92に電気的に接続し、誘電体層122によってp型領域96及び98から電気的に隔離される。デバイスのウェハは、まずダイシングされて個々のデバイスとされ、次にそれぞれのデバイスは、成長方向に対して反転されてマウント130の上にマウントとされ、この場合、マウント130は、デバイスよりも大きい横方向の広がりを有することができる。あるいは、デバイスのウェハをマウントのウェハに接続し、次にダイシングして個々のデバイスとすることができる。マウント130は、例えば、Siのような半導体、金属、又はAlNのようなセラミックとすることができ、pコンタクト126に電気的に接続する少なくとも1つの金属パッド132、及びnコンタクト120に電気的に接続する少なくとも1つの金属パッド134を有することができる。
相互接続部128は、例えば、はんだ又は金スタッド・バンプとすることができ、これが半導体デバイスをマウント130に接続する。
【0019】
図12において、基板30は、基板材料に適したエッチングのようなプロセスによって除去される。半導体層を支持し、基板除去の間のクラッキングを防ぐために、デバイスとマウント130の間に剛性のアンダーフィルを設けることができる。基板30の除去によって露出されたn型領域92の上部表面は、例えば、光電気化学的エッチングのようなエッチングプロセスによって、又は研削のような機械的プロセスによって、粗面化136されてもよい。光が抽出される表面を粗面化することで、デバイスからの光抽出を向上させることができる。あるいは、フォトニック結晶構造を、基板30の除去によって露出されたn型領域92の上部表面に形成することができる。幾つかの実施形態においては、勾配付けされたアルミニウム含有層をGaAs成長基板上に成長させる。GaAs基板はエッチングによって取り除かれるので、エッチャントが勾配付けされたアルミニウム含有層に接触するとき、エッチング速度はアルミニウム含有量に伴って変化し、その結果、粗い表面が得られる。成長基板はこのように取り除かれ、露出された表面は、単一のエッチング・ステップによって粗面化することができる。成長基板が取り除かれる実施形態において、成長基板はウェハ・スケールで取り除かれることができ、すなわち成長基板はデバイスのウェハ全体から1ステップで取り除かれ、次いで成長基板の除去の後、個別のデバイスがダイシングされる。あるいは、デバイスのウェハをダイシングして個別のデバイスとし、個別のデバイスを任意の横方向の広がりの別の構造体へと取り付け、その後、成長基板をダイ・スケールで個別のデバイスから取り除くことができる。
【0020】
上述の実施形態において、多孔質領域は吸収性コンタクトから離れる方向に光を散乱する。コンタクトに到達する光の量が減少するため、吸収性コンタクトの横方向の広がりは限定される必要はなく、このことによりデバイスの電気的特性を向上させることができ、それにより性能が改善される。それに加えて、コンタクトの横方向の広がりが増加することで、同様の特性をもつ非多孔質層と比較して高い、多孔質層の抵抗率に起因する抵抗の増加を補償することができる。いくつかの実施形態において、多孔質領域は、活性領域に最も近接した多孔質領域の表面が活性領域から0.1ミクロンから0.4ミクロン離間するように、活性領域と吸収性コンタクトの間に位置し、この多孔質層は、導波管の中に捕捉された光を散乱するために役立つ。散乱光のうちの幾らかは有効に抽出されることができ、デバイスの効率に寄与する。幾つかの実施形態において、随意のワイヤグリッド偏光子138が、デバイス(図12)の上部表面136の上に形成され、所望されない偏光の光をチップの中へと反射して戻しながら、一方で所望の偏光の光がチップから外にでることを可能にする。多孔質層は逆反射された光の偏光をランダム化して、所望の偏光の光の出力の増大を提供することができる。幾つかの実施形態において、チップを横切る電流広がりを増加させるために、インジウムスズ酸化物(ITO)のような透明導電体を上部表面136の上に形成することができる。基板30の除去によりコンタクト金属120の一部が露出され、改善された導電率のための直接的な金属ITOコンタクトを提供することができる。
【0021】
多孔質領域はまた、チップ内部に横方向に光を閉じ込めるために用いられる場合もある。図13は、散乱層を含むスポットエミッタ・デバイスの断面図である。領域140及び142を含むn型領域を成長基板の上で成長させ、次いで活性領域146及びp型領域148を成長させる。活性領域146及びp型領域148の一部は取り除かれ、そのためpコンタクト147及びnコンタクト144の両方をデバイスの底部表面上に形成することができる。デバイスは、マウント145の上にマウントされる。成長基板(図示せず)は、取り除くことができる。n型領域の部分140は、上述のように多孔質とされる。電流は、nコンタクト144から多孔質領域140及びn型領域142を通って、活性領域146へと広がる。多孔質領域140は、いかなる光もn型領域の非多孔質領域142の中へと散乱するので、デバイスから放出されるいかなる光もn型領域142に対応する表面から放出される。多孔質領域140は、このように光を小さい発光領域に限定して、望ましくは小さな光源サイズを作り出す。n型領域142、活性領域146、及びp型領域148は、III族リン化物又はIII族窒化物層とすることができる。
【0022】
幾つかの実施形態において、蛍光体、及び/又はダイクロイック又は偏光子といった二次的な光学素子のような波長変換層を、当技術分野で公知のように、デバイスの表面の上に付与することができる。
【0023】
図14は、米国特許番号第6,274,924号においてより詳細に説明されるパッケージされた発光デバイスの分解図である。ヒート・シンク・スラグ100が、インサート成形されたリードフレームの中へ配置される。インサート成形されたリードフレームは、例えば、電気経路を提供する金属フレーム106の周りに成形された、充填材入りプラスチック材料105である。スラグ100は、任意にリフレクタ・カップ102を含むことができる。前述の実施形態において説明されたデバイスのいずれかとすることができる発光デバイスのダイ104が、直接的に又は熱伝導性サブマウント103を介して間接的にスラグ100にマウントされる。光学レンズとすることができるカバー108を付加することができる。
【0024】
詳細に本発明が説明されたので、本開示が与えられたならば、当業者は、本明細書において説明された本発明の概念の精神から逸脱することなく、改変を行うことができることを理解することになる。例えば、上述のように、実施例はIII族リン化物半導体層を有するデバイスを説明するが、本発明の実施形態は、III族窒化物半導体層、II−VI族半導体層、又は他の任意の適切な材料系の半導体層で実施できる。さらに、上記の実施例において、所与のエピタキシャル構造は、特定のコンタクト配置と共に示されるが、エピタキシャル構造及びコンタクト配置は互換性があり、示された特定の実施に限定されない。従って、本発明の範囲は、図示及び説明された特定の実施形態に限定されることを意図するものではない。
【0025】
以下に本発明の実施態様を記載する。
(態様1)n型領域とp型領域との間に配置された発光層を含む半導体構造体と、
前記n型領域及び前記p型領域のうちの一方に対して電気的に接続されたコンタクトとを具備し、
前記半導体構造体が前記コンタクトと前記発光層との間に配置された多孔質領域を含み、
前記半導体構造体が、該半導体構造体から抽出される光が放出される上部表面をさらに含み、
前記発光層が前記上部表面と前記多孔質領域との間に配置される、
ことを特徴とするデバイス。
(態様2)前記多孔質領域が4ミクロンと40ミクロンとの間の厚さを有する、態様1に記載のデバイス。
(態様3)前記多孔質領域が5%と80%の間の多孔率を有し、
該多孔率が前記多孔質領域中の空気の容量百分率である、態様1に記載のデバイス。
(態様4)前記多孔質領域が20%と40%の間の多孔率を有し、
該多孔率が前記多孔質領域の中の空気の容量百分率である、態様1に記載のデバイス。
(態様5)前記多孔質領域がn型領域を含む態様1に記載のデバイス。
(態様6)前記多孔質領域がp型領域を含む態様1に記載のデバイス。
(態様7)前記多孔質領域がGaPを含む態様1に記載のデバイス。
(態様8)前記発光層に最も近い前記多孔質領域の表面が、該発光層に対して0.1ミクロンから0.4ミクロンだけ間隔をおかれている、態様1に記載のデバイス。
(態様9)前記多孔質領域が前記n型領域と前記コンタクトとの間に配置される、態様1に記載のデバイス。
(態様10)前記コンタクトが第1コンタクトであり、該第1コンタクトが前記半導体構造体の底部表面上の前記n型領域に対して電気的に接続された、デバイスであって、
さらに、前記半導体構造体の上部表面上の前記p型領域に対して電気的に接続された第2コンタクトを具備する、態様9に記載のデバイス。
(態様11)前記多孔質領域が前記p型領域と前記コンタクトとの間に配置される、態様1に記載のデバイス。
(態様12)前記コンタクトが第1コンタクトであり、該第1コンタクトが前記p型領域に対して電気的に接続された、デバイスであって、
さらに、前記n型領域に対して電気的に接続された第2コンタクトを具備し、
前記第1コンタクトが、前記半導体構造体の底部表面上に配置され、前記第2コンタクトの少なくとも一部分が該半導体構造体中に形成されたトレンチ内に配置される、態様11に記載のデバイス。
(態様13)前記コンタクトが第1コンタクトであるデバイスであって、
さらに第2コンタクトを具備し、
前記第1コンタクト及び前記第2コンタクトのうちの一方が前記半導体構造体の底部表面上に配置され、前記第1コンタクト及び前記第2コンタクトのうちの他方が前記半導体構造体中に形成されたトレンチ内に配置される、態様1に記載のデバイス。
(態様14)前記半導体構造体の上部表面の上に配置された導電性材料をさらに具備する、態様13に記載のデバイス。
(態様15)前記導電性材料がインジウムスズ酸化物を含む態様14に記載のデバイス。
(態様16)AlInP及びInGaPの交互層を含む超格子をさらに具備し、
該超格子が、前記発光層と前記半導体構造体の上部表面との間に配置される、態様13に記載のデバイス。
(態様17)前記半導体構造体の側部表面が該半導体構造体の上部表面に対して実質的に垂直である、態様1に記載のデバイス。
(態様18)前記半導体構造体の側部表面が該半導体構造体の上部表面に対して傾斜している、態様1に記載のデバイス。
(態様19)前記半導体構造体の側部表面が多孔質である態様1に記載のデバイス。
(態様20)前記半導体構造体の上部表面の上に配置された偏光子をさらに具備する、態様1に記載のデバイス。
【0026】
(態様21)上部表面を有する半導体構造体を具備し、
前記半導体構造体がn型領域とp型領域との間に配置された発光層を含み、
前記上部表面の第1の部分が多孔質領域の上部表面であり、
該上部表面の第2の部分が非多孔質領域の上部表面である、
ことを特徴とするデバイス。
(態様22)前記上部表面の前記第2の部分が、前記半導体構造体から抽出される光の大部分が放出される表面である、態様21に記載のデバイス。
(態様23)前記発光層の側部領域が前記上部表面の前記第2の部分に対応する、態様21に記載のデバイス。
(態様24)前記多孔質領域がGaNである態様21に記載のデバイス。
【0027】
(態様25)n型領域とp型領域との間に配置される発光層を含んだ半導体構造体を準備する段階と、
前記半導体構造体における或る領域を多孔質にする段階と、
前記半導体構造体の上にコンタクトを形成する段階と、
を含み、
前記コンタクトが前記n型領域及び前記p型領域のうちの一方に対して電気的に接続されており、
前記半導体構造体における前記多孔質領域が、前記コンタクトと前記発光層との間に配置されており、
前記半導体構造体が、さらに、該半導体構造体から抽出される光が放出される上部表面を具備し、
前記発光層が前記上部表面と前記多孔質領域との間に配置されている、
ことを特徴とする方法。
(態様26)前記半導体構造体を準備する段階が、成長基板の上に半導体構造体を成長させることを含み、
さらに、
前記成長基板を取り除く段階と、
前記半導体構造体をホスト基板に接合する段階と、
を含む、態様25に記載の方法。
(態様27)前記半導体構造体を準備する段階が、成長基板の上に半導体構造体を成長させることを含み、
さらに、
前記半導体構造体をダイシングして個別の発光デバイスにする段階と、
単一の発光デバイスをマウントに接続する段階と、
前記接続する段階の後に、前記成長基板を除去する段階と、
を含む、態様25に記載の方法。
(態様28)さらに、前記成長基板を取り除く段階により露出した表面を粗面化する段階を含む、態様27に記載の方法。
(態様29)さらに、前記成長基板を取り除く段階により露出した表面の上に導電性材料を形成する段階を含む、態様27に記載の方法。
(態様30)さらに、前記成長基板を取り除く段階により露出した表面の上に偏光子を配置する段階を含む、態様27に記載の方法。
(態様31)前記半導体構造体における或る領域を多孔質にする段階の後に、前記多孔質領域が5%と80%との間の多孔率を有し、該多孔率が多孔質領域中の空気の容量百分率である、態様25に記載の方法。
(態様32)前記半導体構造体における或る領域を多孔質にする段階の後に、前記多孔質領域が20%と40%との間の多孔率を有し、該多孔率が多孔質領域中の空気の容量百分率である、態様25に記載の方法。
(態様33)前記多孔質領域がn型領域を含む態様25に記載の方法。
(態様34)前記多孔質領域がp型領域を含む態様25に記載の方法。
(態様35)前記多孔質領域がGaPを含む態様25に記載の方法。
(態様36)前記半導体構造体における或る領域を多孔質にする段階が、
前記半導体構造体の中にn型層を準備すること、
前記n型層を多孔質にすること、及び、
前記n型多孔質層をp型導電型に変換すること、
を含む、態様25に記載の方法。
【符号の説明】
【0028】
30 基板
32、92 n型領域
34、94、146 活性領域
36、96、148 p型領域
38、98 厚い領域、多孔質領域
40 接合領域、多孔質領域
44、120、144 nコンタクト
46、126、147 pコンタクト
121 メサ
140 多孔質領域
130、145 マウント
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部表面を有する半導体構造体を具備し、
前記半導体構造体がn型領域とp型領域との間に配置された発光層を含み、
前記上部表面の第1の部分が多孔質領域の上部表面であり、
該上部表面の第2の部分が非多孔質領域の上部表面である、
ことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記上部表面の前記第2の部分が、前記半導体構造体から抽出される光の大部分が放出される表面である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記発光層の側部領域が前記上部表面の前記第2の部分に対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記多孔質領域がGaNである請求項1に記載のデバイス。
【請求項1】
上部表面を有する半導体構造体を具備し、
前記半導体構造体がn型領域とp型領域との間に配置された発光層を含み、
前記上部表面の第1の部分が多孔質領域の上部表面であり、
該上部表面の第2の部分が非多孔質領域の上部表面である、
ことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
前記上部表面の前記第2の部分が、前記半導体構造体から抽出される光の大部分が放出される表面である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記発光層の側部領域が前記上部表面の前記第2の部分に対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記多孔質領域がGaNである請求項1に記載のデバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−51437(P2013−51437A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−255068(P2012−255068)
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2007−177781(P2007−177781)の分割
【原出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(500507009)フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (197)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年11月21日(2012.11.21)
【分割の表示】特願2007−177781(P2007−177781)の分割
【原出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(500507009)フィリップス ルミレッズ ライティング カンパニー リミテッド ライアビリティ カンパニー (197)
【Fターム(参考)】
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