説明

多層セラミック基板の製造方法

【課題】多層セラミック基板の製造方法が開示される。
【解決手段】本多層セラミック基板の製造方法は、結晶化ガラス成分を含有する複数のセラミックグリーンシートが積層されて成り第1及び第2面を有するセラミック積層体と、セラミック積層体の第1及び第2面のうち他のセラミック積層体と接する面として提供される面に形成され、非結晶化ガラス成分を含有する第1接合用セラミックグリーンシートを含む複数のセラミックブロックを備える段階、複数のセラミックブロックを焼成する段階、隣接した複数のセラミックブロックの第1接合用セラミックグリーンシート同士が向い合うよう複数のセラミックブロックを積層する段階、及び第1接合用セラミックグリーンシートの非結晶化ガラス成分を利用して複数のセラミックブロックを接合させる段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多層セラミック基板の製造方法に関するもので、より詳しくは、複数のセラミックブロックを接合する方式を利用した多層セラミック基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子が一つの完成された半導体パッケージとしてその性能を果たすためには数多い工程を経て完成される。具体的に、工程は半導体ウェーハの生産、前工程(Fabrication:FAB)、組立工程(Assembly)に大きく分けられる。
【0003】
特に、FAB工程によりウェーハ上に複数の半導体素子が形成され、複数の半導体素子は電気的な特性検査(Electrical Die Sorting;EDS、以下、EDSという)を通して良、不良を選別するようになる。このようなEDSに使用される装備はテスター(Taster)と、プローブステーション(Probe Station)からなっており、プローブステーションにウェーハ上の半導体素子の電極パッドと機械的に接触されるプローブカード(Probe Card)が設けられている。
【0004】
一般的にプローブカードは、テスト対象である半導体ウェーハの大きさに対応するよう製造されることができる。この場合、プローブカードは約8〜12インチの大きさに製造されるもので、強い強度が求められるため、多層セラミック基板を利用して製造されることができる。
【0005】
一方、多層セラミック基板は複数のセラミックグリーンシートからなるセラミック積層体を焼成する過程を通して形成されることができる。この場合、セラミック積層体はその内部に数千から数万個の内部電極またはビア電極のような層間回路を含む。しかし、層間回路はセラミック積層体の焼成時、セラミックグリーンシートの収縮により位置が変更或いは変形され位置の正確度が低いという問題点があった。
【0006】
これを解決するための方案として、セラミック積層体の上/下面に拘束層を積層して面方向の収縮を抑制する方案が開発された。しかし、このような方法を利用しても、セラミック積層体の厚さが5mm以上の場合には面方向に収縮が生じて層間回路の位置が変更及び変形するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上述の問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、複数のセラミックブロックを予め焼成して接合することにより、層間回路の位置の正確度を増加させることができる多層セラミック基板の製造方法を提供することにある。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、非結晶化ガラス成分を含む接合用セラミックグリーンシート或いは接着層を利用して複数のセラミックブロックを接合させることにより、セラミックブロック同士の接合力を増加させることができる多層セラミック基板の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上のような目的を達成すべく、本発明の一実施例による多層セラミック基板の製造方法は、結晶化ガラス成分を含有する複数のセラミックグリーンシートが積層されて成り第1及び第2面を有するセラミック積層体と、上記セラミック積層体の第1及び第2面のうち他のセラミック積層体と接する面として提供される面に形成され、非結晶化ガラス成分を含有する第1接合用セラミックグリーンシートを含む複数のセラミックブロックを備える段階、上記複数のセラミックブロックを焼成する段階、隣接した複数のセラミックブロックの第1接合用セラミックグリーンシート同士が向い合うよう上記複数のセラミックブロックを積層する段階、及び上記第1接合用セラミックグリーンシートの非結晶化ガラス成分を利用して上記複数のセラミックブロックを接合させる段階を含む。
【0010】
この場合、上記複数のセラミックブロックを接合させる段階は、上記積層された複数のセラミックブロックに熱を加えて上記第1接合用セラミックグリーンシートの非結晶化ガラス成分を溶融させ接合することができる。
【0011】
一方、上記結晶化ガラス成分は、焼結されるとCaAlSi、SrAlSi、BaAlSi及びCaMgSiのいずれか一つを生成することができる。また、上記非結晶化ガラス成分はSiO系ガラスであることができる。この場合、上記SiO系ガラスはSiO−MgO−Al、SiO−Al、SiO−Al−CaO、SiO−Al−BaO及びSiO−CaOのいずれか一つを含むことができる。
【0012】
本発明において、上記複数のセラミックブロックのそれぞれは2mm以下の厚さで形成されることが好ましい。
【0013】
また、上記複数のセラミックブロックを焼成する段階は、上記複数のセラミックブロックの対向する両面のうち少なくとも一面に拘束層を形成する段階、上記拘束層が形成された各セラミックブロックを焼成する段階及び、上記各セラミックブロックから拘束層を除去する段階を含むことができる。
【0014】
また、上記複数のセラミックブロックを積層する段階は、上記隣接した複数のセラミックブロックの間に非結晶化ガラス成分を含有する第2接合用セラミックグリーンシートが位置するよう上記複数のセラミックブロックを積層する段階であることができる。この場合、上記第1及び第2接合用セラミックグリーンシートの非結晶化ガラス成分は同一の物質であることができる。
【0015】
一方、上記第2接合用セラミックグリーンシートは30〜100μmの厚さで形成されることができる。また、上記複数のセラミックブロックはそれぞれ層間回路を含み、上記第2接合用セラミックグリーンシートは上記隣接したセラミックブロックの層間回路が連結されるよう導電性ビアをさらに含むことができる。
【0016】
また、上記第2接合用セラミックグリーンシートは、上面及び下面にバインダー樹脂と溶媒を含む接着層をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、2mm以下の厚さを有する複数のセラミックブロックを予め焼成して接合することにより、多層セラミック基板内に含まれた層間回路の位置の正確度を増加させることができるようになる。
【0018】
そして、非結晶化ガラス成分を含む接合用セラミックグリーンシートまたは接着層を利用して複数のセラミックブロックを接合させることにより、セラミックブロック同士の接合力を増加させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1a】本発明の一実施例による多層セラミック基板の製造方法を説明するための図面である。
【図1b】本発明の一実施例による多層セラミック基板の製造方法を説明するための図面である。
【図2】図1aに図示されたセラミックブロックの焼成方法を説明するための図面である。
【図3a】本発明の他の実施例による多層セラミック基板の製造方法を説明するための図面である。
【図3b】本発明の他の実施例による多層セラミック基板の製造方法を説明するための図面である。
【図4a】本発明のさらに他の実施例による多層セラミック基板の製造方法を説明するための図面である。
【図4b】本発明のさらに他の実施例による多層セラミック基板の製造方法を説明するための図面である。
【図5a】図3aに図示された第2接合用セラミックグリーンシートの製造方法を説明するための図面である。
【図5b】図3aに図示された第2接合用セラミックグリーンシートの製造方法を説明するための図面である。
【図5c】図3aに図示された第2接合用セラミックグリーンシートの製造方法を説明するための図面である。
【図6a】図4aに図示された第2接合用セラミックグリーンシートの製造方法を説明するための図面である。
【図6b】図4aに図示された第2接合用セラミックグリーンシートの製造方法を説明するための図面である。
【図6c】図4aに図示された第2接合用セラミックグリーンシートの 製造方法を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、添付の図面を参照して本発明をより詳しく説明する。
【0021】
図1a及び図1bは本発明の一実施例による多層セラミック基板の製造方法を説明するための図面である。先ず、図1aに図示された通り、複数のセラミックブロック100、200、300、400、500を製造する。それぞれのセラミックブロック100、200、300、400、500はセラミック積層体と第1接合用セラミックグリーンシートを含む。
【0022】
具体的に、第1セラミックブロック100はセラミック積層体110及び第1接合用セラミックグリーンシート120を含む。この場合、セラミック積層体110は複数のセラミックグリーンシートからなることができる。そして、セラミック積層体110の第1面及び第2面のうち他のセラミックブロックと接する面として提供される面に第1接合用セラミックグリーンシート120が形成される。図1aにおいて最上層に位置した第1セラミックブロック100は第2面、すなわち下面のみ他のセラミック積層体と接するため、第2面にのみ第1接合用セラミックグリーンシート120が接合されることができる。
【0023】
また、第1セラミックブロック100は電気的な信号ラインとして利用される層間回路110a、120aを含む。層間回路110a、120aにはセラミック積層体110に含まれた導電性ビア及び内部電極と、第1接合用セラミックグリーンシート120に含まれた導電性ビアが含まれることができる。この場合、第1接合用セラミックグリーンシート120に含まれた導電性ビアは、セラミック積層体110の第1面及び第2面を通して露出される層間回路に対応する位置に形成されることができる。
【0024】
一方、第2セラミックブロック200は、セラミック積層体210、第1接合用セラミックグリーンシート220及び層間回路210a、220aを含む。この場合、第2セラミックブロック200は第1及び第3セラミックブロック100、300と接するもので、第1面及び第2面のいずれにも第1接合用セラミックグリーンシート220が接合されることができる。
【0025】
また、第3セラミックブロック300は、セラミック積層体310、第1接合用セラミックグリーンシート320及び層間回路310a、320aを含む。この場合、第3セラミックブロック300は第2及び第4セラミックブロック200、400と接するもので、第1面及び第2面のいずれにも第1接合用セラミックグリーンシート320が接合されることができる。
【0026】
そして、第4セラミックブロック400は、セラミック積層体410、第1接合用セラミックグリーンシート420及び層間回路410a、420aを含む。この場合、第4セラミックブロック400は、第3及び第5セラミックブロック300、500と接するもので、第1面及び第2面のいずれにも第1接合用セラミックグリーンシート420が接合されることができる。
【0027】
また、第5セラミックブロック500は、セラミック積層体510、第1接合用セラミックグリーンシート520及び層間回路510a、520aを含む。この場合、第5セラミックブロック500は最下層に位置するもので、第1面、すなわち、上面のみ第4セラミックブロック400と接するため、第1面にのみ第1接合用セラミックグリーンシート520が接合されることができる。
【0028】
一方、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500を構成するセラミック積層体は、複数のセラミックグリーンシートからなる。この場合、複数のセラミックグリーンシートは結晶化ガラス成分とセラミック成分、有機バインダー及び混合溶媒などを混合したスラリーを塗布及び乾燥させる方式で形成されるもので、複数のセラミックグリーンシートは結晶化ガラス成分を含有する。この場合、結晶化ガラスとは、通常の低温焼成用ガラス成分であって、該当セラミックの焼成温度で結晶化されるガラス成分をいう。このような特性を有する結晶化ガラスとしては、焼結されるとCaAlSi、SrAlSi、BaAlSi及びCaMgSiなどの物質を生成させる材料が利用されることができる。
【0029】
また、第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520は、非結晶化ガラス成分とセラミック成分、有機バインダー及び混合溶媒などを混合したスラリーを塗布及び乾燥させる方式で形成される。このように製造された第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520を各セラミック積層体110、210、310、410、510の第1面及び第2面のいずれか一面に積層することにより、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500を形成することができるようになる。この場合、第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520は、非結晶化ガラス成分を含有するもので、各セラミック積層体110、210、310、410、510とは異なるガラス成分を含有する。
【0030】
非結晶化ガラスとは、結晶化ガラスとは異なって該当セラミックの焼成温度で結晶化されないか、通常の低温焼成用ガラス成分より結晶化の程度が低いため焼成後に熱のようなエネルギーを加える場合、相対的に高い接合強度を与えることができるガラス成分をいう。このような特性を有する非結晶化ガラスには、SiO系ガラス物質があり得る。この場合、SiO系ガラス物質としてはSiO−MgO−Al、SiO−Al、SiO−Al−CaO、SiO−Al−BaO及びSiO−CaOなどがあり得る。
【0031】
図1aでは第1から第5セラミックブロック100〜500を構成するセラミックブロックが2個のセラミックグリーンシートからなるものに図示及び説明したが、これに限定されず、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500が2mmの厚さを超えない範囲内で3個またはそれ以上設計されることもできる。
【0032】
その後、図1aに図示された第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500のそれぞれを個別に焼成する。この場合、焼成方法は図2に図示された図面を通してより詳しく説明する。図2は図1aに図示されたセラミックブロックの焼成方法を説明するための図面である。
【0033】
図2に図示されたセラミックブロックは第2セラミックブロック200であって、第2セラミックブロック200を体表として焼成方法を説明する。具体的に、第2セラミックブロック200の上面及び下面上に拘束層600a、600bを積層する。この場合、第2セラミックブロック200の焼成温度は約600〜900℃で、拘束層600a、600bの焼成温度はそれより高い温度であることができ、約1000℃以上であることが好ましい。このような条件を満たす物質としては、アルミナ(Al)及びジルコニア(ZrO)などがあり得る。
【0034】
その後、拘束層600a、600bが形成された第2セラミックブロック200を約700〜900℃の温度で焼成する。この場合、第2セラミックブロック200は拘束層600a、600bにより面方向収縮が抑制され、厚さ方向に収縮が発生する。本発明の第2セラミックブロック200は2mm以下の厚さで製造されるため、焼成過程で面方向の収縮抑制率が高いため第2セラミックブロック200に含まれた層間回路210a、220aの位置が大きく変更しない。この場合、焼成完了した第2セラミックブロック200は焼成過程での厚さ方向の収縮により約1.5mm以下の厚さを有することができる。
【0035】
一方、図2に図示された焼成過程において、第2セラミックブロック200を構成するセラミック積層体210に含有された結晶化ガラス成分は結晶化される。また、第1接合用セラミックグリーンシート220に含有された非結晶化ガラス成分は溶融される。焼成後、第2セラミックブロック200を冷却させると、溶融された非結晶化ガラス成分は固体化する。
【0036】
図2に図示された方法を通して第2セラミックブロック200が焼成すると、第2セラミックブロック200上に積層された拘束層600a、600bを除去する。この場合、拘束層600a、600bの除去は、サンドブラストのような研磨方法を通して行われることができる。
【0037】
図2では第2セラミックブロック200を代表にして説明したが、図1aに図示された第1セラミックブロック100及び第3から第5セラミックブロック300〜500も第2セラミックブロック200と同一の方法を利用して焼成することができる。
【0038】
次に、図1bに図示された通り、図2に図示された方法を利用して第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500が焼成されると、第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520を利用して第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500を接合させる。
【0039】
具体的に、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500を第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520同士が向い合うよう積層した後、熱を加えることにより第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500を接合する。この場合、第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520に含有されている非結晶化ガラス成分は熱により溶融される。これによって、相互向かい合うセラミックブロックの界面で溶融された非結晶化ガラス成分が結合される。この状態で第1から第5セラミックブロック100〜500に加わった熱を除去すると、第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520に含まれた非結晶化ガラス成分が再び固体化し第1から第5セラミックブロック100〜500が接合される。このような過程により既に焼成された第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500を接合して多層セラミック基板を製造することができるようになる。
【0040】
上述の通り、2mm以下の厚さを有する第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500を焼成した後、接合することにより第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500内に位置した層間回路の位置が変更或いは変形することを減少させることが可能になる。
【0041】
また、各セラミック積層体110、210、310、410、510に含有された結晶化ガラス成分が焼成過程で結晶化されることにつれ、各セラミック積層体110、210、310、410、510の強度が増加することができる。この場合、各セラミック積層体110、210、310、410、510の強度は各セラミックブロック100、200、300、400、500の強度にも影響を与えるもので、各セラミックブロック100、200、300、400、500の接合により形成された多層セラミック基板の強度も増加することができる。これによって、多層セラミック基板をプローブカードに利用する場合、プローブカードで求められる強度を満たすことができるようになる。
【0042】
また、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500の表面に位置した第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520を利用することにより、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500の接合が容易になる。
【0043】
図3a及び図3bは、本発明の他の実施例による多層セラミック基板の製造方法を説明するための図面である。図3aを参照すると、第1から第5セラミックブロック100〜500は図1aに図示されたものと同一である。また、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500は図2に図示された方法により個別に焼成されたものであることができる。
【0044】
図3aを参照すると、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500の間には、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40が位置する。この場合、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40のそれぞれは、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500の表面に位置する第1接合用セラミックグリーンシートと向かい合うようになる。
【0045】
また、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40は、非結晶化ガラス成分とセラミック成分、有機バインダー及び混合溶媒などを混合したスラリーを塗布及び乾燥させる方式で形成されることができる。この場合、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40は、第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520と同一の物質からなることができ、特に、同一の非結晶化ガラス成分を含有することができる。
【0046】
その後、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500と第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40を接合する。具体的に、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500の間に第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40が位置するよう積層させた状態で熱を加える。この場合、熱により第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500に含まれた第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520と、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40に含まれた非結晶化ガラス成分が溶融される。これによって、相互向かい合う第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520と、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40の界面で溶融された非結晶化ガラス成分が結合される。この場合、第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520と、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40に含有された非結晶化ガラス成分が同一の場合、その界面で溶融された非結晶化ガラス成分がより旨く結合されることができる。
【0047】
この状態で第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500に加わった熱を除去すると、第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520と、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40に含有された非結晶化ガラス成分が再び固体化して第1から第5セラミックブロック100〜500が接合される。このような過程により既に焼成された第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500を接合して多層セラミック基板を製造することができるようになる。
【0048】
図4a及び図4bは、本発明のさらに他の実施例による多層セラミック基板の製造方法を説明するための図である。図4aを参照すると、第1から第5セラミックブロック100〜500は図1aに図示されたものと同一である。また、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500は図2に図示された方法により個別に焼成されたものであることができる。
【0049】
図4aを参照すると、第1から第5セラミックブロック100〜500の間には第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40が位置する。この場合、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40は図3aに図示されたものと同一である。
【0050】
但し、図4aに図示された第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40はその上/下面に形成された接着層50をさらに含む。この場合、接着層50は第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500の層間接合力を増加させるためのものである。これを具現するため、接着層50はバインダー樹脂と溶媒が混合された物質が利用されることができ、バインダー樹脂と溶媒は溶融性が高い物質が利用されることができる。
【0051】
その後、図4bに図示された通り、第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500と接着層50が形成された第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40を積層した状態で熱を加える。この場合、熱により第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500に含まれた第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520と、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40に含まれた非結晶化ガラス成分が溶融され、接着層50に含まれた物質が溶融される。これによって、相互向かい合う第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520と、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40の界面で溶融された非結晶化ガラス成分は、接着層50によりその結合の程度が増加する。
【0052】
この状態で第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500に加わった熱を除去すると、第1接合用セラミックグリーンシート120、220、320、420、520と、第2接合用セラミックグリーンシート10、20、30、40に含有された非結晶化ガラス成分と接着層50が再び固体化して第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500が接合される。このような過程により既に焼成された第1から第5セラミックブロック100、200、300、400、500を接合して多層セラミック基板を製造することができるようになる。
【0053】
図5aから図5cは、図3aに図示された第2接合用セラミックグリーンシートの製造方法を説明するための図面である。先ず、図5aを参照すると、接合のためのセラミックグリーンシート1を備える。この場合、セラミックグリーンシート1は非結晶化ガラス成分、セラミック成分、バインダー及び混合溶媒などを混合してスラリーを製造した後、塗布及び乾燥する過程を通して製造されることができる。この場合、セラミックグリーンシート1は約30〜100μmの厚さで製造されることができる。
【0054】
その後、 図5bに図示された通り、セラミックグリーンシート1の一部領域をパンチングしてビアホール11を形成する。この場合、ビアホール11は図3aに図示された第1及び第2セラミックブロック100、200の表面を通して露出された層間回路が連結されるようそれに対応する位置に形成されることができる。そして、図5cに図示された通り、ビアホール11に導体ペーストを充填して導電性ビア12を形成して図3aにおいて第1及び第2セラミックブロック100、200の間に位置した第2接合用セラミックグリーンシート10を製造することができるようになる。
【0055】
図5aから図5cでは、図3aに図示された第2接合用セラミックグリーンシートのうち第1及び第2セラミックブロック100、200の間に位置する第2接合用セラミックグリーンシート10を代表にして説明したが、その他の第2接合用セラミックグリーンシート20、30、40もこれと同一の方法で製造されることができる。
【0056】
図6aから図6cは、図4aに図示された第2接合用セラミックグリーンシートの製造方法を説明するための図面である。先ず、図6aに図示された通り、フィルムのような支持体60上にバインダー樹脂及び溶媒が混合されたバインダー溶液をキャスティングして接着層50を形成する。
【0057】
このように形成された構造物を、図6bに図示された通り、第2接合用セラミックグリーンシート10上に積層させる。この場合、構造物は接着層50が形成された面が第2接合用セラミックグリーンシート10に接合された形態で積層されることができる。構造物が積層されるとバー接着層50が第2接合用セラミックグリーンシート10に均一に付着するよう加圧する。
【0058】
その後、図6cのように、接着層50から支持体60を除去して、第2接合用セラミックグリーンシート10に接着層50が形成されるようにする。これと同一の方法を利用して第2接合用セラミックグリーンシート10の他面にも接着層50を形成する。
【0059】
また、図6aから図6cに図示された方法を利用してその他の第2接合用セラミックグリーンシート20、30、40にも接着層50を形成することができる。
【0060】
以上では本発明の好ましい実施例について図示して説明したが、本発明は上述の特定の実施例に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を外れること無く当該発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により多様な変形の実施が可能であるのは勿論で、このような変形の実施は本発明の技術的思想や展望から個別に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0061】
100、200、300、400、500 セラミックブロック
110、210、310、410、510 セラミック積層体
120、220、320、420、520 第1接合用セラミックグリーンシート
10、20、30、40 第2接合用セラミックグリーンシート
50 接着層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶化ガラス成分を含有する複数のセラミックグリーンシートが積層されて成り第1及び第2面を有するセラミック積層体と、前記セラミック積層体の前記第1及び第2面のうち他のセラミック積層体と接する面で提供される面に形成され、非結晶化ガラス成分を含有する第1接合用セラミックグリーンシートとを含む複数のセラミックブロックを形成する段階と、
前記複数のセラミックブロックを焼成する段階と、
隣接する前記複数のセラミックブロックの第1接合用セラミックグリーンシート同士が向い合うよう前記複数のセラミックブロックを積層する段階と、
前記第1接合用セラミックグリーンシートの非結晶化ガラス成分を利用して前記複数のセラミックブロックを接合させる段階と、を含む多層セラミック基板の製造方法。
【請求項2】
前記複数のセラミックブロックを接合させる段階は、前記積層された前記複数のセラミックブロックに熱を加えて前記第1接合用セラミックグリーンシートの非結晶化ガラス成分を溶融させ接合することを特徴とする請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項3】
前記結晶化ガラス成分は、焼結されるとCaAlSi、SrAlSi、BaAlSi及びCaMgSiのいずれか一つを生成することを特徴とする請求項1または2に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項4】
前記非結晶化ガラス成分は、SiO系ガラスであることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項5】
前記SiO系ガラスは、SiO−MgO−Al、SiO−Al、SiO−Al−CaO、SiO−Al−BaO及びSiO−CaOのいずれか一つを含むことを特徴とする請求項4に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項6】
前記複数のセラミックブロックのそれぞれは、2mm以下の厚さに形成されることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項7】
前記複数のセラミックブロックを焼成する段階は、
前記複数のセラミックブロックの対向する両面のうち少なくとも一面に拘束層を形成する段階と、
前記拘束層が形成された前記複数のセラミックブロックの各々を焼成する段階と、
前記複数のセラミックブロックの各々から前記拘束層を除去する段階と、を含むことを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項8】
前記複数のセラミックブロックを積層する段階は、
前記隣接する前記複数のセラミックブロックの間に非結晶化ガラス成分を含有する第2接合用セラミックグリーンシートが位置するよう前記複数のセラミックブロックを積層する段階であることを特徴とする請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項9】
前記第1及び第2接合用セラミックグリーンシートの非結晶化ガラス成分は同一な物質であることを特徴とする請求項8に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項10】
前記第2接合用セラミックグリーンシートは、30〜100μmの厚さに形成されることを特徴とする請求項8または9に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項11】
前記複数のセラミックブロックはそれぞれ層間回路を含み、
前記第2接合用セラミックグリーンシートは、前記隣接するセラミックブロックの層間回路が連結されるよう導電性ビアをさらに含むことを特徴とする請求項8から10の何れか1項に記載の多層セラミック基板の製造方法。
【請求項12】
前記第2接合用セラミックグリーンシートは、上面及び下面にバインダー樹脂と溶媒を含む接着層をさらに含むことを特徴とする請求項8から11の何れか1項に記載の多層セラミック基板の製造方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【公開番号】特開2010−109323(P2010−109323A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−135473(P2009−135473)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】