多心テープ心線及び光ケーブル
【課題】多心テープ心線において、光ファイバテープ心線の識別作業性を向上させることである。
【解決手段】多心テープ心線10は、複数の単位テープ心線を並列に配置して拘束部材で拘束した複合テープ心線11〜15を複数備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線の各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線の各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線の各単位テープ心線の間では異色となるようにし、残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色とする。
【解決手段】多心テープ心線10は、複数の単位テープ心線を並列に配置して拘束部材で拘束した複合テープ心線11〜15を複数備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線の各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線の各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線の各単位テープ心線の間では異色となるようにし、残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多心テープ心線及び光ケーブルに係り、特に、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線及び光ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ケーブルでは、ケーブル内に収納される光ファイバとして、光ファイバ同士を接続するときの作業性を向上させるために、複数本の光ファイバを並列に配置し、これを紫外線硬化樹脂等で拘束した光ファイバテープ心線が多く用いられている。この光ファイバテープ心線は、複数の光ファイバ心線を一括で融着接続あるいはコネクタ接続することが可能であるという大きなメリットがあるので、光ケーブルのケーブル内には、複数の光ファイバテープ心線が収納されている。
【0003】
近年、光ファイバがアクセス系にまで広がってきており、光ケーブルからケーブル内に収納された複数の光ファイバテープ心線を個別に分岐する要求が高まっている。そのため、ケーブル内に収納された各光ファイバテープ心線を容易に識別して識別作業性を向上させるため、光ファイバテープ心線の識別方法が検討されている。
【0004】
特許文献1には、各光ファイバテープ心線における一括被覆層の色を各光ファイバテープ心線ごとに互いに異なる色になるように配色し、多数枚の光ファイバテープ心線を識別できる光ファイバテープ心線の集合体が記載されている。特許文献2には、高密度ケーブルを構成する複合光ファイバテープについて、複合光ファイバテープ番号を表示するとともに、多数の単位テープのテープ番号を、分岐する各ユニット毎に表示できるようにその表示の仕方を工夫することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−255203号公報
【特許文献2】特開平8−220397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、複数本の光ファイバ心線を拘束する一括被覆層は、光ファイバテープ心線からの光ファイバ心線の分離作業を容易にするため、例えば、厚みが約5μm以下で形成される場合がある。このような薄い一括被覆層に光ケーブルに収納された複数の光ファイバテープ心線ごとに異なる色となるように配色して各光ファイバテープ心線を識別しようとしても、一括被覆層が薄いので着色された色を視認し難い場合があり、光ファイバテープ心線の識別作業が困難になる可能性がある。
【0007】
そこで本発明の目的は、光ケーブル等に収納される光ファイバテープ心線の識別作業性をより向上させる多心テープ心線及び光ケーブルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、複数の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、前記同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、前記第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第3色が着色された光ファイバ心線の有無とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、他方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第4色を着色し、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色、前記第3色及び前記第4色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第3色及び前記第4色とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、前記同じ複合テープ心線に含まれる複数の単位集合心線の前記第1色が同色である場合には、前記第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置と、前記第1色とで識別されることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、同じ複合テープ心線に含まれる2つの単位集合心線の前記第1色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の第3色を着色し、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第3色が着色された光ファイバ心線の有無と、前記第1色とで識別されることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る多心テープ心線において、前記第1色と前記第2色とは、JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい色であることが好ましい。
【0015】
本発明に係る多心テープ心線において、前記第2色は、前記各単位集合心線に含まれる他端の光ファイバ心線に着色され、前記各単位集合心線に含まれる光ファイバ心線の前記第1色と前記第2色とを同色系とする場合には、前記第2色を、前記第1色よりJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcを30以下とすることが好ましい。
【0016】
本発明に係る多心テープ心線において、前記単位集合心線は、単位テープ心線であることが好ましい。
【0017】
本発明に係る光ケーブルは、上記の多心テープ心線を有するケーブルコアと、前記ケーブルコアの外周に設けられ、合成樹脂で形成される外被と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記構成の多心テープ心線及び光ケーブルによれば、着色された光ファイバ心線に基づいて複合テープ心線や単位集合心線を識別できるので識別作業性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態において、多心テープ心線を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態において、第2色を各単位テープ心線内の別の位置に配置された光ファイバ心線に着色した場合における配色パターンを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態において、第2色を各単位テープ心線内の複数の光ファイバ心線に着色した場合における配色パターンを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に青色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線に赤色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に青色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である灰色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である白色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線を非着色として配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である灰色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線を非着色として配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である桃色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である水色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態において、第2色で着色された光ファイバ心線の全てにリングマーク印刷を行った多心テープ心線の配色パターンを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態において、第2色で着色された光ファイバ心線の一部にリングマーク印刷を行った多心テープ心線の配色パターンを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の構成を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態において、多心テープ心線を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【図14】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の他の配色パターンを示す図である。
【図15】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の別の配色パターンを示す図である。
【図16】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の更に別の配色パターンを示す図である。
【図17】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の構成を示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態において、多心テープ心線を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【図19】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の他の配色パターンを示す図である。
【図20】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の更に他の配色パターンを示す図である。
【図21】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の別な配色パターンを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の更に別な配色パターンを示す図である。
【図23】本発明の実施の形態において、他の複合テープ心線の構成を示す断面図である。
【図24】本発明の実施の形態において、更に他の複合テープ心線の構成を示す断面図である。
【図25】本発明の実施の形態において、別な複合テープ心線の構成を示す断面図である。
【図26】本発明の実施の形態において、光ケーブルの構成を示す断面図である。
【図27】本発明の実施の形態において、他の光ケーブルの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、多心テープ心線10の構成を示す断面図である。
【0021】
多心テープ心線10は、5本の複合テープ心線11〜15から構成されている。各複合テープ心線11〜15は、4心の単位集合心線としての単位テープ心線を5本並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の拘束部材としての機能を有する被覆材22で拘束された構成を有している。例えば、複合テープ心線11は、5本の単位テープ心線11A〜11Eが被覆材22で拘束されている。
【0022】
単位テープ心線11A〜11E、12A〜12E、13A〜13E、14A〜14E、15A〜15Eは、4心の光ファイバ心線a〜dを並列に配置し、4心の光ファイバ心線を拘束する透光性の拘束部材としての機能を有する被覆材24で拘束された構成を有している。なお、被覆材22、24は、後述するように、光ファイバ心線に着色された色をより正確に識別できるように非着色であることが好ましい。
【0023】
光ファイバ心線a〜dは、例えば、石英ガラスで形成される光ファイバ裸線30と、光ファイバ裸線30の外周に軟質及び硬質紫外線硬化樹脂等で被覆される第1樹脂層32と、第1樹脂層32の外周に設けられ、着色顔料が添加された紫外線硬化樹脂等で形成される第2樹脂層34と、を有している。着色顔料には、一般的に、光ファイバ心線に使用されている顔料を用いることができる。なお、光ファイバ心線を着色する必要がない場合には、第2樹脂層34を形成しないか、または着色顔料が添加されていない紫外線硬化樹脂等で第2樹脂層34が形成される。
【0024】
このように、多心テープ心線10は、100心の光ファイバ心線を備えている。なお、多心テープ心線10に含まれる単位テープ心線を構成する光ファイバ心線の本数は、4心に限定されず、例えば、8心、12心等の2心以上であればよい。
【0025】
次に、多心テープ心線10を構成する光ファイバ心線に着色される色について説明する。図2は、多心テープ心線10を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【0026】
各単位テープ心線11A〜15E内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aは、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線を識別するために、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色(すなわち第1色とは、トレーサ光ファイバ心線の色を意味する。)で着色される。
【0027】
第1色には、視認しやすいように、青色、黄色、緑色、赤色、紫色等のJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい色を使用することが好ましい。勿論、第1色は、これらの色に限定されることはなく、白色、茶色、灰色、桃色、黒色、水色等でもよい。
【0028】
第1複合テープ心線11の場合には、単位テープ心線11Aの左端に配置された光ファイバ心線aが青色に着色され、単位テープ心線11Bの左端に配置された光ファイバ心線aが黄色に着色され、単位テープ心線11Cの左端に配置された光ファイバ心線aが緑色に着色され、単位テープ心線11Dの左端に配置された光ファイバ心線aが赤色に着色され、単位テープ心線Eの左端に配置された光ファイバ心線aが紫色に着色されている。複合テープ心線12〜15についても、複合テープ心線11と同様にして各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aに第1色が着色されている。このように、基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aに、単位テープ心線ごとに異なる第1色を着色することにより、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線を第1色に基づいて識別できる。また、第1色が着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aを基準として、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線b、c、dを識別することができる。
【0029】
各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)a以外の光ファイバ心線b、c、dの少なくとも1つ(サブトレーサ光ファイバ心線)は、各複合テープ心線を識別するために、第2色で着色される(すなわち第2色とは、サブトレーサ光ファイバ心線の色を意味する。なお、サブトレーサ光ファイバ心線は、光ファイバ心線dであることが好ましい。)。同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では第2色を同色系とし、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では第2色を異色とするようにサブトレーサ光ファイバ心線に着色される。
【0030】
第2色には、視認しやすいように、青色、黄色、緑色、赤色、紫色等のJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい色を使用することが好ましい。勿論、第2色は、これらの色に限定されることはなく、白色、茶色、灰色、桃色、黒色、水色等でもよい。
【0031】
同色系とは、一方の色と他方の色とが同色の場合と、一方の色に対して他方の色がJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcが30以下である色の場合を意味する。そのため、一方の色に対して他方の色がJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcが30以下である色の場合には、異色から除かれる。
【0032】
各単位テープ心線内の光ファイバ心線に着色された第1色と第2色とを同色系とする場合には、第2色を第1色に対してJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcを30以下の色とすることが好ましい。このような構成とすることにより、第1色と第2色との色差により基準となる一端の光ファイバ心線を識別することができる。勿論、他の条件次第では、各単位テープ心線含まれる光ファイバ心線に着色される第1色と第2色とが同色となるようにしてもよい。
【0033】
なお、各単位テープ心線中のサブトレーサ光ファイバ心線の色は、そのサブトレーサ光ファイバ心線が属する単位テープ心線中のトレーサ光ファイバ心線の色と同一となる場合を除いて、相互に同じ色であることが好ましい。サブトレーサ光ファイバ心線の色が、そのサブトレーサ光ファイバ心線が属する単位テープ心線に含まれるトレーサ光ファイバ心線の色と同一となる場合には、そのサブトレーサ光ファイバ心線の色は、トレーサ光ファイバ心線の色に対してJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcを30以下の色とすることが好ましい。
【0034】
複合テープ心線11では、単位テープ心線11Aの右端に配置された光ファイバ心線dが薄青色に着色され、単位テープ心線11B〜11Eの右端に配置された光ファイバ心線dが青色に着色されている。
【0035】
複合テープ心線12では、単位テープ心線12A、12C〜12Eの右端に配置された光ファイバ心線dが黄色に着色され、単位テープ心線12Bの右端に配置された光ファイバ心線dが薄黄色に着色されている。
【0036】
複合テープ心線13では、単位テープ心線13A、13B、13D、13Eの右端に配置された光ファイバ心線dが緑色に着色され、単位テープ心線13Cの右端に配置された光ファイバ心線dが薄緑色に着色されている。
【0037】
複合テープ心線14では、単位テープ心線14A〜14C、14Eの右端に配置された光ファイバ心線dが赤色に着色され、単位テープ心線14Dの右端に配置された光ファイバ心線dが薄赤色に着色されている。
【0038】
複合テープ心線15では、単位テープ心線15A〜15Dの右端に配置された光ファイバ心線dが紫色に着色され、単位テープ心線15Eの右端に配置された光ファイバ心線dが薄紫色に着色されている。
【0039】
同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の光ファイバ心線に着色される第1色は、各単位テープ心線の間で異なる色であるのに対して、第2色は同色系であるので複合テープ心線では第2色が強調される。複合テープ心線11では青色が強調され、複合テープ心線12では黄色が強調され、複合テープ心線13では緑色が強調され、複合テープ心線14では赤色が強調され、複合テープ心線15では紫色が強調される。そのため、複合テープ心線11〜15は、第2色で強調される色に基づいて容易に識別される。
【0040】
また、各複合テープ心線11〜15において、単位テープ心線内で第1色と第2色とを同色系とする場合には、第1色に対してJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcが30以下である薄青色、薄黄色、薄緑色、薄赤色、薄紫色を第2色に用いているので、第1色と第2色との色差により基準となる一端の光ファイバ心線を識別することができる。
【0041】
第2色は、各単位テープ心線内の右端に配置された光ファイバ心線dだけでなく、各単位テープ心線内の第1色が着色された光ファイバ心線a以外の他の位置に配置された光ファイバ心線b、cに着色されてもよい。図3は、第2色を各単位テープ心線内の別の位置に配置された光ファイバ心線に着色した場合における配色パターンを示す図である。図3に示す多心テープ心線10の配色パターンでは、第2色は、基準となる一端の光ファイバ心線から3番目の位置に配置された光ファイバ心線cに着色されている。なお、第2色は、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線aと反対側である他端に配置された光ファイバ心線dに着色されることが識別性の点から好ましい。
【0042】
また、第2色は、各単位テープ心線内の第1色が着色された光ファイバ心線a以外の複数の光ファイバ心線に着色されてもよい。図4は、第2色を各単位テープ心線内の複数の光ファイバ心線c、dに着色した場合における配色パターンを示す図である。図4に示す多心テープ心線10の配色パターンでは、第2色は、基準となる一端の光ファイバ心線aから3番目の位置の光ファイバ心線cと右端の光ファイバ心線dとに着色されている。このように、各単位テープ心線内に第2色に着色された光ファイバ心線を増やすことにより、各複合テープ心線11〜15では第2色がより強調されて各複合テープ心線11〜15の識別がより容易になる。
【0043】
再び、図2に戻り、各単位テープ心線11A〜15Eにおいて、第1色で着色された光ファイバ心線a及び第2色で着色された光ファイバ心線d以外の残りの光ファイバ心線b、cは、第1色及び第2色に使用される色以外の色でJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色とすることが好ましい。
【0044】
JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色としては、例えば、白色、灰色、桃色、水色、茶色、黒等である。各単位テープ心線内の残りの光ファイバ心線b、cを第1色及び第2色に使用される色以外の色でJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色または非着色とすることにより、第1色と第2色とをより明確に視認することができる。各単位テープ心線内の残りの光ファイバ心線b、cは、同色で着色されてもよいし、各々異なる色で着色されてもよい。また、着色された光ファイバ心線と非着色の光ファイバ心線とを組み合わせてもよい。
【0045】
ここで、単位テープ心線の第1色で着色された光ファイバ心線a及び第2色で着色された光ファイバ心線d以外の光ファイバ心線b、cに種々の色を着色し、複合テープ心線の識別性を評価した。識別性試験には、5種類の配色パターンの多心テープ心線供試体を使用した。5種類の多心テープ心線供試体では、各単位テープ心線内の光ファイバ心線a、dの着色をいずれも図2示す配色パターンの多心テープ心線10と同じにした。なお、光ファイバ心線の着色には、DSM社製やJSR社製のデソライト等のコーティング材を使用した。
【0046】
図5は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに青色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cに赤色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0047】
図6は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに青色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cに灰色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0048】
図7は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに白色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cを非着色として配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0049】
図8は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに灰色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cを非着色として配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0050】
図9は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに桃色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cに水色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0051】
識別性試験は、上記の図5から図9の配色パターンの多心テープ心線供試体を各々白色の紙の上に配置し、多心テープ心線供試体から約40cm離れた距離から多心テープ心線を10人で目視し、多心テープ心線供試体を構成する各複合テープ心線を目視で識別可能か否かで評価した。その結果、図7、8、9の配色パターンの多心テープ心線供試体では、全員が各複合テープ心線を識別することができた。
【0052】
なお、各単位テープ心線11A〜15Eの第1色で着色された光ファイバ心線aまたは第2色で着色された光ファイバ心線dに、識別性をより向上させるためにリングマーク印刷を行ってもよい。図10は、第2色で着色された光ファイバ心線dの全てにリングマーク印刷を行った多心テープ心線の配色パターンを示す図である。図11は、第2色で着色された光ファイバ心線dの一部にリングマーク印刷を行った多心テープ心線の配色パターンを示す図である。
【0053】
図10及び図11に示す多心テープ心線の配色パターンでは、複合テープ心線11の単位テープ心線11A、複合テープ心線12の単位テープ心線12B、複合テープ心線13の単位テープ心線13C、複合テープ心線14の単位テープ心線14D、複合テープ心線15の単位テープ心線15Eにおいて、第2色を第1色と同色としており、その他は、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10の配色パターンと同様である。
【0054】
図10及び図11に示すように、第2色で着色された光ファイバ心線dにリングマーク印刷することにより、単位テープ心線内の光ファイバ心線に着色される第1色と第2色とが同色である単位テープ心線11A、12B、13C、14D、15Eの場合でも、基準となる一端の光ファイバ心線aを容易に識別することができる。なお、リングマーク印刷には、一般的に、光ファイバ心線で用いられている印刷方法が使用できる。
【0055】
また、上記構成では、第1色に使用される色からなる色群から選択される色である第2色に用いているが、当然、第1色に使用されていない色を第2色に用いてもよい。例えば、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10において、複合テープ心線11に用いられる薄青色及び青色に代えて白色を用いてもよく、複合テープ心線12に用いられる薄黄色及び黄色に代えて茶色を用いてもよく、複合テープ心線13に用いられる薄緑色及び緑色に代えて灰色を用いてもよく、複合テープ心線14に用いられる薄赤色及び赤色に代えて桃色を用いてもよく、複合テープ心線15に用いられる薄紫色及び紫色に代えて橙色を用いてもよい。なお、識別のために使用する色数を減らすためには、第1色に使用される色と第2色に使用される色とを共用することが好ましい。
【0056】
このように、図2から図4に示す配色パターンの多心テープ心線10によれば、まず、複合テープ心線11〜15を第2色で強調される色に基づいて識別し、次に複合テープ心線11〜15に含まれる各単位テープ心線を第1色に基づいて識別することにより識別作業性が向上する。また、図2から図4に示す配色パターンの多心テープ心線10によれば、着色された光ファイバ心線の配置位置等を確認しなくても複合テープ心線11〜15と、複合テープ心線11〜15に含まれる各単位テープ心線を識別できるので識別作業が容易になる。
【0057】
また、サブトレーサ光ファイバ心線の色である第2色の設定等は、次のように纏めることもできる。すなわち、複合テープ心線ごとに相互に異なり、複合テープ心線を他の複合テープ心線から識別するサブトレーサ光ファイバ心線の色は、以下のように決定される色Cjk=nを有するように設定される。
【0058】
但し、jは、複合テープ心線における各単位テープ心線の位置番号を表し、各複合テープ心線に含まれる単位テープ心線の総数をJとするとき、j=1、2、・・・Jであり、kは、各単位テープ心線中における各光ファイバ心線の位置番号を表し、各単位テープ心線中の光ファイバ心線の総数をKとするとき、k=1、2、・・・Kであり、nは、各単位テープ心線におけるサブトレーサ光ファイバ心線の位置を表し、n=2、3、・・・Kである)。例えば、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10では、各複合テープ心線に含まれる単位テープ心線の総数J=5であり、単位テープ心線Aがj=1、単位テープ心線Bがj=2、単位テープ心線Cがj=3、単位テープ心線Dがj=4、単位テープ心線Eがj=5に対応している。また、各単位テープ心線中の光ファイバ心線の総数K=4であり、光ファイバ心線aがk=1、光ファイバ心線bがk=2、光ファイバ心線cがk=3、光ファイバ心線dがk=4に対応している。
【0059】
[サブトレーサ光ファイバ心線の色Cjk=nの決定方法]
(1)JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい複数の色からなる色群から選択された色C0が、同じj番目の単位テープ心線中のトレーサ光ファイバ心線の色Cjk=1と異なる色である場合には、サブトレーサ光ファイバ心線の色Cjk=nを色C0とする。
【0060】
(2)JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい複数の色からなる色群から選択された色C0が、同じj番目の単位テープ心線中のトレーサ光ファイバ心線の色Cjk=1と同じ色である場合には、トレーサ光ファイバ心線の色Cjk=1に対してJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcが30以下である色とする。
【0061】
各単位テープ心線は、トレーサ光ファイバ心線とサブトレーサ光ファイバ心線との間に、JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色(無彩色を含む)で着色されるか、透明色である光ファイバ心線を有することが好ましい。各単位テープ心線は、同じ数の複数の光ファイバ心線を有していることが好ましい。
【0062】
各単位テープ心線は、4本以上の複数の光ファイバ心線を含み、サブトレーサ光ファイバ心線は、各単位テープ心線においてトレーサ光ファイバ心線が位置する一端の反対側の他端に位置し、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色(無彩色を含む)または透明色から選択される色を有していることが好ましい。
【0063】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を25本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を5本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0064】
次に、他の多心テープ心線について説明する。図12は、他の多心テープ心線40の構成を示す断面図である。なお、同様な要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。多心テープ心線40は、10本の複合テープ心線41〜50を備えている。各複合テープ心線41〜50は、4心の単位テープ心線を5本並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の拘束部材としての機能を有する被覆材22で拘束された構成を有している。例えば、複合テープ心線41は、5本の単位テープ心線41A〜41Eが被覆材22で拘束されている。
【0065】
このように、多心テープ心線40は、200心の光ファイバ心線を備えている。なお、多心テープ心線40に含まれる単位テープ心線を構成する光ファイバ心線の本数は、4心に限定されず、例えば、8心、12心等の3心以上であればよい。
【0066】
次に、多心テープ心線40を構成する光ファイバ心線に着色される色について説明する。図13は、多心テープ心線40を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【0067】
複合テープ心線41から複合テープ心線45までは、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10と同じ配色パターンで配色されている。複合テープ心線46〜50の各単位テープ心線の基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aには、複合テープ心線41〜45と同じ配色パターンで青色、黄色、緑色、赤色、紫色の順に第1色が着色されている。
【0068】
そして、複合テープ心線46〜50のサブトレーサ光ファイバ心線に着色される第2色として、複合テープ心線46では単位テープ心線46A〜46Eの右端に配置された光ファイバ心線dに白色が着色され、複合テープ心線47では単位テープ心線47A〜47Eの右端に配置された光ファイバ心線dに茶色が着色され、複合テープ心線48では単位テープ心線48A〜48Eの右端に配置された光ファイバ心線dに灰色が着色され、複合テープ心線49では単位テープ心線49A〜49Eの右端に配置された光ファイバ心線dに桃色が着色され、複合テープ心線50では単位テープ心線50A〜50Eの右端に配置された光ファイバ心線dに橙色が着色されている。
【0069】
そのため、複合テープ心線41では青色が強調され、複合テープ心線42では黄色が強調され、複合テープ心線43では緑色が強調され、複合テープ心線44では赤色が強調され、複合テープ心線45では紫色が強調され、複合テープ心線46では白色が強調され、複合テープ心線47では茶色が強調され、複合テープ心線48では灰色が強調され、複合テープ心線49では桃色が強調され、複合テープ心線50では橙色が強調される。
【0070】
図13に示す配色パターンで多心テープ心線40を構成することにより、複合テープ心線41〜50を第2色で強調される色に基づいて識別し、各複合テープ心線41〜50に含まれる単位テープ心線を第1色に基づいて識別することにより識別作業性が向上する。また、図13に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、着色された光ファイバ心線の配置位置等を確認しなくても複合テープ心線41〜50と、複合テープ心線41〜50に含まれる各単位テープ心線を識別できるので識別作業が容易になる。
【0071】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を10本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0072】
図14は、多心テープ心線40の他の配色パターンを示す図である。複合テープ心線41〜45は、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10と同じ配色パターンで配色されている。複合テープ心線46〜50は、図3に示す配色パターンの多心テープ心線10と同じ配色パターンで配色されている。複合テープ心線46〜50では、複合テープ心線41〜45に対して、各単位テープ心線に含まれる第2色が着色されるサブトレーサ光ファイバ心線の配置位置が異なっている。複合テープ心線41〜45では、光ファイバ心線dに第2色が着色され、複合テープ心線46〜50では、光ファイバ心線cに第2色が着色されている。
【0073】
図14に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、まず、青色が強調される複合テープ心線41、46、黄色が強調される複合テープ心線42、47、緑色が強調される複合テープ心線43、48、赤色が強調される複合テープ心線44、49、紫色が強調される複合テープ心線45、50を識別する。その後、各2つの複合テープ心線は、各単位テープ心線内の第2色が着色された光ファイバ心線c、dの位置により識別される。例えば、青色が強調される複合テープ心線41と複合テープ心線46とを識別する場合には、複合テープ心線41に含まれる各単位テープ心線41A〜41Eの青色が着色された光ファイバ心線dと、複合テープ心線46に含まれる各単位テープ心線46A〜46Eの青色が着色された光ファイバ心線cとにより識別すればよい。
【0074】
このように、図14で示す配色パターンにより多心テープ心線40を構成することにより、複合テープ心線41〜50は、第2色で強調される色と、第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置とに基づいて識別され、複合テープ心線41〜50に含まれる各単位テープ心線は、第1色に基づいて識別されるので識別作業性が向上する。また、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、複合テープ心線41〜50を第2色で強調される色と、第2色が着色されたサブトレーサ光ファイバ心線の配置位置とに基づいて識別することにより、図13に示す配色パターンの多心テープ心線40より光ファイバ心線の着色に使用する色数を少なくすることができる。
【0075】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を10本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系であり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間の第2色が同色である場合には、第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色と、第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置とで識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0076】
図15は、多心テープ心線40の別な配色パターンを示す図である。複合テープ心線41〜45までは、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10と同じ配色パターンで配色されている。複合テープ心線46〜50までは、複合テープ心線41〜45の配色パターンに加えて、各単位テープ心線46A〜50Eに含まれる第1色が着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)a及び第2色が着色された光ファイバ心線(サブトレーサ光ファイバ心線)d以外の光ファイバ心線cに、同色系の2つの複合テープ心線を識別するための第3色が着色されている。第3色には、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色が用いられる。図15の配色パターンの多心テープ心線40では、第3色には灰色が使用されている。
【0077】
図15に示す多心テープ心線40の配色パターンによれば、まず、青色が強調される複合テープ心線41、46、黄色が強調される複合テープ心線42、47、緑色が強調される複合テープ心線43、48、赤色が強調される複合テープ心線44、49、紫色が強調される複合テープ心線45、50に識別した後、各単位テープ心線内の第3色が着色された光ファイバ心線の有無に基づいて、例えば、複合テープ心線41と複合テープ心線46とを識別すればよいので、複合テープ心線41〜50を容易に識別できる。
【0078】
このように、図15で示す配色パターンで多心テープ心線40を構成することにより、複合テープ心線41〜50は、第3色の有無と第2色で強調される色とに基づいて識別され、各複合テープ心線41〜50に含まれる各単位テープ心線は、第1色に基づいて識別されるので、光ファイバ心線の識別作業性が向上する。また、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、複合テープ心線41〜50を第3色の有無と第2色で強調される色とに基づいて識別することにより、図13に示す配色パターンの多心テープ心線40より光ファイバ心線の着色に使用する色数を少なくすることができる。
【0079】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を10本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系であり、2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間の第2色が同色である場合には、一方の単位テープ心線に含まれ、第1色で着色された光ファイバ心線及び第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色、第2色及び第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色と、第3色が着色された光ファイバ心線の有無とで識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0080】
図16は、多心テープ心線40の更に別な配色パターンを示す図である。複合テープ心線41〜45は、図2に示す多心テープ心線10の配色パターンに加えて、第1色が着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)a及び第2色が着色された光ファイバ心線(サブトレーサ光ファイバ心線)d以外の光ファイバ心線cに、同色系の2つの複合テープ心線を識別するための第3色が着色されている。第3色には、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色が用いられる。図16の配色パターンの多心テープ心線40では、第3色には灰色が使用されている。
【0081】
複合テープ心線46〜50は、図2に示す多心テープ心線10の配色パターンに加えて、第1色が着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)a及び第2色が着色された光ファイバ心線(サブトレーサ光ファイバ心線)d以外の光ファイバ心線b、cに、同色系の2つの複合テープ心線を識別するための第4色が着色されている。第4色には、第1色、第2色及び第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色が用いられる。図16の配色パターンの多心テープ心線40では、第4色には水色と桃色とが使用されている。なお、図16に示す配色パターンでは、2本の光ファイバ心線b、cに着色される第4色には異なる色を用いているが、2本の光ファイバ心線b、cに着色される第4色を同色としてもよい。また、2本の光ファイバ心線b、cのどちらか一方にのみ第4色を着色してもよい。
【0082】
図16に示す多心テープ心線40の配色パターンによれば、まず、青色が強調される複合テープ心線41、46、黄色が強調される複合テープ心線42、47、緑色が強調される複合テープ心線43、48、赤色が強調される複合テープ心線44、49、紫色が強調される複合テープ心線45、50に識別した後、各単位テープ心線内の第3色または第4色が着色された光ファイバ心線に基づいて、例えば、複合テープ心線41と複合テープ心線46とを識別すればよいので、複合テープ心線41〜50を容易に識別できる。
【0083】
このように、図16で示す配色パターンで多心テープ心線40を構成することにより、複合テープ心線41〜50は、第2色で強調される色と、第3色及び第4色とに基づいて識別され、各複合テープ心線41〜50に含まれる各単位テープ心線は、第1色に基づいて識別されるので、光ファイバ心線の識別作業性が向上する。また、図16に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、複合テープ心線41〜50を第2色で強調される色と、第3色及び第4色とに基づいて識別することにより、図13に示す配色パターンの多心テープ心線40より光ファイバ心線の着色に使用する色数を少なくすることができる。
【0084】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を10本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系であり、2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間の第2色が同色である場合には、一方の単位テープ心線に含まれ、第1色で着色された光ファイバ心線及び第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、他方の単位テープ心線に含まれ、第1色で着色された光ファイバ心線及び第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、第1色、第2色及び第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第4色を着色し、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色、第2色、第3色及び第4色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、第3色及び第4色とで識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0085】
次に、別な多心テープ心線について説明する。図17は、多心テープ心線70の構成を示す断面図である。なお、同様な要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。多心テープ心線70は、5本の複合テープ心線71〜75を備えている。各複合テープ心線71〜75は、4心の単位テープ心線を10本並列に配置し、10本の単位テープ心線を拘束する透光性の拘束部材としての機能を有する被覆材22で拘束された構成を有している。例えば、複合テープ心線71は、10本の単位テープ心線71A〜71Jが被覆材22で拘束されている。
【0086】
このように、多心テープ心線70は、200心の光ファイバ心線を備えている。なお、多心テープ心線70に含まれる単位テープ心線を構成する光ファイバ心線の本数は、4心に限定されず、例えば、8心、12心等の3心以上であればよい。
【0087】
次に、多心テープ心線70を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンについて説明する。図18は、多心テープ心線70を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【0088】
各単位テープ心線71A〜75J内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aは、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線を識別するために、同じ複合テープ心線の各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色される。
【0089】
複合テープ心線71では、単位テープ心線71Aの左端に配置された光ファイバ心線aが青色に着色され、単位テープ心線71Bの左端に配置された光ファイバ心線aが黄色に着色され、単位テープ心線71Cの左端に配置された光ファイバ心線cが緑色に着色され、単位テープ心線71Dの左端に配置された光ファイバ心線aが赤色に着色され、単位テープ心線71Eの左端に配置された光ファイバ心線aが紫色に着色され、単位テープ心線71Fの左端に配置された光ファイバ心線aが白色に着色され、単位テープ心線71Gの左端に配置された光ファイバ心線aが茶色に着色され、単位テープ心線71Hの左端に配置された光ファイバ心線aが灰色に着色され、単位テープ心線71Iの左端に配置された光ファイバ心線aが桃色に着色され、単位テープ心線71Jの左端に配置された光ファイバ心線aが橙色に着色されている。複合テープ心線72〜75についても、複合テープ心線71と同様の配色パターンで第1色が着色されている。
【0090】
各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線a以外の少なくとも1つの光ファイバ心線(サブトレーサ光ファイバ心線)dは、複合テープ心線71〜75を識別するために第2色が着色されている。
【0091】
複合テープ心線71では、単位テープ心線71Aの右端に配置された光ファイバ心線dが薄青色に着色され、他の単位テープ心線71B〜71Jの右端に配置された光ファイバ心線dが青色に着色されている。
【0092】
複合テープ心線72では、単位テープ心線72Bの右端に配置された光ファイバ心線dが薄黄色に着色され、他の単位テープ心線72A、72B〜72Jの右端に配置された光ファイバ心線dが黄色に着色されている。
【0093】
複合テープ心線73では、単位テープ心線73Cの右端に配置された光ファイバ心線dが薄緑色に着色され、他の単位テープ心線73A,73B、73D〜73Jの右端に配置された光ファイバ心線dが緑色に着色されている。
【0094】
複合テープ心線74では、単位テープ心線74Dの右端に配置された光ファイバ心線dが薄赤色に着色され、他の単位テープ心線74A〜74C、74E〜74Jの右端に配置された光ファイバ心線dが赤色に着色されている。
【0095】
複合テープ心線75の場合には、単位テープ心線75Eの右端に配置された光ファイバ心線dが薄紫色に着色され、他の単位テープ心線75A〜75D、75F〜75Jの右端に配置された光ファイバ心線dが紫色に着色されている。
【0096】
多心テープ心線70を上記の配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色が強調され、複合テープ心線72では黄色が強調され、複合テープ心線73では緑色が強調され、複合テープ心線74では赤色が強調され、複合テープ心線75では紫色が強調される。
【0097】
このように、図18に示す配色パターンの多心テープ心線70によれば、まず、複合テープ心線71〜75を第2色で強調される色に基づいて識別し、複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線を第1色に基づいて識別することにより識別作業性が向上する。また、図18に示す配色パターンの多心テープ心線70によれば、着色された光ファイバ心線の配置位置等を確認しなくても複合テープ心線71〜75と、複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線を識別できるので識別作業が容易になる。
【0098】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、10本の単位テープ心線を並列に配置し、10本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で10本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を5本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0099】
図19は、多心テープ心線70の他の配色パターンを示す図である。複合テープ心線71の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、46の配色パターンを組み合わせて構成される。複合テープ心線71は、複合テープ心線41の単位テープ心線41A〜41Eを単位テープ心線71A〜71Eとし、複合テープ心線46の単位テープ心線46A〜46Eを単位テープ心線71F〜71Jとして構成されている。
【0100】
複合テープ心線71と同様にして、複合テープ心線72の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、47の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線73の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線43、48の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線74の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線44、49との配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線75の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線45、50との配色パターンを組み合わせて構成されている。
【0101】
多心テープ心線70を図19に示す配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色が強調され、複合テープ心線72では黄色が強調され、複合テープ心線73では緑色が強調され、複合テープ心線74では赤色が強調され、複合テープ心線75では紫色が強調される。
【0102】
このように、図19に示す配色パターンの多心テープ心線70によれば、まず、複合テープ心線71〜75を第2色で強調される色に基づいて識別し、複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線を第2色が着色された光ファイバ心線の位置と第1色とに基づいて識別することにより識別作業性が向上する。
【0103】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、10本の単位テープ心線を並列に配置し、10本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で10本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を5本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、同じ複合テープ心線に含まれる複数の単位テープ心線の第1色が同色である場合には、第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置と、第1色とで識別される。
【0104】
図20は、多心テープ心線70の更に他の配色パターンを示す図である。複合テープ心線71の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、46との配色パターンを組み合わせて構成される。複合テープ心線71は、複合テープ心線41の単位テープ心線41A〜41Eを単位テープ心線71A〜71Eとし、複合テープ心線46の単位テープ心線46A〜46Eを単位テープ心線71F〜71Jとして構成されている。
【0105】
複合テープ心線71と同様にして、複合テープ心線72の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線42、47の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線73の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線における複合テープ心線73、78の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線74の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線における複合テープ心線44、49の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線75の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線における複合テープ心線45、50の配色パターンを組み合わせて構成されている。
【0106】
多心テープ心線70を図20に示す配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色が強調され、複合テープ心線72では黄色が強調され、複合テープ心線73では緑色が強調され、複合テープ心線74では赤色が強調され、複合テープ心線75では紫色が強調される。
【0107】
このように、図20で示す配色パターンにより多心テープ心線70を構成することにより、複合テープ心線71〜75は、第2色で強調される色に基づいて識別され、各複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線は、第3色が着色された光ファイバ心線の有無と第1色とに基づいて識別されるので識別作業性が向上する。
【0108】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、10本の単位テープ心線を並列に配置し、10本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で10本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を5本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、同じ複合テープ心線に含まれる2つの単位テープ心線の第1色が同色である場合には、一方の単位テープ心線に含まれ、第1色で着色された光ファイバ心線及び第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色、第2色及び第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第3色が着色された光ファイバ心線の有無と、第1色とで識別される。
【0109】
図21は、多心テープ心線70の別な配色パターンを示す図である。複合テープ心線71の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、42の配色パターンを組み合わせて構成されている。複合テープ心線71は、複合テープ心線41の単位テープ心線41A〜41Eを単位テープ心線71A〜71Eとし、複合テープ心線42の単位テープ心線42A〜42Eを単位テープ心線71F〜71Jとして構成されている。
【0110】
複合テープ心線71と同様にして、複合テープ心線72の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線43、44の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線73の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線45、46との配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線74の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線47、48の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線75の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線49、50の配色パターンを組み合わせて構成されている。
【0111】
多心テープ心線70を図21に示す配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色と黄色が強調され、複合テープ心線72では緑色と赤色が強調され、複合テープ心線73では紫色と青色が強調され、複合テープ心線74では黄色と緑色が強調され、複合テープ心線75では赤色と紫色が強調される。
【0112】
このように、図21で示す配色パターンにより多心テープ心線70を構成することにより、複合テープ心線71〜75は、第2色で強調される色に基づいて識別され、各複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線は、第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置や第1色等に基づいて識別されるので識別作業性が向上する。
【0113】
図22は、多心テープ心線70の更に別な配色パターンを示す図である。複合テープ心線71の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、42との配色パターンを組み合わせて構成されている。複合テープ心線71は、複合テープ心線41の単位テープ心線41A〜41Eを単位テープ心線71A〜71Eとし、複合テープ心線42の単位テープ心線42A〜42Eを単位テープ心線71F〜71Jとして構成されている。
【0114】
複合テープ心線71と同様にして、複合テープ心線72の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線43、44の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線73の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線45、46の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線74の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線における複合テープ心線47、48の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線75の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線49、50の配色パターンを組み合わせて構成されている。
【0115】
多心テープ心線70を図22に示す配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色と黄色が強調され、複合テープ心線72では緑色と赤色が強調され、複合テープ心線73では紫色と青色が強調され、複合テープ心線74では黄色と緑色が強調され、複合テープ心線75では赤色と紫色が強調される。
【0116】
このように、図22で示す配色パターンにより多心テープ心線70を構成することにより、複合テープ心線71〜75は、第2色で強調される色に基づいて識別され、各複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線は、第3色が着色された光ファイバ心線の有無や第1色等に基づいて識別されるので識別作業性が向上する。
【0117】
なお、複合テープ心線には、他の構成の複合テープ心線を用いてもよい。図23は、他の複合テープ心線の構成を示す断面図である。複合テープ心線80は、20本の光ファイバ心線を並列に配置し、20本の光ファイバ心線を被覆材81で拘束した構成を有している。複合テープ心線80は、一端から順に4本の光ファイバ心線a〜dで一つの単位集合心線を形成し、合計で5つの単位集合心線で構成されている。
【0118】
図24は、更に他の複合テープ心線82の構成を示す断面図である。複合テープ心線82は、20本の光ファイバ心線を並列に配置し、20本の光ファイバ心線を被覆材83で拘束した構成を有している。複合テープ心線82は、一端から順に4本の光ファイバ心線a〜dで一つの単位集合心線を形成し、合計で5つの単位集合心線で構成されている。被覆材83は、例えば、20本の光ファイバ心線に略同じ厚みで被覆されている。そのため、複合テープ心線82の表面は、各光ファイバ心線の間が窪んだ凹凸状に形成されている。このように、複合テープ心線の表面は、図23に示す複合テープ心線80の表面のように平坦だけでなく、凹凸状に形成されてもよい。
【0119】
図25は、別な複合テープ心線84の構成を示す断面図である。複合テープ心線84は、図1に示す多心テープ心線10を構成する複合テープ心線11〜15に対して、隣接する単位テープ心線の間に凹部85を形成するように被覆材22で各単位テープ心線を拘束して構成されている。凹部85は、複合テープ心線84の両面に形成されることが好ましい。複合テープ心線84における隣接する単位テープ心線の間に凹部85を設けることにより、各単位テープ心線ごとに分離する時に、凹部85から折り曲げることにより容易に各単位テープ心線を分離することができる。
【0120】
次に、多心テープ心線を用いた光ケーブルについて説明する。図26は、光ケーブル90の構成を示す断面図である。光ケーブル90は、ケーブルコア92と、ケーブルコア92の外周にポリエチレン樹脂等の合成樹脂で形成した外被94と、を備えている。ケーブルコア92は、多心テープ心線10と、多心テープ心線10を収容する筒状のチューブ96とを有している。チューブ96は、例えば、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂で円筒状に形成される。多心テープ心線10は、5つの複合テープ心線11〜15が順に積層した状態でチューブ96に収容されている。チューブ96の内壁と多心テープ心線10との間には、隙間98が設けられている。隙間98は、合成樹脂等の充填材で充填されてもよい。
【0121】
次に、多心テープ心線を用いた他の光ケーブルについて説明する。図27は、光ケーブル100の構成を示す断面図である。光ケーブル100は、ケーブルコア102と、ケーブルコア102の外周にポリエチレン樹脂等の合成樹脂で形成した外被104と、を備えている。ケーブルコア102は、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂で形成した長尺のスロット106を備えている。スロット106は、その中心部に抗張力体108を有している。スロット106は、スロット106の外周に所定の間隔で形成され、多心テープ心線10を収容するためのスロット溝110が設けられている。スロット106は、例えば、スロット106の外周に略等間隔で3個のスロット溝110が形成される。スロット溝110は、例えば、長手方向に沿ってSZ撚り状に形成されている。また、スロット溝110は、長手方向に対して直交方向の溝断面が略矩形状に形成されている。各スロット溝110には、多心テープ心線10が収容される。多心テープ心線10は、5つの複合テープ心線11〜15が順に積層した状態でスロット溝110に収容されている。
【0122】
上記の光ケーブル90、100をコネクタ接続等するために外被94、104を剥いで多心テープ心線10を取り出したときに、多心テープ心線10を構成する複数の複合テープ心線11〜15が積層されている場合でも、上述した第2色で強調される色等に基づいて各複合テープ心線11〜15を識別できるので識別作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0123】
10、40、70 多心テープ心線
22、24、81、83 被覆材
85 凹部
90、100 光ケーブル
92、102 ケーブルコア
94、104 外被
96 チューブ
98 隙間
106 スロット
108 抗張力体
110 スロット溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、多心テープ心線及び光ケーブルに係り、特に、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線及び光ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光ケーブルでは、ケーブル内に収納される光ファイバとして、光ファイバ同士を接続するときの作業性を向上させるために、複数本の光ファイバを並列に配置し、これを紫外線硬化樹脂等で拘束した光ファイバテープ心線が多く用いられている。この光ファイバテープ心線は、複数の光ファイバ心線を一括で融着接続あるいはコネクタ接続することが可能であるという大きなメリットがあるので、光ケーブルのケーブル内には、複数の光ファイバテープ心線が収納されている。
【0003】
近年、光ファイバがアクセス系にまで広がってきており、光ケーブルからケーブル内に収納された複数の光ファイバテープ心線を個別に分岐する要求が高まっている。そのため、ケーブル内に収納された各光ファイバテープ心線を容易に識別して識別作業性を向上させるため、光ファイバテープ心線の識別方法が検討されている。
【0004】
特許文献1には、各光ファイバテープ心線における一括被覆層の色を各光ファイバテープ心線ごとに互いに異なる色になるように配色し、多数枚の光ファイバテープ心線を識別できる光ファイバテープ心線の集合体が記載されている。特許文献2には、高密度ケーブルを構成する複合光ファイバテープについて、複合光ファイバテープ番号を表示するとともに、多数の単位テープのテープ番号を、分岐する各ユニット毎に表示できるようにその表示の仕方を工夫することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−255203号公報
【特許文献2】特開平8−220397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、複数本の光ファイバ心線を拘束する一括被覆層は、光ファイバテープ心線からの光ファイバ心線の分離作業を容易にするため、例えば、厚みが約5μm以下で形成される場合がある。このような薄い一括被覆層に光ケーブルに収納された複数の光ファイバテープ心線ごとに異なる色となるように配色して各光ファイバテープ心線を識別しようとしても、一括被覆層が薄いので着色された色を視認し難い場合があり、光ファイバテープ心線の識別作業が困難になる可能性がある。
【0007】
そこで本発明の目的は、光ケーブル等に収納される光ファイバテープ心線の識別作業性をより向上させる多心テープ心線及び光ケーブルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、複数の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、前記同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、前記第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第3色が着色された光ファイバ心線の有無とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、他方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第4色を着色し、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色、前記第3色及び前記第4色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第3色及び前記第4色とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、前記同じ複合テープ心線に含まれる複数の単位集合心線の前記第1色が同色である場合には、前記第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置と、前記第1色とで識別されることを特徴とする。
【0013】
本発明に係る多心テープ心線は、多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、同じ複合テープ心線に含まれる2つの単位集合心線の前記第1色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の第3色を着色し、前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第3色が着色された光ファイバ心線の有無と、前記第1色とで識別されることを特徴とする。
【0014】
本発明に係る多心テープ心線において、前記第1色と前記第2色とは、JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい色であることが好ましい。
【0015】
本発明に係る多心テープ心線において、前記第2色は、前記各単位集合心線に含まれる他端の光ファイバ心線に着色され、前記各単位集合心線に含まれる光ファイバ心線の前記第1色と前記第2色とを同色系とする場合には、前記第2色を、前記第1色よりJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcを30以下とすることが好ましい。
【0016】
本発明に係る多心テープ心線において、前記単位集合心線は、単位テープ心線であることが好ましい。
【0017】
本発明に係る光ケーブルは、上記の多心テープ心線を有するケーブルコアと、前記ケーブルコアの外周に設けられ、合成樹脂で形成される外被と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
上記構成の多心テープ心線及び光ケーブルによれば、着色された光ファイバ心線に基づいて複合テープ心線や単位集合心線を識別できるので識別作業性をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の構成を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態において、多心テープ心線を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態において、第2色を各単位テープ心線内の別の位置に配置された光ファイバ心線に着色した場合における配色パターンを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態において、第2色を各単位テープ心線内の複数の光ファイバ心線に着色した場合における配色パターンを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に青色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線に赤色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に青色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である灰色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である白色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線を非着色として配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である灰色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線を非着色として配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態において、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である桃色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線に彩度C*が40以下である水色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態において、第2色で着色された光ファイバ心線の全てにリングマーク印刷を行った多心テープ心線の配色パターンを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態において、第2色で着色された光ファイバ心線の一部にリングマーク印刷を行った多心テープ心線の配色パターンを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の構成を示す断面図である。
【図13】本発明の実施の形態において、多心テープ心線を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【図14】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の他の配色パターンを示す図である。
【図15】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の別の配色パターンを示す図である。
【図16】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の更に別の配色パターンを示す図である。
【図17】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の構成を示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態において、多心テープ心線を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【図19】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の他の配色パターンを示す図である。
【図20】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の更に他の配色パターンを示す図である。
【図21】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の別な配色パターンを示す図である。
【図22】本発明の実施の形態において、多心テープ心線の更に別な配色パターンを示す図である。
【図23】本発明の実施の形態において、他の複合テープ心線の構成を示す断面図である。
【図24】本発明の実施の形態において、更に他の複合テープ心線の構成を示す断面図である。
【図25】本発明の実施の形態において、別な複合テープ心線の構成を示す断面図である。
【図26】本発明の実施の形態において、光ケーブルの構成を示す断面図である。
【図27】本発明の実施の形態において、他の光ケーブルの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、多心テープ心線10の構成を示す断面図である。
【0021】
多心テープ心線10は、5本の複合テープ心線11〜15から構成されている。各複合テープ心線11〜15は、4心の単位集合心線としての単位テープ心線を5本並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の拘束部材としての機能を有する被覆材22で拘束された構成を有している。例えば、複合テープ心線11は、5本の単位テープ心線11A〜11Eが被覆材22で拘束されている。
【0022】
単位テープ心線11A〜11E、12A〜12E、13A〜13E、14A〜14E、15A〜15Eは、4心の光ファイバ心線a〜dを並列に配置し、4心の光ファイバ心線を拘束する透光性の拘束部材としての機能を有する被覆材24で拘束された構成を有している。なお、被覆材22、24は、後述するように、光ファイバ心線に着色された色をより正確に識別できるように非着色であることが好ましい。
【0023】
光ファイバ心線a〜dは、例えば、石英ガラスで形成される光ファイバ裸線30と、光ファイバ裸線30の外周に軟質及び硬質紫外線硬化樹脂等で被覆される第1樹脂層32と、第1樹脂層32の外周に設けられ、着色顔料が添加された紫外線硬化樹脂等で形成される第2樹脂層34と、を有している。着色顔料には、一般的に、光ファイバ心線に使用されている顔料を用いることができる。なお、光ファイバ心線を着色する必要がない場合には、第2樹脂層34を形成しないか、または着色顔料が添加されていない紫外線硬化樹脂等で第2樹脂層34が形成される。
【0024】
このように、多心テープ心線10は、100心の光ファイバ心線を備えている。なお、多心テープ心線10に含まれる単位テープ心線を構成する光ファイバ心線の本数は、4心に限定されず、例えば、8心、12心等の2心以上であればよい。
【0025】
次に、多心テープ心線10を構成する光ファイバ心線に着色される色について説明する。図2は、多心テープ心線10を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【0026】
各単位テープ心線11A〜15E内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aは、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線を識別するために、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色(すなわち第1色とは、トレーサ光ファイバ心線の色を意味する。)で着色される。
【0027】
第1色には、視認しやすいように、青色、黄色、緑色、赤色、紫色等のJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい色を使用することが好ましい。勿論、第1色は、これらの色に限定されることはなく、白色、茶色、灰色、桃色、黒色、水色等でもよい。
【0028】
第1複合テープ心線11の場合には、単位テープ心線11Aの左端に配置された光ファイバ心線aが青色に着色され、単位テープ心線11Bの左端に配置された光ファイバ心線aが黄色に着色され、単位テープ心線11Cの左端に配置された光ファイバ心線aが緑色に着色され、単位テープ心線11Dの左端に配置された光ファイバ心線aが赤色に着色され、単位テープ心線Eの左端に配置された光ファイバ心線aが紫色に着色されている。複合テープ心線12〜15についても、複合テープ心線11と同様にして各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aに第1色が着色されている。このように、基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aに、単位テープ心線ごとに異なる第1色を着色することにより、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線を第1色に基づいて識別できる。また、第1色が着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aを基準として、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線b、c、dを識別することができる。
【0029】
各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)a以外の光ファイバ心線b、c、dの少なくとも1つ(サブトレーサ光ファイバ心線)は、各複合テープ心線を識別するために、第2色で着色される(すなわち第2色とは、サブトレーサ光ファイバ心線の色を意味する。なお、サブトレーサ光ファイバ心線は、光ファイバ心線dであることが好ましい。)。同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では第2色を同色系とし、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では第2色を異色とするようにサブトレーサ光ファイバ心線に着色される。
【0030】
第2色には、視認しやすいように、青色、黄色、緑色、赤色、紫色等のJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい色を使用することが好ましい。勿論、第2色は、これらの色に限定されることはなく、白色、茶色、灰色、桃色、黒色、水色等でもよい。
【0031】
同色系とは、一方の色と他方の色とが同色の場合と、一方の色に対して他方の色がJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcが30以下である色の場合を意味する。そのため、一方の色に対して他方の色がJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcが30以下である色の場合には、異色から除かれる。
【0032】
各単位テープ心線内の光ファイバ心線に着色された第1色と第2色とを同色系とする場合には、第2色を第1色に対してJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcを30以下の色とすることが好ましい。このような構成とすることにより、第1色と第2色との色差により基準となる一端の光ファイバ心線を識別することができる。勿論、他の条件次第では、各単位テープ心線含まれる光ファイバ心線に着色される第1色と第2色とが同色となるようにしてもよい。
【0033】
なお、各単位テープ心線中のサブトレーサ光ファイバ心線の色は、そのサブトレーサ光ファイバ心線が属する単位テープ心線中のトレーサ光ファイバ心線の色と同一となる場合を除いて、相互に同じ色であることが好ましい。サブトレーサ光ファイバ心線の色が、そのサブトレーサ光ファイバ心線が属する単位テープ心線に含まれるトレーサ光ファイバ心線の色と同一となる場合には、そのサブトレーサ光ファイバ心線の色は、トレーサ光ファイバ心線の色に対してJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcを30以下の色とすることが好ましい。
【0034】
複合テープ心線11では、単位テープ心線11Aの右端に配置された光ファイバ心線dが薄青色に着色され、単位テープ心線11B〜11Eの右端に配置された光ファイバ心線dが青色に着色されている。
【0035】
複合テープ心線12では、単位テープ心線12A、12C〜12Eの右端に配置された光ファイバ心線dが黄色に着色され、単位テープ心線12Bの右端に配置された光ファイバ心線dが薄黄色に着色されている。
【0036】
複合テープ心線13では、単位テープ心線13A、13B、13D、13Eの右端に配置された光ファイバ心線dが緑色に着色され、単位テープ心線13Cの右端に配置された光ファイバ心線dが薄緑色に着色されている。
【0037】
複合テープ心線14では、単位テープ心線14A〜14C、14Eの右端に配置された光ファイバ心線dが赤色に着色され、単位テープ心線14Dの右端に配置された光ファイバ心線dが薄赤色に着色されている。
【0038】
複合テープ心線15では、単位テープ心線15A〜15Dの右端に配置された光ファイバ心線dが紫色に着色され、単位テープ心線15Eの右端に配置された光ファイバ心線dが薄紫色に着色されている。
【0039】
同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の光ファイバ心線に着色される第1色は、各単位テープ心線の間で異なる色であるのに対して、第2色は同色系であるので複合テープ心線では第2色が強調される。複合テープ心線11では青色が強調され、複合テープ心線12では黄色が強調され、複合テープ心線13では緑色が強調され、複合テープ心線14では赤色が強調され、複合テープ心線15では紫色が強調される。そのため、複合テープ心線11〜15は、第2色で強調される色に基づいて容易に識別される。
【0040】
また、各複合テープ心線11〜15において、単位テープ心線内で第1色と第2色とを同色系とする場合には、第1色に対してJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcが30以下である薄青色、薄黄色、薄緑色、薄赤色、薄紫色を第2色に用いているので、第1色と第2色との色差により基準となる一端の光ファイバ心線を識別することができる。
【0041】
第2色は、各単位テープ心線内の右端に配置された光ファイバ心線dだけでなく、各単位テープ心線内の第1色が着色された光ファイバ心線a以外の他の位置に配置された光ファイバ心線b、cに着色されてもよい。図3は、第2色を各単位テープ心線内の別の位置に配置された光ファイバ心線に着色した場合における配色パターンを示す図である。図3に示す多心テープ心線10の配色パターンでは、第2色は、基準となる一端の光ファイバ心線から3番目の位置に配置された光ファイバ心線cに着色されている。なお、第2色は、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線aと反対側である他端に配置された光ファイバ心線dに着色されることが識別性の点から好ましい。
【0042】
また、第2色は、各単位テープ心線内の第1色が着色された光ファイバ心線a以外の複数の光ファイバ心線に着色されてもよい。図4は、第2色を各単位テープ心線内の複数の光ファイバ心線c、dに着色した場合における配色パターンを示す図である。図4に示す多心テープ心線10の配色パターンでは、第2色は、基準となる一端の光ファイバ心線aから3番目の位置の光ファイバ心線cと右端の光ファイバ心線dとに着色されている。このように、各単位テープ心線内に第2色に着色された光ファイバ心線を増やすことにより、各複合テープ心線11〜15では第2色がより強調されて各複合テープ心線11〜15の識別がより容易になる。
【0043】
再び、図2に戻り、各単位テープ心線11A〜15Eにおいて、第1色で着色された光ファイバ心線a及び第2色で着色された光ファイバ心線d以外の残りの光ファイバ心線b、cは、第1色及び第2色に使用される色以外の色でJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色とすることが好ましい。
【0044】
JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色としては、例えば、白色、灰色、桃色、水色、茶色、黒等である。各単位テープ心線内の残りの光ファイバ心線b、cを第1色及び第2色に使用される色以外の色でJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色または非着色とすることにより、第1色と第2色とをより明確に視認することができる。各単位テープ心線内の残りの光ファイバ心線b、cは、同色で着色されてもよいし、各々異なる色で着色されてもよい。また、着色された光ファイバ心線と非着色の光ファイバ心線とを組み合わせてもよい。
【0045】
ここで、単位テープ心線の第1色で着色された光ファイバ心線a及び第2色で着色された光ファイバ心線d以外の光ファイバ心線b、cに種々の色を着色し、複合テープ心線の識別性を評価した。識別性試験には、5種類の配色パターンの多心テープ心線供試体を使用した。5種類の多心テープ心線供試体では、各単位テープ心線内の光ファイバ心線a、dの着色をいずれも図2示す配色パターンの多心テープ心線10と同じにした。なお、光ファイバ心線の着色には、DSM社製やJSR社製のデソライト等のコーティング材を使用した。
【0046】
図5は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに青色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cに赤色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0047】
図6は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに青色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cに灰色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0048】
図7は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに白色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cを非着色として配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0049】
図8は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに灰色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cを非着色として配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0050】
図9は、各単位テープ心線内の基準となる一端から2番目の光ファイバ心線bに桃色を着色し、基準となる一端から3番目の光ファイバ心線cに水色を着色して配色した多心テープ心線供試体の配色パターンを示す図である。
【0051】
識別性試験は、上記の図5から図9の配色パターンの多心テープ心線供試体を各々白色の紙の上に配置し、多心テープ心線供試体から約40cm離れた距離から多心テープ心線を10人で目視し、多心テープ心線供試体を構成する各複合テープ心線を目視で識別可能か否かで評価した。その結果、図7、8、9の配色パターンの多心テープ心線供試体では、全員が各複合テープ心線を識別することができた。
【0052】
なお、各単位テープ心線11A〜15Eの第1色で着色された光ファイバ心線aまたは第2色で着色された光ファイバ心線dに、識別性をより向上させるためにリングマーク印刷を行ってもよい。図10は、第2色で着色された光ファイバ心線dの全てにリングマーク印刷を行った多心テープ心線の配色パターンを示す図である。図11は、第2色で着色された光ファイバ心線dの一部にリングマーク印刷を行った多心テープ心線の配色パターンを示す図である。
【0053】
図10及び図11に示す多心テープ心線の配色パターンでは、複合テープ心線11の単位テープ心線11A、複合テープ心線12の単位テープ心線12B、複合テープ心線13の単位テープ心線13C、複合テープ心線14の単位テープ心線14D、複合テープ心線15の単位テープ心線15Eにおいて、第2色を第1色と同色としており、その他は、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10の配色パターンと同様である。
【0054】
図10及び図11に示すように、第2色で着色された光ファイバ心線dにリングマーク印刷することにより、単位テープ心線内の光ファイバ心線に着色される第1色と第2色とが同色である単位テープ心線11A、12B、13C、14D、15Eの場合でも、基準となる一端の光ファイバ心線aを容易に識別することができる。なお、リングマーク印刷には、一般的に、光ファイバ心線で用いられている印刷方法が使用できる。
【0055】
また、上記構成では、第1色に使用される色からなる色群から選択される色である第2色に用いているが、当然、第1色に使用されていない色を第2色に用いてもよい。例えば、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10において、複合テープ心線11に用いられる薄青色及び青色に代えて白色を用いてもよく、複合テープ心線12に用いられる薄黄色及び黄色に代えて茶色を用いてもよく、複合テープ心線13に用いられる薄緑色及び緑色に代えて灰色を用いてもよく、複合テープ心線14に用いられる薄赤色及び赤色に代えて桃色を用いてもよく、複合テープ心線15に用いられる薄紫色及び紫色に代えて橙色を用いてもよい。なお、識別のために使用する色数を減らすためには、第1色に使用される色と第2色に使用される色とを共用することが好ましい。
【0056】
このように、図2から図4に示す配色パターンの多心テープ心線10によれば、まず、複合テープ心線11〜15を第2色で強調される色に基づいて識別し、次に複合テープ心線11〜15に含まれる各単位テープ心線を第1色に基づいて識別することにより識別作業性が向上する。また、図2から図4に示す配色パターンの多心テープ心線10によれば、着色された光ファイバ心線の配置位置等を確認しなくても複合テープ心線11〜15と、複合テープ心線11〜15に含まれる各単位テープ心線を識別できるので識別作業が容易になる。
【0057】
また、サブトレーサ光ファイバ心線の色である第2色の設定等は、次のように纏めることもできる。すなわち、複合テープ心線ごとに相互に異なり、複合テープ心線を他の複合テープ心線から識別するサブトレーサ光ファイバ心線の色は、以下のように決定される色Cjk=nを有するように設定される。
【0058】
但し、jは、複合テープ心線における各単位テープ心線の位置番号を表し、各複合テープ心線に含まれる単位テープ心線の総数をJとするとき、j=1、2、・・・Jであり、kは、各単位テープ心線中における各光ファイバ心線の位置番号を表し、各単位テープ心線中の光ファイバ心線の総数をKとするとき、k=1、2、・・・Kであり、nは、各単位テープ心線におけるサブトレーサ光ファイバ心線の位置を表し、n=2、3、・・・Kである)。例えば、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10では、各複合テープ心線に含まれる単位テープ心線の総数J=5であり、単位テープ心線Aがj=1、単位テープ心線Bがj=2、単位テープ心線Cがj=3、単位テープ心線Dがj=4、単位テープ心線Eがj=5に対応している。また、各単位テープ心線中の光ファイバ心線の総数K=4であり、光ファイバ心線aがk=1、光ファイバ心線bがk=2、光ファイバ心線cがk=3、光ファイバ心線dがk=4に対応している。
【0059】
[サブトレーサ光ファイバ心線の色Cjk=nの決定方法]
(1)JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい複数の色からなる色群から選択された色C0が、同じj番目の単位テープ心線中のトレーサ光ファイバ心線の色Cjk=1と異なる色である場合には、サブトレーサ光ファイバ心線の色Cjk=nを色C0とする。
【0060】
(2)JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい複数の色からなる色群から選択された色C0が、同じj番目の単位テープ心線中のトレーサ光ファイバ心線の色Cjk=1と同じ色である場合には、トレーサ光ファイバ心線の色Cjk=1に対してJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcが30以下である色とする。
【0061】
各単位テープ心線は、トレーサ光ファイバ心線とサブトレーサ光ファイバ心線との間に、JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色(無彩色を含む)で着色されるか、透明色である光ファイバ心線を有することが好ましい。各単位テープ心線は、同じ数の複数の光ファイバ心線を有していることが好ましい。
【0062】
各単位テープ心線は、4本以上の複数の光ファイバ心線を含み、サブトレーサ光ファイバ心線は、各単位テープ心線においてトレーサ光ファイバ心線が位置する一端の反対側の他端に位置し、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色(無彩色を含む)または透明色から選択される色を有していることが好ましい。
【0063】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を25本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を5本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0064】
次に、他の多心テープ心線について説明する。図12は、他の多心テープ心線40の構成を示す断面図である。なお、同様な要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。多心テープ心線40は、10本の複合テープ心線41〜50を備えている。各複合テープ心線41〜50は、4心の単位テープ心線を5本並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の拘束部材としての機能を有する被覆材22で拘束された構成を有している。例えば、複合テープ心線41は、5本の単位テープ心線41A〜41Eが被覆材22で拘束されている。
【0065】
このように、多心テープ心線40は、200心の光ファイバ心線を備えている。なお、多心テープ心線40に含まれる単位テープ心線を構成する光ファイバ心線の本数は、4心に限定されず、例えば、8心、12心等の3心以上であればよい。
【0066】
次に、多心テープ心線40を構成する光ファイバ心線に着色される色について説明する。図13は、多心テープ心線40を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【0067】
複合テープ心線41から複合テープ心線45までは、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10と同じ配色パターンで配色されている。複合テープ心線46〜50の各単位テープ心線の基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aには、複合テープ心線41〜45と同じ配色パターンで青色、黄色、緑色、赤色、紫色の順に第1色が着色されている。
【0068】
そして、複合テープ心線46〜50のサブトレーサ光ファイバ心線に着色される第2色として、複合テープ心線46では単位テープ心線46A〜46Eの右端に配置された光ファイバ心線dに白色が着色され、複合テープ心線47では単位テープ心線47A〜47Eの右端に配置された光ファイバ心線dに茶色が着色され、複合テープ心線48では単位テープ心線48A〜48Eの右端に配置された光ファイバ心線dに灰色が着色され、複合テープ心線49では単位テープ心線49A〜49Eの右端に配置された光ファイバ心線dに桃色が着色され、複合テープ心線50では単位テープ心線50A〜50Eの右端に配置された光ファイバ心線dに橙色が着色されている。
【0069】
そのため、複合テープ心線41では青色が強調され、複合テープ心線42では黄色が強調され、複合テープ心線43では緑色が強調され、複合テープ心線44では赤色が強調され、複合テープ心線45では紫色が強調され、複合テープ心線46では白色が強調され、複合テープ心線47では茶色が強調され、複合テープ心線48では灰色が強調され、複合テープ心線49では桃色が強調され、複合テープ心線50では橙色が強調される。
【0070】
図13に示す配色パターンで多心テープ心線40を構成することにより、複合テープ心線41〜50を第2色で強調される色に基づいて識別し、各複合テープ心線41〜50に含まれる単位テープ心線を第1色に基づいて識別することにより識別作業性が向上する。また、図13に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、着色された光ファイバ心線の配置位置等を確認しなくても複合テープ心線41〜50と、複合テープ心線41〜50に含まれる各単位テープ心線を識別できるので識別作業が容易になる。
【0071】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を10本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0072】
図14は、多心テープ心線40の他の配色パターンを示す図である。複合テープ心線41〜45は、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10と同じ配色パターンで配色されている。複合テープ心線46〜50は、図3に示す配色パターンの多心テープ心線10と同じ配色パターンで配色されている。複合テープ心線46〜50では、複合テープ心線41〜45に対して、各単位テープ心線に含まれる第2色が着色されるサブトレーサ光ファイバ心線の配置位置が異なっている。複合テープ心線41〜45では、光ファイバ心線dに第2色が着色され、複合テープ心線46〜50では、光ファイバ心線cに第2色が着色されている。
【0073】
図14に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、まず、青色が強調される複合テープ心線41、46、黄色が強調される複合テープ心線42、47、緑色が強調される複合テープ心線43、48、赤色が強調される複合テープ心線44、49、紫色が強調される複合テープ心線45、50を識別する。その後、各2つの複合テープ心線は、各単位テープ心線内の第2色が着色された光ファイバ心線c、dの位置により識別される。例えば、青色が強調される複合テープ心線41と複合テープ心線46とを識別する場合には、複合テープ心線41に含まれる各単位テープ心線41A〜41Eの青色が着色された光ファイバ心線dと、複合テープ心線46に含まれる各単位テープ心線46A〜46Eの青色が着色された光ファイバ心線cとにより識別すればよい。
【0074】
このように、図14で示す配色パターンにより多心テープ心線40を構成することにより、複合テープ心線41〜50は、第2色で強調される色と、第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置とに基づいて識別され、複合テープ心線41〜50に含まれる各単位テープ心線は、第1色に基づいて識別されるので識別作業性が向上する。また、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、複合テープ心線41〜50を第2色で強調される色と、第2色が着色されたサブトレーサ光ファイバ心線の配置位置とに基づいて識別することにより、図13に示す配色パターンの多心テープ心線40より光ファイバ心線の着色に使用する色数を少なくすることができる。
【0075】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を10本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系であり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間の第2色が同色である場合には、第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色と、第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置とで識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0076】
図15は、多心テープ心線40の別な配色パターンを示す図である。複合テープ心線41〜45までは、図2に示す配色パターンの多心テープ心線10と同じ配色パターンで配色されている。複合テープ心線46〜50までは、複合テープ心線41〜45の配色パターンに加えて、各単位テープ心線46A〜50Eに含まれる第1色が着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)a及び第2色が着色された光ファイバ心線(サブトレーサ光ファイバ心線)d以外の光ファイバ心線cに、同色系の2つの複合テープ心線を識別するための第3色が着色されている。第3色には、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色が用いられる。図15の配色パターンの多心テープ心線40では、第3色には灰色が使用されている。
【0077】
図15に示す多心テープ心線40の配色パターンによれば、まず、青色が強調される複合テープ心線41、46、黄色が強調される複合テープ心線42、47、緑色が強調される複合テープ心線43、48、赤色が強調される複合テープ心線44、49、紫色が強調される複合テープ心線45、50に識別した後、各単位テープ心線内の第3色が着色された光ファイバ心線の有無に基づいて、例えば、複合テープ心線41と複合テープ心線46とを識別すればよいので、複合テープ心線41〜50を容易に識別できる。
【0078】
このように、図15で示す配色パターンで多心テープ心線40を構成することにより、複合テープ心線41〜50は、第3色の有無と第2色で強調される色とに基づいて識別され、各複合テープ心線41〜50に含まれる各単位テープ心線は、第1色に基づいて識別されるので、光ファイバ心線の識別作業性が向上する。また、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、複合テープ心線41〜50を第3色の有無と第2色で強調される色とに基づいて識別することにより、図13に示す配色パターンの多心テープ心線40より光ファイバ心線の着色に使用する色数を少なくすることができる。
【0079】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を10本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系であり、2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間の第2色が同色である場合には、一方の単位テープ心線に含まれ、第1色で着色された光ファイバ心線及び第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色、第2色及び第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色と、第3色が着色された光ファイバ心線の有無とで識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0080】
図16は、多心テープ心線40の更に別な配色パターンを示す図である。複合テープ心線41〜45は、図2に示す多心テープ心線10の配色パターンに加えて、第1色が着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)a及び第2色が着色された光ファイバ心線(サブトレーサ光ファイバ心線)d以外の光ファイバ心線cに、同色系の2つの複合テープ心線を識別するための第3色が着色されている。第3色には、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色が用いられる。図16の配色パターンの多心テープ心線40では、第3色には灰色が使用されている。
【0081】
複合テープ心線46〜50は、図2に示す多心テープ心線10の配色パターンに加えて、第1色が着色された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)a及び第2色が着色された光ファイバ心線(サブトレーサ光ファイバ心線)d以外の光ファイバ心線b、cに、同色系の2つの複合テープ心線を識別するための第4色が着色されている。第4色には、第1色、第2色及び第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色が用いられる。図16の配色パターンの多心テープ心線40では、第4色には水色と桃色とが使用されている。なお、図16に示す配色パターンでは、2本の光ファイバ心線b、cに着色される第4色には異なる色を用いているが、2本の光ファイバ心線b、cに着色される第4色を同色としてもよい。また、2本の光ファイバ心線b、cのどちらか一方にのみ第4色を着色してもよい。
【0082】
図16に示す多心テープ心線40の配色パターンによれば、まず、青色が強調される複合テープ心線41、46、黄色が強調される複合テープ心線42、47、緑色が強調される複合テープ心線43、48、赤色が強調される複合テープ心線44、49、紫色が強調される複合テープ心線45、50に識別した後、各単位テープ心線内の第3色または第4色が着色された光ファイバ心線に基づいて、例えば、複合テープ心線41と複合テープ心線46とを識別すればよいので、複合テープ心線41〜50を容易に識別できる。
【0083】
このように、図16で示す配色パターンで多心テープ心線40を構成することにより、複合テープ心線41〜50は、第2色で強調される色と、第3色及び第4色とに基づいて識別され、各複合テープ心線41〜50に含まれる各単位テープ心線は、第1色に基づいて識別されるので、光ファイバ心線の識別作業性が向上する。また、図16に示す配色パターンの多心テープ心線40によれば、複合テープ心線41〜50を第2色で強調される色と、第3色及び第4色とに基づいて識別することにより、図13に示す配色パターンの多心テープ心線40より光ファイバ心線の着色に使用する色数を少なくすることができる。
【0084】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、5本の単位テープ心線を並列に配置し、5本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で5本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を10本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系であり、2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間の第2色が同色である場合には、一方の単位テープ心線に含まれ、第1色で着色された光ファイバ心線及び第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、他方の単位テープ心線に含まれ、第1色で着色された光ファイバ心線及び第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、第1色、第2色及び第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第4色を着色し、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色、第2色、第3色及び第4色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、第3色及び第4色とで識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0085】
次に、別な多心テープ心線について説明する。図17は、多心テープ心線70の構成を示す断面図である。なお、同様な要素には同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。多心テープ心線70は、5本の複合テープ心線71〜75を備えている。各複合テープ心線71〜75は、4心の単位テープ心線を10本並列に配置し、10本の単位テープ心線を拘束する透光性の拘束部材としての機能を有する被覆材22で拘束された構成を有している。例えば、複合テープ心線71は、10本の単位テープ心線71A〜71Jが被覆材22で拘束されている。
【0086】
このように、多心テープ心線70は、200心の光ファイバ心線を備えている。なお、多心テープ心線70に含まれる単位テープ心線を構成する光ファイバ心線の本数は、4心に限定されず、例えば、8心、12心等の3心以上であればよい。
【0087】
次に、多心テープ心線70を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンについて説明する。図18は、多心テープ心線70を構成する光ファイバ心線に着色される配色パターンを示す図である。
【0088】
各単位テープ心線71A〜75J内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線(トレーサ光ファイバ心線)aは、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線を識別するために、同じ複合テープ心線の各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色される。
【0089】
複合テープ心線71では、単位テープ心線71Aの左端に配置された光ファイバ心線aが青色に着色され、単位テープ心線71Bの左端に配置された光ファイバ心線aが黄色に着色され、単位テープ心線71Cの左端に配置された光ファイバ心線cが緑色に着色され、単位テープ心線71Dの左端に配置された光ファイバ心線aが赤色に着色され、単位テープ心線71Eの左端に配置された光ファイバ心線aが紫色に着色され、単位テープ心線71Fの左端に配置された光ファイバ心線aが白色に着色され、単位テープ心線71Gの左端に配置された光ファイバ心線aが茶色に着色され、単位テープ心線71Hの左端に配置された光ファイバ心線aが灰色に着色され、単位テープ心線71Iの左端に配置された光ファイバ心線aが桃色に着色され、単位テープ心線71Jの左端に配置された光ファイバ心線aが橙色に着色されている。複合テープ心線72〜75についても、複合テープ心線71と同様の配色パターンで第1色が着色されている。
【0090】
各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線a以外の少なくとも1つの光ファイバ心線(サブトレーサ光ファイバ心線)dは、複合テープ心線71〜75を識別するために第2色が着色されている。
【0091】
複合テープ心線71では、単位テープ心線71Aの右端に配置された光ファイバ心線dが薄青色に着色され、他の単位テープ心線71B〜71Jの右端に配置された光ファイバ心線dが青色に着色されている。
【0092】
複合テープ心線72では、単位テープ心線72Bの右端に配置された光ファイバ心線dが薄黄色に着色され、他の単位テープ心線72A、72B〜72Jの右端に配置された光ファイバ心線dが黄色に着色されている。
【0093】
複合テープ心線73では、単位テープ心線73Cの右端に配置された光ファイバ心線dが薄緑色に着色され、他の単位テープ心線73A,73B、73D〜73Jの右端に配置された光ファイバ心線dが緑色に着色されている。
【0094】
複合テープ心線74では、単位テープ心線74Dの右端に配置された光ファイバ心線dが薄赤色に着色され、他の単位テープ心線74A〜74C、74E〜74Jの右端に配置された光ファイバ心線dが赤色に着色されている。
【0095】
複合テープ心線75の場合には、単位テープ心線75Eの右端に配置された光ファイバ心線dが薄紫色に着色され、他の単位テープ心線75A〜75D、75F〜75Jの右端に配置された光ファイバ心線dが紫色に着色されている。
【0096】
多心テープ心線70を上記の配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色が強調され、複合テープ心線72では黄色が強調され、複合テープ心線73では緑色が強調され、複合テープ心線74では赤色が強調され、複合テープ心線75では紫色が強調される。
【0097】
このように、図18に示す配色パターンの多心テープ心線70によれば、まず、複合テープ心線71〜75を第2色で強調される色に基づいて識別し、複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線を第1色に基づいて識別することにより識別作業性が向上する。また、図18に示す配色パターンの多心テープ心線70によれば、着色された光ファイバ心線の配置位置等を確認しなくても複合テープ心線71〜75と、複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線を識別できるので識別作業が容易になる。
【0098】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、10本の単位テープ心線を並列に配置し、10本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で10本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を5本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線ごとに異なる色の第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第1色で識別される。
【0099】
図19は、多心テープ心線70の他の配色パターンを示す図である。複合テープ心線71の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、46の配色パターンを組み合わせて構成される。複合テープ心線71は、複合テープ心線41の単位テープ心線41A〜41Eを単位テープ心線71A〜71Eとし、複合テープ心線46の単位テープ心線46A〜46Eを単位テープ心線71F〜71Jとして構成されている。
【0100】
複合テープ心線71と同様にして、複合テープ心線72の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、47の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線73の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線43、48の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線74の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線44、49との配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線75の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線45、50との配色パターンを組み合わせて構成されている。
【0101】
多心テープ心線70を図19に示す配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色が強調され、複合テープ心線72では黄色が強調され、複合テープ心線73では緑色が強調され、複合テープ心線74では赤色が強調され、複合テープ心線75では紫色が強調される。
【0102】
このように、図19に示す配色パターンの多心テープ心線70によれば、まず、複合テープ心線71〜75を第2色で強調される色に基づいて識別し、複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線を第2色が着色された光ファイバ心線の位置と第1色とに基づいて識別することにより識別作業性が向上する。
【0103】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、10本の単位テープ心線を並列に配置し、10本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で10本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を5本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、同じ複合テープ心線に含まれる複数の単位テープ心線の第1色が同色である場合には、第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置と、第1色とで識別される。
【0104】
図20は、多心テープ心線70の更に他の配色パターンを示す図である。複合テープ心線71の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、46との配色パターンを組み合わせて構成される。複合テープ心線71は、複合テープ心線41の単位テープ心線41A〜41Eを単位テープ心線71A〜71Eとし、複合テープ心線46の単位テープ心線46A〜46Eを単位テープ心線71F〜71Jとして構成されている。
【0105】
複合テープ心線71と同様にして、複合テープ心線72の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線42、47の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線73の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線における複合テープ心線73、78の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線74の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線における複合テープ心線44、49の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線75の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線における複合テープ心線45、50の配色パターンを組み合わせて構成されている。
【0106】
多心テープ心線70を図20に示す配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色が強調され、複合テープ心線72では黄色が強調され、複合テープ心線73では緑色が強調され、複合テープ心線74では赤色が強調され、複合テープ心線75では紫色が強調される。
【0107】
このように、図20で示す配色パターンにより多心テープ心線70を構成することにより、複合テープ心線71〜75は、第2色で強調される色に基づいて識別され、各複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線は、第3色が着色された光ファイバ心線の有無と第1色とに基づいて識別されるので識別作業性が向上する。
【0108】
以上、上記構成の多心テープ心線によれば、4心の光ファイバ心線を並列に配置した単位テープ心線を50本有し、10本の単位テープ心線を並列に配置し、10本の単位テープ心線を拘束する透光性の被覆材で10本の単位テープ心線を拘束した複合テープ心線を5本備え、各単位テープ心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、各単位テープ心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線の間では異色となるようにし、同じ複合テープ心線に含まれる2つの単位テープ心線の第1色が同色である場合には、一方の単位テープ心線に含まれ、第1色で着色された光ファイバ心線及び第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に第1色及び第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、各単位テープ心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、第1色、第2色及び第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であるので、各複合テープ心線は、第2色で強調される色で識別され、各複合テープ心線に含まれる各単位テープ心線は、第3色が着色された光ファイバ心線の有無と、第1色とで識別される。
【0109】
図21は、多心テープ心線70の別な配色パターンを示す図である。複合テープ心線71の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、42の配色パターンを組み合わせて構成されている。複合テープ心線71は、複合テープ心線41の単位テープ心線41A〜41Eを単位テープ心線71A〜71Eとし、複合テープ心線42の単位テープ心線42A〜42Eを単位テープ心線71F〜71Jとして構成されている。
【0110】
複合テープ心線71と同様にして、複合テープ心線72の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線43、44の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線73の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線45、46との配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線74の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線47、48の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線75の配色パターンは、図14に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線49、50の配色パターンを組み合わせて構成されている。
【0111】
多心テープ心線70を図21に示す配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色と黄色が強調され、複合テープ心線72では緑色と赤色が強調され、複合テープ心線73では紫色と青色が強調され、複合テープ心線74では黄色と緑色が強調され、複合テープ心線75では赤色と紫色が強調される。
【0112】
このように、図21で示す配色パターンにより多心テープ心線70を構成することにより、複合テープ心線71〜75は、第2色で強調される色に基づいて識別され、各複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線は、第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置や第1色等に基づいて識別されるので識別作業性が向上する。
【0113】
図22は、多心テープ心線70の更に別な配色パターンを示す図である。複合テープ心線71の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線41、42との配色パターンを組み合わせて構成されている。複合テープ心線71は、複合テープ心線41の単位テープ心線41A〜41Eを単位テープ心線71A〜71Eとし、複合テープ心線42の単位テープ心線42A〜42Eを単位テープ心線71F〜71Jとして構成されている。
【0114】
複合テープ心線71と同様にして、複合テープ心線72の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線43、44の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線73の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線45、46の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線74の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線における複合テープ心線47、48の配色パターンを組み合わせて構成され、複合テープ心線75の配色パターンは、図15に示す配色パターンの多心テープ心線40における複合テープ心線49、50の配色パターンを組み合わせて構成されている。
【0115】
多心テープ心線70を図22に示す配色パターンで配色することにより、複合テープ心線71では青色と黄色が強調され、複合テープ心線72では緑色と赤色が強調され、複合テープ心線73では紫色と青色が強調され、複合テープ心線74では黄色と緑色が強調され、複合テープ心線75では赤色と紫色が強調される。
【0116】
このように、図22で示す配色パターンにより多心テープ心線70を構成することにより、複合テープ心線71〜75は、第2色で強調される色に基づいて識別され、各複合テープ心線71〜75に含まれる各単位テープ心線は、第3色が着色された光ファイバ心線の有無や第1色等に基づいて識別されるので識別作業性が向上する。
【0117】
なお、複合テープ心線には、他の構成の複合テープ心線を用いてもよい。図23は、他の複合テープ心線の構成を示す断面図である。複合テープ心線80は、20本の光ファイバ心線を並列に配置し、20本の光ファイバ心線を被覆材81で拘束した構成を有している。複合テープ心線80は、一端から順に4本の光ファイバ心線a〜dで一つの単位集合心線を形成し、合計で5つの単位集合心線で構成されている。
【0118】
図24は、更に他の複合テープ心線82の構成を示す断面図である。複合テープ心線82は、20本の光ファイバ心線を並列に配置し、20本の光ファイバ心線を被覆材83で拘束した構成を有している。複合テープ心線82は、一端から順に4本の光ファイバ心線a〜dで一つの単位集合心線を形成し、合計で5つの単位集合心線で構成されている。被覆材83は、例えば、20本の光ファイバ心線に略同じ厚みで被覆されている。そのため、複合テープ心線82の表面は、各光ファイバ心線の間が窪んだ凹凸状に形成されている。このように、複合テープ心線の表面は、図23に示す複合テープ心線80の表面のように平坦だけでなく、凹凸状に形成されてもよい。
【0119】
図25は、別な複合テープ心線84の構成を示す断面図である。複合テープ心線84は、図1に示す多心テープ心線10を構成する複合テープ心線11〜15に対して、隣接する単位テープ心線の間に凹部85を形成するように被覆材22で各単位テープ心線を拘束して構成されている。凹部85は、複合テープ心線84の両面に形成されることが好ましい。複合テープ心線84における隣接する単位テープ心線の間に凹部85を設けることにより、各単位テープ心線ごとに分離する時に、凹部85から折り曲げることにより容易に各単位テープ心線を分離することができる。
【0120】
次に、多心テープ心線を用いた光ケーブルについて説明する。図26は、光ケーブル90の構成を示す断面図である。光ケーブル90は、ケーブルコア92と、ケーブルコア92の外周にポリエチレン樹脂等の合成樹脂で形成した外被94と、を備えている。ケーブルコア92は、多心テープ心線10と、多心テープ心線10を収容する筒状のチューブ96とを有している。チューブ96は、例えば、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂で円筒状に形成される。多心テープ心線10は、5つの複合テープ心線11〜15が順に積層した状態でチューブ96に収容されている。チューブ96の内壁と多心テープ心線10との間には、隙間98が設けられている。隙間98は、合成樹脂等の充填材で充填されてもよい。
【0121】
次に、多心テープ心線を用いた他の光ケーブルについて説明する。図27は、光ケーブル100の構成を示す断面図である。光ケーブル100は、ケーブルコア102と、ケーブルコア102の外周にポリエチレン樹脂等の合成樹脂で形成した外被104と、を備えている。ケーブルコア102は、ポリエチレン樹脂等の合成樹脂で形成した長尺のスロット106を備えている。スロット106は、その中心部に抗張力体108を有している。スロット106は、スロット106の外周に所定の間隔で形成され、多心テープ心線10を収容するためのスロット溝110が設けられている。スロット106は、例えば、スロット106の外周に略等間隔で3個のスロット溝110が形成される。スロット溝110は、例えば、長手方向に沿ってSZ撚り状に形成されている。また、スロット溝110は、長手方向に対して直交方向の溝断面が略矩形状に形成されている。各スロット溝110には、多心テープ心線10が収容される。多心テープ心線10は、5つの複合テープ心線11〜15が順に積層した状態でスロット溝110に収容されている。
【0122】
上記の光ケーブル90、100をコネクタ接続等するために外被94、104を剥いで多心テープ心線10を取り出したときに、多心テープ心線10を構成する複数の複合テープ心線11〜15が積層されている場合でも、上述した第2色で強調される色等に基づいて各複合テープ心線11〜15を識別できるので識別作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0123】
10、40、70 多心テープ心線
22、24、81、83 被覆材
85 凹部
90、100 光ケーブル
92、102 ケーブルコア
94、104 外被
96 チューブ
98 隙間
106 スロット
108 抗張力体
110 スロット溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
複数の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、前記同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項2】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、
異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、前記第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項3】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、
2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第3色が着色された光ファイバ心線の有無とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項4】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、
2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、他方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第4色を着色し、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色、前記第3色及び前記第4色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第3色及び前記第4色とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項5】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、前記同じ複合テープ心線に含まれる複数の単位集合心線の前記第1色が同色である場合には、前記第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置と、前記第1色とで識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項6】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、
同じ複合テープ心線に含まれる2つの単位集合心線の前記第1色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第3色が着色された光ファイバ心線の有無と、前記第1色とで識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の多心テープ心線であって、
前記第1色と前記第2色とは、JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい色であることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の多心テープ心線であって、
前記第2色は、前記各単位集合心線に含まれる他端の光ファイバ心線に着色され、
前記各単位集合心線に含まれる光ファイバ心線の前記第1色と前記第2色とを同色系とする場合には、前記第2色を、前記第1色よりJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcを30以下とすることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載の多心テープ心線であって、
前記単位集合心線は、単位テープ心線であることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項10】
光ケーブルであって、
請求項1から9のいずれか1つに記載の多心テープ心線を有するケーブルコアと、
前記ケーブルコアの外周に設けられ、合成樹脂で形成される外被と、
を備えることを特徴とする光ケーブル。
【請求項1】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
複数の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、前記同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項2】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、
異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、前記第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項3】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、
2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第3色が着色された光ファイバ心線の有無とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項4】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線ごとに異なる色の第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系であり、
2つの異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間の前記第2色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、他方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第4色を着色し、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色、前記第3色及び前記第4色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色と、前記第3色及び前記第4色とで識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第1色で識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項5】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、前記同じ複合テープ心線に含まれる複数の単位集合心線の前記第1色が同色である場合には、前記第2色は、お互いに異なる配置位置の光ファイバ心線に着色され、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第2色が着色された光ファイバ心線の配置位置と、前記第1色とで識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項6】
多数の光ファイバ心線を備える多心テープ心線であって、
3心以上の光ファイバ心線を並列に配置した単位集合心線を複数有し、
複数の単位集合心線を並列に配置し、前記複数の単位集合心線を拘束する透光性の拘束部材で前記複数の単位集合心線を拘束した複合テープ心線を複数備え、
前記各単位集合心線内の基準となる一端に配置された光ファイバ心線は、第1色で着色され、
前記各単位集合心線内の第1色で着色された光ファイバ心線以外の少なくとも1つの光ファイバ心線は、第2色で着色され、前記第2色は、同じ複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では同色系となり、異なる複合テープ心線に含まれる各単位集合心線の間では異色となるようにし、
同じ複合テープ心線に含まれる2つの単位集合心線の前記第1色が同色である場合には、一方の単位集合心線に含まれ、前記第1色で着色された光ファイバ心線及び前記第2色で着色された光ファイバ心線以外の光ファイバ心線に前記第1色及び前記第2色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の第3色を着色し、
前記各単位集合心線に含まれる残りの光ファイバ心線は、前記第1色、前記第2色及び前記第3色に使用される色以外の色でかつJISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40以下の色で着色されるか、または非着色であり、
前記各複合テープ心線は、前記第2色で強調される色で識別され、前記各複合テープ心線に含まれる各単位集合心線は、前記第3色が着色された光ファイバ心線の有無と、前記第1色とで識別されることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載の多心テープ心線であって、
前記第1色と前記第2色とは、JISZ8729におけるL*a*b*表色系の彩度C*が40より大きい色であることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の多心テープ心線であって、
前記第2色は、前記各単位集合心線に含まれる他端の光ファイバ心線に着色され、
前記各単位集合心線に含まれる光ファイバ心線の前記第1色と前記第2色とを同色系とする場合には、前記第2色を、前記第1色よりJISZ8729におけるL*a*b*表色系の色差ΔEcmcを30以下とすることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載の多心テープ心線であって、
前記単位集合心線は、単位テープ心線であることを特徴とする多心テープ心線。
【請求項10】
光ケーブルであって、
請求項1から9のいずれか1つに記載の多心テープ心線を有するケーブルコアと、
前記ケーブルコアの外周に設けられ、合成樹脂で形成される外被と、
を備えることを特徴とする光ケーブル。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2011−175100(P2011−175100A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39205(P2010−39205)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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