説明

多成分系ミネラル製剤の製造方法

本発明は、植物材料又は動物材料を用い、少なくとも2つの異なった、熱酸化、物理的分離処理工程を実施することにより、毒性物質の少ない或いは無い多成分系ミネラル製剤を製造する方法に関する。こうして製造されたミネラル製剤は、その特徴として、当該植物により地球から抽出されたミネラル類を生体利用効率の高い形態で実質的に含んでなり、熱変性有機化合物含有量が非常に低い。本来的に貧溶性の微量元素がコロイド形態で存在しているために好ましく、その結果として生物学的摂取性が非常に良好である。本ミネラル製剤は、分析によっては検出できないが生物に対し顕著な活性化効果を及ぼす微量元素の全てを含有しているため、現在入手し得るミネラル製剤の健康やフィットネスに対する効果を遥かに凌駕する効果を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多成分系ミネラル製剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、健康上の理由から、植物性ミネラルを特に灰化プロセスにより製造することが知られている。植物性ミネラルは、人工的に合成されるミネラル製剤と比べ、より多彩でしかも均質に分布したミネラルを含有するという長所を有している。それによれば、その基本コンセプトから、個々のミネラル成分の配合量が当該植物の栄養生理学的常識量と対応する限りは、個々のミネラル成分が過剰に配合される怖れが殆どないことが保証されている。
【0003】
ドイツ特許出願公開第3727417号明細書によると、ミネラル製剤は、有機材料又は植物性材料の灰化により簡単に製造することができる。それによると、植物性材料に最高920℃の温度で不連続熱処理を施すことにより、当該製剤を簡単に製造できるとされている。
【0004】
しかし、その場合、何よりも特にプロセス技術の分野において、全てに先がけて有害物質を含まない高純度の配合物を得ようと試みる場合に問題が生じる。これについては、技術的に有利に実行することができるプロセスにおいて、強い毒性作用をもたらしかねない中間生成物により、生成物が継続的に汚染されないようにすることが肝要である。それに加えて栄養生理学的見地からは、ミネラル基質が可溶性の生物学的利用能を有する化学種にほぼ完全に変換されることが極めて望ましい。しかしここでは、このテーマについて論じない。
【0005】
特開平4−016164号、灰化有機物質をベースとするミネラル製剤の調製について説明しており、それによれば灰が、酸抽出、アルカリ抽出、又は中性抽出のいずれかにより抽出されるようになっている。しかしその場合も、灰化工程の有害物質の問題についても、又、例えばどうすれば抽出不能なミネラル成分の割合を高めることができるか等の可能性についても論じられてはいない。
【0006】
高溶解度の中性塩を得るためには、特開2001−292725公報に記載されているように、湯を使用してサリコルニアという名前の植物を抽出し、乾燥し、続いてこの抽出物を4時間かけて灰化することができる。しかしその場合、何よりも特にカリウムやナトリウム等の易溶性ミネラルが得られる反面、微量の希土類元素ミネラルの大半が、水抽出によっては植物性原料から溶け出さず、そのために生成物に入り込むこともない。それにより、自然界の植物濾過によるミネラルの多彩な分布が歪められることになる。
【0007】
従来技術について総括すると、灰ベースのミネラル製剤の品質、即ち有用性又は毒性は、プロセス工学において主題となることも斟酌されることもない有害物質による汚染に極めて敏感に関係すると言うことができる。それに加え、これらの文献中で説明されている方法は、バッチプロセスにおいてのみ、しかも極微小の生産量で実施されるものであると断言することができる。これまでに開発されているプロセスのスケールアップは技術的に全く不可能である。
【0008】
有害物質を発生せずに灰化するというプロセス技術上の解決策は、ひとえに清浄な生成物が半製品により汚染されないようにすることにかかっている。しかしそれによれば、中間生成物、即ち1次酸化材料が強い毒性を示す点、更にそれによる最終生成物のいかなる汚染も排除されなければならない点、即ちミネラル化生成物のプロセス内の搬送が完全に制御可能であると同時に再現性に優れたものでなければならない点が問題を複雑化している。
【0009】
特にこのプロセスにおいては、灰化の間の膨大な体積減少が大きな問題となっており、それにより、完全に灰化された部分と一部だけしか灰化されなかった部分との不均質な混合が行われてしまう。他にも気化した有害ガスが灰に吸着されることにより、灰を汚染するという事情も、従来技術によっては克服できない問題となっている。
【0010】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第3727417号
【特許文献2】特開平4−016164号
【特許文献3】特開2001−292725号
【特許文献4】欧州特許第0891718号
【非特許文献1】H.Rumpf、「Mechanische Verfahrentechnik」、Carl Hanser Verlag/Munchen−Wien、1995、12〜15頁
【非特許文献2】A Biginners Introduction to Trace Minerals,Erwin Dicyan Keats Publishing,Inc.New Canaan,Conneticut/USA
【非特許文献3】Physikalische Chemie;W.J.Moore及びD.O.Hummel、Walter de Gruyter、1983、1158頁以下
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、可能な限り完全な、即ち、人体の活力を保証し増強する全てのミネラルが含まれる一方、健康上憂慮される物質は含まれない多成分系ミネラル製剤を得ること、並びにその製造方法を提供することにある。そこでは、有害物質を含まないことが、製造プロセスにおいて既に保証されることが肝要である。なぜなら、清浄化工程として、例えば結晶化プロセスを適用することが、重要な微量元素/ミネラルが失われるおそれがあるために不可能であるからである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題は、本発明により、各独立クレームに記載される特徴によって解決される。
本発明に係る有害物質を含まない多成分系ミネラル製剤の製造方法は特に次の各工程を有している。
a.植物性又は動物性起源の有機原料を第1熱処理ゾーンにおいて1次熱酸化する工程
b.1次熱酸化処理生成物を第2熱処理ゾーンに搬送する工程
c.1次熱酸化処理生成物を2次熱処理ゾーンにおいて2次熱酸化する工程
以下の説明においては、便宜上、1次熱酸化処理を1次酸化、2次熱酸化処理を2次酸化、1次熱酸化処理生成物を1次酸化物、2次熱酸化処理生成物を2次酸化物と略記すこともある。
【0013】
1次熱酸化処理は、広く一般に行われる灰化に相当する。そこでは、プロセス技術上、灰又は1次酸化物を可能な限り粉末状で得ることに主眼が置かれる。そのため、燃焼加熱炉を利用できるようにするために、加熱炉の各種パラメータが、可能な限り広範な自動熱処理運転において、確実な間隔を開けて灰の融点から乖離するように設定される。これとは逆に2次熱酸化処理は、1つには、自動熱処理運転の他にも更に、残留有機化合物及びコークス化した炭素の比率を健康上憂慮されるレベル未満に低下乃至は最小限化すること、及び、1次酸化物の不溶成分を微量の可溶化学種に変換させることを目的としている。正にこの不溶成分に、高価値の微量元素及び極微量元素が含まれているので、これらは可能な限り高収量で有益な方法により可溶化されなければならない。これについては、粉末粒子の焼結又は融解が行われ、これらの微量可溶化学種が高収率で生成されるようなプロセス条件が、殊の外有用であることが判明している。ここで言う「微量可溶化学種」とは、2次酸化物を酸、特にクエン酸で置換することにより可溶となる又はコロイド状となるような化学種のことであると理解されたい。
【0014】
このため2次熱酸化処理は、通常、1次熱酸化処理よりも高温で、すなわち1次熱酸化処理温度より、通常は少なくとも10℃、好ましくは少なくとも30℃、更に非常に好ましくは少なくとも50℃高い温度で行うようにする。ただし、特別の場合には、この温度は1次熱酸化処理温度よりも200℃以上高くても良い。
2次熱酸化処理工程において生成傾向のある粒質物及び/又は溶融物は、本発明の好ましい実施形態の一例においては再度粉砕される。
【0015】
本発明に係る方法により、酸溶解度を少なくとも95%、好ましくは少なくとも98%、更に非常に好ましくは99%以上に高めることが可能であり、また、それにより更に、難溶性と考えられている化学種が可溶性を示すと同時に生物学的利用能を有するようになる。欧州特許第0891718号明細書の実施例1に記載の方法では、通常の灰化により、仮に可溶性灰の含有率が比較的高い原料であったとしても、せいぜい90%台の灰成分の酸溶解度が得られるに過ぎない。
【0016】
可能な限り粉末状で流動性の1次酸化物をもたらす燃焼温度は、原料に応じて選定される。選定される温度は、500℃と3,000℃の間、好ましくは600℃と1,200℃の間、更に非常に好ましくは750℃と1,050℃の間であることが好ましい。
【0017】
1次酸化物は、当初の炭素含有率の通常は最大30%、好ましくは最大10%、更に非常に好ましくは最大3%を有機結合炭素として含有する。
1次酸化物は通常、冷却され、篩にかけられ(通常は1mm未満、好ましくは0.2mm未満の篩目)、場合により中間貯蔵されてから、第2熱処理ゾーンに搬送される。両熱処理ゾーンのこの空間的分離については、両ゾーンとも設備に組み込まれている同一上位プラント内において実施されるとよいが、2つの完全に異なる生産現場で実施されてもかまわない。
【0018】
植物性又は動物性起源の有機原料として、全ての種子植物(種子植物科)を使用することができるが、他にも藻類を使用することができる。種子植物とは、例えば、根菜類、塊茎類、鱗茎類、葉柄類、葉菜類、穀菜類、果菜類である。しかし、他にも飼料草類や飼料豆類等の飼料植物であってもよい。薬用植物とは、例えば、スギナ、フクジュソウ、マンドラゴナ、アルム、更に、レモンの皮、オリーブの搾りかす、材木、イラクサ、ホウレンソウ、サトウダイコンの搾りかす等であり、表1を参照されたい。
【0019】
【表1】



【0020】
特別な動物、又は、骨や特別な組織等の動物の一部についても、植物ほどには好ましくないにせよ、何の問題もなく使用することができる。医学的な考慮からは、特に治療目的での数種類の微量元素の「自然な」蓄積が行われることが所望されることからも、特別な植物又は動物の一部の使用が興味深い。非常に高価値の原料として看做されるのは、これまでに一度も集約的農業経営が行われたことがない特定の山間牧草地の草、並びに海藻類である。それ以外の高価値な原料として、他にもオリーブの葉、カエデの葉、カバの葉、イラクサ、アロエベラ、タイム等の葉を挙げられる。非常に好ましいものとしては、例えば野草及び/又は下草、チョウセンニンジン等の、根及び根の一部を挙げることができる。他にもキノコ類及びキノコの根を挙げることができる。
特に抽出かす、又は圧搾かすにはミネラルが豊富に含まれており、非常に高価値であるために、これらを使用すると有利である。
【0021】
2次熱酸化処理は、プッシャ式加熱炉、ローラコンベヤ式加熱炉、又はベルトコンベヤ式加熱炉において準連続式に行なうことが好ましい。他にも外部加熱方式の回転管や、スクリュフィード機構を備えた外部加熱方式の管においても、連続処理が可能である。1次熱酸化処理とは対照的に、2次熱酸化処理は、外部熱源により制御され、場合によりマイクロ波も使用されるようになっている。
【0022】
本発明方法は、2つの異なる加熱ゾーンを備えたバッチ運転においても実施することができるが、少なくとも一部については連続的なプロセス管理が行われることが好ましく、またその際には2次酸化工程が連続稼動されることが好適である。
【0023】
本発明方法には、更にもう1つの変形例が含まれており、それによれば収穫地において既に植物の1次酸化工程が実施され、1次酸化物が2次酸化工程用の場所に輸送され、そこで上述の方法に従って更に処理されるようになっている。
【0024】
この場合、2次熱酸化処理は通常の空気雰囲気中で実施することができるが、酸素過剰又は純酸素雰囲気、及び/又は水蒸気雰囲気中で実施されると有利である。酸素過剰雰囲気又は水蒸気雰囲気の長所は、1つには、この雰囲気が持つ高い酸化能にあり、それにより、本来不活性な貴金属の酸化が支援され、その生物学的利用能が向上される。他にも、そのままでは生成物にかなりの毒物学的負荷をかけかねない窒素酸化物の生成が抑えられるようになる。
第2熱処理ゾーン内での滞留時間は、使用温度域に応じて、通常20分から100時間、好ましくは2時間〜36時間に設定される。
【0025】
粉砕は、最も単純な形式では、乳鉢又はボールミルで済ませることができる。この場合は粉砕プロセスを乾式法で実施することもできるが、湿式法を援用すると有利であり、それにより通常は粒子サイズを更に大幅に低減できるようになる。湿式粉砕法と乾式粉砕法とを組み合わせて使用することも可能である。湿式粉砕は、pH8と16との間、非常に好ましくは10と14との間のpH域で行われると好適である。このpH域において粉砕物の凝集傾向は最小となる。投入しなければならない粉砕エネルギは、ビードミルの場合で0.1〜10Wh/kgである。
【0026】
それ以外にも粉砕物は、有機酸、特にクエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、乳酸、酢酸、及び酒石酸、並びにその類似物の酸混合物により置換されるとよい。
乾式粉砕法では、粉末が、カプセル/ゼラチンカプセルに封入されるか、又は結合剤、好ましくはラクトースを使用して錠剤状に圧縮されるとよい。
【0027】
粉砕物を、有機酸、特にクエン酸、及び/又はリンゴ酸、及び/又は乳酸、及び/又は酢酸、並びにその類似物の酸混合物により置換することによって、図1に示すように、大半のコロイド粒子クラスタサイズが100nm未満である、数多くの微量元素及び極微量元素を含有したコロイド液を調製することができる。
【0028】
本発明に係るミネラル製剤は、サプリメント、食品添加剤、化粧品、医薬品として使用することができ、またその際の摂取は、経口、吸引、静脈注射、直腸内投与、又は外用のいずれかにより行うことができる。
【0029】
他にも健康上の観点から、元の原料からの絞り汁又は抽出物を、場合により粉末として乾燥させたものに、最後に本発明により製造されるミネラル液を、好ましくは上述の酸を加えた形態で組み合わせることにより、食料品、乃至はサプリメント、バランスの取れたダイエット食品、又は、各種植物の栄養生理学的に最重要の成分を高度に濃縮した形で含有した添加剤を得ると有利である。
【0030】
本発明に従って製造されたミネラル製剤は、当然ながら別のミネラルと混ぜ合わせることが可能である。その際には本発明に従ったミネラル製剤が、市販のミネラル製剤に少なくとも2%混合されると有益であり、それにより市販製剤のバランスが格段と向上するようになる。よって、本発明に係るミネラル製剤を混合することにより食料品についてもその種類を問わず品質価値を高めることができる。
【0031】
本発明に係る方法により製造されるミネラルは広範囲製剤として適しており、コロイド銀を使用するような治療にも推奨されるものである。本発明によって製造される製剤は、特に重金属中毒、慢性嘔吐、偏頭痛、アレルギー、循環器疾患、高血圧の各兆候に対し、極めて有効である。これらの兆候については、専門家により、微量元素の欠乏と疾患の発症の間の強い関係が観察されている。
【0032】
本発明に係る方法の従来技術に対する効果を以下まとめて説明する。有害物質を含まない自然起源の多成分系ミネラル製剤が初めて技術的に調製可能となり、使用できるようになる。自然界でバランスの取れた多彩な分布を示しているミネラル及び微量元素が、多くのミネラルが失われてしまっている食事の最適サプリメントとして、人体独自のミネラル貯蔵場所をミネラルで満たす補助手段となる。それにより服用者の免疫系は強化される。「天然ミネラルのカクテル」はミネラル治療に際し大きな許容差を有している。また、その際には、一方的な負荷が生じる可能性が皆無であるため、健康被害が憂慮される事態を招くおそれはない。カリウム/ナトリウム含有率が高いために、体液はアルカリ化され、即ち人体内pHが上昇し、老廃物が溶け去り、その結果、優れた血圧調節機能、循環器疾患の予防効果、細胞内に入る酸素流束の増大、身体エネルギの増大がもたらされ、健康及びフィットネスレベルが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施例を説明する。混合林の木材を、通常の燃焼加熱炉において約800℃の温度で灰化乃至は1次熱酸化処理した。1次酸化物を篩目0.1mmで篩にかけ、視認できる量の炭素粒子を得た。これは、特に1次酸化物を水中に投じた時に、水の表面にぎっしりと浮かび上がった。篩にかけた後の1次酸化物を磁製るつぼに入れ、マッフル炉において24時間、1,100℃において酸素を掃気しながら熱酸化処理を施した。この2次酸化物は十分に融解しており、冷却後にるつぼからこれを掻き出した。2次酸化物をボールミルで粉砕し、篩目0.1mmで篩にかけた。有機物質又はコークス化した物質に、肉眼で確認できる不純物も、また熱分析法により測定できるような不純物も含まれてはいなかった。
【0034】
このようにして得た粉末は、様々な食料品に混ぜ入れたり、例えばラクトースを使用して錠剤状へ圧縮したり、ゼラチンカプセルに封入したり、或いはその他の多くの用途に適したものである。
【0035】
別に、上記2次酸化物1kgを、水10lと一緒に、回転中の粉砕用ビードミルで、径1.5から2.5mmのビーズを使用し、0.5Wh/kg(固形物)のエネルギを投入して予備粉砕し、第2粉砕工程で、径0.3〜0.4mmのビーズを使用し、3Wh/kg(固形物)のエネルギを投入して粉砕した。
【0036】
そこで得た懸濁液2.0gのpHをクエン酸で3と5との間に調整し、150mlの水で希釈した。それにより得たコロイド液を回折測定に基づいて特性化し(図1を参照)、更に誘導結合プラズマを使用して質量分析法により調査した(表2を参照)。
【0037】
図1に関する注意点:測定は、クレフェルト市のベックマン・コールター社(Beckmann−Coulter GmbH)の分光計、型式LS230を使用して、PIDS理論(偏光散乱強度差計測)を採用したレーザ回折分光法に基づいて実施し、体積密度分布q3に基づいて粒度分布を計算し、グラフに記入した(H.Rumpf、「Mechanische Verfahrentechnik」、Carl Hanser Verlag/Munchen−Wien、1995、12〜15頁を参照)。
【0038】
【表2】



【0039】
次に、本発明の更に別の側面について説明する。
本技術分野における今日のミネラル製剤は、主として個々の塩を混ぜ合わせて作られている。本来的に体内に存在しているミネラルについては、定められた配合量で、決められた通りに摂取することが有益であるという前提が、混合組成の基礎となっている。しかしながら混合組成の決定は、最終的にはむしろ任意に委ねられている。なぜなら、特に微量元素の推奨できる少配合量を普遍的妥当性をもって明言できるほど十分には医学的ノウハウに進展が見られていないからである。亜鉛、モリブデン、クロム、金、ロジウム、白金、ニッケル、コバルト、イリジウム、オスミウム等の微量元素は、ミネラル製剤においては通常無視される存在であるために、起源が異なる塩の「人工的」組成では、微量元素の投与が、とりわけカルシウム、マグネシウム、カリウム等の「主要ミネラル」との関係においても常に不自然な配合量で行われている。
【0040】
ミネラルの最適配合量については、なるほど数多くの意見が出されているが、その混合法については、それ自体が学問の1分野となっており、これに関する不可欠な知識は専門文献中に満ち溢れている。特に、微量元素が我々の肉体的精神的健康息災に及ぼす影響を評価するのは非常に難しく、微量元素の絶対配合量についても、また互いに対する相対配合量についても、一切制限がないも同然である。微量元素の配合量を推奨するに当たっての大きな問題は、この極微量元素の分野では化学分析が欠如しており、イリジウム、ロジウム、白金、金等の特定のイオンの存在量は、自然栄養素中において検出限界未満であるとしか言えないのがほとんど通常である。しかし、これらの元素種の化学から、特に均質に溶解した錯体種の触媒特性については、これらが他種と比較できない程のものであることが分かっている。特定の遷移金属錯体については、例えそれらが極めて微量であっても、一定の生体内反応が進行するか否かに対して、劇的な結果をもたらすこともある。
【0041】
微量元素の誤った過剰配合は、例えそれが極微量の範囲内であるとしても、重大な結果を招く可能性が高いので、これらの元素種は、市場で入手可能なミネラル製剤の枠からは除外されている。その結果、そのようなミネラル製剤では、微量元素が相対的に見て十分にはミネラル化されていない。また、そこでは、特に先進工業国においては、集約農業を行うことで耕作地の微量元素含有率がただでさえ既に非常に低下しており、また、それ故に野菜や果実の微量元素含有率も大幅に低下している点が重要な問題となっている。専門家は、人体独自のミネラル貯蔵量が、年齢を重ねるにつれ著しく低下すると想定している。これは、免疫不全疾患や癌の主因の1つである。
【0042】
専門家は、人工的に合成されるカルシウムを高配合量で含有したミネラル生成物は健康上の見地から憂慮されると断定している。ミネラルの役割は、特に先進工業国では人口の80%以上が間接的又は直接的に罹患している、循環器疾患、真菌性疾患、寄生虫病、及び免疫系の活力低下の原因となる慢性酸血症に対抗するために、人体pHを極力高い値に保持することにある。酸血症とは、体液、主にリンパ液中の酸濃度が、食事に起因して上昇する症状である。ミネラル成分が取り除かれた、著しい酸生成反応を示す小麦粉や砂糖等の食料品はこの症状の原因となっている。
【0043】
年月を経るにつれて、これらの酸は、アルカリ土類元素、特にカルシウムの陽イオンと結び付いて、所謂多分子性アルカリ土類塩である固形老廃物として体内に濃縮し、自由な血液循環を妨げ、それにより細胞内への酸素の運搬を妨げてしまう。この老廃物生成プロセスを解消若しくは少なくとも遅速化させようとするのであれば、一方ではpH値を高くするために、即ち難溶性の多分子性アルカリ土類塩を再び溶解するために、ミネラル製剤の投与が必要である。
【0044】
正にこの問題に関する研究を、ただ単に混ぜ合わせただけの、カルシウム及びマグネシウムを大量に含有した従来のミネラル塩混合物はおざなりにしている。難溶性のアルカリ土類塩を、更に別のアルカリ土類元素により溶解させることは不可能である。しかしながら実情はその逆を行っており、人体pH値を高くする目的で、カルシウム及びマグネシウムを大量に含有したミネラル製剤が利用されている。また、その際には、おそらくは高配合量で適用されるのであろうが、その場合は、老廃物の新たな塩の急性な堆積を来たしてしまい非常に危険であり、それにより循環系の機能を著しく阻害するか、または機能不全に陥らせる怖れがある。
【0045】
ミネラルの適用及び配合量については、互いに妨害し合うために同時に摂取することが許されない元素種が、もう1つの問題となっている。例えば、モリブデンはコバルトに対し拮抗作用を示し、また銅も亜鉛に対し拮抗作用を示す。これについては、A Beginners Introduction to Trace Minerals,Erwin Dicyan Keats Publishing,Inc.New Canaan,Conneticut/USAを参照されたい。
【0046】
現在配合量を変更することができる公知の微量元素が87種類あることを考えると、各種ミネラル製剤を人工的に混ぜ合わせる可能性が無限大であることは明らかである。最重要のミネラル製剤についてだけ、治験患者で長期的適用治験を行おうとしたところで、それには定量化がおよそ不可能な長い時間を要してしまうだろう。それだけでなく更に、微量元素の配合量の問題、即ち配合別の生物学的利用能及び効能という問題が付け加わる。例えば食用植物に蓄積された微量元素は、コロイド形態、即ち金属クラスタの形態で存在する。一流専門家の見解によれば、これらのクラスタは、夫々当該する塩よりも人体組織にとっては遥かに価値が高いといわれる。
【0047】
このため、ミネラル製剤の組成については植物の実際のミネラル化状態を手掛かりとするのが最善であると言える。
そこから、次の段階として、ミネラル製剤、所謂灰生成物の製造についてのアプローチ法が引き出される。それによれば、主に植物性原料の灰化により、自然界の植物濾過の故にバランスが取れたミネラル製剤を得ることが試みられる。
【0048】
ドイツ特許出願公開第3727417号明細書によると、ミネラル製剤は、有機材料又は植物性材料の灰化により簡単に製造することができる。それによると、植物性材料に最高920℃の温度で不連続熱処理を施すことによりかかる製剤を簡単に製造できるようになっている。
【0049】
しかし、それによれば、何よりも特にプロセス技術の分野において、全てに先がけて有害物質を含有しない高純度の配合物を得ようと試みる場合に問題を生じている。一方では可能な限り高温を選択することによって有機材料の可能な限り完全な分解を達成することが試みられており、他方では窒素酸化物の生成に対処するために温度を可能な限り低く維持することが所望されている。
【0050】
本技術分野で利用されている不連続式1段階灰化法では、これに更に灰化後の試料の温度勾配が大きいという問題が付け加わる。その結果、所謂コールドスポットへの有害物質の吸着や、原料の不完全な酸化といった問題を生じている。これらの効果はいずれも生成物全体を最終的に無用の長物にするものである。したがって適切なプロセス技術が、生成物が健康を増進するのか否か、それともむしろ毒性作用を示すのか否かについて、決定的な影響を与えることになる。上述の従来技術は、硝酸塩/亜硝酸塩、並びにその他の有機成分による汚染について一切言及してはいない。
【0051】
従来技術においては、微量ミネラルの生物学的利用能がもう1つの問題となっている。専門家の見解によると、微量ミネラルが金属性のコロイド状態で存在する場合に生物的利用能は非常に大きくなる。また、専門家の中にはクラスタサイズが原子数で10個と100個との間であるクラスタが人体組織にとって最良であると考える者もある。しかし従来技術はこの問題を取り扱っていない。
【0052】
特開平4−016164号には、灰化後の有機物質をベースとするミネラル製剤の調製が説明されており、それによれば灰が、酸抽出、アルカリ抽出、中性抽出のいずれかにより抽出されるようになっている。しかし、そこでも灰化プロセスの有害物質の問題については言及していない。
【0053】
高溶解度の中性塩を得るためには、特開2001−292725号に、湯を使用してサリコルニアという名前の植物から抽出し、乾燥し、続いてこの抽出物を4時間かけて灰化することが開示されている。しかし、それによれば何よりも特にカリウムやナトリウム等の易溶性ミネラルが得られる反面、微量の希土類元素ミネラルの大半が水抽出によっては植物性原料から溶け出さず、そのために生成物に入り込むこともない。それにより、自然界の植物濾過によるミネラルの多彩な分布が歪められることになる。
【0054】
従来技術について総括すると、灰ベースのミネラル製剤の品質、即ち有用性又は毒性は、有害物質による汚染に極めて敏感に関係すると言うことができる。それに加え、これら文献中で説明されている方法は、バッチプロセスにおいて、極微小の生産量で実施されるものに限られている。かかるバッチプロセスをスケールアップすることは技術的に不可能である。なぜならば、グラム台の試料における微小な熱伝導率、及び、流れと散乱の量子力学は、kg台又はトン台の試料のそれとは完全に別物であるからである。有害物質を発生せずに灰化するというプロセス技術上の解決策は、ひとえに清浄な生成物が半製品により汚染されないことに決定的に依存している。しかし、それによれば、中間生成物、即ち1次酸化材料が強い毒性を示す点、更にそれによる最終生成物のいかなる汚染も排除されなければならない点、即ちミネラル化生成物のプロセス内の搬送が完全に制御可能であると同時に再現性に優れたものでなければならない点が問題を複雑化している。
【0055】
特に、このプロセスにおいては、灰化の間の膨大な体積減少が大きな問題となっており、それにより、完全に灰化された部分と一部だけしか灰化されなかった部分との不均質な混合が行われてしまう。それ以外にも、気化した有害ガスが灰に吸着されることにより、灰を汚染するという事情も従来技術によっては克服できない問題となっている。
【0056】
本発明に係る製剤の本質的な長所は、有害物質を含まないことが、製造プロセスにおいて確実に保証されることにある。なぜなら、清浄化工程として、例えば結晶化プロセスを適用することが、重要な微量元素/ミネラルが失われてしまうおそれがあるために許されないからである。
【0057】
本発明に係る有害物質を含まない多成分系ミネラル製剤の製造方法は、特に次の工程を有している。
a.植物性又は動物性起源の有機原料を第1熱処理ゾーンにおいて1次酸化する工程
b.1次酸化材料を調質する工程
c.1次酸化材料を2次熱処理ゾーンに搬送する工程
d.1次酸化材料を2次熱処理ゾーンにおいて2次酸化する工程
本発明には更に、次の各特徴
a.植物性又は動物性起源の1次酸化材料の装填用の1つの装置
b.1次酸化材料を搬送するための1つのフィードユニット
c.1次酸化材料が搬送される1つの搬送ダクト
d.1つの加熱ゾーン
e.1つの排気ダクト
を具備したミネラル製剤の製造装置も含まれる。
【0058】
製造方法を2段階に分けることにより、何よりも特に2次酸化プロセスにおいて、ミネラル化する全ての体積要素の定義された滞留挙動が実現され、汚染されない最終生成物が容易に得られるようになる。
【0059】
1次酸化工程は500〜3,000℃の温度域で実施されるが、有機材料が500〜1,500℃で空気により酸化されるようにすると好適である。その場合は、当初の炭素含有率の最大40%、好ましくは最大10%が有機結合炭素として得られるようになる。
【0060】
本発明に係る装置並びに方法においては、少なくとも2次酸化工程の稼動方式が連続式又は準連続式であると有利である。ここで、準連続式とは、1次酸化材料を、2次酸化工程を通して、ところてん方式に少しずつ搬送乃至は押し出すことが可能であることを意味している。
【0061】
1次酸化材料の調質は2次酸化工程のためにも有利である。2次酸化工程において最終的にばらつきのない一様な滞留時間を達成するためにも粉末母材は極めて均質なものでなければならない。2次酸化材料の定義されたばらつきのない滞留時間により、発生する排出ガスの均質な滞留時間とあいまって、最終的には、有害物質を含まない生成物を許容しうるコストで実現するプロセスを構築することができる。
【0062】
その場合、酸化ガスの流れ挙動が重要な流体力学パラメータとなる。酸化ガスは、定義された形で1次酸化材料の粉末母材を通って流れるようになっており、その際のガス流速は、1mm/秒と4m/秒の間、好ましくは2cm/秒と1m/秒の間となっている。
【0063】
1次酸化材料を2次温度処理ゾーンに搬送するための搬送ユニットは、1次酸化材料を圧縮することにより、その調質を行うようになっている。その際には圧力が、1kPaと10,000kPsの間にまで増大するようになっている。この調質/圧縮は、ばらつきのない滞留挙動と並び、2次酸化工程で発生した排出ガスがミネラル基質を通り定義された形で流れるようにするために重要である。他にも、2次酸化工程において排出ガスが1次酸化物の運動方向と同じ向きに流れるように、排出ガスが流れる向きが選定されると有利である。プロセス技術的には逆流が模索されて然るべきであるにもかかわらず、これには評価すべきである実際上の理由がある。1次酸化物は、排出ガスも含め、鉛直方向上向きに移動すると非常に有利である。なぜなら、それにより搬送ユニットの温度負荷を限定することができるからである。
【0064】
1次酸化材料の調質は、場合により、2次酸化工程において完全に混合されることはないと思われる粗い粒子を篩い分けることにより行う。その場合は、粒径1mm未満、好ましくは0.2mm未満の粒子だけが2次熱処理ゾーンに進むことができるように篩を選択すると有利である。
この調質の枠内で、1次酸化物の温度は、少なくとも50℃、好ましくは少なくとも100度、更に非常に好ましくは少なくとも300℃低下するようになっている。
【0065】
1次酸化工程では、本発明に係る方法により、最低65%、好ましくは最低80%の体積減少が行われるが、これによりその後の処理工程において、プロセス内のハンドリング性及び可制御性に関して大幅な簡素化がもたらされる。本明細書及び特許請求の範囲において1次酸化物という概念は、1次酸化工程のピーク温度と2次酸化工程のピーク温度との間に存在している中間生成物であると解釈される。生成物は、この第2のピーク温度をやり過ごした後に、2次酸化物と呼ばれる。
【0066】
2次酸化工程は、ここでは外部加熱方式の管、又は環状隙間の内部で実施されると好ましく、1次酸化物は、例えば回転するフィードスクリュにより、管内を移動されるようになっている。搬送システムとしては他にも、プッシャ又はピストン弁機構が適しているが、それ以外にも、フィードユニット、搬送ダクト、及び加熱ゾーンを一体化した回転管も、それが同時に加熱される場合は、非常に適している。外部加熱方式であると有利であるが、酸素過剰雰囲気で燃焼ガスを直接噴射するようにしてもかまわない。
【0067】
それに加え、2次酸化工程は、酸素過剰又は純酸素、水蒸気、又は相応の混合気の雰囲気下で実施されると有利であり、それにより酸化温度が低下し、NOx並びに硝酸塩/亜硝酸塩の生成が大幅に低減乃至は抑止されるようになる。そのために本発明に従った装置には、場合により、相応の酸化ガス/混合気を酸化領域に定義された形で送り込むようになっている、1つのガス供給部が備えられる。
【0068】
1次酸化物の2次熱処理ゾーン内の滞留時間及び流れ速度は、最終生成物の品質を決定付ける。この送り速度は、フライアッシュ酸化法では、0.1〜0.4m/秒の間、流動床法では0.01m/時間〜3m/分の間、好ましくは1m/時間と1m/分の間となっている。これは、流動床法については、2次熱処理エリアの加熱ゾーンの長さとの関係で、滞留時間が、1次酸化物の層厚が極微小である場合の5秒から、層が非常に厚い場合の48時間までであることを意味している。それによれば層厚が、1mmと50cmの間、好ましくは5mmと5cmの間で変化する。
【0069】
フライアッシュ酸化法については、2次熱処理ゾーン内の類型的滞留時間が、0.1秒〜2分の間、好ましくは0.5〜60秒の間となっている。
好ましいとは言えないが、場合により、1次酸化工程を2次酸化工程と同じ装置で実施することもできる。しかし1次酸化工程は、本発明に従って、完全に別の場所、例えば植物性出発材料の収穫地においても実施することができる。それにより中央酸化プラントまでの輸送コストを最適化することができる。このため、1次酸化工程と2次酸化工程との間には、1日以上の間を開けると好ましい。しかし、1次酸化工程が連続式で実施される場合は、この間隔が、数秒だけ、好ましくは最低5秒だけであってもかまわない。
【0070】
また、2次酸化物を水中に懸濁させ、オゾン及び/又は過酸化水素により処理するようにするとよく、それにより、未だ存在している最後の微量の有機不純物を除去することができる。
【0071】
場合により、懸濁並びに抽出プロセスにおいて、CO、又は炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリを決めた通り添加することによって、難溶性の炭酸カルシウムが捕束してもよいが、それにより最終的にはミネラル製剤の体内溶解度が、例え高配合量であっても改善され、その結果、所謂動脈硬化や、腎石、尿結石、及び胆石の形成を予防できるようになる。
【0072】
他にもミネラルに、最大限の生物学的利用能を持たせ、これにより吸収性を示す不溶性ケイ酸、二酸化ケイ素、及びケイ酸塩が分離されるようにすると有利である。健康に影響をもたらすこれらの物質の側面については、まだそれ程知られていないとは言え、これらをその他のミネラルから分離することは有益であると言えるだろう。更に、製剤が優れた生物学的利用能を有するように、製剤のpH値を調整することも有益である。また、分別抽出により製剤が様々な等級に区分されるようにするとよい。純水を使用した抽出により、カリウム並びにナトリウムの含有率が高い抽出物がもたらされる。弱酸抽出により、カルシウム及びマグネシウム、並びに鉄等の溶解性にさほど優れない微量元素が濃縮する。アンモニアを使用したアルカリ抽出により、カルシウム及びマグネシウムは乏しいものの、いずれにせよ微量元素を非常に豊富に含有した製剤がもたらされる。したがって、様々な医学的兆候を対象として、ミネラル製造を適切に製造することができる。
【0073】
最後に場合により、何よりも特に微量元素の生物学的利用能を劇的に増大させる最終製造工程が適用されるようにするとよい。微量ミネラルとして看做すことができるのは、次に元素記号:Li、Rb、Cs、Be、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、As、Sb、Bi、Se、Te、Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Yb、Luで示す各元素である。
【0074】
微量元素は、それがクラスタ形態である時に、人体による吸収性を大幅に改善することができる。この理由から、場合により、アルカリ性、中性、又は酸性水溶液が、少なくとも1種類の還元剤を使用して処理されるようになっている。還元剤の例は、水素、二酸化硫黄、ヒドラジン、グルコース、アルデビド、ラクトース等である。水素を相応の溶液中に泡立たせても有利であることが判明している。その場合はこの溶液に、還元反応を格段と加速化する相応の接種用コロイドを添加すると有益である。このような溶液は、基準水素電極に対し、+0.0V〜2.0V、好ましくは+0.1V〜1.5V、非常に好ましくは0.2V〜1Vの酸化還元電位を有している。
【0075】
クラスタサイズは、還元時間により制御することができる。本発明に係る製剤のクラスタは、5〜1,000,000原子/イオン、好ましくは10〜8,000原子/イオン、更に非常に好ましくは12〜600原子/イオンから成っている。その際のクラスタの平均直径は、0.3nmと500nmとの間、好ましくは0.7nmと100nmとの間である。これらのクラスタは、1種類又は数種類の微量元素から成るとよい。
【0076】
最後にこの溶液は、蒸発により濃縮されて、塩乃至は粉末として、様々な形で使用されるようにするとよい。またはコロイド液が、例えば経口で摂取する等、直接適用されるようになっている。
【0077】
クラスタサイズ乃至はコロイド粒子サイズは、何よりも特にコロイド液の光の拡散に基づいて決定することができる。それには、レイリー理論並びにデバイの拡張レイリー理論が役に立つが、他にも、入射光の散乱光に対する比をコロイドの粒子サイズと相関させたジム理論が役に立つ。これについては、Physikalische Chemie;W.J.Moore及びD.O.Hummel、Walter de Gruyter、1983、1158頁以下を参照されたい。クラスタサイズを決定する更に別の方法として、超遠心分離機内の沈降速度を望ましくは光学測定器を使用して決定する方法、並びに電気泳動法がある。
【0078】
本発明に係る方法は、2つの異なる加熱ゾーンを備えたバッチ運転においても実施することができるが、少なくとも一部については連続的なプロセス管理が行われると好ましく、またその際には2次酸化工程が連続稼動されると好適である。図1に実施例を示す。
【0079】
図1について説明する。1次酸化材料は、回転するスクリューにより搬送され、鉛直に配置された加熱ゾーンを通って押し出される。その際に加熱ゾーンは、電気抵抗により、又は誘導方式で、或いは更に電磁放射又はガス燃焼やオイル燃焼により、300〜3,000℃の間の温度に高めるとよい。酸素又は酸素過剰空気を送り込むことにより、1次酸化材料内のO分圧が上昇すると好ましく、それにより加熱ゾーン内の必要温度が低下する一方で、NOxの生成が大幅に減少するようになる。それによりもたらされる滞留時間のばらつきのない極めて一様な狭い分布とあいまって、最終的には、最終生成物の硝酸塩/亜硝酸塩濃度が極微小なものとなる。
【0080】
間接的な加熱方式の代わりに、ガス、好ましくは水素/酸素混合気を使用した直接的な加熱を行うようにしてもよい。この場合は、1次酸化材料のフライダスト酸化が行われる。しかし、この方法は、2次酸化材料をかなりの高体積流から再び分離する必要があるために、プロセス技術的に複雑であるばかりか、エネルギーコストが高くついてしまう。
【0081】
1次酸化工程は、プロセス技術的には複雑なものではない。1次酸化工程は、基本的に簡単な加熱炉で行うことができるが、竈で行っても良い。それによれば、灰化工程が十分に実施されていることだけが重要となる。これが実現された場合に限って、2次酸化工程をプロセス技術的に定義された形で実施し1次/2次酸化物の同時搬送及び排出ガスに関しての相互適合化が可能となる。
【0082】
それ以外にも、プロセス管理及びプロセス制御を簡単に行えることも、また本発明に係る方法の大きな長所である。排出ガスは、2次酸化物の粉末母材を完全に通り抜けて流れるために、排出ガスの汚染負荷は、生成物の汚染負荷に対応したものとなる。かかる理由から、適切なガス分析法により、好ましくは、質量分析用の検出装置を接続したガスクロマトグラフにより、排出ガスの監視結果に基づく生成物固有の監視も達成することができる。
【0083】
本発明に係る方法には、更にもう1つの変形例が含まれており、それによれば植物の収穫地において既に1次酸化工程が実施され、1次酸化物が2次酸化工程の場所に輸送され、そこで上述の方法に従って更に処理されるようになっている。
【0084】
最後に生成物の品質は、硝酸塩濃度に対するカリウムイオンとナトリウムイオンの合計の比を利用して簡単に評価することができる。硝酸塩濃度は、硝酸塩の亜硝酸への還元、及びそれに続くスルファニル酸による置換により正確に分析することができる。生成されるアゾ染料の強力な着色性により、硝酸塩含有率を簡単に決定することができる。
【0085】
高品質で高価値の製剤は、(Na+K)/(NO)比(NaKNOと略す)が、1,000、好ましくは10,000、更に非常に好ましくは100,000を上回る。植物成分をただ単に灰化するだけでは、1,000を上回るNaKNO値を得るのは不可能である。本発明に係る方法により、特に熱処理ゾーンに純酸素を送り込んだ場合に、10,000と100,000との間のNaKNO値が確認された。
【0086】
生成物の更にもう1つの特徴は、カリウム+ナトリウム対有機結合酸素比にある。製造工程におけるいかなる高温にも耐えた炭素化合物は生物学的分解がもはや殆ど不可能であり、一般に強い毒性を示す。このような有機残滓は有機化学において微量成分分析分野で広く一般に行われている方法により決定される。
【0087】
本発明に従って製造されたミネラル製剤は、当然ながら別のミネラルと混ぜ合わせることが可能である。その際には、本発明に係るミネラル製剤が、市販のミネラル製剤に少なくとも2%混合されると有益であり、それにより市販製剤のバランスが格段と向上されるようになる。当然ながら、本発明に係るミネラル製剤を混合することにより食料品についても種類を問わずその品質価値を高めることができる。
【0088】
原料としては、原則的に全ての植物を、ここでは植物のあらゆる部分を含めて、使用することができる。しかし植物ほどには好ましくないにせよ、特別な動物、又は、骨や特別な組織等の動物の一部についても、何の問題もなく使用することができる。医学的な考慮からは、特に治療目的での数種類の微量元素の「自然な」蓄積が行われることが所望されることからも、特別な植物又は動物の一部の使用が興味深い。非常に高価値の原料として看做されるのは、これまでに一度も集約的農業経営が行われたことがない特定の山間牧草地の草、並びに海藻類である。それ以外の高価値な原料として、他にもオリーブの葉、カエデの葉、カバの葉、イラクサ、アロエベラ、タイム等の葉を挙げられる。非常に好ましいのは、例えば野草及び/又は下草、チョウセンニンジン等の、根及び根の一部である。他にもキノコ類及びキノコの根を挙げられる。
【0089】
本発明に係る方法により製造されるミネラルは、広範囲製剤として適しており、コロイド銀を使用するような治療にも推奨されるものである。本発明に従って製造される製剤は、特に重金属中毒、慢性嘔吐、偏頭痛、アレルギー、循環器疾患、高血圧の各兆候に対し、極めて有効である。これらの兆候については、専門家により、微量元素の欠乏と疾患の発症の間の強い関係が観察されている。
【0090】
本発明に係る方法の従来技術に対する効果を次にまとめて説明する。有害物質を含まない自然起源の多成分系ミネラル製剤を初めて使用に供することができる。自然界でバランスの取れた多彩な分布を示しているミネラル及び微量元素が、多くのミネラルが失われてしまっている食事の最適サプリメントとして、人体独自のミネラル貯蔵場所をミネラルで満たす手助けをする。それにより服用者の免疫系は増強される。「天然ミネラルのカクテル」は、ミネラル治療に際し大きな許容差を有している。また、その際には、一方的な負荷が生じる可能性が皆無であるために、健康被害が憂慮される事態を生じる怖れはない。カリウム/ナトリウム含有率が高いために、体液はアルカリ化され、即ち人体pHが上昇し、老廃物が溶け去り、その結果、優れた血圧調節機能、循環器疾患の予防効果、細胞内に入る酸素流束の増大、身体エネルギの増大がもたらされ、健康及びフィットネスレベルが向上する。
【0091】
実施例:
装置:装置は、内径22mmの管に材料を送り込む、スパイラル長5cm、直径20mmのスクリュフィーダにより構成される。管は、約80cm水平に延びた後、上に向かって曲げられており、垂直部の長さは約800mmである。水平領域には他にも純酸素用のガス供給部が備えられる。ガス供給部は、パティキュレートフィルタ<0.2μmにより1次酸化物から保護されている。垂直部の周囲は、高さ約500mm、管径40mmの管式加熱炉により取り囲まれる。垂直管の端部には、図1に示されるように、1次酸化物を冷却しながら下向きに排出すると同時に、排気を上向きに排気管内に排出するようになっている1つの分配器が締結されている。他にも加熱ゾーン内に取り付けられている熱電対を介して、管中央部の内部温度が測定される。排気ダクトに接続された質量分析器付きGCにより、排気の組成が決定される。
【0092】
方法:乾燥した牧草50kgを竈で焼却し、それにより得た、燃焼/薫蒸後も尚も強い臭気を放つ1次酸化物を篩目0.2mmで篩い分ける。収量3.2kg。篩い分けた1次酸化物を、ホッパからフィードスクリュに供給する。別途、ガス供給部から純度99.9%の酸素を約5L/分で送り込んだ。加熱ゾーンの管の表面温度を1,200℃に調節した。2次酸化物の押出速度は、1〜2g/分であった。内部温度は825℃であった。これらのパラメータに設定した時、排出ガス中に有害物質は一切含まれずに、CO及び微量のCOだけが観察された。得られた2次酸化物の硝酸塩の分析結果は陰性であった。得られた2次酸化物のうちの10gを1Lの水に溶かし、上澄みを取り除き、再び湯を加えて1Lとし、クエン酸を使用してpHを約3に調節した。この溶液を1次抽出物と一緒に混ぜ合わせた。一緒にしたこの抽出物の中に、フリットを使用して水素を5時間攪拌しながらバブリングした。時間の経過に伴い、溶液の濁りは益々激しくなった。このようにして得たコロイド液は、ミネラル飲料として既に適したものである。
【0093】
この溶液の一部を、回転式蒸発器で蒸発により濃縮し、残滓を乳鉢ですり潰した。得られた粉末は、様々な食料品に混入したり、例えばラクトースを使用して錠剤状に圧縮したり、ゼラチンカプセルに封入したり、或いはその他の多くの用途に適している。
【0094】
次に本発明の更に別の側面について説明する。
1.有害物を含まない多成分系ミネラル製剤の製造方法であって、
a.植物性又は動物性起源の有機原料を第1熱処理ゾーンにおいて1次酸化する工程
b.1次酸化材料を調質する工程
c.場合により、1次酸化材料を2次熱処理ゾーンに搬送する工程
d.1次酸化材料を2次熱処理ゾーンにおいて2次酸化する工程
を含むことを特徴とする方法。
2.前記1次酸化を500℃と3,000℃との間の温度で実施する前記1に記載の製造方法。
3.前記1次酸化工程の後に、当初の炭素含有量の最大40%が有機結合炭素として得られている前記1又は2に記載の製造方法。
4.前記2次熱処理ゾーンにおいて、前記1次酸化物の基質を通してガスを流し込む工程を有する前記1〜3のいずれか一つに記載の製造方法。
5.前記ガス流速が、1mm/秒と4m/秒との間、好ましくは2cm/秒と1m/秒との間である前記1〜4のいずれか一つに記載の製造方法。
6.前記2次酸化を連続式に実施する前記1〜5の少なくともいずれか一つに記載の製造方法。
7.前記1次酸化材料を圧縮する工程をさらに有しており、その際に1kPaと10,000kPaとの間の圧力を発生する前記1〜6のいずれか一つに記載の製造方法。
8.前記1次酸化材料を、1次熱処理工程経過後に、少なくとも50℃冷却する工程をさらに有している前記1〜7のいずれか一つに記載の製造方法。
9.前記1次酸化工程において少なくとも65%の体積減少が生じる前記1〜8のいずれか一つに記載の製造方法。
10.前記1次酸化材料を、前記2次熱処理工程投入前に、篩により分粒する工程をさらに有している前記1〜9のいずれか一つに記載の製造方法。
11.前記2次熱処理工程に、1mm未満、好ましくは0.2mm未満の粒子だけを投入する前記1〜10のいずれか一つに記載の製造方法。
12.前記1次酸化工程と前記2次酸化工程の間で、少なくとも100℃、好ましくは300℃以上の冷却を実施する工程をさらに有している前記1〜11のいずれか一つに記載の製造方法。
13.前記1次酸化工程において、有機炭素を少なくとも90%低減し、体積を少なくとも80%減少する前記1〜12のいずれか一つに記載の製造方法。
14.前記2次酸化工程において、前記1次酸化物を、外部から加熱される、又は外部からエネルギ投入が行われる1つのダクト、例えば1つの管を通って移動させる前記1〜13のいずれか一つに記載の製造方法。
15.前記1次熱処理ゾーンと前記2次熱処理ゾーンとが同一である前記1〜14のいずれか一つに記載の製造方法。
16.前記1次酸化物と排出ガスとが前記2次熱処理ゾーン内で同一方向に移動する前記1〜15のいずれか一つに記載の製造方法。
17.前記2次酸化を、酸素過剰又は純酸素雰囲気下、及び/又は水蒸気雰囲気下で実施する前記1〜16のいずれか一つに記載の製造方法。
18.前記1次酸化物が前記2次熱処理ゾーンを通る際の加熱ゾーンの自由断面に関する送り速度が、4m/秒と0.01m/時間との間である前記1〜17のいずれか一つに記載の製造方法。
19.前記1次酸化物が前記2次熱処理ゾーンを通る際の前記送り速度が、流動床法の場合、好ましくは1m/分と1m/時間との間である前記1〜18のいずれか一つに記載の製造方法。
20.前記2次酸化工程を経た材料を、特にクラスタを形成させるために、アルカリ性、中性、又は酸性水溶液に部分的に溶解して抽出する工程をさらに有している前記1〜19のいずれか一つに記載の製造方法。
21.オゾン及び/又は過酸化水素を前記水溶液中に投入する工程をさらに有している前記1〜20のいずれか一つに記載の製造方法。
22.前記1次酸化工程と前記2次酸化工程におけるピーク温度到達との間に、1秒以上、好ましくは1分以上、更に非常に好ましくは1日以上の間隔をおく前記1〜21のいずれか一つに記載の製造方法。
23.前記2次酸化物若しくは当該抽出物の水溶液を還元する工程をさらに有している前記1〜22のいずれか一つに記載の製造方法。
24.前記水溶液の酸化還元電位を白金電極で計測し、基準水素電極に対し−0.1V〜−2Vずらす工程を有している前記23に記載の製造方法。
25.ミネラル製剤の製造装置であって、
a.植物性又は動物性起源の1次酸化材料の装填用の1つの装置
b.前記1次酸化材料を搬送するための1つのフィードユニット
c.1次酸化材料が搬送される1つの搬送ダクト
d.1つの加熱ゾーン
e.1つの排気ダクト
を有していることを特徴とする装置。
26.前記加熱ゾーンが300℃と3,000℃との間の温度に加熱される前記25に記載の装置。
27.連続式又は準連続式に稼動される前記25〜26のいずれか一つに記載の装置。
28.さらに、1つのガス供給部を有している前記25〜27のいずれか一つに記載の装置。
29.前記加熱ゾーンがガス及び/又は電気により間接的に加熱される前記25〜28のいずれか一つに記載の装置。
30.前記1次酸化材料が前記加熱ゾーン内で5秒〜48時間の滞留時間を有する前記25〜29のいずれか一つに記載の装置。
31.前記ガス供給部に、酸素含有率少なくとも90体積%の酸素ガス源が接続されている前記25〜30のいずれか一つに記載の装置。
32.前記フィードユニット、搬送ダクト及び加熱ゾーンが、1つの加熱式回転管に一体化されている前記25〜31のいずれか一つに記載の装置。
33.前記加熱ゾーンが、1つのダクト、即ち、1つの管、又は1つの管状隙間である前記25〜32のいずれか一つに記載の装置。
34.前記加熱ゾーン内で前記1次酸化物が、1mmと50cmとの間、好ましくは5mmと5cmとの間の層厚を有する前記25〜33のいずれか一つに記載の装置。
35.前記1次酸化材料が、酸素過剰状態にあるガス炎により直接加熱される前記25〜34のいずれか一つに記載の装置。
36.前記1次酸化材料が、前記加熱ゾーン内で、0.1秒〜5分、好ましくは0.5秒〜60秒の接触時間を有する前記25〜35のいずれか一つに記載の装置。
37.前記フィード装置が、1つの回転管、又は1つのフィードスクリュ又はプッシャ要素である前記25〜36のいずれか一つに記載の装置。
38.前記1〜24のいずれか一つに記載の製造方法に従って製造可能な、又は製造されるミネラル製剤であって、(K+Na)/C(有機)質量比が、>100、好ましくは>1,000、更に非常に好ましくは>10,000であるミネラル製剤。
39.前記1〜24のいずれか一つに記載の製造方法に従って製造可能な、又は製造されるミネラル製剤であって、微量元素をコロイド形状で含有しているミネラル製剤。
40.(K+Na)/硝酸塩の比が、>1,000、好ましくは>10,000、更に非常に好ましくは>100,000である前記38〜39のいずれか一つに記載のミネラル製剤。
41.水溶液中で基準水素電極に対し、+0.0V〜2.0V、好ましくは+0.1V〜1.5V、非常に好ましくは0.2V〜1Vの酸化還元電位を有する前記38〜40のいずれか一つに記載のミネラル製剤。
42.微量元素のクラスタを含有している前記38〜41のいずれか一つに記載のミネラル製剤。
43.前記クラスタが、1種類又は数種類の微量元素からなる前記38〜42のいずれか一つに記載のミネラル製剤。
44.前記クラスタの平均直径が、0.3nmと500nmとの間、好ましくは0.7nmと100nmとの間である前記38〜43のいずれか一つに記載のミネラル製剤。
45.前記クラスタが、5〜1,000,000原子/イオン、好ましくは10〜8,000原子/イオン、更に非常に好ましくは12〜600原子/イオンを有している前記38〜44のいずれか一つに記載のミネラル製剤。
46.別のミネラル及び塩が最大で98%迄混合乃至配合されるか、或いは当該ミネラル混合物が水溶液又はアルカリ溶液に溶解される前記38〜45に記載のミネラル製剤。
47.サプリメント、食品添加剤、化粧品、医薬品として使用可能であり、その摂取を、経口、吸引、静脈注射、直腸内投与、又は外用のいずれかにより行うことができる前記1〜24のいずれか一つに記載の製造方法で製造可能な、又は製造されるミネラル製剤。
48.サプリメント、食品添加剤、化粧品、医薬品として使用可能であり、その摂取を、経口、吸引、静脈注射、直腸内投与、又は外用のいずれかにより行うことができる前記38〜46のいずれか一つに記載のミネラル製剤。
49.特に重金属中毒、脱毛、慢性嘔吐、偏頭痛、アレルギー、循環器疾患、高血圧の治療用であり、その際にミネラル製剤が、経口、直腸内投与、又は静脈注射により患者に投与される前記47又は48のいずれか一つに記載のミネラル製剤の使用方法。
【0095】
凡例:
微量ミネラルと看做すことができるのは、元素記号:Li、Rb、Cs、Be、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Ga、In、Tl、Ge、Sn、As、Sb、Bi、Se、Te、Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Yb、Luで表される各元素である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】コロイド液の粒度分布を示すグラフである。
【符合の説明】
【0097】
1 冷却
2 加熱式高温ゾーン
3 空気、O過剰空気、純Oの吹込み
4 1次酸化材料の装填
5 フィードスクリュ用駆動装置
6 フィード軸
7 フィード管
8 混合状態並びに熱伝達を改善するための、ビルトイン装置
9 2次酸化材料
10 排気管
11 排出ガス
12 逆流空気
13 フィード装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害物質を含まない多成分系ミネラル製剤の製造方法であって、
a.植物性又は動物性起源の有機原料を第1熱処理ゾーンにおいて1次熱酸化処理する工程:
b.前記1次熱酸化処理工程の生成物を2次熱処理ゾーンに搬送する工程:及び
c.前記1次熱酸化処理工程の生成物を2次熱処理ゾーンにおいて2次熱酸化処理する工程
を含むことを特徴とする製造方法。
【請求項2】
前記1次酸化を500℃と3,000℃との間の温度、好ましくは600℃と1200℃との間の温度で行う請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記2次熱酸化処理を、前記1次熱酸化処理工程より、通常は少なくとも10℃、好ましくは少なくとも30℃、非常に好ましくは少なくとも50℃高い温度で行う請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記2次熱酸化処理工程の生成物を、機械的に粉砕するか又は粉末状に挽く工程をさらに含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
植物性又は動物性起源の有機原料として、全ての野菜及び果実、草、堅果の殻、特に、レモンの皮、オレンジの皮、グレープフルーツの皮、穀類の糠、オリーブの搾りかす、木材、イラクサ、ホウレンソウ、サトウダイコンの搾りかす、及びその類似物を含む、植物又は植物の一部、及び/又は動物の一部を使用する請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記2次熱酸化処理を連続的又は準連続的に行う請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記2次熱酸化処理を、酸素過剰又は純酸素雰囲気下、及び/又は水蒸気雰囲気下で行う請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記粉砕工程を乾式及び/又は湿式で行う請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
前記粉砕物を水性環境中で有機酸と混合する工程をさらに有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記粉砕物を、クエン酸、及び/又はリンゴ酸、及び/又は乳酸、並びにその類似物の酸混合物と混合する工程をさらに有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項11】
サプリメント、食品添加剤、化粧品、医薬品であり、その際に摂取を、経口、吸引、静脈注射、直腸内投与、又は外用のいずれかにより行うことができる請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法に従って製造可能であるか又は製造されるミネラル製剤の使用方法。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2007−522101(P2007−522101A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540383(P2006−540383)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【国際出願番号】PCT/EP2004/013391
【国際公開番号】WO2005/051104
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(506177785)
【Fターム(参考)】