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多機能ポリエステルフィルム及びその製造方法、並びに拡散膜、輝度向上フィルム及び照明灯具用ランプシェード
説明

多機能ポリエステルフィルム及びその製造方法、並びに拡散膜、輝度向上フィルム及び照明灯具用ランプシェード

【課題】溶融押出方式による、高い表面粗さ、良好な拡散効果及び高い密着性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一つのポリエステル原料を提供し、前記少なくとも一つのポリエステル原料中に拡散粒子を添加するステップと、前記ポリエステル原料を溶融押出した後、ポリエステルのプラスチックシートに急速冷却するステップと、前記ポリエステルのプラスチックシートを二軸延伸した後に冷却することにより、前記ポリエステルフィルムを得るステップと、を含むことを特徴とするポリエステルフィルムの製造方法とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多機能ポリエステルフィルムの製造方法に関し、特に、共押出法による、高い表面粗さ、良好な拡散効果及び高い密着性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バックライトモジュールは液晶ディスプレーにおいて重要なデバイスの一つであり、液晶分子自体は発光しないため、バックライトモジュールの機能は、十分な輝度及び均一な拡散効果がある光源を提供することである。バックライトモジュールには、例えば、冷陰極管(Cold Cathode Fluorescent Lamp;CCFL)又は発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)のライトソース、ランプシェード、反射板、導光板、拡散板及び光学膜(例えば、拡散膜及び輝度向上フィルム)が含まれ、そのうち、主要技術及びコストは光学膜に関するものである。液晶ディスプレーの製造技術の向上に伴い、且つ、大サイズ及び低価格傾向のために、バックライトモジュールはさらに薄型化、高輝度、低コストの要求を達成しなければならない。このため、新たなバックライトモジュールの開発及び設計は、目の前に解決しなければならない課題となる。バックライトモジュールにおいて、均一な光を得ると共に、光の利用率を向上するために、通常は拡散膜に輝度向上フィルムを併用していることがある。一般的な輝度向上フィルム及び拡散膜の基材は、透明なポリエステルフィルムであり、このポリエステルフィルムは、低霞度、高透光率、良好な密着性及び耐候性を有しなければならない。
【0003】
二軸延伸ポリエステルフィルムは、良好な機械的性質及びサイズ安定性を有するため、光学膜の基材として使用することができる。しかし、膜面自体の清潔度(例えば、異物の付着)及び欠陥(例えば、擦り傷)等に対する要求が高いため、高品質の原料及び作業環境を必要とする他、擦り傷の問題を解決するために、内部添加の方式によってフィルムの表面に有機又は無機の粒子を添加するか、或いは塗布の方式によってポリエステルフィルム自体の滑度を向上させることがある。しかしながら、粒子を添加すると、ポリエステルフィルムの透明度に影響することがあり、且つ添加された粒子の種類、大きさ及び添加量の違いによって、透明度に対しても異なる程度の影響を与える。
【0004】
光学膜に対する要求が極めて高いため、バックライトモジュールのコストにおける主な支出部分となる。拡散膜と輝度向上フィルムとを整合すれば、バックライトモジュールのコストを低減でき、更に、拡散及び輝度向上の効果を有する整合型の複合膜は未来の趨勢となり、また、基材の機能性を向上することも未来で予測できることになる。
【0005】
従来の整合型の複合膜の製造方法は、拡散粒子を塗布法にて物体の表面上に塗布することによって拡散効果を達成する。しかし、このような方法は、加工工程が煩雑であり、加工の必要なコストが増えるだけでなく、加工の損耗による製品の歩留まりも低下するため、従来の整合型の複合膜の製造方法には改善の必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、従来の拡散効果を有する複合膜の製造方法が煩雑であり、且つコストを低減できないことに鑑み、長年の研究及び絶えず試験を経て、この多機能ポリエステルフィルムの製造方法の発明に至った。
【0007】
本発明は、溶融押出方式による、高い表面粗さ、良好な拡散効果及び高い密着性を有する二軸延伸ポリエステルフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明に係るポリエステルフィルムの製造方法は、
少なくとも一つのポリエステル原料を提供し、前記少なくとも一つのポリエステル原料中に拡散粒子を添加するステップと、
前記ポリエステル原料を溶融押出した後、ポリエステルのプラスチックシートに急速冷却するステップと、
前記ポリエステルのプラスチックシートを二軸延伸した後に冷却することにより、ポリエステルフィルムを得るステップと、を含む。
【0009】
得られたポリエステルフィルムの総厚さは20μm〜500μmであり、且つその表面粗さのRa値は0.1nm以上であり、霞度は95%以下であり、光透過率は60%以上であることが好ましい。
【0010】
前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップにおいて、前記ポリエステル原料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート(PEN)及びそれらの組合せと共重合体から選ばれたものであることが好ましい。
【0011】
前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップにおいて、外側を向いた少なくとも一つのポリエステル中に拡散粒子を添加することが好ましい。
【0012】
前記ポリエステル原料を溶融押出するステップにおいて、前記ポリエステル原料は、260℃乃至300℃の温度間で溶融押出された後、25℃乃至50℃まで急速冷却されることが好ましい。
【0013】
前記拡散粒子は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、酸化ケイ素(silica)、シリコーン(silicone)、ポリスチレン(polystyrene;PS)、メラミン(melamine)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、シリカゲル及びそれらの組合せから構成された群から選ばれたものであることが好ましい。
【0014】
前記拡散粒子の平均粒径は、約0.1μm〜15μmであることが好ましい。
【0015】
前記拡散粒子の平均粒径は、約1〜10μmであることが好ましい。
【0016】
前記拡散粒子の平均粒径は、約3〜6μmであることが好ましい。
【0017】
前記拡散粒子の添加量は、前記ポリエステル原料の含有量の0.01〜10wt%を占めることが好ましい。
【0018】
前記拡散粒子の添加量は、前記ポリエステル原料の含有量の0.02〜5wt%を占めることが好ましい。
【0019】
前記拡散粒子の添加量は、前記ポリエステル原料の含有量の0.03〜3wt%を占めるあることがより好ましい。
【0020】
前記拡散粒子の形状は、丸状、葡萄列状、中空球状又は多角形状であることが好ましく、丸状であることがより好ましい。
【0021】
前記拡散粒子の粒径の分布は、単分散又は多分散の形式であることが好ましく、前記拡散粒子の粒径の分布は、単分散の形式であることがより好ましい。
【0022】
前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップにおいて、さらに少なくとも一つのポリエステル原料の中に添加剤を入れることを含み、前記添加剤は抗UV改良剤、耐候性改良剤、抗水解性改良剤、耐熱性改良剤、滑度改良剤、結晶性改良剤、共重合単体及びそれらの組合せから構成された群から選ばれたものであることが好ましい。
【0023】
一つの様態において、前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップは、一つのポリエステル原料を提供し、前記一つのポリエステル原料に対して単層の溶融押出をすることにより、最終的に一つのポリエステルフィルムを形成することを含む。
【0024】
他の様態において、前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップは、第一のポリエステル原料及び第二のポリエステル原料を提供し、前記第一のポリエステル原料と第二のポリエステル原料に対して二層の溶融押出をすることにより、最終的に第一のポリエステル層及び第二のポリエステル層の二層のポリエステルフィルムを形成することを含む。
【0025】
前記二層のポリエステルフィルムの厚さ比は1〜100:1であることが好ましい。
【0026】
さらに他の様態において、前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップは、第一表層のポリエステル原料、内層のポリエステル原料及び第二表層のポリエステル原料を提供し、それらのポリエステル原料に対して多層の溶融押出をすることにより、最終的に第一表層のポリエステル層、第二表層のポリエステル層、並びに前記第一及び第二表層のポリエステル層間に形成された内層のポリエステル層を含む多層のポリエステルフィルムを形成することを含む。
【0027】
一つの場合において、前記第一表層のポリエステル原料の成分は前記第二表層のポリエステル原料の成分と同じであるが、前記内層のポリエステル原料の成分と異なる。
【0028】
他の場合において、前記第一表層のポリエステル原料の成分は前記内層のポリエステル原料の成分と同じであるが、前記第二表層のポリエステル原料の成分と異なる。
【0029】
さらに他の場合において、前記第一表層のポリエステル原料、前記内層のポリエステル原料及び前記第二表層のポリエステル原料の成分はそれぞれ異なる。
【0030】
前記内層のポリエステル層の厚さと、いずれか一つの表層のポリエステル層の厚さとの比率は1〜100:1であることが好ましい。
【0031】
本発明はさらに、前記製造方法により製膜されたポリエステルフィルムに関する。
【0032】
本発明はさらに、前記製造方法により製膜されたポリエステルフィルムを含む、拡散膜に関する。
【0033】
本発明はさらに、前記製造方法により製膜されたポリエステルフィルムを含み、前記方法の少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップにおいて、少なくとも一つのポリエステル原料の層上に集光プリズムの構成を作ることを含む、輝度向上フィルムに関する。
【0034】
本発明はさらに、前記の製造方法により製膜されたポリエステルフィルムを含むことを特徴とする光の拡散機能を有する照明灯具用ランプシェードに関する。
【発明の効果】
【0035】
本発明に係る多機能ポリエステルフィルムの製造方法は、拡散粒子を内部添加した後に溶融押出の方式によって拡散可能なポリエステルフィルムを製造するため、表面に拡散粒子を塗布する従来の方式と比べて、加工による余計な損失を一層抑制することができるだけでなく、必要な拡散効果も達成できる。また、拡散粒子を内部添加することにより、表面の硬さを高め、ポリエステルフィルムの耐摩損性を向上させることができると共に、表面に拡散粒子を塗布した後に保護膜を貼り付けるという従来の製造プロセスが不要となるため、材料コスト及び加工コストをさらに節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係るポリエステルフィルムの製造方法のフローチャートである。
【図2】本発明に係るポリエステルフィルムの製造方法に使用される設備の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1に示すように、本発明に係るポリエステルフィルムの製造方法は、下記(a)〜(d)のステップを含む。
【0038】
ポリエステル原料を提供するステップ(a):ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリ炭酸エステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)若しくは当業者が熟知するその他の重合体、又はそれらの重合体の組合せ若しくはそれらの共重合体である少なくとも一つのポリエステル原料を提供し、前記少なくとも一つのポリエステル原料の中に有機又は無機の拡散粒子を添加する。前記拡散粒子はポリメチルメタクリレート(PMMA)、酸化ケイ素(silica)、シリコーン(silicone)、ポリスチレン(polystyrene;PS)、メラミン(melamine)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、シリカゲル及びそれらの組合せから構成された群から選ばれたものであり、その形状は丸状、葡萄列状、中空球状又は多角形状等であってもよい。ポリエステル原料には、さらに抗UV改良剤、耐候性改良剤、抗水解性改良剤、耐熱性改良剤、滑度改良剤、結晶性改良剤、共重合単体を添加してもよく、又は当業者が熟知するその他のあらゆるPET改質技術を行ってもよい。
【0039】
ポリエステルのプラスチックシートを形成するステップ(b):前記ポリエステル原料を260℃乃至300℃の温度間で溶融押出した後、25℃乃至50℃まで急速冷却させ、ポリエステルのプラスチックシートを形成する。
【0040】
二軸延伸ステップ(c):前記ポリエステルのプラスチックシートに対して縦方向と横方向の二軸延伸を行った後、冷却成形により、ポリエステルフィルム(d)を得る。ポリエステルフィルムの総厚さは20μm〜500μmである。
【0041】
図2はステップ(b)と(c)に使用される装置及び詳細なステップを示す。有機粒子又は無機粒子を含む混合原料が外層押出機(1)により押出され、異なる割合である有機粒子又は無機粒子を含む混合原料が内層押出機(2)により押出され、溶融したポリエステル原料は合流ダイヘッド(3)で合流して吐出され、冷却ロール(4)にて薄片に延伸され、その薄片を冷却ロールにより冷却成形し、縦方向の延伸エリア(5)及び横方向の延伸エリア(6)においてそれぞれ延伸ロール(7)の速度差及びクランプ(8)によって膜片の二軸延伸を行い、更にブロー冷却を経てポリエステルフィルム(9)に成形する。
【0042】
本発明に係るポリエステルフィルムは、ポリエステルを主体とし、有機又は無機の拡散粒子及びその他の添加剤を添加する。ポリエステルフィルムの製造方法は、ポリエステルと拡散粒子及び/又は添加剤とを混合し、溶融押出した後、ポリエステルのプラスチックシートに急速冷却し、更に縦方向及び横方向の延伸、熱成形及び冷却によってポリエステルフィルムが得られる。溶融押出の方法は単層押出と多層押出との二つの方式がある。下記A、B、Cはそれぞれ異なる割合である添加剤を有するポリエステルを示す。添加可能な方式は有単層ポリエステルのA型、二層のA/B型、三層のA/B/B、A/B/A、A/B/C等の複数の方式がある。本発明はフィルムの表層又は内層に有機又は無機粒子を添加することにより、目的を達成するものである。表層厚さの制御、粒子の種類又は形状の選択、粒子の大きさ及び濃度の影響は、全て本発明のポイントである。
【0043】
ポリエステルフィルム製品の総厚さは20μm〜500μmであってもよい。内層のポリエステル層(main層)と表層のポリエステル層(skin層)の厚さ比は1〜100であってもよい。添加の拡散粒子は、有機粒子又は無機粒子を選択してもよい。拡散粒子として、例えば、PMMA、酸化ケイ素、シリコーン、ポリスチレン(PS)、メラミン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ又はシリカゲル等が挙げられる。拡散粒子の形状は、丸状であってもよく、非丸状であってもよい。丸状は非丸状より優れた拡散効果を持つ。拡散粒子が小さすぎると、必要な表面粗さを達成できない。拡散粒子が大きすぎると、フィルムの透光性に悪影響がある。必要な表面粗さ及び拡散効果を達成するために、拡散粒子の平均粒径の大きさは0.1μm〜15μmであり、さらに大きくしても良い。拡散粒子の平均粒径の大きさは、1〜10μmであることが好ましく、3〜6μmであることがより好ましい。粒径の分布は単分散であるか、多分散であるかもポイントの一つである。拡散粒子の添加量は、その表面粗さ及び透光性にも影響するため、拡散粒子の添加量は樹脂原料の0.01〜10wt%を占める。0.01wt%より低いと、必要な表面粗さを達成できない。10wt%より高いと、霞度が高くなって透光性に悪影響があるので、添加量は0.02〜5wt%であることが好ましく、0.03〜3wt%であることがより好ましい。
【0044】
一方、フィルムの機能性を向上するため、専用の化学品添加剤を添加する場合もある。添加剤の種類は、抗UV及び耐候性改良剤、抗水解性改良剤、耐熱性改良剤、滑度改良剤、結晶性改良剤又は共重合単体であってもよく、或いは当業者が熟知するその他のPET改質技術を行ってもよい。
【0045】
紫外線蛍光ランプ式耐候性試験機(QUV)、キセノン(Xe)ランプ及び高度加速温湿度試験(Highly Accelerated Temperature/Humidity Stress Test;HAST)、プレッシャークッカー試験(Pressure Cooker Tester;PCT)、恒温恒湿機、透湿性/酸素透過度測定等の信頼性測定を利用してフィルムの耐候性を評価する。また、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimeter;DSC)、熱量計測定装置(Thermogravimetric Analyzer;TGA)等の熱分析装置を利用して耐熱性、摩擦係数、滑度、密度と結晶性との関係を測定し評価する。また、紫外線分光光度計(UV)、フーリエ転換赤外分光顕微鏡(FTIR−Microscopy)、誘導結合プラズマ分析装置(ICP)、ガスクロマトグラフ分析装置(GC)、核磁気共鳴装置(Nuclear Magnetic Resonance Spectroscopy;NMR)等の分析装置により、その化学組成及び重合関係を分析する。
【実施例】
【0046】
<実施例1>
ポリエステル原料である純PETと添加粒子とを混合した後、単層押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。添加粒子は、平均粒径が3μmである多分散のPMMA粒子であり、その含有量はポリエステル原料であるPETの0.3wt%を占める。得られたポリエステルフィルムの表面粗さのRa値が17nmである。
【0047】
<実施例2>
有機粒子又は無機粒子が含まれるポリエステル原料を乾燥し結晶化した後、押出機によって270℃で溶融させた後、三層A/B/Aの共押出方式によって押出し、その後、25℃まで急速冷却することによってポリエステルのプラスチックシートを形成し、さらに加熱し軟化させ、2〜4倍の縦方向延伸及び予熱、延伸、結晶、冷却等のステップを経て、3〜5倍の横方向の延伸を施すことにより、50μmのポリエステルフィルムが得られる。A層は、ポリエステル原料(PET)に粒子の分散が広く(いわば多分散、アルファベットの「P−」で表示する)、且つ3μmであるSiO2無機粒子を添加したものであり、SiO2無機粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の3wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A:B:Aの厚さ比は1:20:1である場合、表面粗さのRa値が17nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0048】
<実施例3>
製造ステップは実施例1と同じように、三層A/B/Aの共押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。A層は、ポリエステル原料(PET)に平均粒径が3μmである多分散の丸状のPS粒子を添加したものであり、PS粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の3wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A:B:Aの厚さ比は1:20:1である場合、表面粗さのRa値が20nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0049】
<実施例4>
製造ステップは実施例1と同じように、三層A/B/Aの共押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。A層は、ポリエステル原料(PET)に平均粒径が3μmである多分散の丸状のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の3wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A:B:Aの厚さ比は1:20:1である場合、表面粗さのRa値が21nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0050】
<実施例5>
製造ステップは実施例1と同じである。A層は、ポリエステル原料(PET)に有機粒子の分散が集中し(いわば単分散、アルファベットの「M−」で表示する)、且つ平均粒径が3μmである丸状のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の3wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A:B:Aの厚さ比は1:20:1である場合、表面粗さのRa値が19nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0051】
<実施例6>
製造ステップは実施例1と同じように、三層A/B/Aの共押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。A層は、ポリエステル原料(PET)に平均粒径が3μmである多分散のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の3wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A:B:Aの厚さ比は1:10:1である場合、表面粗さのRa値が18nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0052】
<実施例7>
製造ステップは実施例1と同じように、三層A/B/Aの共押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。A層は、ポリエステル原料(PET)に平均粒径が3μmである多分散のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の0.3wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A:B:Aの厚さ比は1:10:1である場合、表面粗さのRa値が12nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0053】
<実施例8>
製造ステップは実施例1と同じように、二層A/Bの共押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。A層は、ポリエステル原料(PET)に平均粒径が3μmである多分散のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の3wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A:Bの厚さ比は1:10である場合、A層の表面粗さのRa値が19nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0054】
<実施例9>
製造ステップは実施例1と同じように、三層A/B/Aの共押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。A層は、ポリエステル原料(PET)に平均粒径が3μmである多分散のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の3wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。C層は、ポリエステル原料(PET)に3μmである多分散のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の0.3wt%である。A:B:Cの厚さ比は1:10:1である場合、A層の表面粗さのRa値が19nmであり、C層の表面粗さのRa値が12nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0055】
<実施例10>
製造ステップは実施例1と同じように、三層A/B/Aの共押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。A層は、ポリエステル原料(PET)に平均粒径が6μmである多分散の丸状のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はポリエステル原料(PET)の3wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A/B/Aの厚さ比は1:20:1である場合、表面粗さのRa値が30nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0056】
<実施例11>
製造ステップは実施例1と同じように、三層A/B/Aの共押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。A層は、ポリエステル原料(PET)に平均粒径が3μm及び6μmである多分散の丸状のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はそれぞれポリエステル原料(PET)の1.5wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A:B:Aの厚さ比は1:20:1である場合、表面粗さのRa値が28nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0057】
<実施例12>
製造ステップは実施例1と同じように、二層A/Bの共押出方式によってポリエステルフィルムを製膜する。A層は、ポリエステル原料(PET)に平均粒径が3μm及び6μmである多分散の丸状のPMMA粒子を添加したものであり、PMMA粒子の含有量はそれぞれポリエステル原料(PET)の1.5wt%を占める。B層は、拡散粒子を含まない100%のポリエステル原料(PET)である。A:Bの厚さ比は1:20である場合、表面粗さのRa値が28nmであるポリエステルフィルムを得ることができる。
【0058】
物理的のデータ測定として、Tokyo denshoku TC−H3 Haze meterを採用し、ASTM D−1003を基準として、霞度及び全光線透過率のデータ測定を行う。輝度はMinota BN7により測定を行い、ニュートン−リングは人工的の目視法で観察する。
【0059】
【表1】

【0060】
符号によって輝度値及びニュートン−リングの評価結果を示す。◎は、状況が最も良いことを示す。○は、状況が◎よりやや悪いことを示す。△は、状況が○より悪いことを示す。Xは、状況が最も悪いことを示す。
【0061】
実施例1、2、3、4によれば、無機(SiO2)粒子は全光線透過率の低下に対する影響が大きい。有機粒子を使用する場合の透光率が良いが、有機粒子の種類による差異がある。例えば、PMMA粒子を添加する場合は、PS粒子を添加する場合よりも透光率が良い。フィルムの総厚さが決められているため、粒子を全層(単層)に添加する場合は、表層に添加する場合よりも、粒子が添加された層の厚さが厚く、全光線透過率の低下に対するマイナス的影響が大きい。
【0062】
実施例4、5によれば、集中的に分散する粒子(いわば単分散、アルファベットの「M−」で表示する。)を添加する場合は、広く分散する粒子(いわば多分散、アルファベットの「P−」で表示する)を添加する場合より、低い霞度を達成できる。
【0063】
実施例4、6によれば、同じ含有量の粒子を添加した条件において、表層の厚さが薄いほど表面粗さのRa値に寄与する。表面粗さのRa値が高いほどニュートン−リング(Newton’s ring)の光学的欠陥を無くすことに寄与する。表層の厚さが厚いほど霞度(haze)の向上に寄与するが、霞度が高いほど輝度値に対するマイナス的影響が大きい。
【0064】
実施例6、7によれば、添加粒子の濃度が高いほど、表面粗さも良くなるが、霞度の増加に対する影響も大きい。
【0065】
実施例6、8、9によれば、粒子の添加方法は、片面の表層に添加する方式が最も良い。両面の表層に添加すると、霞度が増加すると共に、輝度値が低下するマイナス的影響を発生する。
【0066】
実施例4、10、11によれば、粒子の粒径として、粒径が大きいほど表面粗さのRa値に寄与すると共に、霞度にも寄与する。異なる粒径である二つの粒子を添加すると、中間的な効果が出ることが分かる。
【0067】
表1から分かるように、添加粒子による霞度が低いほど、輝度値も良くなる(特に片面だけ粒子を添加するA/B型)。一方、添加粒子が大きい、且つ表面粗さのRa値が大きいほど、ニュートン−リングを無くすことに優れた効果が現れる(特に異なる粒径の粒子を添加する表層添加方式)。上述の内容によれば、実施例12は、最適な輝度値及びニュートン−リングを無くす最適な効果を達成できることがわかる。
【0068】
前記の内容は本発明を説明するために詳しく記載したが、その内容は単に説明するためのものであって、本発明の要旨と技術的な思想の範囲を逸脱しない範疇内において、本発明の技術分野における通常の知識を有する者による各種の変更例又は修正例は本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0069】
1 外層押出機、2 内層押出機、3 合流ダイヘッド、4 冷卻ロール、5 縦方向の延伸エリア、6 横方向の延伸エリア、7 延伸ロール、8 クランプ、9 ポリエステルフィルム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのポリエステル原料を提供し、前記少なくとも一つのポリエステル原料中に拡散粒子を添加するステップと、
前記ポリエステル原料を溶融押出した後、ポリエステルのプラスチックシートに急速冷却するステップと、
前記ポリエステルのプラスチックシートを二軸延伸した後に冷却することにより、前記ポリエステルフィルムを得るステップと、
を含むポリエステルフィルムの製造方法。
【請求項2】
前記得られたポリエステルフィルムの総厚さは20μm〜500μmであり、且つその表面粗さのRa値は0.1nm以上であり、霞度は95%以下であり、光透過率は60%以上であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップにおいて、前記ポリエステル原料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル、ポリ炭酸エステル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、並びにそれらの組合せ及び共重合体から選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップにおいて、外側を向いた少なくとも一つのポリエステル中に拡散粒子を添加することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリエステル原料を溶融押出するステップにおいて、前記ポリエステル原料は、260℃乃至300℃の温度間で溶融押出された後、25℃乃至50℃まで急速冷却されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記拡散粒子は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、酸化ケイ素(silica)、シリコーン(silicone)、ポリスチレン(polystyrene;PS)、メラミン(melamine)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、ジルコニア、アルミナ、シリカゲル及びそれらの組合せから構成された群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記拡散粒子の平均粒径は、約0.1μm〜15μmであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記拡散粒子の平均粒径は、約1〜10μmであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記拡散粒子の平均粒径は、約3〜6μmであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記拡散粒子の添加量は、ポリエステル原料の含有量の0.01〜10wt%を占めることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項11】
前記拡散粒子の添加量は、ポリエステル原料の含有量の0.02〜5wt%を占めることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項12】
前記拡散粒子の添加量は、ポリエステル原料の含有量の0.03〜3wt%を占めることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項13】
前記拡散粒子の形状は、丸状、葡萄列状、中空球状又は多角形状であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項14】
前記拡散粒子の粒径分布は、単分散又は多分散の形式であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップにおいて、さらに少なくとも一つのポリエステル原料の中に添加剤を入れることを含み、前記添加剤は、抗UV改良剤、耐候性改良剤、抗水解性改良剤、耐熱性改良剤、滑度改良剤、結晶性改良剤、共重合単体及びそれらの組合せから構成された群から選ばれたものであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップは、一つのポリエステル原料を提供し、前記一つのポリエステル原料に対して単層の溶融押出をすることにより、最終的に一つのポリエステルフィルムを形成することを含むことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップは、第一のポリエステル原料及び第二のポリエステル原料を提供し、前記第一のポリエステル原料及び第二のポリエステル原料に対して二層の溶融押出をすることにより、最終的に第一のポリエステル層及び第二のポリエステル層の二層のポリエステルフィルムを形成することを含むことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記二層のポリエステルフィルムの厚さ比は1〜100:1であることを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップは、第一表層のポリエステル原料、内層のポリエステル原料及び第二表層のポリエステル原料を提供し、それらのポリエステル原料に対して多層の溶融押出をすることにより、最終的に第一表層のポリエステル層、第二表層のポリエステル層、並びに前記第一表層及び第二表層のポリエステル層間に形成された内層のポリエステル層を含む多層のポリエステルフィルムを形成することを含むことを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第一表層のポリエステル原料の成分は、前記第二表層のポリエステル原料の成分と同じであるが、前記内層のポリエステル原料の成分と異なることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第一表層のポリエステル原料の成分は、前記内層のポリエステル原料の成分と同じであるが、前記第二表層のポリエステル原料の成分と異なることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第一表層のポリエステル原料、前記内層のポリエステル原料及び前記第二表層のポリエステル原料の成分はそれぞれ異なることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記内層のポリエステル層の厚さと、いずれか一つの表層のポリエステル層の厚さとの比率は、1〜100:1であることを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
請求項1乃至23のいずれか一項に記載の方法により製膜されたことを特徴とするポリエステルフィルム。
【請求項25】
請求項1乃至23のいずれか一項に記載の方法により製膜されたポリエステルフィルムを含むことを特徴とする拡散膜。
【請求項26】
請求項1乃至23のいずれか一項に記載の方法により製膜されたポリエステルフィルムを含み、前記方法の少なくとも一つのポリエステル原料を提供するステップにおいて、少なくとも一つのポリエステル原料の層上に集光プリズムの構成を作ることを含むことを特徴とする輝度向上フィルム。
【請求項27】
請求項1乃至23のいずれか一項に記載の方法により製膜されたポリエステルフィルムを含むことを特徴とする光の拡散機能を有する照明灯具用ランプシェード。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−140007(P2012−140007A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−286262(P2011−286262)
【出願日】平成23年12月27日(2011.12.27)
【出願人】(512000662)新科光電材料株式会社 (1)
【Fターム(参考)】