説明

多糖類含有組成物

本発明は、好ましくは粉末および/または顆粒の形状で、主成分としてイソフラボン類、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される第1の成分を、第2の成分としての多糖類と共に含有する組成物に関する。好ましい第1の成分はゲニステインまたはその薬学的に許容される塩または誘導体(例えばゲニスチン)である。好ましい第2の成分はペクチンである。本発明はさらに、かかる組成物の製造方法、および栄養補助食品、医薬およびパーソナルケア組成物におけるその使用に関する。本発明はまた、イソフラボン類、大豆製品、好ましくは少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される成分の流動性を改良するための多糖類の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、主成分としてイソフラボン類、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される第1の成分、および多糖類を第2の成分として含んでなる組成物に関する。好ましい第1の成分はゲニステインであり、好ましい第2の成分はペクチンである。
【0002】
本発明はさらに、かかる組成物の製造方法、および栄養補助食品、医薬およびパーソナルケア組成物におけるその使用に関する。
【0003】
本発明はまた、イソフラボン類、大豆製品、好ましくは少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される成分の流動性を改良するための多糖類の使用に関する。
【0004】
ゲニステインは、例えば大豆中など天然に存在する生理活性イソフラボンであるとともに市販されている。骨粗鬆症および心疾患の予防および処置用、光損傷および皮膚老化ならびに皺の予防用、アルツハイマー疾患の阻害用および閉経期症状、エストロゲン性疾患、癌、白内障、嚢胞性線維症および片頭痛の処置用の抗炎症薬剤として有用であることが主張されてきた。当該分野における膨大な文献のなかでも、M.メッシーナ(M.Messina)、「Chemistry & Industry 1995」、413−415頁、およびT.E.ウィーゼ(T.E.Wiese)ら、同誌1997、648−653頁は、ゲニステインを含め、イソフラボン類の生物学的効果および使用について興味深いレビューを掲載している。
【0005】
ゲニステインは通常、例えば国際公開第2004/009576号パンフレットに開示されるとおりの方法に従い結晶性粉末形状で生産される。かかる粉末形状は非常に乏しい流動性を有する。乏しい粉末流動性により結晶性粉末は、粉末が自由に流動していることが要求される錠剤および他の適用形状の作製における使用が困難となる。他のイソフラボン類または大豆製品の、好ましくは少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品の、より好ましくは少なくとも1種のイソフラボンを含有するとともに大豆タンパク質および/またはフィトステロールを本質的に有しない大豆製品の錠剤を作製しようとした場合、同じ問題が生じる。
【0006】
先行技術において知られるこの問題を解決した組成物は、(−)−没食子酸エピガロカテキン(国際公開第03/011339号パンフレット)およびL−アスコルビン酸(欧州特許出願公開第1 110 550 A号明細書、国際公開第03/020265号パンフレット、米国特許出願公開第2001/0005514号明細書)などの化合物を伴う多糖類の組成物であり、化合物の流動性が多糖類の添加により改良された。しかしながら、化合物の(−)−没食子酸エピガロカテキンおよびL−アスコルビン酸は水溶性であるのに対し、ゲニステインなどのイソフラボン類は一般的にほぼまたは本質的に水溶性ではない。さらに、(−)−没食子酸エピガロカテキンおよびL−アスコルビン酸は本化合物と構造的に異なる。
【0007】
従って、好ましくは粉末または顆粒の形状の、多糖類と、イソフラボン類および/または少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品とを含有する組成物、最も好ましくはゲニステインおよび/またはそのグルコシド型ゲニスチン(少なくとも該イソフラボンを含有する大豆製品)とを含有する組成物もまた改良された流動性を有することが発見されるとは期待されていなかった。それは多糖類がここで造粒剤として働くことを意味する。
【0008】
従って、一態様において、本発明は、
(a)イソフラボン類、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される第1の成分、および
(b)多糖類である第2の成分
を含んでなる組成物に関する。
【0009】
好ましくは、組成物は粉末または顆粒の形状である。各顆粒または粉末粒子において、個々のイソフラボン結晶(特に個々のゲニステイン結晶)または数個の結晶は多糖類でコーティングされるか、もしくは部分的にコーティングされる。コーティングされた、または部分的にコーティングされた結晶は、結合剤として機能する多糖類により共にまとめられ(接着され)、然るべき大きさの顆粒を形成する。
【0010】
本発明に従う組成物は好ましくは、0.05〜0.7、好ましくは0.1〜0.5、より好ましくは0.2〜0.5の水分活性を有する。水分活性はNovasina Thermoconstanter TH200(ノヴァシナ社(Novasina AG)、チューリッヒ、スイス(Novasina AG,Zuerich,Switzerland))を使用して測定される。
【0011】
第1の成分 a)
本発明の好ましい実施形態において、イソフラボンは一般式I
【化1】


(式中、Rは水素(フェノール)、C1−18−アルキル基(エーテル)またはC1−18−アルキルカルボニル基(エステル)を示し、Rは水素またはヒドロキシル基またはC1−18−アルキルオキシ基またはC1−18−アルキルカルボニルオキシ基を示し、およびRはヒドロキシル基またはC1−18−アルコキシ基またはC1−18−アルキルカルボニルオキシ基を示す)である。一般式Iの好ましいイソフラボン類は、7−ヒドロキシ−または5,7−ジヒドロキシ−2H−イソフラボン(式中、Rは水素であるとともにRは水素またはヒドロキシル基を示し、およびRはヒドロキシル基またはメトキシ基およびエトキシ基などのC1−6−アルコキシ基を示す)、ならびにその誘導体および薬学的に許容される塩である。これらの製造方法は、例えば国際公開第2004/009576号パンフレットに記載される。
【0012】
用語「アルキル基」は直鎖、ならびに分枝鎖アルキル基を含む。用語「アルキルオキシ基」は直鎖、ならびに分枝鎖アルキルオキシ基を含む。
【0013】
最も好ましくは、第1の成分は、ゲニステイン(Rが水素であるとともにRおよびRの双方がヒドロキシル基である式Iの化合物)、その薬学的に許容される塩および/または薬学的に許容される誘導体からなる群より選択される。最も好ましくは、第1の成分はゲニステインである。イソフラボン類、例えばゲニステインは、天然源から単離され得るとともに場合により高度に精製されるか、もしくは化学的に合成され得る。最も好ましい実施形態において、本発明に従い配合されるべき本発明のイソフラボン類、例えばゲニステインは、結晶形状である。
【0014】
好ましくは、使用されるゲニステイン(またはその薬学的に許容される塩または薬学的に許容される誘導体)は、10μm〜1000μmの範囲、より好ましくは30μm〜500μmの範囲、さらにより好ましくは30μm〜200μmの範囲、最も好ましくは50μm〜200μmの範囲の粒径を有する。
【0015】
薬学的に許容される誘導体の例は、配糖体、特にグルコシド類(好ましい例:ゲニスチン)、マロニルグルコシドおよびアセチルグルコシドなどのβ−グルコシド抱合体である。
【0016】
薬学的に許容される塩の例は、式Iの化合物(式中、RはNa、K、1/2Ca2+または1/2Mg2+であり、および/またはRおよび/またはRは互いに独立してONa、OK、O(1/2Ca2+)またはO(1/2Mg2+)である)。
【0017】
本発明の別の実施形態において、第1の成分a)は、イソフラボン類、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択され、ここで少なくとも1種のイソフラボンは水に対し30℃で5%未満の溶解度を有し、および/またはここで少なくとも1種のイソフラボンは塩化メチレンに対し30℃で5%未満の溶解度を有する。
【0018】
本発明のさらなる実施形態において、第1の成分a)は、イソフラボン類、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択され、ここで少なくとも1種のイソフラボンは水に対し30℃で0.001〜5%の範囲の溶解度を有し、および/またはここで少なくとも1種のイソフラボンは塩化メチレンに対し30℃で0.001〜5%の範囲の溶解度を有する。
【0019】
本発明の文意における「%」は、特に溶解度の文意において、別段に定めない場合には「重量%」を意味する。別段に定めない場合には溶解度は1バールの絶対圧力で定量される。
【0020】
好ましくは、本発明のこの実施形態に従う組成物中に存在する全てのイソフラボン類は、水に対し30℃で5%未満の溶解度および/または塩化メチレンに対し30℃で5%未満の溶解度を有する。本発明のさらなる実施形態において、本発明に従う組成物中に存在する全てのイソフラボン類は、水に対し30℃で0.001〜5%の範囲の溶解度および/または塩化メチレンに対し30℃で0.001〜5%の範囲の溶解度を有する。
【0021】
より好ましくは、本発明のこの実施形態に従う組成物中に存在する全てのイソフラボン類は、水に対し30℃で5%未満の溶解度および塩化メチレンに対し30℃で5%未満の溶解度を有する。本発明のさらなる実施形態において、本発明に従う組成物中に存在する全てのイソフラボン類は、水に対し30℃で0.001〜5%の範囲の溶解度および塩化メチレンに対し30℃で0.001〜5%の範囲の溶解度を有する。
【0022】
用語「大豆製品」は、化学的に(特に酵素的に)、熱的に、物理的におよび/または紫外放射によって処理された任意の物質を含め大豆から得られる抽出物ならびに濃縮物を含む。好ましくあるのは、少なくとも1種のイソフラボン(特に前掲のとおりの定義および選好を伴う式Iの、最も好ましくはゲニステイン(およびその薬学的に許容される塩および誘導体))を、大豆製品の総重量に基づき、少なくとも50重量%の量で、好ましくは少なくとも70重量%の量で、より好ましくは少なくとも80重量%の量で、最も好ましくは少なくとも90重量%の量で、含有するような大豆製品である。
【0023】
本発明の組成物の別の好ましい実施形態において、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品は大豆タンパク質またはフィトステロールを本質的に有しない。
【0024】
本発明の組成物のさらに好ましい実施形態において、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品は大豆タンパク質およびフィトステロールを本質的に有しない。
【0025】
本発明の文意における用語「フィトステロール」は特に、β−シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、シトスタノールおよびカンペスタノールからなる群より選択される植物ステロールを含む。
【0026】
本発明の文意における用語「本質的に有しない」は、大豆製品中の(または、下述のとおりの本発明の他の形態、組成物および製品中の)大豆タンパク質および/またはフィトステロールの量が、大豆製品の(および、それぞれ、下述のとおりの本発明の他の形態、組成物および製品の)総重量に基づき、7重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、さらにより好ましくは2重量%以下、最も好ましくは1重量%以下であり、好ましくはこれは大豆タンパク質および/またはフィトステロールのわずかな痕跡のみが存在することを意味する。
【0027】
本発明の別の好ましい実施形態において、組成物それ自体は大豆タンパク質および/またはフィトステロールを本質的に有さず、好ましくはそれはこれらの双方を本質的に有しない。
【0028】
好ましくは粉末または顆粒の形状の、本発明の組成物の好ましい粒径分布は次のとおりである:
粒子の少なくとも95%が1500μm以下(好ましい:1000μm以下、より好ましくは850μm以下)の大きさを有し、これにより粒子の多くとも35%が50μm以下(好ましい:100μm以下、より好ましくは150μm以下)の大きさを有する。
【0029】
本発明の別の好ましい実施形態において、好ましくは粉末または顆粒の形状の、本発明の組成物の粒径分布は次のとおりである:
粒子の少なくとも95%が10μm〜1500μmの範囲(好ましい:10μm〜1000μmの範囲、より好ましくは10μm〜850μmの範囲)の大きさを有し、これにより粒子の多くとも35%が10μm〜50μmの範囲(好ましい:10μm〜100μmの範囲、より好ましくは10μm〜150μmの範囲)の大きさを有する。
【0030】
第2の成分 b):多糖類
用語「多糖類」は当業者により理解されるとおりの従来の用法で使用される。
【0031】
本発明における使用(造粒剤として)のための多糖類の例は、ペクチン、アルギン酸、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースなどのセルロース誘導体、カラゲナン、寒天、アラビアゴム、グアーガム、キサンタンゴムおよびそれらの混合物である。本発明における使用のための多糖類の好ましい例は、ペクチン、アルギン酸、デンプン、カラゲナン、寒天、アラビアゴム、グアーガム、キサンタンゴムおよびそれらの混合物である。さらにより好ましい多糖類は、ペクチンまたはアルギン酸またはそれらの混合物であり、最も好ましくあるのはペクチンである。
【0032】
ペクチンは多糖類であるとともに、例えば「Industrial Gums」、第3版、Academic Press,Inc.、1993年、257ff頁、と題される図書、ならびに欧州特許出願公開第1 110 550 A号明細書に記載される。本発明に使用されるペクチンは一般に市販されているとともに、例えば柑橘果皮またはリンゴ(搾汁かす)から生産される。他に可能な原材料はサトウダイコン、ヒマワリおよびマンゴーである。本発明の範囲内で使用されることが好ましいペクチンは柑橘ペクチンであり、これは一般にリンゴペクチンより薄い色を有するとともに、従って、最終製品に対し顕著な色みを与えない。
【0033】
本発明の実施形態において、高分子量ペクチンが使用されてもよい。本明細書で使用されるとき用語「高分子量ペクチン」は、約300キロダルトン超の分子量を有するペクチンを意味する。好ましい高分子量ペクチンは、約300キロダルトン〜約400キロダルトン、特に350キロダルトンの分子量を有するものである。かかるペクチンは、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,143,337号明細書に開示されるとおり得られ得る。分子量は、米国特許第6,143,337号明細書に記載されるとおり多角度レーザー光散乱検出器を有するサイズ排除クロマトグラフィーにより定量される。しかしながら、例えば2,000キロダルトンまでの、より高分子量のペクチンもまた本発明に使用され得る。かかる分子量のペクチンは、例えばキク科植物、特にチコリおよびキクイモから得られ得る(国際公開第99/03892号パンフレットを参照)。所望の高分子量の画分は、膜濾過により、例えば米国マサチューセッツ州01730、ベッドフォード(Bedford,MA 01730,USA)のミリポア社(Millipore Corporation)により商標名Pellicon(登録商標)タンジェンシャルフロー濾過カセット(Tangential Flow Filtration Cassettes)として供給されるとおりのポリエーテルスルホンまたは複合再生セルロース膜を使用して、かかるペクチンから得られ得る。
【0034】
多糖類は好ましくは、0.1重量%以上の分量、より好ましくは0.5重量%以上の分量で使用される。多糖類と成分a)との合計重量に基づき、15重量%以下の分量、より好ましくは5重量%以下の分量、最も好ましくは3重量%以下の分量での多糖類の使用もまた好ましくある。本発明の組成物のさらに好ましい実施形態において、多糖類は、組成物の総重量に基づき、特に多糖類と成分a)との合計重量に基づき、0.1重量%〜15重量%の範囲内、より好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲内の分量、最も好ましくは0.5重量%〜3重量%の範囲内の分量で使用される。
【0035】
ペクチンが多糖類として使用される場合、ペクチンは好ましくは、0.1重量%以上の分量、より好ましくは0.5重量%以上の分量、最も好ましくは1.5重量%以上の分量で使用される。ペクチンと成分a)との合計重量に基づき、5重量%以下の分量、より好ましくは2.5重量%以下の分量、最も好ましくは2重量%以下の分量でのペクチンの使用もまた好ましくある。本発明の組成物のさらに好ましい実施形態において、ペクチンは、組成物の総重量に基づき、特にペクチンと成分a)との合計重量に基づき、0.1重量%〜5重量%の分量、より好ましくは1.5重量%〜2.5重量%の範囲内、最も好ましくは0.5重量%〜2重量%の範囲内の分量で使用される。
【0036】
アルギン酸が多糖類として使用される場合、アルギン酸は好ましくは、0.1重量%以上の分量、より好ましくは0.5重量%以上の分量で使用される。アルギン酸と成分a)との合計重量に基づき、5重量%以下の分量、より好ましくは2重量%以下の分量でのアルギン酸の使用もまた好ましくある。本発明の組成物のさらに好ましい実施形態において、アルギン酸は、組成物の総重量に基づき、特にアルギン酸と成分a)との合計重量に基づき、0.1重量%〜5重量%の分量、より好ましくは0.5重量%〜2重量%の範囲内の分量で使用される。
【0037】
デンプンが多糖類として使用される場合、デンプンは好ましくは、0.1重量%以上の分量、より好ましくは0.5重量%以上の分量で使用される。デンプンと成分a)との合計重量に基づき、15重量%以下の分量、より好ましくは5重量%以下の分量、最も好ましくは2重量%以下の分量でのデンプンの使用もまた好ましくある。本発明の組成物のさらに好ましい実施形態において、デンプンは、組成物の総重量に基づき、特にデンプンと成分a)との合計重量に基づき、0.1重量%〜15重量%の分量、より好ましくは0.1重量%〜5重量%の範囲内の分量、最も好ましくは0.5重量%〜2重量%の範囲内の分量で使用される。
【0038】
さらなる態様において、本発明は本発明の組成物の製造方法に関する。
【0039】
組成物の製造
本発明の組成物は、粉末または顆粒の生産用としてそれ自体既知の任意の方法により生産されてもよい。好ましくあるのは、流動層造粒、高剪断造粒、押し出し、噴霧乾燥および湿式造粒である。本発明はまたこれらの方法による本発明の組成物の製造にも関する。
【0040】
噴霧乾燥により本発明の組成物を得るためには、全成分の水性スラリーまたは全成分のスラリーを、多糖類、好ましくはペクチンを溶解することのできる溶媒または溶媒混合物に調製するのが簡便である。かかる溶媒の好ましい例は水である。スラリーは好ましくは、スラリーの総重量に基づき、10〜70重量%、好ましくは25〜50重量%の固形分を有する。次にスラリーはそれ自体既知の方式で噴霧乾燥される。
【0041】
従って本発明の別の態様は、上述されるとおりの組成物の製造方法であり、スラリーの総重量に基づき、10〜70重量%、および好ましくは25〜50重量%の固形分を好ましくは有する、全成分のスラリー、好ましくは水性スラリーを調製するステップおよび該スラリーをそれ自体既知の方式で噴霧乾燥するステップを含んでなる。
【0042】
流動層造粒により本発明の組成物を得るためには、噴霧手段を装備する流動層乾燥装置を含んでなる既知の流動層造粒機器を使用するのが簡便である。好ましくは、第1の成分が流動層を形成し、流動層は空気または不活性ガス、例えば窒素により流動化される。多糖類は、多糖類の溶解能を有する適当量の水または溶媒(混合物)、好ましくは適当量の水に溶解されるとともに、霧化されたミストの形状で流動化粒子上に、造粒および乾燥作業が単一のステップで達成されるような方式で噴霧される。本手順が本発明の最良の態様である。
【0043】
あるいは、多糖類は第1の成分と混合されるとともに流動層は空気または不活性ガス、例えば窒素により流動化される。多糖類の溶解能を有する適当量の水または溶媒(混合物)、好ましくは適当量の水が霧化されたミストの形状で流動化粒子上に造粒および乾燥作業が単一のステップで達成されるような方式で噴霧される。造粒過程は所望の顆粒または粉末が得られるまで続行される。
【0044】
造粒過程の最後に、顆粒を大きさに応じて分画するため顆粒は篩にかけられてもよい。粒径は本発明にとって必ずしも狭義に決定的な重要性を有するわけではないが、実際上の目的では、50〜1500μmの範囲内、より好ましくは100〜1000μmの間、最も好ましくは150〜850μmである。
【0045】
それゆえ、本発明のさらなる態様は、上述されるとおりの組成物の製造方法であり、噴霧手段を装備する流動層乾燥装置内で多糖類を伴うまたは伴わない第1の成分の流動層を形成するステップ、前記流動層が空気または不活性ガスにより流動化されるステップ、および多糖類または水のみまたは溶媒(混合物)の溶液、好ましくは水溶液を霧化されたミストの形状で流動化粒子上に所望の顆粒または粉末が得られるまで噴霧するステップを含んでなる。
【0046】
上述される方法の成分の1つ/第1の成分は、上記に開示されるとおりの定義および選好を伴う式Iのイソフラボンまたはその薬学的に許容される塩または誘導体である。上述されるとおりの方法において使用される好ましい多糖類はペクチン、アルギン酸またはそれらの混合物、より好ましくはペクチンである。
【0047】
このように得られる組成物は、第1の成分の意図された使用または所望の適用次第で、さらに処理されてもよい。例えば、組成物は従来の打錠方法および機械で錠剤に圧縮されてもよい。
【0048】
場合により組成物は、好ましくは粉末または顆粒であり、さらに滑沢剤または滑沢剤の混合物と混合されるとともに、次に錠剤に圧縮されてもよい。追加的な滑沢剤が使用される場合、それは好ましくは、ステアリン酸またはそのマグネシウム塩またはカルシウム塩からなる群より選択されるか、もしくはベヘン酸グリセリン45(Compritol 888 ATO)であり、組成物の総重量に基づき、好ましくは0.5〜4重量%の量である。
【0049】
代替的に、または追加的に、組成物は賦形剤と混合されてもよい。賦形剤の例は、(微結晶性または粉末状の)セルロース、(アルファ化した)デンプン、ラクトース(無水または一水和物)、ソルビトール、マンニトール、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム(脱水)、第三リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、デキストレート、デキストリン、デキストロース、フルクトース、カオリン、ラクチトールおよび(デキストリン化された)スクロースである。デキストリン化スクロースは、例えば商標名Di Pac(登録商標)としてカナダのテイトアンドライル北米製糖社(Tate and Lyle North American Sugars,Inc.)または米国メリーランド州ボルティモア(Baltimore,MD)のドミノ・スペシャルティ・イングレディエンツ社(Domino Specialty Ingredients)から市販されている。
【0050】
本発明の組成物はまた、アジュバントと混合されてもよい。
【0051】
さらに本発明は上記に定義されるとおりの第1および第2の成分を含んでなる、最も好ましくはa)ゲニステイン(またはその薬学的に許容される塩または誘導体)およびb)ペクチンを含んでなる、本発明の組成物に基づく剤形に関し、錠剤、丸薬、顆粒、糖衣錠、カプセル剤、および発泡性の散剤および錠剤などの製剤などである。好ましくは、剤形は錠剤である。
【0052】
本発明の剤形の好ましい実施形態において、これらの剤形それ自体は大豆タンパク質および/またはフィトステロールを本質的に有さず、好ましくはそれらはこれらの双方を本質的に有しない。
【0053】
本発明のさらなる目的は、
a)イソフラボン類、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される第1の成分、および
b)多糖類である第2の成分
を含んでなる食品ならびに医薬およびパーソナルケア組成物である。
【0054】
食品、医薬およびパーソナルケア組成物に関し、第1および第2の成分について上述と同一の選好が適用される。
【0055】
さらに、本発明の食品、医薬およびパーソナルケア組成物の好ましい実施形態において、これらの食品、医薬およびパーソナルケア組成物それ自体は大豆タンパク質および/またはフィトステロールを本質的に有さず、好ましくはそれらはこれらの双方を本質的に有しない。
【0056】
用語「食品組成物」は、任意のタイプの(栄養価を高めた)食料/飼料および飲料を、臨床栄養物も、および栄養補助食品もまた含め、含んでなる。
【0057】
本発明の組成物が原料として使用され得る飲料は、炭酸飲料、例えば香味付けられたセルツァー水、清涼飲料またはミネラル飲料、ならびに非炭酸飲料、例えば香味付けられた水、果実ジュース、フルーツパンチおよびこれらの飲料の濃縮形態であり得る。これらは天然果実または野菜ジュースもしくは人工香味料に基づいてもよい。アルコール飲料およびインスタント飲料粉末もまた含まれる。その他、糖質含有飲料、ノンカロリーおよび人工の甘味料入りのダイエット飲料もまた含まれる。
【0058】
さらに、天然源または合成物質から得られた乳製品は、本発明の組成物が原料として使用され得る食製品の範囲内である。かかる製品の典型例は、乳飲料、アイスクリーム、チーズ、ヨーグルトおよび類似物である。豆乳飲料および豆腐製品などの代用乳製品もまた本出願範囲内に含まれる。
【0059】
菓子製品、キャンディー、ガム、デザート、例えばアイスクリーム、ゼリー、プリン、インスタントプリン粉末および類似物などの、本発明の組成物を原料として含有する甘味品もまた含まれる。
【0060】
本発明の組成物を原料として含有するシリアル、スナック菓子、クッキー、パスタ、スープおよびソース、マヨネーズ、サラダドレッシングおよび類似物もまた含まれる。さらに、乳製品およびシリアルに使用される調製果実もまた含まれる。
【0061】
組成物が原料として使用される、チュアブル錠剤、発泡錠剤またはフィルムコート錠剤などの錠剤、または硬カプセル剤などのカプセル剤などの医薬組成物もまた、本発明の範囲内にある。製品形状は典型的には、粉末として打錠混合物に添加されるか、もしくはカプセル剤の生産用としてそれ自体既知の方式でカプセルに充填される。
【0062】
組成物が原料として使用される、栄養成分のプレミクス、複合飼料、代用乳、流動食または調製飼料などの動物飼料製品もまた本発明の範囲内にある。
【0063】
パーソナルケア組成物の例は、化粧品、洗面用化粧品および皮膚用製品である。それゆえ、組成物が原料として使用される、クリーム、ローション、浴用剤、口紅、シャンプー、コンディショナー、スプレーまたはジェルなどのスキンケアおよびヘアケア製品もまた本発明の範囲内にある。
【0064】
いまだ別の態様において、本発明は多糖類(上記に開示されるとおりの定義および選好を伴う)の使用、特に、イソフラボン類、大豆製品、好ましくは少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される成分の粉末の流動性を改良するための上述されるとおりの、ペクチンの使用に関する。もしくは、言い換えれば、本発明はまた、イソフラボン類、大豆製品、好ましくは少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される成分を含有する組成物用造粒剤としての、多糖類、特にペクチンの使用に関する。イソフラボン(類)の溶解度については、上述と同一の選好が適用される。
【0065】
好ましくは、大豆製品は大豆タンパク質および/またはフィトステロール(上記に定義されるとおりの)を本質的に有さず、好ましくはそれはこれらの双方を本質的に有しない。本発明の別の好ましい実施形態において、粉末それ自体は大豆タンパク質および/またはフィトステロールを本質的に有さず、好ましくはそれはこれらの双方を本質的に有しない。
【0066】
本発明に従う使用の別の好ましい実施形態において、大豆製品は少なくとも1種のイソフラボンを、大豆製品の総重量に基づき、少なくとも50重量%の量で、好ましくは少なくとも70重量%の量で、より好ましくは少なくとも80重量%の量で、最も好ましくは少なくとも90重量%の量で含有する。
【0067】
本発明の好ましい実施形態において、多糖類、好ましくはペクチンは、イソフラボンまたはかかるイソフラボンを含有する大豆製品の粉末、特にイソフラボン、好ましくは式Iのイソフラボンまたはかかるイソフラボンを含有する大豆製品の粉末、より好ましくは式I
【化2】


(式中、R、RおよびRは、上述と同一の意味および選好を有する)
のかかるイソフラボンの粉末の流動性を改良するため、もしくは(大豆製品含有の)前記イソフラボンの薬学的に許容される塩または薬学的に許容される誘導体の粉末の流動性を改良するため使用される。
【0068】
本発明の最も好ましい実施形態において、多糖類、好ましくはペクチンは、双方ともヒドロキシル(=ゲニステイン)であるRおよびRを伴う式Iのイソフラボンの、その薬学的に許容される塩または薬学的に許容される誘導体の、好ましくはゲニステインそれ自体の粉末の流動性を改良するため使用される。
【0069】
本発明は以下の実施例によりさらに説明される。
【0070】
実施例1
ペクチン溶液が、2.47gのペクチン(GENU(登録商標)ペクチンUSP/100、8.88%含水量、CPケルコ(CP Kelco)、Lille Skensved、デンマーク)を222.5gの水に溶解することにより調製され、ペクチン溶液の総重量に基づき、1.0重量%ペクチン含有ペクチン溶液となった。ゲニステイン粉末がグラット流動層造粒機(ユニグラット型(Model Uniglatt)、グラットGmbH(Glatt GmbH)、Binzen、ドイツ)に配置され、ペクチン溶液の微細ミストが噴霧された。造粒条件は好適に以下のとおりであった:
ゲニステイン粉末:298.5g
ペクチン溶液:150g
ペクチン溶液噴霧速度:12g/分
【0071】
ペクチン溶液の噴霧完了後、顆粒はさらに造粒機中で約10分間乾燥された。顆粒は0.28の水分活性および実施例5に示されるとおりの顆粒径分布を有した。
【0072】
実施例2
ペクチン溶液が、3.95gのペクチン(GENU(登録商標)ペクチンUSP/100、8.88%含水量、CPケルコ(CP Kelco)、Lille Skensved、デンマーク)を176.1gの水に溶解することにより調製され、ペクチン溶液の総重量に基づき、2.0重量%ペクチン含有ペクチン溶液となった。ゲニステイン粉末がグラット流動層造粒機(ユニグラット型(Model Uniglatt)、グラットGmbH(Glatt GmbH)、Binzen、ドイツ)に配置され、ペクチン溶液の微細ミストが噴霧された。造粒条件は好適に以下のとおりであった:
ゲニステイン粉末:297g
ペクチン溶液:150g
ペクチン溶液噴霧速度:15.8g/分
【0073】
ペクチン溶液の噴霧完了後、顆粒はさらに造粒機中で約10分間乾燥された。顆粒は0.17の水分活性および実施例5に示されるとおりの顆粒径分布を有した。
【0074】
実施例3
ペクチン溶液が、5.93gのペクチン(GENU(登録商標)ペクチンUSP/100、8.88%含水量、CPケルコ(CP Kelco)、Lille Skensved、デンマーク)を174.1gの水に溶解することにより調製され、ペクチン溶液の総重量に基づき、3.0重量%ペクチン含有ペクチン溶液となった。ゲニステイン粉末がグラット流動層造粒機(ユニグラット型(Model Uniglatt)、グラットGmbH(Glatt GmbH)、Binzen、ドイツ)に配置され、ペクチン溶液の微細ミストが噴霧された。造粒条件は好適に以下のとおりであった:
ゲニステイン粉末:295.5g
ペクチン溶液:150g
ペクチン溶液噴霧速度:14.6g/分
【0075】
ペクチン溶液の噴霧完了後、顆粒はさらに造粒機中で約10分間乾燥された。顆粒は0.25の水分活性および実施例5に示されるとおりの顆粒径分布を有した。
【0076】
実施例4
ペクチン溶液が、9.87gのペクチン(GENU(登録商標)ペクチンUSP/100、8.88%含水量、CPケルコ(CP Kelco)、Lille Skensved、デンマーク)を215.1gの水に溶解することにより調製され、ペクチン溶液の総重量に基づき、4.0重量%ペクチン含有ペクチン溶液となった。ゲニステイン粉末がグラット流動層造粒機(ユニグラット型(Model Uniglatt)、グラットGmbH(Glatt GmbH)、Binzen、ドイツ)に配置され、ペクチン溶液の微細ミストが噴霧された。造粒条件は好適に以下のとおりであった:
ゲニステイン粉末:294g
ペクチン溶液:150g
ペクチン溶液噴霧速度:11.8g/分
【0077】
ペクチン溶液の噴霧完了後、顆粒はさらに造粒機中で約10分間乾燥された。顆粒は0.25の水分活性および実施例5に示されるとおりの顆粒径分布を有した。
【0078】
実施例5
実施例1〜4の顆粒径分布が篩分析により分析されたとともに、結果が以下の表に示される。流動性は、漏斗の11mmの開口を通じ流れるゲニステイン結晶またはゲニステイン顆粒を100g有するまでに要した時間により定量された。
【0079】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
イソフラボン類、大豆製品、好ましくは少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される成分の粉末の流動性を改良するための、多糖類、好ましくはペクチンの使用。
【請求項2】
前記大豆製品が大豆タンパク質またはフィトステロールを本質的に有しない、請求項1に記載の多糖類の使用。
【請求項3】
前記大豆製品が少なくとも1種のイソフラボンを、前記大豆製品の総重量に基づき、少なくとも50重量%の量で、好ましくは少なくとも70重量%の量で、より好ましくは少なくとも80重量%の量で、最も好ましくは少なくとも90重量%の量で含有する、請求項1または2に記載の多糖類の使用。
【請求項4】
前記大豆製品が大豆タンパク質およびフィトステロールを本質的に有しない、請求項1または3に記載の多糖類の使用。
【請求項5】
イソフラボンまたはかかるイソフラボンを含有する大豆製品、好ましくは式Iのイソフラボンまたはかかるイソフラボンを含有する大豆製品、
【化1】


(式中、Rは水素、C1−18−アルキル基またはC1−18−アルキルカルボニル基を示し、Rは水素またはヒドロキシル基またはC1−18−アルキルオキシ基またはC1−18−アルキルカルボニルオキシ基を示し、およびRはヒドロキシル基またはC1−18−アルコキシ基またはC1−18−アルキルカルボニルオキシ基を示す)、
それらの薬学的に許容される塩または薬学的に許容される誘導体の粉末の流動性が改良される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多糖類、好ましくはペクチンの使用。
【請求項6】
Rが水素であるとともにRおよびRの双方がヒドロキシル基である式Iの、すなわちゲニステインの、イソフラボンまたはかかる式Iのイソフラボンを含有する大豆製品の粉末の流動性が改良される、請求項5に記載の多糖類の使用。
【請求項7】
少なくとも1種のイソフラボンが水に対し30℃で5重量%未満の溶解度を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多糖類の使用。
【請求項8】
少なくとも1種のイソフラボンが塩化メチレンに対し30℃で5重量%未満の溶解度を有する、請求項1〜4または7のいずれか一項に記載の多糖類の使用。
【請求項9】
a)イソフラボン類、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択される第1の成分、および
b)多糖類である第2の成分
を含んでなる組成物。
【請求項10】
前記イソフラボンが、式Iのイソフラボン
【化2】


(式中、Rは水素、C1−18−アルキル基またはC1−18−アルキルカルボニル基を示し、Rは水素またはヒドロキシル基またはC1−18−アルキルオキシ基またはC1−18−アルキルカルボニルオキシ基を示し、およびRはヒドロキシル基またはC1−18−アルコキシ基またはC1−18−アルキルカルボニルオキシ基を示す)、その薬学的に許容される塩および誘導体からなる群より選択される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
Rが水素であるとともにRおよびRの双方がヒドロキシル基である、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記第1の成分a)が、イソフラボン類、少なくとも1種のイソフラボンを含有する大豆製品、およびそれらの混合物からなる群より選択され、少なくとも1種のイソフラボンが水に対し30℃で5重量%未満の溶解度を有するおよび/または少なくとも1種のイソフラボンが塩化メチレンに対し30℃で5重量%未満の溶解度を有する、請求項9に記載の組成物。
【請求項13】
前記大豆製品が少なくとも1種のイソフラボンを、前記大豆製品の総重量に基づき、少なくとも50重量%の量で、好ましくは少なくとも70重量%の量で、より好ましくは少なくとも80重量%の量で、最も好ましくは少なくとも90重量%の量で含有する、請求項9〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
少なくとも1種のイソフラボンを含有する前記大豆製品が大豆タンパク質またはフィトステロールを本質的に有しない、請求項9〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1種のイソフラボンを含有する前記大豆製品が大豆タンパク質およびフィトステロールを本質的に有しない、請求項9〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物中に存在する前記イソフラボンが水に対し30℃で5重量%未満の溶解度を有する、請求項9および12〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物中に存在する前記イソフラボンが塩化メチレンに対し30℃で5重量%未満の溶解度を有する、請求項9および13〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
粉末または顆粒の形状の請求項9〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記多糖類がペクチンまたはアルギン酸またはそれらの混合物であり、好ましくは前記多糖類がペクチンである、請求項9〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記多糖類が、前記組成物の総重量に基づき、0.1重量%以上の分量で存在する、請求項9〜19のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記ペクチンが、前記組成物の総重量に基づき、0.5重量%以上の分量で存在する、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
流動層造粒、高剪断造粒、押し出し、噴霧乾燥または湿式造粒による請求項9〜21のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
【請求項23】
好ましくは、スラリーの総重量に基づき、10〜70重量%、および好ましくは25〜50重量%の固形分を有する、全成分の、スラリー、好ましくは水性スラリーを調製するステップ、および前記スラリーをそれ自体既知の方式で噴霧乾燥するステップを含んでなる、請求項9〜21のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
【請求項24】
噴霧手段を装備する流動層乾燥装置内で多糖類を伴うまたは伴わない前記第1の成分の流動層を形成するステップであって、前記流動層が空気または不活性ガスにより流動化されるステップ、および多糖類または水のみの、溶液、好ましくは水溶液を霧化されたミストの形状で前記流動化粒子上に前記所望の顆粒または粉末が得られるまで噴霧するステップを含んでなる、請求項9〜21のいずれか一項に記載の組成物の製造方法。
【請求項25】
前記成分の1つ/前記第1の成分が、イソフラボン、好ましくは式Iのイソフラボン、
【化3】


(式中、Rは水素、C1−18−アルキル基またはC1−18−アルキルカルボニル基を示し、Rは水素またはヒドロキシル基またはC1−18−アルキルオキシ基またはC1−18−アルキルカルボニルオキシ基を示し、およびRはヒドロキシル基またはC1−18−アルコキシ基またはC1−18−アルキルカルボニルオキシ基を示す)、
その薬学的に許容される塩または薬学的に許容される誘導体である、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
Rが水素であるとともにRおよびRの双方がヒドロキシル基である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記多糖類がペクチンまたはアルギン酸またはそれらの混合物であり、好ましくは前記多糖類がペクチンである、請求項24〜26の一項以上に記載の方法。
【請求項28】
請求項9〜21のいずれか一項に記載の組成物に基づく剤形。
【請求項29】
前記剤形が錠剤である、請求項28に記載の剤形。
【請求項30】
請求項9〜21のいずれか一項に記載の組成物を含んでなる食品、医薬およびパーソナルケア組成物。

【公表番号】特表2008−530160(P2008−530160A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555517(P2007−555517)
【出願日】平成18年2月14日(2006.2.14)
【国際出願番号】PCT/EP2006/001331
【国際公開番号】WO2006/087164
【国際公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】