説明

大容量記憶装置の読み書きヘッド用の読み取りセンサの製造方法

大容量記憶装置の読み取りヘッド用の素子構造体の製造方法。ダイヤモンドライクカーボン等の比較的硬質な材料から形成された研磨停止層(40)が、読み取りセンサ(34)の形を定めるために積層体(32)の一部を除去するイオンミリング中に積層体(32)の領域をマスキングするために用いられるレジストマスク(42)と積層体(32)との間に位置する。読み取りセンサ(34)の形が定められた後に、従来の化学的な方法を有するレジストマスク(42)のリフトオフを必要としない平坦化工程によって、レジストマスク(42)が除去される。Al等の材料から成る電気絶縁層(46)が、マスキングされた読み取りセンサ(34)の上に形成される。これに加えてまたは代わりに、電気絶縁層(46)を、レジストマスク(42)が存在する場合には固焼きされてしまうような高温で実施される原子層堆積(ALD)法を用いて形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大容量記憶装置用の読み書きヘッドに係り、特に大容量記憶装置の読み取りヘッドにおいて用いられる読み取りセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気記憶は、情報処理産業の主力である。磁気ディスクドライブ等の記憶装置は、磁気的にエンコードされたデータを書き込み、記憶し、そして後の使用のために取り出すことが可能な記録媒体の薄層によって覆われたディスクまたは円盤状の記録媒体を含む。一般的に、書き込みヘッドの書き込みセンサは、記憶媒体の放射状で同心状のトラックに、磁気的にエンコードされたデータの離散的なビットを書き込む。磁気的にエンコードされたデータは、局所的な磁場の向きによって与えられる二進法の状態で記録媒体によって記憶され、読み取りヘッドの読み取りセンサを用いて読み取られる。読み取り及び書き込みヘッドは、読み書き動作を実施するためにコンピュータ制御で動作する回路に接続される。
【0003】
記録媒体の面記録密度は、読み書きヘッドの限界寸法または最小フィーチャサイズによって、また、記録媒体を形成する構成材料によって限定される。読み書きヘッド装置の読み取りセンサ及び書き込みセンサの限界寸法が減少すると、記録媒体の面記憶密度が増大する。しかしながら、従来の読み書きヘッドの水平型のまたはCIP(Current‐In‐Plane)型のスピンバルブ読み取りセンサでは、読み取りヘッドの限界寸法がディープサブミクロンの限界寸法にまで減少されると、適切な出力振幅を生成することができない。結果として、非常に高いビット密度を達成することにおいて“水平型”記録媒体に対して優れていることが分かっている“垂直型”記録媒体を備えた高密度記憶装置では、CPP(Current‐Perpendicular‐To‐Plane)型構造を有する読み取りセンサが、従来のCIP型スピンバルブ読み取りセンサに取って代わってきている。従来のCPP型読み取りセンサは、交換バイアススピンバルブまたは、巨大磁気抵抗(Giant Magnetoresistance,GMR)構造、強磁性/非磁性(Ferromagnetic/Nonmagnetic)多層([FM/NM]n)構造、トンネル磁気抵抗(Tunnel Magnetoresistive,TMR)構造を含む。
【0004】
図1を参照すると、磁気ディスクドライブでは典型的に、読み取りヘッド10及び書き込みヘッド13が、円盤状の記録媒体19の上方のアクチュエータアーム17から懸架された可動スライダ15上に、統合された読み書きヘッドとして集積される。円盤状の記録媒体19が回転すると、空気力学的に設計されたスライダ15が、回転している円盤状の記録媒体19の数十ナノメートルのオーダのよく制御された距離において、空気ベアリング表面21によって生成されたエアクッション上に乗る。回転している円盤状の記録媒体19に接触することなく、アクチュエータ(図示せず)がアクチュエータアーム17を動かして、読み書きヘッドの読み取り及び書き込みヘッド10、13を、回転している円盤状の記録媒体19上の選択されたトラックの上方に位置付ける。
【0005】
図2Aを参照すると、読み取りヘッド10(図1、2B)は、薄膜堆積法を用いて形成され得る。特に、読み取りヘッド10の読み取りセンサ12を形成するために不可欠な材料の積層体(図示せず)が、下部電極18の上に形成される。その後、二層レジストマスク23がこの積層体の上に形成され、複数の読み取りセンサ12のそれぞれに対する予想される位置をマスキングする。二層レジストマスク23は、上部レジスト層23a及び下部レジスト層23bを含み、下部レジスト層23bは、上部レジスト層23aと比較して下部が切り取られている。下部が切り取られていることによって有利に、除去された材料が再堆積することが抑えられて、クリーンなリフトオフが促進される。マスキングされた積層体は高入射角でイオンミリングされて、二層レジストマスク23によって保護されていない積層体の部分を除去する。イオンミリング後、結果物である読み取りセンサ12には、台地状の表面を画定するために垂直方向に収束する傾斜した側壁24によって、境界が与えられている。
【0006】
その後、二層レジストマスク23及び読み取りセンサ12を支持する基板が、ハードバイアス(Hard Biasing,HB)層20(図2B)及び絶縁層22(図2B)を一面に堆積させることによって覆われる。その後、従来のリフトオフ法では、二層レジストマスク23が化学的に剥離される。このリフトオフ法では、二層レジストマスク23の上のHB層20及び絶縁層22の余剰部分が除去され、読み取りセンサ12の側壁に隣接する絶縁層22及びHB層20の境界が画定される。残存した絶縁層22は、読み取りヘッド10のギャップ層として機能する。また、このリフトオフ法では、読み取りセンサ12の最上層と上部電極16(図2B)との間の電気的接触を確立するために、読み取りセンサ12の上の台地状の部分を露出させる。
【0007】
図2Bに示されるように、CPP型読み取りヘッド10は、検出層または自由層14を特色とするイオンミリングされた読み取りセンサ12と、上部電極16と、下部電極18とを含む。自由層14は、“硬”磁性材料の一つ以上の層から成る、HB層20によって、水平方向に安定化される。ハードバイアスの効果は、自由層14とHB層20との間のMrt比(典型的には2ミリemu毎cmよりも大きい)と、自由層14とHB層20との間の垂直整列の度合い及び物理的離隔とによって決定される。読み取りセンサ12は、間に介在する絶縁層22(電気絶縁体から成る(例えばアルミナ(Al)))によって、HB層20から電気的に絶縁される。
【0008】
絶縁層22を形成するために電気絶縁体を堆積させる一般的な方法には、デュアルコリメートマグネトロンスパッタリングを用いた物理気相蒸着(Physical Vapor Deposition,PVD)またはイオンビーム蒸着(Ion Beam Deposition,IBD)による室温でのコリメート堆積が含まれる。一般的に、コリメートPVD法を用いた読み取りセンサ12の側壁24上の段差被覆率(つまり、下記に定義される絶縁層22の寸法“a”対絶縁層22の寸法“b”の比)は、側壁24上の個別のエッチングの壁角度に依存して、略15パーセントから30パーセントの範囲に限られる。何故ならば、側壁24の勾配が増大すると、段差被覆率が減少するからである。つまり、絶縁層の厚さは、側壁24の高さに沿って逓減するので、側壁24上よりもフィールド領域において顕著に厚い。一般的に、コリメートPVD法を用いた堆積と比較すると、IBD法による絶縁層22の堆積によって、読み取りセンサ12の側壁24上の段差被覆率が改善される。しかしながら、IBD法で得られる段差被覆率は、ここでも側壁24上の個別のエッチングの壁角度に依存して、最高でも略60パーセントに限られる。
【0009】
IBD法またはPVD法のどちらによっても段差被覆率が悪いので、堆積させた絶縁層22の電気絶縁体は、センサの側壁24上よりも、読み取りセンサ12から離れたフィールド領域において顕著に厚い。自由層14近傍の側壁24上の絶縁層22の厚さaとフィールド領域の絶縁層22の厚さbとの典型的な差は、三倍以上である。例えば、センサの側壁24上に50Åの絶縁層22を堆積させると、フィールド領域には少なくとも150Åから200Åの厚さの絶縁層22が生じることが多い。
【0010】
典型的なTMRセンサの積層体に対しては、フィールド領域とセンサの側壁24上とでの絶縁層22の厚さの差によって、自由層14に対するHB層20の整列が悪くなる。厚さの差を原因とする幾何学的なオフセットは、読み取りセンサ12に関しての高い表面トポグラフィを与え、リードギャップが上方に広がることになり、側方の読み取りから読み取り性能が悪くなることに繋がる。リードギャップの上方への広がり(一般的に図2Bに参照符号26で示される)は、自由層14に対してのHB層20の誤整列によるものであり、絶縁層22のフィールドの厚い絶縁体(“b”)が原因である。絶縁層22の厚いフィールド領域は、適切な電気絶縁のために、側壁部分でのアルミナの最小厚さ“a”に一致することが必要とされる。厚いフィールド領域のせいで、HB層20の中央平面は、自由層14の側縁または中央平面よりも、その水平レベルが顕著に低く位置する。自由層14の安定性は、自由層14の側縁とHB層20との間のこの誤整列が原因で減少し、読み取りヘッド10の性能を劣化させる。
【0011】
側壁の被覆率が改善すると、厚さ“b”が減少し、リードギャップの広がりが減少する。従って、絶縁層22を、100パーセントに近い段差被覆率が可能な原子層堆積(Atomic Layer Deposition,ALD)法によって、堆積させることが可能であり、側壁24上の電気絶縁体の厚さ“a”が、フィールド領域での厚さ“b”に略等しくなる。これによって読み取りヘッド10の性能が改善されるが、130℃を超えるALD法における堆積温度は、二層レジストマスク23(図2A)を固焼きする。この固焼きによって、二層レジストマスク23の下部レジスト層23bと読み取りセンサ12との間の接着が強くなり、二層レジストマスク23を除去するために用いられるリフトオフ法を妨げる。堆積温度を130℃未満に限定すると、電気的な絶縁体を構成する層22内に取り込まれる不純物の付随度合いが高くなるので、膜の性能が比較的悪くなる。例えば、低い堆積温度では、Al中の水素及び炭素の不純物が比較的高レベルになり、伝導性及び漏洩電流密度が増大する。
【0012】
更には、絶縁層22を形成するのに用いられるリフトオフ法では、絶縁層22の厚さに原理的な上限が課せられる。具体的には、リフトオフ法は、サブミクロンサイズの読み取りセンサ10を形成するためのスケール(特に略250ナノメートルよりも小さいスケール)には適用されない。何故ならば、二層レジストマスク23の上部レジスト層23aの下方の下部切り取り部が小さくなり過ぎるからである。更に、ALDによって達成される特徴的な100パーセントの段差被覆率のせいで、絶縁層22の電気絶縁体が、二層レジストマスク23の上部レジスト層23aの下方の下部切り取り部を完全に充填する可能性があり、リフトオフ法をほぼ不可能なものにしてしまうか、少なくとも信頼できないものにしてしまう。他の制限は、読み取りセンサ12の限界寸法の更なる減少に対して、二層レジストマスク23の上部レジスト層23aの下方の下部切り取り部が最終的には、HB層20及び絶縁層22から成る上部層を支持するには小さくなり過ぎてしまうということであり、従って、リフトオフが信頼できないものになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、必要とされているのは、こうした読み取りセンサの従来の製造方法の上述のまた他の欠点を克服する、読み書きヘッド用の読み取りセンサの改善された製造方法である。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、大容量記憶装置の読み取りヘッド用の素子構造体の製造方法が提供される。平坦化工程を採用して、レジストマスクを除去するが、このレジストマスクは、読み取りヘッドの読み取りセンサを形成する際の、イオンミリングマスクとして先行する製造段階において用いられるものである。研磨停止層は、比較的硬質及び/又は耐摩耗性の材料から形成され、戦略的に位置付けられて、従来の化学的な方法を有する二層レジストマスクのリフトオフの必要を無くす。従来の化学的なリフトオフを排除することによって、Al等の材料から成る電気絶縁層を、130℃を超える温度で実施される原子層堆積(ALD)法を用いて、読み取りセンサの上に形成することができる。
【0015】
本発明の一側面による実施例においては、本製造方法は、読み取りセンサとして動作可能な多層膜を含む積層体を形成する段階と、積層体の上に研磨停止層を形成する段階と、研磨停止層の一部によって覆われている積層体から読み取りセンサの形を定める段階とを含む。読み取りセンサの形が定められた後に、研磨停止層の一部及び読み取りセンサの上に、電気絶縁体を含む絶縁層が形成される。絶縁層の上に、磁性材料を含むハードバイアス層が形成される。例えば化学機械研磨を用いて、絶縁層及びハードバイアス層が平坦化される。この平坦化は、垂直方向に対して、研磨停止層の一部の上で停止する。
【0016】
本発明の他の側面による実施例においては、本製造方法は、読み取りセンサとして動作可能な多層膜を含む積層体を形成する段階と、積層体の上に研磨停止層を形成する段階と、研磨停止層の上にレジストマスクを形成する段階とを含む。読み取りセンサは、レジストマスクによってマスクキングされた位置の一つの積層体から形成される。読み取りセンサ及びレジストマスクは、研磨停止層の残留部分によって分離される。電気絶縁体から成る絶縁層が、130℃を超える温度で実施可能な原子層堆積(ALD)法によって、研磨停止層の一部、レジストマスク及び読み取りセンサの上に形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
添付図面は、本発明の原理を説明する前述の本発明の一般的な説明及び後述の実施形態の詳細な説明とともに、本発明の実施形態を例示するものである。
【0018】
図3を参照すると、基板(図示せず)は、底部磁気シールド28によって覆われる。この基板の上には、大容量記憶装置の読み取りヘッド60(図9)においてそれぞれが用いられる予定の複数の読み取りセンサ34(図5)が形成される。基板は、典型的にはディスク状であり、適切な非磁性材料または合金から形成され、例えばアルミニウム、チタン及び炭素の合金(AlTiC)が挙げられるがこれに限定されるものではない。底部磁気シールド28は、例えばニッケル鉄合金等の適切な従来の材料から形成される。その後、底部磁気シールド28は、当業者にとって適切であると認識されている誘電体から成る絶縁層30によって、覆われる。
【0019】
複数の薄膜を含む積層体32が絶縁層30の上に形成されるが、ここで、個々それぞれの薄膜は、スパッタリング堆積法やイオンビーム蒸着(Ion Beam Deposition,IBD)法等の適切な従来の堆積法によって形成される。積層体32は、基板表面上に分布する位置において複数の読み取りセンサ34(図5)の形を定めるように、後続プロセスで成形される。典型的には、積層体32は、200Åから400Åの範囲の厚さを有する。
【0020】
それぞれのセンサ34は、磁気媒体から磁場を検出するように動作するセンサであり得る。従って、積層体32内の薄膜は、読み取りセンサ34を定めるのに適切な構成、厚さ及び配置を有し、好ましくはCPP(Current‐Perpendicular‐To‐Plane)型構造を有する。読み取りセンサ34は複数の磁気抵抗(Magnetoresistive,MR)型センサの何れかとして構築され得り、AMR(Anisotropic Magnetoresistive,異方性磁気抵抗)構造、スピンバルブ構造、GMR(Giant Magnetoresistive,巨大磁気抵抗)構造、TMR(Tunnel Magnetoresistive,トンネル磁気抵抗)構造、強磁性/非磁性(Ferromagnetic/Nonmagnetic)多層([FM/NM])構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。積層体32内の一つ以上の層36は、製造される読み取りセンサ34の検出層または自由層38(図5)になるものであり、加えられる磁場に反応するために磁化方向が自由である。例えば、TMRセンサとして動作する読み取りセンサ34の自由層38は、組成の異なる強磁性体(例えば、ニッケル鉄、コバルト鉄、ニッケル鉄コバルト等)の二つの層36から成る。また、積層体32は、読み取りセンサ34の磁化ピン止め層になる材料層(図示せず)も含み、その磁化は、加えられる磁場において固定されている。また、自由層38をピン止め層から離隔するスペーサ層(図示せず)も含まれる。
【0021】
研磨停止層40は、積層体32上に形成される。研磨停止層40は、当業者によって理解されるように、平坦化中に研磨を停止させるものとして機能するのに十分な硬さ及び/又は耐摩耗性を有する材料を含む。研磨停止層40は、均等な平坦化条件の下での平坦化における除去速度が、絶縁層46及びHB層48(図6)の除去速度よりも遅く、平坦化中に停止層として有効に機能する何らかの材料であり得る。研磨停止層40は、製造工程の後続の平坦化段階中の損傷から読み取りセンサ34を保護するように機能する。研磨停止層40の厚さは50Å以上であり得て、好ましくは、略50Åから100Åの範囲内である。研磨停止層40は、後続の工程段階中に構造体から除去されて、製造された読み取りヘッド60(図9)には存在しない。
【0022】
研磨停止層40は、メタンダイレクトIBD法、デュアルイオンビームスパッタリング法、無線周波数または直流励起炭化水素グロー放電法、下層のシリコンシード層上へのIBD法または炭化水素グロー放電法、FCA(Filtered Cathode Arc)法等の従来の方法によって形成したダイヤモンドライクカーボン(Diamonod‐Like Carbon,DLC)を含む。好ましくは、DLCは、ダイレクトイオンビーム蒸着(IBD)法、デュアルイオンビームスパッタリング法、無線周波数励起炭化水素グロー放電法、または、直流励起炭化水素グロー放電法によって形成された水素化DLCまたは、FCA法によって形成された四面体のアモルファス(ta‐C)DLCのいずれかである。DLCは、アブレーションにおいて磨耗性の低い比較的硬質の材料であり、CMPにおいて使用されるスラリに晒された際に化学的に不活性である。
【0023】
研磨停止層40を構成する材料は、絶縁層46及びHB層48形成する構成材料よりも硬度が大きく、及び/又は、磨耗性が低い(つまり、耐摩耗性が大きい)。本発明の一実施形態では、研磨停止層40の構成材料の硬度は、略10ギガパスカル(GPa)よりも大きい。個別の形成方法に依存して、研磨停止層40として使用されるDLCの硬度は10GPaから略70GPaの範囲内であり得る。
【0024】
図3と同様の参照符号が同様の特徴部を指称し後続の製造段階におけるものである図4を参照すると、レジストマスク42が、研磨停止層40上に従来のフォトリソグラフィのパターニング法によって形成される。レジストマスク42は単層構造または多層構造のどちらでもよく、下部切り取り部を含んでも含まなくてもよい。本発明は、化学的なレジスト除去を用いた従来のリフトオフ法によるものではないので、後続の製造段階におけるリフトオフによる除去を促進する必要に関係無く、レジストマスク42の構造を決めることができ、レジストマスク42の組成を選択することができる。読み取りセンサ34(図5)は、レジストマスク42のパターニングによるイオンミリングから保護された位置の積層体32内において、形が定められる。
【0025】
図4と同様の参照符号が同様の特徴部を指称し後続の製造段階におけるものである図5を参照すると、イオンビームミリング工程(つまり、アルゴンのスパッタエッチング)を用いて、レジストマスク42のパターン内部に定められた保護されたまたはマスキングされた位置において、積層体32からリードセンサ34の形を定める。イオンビームミリング工程では、多重入射角及び多重エネルギーを用いてリードセンサ34の形を定めてもよい。本発明の一実施形態では、第一イオンビームミリング工程では、表面の垂線から30°から15°までの角度で入射し略600電子ボルト(eV)から略1200eVの運動エネルギーを有するアルゴンイオンを用い、第二イオンビームミリング工程では、75°から60°までの角度で入射し略100eVから略400eVの運動エネルギーを有するアルゴンイオンを用いて、読み取りセンサ34の側壁44から、再堆積した材料を除去して、磁気不感層の形成を回避する。読み取りセンサ34は、自由層38を含み、イオンミリング中にレジストマスク42によって保護される残留した厚さの研磨停止層40によって覆われている。イオンミリング工程では、絶縁層30及び/又は底部磁気シールド28の垂直レベルに到達するまで、材料が除去される。
【0026】
図5と同様の参照符号が同様の特徴部を指称し後続の製造段階におけるものである図6を参照すると、電気絶縁体から成る絶縁層46が、図5の部分的に製造された構造のレジストマスク42及び積層体32の上に、好ましくはコンフォーマルに、形成される。好ましくは、絶縁層46を形成する電気絶縁体はアルミナ(Al)であり、原子層堆積(Atomic Layer Deposition,ALD)法によって形成される。ALD法は従来の堆積法であり、それぞれのアルミナの原子層またはその一部の堆積は、絶縁層46を増加的に堆積させる自己制限的な方法で反応する適切な気相前駆体の交互且つ逐次的な導入によって制御される。ALD法によってAlを形成するのに用いることができる気相前駆体の組の一つは、水蒸気及びトリメチルアルミニウム(Al(CH,TMA(Trimethylaluminum))である。
【0027】
ALD法は、絶縁層46を形成するのに用いることが可能なものであるが、略230℃の上限にまで拡張され得る広範な温度範囲内の比較的高温(好ましくは130℃を超える)で実施することが可能である。レジストのリフトオフに依る従来の方法では、レジストのリフトオフに負の影響を与える熱的な逆効果のせいで、ALD法の上限温度は著しく低くなる。レジストのリフトオフに依らない本発明において用いられるALD法用の上昇させた温度は、絶縁層46を不純物含有量を少なく形成することを可能にし、漏洩電流を減少させることにより読み取りセンサ34の性能を改善する。しかしながら、本発明は、不純物含有量が関係ないのであれば、及び/又は、研磨停止層40の存在によって提供される利点を得られるのであれば、ALD法を低温で実施することを妨げるものではない。更には、研磨停止層40の存在によって提供される利点を得ながら、他の堆積法(好ましくは、コンフォーマルな堆積が可能な方法)を用いて、絶縁層46を堆積させることもできる。
【0028】
ハードバイアス(HB)層48を絶縁層46上に、好ましくはコンフォーマルに、堆積させる。本発明の図示された実施例においては、HB層48は、シード層50と、このシード層50上に形成された“硬”磁性層52とを含む。シード層50は、クロム(Cr)、チタン(Ti)、チタンクロム合金(TiCr)、チタンタングステン合金(TiW)、または、その上に存在する磁性層52用の適切なエピタキシャルテンプレートを提供することが可能な適切な他の材料であり得る。磁性層52を構成する“硬”磁性材料は、コバルトクロムプラチナ合金(CoCrPt)、コバルトプラチナ合金(CoPt)、または、読み取りセンサ34に用いられるのに適切な磁性を備えた他の材料であり得る。一般的に、“硬”磁性材料とは、読み取りセンサ34の動作時に用いられる比較的低磁場に晒された際に、その磁化方向が維持される材料のことである。本発明では、HB層48が、図6に示される二層構造とは異なり、単層として単一の材料から形成される場合も想定され得る。
【0029】
突出した読み取りセンサ34と、イオンミリング後に絶縁層30が露出される隣接する読み取りセンサ34間の凹表面とにわたって、好ましくはコンフォーマルに、絶縁層46及びHB層48が加えられた後では、HB層48の露出している表面54は凸凹である。表面トポグラフィのこの凸凹は、材料を除去する深さを制御する研磨停止層に依る後続の平坦化工程(図7)によって減じられる。
【0030】
図6と同様の参照符号が同様の特徴部を指称し後続の製造段階におけるものである図7を参照すると、露出している表面54は、従来の平坦化工程によって、平滑にされる。適切な平坦化工程の一つは、マイクロエレクトロニクス産業において用いられる従来の化学機械研磨(Chemical‐Mechanical Polishing,CMP)法であり、研磨パッド及び研磨スラリを用いて材料を除去する。平坦化工程によって、読み取りセンサ34を覆うHB層48及び絶縁層46から余分な被覆材が除去され、また、レジストマスク42が除去される。結果として、レジストマスク42を除去するために、従来のリフトオフ法が必要とされない。
【0031】
平坦化は、垂直方向に対して、研磨停止層40のレベルで停止する。何故ならば、研磨停止層40を構成する材料は、レジストマスク42、絶縁層46及びHB層48を構成する材料よりも、大きな硬度(好ましくは顕著に大きな硬度)を有するからである。露出している表面54は、平坦化後においても表面トポグラフィを一部保持し得る。残留したHB層は、自由層を水平方向に安定化させ、絶縁層46の残留部は、完成品の読み取りセンサ60のギャップ層を定義する。
【0032】
図7と同様の参照符号が同様の特徴部を指称し後続の製造段階におけるものである図8を参照すると、研磨停止層40は、部分的に製造された構造から除去される。除去される研磨停止層40の後には、後続の製造段階において導体で充填されるキャビティまたはボイド55が残され、読み取りセンサ34の最上部が露出される。例えば研磨停止層40がDLCであるならば、酸素、アルゴンと酸素との混合物、または、フッ素含有ガスのプロセスガスを用いる、反応性イオンビームエッチング(Reactive Ion Beam Etch,RIBE)法やプラズマ法等の乾式エッチング法を用いて、乾式エッチング法に晒される他の材料に対して高い選択性で、DLC層を制御可能に除去することができ、結果として、読み取りセンサ34の最上層が損傷を受けることのない、効果的な除去となる。
【0033】
図8と同様の参照符号が同様の特徴部を指称し後続の製造段階におけるものである図9を参照すると、導線又は上部電極56が、図8の部分的に製造された構造の上に形成される。上部電極はアモルファスタンタル(α‐Ta)、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、または、タンタル及び金から成る三層構造(Ta/Au/Ta)等の導体から成る。上部電極56の導体の一部は、研磨停止層40の材料で占められていたボイド55を充填し、読み取りセンサ34の最上薄膜に高い伝導性を備えた電気コンタクトを確立する。ニッケル鉄(Ni‐Fe)合金等の従来の適切な材料の最上層シールド58が、従来の堆積法によって、上部電極56上に形成される。結果物である読み取りヘッド60は、大容量記憶装置72(図10)の読み書きヘッドに用いられ、この装置の媒体層に記憶された磁気的にエンコードされたデータを読み取る。
【0034】
読み取りセンサ34の側壁44上と、読み取りセンサ34から離れたフィールド領域において、絶縁層が実質的に一様な厚さを有するので、HB層48の中央平面は、自由層38の側縁及び中央平面と略同じ水平レベルに位置する。従来の読み取りヘッド(図2B)と比較すると、自由層38とHB層48との間の整列が良いので、自由層38の安定性が顕著に改善される。
【0035】
本発明の原理によると、読み取りヘッド60を製造するのに用いられるRIBE法、ALD法及びIBD法を、真空を破壊せずに、単一のプロセスツールプラットフォームで実施することも可能である。こうした様々な工程を集積することは、センサの積層体内の金属層の酸化を減少させるという利点を有する。ここで、こうした酸化は、集積されていないプロットフォームにおいて、工程の間でのチャンバの移動時に構造体が大気に晒されると、生じる。本発明によって最小化または排除可能であるこの酸化は、トラック幅及び、ディープサブミクロンの読み取りセンサのハードバイアス/自由層の間隔の制御が悪くなることに繋がる可能性がある。IBE法、ALD法及びIBD法を集積するツールは、ビーコ・インスツルメンツ(Veeco Instruments社)(ニューヨーク州プレーンビュー)から市販されているNEXUSクラスタツールプラットフォームである。
【0036】
絶縁層46は、100パーセント近い段差被覆率を提供するALDを用いて形成され得るので、電気絶縁性に優れる。ALD法によって得られる原子層の成長によるデジタル化された原子層によって、絶縁層46の厚さ、従って、自由層38に対するHB層48の相対的な垂直度合い及び間隔を精密に制御することが可能になる。これによって、効果的なバイアスが可能になり、リードギャップの広がりが最小化され、読み取りセンサ34の性能が改善される。また、絶縁層46は、ALD法の性質のおかげで、従来の多くのIBD法において観察され得る内外の非対称性が無い。
【0037】
研磨停止層40の存在によって、図7の平坦化工程の正確で信頼できる制御が得られる。また、レジストマスク42を除去するための平坦化工程の使用を可能にする研磨停止層40の存在によって、絶縁層46が形成された後に、レジストマスク42を化学的に除去する必要が無くなる。従って、レジストマスク42が固焼きされることを考慮しなくていいので、絶縁層46を形成するALD法を、従来の方法よりも高温で行うことが可能である。研磨停止層40がDLCから形成される場合には、酸素のみ、アルゴン/酸素、またはフッ素ベースのプラズマを用いて、この製造段階における部分的に製造された構造のプラズマに晒される他の材料に対するDLCの選択的な除去がもたらされる。こうした特定のプラズマの化学的性質は、研磨停止層40のDLCを完全且つクリーンに除去する性能を有し、上部電極56と読み取りセンサ34との間の高い電気伝導性によって特徴付けられるコンタクトの確立が促進される。
【0038】
図9と同様の参照符号が同様の特徴部を指称し後続の製造段階におけるものである図10を参照すると、読み取りヘッド60は、大容量記憶装置72内に組み込まれる。このため、読み取りヘッド60(図9)及び書き込みヘッド(図示せず)を製造して、読み書きヘッド64が定義された後に、支持基板がストリップへと切り出されて、スライダ62の形にされる。また、スライダ62も、書き込みヘッド(図示せず)及び、読み書きヘッド64の動作に必要とされる他の構造(例えば、空気ベアリング表面)を含む。スライダ62は、アクチュエータアーム66の自由端から回転可能な円盤状の記録媒体68の上方に懸架される。回転上の記録媒体68は、磁気的にエンコードされたデータを記憶するのに適切な媒体層を含む。アクチュエータ70がアクチュエータアーム66を動かし、読み書きヘッド64の読み取りヘッド60を、回転している円盤状の記録媒体68の媒体層の選択されたデータトラックの上方に位置付ける。読み取りヘッド60は、円盤状の記録媒体68の媒体層から、磁気的にエンコードされたデータを読み取る。この磁気的にエンコードされたデータは、これに先立つ書き込み動作において書き込みヘッドによって円盤状の記録媒体68の媒体層に書き込まれその後の使用のために媒体層に記憶されたものである。大容量記憶装置72の読み取りヘッド60及び書き込みヘッドは、読み書き動作を実施するためにコンピュータ制御で作動する回路(図示せず)に接続される。
【0039】
“垂直”、“水平”等の用語の指称は、指称の枠組みを確立するために、限定的ではなく例示的に成されるものである。本願において用いられる“水平”という用語は、基板の実際の空間的定位に関係無く、慣習的な平面または基板表面に平行な平面を定義するものである。“垂直”という用語は、今定義された水平に垂直な方向を称する。“上”、“上方”、“下方”、“側”(“側壁”)、“上部”、“下部”、“下”といった用語は、水平面に対して定義される。本発明の精神及び範囲から逸脱しないで本発明を説明するために、他の多様な指称の枠組みを採用してもよいことは理解されたい。
【0040】
本素子構造体の製造については、特定の順番の製造段階によって説明してきた。しかしながら、順番が説明したものと異なってもよいことは理解されたい。例えば、二つ以上の製造段階を、示した順番に対して交換してもよい。更に、二つ以上の製造段階を、同時にまたは部分的に同時に実施してもよい、更に、様々な製造段階を省略してもよく、他の製造段階を追加してもよい。このような変形例の全てが本発明の範囲に存在するということを理解されたい。
【0041】
本発明を様々な実施形態の説明によって例示し、これらの実施形態について特に詳細に説明してきたが、このような詳細に本願の特許請求の範囲が限定されることは、本出願人の意図したものではない。追加の利点及び改良は当業者にとって容易なものである。従って、その広範な側面における本発明は、特定の詳細、個々の装置及び方法、並びに、例示された実施例に限定されるものではない。従って、本願の一般的な発明の概念の精神または範囲から逸脱せずに、このような詳細から発展が成されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】CPP型読み取りヘッドを含む従来の大容量記憶装置の一部の図である。
【図2A】図1の大容量記憶装置のCPP型読み取りヘッドを形成する従来の製造方法の一部の断面図である。
【図2B】製造が完了した後の従来のCPP型読み取りヘッドの図2Aに類似する断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による読み取りヘッドの製造方法の様々な段階における基板の一部の概略的な断面図である。
【図4】本発明の一実施形態による読み取りヘッドの製造方法の様々な段階における基板の一部の概略的な断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による読み取りヘッドの製造方法の様々な段階における基板の一部の概略的な断面図である。
【図6】本発明の一実施形態による読み取りヘッドの製造方法の様々な段階における基板の一部の概略的な断面図である。
【図7】本発明の一実施形態による読み取りヘッドの製造方法の様々な段階における基板の一部の概略的な断面図である。
【図8】本発明の一実施形態による読み取りヘッドの製造方法の様々な段階における基板の一部の概略的な断面図である。
【図9】本発明の一実施形態による読み取りヘッドの製造方法の様々な段階における基板の一部の概略的な断面図である。
【図10】図9の読み取りヘッドを組み込んだ大容量記憶装置の概略図である。
【符号の説明】
【0043】
10 読み取りヘッド
12 読み取りセンサ
13 書き込みヘッド
14 自由層
15 スライダ
16 上部電極
17 アクチュエータアーム
18 下部電極
19 円盤状の記録媒体
20 HB層
21 空気ベアリング表面
22 絶縁層
23 二層レジストマスク
23a 上部レジスト層
23b 下部レジスト層
24 側壁
28 底部磁気シールド
30 絶縁層
32 積層体
34 読み取りセンサ
36 層
38 自由層
40 研磨停止層
42 レジストマスク
44 側壁
46 絶縁層
48 HB層
50 シード層
52 硬磁性層
54 露出している表面
55 ボイド
56 上部電極
58 最上層シールド
60 読み取りヘッド
62 スライダ
64 読み書きヘッド
66 アクチュエータアーム
68 円盤状の記録媒体
70 アクチュエータ
72 大容量記憶装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読み取りセンサとして動作可能な多層膜を含む積層体を形成する段階と、
前記積層体の上に研磨停止層を形成する段階と、
前記積層体から、前記研磨停止層の一部で覆われている読み取りセンサの形を定める段階と、
前記研磨停止層の一部及び前記読み取りセンサの上に、電気絶縁体を含む絶縁層を形成する段階と、
前記絶縁層の上に、磁性材料を含むハードバイアス層を形成する段階と、
前記絶縁層及び前記ハードバイアス層を平坦化する段階と、
前記研磨停止層の一部の上で前記平坦化する段階を停止する段階とを備えた、素子構造体の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁層及び前記ハードバイアス層を平坦化する段階は、
前記絶縁体及び前記ハードバイアス層を化学機械研磨法を用いて研磨する段階を更に備えた、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記研磨停止層を形成する材料は、前記ハードバイアス層及び前記絶縁層を形成する材料よりも低い磨耗性を有する、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
前記研磨停止層は10ギガパスカルよりも大きい硬度を有する材料から成る、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記研磨停止層はダイヤモンドライクカーボンである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記ダイヤモンドライクカーボンは、ダイレクトイオンビーム蒸着法、デュアルイオンビームスパッタリング法、無線周波数励起炭化水素グロー放電法、及び、直流励起炭化水素グロー放電法から成る組から選択された方法によって堆積させた水素化ダイヤモンドライクカーボンである、請求項5に記載の製造方法。
【請求項7】
前記ダイヤモンドライクカーボンは、FCA法によって堆積させた四面体のアモルファス(ta‐C)ダイヤモンドライクカーボンである、請求項5に記載の製造方法。
【請求項8】
前記絶縁層及び前記ハードバイアス層を平坦化する段階の後に、前記研磨停止層の一部を除去する段階を更に備えた、請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記研磨停止層の一部を除去する段階は、
前記絶縁層及び前記ハードバイアス層に対して選択的に前記研磨停止層を除去することができる乾式エッチング法によって、前記研磨停止層の一部を露出させる段階を更に備えた、請求項8に記載の製造方法。
【請求項10】
前記乾式エッチング法は、プラズマ法及び反応性イオンビームエッチング法から成る組から選択される、請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
前記研磨停止層はダイヤモンドライクカーボンであり、前記乾式エッチング法は酸素、アルゴンと酸素との混合物、及び、フッ素含有ガスから成る組から選択されたプロセスガスを用いる、請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
前記研磨停止層の一部を除去する段階の後に、前記絶縁層及び前記ハードバイアス層の上に導体から成る上部電極を形成する段階を更に備え、前記上部電極の導体が、前記研磨停止層の一部が除去される後に残るボイドを充填する、請求項8に記載の製造方法。
【請求項13】
前記読み取りセンサの形を定める段階は、
前記研磨停止層及び前記積層体をレジストマスクでマスキングする段階と、
前記レジストマスクによってマスキングされた位置の前記研磨停止層の一部及び前記読み取りセンサの形を定めるために、前記研磨停止層及び前記積層体をイオンミリングする段階とを更に備えた、請求項1に記載の製造方法。
【請求項14】
前記絶縁層及び前記ハードバイアス層が平坦化される時に、前記素子構造体から前記レジストマスクを除去する段階を更に備えた、請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記研磨停止層の一部の上で前記平坦化する段階を停止する時に、前記レジストマスクが前記素子構造体から完全に除去される、請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記絶縁層を形成する段階は、
原子層堆積(ALD)法によって前記絶縁層を形成する段階を更に備えた、請求項13に記載の製造方法。
【請求項17】
前記ALD法は130℃を超える温度で実施される、請求項16に記載の製造方法。
【請求項18】
前記積層体は、加えられる磁場に反応するために磁化方向が自由である材料層を含む、請求項1に記載の製造方法。
【請求項19】
前記読み取りセンサは前記材料層から形成される自由層を含む、請求項18に記載の製造方法。
【請求項20】
前記絶縁層は原子層堆積(ALD)法によって形成される、請求項1に記載の製造方法。
【請求項21】
前記ALD法は130℃を超える温度で実施される、請求項20に記載の製造方法。
【請求項22】
前記読み取りセンサは傾斜した側壁を有し、前記絶縁層を形成する段階は、
前記傾斜した側壁の上に、実質的に一様な厚さを有する絶縁層を形成する段階を更に備えた、請求項1に記載の製造方法。
【請求項23】
読み取りセンサとして動作可能な多層膜を含む積層体を形成する段階と、
前記積層体の上に研磨停止層を形成する段階と、
レジストマスクによってマスキングされた位置の前記積層体から、前記研磨停止層の一部によって前記レジストマスクから離隔されている読み取りセンサの形を定める段階と、
原子層堆積(ALD)法によって、前記研磨停止層の一部、前記レジストマスク及び前記読み取りセンサの上に、電気絶縁体から成る絶縁層を形成する段階とを備えた、素子構造体の製造方法。
【請求項24】
前記絶縁層の上に、磁性材料を含むハードバイアス層を形成する段階と、
前記レジストマスクが前記素子構造体から除去されるように、前記絶縁層、前記ハードバイアス層及び前記レジストマスクを平坦化する段階と、
前記研磨停止層の一部の上で前記平坦化する段階を停止する段階とを更に備えた、請求項23に記載の製造方法。
【請求項25】
前記研磨停止層の一部を除去する段階を更に備えた、請求項24に記載の製造方法。
【請求項26】
前記研磨停止層の一部を除去する段階は、
前記読み取りセンサの隣接する層を形成する材料に対して選択的に前記研磨停止層の一部をエッチングし、前記読み取センサの隣接する層が前記研磨停止層の除去によって損傷を受けないようにする段階を更に備えた、請求項25に記載の製造方法。
【請求項27】
前記読み取りセンサの形を定める段階は、
前記絶縁層を形成する段階の前に、前記レジストマスクによってマスキングされた領域において前記読み取りセンサ及び前記研磨停止層の一部の形を定めるために、前記研磨停止層及び前記積層体をイオンミリングする段階を更に備えた、請求項23に記載の製造方法。
【請求項28】
前記ALD法を130℃を超える温度で実施して前記電気絶縁体を堆積させる段階を更に備えた、請求項23に記載の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2008−547150(P2008−547150A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518288(P2008−518288)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/023870
【国際公開番号】WO2007/002011
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(507414535)ビーコ・インスツルメンツ・インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】