説明

天然の水−不溶性カプセル化組成物及びその製造法

本発明は、約5〜10重量%のマトリックス及び水分含量の総重量基準で、マトリックス及びマトリックス中にカプセル化されたカプセル化物の総重量基準で、少なくとも70重量%のタンパク質を含む水-不溶性マトリックスを含む乾燥粒子カプセル化組成物であって、透明な無色の水溶液又は鉱油に一旦濡れた当該マトリックスは、約40超の明度(L*)、約33未満の色彩鮮明度又は彩度(C*)、及び約70°〜90°の色相角を有する、前記組成物に関する。本発明のカプセル化組成物は、色素、医薬品及びビタミンのカプセル化に有用である。天然色素を含む細粒子カプセル化組成物は、菓子類、化粧品及びキャプレット着色剤コーティングにおいて人工レーキの代りに使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、カプセル化物が、天然の水-不溶性マトリックス内にカプセル化される、カプセル化組成物及び方法に関する。より具体的には、本発明は、天然着色剤、ビタミン、栄養補助食品及び医薬品のカプセル化に関する。本発明は、更に、これらを製造するための押出しに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
色素及びレーキは、食品、化粧品及び医薬品に魅力的色彩を提供するために使用される。レーキは、不溶性の色彩物である。レーキは、色彩及び乳白光を提供するために溶液中に分散することができる。ほとんどのレーキは、不溶性複合体を形成するためにアルミニウム基体の表面上に固定された色素からつくられる(例えば、人工レーキを製造するための方法を記載している、米国特許第833,602号明細書、同2,053,208号明細書及び同3,909,284号明細書を参照)。
【0003】
レーキは、不透過であり、光の反射によりその色彩が見える。レーキは、水-不溶性色素には十分でない水分が存在する乾燥もしくは油-型製品、又は溶解性色素の転移が問題となる製品を含む、不溶性顔料が好適である任意の場面で本質的に使用される。典型的な用途は、特に限定されないが、パンド・キャンディの色彩キャンディコーティング、朝食用シリアル、ナッツ、多層型の食品(例えば、ケーキ)、化粧品(例えば、ブラッシ及び口紅)及び医薬カプセル、糖衣錠、錠剤等を含む。ほとんどのレーキは、化学的に合成された人工色素からつくられる。この例外は、カルミン、すなわち昆虫ダクチロピウス・コッカス(Dactilopius coccus)から抽出された天然カルミン酸のアルミニウムレーキである。
【0004】
水不溶性着色原料を製造する様々な方法が開発されている。1つの方法は、不溶性化合物の表面上に色素を固定化することである。米国特許第4,475,919は、天然不溶性ポリマー、例えばセルロース、微結晶性セルロース、セルロース誘導体例えばエチルセルロース、デンプン又はデンプン誘導体、の表面上のレーキ天然色素に関する方法を記載する。天然色素の例は、アントシアニン、ターメリック及びアンナットを含む。アルミニウム塩は、色素補助剤として使用される。加えて、日本特許第10330637号明細書は、アルミニウム基体、すなわち水酸化アルミニウムの表面上の天然レーキ色素を固定する方法を教示する。2つの例で、天然色素は、表面上に吸着され、そのため、有害な物理的又は化学的因子から保護されない。更に、基体としてのアルミニウムの使用は、神経毒剤としてかねてから理解されてきたので、関心が高まっている(Lukiw WJ (1997) Alzheimer's Disease and Aluminum. In "Minerals and metal neurotoxicology" CRC Press, Boca Raton, FL, pp. 113-125)。
【0005】
水不溶性着色材料を製造するための更に別の方法は、水不溶性色素及びレーキの分散用媒体を開発することである。米国特許第5,393,333号明細書は、フィルム形成物質、着色剤及び可塑剤からなる混合物中にレーキを分散する方法を教示する。混合物は、医薬錠剤の表面を着色するのに有用であることが明らかになっている。PCT出願第00150714 USは、親水コロイドすなわちゼラチンと脂肪酸との混合物の使用による人工レーキの分散方法を開示する。脂肪酸は、ゼラチンの粘度を維持し、及びレーキの分散を促進するのに役立つ。
【0006】
分散媒体はまた、天然の水-不溶性色素についても開発されてきた。ヨーロッパ特許出願第01219292/EP-A1は、カロチノイドすなわちアスタキサンチン、カンタキサンチン、ルテイン、ゼアキサンチン、シトラキサンチン及びβ-アポ-8'-カロチンエチルエステルを水溶液中に分散するための大豆タンパク質単離物の使用を報告する。大豆タンパク質単離物は、親水コロイド性を改善するために、酵素を用いて部分的に加水分解された。かかる親水コロイドに分散されたカロチノイドは、フリーラジカルによる酸化に対して保護され、その抗酸化活性を保持する、ことが証明されている。同様に、国際出願WO 03045167は、リコピンと、天然の大豆タンパク質単離物又はアルカリ-処理された大豆タンパク質単離物とを反応させることにより、結晶性リコピンを安定化する方法を記載する。米国特許第6,719,839号明細書は、親水コロイド溶液中の天然色素の分散懸濁液を得る方法を記載する。親水コロイドのほとんどの例は、ゼラチン及びアカシア・ゴムの混合物である。色素及と親水コロイドとの混合物の安定化は、アルカリpHで実行される。天然の水-不溶性色素は、ポルフィリン、ターメリック、ベジタブルブラック及びアンナットを含む。この方法は、天然色素であるカルミンと共に使用することもできる。
【0007】
上記の水-不溶性色素の多くは、タンパク質に結合することが知られている。従って、水-溶性タンパク質の水溶液は、タンパク質と分散された水-不溶性色素との均質混合物を維持するために使用することができる。かかる調製物の保存期間は、抗菌性化合物の使用によって延長することができた、と予想される。それにもかかわらず、かかる調製物は、当該溶液の高い水活性に起因して限られた保存期間を有し、乾燥しない場合には、油-型生成物を着色するために使用することができなかった。更に、水溶液中のタンパク質の濃度の限界のため、バルク剤、例えばマルトデキストリンが、スプレイ乾燥を実行するために分散溶液に添加される必要があっただろう、と予想される。マルトデキストリンが溶解しない液-型生成物で用いられるときに、スプレイ-乾燥着色剤におけるマルトデキストリンの存在は、退色を起こさせることができた。
【0008】
いくつかの他の特許は、不溶性マトリックスへのカプセル化により、色素を不溶性にする方法を記載する。米国特許第6,037,000号明細書は、カプセル化された色素又はレーキの小不溶性粒子の製造法を記載する。これは、レーキ又は色素を溶解マトリックス中に分散させること、及びスプレイ凝結により混合物の小固体粒子を形成することを含む。記載されている唯一の例は、ポリエチレンからなるマトリックス中の人工レーキのカプセル化についてである。そういうわけで、用途は、ポリエチレンが食品に好適でないために、洗浄用品及び化粧品に限定されるようである。加えて、ヨーロッパ特許EP 0 750 854号明細書は、不溶性タンパク質マトリックス中に色素をカプセル化する方法を記載する。この方法は、色素とタンパク質とを水中で混合し、非-極性相を加え、そしてホモジナイズして油中水型分散体を得、そして15,000〜200,000 psigの非常に高圧にこれを供して、タンパク質マトリックスに不溶性を付与することを含む。着色された粒子は、次いで、非-極性相から分離し、乾燥することができる。この工程は、高価な加圧型設備の使用を含み、回分式で実行することができるにすぎない。
【0009】
米国特許第4,230,687号明細書は、カプセル化物の重量基準及びカプセル化混合物基準で、44%のカゼイン塩からなるカプセル化混合物の融解物中に香味料をカプセル化する方法を記載する。粘り気があり、粘性で、可塑性かつ非-流動的として記載される得られる生成物は、シートに成形され、乾燥されそして粉末に破砕される。上記の他の工程に関して、タンパク質の安定化は、アルカリ-感受性の活性剤、例えばアントシアンの群の天然色素、に有害であり得るアルカリの使用を必要とする。更に、タンパク質マトリックスの加熱は、カプセル化色素の色を変化させるだろう茶色顔料の形成の原因となる、メイラード反応を生じる。
【0010】
活性剤のカプセル化は、押出し法により達成することもできる。押出し法は、いくつかの機能を実行する連続工程、すなわち液体と固体成分とを混合し及び練り、融解物の形成をもたらす圧力下でそれらを焼き、そして色素の使用によって成分を成形すること、である。この工程は、比較的短い時間、典型的には1〜2分間で達成され、加熱は、もっと短い時間に行うことができる。多くの押出し食品、例えばパスタ、ペットフード、朝食のシリアル及び肉押出成形機は、人工色素で着色されてきた。ほとんどの場合、押出し生成物は、押し出された生成物の水への不透過性を制限する、相当な割合の糖類、例えば押し出された小麦粉、食事もしくはグリットのデンプン、又は押し出された菓子類中のシロップからなる。例えば、Kinnison (1971; Effects of extrusion on food colors; Snack Food Color Service Lab., Warner-Jenkinson Co. 60(10): 50-51)は、生成物の拡大をもたらす温度での、コーングリッド及び8種の人工色素の押出しを報告する。人工色素は、この種の工程では、使用した高温に耐えることができた、ことが報告された。米国特許第6,436,455号明細書は、ゼラチン、シロップ及び色素の混合物の押出しによるマシュマロの製造法を記載する。おそらく、天然色素は、かかる高温工程では破壊されただろう。更に、糖類の高含量及び拡大された生成物の多孔性は、水分に対する保護をほとんど与えないことが予想される。
【0011】
押出された生成物中の天然色素の使用に関して数個の報告がある。Maga及びKim (1990; Stability of natural colorants [annatto, beet, paprika, turmeric] during extrusion cooking. Lebensmittel-Wissenchaft & Technologie, 23(5): 427-432) は、天然色素、すなわち125〜155℃で押し出された米粉中のアンナット(ビキシン及びノルビキシン)、ビートレッド、パプリカ・オレオレジン及びターメリックの安定性を研究した。色素は熱に敏感であり、最も敏感なものはビートレッドであることが明らかとなった。Berset (1989; Color; 第12章. 「Extrusion cooking」. Mercier C他著, AACC, St. Paul, MN, pp. 371-385) は、押出し法により米デンプンに取り込まれる、β-カロチン、カンタキサンチン及びアンナットについて同様な研究を行った。結果は、熱に対する着色剤の感度も示した。
【0012】
押出しは、非-慣用的な押出しセットアップを用いて、香味料化合物のカプセル化を可能にするために十分な低温で実行することができる。米国特許第5,756,136号明細書は、押出成形機械を用いて、糖類とホウェイとの混合物に桂皮アルデヒドをカプセル化する方法を記載する。シナモンフレイバーの主な成分である桂皮アルデヒドは、酵母によるパン生地の発酵を妨げる。カプセル化桂皮アルデヒドは、酵母発酵を抑制することなしに、パン生地に取り込むことができる、ことが証明された。米国特許第6,790,453号明細書は、医薬、殺虫剤、ビタミン、保存料及び香味料をカプセル化するために使用されるマトリックスの組成を記載する。マトリックスは、アカシア・ゴム、ポリオール及びゼラチンの様々な混合物を含む。香味料化合物のカプセル化に用いられるマトリックスは、香味料化合物が水性媒体中で臭ってかつ味がするように香味料化合物を放出させる極性を有する。
【0013】
レーキ中で使用される人工色素の安全性には重大な関心がある。実際に、近年、毒性の事実により市場からなくなった着色剤は人工であった。更に、アルミニウムは、いくつかの神経疾患における神経毒剤及び原因病理因子としてかねてから認識されてきたので、アルミニウムの使用にも関心がある (Lukiw WJ; 1997; Alzheimer's Disease and Aluminum. In 「Minerals and metal neurotoxicology」 CRC Press, Boca Raton, FL, pp. 113-125)。加えて、カルミン(すなわち、アルミニウム塩に蒔かれた昆虫から抽出されたカルミン酸)は、一般的に天然レーキとして使用されるが、その動物起源は、コーシャの、ハラールの、及びベジタリアンの食事に好適であるとは考えられない。
【0014】
従って、天然の非-毒性の着色剤には要求が依然として存在する。
【0015】
より具体的には、アルミニウムもしくは他の神経毒剤、又は食品、化粧品、医薬等を着色するための、健康に有毒と推測される薬剤の無い天然レーキの要求がある。
【0016】
鮮やかで、長時間持続し、退色しない天然レーキ色素の要求も依然とある。
【0017】
更に、天然色素を損なう薬剤(例えば、アルカリ溶液)を使用しない、又は広範囲の加熱、それによりメイラード反応を起こし、天然色素の色彩を変える、を使用しない、天然レーキ色素を製造するための改良されたかつ安価な工程の要求がある。
【0018】
加えて、活性剤の水中での放出を制限する、不安定な活性剤、例えば天然色素、のカプセル化を可能にする改良工程の要求がある。
【0019】
特定の食事、例えばベジタリアンの、コーシャの及びハラールの食事に好適な天然レーキの要求がある。本発明は、これらの要求及び他の要求を満足するために模索する。
【0020】
本説明は、多数の文献について述べる。その内容は、本明細書にその全体が参考として援用される。
【発明の開示】
【0021】
発明の概要
本発明は、先行技術の少なくとも1つの欠点を解消する、着色剤、カプセル化組成物、並びにかかる組成物及び着色剤の製造法に関する。
【0022】
本発明は、不安定な活性剤、例えば天然色素を、活性剤の水での放出を制限するタンパク質-豊富なマトリックス中にカプセル化することができる、という発見に基づく。実際に、融解押出しは、例えば天然色素を用いて、融解物の形成を可能にする条件下で高濃度の水を取り込むことにより、タンパク質濃縮物又はタンパク質単離物のタンパク質-豊富混合物で実行することができ、同時にメイラード反応による望ましくない茶色の形成を制限することができる、ことが見出された。
【0023】
本発明の目的は、不安定な色素又は他のカプセル化された材料(例えば、医薬、栄養補助食品、ビタミン等)の分解を制限するという利点も有する。1つの実施態様では、このようにして得られた押出し生成物は、5%〜10%の水分含量に乾燥され、破砕され、乾燥粒子組成物を与える。
【0024】
本発明の技術は、様々な化学群に属するビタミン及び色素を用いて実行されるいくつかの例により証明されるように、幅広い数の活性剤及び天然色素に適用できる。
【0025】
不安定な色素の安定化は、押出し工程それ自体により簡便に実行され、安定剤による同時カプセル化により更に増加させることができる。本発明はまた、他の化合物、例えば塩又は酸、例えば有機酸又は無機酸、が天然色素で同時押出し成形されて、最終的な色相を変えることができる、ことを証明する。
【0026】
本発明のカプセル化組成物及びカプセル化を達成する工程は、食品、化粧品及び医薬(例えば、錠剤、カプセル剤又は顆粒)での用途を見つけることができる新規な生成物を生じる。本発明の新規な生成物は、本発明の前に使用された及び記載された技術により得ることはできなかった。
【0027】
本発明の更なる別の利点は、マトリックスが高濃度のタンパク質からなるので、カプセル化された活性剤の放出は、胃プロテアーゼの存在下で起こり得る、ことである。このため、本発明のタンパク質マトリックスは、特に医薬、ビタミン及び栄養補助食品のカプセル化において有用であり、特に摂食後の組成物の放出時間が追求される場合には有用である。当然のことながら、糖類の代謝に関連する疾患の予防の点から、本発明のタンパク質型組成物は、先行技術の糖類-型組成物とは反対の重要な利点を見出す。
【0028】
従って、本発明は、水-不溶性タンパク質性マトリックス中でカプセル化された活性剤からなる乾燥粉末の組成物に関する。活性剤は色素、医薬化合物、ビタミン、栄養補助食品又は他の化合物である。本発明の1つの具体的実施態様では、活性剤は天然色素である。
【0029】
1つの実施態様では、本発明の水-不溶性タンパク質性マトリックスは、大豆タンパク質単離物である。別の実施態様では、タンパク質性マトリックスは、アレルギーを起こし難く、かつ水分(例えば、水)により抵抗性であり、それによってカプセル化物(例えば、ビートレッド及びターメリックを含む特定の色素)を保持する点でより有効である、という利点を有する米タンパク質濃縮物である。他の不溶性タンパク質性マトリックス、例えばミルクもしくはホウェイ由来のタンパク質、ゼイン(コーン由来)又はグルテン(小麦由来)は、本発明に従って使用することもできる。従って、活性剤例えば天然色素をカプセル化するために好適である不溶性タンパク質性マトリックスは、本発明に従って使用することができる。1つの具体的な実施態様では、植物起源の水-不溶性タンパク質性マトリックスが使用される。当然のことながら、水-不溶性タンパク質濃縮物の混合物も、本発明の水-不溶性タンパク質性マトリックスの一般的記載中に包含される。
【0030】
本発明の方法によってカプセル化することができる活性剤は、任意の活性剤、例えば栄養素(例えば、ビタミン、栄養補助食品等)、医薬組成物(医薬品及びその混合物(例えば、錠剤、顆粒剤又はカプセル剤)、農薬(殺虫剤、抗線虫剤、除草剤、殺菌剤、抗菌剤等を含む)、又は天然色素及び人工色素でよい。医薬又は農薬の場合には、カプセル化は、活性剤の制御された放出を達成するために本発明に従って実行することができる。ビタミン(及び医薬品)の場合には、カプセル化は、空気-酸化からビタミンを保護するために使用することができ、それによってビタミンの貯蔵期間を長くすることができる。天然色素はカプセル化することができ、本発明の得られた天然レーキは、錠剤、顆粒剤又はカプセル剤だけでなく、食品、例えばパンド・キャンディ、ナッツ、ケーキ等を被覆するために使用される。レーキは、化粧品、例えば口紅、ブラッシ、アイシャドウ等において使用することもできる。当然のことながら、制御された放出の要求は、医薬品に限定されない。実際に、他のカプセル化物は、制御された放出からの利益を受ける(例えば、ビタミン)。
【0031】
1つの実施態様では、本発明の活性剤は、色素であり、好ましくは天然色素である。着色剤が、製造中に、又は保存及び取扱い中に完成した生成物内で、転移しない(例えば、ケーキにおいて、生成物の1つの層から他の層に)ことが望ましいときに、あるいは取扱い中に剥がれ落ちるのを防ぐために、本発明のカプセル化色素は、特に有用である。
【0032】
本発明の天然顔料又は色素は、天然起源から得られる、任意の食品グレード又は薬学的に許容される水不溶性着色物質でよい。本発明の1つの具体的な実施態様では、本発明の天然顔料又は色素は、植物原料から得られる。従って、顔料は、実質的に純粋な形態でよいか、又は天然、例えば植物又は動物原料の材料(例えば、半-精製又は粗抽出物もしくはホモジネート)として得られるか、のいずれかでる。場合により、本発明の天然色素は、食品グレード及び/又は薬学的に許容される担体との組み合わせでよい。
【0033】
本発明に従って使用することができる天然色素又は着色剤の非限定的な例は、特に限定されないが、例えば、カロチノイド、ポルフィリン及びフラボノイドである。黄色、橙色又は赤色を有するカロチノイドは、天然に幅広く存在し、重要な起源は、芝生、アンナット木、シトラス種、ゴシキトウガラシ(Capsicum annum)、サフラン(Crocus sativus)花及びマリーゴールド花、海草、酵母、数種の野菜(例えば、トマト、ニンジン、胡椒)を含む植物である。カロチノイドは、3種に分離することができる:カロチノイド系炭化水素、キサントフィル及びアポカロチノイド。カロチノイドの非限定的な例は、ビキシン、ノルビキシン、アポカロテナール、カンタキサンチン、カプサンチン、カプソルビン、サフラン、β-カロチン、クロシン、パリプカのオレオレジン・アスタキサンチンに存在するもの (例えば、鮭)、ルテイン (例えば、グリーンビーンズ、卵の黄身)、ゼアキサンチン (例えば、コーン)、シトラナキサンチン、カプシウム、カンタキサンチン、リコピン、ビオラキサンチン、ロードキサンチン、及びそれらの誘導体を含む。当然のことながら、他のカロチノイドが当該分野で公知であり、本発明に従って使用することができる。
【0034】
本発明に従って有用である更なる疎水性顔料は、クルクミノイドである。そのうちのクルクミンは、ターメリック、ウコン根の着色されたオレオレジン抽出物、ポルフィリン色素例えばクロロフィル、及び野菜原料を十分に炭化し、細粉にすりつぶすことによって製造されるベジタブルカーボンブラック中の主な色素である。加えて、フラボン及びフラボノールを含むフラボノイドファミリーの色素は、黄色で、アントシアニン(例えば、赤キャベツ、サツマイモ、赤カブ、ニワトコの実、ブドウ等由来)であるが、pHにより赤色、青色又は紫色でよく、本発明に従って使用することができる。本発明に従って使用することができる天然色素の他の非-限定的な例は、ゲニポシド、サンダルウッド及びセピアを含む。従って、天然色素又は着色剤は、非-毒性である限り、本発明に従って使用することができる。好ましくは、本発明に従って使用される着色剤は、人の消費に好適である。好ましくは、植物起源(花、木、穀物、野菜、果実等)、海草又は微生物由来の着色剤が使用される。本発明は、人の消費に関するものである場合に好ましい有用性を見出すが、そのように限定されるべきではない。本発明の消費はまた、様々な生物的農業的(bioagro)用途、例えば動物-関連消費において有用性を見出す。従って、人の消費が好ましいが、動物の消費も本発明により包含される。
【0035】
従って、1つの実施態様では、本発明は、水-不溶性タンパク質性マトリックス、例えば大豆単離物又は米濃縮物においてカプセル化される、天然レーキ色素に関する。別の実施態様では、タンパク質性マトリックスは、タンパク質の濃縮物/単離物の混合物からなる。1つの実施態様では、本発明のレーキは、食品の着色、例えばキャンディ及びナッツのコーティングに有用である。別の実施態様では、本発明のカプセル化天然レーキ色素は、化粧品分野、例えば口紅、ブラッシ、アイシャドウ等の組成物において使用することができる。更に別の実施態様では、本発明の天然レーキ色素は、製薬グレードであり、錠剤、カプセル剤等のカラーコーティングに使用することができる。
【0036】
更なる実施態様では、本発明の天然レーキ色素は、コーシャの、ハラールの、及びベジタリアンの食事に好適な植物期限である。
【0037】
本発明のカプセル化物(例えば、天然レーキ色素)の別の特徴は、それらが、非-毒性、かつアルミニウム又は他の神経毒剤を含まないことである。
【0038】
本発明の更なる特徴は、押出し中の融解物の形成のため、押出し物の色彩が均一であることである。全体的な混合、高剪断及び高圧の組み合わせは、温度を上昇させ、均一な融解物の形成をもたらす。
【0039】
1つの実施態様では、色彩特性を変えるために、天然色素の押出しの前に添加物が加えられる。1つの非-限定的な例は、赤キャベツアントシアニンでできた押出し物を含む。天然の赤キャベツアントシアニン押出し物は、青色である。タンニン酸の導入は、色彩をふじ色に変え、一方、塩化カルシウムの導入はパープル色の着色調製物を与える。
【0040】
別の実施態様では、粗の、半精製の又は実質的に精製された起源由来のいくつかの天然色素は、単一色素を用いて達成することができなかった豊富な色彩を製造するために、本発明に従って異なった割合で混合することができる。3つの原色(黄、赤及び青)に近い色合いは、以下のようにして達成することができる。例えば、青色は赤キャベツ着色剤から得られ、赤色はビートレッド、アスコルビン酸及びターメリック、ビキシン又はノルビキシンの混合物から得られ、そして黄色はビキシン又はノルビキシンと共に、クロシン又はターメリックから得られる。粗の、半精製の又は実質的に精製された起源由来の天然色素の任意の組み合わせは、所望の用途を達成するために、本発明に従って異なった割合で混合することができる。
【0041】
加えて、色彩は、不溶性の白色粉末、例えば二酸化チタン、リン酸カルシウム、微結晶性セルロース又は当該分野で周知の他の原料を用いる希釈により、色を薄くすることができる。当然のことながら、選択された色を薄くする薬剤は、本発明の組成物によって提供される1以上の利点(例えば、食用性、水溶解性及び水不溶性色素のカプセル化の可能性、放出時間中の医薬品コーティングでの使用等)に著しく影響を与えないように、選択されるだろう。
【0042】
本発明の押出し物の別の特徴は、非常に脆く、そして150 μm未満、50 μm未満、20 μm未満及び更に10 μm未満の平均サイズを有する塊の形態で、天然色素を含む、細粉末に容易に破砕することができる。20 μm未満の平均サイズを有する小粒子を含む組成物は、均一な彩色を与えるが、150 μm超の平均サイズを有する粒子を含む組成物は脆くなる。
【0043】
関連実施態様では、本発明のカプセル化物、例えば色素、ビタミン、栄養補助食品、医薬品及びそれらの混合物は、光、熱及び酸素が関連する変化(例えば、医薬品又は特定の顔料の色合いの有効性)に対して改善された安定性を有する。
【0044】
更なる実施態様では、本発明のカプセル化物の安定性は、押出し前に、保存料又は安定剤を取り込むことによって更に増すことができる。本発明に従って用いることができる安定剤及び保存料の非-限定的な例は、α-トコフェロール、アスコルビン酸、安息香酸、イソアスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、クエン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム又は重亜硫酸ナトリウムを含む。
【0045】
1つの具体的な局面では、本発明のカプセル化色素は、高い色彩強度を有するより薄いカラー被覆をつくるための、高色素濃度を含む。より鮮明な色彩をつりながら色素の実際の量に対してより低量の適用用量を可能にすることにより、本発明のカプセル化色素は、大量生産を省力化することができる。
【0046】
明細書及びクレームで使用される用語の明確かつ一致した理解を提供するために、かかる用語の範囲を含めて、多数の定義を以下に記載する。
【0047】
定義
クレーム及び/又は明細書において、用語「含むこと(comprising)」を共に用いられる場合には、用語「a」又は「an」の使用は、「1つ」を意味することがあるが、「1つ又はそれ以上」、「少なくとも1つ」及び「1つ又は1超」という意味とも一致する。
【0048】
本願を通じて、用語「約」は、ある値が、当該値を決定するために使用される器具又は方法のエラーの標準偏差を含む、ことを示すために使用される。一般的に、用語「約」は、10%までの変化の可能性を示すことを意味する。従って、ある値の1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10%の変化は、用語「約」に含まれる。
【0049】
本明細書及びクレーム(複数)で使用する、用語「含むこと(comprising)(及び「含むこと」の任意の形態、例えば「含む」(comprise)及び「含む」(comprises))、「有すること」(having) (及び「有する」の任意の形態、例えば「有する」(have)及び「有する」(has))、「含むこと」(including) (及び「含むこと」の任意の形態、例えば「含む」(includes)及び「含む」(include))、又は「含むこと」(containing) (及び「含むこと」の任意の形態、例えば「含む」(contains)及び「含む」(contain))は、包括的又はオープン-エンド型であり、更なる、引用されていない要素又は方法ステップを排除するものではない。
【0050】
本明細書で用いる用語「精製された」は、元々存在していた組成物の成分から分離された分子(例えば、色素、例えばカロチノイド、フラボノイド、ポルフィリン)を意味する。従って、例えば、カロチノイドのビキシンは、本来、見出されないレベルまで精製されている。「実質的に純粋」な分子は、ほとんどの他の成分中に欠けている分子である(例えば、不純物が30、40、50、60、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、100%含まれない)。反対に、用語「粗の」とは、成分が存在する元の組成物の成分から分離されていない分子を意味する(例えば、色素)。そのため、用語「分離すること(separating)」又は「精製すること(purifying)」は、試料中の1以上の成分が、試料中の1以上の他の成分から除かれる方法を意味する。試料成分は、野菜、果実、花、穀物、昆虫又は動物(魚、甲殻類等を含む)からの抽出物を含む。抽出物は、天然資源中に元々見出される成分の全て又は一部を含むことができる。従って、色素以外に、抽出物は、他の成分、例えばタンパク質、糖類、脂質又は核酸を含むことができる。1つの実施態様では、分離又は精製ステップは、好ましくは、少なくとも約50%(例えば、不純物の50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99、100%)を取り除く。別の実施態様では、分離又は精製ステップは、所望の成分から、試料中に存在する他の成分の、少なくとも約80% (例えば、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%)、及びより好ましくは、少なくとも約95% (例えば、95、96、97、98、99、100%) を取り除く。別の実施態様では、分離又は精製ステップは、所望の成分から、試料中に存在する他の成分の、少なくとも約80% (例えば、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%)、及びより好ましくは少なくとも約95% (例えば、95、96、97、98、99、100%) を取り除く。簡単に言えば、単位(例えば、66、67...81、82...91、92%)は、全体的に記載されていないが、それにもかかわらず、本発明の範囲内で考慮される。
【0051】
本明細書で使用される用語「抽出物」は、活性成分(例えば、色素)を濃縮することにより、例えば溶媒の全て又はほとんど全てを濃縮することにより及び/又は試料中の望ましくない成分を取り除くことにより得られる、植物、果実、穀物、植物、花、木、昆虫、甲殻類、酵母又は細菌に限定されない、植物又は動物起源の濃縮調製物を意味する。
【0052】
本明細書で用いる用語「カプセル化物」は、天然起源(例えば、カロチノイド、フラボノイド、ポルフィリン)及び人工起源(例えば、FD&C及びD&C色素)の色素、並びに他のカプセル化原料、例えば医薬品(錠剤、カプセル剤、ゲル剤等)、栄養素(栄養補助食品、ビタミン)、農薬又は本発明の方法によってカプセル化することができる任意の他の原料を含む。本発明のカプセル化物は、タンパク質マトリックスと混合され、そして本明細書に開示された方法により押出される活性剤である。
【0053】
本明細書で用いる用語「天然と同等の色素」は、天然資源から抽出される色素と等しい色素であって、合成されない色素を意味する。一般的に使用される天然と同等の色素の例は、特に限定されないが、アポカロテナール、β-カロチン、アポカロテナールエステル及びカンタキサンチンを含む。本明細書で用いる用語「天然顔料」又は「天然色素」は、専ら、天然資源から得られる顔料/色素を示すために使用される。
【0054】
明度(L*)。明度は、色を表現する3つの特徴(すなわち、明度(L*)、色合い(h)及び彩度(C*)の1つであり、当該分野で周知であり、国際照明委員会により開発されたCIELCh色空間の1つである。(すなわち、色が多少の光を放射するか反射する場合には)、色が、白又は高い送信対照に比べてどのくらい明るいかに対応する感覚属性として定義することができる。明度はまた、白色対象がグレイ色の対象と区別され、そして明るい色彩対象が暗い色彩対象と識別される感覚を意味する。明度(L*)は、0が黒色で100が白色の場合に、0〜100に変化する。
【0055】
色合い値(h)。CIELCh色彩空間では、色合いは、0°〜360°の角度として表される。0°〜90°の範囲の角度は、赤色、オレンジ色及び黄色である。90°〜180°の範囲の角度は、黄色、黄緑色及び緑色である。180°〜270°の範囲の角度は、緑がかった青色(青緑色)及び青色である。最後に、270°〜360°の範囲の角度は、青色、紫色、マゼンタ色であり、再度、赤色に戻る。360°のh値は、0°である。
【0056】
彩度(C*)。彩度は、別の色彩特性であり、色彩の飽和度、すなわち、同一の明度についてグレイと純粋な色との間の色の位置、を特定するために使用される。
【0057】
本明細書で用いる用語「タンパク質豊富」とは、少なくとも69重量%(70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、97、98、99、100%)、好ましくは、少なくとも75%及び更により好ましくは少なくとも80%タンパク質のタンパク質含量を意味する。本発明に従ってマトリックスとして使用することができるタンパク質の非-限定的な例は、ミルク又はホウェイ、小麦(グルテン)、大豆、メイフラワー(ゼイン)、米又はこれら任意の混合物を含む。
【0058】
しかしながら、本発明の目的、特徴及び利点は、以下の例証的記載から明らかであろう。本発明の趣旨及び範囲内の様々な変更及び修正が、この記載から当業者に明らかであろうため、発明の特定の実施態様を示すときには、例証的記載及び特定の実施例は、実例によってのみ示される。
【0059】
例証的実施態様の説明
従って、本発明の目的は、色素、ビタミン及び医薬化合物に限定されない様々な活性剤を粒子形態で水-不溶性マトリックス内にカプセル化する、組成物及び方法を提供することである。具体的な実施態様では、得られた、天然色素を含有する組成物は、天然着色組成物が好まれる、菓子類、化粧品及びキャプレットカラーコーティングにおける人工レーキの代りに使用することができる。
【0060】
本発明のカプセル化組成物は、改善された貯蔵期間を有し、製品、例えば食品、化粧品及び医薬品の製造において有用である。本発明は、天然成分を利用するので、現在、管理機関による認可を必要としない、乾燥の、食用天然色素に更に関する。本発明の天然色素は、食品、薬品及び化粧品の着色に一般的に使用される人工FD&C及びD&Cレーキの置換物として使用することができる。
【0061】
粒子組成物をつくるために使用される方法は、望ましくないメイラード反応の茶色色素の形成を制限し、それによって天然色素の変化を少なくする条件下での、融解押出し法の使用に基づく。本発明は、不安定な天然色素のカプセル化において特に有用である。この方法は、水-溶解性色素又は水-不溶性色素のいずれかに適用することができる。本発明の方法によってカプセル化することができる天然色素の非-限定的な例を、表1に挙げる。
【0062】
【表1】

【0063】
本発明は、天然色素のカプセル化に限定されない。人工色素は、本発明に従って使用することもできる。使用される人工色素の非-限定的な例は、オーロラレッド、アマランス、エリスロシン、インジゴチン、サンセットイエロー、ブリリアントブルーFCF、ファストグリーンFCF及びタルトラジンを含む。本発明のカプセル化組成物においてカプセル化される人工色素は、総合的には水-不溶性となりかつ転移せず、皮膚に着色しないため、様々な用途、例えば化粧品組成物、においてそれらを有用にする。当然のことながら、人工色素を選択する場合に、本発明が関連する当業者は、用途、所望の有用性及び満足する特徴に従って同一のものを選択するだろう。当然のことながら、天然及び人工色素の混合物(又は他のカプセル化物の混合物)は、本発明により包含される。同様に、天然及び天然と同等の色素の混合物、並びに天然、天然と同等及び人工の色素の混合物は、本発明により包含される。
【0064】
本発明の活性剤が包含されるカプセル化マトリックスは、少なくとも69重量%超 (70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、97、98、99、100%)、より好ましくは少なくとも75重量%及び更により好ましくは少なくとも80重量%のタンパク質を含む。本発明の方法は、本方法に僅かな調整、例えば押出し要素の組み立て、操作パラメータ、液体対固体の比率等を加えて、水-溶性及び水-不溶性タンパク質を利用することができる。製造方法は、水-溶性タンパク質由来の水-不溶性マトリックスを与える。本発明に従って使用することができるタンパク質の非-限定的な例は、ミルクもしくはホウェイ(グルテン)、大豆、メイフラワー(ゼイン)、米又はこれらの混合物由来のタンパク質を含む。使用されるタンパク質の混合物の例は、50:50、25:75、75:25、90:10、10:90、40:60、60:40の大豆対米、又は任意の他のそれらの組み合わせを含む。2超(例えば、3、4、5又は5超)のタンパク質の混合物も、本発明に従って使用することができる。例えば、マトリックスとして大豆及び米タンパク質の混合物を用いる1つの非-限定的な利点は、水に対する多少の不透過性を付与するように、マトリックスの性質を変化させるだろう。大豆タンパク質に対する米抽出物の割合を増加させることにより、マトリックスは、水分により抵抗性になり、そのため、カプセル化原料(例えば、色素、医薬品、ビタミン、栄養補助食品等)を改善する。
【0065】
従って、マトリックスの組成物を変更することにより及びタンパク質の異なった性質を利用することにより、当業者は、カプセル化弦量の不透過性を容易に調整することができる。加えて、異なったタンパク質は、胃腸管において異なった速度で消化される。従って、医薬品が体内に放出される時間は、カプセル化するために使用されるマトリックスの組成物及び活性成分に適用される多数のコーティング層を変化させることにより調整することができる。よって、本発明のマトリックス組成物を変えることにより、又は本発明のカプセル化組成物の多層(又は厚さ)を増加させることにより、当業者は、活性成分が放出される時間及び場所(例えば、腸対胃)を容易に制御することができる。当然のことながら、組成物は、組成物が投与される特定の動物を考慮して適合させることができる。
【0066】
様々な添加物、すなわち、酸(例えば、有機酸又は無機酸)、塩、カルシウム塩、例えば塩化カルシウム、ビタミンは、本発明に従ってカプセル化マトリックスに添加して、保持もしくは活性剤の安定性を改善し、又はカプセル化された色素の色合いを修正することができる。安定剤又は保存料の他の例は、α-トコフェロール、アスコルビン酸、安息香酸、イソアスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、クエン酸ナトリウム、ソルビン酸、又は重亜硫酸カリウムもしくはナトリウムを含む。
【0067】
場合により、乾燥粒子組成物は、非-極性コーティング内にコーティングして、水に対するバリアを付与することができる。使用される非-極性コーティングの非-限定的な例は、天然起源(例えば、アカシア、ゲラチン、レシチン、コレステロール)又は合成起源(例えば、硫酸塩又はスルホン酸塩)の、ワックス、油、脂質、長鎖脂肪酸、乳化剤、ガム又はゼインを含む。本発明に従って使用することができる乳化剤及び他の非-極性コーティングの別の非-限定的な例は、Remington (2000), The Science and Practice of Pharmacy, 第20版, 第318-334頁; 及びRowe他, Handbook of Pharmaceutical Excipients, 2003, 第4版, Pharmaceutical Press, London UKに見られる。
【0068】
一般的に、本発明の色素/顔料又は他のカプセル化材料は、押出し法:1) マトリックスとして役立つタンパク質抽出物(例えば、大豆、米、グルテン、ホウェイ等又はそれらの混合物);2) 活性剤又はカプセル化物(例えば、タンパク質抽出物、医薬等と直接混合することができる、液体又は固体形態中のいずれかで溶解される天然顔料);3) 水;及び4) 場合により、様々な安定剤、保存料、及び顔料の場合には、着色剤の色合いを調整するために役立つ様々な物質(例えば、CaCl2、酸、塩等)により得られる。これらの工程において、全ての成分は、一緒に混合されて、均一なペーストを形成する。押出し物は、顔料の分解及びメイラード反応によるその色の変化を少なくする、低温及び高水分(約30〜50%)で達成される。次いで、押出し物は、5〜10%の最終水分含量まで乾燥される。乾燥される場合、押出し物は、非常に脆く、所望のサイズの細粉末に容易に粉砕することができる。20μm未満の粒子サイズは、本発明の押出し物と共に得られる。
【0069】
従って、本発明の方法は、押出し物、例えば色素/顔料、医薬品、ビタミン又は栄養補助食品と組み合わされたタンパク質マトリックスの融解押出し物に基づいている。融解押出しを達成するために使用される適確な器具は重要ではないが、ベーカー-パーキン(Baker-Perkin)ツインスクリュー押出成形機 (モデルMPF-50) が有効であることが明らかとなっている。
【0070】
1つの実施態様では、押出成形機の要素、例えばスクリューの運搬、単一-リードスクリュー及びこね混ぜブロックは、混合、こね混ぜ及び補強を付与するために配置される。出口でのオリフィスのサイズはまた、押出成形機内の補強に圧力をかけるのに役立つ。押出成形機の要素の回転速度、配置、すなわち、こね混ぜブロック及び単一-リードスクリュー、及び押出成形機の水分含量は、剪断力により起こる熱量の決定因子である。タンパク質、着色剤及び添加剤の混合物の過熱は、押出成形機の外部ケーシング内の冷水の循環により避けられる。
【0071】
カプセル化マトリックスが米タンパク質濃縮物を含む別の実施態様では、押出し法で使用することができる水分量は、米タンパク質濃縮物及び水の総重量に基づいて、約30%〜50% (30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49及び50%) 、より特には約38重量%の範囲である。カプセル化マトリックスが大豆タンパク質単離物ヲ含む別の実施態様では、押出し法に使用することができる水分量は、大豆タンパク質濃縮物及び水の総重量に基づいて、約45%〜70% (45、50、55、60、65及び70%)、より特には約55%の範囲である。上限を越える水分含量での剪断によって生じる熱は、適正なタンパク質の組織化を可能にするためには十分でない。下限での水分を含量での剪断-誘発熱は、例えば、望ましくない黒色化及び退色が起こる。
【0072】
具体的な実施態様では、タンパク質マトリックスに添加されることになる天然色素の好適な量の選択は、色素の具体的な種類、所望の具体的な色合い及び具体的な意図した用途に依拠する。更なる実施態様では、カプセル化原料は、(着色剤の各々の最大吸収波長で決定される)重量で10〜16,000の色彩単位の着色剤の量を含む。別の実施態様では、カプセル化原料は、101〜200色彩単位の着色剤の量を含む。加えて、単一色素を用いて達成することができない様々な色彩を達成するために、いくつかの含量を一緒に加えることができる。本発明のカプセル化方法のための天然色素の好適な量の選択は、具体的な顔料の種類、具体的な意図した用途及び完成品の所望の外観に依拠する。各色素の相対的な量は、達成する具体的な色彩に依拠し、よって、特定の要求に適合させるために、任意の色素の組み合わせが本発明に従って用いることができる。色彩の混合による特定の色彩の達成は当該分野で良く知られている。
【0073】
1つの実施態様では、多様な色合いの天然着色調製物は、色素及び添加物の組成を変化させることにより得られる。具体的な実施態様では、カプセル化された天然色素の細粉末は、キャンディパンニング操作で用いられる媒体中に分散され、乾燥されて不透明な色彩層を形成し、キャンディコーティング、糖衣錠コーティング等において有用である。
【0074】
典型的には糖類からなる1以上のコーティング層が、食用成分の核心上に適用される場合に、糖衣錠又はキャンディコーティングは、特定の種類の食用多層製品を構成する。被覆されるかかる核心の非-限定的な例は、チューインガム、糖錠剤/粒状物及びチョコレートを含む。かかる食用中心の色彩は、典型的には、核心が着色剤を含む糖シロップで被覆される、1以上のパンニングステップで実行される。一般的には、色彩で十分な被覆を得るためには、いくつかのコーティング層を適用する必要がある。
【0075】
1つの具体的な実施態様では、本発明の着色組成物(例えば、天然レーキ)の色彩強度は、カプセル化色素の濃度に比例する。従って、同一の色彩強度を有する色彩表面に必要とされる顔料の量は、本発明の組成物中に存在するカプセル化色素の濃度に比例する。本発明の組成物の天然顔料は、高色彩強度を有するより薄い色彩コートをつくるために、高濃度の色素/天然顔料を含むことができる、ことが発見された。より明るい色彩をつくると同時に、現実の色素量に比較してより低い適用量を可能にすることにより、本発明のカプセル化色素は、著しく製造コスト削減を可能にする。本発明の他の実施態様では、着色剤は、カプセル化マトリックス内に保持され、染みを着けなかった。従って、カプセル化着色剤は、染みが問題となる用途、例えば化粧品の分野で使用することができる。更に別の実施態様では、水と接触するときに着色剤を浸出するカプセル化着色剤の粉末は、非-極性相でコーティングすることにより製造される。かかる組成物も、染みが問題となる用途で使用することができる。本発明の更なる実施態様では、不安定な天然色素は、カプセル化されると直ちにより安定になる。
【0076】
1つの具体的な実施態様では、本発明の乾燥粒子カプセル化組成物は、マトリックスの総重量基準でタンパク質の少なくとも70重量%、及びマトリックスの総重量基準で約5〜10重量%の水分含量を含む、水-不溶性マトリックス中でカプセル化されたカプセル化物を含む。具体的な実施態様では、マトリックスは、透明な無色の水溶液又は鉱油に一旦濡れると、40超の明度(L*)、33未満の色彩鮮明度又は彩度(C*)及び70°〜90°の色相角を有する。
【0077】
更なる実施態様では、本発明の組成物は、以下:
(i) 押出成形機中でカプセル化物(A)、マトリックス(B)及び水を混合して、当該カプセル化物(A)、マトリックス(B)及び水を含む溶けた混合物を得;
(ii) 当該溶けた混合物を押出して、押出された混合物を得;
(iii) 当該押出された混合物を、小片(例えば、10 mm、8 mm、6 mm、5 mm、4 mm未満)
に切断し;
(iv) 当該押出された混合物の小片を、乾燥押出し混合物の総重量基準で、約5〜10重量%の水分含量まで乾燥し;並びに
(v) 当該乾燥押出し混合物を粉砕すること。
を含む方法により製造される。
【0078】
1つの実施態様では、本発明のカプセル化組成物が水溶液中に分散されるときに、タンパク質マトリックスは、カプセル化物を完全に又は部分的に保持する。
【0079】
本発明は、以下の非限定的実施例により更に例証される。
【実施例】
【0080】
実施例 1
押出し大豆タンパク質単離物の色彩特性
大豆タンパク質単離物は、融解物の形成を可能にし、同時に望ましくないメイラード反応を最小限に抑える条件下で、カプセル化物なしで押出した(表3)。タンパク質マトリックスの色彩に対する主な影響は、明度(L*値)であった。押出し前(表2)後の明度の相違、すなわちΔL*=-10.2は、大豆タンパク質単離物の黒色化を示す。粉末をシロップ又は油中に浸漬したときに黒色化はより明らかであった。すなわち、各々、ΔL*=-30.9及び-25であった。それにもかかわらず、実施例2〜8から明らかなように、押出し大豆タンパク質単離物のマトリックスは、色素のカプセル化には十分であり、同時に色彩の発現を可能にする。
【0081】
【表2】

【0082】
【表3】

【0083】
実施例 2
大豆タンパク質単離物内にカプセル化された赤キャベツ着色剤
大豆タンパク質単離物マトリックス内にカプセル化された赤キャベツ色の細粉末を製造した(表3を参照)。赤キャベツ色は、押出成形機の液体フィード中で希釈し、大豆タンパク質単離物を用いて押出し、得られた押出し物を乾燥し、粉砕した。変色した外観を有する乾燥粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な極めて黒っぽく、主に、青色となった。油及びシロップ中に懸濁された粉末の観察は、光学顕微鏡を用いた。10X接眼レンズは、100ミクロンの印を有するキャリブレーションスライドを用いてしたスケールを有した。油及びシロップ中に懸濁された粉末粒子の外観は同一であった。粒子は、不揃いで、ガラス質(半透明)そして一様に染色された。粒子のほとんどは約25ミクロンであった。最少の粒子は、5〜10ミクロンであったが、中には極稀に、約50ミクロンのものもあった。室温で15分浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されるアントシアニンの量は、カプセル化されたアントシアニンの総量の40%だった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物中の主に青色の着色剤としての使用に好適である。
【0084】
実施例 3
塩化カルシウムによる大豆タンパク質単離物内にカプセル化された赤キャベツ着色剤の色相変化
押出し物の色彩を変えるために押出成形機の液体フィードに塩化カルシウムを添加する以外は、実施例2(表3を参照)に示した実験と同様の実験を行った。得られた粉末は、シロップ又は油に一旦濡れると、魅力的な極めて黒っぽい、主にパープル色となった。室温で15分の浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたアントシアニンの量は、カプセル化されたアントシアニンの総量の15%であった。
【0085】
従って、塩化カルシウムは、カプセル化マトリックス内でアントシアニンを保持し、色彩をよりパープル陰影にするために役立つ。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物において主にパープル色の着色剤としての使用に好適である。
【0086】
実施例 4
タンニン酸による大豆タンパク質単離物中でカプセル化された赤キャベツ着色剤の色相変化
押出成形機の液体フィードにタンニン酸を添加する以外は、実施例2(表3を参照)に示した実験と同様の実験を行った。得られた粉末は、シロップ又は油に一旦濡れると、魅力的な黒っぽい色、主にふじ色を示した。室温で15分の浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたアントシアニンの量は、カプセル化されたアントシアニンの総量の43%であった。
【0087】
従って、タンニン酸は、カプセル化マトリックス内でアントシアニンを保持するのに役立つが、色彩をより赤色に変化させない。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物において主にふじ色の着色剤としての使用に好適である。
【0088】
実施例 5
大豆タンパク質単離物内にカプセル化されたビートレッド
大豆タンパク質単離物マトリックス内にカプセル化されたビートレッドの細粉末を製造した(表3を参照)。ビートレッド及びアスコルビン酸を押出成形機の液体フィード中で溶解した。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な中程度の濃いパープル系-赤色を示した。アスコルビン酸は、ビートレッドの安定剤として役立つ。室温で15分浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたベタニンの量は、カプセル化されたベタニンの総量の46%であった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主にパープル系-赤色の着色剤としての使用に好適である。
【0089】
実施例 6
大豆タンパク質単離物内にカプセル化されたビートレッドとターメリックとの混合物
商業的ブレダーを用いる分散による押出成形機の液体フィードにターメリックを加える以外は、実施例5(表3参照)に示す実験と同様の実験を行った。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な中程度の濃い赤色を示した。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主に赤色の着色剤としての使用に好適である。
【0090】
実施例 7
大豆タンパク質単離物内にカプセル化されたノルビキシン
大豆タンパク質単離物マトリックス内にカプセル化されたノルビキシンの細粉末を製造した(表3を参照)。ノルビキシンを押出成形機の液体フィードで希釈した。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な鮮明な、主にオレンジ色を示した。室温で15分浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたノルビキシンの量は、カプセル化されたノルビキシンの総量の9%であった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主にオレンジ色の着色剤としての使用に好適である。
【0091】
実施例 8
大豆タンパク質単離物内にカプセル化されたサフラン
大豆タンパク質単離物マトリックス内にカプセル化された(クロシンを含む)サフラン着色剤の細粉末を製造した(表3を参照)。サフランを押出成形機の液体フィードで希釈した。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な鮮明な、主に金色系-黄色を示した。室温で15分浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたクロシンの量は、カプセル化されたクロシンの総量の37%であった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主に金色系-黄色の着色剤としての使用に好適である。
【0092】
実施例 9
大豆タンパク質単離物内にカプセル化されたターメリック
大豆タンパク質単離物マトリックス内にカプセル化されたターメリックを製造した(表3を参照)。商業的ブレンダーを用いて、ターメリックを押出成形液体フィード中に分散した。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な鮮明な、主に黄色を示した。ターメリックは、非常に感光性であることが知られている。しかしながら、カプセル化されたターメリックの光への曝露の20日後に、比色計測定には何ら差がなかった。室温で15分浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたクルクミノイドの量は、カプセル化されたクルクミノイドの総量の6%であった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主に黄色の着色剤としての使用に好適である。
【0093】
【表4】

【0094】
実施例 10
押出し米タンパク質濃縮物の色彩特性
融解物の形成を可能にし、同時に望ましくないメイラード反応を最小限に抑える条件下でカプセル化物なしで米タンパク質濃縮物を押し出した(表4を参照)。押出し法に因る暗化は、大豆タンパク質単離物よりも多少、強かった。事実、押出し前(表2)後の乾燥粉末の明度の相違、すなわち、ΔL*=-0.4は、ほとんど無視できた。シロップ又は油中に浸漬した後の押出し粉末についても同様であった。すなわち、各々、ΔL*=-0.9及び-7.1であった。
【0095】
以下の実施例(11〜16)は、押出し米タンパク質濃縮物のマトリックスが色素のカプセル化に十分であり、同時に色彩の発現を可能にする、ことを示す。一般的に、シロップ中に浸漬した後では、色素は、大豆タンパク質単離物マトリックスよりも、米タンパク質濃縮物のカプセル化マトリックス内にうまく保持される。
【0096】
実施例 11
米タンパク質濃縮物内にカプセル化された赤キャベツ着色剤
米タンパク質の濃縮物マトリックス内にカプセル化された赤キャベツ色素の細粉末を製造した(表4を参照)。赤キャベツ色素は、押出成形機の液体フィードで希釈し、米タンパク質濃縮物で押出し、得られた押出し物は乾燥し、粉砕した。パステル調の外観を有する乾燥粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な極めて黒っぽい色、主にパープル色を示した。室温で15分浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたアントシアニンの量は、カプセル化されたアントシアニンの総量の31%であった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主にパープル色の着色剤としての使用に好適である。
【0097】
実施例 12
塩化カルシウムにより米タンパク質濃縮物内にカプセル化された赤キャベツ着色剤の色相変化
押出成形機の液体フィードに塩化カルシウムを加える以外は、実施例11に示す実験と同様の実験を行った(表4を参照)。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、実施例22の色と同様な魅力的な極めて黒っぽい色を示した。室温で15分浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたアントシアニンの量は、カプセル化されたアントシアニンの総量の27%であった。塩化カルシウムは、色素保持の改善、及び大豆タンパク質単離物マトリックスについての色彩変化よりも米タンパク質濃縮物マトリックスについての色彩変化に、ほとんど影響を示さなかった(実施例2)。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主にパープル色の着色剤としての使用に好適である。
【0098】
実施例 13
米タンパク質濃縮物内にカプセル化されたビートレッド
米タンパク質の濃縮物マトリックス内にカプセル化されたビートレッドの細粉末を製造した(表4を参照)。ビートレッド及びアスコルビン酸は、押出成形機の液体フィードで希釈した。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な中程度の黒っぽい色、主にパープル系-赤色を示した。アスコルビン酸はビートレッドの安定剤として役立つ。室温で15分浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたベタニンの量は、カプセル化されたベタニンの総量の27%であった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主にパープル系-赤色の着色剤としての使用に好適である。
【0099】
実施例 14
米タンパク質濃縮物内にカプセル化されたカルミン酸
米タンパク質の濃縮物マトリックス内にカプセル化されたカルミン酸の細粉末を製造した(表4を参照)。カルミン酸は押出成形機の液体フィードで希釈した。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な中程度の黒っぽい色、主に茶色系-赤色を示した。室温で15分浸漬後にカプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたカルミン酸の量は、カプセル化されたカルミン酸の総量の23%であった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主に茶色系-赤色の着色剤としての使用に好適である。
【0100】
実施例 15
米タンパク質濃縮物内にカプセル化されたビキシン
米タンパク質の濃縮物マトリックス内にカプセル化されたビキシンの細粉末を製造した(表4を参照)。ビキシンは、米タンパク質濃縮物と共に混合し、固体フィードポートにより押出成形機に入れた。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な明るい、主にオレンジ色を示した。中性のpHで水に不溶性のビキシンは、アルカリ又は乳化剤を使用する必要なく、米タンパク質濃縮物内にカプセル化した。長期間(数日)後でさえ、シロップでのカプセル化マトリクスから放出されるビキシンはなかった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主にオレンジ色の着色剤としての使用に好適である。pH-変更剤が製造法において使用されるので、本実施例はまた、pH感受性着色剤、例えば、アントシアニン、が使用される着色剤ブレンドにおいて使用することができる、ことを証明する。
【0101】
実施例 16
米タンパク質濃縮物内にカプセル化されたターメリック
米タンパク質の濃縮物マトリックス内にカプセル化されたターメリックの細粉末を製造した(表4を参照)。商業的なブレンダーを用いてターメリックを押出成形機の液体フィード中で分散した。得られた粉末は、シロップ又は油で一旦濡れると、魅力的な明るい、主に黄色を示した。長期間(数日)後でさえ、カプセル化マトリクスからシロップ中に放出されるターメリックはなかった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物における主に黄色の着色剤としての使用に好適である。
【0102】
実施例 17
米タンパク質濃縮物内にカプセル化されたタルトラジン
人工色素、すなわちタルトラジンを押出成形機の液体フィード中で溶解し、乾燥米タンパク質濃縮物の重量基準で、0.1%の濃度で、米濃縮物内にカプセル化した。乾燥黄色粉末の比色計測定は、L*=80.6、C*=43.6及びh=89°であった。水中では、タルトラジンは、カプセル化マトリックス内に包括的に保持された。カプセル化マトリックスからシロップ中に放出されたタルトラジンはなかった。本組成物は、低水分及び/又は非-極性生成物おける主に黄色の着色剤としての使用に好適である。
【0103】
実施例2〜9及び11〜17のカプセル化色素は、鉱油中に浸したときに、各々のカプセル化マトリックスから放出されなかった。
【0104】
実施例 18
キャンディコーティング用のカプセル化色素の有用性
キャンディコーティング用のカプセル化色素の有用性を、実施例18〜21に示す。キャンディパンニング操作において使用される媒体と同様の分散媒体を、スクロース、アカシア・ゴム及び水を重量で60:10:30の割合で混合し、そして60℃まで加熱することによりつくった。カプセル化色素及び分散媒体を重量で5:20の割合で混合し、プラスチック製のペトリ皿に拡げ、乾燥して、キャンディコーティングの層と同様な不透明な着色した層を形成させた。
【0105】
濃い青色層は、実施例2のカプセル化色素から得た(表3を参照)。比色計測定は、L*=17.2、C*=7.4及びh=270°であった。
【0106】
実施例 19
不透明な着色層は、実施例18に記載のように、実施例11のカプセル化色素、スクロース及びアカシア・ゴムを混合することにより得た。実施例11のカプセル化色素から、濃いパープル色の層を得た。比色計測定は、L*=24.9、C*=8.3及びh=307°であった。
【0107】
実施例 20
不透明な着色層は、実施例18に記載のように、実施例12のカプセル化色素、スクロース及びアカシア・ゴムを混合することにより得た。実施例11のカプセル化色素から、濃い赤色の層を得た。比色計測定は、L*=21.2、C*=19.9及びh=2°であった。
【0108】
実施例 21
不透明な着色層は、実施例18に記載のように、実施例15のカプセル化色素、スクロース及びアカシア・ゴムを混合することにより得た。実施例15のカプセル化色素から、濃い黄色の層を得た。比色計測定は、L*=59.7、C*=51.8及びh=82°であった。
【0109】
実施例 22
非-極性コーティングの使用
防水カプセル化色素に対する非-極性コーティングの使用の証明は本実施例で提供する。コーティングは、(コーティングの重量で)2.01% ゼイン、11.55% キャノーラ油、82.48% 変性エタノール、0.66% 塩化カルシウム及び3.30% デュルラク(Durlac)100W 乳化剤の混合物であった。コーティング混合物及び実施例2のカプセル化色素は、各々重量で3:1の割合で混合し、変性エタノールを蒸発させた。室温で15分浸漬後に被覆カプセル化色素からシロップ中に放出された赤キャベツ着色剤の量は、赤キャベツ着色剤の総量の4%であった。そのため、非-極性コーティングは、実質的に、カプセル化色素の不透過性を改善した。
【0110】
実施例 23
高濃度の色素のカプセル化
ある実施態様では、キャンディ上の強い色彩強度を有するより薄い色彩コートをつくるために又は他の用途において、先の実施例の色素濃度よりも高い色素濃度を有するカプセル化色素を用いることが望ましい。高色素濃度を有するカプセル化色素の製造は、より低い色素濃度でのカプセル化された色素の製造コストとは、著しく異なった製造コスト(原料を含まない)を必要としないので、経済的利益もあり得る。カプセル化色素が、カプセル化物中の色素量に比例した用量レベルで用いることができることを証明することができる場合には、これは当てはまる。このことは、本明細書で証明される。
【0111】
ターメリックを、実施例16の方法と類似の方法で、2つの濃度で、米タンパク質濃縮物内にカプセル化した。このことを達成するために、2つの濃度で商業的ブレンダーを用いて押出成形機の液体フィード中にターメリックを分散した。得られた粉末は、カプセル化されたターメリックの乾燥重量基準で、1.96重量%〜9.1重量%のターメリック濃度を有した。カプセル化色素は、本明細書では、各々、「低色素カプセル化物」及び「高色素カプセル化物」と称する。高色素カプセル化物は、低色素カプセル化物よりも4.64-倍のターメリック色素を含んだ。
【0112】
低色素及び高色素カプセル化物は、商業的ブレンダー及びセラミック製ボールミルを用いて、非常に細粉末、すなわち粒子径平均9ミクロンに粉砕した。分散媒体の一部は、3 g 粉砂糖、0.05 g アカシア・ゴム、1.25 g 中度転化糖、0.3125 g 低ブルーム(bloom)ゼラチン及び2.3875 g 水を混合することにより、透明になるまで電子レンジで軽く加熱することによりつくった。1.64 gの低色素カプセル化物の一部分は、3.86 gの菓子類の砂糖と混合し、分散媒体の一部分中で分散した。0.28 gの高色素カプセル化物の一部分は、5.22 gの菓子類の砂糖と混合し、分散媒体の一部分中で分散した。従って、分散媒体中の低色素カプセル化物の量は、分散媒体中の高色素カプセル化物の量よりも約5.9-倍高かった。両方の混合物の固体含量は同一であった。
【0113】
分散色素カプセル化物の2-グラム部分を、白色セラミックの正方形平面(48 mm X 48 mm)上に適用し、へらを用いて表面全体に均一に拡げた。着色剤コーティングを室温で暗闇で乾燥し、色彩測定を行った。低色素カプセル化物及び高色素カプセル化物を含む分散媒体で被覆したタイルは、同様のL*値、すなわち各々85.7及び85.4、及びh値、すなわち各々91°及び90°を有した。しかしながら、色彩鮮明度は、低色素カプセル化物よりも高色素カプセル化物を含む分散媒体で被覆したタイルについてはより高かった。すなわち、各々49.9及び35.6。
【0114】
そのため、低濃度の色素に比べて高濃度の色素のカプセル化に関する技術的利点は、色素の現実的な量と比べてより低い適用用量、及びより明るい色彩を含む。
【0115】
実施例 24
非常に高い明度を有するカプセル化色素
本実施例は、非常に高い明度を有するカプセル化色素の証明として有用である。ビキシン100%は、非常に高い明度、すなわち(エタノールで希釈後に458 nmでの分光測定により決定される)約310,000を有する食品着色剤である。ビキシンを米タンパク質濃縮物と5:95 (w/w)の割合で混合した以外は、カプセル化ビキシンは、実施例15と同様に製造した。従って、得られたカプセル化色素は、約15,500色彩単位のビキシンを含んだ。
【0116】
実施例 25
カプセル化法
材料
タンパク質:大豆タンパク質単離物であるPro-Fam 974 (Archer Daniel Midland, IL, USA)は、単離物の乾燥重量基準で約90%のタンパク質含量を有し;米タンパク質濃縮物であるRemypro N80+ (Remy Industries, Leuven-Wijgmaal, Belgium)は、濃縮物の乾燥重量基準で約80%のタンパク質含量を有する。
【0117】
色素:ビートレッド、ベジタブルジュースカラー4015 (Food Ingredient Solutions, New York NY, USA)、1.5%の最少ベタニン含量のビートジュース濃縮物;ビキシン、100% (Food Ingredient Solutions, New York NY, USA); ノルビキシン、AFC WS 4600P (Rhodia, Madison, WI, USA)、15%のノルビキシン含量を有する炭酸カリウムを用いて乾燥されたアンナット抽出物;赤キャベツ着色剤 (Colarome, St. Hubert, QC, Canada)、(pH 3.0のMcllvaine緩衝液において535 nmでの分光側光により測定された)1600のアントシアニンに起因する明度を有する希釈剤を除いた水性濃縮物;サフラン着色剤、Safrante Industrial (Azafran Natural, Malaga, Spain)、マルトデキストリンを用いて乾燥されたサフラン抽出物;タルトラジン、07799 FD&C Yellow 第5番、Granular (Sensient, St. Louis MO, USA); ターメリック粉末P8003 (Food Ingredient Solutions, New York NY, USA)、5±0.4%のクルクミン含量を有する担体としてアカシア・ゴムを用いて乾燥されたウコン抽出物。
【0118】
試薬: アスコルビン酸、細粒 (Brenntag Canada, Lachine QC1 Canada); 塩化カルシウム 93%、無水 (Brenntag Canada, Lachine QC, Canada); ゼラチン、低ブルーム(bloom)コーシャ (VYSE Gelatin Co., Shiller Park IL, USA); アカシア・ゴム、アラビア・ゴム型CS (Daminco, Oakville ON, Canada); 変性アルコール、SDAG-13、無水 (Commercial Alcohols, Tiverton ON, Canada)、1%酢酸エチルで変性された穀類エチルアルコール;Durlac 100W乳化剤 (Loders & Croklaan, Channahon IL, USA); 中度転化糖 (Nealanders Intl., Dorval QC, Canada); タンニン酸 (Fleurchem, Middletown NY, USA); ゼイン F4000、標準グレード (Freeman Industries, Tuckahoe NY, USA)。
【0119】
方法
比色計測定:比色計測定は、ColorFlex (商標) 比色計 (Hunter Associates Laboratory Inc., Reston, VA) 及び石英試料カップを用いて行った。キャリブレーションは、黒磁器及び白磁器の着色剤の標準を用いて行い、比色計測定は、緑磁器の標準を用いて読みをマーキングすることにより確認した (発光 D65/10°オブザーバー)。試料の直接的な明度測定は、不透過性を確実にするために、試料中の十分な試料量を積層することにより行った。試料の比色計測定はまた、スクロース(シロップ)の50%水溶液又は鉱油のいずれかからなる液体媒体中に、カプセル化色素の試料を懸濁し、試料カップ中に懸濁液を注ぎ、そして読み取り前に濡れた試料の不透過層を形成するために静置することにより行った。
【0120】
溶解物押出し:溶解物押出しは、独立に電気的に加熱し、冷水で冷却することができる9セクションを有する、Baker-Perkin同時-回転ツイン-スクリュー押出成形機(モデルMPF-50)を用いて行った。第3セクションの上部に開口部により、メータリング・スクリューを用いて固体を導入した。固体ポートの直ぐ下にあるポートにより液体を注入するために、メータリング・ポンプを用いた。金型は、2つの9 mmのオリフィスを備え、冷水(0℃〜2℃)で冷却した。大豆タンパク質単離物の押出しのために、2つの並行スクリューアセンブリは、各々、(フローの方向に)以下からなった:10.8 cm スペーサー、27.9 cm 運搬スクリュー、10.2 cm 単一-リードスクリュー、25.4 cm 粉こねブロック (20ブロック、30°前進)、10.2 cm 単一-リードスクリュー、11.4 cm 粉こねブロック (9ブロック、90°) 及び20.3 cm単一-リードスクリュー。米タンパク質濃縮物と共に用いられる押出成形機の要素のアセンブリは、以下であった:10.8 cm スペーサー、27.9 cm 運搬スクリュー10.2 cm 単一-リードスクリュー、25.4 cm 粉こねブロック (20ブロック、30°前進)、10.2 cm 単一-リードスクリュー、11.4 cm 粉こねブロック (9ブロック、30°フォワード)、5.1 cm 粉こねブロック (4ブロック、30°逆行) 及び15.2 cm 単一-リードスクリュー。第3〜第9セクションの温度設定は、各々、30℃、35℃、35℃、35℃、10℃、10℃及び10℃であった。セクションの冷却は、冷水(0℃〜2℃)を用いて行った。スクリュースピードは、200 RPMであった。押出し物は、約1,600 RPMの4刃回転ナイフ操作を用いて切断した。当然のことながら、理解されたいが、一般的な押出し操作は当該分野で周知であるので、上記の特定の設定(例えば、回転スクリュー及び回転ナイフのスピード、スペーサー、運搬スクリュー、リードスクリュー、粉こねブロック、単一-リードスクリュー、温度設定等)は、望ましい押出し物の性質に従って変更することができる。従って、他の溶解押出しパラメータ及び他の押出成形機も、本発明に従って使用することができる。
【0121】
押出し物乾燥及び粉砕:紙で裏打ちされた金網台上に積層し、5〜10重量%の水分含量まで空気を循環させることにより、押出し物を室温で乾燥した。家庭用ブレンダー及び細粉砕機(Prater, model CLM18)を用いて、得られた乾燥押出し物を粉砕し、約20ミクロンの粒子径を有する粉末を得た。細粉末は、実施例1〜22で包括的に、及び実施例24で製造した。
【0122】
代替的に、乾燥押出し物を、約9ミクロンの平均粒子を有する非常に細かい粉末を与える、家庭用ブレンダー及びセラミック製ボールミルを用いて粉砕した。非常に細かい粉末は実施例23で製造した。
【0123】
本発明は、その好ましい実施態様により本明細書に記載してきたが、本発明は、添付のクレームで定義される本発明の趣旨及び本質を逸脱することなく改変することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥粒子状カプセル化組成物であって、以下:
(a)水-不溶性マトリックス、ここで当該マトリックスは、マトリックスの総重量基準で少なくとも70重量%のタンパク質、及びマトリックスの総重量基準で約5〜10重量%の水分を含む;並びに
(b) 当該水-不溶性マトリックス内にカプセル化されたカプセル化物
を含み、
ここで、透明な無色の水溶液又は鉱油に一旦濡れた当該マトリックスは、約40超の明度(L*)、約33未満の色彩鮮明度又は彩度(C*)、及び約70°〜90°の色相角を有する、前記組成物。
【請求項2】
前記マトリックスが、前記カプセル化組成物が水溶液中に分散された後に、前記カプセル化物を完全に保持するか、又は完全に放出するかもしくは一部分を放出する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記マトリックスが、タンパク質濃縮物、タンパク質単離物又はそれらの混合物の乾燥重量基準で、77重量%超のタンパク質含量を有する、タンパク質濃縮物、タンパク質単離物又はそれらの混合物を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記タンパク質濃縮物が、米タンパク質濃縮物の乾燥重量基準で、約77重量%超のタンパク質含量を有する米タンパク質濃縮物である、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
前記タンパク質単離物が、大豆タンパク質単離物の乾燥重量基準で、約87重量%超のタンパク質含量を有する大豆タンパク質単離物である、請求項3記載の組成物。
【請求項6】
粉末からなる、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記粉末が、約20ミクロンより小さい平均サイズを有する粒子からなる、請求項6記載の組成物。
【請求項8】
前記粉末が、10ミクロンより小さい平均サイズを有する粒子からなる、請求項6記載の組成物。
【請求項9】
前記粉末が、場合により、油、ワックス、ゼイン、ガム、乳化剤又はそれらの混合物で被覆される、請求項6〜8のいずれか1項記載の組成物。
【請求項10】
前記カプセル化物が、1以上の医薬品、1以上のビタミン及び1以上の着色剤からなる群より選ばれる少なくとも1つの化合物からなる、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
前記カプセル化物が着色剤である、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
前記着色剤が、天然色素、天然と同等の色素、天然色素のレーキ、合成色素及び合成レーキからなる群より選ばれる、請求項11記載の組成物。
【請求項13】
前記自然色素が、アントラキノン、ベタライン、キャラメル、カロチノイド、クルクミノイド、フラビン、フラボノイド、ポルフィリン及びそれらの混合物からなる群より選ばれる、請求項12記載の組成物。
【請求項14】
前記天然色素がフラボノイドである、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
前記フラボノイドが、赤キャベツ、サツマイモ、赤かぶ、ニワトコの実及びブドウからなる群の少なくとも1つから得られる、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
前記天然色素がベタラインである、請求項13記載の組成物。
【請求項17】
前記ベタラインがビートレッドである、請求項16記載の組成物。
【請求項18】
アスコルビン酸を更に含む、請求項17記載の組成物。
【請求項19】
前記天然色素がアントラキノンである、請求項13記載の組成物。
【請求項20】
前記アントラキノンが、カルミン酸及びカルミンからなる群より選ばれる、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
前記天然色素がカロチノイドである、請求項13記載の組成物。
【請求項22】
前記カロチノイドが、アンナット、アポカロテナール、アポカロテナールエステル、カンタキサンチン、β-カロチン、リコピン、ルテイン、パプリカ及びサフランからなる群より選ばれる、請求項21記載の組成物。
【請求項23】
前記カロチノイドが、ビキシン、ノルビキシン及びクロシンから選ばれる、請求項21記載の組成物。
【請求項24】
前記天然色素がポルフィリンである、請求項13記載の組成物。
【請求項25】
前記ポルフィリンが、クロロフィル及びクロロフィリンからなる群より選ばれる、請求項24記載の組成物。
【請求項26】
前記天然色素がクルクミノイドである、請求項13記載の組成物。
【請求項27】
前記クルクミノイドがターメリックである、請求項26記載の組成物。
【請求項28】
前記天然色素がフラビンである、請求項13記載の組成物。
【請求項29】
前記フラビンがリボフラビンである、請求項2記載の組成物。
【請求項30】
前記マトリックス及び前記カプセル物の総乾燥重量基準で、5〜15重量%の範囲の色素濃度を有する高色素カプセル化物である、請求項1〜29のいずれか1項記載の組成物。
【請求項31】
前記高色素カプセル化物が、前記マトリックス及び前記カプセル化物の総乾燥重量基準で、5〜10重量%の範囲の色素濃度を有する、請求項30記載の組成物。
【請求項32】
有機酸もしくは無機酸、タンニン酸、アスコルビン酸、カルシウム塩、ゼイン、乳化剤、ガム又はそれらの混合物を更に含む、請求項1〜31のいずれか1項記載の組成物。
【請求項33】
α-トコフェロール、アスコルビン酸、安息香酸、イソアスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、クエン酸ナトリウム、ソルビン酸、カリウム、重硫酸ナトリウム及びそれらの混合物から選ばれる安定剤又は保存剤を更に含む、請求項1〜32のいずれか1項記載の組成物。
【請求項34】
ワックス、油、脂肪、長鎖脂肪酸、アカシア、ゼラチン、レシチン、コレステロール、硫酸塩又はスルホン酸塩、ガム、ゼイン及びそれらの混合物からなる群より選ばれる非-極性コーティングを更に含む、請求項1〜33のいずれか1項記載の組成物。
【請求項35】
色相を変化させるための有機もしくは無機酸又はカルシウム塩を更に含む、請求項1〜34のいずれか1項記載の組成物。
【請求項36】
乾燥粒子状カプセル化組成物の製造法であって、以下:
(i) 押出成形機中でカプセル化物(A)、マトリックス(B)及び水を混合して、当該カプセル化物(A)、マトリックス(B)及び水を含む融解混合物を得;
(ii) 当該融解混合物を押出して、押出し混合物を得;
(iii) 当該押出し混合物を、10 mm未満の平均サイズを有する小片に切断し;
(iv) 当該押出し混合物の小片を、乾燥押出し混合物の総重量基準で、約5〜10重量%の水分含量まで乾燥し;並びに
(v) 当該乾燥押出し混合物を粉砕すること
を含み、
ここで、当該マトリックスは、マトリックスの総重量基準で少なくとも70重量%のタンパク質を含み、そして当該カプセル化物は、天然色素、天然と同等の色素、人工色素、天然色素のレーキ、人工色素のレーキ、医薬品、ビタミン又はそれらの混合物からなる群より選ばれる、前記方法。
【請求項37】
前記乾燥押出し混合物が、粒子が約20ミクロン未満の平均サイズを有する細粉末に粉砕される、請求項36記載の方法。
【請求項38】
前記乾燥押出し混合物が、粒子が約10ミクロン未満の平均サイズを有する細粉末に粉砕される、請求項36記載の方法。
【請求項39】
前記乾燥押出し混合物が、粉砕され、液体媒体中に懸濁され及びホモジナイズされる、請求項36〜38のいずれか1項記載の方法。
【請求項40】
前記マトリックス(B)が、米タンパク質濃縮物の乾燥重量基準で、約77重量%超のタンパク質含量を有する米タンパク質濃縮物を含む、請求項37〜39のいずれか1項記載の方法。
【請求項41】
前記マトリックス(B)が、大豆タンパク質単離物の乾燥重量基準で、約87重量%超のタンパク質含量を有する大豆タンパク質単離物を含む、請求項37〜39のいずれか1項記載の方法。
【請求項42】
前記押出成形機が、ツインスクリュー押出成形機である、請求項37〜41のいずれか1項記載の方法。
【請求項43】
前記押出し混合物が、押出し混合物の総重量基準で、30〜50重量%の水を含む、請求項37〜42のいずれか1項記載の方法。
【請求項44】
前記押出し混合物が、押出し混合物の総重量基準で、45〜70重量%の水を含む、請求項37〜42のいずれか1項記載の方法。
【請求項45】
前記カプセル化物が医薬品である、請求項10記載の組成物。
【請求項46】
摂食後に前記医薬品の時間放出を可能にする、請求項45記載の組成物。
【請求項47】
前記天然色素が、ゲニポシド、白檀材、セピア及びベジタブルブラックから選ばれる、請求項12記載の組成物。
【請求項48】
前記押出し混合物が、5 mm未満の平均サイズを有する小片に切断される、請求項36〜44のいずれか1項記載の方法。

【公表番号】特表2008−524266(P2008−524266A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547117(P2007−547117)
【出願日】平成17年12月6日(2005.12.6)
【国際出願番号】PCT/CA2005/001853
【国際公開番号】WO2006/066389
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(507186403)コラローム インコーポレイティド (1)
【Fターム(参考)】