説明

好中球エラスターゼインヒビターとしての2−ピリジン誘導体

本発明は下記式で示される化合物、およびその光学異性体、ラセミ体および互変異性体、ならびにその医薬的に許容される塩を提供する;さらに、その製造法、それらを含有する医薬組成物およびその治療用途を提供する。当該化合物はヒト好中球エラスターゼのインヒビターである。
【化1】


式中、R、R、R、R、R、R14、X、WおよびZは明細書に定義したとおりである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は2−ピリドン誘導体、その製造方法、それらを含有する医薬組成物およびその治療用途に関する。
【背景技術】
【0002】
エラスターゼは恐らく身体においてもっとも破壊的な酵素であり、実質的にすべての結合組織成分を分解する能力を有する。エラスターゼによる制御されないタンパク質分解は、多くの病的症状に関係している。ヒトの好中球エラスターゼ(hNE)は、セリンプロテアーゼのキモトリプシンスーパーファミリーの一員であり、好中球のアズール好性顆粒に貯留された33−KDaの酵素である。好中球において、NEの濃度は5mMを超え、その全細胞量は3pgに及ぶと見積もられている。NEは、活性化により、好中球細胞膜に結合しているある部分とともに、急速に顆粒から細胞外空隙に放出される(参照:Kawabat et al. 2002, Eur. J. Pharmacol. 451, 1-10)。NEの主要な細胞内生理機能は、好中球により食作用を受けた外来性有機分子の分解であるが、一方、細胞外エラスターゼの主たる標的はエラスチンである(Janoff and Scherer, 1968, J. Exp. Med. 128, 1137-1155)。NEは他のプロテアーゼ(例えば、プロティナーゼ3)に比べて、殆どすべての細胞外マトリックスおよび重要な血漿タンパク質を分解する能力を有する点でユニークである(参照:Kawabat et al., 2002, Eur. J. Pharmacol. 451, 1-10)。このものは幅広い細胞外マトリックスタンパク質、例えば、エラスチン、3型および4型コラーゲン、ラミニン、フィブロネクチン、サイトカインなどを分解する(Ohbayashi, H., 2002, Expert Opin. Investig. Drugs, 11, 965-980)。NEは上皮傷害などの慢性肺疾患に見られる多くの病理学的変化の主要な共通のメディエーターである(Stockley, R.A. 1994, Am. J. Resp. Crit. Care Med. 150, 109-113)。
【0003】
NEの破壊的役割は、もう約40年も以前に、ローレルとエリクソン(Laurell and Eriksson)が、慢性の気流通過障害の閉塞および気腫と、血清α−アンチトリプシンの欠損との関連性を報告したときに、固まっていた(Laurell and Eriksson, 1963, Scand. J. Clin. Invest. 15, 132-140)。引き続いて、α−アンチトリプシンがヒトNEのもっとも重要な内在性インヒビターであることが決定された。ヒトNEと内在性アンチプロテアーゼ間の不均衡が、肺組織において、慢性の閉塞性肺疾患(COPD)における主たる病的因子と考えられる過剰なヒトNEの原因と信じられる。過剰なヒトNEは、顕著な破壊的特徴を示し、正常な肺構造を破壊し、主として気腫に見られるように、呼吸器空隙の非可逆的拡張を惹き起こす際に、活発に参与する。α−プロテイナーゼインヒビター欠損マウスにおいては、肺への好中球の補給増大が見られるが、この増大は上昇した肺のエラスターゼ荷重および気腫と関連している(Cavarra et al., 1996, Lab. Invest. 75, 273-280)。気管支肺胞洗浄液に高レベルのNE−α−プロテアーゼインヒビター複合体をもつ個体は、低レベルの個体と比較して、肺機能を有意に促進する傾向を示す(Betsuyaku et al. 2000, Respiration, 67, 261-267)。ラットにおいては、気管を経由するヒトNEの点滴が、肺出血、急性期の好中球蓄積、および慢性期の気腫の変化を惹き起こす(Karaki et al., 2002, Am. J. Resp. Crit. Care Med., 166, 496-500)。ハムスターにおいてNEを原因とする急性期の肺気腫および肺出血は、NEのインヒビターによる事前の処置により阻止し得ることを研究が示している(Fujie et al.,1999, Inflamm. Res. 48, 160-167)。
【0004】
好中球優位の気道炎症および粘液気道閉鎖は、のう胞性線維症および慢性気管支炎などのCOPDの主要な病的特徴である。NEは粘液気道閉鎖に導くムチンの産生を減ずる。NEは主要な呼吸系ムチン遺伝子MUC5ACの発現を増大させると報告されている(Fischer, B.M & Voynow, 2002, Am. J. Respir. Cell Biol., 26, 447-452)。NEをモルモットにエーロゾル投与すると、接触から20分以内に広範な上皮傷害を生じる(Suzuki et al., 1996, Am. J. Resp. Crit. Care Med., 153, 1405-1411)。さらに、NEはインビトロでヒト呼吸系上皮細胞の繊毛うなり周波数を減ずる(Smallman et al., 1984, Thorax, 39, 663-667)が、そのことはCOPD患者に認められる粘膜繊毛クリアランスの低下と矛盾しない(Currie et al., 1984, Thorax, 42, 126-130)。ハムスターにおいてNEを気道内に点滴すると、粘液腺の過形成に至る(Lucey et al., 1985, Am. Resp. Crit. Care Med., 132, 362-366)。NEにとっての役割は、喘息における粘液過剰分泌にも関係している。アレルゲン感作モルモットの急性喘息モデルにおいては、NEのインヒビターが、杯状細胞の脱顆粒と粘液過剰分泌を防止した(Nadel et al., 1999, Eur. Resp. J., 13, 190-196)。
【0005】
NEはまた肺線維症の発病において役割を果たすことが示されている。NE:α−プロテイナーゼインヒビター複合体は、肺線維症の患者の血清中で増加するが、このことはこれらの患者の臨床パラメータと相関する(Yamanouchi et al., 1998, Eur. Resp. J. 11, 120-125)。ヒト肺線維症のマウスモデルにおいて、NEインヒビターはブレオマイシン誘発肺線維症を低下させた(Taooka et al., 1997, Am. J. Resp. Crit. Care Med., 156, 260-265)。さらに研究者は、NE欠損マウスがブレオマイシン誘発肺線維症に抵抗性であることを示している(Dunsmore et al., 2001, Chest, 120, 35S-36S)。血漿NEレベルはARDSの進行した患者で上昇していることが判明しているが、このことは初期のARDS疾患の発病におけるNEの重要性に関係する(Donnelly et al., 1995, Am. J. Res. Crit. Care Med., 151, 428-1433)。アンチプロテアーゼおよびアンチプロテアーゼと複合体形成したNEは、肺癌領域で増加している(Marchandise et al., 1989, Eur. Resp. J. 2, 623-629)。最近の研究では、NE遺伝子のプロモーター領域の多形性が、肺癌の発生と関連していることを示している(Taniguchi et al., 2002, Clin. Cancer Res., 8, 1115-1120)。
【0006】
実験動物において内毒素が惹き起こす急性の肺傷害は、NEの上昇レベルと関連している(Kawabata, et al., 1999, Am. J. Resp. Crit. Care, 161, 2013-2018)。マウスにおいて、リポ多糖の気管内注入が惹き起こす急性の肺炎症は、NEインヒビターによって有意に阻害される気管支肺胞洗浄液のNE活性を上昇させることが示されている(Fujie et al., 1999, Eur. J. Pharmacol., 374, 117-125; Yasui, et al., 1995, Eur. Resp. J., 8, 1293-1299)。NEはまた、摘出した灌流ウサギ肺において、腫瘍ネクローシス因子α(TNFα)およびミリスチン酸酢酸ホルボールが惹起する急性肺傷害で観察される肺微小血管透過性の好中球誘発上昇に重要な役割を果たす(Miyazaki et al., 1998, Am. J. Respir. Crit. Care Med., 157, 89-94)。
【0007】
また、NEについての役割は、モノクロトリン誘発肺血管壁肥厚および心臓肥大においても示唆されている(Molteni et al., 1989, Biochemical Pharmacol. 38, 2411-2419)。セリンエラスターゼインヒビターは、ラット肺動脈におけるモノクロタリン誘発肺高血圧と改造作用を逆転する(Cowan et al., 2000, Nature Medicine, 6, 698-702)。最近の研究は、セリンエラスターゼ、すなわち、NEまたは血管エラスターゼがモルモットの小肺動脈の喫煙誘発筋肉作用において重要であることを示している(Wright et al., 2002, Am. J. Respir. Crit. Care Med., 166, 954-960)。
【0008】
NEは、実験的脳虚血障害(Shimakura et al., 2000, Brain Research, 858, 55-60)、虚血−再灌流肺傷害(Kishima et al., 1998, Ann. Thorac. Surg. 65, 913-918)およびラット心臓の心筋虚血(Tiefenbacher et al., 1997, Eur. J. Physiol., 433, 563-570)において、重要な役割を演じている。ヒトNEの血漿中レベルは、炎症性腸疾患、例えば、クローン病および潰瘍性大腸炎などにおいて、正常以上に有意に上昇している(Adeyemi et al., 1985, Gut, 26, 1306-1311)。さらに、NEは関節リウマチの病因にも関与しているとされている(Adeyemi et al., 1986, Rheumatol. Int., 6, 57)。マウスにおけるコラーゲン誘発関節炎の発症は、NEインヒビターによって抑制される(Kakimoto et al., 1995, Cellular Immunol. 165, 26-32)。
【0009】
このように、NEはもっとも破壊的なセリンプロテアーゼの一つとして知られており、様々な炎症性疾患に関係しているとされる。ヒトNEの重要な内在性インヒビターは、α−アンチトリプシンである。ヒトNEとアンチプロテアーゼとの不均衡が、過剰なヒトNEのもととなり、制御不能な組織破壊を招来すると信じられる。プロテアーゼ/アンチプロテアーゼのバランスは、喫煙などの酸化剤による不活性化を介するか、または十分な血清レベルを遺伝子的に生じ得ないことの結果として、α−アンチトリプシンの利用能の低下により乱れたものとなり得る。ヒトNEは、多くの疾患、例えば、肺気腫、肺線維症、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、虚血再灌流傷害、関節リウマチおよび肺高血圧症などの促進または病勢悪化に関係している。
【発明の開示】
【0010】
従って、本発明によると、式(I):
【化1】

[式中、
は水素またはC−Cアルキルを表す;
WはS(O)mを表し、mは整数、0、1または2を表す;
Zは単結合、−CH−または−NR25−を表す;
14は水素原子またはOHを表すか、またはC−Cアルキルおよび飽和もしくは不飽和の3員ないし10員環系から選択される基を表し、該環系は窒素、酸素およびイオウから選択される少なくとも1個の環へテロ原子を任意に含有してなる;各基には、フェニル、C−Cアルコキシカルボニル、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CN、OH、NO、1個以上のF原子が置換するC−Cアルキル、1個以上のF原子が置換するC−Cアルコキシ、NR1213、C≡CR30、CONR3132、CHO、C−Cアルカノイル、S(O)33およびOSO34から選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換する;
【0011】
12およびR13は独立して、H、C−Cアルキル、ホルミルまたはC−Cアルカノイルを表す;または一緒になった基−NR1213が、さらにO、SおよびNR26から選択される1個のへテロ原子を任意に含む5員ないし7員のアザ環状環を表す;
30は、H、C−Cアルキル、Si(CH)またはフェニルを表す;
33およびR34は独立してHまたはC−Cアルキルを表す;当該アルキルには1個以上のF原子が任意に置換する;
はHまたはFを表す;
【0012】
はフェニルを表すか、またはO、SおよびNから独立して選択される1ないし3個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロ芳香環を表す;当該環には、ハロゲン、C−Cアルキル、シアノ、C−Cアルコキシ、ニトロ、メチルカルボニル、NR3536、1個以上のF原子が置換するC−Cアルキルまたは1個以上のF原子が置換するC−Cアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換する;
35およびR36は独立してHまたはC−Cアルキルを表す;当該アルキルには1個以上のF原子がさらに任意に置換する;
【0013】
は水素を表すか、またはフルオロ、ヒドロキシルおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換するC−Cアルキルを表す;
Xは単結合、O、NR24または基−C−Cアルキレン−Y−(式中、Yは単結合、酸素原子、NR24またはS(O)を表す)を表す;当該アルキレンには、OH、ハロゲン、NR3738、C−Cアルコキシ、CONR3940、SO41およびSONR4243がさらに任意に置換する;
または、RおよびXが一緒になり結合して、一緒になった基−NRXが、さらにO、SおよびNR44から選択される1個のへテロ原子を任意に含む5員ないし7員のアザ環状環を表す;当該環にはC−CアルキルまたはNR4546が任意に置換する;当該アルキルにはさらにOHが任意に置換する;
【0014】
は以下から選択される単環式環系を表す:i)フェノキシ;ii)フェニル;iii)窒素、酸素およびイオウから選択される少なくとも1個の環へテロ原子を含有してなる5員または6員のヘテロ芳香環;iv)飽和または部分的に不飽和のC−Cヒドロカルビル環;またはv)酸素、S(O)およびNR20から選択される少なくとも1個の環へテロ原子を含有してなる飽和または部分的に不飽和の4員ないし7員のヘテロ環状環(ただし、少なくとも1個の環炭素原子は、カルボニル基と任意に置き換わり得る);
【0015】
または、Rは二環式環系を表し、その2つの環は独立して上記ii)、iii)、iv)およびv)に定義した単環式環系から独立して選択される;ただし、2つの環は一緒になって縮合しているか、互いに直接結合しているか、または酸素、S(O)またはC−Cアルキレンから選択されるリンカー基により互いに隔離されている;該C−Cアルキレンは酸素、イオウおよびNR27から選択される1個以上の内部もしくは末端へテロ原子を任意に含有してなり、またヒドロキシル、オキソおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換する;
【0016】
単環式または二環式環系には、酸素、CN、OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、NR4748、NO、OSO49、CO50、C(=NH)NH、C(O)NR5152、C(S)NR5354、SC(=NH)NH、NR55C(=NH)NH、S(O)21、SONR5657、1個以上のF原子が置換するC−CアルコキシおよびSO58もしくは1個以上のF原子が置換するC−Cアルキルから選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換する;当該C−Cアルキルにはシアノ、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオおよび−C(O)NR2223から選択される少なくとも1個の置換基がさらに任意に置換する;
またはRはHをも表す;
【0017】
20は、水素、C−Cアルキル、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルを表す;
21は、水素、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表す;当該アルキルまたはシクロアルキル基には、OH、CN、C−CアルコキシおよびCONR5960から独立して選択される1個以上の置換基がさらに任意に置換する;
37およびR38は独立して、H、C−Cアルキル、ホルミルまたはC−Cアルカノイルを表す;
47およびR48は独立して、H、C−Cアルキル、ホルミル、C−Cアルカノイル、S(O)qR61またはSONR6263を表す;当該アルキル基には、ハロゲン、CN、C−CアルコキシまたはCONR6465がさらに任意に置換する;
41およびR61は独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表す;
【0018】
pは0、1または2である;qは0、1または2である;rは0、1または2である;tは0、1または2である;wは0、1または2である;vは0、1または2である;
22、R23、R24、R25、R26、R27、R31、R32、R39、R40、R42、R43、R44、R45、R46、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R62、R63、R64およびR65はそれぞれ独立して水素またはC−Cアルキルを表す]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩が提供される。
【0019】
本明細書の文面においては、特に断りのない限り、アルキル、アルケニルまたはアルキニル置換基、あるいはある置換基中のアルキル部分は、直鎖または分枝鎖であり得る。同様に、アルキレン基は直鎖または分枝鎖であり得る。R14の定義において、飽和または不飽和の3員ないし10員の環系は脂肪族または芳香族の性質を有し得る。不飽和環系は部分的にまたは完全に不飽和である。
【0020】
は水素またはC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)を表す。
本発明の一態様において、RはC−CまたはC−Cアルキル基、取分けメチル基を表す。
Wは、基S、S(O)またはS(O)を表す。本発明の一態様において、Wは、基S(O)またはS(O)を表す。もう一つの態様において、WはS(O)を表す。
【0021】
Zは単結合、−CH−または−NR25−を表す。本発明の一態様において、Zは単結合、−CH−、−NH−または−NCH−を表す。別の態様において、Zは、基Wが基R14に直接結合するような単結合を表す。
14はHまたはOHを表すか、またはC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)および窒素、酸素およびイオウから選択される少なくとも1個の環へテロ原子(例えば、独立して1、2、3または4個の環ヘテロ原子)を任意に含んでなる飽和もしくは不飽和の3員ないし10員(例えば、3−、4−または5−ないし6−、7−、8−、9−または10−員)の環系から選択される基を表す;
【0022】
各基には、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、シアノ、CHO、ヒドロキシル、フェニル、ニトロ、−S(O)pR33、−C(O)NR3132、C−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチルまたはtert−ブチル)、C−Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシまたはtert−ブトキシ)、C−Cアルカノイル(例えば、メチルカルボニル(アセチル)、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニルまたはイソプロピルカルボニル)、C−Cアルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルまたはn−ヘキソキシカルボニル)、1個以上のF原子が置換するC−Cアルキル(例えば、CHF、CHF、CF、CHCHF、CHCF、CFCF、CH(CF)およびCHCHCF)、1個以上のF原子が置換するC−Cアルコキシ(例えば、OCHF、OCHF、OCF、OCHCHF、OCHCF、OCFCF、OCH(CF)およびOCHCHCF)、NR1213、C≡CR30およびOSO34から独立して選択される少なくとも1個(例えば、1、2、3または4個)の置換基が任意に置換する。
【0023】
使用し得る飽和または不飽和の3員ないし10員の環系の例は、単環系でも、または2つ以上の環が縮合した多環系(例えば、二環式)でもよく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、フェニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、ナフチル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾジオキソリル、キノリニル、オキサゾリル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロフラニル、ピラゾリル、ピラジニル、チアゾリジニル、インダニル、チエニル、イソキサゾリル、ピリダジニル、チアジアゾリル、ピロリル、フラニル、チアゾリル、インドリル、イミダゾリル、ピリミジニル、ベンズイミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびピリジニルの1種以上(いずれかの組み合わせ)である。好適な環系はシクロプロピル、イソキサゾリルおよびピラゾリルである。
【0024】
本発明の一態様において、R14はC−CアルキルまたはC−Cアルキル、および窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個または2個の環へテロ原子を任意に含んでなる飽和または不飽和の3員ないし6員の環系から選択される基を表し、各基には、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、ニトロ、−S(O)33、−C(O)NR3132,C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルカノイル、1個以上のF原子が置換するC−Cアルキル、1個以上のF原子が置換するC−Cアルコキシ、NR1213およびC≡CR30から独立して選択される1個または2個の置換基が任意に置換する。
【0025】
本発明の一態様において、R14はC−Cアルキル、および窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個または2個の環へテロ原子を任意に含んでなる飽和または不飽和の3員ないし6員の環系から選択される基を表し、各基には、ハロゲン、シアノ、ニトロ、CFおよびC≡CHから独立して選択される1個または2個の置換基が任意に置換する。
【0026】
本発明のさらなる態様において、R14はフェニルを表すか、または窒素、酸素およびイオウから独立して選択される1個ないし3個の環へテロ原子を含んでなる5員または6員のヘテロ芳香族環系を表す;各環には、F、Cl、Br、シアノ、ニトロ、CFおよびC≡CHから独立して選択される1個または2個の置換基が任意に置換する。
【0027】
5員または6員のヘテロ芳香族環の例は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルおよびピラジニルである。好適なヘテロ芳香族環は、チエニル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニルおよびピラジニルであり、特に、ピリジニルである。
【0028】
本発明のさらなる態様において、R14は、F、Cl、Br、シアノ、ニトロ、CFおよびC≡CHから独立して選択される1個または2個の置換基が任意に置換するフェニルを表す。
一態様において、RはHを表す。
一態様において、Rは、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、シアノ、ニトロ、メチル、トリフルオロメチルまたはメチルカルボニルから独立して選択される少なくとも1個(例えば、1、2または3個)の置換基が置換するフェニルまたはピリジニル環を表す。
【0029】
一態様において、Rは、フッ素、塩素、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチルまたはメチルカルボニルから独立して選択される1個または2個の置換基が置換するフェニル基を表す。
別の態様において、Rは、フッ素、塩素またはトリフルオロメチルから選択される1個または2個の置換基が置換するフェニル基を表す。
さらに別の態様において、Rはトリフルオロメチル置換基が置換するフェニル基を表す(好ましくはメタ位)。
【0030】
は水素を表すか、またはフルオロ、ヒドロキシルおよびC−Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシ)から独立して選択される少なくとも1個の置換基(例えば、1個または2個の置換基)が任意に置換するC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)を表す。
一態様において、Rは水素を表すか、またはヒドロキシルおよびC−Cアルコキシから独立して選択される1個または2個の置換基が任意に置換するC−Cアルキルを表す。
別の態様において、Rは水素を表す。
【0031】
Xは単結合、O、NR24または基−C−Cアルキレン−Y−を表す;当該アルキレンには、OH、ハロゲン、CN、NR3738、C−Cアルコキシ、CONR3940、SO41またはSONR4243がさらに任意に置換する。疑問を回避するために、XはYが式(I)のRに結合するように配向する。
【0032】
本発明の一態様において、Yは単結合を表し、アルキレン部分は、OH、ハロゲン、CNまたはC−Cアルコキシが任意に置換する直鎖または分枝鎖のC−CまたはC−Cアルキレンである。
本発明の一態様において、Yは単結合を表し、アルキレン部分は、OH、F、CNまたはOCHが任意に置換する直鎖または分枝鎖のC−Cアルキレンである。
本発明の別の態様において、Xはメチレンを表す。
【0033】
は以下から選択される単環式環系を表す:i)フェノキシ;ii)フェニル;iii)窒素、酸素およびイオウから独立して選択される少なくとも1個の環へテロ原子(例えば、1、2、3または4個の環へテロ原子)を含有してなる5員または6員のヘテロ芳香環;iv)飽和または部分的に不飽和のC−Cヒドロカルビル環;またはv)酸素、S(O)およびNR20から独立して選択される少なくとも1個の環へテロ原子(例えば、1、2、3または4個の環へテロ原子)を含有してなる飽和または部分的に不飽和の4員ないし7員のヘテロ環状環(ただし、少なくとも1個の環炭素原子は、カルボニル基と任意に置き換わり得る);
【0034】
または、Rは二環式環系を表し、その2つの環は独立して上記ii)、iii)、iv)およびv)に定義した単環式環系から独立して選択される;ただし、2つの環は一緒になって縮合しているか、互いに直接結合しているか、または酸素、S(O)またはC−Cアルキレンから選択されるリンカー基により互いに隔離されている;該C−Cアルキレンは酸素、イオウおよびNR27から選択される1個以上(例えば、1個または2個)の内部もしくは末端へテロ原子を任意に含有してなり、またヒドロキシル、オキソおよびC−Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシ)から選択される少なくとも1個の置換基(例えば、1個または2個の置換基)が任意に置換する。
【0035】
単環式または二環式環系には、酸素(例えば、N−オキシドを形成するため)、−S(O)21、C−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)、CN、OH、C−Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシ)、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)、NR4748、NO、OSO49、CO50、C(=NH)NH、C(O)NR5152、C(S)NR5354、SC(=NH)NH、NR55C(=NH)NH、SONR5657、SO58もしくは1個以上のF原子が置換するC−Cアルキル(例えば、CHSO58、CHCHSO58、CH(SO58)CH、CHF、CHF、CF、CHCHF、CHCF、CFCF、CH(CF)およびCHCHCF)および1個以上のF原子が置換するC−Cアルコキシ(例えば、OCHF、OCHF、OCF、OCHCHF、OCHCF、OCFCF、OCH(CF)およびOCHCHCF)から独立して選択される少なくとも1個の置換基(例えば、1、2または3個の置換基)が(環原子上に)任意に置換する;当該C−Cアルキルにはシアノ、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシまたはn−ヘキソキシ)、C−Cアルキルチオ(例えば、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、n−ペンチルチオまたはn−ヘキシルチオ)および−C(O)NR2223から選択される少なくとも1個の置換基がさらに任意に置換する。
またはRは水素をも表す。
【0036】
5員または6員のヘテロ芳香環の例は、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、イソキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、ピリジニル、ピリミジニルおよびピラジニルである。好適なヘテロ芳香環は、イソキサゾリル、ピリジニル、イミダゾリルおよびトリアゾリルである。
【0037】
特に断りのない限り、「飽和または部分的に不飽和のC−Cヒドロカルビル環」は、1つ以上の二重結合を任意に含む3員ないし6員の非芳香族ヒドロカルビル環をいい、その例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルである。好適なヒドロカルビル環はシクロプロピルである。
【0038】
特に断りのない限り、「飽和または部分的に不飽和の4員ないし7員のヘテロ環状環」は、上記で特定したように、1つ以上の二重結合を任意に含み、1個のカルボニル基を任意に含む4員ないし7員の非芳香環であり、その例は、テトラヒドロフラニル、テトラメチレンスルホニル、テトラヒドロピラニル、4−オキソ−4H−ピラニル(4H−ピラン−4−オニル)、ピロリジニル、3−ピロリニル、イミダゾリジニル、1,3−ジオキソラニル(1,3−ジオキサシクロペンタニル)、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ペルヒドロアゼピニル(ヘキサメチレンイミニル)、ピロリドニルおよびピペリドニルである。好適な飽和または部分的に不飽和の4員ないし7員のヘテロ環状環はピロリドニルである。
【0039】
2つの環が一緒になって縮合しているか、互いに直接結合しているか、またはリンカー基により互いに隔離されている二環式環系の例は、ビフェニル、チエニルフェニル、ピラゾリルフェニル、フェノキシフェニル、フェニルシクロプロピル、ナフチル、インダニル、キノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、イソキノリル、クロマニル、インデニル、キナゾリル、キノキサリル、クロマニル、イソクロマニル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、キヌクリジル、テトラヒドロナフチル、ジヒドロベンゾフラニル、モルホリン−4−イルフェニル、1,3−ベンゾジオキソリル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル、1,3−ベンゾジオキシニルおよび3,4−ジヒドロ−イソクロメニルである。
【0040】
本発明の一態様において、Rは上記に定義したとおり、置換単環式環系を表す。
本発明の別の態様において、Rは上記に定義したとおり、置換二環式環系を表す。
本発明の別の態様において、RはHを表す。
本発明のさらなる態様において、Rは以下から選択される単環式環系を表す:i)フェノキシ;ii)フェニル;iii)窒素、酸素およびイオウから独立して選択される少なくとも1個の環へテロ原子を含有してなる5員または6員のヘテロ芳香環;iv)飽和または部分的に不飽和のC−Cヒドロカルビル環;またはv)酸素、S(O)およびNR20から独立して選択される1個または2個の環へテロ原子を含有してなる飽和または不飽和の4員ないし7員のヘテロ環状環(ただし、少なくとも1個の環炭素原子は、カルボニル基と任意に置き換わり得る);
【0041】
または、Rは二環式環系を表し、その2つの環は独立して上記ii)、iii)、iv)およびv)に定義した単環式環系から独立して選択される;ただし、2つの環は一緒になって縮合しているか、互いに直接結合しているか、または酸素、メチレンおよびS(O)から選択されるリンカー基により互いに隔離されている;
該単環式または二環式環系には、OH、−S(O)21およびC−Cアルキルから独立して選択される1個または2個の置換基が置換する。
【0042】
本発明のなおさらなる態様において、Rはフェニル、または窒素および酸素から独立して選択される1個または2個の環へテロ原子を含有してなる5員または6員のヘテロ芳香環から選択される単環式環系を表す;該単環式環系には、OH、−S(O)21およびC−Cアルキルから独立して選択される1個または2個の置換基が置換する。
一態様において、pは2である。
【0043】
20は水素、C−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)、C−Cアルキルカルボニル(例えば、メチルカルボニル(アセチル)、エチルカルボニル、n−プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、tert−ブチルカルボニル、n−ペンチルカルボニルまたはn−ヘキシルカルボニル)、またはC−Cアルコキシカルボニル(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n−ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、n−ペントキシカルボニルまたはn−ヘキソキシカルボニル)を表す。
さらなる態様において、R20は水素、メチル、エチル、メチルカルボニル(アセチル)、エチルカルボニル、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルを表す。
【0044】
一態様において、vは2である。
21は水素、C−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)またはC−Cシクロアルキル(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル)を表す;当該アルキルまたはシクロアルキル基には、OH、CN、C−CアルコキシおよびCONR5960から独立して選択される1個以上の置換基がさらに任意に置換する。
本発明による一態様において、R21はC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表す。
別の態様において、R21はC−Cアルキル(取分け、メチル、エチルまたはイソプロピル)またはシクロプロピルを表す。
【0045】
21は水素、C−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)またはC−Cシクロアルキル(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチル)を表す。
本発明による一態様において、R41はC−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表す。
別の態様において、R41はC−Cアルキル(取分け、メチル、エチルまたはイソプロピル)またはシクロプロピルを表す。
【0046】
10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立して、水素またはC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)を表す。
本発明の一態様において、R10、R11、R12およびR13はそれぞれ独立して、水素またはメチルを表す。
15、R16、R17、R18およびR19はそれぞれ独立して、水素またはC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)を表す。
本発明の一態様において、R15、R16、R17、R18およびR19はそれぞれ独立して、水素またはメチルを表す。
【0047】
22およびR23はそれぞれ独立して、水素またはC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)を表す。
本発明の一態様において、R22およびR23はそれぞれ独立して水素を表す。
24は水素またはC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)を表す。
本発明の一態様において、R24は水素を表す。
27は水素またはC−Cアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)を表す。
本発明の一態様において、R27は水素を表す。
【0048】
本発明の一態様において、Rはメチルを表し;WはS(O)を表し;Zは単結合を表し;R14は、シアノ、F、Cl、Br、CF、NOおよび−C≡CHから独立して選択される1個または2個の置換基が任意に置換するフェニルを表し;RはHを表し;Rはトリフルオロメチル置換基により置換されたフェニル基を表し;Rは水素を表し;Xはメチレンを表し;そしてRは−S(O)vR21(式中、vは整数2を表す)が置換するフェニルまたはピリジニルを表す。
【0049】
本発明の一態様において、Rはメチルを表し;WはS(O)を表し;Zは単結合を表し;R14は、シアノ、F、Cl、Br、CF、NOおよび−C≡CHから独立して選択される1個または2個の置換基が任意に置換するフェニルを表し;RはHを表し;Rはトリフルオロメチル置換基により置換されたフェニル基を表し;Rは水素を表し;XはOH、F、CNまたはOCHが任意に置換する直鎖または分枝状のC−Cアルキレンを表し;そしてRはHを表す。
【0050】
本発明化合物の例は以下のとおりである:
N−シクロプロピル−5−[(4−メトキシフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
2−オキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−5−(フェニルスルフィニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−ブロモフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(2,4−ジメトキシベンジル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−シクロプロピル−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−{[5−(シクロプロピルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−オキソ−5−(フェニルスルフィニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−(メチルスルフィニル)−N−{[5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−シクロプロピル−5−[(3−メトキシフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−シクロプロピル−5−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
【0051】
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(2−シアノエチル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−シクロプロピル−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジクロロフェニル)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジクロロフェニル)−N,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
【0052】
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−メチル−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−N,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[(3−メチルイソキサゾール−5−イル)メチル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−シクロプロピル−5−[(4−ヒドロキシフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−N−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロピル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[(1−ヒドロキシシクロプロピル)メチル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
1−(3−シアノフェニル)−5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−{[5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−メトキシエチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
【0053】
5−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−[(4−メチルフェニル)スルフィニル]−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−[(4−ニトロフェニル)スルフィニル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルフィニル}−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−{[4−(アセチルアミノ)フェニル]スルフィニル}−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−エチルフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−フルオロフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−1−(3−メチルフェニル)−N−{[5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−エチル−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
【0054】
N−エチル−5−[(4−フルオロフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−フルオロフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−ブロモフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(シクロプロピルメチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−メチル−2−オキソ−5−(フェニルスルフィニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−ヒドロキシプロピル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
【0055】
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−メトキシプロピル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−(メチルスルホニル)−N−{[5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
2−オキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−5−(フェニルスルホニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルホニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−{[4−(アセチルアミノ)フェニル]スルホニル}−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−エチルフェニル)スルホニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
【0056】
5−[(4−シアノフェニル)スルホニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルホニル]−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−[(3−シクロプロピルイソキサゾール−5−イル)メチル]−6−メチル−5−(メチルスルホニル)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(6−シアノピリジン−3−イル)スルホニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−({4−[(トリメチルシリル)エチニル]フェニル}スルフィニル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−エチニルフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−{[4−(フェニルエチニル)フェニル]スルフィニル}−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−[(4−プロパン−1−イン−1−イルフェニル)スルフィニル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−シアノピリジン−2−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−({2−メチル−5−(メチルカルバモイル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル}スルフィニル)ニコチンアミド;
【0057】
5−[(5−クロロピリジン−2−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−ブロモピリジン−2−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−シアノピリジン−2−イル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(6−ブロモピリダジン−3−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(6−シアノピリジン−3−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−シアノ−2−チエニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(1H−イミダゾール−2−イルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−[(メチルアミノ)スルホニル]−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(アニリノスルホニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
【0058】
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−{[(2−モルホリン−4−イルエチル)アミノ]スルホニル}−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−{[(2−シアノエチル)(メチル)アミノ]スルホニル}−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−{[(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)アミノ]スルホニル}−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−(モルホリン−4−イルスルホニル)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−[(ピリジン−3−イルアミノ)スルホニル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
2−メチル−5−({[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−スルホン酸;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルチオ)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルスルフィニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルスルホニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−(メチルスルフィニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
【0059】
6−メチル−5−(メチルスルホニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(ベンジルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(エチルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
3−({2−メチル−5−({[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル}スルフィニル)プロパン酸メチル;
5−(シクロヘキシルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(シクロプロピルスルホニル)−N−[4−(シクロプロピルスルホニル)ベンジル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
およびそのいずれか1種の医薬的に許容される塩。
【0060】
さらに本発明は、式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の製造法であって、
(a)式(II):
【化2】

[式中、Lは脱離基(ハロゲンまたはヒドロキシルなど)を表し、R、R、R、R14、WおよびZは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物と、式(III):
【化3】

[式中、X、RおよびRは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物を反応させること;または
(b)Wが−S−を表し、Zが単結合または−CH−を表す場合、式(IV):
【化4】

[式中、Halはハロゲン原子を表し、X、R、R、R、RおよびRは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物と、求核試薬R14−Z−S−M(式中、R14およびZは式(I)で定義したとおりであり、Mは有機スズまたは有機ホウ酸基を表す)を反応させること;または
【0061】
(c)Wが−S−を表し、Zが単結合または−CH−を表す場合、式(IV)(式中、Halはハロゲン原子を表し、X、R、R、R、RおよびRは式(I)で定義したとおりである)で示される化合物と、チオールR14−Z−S−H(式中、R14およびZは式(I)で定義したとおりである)を銅(I)塩の存在下に反応させること;または
(d)Wが−S−を表し、Zが単結合または−CH−を表す場合、式(V):
【化5】

[式中、X、R、R、R、RおよびRは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物と、求電子試薬R14−Z−L(式中、Lはハロゲンなどの脱離基を表し、R14およびZは式(I)で定義したとおりである)を反応させること;または
(e)Wが−SO−を表し、Zが−NR25−を表す場合、式(VI):
【化6】

[式中、X、R、R、R、RおよびRは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物と、アミンR14−NHR25(式中、R14およびR25は式(I)で定義したとおりである)を反応させること;または
(f)Wがスルフィニル(−S(O)−)またはスルホニル(−S(O)−)を表す場合、対応する化合物(ただし、Wはチオ(−S−)基を表す)を酸化すること;
からなり、次いで任意工程として、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)の後に、以下の工程の一方または両方:
・ 得られた化合物を本発明のさらなる化合物に変換する工程;
・ 該化合物の医薬的に許容される塩を形成する工程;
を実施することを特徴とする方法を提供する。
【0062】
工程(a)において、反応は、簡便には、ジクロロメタンまたはN−メチルピロリドンなどの有機溶媒中、例えば、0℃ないし溶媒の沸点温度で実施し得る。要すれば、または要望により、塩基および/またはカップリング試薬、例えば、HATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート)、HOAT(1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール)、HOBT(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物)またはDIEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン)を添加してもよい。
【0063】
工程(b)において、反応は、簡便には、DMF、NMPまたはトルエンなどの有機溶媒またはその混合物中、上昇温度(すなわち、外気温度20℃以上)、例えば、50℃ないし150℃の範囲で、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウムなどの適切な遷移金属触媒の存在下に実施し得る。要すれば、または要望により、炭酸カリウムなどの塩基を添加してもよい。
【0064】
工程(c)において、反応は、簡便には、アセトニトリルなどの有機溶媒中、上昇温度(すなわち、外気温度20℃以上)、例えば、50℃ないし溶媒の沸点温度で、ヨウ化銅(I)などの塩および(±)−トランス−シクロヘキサン−1,2−ジアミンなどのアミンの存在下に実施し得る。
【0065】
工程(d)において、反応は、簡便には、アセトニトリルまたはジオキサンなどの有機溶媒中、上昇温度(すなわち、外気温度20℃以上)、例えば、40℃ないし溶媒の沸点温度で、ヨウ化銅(I)などの塩および(±)−トランス−シクロヘキサン−1,2−ジアミンなどのアミンの存在下に実施し得る。あるいは、反応は炭酸セシウムなどの塩基の存在下に実施し得る。
【0066】
工程(e)において、反応は、簡便には、テトラヒドロフランなどの有機溶媒中、選択肢として塩基の存在下に実施し得る。
工程(f)において、反応は、簡便には、過酸化水素または過ヨウ素酸ナトリウムを用いて実施する。他の適切な酸化剤は当業者にとって容易に明らかであろう。
式(I)で示される化合物の具体的製造工程は、本明細書の実施例の項に開示する。かかる工程は本発明の一側面を形成する。
【0067】
必要な出発原料は市販品として入手し得るか、文献上既知であるか、または既知技法を用いて調製し得る。一部の鍵となる出発原料の具体的調製方法は、本明細書の実施例の項に開示するが、かかる工程は本発明の一側面を形成する。
式(I)で示される化合物は、標準的手法を用いて式(I)で示されるさらなる化合物に変換することができる。
【0068】
当業者も認識するように、本発明方法においては、ヒドロキシルまたはアミノ基などのある種の官能基を保護基により保護する必要のあり得ることである。従って、式(I)で示される化合物の製造においては、適当な段階で、1個以上の保護基の付加および/または除去が関与し得る。
【0069】
官能基の保護および脱保護については文献に記載がある:‘Protective Groups in Organic Chemistry’(有機化学における保護基), edited by J.W.F. McOmie, Plenum Press (1973) and ‘Protective Groups in Organic Synthesis’(有機合成における保護基), 3rd edition, T.W. Greene and P.G.M. Wuts, Wiley-Interscience (1999)。
【0070】
式(I)で示される化合物は、医薬的に許容される塩、好ましくは酸付加塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、ピルビン酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩またはp−トルエンスルホン酸塩に変換し得る。
【0071】
式(I)で示される化合物は、立体異性体の形状で存在することができる。理解されるように、本発明は式(I)で示される化合物のすべての幾何異性体および光学異性体(アトロプ異性体)およびラセミ体などのその混合物の使用をも包含する。互変異性体およびその混合物の使用は、本発明の一側面を形成する。エナンチオマーとして純粋な形状が特に望ましい。
【0072】
式(I)で示される化合物およびその医薬的に許容される塩は、医薬としての活性、取分けプロティナーゼ3および膵臓エラスターゼなどのセリンプロテアーゼ、特にヒトの好中球エラスターゼのモジュレーターとしての活性を有し、従って、炎症性疾患および症状の処置または予防に有益であり得る。
【0073】
かかる症状の例は、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、のう胞性線維症、肺気腫、気管支炎、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)および虚血再灌流傷害である。本発明化合物は以下の疾患の原因となるおよび/または伝播する内在性および/または外来性の生物学的刺激因子の変調に有用であり得る:アテローム性動脈硬化症、糖尿病、心筋梗塞;肝臓障害、例えば、限定されるものではないが、硬変、全身性紅斑性狼瘡、リンパ系起源の炎症性疾患、例えば、限定されるものではないが、Tリンパ球、Bリンパ球、胸腺細胞起源のもの;自己免疫疾患、骨髄;関節の炎症(取分け、関節リウマチ、骨関節症および痛風);胃腸管の炎症(取分け、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、膵臓炎および胃炎);皮膚の炎症(取分け、乾癬、浮腫、皮膚炎):腫瘍転移または侵入において;骨関節症などの細胞外マトリックスの非制御崩壊と関連する疾患において;骨再吸収疾患において(骨粗しょう症およびパジェット病など);異常血管形成と関連する疾患;糖尿病、歯周病(歯肉炎など)、角膜潰瘍化、皮膚潰瘍化、術後症状(結腸吻合術など)および皮膚創傷治癒と関連するコラーゲン改造作用亢進;中枢および末梢神経系の脱髄疾患(多発性硬化症);認知症などの年齢関連病、心臓血管起源の炎症性疾患;肉芽種性疾患;腎臓疾患、例えば、限定されるものではないが、腎炎および多発性動脈炎;癌;肺高血圧症、摂食毒、皮膚接触、刺傷、咬傷;喘息;鼻炎;HIV疾患進行;臓器移植における臓器拒絶反応作用を最小とするために、例えば、限定されるものではないが、ヒトの臓器移植など;およびプロテイナーゼインヒビターの置換療法。
【0074】
従って、本発明は、すでに定義したように、治療用途のための式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
さらなる側面において、本発明は、すでに定義したように、治療用途の医薬の製造における式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の使用を提供する。
本明細書の文面において、「治療」という用語は、特にそれに反する断りのない限り、「予防」をも包含する。用語「治療的」および「治療的に」も同様に解釈すべきである。
【0075】
予防とは、問題の疾患または症状の前歴のある人、さもなくばそのリスクが高まっていると考えられる人の処置に取分け関わっていると期待される。特定の疾患または症状の発症の危険のある人とは、該疾患または症状の家族暦のある人、または遺伝子検査またはスクリーニングで特に該疾患または症状を発症し易いと同定されたことのある人である。
【0076】
また、本発明は、好中球エラスターゼ活性を阻害することが有益である疾患または症状の処置方法、またはそのリスクを低減する方法であって、前記定義の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0077】
本発明はなおさらに炎症性疾患または症状の処置方法、またはそのリスクを低減する方法であって、請求項1ないし7のいずれか1項に記載した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする方法を提供する。
【0078】
取分け、本発明化合物は、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、のう胞性線維症、肺気腫、気管支炎、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症、喘息、鼻炎、虚血再灌流傷害、関節リウマチ、骨関節症、癌、アテローム性動脈硬化症または胃粘膜傷害の処置に使用し得る。
【0079】
上記の治療用途のために、その投与用量は、勿論、採用する化合物、投与様式、所望の処置および適応とされた障害によって変わる。本発明化合物の日用量は、0.05mg/kgから100mg/kgの範囲でよい。
【0080】
式(I)で示される化合物およびその医薬的に許容される塩は、それ自体でも使用し得るが、一般には式(I)の化合物/塩(有効成分)を医薬的に許容される補助剤、賦形剤または担体とともに、医薬組成物の形状で投与する。適切な医薬製剤の選択と調製についての常套手法については、例えば、文献(“Pharmaceuticals - The Science of Dosage Form Designs”(薬剤−投与形状設計の科学), M. E. Aulton, Churchill Livingstone, 1988)に記載がある。
【0081】
投与様式にもよるが、該医薬組成物は、好ましくは、0.05ないし99%w(重量パーセント)、より好ましくは、0.05ないし80%w、なおより好ましくは、0.10ないし70%w、そしてさらにより好ましくは、0.10ないし50%wの有効成分を含有してなる(重量パーセントはすべて全組成物量にもとづく)。
【0082】
本発明はまた、上記定義の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される補助剤、賦形剤または担体とともに含有してなる医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、本発明医薬組成物の製造法であって、上記定義の式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩と、医薬的に許容される補助剤、賦形剤または担体を混合することを特徴とする方法を提供する。
【0083】
該医薬組成物は局所的に(例えば、皮膚に、または肺および/または気道)、例えば、クリーム、水剤、懸濁剤、ヘプタフルオロアルカン(HFA)エーロゾルおよび乾燥粉末製剤、例えば、タービュヘイラー(Turbuhaler;登録商標)として知られる吸入装置中の製剤の形状で投与し得る;または全身的に、例えば、経口投与により、錠剤、カプセル剤、シロップ、粉末剤または顆粒剤の形状で;または非経口投与により、溶液剤または懸濁剤の形状で;または皮下投与により;または直腸投与により、坐剤の形状で;または経皮的に投与し得る。
【0084】
本発明化合物の乾燥粉末製剤および加圧HFAエーロゾルは、経口または経鼻吸入により投与し得る。吸入のために、該化合物は望ましくは微細末化する。微細末化した化合物は、好ましくは、質量平均径が10μm未満であり、分散剤、例えば、C−C20脂肪酸またはその塩(例えば、オレイン酸)、胆汁塩、リン脂質、アルキル糖類、ペルフルオロまたはポリエトキシル化界面活性剤、もしくは他の医薬的に許容される分散剤を補助剤として推進薬混合物中に懸濁することができる。
【0085】
本発明化合物はまた乾燥粉末吸入器により投与してもよい。吸入器は単回または複数回用量吸入器でもよく、呼吸作動式乾燥粉末吸入器でもよい。
一つの可能性は、微細末化した化合物を担体物質、例えば、単糖類、二糖類もしくは多糖類、糖アルコール、または別のポリオールと混合することである。適切な担体は、糖類、例えば、ラクトース、グルコース、ラフィノース、メレジトース、ラクチトール、マルチトール、トレハロース、スクロース、マンニトール;およびデンプンである。別法として、微細末化した化合物は別の物質により被覆してもよい。粉末混合物はまたハードゼラチンカプセルに調合してもよく、それぞれのカプセルは所望用量の活性化合物を含有する。
【0086】
もう一つの可能性は、吸入処置の際に砕ける球体中に微細末化粉末を加工処理することである。この球状化粉末を多回投与吸入器の薬物貯留部、例えば、タービュヘイラー(Turbuhaler;登録商標)として知られるものに充填する;その貯留部で投与単位を所望の用量として計量し、患者がそれを吸入する。このシステムによって、有効成分は担体物質とともに、または担体なしに、患者に送達される。
【0087】
経口投与のためには、本発明化合物を佐剤または担体、例えば、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール;デンプン、例えば、馬鈴薯デンプン、コーンスターチまたはアミロペクチン;セルロース誘導体;結合剤、例えば、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン;および/または滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、ワックス、パラフィンなどと混合し、次いで錠剤に圧縮する。もし被覆錠剤を望むのであれば、上記のように調製した核を、濃厚糖溶液(例えば、アラビアゴム、ゼラチン、タルカムおよび二酸化チタンを含み得る)で被覆してもよい。あるいは、揮発性の高い有機溶媒に溶解した適切なポリマーで該錠剤を被覆してもよい。
【0088】
ソフトゼラチンカプセルの調製については、本発明化合物を、例えば、植物油またはポリエチレングリコールと混和し得る。ハードゼラチンカプセルは錠剤用の上記添加剤を用いて本化合物の顆粒を含み得る。本発明化合物の液状または半固体の製剤をハードゼラチンカプセルに詰めてもよい。
【0089】
経口適用の液状製剤は、シロップまたは懸濁液の形状であり、例えば、本発明化合物、バランスとしての糖、およびエタノール、水、グリセロールおよびプロピレングリコールの混合物を含有する溶液である。選択肢として、かかる液状製剤は、着色剤、着香料、サッカリンおよび/または粘稠化剤としてのカルボキシメチルセルロースまたは他の当業者周知の添加剤を含み得る。
本発明化合物はまた上記の症状の処置に使用する他の化合物と組合わせて投与することもできる。
本発明はここでさらに以下の説明用の実施例を参照しながら説明する。
【実施例】
【0090】
一般的方法
H−NMRおよび13C−NMRスペクトルは、バリアン・イノバ400MHzまたはバリアン・マーキュリーVX300MHz装置で記録した。内部基準としてクロロホルム−d(δ7.27ppm)、ジメチルスルホキシド−d(δ2.50ppm)、アセトニトリル−d(δ1.95ppm)またはメタノール−d(δ3.31ppm)の中心ピークを用いた。カラムクロマトグラフィーはシリカゲル(0.040〜0.063mm、メルク)を使用した。特に断りのない限り、出発原料は市販品を入手利用した。溶媒および市販の試薬類はすべて実験室等級とし、受領次第使用した。
【0091】
LC/MS分析には以下の方法を用いた。
インストルーメント・エイジレント1100;カラム・ウォーターズ・シンメトリー2.1×30mm;マスAPCI;流速0.7ml/分;波長254nm;溶媒A:水+0.1%TFA;溶媒B:アセトニトリル+0.1%TFA;勾配15−95%B8分、95%B1分。
【0092】
分析クロマトグラフィーはシンメトリーC18−カラム、2.1×30mm、3.5μm粒径、移動相としてアセトニトリル/水/0.1%トリフルオロ酢酸、勾配5%〜95%アセトニトリル、8分間、流速0.7ml/分。
【0093】
実施例に使用する略号または用語は以下の意味を有する:
【表1】

【0094】
実施例1
N−シクロプロピル−5−[(4−メトキシフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
N−シクロプロピル−5−ヨード−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(SM3、25mg、0.054mmol)、トリブチル−[(4−メトキシフェニル)チオ]スタンナン(28mg、0.065mmol)、パラジウム−トリ−tert−ブチルホスフィン(1:2)(2.6mg、0.005mmol)およびNMP(1ml)からなる混合物を、アルゴン下に、マイクロ波により150℃に10分間加熱した。濾過した後、粗製の化合物をアセトニトリル/水勾配によるXテラ(Xterra)C8カラムにより精製した。蒸発により得られた残渣を酢酸(3ml)に溶かし、過酸化水素(35%/水、100μl)を加えた。混合物を室温で3時間攪拌した。次いで、水(5ml)で希釈し、酢酸エチル(3×5ml)で抽出した。有機相を乾燥(MgSO)し、濾過し、蒸発させた。残渣をアセトニトリル/水勾配によるXテラ(Xterra)C8カラムにより精製した。混合物を凍結乾燥し、標題化合物(10mg、38%)を得た。1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ9.09 (s, 1H), 8.80 (d, J = 5.5 Hz, 1H), 7.82 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.74 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.61 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.58 (d, J = 2.8 Hz, 2H), 7.49 - 7.36 (m, 2H), 7.07 (d, J = 2.9 Hz, 2H), 7.04 (d, J = 3.1 Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 2.90 (m, 1H), 2.35 (d, J = 5.1 Hz, 3H), 0.77 (dd, J = 7.2, 1.0 Hz, 2H), 0.52 (dd, J = 6.0, 1.2 Hz, 2H); APCI-MS m/z: 491.2 [MH+]。
【0095】
実施例2〜13
実施例1について記載した方法と類似の方法で、以下の化合物を合成した。
【0096】
【表2】

【0097】
【表3】

【0098】
【表4】

【0099】
実施例14
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−シクロプロピル−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
N−シクロプロピル−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−ヨード−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(SM8、25mg、0.058mmol)、ヨウ化銅(I)(1.9mg、0.01mmol)、(±)−トランス−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(1.14mg、0.01mmol)およびアセトニトリル(1.5ml)からなる混合物に、4−メルカプトベンゾニトリル(10mg、0.075mmol)を加え、混合物をマイクロ波反応器中、90℃で15分間加熱した。次いで、蒸発させて得られた残渣を水(15ml)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機相を乾燥(MgSO)し、濾過、蒸発させた。残渣を酢酸(1ml)に溶かし、これに過酸化水素(35%/水、0.10ml)を加えた。この混合物を室温で一夜攪拌した。次いで、化合物をアセトニトリル/水勾配によるXテラ(Xterra)C8カラムにより精製した。捕集したフラクションを凍結乾燥して、標題化合物(3mg、7%)を得た。
1H NMR (300 MHz, CDCl3)δ8.98 (t, J = 3.5 Hz, 1H), 8.64 (s, 1H), 7.86 (dd, J = 6.8, 1.8 Hz, 2H), 7.77 (dd, J = 6.7, 1.7 Hz, 2H), 7.10 - 7.03 (m, 1H), 6.83 - 6.78 (m, 2H), 2.92 - 2.86 (m, 1H), 2.48 (s, 3H), 0.80 - 0.76 (m, 2H), 0.54 - 0.49 (m, 2H); APCI-MS m/z: 454.0 [MH+]。
【0100】
実施例15〜43
実施例14について記載した方法と類似の方法で、以下の化合物を合成した。
【0101】
【表5】

【0102】
【表6】

【0103】
【表7】

【0104】
【表8】

【0105】
【表9】

【0106】
【表10】

【0107】
【表11】

【0108】
実施例44
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(SM25、25mg、0.056mmol)、HATU(21mg、0.056mmol)およびNMP(1ml)からなる混合物に、エタノールアミン(7mg、0.12mmol)およびDIPEA(0.12mmol)を加えた。反応液をマイクロ波反応器中、50℃に10分間加熱した。次いで、粗製の化合物をアセトニトリル/水勾配によるXテラ(Xterra)C8カラムにより精製した。凍結乾燥により標題化合物(1mg、4%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ11.84 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.07 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.86 (d, J = 8.5 Hz, 2H), 7.80 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 7.59 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 5.09 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 4.30 - 4.24 (m, 2H), 3.76 (d, J = 5.5 Hz, 2H), 2.93 (s, 3H); APCI-MS m/z: 490.0 [MH+]。
【0109】
実施例45〜55
実施例44について記載した方法と類似の方法で、以下の化合物を合成した。
【0110】
【表12】

【0111】
【表13】

【0112】
【表14】

【0113】
実施例56
6−メチル−5−(メチルスルホニル)−N−{[5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
実施例7で単離した出発原料SM5を用いる反応から、標題のスルホンも単離した(8mg)。
1H NMR (399.99 MHz, DMSO-d6)δ9.82 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 8.99 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.79 (s, 1H), 8.27 (dd, J = 8.2, 2.3 Hz, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.96 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.88 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.81 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.57 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 4.73 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 3.29 (d, J = 1.6 Hz, 6H), 2.39 (s, 3H); APCI-MS m/z: 544.0 (MH+)。
【0114】
実施例57〜64
以下のスルホン化合物は、すでに記載した相当するスルホキシド化合物を生成する反応から単離するか、実施例14と同様に製造した。
【0115】
【表15】

【0116】
【表16】

【0117】
実施例65
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−({4−[(トリメチルシリル)エチニル]フェニル}スルフィニル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
4−ブロモベンゼンチオール(177mg、1mmol)、塩化トリブチルスタンニル(325mg)および炭酸カリウム(0.5g)をアセトニトリル中で混合し、一夜攪拌した。混合物を濾過して蒸発させ、残渣をDMF(4ml)に溶かした。5−ヨード−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド、出発原料SM1(590mg)およびビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(25mg)を加えた。混合物に2分間アルゴンを吹き込んで脱気し、次いで、マイクロ波反応器にて150℃に15分間加熱した。反応混合物をEtOAcと食塩水に分配した。有機相を濾過し、蒸発させて褐色の残渣を得た;これをさらにHPLCにより精製して、スルフィドを得た。このスルフィドをHOAc(2ml)に溶かした。過酸化水素(35%aq.溶液、0.5ml)を加え、混合物を50℃に30分間加熱した;その混合物を直ちにHPLCに注入し、精製して、5−[(4−ブロモフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(60mg)を得た。
【0118】
5−[(4−ブロモフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(180mg)とDABCO(90mg)をDMF(10ml)に溶かした。エチニル(トリメチル)シラン(0.10ml)を加え、次いで、ビス(トリ−tert−ブチルホスホラニル)パラジウム(40mg)を加えた。反応混合物を72時間攪拌し、次いで、EtOAcと食塩水に分配した。有機相を蒸発させ、残渣をHPLCにより精製して、標題化合物(50mg)を得た。
1H NMR (299.946 MHz, DMSO-d6)δ9.64 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 8.35 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 5.9 Hz, 1H), 7.93 (t, J = 3.5 Hz, 1H), 7.89 - 7.77 (m, 4H), 7.73 - 7.65 (m, 4H), 7.49 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.61 - 4.45 (m, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.33 (s, 3H), 0.24 (s, 9H); APCI-MS m/z: 685.3。
【0119】
実施例66
5−[(4−エチニルフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
5−[(4−ブロモフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(実施例65で調製した中間体)(1.68g、2.5mmol)およびDABCO(1.4g、12.5mmol)をDMF(10ml)に溶かした。エチニル(トリメチル)シラン(0.80ml)を加え、次いで、ビス(トリ−tert−ブチルホスホラニル)パラジウム(100mg、0.2mmol)を加えた。反応混合物を50℃で3時間攪拌し、次いで、砕氷上に注いだ。沈殿を収集し、乾燥し、さらにカラムクロマトグラフィーにより精製して、6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−({4−[(トリメチルシリル)エチニル]フェニル}スルフィニル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドを得た。この物質をMeOH(30ml)に溶かし、フッ化セシウム(0.5g)を加えた。10分後、反応混合物をEtOAc(30ml)で希釈し、シリカ(20g)で濾過した。溶媒を除去し、残渣をHPLCにより精製して、標題化合物(475mg)を得た。
1H NMR (399.99 MHz, DMSO-d6)δ9.65 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 8.38 (d, J = 1.9 Hz, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.93 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.89 - 7.77 (m, 4H), 7.74 - 7.68 (m, 4H), 7.50 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 4.61 - 4.46 (m, 2H), 4.42 (s, 1H), 3.15 (s, 3H), 2.33 (s, 3H); APCI-MS m/z: 613.3 (MH+)。
【0120】
実施例67
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−{[4−(フェニルエチニル)フェニル]スルフィニル}−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
5−[(4−エチニルフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(実施例66、61mg、0.1mmol)、DABCO(100mg)およびヨードベンゼン(0.15ml)をDMF(2ml)中で混合した。ビス(トリ−tert−ブチルホスホラニル)パラジウム(25mg)を加え、その混合物を50℃で2時間攪拌し、シリカ(2g)で濾過した。溶媒を蒸発して油状残渣を得、これをHPLCにより精製して、標題化合物(15mg)を得た。
1H NMR (399.99 MHz, DMSO-d6)δ9.66 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 8.39 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.94 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 7.89 - 7.73 (m, 7H), 7.63 - 7.55 (m, 3H), 7.53 - 7.41 (m, 5H), 4.54 (dd, J = 14.1, 6.0 Hz, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.35 (s, 3H); APCI-MS m/z: 689.1 (MH+)。
【0121】
実施例68
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−[(4−プロパン−1−イン−1−イルフェニル)スルフィニル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
実施例67に記載した手法と同様の手法で標題化合物を得た。
1H NMR (399.99 MHz, DMSO-d6)δ9.66 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 8.39 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.93 (d, J = 7.1 Hz, 1H), 7.88 - 7.78 (m, 4H), 7.67 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.50 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 4.53 (td, J = 14.9, 9.2 Hz, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.32 (s, 3H), 2.07 (s, 3H); APCI-MS m/z: 627.2 (MH+)。
【0122】
実施例69
5−[(5−シアノピリジン−2−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
乾燥アセトニトリル(150ml)中の5−ヨード−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(SM24、8.0g)をアルゴンにて脱気した。2,4−ジメトキシベンジルチオール(Synth. Commun. 1998, 28, 3219-3233)(5.0g)、(±)−トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(3.1g)およびヨウ化銅(I)(0.35g)を連続的に加え、その混合物をアルゴン下に一夜加熱還流した。RTまで冷やした後、混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮し、残渣をDCM(500ml)に溶かし、食塩水で洗った。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(SiO、DCM−ヘプタン−酢酸エチル、1:2:1ないし1:1:2勾配)により精製し、5−[(2,4−ジメトキシベンジル)チオ]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(8.13g)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ9.15 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 8.40 (s, 1H), 7.89 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.81 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.58 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 6.86 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.51 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.46 (dd, J = 8.2, 2.4 Hz, 1H), 3.86 (s, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.73 (s, 3H), 2.79 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 1.78 (s, 3H)。APCI-MS m/z: 493.1 (MH+)。
【0123】
5−[(2,4−ジメトキシベンジル)チオ]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(1.0g)を感想、1,2−ジクロロエタン(40ml)に溶かし、トリフルオロ酢酸(3ml)を加え、その混合物を一夜加熱還流した。混合物を蒸発させ、次いで酢酸エチルと繰り返し再蒸発させ(3×50ml)、5−メルカプト−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドを白色固体として得、これをさらに精製することなく引き続く工程で使用した。
APCI-MS m/z: 343.1 (MH+)。
【0124】
5−メルカプト−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(690mg)および6−クロロニコチノニトリル(277mg)をジオキサン(30ml)に取り込み、CsCO(650mg)を加え、得られた混合物をアルゴン下、40℃で一夜攪拌した。反応混合物を濃縮し、DCM(100ml)に溶かし、食塩水で洗った。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過、蒸発させた。残渣をHPLCにより精製し、5−[(5−シアノピリジン−2−イル)チオ]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(530mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ9.14 (q, J = 4.8 Hz, 1H), 8.87 (d, J = 1.4 Hz, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.17 (dd, J = 8.5, 2.1 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.93 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.85 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.79 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.49 (dd, J = 8.5, 0.7 Hz, 1H), 2.79 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 2.15 (s, 3H)。APCI-MS m/z: 445.1 (MH+)。
【0125】
5−[(5−シアノピリジン−2−イル)チオ]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(500mg)を酢酸(6ml)に取り込み、過酸化水素(33%、1.5ml)を加え、混合物を50℃で攪拌した。2時間後、反応混合物をクロマトグラフィー(HPLC)に付し、標題のスルホキシド(375mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ9.12 (ddd, J = 7.1, 1.7, 0.4 Hz, 1H), 8.98 (d, J = 2.7 Hz, 1H), 8.67 (dd, J = 8.1, 1.6 Hz, 1H), 8.42 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 8.24 (dtd, J = 8.2, 1.0, 0.1 Hz, 1H), 8.01 - 7.71 (m, 4H), 2.74 (d, J = 4.8 Hz, 3H), 2.35 (d, J = 1.1 Hz, 3H)。APCI-MS m/z: 461.1 (MH+)。
【0126】
実施例70〜76
実施例69について記載した方法と類似の方法で、以下の化合物を合成した。
【0127】
【表17】

【0128】
【表18】

【0129】
実施例76
5−[(6−シアノピリジン−3−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
5−メルカプト−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(実施例69に記載の中間体)(690mg)、5−クロロピリジン−2−カルボニトリル(277mg)、()−トランス−1,2−ジアミノシクロヘキサン(118mg)および乾燥アセトニトリル(10ml)からなる混合物をアルゴンで脱気した。ヨウ化銅(I)(95mg)を加え、混合物を82℃で一夜攪拌した。混合物をRTまで冷やし、セライトで濾過し、濾液を濃縮し、残渣をDCM(100ml)に溶かし、食塩水で洗浄した。有機相を乾燥(NaSO)し、濾過し、蒸発させた。残渣をHPLCで精製して、5−[(6−シアノピリジン−3−イル)チオ]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(328mg)を得た。APCI-MS m/z: 445.1 (MH+)。
【0130】
酢酸(6ml)中、5−[(6−シアノピリジン−3−イル)チオ]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(325mg)に過酸化水素(33%、1.5ml)を加え、得られた混合物を50℃で攪拌した。90分後に、反応混合物をクロマトグラフィー(HPLC)に付し、標題化合物(218mg)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)δ8.97 (s, 2H), 8.40 (ddd, J = 7.8, 2.0, 0.4 Hz, 1H), 8.34 - 8.28 (m, 2H), 8.01 - 7.78 (m, 4H), 2.74 (dd, J = 4.8, 1.1 Hz, 3H), 2.34 (s, 3H)。APCI-MS m/z: 461.1 (MH+)。
【0131】
実施例77〜78
実施例76について記載した方法と類似の方法で、以下の化合物を合成した。
【0132】
【表19】

【0133】
実施例79
6−メチル−5−[(メチルアミノ)スルホニル]−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
ベンジルチオール(124mg)および塩化トリブチルスタンニル(325mg)をアセトニトリル(50ml)中で混合して一夜攪拌し、その後、混合物をシリカの短いカラムを通して濾過し、DCMで洗った。溶媒を蒸発させて油状の残渣を得、これをDMF(4ml)に溶かした。5−ヨード−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(出発原料SM1)(590mg)を加え、次いで、ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(100mg)を加えた。得られた混合物溶液にアルゴンを通して脱気し(5分間)、次いで、マイクロ波反応器中で150℃に15分間加熱した。反応混合物をEtOAcと食塩水に分配した。有機相を濾過し、蒸発させて固形残渣を得、これを2−プロパノールから再結晶することにより精製した。得られる結晶性物質をHOAc(50ml)に溶かした。水(5ml)を加え、塩素ガスをその溶液に1分間吹き込んだ。過剰の塩素を除き、アルゴンをさらに15分間吹き込み、反応混合物を凍結乾燥して、塩化2−メチル−5−({[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−スルホニルを得て、これをさらに精製することなく、引き続く工程で使用した。
【0134】
塩化2−メチル−5−({[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−スルホニル(40mg)を2Mメチルアミン/THF溶液(1ml)に溶かした。10分後に、混合物を蒸発乾固させ、残渣をHPLCで精製して、標題化合物(42mg)を得た。
1H NMR (399.99 MHz, DMSO-d6)δ9.70 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.95 - 7.75 (m, 6H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.59 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 3.17 (s, 3H), 2.52 (d, J = 5.0 Hz, 3H), 2.30 (s, 3H); APCI-MS m/z: 558.1 (MH+)。
【0135】
実施例80〜85
実施例79について記載した方法と類似の方法で、以下の化合物を合成した。
【0136】
【表20】

【0137】
【表21】

【0138】
実施例86
2−メチル−5−({[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−スルホン酸
塩化2−メチル−5−({[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−スルホニル(実施例79に記載の中間体)(60mg)をTHF(5ml)に溶かした。イミダゾール(100mg)を加え、10分後に、その混合物を蒸発乾固させ、残渣をHPLCにより精製して、標題化合物(22mg)を得た。
1H NMR (299.946 MHz, DMSO-d6)δ9.84 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 8.85 (s, 1H), 7.96 - 7.67 (m, 6H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.58 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 3.16 (s, 3H), 2.28 (d, J = 6.2 Hz, 3H);APCI-MS m/z: 565.1 (MH+)。
【0139】
出発原料の調製
実施例1〜86の出発原料は、市販品として入手し得るか、または既知物質から標準的方法により容易に調製し得る。例えば、以下の反応は出発原料の一部のものの調製を説明するものであって、限定するものではない。
【0140】
出発原料SM1
5−ヨード−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
3−(トリフルオロメチル)アニリン(64.5g、0.40mol)、トリエチルアミン(60ml)およびアセトン(700ml)からなる氷冷溶液に、アセトン(50ml)中の3−クロロ−3−オキソプロパン酸エチル(63.6g、0.42mol)を滴下した。滴下後(約30分)、RTで一夜攪拌を続けた。溶媒を除去し、水(1200ml)を加えた。得られた沈殿を濾取し、水で2回完全に洗い、次いで乾燥して、3−オキソ−3−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}プロパン酸エチルを黄色粉末として得た(109g、99%)。
1H NMR (399.99 MHz, CDCl3):δ9.52 (1H, s); 7.87 (1H, s); 7.78 (1H, d); 7.46 (1H, t); 7.39 (1H, d); 4.29 (2H, q); 3.50 (2H, s); 1.35 (3H, t); APCI-MS m/z: 276.1 [MH+]。
【0141】
3−オキソ−3−{[3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}プロパン酸エチル(19.2g、70mmol)、ナトリウムメトキシド(7.6g、140mmol)およびEtOH(250ml)からなる溶液に、4−メトキシブタン−3−エン−2−オン(90%)(7.72g、77mmol)を加えた。添加後、反応混合物を2時間還流し、次いで冷却した。水(50ml)と2M−NaOHを加え、混合物をRTで一夜攪拌した。有機溶媒を除去し、反応混合物をEtOAcで抽出(洗浄)した。水相をpH3〜4の塩酸酸性とし、生成した橙色沈殿を濾取し、水で洗い、乾燥した。ヘプタン/EtOAc(4:1)から2回再結晶し、6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(12g、58%)を白色粉末として得た。
1H NMR (399.99 MHz, CDCl3):δ13.68 (1H, s); 8.54 (1H, d); 7.86 (1H, d); 7.79 (1H, t); 7.55 (1H, brs); 7.48 (1H, d); 6.58 (1H, d); 2.16 (3H, s); APCI-MS m/z: 298.1 [MH+]。
【0142】
6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(7.43g、25mmol)、HATU(10.5g、27.5mmol)、HOAT(3.75g、27.5mmol)、DIPEA(14.2ml、82.5mmol)およびNMP(65ml)からなる混合物を1時間反応させ、次いで、4−メチルスルホニルベンジルアミン塩酸塩(5.8g、26mmol)を加えた。1時間後、反応混合物を攪拌氷水(1L)に注いだ。粉末が形成され、水混合物はクエン酸(0.5M)でpH3の酸性とし、攪拌を1時間続けた。沈殿を濾取し、水洗し、一夜真空乾燥した。EtOAcから再結晶し、6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドを8.1g(70%)得た。
1H NMR (399.99 MHz, CDCl3):δ10.00 (1H, brt); 8.60 (1H, d); 7.88 (2H, d); 7.83 (1H, d); 7.76 (1H, t); 7.53 (3H, m); 7.46 (1H, d); 6.49 (1H, d); 4.68 (2H, m); 3.03 (3H, s); 2.10 (3H, s); APCI-MS m/z: 465.1 [MH+]。
【0143】
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(200mg、0.43mmol)とMeCN(1.5ml)との溶液に、アルゴン下、室温で、トリフルオロメタンスルホン酸(1ml)を加え、次いで、N−ヨードコハク酸イミド(97mg、0.43mmol)を加えた。45分後、反応混合物をDCMで希釈し、NaHCO水、NaS水および水で洗い、乾燥(NaSO)、蒸発させて標題化合物SM1(200mg)を得た。
1H NMR (399.99 MHz, CDCl3):δ9.85 (1H, brt); 8.90 (1H, d); 7.88 (2H, d); 7.76 (2H, m); 7.50 (2H, d); 7.48 (1H, s); 7.40 (1H, d); 4.65 (2H, m); 3.03 (3H, s); 2.32 (3H, s); APCI-MS m/z: 591.0 [MH+]。
【0144】
出発原料SM1は実施例3、4、12、13、31、32、33、34、35、36、37、59、60、65および79の化合物の合成に使用した。
出発原料SM2〜SM27
SM1について記載した方法と類似の方法により、以下の化合物を合成した。
【0145】
【表22】

【0146】
【表23】

【0147】
【表24】

【0148】
【表25】

【0149】
【表26】

【0150】
【表27】

【0151】
SM28
N−[4−(シクロプロピルスルホニル)ベンジル]−5−ヨード−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
SM1について記載した手法と類似の手法を用いて、標題化合物を調製した。
1H NMR (CDCl3):δ9.86 (1H, t, J 5.8 Hz); 8.90 (1H, s); 7.83-7.80 (3H, m); 7.75 (1H, t, J 7.8 Hz); 7.49-7.47 (3H, m); 7.40 (1H, d, J 7.8 Hz); 4.66 (2H, t, J 5.7 Hz); 2.42 (1H, m); 2.31 (3H, s); 1.32 (2H, m); 1.01 (2H, m); APCI-MS m/z: 617 [MH+]。
【0152】
実施例87
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルチオ)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
トリブチル(フェニルチオ)スタンナン(400mg、1mmol)および5−ヨード−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(SM1、590mg、1mmol)をDMF(3ml)に溶かした。ビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(50mg、0.1mmol)を加え、その混合物にアルゴンを吹き込むことにより脱気し、次いで、マイクロ波オーブン中で150℃に45分間加熱した。反応混合物を濾過し、次いでそのまま分取HPLCに付した。適切なフラクションをプールし、凍結乾燥して標題化合物を白色固体として得た(480mg)。
1H-NMR (DMSO-d6):δ9.81 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 8.36 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.97 - 7.76 (m, 5H), 7.53 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.40 - 7.17 (m, 5H), 4.57 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 3.17 (s, 3H), 2.20 (s, 3H); APCI-MS m/z: 572.9 [MH+]。
【0153】
実施例88
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルスルフィニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルチオ)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(実施例87、60mg、0.1mmol)および過ヨウ素酸ナトリウム(35mg、0.15mmol)をメタノール(10ml)中で混合し、水(2ml)を加えた。混合物を60℃で一夜攪拌した。過ヨウ素酸ナトリウムの二回目の分(50mg)を加え、混合物を60℃で4時間攪拌し、次いで、冷却し、シリカの短いカラムで濾過し、蒸発させた。淡黄色油状残渣を分取用HPLCに付した。適切なフラクションをプールし、凍結乾燥して標題化合物を白色固体として得た(9mg)。
1H-NMR (DMSO-d6):δ9.66 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 8.41 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.07 - 7.43 (m, 13H), 4.63 - 4.44 (m, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.34 (s, 3H); APCI-MS m/z: 589.0 [MH+]。
【0154】
実施例89
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルスルホニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルチオ)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(実施例87、70mg、0.12mmol)を酢酸(5ml)に溶かした。過酸化水素(35%水溶液、3ml)を加え、混合物を60℃で一夜攪拌した。反応混合物はそのまま準分取用HPLCにより精製した。適切なフラクションをプールし、凍結乾燥して標題化合物を白色固体として得た(74mg)。
1H-NMR (DMSO-d6):δ9.62 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.01 - 7.51 (m, 13H), 4.59 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 3.17 (s, 3H), 2.22 (s, 3H); APCI-MS m/z: 604.9 [MH+]。
【0155】
実施例90
6−メチル−5−(メチルスルフィニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
塩化トリブチルスタンニル(334mg、1mmol)およびナトリウムメチルチオレート(70mg、1mmol)をアセトニトリル(20ml)中で混合し、一夜攪拌した。反応混合物をシリカの短いカラムを通して濾過した。濾液を蒸発させ、残渣をDMF(3ml)に溶かした。5−ヨード−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(SM1、590mg、1mmol)およびビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(50mg、0.1mmol)を加え、その混合物溶液にアルゴンを吹き込むことにより脱気し、次いで、マイクロ波オーブン中で150℃に45分間加熱した。反応混合物を濾過し、次いでそのまま分取用HPLCに付した。適切なフラクションをプールし、蒸発させた。これにより6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−(メチルチオ)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(377mg)を灰白色固体として得た。本物質は次の操作に十分な純度であった。
【0156】
メチルチオ化合物(51mg、0.1mmol)と過ヨウ素酸ナトリウム(70mg、0.3mmol)をメタノール(10ml)中で混合し、水(2ml)を加えた。混合物を一夜60℃で攪拌し、次いで、冷却し、シリカの短いカラムを通して濾過し、蒸発させた。残渣を分取用HPLCに付した。適切なフラクションをプールし、凍結乾燥して標題化合物を白色固体として得た(29mg)。
1H-NMR (DMSO-d6):δ9.77 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 8.78 (d, J = 1.3 Hz, 1H), 8.01 - 7.69 (m, 6H), 7.55 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.63 - 4.58 (m, 2H), 3.17 (s, 3H), 2.78 (s, 1.4H), 2.77 (s, 1.6H), 2.08 (s, 1.4H), 2.08 (s, 1.6H); APCI-MS m/z: 527.3 [MH+]。
【0157】
実施例91
6−メチル−5−(メチルスルホニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
6−メチル−5−(メチルスルフィニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(実施例90、51mg、0.1mmol)を酢酸(5ml)に溶かした。過酸化水素(35%水溶液、3ml)を加え、混合物を60℃で一夜攪拌した。反応混合物はそのまま準分取用HPLCにより精製した。適切なフラクションをプールし、凍結乾燥して標題化合物を白色固体として得た(32mg)。
1H-NMR (DMSO-d6):δ9.63 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 8.78 (s, 1H), 8.01 - 7.76 (m, 6H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.59 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 3.29 (s, 3H), 3.17 (s, 3H), 2.38 (s, 3H); APCI-MS m/z: 542.9 [MH+]。
【0158】
実施例92
5−(ベンジルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
実施例90に記載した手法と類似の手法を用いて、標題化合物を調製した。
1H-NMR (DMSO-d6):δ9.73 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 8.60 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 7.96 - 7.65 (m, 6H), 7.56 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 7.41 - 7.19 (m, 5H), 4.60 (d, J = 6.0 Hz, 2H), 4.47 - 4.35 (m, 1H), 4.18 - 4.09 (m, 1H), 3.18 (s, 3H), 1.54 (s, 1.5H), 1.54 (s, 1.5H); APCI-MS m/z: 603.4 [MH+]。
【0159】
実施例93
5−(エチルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
実施例90に記載した手法と類似の手法を用いて、標題化合物を調製した。
1H-NMR (DMSO-d6):δ9.77 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 8.69 (s, 1H), 8.01 - 7.74 (m, 6H), 7.55 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 4.63 - 4.57 (m, 2H), 3.17 (s, 3H), 3.06 - 2.79 (m, 2H), 2.07 (s, 1.5H), 2.06 (s, 1.5H), 1.15 (t, J = 7.3 Hz, 3H); APCI-MS m/z: 541.3 [MH+]。
【0160】
実施例94
3−({2−メチル−5−({[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル}スルフィニル)プロパン酸メチル;
実施例90に記載した手法と類似の手法を用いて、標題化合物を調製した。
1H-NMR (DMSO-d6):δ9.76 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 8.68 (s, 0.5H), 8.68 (s, 0.5H), 7.98 - 7.71 (m, 6H), 7.55 (d, J = 8.3 Hz, 2H), 4.63 - 4.57 (m, 2H), 3.60 (s, 1.5H), 3.59 (s, 1.5H), 3.27 - 3.01 (m, 5H), 2.84 - 2.61 (m, 2H), 2.06 (s, 3H); APCI-MS m/z: 599.1 [MH+]。
【0161】
実施例95
5−(シクロヘキシルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
実施例90に記載した手法と類似の手法を用いて、標題化合物を調製した。
1H-NMR (DMSO-d6):δ9.79 (t, J = 6.1 Hz, 1H), 8.64 (s, 1H), 8.06 - 7.75 (m, 6H), 7.55 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 4.67 - 4.50 (m, 2H), 3.17 (s, 3H), 2.84 - 2.68 (m, 1H), 2.06 (s, 3H), 1.95 - 1.70 (m, 4H), 1.68 - 1.57 (m, 2H), 1.50 - 1.09 (m, 4H);APCI-MS m/z: 595.1 [MH+]。
【0162】
実施例96
5−(シクロプロピルスルホニル)−N−[4−(シクロプロピルスルホニル)ベンジル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
a)シクロプロパンスルフィン酸ナトリウム
副標題化合物は、文献(Helvetica Chimica Acta, vol. 86 (2003), 65-81)記載の合成手法と類似の方法を用いて、塩化シクロプロパンスルホニルから出発して、白色固体として得た。
1H NMR (CD3OD):δ1.87 (1H, tt, J 8.2, 5.0 Hz); 0.75 (2H, m; 0.61 (2H, m)。
【0163】
b)5−(シクロプロピルスルホニル)−N−[4−(シクロプロピルスルホニル)ベンジル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド
N−[4−(シクロプロピルスルホニル)ベンジル]−5−ヨード−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(SM28、180.4mg、0.29mmol)、ヨウ化銅(I)(69.9mg、0.37mmol)、シクロプロパンスルフィン酸ナトリウム(実施例96a、75.4mg、0.59mmol)およびDMF(2ml)からなる混合物を100℃で1時間攪拌した。反応混合物を冷却し、酢酸エチルと水に分配した。有機層を水と食塩水で洗い、硫酸ナトリウム上で乾燥して、濾過、減圧濃縮した。残渣を分取用HPLCにて精製し、標題化合物を白色固体として得た(12mg、7%)。
1H NMR (CDCl3):δ9.60 (1H, t, J 5.8 Hz); 9.09 (1H, s); 7.90 - 7.76 (4H, m); 7.53 (1H, s); 7.49 (2H, d, J 8.3 Hz); 7.44 (1H, d, J 8.0 Hz); 4.69 (2H, m); 2.60 (1H, m); 2.42 (1H, m); 1.44 (2H, m); 1.33 (2H, m); 1.18 (2H, m); 1.02 (2H, m); 2.54 (3H, s); APCI-MS m/z: 595.4 [MH+]。
【0164】
ヒト好中球エラスターゼ消光−FRETアッセイ
本アッセイでは、血清から精製したヒト好中球エラスターゼ(HNE)(カルビオケム品目:324681;文献:Baugh, R.J. et al., 1976, Biochemistry. 15, 836-841)を使用する。HNEは、30%グリセロールを加えた50mM酢酸ナトリウム(NaOAc)、200mM塩化ナトリウム(NaCl)、pH5.5、中、−20℃で保存した。使用したプロテアーゼ基質は、エラスターゼ基質Vフルオロジェニック、MeOSuc−AAPV−AMC(カルビオケム品目:324740;文献:Castillo, M.J. et al., 1979, Anal. Biochem. 99, 53-64)であった。該基質はジメチルスルホキシド(DMSO)中、−20℃に保存した。アッセイ添加は以下のとおりであった:試験化合物と対照を黒色96穴平底プレート(グライナー655076)に、100%DMSO中1μLとして加え、次いで、0.01%トリトン(商標)X−100界面活性剤含有アッセイバッファー中のHNEを30μL加えた。アッセイバッファーは、100mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)(pH7.5)および500mM−NaClであった。酵素と化合物は、室温で15分間インキュベートした。次いで、アッセイバッファー中30μlの基質を加えた。アッセイでは室温で30分間インキュベートした。インキュベーションに際し、HNE酵素および基質の濃度は、それぞれ1.7nMおよび100μMであった。次いで、60μlの停止液(140mM酢酸、200mMモノクロロ酢酸ナトリウム、60mM酢酸ナトリウム、pH4.3)を加えてアッセイを停止した。蛍光測定はワラック1420ビクター2機器にて、励起380nm、発光460nmに設定して実施した。IC50値はモデル205を用い、適合するX1フィット曲線を用いて決定した。
【0165】
上記の選抜法で試験した場合、実施例の化合物は、ヒト好中球エラスターゼ活性の阻害に対し、30μM(マイクロモル)未満のIC50値を示し、本発明化合物が有用な治療作用を有すると期待されることを示す。試料検体の結果を以下の表に示す。
【0166】
【表28】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
は水素またはC−Cアルキルを表す;
WはS(O)mを表し、mは整数、0、1または2を表す;
Zは単結合、−CH−または−NR25−を表す;
14は水素原子またはOHを表すか、またはC−Cアルキルおよび飽和もしくは不飽和の3員ないし10員環系から選択される基を表し、該環系は窒素、酸素およびイオウから選択される少なくとも1個の環へテロ原子を任意に含有してなる;各基には、フェニル、C−Cアルコキシカルボニル、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、CN、OH、NO、1個以上のF原子が置換するC−Cアルキル、1個以上のF原子が置換するC−Cアルコキシ、NR1213、C≡CR30、CONR3132、CHO、C−Cアルカノイル、S(O)33およびOSO34から選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換する;
12およびR13は独立して、H、C−Cアルキル、ホルミルまたはC−Cアルカノイルを表す;または一緒になった基−NR1213が、さらにO、SおよびNR26から選択される1個のへテロ原子を任意に含む5員ないし7員のアザ環状環を表す;
30は、H、C−Cアルキル、Si(CH)またはフェニルを表す;
33およびR34は独立してHまたはC−Cアルキルを表す;当該アルキルには1個以上のF原子が任意に置換する;
はHまたはFを表す;
はフェニルを表すか、またはO、SおよびNから独立して選択される1ないし3個のヘテロ原子を含む5員もしくは6員のヘテロ芳香環を表す;当該環には、ハロゲン、C−Cアルキル、シアノ、C−Cアルコキシ、ニトロ、メチルカルボニル、NR3536、1個以上のF原子が置換するC−Cアルキルまたは1個以上のF原子が置換するC−Cアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換する;
35およびR36は独立してHまたはC−Cアルキルを表す;当該アルキルには1個以上のF原子がさらに任意に置換する;
は水素を表すか、またはフルオロ、ヒドロキシルおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換するC−Cアルキルを表す;
Xは単結合、O、NR24または基−C−Cアルキレン−Y−(式中、Yは単結合、酸素原子、NR24またはS(O)を表す)を表す;当該アルキレンには、OH、ハロゲン、NR3738、C−Cアルコキシ、CONR3940、SO41およびSONR4243がさらに任意に置換する;
または、RおよびXが一緒になり結合して、一緒になった基−NRXが、さらにO、SおよびNR44から選択される1個のへテロ原子を任意に含む5員ないし7員のアザ環状環を表す;当該環にはC−CアルキルまたはNR4546が任意に置換する;当該アルキルにはさらにOHが任意に置換する;
は以下から選択される単環式環系を表す:i)フェノキシ;ii)フェニル;iii)窒素、酸素およびイオウから選択される少なくとも1個の環へテロ原子を含有してなる5員または6員のヘテロ芳香環;iv)飽和または部分的に不飽和のC−Cヒドロカルビル環;またはv)酸素、S(O)およびNR20から選択される少なくとも1個の環へテロ原子を含有してなる飽和または部分的に不飽和の4員ないし7員のヘテロ環状環(ただし、少なくとも1個の環炭素原子は、カルボニル基と任意に置き換わり得る);
または、Rは二環式環系を表し、その2つの環は独立して上記ii)、iii)、iv)およびv)に定義した単環式環系から独立して選択される;ただし、2つの環は一緒になって縮合しているか、互いに直接結合しているか、または酸素、S(O)またはC−Cアルキレンから選択されるリンカー基により互いに隔離されている;該C−Cアルキレンは酸素、イオウおよびNR27から選択される1個以上の内部もしくは末端へテロ原子を任意に含有してなり、またヒドロキシル、オキソおよびC−Cアルコキシから選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換する;
単環式または二環式環系には、酸素、CN、OH、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、ハロゲン、NR4748、NO、OSO49、CO50、C(=NH)NH、C(O)NR5152、C(S)NR5354、SC(=NH)NH、NR55C(=NH)NH、S(O)21、SONR5657、1個以上のF原子が置換するC−CアルコキシおよびSO58もしくは1個以上のF原子が置換するC−Cアルキルから選択される少なくとも1個の置換基が任意に置換する;当該C−Cアルキルにはシアノ、ヒドロキシル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルチオおよび−C(O)NR2223から選択される少なくとも1個の置換基がさらに任意に置換する;
またはRはHをも表す;
20は、水素、C−Cアルキル、C−CアルキルカルボニルまたはC−Cアルコキシカルボニルを表す;
21は、水素、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表す;当該アルキルまたはシクロアルキル基には、OH、CN、C−CアルコキシおよびCONR5960から独立して選択される1個以上の置換基がさらに任意に置換する;
37およびR38は独立して、H、C−Cアルキル、ホルミルまたはC−Cアルカノイルを表す;
47およびR48は独立して、H、C−Cアルキル、ホルミル、C−Cアルカノイル、S(O)qR61またはSONR6263を表す;当該アルキル基には、ハロゲン、CN、C−CアルコキシまたはCONR6465がさらに任意に置換する;
41およびR61は独立して、H、C−CアルキルまたはC−Cシクロアルキルを表す;
pは0、1または2である;qは0、1または2である;rは0、1または2である;tは0、1または2である;wは0、1または2である;vは0、1または2である;
22、R23、R24、R25、R26、R27、R31、R32、R39、R40、R42、R43、R44、R45、R46、R49、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56、R57、R58、R59、R60、R62、R63、R64およびR65はそれぞれ独立して水素またはC−Cアルキルを表す]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項2】
14がCN、F、Cl、Br、CF、NOおよびC≡CHから独立して選択される1個または2個の置換基が任意に置換するフェニルを表す請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Zが単結合を表す請求項1または請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
がトリフルオロメチル置換基の置換するフェニル基を表す請求項1ないし3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
が−S(O)21(式中、vは整数2を表す)の置換するフェニルまたはピリジニルを表す請求項1ないし4のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項6】
がHを表す請求項1ないし5のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項7】
以下から選択される請求項1に定義した式(I)で示される化合物:
N−シクロプロピル−5−[(4−メトキシフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
2−オキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−5−(フェニルスルフィニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−ブロモフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(2,4−ジメトキシベンジル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−シクロプロピル−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−{[5−(シクロプロピルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−オキソ−5−(フェニルスルフィニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−(メチルスルフィニル)−N−{[5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−シクロプロピル−5−[(3−メトキシフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−シクロプロピル−5−[(2−メトキシフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(2−シアノエチル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−シクロプロピル−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジクロロフェニル)−N−{[5−(エチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジクロロフェニル)−N,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−メチル−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−1−(3,5−ジフルオロフェニル)−N,6−ジメチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[(3−メチルイソキサゾール−5−イル)メチル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−シクロプロピル−5−[(4−ヒドロキシフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[3−(1H−イミダゾール−1−イル)プロピル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−N−[3−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロピル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[(1−ヒドロキシシクロプロピル)メチル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
1−(3−シアノフェニル)−5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−{[5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−メトキシエチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−[(4−メチルフェニル)スルフィニル]−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−[(4−ニトロフェニル)スルフィニル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−{[4−(トリフルオロメチル)フェニル]スルフィニル}−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−{[4−(アセチルアミノ)フェニル]スルフィニル}−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−エチルフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−フルオロフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−1−(3−メチルフェニル)−N−{[5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−エチル−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−クロロフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−エチル−5−[(4−フルオロフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−フルオロフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−ブロモフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(シクロプロピルメチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−メチル−2−オキソ−5−(フェニルスルフィニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−(シアノメチル)−5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[2−(1H−イミダゾール−4−イル)エチル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−ヒドロキシプロピル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−(2−モルホリン−4−イルエチル)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−[(2R)−2−ヒドロキシプロピル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−6−メチル−2−オキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルフィニル]−N−(2−メトキシプロピル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−(メチルスルホニル)−N−{[5−(メチルスルホニル)ピリジン−2−イル]メチル}−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
2−オキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−5−(フェニルスルホニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルホニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−{[4−(アセチルアミノ)フェニル]スルホニル}−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−エチルフェニル)スルホニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルホニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−シアノフェニル)スルホニル]−N−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
N−[(3−シクロプロピルイソキサゾール−5−イル)メチル]−6−メチル−5−(メチルスルホニル)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(6−シアノピリジン−3−イル)スルホニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−({4−[(トリメチルシリル)エチニル]フェニル}スルフィニル)−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(4−エチニルフェニル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−{[4−(フェニルエチニル)フェニル]スルフィニル}−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−[(4−プロパン−1−イン−1−イルフェニル)スルフィニル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−シアノピリジン−2−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−({2−メチル−5−(メチルカルバモイル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル}スルフィニル)ニコチンアミド;
5−[(5−クロロピリジン−2−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−ブロモピリジン−2−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−シアノピリジン−2−イル)スルフィニル]−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−ブロモピリミジン−2−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(6−ブロモピリダジン−3−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(6−シアノピリジン−3−イル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−[(5−シアノ−2−チエニル)スルフィニル]−N,6−ジメチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(1H−イミダゾール−2−イルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−[(メチルアミノ)スルホニル]−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(アニリノスルホニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−{[(2−モルホリン−4−イルエチル)アミノ]スルホニル}−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−{[(2−シアノエチル)(メチル)アミノ]スルホニル}−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−{[(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)アミノ]スルホニル}−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−5−(モルホリン−4−イルスルホニル)−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−[(ピリジン−3−イルアミノ)スルホニル]−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
2−メチル−5−({[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−スルホン酸;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルチオ)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルスルフィニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−5−(フェニルスルホニル)−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−(メチルスルフィニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
6−メチル−5−(メチルスルホニル)−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(ベンジルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(エチルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
3−({2−メチル−5−({[4−(メチルスルホニル)ベンジル]アミノ}カルボニル)−6−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル}スルフィニル)プロパン酸メチル;
5−(シクロヘキシルスルフィニル)−6−メチル−N−[4−(メチルスルホニル)ベンジル]−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
5−(シクロプロピルスルホニル)−N−[4−(シクロプロピルスルホニル)ベンジル]−6−メチル−2−オキソ−1−[3−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド;
およびそのいずれか1種の医薬的に許容される塩。
【請求項8】
請求項1に定義した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の製造法であって、
(a)式(II):
【化2】

[式中、Lは脱離基(ハロゲンまたはヒドロキシルなど)を表し、R、R、R、R14、WおよびZは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物と、式(III):
【化3】

[式中、X、RおよびRは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物を反応させること;または
(b)Wが−S−を表し、Zが単結合または−CH−を表す場合、式(IV):
【化4】

[式中、Halはハロゲン原子を表し、X、R、R、R、RおよびRは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物と、求核試薬R14−Z−S−M(式中、R14およびZは式(I)で定義したとおりであり、Mは有機スズまたは有機ホウ酸基を表す)を反応させること;または
(c)Wが−S−を表し、Zが単結合または−CH−を表す場合、式(IV)(式中、Halはハロゲン原子を表し、X、R、R、R、RおよびRは式(I)で定義したとおりである)で示される化合物と、チオールR14−Z−S−H(式中、R14およびZは式(I)で定義したとおりである)を銅(I)塩の存在下に反応させること;または
(d)Wが−S−を表し、Zが単結合または−CH−を表す場合、式(V):
【化5】

[式中、X、R、R、R、RおよびRは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物と、求電子試薬R14−Z−L(式中、Lはハロゲンなどの脱離基を表し、R14およびZは式(I)で定義したとおりである)を反応させること;または
(e)Wが−SO−を表し、Zが−NR25−を表す場合、式(VI):
【化6】

[式中、X、R、R、R、RおよびRは式(I)で定義したとおりである]
で示される化合物と、アミンR14−NHR25(式中、R14およびR25は式(I)で定義したとおりである)を反応させること;または
(f)Wがスルフィニル(−S(O)−)またはスルホニル(−S(O)−)を表す場合、対応する化合物(ただし、Wはチオ(−S−)基を表す)を酸化すること;
からなり、次いで任意工程として、(a)、(b)、(c)、(d)、(e)または(f)の後に、以下の工程の一方または両方:
・ 得られた化合物を本発明のさらなる化合物に変換する工程;
・ 該化合物の医薬的に許容される塩を形成する工程;
を実施することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を、医薬的に許容される補助剤、賦形剤または担体と共に含有してなる医薬組成物。
【請求項10】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩と、医薬的に許容される補助剤、賦形剤または担体を混合することを特徴とする請求項9記載の医薬組成物の製造法。
【請求項11】
治療用途の請求項1ないし7のいずれか1項に記載した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩。
【請求項12】
好中球エラスターゼ活性を変調することが有益であるヒトの疾患または症状を処置するための医薬の製造における請求項1ないし7のいずれか1項に記載した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の使用。
【請求項13】
成人呼吸促迫症候群(ARDS)、のう胞性線維症、肺気腫、気管支炎、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症、喘息、鼻炎、虚血再灌流傷害、関節リウマチ、骨関節症、癌、アテローム性動脈硬化症または胃粘膜傷害の処置に使用するための医薬の製造における請求項1ないし7のいずれか1項に記載した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の使用。
【請求項14】
好中球エラスターゼ活性を阻害することが有益である疾患または症状の処置方法、またはそのリスクを低減する方法であって、請求項1ないし7のいずれか1項に記載した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする方法。
【請求項15】
炎症性疾患または症状の処置方法、またはそのリスクを低減する方法であって、請求項1ないし7のいずれか1項に記載した式(I)で示される化合物またはその医薬的に許容される塩の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを特徴とする方法。
【請求項16】
該疾患または症状が、成人呼吸促迫症候群(ARDS)、のう胞性線維症、肺気腫、気管支炎、気管支拡張症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺高血圧症、喘息、鼻炎、虚血再灌流傷害、関節リウマチ、骨関節症、癌、アテローム性動脈硬化症または胃粘膜傷害である請求項14または請求項15に記載の方法。

【公表番号】特表2008−533137(P2008−533137A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501840(P2008−501840)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【国際出願番号】PCT/SE2006/000328
【国際公開番号】WO2006/098684
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(391008951)アストラゼネカ・アクチエボラーグ (625)
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
【Fターム(参考)】