説明

安全弁及び発電プラント

【課題】安全弁が開いたか否かを、安全弁が通常状態に戻った後に判断することが可能になる安全弁及び発電プラントを提供すること。
【解決手段】配管内の圧力が設定圧を超えると開状態になって流入口と流出口を連通させる弁体を有する安全弁10は、弁体20の上部に連結された弁棒30と、弁棒30が昇降可能な状態で弁棒30を覆う保護筒28と、保護筒28の上部に配置され、弁棒30の上端部を覆うキャップ34と、保護筒28に形勢された切り欠き部から露出するように配置され、弁棒30の昇降を示すリフトゲージ36とを有する。さらに、安全弁10は、弁体20の動作に対応して動作するけがき棒38を有し、けがき棒38の針部先端と接する位置に針部先端の軌跡を表示するための表示板40が固定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管に配置される安全弁及び発電プラントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
火力発電所等の発電プラントにおいては、蒸気等を通過させるための多数の配管が縦横に配置されている。そして、各配管には、その内部の圧力が設定圧を超えた場合に、配管内の圧力を低下させるために一時的に開状態となる安全弁が配置されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
例えば、図16に示す安全弁100は、入口部102、出口部104、弁体106、弁棒108、ばね110、保護筒112、キャップ114、キャップ蓋116、リフトゲージ118等で構成されている。弁体106は、ばね110によって矢印X2方向に付勢された弁棒108によってX2方向に押圧され、入口部102と出口部104を遮断している(この状態を通常状態と呼ぶ)。
【0004】
配管内の圧力が設定圧を超えると、弁体106は矢印X1方向へ上昇して開状態となる。そして、入口部102と出口部104が連通することによって、配管内の蒸気等が逃げ、圧力が低下するようになっている。そして、配管内の圧力が設定圧以下に戻ると、弁体106は通常状態の位置に戻る。
【0005】
弁体106が昇降したときには弁棒108も昇降する。そして、弁棒108を付勢しているばね110が伸縮する。そして、ばね110に連結されているリフトゲージ118が昇降する。このように、弁体106が昇降すると、リフトゲージ118も昇降する。
【0006】
このため、リフトゲージ118を監視することによって、弁体106が昇降したか否かを判断することができる。
【特許文献1】特開平8−54078号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、弁体106が開いてから通常状態の位置に戻るまでの時間は、一瞬であるのが通常である。このため、弁体106が通常状態に戻った後は、弁体106が配置されている現場で、配管内の圧力が設定圧を超えていたかどうかを判断することができない。
【0008】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、安全弁が開いたか否かを、安全弁が通常状態に戻った後に判断することが可能になる安全弁及び発電プラントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
(1) 配管内の圧力が設定圧を超えると開状態になって流入口と流出口を連通させる弁体と、
前記弁体の上部に連結された弁棒と、
前記弁棒が昇降可能な状態で前記弁棒を覆う保護筒と、
前記保護筒の上部に配置され、前記弁棒の上端部を覆うキャップと、
前記保護筒に形勢された切り欠き部から露出するように配置され、前記弁棒の昇降を示すリフトゲージと、
を有する安全弁であって、
前記弁体の動作に対応して動作するけがき棒と、
前記けがき棒の針部先端と接する位置に固定されている表示板と、
を有することを特徴とする安全弁である。
【0011】
(1)の発明によれば、前記弁体が動作した場合には、前記けがき棒も動作する。そして、前記けがき棒の針部先端は前記表示板に接しているから、前記表示板を傷つける。
【0012】
これは、前記表示板に傷がついていれば、前記弁体が動作したことを意味する。そして、前記表示板の傷は、前記弁体が通常状態に戻ったとしても消えない。
【0013】
これにより、安全弁が開いたか否かを、安全弁が通常状態に戻った後に判断することが可能になる。
【0014】
なお、本明細書において、「弁体が開く」ことと、「安全弁が開く」ことは、同義で使用する。
【0015】
(2) 前記けがき棒は、前記弁棒の上端部に配置されており、前記表示板は、前記キャップに配置されていることを特徴とする(1)に記載の安全弁である。
【0016】
(2)の発明によれば、前記けがき棒は、前記弁棒を介して、前記弁体の動作と連動して動作することができる。
【0017】
(3) 前記けがき棒は、前記リフトゲージに配置されており、
前記表示板は、前記保護筒に配置されていることを特徴とする(1)に記載の安全弁である。
【0018】
前記弁棒の上端部は前記安全弁のテスト等のときにテストギャグが配置される場所であるから、前記弁棒の上端部に前記けがき棒を配置すると、テスト等のときに前記けがき棒を取り外す必要がある。前記弁棒は前記弁体に直接連結しているから、前記けがき棒を取り外すときに、前記弁体に力を加えることになり、事故につながる危険がある。
【0019】
また、前記表示板が前記キャップに配置されていると、テストギャグを取り付けるときに障害となる場合があるから、前記表示板も取り外す必要がある。
【0020】
この点、(3)の発明によれば、前記けがき棒は前記リフトゲージに配置されており、前記表示板は、前記保護筒に配置されているから、テストギャグ取り付け時に上述のような危険はないし、前記表示板を取り外す必要もない。
【0021】
(4) 前記表示板には、複数の異なる色の塗料層が形成されており、
1回の前記けがき棒の昇降の際に、1つの前記塗料層が掻き落とされて、その下の前記塗料層が露出するように構成されていることを特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の安全弁である。
【0022】
(4)の発明によれば、露出している前記塗料層の色によって、前記けがき棒が何回昇降したかを判断することができる。このため、前記安全弁が配置されている配管において、何回圧力が設定圧を超えたかを判断することができる。
【0023】
(5) 前記けがき棒の針先端と接する表面の前記塗料層は通常の塗料で構成されており、
表面の前記塗料層以外の複数の前記塗料層は、体色が互いに異なり、かつ、発光色が互いに異なる夜光塗料で構成されていることを特徴とする(4)に記載の安全弁である。
【0024】
(5)の発明によれば、夜間において前記表示板に発光している傷を発見することによって、前記安全弁が配置されている配管内の圧力が設定圧を超えたことを判断することができる。
【0025】
そして、前記表面の前記塗料層以外は発光色が互いに異なるから、その発光色によって、前記安全弁が配置されている配管において、何回圧力が設定圧を超えたかを判断することができる。
【0026】
(6) (1)乃至(5)に記載の安全弁を複数有する発電プラントである。
【0027】
(6)の発明によれば、発電プラントにおいて、安全弁が開いたか否かを、安全弁が通常状態に戻った後に判断することが可能になる。
【0028】
(7) (5)に記載の安全弁を複数有する発電プラントであって、予め規定した時間間隔で、前記表示板に光を照射するためのランプを有することを特徴とする発電プラントである。
【0029】
(7)の発明によれば、前記けがき板が前記表示板に傷をつけた後に、前記表示板に光を照射するとその傷の部分が発光するから、作業者が懐中電灯等で前記表示板を照らさないとしても、夜間において安全弁が開いたことを確認することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、発電プラントにおいて、安全弁が開いたか否かを、安全弁が通常状態に戻った後に判断することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態の一例について、添付した図面を参照しながら、具体的に説明する。
【0032】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の安全弁10を示す概略斜視図である。
【0033】
なお、本実施形態以降の説明では、同じ部材の場合には同じ符号を付すとともに、すでに説明した部材の説明は省略する。
【0034】
図1に示すように、安全弁10は、弁体20を有する。弁体20は、図示しない配管内の圧力が設定圧を超えると矢印X1方向に上昇して開状態になり、流入口12と流出口14とを連通させるようになっている。
【0035】
また、安全弁10は、弁体20の上部に連結された弁棒30を有する。
【0036】
そして、安全弁10は、弁棒30が矢印X1及びX2方向に昇降可能な状態で弁棒30を覆う保護筒28を有する。
【0037】
また、安全弁10は、保護筒82の上部に配置され、弁棒30の上端部を覆うキャップ34を有する。
【0038】
上述の保護筒28には矩形の切り欠き部が形成されている。そして、その切り欠き部28aから露出するように、リフトゲージ36が配置されている。リフトゲージ36は、ばね32に連結している。ばね32は、ばね受け26を介して弁棒30を矢印X1方向に付勢している。
【0039】
リフトゲージは、弁棒30及び弁体20の動作に応じて矢印X1及びX2方向に昇降するようになっている。
【0040】
また、安全弁10は、弁本体16、シート(弁座)18、バルブガイド22、リフト制限板24等を有する。
【0041】
さらに、弁棒30の上端部には、けがき棒38が配置されている。けがき棒38は、弁棒30の動作に対応して矢印X1及びX2方向に昇降するようになっている。けがき棒38は、弾性変形する材料である例えば、ばね鋼で形成されている。けがき棒38の下端近傍部には雄ねじ(図示せず)が形成されており、弁棒30の上端近傍部に形成された雌ねじと螺合するようになっている。
【0042】
また、キャップ34の上部には表示板40が配置されている。表示板40は、表面に傷がつき易い材料である例えば、アルミ板で形成されている。
【0043】
なお、本実施の形態とは異なり、けがき棒38は、ステンレス鋼、黄銅、りん青銅、ベリリウム鋼等の弾性材料であってもよい。
【0044】
図2は、図1のキャップ34付近(S1として示す領域)の概略拡大図である。
【0045】
図2に示すように、けがき棒38の上端部には針部38aが形成されている。表示板40は、その表面40aと接する位置に接着剤で固定されている。
【0046】
上述のように、けがき棒38は弾性変形する材料で形成されおり、矢印Yで示す表示板40の方向へ付勢されている。
【0047】
そして、けがき棒38が矢印X方向へ昇降するたびに、表示板40の表面40aに新たな傷をつけるようになっている。けがき棒38は矢印Yへ付勢されているから、何度昇降を繰り返しても、常に表面40aとほぼ同じ圧力で接した状態が維持される。
【0048】
安全弁10は、配管を有する様々なプラントで使用され、例えば、発電プラントにおいて使用される。
【0049】
以上が、安全弁10の構成である。
【0050】
以下、主に図3及び図4を使用して、安全弁10のけがき棒38の動作について説明する。
【0051】
図3及び図4は、けがき棒38の動作を示す概略図である。
【0052】
弁棒30(図1参照)上昇すると、図3に示すように、けがき棒38は矢印X1方向に上昇する。このとき、表示板40の表面40aに傷Aを刻む。
【0053】
そして、弁棒30が下降すると、図4に示すように、けがき棒38は矢印X2方向に下降する。このとき、表示板40の表面40aに新たな傷を刻むから、けがき棒38の昇降動作によって、傷AAが形成される。
【0054】
この傷AAは、安全弁10が通常状態に戻っても、消えることはない。このため、安全弁が開いたか否かを、安全弁が通常状態に戻った後に判断することが可能になる。
【0055】
[第2実施形態]
図5、図6、図7及び図8を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
【0056】
図5は、第2実施形態の安全弁10A等の概略側面図である。
【0057】
安全弁10Aにおいては、第1実施形態とは異なり、けがき棒38Aがリフトゲージ36に配置されている。けがき棒38Aはリフトゲージ36に対して、溶接によって固定されている。リフトゲージ36が矢印X方向に昇降すると、けがき棒38Aも同方向に昇降する。
【0058】
また、表示板40Aは、保護筒28の表面に接着剤で固定されている。
【0059】
キャップ34の上端部開口には、キャップ蓋42が配置されている。
【0060】
図6は、けがき棒38Aと表示板40Aの概略拡大図である。
【0061】
図6に示すように、けがき棒38Aに形成された針部38aが表示板40Aの表面40aに接した状態で、けがき棒38Aは矢印X方向に昇降する。
【0062】
図7及び図8は、けがき棒38Aの動作を示す概略図である。
【0063】
弁棒30(図5参照)が上昇すると、ばね32は収縮し、リフトゲージ36は矢印X1方向へ上昇し、図7に示すように、けがき棒38Aも矢印X1方向へ上方する。
【0064】
このとき、表示板40Aの表面40aに傷Aを刻む。
【0065】
そして、弁棒30が下降すると、図8に示すように、けがき棒38Aは矢印X2方向に下降する。このとき、表示板40Aの表面40aに新たな傷を刻むから、けがき棒38の昇降動作によって、傷AAが形成される。
【0066】
図9は、テストギャグ44が配置された状態の安全弁10Aを示す概略斜視図である。
【0067】
安全弁10Aのテスト時等には、キャップ蓋42(図5参照)を外して、キャップ34の上端部開口にテストギャグ44を挿入し、弁棒30の昇降動作を制限することができる。
【0068】
弁棒30の上端部は安全弁10Aのテスト等のときにテストギャグが配置される場所である。仮に、ここにけがき棒を配置すると、テスト等のときにけがき棒を取り外す必要がある。弁棒30は弁体20に直接連結しているから、けがき棒を取り外すときに弁体20に力を加えることになり、事故につながる危険がある。
【0069】
また、表示板がキャップ34に配置されていると、テストギャグを取り付けるときに障害となる場合があるから、表示板も取り外す必要がある。
【0070】
この点、安全弁10Aにおいては、けがき棒38Aはリフトゲージ36に配置されており、表示板40Aは保護筒28に配置されているから、テストギャグ44の取り付け時に上述のような危険はないし、表示板40Aを取り外す必要もない。
【0071】
[第3実施形態]
図10、図11、図12、図13及び図14を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
【0072】
第3実施形態の安全弁10B(図5参照)においては、その表示板50の構成が、第2実施形態とは異なるが、その他の構成は第2実施形態と同様である。
【0073】
図10は、第3実施形態の表示板50等の概略斜視図である。
【0074】
図10に示すように、表示板50には、アルミ板50aの上に、複数の異なる色の塗料層50b,50c,50d及び50eが形成されている。
【0075】
このうち、けがき棒38Aに接する側の表面の塗料層50eは、通常の塗料で構成されている。ここで、通常の塗料とは、夜行塗料ではないという意味である。塗料層50eは、例えば、黒色の塗料で形成されている。
【0076】
これに対して、アルミ板50aと塗料層50eの間の、塗料層50b,50c及び50dは、体色が互いに異なり、かつ、発光色が互いに異なる夜光塗料で構成されている。
【0077】
図11は、根元特殊化学社のホームページから抜粋した資料に基づいて作成した夜光塗料の説明図である。夜光塗料は、例えば、根元特殊化学社製の「ルミノーバ」(登録商標:「LUMINOVA/ルミノーバ」)である。
【0078】
夜光塗料は、蓄光性材料であり、図11に示すように、品番によって体色、発光色等が異なる。塗料層50bは、体色が緑白色、発光色が緑色の夜光塗料で構成されている。塗料層50cは、体色が黄白色、発光色が青色の夜光塗料で構成されている。塗料層50dは、体色が白色、発光色が紫色の夜光塗料で構成されている。
【0079】
1回のけがき棒38Aの昇降の際に、1つの塗料層50e等が書き落とされて、その下の塗料層50d等が露出するように構成されている。
【0080】
図12は、安全弁10Bが取り付けられている発電プラント60の配管等を示す概略図である。
【0081】
安全弁10Bは、配管62に配置されている。配管62には、安全弁10B以外にも、バルブ64等が配置されている。
【0082】
安全弁10Bが作動し、表示板50の夜光塗料で形成された塗料層50d等が露出する。このように、塗料層50d等が露出した場合には、夜間見回り中の作業者甲が懐中電灯52で表示板50に対して光を照射すると、黒色以外の色が見え、また、光の照射を中止すると夜光塗料が発光しているから、けがき棒38Aが昇降したことを知ることができる。
【0083】
さらに、発電プラント60は、照射ランプ68を有する。照射ランプ68は、予め規定された時間間隔で、表示板50に対して光を短時間照射するためのランプである。予め規定された時間間隔は、例えば、30分である。光の照射時間は、例えば、30秒(s)である。
【0084】
照射ランプ68による光の照射によって、夜光塗料で形成された塗料層50d等が露出している場合には、蓄光することができる。そして、照射ランプ68による照射が終了すると、塗料層50d等は発光する。
【0085】
このため、作業者甲が、表示板50を懐中電灯66で照射しない場合であっても、安全弁10Bが動作したか否かを知ることができる。
【0086】
図13、図14及び図15は、表示板50に傷がつけられていく様子を示す図である。
【0087】
図13に示すように、けがき棒38Aが1回昇降すると、表面の塗料層50eが傷つけられて、その下の塗料層50dが直線上に露出する。
【0088】
続いて、図14に示すように、けがき棒38Aがもう1回昇降すると、露出した塗料層50dが傷つけられて、その下の塗料層50cが直線上に露出する。
【0089】
続いて、図14に示すように、けがき棒38Aがさらにもう1回昇降すると、露出した塗料層50cが傷つけられて、その下の塗料層50bが直線上に露出する。
【0090】
上述のように、露出している塗料層によって色が異なるから、その色によって、けがき棒38Aが何回昇降したかを判断することができる。このため、安全弁10Bが配置されている配管において、何回圧力が設定圧を超えたかを判断することができる。
【0091】
さらに、表面の塗料層50eは通常の塗料であって、かつ、黒色であるから見えづらい。
【0092】
ところが、その下の塗料層50b,50c及び50dは、その体色がそれぞれ緑白色、黄白色、白色という明度の高い色であるから、明るい場所において、表面の塗料層50eの黒色と明確に区別することができる。このため、安全弁10Bが動作したことを、容易に認識することができ、さらに、直線状に露出している色によって、何回安全弁10Bが動作したかを判断することができる。
【0093】
また、表面の塗料層50eは通常の塗料であって、かつ、黒色であるから暗い場所においてはほとんど見えない。本実施形態においては、表面の塗料層50eを暗所において、見えないようにしていることが特徴の1つである。
【0094】
その下の塗料層50b,50c及び50dは、夜光塗料で構成されているから、けがき棒38Aが一度でも昇降した場合には、その光によって、認識することができるのである。
【0095】
しかも、直線状に露出している発光色によって、何回安全弁10Bが動作したかを判断することができる。
【0096】
さらに、発電プラント60は、夜光塗料で形成された塗料層50dが確実に発光するように、照射ランプ68を備えているから、夜間において、安全弁10Bが動作したことを、確実に判断することができる。
【0097】
上述の実施形態によれば、安全弁が開いたか否かを、安全弁が通常状態に戻った後に判断することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】第1実施形態の安全弁を示す概略斜視図である。
【図2】キャップ付近の概略拡大図である。
【図3】けがき棒の動作を示す概略図である。
【図4】けがき棒の動作を示す概略図である。
【図5】第2実施形態の安全弁を示す概略斜視図である。
【図6】けがき棒38と表示板40の概略拡大図である。
【図7】けがき棒の動作を示す概略図である。
【図8】けがき棒の動作を示す概略図である。
【図9】テストギャグが配置された状態の安全弁を示す概略斜視図である。
【図10】第3実施形態の表示板等の概略斜視図である。
【図11】夜光塗料の説明図である。
【図12】安全弁が取り付けられている発電プラントの配管等を示す概略図である。
【図13】表示板に傷がつけられていく様子を示す図である。
【図14】表示板に傷がつけられていく様子を示す図である。
【図15】表示板に傷がつけられていく様子を示す図である。
【図16】従来例を示す概略図である。
【符号の説明】
【0099】
10,10A,10B・・・安全弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管内の圧力が設定圧を超えると開状態になって流入口と流出口を連通させる弁体と、
前記弁体の上部に連結された弁棒と、
前記弁棒が昇降可能な状態で前記弁棒を覆う保護筒と、
前記保護筒の上部に配置され、前記弁棒の上端部を覆うキャップと、
前記保護筒に形成された切り欠き部から露出するように配置され、前記弁棒の昇降を示すリフトゲージと、
を有する安全弁であって、
前記弁体の動作に対応して動作するけがき棒と、
前記けがき棒の針部先端と接する位置に固定されている表示板と、
を有することを特徴とする安全弁。
【請求項2】
前記けがき棒は、前記弁棒の上端部に配置されており、
前記表示板は、前記キャップに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の安全弁。
【請求項3】
前記けがき棒は、前記リフトゲージに配置されており、
前記表示板は、前記保護筒に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の安全弁。
【請求項4】
前記表示板には、複数の異なる色の塗料層が形成されており、
1回の前記けがき棒の昇降の際に、1つの前記塗料層が掻き落とされて、その下の前記塗料層が露出するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の安全弁。
【請求項5】
前記けがき棒の針先端と接する表面の前記塗料層は通常の塗料で構成されており、
表面の前記塗料層以外の複数の前記塗料層は、体色が互いに異なり、かつ、発光色が互いに異なる夜光塗料で構成されていることを特徴とする請求項4に記載の安全弁。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5に記載の安全弁を複数有する発電プラント。
【請求項7】
請求項5に記載の安全弁を複数有する発電プラントであって、予め規定した時間間隔で、前記表示板に光を照射するためのランプを有することを特徴とする発電プラント。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−293718(P2009−293718A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148818(P2008−148818)
【出願日】平成20年6月6日(2008.6.6)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】