説明

安全弁

【課題】平常時ではガス排出路からのリークガス量を十分に低減し、雰囲気が所定温度以上に昇温すると速やかに作動してガス排出路からガスを安全に放出できるようにする。
【解決手段】受圧孔(4)と作動室(5)とガス排出路(6)と合金収容室(19)とを備える。受圧孔(4)を封止板(12)で封止する。封止板(12)の受圧孔(4)に臨む部分に、所定圧力で破断する破封部(13)を設ける。合金収容室(19)に低融点合金(21)を収容する。作動室(5)に作動器(14)を配置する。作動器(14)に形成した第1バックアップ部(15)を低融点合金(21)で支持する。作動器(14)の一端に形成した第2バックアップ部(16)を受圧孔(4)内に挿入する。受圧孔(4)内で破封部(13)と第2バックアップ部(16)との間に、保護部材(P)としての第2低融点合金(24)を配置する。第2低融点合金(24)を介して破封部(13)を第2バックアップ部(16)で支持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車燃料用ガスボンベなどに付設される、低融点合金を用いた安全弁に関し、さらに詳しくは、平常時はガス排出路からのリークガス量を十分に低減でき、しかも雰囲気が異常昇温すると速やかに安全作動してガス排出路からガスを放出できる、安全弁に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガス等の気体燃料を用いる自動車は、燃料ガスを高圧で圧縮充填したガスボンベを塔載している。このガスボンベは所定の耐圧性能を備えているが、事故時の火災等で異常昇温した際に破裂せぬよう安全弁を備えており、この安全弁は、所定温度以上に昇温すると圧力容器内のガスを外部へ逃がすように作動する。
【0003】
上記の安全弁には、開放可能に封止されたガス逃し路と、固相状態では上記のガス逃し路を封止し溶融時に上記のガス逃し路を開放する低融点合金と、上記の低融点合金を収容する合金収容室と、上記の低融点合金を溶融時に合金収容室の外部へ排出する合金排出路とをハウジング内に備えたものがある。この低融点合金を用いた安全弁は、設定作動温度以上に昇温すると上記の低融点合金が溶融して合金排出路から排出され、これにより上記のガス逃し路が開放されて、上記のガスボンベの高圧ガスが外部へ排出され、ガスボンベの破裂が防止される。
【0004】
一般に上記の低融点合金は、所定の設定作動温度より低温で固相状態にあっても、高圧下での流動変形(いわゆるクリープ)を生じ易い。そこで従来、このクリープによる低融点合金の合金収容室からの流出量を抑制するため、大径部と小径部とを有するピストン状の作動器を備えたものがある(例えば特許文献1参照、以下、従来技術1という。)。
【0005】
即ちこの従来技術1は、ハウジング内に受圧孔と作動室とガス排出路と合金収容室とを備えており、上記の作動室にピストン状の作動器を収容してある。この作動器は大径部と小径部を備えており、この大径部を上記の合金収容室に収容した低融点合金で支持するとともに、小径部にOリングを外嵌して封止部を形成し、この封止部を上記の受圧孔へ気密摺動可能に挿入してある。
【0006】
平常時は上記の作動器が上記の低融点合金に支持されており、封止部が受圧孔を確りと封止している。このとき、低融点合金にはその支持圧が加わるが、その支持圧は受圧孔に加わるガス圧力に比べて、大径部と小径部との面積比に応じた低圧にされている。この結果、この低融点合金がクリープにより合金収容室から押し出されることが抑制される。
【0007】
しかしながら、近年では自動車に水素ガスを用いた燃料電池の利用が進められており、この水素ガスボンベは、大容量にするため例えば35〜70MPa等の高圧化が望まれていることから、Oリングが高圧により保持溝からはみ出し易く、充分に封止できなくなる虞がある。また、水素ガスは分子量が小さくゴム製シール部材を透過し易い性質があることから、上記のOリングが水素ガスを透過する虞もある。このため、上記の受圧孔を金属製等の封止板で確実に封止して、ガス排出路からのリークガス量を充分に低減したものが提案されている(例えば特許文献2参照、以下、従来技術2という)。
【0008】
即ちこの従来技術2は、ハウジング内の受圧孔を封止板で封止して、この封止板の受圧孔に臨む部分に所定圧力で破断する破封部を設け、上記の作動室に作動器を配置し、作動器に形成した第1バックアップ部を低融点合金で支持するとともに、この作動器の一端に形成した第2バックアップ部を上記の受圧孔に挿入して上記の破封部を支持し、低融点合金に支持された第1バックアップ部の被支持面を、上記の受圧孔に臨む破封部より広い面積に形成してある。
【0009】
この従来技術2では、上記の破封部がガス容器の常用圧力以下などの低い所定圧力で破断するように形成されている。しかしこの破封部は、平常時は第2バックアップ部で支持されるため破断することがない。しかも、この破封部を形成した封止板は分子量の小さな水素ガスであっても透過させる虞がないので、受圧孔が確りと封止され、ガス排出路からのリークガス量が充分に低減される。一方、雰囲気が設定温度以上に異常昇温すると、上記の低融点合金が溶融し流動化するので上記の第1バックアップ部を支持できなくなり、上記の破封部が第2バックアップ部による支持を失って、この破封部が受圧孔に加わる所定のガス圧力を受けて破断する。これにより受圧孔の封止が解除され、ガス容器内等のガスがガス排出路を経て外部へ安全に放出される。
【0010】
【特許文献1】特開2003−247652号公報
【特許文献2】特開2005−282638号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記の破封部は、上記の作動器による支持を失うと速やかに破断するように、破封部が例えばガス容器内の常用圧で容易に変形する程度の強度に設定してある。一方、この破封部を支持する第2バックアップ部は、安全作動時に受圧孔から円滑に抜け出る必要があるうえ、加工精度の点からも、この受圧孔の内面との間に僅かな隙間が形成される。また、破封部と対面する先端は一般に周縁部が曲面状などの面取加工がされている。このため、例えば図6に示すように、この第2バックアップ部(51)で支持される破封部(52)は、受圧孔(53)へ流入しようとするガス圧力を受けて、この隙間へ喰い込むように変形したり、第2バックアップ部(51)の先端形状に沿った屈曲形状などに変形したりし易く、この局所的な変形箇所に亀裂や破断を生じる虞がある。そして万一この亀裂や破断を生じると、平常時にガスが受圧孔へ漏洩し、ガス排出路から外部へ排出される問題がある。
【0012】
本発明の技術的課題は上記の問題点を解消し、平常時ではガス排出路からのリークガス量を十分に低減でき、しかも雰囲気が異常昇温すると速やかに安全作動してガス排出路からガスを放出できる、安全弁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は上記の課題を解決するために、例えば、本発明の実施の形態を示す図1から図5に基づいて説明すると、次のように構成したものである。
即ち本発明は安全弁に関し、ハウジング(2)内に受圧孔(4)と作動室(5)とガス排出路(6)と合金収容室(19)とを備え、上記の受圧孔(4)を封止板(12)で封止するとともに、この封止板(12)の少なくとも受圧孔(4)に臨む部分に所定圧力で破断する破封部(13)を設け、上記の作動室(5)に作動器(14)を配置し、この作動器(14)に形成した第1バックアップ部(15)を、上記の合金収容室(19)に収容した低融点合金(21)で支持するとともに、この作動器(14)の一端に形成した小径の第2バックアップ部(16)を上記の受圧孔(4)に挿入して上記の破封部(13)を支持し、この低融点合金(21)に支持された第1バックアップ部(15)の被支持面(23)を、上記の受圧孔(4)に臨む破封部(13)より広い面積に形成した安全弁であって、上記の受圧孔(4)内で上記の破封部(13)と上記の第2バックアップ部(16)との間に保護部材(P)を配置して、この保護部材(P)を介して上記の破封部(13)を上記の第2バックアップ部(16)で支持し、上記の保護部材(P)は、上記の第2バックアップ部(16)による支持が失われると変形して、上記の破封部(13)の破封を許容するように構成したことを特徴とする。
【0014】
平常時にあっては、低融点合金が設定温度以下で固相状態にあり、この低融点合金により作動器の第1バックアップ部が支持され、作動器の第2バックアップ部に破封部が支持されている。しかもこの低融点合金に支持される第1バックアップ部の被支持面は、上記の受圧孔に臨む破封部よりも広い面積に形成してあるので、その面積比に応じて低融点合金に加わる支持圧が破封部に加わるガス圧力よりも低くなり、低融点合金に生じるクリープが抑制される。
【0015】
上記の封止板は、例えば金属薄板など、水素ガスのような分子量の小さいガスであっても透過が阻止される材料で形成され、受圧孔からのリークガスが充分に低減される。この封止板に形成された上記の破封部は、異常時には確実に破断される低い強度に設定してあり、このため、受圧孔に加わるガス圧力を受けて変形し易い。しかしながら、この破封部とこれを支持する上記の第2バックアップ部との間には保護部材が配置してあるので、この破封部がガス圧力を受けて変形しようとしても、第2バックアップ部と受圧孔の内面との隙間へ喰い込むように変形したり、第2バックアップ部の先端周縁部の形状に沿った極端な屈曲形状に変形したりすることがない。
【0016】
上記の保護部材は、下流側の受圧孔内に上記の第2バックアップ部が挿入してあることから、仮に受圧孔に加わるガス圧力でクリープ現象などの形状変形を生じたとしても、受圧孔から押し出されることがない。また、その一部が第2バックアップ部と受圧孔の内面との隙間等へ入り込むように変形しても、保護部材全体に占める変形量は僅かに過ぎず、破封部側表面の形状変形は少なく抑制される。この結果、この保護部材を介して第2バックアップ部材に支持される破封部は、ガス圧力を受けても局所的に大きく変形することがなく、この破封部に亀裂や破断を発生することが防止される。
【0017】
一方、雰囲気が異常昇温して設定温度以上になると、上記の低融点合金が溶融して合金収容室から排出されるので、この低融点合金では上記の第1バックアップ部を支持できなくなり、作動器が合金収容室側へ移動する。この結果、第2バックアップ部が受圧孔から抜け出る方向に移動するので、上記の破封部は第2バックアップ部による支持を失う。すると上記の保護部材が上記の破封部の破封を許容するように変形するので、破封部が受圧孔に流入しようとするガス圧力を受けて大きく変形し破断する。これにより受圧孔の封止が解除されるので、受圧孔に連通しているガス容器内等のガスが、受圧孔からガス排出路を経て外部へ安全に放出される。
【0018】
ここで上記の保護部材とは、具体的には低融点合金で構成したり、破断強度の弱い保護板で構成することができる。
例えば上記の保護部材を第2の低融点合金で構成した場合、受圧孔に加わるガス圧力を受けて、この第2低融点合金にクリープ現象を生じる場合があるが、その変形は一部が第2バックアップ部と受圧孔の内面との隙間などへ入り込むだけであり、その変形量は僅かに過ぎない。このため、この第2低融点合金を介して第2バックアップ部に支持される上記の破封部は、例えば中央部分が第2バックアップ部側に突出したドーム状に変形するだけであり、この破封部に亀裂や破断を生じることが防止される。なお、このように破封部の中央部分が第2バックアップ部側に突出したドーム状に変形すると、受圧孔に加わるガス圧力がこのドーム形状に均等に受け止められ、第2低融点合金や第1バックアップ部を支持する低融点合金のクリープによる変形量を低減することができる。
【0019】
そして、雰囲気が異常昇温して設定温度以上になると、上記の低融点合金が溶融して合金収容室から排出されるとともに、上記の第2低融点合金も溶融して液状になり、不定形に変形して受圧孔から排出される。これにより破封部がガス圧力で破断し、受圧孔の封止が解除される。
【0020】
また、上記の保護部材は、例えば合成樹脂材料などの保護板で構成し、この保護板の破断強度を上記の破封部の破断強度以下に設定することができる。この場合、この保護板が受圧孔に加わるガス圧力を受けても、下流側の受圧孔内に第2バックアップ部が挿入してあるので、この保護板は大きく変形することがない。またこの保護板が上記のガス圧力により、第2バックアップ部と受圧孔の内面との隙間などへ入り込むように変形したとしても、破封部側表面の形状変形は小さく抑制されるので、この保護板を介して第2バックアップ部に支持される上記の破封部は、第2バックアップ部側へ僅かに突出するに過ぎず、この破封部に亀裂や破断を発生することが防止される。
【0021】
そして、雰囲気が異常昇温して設定温度以上になると、上記の低融点合金が溶融して合金収容室から排出され、第2バックアップ部が受圧孔から抜け出る方向に移動し、上記の破封部が第2バックアップ部による支持を失う。この結果、上記の破封部および保護板が受圧孔に加わるガス圧力で大きく変形するが、保護板の破断強度は破封部の破断強度以下に設定してあるので、その変形により破封部と保護板とが共に破断する。これにより受圧孔の封止が解除されるので、受圧孔に連通しているガス容器内等のガスが、受圧孔からガス排出路を経て外部へ安全に放出される。
【0022】
なお上記の保護板は、合成樹脂材料などクリープを生じ易い材料で形成すると、ガス圧力をうけた際に流動変形して肉厚の一部が第2バックアップ部と受圧孔の内面との隙間などへ入り込むことから、破封部側表面の形状変形を一層小さく抑制でき、好ましい。但し本発明のこの保護板は、破断強度が上記の破封部の破断強度以下の材料で形成してあればよく、特定の材料に限定されない。
【0023】
上記の封止板は、例えばハウジングと押圧部材等との間に直接挟着してもよいが、この封止板の周縁部にガスケットを気密状に配置してハウジング等との間に挟着すると、この封止板の周囲での気密性を十分に確保することができ、好ましい。
【0024】
上記の封止板を形成する材料は、ガス透過性の低い材料であればよく、特定の材料に限定されないが、一般には金属材料が用いられ、なかでも銅などの、耐食性が高く延展性のある材料を用いると好ましい。この封止板は上記の受圧孔を封止できればよく、受圧孔に臨む破封部は作動器を介して低融点合金に支持されるので、高圧に耐える必要がない。そこで、上記の封止板の作動室とは反対側の表面をガス容器の内部空間に連通させ、上記の破封部の破断強度を、第1バックアップ部による支持を失ったときに上記のガス容器の常用圧力以下のガス圧力で破断する強度に設定すると、異常昇温により上記の低融点合金が溶融して破封部が支持を失えば、ガス容器内のガス圧が常用圧力より高くならなくとも簡単に破断して受圧孔の封止が解除され、速やかに安全作動するので、好ましい。
【0025】
上記の作動器は、付勢バネにより合金収容室側へ付勢しておくと、低融点合金が溶融した異常昇温時にこの付勢バネの弾圧力で速やかに合金収容室側へ移動することから、上記の破封部が急速に支持を失って破断し、速やかに安全作動できるので、好ましい。
【0026】
上記の作動器は、第1バックアップ部の中央部分から第2バックアップ部とは反対側に延設した円筒部を備え、上記の合金収容室をこの円筒部の周囲に形成し、この円筒部の内部に上記の受圧孔と連通する上記のガス排出路を形成することができる。この場合には、上記の受圧孔とガス排出路とを安全弁の中心軸に沿った一直線上に配置することができ、この安全弁と容器弁のガス逃し路との接続や、安全作動時に放出ガスを所望の外部へ案内するガス放出路と上記のガス排出路との接続が容易になるので、好ましい。
【発明の効果】
【0027】
本発明は上記のように構成され作用することから、次の効果を奏する。
【0028】
(1) 平常時にあっては、受圧孔に臨む封止板の破封部が、作動器を介して低融点合金に確りと支持されているので破断することがなく、受圧孔をこの破封部で封止できる。しかも上記の低融点合金はクリープが抑制されるので、この低融点合金により作動器を介して上記の破封部を長期に亙って確実に支持できる。
【0029】
(2) 保護部材の下流側の受圧孔内に第2バックアップ部が挿入してあるので、この保護部材が受圧孔に加わるガス圧力を受けても、大きく変形したり移動したりすることがなく、しかも、この保護部材の一部が第2バックアップ部と受圧孔の内面との隙間などへ入り込むように変形したとしても、破封部側表面の形状変形は小さく抑制されるので、この保護部材を介して上記の第2バックアップ部により上記の破封部を確実に支持することができる。
【0030】
(3) 封止板は、水素ガスのように分子量の小さいガスであっても透過を阻止することができる。しかも、破封部と第2バックアップ部との間に保護部材を介在させてあることから、上記の破封部は受圧孔へ流入しようとするガス圧力を受けても局所的に大きく変形することがなく、亀裂や破断の発生を防止でき、平常時には上記の封止板からのリークガスの発生を充分に低減することができる。
【0031】
(4) 雰囲気が所定温度以上に昇温すると、上記の低融点合金が流動化して作動器が移動し、この作動器を介して支持されていた破封部がその支持力を失うことから、保護部材とともに破封部が大きく変形し、破断する。この結果、異常時には速やかに受圧孔の封止を解除でき、ガス排出路からガスを安全に放出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1から図3は本発明の第1実施形態の安全弁の実施形態を示し、図1は平常時における安全弁の断面図、図2は破封部周辺の拡大断面図、図3は安全作動時における安全弁の断面図である。
【0033】
図1に示すように、この安全弁(1)はハウジング(2)内にガス入口路(3)と受圧孔(4)と作動室(5)とガス排出路(6)とを順に備える。上記のハウジング(2)は、図示しないガス容器へ付設されている容器弁(7)の本体ハウジング(8)に螺着固定してある。上記のガス入口路(3)は、この本体ハウジング(8)に形成されたガス逃し路(9)を介して上記のガス容器の内部空間に連通させてある。
【0034】
上記のハウジング(2)は、互いに螺着固定された第1ハウジング部材(2a)と筒状の第2ハウジング部材(2b)と筒状の第3ハウジング部材(2c)とからなり、この第1ハウジング部材(2a)が上記の本体ハウジング(8)に固定してある。この第1ハウジング部材(2a)と第2ハウジング部材(2b)との間には筒状のスリーブ(10)が配置してあり、このスリーブ(10)内に上記の受圧孔(4)が形成してある。このスリーブ(10)と上記の第1ハウジング部材(2a)との間には、金属製または合成樹脂製の環状のガスケット(11)を介して封止板(12)が挟持してあり、この封止板(12)により上記のガス入口路(3)と受圧孔(4)との連通が遮断してある。
【0035】
上記の封止板(12)は、水素ガスのように分子量が小さくても、このガスの透過が十分に阻止される材料で形成され、具体的には、例えば銅などの金属薄板で形成される。この封止板(12)の中央には、上記の受圧孔(4)へ臨む部分に破封部(13)が形成してある。この破封部(13)は、背面側に支持がなければ所定の圧力で、例えば前記のガス容器の常用圧力よりも低い圧力で、容易に変形して破断する強度に設定してあり、例えば上記の金属薄板の厚さが数十μmに形成してある。
【0036】
上記の第2ハウジング部材(2b)内には、上記の作動室(5)が形成してあり、この作動室(5)内にピストン状の作動器(14)が進退可能に挿入してある。この作動器(14)は、フランジ状に形成した第1バックアップ部(15)と、これよりも小径で受圧孔(4)側の一端に形成した第2バックアップ部(16)とを備えている。上記の第1バックアップ部(15)は外径が上記の作動室(5)の内径と略同じ寸法に形成され、外周面がこの作動室(5)の内面を摺動するように構成してある。一方、上記の第2バックアップ部(16)は外径が上記の受圧孔(4)の内径と略同じ寸法に形成され、この受圧孔(4)内へ進退可能に挿入されている。
【0037】
上記の第2ハウジング部材(2b)の内面には、筒状のガイド部材(17)が装着してある。上記の作動器(14)には、上記の第1バックアップ部(15)の中央部分から第2バックアップ部(16)とは反対側に円筒部(18)が延設してあり、この円筒部(18)が上記のガイド部材(17)内へ保密摺動可能に挿入されている。このガイド部材(17)と上記の第1バックアップ部(15)との間には、上記の円筒部(18)の周囲に合金収容室(19)が形成してある。この合金収容室(19)の周側面を構成する上記の第2ハウジング部材(2b)には、この合金収容室(19)と外部空間とを連通する合金排出孔(20)が透設してある。そしてこの合金収容室(19)に、例えば結晶温度が100〜110℃程度の低融点合金(21)が収容してある。
【0038】
上記の作動室(5)内には、上記の第1バックアップ部(15)と第2ハウジング部材(2b)の内面との間に付勢ばね(22)が配置してあり、この付勢ばね(22)の弾圧力で第1バックアップ部(15)を上記の合金収容室(19)側へ付勢してある。この第1バックアップ部(15)は、この合金収容室(19)に臨む被支持面(23)が、上記の低融点合金(21)に受け止められて支持される。
【0039】
一方、上記の受圧孔(4)内に挿入された第2バックアップ部(16)の先端と、前記の破封部(13)との間には、保護部材(P)として第2の低融点合金(24)が収容してある。上記の破封部(13)はこの第2低融点合金(24)を介して上記の第2バックアップ部(16)に受け止められており、従って、この破封部(13)は、第2低融点合金(24)と第2バックアップ部(16)と第1バックアップ部(15)とを順に介して、前記の合金収容室(19)内の低融点合金(21)に支持される。この低融点合金(21)に支持された第1バックアップ部(15)の上記の被支持面(23)は、上記の受圧孔(4)に臨む破封部(13)より広い面積に形成してある。
なお、上記の第2低融点合金(24)は、上記の合金収容室(19)内の低融点合金(21)と同一材質であってもよく、或いは異なる材質であってもよいが、例えば同じ結晶温度のものを用いて、同じ雰囲気温度で溶融するように構成すると好ましい。
【0040】
上記の作動器(14)には、上記の円筒部(18)の内部に、前記のガス排出路(6)の上流部分(6a)が形成してあり、作動室(5)内を介して上記の受圧孔(4)に連通させてある。前記の第3ハウジング部材(2c)にはガス排出路(6)の下流部分(6b)が形成してあり、上記の上流部分(6a)を、この第3ハウジング部材(2c)の端面に形成されたガス出口(25)へ連通してある。このガス出口(25)には、安全作動時に放出ガスを所望の外部へ案内する、図示しないガス放出路の配管が接続される。
【0041】
次に上記の安全弁の作動について説明する。
前記のガス逃し路(9)からガス入口路(3)に流入したガスの圧力は、上記の受圧孔(4)を封止している封止板(12)の破封部(13)に加わる。しかし、上記の合金収容室(19)内の低融点合金(21)や、受圧孔(4)内の保護部材(P)である第2低融点合金(24)は、雰囲気が所定の設定温度よりも低い平常時にあっては固相状態にある。上記の破封部(13)はこの第2低融点合金(24)と上記の作動器(14)とを介して上記の低融点合金(21)に確りと支持されており、上記のガス圧力を受けても破断されず、これにより上記の受圧孔(4)の封止が維持される。
【0042】
このとき、上記の合金収容室(19)内の低融点合金(21)に支持された第1バックアップ部(15)の被支持面(23)は、上記の受圧孔(4)に臨む破封部(13)より広い面積に形成してあるので、この破封部(13)に加わる上記のガス圧力に比べて、上記の被支持面(23)から低融点合金(21)に加わる押圧力が、その面積比に応じて弱められている。このため、この低融点合金(21)が高い応力を受けて前記の合金排出孔(20)から徐々に押しだされるという、クリープの発生が抑制される。この結果、上記の破封部(13)は作動器(14)を介してこの低融点合金(21)に長期に亙って支持され、受圧孔(4)が封止される。
【0043】
一方、前記のスリーブ(10)とハウジング(2)との間には、上記の封止板(12)が上記の受圧孔(4)を覆う状態に、ガスケット(11)を介して確りと挟着されている。この封止板(12)は、水素ガスのように分子量の小さいガスであっても、そのガスの透過を阻止することから、平常時には上記の受圧孔(4)がこの封止板(12)により確りと封止されており、前記のガス排出路(6)へ流出するリークガス量が十分に低減される。
【0044】
上記の封止板(12)の破封部(13)は、ガス逃し路(9)からのガス圧力で受圧孔(4)側へ押圧される。この受圧孔(4)に挿入された上記の作動器(14)の第2バックアップ部(16)は、後述の安全作動時に円滑に移動できるよう、受圧孔(4)内の内周面との間に僅かな隙間が形成されており、また先端の周縁部に面取加工が施されている。しかしこの第2バックアップ部(16)と上記の破封部(13)との間には第2低融点合金(24)が介在させてあるので、破封部(13)がガス入口路(3)内のガス圧力で押圧されても、上記の隙間に直接入り込んだり第2バックアップ部(16)の先端形状に沿って変形したりすることがない。
【0045】
上記の破封部(13)を支持する第2低融点合金(24)は、雰囲気が所定の設定温度以下であっても、上記のガス入口路(3)から受圧孔(4)に加わる高いガス圧力を受けてクリープを生じ、第2低融点合金(24)の一部が第2バックアップ部(16)の先端形状に沿って変形したり、上記の受圧孔(4)の内周面との間隙に入り込んだりすることがある。しかし、この第2低融点合金(24)の下流側の受圧孔(4)内には前記の第2バックアップ部(16)が挿入してあるので、第2低融点合金(24)はこの第2バックアップ部(16)に受け止められて、大きく変形したり受圧孔(4)から押し出されたりすることがなく、その変形量は僅かである。
【0046】
この結果、例えば図2に示すように、上記のクリープ現象により破封部(13)が、第2バックアップ部(16)側へ僅かに突出したドーム状に変形する。受圧孔(4)に加わるガス圧力は、このドーム状に変形した破封部(13)とこれを支持する第2低融点合金(24)とに均等に受け止められることから、この破封部(13)は局所的に大きく変形することがなく、平常時に亀裂を生じたり破断したりすることが防止される。
【0047】
火災の発生等により、上記の安全弁(1)の雰囲気が所定の設定温度、例えば105℃以上に達すると、上記の低融点合金(21)が溶融して液状になる。この結果、この低融点合金(21)が前記の合金排出孔(20)から押し出されるとともに、上記の第1バックアップ部(15)がこの低融点合金(21)による支持を失い、作動器(14)が合金収容室(19)側へ移動する。
なお、上記の第1バックアップ部(15)の周面にはOリング等のパッキン(26)が付設してあり、溶融した低融点合金(21)の一部が作動室(5)内へ容易に流入しないようにしてある。しかしこの低融点合金(21)が作動室(5)へ流入しても、前記の受圧孔(4)とガス排出路(6)との連通を閉塞する虞がなければ、このパッキン(26)を省略してもよい。
【0048】
上記の作動器(14)の移動に伴い、前記の第2バックアップ部(16)は受圧孔(4)から作動室(5)側へ移動し、また第2低融点合金(24)も雰囲気温度の上昇とともに溶融して液状になる。このため、上記の破封部(13)は第2バックアップ部(16)による支持を失い、ガス逃し路(9)からガス入口路(3)を経て受圧孔(4)へ流入しようとするガス圧力を受けて大きく変形し、図3に示すように破断して開封状態となる。このため、受圧孔(4)内に高圧のガスが流入し、第2バックアップ部(16)が受圧孔(4)から抜け出るとともに、受圧孔(4)内の第2低融点合金(24)が作動室(5)内へ押し出される。これにより受圧孔(4)の封止が解除されるので、前記のガス容器内の貯蔵ガスは、ガス逃し路(9)からガス入口路(3)と受圧孔(4)と作動室(5)とガス排出路(6)を順に経て、図示しないガス放出路から安全な外部へ案内されて放出される。
【0049】
図4と図5は本発明の第2実施形態を示し、図4は破封部周辺の拡大断面図、図5はクリープ現象を生じた状態での破封部周辺の拡大断面図である。
【0050】
図4に示すように、この第2実施形態では保護部材(P)として合成樹脂製の保護板(27)を用いてある。この保護板(27)は、封止板(12)の下流側面と重ね合わせた状態に配置してあり、この封止板(12)と保護板(27)とを、ハウジング(2)の内面とスリーブ(10)との間にガスケット(11)を介して挟着してある。上記のスリーブ(10)内に形成された受圧孔(4)には、作動器(14)の第2バックアップ部(16)が挿入してあり、この第2バックアップ部(16)の先端が上記の保護板(27)に当接してある。従って、上記の封止板(12)の中央部分に形成された破封部(13)は、保護部材(P)であるこの保護板(27)を介して上記の第2バックアップ部(16)に支持されている。
【0051】
上記の保護板(27)は、破断強度が破封部(13)の破断強度以下となるように材質と肉厚が設定してある。この強度の低い保護板(27)や上記の封止板(12)は、ガス入口路(3)からのガス圧を受けると変形し易く、さらに、この合成樹脂製の保護板(27)はクリープ現象を生じ易いので、例えば図5に示すように、保護板(27)の一部が第2バックアップ部(16)と受圧孔(4)の内面との隙間などへ入り込むように変形する。
【0052】
しかしながら上記の変形を生じても、保護板(27)に肉厚があり、また肉厚の一部がクリープにより流動するため、破封部(13)側表面の形状変形は小さく抑制される。このため、この保護板(27)を介して第2バックアップ部(16)に支持される上記の破封部(13)は、第2バックアップ部(16)側へ僅かに突出するだけであり、局所的に大きく変形することがないので、この変形による亀裂や破断の発生が防止される。
【0053】
上記の安全弁(1)の雰囲気が異常昇温して設定温度以上になると、上記の第1実施形態と同様、図外の低融点合金が溶融して合金収容室から排出され、作動器(14)とともに第2バックアップ部(16)が受圧孔(4)から抜け出る方向に移動する。これにより、上記の破封部(13)や保護板(27)が第2バックアップ部(16)による支持を失い、ガス入口路(3)から受圧孔(4)に加わるガス圧力で大きく変形する。この破封部(13)の破断強度は、上記の第1実施形態と同様、例えばガス容器の常用圧力以下のガス圧力で破断する強度に設定してあり、保護板(27)の破断強度はそれ以下に設定してあるので、破封部(13)と保護板(27)は上記の変形で共に破断する。この結果、上記の受圧孔(4)の封止が解除されるので、ガス容器内の貯蔵ガスは、ガス入口路(3)から受圧孔(4)と図外のガス排出路を経て外部へ安全に放出される。その他の構成は上記の第1実施形態と同様であり、同様に作用するので説明を省略する。
【0054】
上記の各実施形態で説明した安全弁は、本発明の技術的思想を具体化するために例示したものであり、各部の材質や形状、構造等をこれらの実施形態のものに限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲内において種々の変更を加え得るものである。
【0055】
例えば、上記の各実施形態では安全弁を容器弁に装着する場合について説明したが、本発明ではこの安全弁をガス配管に付設するものであってもよい。また、本発明の安全弁を容器弁に形成する場合には、上記の各実施形態のように安全弁のハウジングを容器弁の本体ハウジングとは別体に形成してもよく、或いは、容器弁の本体ハウジングを安全弁のハウジングに兼用することも可能である。さらに上記の各実施形態では安全弁のハウジングを3つの部材で構成したが、本発明の安全弁のハウジングは2以下の部材で構成したものであってもよく、或いは4以上の部材を組み合わせたものであってもよい。
【0056】
また、上記の各実施形態では、封止板(12)を受圧孔(4)の上流端に配置した。しかし本発明ではこの封止板を受圧孔の中間部に配置したものであってもよい。また、上記の各実施形態では作動器(14)の内部にガス排出路(6)の一部を形成したが、本発明ではガス排出路を作動室の周壁の任意の位置に形成してもよい。
【0057】
上記の各実施形態では封止板(12)の破封部(13)を、ガス容器の常用圧力以下のガス圧力で破断するように設定した。このため、異常昇温により上記の低融点合金が溶融して破封部が支持を失うと、速やかに安全作動することができる。しかしこの破封部は、ガス容器内の常用圧力より高い設定圧力で破断するように構成してもよい。この場合は雰囲気温度が異常上昇し、且つ、ガス容器内の圧力が異常上昇した際に安全作動することができる。
【0058】
上記の第1実施形態では保護部材を受圧孔内に配置し、第2実施形態では保護部材を受圧孔の上流側に配置した。しかし本発明ではこの保護部材を受圧孔の上流側と受圧孔の内部とに亘って配置してもよい。また上記の第1実施形態ではこの保護部材を低融点合金で構成し、第2実施形態では合成樹脂材料で形成した。しかし本発明のこの保護部材は、第2バックアップ部による支持が失われると変形するものであればよく、他の材料で構成することも可能である。
【0059】
上記の各実施形態ではガス排出路(6)にガス放出路を接続し、作動時にはこのガス放出路から安全な外部へガスを案内して放出するように構成した。しかし本発明では、ガスの種類などによっては、このガス排出路から直接大気中へ放出することも可能である。なお、上記の容器弁やガス容器の形状・構造等は特定のものに限定されず、さらにこのガス容器の貯蔵ガスも特定の種類に限定されないことはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の安全弁は、平常時はガス排出路からのリークガス量を十分に低減でき、雰囲気が所定温度以上に昇温すると速やかに作動してガス排出路からガスを安全に放出できるので、ガス容器や容器弁などに付設する安全弁に好適であり、特に、例えば燃料電池用の水素ガスボンベなど、高圧で分子量が小さいガスを貯蔵するガス容器等に付設する安全弁に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の第1実施形態を示す、平常時における安全弁の断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態の、破封部周辺の拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態の、安全作動時における安全弁の断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態を示す、破封部周辺の拡大断面図である。
【図5】本発明の第2実施形態の、クリープ現象を生じた状態での破封部周辺の拡大断面図である。
【図6】従来技術2を示す、破封部周辺の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0062】
1…安全弁
2…ハウジング
4…受圧孔
5…作動室
6…ガス排出路
12…封止板
13…破封部
14…作動器
15…第1バックアップ部
16…第2バックアップ部
18…円筒部
19…合金収容室
21…低融点合金
23…被支持面
24…第2低融点合金
27…保護板
P…保護部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)内に受圧孔(4)と作動室(5)とガス排出路(6)と合金収容室(19)とを備え、
上記の受圧孔(4)を封止板(12)で封止するとともに、この封止板(12)の少なくとも受圧孔(4)に臨む部分に所定圧力で破断する破封部(13)を設け、
上記の作動室(5)に作動器(14)を配置し、この作動器(14)に形成した第1バックアップ部(15)を、上記の合金収容室(19)に収容した低融点合金(21)で支持するとともに、この作動器(14)の一端に形成した小径の第2バックアップ部(16)を上記の受圧孔(4)に挿入して上記の破封部(13)を支持し、
この低融点合金(21)に支持された第1バックアップ部(15)の被支持面(23)を、上記の受圧孔(4)に臨む破封部(13)より広い面積に形成した安全弁であって、
上記の破封部(13)と上記の第2バックアップ部(16)との間に保護部材(P)を配置して、この保護部材(P)を介して上記の破封部(13)を上記の第2バックアップ部(16)で支持し、
上記の保護部材(P)は、上記の第2バックアップ部(16)による支持が失われると変形して、上記の破封部(13)の破封を許容するように構成したことを特徴とする、安全弁。
【請求項2】
上記の保護部材(P)を第2の低融点合金(24)で構成した、請求項1に記載の安全弁。
【請求項3】
上記の保護部材(P)を保護板(27)で構成し、この保護板(27)の破断強度を上記の破封部(13)の破断強度以下に設定した、請求項1に記載の安全弁。
【請求項4】
上記の封止板(12)の作動室(5)とは反対側の表面をガス容器の内部空間に連通し、
上記の破封部(13)の破断強度を、上記の第2バックアップ部(16)による支持を失ったときに、上記のガス容器の常用圧力以下のガス圧力で破断する強度に設定した、請求項1から3のいずれか1項に記載の安全弁。
【請求項5】
上記の作動器は、第1バックアップ部(15)の中央部分から第2バックアップ部(16)とは反対側に延設した円筒部(18)を備え、上記の合金収容室(19)はこの円筒部(18)の周囲に形成し、この円筒部(18)の内部に上記の受圧孔(4)と連通する上記のガス排出路(6)を形成した、請求項1から4のいずれか1項に記載の安全弁。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−95731(P2008−95731A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275262(P2006−275262)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(591038602)株式会社ネリキ (54)
【Fターム(参考)】