説明

安定化組成物

本発明は、UV吸収剤および場合によりさらなる抗酸化剤の組成物に関する。この組成物は、ボディケア製品、ハウスホールド製品、またはインク中の着色剤、染料、香料、芳香剤、有効成分等の感光性成分を紫外線および酸素による有害な作用に対し保護および安定化させるのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、UV吸収剤および場合によりさらなる抗酸化剤の組成物に関する。この組成物は、ボディケア製品、ハウスホールド製品、またはインク中の着色剤、染料、香料(scent)、芳香剤(fragrance)、有効成分等の感光性成分を紫外線および酸素による有害な影響に対し保護および安定化するために有用である。
【0002】
UV吸収剤の組成物を場合により抗酸化剤と組み合わせてこれらの製品に添加すると、このような有害な作用に対する安定化に特に効果的であることが見出されている。
【0003】
今日、消費者製品に関し商業的な成功を収めるためには、好印象を与える外観および新鮮な香りが不可欠である。このことがひと目で分かるように、今までにない芳香剤および有効成分を含む多彩な処方の洗練された製品が透明または薄い色のパッケージに入れられて陳列される場合が多い。しかし、このようなパッケージに入った製品は紫外線照射や酸素に曝されることが多く、それによって、製品に好印象を与える外観、有効成分、および芳香剤を破壊する分解が進行し、これが望ましくない変色、不快な異臭、および性能低下につながる可能性がある。
【0004】
透明なパッケージに入れられた製品をUV光を吸収することによって安定化させる様々な技法が周知であり、慣用されている。製品の安定性を高めたり貯蔵寿命を延ばしたりするためには、例えば、ベンゾフェノンやベンゾトリアゾール誘導体等の吸収特性を生かしたUV光吸収剤が使用される。しかしながら、これらの化合物は固体であり、溶解性が非常に限られている。この特徴のため、UV光吸収剤は最終製品形態中で再結晶化しやすくなることが多いので、所望の製品形態に混合することが非常に困難な場合が多い。その結果として、製品の美的な外観だけでなく防御特性も低下することになり、これは非常に望ましくないことである。製品をUV放射から保護するための安定剤として広く使用されているベンゾフェノン誘導体は、主としてUV−B領域を吸収し、したがって、着色剤、染料、香料、芳香剤、または有効化合物、およびこれらの混合物等の感光性成分の分解を完全に阻止することはできない。さらに、UV遮蔽剤、立体障害ニトロキシルおよびヒドロキシルアミン化合物の安定化用複合混合物が例えば国際公開第2005/042828号パンフレットに記載されている。
【0005】
光および酸素の有害な作用から効果的な保護を行う、優れた安定剤は、容易に入手可能であり、非常に高い費用対性能比を示し、UV−BだけでなくUV−Aに対しても優れた遮蔽効果を示し、良好な光安定性を示し、熱安定性に優れ、溶解性が非常に高く(好ましくは液体である)、化粧基剤と適合性があり、pH4〜9において安定であり、ボディケア製品、ハウスホールド製品、インク等の様々な製品に加工可能であり、他の成分およびパッケージ素材と適合性があるべきであり、かつ無色であり、そして無臭であるかまたは香りが良く、そして低揮発性であるべきである。
【0006】
4,4’−メトキシ−tert.ブチルジベンゾイルメタン(INCI:アボベンゾン、例えば、パーソル(PARSOL)(登録商標)1789として市販)は、光安定性および溶解性が限られているが、それと同時に優れたUV−A防御能を有していることが知られている。したがって、4,4’−メトキシ−tert.ブチルジベンゾイルメタンのみを安定剤として添加すると照射によって分解が起こることになるため、これは適切ではない。さらに、4,4’−メトキシ−tert.ブチルジベンゾイルメタンは、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等の従来使用されている他のUV遮蔽剤と相互作用することが知られている。したがって、このような組合せは好ましくないであろう。
【0007】
サリチル酸ホモメンチル(INCI:ホモサレート、例えば、パーソル(登録商標)HMSとして市販)および本発明による好ましい2−シアノ3,3−ジフェニルアクリル酸エステルである2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(INCI:オクトクリレン、例えば、パーソル(登録商標)340として市販)は、それ自体は吸光係数が低く、UV−B吸収剤としては不十分であり、単独では感光性成分を効果的に安定化させるのに適していない。
【0008】
有機UV吸収剤の組成物を、場合により油溶性抗酸化剤およびさらに場合により他の通常の化粧料添加剤またはその混合物と組み合わせたもの(以下、安定化組成物と称する)が、先行技術の欠点を克服し、したがって、ボディケア製品、ハウスホールド製品、またはインクに含まれる着色剤、染料、香料、芳香剤、および有効成分、またはこれらの混合物等の感光性成分をUV−AおよびUV−B放射ならびに酸素の有害な作用から保護して安定化させるのに好適なものであることがここに見出された。この組成物は液状であるので、あらゆる種類のボディケア製品やハウスホールド製品だけでなくインクにも容易に混合することができる。
【0009】
したがって、一実施形態においては、本発明は、
4,4’−メトキシ−tert.ブチルジベンゾイルメタンを少なくとも10重量%、好ましくは10〜20重量%と、
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステルを少なくとも50重量%、好ましくは50〜70重量%と、
サリチル酸ホモメンチルを少なくとも15重量%、好ましくは15〜30重量%と、
場合により、油溶性抗酸化剤を好ましくは0.5〜5重量%と、
さらに場合により、他の通常の化粧料添加剤と
を含む(成分の合計は100%である)安定化組成物に関する。
【0010】
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステルとは、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸のあらゆるエステルを包含する。このようなエステルとしては、線状または分岐のC1〜C10アルキルエステル(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec.ブチル、イソブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチル−ヘキシル、およびオクチルエステル)、C3〜C8シクロアルキルエステル(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルエステル)等が挙げられる。本発明のどの実施形態においても好ましい2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステルは、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル(INCI:エトクリレン)および2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(INCI オクトクリレン)である。最も好ましい2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステルは、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルである。
【0011】
油溶性抗酸化剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、α−トコフェロール、混合トコフェロール、天然トコフェロール、フェニル−α−ナフチルアミン、またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
混合トコフェロールという用語は、植物油等の油にα−、β−、γ−、およびδ−トコフェロールが最終的に溶解している混合物を指す。天然トコフェロールは大豆または小麦から得ることができ、通常は、最終的に植物油等の油に溶解しているα−、β−、γ−、およびδ−トコフェロールを含む。この種の製品は、例えば、drstraetmansからのDermofeel(登録商標)Toco70としてまたはDSM・ニュートリショナル・プロダクツ(DSM Nutritional products)からのMixed tocopherolsとして入手可能である。
【0013】
通常の化粧料添加剤の例としては、脂肪性物質、油、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、柔軟剤、乳化剤、消泡剤、湿潤剤、芳香剤、界面活性剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、もしくは両性ポリマー、またはこれらの混合物が挙げられる。
【0014】
安定化組成物のより好ましい実施形態は、
4,4’−メトキシ−tert.ブチルジベンゾイルメタンを少なくとも12重量%、好ましくは12〜17重量%と、
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステルを少なくとも50重量%、好ましくは55〜65重量%と、
サリチル酸ホモメンチルを少なくとも15重量%、好ましくは18〜25重量%と、
場合により、混合または天然トコフェロールを好ましくはその0.5〜5重量%と、
さらに場合により、他の通常の化粧料添加剤と
を含む(成分の合計は100%である)。
【0015】
最も好ましい安定化組成物は、
4,4’−メトキシ−tert.ブチルジベンゾイルメタンを15重量%と、
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステルを60重量%と、
サリチル酸ホモメンチルを23重量%と、
混合または天然トコフェロールを2重量%と
からなる。
【0016】
本発明はまた、先に定義した安定化有効量の安定化組成物を含むボディケア製品、ハウスホールド製品、またはインク、特に、ボディケア製品およびハウスホールド製品にも関する。好ましくは、ボディケア製品は、有効量の本発明による安定化組成物を含む香水、またはオーデコロン、オードトワレ、オードパルファム、香水等の化粧水(toilet water)、またはエクストレ(extrait)である。よりさらに好ましくは、この香水または化粧水は、エタノールを約60〜90重量%、よりさらに好ましくはエタノールを約75〜85重量%含む。
【0017】
本発明の範囲における「有効量」または「安定化有効量」という用語は、通常、処方全体を基準として、すなわち、ボディケア製品、ハウスホールド製品、またはインクの総重量を基準として、濃度が少なくとも0.02重量%であることを意味する。好ましくは、ボディケア製品、ハウスホールド製品、またはインクの総重量を基準として、0.05〜1重量%、最も好ましくは0.05〜0.5重量%の濃度が用いられる。
【0018】
本発明による安定化組成物は、ボディケア製品およびハウスホールド製品中において、感光性の着色剤、染料、香料、芳香剤、もしくは有効成分、またはこれらの混合物を安定化させるのに特に好適である。好ましくは、有効成分は、ビタミン類、カロテノイド類、植物抽出物、抗菌物質、ユビキノン類、フェノール類、ポリフェノール類、またはフラボノイド類から選択される。
【0019】
したがって、他の実施形態においては、本発明は、ボディケア製品およびハウスホールド製品中において、着色剤、染料、香料、芳香剤、有効成分、またはこれらの混合物を安定化させるための本発明による安定化組成物の使用に関する。好ましくは、本発明は、着色剤、染料、香料、芳香剤、またはこれらの混合物を安定化させるための本発明による安定化組成物の使用に関する。よりさらに好ましくは、本発明は、香水、化粧水、液体石鹸、洗剤等の透明な液状またはゲル様製剤中において、着色剤、染料、香料、芳香剤、またはこれらの混合物を安定化させるための本発明による安定化組成物の使用に関する。本発明による使用のためには、上に定義した有効量の安定化組成物が使用される。
【0020】
さらに本発明は、ボディケア製品およびハウスホールド製品中において、着色剤、染料、香料、芳香剤、有効成分、またはこれらの混合物を安定化させるための方法であって、本発明による安定化組成物をボディケア製品およびハウスホールド製品中に安定化有効量添加することを含む方法に関する。好ましくは、この有効成分は、ビタミン類、カロテノイド類、植物抽出物、抗菌物質、ユビキノン類、フェノール類、ポリフェノール類、またはフラボノイド類から選択される。好ましくは、安定化有効量は、製品の総重量の0.05〜0.5重量%の濃度範囲にある。
【0021】
本発明の他の実施形態においては、安定化組成物は、例えば、インクジェット印刷、鉛筆、マーカーペン、またはスタンプ用インク(endorsing ink)(染料ベースまたは顔料ベースのもの)に使用されるインク中に用いられるような感光性の着色剤および染料を安定化させるのにも好適である。このようなインク(したがって、このインクを用いて作製される例えばインクジェット印刷物も)は、着色剤が特にUV光の照射によって光分解するため、光による褪色を起こしやすい。意外なことに、本発明による安定化組成物が、インクに用いられる染料、着色剤、または顔料の光分解を阻害し、それによって耐光堅牢度を高めるのに特に好適であることが見出された。本発明による安定化組成物のインクを保護するための使用量は、少なくとも0.01重量%、好ましくは0.05〜5重量%の範囲、最も好ましくは0.05〜3重量%の範囲にある。
【0022】
一般に、ハウスホールド製品、ボディケア製品、およびインクの着色には、電磁放射(400〜4000nm)の可視光を吸収するあらゆる物質が適している。この吸収は、以下の発色団によって起こる場合が多い:アゾ−(モノ−、ジ−、トリス、またはポリ−)スチルベン−、カロテノイド−、ジアリールメタン−、トリアリールメタン−、キサンテン−、アクリジン−、キノリン−、メチン−(ポリメチン−も)チアゾール−、インダミン−、インドフェノール−、アジン−、オキサジン−、チアジン−、アントラキノン−インジゴ−、フタロシアニン、およびさらなる合成、天然、および/または無機発色団。
【0023】
本発明による安定化組成物を用いて安定化させることができるFD&CおよびD&C着色剤としては、例えば、クルクミン、リボフラビン、ラクトフラビン、タートラジン、チノリンイエロー(chinolinyellow)、コチニール、アゾルビン、アマランス、ポンソー4R、エリスロシン、レッド2G、インジゴチン、クロロフィル、クロロフィリン、カラメル、薬用炭(carbo medicinalis)、カロテノイド、カロテン、ビキシン、ノルビキシン、アナット、オーリン(orlean)、カプサンチン、カプソルビン、リコピン(lycopin)、キサントフィル、フラボキサンチン、ルテイン、クリプトアキサンチン(kryptoaxanthin)、ルビキサンチン、ビオラキサンチン、ロドキサンチン、カンタキサンチン、ベタニン、アントシアンが挙げられるが、これらに限定されるものではない。本発明により安定化することができる染料としては、例えば、酸化鉄(酸化鉄赤、酸化鉄黄、酸化鉄黒等)ウルトラマリン、酸化クロム緑、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。本発明による安定化組成物を用いて安定化することができる他の着色剤および染料には、天然または合成有機顔料、HC型の直接染毛剤のような溶媒中に溶解させてもよい分散染料、例えば、HC赤No.3、HC青No.2、および国際化粧品原料事典(インターナショナル・コスメティック・イングレディエント・ディクショナリー・ハンドブック;International Cosmetic Ingredient Dictionary Handbook)第7版、1997年)の一覧に記載されている他の染毛剤すべて、または国際カラーインデックス(Color Index International)、Society of Dyers and Coloristに列挙されている分散染料、着色ニス(多くのアニオン染料のCa−、Ba−、またはAl塩のような可溶性染料の不溶性塩)、可溶性アニオンまたはカチオン染料(酸性染料(アニオン性)、塩基性染料(カチオン性)、直接染料、反応染料、または油溶性染料、蛍光染料、フルオレセイン、およびイソチオシアネート)が含まれる。
【0024】
本発明による安定化組成物を用いて安定化することができるボディケア製品およびハウスホールド製品に使用される香料および芳香剤は、少なくとも1種、好ましくは多くの天然および/または合成由来の着香(odorant)成分を含む。天然着香剤の範囲には、容易に揮発する成分に加えて、中程度の揮発性を有する成分およびわずかしか揮発しない成分も含まれる。合成着香剤には、実質上あらゆる種類の典型的な着香物質が包含される。
【0025】
以下の一覧を構成するのは、本発明による安定化組成物を用いて安定化することができる周知の着香剤の例であるが、これらに限定されるものではない:ツリーモスアブソリュート、バジル油、トロピカルフルーツ油(tropical fruit oil)(ベルガモット油、マンダリン油等)、マスティックアブソリュート、マートル油、パルマローザ油、パチュリ油、プチグレン油、ワームウッド油、ラベンター油、ローズ油、ジャスミン油、イランイラン油等の天然生成物;アルコール:ファルネソール、ゲラニオール、リナロール、ネロール、フェニルエチルアルコール、ロジノール、ケイヒアルコール、(Z)−ヘキシ−3−エン−1−オール、メントール、a−テルピネオール等;シトラール、アルファ−ヘキシルシンナムアルデヒド、リリアール(Lilial)、メチルイオノン、ベルベノン、ヌートカトン、ゲラニルアセトン等のアルデヒド;フェノキシ酢酸アリル、サリチル酸ベンジル、プロピオン酸シンナミル、酢酸シトロネリル、酢酸デシル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酪酸ジメチルベンジルカルビニル、アセト酢酸エチル、イソ酪酸cis−3−ヘキセニル、サリチル酸cis−3−ヘキセニル、酢酸リナリル、ジヒドロジャスモン酸メチル、プロピオン酸スチラリル、酢酸ベチベリル、酢酸ベンジル、酢酸ゲラニル等のエステル;ガンマ−ウンデカラクトン、デルタ−デカラクトン、ペンタデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド等のラクトン;ビリジン(フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール)等のアセタール;およびインドール、p−メンタ−8−チオール−3−オン、メチルオイゲノール、オイゲノール、アネトール等の、香水製造によく用いられる他の成分。
【0026】
本発明による安定化組成物を用いて安定化することができるボディケア製品およびハウスホールド製品に使用される有効成分には、ビタミン類(トコフェロール、アスコルビン酸、リン酸アスコルビル、ビタミンQ、D、およびK、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等)、カロチノイド誘導体(ベータカロテン、リコペン、アスタキサンテン(asthaxanthene)等)、植物抽出物、抗菌成分、ジペプチド、オリゴペプチド、およびポリペプチドを含む不安定なアミノ酸(メチオネン(methionen)、システイン、シスチン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン(tyrosin)等)、フェノール類、ポリフェノール類、またはフラボノイド類、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、ユビチノンズ(Ubichinones)(コエンザイムQ10等)、セラミド、擬似セラミド、精油、植物抽出物、デオキシリボ核酸が含まれる。
【0027】
本発明によるボディケア製品は、スキンケア製剤、香料および/または芳香剤を含む製剤、ヘアケア剤、歯磨き剤、防臭剤および制汗剤、メイクアップ剤(decorative preparation)、光防御剤、ならびに機能性製剤である。好ましいボディケア製品は、スキンケア製剤、香料および/または芳香剤を含む製剤、ヘアケア剤、およびメイクアップ剤である。
【0028】
スキンケア製剤の例としては、特に、ボディオイル、ボディローション、ボディジェル、治療用クリーム、皮膚保護軟膏、ヒゲ剃りフォームまたはジェル等のヒゲ剃り剤、ベビーパウダー等の皮膚用パウダー、保湿ジェル、保湿スプレー、再活性化(revitalizing)ボディスプレー、セルライト用ジェル(cellulite gel)、抗ニキビ剤、およびピーリング剤が挙げられる。
【0029】
香料および/または芳香剤を含む製剤は、特に、香水、化粧水、およびヒゲ剃りローション(アフターシェーブ剤)である。
【0030】
ヘアケア剤の例としては、例えば、人間および動物用シャンプー、ヘアコンディショナー、毛髪のスタイリングおよび処理用製品、パーマ剤、ヘアスプレーおよびラッカー、ヘアジェル、整髪剤、ならびに染毛または脱色剤が挙げられる。
【0031】
歯磨き剤の例としては、特に、クリーム状歯磨き、ペースト状歯磨き、マウスウオッシュ、マウスリンス、歯石予防剤、および義歯洗浄剤が挙げられる。
【0032】
メイクアップ剤の例としては、特に、口紅、マニキュア、アイシャドー、マスカラ、水乾両用のメイクアップ用品(dry and moist make−up)、ほお紅、パウダー、脱毛剤、および日焼けローションが挙げられる。
【0033】
機能性製剤の例としては、ホルモン剤、ビタミン剤、植物抽出物製剤、抗菌剤等の有効成分を含む化粧料または皮膚科用組成物が挙げられる。
【0034】
本発明による化粧料および皮膚科用組成物等のボディケア製品は、液体、ローション、濃稠化ローション、ゲル、クリーム、乳液、軟膏、ペースト、パウダー、メイクアップ用品(make−up)、または固形チューブスティック(solid tube stick)の形態であってもよく、場合により、エアゾールとして包装してもよく、また、ムース、フォーム、またはスプレーフォーム、スプレー、棒状体、またはエアゾール、またはワイプ(wipe)の形態で提供してもよい。
【0035】
本発明によるボディケア製品は、溶媒または脂肪性物質中の懸濁液または分散液の形態であってもよいし、あるいはクリームや乳液等のエマルジョンまたはマイクロエマルジョン(特に、O/WまたはW/O型、O/W/OまたはW/O/W型)の形態、小胞体分散液、軟膏、ゲル、固形チューブスティック、またはエアゾールムースの形態であってもよい。エマルジョンはまた、アニオン性、非イオン性、カチオン性、または両性界面活性剤を含んでいてもよい。
【0036】
本発明による安定化組成物は、油相中または水相もしくは水性エタノール相中に存在してもよい。好ましくは、安定化組成物は、油相または水性エタノール相中に添加される。
【0037】
本発明によるボディケア製品またはハウスホールド製品はまた、防腐剤/抗酸化剤、脂肪性物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、柔軟剤、乳化剤、さらなる遮蔽剤、消泡剤、湿潤剤、芳香剤、界面活性剤、フィラー、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、もしくは両性ポリマーまたはこれらの混合物、噴射剤、酸性化剤もしくは塩基性化剤、染料、着色剤、顔料もしくはナノ顔料、光安定剤、昆虫忌避剤、日焼け剤、美白剤、抗菌剤、防腐剤、または化粧料に通常配合される他の任意の成分等の通常の補助剤および添加剤も含んでいてもよい。化粧料および皮膚科用補助剤および添加剤の必要量は、所望の製品に基づいて当業者が容易に選択することができ、これを実施例において例示するが、これらに限定されるものではない。
【0038】
さらなる遮蔽剤は、有利には、以下に列挙する化合物から選択されるが、これらに限定されるものではない:
【0039】
本発明の化合物との併用が考慮されるUVBまたは広帯域遮蔽剤、すなわち吸収極大が約290〜340nmの間にある物質の例としては、例えば、以下の有機および無機化合物:2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン、パーソル(登録商標)340)、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;4−メチルベンジリデンカンファー(パーソル(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファー、カンファーベンザルコニウムメトサルフェート、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、スルホベンジリデンカンファー、スルホメチルベンジリデンカンファー、テレフタリデン(therephthalidene)ジカンファースルホン酸等のカンファー誘導体;メトキシケイヒ酸オクチル(パーソル(登録商標)MCX)、メトキシケイヒ酸エトキシエチル、メトキシケイヒ酸ジエタノールアミン塩(パーソル(登録商標)ハイドロ(Hydro))、メトキシケイヒ酸イソアミル等のケイヒ酸エステルまたは塩の誘導体に加えてシロキサンに結合しているケイヒ酸誘導体;p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N−オキシプロピレン化p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸グリセリル等のp−アミノ安息香酸誘導体、ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ−ベンゾフェノン等のベンゾフェノン;4−メトキシベンザルマロン酸ジ−(2−エチルヘキシル)等のベンザルマロン酸のエステル;欧州特許公報EP0895776号明細書に記載されているような2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパン二酸ジエチルエステル等の2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)プロパン二酸のエステル;欧州特許公報、欧州特許第0358584B1号明細書、欧州特許第0538431B1号明細書、および欧州特許出願公開第0709080A1号明細書に記載されているようなベンズマロネート(benzmalonate)基を含む有機シロキサン化合物;ドロメトリゾールトリシロキサン(メキソリル(Mexoryl)XL);微粒子化されたTiO等の顔料(「微粒子化された」という用語は、粒度が約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmであることを指す。TiO粒子は、金属酸化物(例えば、酸化アルミニウムもしくは酸化ジルコニウム等)または有機被覆(例えば、ポリオール、メチコン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシラン等)でも被覆されていてもよい。このような被覆は当該技術分野において周知である。)、例えば2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸およびその塩(パーソル(登録商標)HS)等のイミダゾール誘導体(2−フェニルベンズイミダゾールスルホン酸の塩は、例えば、ナトリウムまたはカリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、モルホリン塩、第1級、第2級、および第3級アミンの塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)である。)、サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチル、サリチル酸オクチル(ネオヘリオパン(NEO HELIOPAN)OS)、サリチル酸イソオクチル、サリチル酸ホモメンチル(ホモサレート、ヘリオパン(HELIOPAN))等のサリチル酸エステル誘導体;オクチルトリアゾン(ユビナールT−150)、ジオクチルブタミドトリアゾン(ユバソーブ(UVASORB)HEB)、ビスエトキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブ(Tinosorb)S)等のトリアジン誘導体がある。本発明の化合物との併用が考慮される広帯域またはUVA遮蔽剤、すなわち吸収極大が約320〜400nmの間にある物質の例としては、例えば、以下の有機および無機化合物:4−tert.ブチル−4’−メトキシジベンゾイル−メタン(パーソル(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタン等のジベンゾイルメタン誘導体;2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール(チノソーブM)等のベンゾトリアゾール誘導体;2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)(ネオヘリオパンAP)等のフェニレン−1,4−ビス−ベンズイミダゾールスルホン酸または塩;欧州特許公報EP1046391号明細書に記載されているような2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシルエステル(ユビナールAプラス(plus))等のアミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン;微粒子化されたZnOまたはTiO等の顔料が挙げられる。「微粒子化された」という用語は、粒度が約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmであることを指す。この粒子はまた、他の金属酸化物(例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウム等)または有機被覆(例えば、ポリオール、メチコン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシラン等)で被覆されていてもよい。この種の被覆は当該技術分野において周知である。
【0040】
ジベンゾイルメタン誘導体の光安定性は限られていることから、このようなUV−A遮蔽剤を光安定化させることが望ましい場合がある。したがって、「従来のUV−A遮蔽剤」という用語は、例えば、欧州特許公報、欧州特許第0514491B1号明細書および欧州特許出願公開第0780119A1号明細書に記載されているような、例えば3,3−ジフェニルアクリル酸エステル誘導体;米国特許第5,605,680号明細書に記載されているようなベンジリデンカンファー誘導体;欧州特許公報、欧州特許第0358584B1号明細書、欧州特許第0538431B1号明細書、および欧州特許出願公開第0709080A1号明細書に記載されているようなベンズマロネート(benzmalonate)基を含む有機シロキサンで安定化されたパーソル(登録商標)1789等のベンゾイルメタン誘導体も指す。
【0041】
本発明に基づき、通常ボディケア製品、ハウスホールド製品および芳香剤製品に配合されるあらゆる周知の抗酸化剤を使用することができる。特に好ましい抗酸化剤は、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびこれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)および誘導体、ペプチド(例えば、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン、および誘導体(例えば、アンセリン))、カロテノイド、カロテン(例えば、アルファ−カロテン、ベータ−カロテン、リコペン)および誘導体、クロロゲン酸および誘導体、リポ酸および誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、金チオグルコース、プロピルチオウラシル、および他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ならびにそのグリコシル−、N−アセチル−、メチル−、エチル−、プロピル−、アミル−、ブチル−およびラウリル−、パルミトイル−;オレイル−、y−リノレイル−、コレステリル−、およびグリセリルエステル)およびその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、さらには非常に低い適切な投与量(compatible dose)(例えば、pmol bis μmol/kg)のスルホキシイミン化合物(ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタチオニンスルホキシイミン等)、さらには(金属)キレート剤(α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン(palmic)−、フィチン酸(phytinic acid)、ラクトフェリン等)、β−ヒドロキシ酸(クエン酸、乳酸、リンゴ酸等)、フミニック酸(huminic acid)、没食子酸、没食子酸抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(γ−リノール酸、リノール酸、オレイン酸等)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールならびにその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(パルミチン酸アスコルビルおよびテトライソパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、リン酸アスコルビルNa、酢酸アスコルビル等)、トコフェロールおよび誘導体(ビタミンE酢酸エステル等)、ビタミンE、ビタミンA、および誘導体(ビタミンAのパルミチン酸および酢酸エステル)の天然の混合物、さらには安息香酸コニフェリル、ルチン酸および誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングリシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トリヒドロキシブチロフェノン、尿素およびその誘導体、マンノースおよび誘導体、亜鉛および誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレン(selen)および誘導体(例えばセレノメチオニン(selenomethionin))、スチルベンおよび誘導体(スチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド等)、ならびに上記した有効成分の好適な誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチド、および脂質)からなる群から選択される。1種またはそれ以上の防腐剤/抗酸化剤が、組成物の総重量の少なくとも0.01重量%の量で存在してもよい。好ましくは、本発明の組成物の総重量の約0.01重量%〜約10重量%が存在する。最も好ましくは、1種またはそれ以上の防腐剤/抗酸化剤は、約0.1重量%〜約1重量%の量で存在する。
【0042】
典型的な製剤は、乳化剤、可溶化剤等の界面活性成分も含む。乳化剤は2種以上の不混和な成分を均一に混合させることができる。さらに乳化剤は、組成物を安定化させる作用を有する。本発明において、O/W、W/O、O/W/O、またはW/O/Wエマルジョン/マイクロエマルジョンを形成するために使用してもよい乳化剤としては、オレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−3、オレイン/イソステアリン酸のポリグリセロールエステル、ヘキサリシノール酸ポリグリセリル−6、オレイン酸ポリグリセリル−4、オレイン酸ポリジルセリル(polygylceryl)−4/ヤシ油脂肪酸PEG−8プロピレングリコール、オレアミドDEA、ミリスチン酸TEA、ステアリン酸TEA、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、リシノール酸カリウム、ヤシ油脂肪酸ナトリウム、牛脂脂肪酸ナトリウム、ヒマシ油脂肪酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、およびこれらの混合物が挙げられる。さらなる例示的な乳化剤は、リン酸エステルおよびその塩、例えば、リン酸セチル(アンフィソル(Amphisol)(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(アンフィソル(登録商標))、セチルリン酸カリウム(アンフィソル(登録商標)K)、オレイン酸グリセリルリン酸エステルナトリウム(sodium glyceryl oleate phosphate)、水添野菜脂肪酸グリセリズリン酸エステル、およびこれらの混合物である。さらに、乳化剤として1種またはそれ以上の合成ポリマーを使用してもよい。例えば、PVPエイコセンコポリマー、アクリレーツ/アクリル酸C10〜30アルキルクロスポリマー、アクリレーツ/メタクリル酸セテアレス−20コポリマー、PEG−22/ドデシルグリコールコポリマー、PEG−45/ドデシルグリコールコポリマー、およびこれらの混合物がある。好ましい乳化剤は、リン酸セチル(アンフィソル(登録商標)A)、セチルリン酸ジエタノールアミン(アンフィソル(登録商標))、セチルリン酸カリウム(アンフィソル(登録商標)K)、PVPエイコセンコポリマー、アクリレーツ/アクリル酸C10〜30アルキルクロスポリマー、イソステアリン酸PEG−20ソルビタン、イソステアリン酸ソルビタン、およびこれらの混合物である。1種またはそれ以上の乳化剤は、組成物の総重量の少なくとも0.01重量%で存在する。好ましくは、本発明の組成物の総重量の約0.01重量%〜約20重量%が使用される。最も好ましくは、約0.1重量%〜約10重量%の乳化剤が使用される。
【0043】
脂質相は、有利には、鉱物油および鉱物ワックス;カプリン酸もしくはカプリル酸のトリグリセリド等の油、好ましくはヒマシ油;油もしくはワックスおよび他の天然もしくは合成油、好ましい実施態様においては、脂肪酸とアルコール(例えば、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン)とのエステルもしくは脂肪族アルコールと炭酸もしくは脂肪酸とのエステル;安息香酸アルキル;および/またはジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、シクロメチコン等のシリコーン油、ならびにこれらの混合物から選択することができる。
【0044】
本発明のエマルジョン、マイクロエマルジョン、油性ゲル(oleo gel)、水分散液(hydrodispersion)、または脂肪分散液(lipodispersion)の油相に添加することができる代表的な脂肪性物質は、有利には、3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の線状または分岐のアルキルカルボン酸と3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の線状および/または分岐のアルコールとのエステルならびに芳香族カルボン酸と3〜30個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の線状または分岐のアルコールとのエステルから選択される。このようなエステルは、有利には、パルミチン酸オクチル、ヤシ油脂肪酸オクチル、イソステアリン酸オクチル、ドデシルミリスチン酸オクチル、イソノナン酸セテアリル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、ヘプタン酸ステアリル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、ステアリン酸トリデシル、トリメリト酸トリデシルに加えて、この種のエステルの合成、半合成、または天然の混合物(例えばホホバ油)から選択することができる。
【0045】
本発明の製剤中に使用するのに好適な他の脂肪性成分としては、レシチンおよび脂肪酸トリグリセリド(すなわち8〜24個の炭素原子、好ましくは12〜18個の炭素原子を有する飽和および/または不飽和の直鎖または分岐のカルボン酸のトリグリセロールエステルであり、この脂肪酸トリグリセリドは、好ましくは、合成、半合成、または天然の油、例えば、ヤシ油脂肪酸グリセリド、オリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、甘扁桃油、パーム油、ヤシ油、ヒマシ油、水添ヒマシ油、小麦油(wheat oil)、葡萄種子油、マカデミアナッツ油等から選択される)等の極性油;線状および/または分岐の炭化水素およびワックス等の非極性油、例えば、鉱物油、ワセリン(ペトロラタム);パラフィン、スクアランおよびスクアレン、ポリオレフィン、水素化ポリイソブテン、およびイソヘキサデカン(好ましいポリオレフィンはポリデセン);ジカプリリルエーテル等のジアルキルエーテル;好ましくはシクロメチコン等の線状または環状シリコーン油(オクタメチルシクロテトラシロキサン;セチルジメチコン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン);ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0046】
本発明の製剤に有利に添加することができる他の脂肪性成分は、イソエイコサン;ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール;ジカプリル酸/ジカプリン酸プロピレングリコール;コハク酸ジ(カプリル/カプリン酸)グリセリル;カプリル酸/カプリン酸ブチレングリコール;乳酸C12〜13アルキル;酒石酸ジC12〜13アルキル;トリイソステアリン;ヘキサカプリル酸/ヘキサカプリン酸ジペンタエリスリチル;モノイソステアリン酸プロピレングリコール;トリカプリリン;ジメチルイソソルビッドである。安息香酸C12〜15アルキルおよびイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物、安息香酸C12〜15アルキルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物に加えて、安息香酸C12〜15アルキル、イソステアリン酸2−エチルヘキシル、およびイソノナン酸イソトリデシルの混合物を使用すると特に有利である。
【0047】
本発明の製剤の油相は、天然の植物または動物性ワックス、例えば、ミツロウ、シナロウ、マルハナバチのミツロウ(bumblebee wax)、および他の昆虫由来のワックスに加えてシヤ脂およびカカオ脂も含んでいてもよい。
【0048】
本発明の生成物には、皮膚の水和の維持または水分補給のために湿潤剤を添加してもよい。保護被膜を供することによって皮膚から水分が蒸発するのを防ぐ湿潤剤はエモリエント剤と呼ばれる。エモリエント剤にはさらに、皮膚表面を柔軟化および沈静化する作用があり、一般に外用として安全であるとみなされている。好ましいエモリエント剤としては、鉱物油、羊毛脂、ペトロラタム、(カプリン/カプリル酸)グリセルアルデヒド(capric/caprylic triglyceraldehyde)、コレステロール、シリコーン(ジメチコン、シクロメチコン等)、扁桃油、ホホバ油、アボカド油、ヒマシ油、ゴマ油、ヒマワリ油、ヤシ油、およびブドウ種子油、カカオ脂、オリーブ油アロエ抽出物、脂肪酸(オレイン、ステアリン等)、脂肪族アルコール(セチル、ヘキサデシル(エンジャイ(ENJAY))等)、アジピン酸ジイソプロピル、ヒドロキシ安息香酸エステル、C9〜15アルコールの安息香酸エステル、イソノナン酸イソノニル、エーテル(ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル等)、および安息香酸C12〜15アルキル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。最も好ましいエモリエント剤は、ヒドロキシ安息香酸エステル、アロエベラ、安息香酸C12〜15アルキル、およびこれらの混合物である。エモリエント剤は、生成物の総重量の約1重量%〜約20重量%の量で存在する。エモリエント剤の好ましい量は、約2重量%〜約15重量%、最も好ましくは約4重量%〜約10重量%である。
【0049】
水と結合することによってこれを皮膚表面に保持する湿潤剤は保湿剤と呼ばれる。本発明の生成物に添加することができる保湿剤の例は、グリセリン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、乳酸、ピロリドンカルボン酸、尿素、リン脂質、コラーゲン、エラスチン、セラミド、レシチンソルビトール、PEG−4、およびこれらの混合物である。さらなる好適な湿潤剤は、水溶性および/または膨潤性/および/または水ゲル化性を有する多糖類系の高分子湿潤剤、例えば、ヒアルロン酸、キトサン、および/またはフコースに富む多糖類(例えば、フコゲル(Fucogel)(登録商標)1000(CAS−Nr.178463−23−5)としてソラビア社(SOLABIA S)より入手可能)等である。本発明の生成物中には、1種またはそれ以上の保湿剤が、場合により約0.5重量%〜約8重量%、好ましくは約1重量%〜約5重量%存在する。
【0050】
本発明の生成物の水相は、通常の化粧料添加剤、例えば、アルコール、特に低級アルコール、好ましくはエタノールおよび/またはイソプロパノール、低級ジオールまたはポリオールおよびそのエーテル、好ましくはプロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチル−またはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル−または−モノエチル−または−モノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチル−または−モノエチルエーテルおよび類似の生成物、ポリマー、整泡剤;電解質、ならびに特に1種またはそれ以上の増粘剤を含んでいてもよい。生成物の粘稠性を好適なものにするのを助けるために本発明の製剤に使用してもよい増粘剤としては、カルボマー、二酸化ケイ素、ケイ酸マグネシウムおよび/またはケイ酸アルミニウム、ミツロウ、ステアリン酸、ステアリルアルコール多糖類およびその誘導体(キサンタンガム等)、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリルアミド、アクリレートクロスポリマー(好ましくは、カーボポール(carbopole)(登録商標)980、981、1382、2984、5984等のカルボマー)を、単独でまたは混合物としたものが挙げられる。例えば乳化剤または起泡剤/整泡剤等の成分を中和するために本発明の生成物に含有させてもよい中和剤の例としては、これらに限定されるものではないが、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;ジエタノールアミン(DEA)、トリエタノールアミン(TEA)、アミノメチルプロパノール、およびこれらの混合物等の有機塩基;アルギニンやリジン等のアミノ酸;ならびに上記したものの任意の組合せが挙げられる。中和剤は、本発明の生成物中に、約0.01重量%〜約8重量%、好ましくは1重量%〜約5重量%の量で存在してもよい。
【0051】
疎水性乳化剤の挙動を変えるために本発明の生成物中に電解質を添加することが必要になる場合がある。したがって、本発明のエマルジョン/マイクロエマルジョンは、これらに限定されるわけではないが、好ましくは、塩化物、硫酸、炭酸、ホウ酸、アルミン酸等の陰イオンを含む1種または数種の塩である電解質を含んでいてもよい。他の好適な電解質は、これらに限定されるわけではないが、乳酸、酢酸、安息香酸、プロピオン酸、酒石酸、クエン酸等の有機陰イオンをベースとするものであってもよい。陽イオンとしては、好ましくは、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカリもしくはアルカリ土類金属、マグネシウム、鉄、または亜鉛イオンが選択される。特に好ましい塩は、塩化カリウムおよび塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸亜鉛、ならびにこれらの混合物である。電解質は、本発明の生成物中に、約0.01重量%〜約8重量%の量で存在してもよい。
【0052】
さらなる光安定剤を添加することが望ましい場合もある。この種の光安定剤は、例えば、モノマーまたはポリマーの性質を有し得る立体障害アミン光安定剤(HALS)として周知である。これらは例えば、N,N’−ビスホルミル−N,N’−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−ヘキサメチレンジアミン(ユビナール4050H)、セバシン酸ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)(ユビナール4077H)、セバシン酸(ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)+セバシン酸メチル−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(ユビナール4092H)、セバシン酸ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、コハク酸ビス(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)、セバシン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン−4−イル)、n−ブチル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)エステル、1−ヒドロキシエチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−tert−オクチルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−s−トリアジンとの縮合生成物、ニトリロ三酢酸トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)、1,2,3,4−ブタン四酸テトラキス(2,2,6,6−テトラ−メチル−4−ピペリジル)、1,1’−(1,2−エタンジイル)−ビス(3,3,5,5−テトラメチルピペラジノン)、4−ベンゾイル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−n−ブチル−2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルベンジル)マロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)、3−n−オクチル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン、N,N−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−モルホリノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラ−メチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、2−クロロ−4,6−ジ(4−n−ブチルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジル)−1,3,5−トリアジンと1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンとの縮合生成物、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]−デカン−2,4−ジオン、3−ドデシル−1−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ピロリジン−2,5−ジオン、3−ドデシル−1−(1,2,2,6,6−ペンタメチ(pentamethy)−ル4−ピペリジル)−ピロリジン−2,5−ジオン、4−ヘキサデシルオキシ−および4−ステアリルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの混合物、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミンと4−シクロヘキシルアミノ−2,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジンとの縮合生成物、1,2−ビス(3−アミノプロピルアミノ)エタンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンと4−ブチルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンとの縮合生成物(CAS reg.No.[136504−96−6]);(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−n−ドデシルスクシンイミド、2−ウンデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソ−スピロ[4,5]デカン、7,7,9,9−テトラメチル−2−シクロウンデシル−1−オキサ−3,8−ジアザ−4−オキソスピロ[4,5]デカンとエピクロロヒドリンとの反応生成物からなる群から選択されるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
本発明によるボディケア製品中に使用してもよい昆虫忌避剤の例としては、例えば、N,N−ジエチル−m−トルアミド、1,2−ペンタンジオール、またはインセクト・リペラント(insect repellant)3535が挙げられる。
【0054】
セルフタンニング成分の例としては、例えば、ジヒドロキシアセトンおよび/もしくはエリトルロースまたはジヒドロキシアセトンおよび/もしくは国際公開第01/85124号パンフレットに記載のジヒドロキシアセトン前駆体および/もしくはエリトルロースが挙げられる。
【0055】
美白成分の例としては、例えば、ビタミンC、アスコルビルリン酸ナトリウム、およびアスコルビルリン酸マグネシウムが挙げられる。
【0056】
防臭有効成分として考慮されるものとしては、例えば、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムヒドロキシアセテート、および酸性アルミニウム/ジルコニウム塩等の制汗剤が挙げられる。さらなる防臭有効成分としてエステラーゼ阻害剤も添加してもよい。この種の阻害剤は、好ましくは、クエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、および特にクエン酸トリエチル(Hydagen CAT、ヘンケル(Henkel))等のクエン酸トリアルキルであり、これらは酵素活性を阻害し、したがって、臭いの形成を低減させるものである。エステラーゼ阻害剤として考慮されるさらなる物質には、ステロール硫酸またはリン酸(例えば、ラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロール、およびシトステロール硫酸またはリン酸)、ジカルボン酸およびそのエステル(例えば、グルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステル)、ならびにヒドロキシカルボン酸およびそのエステル(例えば、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、または酒石酸ジエチルエステル)がある。細菌叢に影響を及ぼして汗を分解する細菌を殺菌するかまたは成長を阻害する抗菌有効成分も同じく製剤中に存在してもよい(特に棒状製剤)。他に存在してもよい抗菌物質は、キトサン、フェノキシエタノール、およびグルコン酸クロルヘキシジン−5−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェノキシ)−フェノール(トリクロサン(Triclosan)、イルガサン(Irgasan)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インコーポレーテッド(Ciba Specialty Chemicals Inc.))である。
【0057】
使用してもよいフケ防止剤の例としては、ジムバゾール(dimbazole)、オクトピロックス(octopirox)、および亜鉛ピリチオンが挙げられる。慣用の皮膜形成剤としては、例えば、キトサン、微結晶キトサン、四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸を高比率で含む第四級セルロース誘導体のポリマー、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩、ならびに類似の化合物が挙げられる。
【0058】
防腐剤の例としては、メチル−、エチル−、プロピル−、ブチルパラベン、塩化ベンザルコニウム、2−ブロモ−2−ニトロ−プロパン−1,3−ジオール、デヒドロ酢酸、ジアゾリジニル尿素、2−ジクロロベンジルアルコール、DMDMヒダントイン、ホルムアルデヒド溶液、メチイジブロモグルタロニトリル(Methyidibromoglutaronitrile)、フェノキシエタノール、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、イミダゾリジニル尿素、トリクロサン、および以下の参考文献に列挙されているさらなる種類の物質:K・F・デ・ポロ(K.F.De Polo)、美容術簡易教本(ア・ショート・テキストブック・オブ・コスメトロジー;A short textbook of cosmetology)、第7章、表7−2、7−3、7−4、および7−5、pp.210〜219が挙げられる。
【0059】
細菌抑制剤の典型例としては、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、クロルヘキシジン(1,6−ジ(4−クロロフェニル−ビグアニド)ヘキサン)、またはTCC(3,4,4’−トリクロロカルバニリド)等のグラム陽性菌に特異的に作用する防腐剤が挙げられる。芳香族物質およびエーテル性油にも抗菌性を有するものが多い。典型的な例としては、クローブ油、ハッカ油、およびタイム油中の有効成分であるオイゲノール、メントール、およびチモールが挙げられる。興味深い天然防臭剤は、リンデン油中に存在するテルペンアルコールであるファルネソール(3,7,11−トリメチル−2,6,10−ドデカトリエン−1−オール)である。モノラウリン酸グリセロールも静菌剤であることが証明されている。このさらなる細菌抑制剤は、通常、製剤の固形分を基準として、0.1〜2重量%の量で存在させる。
【0060】
本安定剤組成物は、ボディケア製品を安定化させるのに特に好適である。特に:
・スキンケア製剤、例えば、錠剤形態または液体石鹸形態の皮膚洗浄および清浄化剤、サップレス(sapless)洗剤、またはペースト状洗剤(washing paste)、
・浴用剤、例えば、液体(フォームバス、乳液、シャワー用剤)または固形浴用剤、例えば、バスキューブおよびバスソルト;
・スキンケア製剤、例えば、スキンエマルジョン、多相エマルジョン、またはスキンオイル;ボディオイル、ボディローション、ボディジェル;皮膚保護軟膏;
・パーソナルケア用化粧製剤、例えば、昼用クリームまたはパウダー入りクリーム(powder cream)の形態の顔用メイクアップ用品、おしろい(粉または固形)、ほお紅またはクリーム状メイクアップ用品、目元ケア製剤、例えば、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、アイクリーム、またはアイメイク用下地クリーム(eye−fix cream);リップケア製剤、例えば、口紅、リップグロス、リップペンシル、ネイルケア製剤、例えば、マニキュア、除光剤、ネイルハードナー、または甘皮除去剤;
・フットケア製剤、例えば、足浴剤、フットパウダー、フットクリーム、またはフットバルサム、特殊な防臭剤および制汗剤またはタコ除去剤;
・日焼け剤、例えば、セルフタンニングクリーム;
・脱色剤、例えば、皮膚の脱色剤または美白剤;
・昆虫忌避剤、例えば、昆虫忌避オイル、ローション、スプレー、スティック;
・防臭剤、例えば、防臭スプレー、ポンプ式スプレー、防臭ジェル、スティック、またはロールオン;
・制汗剤、例えば、制汗スティック、クリーム、またはロールオン;
・傷んだ皮膚の清浄化および手当て用製剤、例えば、合成洗剤(固体または液体)、ピーリングもしくはスクラブ剤またはピーリング用パック;
・薬品形態の体毛除去用製剤(除毛剤)、例えば、除毛パウダー、液体除毛剤、クリームまたはペースト形態の除毛剤、ゲル形態またはエアゾールフォームの除毛剤;
・ヒゲ剃り剤、例えば、ヒゲ剃り用石鹸、起泡性ヒゲ剃り用クリーム、非起泡性ヒゲ剃り用クリーム、フォーム、およびジェル、ドライシェービング用プレシェーブ製剤、アフターシェーブ剤またはアフターシェーブローション;
・香料製剤または芳香製剤、例えば、香料、芳香剤、および/または着香成分を含む製剤、例えば、香水、オーデコロン、オードトワレ、オーデパルファム、オードトワレ、香料油、または練り香水;
・毛髪手入れ用化粧品製剤、例えば、シャンプーおよびコンディショナー形態の毛髪洗浄剤、ヘアケア剤(例えば、前処理剤)、ヘアトニック、スタイリング用クリーム、スタイリング用ジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中ヘアトリートメント、毛髪にクセ付けする製剤(hair−structuring preparation)(例えば、パーマネントウェーブ用ヘアパーマ剤(ホットパーマ、マイルドパーマ、コールドパーマ)、直毛化剤、液状ヘアセット剤、ヘアフォーム、ヘアスプレー)、脱色剤、例えば、過酸化水素溶液、脱色シャンプー(lightening shampoo)、脱色クリーム、脱色パウダー、脱色ペーストまたはオイル、一時的、半永久的、または永久的な染毛剤、自動酸化型染料を含む製剤、またはヘナやカモミール等の天然染毛剤;
・歯磨き剤、特に、クリーム状歯磨き、ペースト状歯磨き、マウスウオッシュ、マウスリンス、歯石予防剤、および義歯洗浄剤;
?メイクアップ剤、特に、口紅、マニキュア、アイシャドー、マスカラ、水乾両用メイクアップ用品、ほお紅、パウダー、脱毛剤、および日焼けローション、
・有効成分、特に、ホルモン剤、ビタミン剤、植物抽出物製剤、および抗菌剤を含む化粧製剤が挙げられる。
【0061】
ここに列挙した最終配合物は、様々な提供形態、例えば、W/O、O/W、O/W/O、W/O/W、またはPITエマルジョンおよびあらゆる種類のマイクロエマルジョンのような液体製剤形態、ゲル形態、オイル、クリーム、乳液、もしくはローション形態、棒状形態、スプレー(噴射ガスを含むスプレーまたはポンプ式スプレー)もしくはエアゾール形態、フォーム形態、またはペースト形態で存在し得る。
【0062】
本発明による皮膚用化粧製剤として特に重要なのは、着色剤、染料、有効成分、香料、芳香剤、またはこれらの混合物を含む製剤、例えば、日焼け止め乳液、ローション、クリーム、ワイプ、オイル、日焼け止めまたはトロピカル(tropical)、日焼け前用製剤または日焼け後用製剤に加え、日焼け用製剤(例えば、セルフタンニングクリーム)である。
【0063】
毛髪用化粧品製剤として特に重要なのは、上述した毛髪処理用製剤、特に、シャンプー形態の毛髪洗浄剤、ヘアコンディショナー、ヘアケア剤(例えば、前処理剤)、ヘアトニック、スタイリング用クリーム、スタイリング用ジェル、ポマード、ヘアリンス、トリートメントパック、集中ヘアトリートメント、直毛化剤、液状ヘアセット剤、ヘアフォームおよびヘアスプレーである。特に興味深いのは、シャンプー形態の毛髪洗浄剤である。
【0064】
本安定化組成物はまた、家庭用洗剤および処理剤、例えば、洗濯用製品および衣料用柔軟仕上げ剤、非合成洗剤系衣料品(non−detergent based fabric product)、液体洗浄および研磨剤、グラス用洗剤、中性洗剤(多目的洗剤)、家庭用酸洗剤(浴槽)、浴室用洗剤(例えば、洗浄、濯ぎ用)、ならびに食器用洗剤、台所およびオーブン用洗剤、濯ぎ剤(clear rinsing agent)、食器洗浄機用洗剤、靴磨き剤、つや出しワックス、床用洗剤およびつや出し剤、金属、ガラス、およびセラミック用洗剤、織物の手入れ用製品、ラグ用洗剤およびカーペット用シャンプー、さび、着色、および染みを除去するための薬剤(染み抜き用塩)、家具用および多目的つや出し剤、ならびに皮革およびビニル用手入れ剤(皮革およびビニル用スプレー)、ならびに消臭剤中の感光性の着色剤、染料、香料、芳香剤、有効成分、またはこれらの混合物を安定化させるのに適している。
【0065】
本発明はまた、家の手入れおよび布地の手入れ用品、例えば、排水管用洗剤、消毒液、椅子張り地(upholstery)用洗剤、自動車の手入れ用製品(例えば、塗装、タイヤ、金属部品、ビニル、皮革、布地、ゴム、プラスチック、および布地の洗浄ならびに/またはつや出しおよび保護用)、脱脂剤、つや出し剤(ガラス、木材、皮革、大理石、御影石、タイル等)、ならびに金属用つや出し剤および洗剤中の感光性の着色剤、染料、および/または芳香剤、および/または有効成分の安定化にも関する。上述の製品に加えて衣類乾燥機用シート中の芳香剤を保護するためには抗酸化剤が好適である。
【0066】
本発明はまた、ロウソク、ゲル状ロウソク、消臭剤、および芳香油(家庭用)等の家の手入れ用製品中に含まれる感光性の着色剤、染料、香料、芳香剤、有効成分、またはこれらの混合物の安定化にも関する。
【0067】
本発明の安定剤は、布地を使用した後に行われる布地の処理(布地の手入れと称される)にも用いてもよい。このような処理には、洗濯(洗剤、洗濯助剤、および/または洗濯仕上げ剤を使用)および非合成洗剤系の布地手入れ用製品(スプレー式の製品等)の適用が含まれる。このような方法で用いられる場合は、本安定剤は、布地の上に付着させることが意図されており、上記布地に含まれる布、着色剤、および芳香剤を環境による損傷から保護するために使用される。
【0068】
以下の実施例を用いて本発明をさらに例示する。これらの実施例はあくまで例示を目的とするものであって、本発明の範囲を何ら限定することを意図するものではない。
【0069】
実施例においては以下の安定化組成物を使用する:
4,4’−メトキシ−tert.ブチルジベンゾイルメタン(アボベンゾン、パーソル(登録商標)1789)を15重量%と、
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン、パーソル(登録商標)340)を60重量%と、
サリチル酸ホモメンチル(ホモサレート(登録商標)、パーソルHMS)を23重量%と、
天然トコフェロール(drstraetmansからのDermofeel(登録商標)Toco70)を2重量%。
【0070】
[実施例1]
[溶解性]
着色剤、染料、芳香剤、および有効成分を安定化する際によく生じる問題が、最終形態の製品中における安定剤/安定化組成物の溶解性または結晶化である。これにより、最終製品中で望ましくない沈殿または濁りが生じ、これは非常に好ましくないものである。
【0071】
したがって、香水に一般に用いられる水およびエタノール(96%)の混合物(53.9/46重量%)への本発明による安定化組成物の溶解性を、広く用いられているベンゾフェノン群の安定剤と比較した。
【0072】
【表1】

【0073】
本発明による安定化組成物は溶解したままであり、溶液は透明であったが、一方、対照試料は濁りおよび沈殿が生じたため化粧的に許容できないものとなった。
【0074】
[実施例2 着色剤および/または芳香剤の安定化]
[A:オードトワレ中における着色剤および芳香剤の安定化]
Jaune De Quinoleine(Cl 47005)を0.74ppmとFD&C赤40 W093(Cl 16035)を0.74ppmとで着色された、香水基剤(Poe AON)10重量%、水19.9重量%、エタノール(96%)70重量%の混合物を含み、本発明による安定化組成物0.1重量%で安定化されたオードトワレを80MEDで照射した。その後の変色をミノルタ(Minolta)CM−3600で測定し、未照射の試料と比較した。さらに、試料の匂いの変化を嗅覚により比較した。
【0075】
【表2】

【0076】
この結果からわかるように、安定化組成物を含む試料はまったくと言っていいほど変色せず、一方、対照には著しい変色が認められる。また、安定化組成物を含む試料は嗅覚的変化を認めることができず、一方、対照試料からは著しい異臭が感じられた。
【0077】
[B:液体石鹸中における着色剤の安定化]
【0078】
【表3】

【0079】
異なる着色剤を含む液体石鹸を100MEDで照射し、ティンツ;パントン・カラー・ティント・セレクター(Tints; PANTONE Color Tint Selector)、パントン色見本帳(ザ・パントン・ライブラリー・オブ・カラー;The PANTONE Library of Color)に従い目視で色を決定した。
【0080】
【表4】

【0081】
【表5】

【0082】
【表6】

【0083】
ここに示す結果からわかるように、本発明の安定化組成物によって着色剤の劣化が効果的に阻止される。この安定化作用は、市販の標準的なベンゾフェノン−4およびベンゾフェノン−1に匹敵するかまたはそれを上回っている。
【0084】
[実施例3]
[シャワージェル]
【0085】
【表7】

【0086】
[実施例4]
[ヘアスタイリングスプレー]
【0087】
【表8】

【0088】
まずヒドロキシプロピルセルロースを半量のアルコールに溶解し、次いで、アミノメチルプロパノールを装入する。アクリレート樹脂を除く他の成分をアルコールに溶解し、この溶液を撹拌しながらヒドロキシプロピルセルロースに加えた後、アクリル樹脂を加える。
【0089】
[実施例5]
[保護効果のあるヘアスタイリングムース]
【0090】
【表9】

【0091】
ここに示した順序で成分を撹拌しながら加える。その後、適切な容器内でプロパン/ブタンを装入する。
【0092】
[実施例6]
[リップバーム]
【0093】
【表10】

【0094】
香料油を除く全成分および安定化組成物を撹拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、パーフュームオイル(parfume oil)および本発明による安定化組成物を加える。撹拌しながら冷却する。
【0095】
[実施例7]
[メイクアップ用品/ファンデーション/昼用クリーム]
【0096】
【表11】

【0097】
A)部を撹拌しながら85℃に加熱する。均質になったら、75℃に予熱しておいたB)部を加える。撹拌しながら室温に冷却し(25℃以下)、撹拌しながらC)部を加える。3本ロールミルを通過させる。
【0098】
[実施例8]
[脂で汚れた毛髪用シャンプー]
【0099】
【表12】

【0100】
成分を撹拌しながら、完全に溶解するまで室温で混合する。
【0101】
[実施例9]
[緑色に着色されたグラス用洗剤]
【0102】
【表13】

【0103】
成分を撹拌しながら均質な混合物が得られるまで室温で混合する。非常に良い結果が得られる。
【0104】
[実施例10]
[アフターシェーブバーム]
【0105】
【表14】

【0106】
成分を撹拌しながら均質な混合物が得られるまで室温で混合する。非常に良い結果が得られる。
【0107】
[実施例11]
[アフターシェーブローション]
【0108】
【表15】

【0109】
成分を撹拌しながら均質な混合物が得られるまで室温で混合する。非常に良い結果が得られる。
【0110】
[実施例12]
[アフターシェーブローションミット(mit)カロテン]
【0111】
【表16】

【0112】
成分を撹拌しながら均質な混合物が得られるまで室温で混合する。非常に良い結果が得られる。
【0113】
[実施例13]
[香水(EDT)]
【0114】
【表17】

【0115】
成分を撹拌しながら均質な混合物が得られるまで室温で混合する。非常に良い結果が得られる。
【0116】
[実施例14]
[マニキュア]
【0117】
【表18】

【0118】
成分を撹拌しながら、均質な混合物が得られるまで室温で混合する。非常に良い結果が得られる。
【0119】
[実施例15]
[オードトワレ]
【0120】
【表19】

【0121】
成分を撹拌しながら均質な混合物が得られるまで室温で混合する。非常に良い結果が得られる。
【0122】
[実施例16]
[フケ防止シャンプー]
【0123】
【表20】

【0124】
[実施例17]
[コンディショナー入りシャンプー]
【0125】
【表21】

【0126】
[実施例18]
[植物抽出物配合シャンプー]
【0127】
【表22】

【0128】
[実施例19]
[つや出し効果のあるシャンプー(Shine Shampoo)]
【0129】
【表23】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
4,4’−メトキシ−tert.ブチルジベンゾイルメタンを少なくとも10重量%と、
2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステルを少なくとも50重量%と、
サリチル酸ホモメンチルを少なくとも15重量%と、
場合により、油溶性抗酸化剤と、
さらに場合により、他の通常の化粧料添加剤と
を含み、前記成分の合計が100%である、安定化組成物。
【請求項2】
前記2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エステルが、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルである、請求項1に記載の安定化組成物。
【請求項3】
ボディケア製品およびハウスホールド製品中において、着色剤、染料、香料、芳香剤、有効成分、またはこれらの混合物を安定化させるための、請求項1または2に記載の安定化組成物の使用。
【請求項4】
前記有効成分が、ビタミン類、カロテノイド類、植物抽出物、抗菌物質、ユビキノン類、フェノール類、ポリフェノール類、またはフラボノイド類から選択される、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
ボディケア製品およびハウスホールド製品中において、着色剤、染料、香料、芳香剤、有効成分、またはこれらの混合物を安定化させるための方法であって、前記ボディケア製品またはハウスホールド製品に、安定化有効量の請求項1または2に記載の安定化組成物を添加することを含む、方法。
【請求項6】
前記有効成分が、ビタミン類、カロテノイド類、植物抽出物、抗菌物質、ユビキノン類、フェノール類、ポリフェノール類、またはフラボノイド類から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記安定化有効量が、前記製品の総重量を基準として、0.05〜0.5重量%の濃度範囲にある、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
安定化有効量の請求項1または2に記載の安定化組成物を含むボディケア製品またはハウスホールド製品。
【請求項9】
前記安定化有効量が、前記製品の総重量を基準として、0.05〜1重量%の濃度範囲にある、請求項8に記載のボディケア製品またはハウスホールド製品。
【請求項10】
前記安定化有効量が、前記製品の総重量を基準として、0.05〜0.5重量%の濃度範囲にある、請求項9に記載のボディケア製品またはハウスホールド製品。
【請求項11】
香水または化粧水である、請求項9または10に記載のボディケア製品。

【公表番号】特表2009−518330(P2009−518330A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543692(P2008−543692)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/011327
【国際公開番号】WO2007/065575
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(503220392)ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. (873)
【Fターム(参考)】