説明

容器計数装置

【課題】高速化が容易に図れるとともに、筒状容器の所定個数が正確に計数分離することができる容器計数装置を提供する。
【解決手段】筒状容器Wのフランジ部が咬合可能な螺旋溝53aが形成された3個のスクリュー軸53を備え、その螺旋溝53aは、リード量が漸増してなる漸増部と、この漸増部の下流側に形成され均一なリード量の均一部とを有してなり、筒状容器Wを分離するフィンガ75は、前記均一部に達した区間内で上昇するように構成し、上流側から搬送された筒状容器Wが所定個数に達した時期に、フィンガ75をスクリュー軸53により搬送される筒状容器Wと並走させるとともに、フィンガ75を上昇させて、所定個数の筒状容器群を後続の筒状容器Wから分離して下流工程へ送出するようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流工程から積層状で連続的に搬送されてくるフランジ付筒状容器の所定個数を計数し、その一群を下流工程に高速度で搬送する容器計数装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術において、フランジ付筒状容器(以下、単に筒状容器という)の所定個数を計数して、その一群を下流工程に搬送する容器計数装置としては、例えば、コンベアーにより400個/分のライン速度で上流工程から積層状で連続的に搬送されてくる筒状容器の一群の全長を側長器により計測し、予め設定された所定個数からなる一群の全長に達した時点を筒状容器の所定計数量として計数し、当該一群の筒状容器を後続の筒状容器から人手により切り離し、その下流において当該一群の全長を専用ゲージにより再計測し、その再計測値が設定の全長に対して過不足がある場合には、人手により加除して下流工程に搬送するものが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上流から搬送されてくる筒状容器の搬送速度が、例えば600個/分である場合には、1個当たりの搬送時間が0.1秒であって、この間に、所定個数の1群の最後尾の筒状容器と、後続する一群の最前の筒状容器とを人手により切り離すことはできなかった。しかも、少なくとも400個/分程度で搬送されてくる場合には、2人の人手が必要であり、高速化による生産能率の向上が図れないとともに、人件費の削減を図ることもできなかった。
【0004】
これとは別に、この切り離しを機械装置により切り出す場合においても、1群の最後尾の筒状容器と、後続する一群の最前の筒状容器との間に相互の筒状容器を切り離すための切出し手段を直進アクチュエータの直進駆動により、0.1秒の間で正確に切り込ませる(割り込ませる)ことは困難であった。また、このほかに、積層状態で隣接する筒状容器の間隔が狭い場合には、1群の最後尾の筒状容器と、後続する一群の最前の筒状容器との間に切出し手段を正確に割り込ませて分離することは困難であった。このため、1群の所定個数の誤差が生じるとともに、高速度での計数かつ分離をすることが困難であるから、所定個数を計数して分離する精度が悪いとともに、高速化による生産能率の向上が図れないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述した従来技術による容器計数装置が有する課題を解決するために提案されたものであって、高速化による生産能率の向上が図れない問題、人件費の削減を図ることができない問題、所定個数を計数して分離する精度が悪いという問題等を解決した容器計数装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するため、第1の発明(請求項1記載の発明)は、それぞれ外周にフランジ部が形成された筒状容器が、各フランジ部が近接した状態で多数積層されて上流側から搬送された所定個数の筒状容器群を、上記各フランジ部と後続する筒状容器のフランジ部とが離間するよう分離させるとともに、分離させた状態で下流側に搬送する離間搬送機構と、この離間搬送機構の下流側に配置されてなり、該離間搬送機構により搬送された筒状容器群を支持する容器支持部材と、上記離間搬送機構により搬送されている各筒状容器の搬送速度と同じ速度で前進開始の初期位置から前進端の終期位置に亘って並走するとともに、該終期位置から初期位置に復帰する並走機構と、上記並走機構に配置され、該並走機構の並走時に上記離間したフランジ部とフランジ部との間に突出するとともに、上記容器支持部材により支持された所定個数の筒状容器群を下流側に押圧するフィンガと、上流側から上記離間搬送機構に搬送された筒状容器の所定個数を計測する計数機構と、を備えてなるようにした容器計数装置である。
【0007】
上記第1の発明では、離間搬送機構により上流側から搬送された所定個数の筒状容器群と、後続する筒状容器とを分離させて下流側に搬送し、容器支持部材により離間搬送機構から搬送された筒状容器群を支持し、並走機構により離間搬送機構で搬送されている各筒状容器の搬送速度と同じ速度で前進開始の初期位置から前進端の終期位置に亘って並走させ、並走機構のフィンガにより並走中の離間したフランジ部とフランジ部との間に突出するとともに、所定個数の筒状容器群を下流側に押圧し、離間搬送機構に搬送された筒状容器の所定個数を計数機構により計測するようにしたので、筒状容器が所定個数に達してからその最後尾の筒状容器のフランジ部にフィンガが当接するまでの突出所要時間は、筒状容器の1個当たりの搬送時間内に限定されることなく並走機構の並走中に突出すればよく、所定個数に達した最後尾の筒状容器とその後続の筒状容器との間の切り込み位置も正確にできる。
【0008】
したがって、筒状容器の搬送速度が高速化されても十分に対応することができるとともに、所定個数に達した最後尾の筒状容器とその後続の筒状容器との間の切り込み位置も正確にできる作用をする。また、容器計数装置の自動化が容易に構築できるので、人件費の削減も容易に図ることができる。なお、本発明の容器計数装置に係る筒状容器は、有底又は無底のいずれでも適用することができる。
【0009】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、前記離間搬送機構は、外周面に前記フランジ部が咬合する螺旋溝が形成された複数のスクリュー軸を備え、このスクリュー軸に形成された螺旋溝は、リード量が漸増してなる漸増部と、この漸増部の下流側に形成され均一なリード量となされた均一部とを有してなり、前記フィンガは、前記筒状容器が上記均一部に達した区間内で突出するように構成したものである。
【0010】
この第2の発明では、スクリュー軸の螺旋溝は、リード量が漸増してなる漸増部と、その下流側の均一なリード量となされた均一部とでなり、フィンガの作動は、筒状容器が漸増された後の均一部に達した区間内で突出するようにしたので、この螺旋溝の漸増されたリード量が均一である区間内において、並走機構の並走を開始する時期と、所定個数に達した最後尾の筒状容器のフランジ後面にフィンガを当接させる時期とを設定すれば、筒状容器の搬送速度がさらに高速化されても対応することができるとともに、所定個数に達した最後尾の筒状容器とその後続の筒状容器との間の切り込み位置もより正確にできる。
【0011】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)の前記計数機構は、前記離間搬送機構を構成するスクリュー軸の回転数を計測する回転数計測手段を有し、この回転数計測手段により計測された計測値により筒状容器の所定個数を計数するようにしたものである。この第2の発明では、スクリュー軸の回転数を計測して筒状容器の所定個数を計数するようにしたので、計数機構の構成を簡素にすることができる。
【0012】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)は、前記スクリュー軸は、筒状容器を中心に3個配置され、該筒状容器のフランジ部はこれら3個のスクリュー軸に形成された各螺旋溝に咬合しながら下流側に搬送されるよう構成されてなるものである。この第4の発明では、3個備えたスクリュー軸のそれぞれの螺旋溝が、筒状容器のフランジ部周上の3箇所で咬合するようにしたので、筒状容器の搬送速度が高速化されても安定的に搬送することができる。
【0013】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)は、前記離間搬送機構の上流側には、前記筒状容器を下流側に搬送する上流側搬送機構が配置され、この上流側搬送機構と上記離間搬送機構との間には、上記上流側搬送機構により搬送された筒状容器のフランジ部が上記各スクリュー軸の螺旋溝の入口に咬合可能に連続的に搬送する中間搬送機構を備えてなるものである。
【0014】
この第5の発明では、上流側搬送機構と離間搬送機構との間に中間搬送機構を備え、筒状容器のフランジ部が各スクリュー軸の螺旋溝の入口に咬合可能に連続的に搬送するようにしたので、スクリュー軸の入口の螺旋溝に筒状容器を確実に咬合させることができ、筒状容器の搬送速度の高速化を容易に図ることができる。
【0015】
また、第6の発明(請求項6記載の発明)は、前記容器支持部材の下流側には、前記並走機構から突出したフィンガの並走により該フィンガより下流側に位置する所定個数の筒状容器群を該フィンガと共同して挟持するストッパと、上記フィンガとストッパとにより挟持された筒状容器群を該筒状容器群の長さ方向と直行する方向に移動させる押圧手段と、この押圧手段により押圧された所定個数の筒状容器群を貯蔵するストッカと、を備えてなるものである。
【0016】
この第6の発明では、容器支持部材の下流側には、並走機構のフィンガの並走により下流側に位置する所定個数の筒状容器群を該フィンガと共同して挟持するストッパと、フィンガとストッパとにより挟持された筒状容器群を長さ方向と直行する方向に移動させる押圧手段と、この押圧手段により押圧された所定個数の筒状容器群を貯蔵するストッカとを備えたので、上流側からの搬送速度に対応して、所定個数でなる一群の筒状容器を整列させ、かつ、貯蔵することができる。
【発明の効果】
【0017】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)では、筒状容器が所定個数に達してからその最後尾の筒状容器のフランジ部にフィンガが当接するまでの突出所要時間は、筒状容器の1個当たりの搬送時間内に限定されることなく並走機構の並走中に突出すればよく、所定個数に達した最後尾の筒状容器とその後続の筒状容器との間の切り込み位置も正確にできるから、容器計数装置の自動化と高速化とが容易に構築でき、生産能率の向上と、人件費の削減とを容易に図ることができる。
【0018】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)では、この螺旋溝の漸増されたリード量が均一である区間内において、並走機構の並走を開始する時期と、所定個数に達した最後尾の筒状容器のフランジ後面にフィンガを当接させる時期とを設定すれば、筒状容器の搬送速度がさらに高速化されても対応することができるとともに、所定個数に達した最後尾の筒状容器とその後続の筒状容器との間の切り込み位置もより正確にできるから、容器計数装置の自動化とさらなる高速化とが容易に構築でき、生産能率の向上と、人件費の削減とを容易に図ることができる。
【0019】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)では、スクリュー軸の回転数を計測して筒状容器の所定個数を計数するようにしたので、計数機構の構成を簡素にすることができ、製造原価の低減を図ることができる。
【0020】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)では、3個備えたスクリュー軸のそれぞれの螺旋溝が、筒状容器のフランジ部周上の3箇所で咬合するようにしたので、筒状容器を安定的に搬送することができ、容器計数装置の高速化を容易に図ることができる。
【0021】
また、第5の発明(請求項4記載の発明)では、
上流側搬送機構と離間搬送機構との間には、中間搬送機構を備えたので、スクリュー軸の入口の螺旋溝に筒状容器を確実に咬合させることができ、筒状容器の搬送速度の高速化により生産能率の向上と、人件費の削減とを容易に図ることができる。
【0022】
また、第6の発明(請求項4記載の発明)では、容器支持部材の下流側には、所定個数の筒状容器群を該フィンガと共同して挟持するストッパと、筒状容器群を長さ方向と直行する方向に移動させる押圧手段と、筒状容器群を貯蔵するストッカとを備えたので、上流側からの搬送速度に対応して、所定個数でなる一群の筒状容器を整列させ、かつ、貯蔵することができる装置を容易に構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態に係る容器計数装置1は、図1及び図2に示すように、外周にフランジ部が形成された筒状容器を搬送する上流側搬送機構2と、この上流側搬送機構2からの筒状容器を搬送する中間搬送機構3と、この中間搬送機構3からの所定個数の筒状容器群と後続する筒状容器とを離間する離間搬送機構4と、この離間搬送機構4により搬送される筒状容器の所定個数を計測する図示しない計数機構と、離間搬送機構4により搬送される筒状容器の搬送速度と同速度で並走する並走機構5と、離間搬送機構4により搬送された筒状容器群を支持する容器支持部材6と、所定個数の筒状容器群を貯蔵する貯蔵機構7とを備えている。
【0024】
そして、上記容器計数装置1は、図1及び図2に示すように、上下調整が可能な複数個の支持ボルト11により高さ調整可能に支持された枠体12の上面に基板13が止着され、基板13の上面に配設されている。この基板13の左端側に、筒状容器Wを下流側に搬送する上流側搬送機構2が配設されている。
【0025】
この上流側搬送機構2は、図1及び図2に示すように、基板13の上面に支持体21,21が、それぞれの支持ボルト22,22により高さ調整可能に支持され、これら支持体21,21には、支持板24A,24Bが取着され、これらの上面はV字上に形成されている。これら支持板24A,24Bの左端部には、図5に示すように、支持枠23A,23Bが約45度の傾斜角度でほぼ対称に取着され、図示左側の支持枠23Aには、減速機付の駆動モータ26と、この駆動モータ26と並列して外周平坦な平プーリ27Aが回転自在に支承されている。
【0026】
これらのうち、駆動モータ26の駆動軸には、外周に歯形が刻設された歯付プーリ28Aが止着され、平プーリ27Aの回転軸には、外周に歯形が刻設された歯付プーリ28Bが取着され、これらの歯付プーリ28A,28Bには、駆動モータ26の回転動力を平プーリ27Aに伝達すべく、歯付ベルト29が張着されている。また、平プーリ27Aの歯付プーリ28Bが取着された回転軸の反対側には、円錐台状の歯形が刻設された傘歯車32Aが取着されている。他方の支持枠23Bには、平プーリ27Bが平プーリ27AとでV字状をなす傾斜角度で回転自在に回転軸により支承され、その回転軸に円錐台状の歯形が刻設された傘歯車32Bが取着されている。
【0027】
また、支持板24A,24Bの図2に示す右端部には、図6に示すように、支持枠33A,33Bが取着され、支持枠33Aには、外周平坦な平プーリ34Aが回転自在に支承されている。支持枠33Aの両側板には、長穴33a,33aが形成され、これら長穴33a,33aには摺動自在に摺動軸36Aが挿通され、この摺動軸36Aには平プーリ35Aが平プーリ34Aと並列で回転自在に支承され、摺動軸36Aは調整ボルト37Aにより、平プーリ34Aとの軸間距離を調整することができる。
【0028】
また、支持枠33Bの両側板には、長穴33b,33bが形成され、これら長穴33b,33bには摺動自在に摺動軸36Bが挿通され、この摺動軸36Bには平プーリ35Bが平プーリ34Bと並列で回転自在に支承され、摺動軸36Bは調整ボルト37Bにより、平プーリ34Bとの軸間距離を調整することができる。平プーリ34A,34Bの回転軸は、V字状となる傾斜角度で支承されている。これらの平プーリ34A,34Bと図5に示す平プーリ27A,27Bとは、それぞれのV字状傾斜角度が同一であり、かつ、相互の回転軸心は同一の水平線上に設けられている。
【0029】
また、上記の平プーリ27A,34A及び35Aには、軟質のポリウレタンでなる平ベルト25Aが張着され、調整ボルト37Aによりその張力が加減でき、図5に示す駆動モータ26の駆動により、平ベルト25Aとともに各平プーリ27A,34A及び35Aは同一方向に回転する。同様に、上記の平プーリ27B,34B及び35Bには、軟質のポリウレタンでなる平ベルト25Bが張着され、調整ボルト37Bによりその張力が加減でき、傘歯車32A,2Bを介して、平ベルト25Bとともに各平プーリ27B,34B及び35Bは同一方向に回転する。したがって、平ベルト25Aと25Bとの上面はV字状傾斜面に構成され、その上面のV字状傾斜面は、上流側から下流側に(図2に示す左方から右方に)移動する。
【0030】
そして、駆動モータ26の回転動力は、歯付プーリ28A、歯付ベルト29及び歯付プーリ28Bを介して平プーリ27Aに伝達され、かつ、傘歯車32A,32Bを介して平プーリ27Bに伝達されるので、平プーリ27Aと平プーリ27Bとは同一の回転速度で、同一の接線方向に同期して回転され、これらに張着された平ベルト25Aと25Bとにより、平プーリ34Aと平プーリ34Bとは同一の回転速度で、同一の接線方向に同期して回転される。このように同期回転する平ベルト25Aと25Bとの上面で形成されるV字状傾斜面上に筒状容器Wが、上流工程から多数積層された状態で連続的に搬送されてくると、図2に示す左側から右方向の下流工程へ搬送される。
【0031】
次いで、上流側搬送機構2からの筒状容器Wを下流工程に搬送する中間搬送機構3は、図1に示すように、上流側搬送機構2の下流側の基板13上に配設されている。基板13上には、図1,図6及び図8に示すように枠体41が設けられ、この枠体41はL形支持部材42,42に保持され、L形支持部材42,42は基板13上に立設された支持ボルト43,43により上下位置調整可能に支持されている。枠体41には、外周に半円凹状の丸溝が形成された2個並列で1組の丸溝プーリ44A,44Aと44B,44Bとが回転自在に支承され、図1に示す丸溝プーリ44Bの下方には、外周に半円状の円溝が形成された2個の丸溝プーリ44Cが回転自在に支承されている。
【0032】
これら2個ずつの丸溝プーリ44A,44B,44Cのそれぞれの丸溝には、軟質熱可塑性樹脂のポリウレタンでなる2個の丸ベルト45がそれぞれ張着されている。また、2個の丸溝プーリ44Cと同一軸芯上には、減速機付の駆動モータ46が取着され、この駆動モータ46により、その出力軸に止着された2個の丸溝プーリ44Cが駆動され、これら丸溝プーリ44Cを図1に示す時計方向に周回させるとともに、それぞれ2個ずつの丸ベルト45、丸溝プーリ44A及び44Bが図1に示す時計方向に周回される。
【0033】
そして、駆動モータ46の回転動力は、それぞれ2個の丸溝プーリ44C及び丸ベルト45を介して、それぞれ2個の丸溝プーリ44Aと44Bとに伝達され、これらは図1に示す時計方向に回転する。このように回転する2個の丸ベルト45の上面に筒状容器Wが、上流側搬送機構2から近接して多数積層された状態で連続的に搬送されてくると、図1に示す左側から右方向の下流工程へ送出される。
【0034】
次いで、中間搬送機構3からの筒状容器Wを下流工程に搬送する離間搬送機構4は、図1及び図2に示すように、基板13の上面に箱状の枠体51が立設され、その左方の左側板51aには、平行な3軸線上にスクリュー軸53,53,53の左端部が図7に示す後述の軸受体61,61,61に回転自在に支承され、右方の右側板51bには、同一の3軸線上にスクリュー軸53,53,53の右端部が後述する軸受体62,62,62に回転自在に支承されている。なお、右側板51bは、図4に示すL形支持部材51B,51Bにより支持され、同様に、反対側の左側板51aも図示しない2個のL形支持部材により支持されている。
【0035】
これら3個のスクリュー軸53のそれぞれの外周には、筒状容器Wのフランジ部Wfが咬合可能な同一の螺旋溝53aがそれぞれ右方向の螺旋状に形成され、これらの螺旋溝53aのリード量は、図1及び図2に示す各スクリュー軸53の左端部近傍は蜜状リード量(試験装置では5mm)で、この蜜状リード量から中央部にかけての漸増部ではリード量を漸増させ(図2に示す漸増リード量Li)、中央部から右端部の間(試験装置では200mm)の均一部では、漸増リード量Liの最終リード量である粗状リード量La(試験装置では20mm)で均一に形成されている。
【0036】
これらスクリュー軸53,53,53のそれぞれの軸部左端には、外周に歯形が刻設された図7に示す歯付プーリ54,54,54が取着され、左側板51aに取着された減速機付の駆動モータ55の出力軸には、外周に歯形が刻設された歯付プーリ56が止着され、これらを挟む位置の左側板51aには、外周に歯形が刻設された4個の歯付プーリ57,57,57,57が回転自在に支承され、後述する2個の軸受体59,59には外周に歯形が刻設された張力調整用の2個の歯付プーリ57A,57Aが回転自在に支承されている。これらの歯付プーリ56と、3個の歯付プーリ54と、4個の歯付プーリ57と、2個の歯付プーリ57Aとには、駆動モータ55の回転動力をスクリュー軸53,53,53に伝達すべく、歯付ベルト58が張着されている。
【0037】
なお、3個のスクリュー軸53のそれぞれの左端部が支承されている軸受体61,61,61は、図7に示すように、それぞれのスクリュー軸53の近傍の左側板51aに形成された放射状の長穴51c,51c,51cに案内されて放射状で自在に摺動し、3個のスクリュー軸53のそれぞれの右端部が支承されている軸受体62,62,62は、図9に示すように、それぞれのスクリュー軸53の近傍の右側板51bに形成された放射状の長穴51d,51d,51dに案内されて放射状で自在に摺動する。
【0038】
このように支承されている3個のスクリュー軸53の各螺旋溝aに筒状容器Wのフランジ部Wfが咬合可能な位置で、図7に示す3個の調整レバー63と、図9に示す3個の調整レバー64とにより3個のスクリュー軸53の放射線上の位置決めができる。また、2個の歯付プーリ57Aがそれぞれ支承されている軸受体59,59は、図7に示すように、それぞれの歯付プーリ57Aの近傍の左側板51aに形成された長穴51e,51eに案内されて自在に摺動し、上記歯付ベルトに張着された歯付ベルト58の張力が適正な位置で、2個の調整レバー60により2個の歯付プーリ57Aの位置決めができる。
【0039】
そして、駆動モータ55の回転動力は、歯付プーリ56、歯付ベルト58及び3個の歯付プーリ54を介して、3個のスクリュー軸53,53,53に伝達され、これらの回転方向は図7に示す時計方向に設定されている。これら3個のスクリュー軸53,53,53の図1に示す左端部の入口に、中間搬送機構3から筒状容器Wが搬送されてくると、筒状容器Wのフランジ部Wfが3個のスクリュー軸53,53,53のそれぞれの螺旋溝53aに順次咬合する。
【0040】
この咬合により筒状容器Wは、蜜状リード量(試験装置では5mm)の領域から漸増するリード量により隣接する相互の筒状容器Wの各フランジ部Wfのピッチ間隔が漸増し、3個のスクリュー軸53の中央部における最大の粗状リード量(試験装置では20mm)において隣接する相互の各フランジ部Wfのピッチ間隔が最大となる。
【0041】
このスクリュー軸53の中央部から図1に示す右端部の間(試験装置では200mm)は、粗状リード量が均一であるから、この間の各フランジ部Wfのピッチ間隔は粗状リード量による均一のピッチ間隔で搬送される。この均一のピッチ間隔の間で、後述する計数機構により計測された所定個数の筒状容器Wの一群を、並走機構5により後続の筒状容器Wから切り離し、積層された状態を保持しつつ下流工程に搬送される。
【0042】
次いで、離間搬送機構4により搬送される筒状容器Wの所定個数を計測する図示しない計数機構は、4個のうちの1個の歯付プーリ57の支承軸近傍にON、OFF信号を出力する図示しないマイクロスイッチを設け、歯付プーリ57の1回転当り(すなわち、スクリュー軸53の1回転当り)につき1回転する図示しないドグを設け、このドグの1回転によりマイクロスイッチのアクチュエータを1回叩打するように構成し、この信号を積算計数可能な図示しないカウンタにより歯付プーリ57の積算回転数(筒状容器Wの積算個数)を計測する。このカウンタの積算回転数の値が、分離しようとする筒状容器Wの一群の所定個数に達した時点で、後述する並走機構5を下流方向に前進させる。
【0043】
次いで、離間搬送機構4により搬送される筒状容器Wの搬送速度と同速度で並走する並走機構5は、図1に示す基板13の上面に長尺な直方体のレール台66が、図3及び図4に示すように、3個のL形支持部材67により支持され、レール台66の上面には、長尺のガイドレール68が取着され、その上面部の断面は、図9及び図10に示すように両側面に凹状案内溝が全長に亘って形成されている。このガイドレール68の上面には、その凹状案内溝と係合して摺動自在なガイド69が装着されている。
【0044】
このガイド69の上面には、取着板71が取着され、上面に直進アクチュエータのエアシリンダ72がL形支持部材73に支持され、その進退移動するロッド72aを上にして立設されている。このエアシリンダ72のロッド72a上端には、台板74が取着され、その上面に薄板状のフィンガ75が、L形支持部材76に支持された状態で、その上端側がL形支持部材76の上端よりも上方に突出するようにして、エアシリンダ72の作動により上下動可能に立設されている。
【0045】
また、レール台66の図9に示す左側面には取着板77が取着され、図3及び図4に示す左側端部には歯付プーリ78が回転自在に支承され、この歯付プーリ78の反対側のレール台66には取着板79が取着され、その側面に枠体82が取着され、この枠体82の側面には、減速機付の応答時間が速いサーボモータ83が取着されている。このサーボモータ83の出力軸には、歯形が刻設された歯付プーリ84が止着され、この歯付プーリ84と歯付プーリ78とには、歯付ベルト85が張着されている。
【0046】
また、図9に示すL形支持部材73の下方の取着板71の下面には、締付板86が螺着され、この締付板86と取着板71との間には歯付ベルト85が挟入され、この歯付ベルト85に、締付板86の締着力により取着板71が止着されている。この取着板71に取着されたフィンガ75は、サーボモータ83の駆動により、図3に示す左側の前進開始の初期位置(基準位置)から右側の前進端の終期位置まで進退移動する。
【0047】
このフィンガ75の図11に示す初期位置(基準位置)Paにおける前進開始の時期は、図示しないカウンタの積算回転数の値が、分離しようとする筒状容器Wの一群の所定個数に達した信号により、サーボモータ83を正回転させて前進開始をさせる。そのフィンガ75の上昇開始位置Pbにおける上昇開始の時期は、カウンタの積算回転数の値が、所定個数から2乃至3個分カウントした時点の信号により、エアシリンダ72を上昇作動させて上昇端到達位置Pcまで上昇させる。
【0048】
そのフィンガ75が前進端の終期位置Pdに達すると、図示しない位置検出センサにより前進端位置を検出して、その信号によりサーボモータ83を停止させることで前進端を位置決めするとともに、エアシリンダ72を下降作動させて下降端位置Peまで下降させる。このエアシリンダ72が下降端位置Peに達すると、図示しない下降端検出センサの信号により、サーボモータ83を逆回転させて後退開始をさせ、後退端位置Pf(=前進開始の初期位置Pa)に達すると、図示しない位置検出センサにより後退端位置を検出して、その信号によりサーボモータ83を停止させることで後退端を位置決めする。
【0049】
この後退端位置Pfで停止したフィンガ75は、次の一群の筒状容器Wの積算個数(カウンタの積算回転数)が、所定個数に達するまでの間は停止した状態で待機し、次の一群の筒状容器Wの積算個数が所定個数に達した信号がカウンタから出力される後退端位置Pg(=前進開始の初期位置Pa)で、次の一群の筒状容器Wを分離して下流工程へ搬送するための並走が開始される。
【0050】
そして、スクリュー軸53の中央部から右側の粗状リード量の位置で図示左側から右側に前進中の筒状容器Wが、計数機構により計測された所定個数に達すると、フィンガ75は、サーボモータ83の駆動により前進されるとともに、エアシリンダ72の上昇作動により図3に示す上昇端まで上昇されて、分離しようとする所定個数でなる一群の筒状容器Wの最後尾のフランジ後面と、後続する筒状容器Wのフランジ前面との間に挿入される。
【0051】
この状態で、一群の筒状容F器Wの最後尾のフランジ部Wfが後述する容器支持部材6の下案内棒88上に差し掛かると、当該フランジ部Wfがフィンガ75により図1に示す左側から右側の下流側へ押圧され、一群の筒状容器Wは、後続の筒状容器Wから切り離され、かつ、積層された状態を保持しつつ下流工程に送出される。
【0052】
次いで、離間搬送機構4により搬送された筒状容器群を支持する容器支持部材6は、図1において、下案内棒88は、左端部が丸溝プーリ44Bの近傍から、右端が図2の後述する貯蔵機構7のシュータ91A,91Bの左端と隣接して、図9に示す筒状容器Wが下方へ落下しないように支持可能な位置に2個が配設されている。また、上案内棒89は、図1に示す左端部が図6に示す平プーリ34A,34Bの下方位置から、右端が後述するシュータ91A,91Bの左端と隣接して、図9に示す筒状容器Wが搬送軸線から上方へはみ出さないように保持可能な位置に2個が配設されている。
【0053】
一方の下案内棒88,88は、左端側が枠体41の右側に取着された図示しない保持板により、図8に示す筒状容器Wと干渉しないように取着され、右端側が図2に示す枠体92の左側部に取着された図示しない保持板により、図9に示す筒状容器Wと干渉しないように取着されている。
【0054】
また、他方の上案内棒89,89は、左端側が図6に示す支持枠33A,33Bの図1に示す右側に取着された図示しない保持板により、図7に示す筒状容器Wと干渉しないように取着され、右端側が図2に示す枠体92の左側部に取着された図示しない保持板により、図9に示す筒状容器Wと干渉しないように取着されている。そして、これらの下案内棒88,88と上案内棒89,89とは、スクリュー軸53により搬送された筒状容器群を受け取って支持するとともに、フィンガ75により押圧される一群の筒状容器Wを下流の貯蔵機構7へ案内する。
【0055】
次いで、所定個数の筒状容器群を貯蔵する貯蔵機構7は、図1に示すように、基板13の上面に枠体92が取着され、この枠体92の内側には図2に示す側板93A,93B,93Cが立設され、底側には図10に示す底板94A,94Bがそれぞれ取着されて、ストッカを構成している。一方の底板94Aの上面にはシュータ91Aが取着され、他方の底板94Bの上面にはシュータ91Bが、図10に示す右方に向かって緩やかに下降する傾斜姿勢で取着されている。
【0056】
これらのシュータ91A,91Bの対向する端部は、筒状容器Wを載置可能で図示左右に転動しないように、中央に向かって下降する傾斜面91a,91bに形成され、その対向端面は、フィンガ75の上端部分と干渉しない間隔で開口されている。また、基板13の上面には、支持台95が取着され、その上面に直進アクチュエータのエアシリンダ96が、そのロッド96aの進退移動が図10に示す左右方向であるようにして取着されている。その先端には取付け具97が取着され、この取付け具97には、押圧部材98が取着されている。
【0057】
また、傾斜面91a,91bの図2に示す右端側の側板93Cには図示しないストッパが取着され、このストッパには、フィンガ75により押圧されてくる筒状容器群の最前端の筒状容器Wが当接したことを検知する図示しないタッチセンサが設けられている。このタッチセンサに当接する最前端の筒状容器Wと、フィンガ75に押圧されている最後端の筒状容器Wとの距離は、押圧されてくる筒状容器群の所定個数の全長に設定されており、フィンガ75により押圧されてくる筒状容器群の最前端の筒状容器Wがタッチセンサに当接した場合は、当該筒状容器群をストッカ以内へ貯蔵し、当接しない場合は図示しない把持手段により外部へ排出される。
【0058】
そして、フィンガ75により押圧されてくる一群の筒状容器Wが、容器支持部材6から貯蔵機構7のシュータ91A,91Bに受け渡されると、エアシリンダ96の作動で押圧部材98が前進して一群の筒状容器Wは図10に示す右方へ移動し、最前端の筒状容器Wを図示しないタッチセンサが検知した場合は、シュータ91Bの上面に取着された逆止棒99を乗り越えて、当該一群の筒状容器Wは右方のストッカ内へ転動し、側板93Bに当接した位置で停止し貯蔵される。図しないタッチセンサが最前端の筒状容器Wを検知しない場合は、当該筒状容器群は所定個数に満たないものとして、図示しない把持手段により外部へ排出される。なお、ストッカ内へ後続する一群の筒状容器Wは、前方の一群の筒状容器Wに当接した位置で順次停止し、図10に示すように整列して貯蔵される。
【0059】
以下、上述した実施の形態に係る容器計数装置1の使用方法を説明しながら作用効果を説明する。先ず、筒状容器Wの計数開始に際しては、図13のステップS1において容器計数装置1を始動させると、図5に示す上流側搬送機構2の駆動モータ26を始動させると平ベルト25A,25Bが搬送の前進方向(図2に示す右方向)へ回転され、図8に示す中間搬送機構3の駆動モータ46を始動すると丸ベルト45が搬送の前進方向(図1に示す右方向)へ回転され、図7に示す離間搬送機構4の駆動モータ55を始動させるとスクリュー軸53,53,53が筒状容器Wを搬送する回転方向へ回転され、ステップS2において、図示しないカウンタによる筒状容器Wの所定個数Nの計数が開始される。
【0060】
次のステップ3において、カウンタによる積算個数(クリュー軸53の積算回転数)が筒状容器Wの一群の所定個数Nに達した場合はその信号により、次のステップS4aにおいて、図4に示すサーボモータ83の駆動によりフィンガ75を図11に示す初期位置Paから前進開始させ、スクリュー軸53で搬送される筒状容器Wの前進速度と同一速度で並走させながら前進させるとともに、ステップS4bにおいて、次の一群の筒状容器Wのカウント開始が指令される。このステップ3において所定個数Nに達していない場合は、ステップS2に戻り所定個数Nになるまで繰り返される。ここで、ステップS4aにおいてフィンガ75が前進を開始するクリュー軸53上の位置は、図3及び図12に示す拡幅された粗状リード量Laの位置である。
【0061】
次のステップS5において、フィンガ75の前進位置が上昇開始位置Pbに達すると、当該フィンガ75は、図示しないカウンタからの信号により、図3及び図9に示すエアシリンダ72の上昇作動により上昇端到達位置Pcまで上昇されて、分離しようとする所定個数Nでなる図12に示す一群の最後尾の筒状容器Wzのフランジ後面と、後続する筒状容器Waのフランジ前面との間に挿入される。そして、搬送される筒状容器Wが図1に示す下案内棒88の上(図12に示す区間Zb)に達すると、フィンガ75により最後尾の筒状容器Wzのフランジ後面を押圧し、相互の筒状容器Wは密着状態で送出される。
【0062】
次のステップS6において、図示しない位置検出センサの信号によりフィンガ75の図11に示す前進端の終期位置Pdが検出された場合は、ステップ7において、フィンガ75は、サーボモータ83による前進作動を停止させるとともに、エアシリンダ72の下降作動により下降が開始される。ここで、ステップS6においてフィンガ75が前進端の終期位置Pdに達していない場合には、ステップ4aに戻り繰り返される。
【0063】
次のステップ8において、フィンガ75の下降端位置Peが図示しない下降端検出センサの信号により検出された場合は、次のステップ9において、フィンガ75は、下降端位置Peからサーボモータ83により後退される。ここで、フィンガ75が下降端位置Peまで下降されていない場合には、ステップ7に戻り繰り返される。
【0064】
次のステップ10において、フィンガ75の後退端位置(初期位置)Pfが図示しない位置検出センサにより検出された場合には、ステップ11において、フィンガ75は、次の一群の筒状容器Wの積算個数(カウンタの積算回転数)が、所定個数に達するまでの間は停止した状態で待機し、次の一群の筒状容器Wの積算個数が所定個数に達した信号がカウンタから出力される後退端位置Pg(=前進開始の初期位置Pa)で、次の一群の筒状容器Wを分離して下流工程へ搬送するための並走が開始される。
【0065】
なお、後退端位置(初期位置)Pgは図11の便宜上設けたものであって、後退端位置(初期位置)Pfから後退端位置Pgの間は時間軸のみの表示あり、スクリュー軸53の螺旋溝53aに対応するフィンガ75の後退端位置としては、後退端位置Pf=後退端位置Pg=前進開始の初期位置Paである。ここで、フィンガ75が後退端位置Pfに達していない場合には、ステップ9に戻り繰り返される。
【0066】
次のステップ12において、筒状容器Wの計数分離作業を終了する場合は、次のステップ13において、容器計数装置1の停止操作により、平ベルト25A,25B、丸ベルト45とともに、離間搬送機構4のスクリュー軸53を停止させて終了させる。ここで、計数分離作業を継続する場合には、容器計数装置1の停止操作をしないと、ステップ2に戻り繰り返される。
【0067】
上述のように、フィンガ75が並走を開始する時期は、図3に示すスクリュー53の螺旋溝53aが漸増リード量Liから拡幅された粗状リード量Laの区間内において開始するようにしたので、所定個数Nに達した最後尾の筒状容器Wzとその後続の筒状容器Waとの間の切り込み位置も正確にできるから、容器計数装置1の自動化とさらなる高速化とが容易に構築できる。
【0068】
また、フィンガ75が上昇を開始して、所定個数Nに達した最後尾の筒状容器Wzのフランジ部とその後続の筒状容器Waのフランジ部との間に達するまでの所要上昇時間は、筒状容器Wの1個当たりの搬送時間内に限定されることなく、フィンガ75が、スクリュー53の螺旋溝53aが粗状リード量Laの区間内で並送中に上昇すればよいから、容器計数装置の自動化と高速化とが容易に構築でき、生産能率の向上と、人件費の削減とを容易に図ることができる。
【0069】
なお、上記実施の形態では、筒状容器Wを搬送するスクリュー軸53は3個で構成したが、これを1個にして、他は筒状容器Wを保持して摺動案内可能な案内棒にしてもよい。また、並走機構5のフィンガ75を搬送方向へ進退移動させる手段は、サーボモータ83の駆動で歯付ベルト85により進退移動させるようにしたが、例えば、リニアモータの駆動によりリニアガイド上を進退移動させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施の形態に係る容器計数装置の側面図である。
【図2】容器計数装置の平面図である。
【図3】図1に示す側面図の要部拡大図である。
【図4】図3のF−F矢視平面図である。
【図5】図1の左側面図である。
【図6】図1のA−A矢視断面図である。
【図7】図1のB−B矢視断面図である。
【図8】図1のC−C矢視断面図である。
【図9】図1のD−D矢視断面図である。
【図10】図1のE−E矢視断面図である。
【図11】フィンガの並走と上昇との関係を示すタイミングチャートである。
【図12】筒状容器の搬送形態を示す説明図である。
【図13】計数分離装置の作動手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1 計数分離装置
2 上流側搬送機構
3 中間搬送機構
4 離間搬送機構
5 並走機構
6 容器支持部材
7 貯蔵機構
25A,25B 平ベルト
26 駆動モータ
45 丸ベルト
46 駆動モータ
53 スクリュー軸
53a 螺旋溝
55 駆動モータ
72 エアシリンダ
75 フィンガ
83 サーボモータ
88 下案内棒88
89 上案内棒
91A,91B シュータ
96 エアシリンダ
98 押圧部材
La 粗状リード量
Li 漸増リード量
W 筒状容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ外周にフランジ部が形成された筒状容器が、各フランジ部が近接した状態で多数積層されて上流側から搬送された所定個数の筒状容器群を、上記各フランジ部と後続する筒状容器のフランジ部とが離間するよう分離させるとともに、分離させた状態で下流側に搬送する離間搬送機構と、
この離間搬送機構の下流側に配置されてなり、該離間搬送機構により搬送された筒状容器群を支持する容器支持部材と、
上記離間搬送機構により搬送されている各筒状容器の搬送速度と同じ速度で前進開始の初期位置から前進端の終期位置に亘って並走するとともに、該終期位置から初期位置に復帰する並走機構と、
上記並走機構に配置され、該並走機構の並走時に上記離間したフランジ部とフランジ部との間に突出するとともに、上記容器支持部材により支持された所定個数の筒状容器群を下流側に押圧するフィンガと、
上流側から上記離間搬送機構に搬送された筒状容器の所定個数を計測する計数機構と、
を備えてなることを特徴とする容器計数装置。
【請求項2】
前記離間搬送機構は、外周面に前記フランジ部が咬合する螺旋溝が形成された複数のスクリュー軸を備え、このスクリュー軸に形成された螺旋溝は、リード量が漸増してなる漸増部と、この漸増部の下流側に形成され均一なリード量となされた均一部とを有してなり、前記フィンガは、前記筒状容器が上記均一部に達した区間内で突出するように構成したことを特徴とする請求項1記載の容器計数装置。
【請求項3】
前記計数機構は、前記離間搬送機構を構成するスクリュー軸の回転数を計測する回転数計測手段を有し、この回転数計測手段により計測された計測値により筒状容器の所定個数を計数するようにしたことを特徴とする請求項2記載の容器計数装置。
【請求項4】
前記スクリュー軸は、筒状容器を中心に3個配置され、該筒状容器のフランジ部はこれら3個のスクリュー軸に形成された各螺旋溝に咬合しながら下流側に搬送されるよう構成されてなることを特徴とする請求項1,2又は3記載の何れかの容器計数装置。
【請求項5】
前記離間搬送機構の上流側には、前記筒状容器を下流側に搬送する上流側搬送機構が配置され、この上流側搬送機構と上記離間搬送機構との間には、上記上流側搬送機構により搬送された筒状容器のフランジ部が上記各スクリュー軸の螺旋溝の入口に咬合可能に連続的に搬送する中間搬送機構を備えてなることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の何れかの容器計数装置。
【請求項6】
前記容器支持部材の下流側には、前記並走機構から突出したフィンガの並走により該フィンガより下流側に位置する所定個数の筒状容器群を該フィンガと共同して挟持するストッパと、上記フィンガとストッパとにより挟持された筒状容器群を該筒状容器群の長さ方向と直行する方向に移動させる押圧手段と、この押圧手段により押圧された所定個数の筒状容器群を貯蔵するストッカと、を備えてなることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載の何れかの容器計数装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−317030(P2007−317030A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−147359(P2006−147359)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(594065548)大石鐵工所株式会社 (1)
【Fターム(参考)】