説明

封止容器の検査方法及び検査装置

【課題】目視に頼っていた封止容器のリッドの位置ずれ検査を光切断方式を用いて自動化する方式と検査装置を提供する。
【解決手段】パッケージ36にリッド37を接合した封止容器の上面へスリット光を照射し、スリット光に対し封止容器を相対的に移動させて封止容器の複数箇所にスリット光を照射し、パッケージ36の厚みにより分離したスリット光の端点の位置情報を光切断方式を用いて測定し、測定した平面方向の位置情報と予め定めた基準値とを比較する事によりパッケージ36に対するリッド37の位置ずれと傾きを判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子、水晶振動子等の電子素子を収容したパッケージの開口部に蓋(以下リッドとも言う)を接合して密封する封止容器において、溶接した蓋の正規の位置からのずれ量を測定し、このずれ量により封止容器の良否を判定する検査方法及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
封止容器は、パッケージ型LSI、航空宇宙用又は電子交換用ハイブリッドIC、CCD素子、半導体レーザー素子、SMD型水晶振動子、SAWフィルタ等、特に高信頼性を要求されるデバイスの組立最終工程で内部の素子や配線を保護するため、空気中の塵埃、酸素や水分と遮断(気密封止)する用途に使用される。
【0003】
封止容器に使用されるパッケージの素材はセラミック製とメタル製が大半を占めており、パッケージにはシールリングを備えるものと備えないものがある。図1は封止容器の構造を示す断面図である。図1(a)はシールリングを備えたパッケージとリッドの接合状態を示しており、封止容器11はパッケージ12とリッド13で構成される。また、パッケージ12はベース14とシールリング15とで構成され、例えば後述するパラレルシーム接合法ではコバール(Fe−Ni−Co合金)製のシールリング15は、ベース14上のメタライズ領域にろう付けされ、表面にはAuめっきが施されている。リッド13はコバール製の薄板の両面にNiめっきを施したものであり、後述する方法でシールリング15の上面に接合される。そしてリッド13の全周がシールリング15にろう付けされることで封止された内部空間16を提供する。
【0004】
図1(b)はシールリングを備えないパッケージとリッドの接合状態を示しており、封止容器17はパッケージ18とリッド19で構成される。パッケージ18はリッド19との接合部をメタライズ処理しその表面にNiめっきを施し、Niめっき上にAuめっきを施す。リッド19は通常コバール製の薄板の両面にNiめっきを施したものを使用するが例えば後述する加熱接合方法では、コバール製の薄板の接合面に金錫ろう材を接合し反対面はNiめっきを施したものを使用する。そして後述する方法でリッド19の全周がパッケージ18に接合されることで封止された内部空間10を提供する。
【0005】
以上代表的な封止容器の構造を説明したが、いずれの構造においても、リッドの外形寸法はパッケージ上面又はシールリング上面の外形寸法よりも小さく設定される。これは、封止時にろう材が溶融することでリッドの周辺にはみ出すが、これが封止容器全体の外形からはみ出さないようにするためである。ここでパッケージ上面又はシールリング上面と記載したが、シールリングはパッケージの一部であるから、以下両者をまとめてパッケージ上面と記載する。
【0006】
次に、これら封止容器のパッケージの開口部にリッドを接合する方法について説明する。図2は代表的な接合方法を示すものであり、図2(a)はパラレルシーム接合法、図2(b)はビーム接合法の一種であるレーザービーム接合法、図2(c)は加熱接合法を示す。図2(a)において符号20はパラレルシーム接合法でシールリング付きパッケージにリッドを接合する時の構成であり、パッケージ12のシールリング上にリッド13を置き、リッド端にローラー電極21を押し当て電流を流すことでローラー電極21とリッド13との接触点での集中抵抗による発熱が生じてNi−Au間でろう材が形成される。ローラー電極21に電流を流したまま図示しない移動装置でリッド縁辺全体にローラー電極21を転がすことによりパッケージ12とリッド13を接合させる。
【0007】
図2(b)において符号22はレーザービーム接合法でシールリングがないパッケージにリッドを接合する時の構成であり、パッケージ18の上にリッド19を置き、レーザー発振装置24で発光し、ファイバ25を介して集光レンズ23で集光したレーザー光をリッド縁辺に照射し、その熱エネルギーで溶接を行う。そしてレーザーを照射したまま図示しない移動装置でリッド縁辺全体を照射することによりパッケージ18とリッド19を接合させる。
【0008】
図2(c)において符号26は加熱接合法でシールリングがないパッケージにリッドを接合する時の構成であり,金錫層を接合させたリッド27をパッケージ28に載せ,直接リッド27をヒーターツール29で加熱、押え板30で加圧して金錫を溶融し,接合する方法である
【0009】
上記いずれの容器構造、接合方法を使用するにしても封止状態を維持するために、リッドとパッケージの位置合せは重要な課題となっている。この位置合せのために特別な治具を使用する方法(特許文献1)や、画像処理を使用して位置合せを行う方法(特許文献2)により、パッケージ上の正規の位置にリッドを搭載する技術が提示されている。更にパッケージとリッドの一部を仮付け接合して位置ずれを抑制した後にリッド全体を接合する方法(特許文献3)が一般に採用されている。
【0010】
このように接合前には位置ずれを抑制する方法が提示されているが、実際の接合を行った場合は、溶接熱による膨張・収縮、ろう材の溶融時の変形、パラレルシーム溶接では電極の接触・加圧・移動によるリッド水平方向への応力等により溶接中にリッドが移動し、接合後のリッドに位置ずれが発生する可能性がある。そして、接合後のリッドの位置ずれが許容範囲を超えると封止不良となり、不純物の混入、真空封止の場合は真空度の低下による内部素子の特性劣化、又は破損などの問題が生じる。又,外観上の見栄えが悪くなる等の問題があった。この接合後のリッドの位置ずれ量の測定は後述するように自動化が困難であり、位置ずれ量による封止容器の良否判定は、接合後の目視検査にて行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特許第3194544号公報(第2頁、図3)
【特許文献2】特許第3743978号公報(第4,5頁、図1)
【特許文献3】特開平9−64220号公報(第2頁、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このように接合後のリッドの位置ずれ量を目視検査で行っているため、見逃し、判断のばらつき等の人的エラーが発生しやすく、不良品の流出、生産性低下の問題があった。さらに近年の封止容器の小型化に伴って位置ずれ量の許容範囲が小さくなったため、目視検査の難易度も高くなり、この検査の自動化(機械化)が強く望まれるようになった。しかしながら、接合部をCCDカメラ等で撮像し画像処理により位置ずれを計測する方法は、材質上リッドとパッケージ上面との輝度差が少ない事に加え、接合痕(リッド表面に残る電極の接触痕またはビームの照射痕)、ろう材のリッド周囲へのはみ出し等が照明を乱反射させる要因となり、安定してリッドとパッケージ上面とを判別することが困難であるため実用には至っていなかった。
【0013】
そこで上記課題に鑑み、本願発明は、容易にリッドとパッケージ上面との判別を行い、位置ずれ量を測定し、良否の判定が可能な封止容器の検査方法と前記検査方法により検査を行う封止容器の検査装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第一の態様である検査方法はパッケージの開口にリッドを溶接した封止容器のパッケージに対するリッドの位置ずれと傾きを検査する方法であって、前記パッケージと前記リッドを含む前記封止容器の上面へスリット光を照射し、前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に移動させて前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射する照射手順と、前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像をその都度撮影する撮影手順にて、前記リッドの厚みにより分離した前記スリット光のリッド縁辺にある端点の位置情報と前記パッケージの厚みにより分離した前記スリット光のパッケージ縁辺にある端点の位置情報を光切断方式を用いて測定し、測定した高さ方向の位置情報と平面方向の位置情報のうち平面方向の位置情報のみから算出した値と予め定めた基準値とを比較する事によりパッケージに対するリッドの位置ずれと傾きを判断することを特徴とする封止容器の検査方法を提供する。
【0015】
本発明の第二の態様である検査装置はリッドをパッケージに接合した封止容器を搭載し回転および移動を行うステージとスリット光を照射する照明手段と前記封止容器周辺を撮影する撮影手段と前記撮像手段から得られた画像の処理を行い位置情報を測定する画像処理手段と前記位置情報から計算された値と予め定めた基準値と比較して合否を判断する判定手段とを有し、リッドをパッケージに接合した封止容器のパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁を第一の外縁群とし、前記第一の外縁群に直交するパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁を第二の外縁群としたとき、第一の外縁群へ略垂直に横切るスリット光を照射し前記スリット光と前記封止容器を相対的に略水平に移動し前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射し、撮影手段にて前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像を撮影し、画像処理手段にて平面方向の位置情報を測定する第一の検査動作を実施後、第一の検査動作から封止容器を略90度回転させ第二の外縁群へ略垂直に横切るスリット光を照射し前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に略水平に移動し前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射し、撮影手段にて前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像を撮影し、画像処理手段にて平面方向の位置情報を測定する第二の検査動作を実施し、前記判定手段は第一の検査動作と第二の検査動作で得たパッケージの外縁の平面方向の位置情報と対応するリッドの外縁の平面方向の位置情報の差によりパッケージに対するリッドの平面方向の位置ずれを判断し、パッケージの外縁の平面方向の位置情報と対応するリッドの外縁の平面方向の位置情報の差を求め、この差とステージが移動した距離によりパッケージに対するリッドの傾きを計算し判断することを特徴とする封止容器の検査装置を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、封止容器のパッケージに対するリッドの位置ずれ検査を自動化し、高精度に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】封止容器の種類を説明する図
【図2】接合方法の種類を説明する図
【図3】本発明の実施形態の一例を示す図
【図4】本発明の検査方法の一例を表す図
【図5】本発明の第2の実施形態の動作を説明する図
【図6】本発明の第4の実施形態の動作を説明する図
【図7】本発明の第5の実施形態の動作を説明する図
【図8】本発明の第6の実施形態の動作を説明する図
【図9】図4、図5、図6の光切断線の合成を説明する図
【発明を実施するための形態】
【0018】
一般的な光源では封止容器を撮像すると封止容器の材質上リッドとパッケージ上面との輝度差が少ない事に加え、接合痕(リッド表面に残る電極の接触痕またはビームの照射痕)、ろう材のリッド周囲へのはみ出し等が照明を乱反射させる要因となり、安定してリッドとパッケージ上面とを判別することが困難である。
対して光切断方式ではリッドとパッケージ上面との輝度差は問題にならず、スリット光の幅が十分細ければリッドの厚みでスリット光が分断されるためパッケージとリッドの縁辺を容易に判別できる。ただし、対象物から反射されるスリット光の幅は、対象物の反射面とスリット光の角度または対象物の反射面と撮影するカメラの角度によりで変化する。ここでは混乱を避けるため、以後スリット光の幅はカメラで撮影した時のスリット光の幅とする。
【0019】
図3は封止容器に1本のスリット光を照射した状態を示す。図3(a)は側面より見た図であり、図3(b)は封止容器を上部より見た図である。リッド36の光切断線31と、パッケージ37の光切断線32をカメラ35で撮影した場合、スリット光が封止容器に当たる角度、カメラと封止容器の角度、スリット光の幅を光切断線31と32が分断するように設定する。図3の例では光切断線31,32の幅がリッドの板厚33未満であれば分離する。
【0020】
光切断線の端点の位置情報は、光切断法を用いれば容易に測定できる。本発明ではリッドの縁辺上にある端点の位置情報とパッケージの縁辺上にある端点の位置情報を使用してパッケージに対するリッドの位置ずれと傾きを算出し、予め定めた基準値とを比較する事で封止容器の良否を判定する。以後、光切断線より得られる位置情報を“a1”,“b2”の様に小文字のアルファベットと数字で表す。また、説明のため図4、図5、図6で封止容器内に光切断線を複数描いているが、図9に示すようにスリット光と封止容器の相対位置を変えて計測したものを合成した図である。
【0021】
次に第1の実施形態について説明する。第1の実施形態はパッケージの開口にリッドを溶接した封止容器のパッケージに対するリッドの位置ずれと傾きを検査する方法であって、前記パッケージと前記リッドを含む前記封止容器の上面へスリット光を照射し、前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に移動させて前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射する照射手順と、前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像をその都度撮影する撮影手順にて、前記リッドの厚みにより分離した前記スリット光のリッド縁辺にある端点の位置情報と前記パッケージの厚みにより分離した前記スリット光のパッケージ縁辺にある端点の位置情報を光切断方式を用いて測定し、測定した高さ方向の位置情報と平面方向の位置情報のうち平面方向の位置情報のみから算出した値と予め定めた基準値とを比較する事によりパッケージに対するリッドの位置ずれと傾きを判断することを特徴とする封止容器の検査方法の説明を図4(a)、(b)を用いて行う。
【0022】
図4(a)はパッケージ36の上面にリッド37が接合されている封止容器にスリット光を照射した様態を示す。スリット光はリッドの厚みによりリッドで反射するスリット光31とパッケージで反射するスリット光32に分断される。ここで図4におけるスリット光のY方向の位置情報は光切断方式では高さ(Z)方向の位置情報となり本件の目的である位置ずれ、傾きの検査には使用しない情報である。本方式ではスリット光がスリット光31とスリット光32に分断するように事前にリッドの厚みにあわせて照射するスリット光の幅とパッケージに対する照明手段の角度またはパッケージに対する撮像手段の角度を調整しておけば良い。スリット光31の両端の位置情報b1,c1はリッドの縁辺の位置を示し、スリット光32の両端の位置情報a1,d1はパッケージの縁辺の位置を示している。次にスリット光に対し封止容器をY方向に相対的に移動させて図4(b)に示すリッド縁辺の位置情報b2,c2とパッケージ縁辺の位置情報a2,d2を求める。ここでb1とa1またはc1とd1またはb2とa2またはc2とd2のX方向の差と予め定めた基準値と比較することで位置ずれの良否を判断することが可能となる。また、b1とa1の差とb2とa2の差、またはc1とd1の差とc2とd2の差からパッケージに対するリッドの傾きを計算し、予め定めた基準値と比較することで傾きの良否を判断することが可能となる。但し、上記の図4に示す各位置情報のY方向の情報は光切断方式ではZ方向の位置情報となるため、これを使用せずにX方向の位置情報のみで上記計算を行う。Y方向の情報が必要な場合は図9に示すスリット光と封止容器の相対位置の変化量を使用する。
【0023】
良否判断の例を以下に示す。
1)図4(a)および(b)に示すa1〜d2の位置を測定する。
2)a1〜d2のX方向の位置情報をa1x〜d2xとし、
α=b1x−a1x、β=b2x−a2x、γ=d1x−c1x、δ=d2x−c2xを計算する。
3)α、β、γ、δを予め定めた基準値と比較する事により位置ずれの良否を判断する。
ex. 最小正常値<=α又はβ又はγ又はδ=<最大正常値
4)a1点とa2点のY方向上の差(スリット光と封止容器の相対位置の変化量)をLとすると
パッケージに対するリッドの傾きθ= Tan−1(α−β)/Lを計算する。
5)θを予め定めた基準値と比較する事により傾きの良否を判断する。
【0024】
次に第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は第1の実施形態に加え、封止容器を略90度回転させて前記検査方法と同様の検査を行う。これにより封止容器の4辺すべての検査が可能となる。図5の例では図5(a)でa1〜d2の位置情報を測定した後に封止容器を90度回転させてe1〜h2の位置情報を測定している。
【0025】
但し、第1および第2の実施形態として記載の検査方法はスリット光に対してパッケージまたはリッドの外縁が垂直でない場合は、位置ずれまたは傾きの計算に誤差が生じるため高精度の検査が要求される場合は適当な方式ではない。
【0026】
これに対し、次に説明する第3の実施形態の検査方法ではスリット光に対してパッケージまたはリッドの外縁が垂直でない場合でも高精度の検査が可能となる。本検査方法の例として以下に示す。

1)光切断方式により封止容器のパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁の位置情報を測定する。図4(a)および(b)の例ではa1〜d2の位置情報を測定している。

2)封止容器を略90度回転させて前記1)項で測定した外縁に直交するパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁の位置情報を測定する。図4(c)の例では、e1〜h2の位置情報を測定している。

3)前記1)項で測定した位置情報と前記2)項で測定した位置情報は異なる座標系上にあるので一つの座標系上に表すように座標変換を行う。

4)外縁の辺毎の位置情報から各辺に近似の直線を求める。例として図4(b)、(c)に示す直線A〜Hを求める。前記例では各辺につき2箇所の位置情報としているが複数の位置情報からたとえば最小自乗法等を使用して直線を求めても良い。

5)リッドの外縁の隣接する2辺から直線を求め、前記2本の直線の交点の座標を求める。例として図4(e)に示すj,k,m,nが交点でありリッドに近似した方形の頂点となる。

6)リッドに近似の方形の頂点から下ろした垂線とパッケージの外縁から求めた直線の交点までの距離を計算する。例として図4(e)に示す線分P1〜P8の長さと予め定めた基準値と比較する。
つまりパッケージに対するリッドの位置ずれ量として最大となるのは通常リッドの頂点からパッケージの外縁までの距離となる。この距離はリッドの頂点からパッケージの外縁に対しての垂線として求められるので、垂線の方程式等で求めたリッドの頂点からパッケージの外縁までの長さを予め定めた基準値と比較すれば良い。

7)パッケージに対するリッドの傾きはパッケージの辺の傾きとリッドの辺の傾きの差で求まる。

【0027】
前記第3の実施形態に記載の検査方法では2つの座標を1つの座標に変換するため、各画面と変換する座標の相関を正確に設定する必要がある。
【0028】
これに対し、次に説明する第4の実施形態に記載の検査方法ではパッケージとリッドの外縁全てを一つの座標上で測定するため前記設定の必要がない。封止容器の上面を照射するスリット光を、封止容器の隣接する縁辺を同時に横切るように設置すれば、全ての縁辺を一つの座標上で測定できる。
図6に第4の実施形態として記載の検査方法の例を示す。スリット光と移動手段の移動軸が垂直になるように設置し、スリット光に対し封止容器を傾けた状態を図6(a)、封止容器と移動手段の移動軸が垂直になるように設置し、封止容器に対してスリット光を傾けた状態を図6(b)に示す。 図6の場合、7回の計測を行い各々の光切断線から測定した位置情報をそれぞれx1からx7(xはaからgを示す。以下同じ)で示す。但し、x1とx7はリッドの外縁には照射されず、パッケージの外縁を計測する。
【0029】
測定精度としては本態様ではカメラの視野がパッケージの対角長以上必要である。カメラの視野がパッケージの長辺の長さ以上あればよく、空間解像度を本請求項より上げられる第3の実施形態に記載の検査方法と比較すると測定精度が劣る可能性がある。
【0030】
第5の実施形態に記載の検査方法について説明する。照明手段として一本のスッリト光のみの使用の場合、前記スリット光からなる一組の光切断部を測定後、移動手段により次の測定位置に移動する動作を行う。このため測定数が多いとその数だけ移動・撮影が繰り返され、検査のタクトタイムに影響する可能性がある。本検査方法は移動・撮影の繰り返す回数を減らす手段としてスリット光を複数本同時に照射し、複数のスリット光によるパッケージまたはリッド縁辺の光切断部から位置情報を計算する。また、ある光切断線がどのスリット光により発生したかの判別は、リッドの厚みによる光切断線の位置変化はそれほど大きくないため複数のスリット光間の距離を前期位置変化より十分大きな間隔に設定すれば、カメラに撮影された画面上の光切断線の位置により判断できる。
この動作の一例を図7に示す。図7はスリット光が4箇所照射され、図7(a)ではx1、x3、x5、x7(xはa〜h以下同じ)の位置情報を同時に測定し、封止容器を図7の上方向に一定値移動させ再度測定すれば図7(b)に示すx2、x4、x6の位置情報が得られる。この例では一本のスッリト光のみの使用の場合は6回の移動と7回の撮影を行うところ本方式では1回の移動と2回の撮影で同様の位置情報を得ることができる。
【0031】
次に第6の実施形態に係る検査装置について説明する。本態様の検査装置は、封止容器のパッケージに対するリッドの位置ずれと傾きを検査して良否を判定することを目的として、図3に見るようにスリット光照明34と撮像部35と画像処理部38と図示しない封止容器の移動手段を有し、自動シーム溶接機等、封止容器の接合が終了した工程の後に設置される。通常、封止容器は自動シーム溶接機等で使用した図8(a)のようなトレイ81に搭載される。トレイ上面には封止容器より大きい凹部82が均等に配置され、前期凹部82に封止容器83が搭載される。トレイ81は図示しない移動手段で移動および回転が可能であり、既知の位置および角度に設置されているスリット光照明と撮像部で構成される撮影部に移動する。撮影部では測定する外縁とスリット光が略直角になるように封止容器を設置し測定を開始する。
【0032】
封止容器にスリット光を照射すると、光切断線はリッド厚みより分断され、図4(a)に示すa1−a1’、b1−c1、d1−d1’の3本の線分となる。ここではパッケージの縁辺位置a1およびd1、リッドの縁辺位置b1およびc1の位置情報を求める。
図4(a)において光切断線の上下(Y)方向の位置情報は、通常光切断法では高さ(Z)方向の情報として扱うが、本方式では光切断線が分断されパッケージとリッド上面の判別がつけば良いので上下(Y)方向の位置情報に数値的な意味はない。使用する情報としては、図4(a)における横(X)方向 の位置情報と、図4(a)と図4(b)の光切断線の移動量であるa1−a2間の距離を使用する。
次に図4(b)のように封止容器とスリット光の相対位置を変えて同様の測定を行い,a2,b2,c2,d2,の位置情報を求める。同様にスリット光の当てる位置を変えて測定をn回(nは2以上)行う。
以後、スリット光と封止容器の相対位置を変えて複数回測定する測定を“スキャン測定”と記する。
【0033】
トレイに搭載されている全ての封止容器の外縁にスキャン測定を行う。はじめにスキャン測定した外縁に隣接する外縁を測定するときは図示しない移動手段により図8(b)示すようにトレイを90度回転させて測定する。以後前記1回目のスキャン測定を第一の検査動作、90度回転したときのスキャン測定を第二の検査動作と記する。
【0034】
上記で得られた位置情報からパッケージに対するリッドの位置ずれの判断を、封止容器毎にパッケージの外縁の平面方向の位置情報と対応するリッドの外縁の平面方向の位置情報との差を予め設定した値と比較する事で行う。
図4(a)、(b)を例にとるとa1〜d2の横方向の位置情報をa1x〜d2xとし、
α=b1x−a1x、β=b2x−a2x、γ=d1x−c1x、δ=d2x−c2xを予め設定した値と比較する事で位置ずれの検査を行う。パッケージに対するリッドの傾きの検査を行う場合はa1点とa2点のY方向上の差(スリット光と封止容器の相対位置の変化量)をLとするとパッケージに対するリッドの傾きθ=Tan−1(α−β)/Lを予め設定した値と比較する。
【0035】
上記動作にて目的とした検査を実施するが、本態様の検査装置はスリット光に対してパッケージまたはリッドの外縁が垂直でない場合は、位置ずれまたは傾きの計算に誤差が生じるため高精度の検査が要求される場合は適当な方式ではない。
【0036】
次に第7の実施形態に係るの検査装置について説明する。
図8のトレイ81の上面には封止容器より大きい凹部82が均等に配置され、前期凹部82に封止容器83が置かれるため封止容器83はトレイ81に対して位置ずれおよび回転している可能性がある。
本実施形態はスリット光に対してパッケージまたはリッドの外縁が垂直でない場合でも高精度の検査が可能となる。
【0037】
本実施形態の動作は第一の検査動作および第二の検査動作は第6の実施形態の検査装置と同様である。
第一の検査動作と第二の検査動作ではトレイが回転するため座標系が異なる。そのままでは位置情報の関連付けが不可能のため同一の座標に変換する。変換する座標自体は一方の座標を他方に合わせても第三の座標にあわせても良い。但し、トレイ全体の位置情報を座標変換すると個々の封止容器は誤差が大きくなるので封止容器毎に座標変換するのが望ましい。
【0038】
一個の任意の封止容器について説明すると、まずリッドの外縁4辺を測定し、各辺の位置情報から辺に近似の直線を求め、4本の直線各々の隣り合う直線との交点を頂点とするリッドに近似の方形を計算する。図4(e)に示すj,k,m,nがリッドの頂点となる。
パッケージにリッドを接合したときの位置ずれは、通常パッケージの辺とリッドの頂点間の距離の変化が一番大きいと考えられる。図4(e)に示すようにリッドの頂点から対応するパッケージの辺へ垂線 p1〜p8を引き、直線の方程式等で求めたリッドの頂点から垂線とパッケージの辺の交点までの長さを予め設定した値と比較することで位置ずれ検査を行う。
【0039】
またパッケージに対するリッドの傾きはパッケージとリッドの対応する各辺の傾きの差で求められる。例として図4(d)に示す直線Aと直線Bまたは直線Cと直線Dまたは直線Eと直線Fまたは直線Gと直線Hの角度の差を予め設定した値と比較することで傾きの検査を行う。
【0040】
第8の実施形態に係る検査装置について説明する。
第7の実施形態として記載の検査装置では第一の検査動作と第二の検査動作と2種類の検査動作を行った。このとき高精度の測定が可能なようにカメラの視野や角度を測定する外縁にあわせた場合、他方の外縁がスリット光に略水平になり同じ検査条件で隣接する2辺の測定が不可能となる。
第8の実施形態に係る検査装置では封止容器の隣接する縁辺を同時に横切るように封止容器に対して特定の角度を持つスリット光を照射することで隣接するパッケージまたはリッド縁辺の位置情報を同時に測定することが可能となる。
【0041】
スキャン測定の移動方向に対して、封止容器を傾けた状態を図6(a)、スリット光を傾けた状態を図6(b)に示す。図6の場合、7回の計測を行い、各々の光切断線から測定した位置情報をそれぞれx1からx7(xはaからgを示す。以下同じ)で示す。但し、x1とx7はリッドには照射されず、パッケージのみを計測する。以後の検査手順は第7の実施形態と同様となる。ただし、本態様ではカメラの視野がパッケージの対角長以上必要であり、カメラの視野がパッケージの外縁の長さ以上あればよい第6の実施形態より測定精度が劣る可能性がある。
【0042】
次に第9の実施形態に係る検査装置について説明する。
照明手段として一本のスッリト光のみの使用の場合、前記スリット光からなる一組の光切断部を測定後、移動手段により次の測定位置に移動する動作を行う。このため測定数が多いとその数だけ移動・撮影が繰り返され、検査のタクトタイムに影響する可能性がある。
本検査装置は移動・撮影の繰り返す回数を減らす手段としてスリット光を複数本同時に照射し、複数のスリット光によるパッケージまたはリッド縁辺の光切断部から位置情報を計算する。また、ある光切断線がどのスリット光により発生したかの判別は、リッドの厚みによる光切断線の位置変化はそれほど大きくないためスリット光間の距離を前記位置変化より十分広い間隔にすれば、カメラに撮影された画面上の光切断線の位置により判断できる。
【0043】
この動作の一例を図7に示す。図7はスリット光が4箇所照射され、図7(a)ではx1、x3、x5、x7(xはa〜h以下同じ)の位置情報を同時に測定し、封止容器を図7の上方向に一定値移動させ再度測定すれば図7(b)に示すx2、x4、x6の位置情報が得られる。この例では一本のスッリト光のみの使用の場合は6回の移動と7回の撮影を行うところ本方式では1回の移動と2回の撮影で同様の位置情報を得ることができる。

【符号の説明】
【0044】
11,17・・封止容器
20・・・・・パラレルシーム接合法
22・・・・・レーザービーム接合法
26・・・・・加熱接合法
31・・・・・光切断線(リッド部)
32・・・・・光切断線(パッケージ部)
34・・・・・スリット光照明
35・・・・・撮像部
36・・・・・リッド
37・・・・・パッケージ
38・・・・・画像処理部
39,81・・トレイ
44・・・・・パッケージに近似した方形
45・・・・・リッドに近似した方形
82・・・・・凹部
83・・・・・封止容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージの開口にリッドを溶接した封止容器のパッケージに対するリッドの位置ずれと傾きを検査する方法であって、前記パッケージと前記リッドを含む前記封止容器の上面へスリット光を照射し、前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に移動させて前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射する照射手順と、前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像をその都度撮影する撮影手順にて、前記リッドの厚みにより分離した前記スリット光のリッド縁辺にある端点の位置情報と前記パッケージの厚みにより分離した前記スリット光のパッケージ縁辺にある端点の位置情報を光切断方式を用いて測定し、測定した高さ方向の位置情報と平面方向の位置情報のうち平面方向の位置情報のみから算出した値と予め定めた基準値とを比較する事によりパッケージに対するリッドの位置ずれと傾きを判断することを特徴とする封止容器の検査方法。
【請求項2】
パッケージにリッドを溶接した封止容器のパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁を第一の外縁群とし、第一の外縁群を略垂直に横切るスリット光を照射し前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に略水平に移動する移動手段を用いて前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射する照射手順と、前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像をその都度撮影する撮影手順にて、前記リッドの厚みにより分離した前記スリット光のリッド縁辺にある端点の平面方向の位置情報と前記パッケージの厚みにより分離した前記スリット光のパッケージ縁辺にある端点の平面方向の位置情報を光切断方式を用いて測定する画像処理手順を有する第一の検査手順と、
第一の検査手順から封止容器を略90度回転させて第一の外縁群に直交するパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁を第二の外縁群とし、第二の外縁群を略垂直に横切るスリット光を照射し前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に略水平に移動する移動手段を用いて前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射する照射手順と、前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像をその都度撮影する撮影手順にて、前記リッドの厚みにより分離した前記スリット光のリッド縁辺にある端点の平面方向の位置情報と前記パッケージの厚みにより分離した前記スリット光のパッケージ縁辺にある端点の平面方向の位置情報を光切断方式を用いて測定する画像処理手順を有する第二の検査手順と、パッケージの外縁の平面方向の位置情報と対応するリッドの外縁の平面方向の位置情報の差を予め定めた基準値と比較する事によりパッケージに対するリッドの平面方向の位置ずれを判断し、パッケージの外縁の平面方向の位置情報と対応するリッドの外縁の平面方向の位置情報の差と、前記照射手順で移動した距離に基づいてパッケージに対するリッドの傾きを計算し、予め定めた基準値と比較する事で判断する第三の検査手順とを有することを特徴とする請求項1に記載の封止容器の検査方法。
【請求項3】
パッケージにリッドを溶接した封止容器のパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁を第一の外縁群とし、第一の外縁群を略垂直に横切るスリット光を照射し前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に略水平に移動する移動手段を用いて前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射する照射手順と、前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像をその都度撮影する撮影手順にて、前記リッドの厚みにより分離した前記スリット光のリッド縁辺にある端点の平面方向の位置情報と前記パッケージの厚みにより分離した前記スリット光のパッケージ縁辺にある端点の平面方向の位置情報を光切断方式を用いて測定する画像処理手順を有する第一の検査手順と、第一の検査手順から封止容器を略90度回転させて第一の外縁群に直交するパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁を第二の外縁群とし、第二の外縁群へ略垂直に横切るスリット光を照射し前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に略水平に移動する移動手段を用いて前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射する照射手順と、前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像をその都度撮影する撮影手順にて、前記リッドの厚みにより分離した前記スリット光のリッド縁辺にある端点の平面方向の位置情報と前記パッケージの厚みにより分離した前記スリット光のパッケージ縁辺にある端点の平面方向の位置情報を光切断方式を用いて測定する画像処理手順を有する第二の検査手順と、第一の検査手順と第二の検査手順で測定した前記スリット光のリッド縁辺にある端点の平面方向の位置情報と前記スリット光のパッケージ縁辺にある端点の平面方向の位置情報を同一の座標上に座標変換し、前記スリット光のリッド外縁にある平面方向の位置情報からリッドの外縁に近似した方形を計算し、前記方形の頂点から、前記スリット光のパッケージ外縁にある平面方向の位置情報から計算したパッケージの外縁に近似した直線の各辺への最短距離を計算し、前記最短距離の値と予め定めた基準値とを比較する事でパッケージに対するリッドの平面方向の位置ずれ量を判断し、前記リッドの外縁に近似した方形の各辺と、対応する前期パッケージの外縁に近似した直線の各辺の角度の差と予め定めた基準値とを比較する事によりパッケージに対するリッドの傾きを判断する第三の検査手順を有することを特徴とする請求項1に記載の封止容器の検査方法。
【請求項4】
パッケージにリッドを溶接した封止容器の上面を照射するスリット光が、前記封止容器の隣接する縁辺を同時に横切るようなスリット光と封止容器の相対的な角度を持ち、このスリット光でパッケージの上面を照射しながら、前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に移動し、前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射する照射手順と、前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像をその都度撮影する撮影手順にて、前記リッドの厚みにより分離た前記スリット光のリッド縁辺にある端点の平面方向の位置情報と前記パッケージの厚みにより分離した前記スリット光のパッケージ縁辺にある端点の平面方向の位置情報を光切断方式を用いて測定する画像処理手順を有し、
前記スリット光のリッド外縁にある平面方向の位置情報からリッドの外縁に近似した方形を計算し、前記方形の頂点から、前記スリット光のパッケージ外縁にある平面方向の位置情報から計算したパッケージの外縁に近似した直線の各辺への最短距離を計算し、前記最短距離の値と予め定めた基準値と比較する事でパッケージに対するリッドの平面方向の位置ずれ量を判断し、前記リッドの外縁に近似した方形の各辺と、対応する前記パッケージの外縁に近似した直線の各辺の角度の差と予め定めた基準値とを比較する事によりパッケージに対するリッドの傾きを判断することを特徴とする請求項1に記載の封止容器の検査方法。
【請求項5】
前記スリット光を複数本同時に照射し複数の前記スリット光を同時に撮影し、複数の前記スリット光からなるパッケージまたはリッド縁辺の位置情報を計算することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の封止容器の検査方法。
【請求項6】
リッドをパッケージに接合した封止容器を搭載し回転および移動を行うステージとスリット光を照射する照明手段と、前記封止容器周辺を撮影する撮影手段と、前記撮像手段から得られた画像の処理を行い位置情報を測定する画像処理手段と、前記位置情報から計算された値と予め定めた基準値と比較して合否を判断する判定手段とを有し、
リッドをパッケージに接合した封止容器のパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁を第一の外縁群とし、前記第一の外縁群に直交するパッケージの相対する2辺の外縁とリッドの相対する2辺の外縁を第二の外縁群としたとき、前記照明手段にて第一の外縁群へ略垂直に横切るスリット光を照射するとともに前記スリット光と前記封止容器を相対的に略水平に移動して前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射し、前記撮影手段にて前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像を撮影し、前記画像処理手段にて平面方向の位置情報を測定する第一の検査動作を実施後、第一の検査動作から封止容器を略90度回転させ第二の外縁群へ略垂直に横切るスリット光を照射し前記スリット光に対し前記封止容器を相対的に略水平に移動し前記封止容器の複数箇所に前記スリット光を照射し、撮影手段にて前記複数箇所に照射される前記スリット光の反射像を撮影し、前記画像処理手段にて平面方向の位置情報を測定する第二の検査動作を実施し、前記判定手段は第一の検査動作と第二の検査動作で得たパッケージの外縁の平面方向の位置情報と対応するリッドの外縁の平面方向の位置情報の差によりパッケージに対するリッドの平面方向の位置ずれを判断し、パッケージの外縁の平面方向の位置情報と対応するリッドの外縁の平面方向の位置情報の差を求め、この差と前記ステージが移動した距離によりパッケージに対するリッドの傾きを計算し判断することを特徴とする封止容器の検査装置。
【請求項7】
前記判定手段において、前記第一の検査動作と前記第二の検査動作の双方で計測した平面方向の位置情報を同一の座標上に座標変換し、リッド外縁の位置情報から計算したリッドの外縁に近似した方形の頂点から、パッケージ外縁の位置情報から計算したパッケージの外縁に近似した直線の各辺への最短距離を計算し、前記最短距離の値と予め定めた基準値と比較する事によりパッケージに対するリッドの平面方向の位置ずれを判断し、前記リッドの外縁に近似した方形の各辺と、前記パッケージの外縁に近似した直線との角度の差と予め定めた基準値とを比較する事により、パッケージに対するリッドの傾きを判断することを特徴とする請求項6に記載の封止容器の検査装置。
【請求項8】
前記封止容器の隣接する縁辺を同時に横切るように封止容器に対して特定の角度を持つスリット光を照射する照明手段を有し、隣接するパッケージまたはリッド縁辺の位置情報を同時に測定することを特徴とする請求項7に記載の封止容器の検査装置。
【請求項9】
略平行な複数のスリット光を照射する照明手段を有し、前記複数のスリット光により得られたパッケージまたはリッド縁辺の位置情報を計算することを特徴とする請求項6乃至8のいずれかに記載の封止容器の検査装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−229946(P2012−229946A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97211(P2011−97211)
【出願日】平成23年4月25日(2011.4.25)
【出願人】(000227836)日本アビオニクス株式会社 (197)
【Fターム(参考)】