説明

導線破断検出方法とこれに用いる磁化器具と検出器具

【課題】高所に張られた導線の破断を検出することのできる導線破断検出方法とこれに用いる磁化器具と検出器具とを提供する。
【解決手段】高所に張られた導線の破断の有無を検出する導線破断検出方法であって、リング部材41の穴42の周囲に沿って等間隔に配置された複数の磁石43を備えた磁化器具40のその穴42にジャンパー線20を通し、この磁化器具40をジャンパー線20に沿って移動させることによりこのジャンパー線20を長手方向に沿って磁化させ、この後、リング部材の穴の周囲に沿って等間隔に配置された複数の磁気センサを備えた検出具のその穴にジャンパー線20を通し、検出器具をジャンパー線20に沿って移動させてジャパー線20の磁束密度を測定することによってジャンパー線20の破断の有無を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば鉄塔のジャンパ線などの導線の破断を検出する導線破断検出方法とこれに用いる磁化器具と検出器具とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンクリート内の鉄筋の欠陥を検出する非破壊検査方法が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
かかる非破壊検査方法は、コンクリートに埋設された鉄筋にバイアス磁場によって長手方向に沿って平行に磁化し、鉄筋の欠損部により発生する漏洩磁束を測定して欠損部を検出するものである。
【特許文献1】特開平6−294850号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような非破壊検査方法を鉄塔などの高所に張られた導線に適用することはできず、高所に張られた導線の破断を検出する有効な手段が現状ではなかった。
【0005】
この発明の目的は、高所に張られた導線の破断を検出することのできる導線破断検出方法とこれに用いる磁化器具と検出器具とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、高所に張られた導線の破断の有無を検出する導線破断検出方法であって、
貫通穴を有するとともにこの貫通穴の周囲に磁石を設けた磁化器具のその貫通穴に前記導線を通し、
この磁化器具を導線に沿って移動させることによりこの導線を長手方向に沿って磁化させ、
この後、貫通穴を有するとともにこの貫通穴の周囲に磁束密度検出手段を備えた検出器具のその貫通穴にその導線を通し、
この検出器具をその導線に沿って移動させて、この導線の表面上の磁束密度を測定することによってその導線の破断の有無を検出することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、高所に張られた導線の破断の有無を検出する導線破断検出方法であって、
非磁性体の筒体をこの筒体の穴に前記導線を通してその導線に装着し、
貫通穴を有するとともにこの貫通穴の周囲に磁石を設けた磁化器具のその貫通穴に前記筒体を通し、
この磁化器具をその筒体に沿って移動させることによりこの導線を長手方向に沿って磁化させ、
この後、貫通穴を有するとともにこの貫通穴の周囲に磁束密度検出手段を備えた検出器具のその貫通穴にその筒体を通し、
この検出器具をその筒体に沿って移動させて、前記導線の表面上の磁束密度を測定することによってその導線の破断の有無を検出することを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、前記磁化器具は、穴の周囲に沿って配置された複数の磁石を備え、
前記検出器具は、穴の周囲に沿って配置された複数の磁束密度検出手段を備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1または請求項2の磁化器具であって、
前記貫通穴を有するとともに非磁性体からなる装着部材を備え、
前記磁石は複数設けられ、
前記装着部材は、貫通穴の側壁部を開放可能に設け、この側壁部を開放して前記導線をその貫通穴に通すことを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、前記装着部材はリング状に形成されるとともに半割状に2分割され、一方の半割体の一端部と他方の半割体の一端部とが回動可能に軸支され、一方の半割体が他方の半割体に対して回動することにより、前記貫通穴であるリングの穴が開放されることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1または請求項2の検出器具であって、
前記貫通穴を有するとともに非磁性体からなる装着部材を備え、
前記磁束密度検出手段は、貫通穴の周囲に装着された複数の磁気センサであり、
前記装着部材は、貫通穴の側壁部を開放可能に設け、この側壁部を開放して前記導線をその貫通穴に通すことを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、前記装着部材はリング状に形成されるとともに半割状に2分割され、一方の半割体の一端部と他方の半割体の一端部とが回動可能に軸支され、一方の半割体が他方の半割体に対して回動することにより、前記貫通穴であるリングの穴が開放されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、高所に張られた導線の破断を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、この発明に係る導線破断検出方法とこの方法に使用する筒体と磁化器具と検出器具の実施の形態であるそれぞれの実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0015】
図1および図2において、10は導線破断検出方法に使用するプラスチックなどの非磁性体で形成された筒体であり、この筒体10は、外径が一定の筒部11と、この筒部11の両端に形成されたフランジ12,13とを有している。筒部11は、図4に示すように小径の穴部11Haと大径の穴部11Hbとを有しており、ジャンパー線20およびクランプ30の圧縮部31の部分に取り付ける。
【0016】
筒部11は、半割状に2分割されて2つの半筒部11A,11Bから形成されている。これに合わせてフランジ12,13も2分割されて半フランジ12A,12B,13A,13Bとなっている。
【0017】
半筒部11Aの一端側(図2において右端部)の中央部には長手方向に沿って所定の長さの突出部15が形成され、この突出部15にはステンレス(非磁性体)などの金属で形成された軸16が設けられている。
【0018】
半筒部11Bの一端側(図2において右端部)の中央部には長手方向に沿って所定の長さの凹部17が形成され、この凹部17に半筒部11Aの突出部15が入っており、この突出部15の軸16の両端部がその凹部17の両側部に回動自在に取り付けられている。そして、半筒部11Aが軸16回りに半筒部11Bに対して回動可能となっている。
【0019】
半フランジ12A,12B,13A,13Bの一端にはそれぞれ切欠12Aa,12Ba,13Aa,13Baが形成され、図3に示すように半筒部11Aが半筒部11Bに対して軸16を中心にして半時計回りに所定角度まで回動できるようになっている。この回動により筒部11の穴11Hが開放されることになる。
【0020】
半フランジ12A,13Aの他端には図1および図2に示すように係止片18が設けられており、この係止片18には図3に示すように凹部18aが形成されている。他方、半フランジ12B,13Bの他端には係止突起19(図3のみ表示)が設けられている。
【0021】
半筒部11Aを半筒部11Bに対して閉じているとき、すなわち、図1および図2に示す状態のとき、半筒部11Aの係止片18の凹部18aに半筒部11Bの係止突起19が係合して半筒部11Aが半筒部11Bに対して固定される。この固定の解除は所定の力で半筒部11Aを回動させることにより行われる。
【0022】
ここで、導線であるジャンパー線20(図4参照)などについて簡単に説明する。
【0023】
鉄塔には、一方の送電線(導線)と他方の送電線(導線)とがそれぞれ碍子を介して引き留められており、一方の送電線と他方の送電線とがジャンパー線(導線)20で電気的に接続される。このジャンパー線20の一端は図4に示すようにアルミ製のクランプ30の圧縮部31に取り付けられており、クランプ30側は送電線を固定する引留クランプ(図示せず)にボルトなどにより固定される。
【0024】
ジャンパー線20は、図5(A)に示すように、中心部に設けた複数の鋼線(導線)21aからなるより線21と、このより線21の周囲に設けたアルミ線からなるより線22とから構成されている。
【0025】
また、図5(B)に示すジャンパー線20は、アルミで被覆された鋼線からなるより線(導線)23と、このより線23の周囲に設けたアルミ線からなるより線22とから構成されている。
【0026】
図5(C)に示すジャンパー線20は、アルミで被覆された鋼線からなるより線(導線)24により構成されている。
【0027】
図6および図7は磁化器具40を示す。この磁化器具40は、非磁性体で形成されたリング部材(装着部材)41と、このリング部材41の穴(貫通穴)42の周囲に沿って等間隔に配置された複数の磁石43とを備えている。穴42の径は筒体10の筒部11の外径よりやや大きめに設定されている。
【0028】
リング部材41は2分割されており、この2分割された半リング部材(側壁部)41A,41Bの一端部(図6において右端部)がヒンジ44により結合され、このヒンジ44の軸45回りに半リング部材41A,41Bは回動可能となっている。そして、図10に示すように半リング部材41A,41Bを回動させることにより、リング部材41の穴42が開放される。
【0029】
また、半リング部材41Aの他端(図10において左端)には図示しないフックが設けられており、半リング部材41Bの他端には半リング部材41Aのフックに係合する図示しない突起が設けられている。そして、図6に示すように半リング部材41A,41Bを閉じると半リング部材41Bの突起が半リング部材41Aのフックに係合して、半リング部材41Aは半リング部材41Bに固定されることになる。
【0030】
この固定の解除は、半リング部材41Aを所定の力で回動させることにより行われる。
【0031】
各磁石43は、磁極の向きがリング部材41の軸線と平行になるようにリング部材41内に配置されている。
【0032】
図8および図9は検出器具50を示す。この検出器具50は、非磁性体で形成されたリング部材(装着部材)51と、このリング部材51の穴52の周囲に沿って等間隔に配置された複数の磁気センサ(磁束密度検出手段)53とを備えている。穴52の径は、筒体10の筒部11の外径よりやや大きめに設定されている。磁気センサ53は高感度の例えばMIセンサであり、矢印で示すようにリング中心から外に向かう半径方向の磁束密度成分を検出する。
【0033】
リング部材51は2分割されており、この2分割された半リング部材(側壁部)51A,51Bの一端部(図8において右端部)がヒンジ54により結合され、このヒンジ54の軸55回りに半リング部材51A,51Bは回動可能となっている。そして、図12に示すように半リング部材51A,51Bを回動させることにより、リング部材51の穴52が開放される。
【0034】
また、半リング部材51Aの他端(図12において左端)には図示しないフックが設けられており、半リング部材51Bの他端には半リング部材51Aのフックに係合する図示しない突起が設けられている。そして、図8に示すように半リング部材51A,51Bを閉じると半リング部材51Bの突起が半リング部材51Aのフックに係合して、半リング部材51Aは半リング部材51Bに固定されることになる。
【0035】
この固定の解除は、半リング部材51Aを所定の力で回動させることにより行われる。
[導線破断検出方法]
次に、上記筒体10と磁化器具40と検出器具50とを使用してジャンパー線の破断を検出する導線破断検出方法について説明する。
【0036】
先ず、図1および図2に示す筒体10の半筒部11Aを半筒部11Bに対して図3に示すように回動させる。この回動により筒部11の穴11Hが開放され、この穴11Hに図4に示すジャンパー線20およびクランプ30の圧縮部31を差し入れる。そして、半筒部11Aを図2に示すように閉じて、半筒部11Aの係止片18の凹部18aに半筒部11Bの係止突起19(図3参照)が係合して半筒部11Aが半筒部11Bに対して固定し、筒体10を図4に示すようにジャンパー線20およびクランプ30の圧縮部31に装着する。
【0037】
次に、図10に示すように、磁化器具40の半リング部材41A,41Bを回動させてリング部材41の穴42を開放させる。そして、ジャンパー線20およびクランプ30の圧縮部31に装着した筒体10の筒部11をリング部材41の穴42に差し入れる。この後、半リング部材41A,41Bを閉じ、半リング部材41Bの突起が半リング部材41Aのフックに係合して半リング部材41Aが半リング部材41Bに固定され、図11に示すように、磁化器具40が筒体10の筒部11に装着されることになる。
【0038】
そして、磁化器具40を筒部11に沿って左右に往復移動させる。この左右の往復移動によりジャンパー線20の鋼線部分であるより線21(図5(A)参照)を長手方向に沿って磁化させる。この往復移動は複数回行ってもよく、筒部11の一方から他方に1回だけ移動させるだけでもよい。
【0039】
ジャンパー線20のより線21の磁化が終了したら磁化器具40を取り外し、代わりに検出器具50を上記と同様にして筒体10の筒部11に装着する。そして、この検出器具50を筒部11の一端から他端に移動させていき、ジャンパー線20から漏れるジャンパー線20と直交する方向の漏洩磁束密度を各磁気センサ53毎に検出していく。この検出器具50の移動はどちらから移動させてもよく、筒部11における位置は図示しない位置センサによって測定される。
【0040】
各磁気センサ53が検出する漏洩磁束密度を図示しない演算回路がそれぞれ求める。
【0041】
ところで、ジャンパー線20の鋼線部分(より線21)に破断がない場合、図14の鎖線のグラフG1で示すように、筒部11の各位置におけるジャンパー線20の表面の垂直方向(ジャンパー線20の半径方向)の漏洩磁束密度の変化はほぼ一定となる。しかし、ジャンパー線20のより線21に破断があると、その破断部分で局部的に大きな漏洩磁束が生じ、この局部的な漏洩磁束により、ジャンパー線20の表面の垂直方向の漏洩磁束密度が大きく変化する。すなわち、図13のP点で鋼線(より線21)が破断している場合には図14の実線のグラフG2で示すように破断位置Pの部分で垂直方向の漏洩磁束密度の変化が逆方向となる。この変化を図示しない微分回路で求め、この微分回路で求めた微分値が閾値以上のとき、破断があると判定してブザーなどで報知したり、表示部に表示したりする。
【0042】
上記の演算回路と微分回路とブザーと表示部などは図示しない検出装置が備えているものであり、この検出装置は検査員が例えば肩などに掛けて持つものである。
【0043】
ジャンパー線20は、図5(A)の場合には複数の鋼線21aと複数のアルミ線22で構成されているが、ジャンパー線20の中心部にある鋼線21aの一本が破断している場合や複数が破断してる場合でも、リング部材51の穴52の周囲に沿って磁気センサ53を複数個設けているので、そのいずれかの磁気センサ53が垂直方向の漏洩磁束密度の変化を検出することができ、確実にその破断を検出することができる。また、図5(B)あるいは図5(C)のジャンパー線の場合も、アルミで被覆された鋼線からなるより線23あるいは24の鋼線部分が破断すれば同様に検出することができる。
【0044】
また、ジャンパー線20に筒体10を装着しているので、ジャンパー線20から磁気センサ53までの距離を一定にしてジャンパー線20からの垂直方向の漏洩磁束密度を測定することができ、このためジャンパー線20の破断を確実に検出することができる。同様に、磁化器具40で磁化する場合も、ジャンパー線20から磁気センサ53までの距離を一定にしてジャンパー線20を長手方向に一定の強度で磁化させることができ、このため、その破断を確実に検出することができる。
【0045】
上述のように、筒体10のジャンパー線20への装着や、筒体10の筒部11への磁化器具40や検出器具50の装着が簡単に行え、しかも磁化器具40や検出器具50を筒部11に沿って移動させるだけで、ジャンパー線20の磁化やジャンパー線の破断を検出することができるので、高所に張られたジャンパー線20であってもその測定は簡単に行える。
【0046】
ところで、筒体10を図4に示す位置に装着しているが、これは、ジャパー線20が風などにより大きく揺れて振動し易く、このためジャパー線20を固定するクランプ30の圧縮部31の先端部付近でジャンパー線20に大きな負荷が加わり、この部分で破断する虞(例えば図13のP点)があるからである。
【0047】
上記実施例では、磁化器具40に複数の磁石を用いているが、1つの磁石であってもよい。この場合には、磁化器具40を往復移動させるごとに、筒部11の周方向に位置をずらせていき、ジャンパー線20の周方向全体に亘って長手方向に沿って磁化させる。
【0048】
また、検出器具50のリング部材51の穴52の周囲に沿って複数の磁気センサ53を設けているが、1つの磁気センサ53であってもよい。この場合には、検出器具50を筒部11の一端から他端に移動させていくごとに、筒部11の周方向に位置をずらせていき、その移動を複数回行う。
【0049】
上記実施例では、筒体10をジャンパー線20に装着して磁化器具40でジャンパー線20を磁化させたり、ジャンパー線20の垂直方向の漏洩磁束密度を検出器具50で検出しているが、かならずしも筒体10を装着せずに、磁化器具40で直接ジャンパー線20を磁化させたり、ジャンパー線20の垂直方向の漏洩磁束密度を検出器具50で直接検出するようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施例では、ジャンパー線20の鋼線部分の破断を検出する場合について説明したが、このジャンパー線20に限らず、送電線やその他の導線の破断を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】この発明に係る導線破断検出方法の実施例に使用する筒体を示した斜視図である。
【図2】図1に示す筒体の断面図である。
【図3】筒体をジャンパー線に装着する場合の説明図である。
【図4】筒体をジャンパー線に装着した場合の断面図である。
【図5】(A)ジャンパー線の構成を示した断面図であり、(B)他のジャンパー線の構成を示した断面図であり、(C)別な他のジャンパー線の構成を示した断面図である。
【図6】磁化器具を示した斜視図である。
【図7】図6の磁化器具の構成を示した断面図である。
【図8】検出器具を示した斜視図である。
【図9】図8の検出器具の構成を示した断面図である。
【図10】磁化器具をジャンパー線に装着する場合の説明図である。
【図11】磁化器具をジャンパー線に装着した場合の断面図である。
【図12】検出器具をジャンパー線に装着する場合の説明図である。
【図13】検出器具をジャンパー線に装着した場合の断面図である。
【図14】ジャンパー線に直交する漏洩磁束密度とジャンパー線の長手方向の位置との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
【0052】
20 ジャンパー線
40 磁化器具
41 リング部材
42 穴
43 磁石
50 検出器具
51 リング部材
52 穴
53 磁気センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高所に張られた導線の破断の有無を検出する導線破断検出方法であって、
貫通穴を有するとともにこの貫通穴の周囲に磁石を設けた磁化器具のその貫通穴に前記導線を通し、
この磁化器具を導線に沿って移動させることによりこの導線を長手方向に沿って磁化させ、
この後、貫通穴を有するとともにこの貫通穴の周囲に磁束密度検出手段を備えた検出器具のその貫通穴にその導線を通し、
この検出器具をその導線に沿って移動させて、この導線の表面上の磁束密度を測定することによってその導線の破断の有無を検出することを特徴とする導線破断検出方法。
【請求項2】
高所に張られた導線の破断の有無を検出する導線破断検出方法であって、
非磁性体の筒体をこの筒体の穴に前記導線を通してその導線に装着し、
貫通穴を有するとともにこの貫通穴の周囲に磁石を設けた磁化器具のその貫通穴に前記筒体を通し、
この磁化器具をその筒体に沿って移動させることによりこの導線を長手方向に沿って磁化させ、
この後、貫通穴を有するとともにこの貫通穴の周囲に磁束密度検出手段を備えた検出器具のその貫通穴にその筒体を通し、
この検出器具をその筒体に沿って移動させて、前記導線の表面上の磁束密度を測定することによってその導線の破断の有無を検出することを特徴とする導線破断検出方法。
【請求項3】
前記磁化器具は、穴の周囲に沿って配置された複数の磁石を備え、
前記検出器具は、穴の周囲に沿って配置された複数の磁束密度検出手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の導線破断検出方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2の磁化器具であって、
前記貫通穴を有するとともに非磁性体からなる装着部材を備え、
前記磁石は複数設けられ、
前記装着部材は、貫通穴の側壁部を開放可能に設け、この側壁部を開放して前記導線をその貫通穴に通すことを特徴とする磁化器具。
【請求項5】
前記装着部材はリング状に形成されるとともに半割状に2分割され、一方の半割体の一端部と他方の半割体の一端部とが回動可能に軸支され、一方の半割体が他方の半割体に対して回動することにより、前記貫通穴であるリングの穴が開放されることを特徴とする請求項4に記載の磁化器具。
【請求項6】
請求項1または請求項2の検出器具であって、
前記貫通穴を有するとともに非磁性体からなる装着部材を備え、
前記磁束密度検出手段は、貫通穴の周囲に装着された複数の磁気センサであり、
前記装着部材は、貫通穴の側壁部を開放可能に設け、この側壁部を開放して前記導線をその貫通穴に通すことを特徴とする検出器具。
【請求項7】
前記装着部材はリング状に形成されるとともに半割状に2分割され、一方の半割体の一端部と他方の半割体の一端部とが回動可能に軸支され、一方の半割体が他方の半割体に対して回動することにより、前記貫通穴であるリングの穴が開放されることを特徴とする請求項6に記載の検出器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−2826(P2008−2826A)
【公開日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−169892(P2006−169892)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【出願人】(000144991)株式会社四国総合研究所 (116)
【Fターム(参考)】