説明

導電性パターン及びその形成方法

【課題】真空蒸着による電極形成法は工程時間が長く、薄膜形成装置及び材料の価格が高く、エッチング(etching)時に環境汚染を引き起こすおそれがあるという問題点がある。
【解決手段】本発明は導電性パターン及び上記導電性パターンの形成方法に関し、より具体的に上記導電性パターンの形成方法は、1)基板を準備するステップ、2)上記基板上に接着改善剤及び溶媒を含む第1組成物を印刷して第1パターンを形成するステップ、3)上記第1パターン上に伝導性粒子及び溶媒を含む第2組成物を印刷して第2パターンを形成するステップ、及び4)上記第1パターン及び第2パターンを焼成するステップを含む。本発明に係る導電性パターンの形成方法は、パターンと基板間の付着性を増進させることができ、疎水性基板においてもバンクを形成することなく高い解像度の微細なパターンを形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性パターン及び上記導電性パターンの形成方法に関する。
本出願は2008年1月11日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2008-0003515号の出願日の利益を主張し、その内容全部は本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0002】
近年使われているディスプレイ用透明基板、電子部品用回路基板には導電性パターンの形成が必須的である。導電性パターンは、主に感光性ペースト法またはフォトエッチング(Photo etching)法によって形成される。
【0003】
上記感光性ペースト法では、感光性電極ペーストをスクリーン印刷機(screen printer)を利用して塗布した後、フォトマスク(Photomask)を用いてUV露光を行う。このとき、UV露光が行われた部分は光架橋が行われ、アルカリ水溶液のようなエッチング液によってエッチングされなくなり、UV露光が行われていない部分は光架橋が行われず、エッチング液によってエッチングされ、最終的には特定の電極パターンが形成される。しかしながら、感光性電極ペーストを用いた電極形成はピッチの精度と電極幅の制御が不利なことが短所である。
【0004】
上記フォトエッチング法では、主に、電極を全面塗布あるいは蒸着/エッチング工程によって形成している。しかしながら、真空蒸着による電極形成法は工程時間が長く、薄膜形成装置及び材料の価格が高く、エッチング(etching)時に環境汚染を引き起こすおそれがあるという問題点がある。
【0005】
これによって、最近インクジェットプリンティングによって既存の工程を代替しようとする技術が提案されている。インクジェット技術によれば、必要な場所に材料を吐出するため材料の無駄使いが少なく、マスクの不要な直接噴射方式によって工程を単純化することができる。
【0006】
大韓民国特許公開番号第2005-0040511号では、インクと基板との付着性を増進させるために基板に吸水性高分子層を印刷した。熱処理を通じて基板に付着した吸水性高分子層を取り除いたが、この場合、高分子層が除去されるに伴って導電性パターン自体がリフトオフ(lift off)するおそれがある。
【0007】
一方、日本国特開平11-273557には、インクの流れを防止して付着性を増進させるために、基板の表面を粗く加工して精度の高いパターンを得ることができると記載されている。しかしながら、このような方法の場合、基板全体を粗く加工するため、高い透明度が必要なディスプレイ用基板への適用が不可能であり、薄型軟性基板の場合は加工が難しい点がある。
【0008】
伝導性インクを用いたインクジェット方式の配線形成技術は基板の状態によってその配線の形態が決まる。特に、最近になって小型化、高集積化されつつある電子機器で用いられる配線パターンの場合、数〜 数十μmの線幅が求められる。既存のインクジェット工程では、基板に吸水性高分子層をコーティングしてインクの付着性と線幅を改善するか、基板を物理的または化学的に粗く加工して付着性と線幅を改善したりした。しかしながら、高分子層コーティングの場合、焼成過程で導電性パターン自体がリフトオフ(lift off)するおそれがあり、基板を粗く加工する場合、基板の透明度を低下させ、薄型軟性基板の場合は加工が難しい問題がある。また、このような加工を経ると、インクジェット工程以外にさらに工程が加わることになり、コスト増になる問題がある。
【0009】
このような工程を改善するために、インクに接着改善剤(adhesion promoter)を添加する方法も研究されている。しかしながら、インクに接着改善剤を添加する場合、インク自体の粘度が上昇し、噴射特性の落ちる問題が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のような諸問題を解決するために、本発明は導電性パターンを形成する方法において、疎水性基板上でもパターンの付着性を増進させつつ導電性パターンの解像度を高めて微細なパターンを形成することができる、導電性パターンの形成方法及びこれによって製造された導電性パターンを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は上記目的を達成するために、
1)基板を準備するステップ、
2)上記基板上に接着改善剤及び溶媒を含む第1組成物を印刷して第1パターンを形成するステップ、
3)上記第1パターン上に伝導性粒子及び溶媒を含む第2組成物を印刷して第2パターンを形成するステップ、及び
4)上記第1パターン及び第2パターンを焼成するステップ、
を含む導電性パターンの形成方法を提供する。
【0012】
また、本発明は
a)基板、
b)上記基板上に印刷され、接着改善剤を含む第1パターン、及び
c)上記第1パターン上に印刷され、伝導性粒子を含む第2パターン、
を含む導電性パターンを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る導電性パターンの形成方法は、インクジェット工程による導電性パターン形成の際、基板とパターン間の付着性を増進させることができ、数〜数十μmの高い精度を有する導電性パターンを製造して導電性パターンの品質を向上することができ、様々な基板に適用させることができる。また、既存の写真エッチング工程に比べて工程を単純化することができ、工程費用を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の導電性パターン形成の際、基板上に第1組成物を印刷して第1パターンを形成することを概略的に示した図である。
【図2】本発明の導電性パターン形成の際、基板上に第1組成物を印刷して第1パターンを形成することを概略的に示した図である。
【図3】本発明の導電性パターン形成の際、第1パターン上に第2組成物を印刷して第2パターンを形成することを概略的に示した図である。
【図4】本発明の導電性パターン形成の際、第1パターン上に第2組成物を印刷して第2パターンを形成することを概略的に示した図である。
【図5】本発明の実施例および比較例の付着性テスト結果を示した図であって、図5の点線を境界に右側面が付着性テストを行った面であり、左側面はテストを行っていない面である。
【図6】本発明の実施例および比較例の付着性テスト結果を示した図であって、図6の点線を境界に右側面が付着性テストを行った面であり、左側面はテストを行っていない面である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明においては、基板とパターン間の付着性を増進させて導電性パターンの精度を高めるために、2つの異なる組成物を使う方法を利用する。それぞれの組成物は基板とパターン間の付着性を極大化し、残留粒子量を減らした第1組成物と、伝導性を極大化した第2組成物とに区分することができる。基板上に上記第1組成物を印刷して付着し、その上に第2組成物を印刷することにより、付着性に優れ、微細な線幅の線状導電性パターンを形成することができる。
【0016】
具体的に、本発明に係る導電性パターンの形成方法は、1)基板を準備するステップ、2)上記基板上に接着改善剤及び溶媒を含む第1組成物を印刷して第1パターンを形成するステップ、3)上記第1パターン上に伝導性粒子及び溶媒を含む第2組成物を印刷して第2パターンを形成するステップ、及び4)上記第1パターン及び第2パターンを焼成するステップを含む。
【0017】
本発明に係る導電性パターンの形成方法において、上記1)ステップの基板は、特に制限されるものではなく、ディスプレイ用基板、電子部品用基板等に適用することができるガラス基板、プラスチック基板等を用いることができる。
【0018】
上記1)ステップにおいては、基板を洗浄する工程、基板に前処理を行う工程等が含まれてもよい。上記基板の洗浄方法、前処理方法等は基板または印刷組成物の種類によって適切に選択することができる。より具体的には、上記基板の洗浄は、プラズマクリーニングで行ってもよく、上記基板の前処理は疎水性基板処理工程を行ってもよいが、これに限定されるものではない。
【0019】
特に、微細な線幅を有する導電性パターンを形成するために、上記1)ステップの基板に疎水性基板処理を施すことができる。上記疎水性基板処理は、当技術分野において公知された方法で行ってもよく、より具体的には、プラズマ処理、SAMコーティング、界面活性剤コーティング等の方法を用いることができる。
【0020】
上記のように基板に疎水性基板処理を施す場合、従来の伝導性粒子を含む組成物は、疎水性基板で断線が生じるか、組成物の液滴が部分的に集塊状になる現象が発生し、最終的に形成される導電性パターンの形状が均一でなく、焼成後に導電性パターンが基板から剥がれる現象が発生し、深刻な伝導性の低下を示す問題点があった。しかしながら、本発明は特定の組成を有する第1組成物及び第2組成物を順に基板に印刷し、基板とパターン間の付着性を向上させることができ、高い精度を有する導電性パターンを形成することができる。
【0021】
本発明に係る導電性パターンの形成方法において、上記2)ステップの第1組成物は、接着改善剤0.1〜35wt%、及び溶媒65〜99.9wt%を含んでもよい。
【0022】
本発明において、上記接着改善剤とは、パターンと基板との接着性を改善させることができる成分を意味する。上記接着改善剤は、基板の種類やパターンの組成によって選択することができる。上記接着改善剤は、溶媒に溶解した状態で基板との接触角が30°以下、好ましくは20°以下である。さらに、上記接着改善剤は、焼成時の溶融点が300℃以下、好ましくは200℃以下である。
【0023】
上記第1組成物は接着改善剤を含んでいるため、基板とパターン間の付着性を増進させることができる。また、組成物中に基材の表面特徴に適した添加剤を添加して基材を特化させることもできる。但し、本発明に係る接着改善剤は水分吸水性と関係なく、むしろコスト等を考慮すると、水分吸水性を持たない方がより好ましい。
【0024】
上記接着改善剤の具体的な例としては、ガラスフリット(glass frit)、シリカビーズ(silica beads)、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、セルロース系重合体、これらの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。特に、基材の表面がガラス(glass)の場合、ガラスフリット(glass frit)やシリカビーズ(silica beads)のように基材の表面と類似する添加剤を添加して第1組成物を特化させることができる。上記接着改善剤としては1種または2種以上が用いられてもよい。
【0025】
上記第1組成物はさらに伝導性粒子を含んでもよいが、その含量は0.1〜10wt%であることが好ましい。上記第1組成物が伝導性粒子を含む場合、第1組成物は伝導性粒子0.1〜10wt%、接着改善剤0.1〜35wt%及び溶媒55〜99.8wt%を含むことが好ましい。伝導性粒子が10wt%を超過する場合、粘度上昇によって印刷が難しい。しかし、第1組成物が伝導性粒子を0.1wt%以上10wt%以下で含む場合、粘度上昇をもたらさないつつも、焼成時に第1組成物中の伝導性粒子が第2パターン中の伝導性粒子と連結されることにより伝導性を向上できるだけでなく、第1パターンと第2パターンとの付着性を向上させることができる。さらに、第1組成物が上記範囲内の伝導性粒子を含む場合、第1組成物が印刷され乾燥されて形成された第1パターンの表面には突起が設けられ、凹凸を持つようになる。よって、第1パターンと第2パターンとの間の付着性をさらに向上させることができる。
【0026】
上記伝導性粒子の具体的な例としては、Ag、Cu、Au、Cr、Al、W、Zn、Ni、Fe、Pt、Pb、これらの合金、これらの混合物等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0027】
上記伝導性粒子の粒子径は500nm以下、好ましくは200nm以下、より好ましくは 100nm以下であってもよい。上記伝導性粒子の粒子径は0.1nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましい。
【0028】
上記溶媒の具体的な例としては、水、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル, プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエテン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、t-ブタノール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、2-メトキシブチルアセテート、エチル3-エトキシプロピオネート、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホン、エチレングリコールアセテート、エチルエーテルアセテート、エチルラクテート、ポリエチレングリコール、シクロヘキサノン、これらの混合物等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。
【0029】
上記第1組成物の好ましい粘度は0.5〜40cpsである。
【0030】
上記第1組成物は当技術分野において知られている添加剤をさらに含んでもよい。上記添加剤としては、分散剤、界面活性剤等があるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
基板上に上記第1組成物を印刷する方法はインクジェット法を用いることができる。
【0032】
本発明に係る導電性パターンの形成方法において、上記2)ステップの後に基板上に形成された第1パターンを乾燥するステップをさらに含んでもよい。上記乾燥は 25〜150℃の温度で10分以上行うことができるが、これに限定されるものではない。
【0033】
上記第1組成物が伝導性粒子を上述した範囲で含む場合、上記2)ステップ及び必要な場合第1パターンの乾燥ステップによって、基板とパターン間の付着力に優れた第1組成物から基板上に伝導性粒子を含む突起が形成される。一般的に表面が滑らかな場合よりも表面が粗い場合に同一面積内で組成物の接触面が増加することになり、それによって組成物の付着性が増進される効果を得ることができる。すなわち、上記のような伝導性粒子を含む突起は疎水性基板表面で第2組成物の印刷のとき、一種のインクのガイドラインの役割をして、微細な導電性パターンを簡易に形成できるようにする。
【0034】
本発明に係る導電性パターンの形成方法において、上記3)ステップの第2組成物は伝導性粒子10〜90wt%及び溶媒10〜90wt%を含んでもよい。
【0035】
上記第2組成物に含まれる伝導性粒子及び溶媒の具体的な例は、上述した上記第1組成物に含まれる伝導性粒子及び溶媒として例示したものを用いることができる。
【0036】
上記第2組成物は、従来の導電性パターン形成時に用いられた組成物から分散性を阻害し粘度上昇の原因となる接着改善剤を排除し、安定した分散を維持することができ、組成物の組成を単純化することができ、組成物の粘度を自由に調節することができる。また、組成物の分散性及び伝導度を高めることができ、基板上に印刷された第1パターン上に印刷するため、基板の表面特性による影響を排除することができる。
【0037】
上記第2組成物の好ましい粘度は0.5〜40cpsである。
【0038】
上記第2組成物中には必要によって分散剤、界面活性剤等の添加剤を追加してもよい。
【0039】
本発明に係る導電性パターンの形成方法において、上記第1パターンの乾燥ステップを省略する場合、複数のインクジェットヘッドを用いて上記2)ステップ及び3) ステップを同時に進行することもできる。このような場合には必要によって基板を加熱し、基板上に第1パターンの付着性を増進させることができる。
【0040】
上記第1組成物および第2組成物の印刷の際、各組成物の印刷量は所望するパターンの形状や目的とする用途によって変わってもよい。例えば、伝導性配線の形成の際、第1組成物の量は第2組成物の量を超過しないことが好ましい。
【0041】
上記3)ステップの後に上記第2パターンを乾燥するステップをさらに含んでもよい。
【0042】
本発明に係る導電性パターンの形成方法において、上記4)ステップは基板上に形成された第1パターン及び第2パターンを焼成するステップである。上記焼成は 200℃以上の温度で10分以上行うことができるが、これに限定されるものではない。
【0043】
さらに、本発明に係る導電性パターンはa)基板、b)上記基板上に印刷され、接着改善剤を含む第1パターン、及びc)上記第1パターン上に印刷され、伝導性粒子を含む第2パターンを含む。
【0044】
本発明に係る導電性パターンは基板との付着性に優れており、数〜数十μmの高い精度を持つ。
【0045】
第1パターンおよび第2パターンの厚さまたは幅は、所望するパターンの形状や目的とする用途によって変わってもよい。例えば、伝導性配線の形成の際、第1パターンの厚さは第2パターンの厚さ超過しないことが好ましい。
【0046】
本発明に係る導電性パターンはディスプレイ装置、電子部品用回路等に適用することができるが、これに限定されるものではない。
【0047】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を提示する。ところが、下記の実施例は本発明をより容易に理解するために提供されるものに過ぎず、これによって本発明の内容が限定されるものではない。
【0048】
[実施例]
基板上にプロピレングリコールプロピルエーテル(propylene glycol propyl ether, PGPE)、エチレングリコール(ethylene glycol, EG)、及びグリセロール(glycerol)から構成される溶媒70wt%とAg NP(Ag nano particle)5wt%、接着改善剤としてPEG600 25wt%を用いた第1組成物を印刷した。第1組成物を乾燥した後に形成されたパターンの上にプロピレングリコールプロピルエーテル(propylene glycol propyl ether, PGPE)、エチレングリコール(ethylene glycol, EG)、及びグリセロール(glycerol)から構成される溶媒50wt%とAg NP(Ag nano particle)50wt%からなる第2組成物を印刷した。560℃で4時間焼成後、3Mテープによって付着性テストを進行した結果、導電性パターンの損傷なく付着性に優れていることを確認した。
【0049】
上記結果を図5及び図6に示した。
【0050】
<比較例>
基板上にプロピレングリコールプロピルエーテル(propylene glycol propyl ether, PGPE)、エチレングリコール(ethylene glycol, EG)、及びグリセロール(glycerol)から構成される溶媒50wt%とAg NP(Ag nano particle)50wt%からなる組成物を印刷した。これによって基板上に導電性パターンを形成した。上記実施例と同様に560℃で4時間塑性後、付着性テストを進行したが、付着性が低くて導電性パターンの一部が毀損されることを確認した。
【0051】
上記結果を図5および図6に示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)基板を準備するステップ、
2)前記基板上に接着改善剤及び溶媒を含む第1組成物を印刷して第1パターンを形成するステップ、
3)前記第1パターン上に伝導性粒子及び溶媒を含む第2組成物を印刷して第2パターンを形成するステップ、及び
4)前記第1パターン及び第2パターンを焼成するステップ、
を含む導電性パターンの形成方法。
【請求項2】
前記1)ステップの基板は、ガラス基板またはプラスチック基板であることを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項3】
前記1)ステップは、疎水性基板処理工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項4】
前記2)ステップの第1組成物は、接着改善剤0.1〜35wt%及び溶媒65〜99.9wt%を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項5】
前記2)ステップの前記第1組成物は、伝導性粒子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項6】
前記2)ステップの前記第1組成物は、伝導性粒子0.1〜10wt%、接着改善剤0.1〜35wt%及び溶媒55〜99.8wt%を含むことを特徴とする請求項5に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項7】
前記2)ステップまたは4)ステップの伝導性粒子は、Ag、Cu、Au、Cr、Al、W、Zn、Ni、Fe、Pt、Pb及びこれらの合金からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項5に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項8】
前記2)ステップの接着改善剤は、溶媒に溶解した状態で基板との接触角が30°以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項9】
前記2)ステップの接着改善剤は、ガラスフリット(glass frit)、シリカビーズ(silica beads)、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール、及びセルロース系重合体からなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項10】
上記2)ステップまたは3)ステップの溶媒は、水、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル, プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1,2-トリクロロエテン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、t-ブタノール、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、2-メトキシブチルアセテート、エチル3-エトキシプロピオネート、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、γ-ブチロラクトン、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスルホン、エチレングリコールアセテート、エチルエーテルアセテート、エチルラクテート、ポリエチレングリコール、及びシクロヘキサノンからなる群から選択される1種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項11】
上記2)ステップの後上記第1パターンを乾燥するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項12】
上記3)ステップの第2組成物は、伝導性粒子10〜90wt%及び溶媒10〜90wt%を含むことを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項13】
上記2)ステップの第1組成物の印刷及び3)ステップの第2組成物の印刷はインクジェット法により行われることを特徴とする請求項1に記載の導電性パターンの形成方法。
【請求項14】
a)基板、
b)前記基板上に印刷され、接着改善剤を含む第1パターン、及び
c)前記第1パターン上に印刷され、伝導性粒子を含む第2パターン、
を含む導電性パターン。
【請求項15】
前記第1パターンが伝導性粒子をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の導電性パターン。
【請求項16】
前記第1パターンが第2パターンとの界面で表面凹凸を持つことを特徴とする請求項14に記載の導電性パターン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−170910(P2009−170910A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−4018(P2009−4018)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【出願人】(500239823)エルジー・ケム・リミテッド (1,221)
【Fターム(参考)】