説明

導電性金属ペースト及びその製造方法、導電性パターンの形成方法並びに導電性金属ペースト用添加剤及びその製造方法

【課題】本発明は、安定な金属コロイド粒子を含有し、低温硬化で良好な接着性、導電性を有する導電性金属ペースト及びその製造方法、上記導電性金属ペーストを利用した導電性パターンの形成方法、並びに、導電性金属ペースト用添加剤及びその製造方法を提供する。
【解決手段】金属フィラー、エポキシ樹脂、硬化剤、上記エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤、及び、平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を含むことを特徴とする導電性金属ペースト。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性金属ペースト及びその製造方法、導電性パターンの形成方法並びに導電性金属ペースト用添加剤及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷やディスペンサー等による、導電性パターンの形成、基板の貫通穴の穴埋め、基板上への部品の搭載・接続を目的として、半田が一般的に用いられているが、環境保護の観点から鉛フリーの半田の開発が求められてきた。しかしながら、このような鉛フリーの半田は、焼結時に高温での加熱を必要とするため、熱に対して弱い材質には使用することが困難という問題を有する。
【0003】
このため、鉛を用いない導電性金属ペーストとして、銀粉及び熱硬化性樹脂からなる導電性金属ペーストが開発されている(例えば、特許文献1参照)。更に、近年の電子機器の軽薄短小化に伴い、より軽量のプラスチック基板が用いられる要求があり、より低温の加熱温度で良好な接着性、導電性を有する導電性金属ペーストが求められている。
【0004】
一般に平均粒子径が数nm〜数十nm程度の金属微粒子は、その金属自体の融点よりも格段に低い温度で焼結することが知られている。これは、金属の微粒子においては、その粒子径を充分に小さくすると、全体に対する粒子表面に存在するエネルギー状態の高い原子の割合が大きくなり、金属原子の表面拡散が無視し得ないほど大きくなるために、粒子相互の界面の延伸がなされ焼結が行われるためと考えられる。このため、金属微粒子を使用することによって、低温焼付条件でも充分に導電性を有する導電性金属ペーストを得られることが期待される。
【0005】
金属微粒子表面に分散相を形成し、分散媒に安定に分散させた金属コロイド粒子が開発されている(例えば、特許文献2参照)。しかし、このような金属コロイド粒子を導電性金属ペーストに配合すると、金属コロイド粒子が非常に安定なコロイド状になっているために、金属間のランダムチェーンを形成することができず、低温硬化では充分な導電性を得ることができない。つまり、高い導電性を得るためには、分散相を分解するだけの温度で加熱する工程が必要となり、低温硬化性という効果を得ることができなかった。
【0006】
特許文献3には、粒子径が限定された銅系金属粉末、金属超微粒子、有機酸等からなる導電性金属ペーストが開示されている。このような導電性金属ペーストは、低温での硬化が可能であるものの、銅系金属粉末の粒子径が限定されているために銅系金属粉末の選別工程が必要となり、コストの面で不利であった。さらに、分散相を有する金属超微粒子を使用したものではないため、金属超微粒子を均一に系中に存在させることができず、充分な導電性が得られない場合がある。
【0007】
低温硬化性と安定性の両立を図るため、加熱時に金属微粒子表面に存在する分散相と反応する成分を配合することによって分散相を除去し、金属同士の接触面を増加することができる導電性ペーストが開示されている(例えば、特許文献4参照)。しかしながら、このような導電性ペーストは、分散相を有機酸等と反応させることによって効果が得られるものであることから、分散相を形成する際に使用できる分散剤の種類が制限され、金属コロイド粒子を充分安定に分散させることが困難となる。
【0008】
また、特許文献5には、特許文献4と同様に、加熱時に金属微粒子表面に存在する分散相と反応する成分を配合することによって分散相を除去し、金属同士の接触面を増加することができる導電性金属ペーストが開示されている。しかしながら、このような導電性金属ペーストは、分散相を形成する分散剤がバインダー樹脂との相溶性を有するものではなかったために、効率的に導電経路を形成することはできなかった。
【0009】
【特許文献1】特開2003−16838号公報
【特許文献2】特開平11−319538号公報
【特許文献3】国際公開第02/35554号パンフレット
【特許文献4】特開平10−312712号公報
【特許文献5】特開2005−26081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記に鑑み、安定な金属コロイド粒子を含有し、低温硬化で良好な接着性、導電性を有する導電性金属ペースト及びその製造方法、上記導電性金属ペーストを利用した導電性パターンの形成方法、並びに、導電性金属ペースト用添加剤及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、金属フィラー、エポキシ樹脂、硬化剤、上記エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤、及び、平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を含むことを特徴とする導電性金属ペーストに関する。
【0012】
上記相溶性分散剤は、下記式を満たすものであることが好ましい。
0.1≦A≦20
Aは、25℃の温度において上記相溶性分散剤0.5gとアセトン10gとからなる溶液に水を添加していく場合において上記溶液が白濁する時点の上記水の添加量(ml)を表す。
【0013】
上記金属コロイド粒子は、銀を含む金属からなるものであることが好ましい。
【0014】
上記金属フィラーは、銅粒子の表面が銀により被覆されたコア・シェル型の銅/銀複合ミクロン粒子であることが好ましい。
【0015】
本発明は、上記導電性金属ペーストを塗布して熱硬化させることを特徴とする導電性パターンの形成方法でもある。
【0016】
本発明は、水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、及び、上記水系金属コロイド分散体に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする、金属フィラー、上記エポキシ樹脂、硬化剤、上記相溶性分散剤、及び、上記金属コロイド粒子を含む導電性金属ペーストの製造方法でもある。
【0017】
本発明は、水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、上記水系金属コロイド分散体に炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルを加えて限外ろ過を行う工程(2)、及び、上記限外ろ過により得られるろ物に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする、金属フィラー、上記エポキシ樹脂、硬化剤、上記相溶性分散剤、及び、上記金属コロイド粒子を含む導電性金属ペーストの製造方法でもある。
【0018】
本発明は、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤、及び、平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を含むことを特徴とする導電性金属ペースト用添加剤でもある。
【0019】
本発明は、水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、及び、上記水系金属コロイド分散体に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする、上記相溶性分散剤、及び、上記金属コロイド粒子を含む導電性金属ペースト用添加剤の製造方法でもある。
【0020】
本発明は、水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、上記水系金属コロイド分散体に炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルを加えて限外ろ過を行う工程(2)、及び、上記限外ろ過により得られるろ物に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする、上記相溶性分散剤、及び、上記金属コロイド粒子を含む導電性金属ペースト用添加剤の製造方法でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明の導電性金属ペーストは、金属フィラー、エポキシ樹脂、硬化剤、上記エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤、及び、平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を含むものである。本発明の導電性金属ペーストとは、回路印刷等に用いられる導電性コーティング剤、導電性インク、及び、半田代替の導電性接着剤としての用途に使用されるものである。
【0022】
本発明の導電性金属ペーストは、エポキシ樹脂との相溶性に優れた相溶性分散剤含むものであるので、低温で硬化させても良好な導電性を得ることができる。これは、金属フィラー間に金属コロイド粒子が均一に分散することで金属フィラー間の導電経路が効率よく形成されるからである。
【0023】
上記相溶性分散剤は、高分子量の重合体に金属粒子表面に対する親和性の高い官能基が導入されているとともに、溶媒和部分を含む構造を有する両親媒性の共重合体であり、通常は顔料ペーストの製造時に顔料分散剤として使用されているものである。
【0024】
上記相溶性分散剤は、上記金属コロイド粒子表面に分散相を形成し、上記金属コロイド粒子が溶媒中で分散するのを安定化する働きをしていると考えられる。
【0025】
上記相溶性分散剤は、エポキシ樹脂との相溶性に優れたものであれば特に限定されない。上記相溶性分散剤は、エポキシ樹脂との相溶性に優れることから、下記式を満たすものであることが好ましい。Aが0.1未満であると、疎水性が高くなりすぎ粘度が上昇し、又、導電性が低下するおそれがある。Aが20を超えると、親水性が高くなりすぎ粘度が上昇し、又、導電性が低下するおそれがある。
0.1≦A≦20
Aは、25℃の温度において上記相溶性分散剤0.5gとアセトン10gとからなる溶液に水を添加していく場合において上記溶液が白濁する時点の上記水の添加量(ml)を表す。
【0026】
上記Aは、0.5以上であることが好ましく、10以下であることが好ましい。
【0027】
上記相溶性分散剤としては特に限定されないが、以下に説明するものを好適に使用することができる。すなわち;
(1)顔料親和性基を主鎖及び/又は複数の側鎖に有し、かつ、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を有する櫛形構造の高分子
(2)主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子
(3)主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子
【0028】
ここで、上記顔料親和性基とは、顔料の表面に対して強い吸着力を有する官能基をいい、例えば、オルガノゾルにおいては、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、塩基性窒素原子を有する複素環基、ヒドロキシル基、カルボキシル基;ヒドロゾルにおいては、フェニル基、ラウリル基、ステアリル基、ドデシル基、オレイル基等を挙げることができる。本発明において、上記顔料親和性基は、金属に対して強い親和力を示す。上記相溶性分散剤は、上記顔料親和性基を有することにより、貴金属又は銅の保護コロイドとして充分な性能を発揮することができる。
【0029】
上記櫛形構造の高分子(1)は、上記顔料親和性基を有する主鎖及び/又は複数の側鎖とともに、溶媒和部分を構成する複数の側鎖を主鎖に結合した構造のものであり、これらの側鎖があたかも櫛の歯のように主鎖に結合されているものである。本明細書中、上述の構造を櫛形構造と称する。上記櫛形構造の高分子(1)において、上記顔料親和性基は、側鎖末端に限らず、側鎖の途中や主鎖中に複数存在していてもよい。なお、上記溶媒和部分は、溶媒に親和性を有する構造をいう。上記溶媒和部分は、例えば、水溶性の重合鎖、親油性の重合鎖等から構成されている。
【0030】
上記櫛形構造の高分子(1)としては特に限定されず、例えば、特開平5−177123号公報に開示されている1個以上のポリ(カルボニル−C 〜C −アルキレンオキシ)鎖を有し、これらの各鎖が3〜80個のカルボニル−C 〜C −アルキレンオキシ基を有しかつアミド又は塩架橋基によってポリ(エチレンイミン)に結合されている構造のポリ(エチレンイミン)又はその酸塩からなるもの;特開昭54−37082号公報に開示されているポリ(低級アルキレン)イミンと、遊離のカルボン酸基を有するポリエステルとの反応生成物よりなり、各ポリ(低級アルキレン)イミン連鎖に少なくとも2つのポリエステル連鎖が結合されたもの;特公平7−24746号公報に開示されている末端にエポキシ基を有する高分子量のエポキシ化合物に、アミン化合物と数平均分子量300〜7000のカルボキシル基含有プレポリマーとを同時に又は任意順に反応させて得られる顔料分散剤等を挙げることができる。
【0031】
上記櫛形構造の高分子(1)は、顔料親和性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好ましい。2個未満であると、分散安定性が充分ではなく、3000個を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となるおそれがある。また、コロイド粒子分散体と溶媒との親和性が低下してコロイド粒子の濃度を高めることが困難となるおそれがある。より好ましくは、25〜1500個である。
【0032】
上記櫛形構造の高分子(1)は、溶媒和部分を構成する側鎖が1分子中に2〜1000存在するものが好ましい。2未満であると、分散安定性が充分ではなく、1000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となるおそれがある。また、コロイド粒子分散体の粘度が高くなりすぎてコロイド粒子の濃度を高めることが困難となるおそれがある。より好ましくは、5〜500である。
【0033】
上記櫛形構造の高分子(1)は、数平均分子量が2000〜1000000であることが好ましい。2000未満であると、分散安定性が充分ではなく、1000000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となるおそれがある。また、溶媒への溶解性が低下してコロイド粒子の濃度を高めることが困難となるおそれがある。より好ましくは、4000〜500000である。
【0034】
上記主鎖中に顔料親和性基からなる複数の顔料親和部分を有する高分子(2)は、複数の顔料親和性基が主鎖にそって配置されているものであり、上記顔料親和性基は、例えば、主鎖にペンダントしているものである。本明細書中、上記顔料親和部分は、上記顔料親和性基が1つ又は複数存在して、顔料表面に吸着するアンカーとして機能する部分をいう。
【0035】
上記高分子(2)としては、例えば、特開平4−210220号公報に開示されているポリイソシアネートと、モノヒドロキシ化合物及びモノヒドロキシモノカルボン酸又はモノアミノモノカルボン酸化合物の混合物、並びに、少なくとも1つの塩基性環窒素とイソシアネート反応性基とを有する化合物との反応物;特開昭60−16631号公報、特開平2−612号公報、特開昭63−241018号公報に開示されているポリウレタン/ポリウレアよりなる主鎖に複数の第3級アミノ基又は塩基性環式窒素原子を有する基がペンダントした高分子;特開平1−279919号公報に開示されている水溶性ポリ(オキシアルキレン)鎖を有する立体安定化単位、構造単位及びアミノ基含有単位からなる共重合体であって、アミン基含有単量単位が第3級アミノ基若しくはその酸付加塩の基又は第4級アンモニウムの基を含有しており、該共重合体1g当たり0.025〜0.5ミリ当量のアミノ基を含有する共重合体;特開平6−100642号公報に開示されている付加重合体からなる主鎖と、少なくとも1個のC 〜C アルコキシポリエチレン又はポリエチレン−コプロピレングリコール(メタ)アクリレートからなる安定化剤単位とからなり、かつ、2500〜20000の質量平均分子量を有する両親媒性共重合体であって、主鎖は、30質量%までの非官能性構造単位と、合計で70質量%までの安定化剤単位及び官能性単位とを含有しており、上記官能性単位は、置換されているか又は置換されていないスチレン含有単位、ヒドロキシル基含有単位及びカルボキシル基含有単位であり、ヒドロキシル基とカルボキシル基、ヒドロキシル基とスチレン基及びヒドロキシル基とプロピレンオキシ基又はエチレンオキシ基との比率が、それぞれ、1:0.10〜26.1;1:0.28〜25.0;1:0.80〜66.1である両親媒性高分子等を挙げることができる。
【0036】
上記高分子(2)は、顔料親和性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好ましい。2個未満であると、分散安定性が充分ではなく、3000個を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となり、また、コロイド粒子の粒度分布が広くなり、彩度が低下するおそれがある。より好ましくは、25〜1500個である。
【0037】
上記高分子(2)は、数平均分子量が2000〜1000000であることが好ましい。2000未満であると、分散安定性が充分ではなく、1000000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となるおそれがある。また、溶媒への溶解性が低下してコロイド粒子の濃度を高めることが困難となるおそれがある。より好ましくは、4000〜500000である。
【0038】
上記主鎖の片末端に顔料親和性基からなる顔料親和部分を有する直鎖状の高分子(3)は、主鎖の片末端のみに1つ又は複数の顔料親和性基からなる顔料親和部分を有しているが、顔料表面に対して充分な親和性を有するものである。
【0039】
上記直鎖状の高分子(3)としては特に限定されず、例えば、特開昭46−7294号公報に開示されている一方が塩基性であるA−Bブロック型高分子;米国特許第4656226号明細書に開示されているAブロックに芳香族カルボン酸を導入したA−Bブロック型高分子;米国特許第4032698号明細書に開示されている片末端が塩基性官能基であるA−Bブロック型高分子;米国特許第4070388号明細書に開示されている片末端が酸性官能基であるA−Bブロック型高分子;特開平1−204914号公報に開示されている米国特許第4656226号明細書に記載のAブロックに芳香族カルボン酸を導入したA−Bブロック型高分子の耐候黄変性を改良したもの等を挙げることができる。
【0040】
上記直鎖状の高分子(3)は、顔料親和性基が1分子中に2〜3000個存在するものが好ましい。2個未満であると、分散安定性が充分ではなく、3000個を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となるおそれがある。また、コロイド粒子分散体の粘度が高くなりすぎてコロイド粒子の濃度を高めることが困難となるおそれがある。より好ましくは、5〜1500個である。
【0041】
上記直鎖状の高分子(3)は、数平均分子量が1000〜1000000であることが好ましい。1000未満であると、分散安定性が充分ではなく、1000000を超えると、粘度が高すぎて取り扱いが困難となるおそれがある。また、溶媒への溶解性が低下してコロイド粒子の濃度を高めることが困難となるおそれがある。より好ましくは、2000〜500000である。
【0042】
上記相溶性分散剤としては、種々のものが利用できるが、市販されているものを使用することもできる。0.1≦A≦20を満たす市販品としては、例えば、以下のものを例示できる。
【0043】
ディスパービック102、ディスパービック103、ディスパービック106、ディスパービック108、ディスパービック109、ディスパービック112、ディスパービック116、ディスパービック140、ディスパービック142、ディスパービック145、ディスパービック161、ディスパービック162、ディスパービック162、ディスパービック163、ディスパービック164、ディスパービック166、ディスパービック167、ディスパービック168、ディスパービック170、ディスパービック171、ディスパービック174、ディスパービック182、ディスパービック2000、ディスパービック2001、ディスパービック2020、ディスパービック2050、ディスパービック2070、ディスパービック2150、BYK−P105、BYK−9076、BYK−9077、BYK−220S(以上、ビックケミー社製。)。
【0044】
EFKA−1101、EFKA−4008、EFKA−4009、EFKA−4010、EFKA−4015、EFKA−4020、EFKA−4046、EFKA−4047、EFKA−4050、EFKA−4055、EFKA−4060、EFKA−4061、EFKA−4080、EFKA−4300、EFKA−4330、EFKA−4340、EFKA−4400、EFKA−4401、EFKA−4402、EFKA−4403、EFKA−4406、EFKA−5010、EFKA−5044、EFKA−5054、EFKA−5055、EFKA−5065、EFKA−5066、EFKA−5070、EFKA−5071、EFKA−5207、EFKA−5244(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製。)。
【0045】
ソルスパース24000、ソルスパース26000、ソルスパース28000、ソルスパース32000、ソルスパース32500、ソルスパース32550、ソルスパース34750、ソルスパース35100、ソルスパース36000、ソルスパース37500、ソルスパース38500、ソルスパース39000、ソルスパース41000、ソルスパース54000、ソルスパース71000、ソルスパース8000、ソルスパース8100、ソルスパース8200、ソルスパース9000、ソルスパースRM50(以上、ルーブリゾール社製。)。
【0046】
フローレンD90、フローレンG−700、フローレンDOPA−33、フローレンDOPA−15BHF、フローレンDOPA−17HF、フローレンNC−500(以上、共社化学社製。)。
【0047】
アジスパーPB711、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPN411、アジスパーPA111(以上、味の素ファインテクノ社製。)。ディスパロンDA−7301、ディスパロンDA−234、ディスパロンDA−325、ディスパロンDA−375(以上、楠本化成社製。)。サーフィノールTG(エアロプロダクツ社製)。サーフィノールTG(エアープロダクツ社製)。
【0048】
上記の各相溶性分散剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
上記相溶性分散剤の配合量は、上記金属100質量部に対して5〜1000質量部が好ましい。5質量部未満であると、上記貴金属又は銅のコロイド粒子の分散性が不充分となるおそれがあり、1000質量部を超えると、塗料や樹脂成型物に配合した際に、バインダー樹脂に対する相溶性分散剤の混入量が多くなり、物性等に不具合が生じやすくなる。より好ましくは、20〜200質量部である。従って、本発明においては、添加量の下限を極めて少量とすることができる。
【0050】
上記金属コロイド粒子は、相溶性分散剤からなる分散相を表面に有し、コロイド状に安定に分散した平均粒子径が100nm以下である金属の微粒子である。100nmを超えると、充分な導電性を得ることができない。好ましくは5nm以上である。上記金属コロイド粒子は、金属化合物を溶媒に溶解して生じる金属イオンを還元し、得られたコロイド溶液に相溶性分散剤を添加した上で、電気透析、遠心分離、限外濾過等を行うことにより得ることができる。
【0051】
上記金属コロイド粒子の平均粒子径は、透過型電子顕微鏡により測定するものである。
【0052】
上記金属コロイド粒子となる金属としては特に限定されないが、優れた導電膜を得る点から、貴金属又は銅が好ましい。上記貴金属としては特に限定されず、例えば、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等を挙げることができる。なかでも、金、銀、パラジウム、白金がより好ましく、導電性付与の観点から銀を含む金属からなるものであることが更に好ましく、銀が最も好ましい。
【0053】
上記金属コロイド粒子は、銀及びビスマスからなる合金ナノ粒子であってもよい。上記ビスマスは、銀より融点が低く、且つ、銀との共晶を形成するため、凝固点降下によって両成分物質の融点より低い温度(共融点)で融解する。従って、低温での熱処理による焼結が可能になる。また、ビスマスは、導電性が低いものの、銀との共晶形成により合金ナノ粒子中に結晶粒子レベルで点在するため、合金ナノ粒子の焼結が行われ、銀原子による導電経路が導電性パターンに形成される際に、ビスマスの存在によって導電経路が遮断されたり阻害されたりし難く、これにより、導電性の低い金属との合金化に起因した抵抗値の上昇が抑制される。
【0054】
本発明の導電性金属ペーストは、更に、エポキシ樹脂を含有するものである。上記エポキシ樹脂を含有することにより、硬化又は成形後の導電性パターンの物性を保ち、導電膜と基材との密着性を得ることができる。熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を用いれば、樹脂が加熱硬化時に収縮することにより、金属間の間隙が狭められ導電性を高めることができる。
【0055】
上記エポキシ樹脂としては特に限定されないが、なかでも、25℃において液状であるエポキシ樹脂が好ましい。本発明に用いるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック類とエピクロルヒドリンとの反応により得られるアルキルグリシジルエーテル、ポリグリシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルなどの脂肪族エポキシ、ジグリシジルヒダントインなどの複素環式エポキシ、ビニルシクロヘキセンジオキサイド、ジシクロペンタジエンジオキサイド、アリサイクリックジエポキシ−アジペイト等の脂環式エポキシ等を挙げることができる。なかでも、アルキルグリシジルエーテルが好ましい。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で用いることができ、又は、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0056】
本発明の導電性金属ペーストにおける上記エポキシ樹脂の含有量は、上記導電性金属ペースト全体量100質量部に対して下限1質量部、上限30質量部の範囲内であることが好ましい。上記含有量が1質量部未満であると、導電性パターンの物性が不良となったり、基材との密着性が不充分となったりするおそれがあり、30質量部を超えると導電性が低下するおそれがある。
【0057】
本発明の導電性金属ペーストは、更に、硬化剤を含有するものである。上記硬化剤としては特に限定されず、例えば、酸無水物、アミン化合物、イミダゾール化合物、ジシアンジアミド等を挙げることができる。なかでも、イミダゾール化合物が好ましい。上記イミダゾール化合物は、下記一般式(1)で表される化合物である。式中、Rは、水素原子、炭素数1〜17のアルキル基、又は、フェニル基を表す。Rは、水素原子、又は、メチル基を表す。上記炭素数1〜17のアルキル基としては特に限定されず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等を挙げることができる。
【0058】
【化1】

【0059】
上記イミダゾール化合物としては特に限定されず、市販されているものを使用してもよい。具体的には、例えば、2MZ(2−メチルイミダゾール、四国化成工業社製)、2PZ(2−フェニルイミダゾール、四国化成工業社製)、C11Z(2−ウンデシルイミダゾール、四国化成工業社製)、C17Z(2−ヘプタデシルイミダゾール、四国化成工業社製)等を挙げることができる。これらは単独で使用してもよく、2種類以上を併用してもよい。
【0060】
上記硬化剤の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して下限0.05質量部、上限30質量部の範囲内であることが好ましい。0.05質量部未満であると硬化が不充分であるために成膜後の強度、密着性が不足したり、導電性が低下したりするおそれがある。一方、30質量部を超えると、硬化反応性が高すぎて、ペーストを塗布する前に硬化反応が進行し、基板へのペーストの塗布が行えなくなるおそれがある。
【0061】
本発明の導電性金属ペーストは、更に、金属フィラーを含有するものである。上記金属フィラーを含有することにより、加熱時に金属フィラー間で金属コロイドが溶融することで、接触面積が増加するために、高い導電性を得ることができる。
【0062】
上記金属フィラーとしては特に限定されず、従来導電性金属ペースト等に使用されてきた金属フィラーを挙げることができる。上記金属フィラーの平均粒子径は、0.1μm超、上限20μm以下の範囲内であることが好ましい。このような金属フィラーを配合することによって、上記金属コロイド粒子が金属フィラー間の融着剤として作用し、接触面積が増大することでより高い導電性を得ることができる。上記金属フィラーとしては、具体的には、銀、金、白金、パラジウム、銀−白金、パラジウム−白金等を挙げることができるが、銀を含むものであることが好ましく、導電性やコストの点で銅粒子の表面が銀により被覆されたコア・シェル型の銅/銀複合ミクロン粒子であることがより好ましい。また、上記金属コロイド粒子を形成する金属と同一の金属であることが好ましく、銀のコロイド粒子に対して銀を金属フィラーとして使用することがより好ましい。
【0063】
上記金属フィラーの含有量としては特に限定されず、得られる導電性金属ペースト全体量100質量部に対してトータル金属量が70質量部以上であることが好ましく、85質量部以上であることがより好ましく、金属コロイド粒子の金属分1質量部に対して金属フィラーの金属分は、100質量部以下であることが好ましい。
【0064】
上記金属コロイド粒子の含有量は、小さいほど好ましく、上記金属フィラーに対して金属分として20質量%以下が好ましい。上記含有量が20質量%を超えると、得られる導電性パターンの物性が不良になる場合がある。より好ましくは10質量%以下であり、更に好ましくは5質量%以下である。
【0065】
本発明の導電性金属ペーストは、得られる導電膜の性能を阻害しない範囲で他の成分を含有してもよい。上記他の成分としては特に限定されず、例えば、溶剤や塗面調整剤、たれ止め剤及び界面活性剤などの塗料用添加剤、着色顔料、体質顔料及びメタリック顔料等の顔料類を必要に応じて配合することができる。
【0066】
本発明の導電性金属ペーストに含有されうる溶剤としては特に限定されないが、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系、エーテル系の有機溶剤を挙げることができる。
【0067】
アルコール系としてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等の短鎖アルコール;ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン等の多価アルコール;テルピネオールやジヒドロテルピネオール、マルチトール等の高沸点アルコールが挙げられる。
【0068】
ケトン系溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。
【0069】
エーテル系溶剤としては、工業的にグリコールエーテルと称されるエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
【0070】
エステル系溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸ブチル、アントラニル酸メチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、酢酸カルビトール、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ギ酸テルピネオール、乳酸ヘキシル、乳酸エチルヘキシル、乳酸ドデシル、リンゴ酸ジエチル、酒石酸ジエチル、クエン酸トリエチル、グリセリンモノアセテート、グリセリンジアセテート、グリセリントリアセテート等が挙げられる。
【0071】
これらの溶剤は、限外ろ過やエバポレーション等によって溶媒置換したり、単に添加したりして使用することができる。
【0072】
粘性調整剤としてポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールやエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドの共重合体を含んでいても良い。
【0073】
本発明の導電性金属ペーストは、本発明の導電性金属ペーストの製造方法により好適に製造できる。
【0074】
本発明の導電性金属ペーストの製造方法は、水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、及び、上記水系金属コロイド分散体に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする。
【0075】
上記工程(1)は、水溶性高分子顔料分散剤の存在下に還元反応を行うものであるので、還元反応において生じやすい粒子の巨大化や粒子同士の凝集を防止することができる。上記工程(1)を相溶性分散剤の存在下に行うと、相溶性分散剤は水溶性高分子顔料分散剤に比べて金属コロイド粒子の分散安定能に劣るため、粒子の巨大化や粒子同士の凝集が生じて、安定な水系金属コロイド分散体を得ることができない。
【0076】
また、工程(3)において限外ろ過を行うことにより、塩化物イオン等の雑イオン、還元で生じた塩、アミン等を除去することができ、同時に金属濃度を高めることができる。これらの雑イオン、塩やアミンは、得られる金属コロイド溶液の安定性に悪影響を及ぼすおそれがあるので、除去しておくことが望ましい。
【0077】
上記工程(3)において、水系金属コロイド分散体に相溶性分散剤を加えて限外ろ過を行うことにより、エポキシ樹脂との相溶性が低い水溶性高分子顔料分散剤をエポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤に置換できる。上記工程(3)を行うものであると、相溶性分散剤によって分散安定化された金属コロイド粒子を得ることができるので、金属コロイド粒子を金属フィラー間に均一に分散させることができる。また、上記工程(3)における限外ろ過によって水溶性高分子顔料分散剤の含有量が低下するので、単に相溶性分散剤を添加するよりも分散体中の有機樹脂成分の含有量が低いものとなり、製膜後の導電性を優れたものとすることができる。
【0078】
上記工程(3)において、水系金属コロイド分散体に炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルを加えて限外ろ過を行うことにより、水系金属コロイド分散体の溶媒であった水がアルコール又はグリコールエーテルに置換される。この置換によって、水に溶解しにくい相溶性分散剤の使用が可能となる。
【0079】
上記炭素数1〜4のアルコールとしては、エタノール、エチレングリコール等が挙げられ、上記グリコールエーテルとしては、メトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、メトキシブタノール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等が挙げられる。なかでも、エタノールが好ましい。
【0080】
本発明の導電性金属ペーストの製造方法は、水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、上記水系金属コロイド分散体に炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルを加えて限外ろ過を行う工程(2)、及び、上記限外ろ過により得られるろ物に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むものであることが好ましい。
【0081】
上記工程(2)を行うものであると、相溶性分散剤を添加する前に相溶性分散剤の溶解度が高い溶媒に交換されるので、上記工程(1)及び(3)のみを行う場合よりもAの値が小さい相溶性分散剤を使用することが可能となる。上記工程(2)でのアルコールは、工程(3)と同一でもよく異なっていてもよい。
【0082】
本発明の導電性金属ペーストの製造方法は、工程(3)の後、更に、金属フィラー、エポキシ樹脂、硬化剤等を混合する工程を含むものであることが好ましい。上記混合する工程の後、他の成分を順次添加する工程を含んでも良い。
【0083】
上記水溶性高分子顔料分散剤は、上記相溶性分散剤よりも水溶性が高く、高分子量の重合体に顔料表面に対する親和性の高い官能基が導入されているとともに、溶媒和部分を含む構造を有する両親媒性の共重合体であり、通常は顔料ペーストの製造時に顔料分散剤として使用されているものである。上記水溶性高分子顔料分散剤は、高い水溶性を有すること以外は上述した相溶性分散剤と共通の構造を有しうるものである。
【0084】
上記水溶性高分子顔料分散剤は、金属コロイド粒子を安定に分散させることができる点で、下記式を満たすものであることが好ましい。
20 < A
Aは、25℃の温度において上記水溶性高分子顔料分散剤0.5gとアセトン10gとからなる溶液に水を添加していく場合において上記溶液が白濁する時点の上記水の添加量(ml)を表す。
【0085】
上記式を満たす水溶性高分子顔料分散剤としては、例えば、以下のものを例示することができる。
【0086】
ディスパービック、ディスパービック180、ディスパービック183、ディスパービック185、ディスパービック184、ディスパービック187、ディスパービック190、ディスパービック191、ディスパービック192、ディスパービック193、ディスパービック194、ディスパービック2010、ディスパービック2090、ディスパービック2091、ディスパービック2095、ディスパービック2096、BYK−154(以上、ビックケミー社製。)。
【0087】
DISPEX A40、DISPEX GA40、DISPEX HDN、DISPEX N40、EFKA−1500、EFKA−1502、EFKA−1503、EFKA−4500、EFKA−4510、EFKA−4520、EFKA−4530、EFKA−4540、EFKA−4550、EFKA−4560、EFKA−4570、EFKA−4580、EFKA−4585、EFKA−4590、EFKA−5071、EFKA−6220、EFKA−6225、EFKA−6230、EFKA−6525(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製。)。
【0088】
ソルスパース20000、ソルスパース27000、ソルスパース41090、ソルスパース43000、ソルスパース44000、ソルスパース46000、ソルスパース47000、ソルスパース53095(以上、ルーブリゾール社製。)。
【0089】
ジョンクリル678、ジョンクリル683、ジョンクリル611、ジョンクリル680、ジョンクリル682、ジョンクリル52J、ジョンクリル57J、ジョンクリル60J、ジョンクリル61J、ジョンクリル62J、ジョンクリル63J、ジョンクリル70J、ジョンクリルHPD−96J、ジョンクリル501J、ジョンクリル354J、ジョンクリル6610、ジョンクリルPDX−6102B(以上、BASF社製。)。
【0090】
フローレンG−700AMP、フローレンWK−13E、フローレンTG−750W、フローレンTG−760W(以上、共社化学社製。)。ディスパロンAQ−330(楠本化成社製)。サーフィノールGA、サーフィノールCT−136、サーフィノールCT−151(以上、エアープロダクツ社製。)。
【0091】
上述の水溶液中の金属イオンは、金属化合物を溶媒に溶解させることにより得ることができる。
【0092】
上記金属化合物としては、貴金属又は銅を含むものであれば特に限定されず、例えば、テトラクロロ金(III)酸四水和物(塩化金酸)、硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物(塩化白金酸)、塩化白金酸カリウム、塩化銅(II)二水和物、酢酸銅(II)一水和物、硫酸銅(II)、塩化パラジウム(II)二水和物、三塩化ロジウム(III)三水和物等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を使用することができる。上記金属化合物としては、銀を含むものであることが好ましい。
【0093】
上記金属化合物は、溶媒中の金属モル濃度が0.01mol/l以上となるように用いられることが好ましい。0.01mol/l未満であると、得られる金属コロイド溶液の金属モル濃度が低すぎて、効率的でない。好ましくは0.05mol/l以上、より好ましくは0.1mol/l以上である。
【0094】
上記溶媒としては上記金属化合物を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、水、水と有機溶媒との混合溶液等を挙げることができるが、水であることが好ましい。上記有機溶媒としては特に限定されず、例えば、エタノール、エチレングリコール等の炭素数1〜4のアルコール;メトキシプロパノール、プロポキシプロパノール、ブトキシプロパノール、メトキシブタノール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル;アセトン等のケトン類;酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。上記有機溶媒としては、水可溶性のものが好ましく、例えば、アセトン、メタノール、エタノール、メトキシプロパノール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、炭酸プロピレン等が挙げられる。
【0095】
上記金属コロイド粒子を得るための金属イオンの還元は、還元性化合物を用いて行うことができる。上記還元性化合物としては、アミンが好ましく、上記金属化合物の溶液にアミンを添加して攪拌、混合することによって、金属イオンが常温付近で金属に還元される。上記アミンを使用することにより、危険性や有害性の高い還元剤を使用する必要がなく、加熱や特別な光照射装置を使用することなしに、5〜100℃程度、好ましくは20〜80℃程度の反応温度で、金属化合物を還元することができる。
【0096】
上記アミンとしては特に限定されず、例えば、特開平11−80647号公報に例示されているものを使用することができ、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチルメチルアミン、トリエチルアミン、エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−ジアミノプロパン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン;ピペリジン、N−メチルピペリジン、ピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、モルホリン等の脂環式アミン;アニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、トルイジン、アニシジン、フェネチジン等の芳香族アミン;ベンジルアミン、N−メチルベンジルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、フェネチルアミン、キシリレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルキシリレンジアミン等のアラルキルアミン等を挙げることができる。また、上記アミンとして、例えば、メチルアミノエタノール、ジメチルアミノエタノール、トリエタノールアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、プロパノールアミン、2−(3−アミノプロピルアミノ)エタノール、ブタノールアミン、ヘキサノールアミン、ジメチルアミノプロパノール等のアルカノールアミンも挙げることができる。これらのうち、アルカノールアミンが好ましく、ジメチルエタノールアミンがより好ましい。
【0097】
上記アミンの他に、従来より還元剤として使用されている水素化ホウ素ナトリウム等のアルカリ金属水素化ホウ素塩;ヒドラジン化合物;クエン酸;酒石酸;アスコルビン酸;ギ酸;ホルムアルデヒド;亜ニチオン酸塩、スルホキシル酸塩誘導体等を使用することができる。入手容易なことから、クエン酸;酒石酸;アスコルビン酸が好ましい。これらは、単独又は上記アミンと組み合わせて使用することが可能であるが、アミンとクエン酸、酒石酸、アスコルビン酸を組み合わせる場合、クエン酸、酒石酸、アスコルビン酸はそれぞれ塩の形のものを用いることが好ましい。また、クエン酸やスルホキシル酸塩誘導体は、鉄(II)イオンと併用することによって、還元性の向上を図ることができる。
【0098】
上記還元性化合物の添加量は、溶媒中の金属イオンを還元するのに必要な量以上であることが好ましい。この量未満であると、還元が不充分となるおそれがある。また、上限は特に規定されないが、溶媒中の金属イオンを還元するのに必要な量の30倍以下であることが好ましく、10倍以下であることがより好ましい。
【0099】
また、これらの還元性化合物の添加により化学的に還元する方法以外に、高圧水銀灯を用いて光照射する方法も使用することも可能である。
【0100】
上記還元性化合物を添加する方法としては特に限定されず、例えば、水溶性高分子顔料分散剤の添加後に行うことができ、例えば、まず溶媒に水溶性高分子顔料分散剤を溶解させ、更に、上記還元性化合物又は金属化合物の何れかを溶解させて得られる溶液に、還元性化合物又は金属化合物の残った方を加えることで、還元を進行させることができる。上記還元性化合物を添加する方法としては、また、先に水溶性高分子顔料分散剤と上記還元性化合物とを混合しておき、この混合物を金属化合物の溶液に加える形態をとってもよい。
【0101】
上記還元により、平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を含む分散体が得られる。上記還元後の分散体は、上記金属コロイド粒子及び上述の水溶性高分子分散剤を含むものであり、水系金属コロイド分散体となる。上記水系金属コロイド分散体とは、金属の微粒子が溶媒中に分散しており、溶液として視認できるような状態にあるものを意味している。
【0102】
本発明の導電性金属ペーストを塗布して熱硬化させることを特徴とする導電性パターンの形成方法も本発明の一つである。本発明の導電性パターンの形成方法は、本発明の導電性ペーストを使用するものであるので、熱硬化の温度が低く、高い導電性を有する導電性パターンを形成することができる。
【0103】
本発明の導電性金属ペーストの塗布方法としては特に限定されず、従来公知の方法によって塗装することができる。上記塗布方法としては、具体的には、ディスペンス法、印刷法、スタンピング法等を挙げることができる。上記熱硬化は、例えば、50〜300℃、1秒〜60分程度の条件で行うことができる。特に、本発明の導電性金属ペーストは、120℃以下の低温で加熱硬化した際にも良好な導電性を得ることができる点で優れている。
【0104】
本発明の導電性金属ペーストを塗布できる基材としては特に限定されず、例えば、セラミック、ガラス、ガラスエポキシ基板、BT基板、及び、半導体を接着するための42アロイ、銅等のリードフレーム等を挙げることができる。本発明の導電性金属ペーストは、例えば、コンデンサ、チップ抵抗器、導体回路、リードフレームと半導体の接着部分等に好適に利用できる。本発明の導電性金属ペーストは、低温で加熱硬化しても高い導電性が得られるため、熱に弱い基材に対しても好適に適用することができるものである。
【0105】
エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤、及び、平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を含むことを特徴とする導電性金属ペースト用添加剤も本発明の一つである。本発明の導電性金属ペースト用添加剤を、金属フィラーを含有する市販の導電性金属ペーストに添加すると、より高い導電性を有する導電性パターンを得ることができる。本発明の導電性金属ペースト用添加剤は、上記エポキシ樹脂及び/又は硬化剤を含むことが好ましい。
【0106】
上記導電性金属ペースト用添加剤における上記金属コロイド粒子の含有量は、導電性金属ペースト用添加剤100質量部に対して金属として、下限10質量部、上限97質量部の範囲内であることが好ましい。上記含有量が10質量部未満であると、最終導電性金属ペースト中の金属含有率を上げることが難しくなるため好ましくない。上記含有量が97質量部を超えると、添加剤としての安定性が低下したり、粘度が高くなりすぎたりするおそれがある。上記下限は、30質量部がより好ましく、上記上限は、95質量部がより好ましい。
【0107】
上記導電性金属ペースト用添加剤はエポキシ樹脂を含有してもよく、エポキシ樹脂としては、上記金属コロイド粒子が安定に存在するものであれば特に限定されないが、上述したエポキシ樹脂を挙げることができる。
【0108】
上記導電性金属ペースト用添加剤における上記エポキシ樹脂の含有量は、導電性金属ペースト用添加剤100質量部に対して1〜85質量部であることが好ましい。上記含有量が85質量部を超えると、得られる導電性金属ペーストの導電性が低下するおそれがあり、1質量部未満となると焼成後の膜強度、密着性の低下のおそれがある。上記下限は、5質量部がより好ましく、上記上限は、50質量部がより好ましい。
【0109】
上記導電性金属ペースト用添加剤は硬化剤を含有してもよく、硬化剤としては特に限定されないが、上述した硬化剤を挙げることができる。
【0110】
上記導電性金属ペースト用添加剤は、更に、上述の他の成分、例えば、粘度調整のための溶剤等を含有してもよい。上記溶剤としては、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルが好ましい。
【0111】
本発明の導電性金属ペースト用添加剤を添加することができる既製の導電性金属ペーストとしては特に限定されず、金属フィラー及び樹脂からなる従来公知の導電性金属ペーストを挙げることができる。上記既製の導電性金属ペーストに含まれる金属フィラーとしては特に限定されず、例えば、金、銀、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金等を挙げることができるが、上記金属コロイド粒子を形成する金属と同一の金属であることが好ましい。上記導電性金属ペーストとしては、例えば、RM9030(福田金属箔粉工業株式会社製)、ドータイトSA−0425(藤倉化成株式会社製)等の市販の製品を使用することもできる。
【0112】
本発明の導電性金属ペースト用添加剤は、本発明の導電性金属ペースト用添加剤の製造方法により好適に製造できる。
【0113】
本発明の導電性金属ペースト用添加剤の製造方法は、水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、及び、上記水系金属コロイド分散体に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする。
【0114】
本発明の導電性金属ペースト用添加剤の製造方法は、水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、上記水系金属コロイド分散体に炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルを加えて限外ろ過を行う工程(2)、及び、上記限外ろ過により得られるろ物に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むものであることが好ましい。
【0115】
本発明の導電性金属ペースト用添加剤の製造方法は、工程(3)の後、更に、エポキシ樹脂、硬化剤等を混合する工程を含むものであることが好ましい。上記混合する工程の後、他の成分を順次添加する工程を含んでも良い。
【発明の効果】
【0116】
本発明は、低温硬化でも、抵抗が充分小さい導電膜を得ることができる導電性金属ペーストである。つまり、本発明の導電性金属ペーストは、熱に弱い基材に対しても好適に適用できるものである。また、本発明の導電性金属ペーストは、金属の微小粒子を含有するため、近年の微細な回路形成、層間接合にも利用することができる。また、本発明の導電性金属ペースト用添加剤を従来の導電性金属ペーストに配合すると、導電性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0117】
以下、本発明について実施例を掲げて更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。また、実施例中、「部」は特に断りのない限り「質量部」を意味し、「%」は特に断りのない限り「質量%」を意味する。
【0118】
なお、各実施例及び比較例において、各値の測定は以下の方法により行った。
【0119】
ろ液の伝導度
EUTECH INSTRUMENTS社の伝導度計(導電率計)であるCyber Scan CON100を用いて測定した。
【0120】
金属コロイド粒子の平均粒子径
透過型電子顕微鏡を用いて測定した。
【0121】
銀コロイド溶液の固形分濃度及び固形分中の銀含有率
100〜150℃および数100℃でそれぞれ加熱して得られる残分を測定することにより求めた。具体的には、TG−DTAを用いて、140℃まで10℃/分で昇温した後、30分間、140℃を維持して、まず固形分量を求めた。その後、500℃まで再び10℃/分で昇温した後、30分間、500℃を維持して金属量を求めた。
【0122】
導電性組成物薄膜の膜厚
ミツトヨ社製のクーラントプルーフマイクロメータ(293−230)を用いて、膜厚を算出した。
【0123】
金属コロイドの製造例1 (銀コロイド溶液の製造)
2リットルのコルベンに水溶性高分子顔料分散剤ディスパービック190(ビックケミー社製、Aは50以上)12g、及び、イオン交換水420.5gを入れた。このコルベンをウォーターバスに入れ、ディスパービック190が溶解するまで50℃で攪拌した。ここに、イオン交換水420.5gに溶解させた硝酸銀100gを攪拌しながら加えて、70℃で10分間攪拌した。次に、ジメチルアミノエタノール262gを加えたところ、液が一瞬で黒変し、液温が76℃まで上昇した。そのまま放置して液温が70℃まで下がったところで、この温度を保ちながら2時間攪拌を続け、黒っぽい黄色を呈する銀コロイドを含んだ水溶液が得られた。
【0124】
次に、限外濾過モジュールAHP1010(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数400本)、マグネットポンプ、下部にチューブ接続口のある3リットルのステンレスカップをシリコンチューブでつないで、限外濾過装置とした。先の水溶液を限外濾過装置のステンレスカップに入れて、更に2リットルのイオン交換水を加えてから、ポンプを稼動させて限外濾過を行った。約40分後にモジュールからの濾液が2リットルになった時点で、ステンレスカップに2リットルのエタノールを加えた。その後、濾液の伝導度が5μS/cm以下になったことを確認し、母液の量が500mlになるまで濃縮を行った。
【0125】
続いて母液を入れた500mlステンレスカップ、限外濾過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターをからなる限外濾過装置を組んだ。このステンレスカップに先に得られた母液を入れ、固形分濃度を高めるための濃縮を行った。母液が約200mlになった時点でポンプを停止して、濃縮を終了することにより、固形分30.0%の銀コロイドのエタノール溶液が得られた。この溶液中の銀コロイド粒子の平均粒子径は、27nmであった。また、TG−DTA(セイコーインスツル製)を用いて、固形分中の銀の含有率を計測したところ、仕込みの93.0%に対して、96.0%であった。
【0126】
金属コロイドの製造例2 (相溶性分散剤を含有した金属コロイド溶液の製造)
ビックケミー社製のディスパービック182(固形分濃度43.0%、白濁までの水添加量:8.5ml、すなわちAの値が8.5)2.79gにエタノール20gを加えてよく攪拌し、ディスパービック182をエタノールによく溶解させた。このディスパービック182のエタノール溶液および実施例1で得られた、固形分濃度が30.0%の銀コロイドのエタノール溶液50gを100ml容器に加えた。この銀コロイド粒子とディスパービック182を入れた100ml容器、限外ろ過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、アスピレーターからなる限外ろ過装置を組んだ。限外ろ過を行い、容器内の液量が30ml以下になった時点で、新たにエタノール70mlを加えて限外ろ過の作業を続けた。この作業を計5回繰り返した。この作業繰り返した後も液量が50mlになるまで作業を繰り返し、固形分濃度が30.8%の銀コロイドのエタノール溶液(銀コロイド粒子の平均粒子径:27nm)を得た。TG−DTA(セイコーインスツル社製)で固形分中の銀含有率を測定したところ95.0%であった。
【0127】
金属コロイドの製造例3 (相溶性分散剤を含有した金属コロイド溶液の製造)
ディスパービック182の添加量を2.79gから1.12gに変更する以外は、実施例2にしたがって銀コロイド溶液を得た。この溶液を限外ろ過装置から取り出さずに、これにルーブリゾール社製のソルスパース32550(固形分濃度:50.0%、白濁までの水添加量:2.0ml、Aの値は2.0)0.72gをメトキシプロパノール(協和発酵社製のアーコソルブPM)20gに溶解させた溶液を加えて、さらに限外ろ過を続けた。限外ろ過を行い、容器内の液量が30ml以下になった時点で、新たにメトキシプロパノール70mlを加えて限外ろ過の作業を続けた。この作業を計5回繰り返した。この作業繰り返した後も液量が50mlになるまで作業を繰り返し、固形分濃度が30.8%の銀コロイドのメトキシプロパノール溶液(銀コロイド粒子の平均粒子径:27nm)を得た。TG−DTA(セイコーインスツル社製)で固形分中の銀含有率を測定したところ94.0%であった。
【0128】
水系金属コロイド粒子ペーストの製造例4 (銀コロイド粒子の水溶液の製造)
2リットルのコルベンに水溶性高分子顔料分散剤ディスパービック190(ビックケミー社製、Aは50以上)12g、及び、イオン交換水420.5gを入れた。このコルベンをウォーターバスに入れ、ディスパービック190が溶解するまで50℃で攪拌した。ここに、イオン交換水420.5gに溶解させた硝酸銀100gを攪拌しながら加えて、70℃で10分間攪拌した。次に、ジメチルアミノエタノール262gを加えたところ、液が一瞬で黒変し、液温が76℃まで上昇した。そのまま放置して液温が70℃まで下がったところで、この温度を保ちながら2時間攪拌を続け、黒っぽい黄色を呈する銀コロイドを含んだ水溶液が得られた。
【0129】
次に、限外濾過モジュールAHP1010(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数400本)、マグネットポンプ、下部にチューブ接続口のある3リットルのステンレスカップをシリコンチューブでつないで、限外濾過装置とした。先の水溶液を限外濾過装置のステンレスカップに入れて、更に2リットルのイオン交換水を加えた後、ポンプを稼動させて限外濾過を行った。約40分後にモジュールからの濾液が2リットルになった時点で、ステンレスカップにイオン交換水を加えた。その後、濾液の伝導度が300μS/cm以下になったことを確認し、母液の量が500mlになるまで濃縮を行った。
【0130】
続いて母液を入れた500mlステンレスカップ、限外濾過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、及び、アスピレーターをからなる限外濾過装置を組んだ。このステンレスカップに先に得られた母液を入れ、固形分濃度を高めるための濃縮を行った。母液が約100mlになった時点でポンプを停止して、濃縮を終了することにより、固形分30.0%の銀コロイドのエタノール溶液が得られた。この溶液中の銀コロイド粒子の平均粒子径は、27nmであった。また、TG−DTA(セイコーインスツル社製)を用いて、固形分中の銀の含有率を計測したところ、仕込みの93.0%に対して、96.0%であった。
【0131】
エタノール系銀コロイドペーストの製造例5 (相溶性分散剤を含有した銀コロイド溶液のエタノール溶液の製造)
ビックケミー社製のディスパービック182(固形分濃度43.0%、白濁までの水添加量:8.5ml、Aの値が8.5)2.79gにメトキシプロパノール(協和発酵社製のアーコソルブPM)20gを加えてよく攪拌し、ディスパービック182をメトキシプロパノールによく溶解させた。このディスパービック182の溶液および製造例4で得られた、固形分濃度が30.0%の銀コロイドの水溶液50gを100ml容器に加えた。この銀コロイド粒子とディスパービック182を入れた100ml容器、限外ろ過モジュールAHP0013(旭化成社製;分画分子量50000、使用膜本数100本)、チューブポンプ、アスピレーターからなる限外ろ過装置を組んだ。限外ろ過を行い、容器内の液量が30ml以下になった時点で、新たにエタノール70mlを加えて限外ろ過の作業を続けた。この作業を計5回繰り返した。この作業繰り返した後も液量が50mlになるまで作業を繰り返し、固形分濃度が30.9%の銀コロイド溶液を得た。TG−DTA(セイコーインスツル社製)で固形分中の銀含有率を測定したところ94.8%であった。
【0132】
実施例1 (導電性金属ペーストの製造)
エポキシ樹脂として住友化学社製のスミエポキシELM100 4g、新日本理化社製のRIKAREJINNL200 1g、及び、エポキシ樹脂硬化剤としてキュアゾール2P4MZ(2−フェニル−4−メチルイミダゾール)0.6g を加えてよく混合し、エポキシ樹脂混合物を得た。
このエポキシ樹脂混合物1.1gに三井金属社製のAg/湿式銅粉9.0g(平均粒子径:6μm)を加えてよく混合した。
さらに、これに製造例2で得られた銀コロイド溶液1.6gを加えてよく混合した後、40℃で加温し、銀コロイド溶液由来のエタノールを乾燥除去し、Ag/湿式銅粉と銀コロイド粒子の混合されたペーストを得た。
銀コロイド粒子の添加・混合による顕著な粘度増加は認められなかった。
【0133】
実施例2 (導電性組成物薄膜の抵抗値の測定)
実施例1で得られた導電性金属ペーストをガラス基板上に薄膜となるように塗布した。これを120℃で60分加熱した。加熱後に静置して室温まで温度が下がった後、膜厚を測定したところ300μmであった。
またこの膜は銅色(赤みを帯びた銀色)を呈していた。抵抗測定器(4点法:ロレスターGP(三菱化学社製))で表面抵抗値を測定した結果から、体積抵抗値を算出したところ、1.61×10−4Ω・cmであった。
【0134】
実施例3 (導電性金属ペーストの製造)
製造例2の銀コロイド溶液に代えて製造例3で得られた銀コロイド溶液4.8gを用いる以外は実施例4に従って、Ag/湿式銅粉と銀コロイド粒子の混合されたペーストを得た。
銀コロイド粒子の添加・混合による顕著な粘度増加は認められなかった。
【0135】
実施例4 (導電性組成物薄膜の抵抗値の測定)
実施例3で得られた導電性金属ペーストをガラス基板上に薄膜となるように塗布した。これを120℃で60分加熱した。加熱後に静置して室温まで温度が下がった後、膜厚を測定したところ300μmであった。
またこの膜は銅色(赤みを帯びた銀色)を呈していた。抵抗測定器(4点法:ロレスターGP(三菱化学社製))で表面抵抗値を測定した結果から、体積抵抗値を算出したところ、2.20×10−4Ω・cmであった。
【0136】
実施例5 (導電性ペーストの製造)
製造例2の銀コロイド溶液に代えて製造例5で得られた銀コロイド溶液1.6gを用いる以外は実施例1に従って、Ag/湿式銅粉と銀コロイド粒子の混合されたペーストを得た。
銀コロイド粒子の添加・混合による顕著な粘度増加は認められなかった。
【0137】
実施例6 (導電性組成物薄膜の抵抗値の測定)
実施例5で得られた導電性金属ペーストをガラス基板上に薄膜となるように塗布した。これを120℃で60分加熱した。加熱後に静置して室温まで温度が下がった後、膜厚を測定したところ300μmであった。
またこの膜は銅色(赤みを帯びた銀色)を呈していた。抵抗測定器(4点法:ロレスターGP(三菱化学社製))で表面抵抗値を測定した結果から、体積抵抗値を算出したところ、1.80×10−4Ω・cmであった。
【0138】
比較例1 (導電性金属ペーストの製造)
製造例2の銀コロイド溶液に代えて製造例1で得られた銀コロイド溶液1.6gを用いる以外は実施例1にしたがってAg/湿式銅粉と銀コロイド粒子の混合されたペーストを得た。
銀コロイド粒子の添加・混合により顕著な粘度増加が認められた。
【0139】
比較例2 (導電性組成物薄膜の作成)
比較例1で得られた導電性金属ペーストをガラス基板上に薄膜となるように塗布した。
これを120℃で60分加熱した。加熱後に静置して室温まで温度が下がった後、膜厚を測定したが、均一な膜厚を得られなかった。
またこの膜は銀色を呈しており、赤みは帯びていなかった。これは、Ag/湿式銅粉と銀コロイド粒子の固運合成が充分でなく、銀コロイド粒子が膜上部に局在(偏在)していることが示唆された。
【0140】
比較例3 (導電性金属ペーストの製造)
製造例2の銀コロイド溶液に代えて製造例1で得られた銀コロイド溶液4.8gを用いる以外は実施例1にしたがってAg/湿式銅粉と銀コロイド粒子の混合されたペーストを得た。
銀コロイド粒子の添加・混合によって、比較例1よりもさらに顕著な粘度増加が認められ、ゲル状態に近い高粘度物となった。
【0141】
比較例4 (導電性組成物薄膜の作成)
比較例3で得られた導電性金属ペーストをガラス基板上に薄膜となるように塗布したが均一な膜厚を得られなかった。これを120℃で60分加熱した。加熱後に静置して室温まで温度が下がったところ、基材との密着性が充分でなく、容易に膜が基材から剥離する現象を観測できた。また、この膜は銀色を呈しており、赤みは帯びていなかった。これは、Ag/湿式銅粉と銀コロイド粒子の固運合成が充分でなく、銀コロイド粒子が膜上部に局在(偏在)していることが示唆された。
【0142】
比較例5 (導電性金属ペーストの製造)
銀コロイド溶液を加えないこと以外は実施例1にしたがってAg/湿式銅粉のペーストを得た。
【0143】
比較例6 (導電性組成物薄膜の抵抗値の測定)
比較例5で得られた導電性金属ペーストをガラス基板上に薄膜となるように塗布した。これを120℃で60分加熱した。加熱後に静置して室温まで温度が下がった後、膜厚を測定したところ300μmであった。
またこの膜は、赤みは帯びた銀色を呈していた。抵抗測定器(4点法:ロレスターGP(三菱化学社製))で表面抵抗値を測定した結果から、体積抵抗値を算出したところ、5.75×10−4Ω・cmであった。
【0144】
比較製造例7
相溶性分散剤であるディスパービック182に代えて水溶性高分子顔料分散剤であるディスパービック191(固形分濃度100.0%、白濁までの水添加量:20.0ml以上、Aの値が20.0)1.20gを用いること以外は製造例2にしたがって、
銀コロイドのエタノール溶液(銀コロイド粒子の平均粒子径:30nm)を得た。TG−DTA(セイコーインスツル社製)で固形分中の銀含有率を測定したところ94.5%であった。
【0145】
比較例8 (導電性金属ペーストの製造)
製造例2の銀コロイド溶液に代えて比較製造例7で得られた銀コロイド溶液1.6gを用いる以外は実施例1にしたがってAg/湿式銅粉と銀コロイド粒子の混合されたペーストを得た。
銀コロイド粒子の添加・混合によって、比較例1よりもさらに顕著な粘度増加が認められ、ゲル状態に近い高粘度物となった。
【0146】
比較例9 (導電性組成物薄膜の作成)
比較例8で得られた導電性金属ペーストをガラス基板上に薄膜となるように塗布したが均一な膜厚を得られなかった。これを120℃で60分加熱した。加熱後に静置して室温まで温度が下がったところ、基材との密着性が充分でなく、容易に膜が基材から剥離する現象を観測できた。また、この膜は銀色を呈しており、赤みは帯びていなかった。これは、Ag/湿式銅粉と銀コロイド粒子の固運合成が充分でなく、銀コロイド粒子が膜上部に局在(偏在)していることが示唆された。
【0147】
比較製造例10
相溶性分散剤であるディスパービック182に代えて水溶性高分子顔料分散剤であるディスパービック191(固形分濃度100.0%、白濁までの水添加量:20.0ml以上、Aの値が20.0)1.20gを用いること以外は製造例9にしたがって、
銀コロイドのエタノール溶液(銀コロイド粒子の平均粒子径:30nm)を得た。TG−DTA(セイコーインスツル社製)で固形分中の銀含有率を測定したところ94.6%であった。
【0148】
比較例11 (導電性金属ペーストの製造)
製造例2の銀コロイド溶液に代えて比較製造例10で得られた銀コロイド溶液1.6gを用いる以外は実施例1にしたがってAg/湿式銅粉と銀コロイド粒子の混合されたペーストを得た。
銀コロイド粒子の添加・混合によって、比較例1よりもさらに顕著な粘度増加が認められ、ゲル状態に近い高粘度物となった。
【0149】
比較例12 (導電性組成物薄膜の作成)
比較例11で得られた導電性金属ペーストをガラス基板上に薄膜となるように塗布したが均一な膜厚を得られなかった。これを120℃で60分加熱した。加熱後に静置して室温まで温度が下がったところ、基材との密着性が充分でなく、容易に膜が基材から剥離する現象を観測できた。また、この膜は銀色を呈しており、赤みは帯びていなかった。これは、Ag/湿式銅粉と銀コロイド粒子の固運合成が充分でなく、銀コロイド粒子が膜上部に局在(偏在)していることが示唆された。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明の導電性金属ペーストは、回路印刷等に用いられる導電性コーティング剤、導電性インク、及び、半田代替の導電性接着剤としての好適に利用可能である。本発明の導電性金属ペースト用添加剤は、金属フィラーを含有する市販の導電性金属ペーストに添加して利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属フィラー、エポキシ樹脂、硬化剤、前記エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤、及び、平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を含む
ことを特徴とする導電性金属ペースト。
【請求項2】
相溶性分散剤は、下記式を満たすものである請求項1記載の導電性金属ペースト。
0.1≦A≦20
Aは、25℃の温度において前記相溶性分散剤0.5gとアセトン10gとからなる溶液に水を添加していく場合において前記溶液が白濁する時点の前記水の添加量(ml)を表す。
【請求項3】
金属コロイド粒子は、銀を含む金属からなるものである請求項1又は2記載の導電性金属ペースト。
【請求項4】
金属フィラーは、銅粒子の表面が銀により被覆されたコア・シェル型の銅/銀複合ミクロン粒子である請求項1、2又は3記載の導電性金属ペースト。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4記載の導電性金属ペーストを塗布して熱硬化させることを特徴とする導電性パターンの形成方法。
【請求項6】
水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、及び、前記水系金属コロイド分散体に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする、
金属フィラー、前記エポキシ樹脂、硬化剤、前記相溶性分散剤、及び、前記金属コロイド粒子を含む導電性金属ペーストの製造方法。
【請求項7】
水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、前記水系金属コロイド分散体に炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルを加えて限外ろ過を行う工程(2)、及び、前記限外ろ過により得られるろ物に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする、
金属フィラー、前記エポキシ樹脂、硬化剤、前記相溶性分散剤、及び、前記金属コロイド粒子を含む導電性金属ペーストの製造方法。
【請求項8】
エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤、及び、平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を含むことを特徴とする導電性金属ペースト用添加剤。
【請求項9】
相溶性分散剤は、下記式を満たすものである請求項8記載の導電性金属ペースト用添加剤。
0.1≦A≦20
Aは、25℃の温度において前記相溶性分散剤0.5gとアセトン10gとからなる溶液に水を添加していく場合において前記溶液が白濁する時点の前記水の添加量(ml)を表す。
【請求項10】
金属コロイド粒子は、銀を含むものである請求項8又は9記載の導電性金属ペースト用添加剤。
【請求項11】
水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、及び、前記水系金属コロイド分散体に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする、
前記相溶性分散剤、及び、前記金属コロイド粒子を含む導電性金属ペースト用添加剤の製造方法。
【請求項12】
水溶性高分子顔料分散剤の存在下に水溶液中の金属イオンを還元することにより水系金属コロイド分散体を得る工程(1)、前記水系金属コロイド分散体に炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルを加えて限外ろ過を行う工程(2)、及び、前記限外ろ過により得られるろ物に、エポキシ樹脂と相溶性を有する相溶性分散剤と、炭素数1〜4のアルコール又はグリコールエーテルとを加えて限外ろ過を行うことにより平均粒子径が100nm以下である金属コロイド粒子を得る工程(3)を含むことを特徴とする、
前記相溶性分散剤、及び、前記金属コロイド粒子を含む導電性金属ペースト用添加剤の製造方法。

【公開番号】特開2009−158273(P2009−158273A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334716(P2007−334716)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000230054)日本ペイント株式会社 (626)
【Fターム(参考)】