説明

山岳登山者支援システム

【課題】加速度センサを用いて山岳登山者の異常事態を迅速に判断することにある。
【解決手段】本発明の一態様は、山岳登山者である被検体4が装着するもので、それぞれが第1及び第2の加速度センサ251a,251bを有する第1及び第2のセンサユニット2a,2bと、当該第1及び第2の加速度センサ251a,251bにより計測された第1の加速度データと第2の加速度データとの関係より上記被検体4の姿勢を判定するもので、上記第1及び第2の加速度データが所定範囲内にあるか否かにより上記被検体に異常が発生しているか否かを判定するセンサデータ収集処理部15を有するセンタ装置1とを具備することを特徴とする山岳登山者支援システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山岳登山者等の被検体の活動をモニタし、非常事態等の発生時に支援するための山岳登山者支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、活動中の被検体の状況を判定し、異常発生時に救助活動を行うための各種の支援を行う種々のシステムが提案されている。例えば、特許文献1では、加速度センサを用いた消防士活動支援システムが開示されている。即ち、同技術は、消防士に加速度センサを装着し、異常時に自動的に警報を発する携帯警報機に関するものであり、傾斜センサと共に使用され、身体にかかる加速度の値が閾値以上になると警報を発するものである。
【0003】
一方、特許文献2では、体勢検出器と温度センサを有し、これらにより被検者が緊急を要する異常事態に陥ったか否かを判定すると共に、異常事態に陥ったと判断したとき、緊急連絡先に報知する緊急救済システムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−109146号公報
【特許文献2】特開2005−50290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、山岳登山中の被検体である山岳登山者の活動をリアルタイムで追跡し、その活動が正常であるか否かを適宜判断し、遠隔地より当該判断結果に基づいた支援を行うという技術的思想については示唆すらされてない。
【0005】
本発明の目的とするところは、山岳登山者が正常な活動をしているか、遭難などの異常事態に遭遇しているかを予め定められた所定の判断基準に基づいてリアルタイムで迅速に判断し、当該判断結果に基づいて遠隔地より救助活動等に係る支援を即座に開始できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様では、山岳登山者である被検体が装着するもので、少なくとも第1の加速度センサを有し、当該第1の加速度センサにより得られた第1の加速度データを出力する第1のセンサユニットと、山岳登山者である被検体が装着するもので、少なくとも第2の加速度センサを有し、当該第2の加速度センサにより得られた第2の加速度データを出力する第2のセンサユニットと、上記第1及び第2のセンサユニットと通信自在であり、上記第1の加速度データと上記第2の加速度データとの関係より上記被検体の姿勢を判定するもので、上記第1及び第2の加速度データが所定範囲内にあるか否かにより上記被検体に異常が発生しているか否かを判定するセンサデータ収集処理手段を有するセンタ装置と、を具備することを特徴とする山岳登山者支援システムが提供される。
【0007】
本発明の第2の態様では、山岳登山者である被検体が第1及び第2のセンサユニットを装着しており、当該第1及び第2のセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成された山岳登山者支援システムであって、上記第1のセンサユニットは、少なくとも第1の加速度データを出力する第1の加速度センサと、当該第1の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第1の通信手段と、を有し、上記第2のセンサユニットは、少なくとも第2の加速度データを出力する第2の加速度センサと、当該第2の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第2の通信手段と、を有し、上記センタ装置は、上記第1及び第2のセンサユニットと通信するための第3の通信手段と、上記センシング信号に係る第1の加速度データと上記第2の加速度データとの関係より被検体の姿勢を判定するもので、上記第1及び第2の加速度データが第1の範囲内にある場合には、更に上記第1及び第2の加速度データの所定時間における分散値を算出し、当該分散値が所定範囲内である場合には異常であると判定するセンサデータ収集処理手段と、を有する、ことを特徴とする山岳登山者支援システムが提供される。
【0008】
本発明の第3の態様では、山岳登山者である被検体が第1及び第2のセンサユニットを装着しており、当該第1及び第2のセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成された山岳登山者支援システムであって、上記第1のセンサユニットは、少なくとも第1の加速度データを出力する第1の加速度センサと、当該第1の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第1の通信手段と、を有し、上記第2のセンサユニットは、少なくとも第2の加速度データを出力する第2の加速度センサと、当該第2の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第2の通信手段と、を有し、上記センタ装置は、上記第1及び第2のセンサユニットと通信するための第3の通信手段と、上記センシング信号に係る第1の加速度データと上記第2の加速度データとの関係より被検体の姿勢を判定するもので、上記第1及び第2の加速度データが第2の範囲内にある場合には、上記第1の加速度データ若しくは第2の加速度データのいずれか一方が所定の条件を満足する場合には異常であると判定するセンサデータ収集処理手段と、を有する、ことを特徴とする山岳登山者支援システムが提供される。
【0009】
本発明の第4の態様では、山岳登山者である被検体が第1及び第2のセンサユニットを装着しており、当該第1及び第2のセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成された山岳登山者支援システムであって、上記第1のセンサユニットは、少なくとも第1の加速度データを出力する第1の加速度センサと、当該第1の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第1の通信手段と、を有し、上記第2のセンサユニットは、少なくとも第2の加速度データを出力する第2の加速度センサと、当該第2の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第2の通信手段と、を有し、上記センタ装置は、上記第1及び第2のセンサユニットと通信するための第3の通信手段と、上記センシング信号に係る第1の加速度データと上記第2の加速度データとの関係より被検体の姿勢を判定するもので、上記第1及び第2の加速度データが第1の範囲内にあるときには更に上記第1及び第2の加速度データの所定時間における分散値を算出し当該分散値が所定範囲内にある場合、及び上記第1及び第2の加速度データが第2の範囲内にある場合には上記第1の加速度データ若しくは第2の加速度データのいずれか一方が所定の条件を満足する場合に異常であると判定するセンサデータ収集処理手段と、を有する、ことを特徴とする山岳登山者支援システムが提供される。
【0010】
本発明の第5の態様では、上記第3又は第4の態様において、上記所定の場合とは、上記加速度データの絶対値が閾値を超え寝返りと判定され、上記寝返りの時間間隔が所定の時間を超える場合、若しくは上記加速度データの絶対値が閾値を超えることなく寝返りと判定されない場合であることを更に特徴とする山岳登山者支援システムが提供される。
【0011】
本発明の第6の態様では、上記第3又は第4の態様において、上記所定の場合とは、上記加速度データの所定値を横切り寝返りと判定され、上記寝返りの時間間隔が所定の時間を超える場合、若しくは上記加速度データの所定値を横切ることなく寝返りと判定されない場合であることを更に特徴とする山岳登山者支援システムが提供される。
【0012】
本発明の第7の態様では、上記第2乃至第6の態様において、上記センサデータ収集処理手段は異常であると判定した場合には上記第3の通信手段を介して上記第1及び第2のセンサユニットの少なくともいずれかに所定の警告信号を送信し、当該第1及び第2のセンサユニットの少なくともいずれかは当該警告信号を受信すると所定の警告を発する、ことを更に特徴とする山岳登山者支援システムが提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、山岳登山者が正常な活動をしているか、遭難等の異常事態に遭遇しているかを遠隔地にて予め定められた所定の判断基準に基づいてリアルタイムで迅速に判断し、当該判断結果に基づいて遠隔地より救助活動等に係る支援を即座に開始できるようにする山岳登山者支援システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
図1には、本発明の一実施の形態に係る山岳登山者支援システムの概念図を示し説明する。この図1に示されるように、この山岳登山者支援システムでは、山岳登山者である被検体4が第1及び第2のセンサユニット2a,2bを少なくとも装着しており、当該第1及び第2のセンサユニット2a,2bがセンタ装置1と通信自在となっている。尚、第1及び第2のセンサユニット2a,2bとセンタ装置1とが中継器を介して通信するように構成してもよい。また、通信が良好となるように便宜を図るべく、センタ装置2を車両等に搭載して移動自在に構成してもよいことは勿論である。
【0016】
前述したように、本実施の形態に係る山岳登山者支援システムでは、被検体4の少なくとも2箇所(この例では胸部と大腿部に装着)に第1及び第2のセンサユニット2a,2bを装着しているが、各センサユニット2a,2bには加速度センサ251が含まれている。以下では、第1のセンサユニット2aに含まれる加速度センサは符号251a、第2のセンサユニット2bに含まれる加速度センサは符号251bを用いて呼称する。胸部に装着されるのは2軸の加速度センサ251aで、身長方向の加速度を検出する前後センサと身長方向の中心線に対して直角な方向の加速度を検出する左右センサである。大腿部に装着されるのは、1軸の加速度センサ251bであり、身長方向の加速度を検出する前後センサである。これらの加速度センサ251a,251bにより、登山者が立っているのか、座っているのか(中腰姿勢を含む)、あるいは横になっている、つまり正常な登山活動を行っているか、または、これらの姿勢で静止状態となり登山者が遭難し危険な状況にあるか否かを詳細は後述する手法により判断するものである。
【0017】
尚、これらのうち、加速度センサ251aは請求項に記載の第1の加速度センサに相当し、加速度センサ251bは請求項に記載の第2の加速度センサに相当する。
【0018】
以上のほか、本山岳登山者支援システムの第1及び第2のセンサユニット2a,2bのセンサ本体25(以下、第1及び第2のセンサユニット2a,2bに含まれるものを各符号25a,25bを用いて呼称する)には、被検体4の表皮温度の正常/異常をモニタする温度センサ252(以下、第1及び第2のセンサユニット2a,2bに含まれるものを符号252a,252bを用いて呼称する)も含まれる。尚、上記第1及び第2のセンサユニット2a,2bが加速度データをセンシング信号としてセンタ装置1に送信するに際しては、それぞれの送信タイミングをずらして各送信が実施される。
【0019】
図1のセンタ装置1は、アンテナ部11と、信号分配部12、受信部13、送信部14、センサデータ収集処理部15、センサ制御部16とで構成されている。
【0020】
そして、このセンサデータ収集処理部15の詳細な構成は図2に示される。
【0021】
即ち、センサデータ収集処理部15は、加速度データ記憶部111と、データ平均化処理部112と、山岳登山者支援制御部113とで構成されている。
【0022】
このような構成において、アンテナ部11は、センサ制御部16からの制御信号を送信する送信アンテナ機能と第1及び第2のセンサユニット2a,2bからのセンシング信号を受信する受信アンテナ機能とを有する。この両機能の切り換えはアンテナ部11に接続されたサーキュレータ等からなる信号分配部12が行う。
【0023】
受信部13は、センサユニット2から無線ネットワークやアンテナ部11を介して送信された無線信号を受信した後、当該無線信号を復調し、この復調により得られるセンシング信号をセンサデータ収集処理部15へ出力する。
【0024】
送信部14は、センサ制御部16から出力された制御信号を変調した後、無線信号に変換し、この無線信号をアンテナ部11から無線ネットワークを介して第1及び第2のセンサユニット2a,2bに向けて送信することになる。このセンサ制御部16は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)を備えたものであり、第1及び第2のセンサユニット2a,2bによるセンシング開始やセンシング周期に関する指令を含む制御信号を出力する。なお、第1のセンサユニット2aと第2のセンサユニット2bとセンタ装置1との無線信号の送受は、それぞれの信号が重ならないようになされている。
【0025】
センサデータ収集処理部15は、受信したセンシング信号から被検体4の状態を判定する部分である。本実施の形態では、被検体4の姿勢状態を検出することで遭難等の緊急事態の発生を追跡するのが目的なので、センタ装置1は、登山中、第1及び第2のセンサユニット2a,2bからのセンシング信号を継続して受信する。受信部13から加速度データとしてのセンシング信号を受信すると、センサデータ収集処理部15内では、この加速度データを加速度データ記憶部111に一時記憶する。次に、記憶されている加速度データを適宜読み出し、データ平均化処理部112において移動平均等の手法によりデータの平均化を行う。なお、ここでの平均化処理は不要な成分を除外するために行われるものであり姿勢状態の検出に必須の処理ではない。次に、平均化された加速度データに基づいて詳細は後述する手法により山岳登山者支援判定部113が被検体4の姿勢状態より遭難等の緊急事態が発生しているか否かを判定する。受信部13より温度データとしてのセンシング信号を併せて受信した場合には、当該温度データは山岳登山者支援判定部113に送られ、上記緊急事態が発生しているか否かの判断に役立てられる。
【0026】
次に図3乃至図5を参照して、第1及び第2のセンサユニット2a,2bの詳細な構成及び作用を説明する。ここでは、これら第1及び第2のセンサユニット2a,2bについて符号2を用いて総称し、両者に共通する構成及び作用について詳細に説明する。
【0027】
センサユニット2は、アンテナ部21とセンシング信号送信部22、センサ駆動信号受信部23、センサ駆動制御部24、センサ本体25、バッテリ26とを備える。
【0028】
ここで、図3にはセンサユニット2の構成要素であるセンサ駆動制御部24とセンサ本体25との詳細な構成を示し説明する。この図4に示すように、センサ本体25は被検体4の身長方向(前後方向)、身長方向の中心線に対して直角な方向(左右方向)の動きを検出する加速度センサ251と温度センサ252とで構成される。
【0029】
尚、この加速度センサ251は、第1のセンサユニット2aについては胸部の加速度センサ251a、第2のセンサユニット2bについては大腿部の加速度センサ251bに相当する。胸部の加速度センサ251aは前後方向の加速度を検出する前後センサと左右方向の加速度を検出する左右センサからなる2軸のセンサであり、大腿部の加速度センサ251bは被検体4の前後方向の加速度を検出する1軸のセンサである。
【0030】
一方、センサ駆動制御部24は、中央処理装置(CPU)243と、記憶部242、クロック信号発生部245、AD変換部241,246、サーバ・プログラミング・インターフェース(SPI)244とで構成されている。
【0031】
このような構成において、クロック信号発生部245は、CPU243のクロック制御信号に基づいて所定周期のクロック信号を発生する。記憶部242は、CPU243により実行されるプログラムや設定データ等を記憶している。CPU243は、センサ本体25の加速度センサ251を始めとして、センシング信号送信部22、センサ駆動信号受信部23を駆動制御するもので、上述したセンタ装置1から送られてくるセンシング開始やセンシング周期等の指令の内容を不図示のメモリに記憶する。
【0032】
CPU243は、この保存された指令と記憶部242に記憶された設定データに基づいてクロック制御信号を生成してクロック信号発生部245に出力する。クロック信号発生部245より発生されるクロック信号により、駆動信号として、センシング開始及びセンシング周期に関する信号を生成する。AD変換部241は、CPU243からの制御信号により駆動される加速度センサ211からの加速度データをデジタル信号に変換するもので、CPU243よりSPI244を介してセンシング信号として出力する。そして、AD変換部246は、CPU243からの制御信号により駆動制御される温度センサ252からの温度データをデジタル信号に変換するものである。
【0033】
なお、CPU243から加速度センサ251に供給する駆動信号としてはスタンバイ信号が用いられる。加速度センサ251は、スタンバイ信号が“H”レベルになるとセンシングを行う動作状態となり、”L“レベルになると非動作状態、つまり電力消費量の少ないスタンバイ状態となる。バッテリ26は、例えばボタン型リチウム電池からなり、DC電圧を、センサ本体25、センサ駆動制御部24、センシング信号送信部22、及びセンサ駆動信号受信部23に駆動電源として供給する。
【0034】
図4にはセンサユニット2の構成要素であるセンシング信号送信部22とセンサ駆動信号受信部23の詳細な構成を示し説明する。
【0035】
この図4に示すように、センシング信号送信部22は、SPI221とデジタル信号制御部222、信号変調部223、混合部224、電力増幅部225、送受信信号分配部226とを備えている。また、センサ駆動信号受信部23は、水晶発振器232と位相安定化回路234、電圧制御形発振器236、低雑音増幅部238、混合部237、信号復調部235、デジタル信号制御部233、SPI231とを備えている。
【0036】
このような構成において、センシング信号送信部22は、センサ駆動制御部24からのセンシング信号をSPI221を介してデジタル信号制御部222に取り込み、信号変調部223でデジタル変調、例えばQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)変調し、混合部224にて電圧制御型発信器236の出力と混合した所定周波数に変換してセンシングデータを作成し、当該センシングデータを電力増幅部225で電力増幅し、送受信信号分配部226よりアンテナ部21を介して、センタ装置1に向け送信させる。
【0037】
一方、センサ駆動信号受信部23は、センタ装置1から送られた無線信号をアンテナ部21で受信すると、送受信信号分配部226で分配し、低雑音増幅部238でフィルタリングした後、混合部237に取り込む。そして、当該混合部237にて、無線信号を電圧制御型発振器236の出力と混合した所定周波数に変換した後、信号復調部235でデジタル復調し、このデジタル復調により得られた制御信号をデジタル信号制御部233よりSPI231を介してセンサ駆動制御部24に供給する。
【0038】
なお、第1のセンサユニット2aのアンテナ部21、センシング信号送信部22、センサ駆動信号受信部23は請求項記載の第1の通信手段に相当し、第2のセンサユニット2bの同構成は請求項記載の第2の通信手段に相当し、センタ装置1のアンテナ部11、信号分配部12、受信部13、送信部14は請求項記載の第3の通信手段に相当する。但しこれらの関係には限定されないことは勿論である。
【0039】
以下、本実施の形態に係る山岳登山者支援システムによる特徴的な作用を説明する。
【0040】
図5は、本システムにおいて、被検体4の胸部に装着された第1のセンサユニット2aに含まれる加速度センサ251aから出力される加速度センサ信号と、被検対4の大腿部に装着された第2のセンサユニット2bに含まれる加速度センサ251bから出力される加速度センサ信号を計測した結果を示している。この例では、縦軸に胸部の加速度センサ251a(前後センサ)より出力される加速度センサ信号(加速度)、横軸に大腿部の加速度センサ251b(前後センサ)より出力される加速度センサ信号(加速度)を割り当てている。この図5より特徴領域を抽出すると、山岳登山に伴う姿勢変化は、各加速度センサ251a,251bより出力される加速センサ信号が第1の範囲としての領域B、第2の範囲としての領域A、更に所定範囲Cのいずれにあるかにより判別できる。
【0041】
尚、請求項に記載の第1の加速度データとは、例えば上記加速度センサ251aから出力される加速度データを意味し、第2の加速度データとは、例えば上記加速度センサ251bから出力される加速度データを意味する。
【0042】
図6は、被検体4の胸部に装着された第1のセンサユニット2aに含まれる加速度センサ251a(左右センサ)による計測値を1次微分した微分値を示している。同図の横軸には時間をとっている。この実施の形態に係る山岳登山者支援システムでは、この微分値の絶対値が所定の閾値を超える場合には、寝返りがなされているものと判断する。
【0043】
さらに、図7は、被検体4の胸部に装着された第1のセンサユニット2aに含まれる加速度センサ251aのうち、左右センサによる計測結果を示している。ここでは、縦軸に胸部の加速度センサ251aの左右センサより出力される加速度センサ信号の計測値(この計測値のAD変換後の値が加速度データに相当する)、横軸に時間をとっている。この図8からも明らかなように、所定の閾値を設け、当該閾値を前後するタイミングを計測することにより、被検体4の左右の大きな動き、つまり被検体4の寝返りを計測することができる。
【0044】
以上の計測結果に鑑みて、この山岳登山支援システムでは、先に図5に示したような計測結果を基礎として図8に示されるような判断基準を予め定めている。
【0045】
つまり、領域A、領域B、及び分散に係る所定範囲Cを定めて、当該領域A、領域Bと所定範囲Cと、胸部の加速度センサ251a(ここでは、前後センサ)により出力される加速度センサ信号の測定値の平均値、大腿部の加速度センサ251b(前後センサ)より出力される加速度データの測定値の平均値との関係より、姿勢を判定することとしている。
【0046】
即ち、登山者に装着された第1及び第2のセンサユニット2a,2bから送信されるセンシング信号、つまり加速度データの平均値が領域A,B内にあるか否かに基づいて、現在、登山者が立っているか座っているか(中腰姿勢を含む)を(領域Bから判定)、横になっているか(領域Aから判定)を判定するものである。領域Bであると判定された場合、加速度データの一定時間の分散値を算出し、分散値が所定範囲C外ならば正常活動、所定範囲C内ならば異常値として救助活動を開始する。一方、領域Aであると判定された場合には加速度データの微分値を算出し、微分値の絶対値が一定値を超えた場合に寝返りと判定される。そして、この寝返りの間隔がある一定時間以上継続するか或いは寝返りがないような場合には異常値と判定し、救助活動を開始し、寝返りの間隔がある一定時間以内に繰り返される場合には正常活動と判定する。
【0047】
尚、被検対4の寝返りの判定については、第1に前後センサの一次微分値の絶対値が閾値を越えた場合、或いは第2に左右センサの計測値が所定値、例えば±980×0.6=±588cm/s2を横切る場合等に寝返りがなされているものと判断する。
【0048】
以下、図9乃至図11を参照して、上記姿勢の判定について更に詳細に説明する。
【0049】
図9は、睡眠状態にある被検体4の上下方向の動きにおける各姿勢と、上下方向の動きを検出する加速度センサ251a,251bの向きと、センサ計測値との関係を示している。尚、ここでは、図9(A)乃至(C)に示すように、被検体4の胸部には加速度センサ251aを含む第1のセンサユニット2aが装着され、大腿部には加速度センサ251bを含む第2のセンサユニット2bが装着されていることが前提となっている。
【0050】
そして、これら図9(A)乃至(C)は、被検体4の各姿勢を示している。
【0051】
即ち、図9(A)は被検体4が直立状態、図9(B)は被検体4が大腿部を曲げている屈伸状態、図9(C)は倒立状態、を示している。
【0052】
被検体4が図9(A)に示す姿勢にあるときには加速度センサ251a,251bは共に垂直方向を向くが(図9(D)参照)、この場合、重力がそのままかかるので両センサ251a,251bの計測値はマイナス(−)方向に最大の値をとる(図9(G)参照)。被検体4が図9(B)に示す姿勢にあるときには、加速度センサ251aは垂直方向を向くが加速度センサ251bは水平方向を向き(図9(E)参照)、加速度センサ251bは重力と直交しているのでセンサ計測値は0となり、加速度センサ251aには重力がそのままかかるのでセンサ計測値はマイナス(−)方向に最大の値をとる(図9(H)参照)。被検体4が図9(C)に示す姿勢にあるときには、加速度センサ251a,251bは垂直方向を向く(図9(F)参照)。但し、加速度センサ251a,251bの向きは180度回転しており、当該加速度センサ251a,251bには反対方向の重力がかかるのでセンサ計測値はプラス(+)方向に最大の値をとることになる(図9(L)参照)。
【0053】
図10は、被検体4である登山者がキャンプ等において簡易ベッド5に横たわっている状態を示しており、被検体4の右胸には加速度センサ251aを含む第1のセンサユニット2aが貼付されている。この簡易ベッド5や被検体4は、当該被検体4の姿勢判定の説明の便宜上、図示したものであり、実際の登山でのキャンプでの状況よりも簡略化して図示している。被検体4は睡眠中に寝返りを打つなど身体を動かすことが考えられるが、ここでのセンサユニット2aは被検体4の左右方向の動きを検出する加速度センサ251aを備える。ここで、左右方向の動きとは、図10に示すように被検体4が横たわっている状態において身体の横幅方向(身体中心線に対して左右の方向)の動きを意味するものとする。
【0054】
図11は、睡眠状態にある被検体4の左右方向の動きにおける各姿勢と、左右方向の動きを検出する第1のセンサユニット2aに含まれる加速度センサ251a(左右センサ)の向きと、センサ計測値との関係を示している。図11(A)乃至(D)は被検体4を図10の矢印Pの方向、即ち頭上から見たときの姿勢を示している。図中、記号*は加速度センサ251a(左右センサ)の+方向を示す。図11(A)は被検体4が仰向け状態から反時計方向に90度回転して真横になるような寝返りを打った状態、図11(B)は被検体4が仰向けに寝ている状態、図11(C)は仰向け状態から時計方向に45度回転する寝返りを打った状態、図11(D)は被検体4が仰向け状態から時計方向に90度回転して真横になるような寝返りを打った状態、をそれぞれ示している。
【0055】
被検体4が図11(A)に示す姿勢にあるときには、加速度センサ251a(左右センサ)は垂直方向を向くが(図11(E)参照)、この場合、重力がそのままかかるのでセンサ計測値はプラス(+)方向に最大の値をとる(図11(I)参照)。
【0056】
被検体4が図11(B)に示す姿勢にあるときには、加速度センサ251a(左右センサ)は水平方向を向くが(図11(F)参照)、この向きは重力と直交しているのでセンサ計測値は0となる(図11(J)参照)。
【0057】
被検体4が図11(C)に示す姿勢にあるときには、加速度センサ251a(左右センサ)は45度傾斜した方向を向くが(図11(G)参照)、この場合のセンサ計測値は、垂直方向の投影成分に対応するセンサ値が得られる(図11(K)参照)。
【0058】
被検体4が図11(D)に示す姿勢にあるときには、加速度センサ251a(左右センサ)は垂直方向を向く(図11(H)参照)。但し、加速度センサ251の+方向は下側になる。従って、この場合は反対方向の重力がかかるのでセンサ計測値はマイナス(−)方向に最大の値をとる(図11(L)参照)。
【0059】
以下、図12のフローチャートを参照して、本発明の一実施の形態に係る山岳登山者支援システムのセンタ装置1による動作を詳細に説明する。
【0060】
山岳登山者である被検体4の胸部に装着された第1のセンサユニット2aに含まれる加速度センサ251aと大腿部に装着された第2のセンサユニット2bに含まれる加速度センサ251bからの加速度データとしてのセンシング信号、上記第1及び第2のセンサユニット2a,2bに含まれる温度センサ252a,252b(いずれか一方でもよい)からの温度データを受信部13が受信すると(ステップS1)、センサデータ収集処理部15は、各部(この例では胸部、大腿部)からの加速度データ、温度データを不図示のメモリに記憶し(ステップS2)、データ平均化処理部112において移動平均等の手法により加速度データの平均化を行う(ステップS3)。
【0061】
次いで、第1及び第2の処理からなる並列処理に入る。
【0062】
即ち、第1の処理では、上記温度データが所定値よりも低い場合には、被検体4が非常事態にあるものと判断し、救助を開始する(ステップS5)。
【0063】
一方、第2の処理では、上記平均化された加速度データに基づいて山岳登山者支援判定部113が被検体4の姿勢を判定する(ステップS6)。
【0064】
即ち、上記平均化された胸部の加速度データ、大腿部の加速度データを、図8のような縦軸、横軸の座標系にプロットした場合に、図8の領域A,Bに入るか否か、所定範囲Cにあるか否か等が判定される。そして、この判定の結果、被検体4が立つ、座る姿勢にあるか否かが前述した手法により判断される(ステップS7)。
【0065】
先ず、立つ、座る姿勢にある場合、更に胸部と大腿部の加速度センサ251a,251bの加速度データの各分散が一定値以下であるかを判定する(ステップS8)。一定値以下である場合には、立ったり座ったまま静止していると考えられるため、非常事態にあるものと判断し、被検体4である登山者の救助活動を開始し(ステップS10)、一定値以下でない場合には被検体4が登山、下山の行動途中にあるものと判断し、上記ステップS2に戻り、上記動作を繰り返す(ステップS9)。
【0066】
上記ステップS7にて、被検体4が立つ、座る姿勢にはないと判断された場合には横になる姿勢にあるか否かが判断される(ステップS11)。そして、横になる姿勢にあると判断した場合には、更に胸部の加速度センサ251aにより計測される加速度データより算出される寝返りの時間間隔が所定時間よりも長いか否か、寝返りがないか否かを判定する(ステップS12)。ここで、寝返りの時間間隔が所定の時間間隔よりも長い、あるいは寝返りがない場合には、非常事態にあるものと判断し、被検体4である登山者の救助活動を開始する(ステップS9)。一方、被検体4による寝返りの時間間隔が所定の時間間隔よりも短い場合には、ビバーク等の睡眠中であるものと判断し(ステップS13)、上記ステップS2に戻り上記動作を繰り返すことになる。
【0067】
以上説明したように、本実施の形態に係る山岳登山者支援システムによれば、センタ装置1が、第1及び第2のセンサユニット2a、2bからのセンシング信号に係る第1の加速度データの第1の平均値と上記第2の加速度データの第2の平均値とが第1の範囲内(例えば図8の第1の領域A)にある場合には、更に上記第1及び第2の加速度データの所定時間における分散値を算出し、当該分散値が所定範囲C内に無い場合には異常であると判定する。さらに、上記第1及び第2の平均値が第2の範囲内(例えば図8の第2の領域B)にある場合には、上記第1及び第2の加速度データの微分値を更に算出し、当該微分値の絶対値が所定の閾値を越えた場合、或いは加速度センサ値が所定値を横切る場合には寝返りであると判定する。したがって、山岳登山者の登山活動が正常に進行しているのか遭難しているのかを自動的に判定処理でき、異常は発生している場合に迅速に対応することができるようになると共に、センタ装置1から不図示の警備部門、救助部門などに同時に広範囲に異常事態を通知し支援活動の充実を図ることも可能となる。
【0068】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなくその趣旨を逸脱しない範囲で種々の改良・変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、加速度センサを被検対4の胸部と大腿部に装着する例を示したが、これに限定されることなく、被検体4の腕や肩等、上記計測に関わる種々の箇所に装着可能であるので、センサユニットは2つには限定されないことは勿論である。
【0069】
また、2箇所以上に設置された中継器を介してセンタ装置1と第1及び第2のセンサユニット2a,2bとの間の通信が中継される場合には、中継器同士の連携により、三角測量の原理を用いて、第1及び第2のセンサユニット2a,2bの位置情報、つまりは被検体4の位置情報を求め、センタ装置1に併せて送信するようにすることも可能である。
【0070】
さらに、センタ装置1側のセンサデータ収集処理部15の構成を第1及び第2のセンサユニット2a,2bの少なくともいずれか一方の内部に実装し、第1及び第2のセンサユニット2a,2bの少なくともいずれか一方の内部で被検体4の異常の発生の有無を検出し、その結果に基づいて第1及び第2のセンサユニット2a,2b自身による警告等を実施するように構成することも可能であることは勿論である。
【0071】
また、2軸、3軸の加速度センサを採用し当該2軸、3軸の加速度センサの出力を処理し、山岳登山者支援判定が可能なように構成することは可能であることは勿論である。
【0072】
さらに、図1のセンタ装置1の構成から送信部14、センサ制御部16を除き、センサユニット2の構成からセンサ駆動信号受信部23を除き、山岳登山者支援システムを構築し、センサユニット2からセンタ装置1へセンシング信号のみを送信するようにしてもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施の形態に係る山岳登山者支援システムの概念図である。
【図2】センサデータ収集処理部15の詳細な構成を示す図である。
【図3】センサユニット2の構成要素であるセンサ駆動制御部24とセンサ本体25との詳細な構成を示す図である。
【図4】センサユニット2の構成要素であるセンシング信号送信部22とセンサ駆動信号受信部23の詳細な構成を示す図である。
【図5】実施の形態に係る山岳登山者支援システムにおいて、被検体4の胸部の加速度センサ251a、大腿部の加速度センサ251bより出力される加速度センサ信号を計測した結果を示す図である。
【図6】胸部の加速度センサ251aより出力される加速度センサ信号の1次微分値を演算し当該1次微分値を縦軸にとった計測結果を示す図である。
【図7】胸部の加速度センサ251aのうち、左右センサ251a−2による計測結果を示す図である。
【図8】姿勢を判定するための領域A,B及び所定範囲Cを定義する図である。
【図9】睡眠状態にある被検体4の上下方向の動きにおける各姿勢と、上下方向の動きを検出する加速度センサ251の向きと、センサ計測値との関係を示す図である。
【図10】被検体4である登山者がキャンプ等において簡易ベッド5に横たわっている状態を示す図である。
【図11】睡眠状態にある被検体4の左右方向の動きにおける各姿勢と、左右方向の動きを検出する加速度センサ251の向きと、センサ計測値との関係を示す図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係る山岳登山者支援システムのセンタ装置1による動作を詳細に説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1…センタ装置、2…センサユニット、3…中継器、4…被検体、11…アンテナ部、12…信号分配部、13…受信部、14…送信部、15…センサデータ収集処理部、16…センサ制御部、21…アンテナ部、22…センシング信号送信部、23…センサ駆動信号受信部、24…センサ駆動制御部、25…センサ本体、26…バッテリ、251…加速度センサ、252…温度センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
山岳登山者である被検体が装着するもので、少なくとも第1の加速度センサを有し、当該第1の加速度センサにより得られた第1の加速度データを出力する第1のセンサユニットと、
山岳登山者である被検体が装着するもので、少なくとも第2の加速度センサを有し、当該第2の加速度センサにより得られた第2の加速度データを出力する第2のセンサユニットと、
上記第1及び第2のセンサユニットと通信自在であり、上記第1の加速度データと上記第2の加速度データとの関係より上記被検体の姿勢を判定するもので、上記第1及び第2の加速度データが所定範囲内にあるか否かにより上記被検体に異常が発生しているか否かを判定するセンサデータ収集処理手段を有するセンタ装置と、
を具備することを特徴とする山岳登山者支援システム。
【請求項2】
山岳登山者である被検体が第1及び第2のセンサユニットを装着しており、当該第1及び第2のセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成された山岳登山者支援システムであって、
上記第1のセンサユニットは、少なくとも第1の加速度データを出力する第1の加速度センサと、当該第1の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第1の通信手段と、を有し、
上記第2のセンサユニットは、少なくとも第2の加速度データを出力する第2の加速度センサと、当該第2の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第2の通信手段と、を有し、
上記センタ装置は、上記第1及び第2のセンサユニットと通信するための第3の通信手段と、上記センシング信号に係る第1の加速度データと上記第2の加速度データとの関係より被検体の姿勢を判定するもので、上記第1及び第2の加速度データが第1の範囲内にある場合には、更に上記第1及び第2の加速度データの所定時間における分散値を算出し、当該分散値が所定範囲内である場合には異常であると判定するセンサデータ収集処理手段と、を有する、
ことを特徴とする山岳登山者支援システム。
【請求項3】
山岳登山者である被検体が第1及び第2のセンサユニットを装着しており、当該第1及び第2のセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成された山岳登山者支援システムであって、
上記第1のセンサユニットは、少なくとも第1の加速度データを出力する第1の加速度センサと、当該第1の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第1の通信手段と、を有し、
上記第2のセンサユニットは、少なくとも第2の加速度データを出力する第2の加速度センサと、当該第2の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第2の通信手段と、を有し、
上記センタ装置は、上記第1及び第2のセンサユニットと通信するための第3の通信手段と、上記センシング信号に係る第1の加速度データと上記第2の加速度データとの関係より被検体の姿勢を判定するもので、上記第1及び第2の加速度データが第2の範囲内にある場合には、上記第1の加速度データ若しくは第2の加速度データのいずれか一方が所定の条件を満足する場合には異常であると判定するセンサデータ収集処理手段と、
を有する、
ことを特徴とする山岳登山者支援システム。
【請求項4】
山岳登山者である被検体が第1及び第2のセンサユニットを装着しており、当該第1及び第2のセンサユニットとセンタ装置とが通信自在に構成された山岳登山者支援システムであって、
上記第1のセンサユニットは、少なくとも第1の加速度データを出力する第1の加速度センサと、当該第1の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第1の通信手段と、を有し、
上記第2のセンサユニットは、少なくとも第2の加速度データを出力する第2の加速度センサと、当該第2の加速度データをセンシング信号として上記センタ装置に送信する第2の通信手段と、を有し、
上記センタ装置は、上記第1及び第2のセンサユニットと通信するための第3の通信手段と、上記センシング信号に係る第1の加速度データと上記第2の加速度データとの関係より被検体の姿勢を判定するもので、上記第1及び第2の加速度データが第1の範囲内にあるときには更に上記第1及び第2の加速度データの所定時間における分散値を算出し当該分散値が所定範囲内にある場合、及び上記第1及び第2の加速度データが第2の範囲内にある場合には上記第1の加速度データ若しくは第2の加速度データのいずれか一方が所定の条件を満足する場合に異常であると判定するセンサデータ収集処理手段と、を有する、
ことを特徴とする山岳登山者支援システム。
【請求項5】
上記所定の場合とは、上記加速度データの絶対値が閾値を超え寝返りと判定され、上記寝返りの時間間隔が所定の時間を超える場合、若しくは上記加速度データの絶対値が閾値を超えることなく寝返りと判定されない場合であることを更に特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の山岳登山者支援システム。
【請求項6】
上記所定の場合とは、上記加速度データの所定値を横切り寝返りと判定され、上記寝返りの時間間隔が所定の時間を超える場合、若しくは上記加速度データの所定値を横切ることなく寝返りと判定されない場合であることを更に特徴とする請求項3又は4のいずれかに記載の山岳登山者支援システム。
【請求項7】
上記センサデータ収集処理手段は異常であると判定した場合には上記第3の通信手段を介して上記第1及び第2のセンサユニットの少なくともいずれかに所定の警告信号を送信し、当該第1及び第2のセンサユニットの少なくともいずれかは当該警告信号を受信すると所定の警告を発する、ことを更に特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載の山岳登山者支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−318188(P2006−318188A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−139793(P2005−139793)
【出願日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【出願人】(505005865)株式会社 医療電子科学研究所 (28)
【Fターム(参考)】