工事灯
【課題】従来の工事灯では、LEDを点灯させるために必要な電力を得るために、大きな太陽電池が必要となっている。このため工事灯を構成する筐体が大きくなり、嵩張るという問題が発生していた。
【解決手段】プリント基板に空けられた穴に配置されるLEDを備えた発光基板と、発光基板を収納するとともに、発光基板のLED配置領域に対して両側面から凸設されたレンズと、レンズから導かれる光を外側に照射する照射側面を有する筐体と、からなる工事灯であって、筐体は照射側面と平行方向視にて略T字型をしており、広がった上面は透明であるとともに、当該上面から光を受けるように配置される太陽電池を収納する太陽電池収納空間を有する工事灯を提供する。
【解決手段】プリント基板に空けられた穴に配置されるLEDを備えた発光基板と、発光基板を収納するとともに、発光基板のLED配置領域に対して両側面から凸設されたレンズと、レンズから導かれる光を外側に照射する照射側面を有する筐体と、からなる工事灯であって、筐体は照射側面と平行方向視にて略T字型をしており、広がった上面は透明であるとともに、当該上面から光を受けるように配置される太陽電池を収納する太陽電池収納空間を有する工事灯を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、道路工事現場などにおいて、通行車輌や歩行者、作業者などの安全を確保するために、コーンやバリケード、ガードレールなどに取り付けられ、通行車輌や歩行者、作業員を誘導する工事灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路工事現場で用いられてきた工事灯は、光源として電球などを配置しているものが一般的であった。光源として電球を用いた工事灯は、電球を点灯させるために必要な電力が大きいため、工事灯ごとに配線を行って逐次電源を供給したり、バッテリーを用いて点灯する場合には、こまめにバッテリーを交換する必要があった。
【0003】
そこで、特許文献1に示した工事灯では、光源をLEDとすることで、点灯に必要な電力を低く抑え、太陽電池による充電によって点灯するように構成されている。このように、光源をLEDとすることで、バッテリーの交換が必要ない工事灯が実現された。
【特許文献1】特開2000−319833
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示した工事灯では、LEDを点灯させるために必要な電力を得るために、大きな太陽電池が必要となっている。このため工事灯を構成する筐体が大きくなり、嵩張るという問題が発生していた。光源をLEDとした場合、電球に比べて消費電力は小さくなるが、LEDを夜間など長時間点灯させるために必要な電力量をバッテリーに充電するためには、大きな太陽電池が必要となる。
【0005】
工事灯の大きさを嵩張らない大きさにするためには、LEDの数を減らし消費電力を抑えることで、太陽電池の面積を必要最低限にする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題に鑑み、本件発明では次の工事灯を提供する。すなわち、第一の発明としては、プリント基板に空けられた穴に配置されるLEDを備えた発光基板と、発光基板を収納するとともに、発光基板のLED配置領域に対して両側面から凸設されたレンズと、レンズから導かれる光を外側に照射する照射側面を有する筐体と、からなる工事灯を提供する。
【0007】
第二の発明としては、筐体は照射側面と平行方向視にて略T字型をしており、広がった上面は透明であるとともに、当該上面から光を受けるように配置される太陽電池を収納する太陽電池収納空間を有する第一の発明に記載の工事灯を提供する。
【0008】
第三の発明としては、前記照射側面は、レンズから導かれる光を意味記号を構成する複数の点光源として照射するように照射点が配置されている第一の発明又は第二の発明に記載の工事灯を提供する。
【0009】
第四の発明としては、筐体は、下部に円筒部を有し、円筒部内には太陽電池で充電されるバッテリーが収納される第一の発明から第三の発明のいずれか一に記載の工事灯を提供する。
【0010】
第五の発明としては、照射側面の前記照射点以外の領域には反射シートが貼り付けられている第三の発明に記載の工事灯を提供する。
【0011】
第六の発明としては、円筒部下面は側壁を備えた桶状であり、桶状の円筒部下面にバッテリーからのLEDへの給電スイッチが配置されている第一の発明から第五の発明のいずれか一に記載の工事灯を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本件発明のより、消費電力を抑えることでバッテリーの交換が必要なく、且つ太陽電池の大きさを抑え、工事灯全体の大きさをコンパクトにした工事灯が提供可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本件発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本件発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0014】
実施形態1は、主に請求項1などに関する。
【0015】
実施形態2は、主に請求項2および請求項4などに関する。
【0016】
実施形態3は、主に請求項3などに関する。
【0017】
実施形態4は、主に請求項5などに関する。
【0018】
実施形態5は、主に請求項6などに関する。
<実施形態1>
<実施形態1 概要>
【0019】
本実施形態の工事灯は、光源としてLEDを用いた工事灯であって、LEDから発せられる光を、LEDに対して両側面に凸設されたレンズにて拡散し、工事灯の外側に照射することを特徴とした工事灯である。
【0020】
従来のLEDを用いた工事灯では、LEDから発せられる光は、レンズなどを介さずそのまま、工事灯の外側へ照射されていた。このような工事灯から発せされる光は、運転者や歩行者など、外部から工事灯を見ると、LEDの光は小さな1点となる。このため、工事灯に設置するLEDの数を増やすなどする必要があった。本実施形態では、LEDの光をレンズにて拡散することで、少ないLEDであっても、運転者や歩行者から視認しやすい工事灯を提供する。
<実施形態1 構成>
【0021】
図1に本実施形態の工事灯の斜視概念図を示した。本実施形態の工事灯は、プリント基板に空けられた穴(0101)に配置されるLED(0102)を備えた「発光基板(0103)」と、発光基板を収納するとともに、発光基板のLED配置領域に対して両側面から凸設された「レンズ(0104)」と、レンズから導かれる光を外側に照射する照射側面(0105)を有する「筐体(0106)」と、からなる。
【0022】
「発光基板」は、プリント基板上に電源からLEDへ電力を供給するための配線や、LEDの点滅や点灯や消灯などの発光パターンを制御するための回路が配置されている。発光基板には、穴が空けられて、この穴の部分にLEDが配置されている。図2にLED(0201)が配置され穴(0202)が空いた発光基板(0203)の部分拡大斜視図を示した。LEDからは、発光基板に対して配線(0204)がなされている。LEDは、発光基板に対して、別途固定具によって固定されていても良いが、前述の配線のみによって固定されていても良い。LEDは(a)に示したように、発光基板に対して垂直に配置しても良いし、(b)のように発光基板と平行に、工事灯の上方向に向けて配置しても良い。このように、発光基板に穴を空け、LEDを波高基板の穴の部分に配置することで、一つのLEDを工事灯の表面および裏面の両面から視認することが可能となる。一つのLEDを裏面および表面の両面から視認することが可能になることで、表面および裏面の両面にLEDお配置する必要が無くなり、LEDの使用量ならびに使用電力を削減することが可能となる。
【0023】
図3に図2の発光基板およびLEDを照射側面と平行方向視したときの断面図を示した。LED(0301)を図2の(a)のように配置した場合の断面図が図3の(a)であり、図2の(b)のように配置した場合が、図3の(b)となる。LEDの発光は指向性があるため、LEDの先端方向から発光する光が強くなる。このため、(a)のようにLEDを発光基板(0302)に対して垂直に配置した場合、LEDから発せられる光は、LEDの先端方向の光が強くなる。一方で、LEDの先端とは逆方向の光は弱くなる。このため、このようにLEDを発光基板に対して垂直に配置する場合には、より重要な標示を表す面の光が強くなるようにLEDを配置する必要がある。また、(b)のように、LEDを発光基板に対して平行、つまり工事灯の上方向に向けて配置した場合には、表面および裏面の両面に発光する光の強さは同程度になるが、光の強さは、弱くなる。このため、LEDの先端方向に発せられる光が無駄となってしまう。これを防ぐには、(c)に示したように、LEDの先端近傍に、LEDの先端部分から発せられる光を、表面および裏面方向に反射させる反射板(0303)を配置しても良い。このようにすることで、表面および裏面に同程度の強い光を発することが可能となる。また本実施形態の工事灯では、配置されるLEDの数は複数であっても一つであっても良い。
【0024】
「レンズ」は、LEDから発せられる光を、拡散し、より視認性を高くさせている。レンズは、筐体の内側面に沿って、内側に凸設されている。基本的に、レンズは一つのLEDに対して表裏一つずつのレンズを対応させるが、例えば複数の色を発光可能なLEDなど複数のLEDが集合したLEDの場合は、複数のLEDに一つのレンズを対応させても良い。図4の(a)にレンズを有する工事灯の概念図、(b)にはレンズを有さない工事灯の概念図を示した。前述したように、LEDから発せられる光は、指向性が高いため、そのままの光では(b)のように小さな光となってしまう。そこで、本実施形態の工事灯では、LEDから発せられる光をレンズによって拡散することで、(a)のように、大きな光となって視認しやすいように構成している。また、レンズの焦点距離に応じて、レンズとLEDは、一定の距離を保つ必要がある。レンズとLEDの距離が適切でない場合、LEDから発する光が、拡散されない可能性もある。また、本実施形態の工事灯において、配置されるLEDが複数ある場合、すべてのLEDに対応してレンズを配置することが望ましいが、複数あるLEDのうち、一部のLEDのみにレンズを配置しても良い。
【0025】
「筐体」は、レンズから導かれる光を筐体の外側へ照射する照射側面を有している。照射側面には、レンズから導かれた光をさらに拡散させるために、拡散板のような光が乱反射するように、表面が加工されていてもよい。また筐体の内側または外側に拡散板を接着剤などを用いて配置しても良い。筐体は、LEDからレンズを通さずに漏れる光を、乱反射させるために、表面に凹凸を設けている。尚、レンズは、筐体に穴を空けて配置しても良いし、筐体の照射側面の内側に接合して設置しても良い。
<実施形態1 効果>
【0026】
本実施形態の工事灯のように、LEDの数を最小限に抑えることで消費電力を抑えることが可能となる。これによりバッテリーの交換回数を減らすことが可能となる。またLEDの数を少なく抑えたことにより、視認性の低下が懸念されるが、筐体にレンズを設け、LEDから発せされる光を拡散し、視認性を向上させることが可能となる。
<実施形態2>
<実施形態2 概要>
【0027】
本実施形態は実施形態1の工事灯を基本とし、さらに太陽電池を有している。また太陽電池の発電量を出来るだけ大きくするために、太陽電池のサイズが大きくなるように筐体を照射側面と平行方向視した際に略T字型となるような形状とした。
<実施形態2 構成>
【0028】
本実施形態の工事灯は、筐体の照射側面と平行方向視にて略T字型をしており、広がった上面は透明であるとともに、当該上面から光を受けるように配置される太陽電池を収納する太陽電池収納空間を有する。
【0029】
図5に本実施形態の工事灯を照射側面から見た平面図(a)と照射側面平行方向視したときの平面図(b)と斜視概念図(c)を示した。本実施形態の工事灯は、筐体の上部に太陽電池(0501)を有している。この太陽電池は、LED(0502)に対してLEDが発光するために必要な電力を発電している。このため、太陽電池はLEDが発光するために必要な電力を発電する必要がある。このため、太陽電池の面積は、可能な限り大きい方が良い。また、実施形態1でも述べたように、LEDとLEDから発光する光を拡散させるためのレンズ(0503)との距離は、一定の距離を保つ必要がある。太陽電池の面積を、LEDが発光するために必要な電力を確保できる面積とし、さらにLEDとレンズの距離を一定の距離を保った場合、図5の(b)に示したように、本実施形態の工事灯は太陽電池収納空間が広くなり、LED及びレンズが配置された部分が狭くなった、略T字型となる。
【0030】
また、太陽電池によって発電された電力は、バッテリーに充電される。バッテリーは、本実施形態の工事灯の内部に配置されている。例えば、本実施形態の工事灯の筐体は、道路工事用コーンや単管などに工事灯を設置するために、下部に円筒部を有している。この円筒部内に、バッテリーを収納することが可能である。また、工事灯の筐体下部に重量の重いバッテリーを配置することで、工事灯の安定性を向上させることが可能である。図6の(a)に筐体下部に円筒部(0601)を有し、円筒部内に太陽電池(0602)で充電されるバッテリー(0603)を収納した工事灯の一例を図示した。太陽電池で充電されるバッテリーは、一旦、筐体内に配置した後は交換する可能性は極めて低いため、バッテリーを交換することを前提とした構造とする必要はない。しかし、太陽電池によって十分にバッテリーが充電されていない場合など、既に充電が完了したバッテリーに交換したり、市販の乾電池と交換することも考えられる。そこで、バッテリーは、図6の(b)に示したように、工事灯の上部と、円筒部を分離可能に構成し、分離した箇所から円筒部にバッテリーを挿入したり、(c)のように、円筒部の下端部に開閉式の蓋を設けて、バッテリーを挿入するような構造としても良い。
【0031】
また、バッテリーは、円筒部内壁にバッテリーを挿入するための溝などのガイドに沿って挿入しても良いし、発光基板と配線がされ、円筒部から取り外し可能なバッテリーケースにバッテリーを収め、バッテリーケースを円筒部に収めるように構成しても良い。
【0032】
また、円筒部にバッテリーを収める際、円筒部にバッテリーの正極または負極に通電用の端子をバネなどによって接触するように構成しても良い。
<実施形態2 効果>
【0033】
本実施形態の工事灯のように、筐体の照射側面と平行方向視にて略T字型の形状で、広がった上面に太陽電池を配置することで、工事灯の大きさを極力小さくかつ薄く構成し、且つ、LEDの発光に必要な電力を発電する太陽電池を大きくすることが可能となる。
<実施形態3>
<実施形態3 概要>
【0034】
本実施形態の工事灯は、実施形態1および実施形態2を基本とし、さらにレンズから導かれる光を複数配置し、矢印や記号などの絵図を表すようにしたことを特徴とした工事灯である。
<実施形態3 構成>
【0035】
本実施形態の工事灯は、レンズから導かれる光を意味記号を構成する複数の点光源として照射するように照射点が配置されている。
【0036】
図7に本実施形態の工事灯の概念図を示した。LEDから発せられレンズから導かれる光を複数の点光源とすることで、図7のように矢印など様々な絵図を表すことが可能となる。例えば、(a―1)や(a−2)のように、上下を表す矢印や、(b−1)や(b−2)のように左右を表す矢印などを表現することが可能となる。このとき、(b−1)と(b−2)のLEDの配置位置は、表裏の関係になっているため、LEDを図2に示したような穴の空いた発光基板に配置すればよい。しかし、(a−1)と(a−2)は、表裏の関係ではない。このため、一部のLEDについては、図2や図3に示したように両面に光を発する構造ではなく、一方の面にのみ光を発するような構造とする。
【0037】
また、本実施形態の工事灯は、複数のLEDを縦横マス目状に配置し、LEDの点灯によって意味記号を構成しても良い。例えば、図8の(a)ように、LEDを縦8列、横5列の合計40個配置し、40個のLEDのうち、(b)のように一部のLEDを点灯することで、矢印などの意味記号を構成しても良い。このようにLEDをマス目状に複数配置することで、複数の意味記号を表すことが可能となる。
【0038】
また、複数のLEDの点灯パターンを変化させることで、LEDによって表現される意味記号をより強調して表現することがかのうとなる。例えば、図9のように、5個のLEDによって意味記号が構成された工事灯において、左から右方向へ歩行者や自動車などを誘導するようなシェブロン型にLEDが配置されていた場合、LEDを(a)(b)(c)の順番で左側のLEDを左側から順番に点灯させる。このように、LEDを点灯させることで、LEDの配列によって表現された意味記号をより強調することが可能となる。
【0039】
また、LEDとレンズは必ずしも1対1の対応で無くとも良い。例えば、1つのLEDから発せられる光を、複数のレンズが導いて点光源として照射してもよい。逆に2つのLEDから発せられる光を、一つのレンズが導いて点光源として照射してもよい。また、LEDから発せられる光を導くレンズの形状は、円形でなくともよく、レンズ自体の形状が矢印形状などの、意味記号を表現する形状であっても良い。
<実施形態3 効果>
【0040】
本実施形態の工事灯のように、レンズから導かれる光を意味記号を構成する複数の点光源として照射することで、少ないLEDであっても、歩行者や自動車の運転者からの視認性を向上させ、より明確な視線誘導が可能となる。
<実施形態4>
<実施形態4 概要>
【0041】
LEDなどで点灯する工事灯は、一般的に夜間は、LEDなどを点灯するため視認性がよいが、バッテリーの充電不足など何らかの原因により、LEDを左側などが点灯しなかった場合には、極めて視認性が低下してしまう。そこで、本実施形態の工事灯は、工事灯の照射側面に反射シートを貼り付けることで視認性を向上させている。仮にLEDに不具合が生じて、点灯しなかった場合でも、自動車のヘッドライトなどにより反射シートが反射することで、視認性を確保することが可能となる。
<実施形態4 構成>
【0042】
本実施形態の工事灯は、照射側面の前記照射点以外の領域に、反射シートが貼り付けられている。
【0043】
反射シートは、夜間などの暗夜時に、車や二輪車などのライト照射光を反射するシートである。反射シートは、白や青、赤、橙、黄、緑などの有色または無色のシートであり、工事灯の種類や、LEDによって証言される意味記号に応じて適時、オレンジや黄色、赤など適当な色のシートを用いる。また、反射シートの反射方法は、露出レンズ型反射材や、封入レンズ型反射材、カプセルレンズ型反射材、プリズム型反射材などがあり、表示板の種類や用途に応じて適時、適当なシートを用いる。
【0044】
反射シートを貼り付けた工事灯の一例を図10に示した。反射シート(1001)はLED(1002)から発せられる光が、照射側面を通過する照射点以外の領域に、貼り付けられている。これは、LEDから発せられる光を、反射シートが妨げないようにするためである。照射側面の照射点以外の領域に反射シートを貼り付ける場合、(a)のように照射点以外の領域全てに反射シートを貼り付けても良い。また、(b)のようにLEDの配置によって表現される意味記号に沿った部分であって、照射点以外の領域に反射シートを貼り付けたり、(c)のように、(b)とは逆にLEDの配置によって表現される意味記号に沿った部分以外に反射シートを貼り付けたり、(d)のように、照射側面の一部のみに貼り付けても良い。ただし、これらの反射シートを貼り付ける場合には、LEDの配置によって表現される意味記号の表示を妨げず、また意味記号と同様の表現がされるように反射シートを貼り付けることが望ましい。さらに、反射シートを貼り付ける面積が大きいほど、視認性は向上するので、これらの点を考慮して、反射シートを貼り付ける必要がある。
<実施形態4 効果>
【0045】
本実施形態の工事灯のように、照射側面の照射点以外の領域に反射シートを貼り付けることで、万が一、LEDが点灯しない場合や昼間など明時における工事灯の視認性を向上させることが可能となる。また、反射シートを、LEDの配列によって表現される意味記号に沿った形状に貼り付けることで、LEDの配列によって表現される意味記号を強調させることが可能となる。
<実施形態5>
<実施形態5 概要>
【0046】
本実施形態は、工事灯のLEDを点灯させるためのスイッチが、円筒部下面であって、側壁を備えた位置にスイッチを配置したことを特徴とした工事灯である。このように、円筒部下面で側壁を備えた位置にスイッチを配置することで、雨などの水がスイッチなどの隙間を介して、バッテリーや基板などに入り込まないような形状となっている。
<実施形態5 構成>
【0047】
本実施形態の工事灯は、円筒部下面は側壁を備えた桶状であり、桶状の円筒部下面にバッテリーからのLEDへの給電スイッチが配置されている。
【0048】
給電スイッチは、バッテリーからLEDへ電力を供給のONやOFFなどを切り換えるスイッチである。給電スイッチは、LEDへの電力供給のONおよびOFFのみの切り換えだけではなく、点灯パターンの制御などが可能なスイッチであっても良い。
【0049】
本実施形態の工事灯の概念図を図11に示した。図11の(a)は、照射側面を正面視した図であり、(b)は工事灯を(a)とは上下逆にし、円筒部(1101)下面(1102)を拡大した拡大図である。本実施形態の工事灯の給電スイッチ(1103)は、図11の(b)のように、円筒部下面に備え付けられている。本実施形態の工事灯は、円筒部をコーン頂部の穴に挿入して設置したり、単管の穴に挿入して設置したりする。このため、円筒部は雨が降った場合でも、濡れにくい位置となる。このため、円筒部の下面は、雨に濡れにくいため給電スイッチを配置している。また、本実施形態の工事灯は、円筒部が剥き出しのまま、クランプなどの金具を介して単管などに固定して使用される場合もある。この場合も、給電スイッチは、円筒部下面の側壁を備えた位置に配置されているため、直接雨が入り込む恐れが少ない。
<実施形態5 効果>
【0050】
本実施形態の工事灯のように、給電スイッチを円筒部下面であって、側壁を備えた位置に配置することで、雨に濡れにくく、工事灯内部に雨などの水が入りにくい構造となっている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態1の工事灯を説明する概念図
【図2】実施形態1の工事灯を説明する概念図
【図3】実施形態1の工事灯の一例を説明する概念図
【図4】実施形態1の工事灯を説明する概念図
【図5】実施形態2の工事灯を説明する概念図
【図6】実施形態2の工事灯の一例を説明する概念図
【図7】実施形態3の工事灯の一例を説明する概念図
【図8】実施形態3の工事灯の一例を説明する概念図
【図9】実施形態3の工事灯の一例を説明する概念図
【図10】実施形態4の工事灯を説明する概念図
【図11】実施形態5の工事灯を説明する概念図
【符号の説明】
【0052】
0501 太陽電池
0502 LED
0503 レンズ
【技術分野】
【0001】
本件発明は、道路工事現場などにおいて、通行車輌や歩行者、作業者などの安全を確保するために、コーンやバリケード、ガードレールなどに取り付けられ、通行車輌や歩行者、作業員を誘導する工事灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、道路工事現場で用いられてきた工事灯は、光源として電球などを配置しているものが一般的であった。光源として電球を用いた工事灯は、電球を点灯させるために必要な電力が大きいため、工事灯ごとに配線を行って逐次電源を供給したり、バッテリーを用いて点灯する場合には、こまめにバッテリーを交換する必要があった。
【0003】
そこで、特許文献1に示した工事灯では、光源をLEDとすることで、点灯に必要な電力を低く抑え、太陽電池による充電によって点灯するように構成されている。このように、光源をLEDとすることで、バッテリーの交換が必要ない工事灯が実現された。
【特許文献1】特開2000−319833
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示した工事灯では、LEDを点灯させるために必要な電力を得るために、大きな太陽電池が必要となっている。このため工事灯を構成する筐体が大きくなり、嵩張るという問題が発生していた。光源をLEDとした場合、電球に比べて消費電力は小さくなるが、LEDを夜間など長時間点灯させるために必要な電力量をバッテリーに充電するためには、大きな太陽電池が必要となる。
【0005】
工事灯の大きさを嵩張らない大きさにするためには、LEDの数を減らし消費電力を抑えることで、太陽電池の面積を必要最低限にする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題に鑑み、本件発明では次の工事灯を提供する。すなわち、第一の発明としては、プリント基板に空けられた穴に配置されるLEDを備えた発光基板と、発光基板を収納するとともに、発光基板のLED配置領域に対して両側面から凸設されたレンズと、レンズから導かれる光を外側に照射する照射側面を有する筐体と、からなる工事灯を提供する。
【0007】
第二の発明としては、筐体は照射側面と平行方向視にて略T字型をしており、広がった上面は透明であるとともに、当該上面から光を受けるように配置される太陽電池を収納する太陽電池収納空間を有する第一の発明に記載の工事灯を提供する。
【0008】
第三の発明としては、前記照射側面は、レンズから導かれる光を意味記号を構成する複数の点光源として照射するように照射点が配置されている第一の発明又は第二の発明に記載の工事灯を提供する。
【0009】
第四の発明としては、筐体は、下部に円筒部を有し、円筒部内には太陽電池で充電されるバッテリーが収納される第一の発明から第三の発明のいずれか一に記載の工事灯を提供する。
【0010】
第五の発明としては、照射側面の前記照射点以外の領域には反射シートが貼り付けられている第三の発明に記載の工事灯を提供する。
【0011】
第六の発明としては、円筒部下面は側壁を備えた桶状であり、桶状の円筒部下面にバッテリーからのLEDへの給電スイッチが配置されている第一の発明から第五の発明のいずれか一に記載の工事灯を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本件発明のより、消費電力を抑えることでバッテリーの交換が必要なく、且つ太陽電池の大きさを抑え、工事灯全体の大きさをコンパクトにした工事灯が提供可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本件発明の実施の形態について、添付図面を用いて説明する。なお、本件発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
【0014】
実施形態1は、主に請求項1などに関する。
【0015】
実施形態2は、主に請求項2および請求項4などに関する。
【0016】
実施形態3は、主に請求項3などに関する。
【0017】
実施形態4は、主に請求項5などに関する。
【0018】
実施形態5は、主に請求項6などに関する。
<実施形態1>
<実施形態1 概要>
【0019】
本実施形態の工事灯は、光源としてLEDを用いた工事灯であって、LEDから発せられる光を、LEDに対して両側面に凸設されたレンズにて拡散し、工事灯の外側に照射することを特徴とした工事灯である。
【0020】
従来のLEDを用いた工事灯では、LEDから発せられる光は、レンズなどを介さずそのまま、工事灯の外側へ照射されていた。このような工事灯から発せされる光は、運転者や歩行者など、外部から工事灯を見ると、LEDの光は小さな1点となる。このため、工事灯に設置するLEDの数を増やすなどする必要があった。本実施形態では、LEDの光をレンズにて拡散することで、少ないLEDであっても、運転者や歩行者から視認しやすい工事灯を提供する。
<実施形態1 構成>
【0021】
図1に本実施形態の工事灯の斜視概念図を示した。本実施形態の工事灯は、プリント基板に空けられた穴(0101)に配置されるLED(0102)を備えた「発光基板(0103)」と、発光基板を収納するとともに、発光基板のLED配置領域に対して両側面から凸設された「レンズ(0104)」と、レンズから導かれる光を外側に照射する照射側面(0105)を有する「筐体(0106)」と、からなる。
【0022】
「発光基板」は、プリント基板上に電源からLEDへ電力を供給するための配線や、LEDの点滅や点灯や消灯などの発光パターンを制御するための回路が配置されている。発光基板には、穴が空けられて、この穴の部分にLEDが配置されている。図2にLED(0201)が配置され穴(0202)が空いた発光基板(0203)の部分拡大斜視図を示した。LEDからは、発光基板に対して配線(0204)がなされている。LEDは、発光基板に対して、別途固定具によって固定されていても良いが、前述の配線のみによって固定されていても良い。LEDは(a)に示したように、発光基板に対して垂直に配置しても良いし、(b)のように発光基板と平行に、工事灯の上方向に向けて配置しても良い。このように、発光基板に穴を空け、LEDを波高基板の穴の部分に配置することで、一つのLEDを工事灯の表面および裏面の両面から視認することが可能となる。一つのLEDを裏面および表面の両面から視認することが可能になることで、表面および裏面の両面にLEDお配置する必要が無くなり、LEDの使用量ならびに使用電力を削減することが可能となる。
【0023】
図3に図2の発光基板およびLEDを照射側面と平行方向視したときの断面図を示した。LED(0301)を図2の(a)のように配置した場合の断面図が図3の(a)であり、図2の(b)のように配置した場合が、図3の(b)となる。LEDの発光は指向性があるため、LEDの先端方向から発光する光が強くなる。このため、(a)のようにLEDを発光基板(0302)に対して垂直に配置した場合、LEDから発せられる光は、LEDの先端方向の光が強くなる。一方で、LEDの先端とは逆方向の光は弱くなる。このため、このようにLEDを発光基板に対して垂直に配置する場合には、より重要な標示を表す面の光が強くなるようにLEDを配置する必要がある。また、(b)のように、LEDを発光基板に対して平行、つまり工事灯の上方向に向けて配置した場合には、表面および裏面の両面に発光する光の強さは同程度になるが、光の強さは、弱くなる。このため、LEDの先端方向に発せられる光が無駄となってしまう。これを防ぐには、(c)に示したように、LEDの先端近傍に、LEDの先端部分から発せられる光を、表面および裏面方向に反射させる反射板(0303)を配置しても良い。このようにすることで、表面および裏面に同程度の強い光を発することが可能となる。また本実施形態の工事灯では、配置されるLEDの数は複数であっても一つであっても良い。
【0024】
「レンズ」は、LEDから発せられる光を、拡散し、より視認性を高くさせている。レンズは、筐体の内側面に沿って、内側に凸設されている。基本的に、レンズは一つのLEDに対して表裏一つずつのレンズを対応させるが、例えば複数の色を発光可能なLEDなど複数のLEDが集合したLEDの場合は、複数のLEDに一つのレンズを対応させても良い。図4の(a)にレンズを有する工事灯の概念図、(b)にはレンズを有さない工事灯の概念図を示した。前述したように、LEDから発せられる光は、指向性が高いため、そのままの光では(b)のように小さな光となってしまう。そこで、本実施形態の工事灯では、LEDから発せられる光をレンズによって拡散することで、(a)のように、大きな光となって視認しやすいように構成している。また、レンズの焦点距離に応じて、レンズとLEDは、一定の距離を保つ必要がある。レンズとLEDの距離が適切でない場合、LEDから発する光が、拡散されない可能性もある。また、本実施形態の工事灯において、配置されるLEDが複数ある場合、すべてのLEDに対応してレンズを配置することが望ましいが、複数あるLEDのうち、一部のLEDのみにレンズを配置しても良い。
【0025】
「筐体」は、レンズから導かれる光を筐体の外側へ照射する照射側面を有している。照射側面には、レンズから導かれた光をさらに拡散させるために、拡散板のような光が乱反射するように、表面が加工されていてもよい。また筐体の内側または外側に拡散板を接着剤などを用いて配置しても良い。筐体は、LEDからレンズを通さずに漏れる光を、乱反射させるために、表面に凹凸を設けている。尚、レンズは、筐体に穴を空けて配置しても良いし、筐体の照射側面の内側に接合して設置しても良い。
<実施形態1 効果>
【0026】
本実施形態の工事灯のように、LEDの数を最小限に抑えることで消費電力を抑えることが可能となる。これによりバッテリーの交換回数を減らすことが可能となる。またLEDの数を少なく抑えたことにより、視認性の低下が懸念されるが、筐体にレンズを設け、LEDから発せされる光を拡散し、視認性を向上させることが可能となる。
<実施形態2>
<実施形態2 概要>
【0027】
本実施形態は実施形態1の工事灯を基本とし、さらに太陽電池を有している。また太陽電池の発電量を出来るだけ大きくするために、太陽電池のサイズが大きくなるように筐体を照射側面と平行方向視した際に略T字型となるような形状とした。
<実施形態2 構成>
【0028】
本実施形態の工事灯は、筐体の照射側面と平行方向視にて略T字型をしており、広がった上面は透明であるとともに、当該上面から光を受けるように配置される太陽電池を収納する太陽電池収納空間を有する。
【0029】
図5に本実施形態の工事灯を照射側面から見た平面図(a)と照射側面平行方向視したときの平面図(b)と斜視概念図(c)を示した。本実施形態の工事灯は、筐体の上部に太陽電池(0501)を有している。この太陽電池は、LED(0502)に対してLEDが発光するために必要な電力を発電している。このため、太陽電池はLEDが発光するために必要な電力を発電する必要がある。このため、太陽電池の面積は、可能な限り大きい方が良い。また、実施形態1でも述べたように、LEDとLEDから発光する光を拡散させるためのレンズ(0503)との距離は、一定の距離を保つ必要がある。太陽電池の面積を、LEDが発光するために必要な電力を確保できる面積とし、さらにLEDとレンズの距離を一定の距離を保った場合、図5の(b)に示したように、本実施形態の工事灯は太陽電池収納空間が広くなり、LED及びレンズが配置された部分が狭くなった、略T字型となる。
【0030】
また、太陽電池によって発電された電力は、バッテリーに充電される。バッテリーは、本実施形態の工事灯の内部に配置されている。例えば、本実施形態の工事灯の筐体は、道路工事用コーンや単管などに工事灯を設置するために、下部に円筒部を有している。この円筒部内に、バッテリーを収納することが可能である。また、工事灯の筐体下部に重量の重いバッテリーを配置することで、工事灯の安定性を向上させることが可能である。図6の(a)に筐体下部に円筒部(0601)を有し、円筒部内に太陽電池(0602)で充電されるバッテリー(0603)を収納した工事灯の一例を図示した。太陽電池で充電されるバッテリーは、一旦、筐体内に配置した後は交換する可能性は極めて低いため、バッテリーを交換することを前提とした構造とする必要はない。しかし、太陽電池によって十分にバッテリーが充電されていない場合など、既に充電が完了したバッテリーに交換したり、市販の乾電池と交換することも考えられる。そこで、バッテリーは、図6の(b)に示したように、工事灯の上部と、円筒部を分離可能に構成し、分離した箇所から円筒部にバッテリーを挿入したり、(c)のように、円筒部の下端部に開閉式の蓋を設けて、バッテリーを挿入するような構造としても良い。
【0031】
また、バッテリーは、円筒部内壁にバッテリーを挿入するための溝などのガイドに沿って挿入しても良いし、発光基板と配線がされ、円筒部から取り外し可能なバッテリーケースにバッテリーを収め、バッテリーケースを円筒部に収めるように構成しても良い。
【0032】
また、円筒部にバッテリーを収める際、円筒部にバッテリーの正極または負極に通電用の端子をバネなどによって接触するように構成しても良い。
<実施形態2 効果>
【0033】
本実施形態の工事灯のように、筐体の照射側面と平行方向視にて略T字型の形状で、広がった上面に太陽電池を配置することで、工事灯の大きさを極力小さくかつ薄く構成し、且つ、LEDの発光に必要な電力を発電する太陽電池を大きくすることが可能となる。
<実施形態3>
<実施形態3 概要>
【0034】
本実施形態の工事灯は、実施形態1および実施形態2を基本とし、さらにレンズから導かれる光を複数配置し、矢印や記号などの絵図を表すようにしたことを特徴とした工事灯である。
<実施形態3 構成>
【0035】
本実施形態の工事灯は、レンズから導かれる光を意味記号を構成する複数の点光源として照射するように照射点が配置されている。
【0036】
図7に本実施形態の工事灯の概念図を示した。LEDから発せられレンズから導かれる光を複数の点光源とすることで、図7のように矢印など様々な絵図を表すことが可能となる。例えば、(a―1)や(a−2)のように、上下を表す矢印や、(b−1)や(b−2)のように左右を表す矢印などを表現することが可能となる。このとき、(b−1)と(b−2)のLEDの配置位置は、表裏の関係になっているため、LEDを図2に示したような穴の空いた発光基板に配置すればよい。しかし、(a−1)と(a−2)は、表裏の関係ではない。このため、一部のLEDについては、図2や図3に示したように両面に光を発する構造ではなく、一方の面にのみ光を発するような構造とする。
【0037】
また、本実施形態の工事灯は、複数のLEDを縦横マス目状に配置し、LEDの点灯によって意味記号を構成しても良い。例えば、図8の(a)ように、LEDを縦8列、横5列の合計40個配置し、40個のLEDのうち、(b)のように一部のLEDを点灯することで、矢印などの意味記号を構成しても良い。このようにLEDをマス目状に複数配置することで、複数の意味記号を表すことが可能となる。
【0038】
また、複数のLEDの点灯パターンを変化させることで、LEDによって表現される意味記号をより強調して表現することがかのうとなる。例えば、図9のように、5個のLEDによって意味記号が構成された工事灯において、左から右方向へ歩行者や自動車などを誘導するようなシェブロン型にLEDが配置されていた場合、LEDを(a)(b)(c)の順番で左側のLEDを左側から順番に点灯させる。このように、LEDを点灯させることで、LEDの配列によって表現された意味記号をより強調することが可能となる。
【0039】
また、LEDとレンズは必ずしも1対1の対応で無くとも良い。例えば、1つのLEDから発せられる光を、複数のレンズが導いて点光源として照射してもよい。逆に2つのLEDから発せられる光を、一つのレンズが導いて点光源として照射してもよい。また、LEDから発せられる光を導くレンズの形状は、円形でなくともよく、レンズ自体の形状が矢印形状などの、意味記号を表現する形状であっても良い。
<実施形態3 効果>
【0040】
本実施形態の工事灯のように、レンズから導かれる光を意味記号を構成する複数の点光源として照射することで、少ないLEDであっても、歩行者や自動車の運転者からの視認性を向上させ、より明確な視線誘導が可能となる。
<実施形態4>
<実施形態4 概要>
【0041】
LEDなどで点灯する工事灯は、一般的に夜間は、LEDなどを点灯するため視認性がよいが、バッテリーの充電不足など何らかの原因により、LEDを左側などが点灯しなかった場合には、極めて視認性が低下してしまう。そこで、本実施形態の工事灯は、工事灯の照射側面に反射シートを貼り付けることで視認性を向上させている。仮にLEDに不具合が生じて、点灯しなかった場合でも、自動車のヘッドライトなどにより反射シートが反射することで、視認性を確保することが可能となる。
<実施形態4 構成>
【0042】
本実施形態の工事灯は、照射側面の前記照射点以外の領域に、反射シートが貼り付けられている。
【0043】
反射シートは、夜間などの暗夜時に、車や二輪車などのライト照射光を反射するシートである。反射シートは、白や青、赤、橙、黄、緑などの有色または無色のシートであり、工事灯の種類や、LEDによって証言される意味記号に応じて適時、オレンジや黄色、赤など適当な色のシートを用いる。また、反射シートの反射方法は、露出レンズ型反射材や、封入レンズ型反射材、カプセルレンズ型反射材、プリズム型反射材などがあり、表示板の種類や用途に応じて適時、適当なシートを用いる。
【0044】
反射シートを貼り付けた工事灯の一例を図10に示した。反射シート(1001)はLED(1002)から発せられる光が、照射側面を通過する照射点以外の領域に、貼り付けられている。これは、LEDから発せられる光を、反射シートが妨げないようにするためである。照射側面の照射点以外の領域に反射シートを貼り付ける場合、(a)のように照射点以外の領域全てに反射シートを貼り付けても良い。また、(b)のようにLEDの配置によって表現される意味記号に沿った部分であって、照射点以外の領域に反射シートを貼り付けたり、(c)のように、(b)とは逆にLEDの配置によって表現される意味記号に沿った部分以外に反射シートを貼り付けたり、(d)のように、照射側面の一部のみに貼り付けても良い。ただし、これらの反射シートを貼り付ける場合には、LEDの配置によって表現される意味記号の表示を妨げず、また意味記号と同様の表現がされるように反射シートを貼り付けることが望ましい。さらに、反射シートを貼り付ける面積が大きいほど、視認性は向上するので、これらの点を考慮して、反射シートを貼り付ける必要がある。
<実施形態4 効果>
【0045】
本実施形態の工事灯のように、照射側面の照射点以外の領域に反射シートを貼り付けることで、万が一、LEDが点灯しない場合や昼間など明時における工事灯の視認性を向上させることが可能となる。また、反射シートを、LEDの配列によって表現される意味記号に沿った形状に貼り付けることで、LEDの配列によって表現される意味記号を強調させることが可能となる。
<実施形態5>
<実施形態5 概要>
【0046】
本実施形態は、工事灯のLEDを点灯させるためのスイッチが、円筒部下面であって、側壁を備えた位置にスイッチを配置したことを特徴とした工事灯である。このように、円筒部下面で側壁を備えた位置にスイッチを配置することで、雨などの水がスイッチなどの隙間を介して、バッテリーや基板などに入り込まないような形状となっている。
<実施形態5 構成>
【0047】
本実施形態の工事灯は、円筒部下面は側壁を備えた桶状であり、桶状の円筒部下面にバッテリーからのLEDへの給電スイッチが配置されている。
【0048】
給電スイッチは、バッテリーからLEDへ電力を供給のONやOFFなどを切り換えるスイッチである。給電スイッチは、LEDへの電力供給のONおよびOFFのみの切り換えだけではなく、点灯パターンの制御などが可能なスイッチであっても良い。
【0049】
本実施形態の工事灯の概念図を図11に示した。図11の(a)は、照射側面を正面視した図であり、(b)は工事灯を(a)とは上下逆にし、円筒部(1101)下面(1102)を拡大した拡大図である。本実施形態の工事灯の給電スイッチ(1103)は、図11の(b)のように、円筒部下面に備え付けられている。本実施形態の工事灯は、円筒部をコーン頂部の穴に挿入して設置したり、単管の穴に挿入して設置したりする。このため、円筒部は雨が降った場合でも、濡れにくい位置となる。このため、円筒部の下面は、雨に濡れにくいため給電スイッチを配置している。また、本実施形態の工事灯は、円筒部が剥き出しのまま、クランプなどの金具を介して単管などに固定して使用される場合もある。この場合も、給電スイッチは、円筒部下面の側壁を備えた位置に配置されているため、直接雨が入り込む恐れが少ない。
<実施形態5 効果>
【0050】
本実施形態の工事灯のように、給電スイッチを円筒部下面であって、側壁を備えた位置に配置することで、雨に濡れにくく、工事灯内部に雨などの水が入りにくい構造となっている。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施形態1の工事灯を説明する概念図
【図2】実施形態1の工事灯を説明する概念図
【図3】実施形態1の工事灯の一例を説明する概念図
【図4】実施形態1の工事灯を説明する概念図
【図5】実施形態2の工事灯を説明する概念図
【図6】実施形態2の工事灯の一例を説明する概念図
【図7】実施形態3の工事灯の一例を説明する概念図
【図8】実施形態3の工事灯の一例を説明する概念図
【図9】実施形態3の工事灯の一例を説明する概念図
【図10】実施形態4の工事灯を説明する概念図
【図11】実施形態5の工事灯を説明する概念図
【符号の説明】
【0052】
0501 太陽電池
0502 LED
0503 レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板に空けられた穴に配置されるLEDを備えた発光基板と、
発光基板を収納するとともに、発光基板のLED配置領域に対して両側面から凸設されたレンズと、レンズから導かれる光を外側に照射する照射側面を有する筐体と、からなる工事灯。
【請求項2】
筐体は照射側面と平行方向視にて略T字型をしており、広がった上面は透明であるとともに、当該上面から光を受けるように配置される太陽電池を収納する太陽電池収納空間を有する請求項1に記載の工事灯。
【請求項3】
前記照射側面は、レンズから導かれる光を意味記号を構成する複数の点光源として照射するように照射点が配置されている請求項1又は2に記載の工事灯。
【請求項4】
筐体は、下部に円筒部を有し、円筒部内には太陽電池で充電されるバッテリーが収納される請求項1から3のいずれか一に記載の工事灯。
【請求項5】
照射側面の前記照射点以外の領域には反射シートが貼り付けられている請求項3に記載の工事灯。
【請求項6】
円筒部下面は側壁を備えた桶状であり、桶状の円筒部下面にバッテリーからのLEDへの給電スイッチが配置されている請求項1から5のいずれか一に記載の工事灯。
【請求項1】
プリント基板に空けられた穴に配置されるLEDを備えた発光基板と、
発光基板を収納するとともに、発光基板のLED配置領域に対して両側面から凸設されたレンズと、レンズから導かれる光を外側に照射する照射側面を有する筐体と、からなる工事灯。
【請求項2】
筐体は照射側面と平行方向視にて略T字型をしており、広がった上面は透明であるとともに、当該上面から光を受けるように配置される太陽電池を収納する太陽電池収納空間を有する請求項1に記載の工事灯。
【請求項3】
前記照射側面は、レンズから導かれる光を意味記号を構成する複数の点光源として照射するように照射点が配置されている請求項1又は2に記載の工事灯。
【請求項4】
筐体は、下部に円筒部を有し、円筒部内には太陽電池で充電されるバッテリーが収納される請求項1から3のいずれか一に記載の工事灯。
【請求項5】
照射側面の前記照射点以外の領域には反射シートが貼り付けられている請求項3に記載の工事灯。
【請求項6】
円筒部下面は側壁を備えた桶状であり、桶状の円筒部下面にバッテリーからのLEDへの給電スイッチが配置されている請求項1から5のいずれか一に記載の工事灯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−155849(P2009−155849A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−333330(P2007−333330)
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(593065590)株式会社エスエスシー (51)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月25日(2007.12.25)
【出願人】(593065590)株式会社エスエスシー (51)
【Fターム(参考)】
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