説明

布地への飾り材の縫い付け方法と、連続裁断装置及び裁断機能付き飾り付けミシン

【課題】皮革材又は合成樹脂材からなるシート状の飾り材を任意形状に裁断してこれを布地に縫い付ける飾り付け処理を簡易に実施する。
【解決手段】作業台100と、下側支持板106を張設された可動枠140と、枠体107の内方に上側支持板108を張設された支持面体101とを用意し、下側支持板106及び上側支持板108のそれぞれに透孔e1を形成し、上側支持板108の上面に飾り材wを固定すると共に支持面体110を可動枠140の定位置に固定した後、裁断装置110と可動枠140との作動により飾り材wに切込みを入れさせ、次に前記定位置に支持面体101を固定させ上側支持板108と下側支持板106とによって布材を挟み付けさせ、支持面体101を縫い付け位置に移動させ、この後、本縫いミシン120と可動枠140との作動により飾り材片を布地に縫い付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮革材や人口皮革材又は合成樹脂材などのフィルム材あるいは薄状板材または、デニムなどの厚手の布材などからなるシート状の飾り材を裁断して縫い付ける方法と、この方法の実施に使用することのできる連続裁断装置及び裁断機能付飾り付けミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、特許文献1に、環縫いミシンの針棒に突設した鉤針に代えて裁断針を突設し、被裁断生地を趣向ある繊細な切断パターンで美しく連続裁断可能とした連続裁断装置を提案した。
【0003】
この装置において使用される環縫いミシンの針棒は、針棒自体が回転することにより、針棒の先に突設した裁断針を任意の方向に向けることが可能であり、曲線的な切断を行うことが出来るものである。
【0004】
一方、テープ状あるいはコード状などの刺繍材を布地に対し上糸と下糸による本縫いによって縫い付けることのできる飾り付けミシンとして、特許文献2に開示されたものが存在している。テープ状の刺繍材を縫い針の針下へ案内し、この刺繍材のほぼ中央部に縫い針を刺し通して布地に縫い付ける。
【0005】
このようなミシンの基本構成としては、縫い針が下端に装着されて上下に往復駆動される針棒と、この針棒の軸心回りに回転駆動されると共に刺繍材用のボビンが取付けられた支持筒と、針棒と同期して上下動作することで布押えの機能を果たし且つ前記支持筒の回転駆動に連動してその軸心回りに回転制御されるニップルとを備えている。
【0006】
このタイプのミシンでは環縫いミシンとは異なり、針棒自体は回転せず、支持筒が針棒の軸心周囲で回転する。
【特許文献1】特開2006−291407号公報
【特許文献2】特開平5−295648号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、皮革材又は合成樹脂材からなるシート状の飾り材を任意形状に裁断してこれを布地に縫い付ける飾り付け処理を簡易に実施することを第1の目的としている。
【0008】
また上記の飾り付け処理における飾り材の裁断に使用することができる新規な構造の連続裁断装置を提供するほか、コード状或いは帯状の刺繍材を縫い付ける特許文献2に開示されるような従来の飾り付けミシンに裁断機能を付加して上記の飾り付け処理の裁断に使用できるものとした裁断機能付き飾り付けミシンを提供することを第2の目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本願発明においては、 主軸モータにより上下に往復駆動される針棒と、針棒中心線上での上下位置を第2モータで制御されたニップルパイプと、この針棒及びニップルパイプの更に外周に同心状に組付けられ第1モータの制御作動により針棒中心線回りへ回転される支持筒とを備え、前記ニップルパイプに着脱自在に取付けられる円筒状のニップルと、上下動する前記ニップルに支持筒支持の回転を伝達する係合アームと、前記ニップルに内装され前記針棒の往復動と前記支持筒の回転を伝達する伝達手段であって下端に裁断針を実装可能な伝達手段を設けたものである。
【0010】
また、針先が回転可能なミシンに裁断針を取付け、被裁断シートをXY軸方向の位置を機械的に制御され内方に下側支持板を張設された可動枠に装着し、予め入力されていたXY軸方向の裁断軌跡に基づき前記裁断針を上下動させつつ移動させて被裁断シートを裁断し、前記支持面体を前記被裁断シートを装着したまま本縫いミシンに位置づけし、予め入力されていたXY軸方向の本縫い軌跡に基づき可動枠を移動しつつ前記飾り材片を本縫いするものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、次のような効果が得られる。
即ち、本発明によれば、皮革材又は合成樹脂材からなるシート状の飾り材を任意形状に裁断し次にこのように裁断された飾り材片を布材に本縫いにより縫い付ける飾り付け処理を、裁断情報の入力操作と、飾り材及び布材の一回の位置決め固定処理と、裁断装置のスイッチ操作の3つの人為的作業を実施するほかは全て機械に自動的におこなわせることができ、極めて能率的に実行することが可能となる。
【0012】
したがって、従来では多くの手作業によるため非能率でコスト高となっていた皮革材などの処理が比較的低コストで行うことができるのである。
【0013】
さらに、公知の飾り付けミシンの基本的構成をそのまま使用することができるため、部品の共用化などにより製造コストを低減化させることができる。
【0014】
本発明の別の面によれば、飾り付けミシンを僅かな部品の交換装着によって連続裁断装置としても使用することもできるという効果が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施例のミシンを示す斜視図、図2は本実施例に係る裁断機能付き飾り付けミシンを示す正面視断面図、図3は裁断機能付き飾り付けミシンの第1の側面視断面図、図4は前記裁断機能付き飾り付けミシンの第2の側面視断面図である。図3と図4の違いは、針自体を上下する機構を中心に示したものが図3であり、ニップル自体を上下する機構を中心に示したものが図4である。
【0016】
図1に示すように、本実施例のミシン1は、床面に定置される作業台100上に、裁断機能付き飾り付けミシン110と、本縫いミシン120とを左右配置に並設されており、これらミシン110、120を制御するためのコンピュータ制御装置130を備えている。作業台100上にはX軸方向(左右方向)及びY軸方向(前後方向)の位置をコンピュータ制御装置130により自動的に制御される水平状の比較的大きな可動枠140が設けられている。稼動枠140は、ミシン110および120のいずれの作業域に対しても被作業物を位置づけることができる。150は作業台100と同体状に固設された左右向きのミシンアームであり、ミシン110、120を支持している。
【0017】
図2において、裁断機能付き飾り付けミシン110は、ミシンアーム150に内装されたミシン主軸3により回転駆動される。5は飾り付けミシンフレーム10の底板部110aに縦向きに固定された下側ガイドスリーブであり、6はガイドスリーブ5に上下変位自在に内挿されたニップルパイプである。
【0018】
7は針棒であって、下部がニップルパイプ6に内挿され、上部がミシンフレーム1の中間水平板部110bに縦向きに固定された上側ガイドスリーブ8に内挿され、全体がミシンフレーム10に対し上下変位自在に支持されている。
図5に示すように、針棒7の下端面の針棒中心線c1個所には縦向きの針差込孔7aが形成されており、また針差込孔7aを取り囲む針棒7肉部の外周面に切欠個所7bが形成されると共に、この切欠個所7bの中央寄り位置に針差込孔7aまで到達した針棒7半径方向のネジ孔7cが形成されている。
【0019】
9は針棒7の下端に下方への延長状に固定された縫い針である。縫い針9を針棒7の下端部に固定させるさいは、縫い針9の基端部を針差込孔7a内に挿入し、この状態でネジ孔7cにネジ部材60を螺合させ締結する。
【0020】
11は縫い針9の側周囲を取り囲む状態に配置されるニップルである。このニップル11は真っ直ぐな円筒部11aとこれの下端から下方へ延長され先端個所に縫い針9の出入りする針孔a1を形成された円錐部11bとからなり、ニップルパイプ6の下端支持部6aへの固定にさいしては円筒部11aの上端部に形成された径小部11cを下端支持部6aの支持孔内に密状に嵌挿した後、下端支持部6aの周壁に螺着されたネジ部材12を締結する。
【0021】
図3にもどり、針棒を上下する機構を説明する。図においては、後述のニップルを上下する機構については、簡単化のために省略されている。ミシン主軸3と針棒7との間には針棒駆動機構13が形成されている。針棒駆動機構13は、上下部が中間水平板部10b及び底板部10aに固定されたガイド棒14や、ガイド棒14に上下摺動変位のみ自在に外嵌された摺動ブロック15を備えると共に、ミシン主軸3の回転を摺動ブロック15の上下往復動に変換するための作動変換機構16と、摺動ブロック15の上下往復動に針棒7を連動させるための連動機構17を備えたものとなされている。
【0022】
このさい、作動変換機構16は、ミシンアーム105内のミシン主軸3部分に固定された円形偏心カム18、円偏心形カム18に外嵌された環状カムフォロア19、左右向き支軸20を介して揺動自在に支持され環状カムフォロア19のアーム部19aの先部を長さ途中個所に枢着されたレバー部材21、及び、レバー部材21の前端部と摺動ブロック15とを結合したリンク部材22を有するものとなされており、また連動機構17は、針棒7の長さ途中に軸抱き入力部材23を高さ調整可能に固定すると共に、この軸抱き入力部材23の突出係合個所を摺動ブロック15の凹み個所に係合させた構成となされている。
【0023】
前述のように、ニップル24も、針棒7のように摺動可能になっている。その機構が図4に示されているが、上記作動変換機構16などは図面の簡単化のため省略されている。24はニップル駆動軸であって、下部が底板部10aに縦向きに固定された下側ガイドスリーブ25aに内挿されると共に、上部が中間水平板部10bに縦向きに固定された上側ガイドスリーブ25bに内挿され、全体がミシンフレーム2に対し上下変位自在に支持されている。このニップル駆動軸24の長さ途中に軸抱き部材26が締結状に固定されており、この軸抱き部材26に後向きの突出ピン26aと左右向きのストロークアーム26b(図2)が上下配置に形成されている。そして、ストロークアーム26bの先部はニップルパイプ6の上端に固定されたニップルリング28の環状溝内に係入されている。
【0024】
図2に戻り、底板部10aの下側に位置した下側ガイドスリーブ5部分には支持筒29が抜け出しを規制された状態で回転自在に外嵌されている。支持筒29の外周面には帯状刺繍材やテープなどの飾り材を巻き取り状に保持するためのボビン30が水平軸31回りの回転可能に装着されている。このさい、ニップル11の円錐部11bの外周面でボビン30と対向する個所には飾り材摺動案内部材a2が設けられる。
【0025】
支持筒29の外周面の特定個所からは比較的小さな係合アーム32が固定状に下方へ延出されている。係合アーム32は下端に横張出状の係合突部32aを有しており、この係合突部32aはニップル11の円筒部11aの外周面に形成された上下向きの長溝a3内に係入されている。上記した係合アーム32及び長溝a3は、支持筒29が針棒中心線c1回りへ回転されるとき、この回転をニップル11に伝達し、ニップル11を支持筒29に対する上下変位の許容された状態の下で、針棒中心線c1回りへ支持筒29と同体状に回転させる上で寄与する。
【0026】
ミシンフレーム10の右側の側板部10dには、支持筒29を回転駆動するためのパルスモータ(第1モータ)33が固定されている。そしてパルスモータ33と支持筒29との間に回転伝動機構34が形成されている。回転伝動機構34は、中間水平板部10bと底板部10aのそれぞれに固設された軸受筒に縦向き回転軸35を支承させ、この縦向き回転軸35の上端部とパルスモータ33の出力軸33aとを一対のベベルギヤ36により連動連結すると共に、支持筒29の上部に形成された歯車29aと縦向き回転軸35の下端部に固定された歯車37とを連動連結し、出力軸33aの回転を支持筒29に伝達させるものとなされている。
【0027】
ミシンフレーム10の中左側の側板部10cには、ニップル11を上下に駆動するためのパルスモータ(第2モータ)38が固定されている。図4に移り、パルスモータ38の出力軸38aには出力アーム39が固定されており、出力アーム39の先部にはここから下方へ延長されたリンク部材40の一端部が結合ピンを介して枢着されている。41は左右向き支軸20に上下揺動自在に支持された出力レバー部材であり、出力レバー部材41の長さ途中個所にはリンク部材40の他端部が結合ピンを介して枢着されている。そして、出力レバー部材41の先部にはローラ41aが左右向き軸回りの回転自在に装着され軸抱き部材26の突出ピン26aの下面個所に当接して軸抱き部材26及びニップル駆動軸24を支持している。
【0028】
42は軸抱き部材26に下端を支持され且つこの部材26よりも上側のニップル駆動軸24部分に圧縮状態で外嵌されたコイルスプリングであり、43はコイルスプリング42の上端に当接されニップル駆動軸24上を上下動可能に外嵌されたバネ受けリングである。バネ受けリング43は針棒7に締結状に固定された軸抱き部材44から延出された鈎状板44aの先部によって上方移動を係止されている。そして、コイルスプリング42はニップル駆動軸24及び軸抱き部材26を下方へ付勢して突出ピン26aをローラ42に圧接させるように作用するものとなされる。
【0029】
上記パルスモータ38は針棒7の上下動に関連して出力アーム39の先部を上下揺動させるように制御されるものであり、さらに詳細には、針棒7の下降変位に先行して出力アーム39の先部が下降変位すると共に針棒7の上昇変位に遅行して出力アーム39の先部が上昇変位するように動作されるものとなされている。そして、出力アーム39はニップルパイプ29及びニップル11を同体状に上下変位させるものとなされ、これによりニップル11は針棒7及び縫い針9の下降変位に先行して下降変位すると共に針棒7及び縫い針9の上昇変位に遅行して上昇変位するものとなされる。
【0030】
以上の構成により、帯状刺繍材やテープなどの飾り材を上糸と下糸とによる本縫いにより飾り材を布地に縫い付ける。次に、ニップル11及び縫い針9を裁断用のニップル及び裁断針に変更し、連続裁断装置とする例を説明する。
【0031】
図6は裁断用のニップル111及び裁断針45の正面図、図7は側面視断面図である。図中、46は裁断針45を針棒7に回転自在に装着するための結合具である。裁断針45は特許文献1に開示されたものと同様なもので差し支えないもので、鈎針とほぼ同じ大きさで真っ直ぐな棒状体となされ先端に側面視凹み三角を有する平のみ状の先鋭刃45aを形成されている。そして結合具46は針棒側結合体47と、裁断針側結合体48とを備えたものである。このような先鋭刃45aを任意の方向に向けて、連続的な曲線を裁断するのである。
【0032】
針棒側結合体47は、差込孔7aに挿入されネジ部材60で固定される軸部47aとこれに同心状且つ垂直状に固定される円板部47bとからなっており、また裁断針側結合体48は丸棒部材を主体としたもので、下端中心個所に裁断針45の基端部を挿入される針差込孔48aと、この針差込孔48aに到達した丸棒部材半径方向のネジ孔48bとを具備するほか、図8に示すように、前記円板部47bを丸棒部材48直径方向から挿入される比較的大きな横切欠部48cと、前記軸部47aを前記円板部47bと同様に丸棒部材48直径方向から挿入される比較的小さな縦向き切欠部48dとを具備している。
【0033】
ニップル111は、針孔a1を裁断針45が出入りできる程度の大きさとなされ且つ、内周面が裁断針側結合体48を密状且つ上下動自在に包囲して、針棒側結合体47の軸部47a及び円板部47bが上下変位中にこれらに対応した切欠部48c、48dから抜け出ないように案内するものとなされ、且つ、先のニップル111と同様に、ニップルパイプ6の下端支持部6aに固定され且つ係合アーム32を介して支持筒29と同体状に回転されるものである。
【0034】
ニップル111は、その先端部111bが平面状となっているが、これは被裁断シートに押し当てられたときに、シート側に押し当て痕が残らないようにしているものである。
【0035】
裁断針45とニップル111との間には、ニップル111に対する裁断針45の上下変位を許容した上で、これらを同体状に回転させるための回転変位伝達手段49が設けられている。回転変位伝達手段49は任意に形成して差し支えないものであるが、図示例では、ニップル11の側壁部に上下方向へ長く形成された透孔b1と、この透孔b1内に位置され且つ裁断針側結合体48のネジ孔48bに螺合されるネジ部材50とで形成されている。このさい、ネジ部材50は針差込孔48aに嵌挿された裁断針45を固定させる上でも寄与するものである。なおニップル111は、図2に示すニップル11と相違し飾り材案内部材a2を設ける必要はない。
【0036】
図9は裁断用のニップル111の他の実施例を示す断面図である。既述した構成と異なる部分について説明すると、裁断針側結合体48は前記横切欠部48cや前記縦向き切欠部48dの存在しないものとなされている。そして裁断用のニップル111内においては、針棒側結合体47は存在せず、針棒7が裁断針側結合体48に突き当たっている状態となっている。また裁断針側結合体48はニップル111内で針棒側結合体47とは無関係に上下移動自在となされているほか、裁断針側結合体48とニップル11の下端面部との間には圧縮状のスプリング51が内装されている。このスプリング51は針棒側結合体47が針棒7と同体状に上下動作されるときに裁断針側結合体48が針棒側結合体47に圧接された状態を保持するものとなされる。
【0037】
このような構成の変形例において、針棒7が上下動作すると、裁断針側結合体48は針棒側結合体47に押されて降下し針棒側結合体47の上昇時にはスプリング51の弾力により針棒側結合体47に当接した状態で上方へ押し移動されることにより針棒に連動して同体状に上下動作するのであり、また支持筒29が回転動作すると、ニップル111も係合アーム32を介して支持筒29と同体状に回転動作される。したがって、この変形例においても、ニップル111や裁断針45などは既述した図6及び図7に示すものと実質的に変わりなく作動し、既述同様に使用し得るものである。ただし、針棒7に連動して同体状に裁断針側結合体48が上下動作するとは言っても、下降する際は確かに針棒7に押されて降下するものの、上昇する場合にはスプリング51の弾力により上昇するのであり、裁断生地が厚くかつ皮シートのように弾力のあるものである場合には、スプリング51の弾力だけでは復帰しずらいこともある。よって、本実施例の構成を選択する際には、裁断生地は薄手のものを選択するのが良い。
【0038】
次に上記した本実施例に係る裁断機能付き飾り付けミシンを使用して、上糸と下糸とによる本縫いにより布地に飾り材を縫い付ける場合について説明する。
【0039】
針棒7の下端部に縫い針9を固定した状態とする。そして、ボビン30には予め飾り材を巻き付けておく。
【0040】
縫い作業時には、主軸モータ4、ニップル11上下駆動用のパルスモータ38及び支持筒29回転駆動用のパルスモータ33が適宜な制御装置によりそれぞれ個別に回転制御される。これによってニップル11が針棒7の上下駆動に同期して上下に駆動されると共に、支持筒29が針棒中心線c1回りに回転駆動される。そして支持筒29の回転は係合アーム32を介してニップル11に伝えられ、ニップル11は上下動作しながら同時に針棒中心線c1回りに回転制御される。この支持筒29及びニップル11の回転制御によりボビン30と、このボビン30に巻かれている刺繍材などの飾り材を縫い針9の針下へ案内している飾り材摺動案内部材a2とが常にミシンの縫い進み方向に向くように制御され、これによって飾り材が布地に対し連続して縫い付けられる。
【0041】
パルスモータ38の作動により出力レバー部材41が上下回動し、これに連動してニップル駆動軸24が上下動する。この結果、ニップル11が上下動作し、縫い針9によって飾り材を布地に適性に縫い付けるための布押えとしての機能を果たす。そしてニップル11の上下ストローク及びその下死点は、パルスモータ38の出力軸38aの回動量あるいは復帰位置の制御により任意に変更される。
【0042】
次に裁断機能を利用した適用例を説明する。本適用例においては、まず第1段階で飾り材を裁断し、第2段階で先に裁断された飾り材を布地に縫い付けるような飾り付け処理を連続的に実施する。裁断機能を実施するにあたり、上記の本縫い処理態勢から裁断処理態勢に切り換えるのであり、この切り換えにさいしては、針棒7のネジ部材60を弛め操作し、縫い針9を針差込孔7aから抜き出し、その後、図6などに示す針棒側結合体47の軸部47aを針差込孔7aに嵌挿し、再びネジ部材60を締め操作する。このように針棒7に固定された針棒側結合体47に、裁断針45の固定された裁断針側結合体48を係合させると共に裁断用の図6などに示すニップル111の上端小径部11cをニップルパイプ6の下端支持部6aの内孔内に嵌挿しネジ部材6bの締結により固定させる。なお、下糸は、使用しないので除いておく。
【0043】
図10は処理のフローを示す図、そして図11は裁断された飾り材片を縫い付けされた布地を示す斜視図であり、また図12〜図22は処理の様子を処理順に示した説明図である。
【0044】
まずステップs1において、コンピュータ制御装置103に、シート状の飾り材を裁断するための裁断情報として、例えば図11に示すような枝葉形態の飾り付けdの形状情報を入力し、記憶部に記憶させる。
【0045】
一方では、図12に示すように、可動枠140に薄厚の合成樹脂シートからなる下側支持板106を水平状に張設し、また比較的小さい方形枠体107に薄厚の合成樹脂シートからなる上側支持板108を張設され可動枠140内の下側支持板106上に配置され可動枠140内に嵌合具109a、109bのマグネットを介して脱着可能に固定される比較的小さな支持面体101とを用意する。このさい、下側支持板106及び上側支持板108の双方の中央寄り位置に飾り材の裁断及び縫い付けのための透孔e1を上下で重なるように形成しておく。嵌合具109a、109bにより、下側支持板106と上側支持板108の位置関係は正確に保持される。
【0046】
そして、図13に示すように支持面体110を下側支持板106上に位置させ且つ可動枠103の特定位置の内方に嵌合具109a、109bを介して固定させる。そして図14に示すように上側支持板108の上面にこれの透孔e1を被うように皮革材又は合成樹脂材からなるシート状の飾り材wを接着テープ115などで固定させる。
【0047】
この後、ステップs2に示すようにコンピュータ制御装置130の始動スイッチを入り操作し、作動を開始させる。これにより、ステップs3の自動的な裁断が開始される。
【0048】
この裁断工程においては、コンピュータ制御装置130の指令により主軸3が回転して針棒7が上下作動され、この上下変位が針棒側結合体47及び裁断針側結合体48を介して裁断針45に伝達され、裁断針45は針棒7と同体状に上下変位される。この裁断針45の上下変位中、ニップル111が針棒側結合体47及び裁断針側結合体48の側周囲を包囲してこれら結合体47、48同士の結合状態を保持する。またニップル111駆動用のパルスモータ38がコンピュータ制御装置103の指令により針棒7の上下変位に同期して制御作動されることにより、ニップル111が針棒7の下降変位に先行して下降されると共に針棒7の上昇変位に遅行して上昇される。この結果、裁断針45の各上下往復変位の過程において、ニップル111は一定距離だけ下降して、飾り材wを透孔e1範囲内にて作業台100の上面に押さえつけ、作業台100の上面に固定させた状態となり、この状態の下で、裁断針45が下降しその先端刃45aで飾り材wを押し切って貫通し、先端刃45aが作業台100の上面の消耗面材に食い込んだ後に上昇され、飾り材wから抜き上げられるものとなる。
【0049】
一方、コンピュータ制御装置130は記憶部に記憶された裁断情報に基づいて可動枠140の駆動装置を制御するのであり、これにより可動枠140は裁断処理中、必要に応じ針棒7の作動に関連してXY軸方向へ移動され位置決めされる。また支持筒29駆動用のパルスモータ33がコンピュータ制御装置130の指令により回転し、この回転が支持筒29、係合アーム32、ニップル111、ネジ部材50、及び裁断針側結合体48を介して裁断針45に伝達され、これにより裁断針45の先端刃の切断線の向きがその時点の裁断進行方向に沿うように位置決めされる。このさい、可動枠140は裁断針45の各上下変位ごとに裁断針45の切断長さよりも僅かに小さいピッチで裁断進行方向へ送り変位され、裁断針45は図15に示すように飾り材wに裁断情報である枝葉態様に対応した形状d2に裁断していく。
【0050】
この裁断中においてパルスモータ33はコンピュータ制御装置130により針棒7の動作に同期して制御され且つ、予め入力され或いは適宜な検出器でリアルタイムに検出して得た飾り材w厚さ情報に基づいて制御されるのであり、これによりニップル駆動棒24は針棒9の制御から独立して、飾り材wの厚さに対応した最適な上下方向範囲で作動されるようになり、この結果、ニップル11は裁断針45の裁断処理時にその下面で、飾り材wの上面を適時に最適大きさの弾力で押さえ、この結果、裁断針45による裁断が円滑且つ的確に実施される。
【0051】
裁断針45による裁断が終了した時点では、図16に示すように飾り材wに枝葉態様の各葉に対応した形状の切込みd3が形成された状態となる。この時点でステップs4に示すように裁断機能付飾り付けミシン110はコンピュータ制御装置130の指令により自動的に停止状態となり、また裁断の終了に関連してステップs5に示すように、コンピュータ制御装置130が自動的に可動枠140を水平移動させることにより支持面体101を本縫いミシン120に対応した縫い位置に移動させ、この後、各作動部を停止させる。
【0052】
次にステップs6に移行するのであり、ここでは図17に示すように支持面体101を可動枠140から取り外す。このさい、飾り材wは比較的厚手であるので、裁断により例えば閉鎖環状に裁断されていたとしても、裁断片は脱落せずに支持面体と保持されたまま取り外される。次に、図18に示すように下側支持板106の上面個所で透孔e1を被う位置に布地w1を水平状に載置し必要に応じ接着テープなどで下側支持板106に固定させると共に、再び支持面体101を可動枠140内に先と同様に嵌合具109a、106bを介して固定させ、布地w1を下側支持板106と上側支持板108で挟み付けた状態にする。この後、ステップs7に示すように、コンピュータ制御装置130の本縫い開始スイッチを入り操作する。
【0053】
次にステップs8に移行し、コンピュータ制御装置130は本縫いミシン120による自動的な本縫いを実施させる。図示例の本縫いミシン120は針棒、縫い針及び布押さえからなる縫い要素112を多数有しており、これら縫い要素112のうちの1つが予め入力された情報に基づくコンピュータ制御装置130の指令により選択される。そして、先の裁断情報に関連してコンピュータ制御装置130が作成した縫い情報に基づいて、コンピュータ制御装置130は本縫いミシン120の作動部及び可動枠140の駆動装置を制御するのであり、これにより本縫いミシン120は図19に示すように1つの選択された縫い要素112により枝葉態様の各葉に対応する飾り材片w2のそれぞれを適当順序で布地w1に対し上糸と下糸とで例えば図示のように十字状に縫いつけていく。この本縫いが終了した時点で、ステップs9に示すように、本縫いミシン120の作動部及び可動枠140の駆動装置はコンピュータ制御装置130の指令によりその作動を自動的に停止される。
【0054】
この停止状態の下で、ステップs10に移行し、作業者は手作業で飾り材wの枝葉態様に対応する個所以外の部分を手で引き上げるようにして、上側支持板108上から剥ぎ取るのであり、これにより図20に示すように、上側支持板108の上面には布地w1に縫いつけられた飾り材片w2が布地w1に固定されて残った状態となる。
【0055】
この後、ステップs11に移行し、再びコンピュータ制御装置130の本縫い開始スイッチを入り操作するのであり、これに関連して、ステップs12に移行し、コンピュータ制御装置130は先の縫い情報に基づいて枝葉態様の木に対応する部分を本縫いミシン120に飾り縫いさせるための制御を開始する。これにより図21に示すように本縫いミシン120の1つの縫い要素112が選択され、この縫い要素112により木に対応する部分の飾り縫いが予定された着色糸の縫い付けにより実施される。この飾り縫いが終了したときステップs13に移行し、コンピュータ制御装置130は本縫いミシン120の作動を停止されると共に可動枠140を初期位置に復帰させる。
【0056】
この復帰の後、図22に示すように支持面体101を可動枠140から上方へ取り外して、下側支持板106の上面から図11に示すような飾り付け済みの布地w1を取り出す。この飾り付け済みの布地w1は枝葉態様の葉に対応する飾り材片w2の縫い付けや、枝葉態様の木に対応する飾り縫いw3を実施されたものとなる。
【0057】
上記処理において、裁断機能付き飾り付けミシン110は図6及び図8に示す裁断処理態勢でのみ使用される専用の連続裁断装置となすことも差し支えない。
また上記したように裁断機能付き飾り付けミシン110の本縫い処理を行うことができるので、上記実施例とは異なり本縫いミシン120を使用せずに、裁断処理を行った後に本縫い用の態勢時とニップル11に交換して本縫い処理体制にし、布をセットしてそのまま裁断した裁断片を布に本縫いすることも可能である。
【0058】
さらに、布に裁断片を縫いつけるのではなく、布を当てずに裁断片同士を本縫い処理により縫い合わせても良い。この場合、縫い合わせ糸により覆われる部分については、裁断処理をせずに残しておくのが良い。このようにすることで、表面上は裁断片に見えてはいても、裁断片を縫い合わせている糸の下では、実は切断されていないことになり、単なる糸の縫い合わせよりも裁断片同士の結合は強固になる。また、裁断した後、本縫いを行う際にも裁断片が脱落しないので、薄手の飾り材でも適用が可能である。
【0059】
このような縫い合わせを示す例を図23に示す。
201は皮革材や人口皮革材又は合成樹脂材などのフィルム材あるいは薄状板材または、デニムなどの厚手の布材であり、210は裁断処理を行った状態を示しており、220は縫い合わせ処理を行った結果を示している。
【0060】
図23に示すように、本実施例においては裁断のパターンはジグソーパズルのパズル片202を多数連結したようなパターンとなっている。ここにおいて、1つのパズル片の形状は、203に示すように実は隣りと連結しており、完全なる閉曲線で閉じられた形状とはなっていない。連結部分203は、破線204に示すように縫い合わせの際に、縫い合わせ糸が覆う領域となるものである。
縫い合わせ処理は、四角形となる領域204の角に針を刺してパズル片202を連結するように処理するものである。この処理後の状態220に示すように、連結部分230は糸206により覆いつくされており、あたかも閉曲線となるパズル片が縫い合わされているように見えている。
【0061】
ところで、このような連結パターンを本実施例のような連続裁断装置によらず作成せんとする場合において、一枚のシートから多数のパズル片を打ち抜きポンチで打ち出すと、各パズル片がばらばらになって再度組み合わせる作業が必要となる。一方、打ち抜きポンチのパターンを一部切り欠いて、一部連結するようなポンチを作ることは困難であり、また費用のかさむものである。
【0062】
本実施例のミシン1を利用して、図23のような閉曲線からなる形状の片を連結した如く見えるシートを作成する方法について説明する。
【0063】
まず、閉曲線が描かれた図案から、縫い合わせ糸により覆われる閉曲線の境界位置を検出し、その位置については隣りの領域と連結するため、閉曲線を開放して非裁断位置とする。このようにして得られた切断位置の情報をXY情報として、コンピュータ制御装置130の記憶部に入力する。また、同時に縫い合わせる際の針の差込み位置と縫う方向を入力する。
【0064】
次に、支持面体101の上側支持板108にシート状の飾り材を両面テープにて貼り付け、稼動枠140に設置する。コンピュータ制御装置130は、稼動枠140をミシン110の作業域に対して位置づけ、記憶されたXY情報をもとにミシン110による裁断処理を開始する。裁断処理が終了すると、稼動枠140は本縫いミシン120の作業域に対して位置づけられる。
【0065】
コンピュータ制御装置130は、本縫いミシン120により、記憶された針の差込み位置と縫う方向に基づき、本縫い処理を開始する。これにより、処理状態220に示すパズル片の縫い合わせ意匠を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施例による飾り付け機を示す斜視図である。
【図2】本発明の前提的構成に係る裁断機能付き飾り付けミシンのヘッド部を示す正面視断面図である。
【図3】前記ヘッド部の第1の側面視断面図である。
【図4】前記ヘッド部の第2の側面視断面図である。
【図5】縫い針先端の一部を拡大した側面視断面図である。
【図6】本実施例のニップルを示す正面図である。
【図7】前記ニップルの側面視断面図である。
【図8】結合部48の一部を示す斜視図である。
【図9】ニップルの他の実施例を示す断面図である。上
【図10】記飾り付け方法の処理フローを示す図である。
【図11】上記飾り付け方法の実施により得られた処理済みの布地を示す斜視図である。
【図12】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第1説明図である。
【図13】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第2説明図である。
【図14】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第3説明図である。
【図15】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第4説明図である。
【図16】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第5説明図である。
【図17】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第6説明図である。
【図18】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第7説明図である。
【図19】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第8説明図である。
【図20】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第9説明図である。
【図21】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第10説明図である。
【図22】上記飾り付け方法の処理の様子を示す第11説明図である。
【図23】他の飾り付け処理を示す説明図である。
【符号の説明】
【0067】
4 主軸モータ
7 針棒
9 縫い針
11 ニップル
29 支持筒
33 第1モータ
38 第2モータ
45 裁断針
49 回転変位伝達手段
100 作業台
101 支持面体
106 下側支持板
107 枠体
108 上側支持板
110 裁断装置(裁断機能付き飾り付けミシン)
111 ニップル
120 本縫いミシン
140 可動枠
c1 針棒中心線
d2 切込み
e1 透孔
w 飾り材
w1 布材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主軸モータにより上下に往復駆動される針棒と、針棒中心線上での上下位置を第2モータで制御されたニップルパイプと、この針棒及びニップルパイプの更に外周に同心状に組付けられ第1モータの制御作動により針棒中心線回りへ回転される支持筒とを備え、
前記ニップルパイプに着脱自在に取付けられる円筒状のニップルと、上下動する前記ニップルに支持筒支持の回転を伝達する係合アームと、前記ニップルに内装され前記針棒の往復動と前記支持筒の回転を伝達する伝達手段であって下端に裁断針を実装可能な伝達手段を設けたことを特徴とする連続裁断装置。
【請求項2】
下端に縫い針を固定され主軸モータにより上下に往復駆動される針棒と、針棒中心線上での上下位置を第2モータで制御され針棒中心線回りへ回転されるニップルパイプと、さらに針棒とニップルパイプの外周同心状に組付けられ第1モータにより針棒中心線回りへ回動される支持筒と、前記支持筒に設けられた帯状の飾り材を収容するボビンと、前記ニップルの先端に設けられ前記帯状の飾り材を縫い針先に案内する案内部材とを有する帯状飾り材の縫い付けミシンと、
本縫いミシンと、
前記本縫いミシンと飾り付けミシンとに共通に利用されるXY軸方向に縫いつけ位置を制御可能な可動枠とを有するミシンにおいて、
前記飾り付けミシンの縫い針が針棒下端から取り外されて代わりに裁断針が針棒下端に針棒中心線回りの回転変位自在に保持されると共に、裁断針とニップルとを同体状に回転させるための回転変位伝達手段が付加されたことを特徴とする裁断機能付き飾り付けミシン。
【請求項3】
前記可動枠は、第1の枠と、前記第1の枠に対して重ねて装着される第2の枠とを有することを特徴とする請求項2のミシン。
【請求項4】
針先が回転可能なミシンに裁断針を取付け、XY軸方向の位置を機械的に制御され内方に下側支持板を張設された可動枠に被裁断シートを装着し、予め入力されていたXY軸方向の裁断軌跡に基づき前記裁断針を上下動させつつ移動させて被裁断シートを裁断し、前記支持面体を前記被裁断シートを装着したまま本縫いミシンに位置づけし、予め入力されていたXY軸方向の本縫い軌跡に基づき可動枠を移動しつつ前記飾り材片を本縫いすることを特徴とする布地への飾り材の縫合わせ方法。
【請求項5】
前記可動枠は第1の枠と前記第1の枠に対して重ねて装着される第2の枠とを有し、前記被裁断シートを前記第2の枠に装着して裁断し、前記第1の枠に布を装着し、前記被裁断された被裁断シートを装着したままの第2の枠を前記第1の枠に重ねて装着し、前記本縫いミシンにより本縫いを行うことを特徴とする請求項4の縫合わせ方法。
【請求項6】
閉曲線状の裁断片を糸により連結してなるシートの縫い合わせ方法において、
該閉曲線で囲まれた図形境界のうち、前記縫い合わせの際に糸により覆われる境界の位置を特定し、被裁断シートをXY軸方向の位置を機械的に制御される稼動枠に設定し、針先が回転可能なミシンに裁断針を取付け、前記稼動枠に設定された被裁断シートに対して前記特定された位置を除く境界線部分の裁断を行い、前記特定された位置を覆うように前記被裁断シートの前記図形の内側の部分と外側の部分を縫い合わせることを特徴としたシートの縫い合わせ方法。
【請求項7】
複数の閉曲線状の裁断片を糸により連結してなるシートにおいて、
一枚の被裁断シートから該閉曲線で囲まれた図形境界のうち、前記縫い合わせの際に糸により覆われる境界の位置以外の境界が裁断される一方、前記縫い合わせの際に糸により覆われる境界は隣接する他の閉曲線で囲まれた図形と裁断されずに連結状態となっており、かつ前記縫い合わせの際に糸により覆われる境界の位置を覆うように、前記被裁断シートの前記閉曲線状の図形の内側の部分と隣接する閉曲線状の図形とが縫い合わされていることを特徴としたシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2009−11633(P2009−11633A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−178318(P2007−178318)
【出願日】平成19年7月6日(2007.7.6)
【出願人】(507230599)株式会社 美希刺繍工芸 (1)
【Fターム(参考)】