説明

布接着装置

【課題】適量の接着剤をノズルから吐出して布接着作業ができる布接着装置及び蓋制御方法を提供する。
【解決手段】布接着装置は、作業者がペダルを踏み込む操作を行った場合(S11:YES)、貯蔵室内の気体圧力を検出する。気体圧力が所定値以上である場合(S13:YES)、可動部を移動して鍵穴に嵌める(S15)。布接着装置は、押圧部を移動し、接着剤を充填したカートリッジのバルブを開放する(S17)。それ故布接着装置は、蓋部を閉鎖した状態で、供給路に接着剤を通し、ノズルから接着剤を吐出できる。布接着装置は、検出した貯蔵室内の気体圧力が所定値未満である場合(S13:NO)、移動部を移動して蓋部を開放可能とする(S19)。布接着装置は、押圧部を移動し、カートリッジのバルブを閉鎖する(S21)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は布接着装置に関する。より詳細には、接着剤を貯蔵する貯蔵室を備えた布接着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
布接着装置は、針や縫糸で布を縫製する代わりに、接着剤で布と布とを接着するものである。布接着装置は、布と布とを接着剤で接着することで、縫糸による縫製時に布表面に生じる縫糸の凹凸を無くすことが可能である。布接着装置による加工後の布の表面は平滑である。それ故、布接着装置は、着用時に凹凸による不快感のない衣服を作製することが可能となる。
【0003】
布接着装置は、液状の接着剤をノズルから吐出する。接着剤は、布に付着する。次いで作業者は、接着剤が付着した布に別の布を重ねる。布接着装置は、双方の布を圧着する。布接着装置は、該方法で、布と布とを接着する。
【0004】
例えば、特許文献1に記載の装置は、粘性流体を貯蔵する貯蔵室を備えている。該装置は、貯蔵室内に圧力を印加することで、粘性流体を貯蔵室から押し出す。該装置は、貯蔵室から押し出した粘性流体をノズルに供給し、ノズルから粘性流体を吐出する。吐出した粘性流体は、被着体に付着する。該装置は、貯蔵室内の圧力を制御することで、貯蔵室から押し出す粘性流体の量を調整する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平2−265670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の装置は、貯蔵室内が密閉していない場合、貯蔵室内に所望の圧力を印加できない。該装置は、貯蔵室の蓋が開いている場合、貯蔵室から適量の粘性流体を押し出すことができない。それ故、該装置は、ノズルから適量の粘性流体を吐出できない。該装置は、作業者が貯蔵室の蓋が開いていることに気づかずに作業を行った場合、布に適量の粘性流体を塗布できないので、作業者は、作業に失敗するという問題点がある。
【0007】
本発明の目的は、適量の接着剤をノズルから吐出して布接着作業ができる布接着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の布接着装置は、上部が開口した容器部と、前記容器部の上部開口を覆う蓋部とを少なくとも備え、接着剤を貯蔵する貯蔵室と、前記蓋部が開放状態か否かを検出する検出部と、前記貯蔵室内に貯蔵した前記接着剤をノズルに供給する供給路と、前記接着剤を充填し、前記貯蔵室の前記容器部に収容するカートリッジに設けたバルブを開閉するバルブ操作部と、前記バルブ操作部を駆動する駆動部とを備えた布接着装置であって、前記駆動部は、前記検出部によって前記蓋部が開放状態ではないことを検出した場合、前記バルブ操作部を駆動して前記バルブを開き、前記供給路に前記接着剤を通す。布接着装置は、貯蔵室の蓋部が開放していないことを検出した場合に、駆動部がバルブ操作部を駆動してバルブを開き、接着剤を供給路に通す。接着剤は、供給路を流れ、ノズルから吐出する。それ故、作業者は、常に貯蔵室内を密閉した状態で接着作業を実行できる。布接着装置は、適量の接着剤を供給路に通し、ノズルから吐出できる。
【0009】
請求項2の布接着装置の前記駆動部は、前記検出部によって前記蓋部が開放状態であることを検出した場合、前記バルブ操作部を駆動して前記バルブを閉じ、前記供給路への前記接着剤の流通を禁止する。布接着装置は、貯蔵室の蓋部が開放していることを検出した場合、駆動部がバルブ操作部を駆動してバルブを閉じ、接着剤を供給路に通さない。それ故、布接着装置は、作業者が貯蔵室の蓋部を開放した場合に、接着剤をノズルから吐出しない。布接着装置は、貯蔵室の蓋部が開放した状態で接着作業を実行しない。布接着装置は、作業者がカートリッジを交換するために蓋を開け、カートリッジを取り出す場合でも、接着剤が貯蔵室内に漏れることを防止できる。
【0010】
請求項3の布接着装置は、前記貯蔵室内に気体を供給することで前記貯蔵室内の接着剤を下流側に押し出す気体供給機構を更に備えている。気体供給機構は、カートリッジ内の接着剤を効率よく下流側に押し出すことができる。
【0011】
請求項4の布接着装置の前記検出部は、前記貯蔵室内の気体圧力を検出するセンサである。布接着装置は、貯蔵室内の気体圧力が高い場合に、蓋部が開放状態でないと判断できる。布接着装置は、貯蔵室内の気体圧力が低い場合に、蓋部が開放状態であると判断できる。
【0012】
請求項5の布接着装置の前記貯蔵室は、前記蓋部の開放を禁止する鍵部を備え、前記鍵部は、前記容器部又は前記蓋部に設けた穴部と、前記穴部を設けていない前記容器部又は前記蓋部に設けた突起部とを備え、前記穴部に前記突起部を嵌めることで、前記蓋部の開放を禁止する。布接着装置は、移動部が穴部と突起部とのうち少なくとも一方を移動することで、蓋の開放を禁止できる。布接着装置は、移動部が穴部と突起部とのうち少なくとも一方を移動することで、蓋の開放を許可できる。
【0013】
請求項6の布接着装置は、前記穴部及び前記突起部のうち少なくとも一方を移動する移動部と、前記検出部の検出結果に基づき前記移動部を制御することで、前記穴部及び前記突起部のうち少なくとも一方を移動し、前記穴部に前記突起部が嵌まっていない前記蓋部を開放可能な状態と、前記穴部に前記突起部が嵌まった前記蓋部を開放不可能な状態とに切り替える移動制御部とをさらに備えている。布接着装置は、バルブを開いて供給路に接着剤を通している場合には、蓋部を開放不可能な状態に切り替えることができる。布接着装置は、接着剤が吐出している状態で蓋部を開放不可能な状態に切り替えることができるので、常に適量の接着剤を吐出できる。
【0014】
請求項7の布接着装置の前記移動部はエアシリンダであることを特徴とする。エアシリンダは、蓋の開放を禁止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】布接着装置1全体を前方左上から見た斜視図である。
【図2】接着機2を前方左上から見た斜視図である。
【図3】接着機2の正面図である。
【図4】接着機2の左側面図である。
【図5】接着機2の内部構造を前方左上から見た斜視図である。
【図6】図2のI−I線における矢視方向断面図である。
【図7】図2のI−I線における矢視方向断面図である。
【図8】図2のII−II線における矢視方向断面図である。
【図9】図2のIII−III線における矢視方向断面図である。
【図10】接着作業時におけるノズル17近傍の様子を示した部分拡大斜視図である。
【図11】布接着装置1の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】メイン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る布接着装置1の一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図4を参照し、布接着装置1の構成について説明する。以下、図3に示す接着機2のうち紙面上側、下側、右側、左側、表面側、裏面側を、それぞれ接着機2の上側、下側、右側、左側、前側、後側と定義して説明する。
【0018】
図1を参照し、布接着装置1全体の構成について説明する。図1に示すように、布接着装置1は、接着機2と、使用台220とを備えている。使用台220は接着機2を固定する。接着機2は、対向配置した2層の布の間に接着剤を付着し、布を押圧し移送する。2層の布は、接着機2の前述した動作を経て接着する。接着機2の構成詳細については後述する。
【0019】
使用台220は、天板211と、左右の脚部212、213と、左右の支持部214、215と、足掛け216とを備えている。接着機2は、天板211の上に固定している。天板211は、平面視で左右方向を長手方向とする矩形板状である。天板211の左右方向の長さは、接着機2の左右方向の長さの約3倍である。天板211の前後方向の長さは、接着機2の前後方向の長さの約2倍である。
【0020】
天板211は、接着機2の右側に操作パネル210を備える。操作パネル210は、液晶表示部207と、複数のキー209とを備える。液晶表示部207は、各種情報を表示する。キー209は、各種入力をするものである。作業者は、液晶表示部207を見ながらキー209を操作することで、布接着装置1の各種動作を設定する。
【0021】
板状の左脚部212は、天板211の左端から、鉛直方向に下方に延びている。板状の右脚部213は、天板211の右端から、鉛直方向に下方に延びている。左支持部214は、左脚部212の下端に接続している。右支持部215は、右脚部213の下端に接続している。左支持部214及び右支持部215は、夫々、前後方向を長手方向とする略角柱状の部材である。圧縮機69は、脚212の左側に設けてある。圧縮機69の形状は、上下方向を長手方向とする略円筒形状である。
【0022】
細長い板状の足掛け216は、左支持部214の前後方向中央部分と、右支持部215の前後方向中央部分との間を繋いでいる。ペダル208は、足掛け216の左右方向略中央に設けてある。作業者は、布の移送速度を調整するためにペダル208を使用する。制御ボックス3は、天板211の下側に固定してある。制御ボックス3は、CPU201(図11参照)等を実装した制御基板を格納する。制御ボックス3は、接着機2、操作パネル210、及びペダル208に電気的に接続する。
【0023】
図2から図4を参照し、接着機2の構成について説明する。図2及び図3に示すように、接着機2は、台座部11と、脚柱部12と、アーム部13とを備えている。台座部11は、左右方向を長手方向とする略直方体状である。台座部11は、天板211(図1参照)に固定している。脚柱部12は、台座部11の右端から鉛直方向に延びている。アーム部13は、脚柱部12の上端に接続し、脚柱部12の左側面よりも左方に突出している。アーム部13の長さ(左右方向)は、台座部11の長さ(左右方向)の約3分の1である。
【0024】
台座部11は、下移送ローラ25(図5参照)、第三モータ93(図5参照)等を内部に備える。下移送ローラ25は、後述する上移送ローラ22と共に布を押圧して移送する。第三モータ93は、下移送ローラ25を駆動する。台座部11は、脚柱部12を支持する土台として機能する。脚柱部12は、アーム部13を支持する。
【0025】
図2に示すように、アーム部13の左端部は、前方から順に、ポンプケース14と、貯蔵室18と、梁部19とを支持している。アーム部13は、第一モータ91(図5参照)、第二モータ92(図5参照)等を内部に備える。第一モータ91は、ギアポンプ124(図5参照)を駆動する。第二モータ92は、上移送ローラ22を駆動する。
【0026】
ポンプケース14について説明する。図2及び図3に示すように、ポンプケース14は、第一ポンプケース31と第二ポンプケース32とを備えている。第一ポンプケース31は、略立方体状の部材である。第一ポンプケース31は、アーム部13の左側面に固定している。第一ポンプケース31は、ギアポンプ124(図5参照)等を内部に備える。ギアポンプ124は、適量の接着剤を高精度でノズル17に供給する。第二ポンプケース32は、略直方体状の部材である。第二ポンプケース32は、第一ポンプケース31の左下端面から下方に延びている。図3に示すように、第一ポンプケース31の長さ(上下方向)は、アーム部13の長さ(上下方向)と略同一である。第二ポンプケース32の位置(左右方向)は、台座部11の位置(左右方向中央)と略同一である。
【0027】
第二ポンプケース32は、左側に軸部45(図3参照)を備えている。軸部45は、支持部16の上端部34右側に接続し、支持部16を軸部45周りに揺動可能に支持する。ポンプケース14は、後述する供給路81(図8参照)と供給路82(図8参照)とを備えている。供給路81は、接着剤を貯蔵室18からギアポンプ124へ導く。供給路82は、接着剤をギアポンプ124から支持部16へ導く。
【0028】
図2及び図3に示すように、支持部16の形状は、上下方向を長手方向とする略直方体状である。支持部16の下端部35と台座部11との間は、僅かな隙間が存在する。支持部16は、供給路83(図9参照)を内部に備える。供給路83は、接着剤をポンプケース14からノズル17へ導く。支持部16は、下端部35にノズル17を備えている。ノズル17は、支持部16から布に沿うように左側に延びている。支持部16は、上端部34に駆動伝達部33を備えている。駆動伝達部33は、第一エアシリンダ24の可動部75先端を支持する。
【0029】
第一エアシリンダ24は、エア注入口を備えている。エア注入口には、夫々、図示しない吸排気用ホースが接続している。布接着装置1は、エア注入口への圧縮空気の吸気/排気を制御する。第一エアシリンダ24の本体部74内にあるピストンの位置は、吸気/排気の制御によって移動する。可動部75は、ピストンに接続している。それ故、ピストンが移動すると、可動部75先端は前後に移動する。
【0030】
支持部16は、第一エアシリンダ24の可動部75が前後に移動することで、軸部45を中心軸として前後方向に揺動する。ノズル17は、支持部16の揺動に伴って、布の接着作業を行う場合の位置(使用位置)と、保守を行う場合の位置(保守位置)とに移動する。
【0031】
ノズル17は円筒形状である。ノズル17は、その下側に接着剤を吐き出す吐き出し口86(図9参照)を備えている。作業者が布の接着作業を行う場合、吐き出し口86は台座部11と対向する。接着作業を行う場合、作業者は、対向配置した2層の布の間にノズル17を挿入する。ギアポンプ124(図5参照)は、支持部16内部の供給路83を介して、接着剤をノズル17に供給する。ノズル17は、吐き出し口86から布に接着剤を吐出する。接着剤は、ノズル17の下方に位置する布の表面に付着する。
【0032】
図2及び図3に示すように、貯蔵室18は、上下方向を長手方向とする略直方体状である。貯蔵室18は、アーム部13の左側、且つポンプケース14の後方部分から上方に延びている。貯蔵室18は、本体部46、蓋部47、蓋軸部48、及びロック機構部70を備える。本体部46の形状は、上部が開口した有底筒状である。蓋部47は、本体部46の上部開口を覆う。貯蔵室18は、熱溶融性の接着剤(図示省略)を本体部46の内部に貯蔵する。貯蔵室18は、貯蔵した接着剤を、必要に応じてギアポンプ124及びノズル17に供給する。熱溶融性の接着剤は、所定温度に加熱すると液化し、該所定温度より低い温度では、固化するものである。
【0033】
ホース61は、蓋部47に接続している。圧縮機69(図1参照)は、ホース61のうち蓋部47と接続する側と反対側端部に設けてある。圧縮機69は、ホース61内部の貫通穴を介して気体を貯蔵室18に送り出す。圧縮機69は、ホース61を介して貯蔵室18内に気体圧力を供給できる。圧力センサ68は、ホース61のうち蓋部47との接続部分近傍に設けてある。圧力センサ68は、ホース61内の気体圧力を検出できる。それ故、圧力センサ68は、貯蔵室18内の気体圧力を検出できる。
【0034】
図2に示すように、梁部19は、本体部51と、ばね支持部53と、柱部52とを備えている。本体部51は、アーム部13の左側後端部から左方へ水平方向に延びる部材である。本体部51の長さ(左右方向)は、台座部11の長さ(左右方向)の約3分の1である。ばね支持部53は板状であり、本体部51の左側端部から前方へ水平方向に延びる。ばね支持部53の長さ(前後方向)は、台座部11の長さ(前後方向)の約2分の1である。図2及び図4に示すように、柱部52は、水平面に対して約45度の角度で、本体部51から前方斜め下方に延びている。柱部52の下端部は、台座部11から離れている。
【0035】
図2に示すように、ばね支持部53は、前方先端部に穴を有する。ばね支持部53は、軸部26を上下動可能に支持する。軸部26は、ばね21に挿通してある。軸部26の上端部分は、ばね支持部53の穴に挿通してある。柱部52は、その下端部左側に左右に延びる軸部57を有している。軸部57は、ローラ保持部20の後端部を支持している。ローラ保持部20は、軸部57を揺動中心として、前端部を上下方向に揺動する。本体部51は、ばね支持部53よりも右側に、第一エアシリンダ24を備えている。第一エアシリンダ24は、支持部16の位置を切り替えるものである。
【0036】
ローラ保持部20について説明する。ローラ保持部20の前端部は、円柱状の上移送ローラ22を回転可能に支持している。上移送ローラ22は、支持部16から延びたノズル17の後方近傍にある。ローラ保持部20は、中央からやや前方の上面に、軸支持部59を有する。軸支持部59は、ばね21に挿通している軸部26の下端を支持している。ばね21は、ばね支持部53と軸部26の下端との間に介在する。ばね21は、軸部26を下方へ付勢することで、軸部26が接続するローラ保持部20を下方へ付勢する。
【0037】
図2に示すように、台座部11は、上移送ローラ22の下方部分に穴部23を設けてある。下移送ローラ25(図5参照)の一部は、穴部23から上方に僅かに突出している。下移送ローラ25は、上移送ローラ22と共に回転する。下移送ローラ25と上移送ローラ22とは、該両ローラ25,22が挟持した布を前方から後方に移送する。
【0038】
図5を参照し、接着機2の内部構造について説明する。接着機2は、第一モータ91、第二モータ92、第三モータ93等を内部に備える。
【0039】
第一モータ91は、回転軸121を介して回転駆動力をギアポンプ124に伝達することで、ギアポンプ124を駆動する。ギアポンプ124は、駆動ギア122と、従動ギア123とを備えている。駆動ギア122は、回転軸121の左側先端部に固定している。駆動ギア122は、回転軸121と共に回転する。従動ギア123は、駆動ギア122と噛合する。第一モータ91は、アーム部13内部に、且つポンプケース14がアーム部13と接続する部分の右方に位置する。回転軸121は、ポンプケース14内を第一モータ91の回転軸から左方に延びる。駆動ギア122と従動ギア123とは、適量の接着剤をノズル17に供給する。
【0040】
第二モータ92は、回転軸126、127、128、及びベルト129、130を介して、回転駆動力を上移送ローラ22に伝達することで、上移送ローラ22を駆動する。第二モータ92は、アーム部13内部に、且つ梁部19がアーム部13と接続している部分の右方に位置する。回転軸126は、第二モータ92の回転軸から左方に延び、本体部51内を貫通している。回転軸126の左側先端部は、柱部52内に位置する。回転軸126の左側先端部は、プーリを支持している。回転軸127の右側先端部は、柱部52の下側端部内に延び、回転軸127の左側先端部はローラ保持部20の後端部内に延びている。回転軸127の右側先端部と左側先端部は、それぞれプーリを支持している。回転軸128は、上移送ローラ22の回転軸である。回転軸128の左側端部は、ローラ保持部20の前端内部に延び、プーリを支持している。回転軸128の右側先端部は、ローラ保持部20の前端部から突出し、上移送ローラ22を支持している。ベルト129は、柱部52内で、回転軸126(左側端部)のプーリと回転軸127(右側端部)のプーリとの間に掛け渡してある。ベルト130は、ローラ保持部20内で、回転軸127(左端部)のプーリと回転軸128(左端部)のプーリとの間に掛け渡してある。上移送ローラ22は、第二モータ92が回転することで回転する。
【0041】
第三モータ93は、回転軸141とベルト142とを介して、回転駆動力を下移送ローラ25に伝達することで、下移送ローラ25を駆動する。下移送ローラ25は、円柱形状であり、回転軸141に固定している。下移送ローラ25は、上移送ローラ22の下方、且つ台座部11内に位置する。台座部11は、その内部に支持台座4を有する。支持台座4は、回転軸141を回転可能に支持している。ベルト142は、台座部11内で、第三モータ93の回転軸のプーリと回転軸141の右端のプーリとの間に掛け渡してある。下移送ローラ25は、第三モータ93が回転することで回転する。
【0042】
図6及び図7を参照し、貯蔵室18について説明する。本体部46は、底壁と周壁とを備えている。穴67は、本体部46内に設けてある。穴67は、上下方向を長手方向とする略円筒形状である。布接着装置1は、接着剤を充填したカートリッジ60を穴67に収容している。蓋部47は、穴67の上部開口を覆っている。本体部46の左側上端部分に設けた蓋軸部48は、蓋部47を開閉可能に支持する。蓋部47は、蓋軸部48を軸として、上部開口を覆った状態(蓋部47が閉鎖した状態)と、上部開口部を覆わない状態(蓋部47が開放した状態)状態とに移動する。穴67の内部は、蓋部47が閉鎖した場合、密閉状態となる。
【0043】
ロック機構部70は、本体部46の右側上端に設けてある。ロック機構部70は、第二エアシリンダ71を備えている。第二エアシリンダ71内にあるピストンの位置は、図示しないエア注入口への圧縮空気の吸気/排気によって移動する。可動部72は、ピストンに接続している。ピストンが移動すると、可動部72の先端は、左右に移動する。可動部72は、左方に移動した場合、第二エアシリンダ71から左方に突出する。可動部72は、右方に移動した場合、第二エアシリンダ71の内部に入り込む。
【0044】
蓋部47は、右側端面に鍵穴73を備えている。鍵穴73の径は、可動部72の径と比較して僅かに大きい。図7に示すように、可動部72は、左方に移動した状態で、鍵穴73に嵌る。蓋部47は、鍵穴73に可動部72が嵌った状態で、開放不可能になる。図6に示すように、可動部72は、右方に移動した状態で、鍵穴73から抜ける。蓋部47は、鍵穴73に可動部72が抜けた状態で、開放可能になる。それ故、布接着装置1は、第二エアシリンダ71のピストンを移動することで、蓋部47が開放可能な状態(図6参照)と、蓋部47が開放不可能な状態(図7参照)とに切り替えることができる。
【0045】
第三エアシリンダ65は、本体部46下部に設けてある。第三エアシリンダ65内部にあるピストンの位置は、図示しないエア注入口への圧縮空気の吸気/排気によって移動する。押圧部64は、ピストンに接続している。ピストンが移動すると、押圧部64の先端は、上下に移動する。穴67底の中央部分に穴63が設けてある。押圧部64の上方部分は、穴63底から上方に突出している。接着剤をポンプケース14に通す供給路81(図8参照)は、穴63に接続している。
【0046】
図6に示すように、押圧部64の上端は、押圧部64が下方に移動した場合、穴67の底面より下方にある。図7に示すように、押圧部64の上端は、押圧部64が上方に移動した場合、穴67の底面から僅かに上方に突出する。
【0047】
カートリッジ60について説明する。カートリッジ60は、本体部54とバルブ40とを備えている。本体部54は、略円筒形状である。バルブ40は、本体部54の下部に設けてある。カートリッジ60は、上下方向を長手方向とし、バルブ40が下方に位置する向きで、穴67に収まっている。本体部54の円筒形の径は、穴67の径と略同一である。本体部54は、その内部に接着剤55を充填している。バルブ40下面は、穴67の底面に接している。
【0048】
内蓋56は、本体部54内に設けてある。内蓋56は、本体部54内で下方に移動可能であり、接着剤55の上端近傍にある。内蓋56は、接着剤55に対して下方に圧力を加えることができる。作業者は、布接着作業を開始する場合、本体部54の上壁に穴66を空ける。圧縮機69は、ホース61を介して本体部54内に空気を送り出す。該空気は、内蓋56を下方に押す。内蓋56は、接着剤55を下方に押す。
【0049】
流路41は、バルブ40に設けてある。流路41は、バルブ40内を上下方向に延びる貫通穴である。流路41の上端は、本体部54に接続している。バルブ40の下端に、穴44が設けてある。穴44は、流路41の内径と比較して小さい。流路41の下端は、穴44に接続している。カートリッジ60を穴67に収容した状態で、穴44は、穴67底面に設けた穴63の上方に位置する。
【0050】
球体43と、球体43を下方に付勢するばね42とは、流路41内に設けてある。球体43の直径は、流路41の内径よりもわずかに小さい。球体43の直径は、穴44の内径の約1.5倍である。ばね42は、球体43を下方に付勢している。図6に示すように、球体43は、流路41の内側から穴44を塞いでいる。
【0051】
図6及び図7を参照して、カートリッジ60に充填した接着剤55を外部に押し出す手順を説明する。図6に示すように、作業者は、カートリッジ60を貯蔵室18の穴67に収容する。押圧部64は、下方に移動している。球体43は、バルブ40の穴44を塞いでいる。それ故接着剤55は、カートリッジ60から外部に流出しない(図6参照)。作業者は、カートリッジ60の本体部54上壁に穴を空ける。作業者は、蓋部47を閉じる。圧縮機69は、空気を本体部46内に送る。空気は、カートリッジ60内の内蓋56を下方に押す。内蓋56は、接着剤55を下方に押す。
【0052】
作業者がペダル208を踏み込むと、圧力センサ68が気体圧力を検出する。圧力センサ68が検出した気体圧力が所定以上である場合、蓋部47は閉じている。作業者は、第二エアシリンダ71を駆動すると、可動部72は左方に移動し、蓋部47は開閉不可能な状態になる。作業者は、第三エアシリンダ65を駆動すると、第三エアシリンダ65のピストンは移動し、押圧部64は上方に移動する。図7に示すように、上方に移動した押圧部64は、球体43を上方に押し上げる。バルブ40の穴44と球体43との間には、隙間ができる。接着剤55は、流路41を通って下方に流れる。接着剤は、穴44と球体43との隙間を通り、カートリッジ60内から穴63に流出する。接着剤55は、穴63に接続した供給路81内に流れる。
【0053】
図8及び図9を参照し、接着剤の供給路について説明する。
【0054】
図8に示すように、穴63に接続する供給路81は、ポンプケース14側の周壁下端においてポンプケース14側へ延びる貫通穴である。供給路81は、カートリッジ60から流出した接着剤をギアポンプ124に導く通路である。
【0055】
供給路81は、貯蔵室18から、ポンプケース14の第一ポンプケース31内の中央に至る。供給路81は、第一ポンプケース31の中央部分で右方(図8では、紙面裏面側)に直角に曲折して、駆動ギア122と従動ギア123とが噛み合う部分の上端に至る。
【0056】
図9に示すように、供給路82は、ギアポンプ124を通過した接着剤を、支持部16の供給路83に導く通路である。供給路82は、駆動ギア122と従動ギア123(図8参照)とが噛み合う部分の下端から左方に延びる。該左方に延びた供給路82は、下方に曲折し、その下端において左方に曲折し、軸部45を通って支持部16内の供給路83に至る。
【0057】
供給路83は、供給路82を流れる接着剤をノズル17に導く通路である。供給路83は、支持部16内で上端部34から下端部35まで延び、ノズル17内の供給路84に至る。
【0058】
供給路84は、供給路83を流れる接着剤を、吐き出し口86に導く通路である。吐き出し口86は、ノズル17の左端下方に設けてある。供給路84は、ノズル17内で右端から左端まで延び、吐き出し口86に接続している。接着剤は、吐き出し口86から外部に吐出する。
【0059】
図8及び図9を参照して、貯蔵室18からポンプケース14と支持部16とを経由してノズル17の吐き出し口86に至る接着剤の流れについて説明する。押圧部64は、球体43を上方に押し上げ、接着剤は、カートリッジ60から流出する。流出した接着剤は、供給路81を経由してギアポンプ124に流れる。第一モータ91は駆動ギア122を駆動し、駆動ギア122と従動ギア123とが回転する。ギアポンプ124は、液体状態の接着剤を、供給路81から供給路82に向けて送り出す。接着剤は、供給路82から供給路83に向かって流れ、供給路84に至り、吐き出し口86から外部に吐出する。
【0060】
図10を参照し、上布151と下布152とを接着する接着作業時における接着機2の様子について説明する。
【0061】
接着作業を行う場合には、接着機2は、第一エアシリンダ24(図2参照)の可動部75(図2参照)を前方に移動して、支持部16を使用位置に移動する。作業者は、上布151と下布152とを重ねて配置する。作業者は、布の接着部分にノズル17を配置する。上移送ローラ22と下移送ローラ25は、ノズル17の後方で、上布151と下布152とを挟持する。
【0062】
作業者がペダル208を踏み込むと、カートリッジ60から接着剤が流出する。流出した接着剤は、供給路81を通り、ギアポンプ124に流れる。ギアポンプ124は駆動し、接着剤を供給路82〜84に送り出す。接着剤は、ノズル17の吐き出し口86から吐出する。吐き出し口86から吐出した接着剤は、下布152に付着する。上移送ローラ22と下移送ローラ25とは、上布151と下布152とを前方から後方に移送する方向に回転する。ばね21は、上移送ローラ22を下方へ付勢する。それ故、上移送ローラ22と下移送ローラ25とは、上布151と下布152とを押しつけて接着する。
【0063】
図11を参照し、布接着装置1の電気的構成について説明する。布接着装置1は、CPU201、ROM202、RAM203、及び記憶装置29を備えている。CPU201は、受信処理及び制御処理を実行する。受信処理は、キー209及びペダル208等からの入力情報を受信する処理である。受信処理は、各種センサが検出した検出情報を受信する処理でもある。制御処理は、モータ等を制御する処理である。ROM202は、CPU201が実行するプログラム及び各種初期設定パラメータ等を記憶する。RAM203は、タイマ、カウンタ及びフラグ等を一時的に記憶する。記憶装置29は、作業者が入力する各種設定情報を記憶する。CPU201は、ROM202と、RAM203と、記憶装置29とに夫々電気的に接続している。CPU201は、ROM202、RAM203、及び記憶装置29の記憶領域にアクセスできる。
【0064】
ペダル208は、CPU201と電気的に接続している。作業者は、布の移送速度を調節する場合にペダル208を使用する。CPU201は、ペダル208の踏み込み量を認識することができる。CPU201は、認識したペダル208の踏み込み量に基づいて、上移送ローラ22及び下移送ローラ25の回転速度及び駆動ギア122及び従動ギア123の回転速度を決定する。
【0065】
キー209は、CPU201と電気的に接続している。作業者は、各種動作設定情報を行う場合にキー209を使用する。CPU201は、作業者によるキー209の押下状態を認識する。CPU201は、認識したキー209の押下状態に基づいて、各種動作設定の情報を記憶装置29に記憶する。
【0066】
表示駆動ドライバ205は、CPU201と電気的に接続している。表示駆動ドライバ205は、液晶表示部207と電気的に接続している。CPU201は、表示駆動ドライバ205を介して所望の像を液晶表示部207に表示する。
【0067】
モータ駆動ドライバ206は、CPU201と電気的に接続している。モータ91〜93は、夫々、モータ駆動ドライバ206と電気的に接続している。CPU201は、モータ駆動ドライバ206を介してモータ91〜93を制御する。
【0068】
エア駆動ドライバ204は、CPU201と電気的に接続している。エア駆動ドライバ204は、第一エアシリンダ24、71,65と電気的に接続している。CPU201は、エア駆動ドライバ204を介して、第一エアシリンダ24、71、65のエア注入口に送り込む空気の圧力を制御する。支持部16は、第一エアシリンダ24の動作に基づいて、使用位置と保守位置とに移動する。ロック機構部70は、エアシリンダ71の動作に基づいて、蓋部47が開放可能な状態と、蓋部47が開放不可能な状態とに切り替える。押圧部64は、エアシリンダ65の動作に基づいて、バルブ40を開閉する。
【0069】
圧力センサ68は、CPU201と電気的に接続している。CPU201は、圧力センサ68が検出する気体圧力を取得できる。圧縮機69は、CPU201と電気的に接続している。CPU201は、圧縮機69の動作を制御できる。
【0070】
図12を参照し、布接着装置1のメイン処理について説明する。CPU201は、作業者が布の接着作業を開始する操作を、キー209を介して行った場合、メイン処理を実行する。
【0071】
CPU201は、メイン処理を実行していない初期状態では、押圧部64を下方に移動する。CPU201は、可動部72を右方に移動する。蓋部47は、開放可能な状態である。
【0072】
作業者は、接着作業を開始する操作を、キー209を介して行う前に、カートリッジ60を貯蔵室18に収容する。作業者は、カートリッジ60の上壁に穴が空いていない場合、カートリッジ60の上壁に穴を空ける。作業者は、カートリッジ60を貯蔵室18に収容した後、蓋部47を閉じる。圧縮機69は、空気を貯蔵室18内に送り出す。
【0073】
前述の状態で、メイン処理は起動する。CPU201は、作業者がペダル208を踏み込むことで接着作業の開始操作を行ったか判断する(S11)。CPU201は、作業者が前述した操作を行っていない場合(S11:NO)、S11に戻る。CPU201は、継続して作業者によるペダル208の踏み込みを監視する。
【0074】
CPU201は、ペダル208の踏み込みを検出した場合(S11:YES)、圧力センサ68が検出する貯蔵室18内の気体圧力を取得する。CPU201は、取得した気体圧力が所定値以上である場合(S13:YES)、第二エアシリンダ71のピストンを移動し、可動部72を左方に移動する。可動部72は、鍵穴73に嵌まる。蓋部47は、開放不可能な状態となる(S15)。CPU201は、第三エアシリンダ65のピストンを移動し、押圧部64を上方に移動する(S17)。バルブ40内にある球体43は、上方に移動する。穴44と球体43との間には、隙間ができる。圧縮機69が貯蔵室18内に送り出した空気は、カートリッジ60内の内蓋56を下方に押し、内蓋56は接着剤を下方に押す。接着剤は、穴44と球体43との間の隙間を通ってカートリッジ60内から外部に流出する。接着剤は、穴63と供給路81とを通り、ギアポンプ124に流れる。
【0075】
ギアポンプ124は駆動する。ギアポンプ124は、接着剤を供給路81から供給路82〜84に送り出す。接着剤は、ノズル17から吐出する。第二モータ92及び第三モータ93は回転し、上移送ローラ22及び下移送ローラ25は回転する。作業者がペダル208の踏み込みを解除すると、ギアポンプ124は停止し、第二モータ92及び第三モータ93も停止する。作業者はペダル208を操作することにより上布151と下布152とを任意の長さにわたって接着する。CPU201は処理を終了する。
【0076】
CPU201は、取得した圧力が所定値未満である場合、(S13:NO)、第二エアシリンダ71のピストンを移動し、可動部72を右方に移動する。可動部72は、鍵穴73から抜けた状態になる。蓋部47は、開放可能な状態となる(S19)。CPU201は、第三エアシリンダ65のピストンを移動し、押圧部64を下方に移動する。バルブ40内にある球体43は下方に移動し、穴44を塞ぐ。接着剤は流出を停止する(S21)。CPU201は、接着作業が実行できない旨を作業者に通知するため、異常が発生した旨を液晶表示部207に表示する(S23)。CPU201は処理を終了する。
【0077】
以上説明したように、本実施の形態では、布接着装置1は、蓋部47が開放していないことを検出した場合に、第三エアシリンダ65が押圧部64を駆動してバルブ40を開き、カートリッジ60内から接着剤を外部に供給する。布接着装置1は、貯蔵室18が密閉した状態で、所定の圧力をカートリッジ60内に印加できる。それ故、布接着装置1は、適量の接着剤をギアポンプ124に送り出し、ノズル17から吐出できる。
【0078】
布接着装置1は、蓋部47が開放していることを検出した場合、第三エアシリンダ65が押圧部64を駆動してバルブ40を閉じ、カートリッジ60内からの接着剤の流出を禁止する。それ故、布接着装置1は、蓋部47が開放した状態で、接着剤がカートリッジ60内から流出することを防止できる。布接着装置1は、作業者が蓋部47を開けた状態では、押圧部64を下方に移動する。押圧部64は、球体43を押し上げない。それ故布接着装置1は、作業者が蓋部47を開けた状態でペダル208を踏み込んだ場合に、接着剤が貯蔵室18内に漏れてしまうことを防止できる。
【0079】
本発明は上記実施の形態に限定するものではなく、種々の変更が可能である。前述の実施の形態では、布接着装置1は、第二エアシリンダ71が可動部72を移動することで、蓋部47を開放可能な状態と開放不可能な状態とに切り替えていた。本発明はこの方法に限らない。例えば、蓋部47に突起部を取り付け、エアシリンダに穴部を取り付けてもよい。前述の場合、エアシリンダは穴部を移動することで、蓋部47を開放可能な状態と開放不可能な状態とに切り替えてもよい。
【0080】
図1の圧力センサ68は本発明の「検出部」に相当する。図8の供給路81、82、図9の供給路83、84は本発明の「供給路」に相当する。図6の押圧部64は本発明の「バルブ操作部」に相当する。図6の第三エアシリンダ65は本発明の「駆動部」に相当する。図1の圧縮機69は本発明の「気体供給機構」に相当する。図6のロック機構部70、鍵穴73及び可動部72は本発明の「鍵部」に相当し、鍵穴73は本発明の「穴部」に相当し、可動部72は本発明の「突起部」に相当し、第二エアシリンダ71は本発明の「移動部」「エアシリンダ」に相当する。図12のS15、S19の処理を行うCPU201は本発明の「移動制御部」に相当する。
【符号の説明】
【0081】
1 布接着装置
2 接着機
17 ノズル
18 貯蔵室
40 バルブ
46 本体部
47 蓋部
60 カートリッジ
64 押圧棒
65 第三エアシリンダ
71 第二エアシリンダ
72 可動部
73 鍵穴
81,82,83,84 供給路
201 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開口した容器部と、前記容器部の上部開口を覆う蓋部とを少なくとも備え、接着剤を貯蔵する貯蔵室と、
前記蓋部が開放状態か否かを検出する検出部と、
前記貯蔵室内に貯蔵した前記接着剤をノズルに供給する供給路と、
前記接着剤を充填し、前記貯蔵室の前記容器部に収容するカートリッジに設けたバルブを開閉するバルブ操作部と、
前記バルブ操作部を駆動する駆動部と、
を備えた布接着装置であって、
前記駆動部は、
前記検出部によって前記蓋部が開放状態ではないことを検出した場合、前記バルブ操作部を駆動して前記バルブを開き、前記供給路に前記接着剤を通す布接着装置。
【請求項2】
前記駆動部は、
前記検出部によって前記蓋部が開放状態であることを検出した場合、前記バルブ操作部を駆動して前記バルブを閉じ、前記供給路への前記接着剤の流通を禁止する請求項1に記載の布接着装置。
【請求項3】
前記貯蔵室内に気体を供給することで前記貯蔵室内の接着剤を下流側に押し出す気体供給機構を更に備えた請求項1または2に記載の布接着装置。
【請求項4】
前記検出部は、前記貯蔵室内の気体圧力を検出するセンサである請求項1から3のいずれかに記載の布接着装置。
【請求項5】
前記貯蔵室は、前記蓋部の開放を禁止する鍵部を備え、
前記鍵部は、
前記容器部又は前記蓋部に設けた穴部と、
前記穴部を設けていない前記容器部又は前記蓋部に設けた突起部とを備え、
前記穴部に前記突起部を嵌めることで、前記蓋部の開放を禁止する請求項1から4のいずれかに記載の布接着装置。
【請求項6】
前記穴部及び前記突起部のうち少なくとも一方を移動する移動部と、
前記検出部の検出結果に基づき前記移動部を制御することで、前記穴部及び前記突起部のうち少なくとも一方を移動し、前記穴部に前記突起部が嵌まっていない前記蓋部を開放可能な状態と、前記穴部に前記突起部が嵌まった前記蓋部を開放不可能な状態とに切り替える移動制御部と
をさらに備えた請求項5に記載の布接着装置。
【請求項7】
前記移動部はエアシリンダである請求項6に記載の布接着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−157666(P2011−157666A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−21798(P2010−21798)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】