説明

広帯域電力増幅器

【課題】出力特性の平坦度が良好な広帯域増幅器を提供する。
【解決手段】第1中心周波数有する第1増幅ユニットと、第1増幅ユニットに並列に配置され、第1中心周波数よりも高い第2中心周波数を有する第2増幅ユニットと、第1増幅ユニットの入力と第2増幅ユニットの入力に接続された電力分配器と、第1増幅ユニットの出力と第2増幅ユニットの出力に接続された電力合成器とを備える広帯域増幅器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、広帯域電力増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
高い利得を得るために、トランジスタとその整合回路、バイアス回路から構成される増幅ユニットを一枚の半導体基板上に複数直列接続して形成する技術として、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC:Monolithic Microwave Integrated Circuit)がある(例えば特許文献1)。
【0003】
また動作周波数を広帯域にするために2段増幅器のうち第1段増幅器の小信号利得周波数帯域特性の中心を低い周波数側に、第二段増幅器の小信号利得周波数帯域特性の中心を高い周波数側にシフトさせて設計したことで、2段増幅器としての小信号利得周波数帯域特性を広げることができる(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,111,157号明細書
【特許文献2】米国特許第4,025,873号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
広帯域を得るために、2段増幅器のうち第1段増幅ユニットの小信号利得周波数帯域特性の中心を低い周波数側に、第二段増幅ユニットの小信号利得周波数帯域特性の中心を高い周波数側にシフトさせて設計した2段増幅器においては、小信号利得は各段の周波数特性が重畳され、2段増幅器としては広帯域となる。しかしながら、飽和に近い大信号利得は第二段増幅ユニットの飽和特性が支配的となるため2段増幅器としては広帯域とならないという問題点がある。
【0006】
さらに、第1段増幅ユニットと第二段増幅ユニットは、それぞれの整合がとれている周波数帯域が異なることから、そのまま結合したのでは、インピーダンス不整合により大きな信号反射が生じる。第1段増幅ユニットと第二段増幅ユニットとの間にアイソレータを入れることで、この信号反射を抑制することができるが、アイソレータはフェライトで形成するため、すべての回路構成要素を一枚の半導体基板上に形成するMMICには適用できないという問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、第1中心周波数有する第1増幅ユニットと、第1増幅ユニットに並列に配置され、第1中心周波数よりも高い第2中心周波数を有する第2増幅ユニットと、第1増幅ユニットの入力と第2増幅ユニットの入力に接続された電力分配器と、第1増幅ユニットの出力と第2増幅ユニットの出力に接続された電力合成器とを備える広帯域増幅器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の模式的回路ブロック構成図。
【図2】比較例に係る広帯域増幅器の模式的回路ブロック構成図。
【図3】第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第1増幅セルの模式的回路ブロック構成図。
【図4】第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第2増幅セルの模式的回路ブロック構成図。
【図5】(a)第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第1増幅セルの入出力特性の模式図、(b)第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第2増幅セルの入出力特性の模式図。
【図6】第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第1増幅セルおよび第2増幅セルの周波数特性の模式図。
【図7】(a)第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第1増幅セルと第1増幅ユニットの入出力特性の模式図、(b)第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第2増幅セルと第2増幅ユニットの入出力特性の模式図。
【図8】(a)第1の実施の形態に係る広帯域増幅器において、入力電力Pinが十分小さいときの第1増幅ユニット、第2増幅ユニットおよび広帯域増幅器の周波数特性の模式図、(b)第1の実施の形態に係る広帯域増幅器において、入力電力Pinが大きいときの第1増幅ユニット、第2増幅ユニットおよび広帯域増幅器の周波数特性の模式図、(c)図8(a)および図8(b)の各特性例をまとめて描いた図。
【図9】(a)比較例に係る広帯域増幅器の第1増幅セルと第1増幅ユニットの入出力特性の模式図、(b)比較例に係る広帯域増幅器の第2増幅セルと第2増幅ユニットの入出力特性の模式図。
【図10】(a)比較例に係る広帯域増幅器において、入力電力Pinが十分小さいときの第1増幅ユニット、第2増幅ユニットおよび広帯域増幅器の周波数特性の模式図、(b)第1の実施の形態に係る広帯域増幅器において、入力電力Pinが大きいときの第1増幅ユニット、第2増幅ユニットおよび広帯域増幅器の周波数特性の模式図、(c)図10(a)および図10(b)の各特性例をまとめて描いた図。
【図11】第1の実施の形態に係る広帯域増幅器に適用するウィルキンソン型電力分配/合成器の回路構成例。
【図12】第1の実施の形態に係る広帯域増幅器に適用するブランチラインカプラ型電力分配/合成器の回路構成例。
【図13】第1の実施の形態に係る広帯域増幅器に適用するラットレースカプラ型電力分配/合成器の回路構成例。
【図14】第1の実施の形態に係る広帯域増幅器に適用するランゲカプラ型電力分配/合成器の回路構成例。
【図15】第2の実施の形態に係る広帯域増幅器の模式的回路ブロック構成図。
【図16】第3の実施の形態に係る広帯域増幅器の模式的回路ブロック構成図。
【図17】(a)第4の実施の形態に係る広帯域増幅器に適用するN方向電力分配器のブロック構成図、(b)第4の実施の形態に係る広帯域増幅器に適用するN方向電力合成器のブロック構成図。
【図18】第4の実施の形態に係る広帯域増幅器の模式的回路ブロック構成図。
【図19】第1〜第4の実施の形態に係る広帯域増幅器の各整合回路を構成するキャパシタに適用可能なMIMキャパシタの構成を表す模式的断面構造図。
【図20】第1〜第4の実施の形態に係る広帯域増幅器に適用可能なFETの構成を表す模式的平面パターン構成図。
【図21】第1〜第4の実施の形態に係る広帯域増幅器に適用可能なFETの別の構成を表す模式的平面パターン構成図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、図面を参照して、実施の形態を説明する。以下において、同じ要素には同じ符号を付して説明の重複を避け、説明を簡略にする。図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0010】
以下に示す実施の形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、実施の形態は、各構成部品の配置などを下記のものに特定するものでない。この実施の形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0011】
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器1の模式的回路ブロック構成は、図1に示すように、第1中心周波数を有する第1増幅ユニット4と第1増幅ユニット4に並列に配置され、第1中心周波数よりも高い第2中心周波数を有する第2増幅ユニット2と、第1増幅ユニット4の入力と第2増幅ユニット2の入力と接続された電力分配器(PD)6と、第1増幅ユニット4の出力と第2増幅ユニット2の出力と接続された電力合成器(PC)8とを備える。
【0012】
第1増幅ユニット4は、トランジスタQd1・Qd2・Qd3と、トランジスタQd1の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16i・トランジスタQd1の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16oと、第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16oに接続された電力分配器(PD)62と、電力分配器(PD)62に接続され、トランジスタQd2の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN Loffset)17i・トランジスタQd2の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)17oと、電力分配器(PD)62に接続され、トランジスタQd3の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN Loffset)17i・トランジスタQd3の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)17oと、2つの第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)19oの出力を合成する電力合成器(PC)81とを備える。
【0013】
トランジスタQd1・Qd2・Qd3を総称して、Qdで示す。トランジスタQdと、トランジスタQdの入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16i・17iと、トランジスタQdの出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16o・17oとから、図3に示すように、第1増幅セルが構成される。
【0014】
第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16iは、第1中心周波数において、トランジスタQd1の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16oは、第1中心周波数において、トランジスタQd1の出力インピーダンスを50Ωに変換する。同様に、第1入力整合回路(MN-IN Loffset)17iは、第1中心周波数において、それぞれトランジスタQd2・Qd3の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)17oは、第1中心周波数において、それぞれトランジスタQd2・Qd3の出力インピーダンスを50Ωに変換する。
【0015】
第2増幅ユニット2は、トランジスタQu1・Qu2・Qu3と、トランジスタQu1の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN Loffset)18i・トランジスタQu1の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT Loffset)18oと、第2出力整合回路(MN-OUT Loffset)18oに接続された電力分配器(PD)61と、電力分配器(PD)61に接続され、トランジスタQu2の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN Loffset)19i・トランジスタQu2の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT Loffset)19oと、電力分配器(PD)61に接続され、トランジスタQu3の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN Loffset)19i・トランジスタQu3の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT Loffset)19oと、2つの第2出力整合回路(MN-OUT Loffset)19oの出力を合成する電力合成器(PC)82とを備える。
【0016】
トランジスタQu1・Qu2・Qu3を総称して、Quで示す。トランジスタQuと、トランジスタQuの入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN Loffset)18i・19iと、トランジスタQuの出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)18o・19oとから、図4に示すように、第2増幅セルが構成される。
【0017】
第2入力整合回路(MN-IN Loffset)18iは、第1中心周波数よりも高い第2中心周波数において、トランジスタQu1の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第2出力整合回路(MN-OUT Loffset)18oは、第2中心周波数において、トランジスタQu1の出力インピーダンスを50Ωに変換する。同様に、第2入力整合回路(MN-IN Loffset)19iは、第2中心周波数において、トランジスタQu2・Qu3の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第2出力整合回路(MN-OUT Loffset)19oは、第2中心周波数において、トランジスタQu2・Qu3の出力インピーダンスを50Ωに変換する。
【0018】
電力分配器(PD)61・62には、図11〜図14を参照して後述するように、ウィルキンソン型電力分配器、ブランチラインカプラ型電力分配器、ラットレースカプラ型電力分配器ランゲカプラ型電力分配器のいずれかを適用することができる。
【0019】
電力合成器(PC)81・82にも、図11〜図14を参照して後述するように、ウィルキンソン型電力合成器、ブランチラインカプラ型電力合成器、ラットレースカプラ型電力合成器ランゲカプラ型電力合成器のいずれかを適用することができる。
【0020】
(比較例)
比較例に係る広帯域増幅器の模式的回路ブロック構成は、図2に示すように、第1中心周波数を有する第1増幅ユニット4aと、第1増幅ユニット4aに直列に配置され、第1中心周波数よりも高い第2中心周波数を有する第2増幅ユニット2aと、第1増幅ユニット4aの出力と第2増幅ユニット2aの入力との間に接続されたアイソレータ71a・72aと、第1増幅ユニット4aの入力に接続された電力分配器(PD)6aと、第2増幅ユニット2aの出力に接続された電力合成器(PC)8aとを備える。
【0021】
第1増幅ユニット4aは、トランジスタQd1・Qd2と、入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16ai・16aiと、出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16ao・16aoとからなる、第1増幅セルの並列構成を備える。
【0022】
第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16ai・16aiは第1中心周波数において、トランジスタQd1・Qd2の入力インピーダンスを50Ωに変換する。第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16ao・16aoは、第1中心周波数において、トランジスタQd1・Qd2の出力インピーダンスを50Ωに変換する。
【0023】
第2増幅ユニット2aは、トランジスタQu1・Qu2・Qu3・Qu4と、それぞれの入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN Hoffset)18ai・18ai・18ai・18aiと、それぞれの出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT Hoffset)18ao・18ao・18ao・18aoとからなる、第2増幅セルの並列構成と、電力分配器(PD)61aと、電力合成器(PC)81aとを備える。ここで、第2入力整合回路(MN-IN Hoffset)18aiは、第2中心周波数において、トランジスタQu1・Qu2・Qu3・Qu4の入力インピーダンスを50Ωに変換する。第2出力整合回路(MN-OUT Hoffset)18aoは、第2中心周波数において、トランジスタQu1・Qu2・Qu3・Qu4の出力インピーダンスを50Ωに変換する。
【0024】
第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16aoは、第1中心周波数において、トランジスタQd1・Qd2の出力インピーダンスを50Ωに変換するが、第2入力整合回路(MN-IN Hoffset)18aiは、第1中心周波数においては、トランジスタQu1・Qu2・Qu3・Qu4の入力インピーダンスを50Ωに変換しないため、インピーダンス不整合が生じる。イッピーダンス不整合による信号反射を抑制するために、第1増幅ユニット4aの出力と第2増幅ユニット2aの入力との間には、アイソレータ71a、72aが接続されている。
【0025】
しかしながら、アイソレータ71a、72aはフェライトで形成するため、すべての回路構成要素を一枚の半導体基板上に形成するMMICには適用できない。
【0026】
(入出力特性および周波数特性)
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第1増幅セル(図3)の入出力特性は、模式的に図5(a)に示すように表され、第2増幅セル(図4)の入出力特性は、模式的に図5(b)に示すように表される。
【0027】
第1増幅セルおよび第2増幅セルは、例えば、図5(a)および図5(b)に示すように、入力電力Pinが42dBm付近で、出力電力Poutが飽和する特性をもつ。また、第1増幅セルは、、図5(a)に示すように、周波数f2にその中心周波数をもつように、第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16i・17iと、第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16o・17oが設計されている。
【0028】
さらに、第2増幅セルは、図5(b)に示すように、周波数f3にその中心周波数をもつように、第2入力整合回路(MN-IN Hoffset)18i・19iと、第2出力整合回路(MN-OUT Hoffset)18o・19oが設計されている。
【0029】
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第1増幅セル(図3)および第2増幅セル(図4)の周波数特性は、模式的に図6に示すように表される。
【0030】
第1増幅セルは、入力電力Pinが小さいとき・入力電力Pinが大きいとき、共に周波数f2にその中心周波数をもつように第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16i・17iと、第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16o・17oが設計されている。
【0031】
第2増幅セルは、入力電力Pinが小さいとき・入力電力Pinが大きいとき、共に周波数f3にその中心周波数をもつように、第2入力整合回路(MN-IN Hoffset)18i・19iと、第2出力整合回路(MN-OUT Hoffset)18o・19oが設計されている。
【0032】
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器の第1増幅セル(図3)と第1増幅ユニット4の入出力特性は、模式的に図7(a)に示すように表され、第2増幅セル(図4)と第2増幅ユニット2の入出力特性は、模式的に図7(b)に示すように表される。
【0033】
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器は、増幅ユニット(4・2)内にゲート幅のことなる増幅セル(図3・図4)が直列接続されている。
【0034】
第1増幅ユニット4内の第1増幅セル(図3)は、図7(a)に示すように、何れも周波数f2にその中心周波数をもつように第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16i・17iと第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16o・17oが設計されている。
【0035】
第2増幅ユニット2内の第2増幅セル(図4)は、図7(b)に示すように、何れも周波数f3にその中心周波数をもつように第2入力整合回路(MN-IN Hoffset)18i・19iと第2出力整合回路(MN-OUT Hoffset)18o・19oが設計されている。
【0036】
図7(a)および図7(b)から明らかなように、利得が2倍となる3dBm以上で、出力電力Poutは、飽和特性が得られている。
【0037】
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器において、入力電力Pinが十分小さいときの第1増幅ユニット4、第2増幅ユニット2および広帯域増幅器1の周波数特性は、模式的に図8(a)に示すように表される。また、第1の実施の形態に係る広帯域増幅器において、入力電力Pinが大きいときの第1増幅ユニット4、第2増幅ユニット2および広帯域増幅器1の周波数特性は、模式的に図8(b)に示すように表される。また、図8(a)および図8(b)の各特性例をまとめると、図8(c)に示すように表される。
【0038】
第1増幅ユニット4は、入力電力Pinが小さいとき・入力電力Pinが大きいとき、共に周波数f2にその中心周波数をもつように第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16i・17iと第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16o・17oが設計されている。
【0039】
第2増幅ユニット2は、入力電力Pinが小さいとき・入力電力Pinが大きいとき、共に周波数f3にその中心周波数をもつように、第2入力整合回路(MN-IN Hoffset)18i・19iと第2出力整合回路(MN-OUT Hoffset)18o・19oが設計されている。
【0040】
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器1においては、第1増幅ユニット4の出力電力と第2増幅ユニット2の出力電力とが合成された出力電力Pout(dBm)が得られるので、入力電力Pinが小さいとき・入力電力Pinが大きいとき、共に広帯域な出力特性を示す。
【0041】
比較例に係る広帯域増幅器において、第1増幅セルと第1増幅ユニット4aの入出力特性は、模式的に図9(a)に示すように表され、第2増幅セルと第2増幅ユニットの入出力特性は、模式的に図9(b)に示すように表される。
【0042】
比較例では、第1増幅ユニット4a内に、例えば、2つの第1増幅セルが並列接続され、第2増幅ユニット2a内に、例えば、4つの第2増幅セルが並列接続されている。第1増幅ユニット4a内の第1増幅セルは、何れも周波数f2にその中心周波数をもつように、第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16aiと第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16aoが設計されている。また、第2増幅ユニット2a内の第2増幅セルは、何れも周波数f3にその中心周波数をもつように、第2入力整合回路(MN-IN Hoffset)18aiと第2出力整合回路(MN-OUT Hoffset)18aoが設計されている。
【0043】
図9(a)から明らかなように、入力電力Pinが、3dBm以上で、出力電力Poutは、飽和現象が生じている。飽和特性が得られるまでは、出力電力Pout/Pinの傾きは一定であるため、利得は変わらない。一方、図9(b)から明らかなように、入力電力Pinが、6dBm以上で、出力電力Poutは、飽和現象が生じている。この場合も、飽和現象が生じるまでは、出力電力Pout/Pinの傾きは一定であるため、利得は変わらない。
【0044】
比較例に係る広帯域増幅器において、入力電力Pinが十分小さいときの第1増幅ユニット4a、第2増幅ユニット2aおよび広帯域増幅器の周波数特性は、模式的に図10(a)に示すように表され、入力電力Pinが大きいときの第1増幅ユニット4a、第2増幅ユニット2aおよび広帯域増幅器の周波数特性は、模式的に図10(b)に示すように表される。また、図10(a)および図10(b)の各特性例をまとめると、図10(c)に示すように表される。
【0045】
第1増幅ユニット4aは、入力電力Pinが小さいとき・入力電力Pinが大きいとき、共に周波数f2にその中心周波数をもつように、第1入力整合回路(MN-IN Loffset)16aiと第1出力整合回路(MN-OUT Loffset)16aoが設計されている。第2増幅ユニット2aは、入力電力Pinが小さいとき・入力電力Pinが大きいとき、共に周波数f3にその中心周波数をもつように、第2入力整合回路(MN-IN Hoffset)18aiと第2出力整合回路(MN-OUT Hoffset)18aoが設計されている。
【0046】
比較例に係る広帯域増幅器は、第1増幅ユニット4aへの入力電力Pinが、第1増幅ユニット4aおよび第2増幅ユニット2aにおいて、順次増幅されて、出力されるので、入力電力Pinが小さいときは、広帯域な出力特性を示すが、入力電力Pinが大きいときは、第2増幅ユニット2aの出力飽和特性が支配的となるため、広帯域な出力特性が得られない。
【0047】
(電力分配器・電力合成器)
―ウィルキンソン型電力分配器・電力合成器―
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器1において、電力分配器(PD)6・61・62および電力合成器(PC)8・81・82に適用可能なウィルキンソン型電力分配器・電力合成器の回路構成例は、図11に示すように表される。ポート1とポート2およびポート3間には、インピーダンス√2Zo、λ/4波長の伝送線路を形成し、ポート2とポート3間には、インピーダンス2Zoの抵抗を接続している。ここで、Zoは伝送線路の特性インピーダンス、λは動作周波数fに対応した波長を表す。
【0048】
電力分配器(PD)6としては、例えば、ポート1を入力端子Piに接続し、ポート2を第1入力整合回路16iの入力に接続し、ポート3を第2入力整合回路18iの入力に接続して使用することができる。
【0049】
電力分配器(PD)62としては、例えば、ポート1を第1出力整合回路16oの出力に接続し、ポート2・3を第1入力整合回路17i・17iの入力に接続して使用することができる。
【0050】
同様に、電力分配器(PD)61としては、例えば、ポート1を第2出力整合回路18oの出力に接続し、ポート2・3を第2入力整合回路19i・19iの入力に接続して使用することができる。
【0051】
電力合成器(PC)81としては、例えば、ポート1を電力合成器(PC)8の入力に接続し、ポート2・3を第2出力整合回路19o・19oの出力に接続して使用することができる。
【0052】
電力合成器(PC)82としては、例えば、ポート1を電力合成器(PC)8の入力に接続し、ポート2・3を第1出力整合回路17o・17oの出力に接続して使用することができる。
【0053】
電力合成器(PC)8としては、例えば、ポート1を出力端子Poに接続し、ポート2・3を電力合成器(PC)81・82の出力に接続して使用することができる。
【0054】
―ブランチラインカプラ型電力分配器・電力合成器―
同様に、第1の実施の形態に係る広帯域増幅器1において、電力分配器(PD)6・61・62および電力合成器(PC)8・81・82に適用可能なブランチラインカプラ型電力分配器・電力合成器の回路構成例は、図12に示すように表される。ポート1とポート2間およびポート3とポート4間には、インピーダンスZo/√2、λ/4波長の伝送線路を形成し、ポート1とポート4間およびポート2とポート4間には、インピーダンスZo、λ/4波長の伝送線路を形成している。
【0055】
電力分配器(PD)6としては、例えば、ポート1を入力端子Piに接続し、ポート2を第1入力整合回路16iの入力に接続し、ポート3を第2入力整合回路18iの入力に接続して使用することができる。
【0056】
電力分配器(PD)62としては、例えば、ポート1を第1出力整合回路16oの出力に接続し、ポート2・3を第1入力整合回路17i・17iの入力に接続して使用することができる。
【0057】
同様に、電力分配器(PD)61としては、例えば、ポート1を第2出力整合回路18oの出力に接続し、ポート2・3を第2入力整合回路19i・19iの入力に接続して使用することができる。
【0058】
電力合成器(PC)81としては、例えば、ポート2を電力合成器(PC)8の入力に接続し、ポート1・4を第2出力整合回路19o・19oの出力に接続して使用することができる。
【0059】
電力合成器(PC)82としては、例えば、ポート2を電力合成器(PC)8の入力に接続し、ポート1・4を第1出力整合回路17o・17oの出力に接続して使用することができる。
【0060】
電力合成器(PC)8としては、例えば、ポート2を出力端子Poに接続し、ポート1・4を電力合成器(PC)81・82の出力に接続して使用することができる。
【0061】
―ラットレースカプラ型電力分配器・電力合成器―
同様に、第1の実施の形態に係る広帯域増幅器1において、電力分配器(PD)6・61・62および電力合成器(PC)8・81・82に適用可能なラットレースカプラ型電力分配器・電力合成器の回路構成例は、図13に示すように表される。ポート1とポート2間は、インピーダンス√2Zo、3λ/4波長の伝送線路を形成し、ポート2とポート3間、ポート3とポート4間、およびポート4とポート1間には、インピーダンス√2Zo、λ/4波長の伝送線路を形成している。
【0062】
電力分配器(PD)6としては、例えば、ポート1を入力端子Piに接続し、ポート2を第1入力整合回路16iの入力に接続し、ポート3を第2入力整合回路18iの入力に接続して使用することができる。
【0063】
電力分配器(PD)62としては、例えば、ポート1を第1出力整合回路16oの出力に接続し、ポート2・3を第1入力整合回路17i・17iの入力に接続して使用することができる。
【0064】
同様に、電力分配器(PD)61としては、例えば、ポート1を第2出力整合回路18oの出力に接続し、ポート2・3を第2入力整合回路19i・19iの入力に接続して使用することができる。
【0065】
電力合成器(PC)81としては、例えば、ポート2を電力合成器(PC)8の入力に接続し、ポート1・4を第2出力整合回路19o・19oの出力に接続して使用することができる。
【0066】
電力合成器(PC)82としては、例えば、ポート2を電力合成器(PC)8の入力に接続し、ポート1・4を第1出力整合回路17o・17oの出力に接続して使用することができる。
【0067】
電力合成器(PC)8としては、例えば、ポート2を出力端子Poに接続し、ポート1・4を電力合成器(PC)81・82の出力に接続して使用することができる。
【0068】
―ランゲカプラ型電力分配器・電力合成器―
同様に、第1の実施の形態に係る広帯域増幅器1において、電力分配器(PD)6・61・62および電力合成器(PC)8・81・82に適用可能なランゲカプラ型電力分配器・電力合成器の回路構成例は、図14に示すように、例えば、複数のλ/8伝送線路をブリッジで互いに接続した構成を備える。
【0069】
電力分配器(PD)6としては、例えば、ポート1を入力端子Piに接続し、ポート2を第1入力整合回路16iの入力に接続し、ポート3を第2入力整合回路18iの入力に接続して使用することができる。
【0070】
電力分配器(PD)62としては、例えば、ポート1を第1出力整合回路16oの出力に接続し、ポート2・3を第1入力整合回路17i・17iの入力に接続して使用することができる。
【0071】
同様に、電力分配器(PD)61としては、例えば、ポート1を第2出力整合回路18oの出力に接続し、ポート2・3を第2入力整合回路19i・19iの入力に接続して使用することができる。
【0072】
電力合成器(PC)81としては、例えば、ポート2を電力合成器(PC)8の入力に接続し、ポート1・4を第2出力整合回路19o・19oの出力に接続して使用することができる。
【0073】
電力合成器(PC)82としては、例えば、ポート2を電力合成器(PC)8の入力に接続し、ポート1・4を第1出力整合回路17o・17oの出力に接続して使用することができる。
【0074】
電力合成器(PC)8としては、例えば、ポート2を出力端子Poに接続し、ポート1・4を電力合成器(PC)81・82の出力に接続して使用することができる。
【0075】
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器によれば、例えば、周波数を低域と高域に分け、高域増幅器と低域増幅器を電力分配器・電力合成器を介して並列接続することで、広帯域化を図ることができ、また出力特性の平坦度を良好にすることができる。
【0076】
第1の実施の形態に係る広帯域増幅器によれば、アイソレータが不要となるため、MMICとして1チップ化形成可能である。
【0077】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態に係る広帯域増幅器1は、図15に示すように、第1中心周波数を有する第1増幅ユニット31と、第1増幅ユニット31に並列に配置され、第1中心周波数よりも高い第2中心周波数を有する第2増幅ユニット32と、第1増幅ユニット31および第2増幅ユニット32に並列に配置され、第1中心周波数よりも高く、第2中心周波数よりも低い第3中心周波数を有する第3増幅ユニット33と、第1増幅ユニット31の入力と、第2増幅ユニット32の入力と、および第3増幅ユニット33の入力に接続された電力分配器(PD)6と、第1増幅ユニット31の出力と、第2増幅ユニット32の出力と、および第3増幅ユニット33の出力に接続された電力合成器(PC)8とを備える。ここで、第1中心周波数は、第1増幅ユニット31において入出力間で、最大電力増幅を得るための周波数に等しく、第2中心周波数は、第2増幅ユニット32において入出力間で、最大電力増幅を得るための周波数に等しく、第3中心周波数は、第3増幅ユニット33において入出力間で、最大電力増幅を得るための周波数に等しい。
【0078】
第1増幅ユニット31は、トランジスタQ1・Q2・Q3と、トランジスタQ1の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN 1)20i1・トランジスタQ1の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT 1)20o1と、第1出力整合回路(MN-IN 1)20o1に接続された電力分配器(PD)611と、電力分配器(PD)611に接続され、トランジスタQ2の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN 1)21i1・トランジスタQ2の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT 1)21o1と、電力分配器(PD)611に接続され、トランジスタQ3の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN 1)21i1・トランジスタQ2の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT 1)21o1と、2つの第1出力整合回路(MN-OUT 1)21o1の出力を合成する電力合成器(PC)811とを備える。
【0079】
トランジスタQ1・Q2・Q3と、トランジスタQ1・Q2・Q3の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN 1)20i1・21i1と、トランジスタQ1・Q2・Q3の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-IN 1)20o1・21o1とから、第1増幅セルが構成される。
【0080】
第1入力整合回路(MN-IN 1)20i1は、第1中心周波数において、トランジスタQ1の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第1出力整合回路(MN-OUT 1)20o1は、第1中心周波数において、トランジスタQ1の出力インピーダンスを50Ωに変換する。同様に、第1入力整合回路(MN-IN 1)21i1は、第1中心周波数において、それぞれトランジスタQ2・Q3の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第1出力整合回路(MN-OUT 1)21o1は、第1中心周波数において、それぞれトランジスタQ2・Q3の出力インピーダンスを50Ωに変換する。
【0081】
第2増幅ユニット32は、トランジスタQ1・Q2・Q3と、トランジスタQ1の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN 1)20i2・トランジスタQ1の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT 1)20o2と、第2出力整合回路(MN-IN 1)20o2に接続された電力分配器(PD)612と、電力分配器(PD)612に接続され、トランジスタQ2の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN 1)21i2・トランジスタQ2の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT 1)21o2と、電力分配器(PD)612に接続され、トランジスタQ3の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN 1)21i2・トランジスタQ2の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT 1)21o2と、2つの第2出力整合回路(MN-OUT 1)21o2の出力を合成する電力合成器(PC)812とを備える。
【0082】
トランジスタQ1・Q2・Q3と、トランジスタQ1・Q2・Q3の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN 1)20i2・21i2と、トランジスタQ1・Q2・Q3の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-IN 1)20o2・21o2とから、第2増幅セルが構成される。
【0083】
第2入力整合回路(MN-IN 1)21i2は、第2中心周波数において、トランジスタQ1の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第2出力整合回路(MN-OUT 1)20o2は、第2中心周波数において、トランジスタQ1の出力インピーダンスを50Ωに変換する。同様に、第2入力整合回路(MN-IN 1)21i2は、第2中心周波数において、それぞれトランジスタQ2・Q3の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第2出力整合回路(MN-OUT 1)21o2は、第2中心周波数において、それぞれトランジスタQ2・Q3の出力インピーダンスを50Ωに変換する。
【0084】
第3増幅ユニット33についても同様に構成されるため、重複説明は省略する。
【0085】
電力分配器(PD)6・611・612 ・613には、第1の実施の形態と同様に、ウィルキンソン型電力分配器、ブランチラインカプラ型電力分配器、ラットレースカプラ型電力分配器ランゲカプラ型電力分配器のいずれかを適用することができる。
【0086】
電力合成器(PC)8・811・812 ・813にも、第1の実施の形態と同様に、ウィルキンソン型電力合成器、ブランチラインカプラ型電力合成器、ラットレースカプラ型電力合成器ランゲカプラ型電力合成器のいずれかを適用することができる。
【0087】
第2の実施の形態に係る広帯域増幅器によれば、周波数を、例えば、3つの領域である、低域・中域・高域に分け、低域増幅器・中域増幅器・高域増幅器を電力分配器(PD)6・電力合成器(PC)8を介して並列接続することで、広帯域化を図ることができ、また出力特性の平坦度を良好にすることができる。
【0088】
第2の実施の形態に係る広帯域増幅器によれば、アイソレータが不要となるため、MMICとして1チップ化形成可能である。
【0089】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態に係る広帯域増幅器1は、図16に示すように、第1中心周波数を有する第1増幅ユニット31と、第1増幅ユニット31に並列に配置され、第1中心周波数よりも高い第2中心周波数を有する第2増幅ユニット32と、第2増幅ユニット32に並列に配置され、第2中心周波数よりも高い第3中心周波数を有する第3増幅ユニット33と、第3増幅ユニット33に並列に配置され、第3中心周波数よりも高い第4中心周波数を有する第4増幅ユニット34と、第1増幅ユニット31の入力と第2増幅ユニット32の入力に接続された電力分配器(PD)63と、第3増幅ユニット33の入力と第4増幅ユニット34の入力に接続された電力分配器(PD)64と、第1増幅ユニット31の出力と第2増幅ユニット32の出力に接続された電力合成器(PC)83と、第3増幅ユニット33の出力と第4増幅ユニット34の出力に接続された電力合成器(PC)84とを備える。
【0090】
第1増幅ユニット31は、トランジスタQ1・Q2・Q3と、トランジスタQ1の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN 1)20i1・トランジスタQ1の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT 1)20o1と、第1出力整合回路(MN-IN 1)20o1に接続された電力分配器(PD)611と、電力分配器(PD)611に接続され、トランジスタQ2の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN 1)21i1・トランジスタQ2の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT 1)21o1と、電力分配器(PD)611に接続され、トランジスタQ3の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN 1)21i1・トランジスタQ2の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-OUT 1)21o1と、2つの第1出力整合回路(MN-OUT 1)21o1の出力を合成する電力合成器(PC)811とを備える。
【0091】
トランジスタQ1・Q2・Q3と、トランジスタQ1・Q2・Q3の入力側に接続された第1入力整合回路(MN-IN 1)20i1・21i1と、トランジスタQ1・Q2・Q3の出力側に接続された第1出力整合回路(MN-IN 1)20o1・21o1とから、第1増幅セルが構成される。
【0092】
第1入力整合回路(MN-IN 1)20i1は、第1中心周波数において、トランジスタQ1の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第1出力整合回路(MN-OUT 1)20o1は、第1中心周波数において、トランジスタQ1の出力インピーダンスを50Ωに変換する。同様に、第1入力整合回路(MN-IN 1)21i1は、第1中心周波数において、それぞれトランジスタQ2・Q3の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第1出力整合回路(MN-OUT 1)21o1は、第1中心周波数において、それぞれトランジスタQ2・Q3の出力インピーダンスを50Ωに変換する。
【0093】
第2増幅ユニット32は、トランジスタQ1・Q2・Q3と、トランジスタQ1の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN 1)20i2・トランジスタQ1の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT 1)20o2と、第2出力整合回路(MN-IN 1)20o2に接続された電力分配器(PD)612と、電力分配器(PD)612に接続され、トランジスタQ2の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN 1)21i2・トランジスタQ2の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT 1)21o2と、電力分配器(PD)612に接続され、トランジスタQ3の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN 1)21i2・トランジスタQ2の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-OUT 1)21o2と、2つの第2出力整合回路(MN-OUT 1)21o2の出力を合成する電力合成器(PC)812とを備える。
【0094】
トランジスタQ1・Q2・Q3と、トランジスタQ1・Q2・Q3の入力側に接続された第2入力整合回路(MN-IN 1)20i2・21i2と、トランジスタQ1・Q2・Q3の出力側に接続された第2出力整合回路(MN-IN 1)20o2・21o2とから、第2増幅セルが構成される。
【0095】
第2入力整合回路(MN-IN 1)21i2は、第2中心周波数において、トランジスタQ1の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第2出力整合回路(MN-OUT 1)20o2は、第2中心周波数において、トランジスタQ1の出力インピーダンスを50Ωに変換する。同様に、第2入力整合回路(MN-IN 1)21i2は、第2中心周波数において、それぞれトランジスタQ2・Q3の入力インピーダンスを50Ωに変換し、第2出力整合回路(MN-OUT 1)21o2は、第2中心周波数において、それぞれトランジスタQ2・Q3の出力インピーダンスを50Ωに変換する。
【0096】
第3増幅ユニット33および第4増幅ユニット34についても同様に構成されるため、重複説明は省略する。
【0097】
電力分配器(PD)6・63・64・611 〜614には、第1の実施の形態と同様に、ウィルキンソン型電力分配器、ブランチラインカプラ型電力分配器、ラットレースカプラ型電力分配器ランゲカプラ型電力分配器のいずれかを適用することができる。
【0098】
電力合成器(PC)8・83・84・811 〜814にも、第1の実施の形態と同様に、ウィルキンソン型電力合成器、ブランチラインカプラ型電力合成器、ラットレースカプラ型電力合成器ランゲカプラ型電力合成器のいずれかを適用することができる。
【0099】
ここで、第1中心周波数は、第1増幅ユニット31において入出力間で、最大電力増幅を得るための周波数に等しく、第2中心周波数は、第2増幅ユニット32において入出力間で、最大電力増幅を得るための周波数に等しく、第3中心周波数は、第3増幅ユニット33において入出力間で、最大電力増幅を得るための周波数に等しく、第4中心周波数、第4増幅ユニット34において入出力間で、最大電力増幅を得るための周波数に等しい。
【0100】
第3の実施の形態に係る広帯域増幅器によれば、例えば、周波数を4つの領域に分け、それぞれの帯域増幅器を電力分配器・電力合成器を介して並列接続することで、広帯域化を図ることができ、また出力特性の平坦度を良好にすることができる。
【0101】
第3の実施の形態に係る広帯域増幅器によれば、第2の実施の形態に係る広帯域増幅器に比べ、さらに広帯域化され、出力特性の平坦度を良好にすることができる。
【0102】
第3の実施の形態に係る広帯域増幅器によれば、アイソレータが不要となるため、MMICとして1チップ化形成可能である。
【0103】
(第4の実施の形態)
第4の実施の形態に係る広帯域増幅器1に適用するN方向電力分配器90のブロック構成は、図17(a)に示すように表され、N方向電力合成器92のブロック構成は、図17(b)に示すように表される。
【0104】
例えば、N方向電力分配器90の入力側を入力端子Piに接続すると、N方向電力分配器90の出力側は、出力端子Po1,Po2, …,Ponからn個の出力を得ることができる。すなわち、N方向に電力を分配することができる。反対に、例えば、N方向電力合成器92の入力側をn個の入力端子Pi1,Pi2, …,Pinに接続すると、N方向電力合成器92の出力側は、n個の入力端子Pi1,Pi2, …,Pinから1個の出力を得ることができる。すなわち、N方向からの電力を合成することができる。
【0105】
第4の実施の形態に係る広帯域増幅器1の模式的回路ブロック構成は、図20に示すように、複数の増幅ユニット31・32・33・…・3nと、複数の増幅ユニット31・32・33・…・3nの入力に接続されたN方向電力分配器90と、複数の増幅ユニット31・32・33・…・3nの出力に接続されたN方向電力合成器92とを備える。複数の増幅ユニット31・32・33・…・3nは、それぞれ第1・第2・第3・…・第n中心周波数を有する。ここで、各周波数の大小関係は、第1中心周波数<第2中心周波数<第3中心周波数<…<第n中心周波数が成り立つ。
【0106】
ここで、第1・第2・第3・…・第n中心周波数は、各々の増幅ユニット31・32・33・…・3nにおいて入出力間で、最大電力増幅を得るための周波数に等しい。
【0107】
第4の実施の形態に係る広帯域増幅器によれば、複数の増幅ユニットをN方向電力分配器・N方向電力合成器を介して並列接続することで、簡単な構成で広帯域化を図ることができ、また出力特性の平坦度を良好にすることができる。
【0108】
また、第4の実施の形態に係る広帯域増幅器によれば、アイソレータが不要となるため、MMICとして1チップ化形成可能である。
【0109】
(MIMキャパシタ)
第1〜第4の実施の形態に係る広帯域増幅器1において、各整合回路を構成するキャパシタには、電極を櫛の歯状のインターディジタル構造に配置したインターディジタル型キャパシタ、或いは絶縁層を介して電極を積層構造に配置したMIM(Metal/Insulator/Metal)キャパシタなどを適用することができる。このようなMIMキャパシタの構成は、例えば、図19に示すように、基板110と、基板110上に配置された金属パターン134と、基板110および金属パターン134上に配置された絶縁層132と、絶縁層132上に配置された金属コンタクト層114と、金属コンタクト層114上に配置された金属層116とを備える。MIMキャパシタンス構造は、金属パターン134/絶縁層132/金属コンタクト層114/金属層116から形成されている。
【0110】
尚、第1〜第4の実施の形態に係る広帯域増幅器1において、各整合回路を構成するインダクタには、電極配線などを適用することができる。
【0111】
(半導体装置)
第1〜第4の実施の形態に係る広帯域増幅器1に適用可能なFET140の模式的平面パターン構成は、図20に示すように、基板110と、基板110の第1表面に配置され,それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122と、基板110の第1表面に配置され,ゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成した複数のゲート端子電極G1,G2,…,G4、複数のソース端子電極S1,S2,…,S5およびドレイン端子電極Dと、ソース端子電極S1,S2,…,S5の下部に配置されたVIAホールSC1,SC2,…,SC5と、基板110の第1表面と反対側の第2表面に配置され、ソース端子電極S1,S2,…,S5に対してVIAホールSC1,SC2,…,SC5を介して接続された接地電極(図示省略)とを備える。
【0112】
図20の例では、一方の端にゲート端子電極G1,G2,…,G4、ソース端子電極S1,S2,…,S5が配置され、他方の端にドレイン端子電極Dが配置されている。
【0113】
基板110の表面近傍において、ゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122の下部の基板110上に活性領域AAが形成される。
【0114】
図20の例では、活性領域AA近傍のソース端子電極S1,S2,…,S5において、基板110の裏面からビア(VIA)ホールSC1,SC2,…,SC5が形成されて、基板110の裏面には接地導体が形成されている。そして、回路素子を接地する場合、基板110を貫通するVIAホールSC1,SC2,…,SC5を介して、基板110上に設けた回路素子と基板110の裏面に形成した接地導体とが電気的に接続される。
【0115】
尚、ゲート端子電極G1,G2,…,G4は、ボンディングワイヤなどで周辺の半導体チップに接続され、また、ドレイン端子電極Dも、ボンディングワイヤなどで周辺の半導体チップに接続される。
【0116】
また、基板110は、SiC基板、GaAs基板、GaN基板、SiC基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、Si基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、SiC基板上にGaN/AlGaNからなるヘテロ接合エピタキシャル層を形成した基板、サファイア基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、サファイア基板若しくはダイヤモンド基板、半絶縁性基板のいずれかを備えていてもよい。
【0117】
なお、図20の例において、各部の寸法は、例えば、セル幅W1は約120μm、W2は約80μm、セル長W3は約200μm、W4は約120μmであり、ゲート幅WGは全体として200μm×6本×4セル=4.8mm程度である。ゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極122の長手方向のセル長W3は、マイクロ波/ミリ波/サブミリ波と動作周波数が高くなるにつれて、短く設定される。例えば、ミリ波帯においては、セル長W3は、約25μm〜50μmである。
【0118】
また、ソースフィンガー電極120の幅は、例えば、約40μm程度であり、ソース端子電極S1,S2,…,S5の幅は、例えば、約100μm程度である。また、VIAホールSC1,SC2,…,SC5の形成幅は、例えば、約10μm〜40μm程度である。
【0119】
(FETの別の構成)
第1〜第4の実施の形態に係る広帯域増幅器に適用可能な別のFET150の模式的平面パターン構成は、図21示すように、基板上に配置され、それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120およびドレインフィンガー電極123と、基板上に配置され、ゲートフィンガー電極124、ソースフィンガー電極120ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成したゲート端子電極Gおよびソース端子電極Sと、基板上に配置され、ドレインフィンガー電極123の複数のフィンガーをそれぞれオーバーレイコンタクトにより接続したドレイン端子電極Dとを備える。
【0120】
以上説明した実施形態によれば、複数の増幅ユニットを電力分配器・電力合成器を介して並列接続することで、広帯域化を図ることができ、出力特性の平坦度を良好にすることができる。
【0121】
[その他の実施の形態]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0122】
なお、実施の形態に係る広帯域電力増幅器に適用するディスクリートトランジスタとしては、FET、HEMTに限らず、LDMOS(Laterally Diffused Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)やヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT:Hetero-junction Bipolar Transistor)などの増幅素子、メムス(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)素子なども適用できる。
【0123】
また、実施の形態に係る広帯域電力増幅器に適用するディスクリートトランジスタの接続段数は、2段に限定されず、3段以上であっても良い。
【符号の説明】
【0124】
1…広帯域増幅器
2、3、4、31〜3n…増幅ユニット
6、6a、61、61a、62、63、64、611〜61n…電力分配器(PD)
8、8a、81、81a、82、83、84、811〜81n…電力合成器(PC)
16i、17i、18i、19i、20i、21i…入力整合回路
16o、17o、18o、19o、20o、21o…出力整合回路
71a、72a…アイソレータ
90…N方向電力分配器(PD)
92…N方向電力合成器(PC)
110…基板
114…金属コンタクト層
116…金属層
120…ソースフィンガー電極
122、123…ドレインフィンガー電極
124…ゲートフィンガー電極
132…絶縁層
134…金属パターン
140、150…半導体装置(FET)
Pi…入力端子
Po…出力端子
Pin…入力電力
Pout…出力電力
G,G1、G2、G3、G4…ゲート端子電極
S,S1、S2、S3、S4、S5…ソース端子電極
D…ドレイン端子電極
SC、SC1、SC2、SC3、SC4、SC5…VIAホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1中心周波数を有する第1増幅ユニットと、
前記第1増幅ユニットに並列に配置され、前記第1中心周波数よりも高い第2中心周波数を有する第2増幅ユニットと、
第1増幅ユニットの入力と第2増幅ユニットの入力に接続された第1電力分配器と、
第1増幅ユニットの出力と第2増幅ユニットの出力に接続された第1電力合成器と
を備えることを特徴とする広帯域増幅器。
【請求項2】
前記第1増幅ユニットは、並列接続された2つの第2増幅セルと、前記第2増幅セルの入力に直列接続された1つの第1増幅セルとを備え、
前記第1増幅セルは、第1トランジスタと、前記第1トランジスタの入力側に接続された第1入力整合回路と、前記第1トランジスタの出力側に接続された第1出力整合回路とを備え、
前記第2増幅ユニットは、並列接続された2つの第4増幅セルと、前記第4増幅セルの入力に直列接続された1つの第3増幅セルとを備え、
前記第3増幅セルは、第2トランジスタと、前記第2トランジスタの入力側に接続された第2入力整合回路と、前記第2トランジスタの出力側に接続された第2出力整合回路とを備え、
前記第1入力整合回路は、前記第1中心周波数において、前記第1トランジスタの入力インピーダンスを変換し、前記第1出力整合回路は、前記第1中心周波数において、前記第1トランジスタの出力インピーダンスを変換すると共に、前記第2入力整合回路は、前記第2中心周波数において、前記第2トランジスタの入力インピーダンスを変換し、前記第2出力整合回路は、前記第2中心周波数において、前記第2トランジスタの出力インピーダンスを変換することを特徴とする請求項1に記載の広帯域増幅器。
【請求項3】
前記第1電力分配器は、ウィルキンソン型電力分配成器、ブランチカプラ型電力分配器、ラットレースカプラ型電力分配器、ランゲカプラ型電力分配器のいずれかであり、前記第1電力合成器は、ウィルキンソン型電力合成器、ブランチカプラ型電力合成器、ラットレースカプラ型電力合成器、ランゲカプラ型電力合成器のいずれかであることを特徴とする請求項2に記載の広帯域増幅器。
【請求項4】
前記第2増幅ユニットに並列に配置され、前記第1中心周波数よりも高く、前記第2中心周波数よりも低い第3中心周波数を有する第3増幅ユニット
をさらに備え、前記第3増幅ユニットの入力は、前記第1電力分配器に接続され、前記第3増幅ユニットの出力は、前記第1電力合成器に接続されたことを特徴とする請求項1に記載の広帯域増幅器。
【請求項5】
前記第1増幅ユニットは、並列接続された2つの第2増幅セルと、前記第2増幅セルの入力に直列接続された1つの第1増幅セルとを備え、
前記第1増幅セルは、第1トランジスタと、前記第1トランジスタの入力側に接続された第1入力整合回路と、前記第1トランジスタの出力側に接続された第1出力整合回路とを備え、
前記第2増幅ユニットは、並列接続された2つの第4増幅セルと、前記第4増幅セルの入力に直列接続された1つの第3増幅セルとを備え、
前記第3増幅セルは、第2トランジスタと、前記第2トランジスタの入力側に接続された第2入力整合回路と、前記第2トランジスタの出力側に接続された第2出力整合回路とを備え、
前記第3増幅ユニットは、並列接続された2つの第6増幅セルと、前記第6増幅セルの入力に直列接続された1つの第5増幅セルとを備え、
前記第5増幅セルは、第3トランジスタと、前記第3トランジスタの入力側に接続された第3入力整合回路と、前記第3トランジスタの出力側に接続された第3出力整合回路とを備え、
前記第1入力整合回路は、前記第1中心周波数において、前記第1トランジスタの入力インピーダンスを変換し、前記第1出力整合回路は、前記第1中心周波数において、前記第1トランジスタの出力インピーダンスを変換し、前記第2入力整合回路は、前記第2中心周波数において、前記第2トランジスタの入力インピーダンスを変換し、前記第2出力整合回路は、前記第2中心周波数において、前記第2トランジスタの出力インピーダンスを変換し、前記第3入力整合回路は、前記第3中心周波数において、前記第3トランジスタの入力インピーダンスを変換し、前記第3出力整合回路は、前記第3中心周波数において、前記第3トランジスタの出力インピーダンスを変換することを特徴とする請求項4に記載の広帯域増幅器。
【請求項6】
前記第1電力分配器は、ウィルキンソン型電力分配器、ブランチカプラ型電力分配器、ラットレースカプラ型電力分配器、ランゲカプラ型電力分配器のいずれかであり、前記第1電力合成器は、ウィルキンソン型電力合成器、ブランチカプラ型電力合成器、ラットレースカプラ型電力合成器、ランゲカプラ型電力合成器のいずれかであることを特徴とする請求項4に記載の広帯域増幅器。
【請求項7】
前記第2増幅ユニットに並列に配置され、前記第2中心周波数よりも高い第3中心周波数を有する第3増幅ユニットと、
第3増幅ユニットに並列に配置され、前記第3中心周波数よりも高い第4中心周波数を有する第4増幅ユニットと、
前記第3増幅ユニットの入力と前記第4増幅ユニットの入力に接続された第2電力分配器と、
前記第3増幅ユニットの出力と前記第4増幅ユニットの出力に接続された第2電力合成器と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の広帯域増幅器。
【請求項8】
前記第1電力分配器の入力と前記第2電力分配器の入力に接続された第3電力分配器と、
前記第1電力合成器の出力と前記第2電力合成器の出力に接続された第3電力合成器と
を備えることを特徴とする請求項7に記載の広帯域増幅器。
【請求項9】
前記第1増幅ユニットは、並列接続された2つの第2増幅セルと、前記第2増幅セルの入力に直列接続された1つの第1増幅セルとを備え、
前記第1増幅セルは、第1トランジスタと、前記第1トランジスタの入力側に接続された第1入力整合回路と、前記第1トランジスタの出力側に接続された第1出力整合回路とを備え、
前記第2増幅ユニットは、並列接続された2つの第4増幅セルと、前記第4増幅セルの入力に直列接続された1つの第3増幅セルとを備え、
前記第3増幅セルは、第2トランジスタと、前記第2トランジスタの入力側に接続された第2入力整合回路と、前記第2トランジスタの出力側に接続された第2出力整合回路とを備え、
前記第3増幅ユニットは、並列接続された2つの第6増幅セルと、前記第6増幅セルの入力に直列接続された1つの第5増幅セルとを備え、
前記第5増幅セルは、第3トランジスタと、前記第3トランジスタの入力側に接続された第3入力整合回路と、前記第3トランジスタの出力側に接続された第3出力整合回路とを備え、
前記第4増幅ユニットは、並列接続された2つの第8増幅セルと、前記第8増幅セルの入力に直列接続された1つの第7増幅セルとを備え、
前記第7増幅セルは、第4トランジスタと、前記第4トランジスタの入力側に接続された第4入力整合回路と、前記第4トランジスタの出力側に接続された第4出力整合回路とを備え、
前記第1入力整合回路は、前記第1中心周波数において、前記第1トランジスタの入力インピーダンスを変換し、前記第1出力整合回路は、前記第1中心周波数において、前記第1トランジスタの出力インピーダンスを変換し、前記第2入力整合回路は、前記第2中心周波数において、前記第2トランジスタの入力インピーダンスを変換し、前記第2出力整合回路は、前記第2中心周波数において、前記第2トランジスタの出力インピーダンスを変換し、前記第3入力整合回路は、前記第3中心周波数において、前記第3トランジスタの入力インピーダンスを変換し、前記第3出力整合回路は、前記第3中心周波数において、前記第3トランジスタの出力インピーダンスを変換し、前記第4入力整合回路は、前記第4中心周波数において、前記第4トランジスタの入力インピーダンスを変換し、前記第4出力整合回路は、前記第4中心周波数において、前記第4トランジスタの出力インピーダンスを変換することを特徴とする請求項7に記載の広帯域増幅器。
【請求項10】
前記第1電力分配器と、前記第2電力分配器と、前記第3電力分配器は、ウィルキンソン型電力分配器、ブランチカプラ型電力分配器、ラットレースカプラ型電力分配器、ランゲカプラ型電力分配器のいずれかであり、前記第1電力合成器と、前記第2電力合成器と、前記第3電力合成器は、ウィルキンソン型電力合成器、ブランチカプラ型電力合成器、ラットレースカプラ型電力合成器、ランゲカプラ型電力合成器のいずれかであることを特徴とする請求項8に記載の広帯域増幅器。
【請求項11】
複数の増幅ユニットと、
前記複数の増幅ユニットの入力に接続されたN方向電力分配器と、
前記複数の増幅ユニットの出力に接続されたN方向電力合成器と
を備え、前記複数の増幅ユニットは、それぞれ互いに異なる中心周波数を有することを特徴とする広帯域増幅器。
【請求項12】
前記第1のトランジスタは、
基板と
前記基板の第1表面に配置され,それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極、ソースフィンガー電極およびドレインフィンガー電極と、
前記基板の第1表面に配置され,前記ゲートフィンガー電極、前記ソースフィンガー電極および前記ドレインフィンガー電極ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成した複数のゲート端子電極、複数のソース端子電極およびドレイン端子電極と、
前記ソース端子電極の下部に配置されたVIAホールと、
前記基板の第1表面と反対側の第2表面に配置され、前記ソース端子電極に対して前記VIAホールを介して接続された接地電極と
を備えることを特徴とする請求項2、5および9の内、いずれか1項に記載の広帯域増幅器。
【請求項13】
前記第1のトランジスタは、
基板と、
前記基板上に配置され、それぞれ複数のフィンガーを有するゲートフィンガー電極、ソースフィンガー電極およびドレインフィンガー電極と、
前記基板上に配置され、前記ゲートフィンガー電極、前記ソースフィンガー電極ごとに複数のフィンガーをそれぞれ束ねて形成したゲート端子電極およびソース端子電極と、
前記基板上に配置され、前記ドレインフィンガー電極の複数のフィンガーをそれぞれオーバーレイコンタクトにより接続したドレイン端子電極と
を備えることを特徴とする請求項2、5および9の内、いずれか1項に記載の広帯域増幅器。
【請求項14】
前記基板は、SiC基板、GaAs基板、GaN基板、SiC基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、Si基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、SiC基板上にGaN/AlGaNからなるヘテロ接合エピタキシャル層を形成した基板、サファイア基板上にGaNエピタキシャル層を形成した基板、サファイア基板若しくはダイヤモンド基板、および半絶縁性基板のいずれかであることを特徴とする請求項12または13に記載の広帯域増幅器。
【請求項15】
前記第1入力整合回路および前記第1出力整合回路は、MIMキャパシタを備えることを特徴とする請求項2、5および9の内、いずれか1項に記載の広帯域増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−49909(P2012−49909A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−191284(P2010−191284)
【出願日】平成22年8月27日(2010.8.27)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】