説明

建物、住居等の構築物の余剰空間植栽緑化方式

【課題】構築物の地下室、その周辺内外、及び屋上の余剰空間を諸種の植物で植栽緑化させると同時に、構築物居住者、勤務者、動物等の生活、健康、保健、美容、治療、趣味等を改善する。
【解決手段】前記構築物の地下室等の空間で、雨水等からオゾン化されるか又はされざるマイクロバブル植栽培溶液MBSを調整し、地下室内の植物栽培区画、構築物内外周辺の余剰空間栽培区画、及び構築物屋上栽培区画等へ、培養液を循環させて所望植物を植栽し、培養液を濾過−清浄化して再循環すると共に、効率よく所望植物を栽培し且つ収穫すると同時に、構築物のヒートアイランド現象を緩和して地球温暖化を防止する一方、別途に調整し、その一部を此の植栽方式の消毒、殺菌用水として使用するマイクロバブル水を、前記構築物の居住者、勤務者或いは動物の生活、健康保険、治療、美容、エステ、ビオトープ等の用水として分流使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物、住居(以下構築物と呼称する)等の内外及び周辺の余剰空間を、培養液栽培方式、特にマイクロバブル化された培養液で緑化する事に依り、効率よく此れ等空間を所望植物で植栽し、日々の生活環境を潤し、都市のヒートアイランド現象又は地球温暖化現象を予防する事を課題とする。
【背景技術】
【0002】
近時、施設園芸が急速に発達し、種々な野菜、果実、花卉などが水又は溶液栽培され、夫々の市場に季節を問わず出荷される様に成る一方、地球温暖化、都市のヒートアイランド現象の影響下に、構築物の空間の緑化、特に屋上空間や壁面等の緑化方式が種々提案され且つ実施されているが、前者の空間の緑化では、軽質固形状擬土や繊維状通気マット等を利用して各種植物を栽培し、後者の方式では、保水性の緑化コンクリートを使用して植物種子を播種−栽培し、場合に依っては、こけ等を付着繁殖させて、その一部
又は全面を緑化する方式が提案されるに至っている。
【0003】
然しながら、此れ等の緑化法に使用する擬土或いは繊維状マットは、高所に搬送し、そこに敷設しなければならないので、保水性素材でありながら、多孔性且つ軽量でなければならず、自ずから、豪雨や強風等で流出し且つ吹き飛ばされ易く、狭小な住環境を汚染し易い欠点がある。
又一方、緑化コンクリートの生産は、割高と成ると同時に、その材質を弱化する欠点がある。
【0004】
そこで近年では、屋上、ベランダ、物干し台、廊下等の限定された構築物余剰空間に、水耕又は溶液栽培用プランターを施設するか又は配置し、此れ等プランター間を所定水源或いは培養液原から所定量を循環させながら、所望植物を栽培する植栽方式又は植栽装置が提案されるに至っている。
【特許文献1】 特開平10−21571号
【0005】
然しながら、上記特許文献1の技術は、原則的に、限定された構築物余剰空間を緑化する方式又は装置であるから、栽培する植物に応じて、所定濃度の培養液を通気しながら或いは通気する事無く、可及的にその毛根部が多量の酸素と接触する様に、循環移動させるか或いはプールさせて植栽する事を特徴とし、その水源は主として雨水から、その動力エネルギーは、所定場所に設けられたソーラー発電手段から、夫々原則的に供給され、狭小な植栽区画ながら立体的に利用する事により、可能な限り広い植栽区画を形成して、効率良く所期の目的、即ち居住者若しくは勤務者の経済的利益、精神的癒し効果、並びにヒートアイランド現象防止効果等を、充分に達成し得る様に構成した事を特徴とするものである。
【0006】
この様な湿式植栽法又は装置は、各種のスプラウト、花卉、野菜、特定果実等では、露地栽培の品質又は収量にほぼ匹敵する程度の満足すべき結果を得る事が出来たが、植栽目的物に依っては、毛根の発育不全や、耐菌性等に問題が残り、一層の改善が望まれていた。
【0007】
この様な情勢に鑑み、最近に於いては、超微細気泡を含むマイクロバブル、マイクロナノバブル、又はナノバブル等の高い酸素溶存性、消毒−殺菌性等の特性を利用する植物水耕栽培法或いは溶液栽培法が盛んに提案されるに至っている。
【0008】
元来、水中に空気を吹き込んで気泡を発生させた場合、直径約50ミクロン(um)以上の気泡は、拡大しながら水中を上昇し、水面ではじけて消滅するが、50ミクロン以下の気泡(MMB)は、水中で収縮しながらゆっくりと浮遊するので、その溶存酸素濃度は増大し、しかも此の負に帯電した表面には、正に帯電した水中の浮遊物、微生物等を吸着して浮上する。
【0009】
更に此のマイクロバブルは、自己加圧系で収縮しながらゆっくりと上昇し(一時間に2m)、20ミクロン以下のマイクロバブルを経て水中で消滅するが、此の消滅時に、数千度、数千気圧の雰囲気を醸成する圧壊現象を発生する。
【0010】
此の様なマイクロバブルの数多い性質を利用して、脱脂洗浄、水質浄化、殺菌、洗体、海産物の養殖等に有利に利用され、夫々優れた効果を収得し得る事が発表されている。
【0011】
特に最近では、此のマイクロバブルの水中での独特な諸特性を、植物の培養液循環植栽方式に利用して、毛根の根腐れ防止、培養液の浄化、発育植物の消毒、殺菌等の諸効果を発揮させ、農作物の無農薬栽培にも有効に利用され得るとの多数の報告がなされている。
【特許文献2】 特開2002−142582号
【特許文献3】 特開2004−321009号
【特許文献4】 特開2008−206448号
【特許文献5】 特開2008−154512号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明者は、前記特許文献1に於いて、構築物等の余剰空間例えば屋上、廊下、ベランダ等に適当なサイズのプランターを付設し、適当箇所に設けられた水源又は培養液タンクから、前記各所のプランター内の植物に、適当量の培養液を循環させて植栽し、当該構築物を緑化する植栽方式及び装置を提案した。
【0013】
然しながら此の方式に於いては、その培養液の所定位置に通常のバブル発生ポンプを装着して間歇的に通気し、溶存酸素量を高めながら植物を栽培したが、ものに依っては、此の程度の通気では根腐れを防止し得ず、発育不全の為に病源菌に犯され、開花も結実も無く栽培不首尾に終わった事、再三経験するに至っている。
【0014】
従って本発明では、特許文献2乃至5に散見し得る、オゾンガスを含有するか含有しないマイクロバブル培養液単独を循環使用するか、或いは、同種ガスを含有するか又は含有しないマイクロバブル水を併用循環させるかして、上記構築物の余剰空間を、所望植物で効率よく緑化し、此れ等構築物及びその周辺場所の個々の温度を、従来方式に比して実質的に低く断熱保温し、都市全体のヒートアイランド現象を効率よく改善し、地球温暖化を防止する事を第一の課題とするものである。
【0015】
又、斯くの如き効率の良い植物の水又は溶液栽培は、特定水源、好ましくは地下室水源から調整され、四季を通じて一定温度に維持すると同時に、培養液調整手段及びその循環手段等を同室内に設備し、地上及び構築物内外の余剰空間へ循環する如く構成すると同時に、その地価設備空間に更に尚余剰空間が存在すれば、定温保温条件を好むきのこ類或いはレタス等の小規模栽培区画を形成する如く構成する事を第二の課題とするものである。
【0016】
更に又、地上並びに構築物内外の余剰空間には、花卉、野菜、果実等の耕作区画を整然と準備し、種々な植物を立体的に栽培し、特に壁面等の余剰面には、蔓物植物等を所望角度に匍匐誘導して緑化し、日夜を問わず構築物の顕熱、潜熱を緩和すると同時に、構築物の外面を可能な限り美化し、此れを観賞する住人、通行人等の精神的安らぎを醸成すると共に、実生活に直結する経済的利益と、食生活に直接利用し得る生産の喜びとに依り、日々の肉体的、精神的並びに経済的ストレスを関放して、健康且つ安寧な職場或いは家庭の生活環境を維持し得る様に構成する事を第三の課題とする。
【0017】
加えて、本発明の構築物緑化方式に於いては、必須培養液と共にオゾンガスを含有するか含有しないマイクロバブル水を別途調整して、栽培植物の消毒、殺菌等に使用すると共に、場合に依っては、此のマイクロバブル水を、構築物内の住居者、勤務者、或いは動物等用として分流し、前記マイクロバブル培養液植栽課題以外に、此れ等人間、動物の衛生、美容、健康等の向上又は増強に役立てる事も出来るので、この様な生物生活の改善方式を、上記構築物余剰空間植栽方式に組み入れて、夫々の相乗効果の恩恵を、居住者、勤務者等が有功に受領し得る様に構成する事を第四の課題とする。
【課題を解決する為の手段】
【0018】
一般に、直径50um以下のマイクロバブルは、前記した如く溶存酸素を高めながらゆっくりと水中を浮遊し、20um以下のバブルに収縮して消滅するが、この間に高められた酸素の溶存率は、水中の植物毛根の活性度を高め、植物に依っては、その組織内まで進入して栄養吸収量を増大させ、丈夫な植物組織を育成する。
【0019】
一方、此のバブルの表面は、負に帯電しているので、溶液中の正に帯電した油脂成分、微生物等を吸着して浮上し、遂には前記した高温、高圧の圧壊現象を起こして、残存する微生物、細菌等を殺虫、殺菌し、培養液の浄化と除菌作用を同時に行い、毛根の発育不全、酸欠による根腐れ等を防止し、正常で丈夫な植物組織を育成する事が出来る。
【0020】
更に又、水又は溶液中のマイクロバブルは、オゾンガスを吹き込み、此れを含有させる事に依り、一層培養液の殺菌、浄化並びに肥効性を高める事が出来ると共に、此のオゾン含有マイクロバブル培養液をミスト化して、栽培室内又は栽培植物葉柄上に散布し、その雰囲気又は植物表面上の消毒、殺菌処理を行う事が出来、又LED照明灯等でバブル表面上の負電子を活性化する事に依り、此れ等殺菌、消毒効果並びに栽培植物組織の活性度を高めて、その成長、収穫量を助長し得る事も可能である。
【0021】
一方、斯くの如き構築物例えば一般のオフイスビル、マンション、アパート、工場、一般住居又は校舎等に於いては、夫々の余剰空間、即ち地下室、屋上、ベランダ、窓辺空間、建物壁面、周辺空地などの余剰空間は、本発明のマイクロバブル水及びマイクロバブル培養液循環方式に依って、従来手段とは比較に成らない程都合よく緑化する事が出来、その断熱効果で構築物の保温並びに都市のヒートアイランド現象を防止する事が出来ると同時に、その生産物例えば葉采、スプラウト、花卉、果物等に依り、日々のストレスの解消、経済的な副収入の増加等に役立てる事が出来る。
【0022】
更に又、此の緑化方式の一部に、同一水源からのマイクロバブル水の製造手段を付設し、その植物培養液循環系と併用するか或いは別途単独で使用して、緑化方式の消毒、殺菌用に使用すると共に、直接此のバブル水を居住者又は勤務者の生活用水例えば洗浄用水、飲料用水、風呂水、エステ美容用水、身障者又は疾病者リハビリ用プール、或いはこの種植物緑化システム系に付設されたビオトーブ、又は養魚用水等に使用する事も可能であるので、この種構築物に居住若しくは勤務する人々に、一層の生活並びに勤務上のゆとり又は安らぎを提供する事も可能である。
【発明の効果】
【0023】
斯くの如き構成並びに作用に依って本発明は、以下の如き優れた諸効果を備えている。
(A):構築物の内外余剰空間を緑化する方式であるので、比較的安価に構築する事ができ、都市全体にそれを付設すれば、その保温効果は計り知れず、ヒートアイランド現象の防止並びに環境浄化の効果は極めて大きい。
(B):生産物の経済的効果、植栽物の心理的、生理的、衛生的諸効果も、極めて大きい。
(C):居住者、勤務者に安価且つ新鮮で無農薬の農作物を提供出来る・
(D):方式管理の自動化が容易である。
(E):自然力を容易に利用できる。
(F):年少者の自然科学教育が可能となる。
(G):保健、保養、治療、美容等の効果を備えた手段、設備を付設することが出来る。
(H):上記無農薬農作物以外、多種、多様の花卉、果実、スプラウト等々を、季節を問わず提供する事が出来る。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0024】
本発明を実施する為の最良の形態は、先ず(1):地下室にオゾン含有又は無含有のマイクロバブル植物培養液と、同質のマイクロバブル水とを調整して貯蔵する。但し、後者のマイクロバブル水は一定温度で地上で調整貯蔵しても良い。
(2):此の培養液を、予め準備された地下室余剰部分、地上予定部分、構築物内外の余剰部分例えばベランダ、廊下等、及び屋上余剰部分等、に設けられた植栽区画のプランターに循環させて、所望植物を適宜一定期間栽培する。
(3):所定期間栽培された植物は、此の培養液又は別途に調整されたオゾン含有又は無含有マイクロバブル水ミスト又はシャワーで消毒、殺菌される。
(4):此れ等培養液及び消毒液又は消毒水は、適宜濾過され、清浄化されて反復循環使用されるが、汚濁具合に依っては、中和後放流される。
(5):培養液その他の調整、循環用動力は、主として適当場所に設けられたソーラーパネルからの電力で賄われ、培養液等の用水は、主として雨水をプールして使用する。
(6):構築物内外で栽培する作物は、一括コンピューターで管理するのが好ましいが、居住者、栽培契約者等の個人管理とする事も出来る。
(7):植栽用として別途調整されるオゾンマイクロバブル水又はマイクロバブル水は、居住者、勤務者又はその飼育動物ペット等用の生活、保健、衛生、美容、治療用の用水としても使用される。
(8):此のマイクロバブル水は又、居住者等の水泳又はリハビリプール用水、ビオトープ用水、或いは養魚用用水等にも併用される。
以下に図面を参照して本発明の実施の態様を説明する。
【実施例】
【0025】
本発明の構築物余剰空間を培養液で植栽緑化する方式の基本的態様は、図1に示す如く、主として水源タンク(1)、培養液調整タンク(3)、複数のマイクロバブル培養液循環タンクを含む植栽区画(2)(2‘)・・・・、此れ等各区画間に設けられた培養液濾過装置(FL)、此れ等各植栽機器間に設けられた培養液循環ポンプ(P1)(P2)・・・(P5),前記濾過装置(FL)に接続された培養液中和放出装置(7)及びソラー発電手段(PS)(PS‘)より成る。
【0026】
此の様な限定された構築物の余剰空間を緑化する培養液植栽方式に於いては、各装置又は手段は、極力小型且つ効率化すると同時に立体的に構成する必要があるので、特に植栽区画は、複数のプランター(2a)(2b)(2‘a)(2’b)・・・を、棚状に配置し、各区画毎に小型のマイクロバブル発生装置(4)(4‘)・・・を装着し、必要ならば適当箇所に適当数のオゾン発生装置(5)(5’)・・・を取り付けて、オゾンガス含有のマイクロバブル培養液として植栽区画全体に循環させるのが好ましい。
又、前記オゾン発生装置は、経済的見地から、予め水源タンク(1)又は培養液調整タンク(3)のみに装着して、オゾン水またはオゾン含有培養液とした後、各植栽区画でマイクロバブル化する事も可能である。
【0027】
この様な本発明の植栽態様に於いて、水源タンク(1)に貯蔵される水(W)は、雨水等を利用するのが好ましいが、事情に依っては水道水でも或いは両者の混合水であっても差し支えなく、上記した如く、オゾン水として殺菌した後、培養液調整タンク(3)に送られ、原肥を混合して貯蔵され、植栽開始と同時に植栽区画(2)(2‘)に供給される。
【0028】
此れ等植栽区画は、上記した如く、狭小な構築物余剰空間であるから、可能な限り有効に利用する為に、栽培する植物に依っては、図3の符号(2‘)で示す如く、立体的に棚状プランター区画に構成して効率よく栽培するのが好ましく、又比較的浅い培養液中で植栽されるので、バブルの寿命も比較的短く、可能ならば各プランター(2a)(2b)(2‘a)(2’b)・・・毎に、小型のバブル発生器(4)(4‘)を設けるのが好ましい。
【0029】
斯くの如く構成された植栽区画(2)(2‘)内のプランター(2a)(2b)(2a’)(2b‘)・・・には、上記の如く発生されたオゾンガス含有マイクロバブル(M)(M’)・・・が、連結パイプ(13)(14)を介して夫々のプランター内を(f)−(f1)方向に連続的又は間歇的に適宜循環され、適当期間夫々の植栽フロート(F)(図4参照)上で所望野菜を育成する。
【0030】
此の育成期間中には、種々なごみ、例えば落葉、毛根切れ端、場合に依っては、あおこ等が発生するので、適宜濾過装置(FL)で濾過し、清浄化し、ポンプ(P5)により、導管(16)を経て培養液調整タンク(3)に返送し、その濃度を調整した後、再度前記栽培区画に給送して再使用し、最終的には導管(17)を経由して、中和放出装置(7)に送られ、中和無害化された後、(f4)方向に排出される。
【0031】
此の植栽期間中に使用する電力は、商業電力を使用する事も出来るが、屋上等に設けられたソーラーパネル(8)(8‘)で発電し、バッテリー(9)(9’)に蓄電されたソーラー発電手段(PS)(PS’)から、リード線(L)(L‘)を介して自家発電的に供給し、又一方培養液調整用の用水等は、商業用水又は天然用水を使用出来るが、特に構築物上に降る雨水(W)を、一定期間地下室等に貯水して一定温度に保持した後、必要に応じて使用するのが有利である。
【0032】
図3には、この様な態様の構築物余剰空間植栽方式が立体的に図示されている。
此の態様に於いて水源タンク(1)は、構築物(B)の地下室(GR)中に設けられ、屋上に降った雨水をパイプ(W1)を介して貯水し、必要に応じてポンプ(P1)に依り(f)方向に汲み出して、培養液調整タンク(3)に供給する様に構成されている。
【0033】
次いで此の培養液調整タンク(3)に導入された原水(W)は、固体状又は液体状の原肥を混合されて適当濃度の培養液とされ、ポンプ(P2)に依り、培養液供給タンク(3‘)に移され、その内部に装着されたマイクロバブル発生器(24)に依ってバブル化され、前記地下室一隅に設けられた定温を好む特定植物、例えばレタス、又はキノコの植栽区画(2’)、地上構築物周辺植栽区画(2)、又は屋上植栽区画(2“)等に、矢印(f1)に沿って夫々随時供給され、各区画毎に循環されるか又はプールされて植栽される。
尚、各区画への培養液循環手段や、構築物内外の限定空間、例えば窓辺のベランダ、廊下等での緑化植栽手段は、複雑化を避けるために図示されていないが、必要に応じて適宜設置し、所望する植物を必要に応じて適宜植栽し得る事、言うまでもない所である。
【0034】
斯くの如き植栽方式に於いては、前記マイクロバブル培養液(M)を発生する供給タンク(3‘)には、一度に大量に当該バブル培養液を生成して、各植栽区画(2’)(2)及び(2”)に給送し、植栽植物に応じて、所定時間各区画ごとに循環させるか又はプールして栽培した後、矢印(f2)に沿って夫々の区画(2‘)(2)(2“)・・・から、前記バブル培養液供給タンク(3’)へと返還され、ここで新培養液と混合されてその濃度を再調整され、更に再びバブル化されて各区画毎に再供給される。
【0035】
然しながら、此れ等区画での反復長期間の循環栽培に依って、培養液濃度は変化し、溶質は劣化し、植物の切れ根、葉柄、ごみ等が混入して、その肥効性は低下するので、所定期間後、上記各植栽区画(2‘)(2)(2“)・・・からの(f2)の循環流を、矢印(f3)で示す濾過装置(FL)への還流に切り替えて、此の濾過装置で清浄化した後、矢印(f2’)で示す如く、前記マイクロバブル培養液供給タンク(3‘)に返送し、培養液調整タンク(3)からの新培養液を加えた後、適度に再バブル化してその肥効性を高め、夫々矢印(f1)方向を経て各植栽区画へと再循環される。
【0036】
更に又、此の濾過培養液の循環が幾度となく繰り返されると、図1の実施態様で説明した如く、オゾン殺菌を行っても、その液質は劣化し、雑菌も繁殖し続けるので、中和処理タンク(7)で殺菌、中和処理して、矢印(f4)方向に放出される。
【0037】
斯くの如き植栽方式に於いて、地下室(GR)の上記培養液循環装置以外の余剰空間が準備し得る場合には、図示の如く多段式プランターより成る植栽区画(2‘)を設け、例えばキノコ、レタス等のさほど強い日光又は照明を必要とせず、然も一定温度の環境を好む作物を有利に栽培する事が出来る。
【0038】
此の場合には、適当なハンガー(N)等で懸垂設備された照明灯例えばLED照明灯で照射しながら栽培することが出来、場合に依っては、後述するミスト状マイクロバブル水又はマイクロバブル培養液(MBS)を散布して、消毒、殺菌しながら植栽する事も可能である。
【0039】
一方、構築物(B)の内外周辺の余剰空間例えば壁面、ベランダ、廊下、屋上余剰平面には、多段式プランター或いは平面複数式プランター式の栽培区画(2‘)(2)(2“)・・等を設け、前記マイクロバブル培養液循環植栽方式の一部に接続して、マイクロバブル培養液供給タンク(3’)より、矢印(f1)−(f2)と循環させ、地下室、地表、構築物内外余剰空間、及び屋上余剰空間を立体的に緑化して、構築物の保温、都市のヒートアイランド現象予防手段の一助とする事が出来る。尚、図中(8)はソーラーパネルを、(N)は構築物壁面緑化用ネットを表しており、特に後者の構成と作用効果は、詳しく後述するが、図面の複雑化を避ける為に、栽培区画及び各種設備に付属する循環ポンプ等は、省略するものとする。
【0040】
図2は、構築物余剰空間のマイクロバブル培養液植栽方式の他の実施態様を示すものである。
此の態様に於いては、例えば図3に示す如き地下水源(21)に貯えられた雨水(W)は、矢印(f)に示す如く、ポンプ(P1)(P‘1)により、導管(30)(30’)を経由して、マイクロバブル発生装置(24)(24‘)を装着した大型マイクロバブル培養液調整タンク(23)(23’)に直接導入され、原肥を加えて攪拌混合された後、マイクロバブル培養液(M)(M’)として、構築物内外に設けられた植栽区画(22)(22‘)・・・に導入され、導管(31)(32)(31’)(32’)、ポンプ(P2)(P2‘)に依り、矢印(f1)(f2)(f3)方向に所定時間連続的に又は間歇的に循環され、その上に浮かべられるか又は装着されたフロート若しくは種床上に播種された所望植物種子を発芽させて成育する。
【0041】
勿論此の場合、オゾンガス発生装置(25)(25‘)からガスを吹き込んで、殺菌、消毒するか又はせずして循環栽培する事も出来、必要時には、前記態様の如く、濾過装置(FL’)で挟雑物を濾過し、パイプ[36]を経て、マイクロバブル培養液調整タンク(23)(23‘)に返送し、その濃度を調整してから、繰り返し植栽区画に循環使用する事も出来、植栽最終時又は培養液の著しい劣化時には、それを濾過した後にパイプ(37)から中和槽(27)に移して中和処理し、(f4)方向に排出放流する事も可能である。
【0042】
更に又此の植栽態様に於いては、水源タンク(21)には、培養液用水供給ポンプ(P1)(P1‘)以外のポンプ(P)が装着されており、マイクロバブル水調整タンク(28)に給水し、そのマイクロバブル発生器(24“)に依ってバブル水(M)を発生し、ポンプ(P7)を介してマイクロバブル水貯蔵タンク(30)及び貯水プール(29)に貯水し、必要に応じて、上記植栽以外の目的に使用される。
【0043】
例えば、前記貯水プール(29)は、図14に示す如く、地上又は構築物屋上に構築され、植栽フロート(91)(92)・・・・で所望植物を栽培すると同時に、魚(93)並びに水棲昆虫(94)等が混棲したビオトープとして設備し、その構築物に居住し、出入りする少年、少女等の自然科学学習用に使用する事が出来、又別個の目的例えばスポーツ、保健用の水泳プール又は疾病リハビリ用プール等として利用する事も可能である。
【0044】
一方、マイクロバブル水貯蔵タンク(30)のバブル水は、(31)(31)・・で示す如く分流して、構築物各室の台所、浴室等に供給され、生活上の保健、衛生又は生活用水として使用され、ポンプ(P8)を介して、屋上の溶液栽培植栽物のミスト状マイクロバブル消毒、殺菌用水(MB)及びマット植栽物用マイクロバブル水(MS)として使用する事も出来る。
【0045】
図4及び図5には、此れ等植栽方式に於ける栽培植物の殺菌、消毒方法が示されている。
即ち、図4に於いては、植物培養液栽培プランター(42)の種床フロート(F)の栽培孔(49)から成長した植物(48)が、所定寸法に成長すると、少なくとも数回この培養液をミスト化して、適当に支承された導管(46)上の噴霧孔から、消毒ミスト(MBS)として噴射し、マイクロバブル培養液自身の殺菌、消毒作用を有功に利用する様に構成した装置が図示されている。
【0046】
此の場合、矢印(f1)方向から前記植栽区画(2)(2‘)・・・の複数プランター(42)に導入されたマイクロバブル培養液は、連続的に循環される間にその気泡が消滅して減少するので、ミスト化してシャワー導管(46)に供給する前に、再度マイクロバブル発生器(44)及びオゾン発生器(45)を備えたマイクロバブル供給タンク(43)内で新たにバブル化し、マイクロバブル培養液(M)のバブル表面に発生したマイナス電子と、その消滅時の強烈な圧壊現象とに依り、栽培植物表面の病源菌、細菌等を有効に殺菌し且つ消毒する。
【0047】
然しながら、植栽する野菜、花卉,果実等では、マイクロバブル培養液を長時間又は繰り返し散布すると、葉部,果実部等に悪影響を与える場合も有るので、図5に示す如く、その栽培方式系に、マイクロバブル培養液供給タンク(53)とマイクロバブル水供給タンク(53‘)とを、夫々切り替え自在に別途に設備して、前者に依って植栽し、後者に依って消毒殺菌する様に構成するのが好ましく、又後者のバブル水は、前記した様に、植栽物の殺菌、消毒用として使用しない場合は、ポンプ(P7)に依ってプール又はビオトープ(59)に、又矢印(f5)に沿って構築物住民生活用マイクロバブル水槽(60)に接続し、此の水槽を経て、夫々住民の浴槽、台所、或いはステ用化粧室(61)に分配する様に構成するのが有利である。
【0048】
他方、斯くの如き植栽方式に於いて、一般的に使用される植栽プランターは、図7に符号(62)として示されており、総じて各種野菜のスプロウト,もやし、三つ葉、ねぎ、せり等の葉采の栽培では、浮上鍔(64)を備えたフロート(F)の底に設けられた、棚若しくは桟(67)上に敷き詰められたスポンジ状種床(69)上の植え付けスポットに播種され、適宜成長した葉采(68)は、此の種床(69)を矢印(up)方向に引き上げながら、各葉采株間の点線(65)・・・に沿って切断し、一株毎に例えば透明なプラスチック袋に包装して効率よく出荷若しくは保存する様に構成されている。
【0049】
更に又、比較的茎が高く(長く)成長する野菜又は葉采、例えば三つ葉、万能ねぎ、ソバカイワレ、せり、水菜、もやし等の水耕若しくは溶液栽培の場合には、図8〜図10に示す如く、各種フロート(F)のスプラウト栽培孔(75)内に、長い円筒状鍔付き種床(70)の下端(76)を挿入し、その鍔部(74)に依って垂直に支承される上部筒体(71)内に、成長した所望野菜の葉柄(78)を束状に成長させる一方、その毛根部(77)は、前記種床底部の細孔を貫通して培養液(S)内に弓張状に湾曲伸張させて、葉柄部の傾きを防ぎながら、充分な水分及び養分をこの葉柄部に供給して、みずみずしく且つ食感のある束状のスプラウト、もやし、ねぎ等の野菜商品を収穫し得る如く構成するのが便利である。
この様な農作物商品は、この種種床(70)のまま収穫され、毛根部(71)を切り揃え、透明袋(79)に取り込み、ひも(80)で結束し、効率よく袋詰め商品として収穫し、保存し、販売される。
【0050】
又一方、図3に於ける構築物(B)の垂直壁面等の緑化手段の一実施態様は、図11乃至13に詳細に図示されている。
此の態様に於ける壁面緑化方式は、所望メッシュで適当寸法のネットを使用して、構築物の垂直面に直接蔓状植物を誘導匍匐させるか、又は斜め方向から匍匐させて此れ等面上を緑化被覆する態様として示されている。
【0051】
此の方式の植物匍匐用のネット手段(N)は、マイクロバブル培養液が循環する栽培区画の複数のプランター(2a)(2b)に並行して設けられた、少なくとも一対のネット取り付け用支柱(85)(85)を、順次所望角度に傾斜させて固定し得る如く構成した、少なくとも一対のコの字状挟持固定装置(84)(84)・・・と、此れ等固定装置と一体的又は個別的に設けられた捲回ネット(81)とより成り、前記夫々の挟持固定装置(84)(84)は、その背面から並設されたマイクロバブル培養液プランター(2a)(2b)の底部孔(90‘)内に延びる差込安定部片(90)に依って、少なくとも二本の支柱(85)(85)と共に、安定して垂直姿勢を維持する様に構成されている。
【0052】
斯くの如くして、支柱安定装置(81)の内側に設けられた受け台(S)上に、垂直に直立された支柱(85)(85)は、図12及び13に示す様に、留めピン若しくは緊定ボルト(P)で、前記コの字状挟持固定装置の側板(83)(83)を締め付ける事に依り、此れ等側板間で夫々挟持され、安定して垂直に支承される。
【0053】
此の支柱(85)(85)の夫々の先端には、1個の滑車(88)(88)が取り付けられており、前記した捲回ネット(81)の繰り出し端部の取り付け竿(q)に結帯されたネット誘導紐(86)(86)を巻き上げて、前記ネット(81)を矢印(T)方向に引き上げ、所望高さに達した時、前記誘導紐の先端を留め金(81)に結び付けて固定する。
【0054】
一方、前記プランター(2a)(2b)・・・のマイクロバブル培養液(S)上に浮かべられたフロート(F)の植栽孔(82)に移植又は育苗された植物(89)は、ネット目に沿ってその触手を捲き付けながら匍匐成長し、壁面上を除除ながら被覆し続け、日光を遮断し、壁面からの顕熱及び潜熱の発生を緩衝する。
【0055】
他方、斯くの如き植栽時の生長植物の匍匐角度は、前記支柱安定装置の側面に並設されたピン孔(h)への、留めピン(P)の取り付け位置を選定する事に依って決定される。
即ち、所望構築物の日光遮蔽面積に応じて、前記留めピン位置を、前記並設されたピン孔(h)に沿って外側方向にずらす事に依り、鎖線矢印の如く、順次傾斜させて調節することが出来る。
【0056】
更に又、図15及び図16には、本発明の培養液に依る構築物植栽方式に使用する、植栽区画プランター(2a)(2b)・・・の、他の態様を示している。
此のプランター(2c)は、例えばキュウリ、ナス、トマト等の延び丈が中程度の野菜又は花卉の栽培用として使用される方形のプラスチック製の物であると同時に、プール式又は循環式何れにも使用される態様のものであるが、説明の簡便化のために、プール式植栽プランターについて説明されている。
【0057】
此のプランターは、比較的小型の家庭園芸露地栽培用に市販されているプラスチック製のものであるのが好ましく、マイクロバブル培養液は、適当数のプランター当たりに設けられたマイクロバブル発生装置又はタンクから、ゴムホース等で適宜供給するのが好ましい。
【0058】
典型的な本態様のプランター(2c)は、方形底部の両端に、排水用の開孔を備えたプランター本体(2d)と、その内部のバブル培養液(S)上に浮かべられた長方形の発泡スチロール製補助フロート(F)と、此のフロート上に設けられた所定数の植栽植物毛根成長用の開孔(102)・・・上に載置される半球体状若しくは半曲面体状水耕用種床フロート(91)・・・との組合せ体より成る。
【0059】
此のプランター本体(2d)は、その四側面が若干傾斜した逆梯形状の形状を呈すると共に、その鍔部(95)には、前記種床フロート(91)から成長する植栽植物(89)・・・を挟持固定する支柱(97)・・を挿通する細孔(96)・・が穿孔されており、此れ等細孔を挿通して直立された夫々の支柱を、更に縦横方向に直交した連結棒(97’)(97“)に、紐(98)・・で結帯連結して補強した上で、更に成長した植物(89)の柄部を、紐(99)・・で前記縦横連結棒上に結帯して、曲折する事無く垂直に成長する様に配慮した事を特徴としている。
【0060】
勿論、此の種床フロート(91)は、その内部にスポンジ状の詰め物又は種床が充填されており、此処で発芽した芽又は移植された若苗は、蓋部(104)の開孔(103)を抜けて上方に成長し、一方水中に発毛した毛根(100)は、種床フロート(91)の底部に開孔された細孔を通って水中下で四方八方に伸び広がり、種床自体の四方への傾斜を防止する機能を備えてはいるが、天候に依っては葉柄部が伸び過ぎて、植物の成長姿勢のバランスを崩す事もあり、又風圧等により前後左右に傾斜してそのまま成長する場合もあり得るので、上記した支柱及び連結棒は正常な成長姿勢を維持する為に極めて有効な水耕植栽時の補助手段を構成する。
【0061】
更に又、長手方向の一側面に沿う支柱(98)(98)・・・には、必要に応じて(N‘)の如く網体を取り付けることも出来、此の網目に沿って蔓状植物を匍匐栽培し、場合に依っては蔓物以外の中、大型植物の柄部又は枝部を、網体メッシュに結帯して直立栽培する事も可能である。
尚、栽培場所がコンクリート面等である場合には、例えば摩擦性のある軟質の受け台(101)等を前記支柱に履かせるのも有効である。
更に、図示はされていないが、前記種床フロート(91)は、前記補助フロート(F)上の植栽植物毛根成長用細孔(102)・・・に正確に嵌合する円筒状突起を、その孔あき底部に設ける事に依り、此れ等両者を一体的に結合する事が出来、ある程度の伸び丈の植物を、前記支柱等を使用する事無く垂直栽培する事が出来る様に構成する事も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】 本発明の構築物余剰空間をマイクロバブル培養液で植栽緑化する一方式を示す説明図である。
【図2】 図1に示す植栽緑化方式の他の態様を示す説明図である。
【図3】 図1の植栽緑化方式を立体的に示した一態様の説明図である。
【図4】 本発明のマイクロバブル培養液植栽方式に於いて、そのマイクロバブル培養液を植栽植物の消毒、殺菌用に使用する方式を示す説明図である。
【図5】 本発明のマイクロバブル培養液植栽方式において、別途に生成したマイクロバブル水で植栽した植物を消毒、殺菌すると同時に、一方においては、家庭用水、エステ用水、または健康保健用水等として使用する多目的植栽方式を示す説明図である。
【図6】 本発明のマイクロバブル培養液植栽方式の植栽区画に使用するプランターの一実施態様を示す平面図である。
【図7】 図6のプランターの一部切断正面図である。
【図8】 本発明のマイクロバブル培養液植栽方式用の植栽フロートの他の態様を示す平面図である。
【図9】 図8のフロート上で、特殊種床を使用して葉柄の長いスプロウトを植栽するプランターを示す一部切断平面図である。
【図10】 図9の種床中に成長したスプラウトの成長状態を示す一部切断拡大正面図である。
【図10−A】 図9及び図10のスプラウトを種床ごと商品として出荷する包装方式を示す正面図である。
【図11】 本発明のマイクロバブル培養液植栽方式の一区画に依る構築物の壁面又は垂直面を緑化する緑化方式を示す側面図である。
【図12】 図11の正面図である。
【図13】 図11及び図12の方式に使用する植物匍匐用ネット手段のコの字状挟持固定装置の傾斜角度調整方法を示す説明図である。
【図14】 本発明のマイクロバブル培養液植栽方式の一部に設けられたビオトープ設備を示す斜視図である。
【図15】 本発明のマイクロバブル培養液植栽方式に使用する大型及び中型植物姿勢安定用プランターを示す平面図である。
【図16】 図15のプランターの正面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 水源タンク
2 植栽区画
2a プランター
3 培養液調整タンク
4 マイクロバブル発生装置
5 オゾン発生装置
7 培養液中和放出装置
PS ソーラー発電手段
B 構築物
FL 培養液濾過装置
LED 照明灯
MBS ミスト状マイクロバブル培養液
GR 地下室
C コンピューター制御室
MBW ミスト状マイクロバブル水
MS マット栽培植物用散水
28 マイクロバブル水調整タンク
29 マイクロバブル貯水プール
30 マイクロバブル水貯蔵タンク
31 家庭用水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物又は住居等の構築物の余剰空間植栽方式於いて、その培養液にオゾンを吹き込むか吹き込まず、マイクロバブル化して植栽区画に循環し、所望植物を所望期間栽培した後、必要に応じて此の培養液を濾過−清浄化して再循環し、更に此の培養液の一部又は別途に調整したマイクロバブル水の一部を、殺菌消毒用として栽培植物に散布すると共に、前記バブル水の主部を、前記構築物居住者、勤務者等用の生活、保健、美容等の用水並びにビオトープ又は生物リハビリプール用水として使用し、最終的に前記培養液は濾過ー中和して放流し、前記バブル水は、生活排水として放流する事を特徴とする植栽方式。
【請求項2】
前記構築物の植栽方式を、構築物の地下室、その地上周辺、その室内外並びにその屋上の余剰空間を利用して実施する事を特徴とする請求項1記載の植栽方式。
【請求項3】
前記構築物の植栽方式の水源は、主として屋上で集められる雨水を利用し、前記培養液等の循環系動力は、構築物屋上に設けられたソーラーパネルを利用する発電手段からの電力を利用する事を特徴とする請求項1記載の植栽方式。
【請求項4】
前記マイクロバブル培養液は、各植栽区画で調整されるか或いは調整タンクで調整された後、各植栽区画に循環される事を特徴とする請求項1記載の植栽方式。
【請求項5】
前記殺菌−消毒用マイクロバブル水は、地下水源タンクと同室内に、又は地上植栽区画近辺に設けられた調整タンクで生成され、更にその主要部は、分岐されてビオトープ又は生物リハビリ用プール等及び構築物居住者又は勤務者等の生活、保健、美容等の用水として使用する事を特徴とする請求項1記載の植栽方式。
【請求項6】
前記植栽区画は、少なくとも一個のフロート式種床を備えた複数のマイクロバブル培養液プランターから成り、前記フロート式種床は、複数列の着脱自在のスポンジ状栽培床を備え、此の栽培床上に所望種子を適当間隔に播種し、前記マイクロバブル培養液で栽培し、成長した栽培作物を、前記種床と共に適当寸法に切断し、適当な包装袋に収容して収穫−保存する事を特徴とする請求項1記載の植栽方式。
【請求項7】
前記植栽区画は、少なくとも一個のフロート式種床を備えた複数のマイクロバブル培養液プランターから成り、更に前記フロート式種床は、複数の種床挿入孔を備えた少なくとも一個のフロート板と、前記種床挿入孔に差し込まれと共にその内側底部に着脱自在の網体を載置した複数の鍔付き円筒型種床との組合せより成り、前記種床上に成長した植栽植物を、前記種床と共に収穫し毛根を整えた後、適当な容器に収納して収穫−保存する事を特徴とする請求項1記載の植栽方式。
【請求項8】
前記鍔付円筒種床の筒体部分を実質的に長く形成し、此の中で成長する植物柄部の大部分を包囲保護して、直立束状の収穫物として取り入れる事を特徴とする請求項7記載の植栽方式。
【請求項9】
前記植栽区画は、少なくとも一個のフロート式種床を備えた複数のマイクロバブル培養液プランターと、此れ等プランターの少なくとも一個に植栽される蔓物植物の匍匐用ネット手段との組合せより成り、前記プランターに栽培される植物の所望匍匐角度に従い、前記ネット手段を90度乃至0度の範囲内で、自在に傾斜させ且つ固定させ得る如く構成し、前記構築物の垂直側面及びその周辺平面の所望面積を、ネット上を匍匐する蔓物植物で、選択的に被覆し得る如く構成した事を特徴とする請求項1記載の植栽方式。
【請求項10】
前記植栽区画の少なくとも一個のフロート式種床を備えた複数のマイクロバブル培養液プランターは、やや傾斜した側面を持つ逆角錐台状のプラスチックより成り、その上面鍔部には、所望数の植栽植物姿勢安定支柱用の開孔を設け、植物の成長に従い、前記支柱用開孔に所望数の縦横連結棒を挿入し、此の連結棒に生長植物を結帯して安定した成長姿勢を維持するか、或いはその長手方向の側面に、所望寸法のネットを結帯装着し、植栽植物を此のネット上に匍匐誘導して結帯し、安定的に所望姿勢で栽培し得る如く構成した事を特徴とする請求項1記載の植栽方式。
【請求項11】
前記構築物の地下室に、水源タンク、マイクロバブル培養液調整手段、培養液濾過手段、培養液中和排出手段、第一植栽区画、及び其れ等に付属する循環手段等を、その内外周辺に、前記培養液調整手段等に連結した第二の栽培区画又はプランターを、その屋上に、前記培養液調整手段等及び第二植栽区画に連結した第三の植栽区画並びにソーラー発電手段を夫々設け、必要に応じて、前記水源タンクに別途連結するマイクロバブル水発生手段を所望する位置に設置し、発生したマイクロバブル水の一部を、前記各植栽区画の消毒ー殺菌用に分流すると共に、その主部を、必要に応じて前記構築物内の生活用水、健康保険用水、エステ用水等、屋内外の保健、治療用プール又はビオトープ用水として分流使用する如く構成した事を特徴とする構築物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図10−A】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−160789(P2011−160789A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−45859(P2010−45859)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000243043)
【Fターム(参考)】