説明

引継支援システム、引継支援方法、および引継支援プログラム

【課題】顧客側担当者の情報について顧客側からの更新作業を促し、顧客側担当者の情報を確実に管理する。
【解決手段】顧客側端末200からの認証要求を受信し、当該認証要求が含む情報をテーブル125に照合して顧客に関する認証を実行し、前記認証に成功した場合、仮の認証情報を所定プログラムにより生成し、当該仮の認証情報と、現時点より所定期間後となる前記仮の認証情報の有効期限の情報を、前記テーブル125における該当顧客に関して設定し、顧客側端末200からの前記該当顧客に関する認証要求を受信し、当該認証要求が含む前記該当顧客に関する仮の認証情報を前記テーブル125に照合して、前記該当顧客に関する仮の認証情報に基づく認証を実行し、前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末200から入力された新担当者に関する情報を受信し、当該新担当者の情報でテーブル126における該当顧客の担当者情報を更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引継支援システム、引継支援方法、および引継支援プログラムに関するものであり、具体的には顧客側担当者の情報について顧客側からの更新作業を促し、顧客側担当者の情報を確実に管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、商品を顧客に納入した企業が、該当顧客に対して商品の保守サービス等を継続的に提供することがある。そのような場合、前記企業は、顧客側の担当者について予め情報を得ておき、顧客側への連絡が必要な際に該当情報を読み出して利用することとなる。但し、顧客側の担当者は前記企業の都合と関わりなく異動等によって変遷しやすく、前記企業としてもその情報の管理を継続的に行う必要がある。
【0003】
そうした状況において、例えば異動に伴って変更すべき顧客側担当者の情報を更新する手法として、(1)顧客側から、担当者の引継ぎ情報を前記企業(サービス提供元企業)に提出してもらい、前記企業側で所定のデータベースに該当情報の登録を行う手法、(2)顧客側からネットワーク経由で前記企業のデータベースにアクセスし、担当者情報を更新する手法などが想定されている。
【0004】
なお、顧客などの情報について必要に応じて更新を促す技術としては、例えば、システムへのアクセス頻度から使用者毎にパスワード有効期限と更新期限を設定し、この期限に基づいてパスワードの変更を事前に使用者に対して促してパスワードの更新管理をすることによりシステムのセキュリティを確保する技術(特許文献1参照)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−182064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述したいずれの従来技術であっても、顧客側に担当者の引継ぎ作業を行わせるインセンティブが乏しいため、必要な情報が顧客から提供されにくい状況になり、結果としてサービス提供元企業が顧客側担当者の情報を確実に取得し管理することが難しい。
【0007】
そこで、本発明の目的は、顧客側担当者の情報について顧客側からの更新作業を促し、顧客側担当者の情報を確実に管理する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決する本発明の引継支援システムは、他装置と通信を行う通信部と、各顧客に関する認証情報と担当者情報を格納するテーブルを記憶する記憶部と、顧客側端末からの認証要求を受信し、当該認証要求が含む情報を前記テーブルに照合して顧客に関する認証を実行し、前記認証に成功した場合、仮の認証情報を所定プログラムにより生成し、当該仮の認証情報と、現時点より所定期間後となる前記仮の認証情報の有効期限の情報を、前記テーブルにおける該当顧客に関して設定し、顧客側端末からの前記該当顧客に関する認証要求を受信し、当該認証要求が含む前記該当顧客に関する仮の認証情報を前記テーブルに照合して、前記該当顧客に関する仮の認証情報に基づく認証を実行し、前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末から入力された新担当者に関する情報を受信し、当該新担当者の情報で前記テーブルにおける該当顧客の担当者情報を更新する制御部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の引継支援方法は、他装置と通信を行う通信部と、各顧客に関する認証情報と担当者情報を格納するテーブルを記憶する記憶部と、演算部を備えるコンピュータが、顧客側端末からの認証要求を受信し、当該認証要求が含む情報を前記テーブルに照合して顧客に関する認証を実行し、前記認証に成功した場合、仮の認証情報を所定プログラムにより生成し、当該仮の認証情報と、現時点より所定期間後となる前記仮の認証情報の有効期限の情報を、前記テーブルにおける該当顧客に関して設定し、顧客側端末からの前記該当顧客に関する認証要求を受信し、当該認証要求が含む前記該当顧客に関する仮の認証情報を前記テーブルに照合して、前記該当顧客に関する仮の認証情報に基づく認証を実行し、前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末から入力された新担当者に関する情報を受信し、当該新担当者の情報で前記テーブルにおける該当顧客の担当者情報を更新する、ことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の引継支援プログラムは、他装置と通信を行う通信部と、各顧客に関する認証情報と担当者情報を格納するテーブルを記憶する記憶部と、演算部を備えるコンピュータに、顧客側端末からの認証要求を受信し、当該認証要求が含む情報を前記テーブルに照合して顧客に関する認証を実行する処理と、前記認証に成功した場合、仮の認証情報を所定プログラムにより生成し、当該仮の認証情報と、現時点より所定期間後となる前記仮の認証情報の有効期限の情報を、前記テーブルにおける該当顧客に関して設定する処理と、顧客側端末からの前記該当顧客に関する認証要求を受信し、当該認証要求が含む前記該当顧客に関する仮の認証情報を前記テーブルに照合して、前記該当顧客に関する仮の認証情報に基づく認証を実行する処理と、前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末から入力された新担当者に関する情報を受信し、当該新担当者の情報で前記テーブルにおける該当顧客の担当者情報を更新する処理と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、顧客側担当者の情報について顧客側からの更新作業を促し、顧客側担当者の情報を確実に管理することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態の引継支援システムを含むネットワーク構成図である。
【図2】本実施形態の引継支援システムが利用する認証テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図3】本実施形態の引継支援システムが利用する顧客情報テーブルのデータ構造例を示す図である。
【図4】本実施形態における引継支援方法の手順例1を示すフロー図である。
【図5】本実施形態における引継支援方法の手順例2を示すフロー図である。
【図6】本実施形態における引継支援方法の手順例3を示すフロー図である。
【図7】本実施形態における画面例1を示す図である。
【図8】本実施形態における画面例2を示す図である。
【図9】本実施形態における画面例3を示す図である。
【図10】本実施形態における画面例4を示す図である。
【図11】本実施形態における画面例5を示す図である。
【図12】本実施形態における認証テーブルのデータ設定例1を示す図である。
【図13】本実施形態におけるメッセージ例1を示す図である。
【図14】本実施形態における認証テーブルのデータ設定例2を示す図である。
【図15】本実施形態における画面例6を示す図である。
【図16】本実施形態における認証テーブルのデータ設定例3を示す図である。
【図17】本実施形態におけるメッセージ例2を示す図である。
【図18】本実施形態におけるメッセージ例3を示す図である。
【図19】本実施形態における認証テーブルのデータ設定例4を示す図である。
【図20】本実施形態におけるメッセージ例4を示す図である。
【図21】本実施形態におけるメッセージ例5を示す図である。
【図22】本実施形態における画面例7を示す図である。
【図23】本実施形態における画面例8を示す図である。
【図24】本実施形態における画面例9を示す図である。
【図25】本実施形態における認証テーブルのデータ設定例5を示す図である。
【図26】本実施形態における認証テーブルのデータ設定例6を示す図である。
【図27】本実施形態におけるメッセージ例6を示す図である。
【図28】本実施形態における画面例10を示す図である。
【図29】本実施形態における画面例11を示す図である。
【図30】本実施形態における画面例12を示す図である。
【図31】本実施形態における認証テーブルのデータ設定例7を示す図である。
【図32】本実施形態における顧客情報テーブルのデータ設定例1を示す図である。
【図33】本実施形態における顧客情報テーブルのデータ設定例2を示す図である。
【図34】本実施形態におけるメッセージ例7を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の引継支援システム100を含むネットワーク構成図である。図1に示す引継支援システム100(以下、システム100)は、顧客側担当者の情報について顧客側からの更新作業を促し、顧客側担当者の情報を確実に管理するコンピュータシステムである。ここでは一例として、本実施形態の引継支援システム100を、自社製品の納入先である顧客に対し保守サービスを提供する企業が運営するサーバ装置であるとして説明を行う。以降、前記企業をサービス提供元企業と称する。
【0014】
一方、前記サービス提供元企業から保守サービスの提供を受ける顧客の例としては、企業や官公庁などの組織を想定できる(勿論、複数人が同居する一般世帯であってもよい)。顧客側では、前記企業との連絡窓口となる担当者を決めて、前記保守サービスに関する業務を実行させているものとする。こうした顧客が利用する顧客側端末200は、前記システム100とネットワーク140を介して接続されている。顧客側端末200はディスプレイ等の出力装置、キーボードやマウスなどの入力装置を付帯したPCなど一般的な情報処理端末を想定できる。
【0015】
また、前記システム100、本実施形態の引継支援方法を実行するためのプログラム102をハードディスクドライブ等で構成される記憶部101に保持しており、CPU等で構成される制御部104が前記プログラム102を読み出して実行し、必要な機能を実装することになる。また、システム100は、外部からの入力を受け付けるインターフェイスたる入力部103、外部へ送出する情報の管理を担う出力部107、およびネットワーク104を介した前記顧客側端末200との通信処理を担う通信部107を備えている。
【0016】
なお、記憶部101には、前記プログラム102の他に、認証テーブル125、顧客情報テーブル126を記憶するものとする。これらテーブル125〜126のデータ構造例については後述する。また、認証テーブル125および顧客情報テーブル126を併せて、請求項に記載の「各顧客に関する認証情報と担当者情報を格納するテーブル」となる。つまり本実施形態では、説明の便宜上、「各顧客に関する認証情報と担当者情報を格納するテーブル」を、認証テーブル125と顧客情報テーブル126の2テーブルで構成している。
【0017】
続いて、本実施形態の引継支援システム100が備える機能について説明する。上述したように、以下に説明する機能は、例えば引継支援システム100が備えるプログラム102を実行することで実装される機能と言える。
【0018】
前記システム100は、顧客側端末200からの認証要求を受信し、当該認証要求が含む情報を前記認証テーブル125に照合して顧客に関する認証を実行する機能を有する。
【0019】
また、前記システム100は、前記認証に成功した場合、仮の認証情報を、例えばパスワードをランダムに生成する乱数発生プログラムなど、所定プログラムにより生成し、当該仮の認証情報と、現時点より所定期間後となる前記仮の認証情報の有効期限の情報を、前記認証テーブル125における該当顧客に関して設定する機能を有する。
【0020】
また、前記システム100は、顧客側端末200からの前記該当顧客に関する認証要求を受信し、当該認証要求が含む前記該当顧客に関する仮の認証情報を前記認証テーブル125に照合して、前記該当顧客に関する仮の認証情報に基づく認証を実行する機能を有する。
【0021】
また、前記システム100は、前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末200から入力された新担当者に関する情報を受信し、当該新担当者の情報で前記顧客情報テーブル126における該当顧客の担当者情報を更新する機能を有する。
【0022】
なお、前記システム100は、前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末200から入力された新認証情報を受信し、当該新認証情報で前記認証テーブル125における該当顧客の認証情報を更新するとしてもよい。
【0023】
−−−データ構造例−−−
次に、本実施形態のシステム100が用いるテーブルにおけるデータ構造例について説明する。ここで述べる各テーブルは、システム自身の備える記憶部101、或いはネットワーク経由で利用可能なハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置において格納されている。
【0024】
図2は本実施形態の引継支援システム100が利用する認証テーブル125のデータ構造例を示す図であり、図3は本実施形態の引継支援システム100が利用する顧客情報テーブル126のデータ構造例を示す図である。
【0025】
前記認証テーブル125は、顧客を一意に特定する顧客番号1201をキーとして、認証情報たるパスワード1202(図中では“PW”と表記。以下同じ)、仮の認証情報たる仮パスワード1203、仮パスワード有効期限1204、顧客側の担当者1205、顧客側の新担当者 1206、および本日日付1207の各情報が対応付けされたレコードの集合体となっている。但し、これら各情報は、当初から全て設定されている訳ではない。
【0026】
また、前記顧客情報テーブル126は、前記認証テーブル125での顧客番号1201と該当顧客に関しリンクする顧客番号1301をキーとして、顧客における担当者名 1302、その住所1303、所属する部署名1304、電話番号1305、およびメールアドレス1306といった担当者情報が対応付けされたレコードの集合体となっている。
【0027】
−−−処理手順例1−−−
以下、本実施形態における引継支援方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する引継支援方法に対応する各種動作は、前記システム100を構成するサーバ装置等が記憶部101から読み出して実行するプログラム102によって実現される。そして、このプログラム102は、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0028】
図4は本実施形態における引継支援方法の手順例1を示すフロー図である。まず、仮の認証情報たる仮パスワードの発行処理について説明することとする。また、前記顧客における担当者の引継が生じていたとする。この場合、顧客側端末200は、例えば現担当者からの指示を所定の入力インターフェイスにて受け、アクセス要求を前記システム100に送信する(s100)。
【0029】
システム100は、前記顧客側端末200からアクセス要求を受信し、記憶部101に予め保持していた初期画面データを読み出し、顧客側端末200に返す(s101)。顧客側端末200ではこの初期画面データを受信して出力インターフェイスにて表示することとなる。図7に、この初期画面1002の例を示している。
【0030】
また前記顧客側端末200は、初期画面1002において、入力インターフェイスを介し顧客番号10031とパスワード10032、およびOKボタン10033の入力を前記現担当者から受け付ける(s102)。この時の各情報の入力の様子を図8に示す。OKボタン10033の押下を受けた前記顧客側端末200は、前記初期画面1002にて得た顧客番号10031とパスワード10032を含む認証要求を前記システム100に送信する(s103)。
【0031】
一方、前記システム100は、顧客側端末200から前記認証要求を受信し、当該認証要求が含む情報、すなわち、顧客番号10031とパスワード10032を前記認証テーブル125に照合し、顧客に関する認証を実行する(s104)。この場合、前記システム100は、前記顧客側端末200から受信した顧客番号10031が認証テーブル125に存在するかマッチング処理を実行する。該当顧客番号が認証テーブル125にて存在すれば、前記パスワード10032が認証テーブル125上の該当顧客番号のレコードが示すパスワードと一致するか判定することになる。
【0032】
こうした認証処理を行った前記システム100は、認証に失敗した場合、すなわち事前登録された正当な顧客ではないと判定した場合(s104:NG)、処理を終了するか、或いは処理を前記ステップs101に戻す。他方、認証に成功した場合(s104:OK)、前記システム100は、記憶部101より「保守サポートトップ」画面のデータを呼び出し、前記顧客側端末200に送信する(s105)。
【0033】
顧客側端末200では前記「保守サポートトップ」画面のデータを受信して、出力インターフェイスにて、保守サポートトップ画面1005を表示する(s106)。図9に当該保守サポートトップ画面1005の表示例を示している。この保守サポートトップ画面1005において、前記現担当者が入力インターフェイスを介して「担当者引継申請ボタン」1006を押下した場合、顧客側端末200はこれを受けて担当者引継処理の要求を前記システム100に対して行う(s107)。
【0034】
前記システム100は、担当者引継処理の要求を前記顧客側端末200から受信すると、記憶部101から「担当者引継申請」画面のデータを呼び出し、前記顧客側端末200に返す(s108)。
【0035】
顧客側端末200では、前記システム100から担当者引継申請画面のデータを受信し、担当者引継申請画面1007を出力インターフェイスにて表示する(s109)。図10に該当画面の出力例を示している。また、前記顧客側端末200は、前記担当者引継申請画面1007において、入力インターフェイスを介して前記現担当者から、新担当者10081の入力と、OKボタン10082の押下を受け付ける(s110)。顧客側端末200は、新担当者10081の情報を前記システム100に送信する(s111)。
【0036】
一方、前記システム100は、前記顧客側端末200から前記新担当者10081の情報を受信し、この新担当者の情報を前記認証テーブル125の該当顧客番号行の新担当者欄10091に格納する(s112)。図12に、新担当者の名称が新担当者欄10091に格納された状況例を示している。
【0037】
また、前記システム100は、仮の認証情報すなわち仮パスワードを、例えば所定桁数で所定文字種のパスワードをランダムに生成する乱数発生プログラム(既存のものでよい)など、所定プログラムにより生成し、当該仮パスワードを旧担当者宛に連絡する(s113)。旧担当者への連絡は、顧客情報テーブル126において、該当顧客のレコード中よりメールアドレス1306を読み出して所定のメーラーに設定し、メール送信によって行う。図13にて、システム100が旧担当者宛に送信するメールの文面例を示している。
【0038】
また前記システム100は、前記ステップs113にて発行した仮パスワードと、本日日付に所定期間を加算して算定される仮パスワード有効期限を、認証テーブル125の該当顧客番号行に格納する(s114)。図14にて、認証テーブル125での仮パスワード10111と仮パスワード有効期限10112の設定例を示している。以上で仮パスワード発行の処理は終了する。
【0039】
−−−処理手順例2−−−
続いて、新担当者情報の設定処理について説明する。図5は本実施形態における引継支援方法の手順例2を示すフロー図であり、図6は本実施形態における引継支援方法の手順例3を示すフロー図であ。
【0040】
この場合まず、前記システム100は、顧客側端末200を介した新担当者のアクセス要求を受信し、前記初期画面1002のデータを記憶部101から読み出して顧客側端末200に返す(s200)。一方、顧客側端末200では、この初期画面1002のデータを受信し、初期画面1002を出力インターフェイスにて表示する(s201)。この初期画面1002にて、前記新担当者による顧客番号および仮パスワードの入力を入力インターフェイスを介して受け付けることとなる。図15に初期画面1002にて顧客番号11031および仮パスワード11032の入力を受け付けた際の画面例を示している。
【0041】
顧客側端末200は、前記初期画面1002にて受け付けた顧客番号11031および仮パスワード11032の情報を含む認証要求を、前記システム100に送信する(s202)。
【0042】
一方、前記システム100は、前記顧客番号11031及び仮パスワード11032を顧客側端末200から受信して認証テーブル125に照合し(図16参照)、認証処理を行う(s203)。この場合、前記システム100は、顧客側端末200から得た顧客番号が認証テーブル125に存在するかマッチング処理を実行する。該当顧客番号が認証テーブル125中に存在すれば、前記仮パスワードが、認証テーブル125での該当顧客番号のレコードの含む仮パスワード11042と一致するか判定することとなる。
【0043】
こうした認証処理の結果、前記顧客番号11031および仮パスワード11032が認証テーブル125に存在せず、認証に失敗した場合(s203:NG)、前記システム100は、処理を終了するか、或いは前記ステップs200に処理を戻す。但し、一定回数以上、前記認証処理に失敗すると(s204:YES)、前記システム100は所定のエラーメッセージ(図17参照)を顧客側端末200に返す(s205)。また、前記システム100は、前記旧担当者宛てに、仮パスワードによる認証に規定回数以上失敗した旨をメール(図18参照)にて連絡し(ss206)、処理を終了する。メール連絡の手法については、上述したものと同様である。
【0044】
他方、上記認証処理に成功した場合(s203:OK)、前記システム100は、本日日付11082と仮パスワード有効期限11081(図19に例示した認証テーブル125参照)を比較する(s207)。
【0045】
ここで、本日日付11082が仮パスワード有効期限11081を超えていた場合(s207:NG)、システム100は顧客側端末200に対し所定のエラーメッセージ(図20参照)を出力インターフェイスにて表示する(s208)。また、システム100は、旧担当者宛てに、担当者引継ぎが仮パスワードの有効期限内に行われなかった為に担当者引継ぎを最初からやり直すべき旨の所定メール(図21参照)を配信し(s209)、処理を終了する。
【0046】
上記s207の比較で、日付11082が仮パスワード有効期限11081内であれば(s207:OK)、システム100は顧客側端末200に対し、前記初期画面1002のデータを送信する(s210)。
【0047】
顧客側端末200では、前記初期画面1002のデータをシステム100から受信して出力インターフェイスに表示し、入力インターフェイスを介して新担当者によるパスワード変更ボタン1112の押下を受け付けることとなる(s211)。
【0048】
システム100は、前記顧客側端末200から新担当者による前記パスワード変更ボタン1112の押下事象を受信し、「パスワード変更」画面1113のデータを顧客側端末200に返す(s212)。
【0049】
顧客側端末200では、このパスワード変更画面1113のデータを受信して出力インターフェイスにて表示する(s213)。図23にこのパスワード変更画面1113の表示例を示している。顧客側端末200は、このパスワード変更画面1113において、入力インターフェイスを介して新担当者による、現在のパスワード(仮パスワード)11141、新パスワード11142、新パスワード(確認用)11143の入力と、OKボタン11144の押下を受け付ける(s214)。図24にて、現在のパスワード(仮パスワード)11141、新パスワード11142、新パスワード(確認用)11143の入力と、OKボタン11144の押下がなされる際のパスワード変更画面1113の例を示している。
【0050】
また、前記顧客側端末200は、前記ステップs214で受けた、現在のパスワード(仮パスワード)11141および新パスワード11142(および該当顧客番号)を含むパスワード変更要求を前記システム100に送信する(s215)。
【0051】
前記システム100は、前記顧客側端末200からパスワード変更要求を受信し、認証テーブル125の該当顧客番号行のパスワード欄において、旧パスワードを削除し新パスワードを格納し(図25参照)、また、仮パスワード11161、および仮パスワード有効期限11162の各情報を削除(図26参照)する(s216)。そしてシステム100は、顧客側端末200に対し、パスワード変更完了、担当者引継未完了の所定メッセージを送信する(s217)。このメッセージ例を図27に例示する。
【0052】
顧客側端末200は前記メッセージをシステム100から受信して、出力インターフェイスに表示することとなる。ここで、入力インターフェイスにて前記新担当者による、前記メッセージ中のOKボタン1118の押下があれば、これを受けた顧客側端末200は、前記OKボタン1118に設定されたリンクに対応して、前記保守サポートトップ画面1005の要求を前記システム100に行う(s218)。
【0053】
この場合、前記システム100は、顧客側端末200からの前記要求を受信し、保守サポートトップ画面1005のデータを記憶部101から読み出して、顧客側端末200に返す(s219)。顧客側端末200では、この保守サポートトップ画面1005のデータを受信して出力インターフェイスに表示する。図28はこの保守サポートトップ画面1005の表示例を示している。
【0054】
顧客側端末200は、前記保守サポートトップ画面1005において、入力インターフェイスを介した新担当者による担当者情報入力ボタン11191の押下を受けた場合、担当者情報入力要求をシステム100に送信する(s220)。
【0055】
一方、システム100は、前記顧客側端末200から担当者情報入力の要求を受けて、記憶部101から担当者情報入力画面1120のデータを読み出して、顧客側端末200からに返す(s221)。図29に担当者情報入力画面1120の表示例を示している。 顧客側端末200は、担当者情報入力画面1120を出力インターフェイスに表示し、この画面において、入力インターフェイスを介した新担当者による、新担当者名11211、その住所11212、所属する部署名11213、電話番号11214、およびメールアドレス11215の入力を受け付ける(s222)。図30にこうした入力がなされた際の担当者情報入力画面1120の例を示している。
【0056】
前記担当者情報入力画面1120にて、OKボタン11216の押下があれば、顧客側端末200は、新担当者名11211、その住所11212、所属する部署名11213、電話番号11214、およびメールアドレス11215の各情報を含む、担当者情報の更新要求をシステム100に送信する(s223)。
【0057】
システム100は、この更新要求を受信し、認証テーブル125での該当顧客番号行において、それまで設定されていた担当者名を削除し、新担当者の情報を担当者11221の欄に移管する(s224)。図31にて当該移管の例を示している。また、システム100は、顧客情報テーブル126において、該当顧客番号行における旧担当者情報(担当者名11231、住所11232、部署名11233、電話番号11234、メールアドレス11235)を削除し(図32参照)、新担当者情報で更新する(s225)。すなわち、担当者情報入力画面1120にて入力された新担当者名11211を担当者名11241に、住所11212を住所11242に、部署名11213を部署名11243に、電話番号11214を電話番号11244に、メールアドレス11215をメールアドレス11245に格納する(図33参照)。
【0058】
上記格納が完了すると、前記システム100は、担当者引継完了の所定メッセージ1125(図34参照)を前記顧客側端末200に送信するとともに(s226)、顧客側端末200から前記メッセージ1125でのOKボタン11251の押下を受信して(s227)処理を終了する。
【0059】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0060】
こうした本実施形態によれば、顧客側担当者の情報について顧客側からの更新作業を促し、顧客側担当者の情報を確実に管理することが可能となる。
【0061】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、前記引継支援システムにおいて、前記制御部は、前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末から入力された新認証情報を受信し、当該新認証情報で前記テーブルにおける該当顧客の認証情報を更新するものであるとしてもよい。
【符号の説明】
【0062】
100 引継支援システム
101 記憶部
102 プログラム
104 制御部
107 通信部
125 認証テーブル
126 顧客情報テーブル
140 ネットワーク
200 顧客側端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他装置と通信を行う通信部と、
各顧客に関する認証情報と担当者情報を格納するテーブルを記憶する記憶部と、
顧客側端末からの認証要求を受信し、当該認証要求が含む情報を前記テーブルに照合して顧客に関する認証を実行し、
前記認証に成功した場合、仮の認証情報を所定プログラムにより生成し、当該仮の認証情報と、現時点より所定期間後となる前記仮の認証情報の有効期限の情報を、前記テーブルにおける該当顧客に関して設定し、
顧客側端末からの前記該当顧客に関する認証要求を受信し、当該認証要求が含む前記該当顧客に関する仮の認証情報を前記テーブルに照合して、前記該当顧客に関する仮の認証情報に基づく認証を実行し、
前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末から入力された新担当者に関する情報を受信し、当該新担当者の情報で前記テーブルにおける該当顧客の担当者情報を更新する制御部と、
を備えることを特徴とする引継支援システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末から入力された新認証情報を受信し、当該新認証情報で前記テーブルにおける該当顧客の認証情報を更新するものであることを特徴とする請求項1に記載の引継支援システム。
【請求項3】
他装置と通信を行う通信部と、各顧客に関する認証情報と担当者情報を格納するテーブルを記憶する記憶部と、演算部を備えるコンピュータが、
顧客側端末からの認証要求を受信し、当該認証要求が含む情報を前記テーブルに照合して顧客に関する認証を実行し、
前記認証に成功した場合、仮の認証情報を所定プログラムにより生成し、当該仮の認証情報と、現時点より所定期間後となる前記仮の認証情報の有効期限の情報を、前記テーブルにおける該当顧客に関して設定し、
顧客側端末からの前記該当顧客に関する認証要求を受信し、当該認証要求が含む前記該当顧客に関する仮の認証情報を前記テーブルに照合して、前記該当顧客に関する仮の認証情報に基づく認証を実行し、
前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末から入力された新担当者に関する情報を受信し、当該新担当者の情報で前記テーブルにおける該当顧客の担当者情報を更新する、
ことを特徴とする引継支援方法。
【請求項4】
他装置と通信を行う通信部と、各顧客に関する認証情報と担当者情報を格納するテーブルを記憶する記憶部と、演算部を備えるコンピュータに、
顧客側端末からの認証要求を受信し、当該認証要求が含む情報を前記テーブルに照合して顧客に関する認証を実行する処理と、
前記認証に成功した場合、仮の認証情報を所定プログラムにより生成し、当該仮の認証情報と、現時点より所定期間後となる前記仮の認証情報の有効期限の情報を、前記テーブルにおける該当顧客に関して設定する処理と、
顧客側端末からの前記該当顧客に関する認証要求を受信し、当該認証要求が含む前記該当顧客に関する仮の認証情報を前記テーブルに照合して、前記該当顧客に関する仮の認証情報に基づく認証を実行する処理と、
前記仮の認証情報に基づく認証に成功した場合、前記顧客側端末から入力された新担当者に関する情報を受信し、当該新担当者の情報で前記テーブルにおける該当顧客の担当者情報を更新する処理と、
を実行させることを特徴とする引継支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2012−173962(P2012−173962A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34921(P2011−34921)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】