説明

強誘電体記憶装置およびその製造方法

【課題】強誘電体記憶装置の微細化を達成する。
【解決手段】基板10に形成されたトランジスタ部分50と、第一の層間膜60を介して上部に形成され、トランジスタ50のチャネル長方向に電極100間をむすぶ方向が沿うように配置された強誘電体キャパシタとを備え、前記強誘電体膜90の形成時に犠牲膜による溝を利用することにより、キャパシタの電極100間の距離をリソグラフィーによる加工寸法以下に微細化することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は強誘電体記憶装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
強誘電体記憶装置は不揮発性で記憶内容の書き換えが可能であり、種々の用途に広く用いられている。さらに用途を広げるためには、メモリサイズの大容量化とともにセルサイズの微細化が必須となっている。
【0003】
セルサイズの微細化を目的として、トランジスタのチャネル長方向と平行に沿うように強誘電体キャパシタの両電極を配置した、いわゆる縦型キャパシタ構造を施したものがある(例えば特許文献1参照。)。
【0004】
キャパシタの電極をシリコン基板と平行に配置したような平面型キャパシタの場合、セルの微細化に伴いキャパシタサイズも小さくなる。しかし、セルが微細化されても、ビット線に寄与する規制容量はキャパシタの縮小率に見合うほど小さくならない。従って、セルが微細化されるほど強誘電体キャパシタに蓄えられる電荷量に対してビット線の寄生容量がアンバランスに大きくなってしまう。
【0005】
本発明が対象にしている縦型のキャパシタでは、キャパシタ面積がキャパシタの高さできめられるため、セルが微細化されて素子の横方向のサイズが小さくなっても、ビット線の寄生容量にバランスした電極間容量を保つことができる。
【0006】
一方、強誘電体を反転させるために必要な電界は強誘電体材料に応じて決まっている。そこで、キャパシタに蓄えられている分極方向を反転させるのに必要な電圧を下げるためには、縦型キャパシタの場合、その強誘電体膜厚を薄くする必要がある。従来の加工技術ではキャパシタの電極間の距離はリソグラフィー技術の性能によって制御されているため、リソグラフィーで微細化の限界が決まってしまい、さらなるキャパシタの電極間の微細化が困難であり、従ってキャパシタの分極反転のための電圧をさげるのも困難であった。
【特許文献1】特開2002−289797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、微細化可能な強誘電体記憶装置およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の強誘電体記憶装置は、基板上に形成されたMISトランジスタと、前記MISトランジスタの上方に層間絶縁膜を介して形成され、前記MISトランジスタのチャネル長方向に電極間をむすぶ方向が沿うように配置された強誘電体キャパシタとを備え、前記強誘電体キャパシタの前記電極間の距離が前記MISトランジスタのゲート幅よりも短いことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様の強誘電体記憶装置の製造方法は、基板上にMISトランジスタを形成する工程と、前記MISトランジスタ上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に犠牲膜を形成する工程と、前記犠牲膜を加工する工程と、前記犠牲膜の側壁に強誘電体膜を形成する工程と、前記犠牲膜を除去する工程と、前記強誘電体膜の側壁に電極を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様の強誘電体記憶装置の製造方法は、基板上にMISトランジスタを形成する工程と、前記MISトランジスタ上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に第一の犠牲膜を形成する工程と、前記第一の犠牲膜を加工する工程と、前記第一の犠牲膜の側壁に第二の犠牲膜を形成する工程と、前記第一および第二の犠牲膜の間の溝を第三の犠牲膜で埋め込む工程と、前記第二の犠牲膜を除去する工程と、前記第二の犠牲膜を除去した後に形成される溝部に強誘電体膜を形成する工程と、前記第一および第三の犠牲膜を除去する工程と、前記第一および第三の犠牲膜を除去した後に形成される溝部に電極を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明の一態様の強誘電体記憶装置の製造方法は、基板上にMISトランジスタを形成する工程と、前記MISトランジスタ上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に第一の犠牲膜を形成する工程と、前記第一の犠牲膜を加工する工程と、前記第一の犠牲膜の側壁に第二の犠牲膜を形成する工程と、前記第一の犠牲膜を除去する工程と、前記第一の犠牲膜を除去した後に形成される溝部に電極を埋め込み形成する工程と、前記第二の犠牲膜を除去する工程と、前記第二の犠牲膜を除去した後に形成される溝部に強誘電体を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、微細化した強誘電体記憶装置およびその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明による実施例を説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1に係る強誘電体記憶装置の構造を示すビット線に沿う方向の断面図である。
【0015】
Siの基板10上にたとえばシリコン酸化膜あるいはシリコン窒素酸化膜からなるゲート絶縁膜20、たとえば不純物添加多結晶シリコンなどからなるゲート電極30、拡散層40からなるトランジスタ50が備えられている。ゲート電極30の周囲は第一の層間膜60によって絶縁されている。
【0016】
拡散層40上にはチタンやタングステンなどの導電材料によって埋め込まれたプラグ70があり、プラグ70の上部はキャパシタの電極100と電気的に接続されている。トランジスタ50のチャネル長方向に向かいあう位置関係で電極100が備えられている。電極100の材料としては、たとえばPt,RuO2,IrO2、Ti,TiNなどがある。
【0017】
トランジスタ50上には、第一の層間膜60を介してたとえばPZT(Pb(ZrxTi1−xO3))からなる強誘電体膜90が備えられている。強誘電体膜90の材料は、PZTでなくとも、SBT(SrBi2Ta2O9)、あるいはBLT((BiLa)4Ti3O12)およびこれらの材料にSr,Ba、Ca,La、Nb,W、Mg、Co,Fe,Ni,Mnなどの元素を添加した強誘電体材料などでもよい。電極100と強誘電体膜90は電気的に接続されている。
【0018】
トランジスタ50と、第一の層間膜60を介した強誘電体膜90および強誘電体膜90の向かい合う二つの電極100からなるキャパシタを1つのセルと定義する。
【0019】
隣り合うセル間は、たとえばSiO2、BPSG、BSG,PSGあるいはこれらのフッ素添加膜からなる第三の層間膜110によって絶縁されている。
【0020】
複数のセルが直列に接続された構成となっている構造をチェーン構造とよぶ。セルはたとえば8個直列に接続することが可能であり、8個でなくとも16個、32個またはそれ以上でも、また8個以下でもよい。また、チェーンの一端の拡散層は、この1チェーンを選択するか否かを決定するブロック選択トランジスタ(図示せず)を介してビット線130と接続している。チェーンの反対端はプレート線が接続され、さらに各セルは紙面に垂直な方向にゲート電極30を介してワード線に接続された構成になっている。
【0021】
強誘電体記憶装置の製造方法を図2から図4のビット線に沿う方向の工程断面図を用いて説明する。
【0022】
まず、基板10の上に絶縁膜、電極膜を堆積する。ここでフォトリソグラフィーとRIE(Reactive Ion Etching)により、電極膜を加工し、ゲート電極30を形成する。
【0023】
次に、例えばイオン注入法により、基板10中に不純物を注入し拡散層40を形成する。
【0024】
次に、ゲート電極の側部および上部を周囲から絶縁するために、この上に第一の層間膜60を堆積し、その上部をCMP(Chemical Mechanical Polishing)により平坦化する。ここまでの工程でゲート絶縁膜20、ゲート電極30、拡散層40からなるトランジスタ50が形成される。
【0025】
つぎに、拡散層40の上部にプラグ70を形成する工程に入る。プラグ70の形成方法は、フォトリソグラフィーとRIEを用い、プラグを形成する位置に相当する第一の層間膜60を基板10の表面までエッチングする。
【0026】
その後、CVD(Chemical Vapor Deposition)法でタングステンなどの高融点金属を堆積してプラグ内に埋め込み、表面を平坦化する。ここで、プラグ内壁におけるタングステンの酸化防止のために、コンタクトメタルとしてTiおよびTiNなどを堆積してもよい。また、プラグの上部にシリコン窒化膜などを堆積しておくと、後の工程で酸化雰囲気中における熱処理時にプラグの上部が酸化されるのを防ぐ効果があり好ましい。
【0027】
次に、プラグ上部をCMPにより平坦化したあとで、第二の層間膜80aを全面に堆積する。このときの第二の層間膜80aとしては、シリコン窒化膜をとシリコン酸化膜の積層を堆積する。シリコン窒化膜かシリコン酸化膜のいずれかの堆積膜でもよく、シリコン窒素酸化膜でもよい。シリコン窒化膜とシリコン酸化膜の積層の場合では、たとえば膜厚がそれぞれ約150nmであれば、後の工程で酸化雰囲気中でアニールする際のトランジスタの酸化防止としての効果が期待できる。
【0028】
また、第二の層間膜80aの一部として、さらにたとえば膜厚が約20nmの薄いアルミナ膜を堆積してもよい。このアルミナ層は、後でこの上に堆積する強誘電体膜を結晶化する際の結晶性を向上させる効果と、あとの工程で堆積する強誘電体膜と犠牲膜であるシリコン酸化膜との反応を防止する効果がある。薄いアルミナは、たとえばALCVD法(Atomic Layer CVD)やスパッタ法を用いて堆積する方法などがある。
【0029】
次に、平坦化した表面上に犠牲膜140を形成するための工程に入る。この犠牲膜140は後の工程で取り除かれ、残らない。この犠牲膜140は、たとえば約200nmの厚さのシリコン酸化膜を堆積する。
【0030】
次に、このシリコン酸化膜をフォトリソグラフィーとRIEによって加工し、図2(a)に示すように、溝150aを形成する。ここで、この犠牲膜140をRIEで加工する際には、下地にRIEエッチングのストッパーとして機能するような膜があることが望ましい。本実施例の場合は、下地膜中にシリコン窒化膜があるので、これをエッチングのストッパー層として利用することができる。また、薄いアルミナ層などを下地に堆積しておき、これをエッチングのストッパー層として利用することもできる。また、この犠牲膜140を加工して形成する溝150aは、隣り合う二つのプラグ70間であるように位置あわせを行うことが好ましい。
【0031】
次に図2(b)に示すように、犠牲膜140および溝150a上の全面に強誘電体膜90aを堆積する。ここでの犠牲膜140の側壁に堆積した膜の水平方向の厚さが、将来の強誘電体キャパシタの誘電体の水平方向の膜厚となるので、キャパシタの容量および駆動する電圧によって必要な電界が得られるように強誘電体90aの堆積膜厚を決定する。このとき、犠牲膜140の側壁の被覆率を高めるために、MOCVD(Metal Organic CVD)法を使うとよい。犠牲膜140の側壁には均一な膜厚で強誘電体膜90aを堆積することが望ましいが、犠牲膜140の側壁の上部と下部で異なる膜厚となる堆積膜であってもよい。また、犠牲膜140の角部で厚くてもよい。
【0032】
次に、RIEを用いて全面をエッチバックし、犠牲膜140の両側壁の強誘電体膜90aを第一の強誘電体膜90bおよび第二の強誘電体膜90cに分離し、溝150bを形成する(図3(a)参照)。このとき、第二の層間膜80a上にアルミナ膜が堆積されている場合には、溝150b部の下地アルミナ膜がRIEのエッチングストッパーとして使えるので好ましい。
【0033】
ここでフッ酸、フッ化アンモニウム、あるいは燐酸などを用いたウェットエッチング等の方法あるいはCDE(Chemical Dry Etching)を用いて、犠牲膜140および犠牲膜140の下部の第二の層間膜を除去し、溝150cを形成する。このとき、強誘電体膜の部分は図3(b)に示すように、第一の強誘電体膜90bと第二の強誘電体膜90cに完全に分離される。強誘電体90bと90cは隣り合う素子であり、犠牲膜140と接していた面が異なる点に特徴をもつが、以後共通して強誘電体膜90とよぶ。また、強誘電体膜90の下部の第二の層間膜80は除去されずに残る。
【0034】
ここで、熱処理により強誘電体膜90の結晶化を行ってもよい。熱処理条件として、たとえば、酸素雰囲気中でアニール温度が約700℃、約1時間である。
【0035】
次に図4(a)に示すように、溝150cおよび強誘電体膜90の全面にキャパシタ電極100aを堆積する。溝150cの底部で、電極100aとプラグ70とは電気的に接続している。電極100aの成膜方法は、溝150cの側壁と溝底部に段差被覆性よく堆積できるMOCVD法などが望ましいが、他の手法を用いてもよい。溝の上端部と底部で電極100aの膜厚が不均一であってもよい。次にフォトリソグラフィーとRIEにより、紙面前後方向に位置する同一ワード線上のセルの電極を分離する。
【0036】
次に電極100aの間の溝150cに第三の層間膜110を堆積し、溝150cを完全に埋め込んだ後、平坦化のためのCMPを行う。
【0037】
続いて、図4(b)に示されるように、強誘電体膜90の上部の電極100aが除去され電極100aが二つに分離されるまでCMPを行う。このとき第三の層間膜110の平坦化のためのCMP工程と強誘電体膜90の上部の電極100aを取り除くCMP工程は連続しておこなってもよい。
【0038】
次に、上部に第四の層間膜120を堆積しその表面をCMPで平坦に加工し、さらにその上部に導電材料を堆積し表面を平坦化してビット線130を形成する(図1参照)。この後、チェーン端のブロック選択トランジスタ(図示せず)を介してビット線130に接続し、チェーンの反対端をプレート線に接続する工程を通して、チェーン型強誘電体記憶装置が完成する。
【0039】
本実施例によれば、従来の強誘電体記憶装置とは異なり、強誘電体膜90の膜の幅、すなわち向かい合う両電極間の距離をリソグラフィー技術を用いずに加工することが可能となり、リソグラフィーの加工限界によらず強誘電体膜90の膜の幅、すなわち強誘電体キャパシタの容量を制御することが可能となる。これによって強誘電体キャパシタの微細化が可能になり、強誘電体キャパシタの電極間の距離がセルの最小加工寸法に制御することが可能となる。これにより、セルのトランジスタのゲート幅すなわち、ゲート電極30の加工寸法よりも微細な電極間距離の加工が可能となる。強誘電体キャパシタの電極間を微細にすることにより、さらに強誘電体記憶装置の駆動電圧を低減化することが可能になる。また、強誘電体キャパシタの電極間の距離をきわめて容易に制御できることから、キャパシタ特性のばらつきを抑制することが可能となる。
【実施例2】
【0040】
実施例1では犠牲膜140の側壁に強誘電体膜90を形成したが、実施例2では第一の犠牲膜と第二の犠牲膜を用いて形成する溝に強誘電体膜を堆積する点で実施例1と異なる。
【0041】
本発明の実施例2に係る強誘電体記憶装置の構造を示すビット線方向の断面は実施例1と同じ図1である。
【0042】
基板10上にゲート絶縁膜20、ゲート電極30、拡散層40からなるトランジスタ50が備えられている。ゲート電極30の周囲は第一の層間膜60によって絶縁されている。
【0043】
拡散層40上には導電材料によって埋め込まれたプラグ70があり、プラグ70の上部はキャパシタの電極100と電気的に接続されている。トランジスタ50のチャネル長方向に向かいあう位置関係で電極100が備えられている。
【0044】
トランジスタ50上には、第一の層間膜60を介してたとえばPZT(Pb(ZrxTi1−xO3))からなる強誘電体膜90が備えられている。電極100と強誘電体膜90は電気的に接続されている。
【0045】
トランジスタ50と、第一の層間膜60を介した強誘電体膜90および強誘電体膜90の向かい合う二つの電極100からなるキャパシタを1つのセルと定義する。隣り合うセル間は、第三の層間膜110によって絶縁されている。
【0046】
複数のセルが直列に接続されたチェーン構造を備え、チェーンの一端の拡散層はこの1チェーンを選択するか否かえを決定するブロック選択トランジスタ(図示せず)を介してビット線130と接続している。チェーンの反対端はプレート線が接続され、さらに各セルは紙面に垂直な方向にゲート電極30を介してワード線に接続された構成になっている。
【0047】
本実施例の製造方法を図5から図9のビット線に沿う方向の工程断面図を用いて説明する。
【0048】
まず、基板10の上に絶縁膜、電極膜を堆積する。ここでフォトリソグラフィーとRIEにより、電極膜を加工し、ゲート電極30を形成する。
【0049】
次に、イオン注入法により、基板10中に不純物を注入し拡散層40を形成する。
【0050】
次に、ゲート電極の側部および上部を周囲から絶縁するために、この上に第一の層間膜60を堆積し、その上部をCMPにより平坦化する。
【0051】
つぎに、拡散層40の上部の第一の層間膜60にプラグ70を形成し、CVD法などで導電材料を堆積してプラグ内に埋め込み、表面を平坦化する。
【0052】
次に、プラグ上部をCMPにより平坦化したあとで、第二の層間膜80を全面に堆積する。また、第二の層間膜80上に薄いアルミナ膜を全面に堆積してもよい。
【0053】
次に、平坦化した表面上に第一の犠牲膜140aを形成する。この第一の犠牲膜140aは後の工程で取り除かれ、残らない。この第一の犠牲膜140aは、たとえば約200nmの厚さのシリコン酸化膜を堆積し、このシリコン酸化膜をフォトリソグラフィーとRIEによって加工し、図5(a)に示すように、溝150aを形成する。ここで、この第一の犠牲膜140aをRIEで加工する際には、下地にRIEエッチングのストッパーとして機能するような膜があることが望ましい。本実施例の場合は、下地膜中にシリコン窒化膜があるので、これをエッチングのストッパー層として利用することができる。また、薄いアルミナ層などを下地に堆積しておき、これをエッチングのストッパー層として利用することもできる。また、この犠牲膜140を加工して形成する溝150aは、隣り合う二つのプラグ70間であるように位置あわせを行うことが好ましい。ここまでは実施例1と同様の工程である。
【0054】
次に図5(b)に示すように、第一の犠牲膜140aおよび溝150a上の全面にたとえばシリコン窒化膜からなる第二の犠牲膜160aを堆積する。このとき、犠牲膜140の側壁の被覆率を高めるために、MOCVD法などを使うとよい。第一の犠牲膜140aの側壁には均一な膜厚で第二の犠牲膜160aを堆積することが望ましいが、第一の犠牲膜140aの側壁に堆積した第二の犠牲膜160aの上部と下部で膜厚が異なる堆積膜であってもよい。また、第一の犠牲膜140aの角部で厚くてもよい。このとき、第一の犠牲膜140の側壁に堆積した第二の犠牲膜160aの水平方向の膜厚が将来形成される強誘電体膜の水平方向の膜厚に相当する。
【0055】
次に、図6(a)に示すように、RIEを用いて全面をエッチバックし、第一の犠牲膜140aの両側壁の第二の犠牲膜160aを分離し、溝150bを形成する。このとき、第二の層間膜80a上にアルミナ膜が堆積されている場合には、溝150b部の下地アルミナ膜がRIEのエッチングストッパーとして使えるので好ましい。
【0056】
次に図6(b)に示すように、加工された第一の犠牲膜140、第二の犠牲膜160上にたとえばシリコン酸化膜からなる第三の犠牲膜170aを全面に堆積し、溝150bを完全に埋め込む。このとき、溝150bの上部に完全に埋め込まれないボイドや凹んだ形状の窪み170bが形成される場合があるが、図6(b)に示すように、第三の犠牲膜170aの厚さが十分にあり、窪み170bの底部が第一の犠牲膜140aおよび第二の犠牲膜160aの高さに達していなければ第三の犠牲膜170が次のCMPの工程で平坦化されるので問題にならない。
【0057】
次にCMPにより、第三の犠牲膜170aを第一の犠牲膜140および第二の犠牲膜160と同じ高さまで削り、平坦化する(図7(a)参照)。
【0058】
ここで第二の犠牲膜160を除去するためのウェットエッチングあるいはCDEを行う。第二の犠牲膜160にシリコン窒化膜を用いた場合には、例えば高温の燐酸などをエッチングに使うことができる。これにより、図7(b)に示すように、第一の犠牲膜140と第三の犠牲膜170が交互に残り、その間には溝150cが形成される。
【0059】
次に、図8(a)に示すように溝150cを完全に埋めるように、強誘電体膜90dを堆積する。強誘電体膜90dの堆積方法としては、たとえばMOCVD法を用いることができる。また、強誘電体膜を形成する前に、第一の犠牲膜140と第三の犠牲膜170の表面に薄いアルミナなどの材料を堆積させておくと、強誘電体膜の堆積中に強誘電体膜と犠牲膜との反応を抑制する効果が期待できる。また、薄いアルミナを下地にした場合には、強誘電体膜を結晶化する際の結晶化を良くする効果も期待できる。
【0060】
次に、図8(b)に示すように、CMPによって強誘電体膜90dの一部を除去し、第一の犠牲膜140および第二の犠牲膜170と同じ高さまで強誘電体90を加工する。
【0061】
ここで、熱処理により強誘電体膜90の結晶化を行ってもよい。熱処理条件として、たとえば、酸素雰囲気中でアニール温度が約700℃、約1時間である。
【0062】
次に、第一の犠牲膜140および第三の犠牲膜170をエッチングにより除去する。さらに、第一の犠牲膜140および第三の犠牲膜170の下部の第二の層間膜80aも除去する。これにより、図9(a)に示すように、強誘電体膜90が独立した形状となる。
【0063】
この後の工程は実施例1の図4と同様であり、図9(b)に示すように、溝150dおよび強誘電体膜90全面にキャパシタの電極100aを堆積する。溝150dの底部で、電極100aとプラグ70とは電気的に接続している。電極100aの成膜方法は、溝150cの側壁と溝底部に段差被覆性よく堆積できるMOCVD法などが望ましいが、他の手法によってもよい。溝の上端部と底部で膜厚が不均一であってもよい。
【0064】
次にフォトリソグラフィーとRIEにより、紙面前後方向に位置する同一ワード線上のセルの電極を分離する。
【0065】
次に電極100aの間の溝150dに第三の層間膜110を堆積し、溝150dを完全に埋め込んだ後、図9(c)に示されるように、強誘電体膜90の上部の電極100aが除去され電極100が二つに分離されるまでCMPを行う。このとき第三の層間膜110の平坦化のためのCMP工程と強誘電体膜90の上部の電極100aを取り除くCMP工程は連続しておこなってもよい。
【0066】
次に、上部に第四の層間膜120を堆積しその表面をCMPで平坦に加工し、さらにその上部に導電材料を堆積し表面を平坦化してビット線130を形成する(図1参照)。この後、チェーン端のブロック選択トランジスタ(図示せず)を介してビット線130に接続し、チェーンの反対端をプレート線に接続する工程を通して、チェーン型強誘電体記憶装置が完成する。
【0067】
本実施例によれば、実施例1の効果に加えて、さらに以下のような効果が期待される。すなわち、実施例1では犠牲膜140の側壁を利用して強誘電体膜を堆積しているため、片側のみが犠牲膜140と接して形成されることになる。犠牲膜140と接している面と接していない面では強誘電体膜の結晶成長性が異なる可能性が高く、これにより強誘電体キャパシタの電気的特性が、電圧を印加する極性によって非対称となる可能性が高い。これに比較して実施例2の方法では、第二の犠牲膜140および第三の犠牲膜170を用いることにより、強誘電体膜90の左右の面がほぼ同じ条件下で結晶成長させることが可能となり、上記のような電気的特性の極性が発生する可能性が低くなる。
【実施例3】
【0068】
実施例1および実施例2では、犠牲膜を用いて形成した溝に強誘電体膜を堆積し、その後で電極を形成したが、実施例3では犠牲膜を用いて形成した溝に先に電極を堆積し、後から強誘電体膜を堆積する点で異なっている。
【0069】
本発明の実施例3に係る強誘電体記憶装置の構造を示すビット線に沿う方向の断面図を図10に示す。
【0070】
基板10上にゲート絶縁膜20、ゲート電極30、拡散層40からなるトランジスタ50が備えられている。ゲート電極30の周囲は第一の層間膜60によって絶縁されている。拡散層40上にはプラグ70があり、プラグ70の上部はキャパシタの電極100と電気的に接続されている。トランジスタ50のチャネル長方向に向かいあう位置関係で電極100が備えられている。
【0071】
トランジスタ50上には、第一の層間膜60を介して強誘電体膜90が備えられている。電極100と強誘電体膜90は電気的に接続されている。隣り合うセル間は、電極によって完全に埋め込まれ、セル間に層間膜を用いていない点で実施例1および実施例2と異なっている。
【0072】
複数のセルが直列に接続されたチェーン構造を備え、チェーンの一端の拡散層はこの1チェーンを選択するか否かえを決定するブロック選択トランジスタ(図示せず)を介してビット線130と接続している。チェーンの反対端はプレート線が接続され、さらに各セルは紙面に垂直な方向にゲート電極30を介してワード線に接続された構成になっている。
【0073】
本実施例の製造方法を図11から図13のビット線に沿う方向の工程断面図を用いて説明する。
【0074】
まず、基板10の上に絶縁膜、電極膜を堆積する。ここでフォトリソグラフィーとRIEにより、電極膜を加工し、ゲート電極30を形成する。
【0075】
次に、イオン注入法により、基板10中に不純物を注入し拡散層40を形成する。
【0076】
次に、ゲート電極の側部および上部を周囲から絶縁するために、この上に第一の層間膜60を堆積し、その上部をCMPにより平坦化する。
【0077】
次に、拡散層40の上部の第一の層間膜60にプラグ70を形成し、CVD法などで導電材料を堆積してプラグ内に埋め込み、表面を平坦化する。
【0078】
次に、プラグ上部をCMPにより平坦化したあとで、第二の層間膜80を全面に堆積する。また、第二の層間膜80上に薄いアルミナ膜を全面に堆積してもよい。
【0079】
次に、平坦化した表面上に第一の犠牲膜140aを堆積し、RIEにより加工する。さらに第一の犠牲膜140aおよび溝150a上全面に第二の犠牲膜160aを堆積し、CMPを行う(図11(a)参照)。このとき、第一の犠牲膜140の側壁に堆積した第二の犠牲膜160aの膜厚が将来形成される強誘電体膜の膜厚に相当する。
【0080】
ここで、図11(b)に示すように、CDEやウェットエッチングを用いて第一の犠牲膜140を除去し、さらに、第一の犠牲膜140の下部にある第二の層間膜80も除去し、溝150bを形成する。ここまでは実施例2と同様である。
【0081】
次に、図12(a)に示すようにこの溝150bを完全に埋め込むように、電極100bを堆積し、CMPにより表面を平坦化する。この電極100bの堆積方法としては、たとえばMOCVD法が用いられる。また、電極100bの材料として、たとえばPt,Ir,SRO(SrRuO3)やLSCO((La Sr)CoO3)またはLaNiO3などを用いることができる。この後の工程で堆積する強誘電体膜とこれらの電極材料が反応しにくいことが好ましい。溝150bの底部で、電極100bとプラグ70とは電気的に接続している。
【0082】
次に、第二の犠牲膜160をCDEまたはウェットエッチング法を用いて除去し、溝150eを形成する。このとき、第二の犠牲膜160の下部にあたる溝190の底部分にある第二の層間膜80は除去せずに残しておく(図12(b)参照)。
【0083】
ここで、溝150eを完全に埋め込むように強誘電体膜90eを堆積する(図13(a)参照)。強誘電体膜180の堆積方法としては、たとえばMOCVD法を用いることができる。そして、CMPにより強誘電体膜90eの表面を電極100bと同じ高さまで削る。
【0084】
ここで、熱処理により強誘電体膜90の結晶化を行ってもよい。熱処理条件として、たとえば、酸素雰囲気中でアニール温度が約700℃、約1時間である。
【0085】
次にフォトリソグラフィーとRIEにより、紙面前後方向に位置する同一ワード線上のセルの電極を分離する。
【0086】
次に、上部に第四の層間膜120を堆積しその表面をCMPで平坦に加工し、さらにその上部に導電材料を堆積し表面を平坦化してビット線130を形成する(図10参照)。この後、チェーン端のブロック選択トランジスタ(図示せず)を介してビット線130に接続し、チェーンの反対端をプレート線に接続する工程を通して、チェーン型強誘電体記憶装置が完成する。
【0087】
本実施例によれば、実施例1および実施例2の効果に加えて、さらに以下のような効果が期待される。すなわち、実施例1および実施例2では、先に強誘電体膜90を犠牲膜からなる溝中に埋め込んでいるため、強誘電体膜の堆積時に犠牲膜表面と強誘電体膜との反応が起こらないように注意する必要がある。たとえば、犠牲膜表面に強誘電体膜との反応を抑制するために薄いアルミナ膜を堆積するなどの方法をとることができる。しかし、実施例3では強誘電体膜を埋め込む溝はたとえばPt、Ir,Ru,Laなどを含む各種金属材料を用いることが可能であり、これらの電極材料と強誘電体膜は直接堆積しても反応が起きにくいので、上記のような注意を払う必要がない。
【0088】
なお、実施例3の電極100bを埋め込む工程で、電極材料による溝150bの埋め込みが不完全な場合には、溝150bの中央部に溝形状の“す”が形成され、強誘電体膜を堆積する工程でこの“す”にも強誘電体膜が入り込む可能性があり、この場合図13(b)に示すような形状になるが、電極100bの一部に強誘電体膜が入ることによる悪影響はないので、このような構造であってもよい。また、このような“す”の形状を避けるために電極材料100bを厚く堆積する方法もあるが、工程のスループットなどから考えて現実的でない場合には、電極の中央部に隙間形状の“す”をのこし、ここにPZTなどの強誘電体膜を埋め込むことも可能である。
【実施例4】
【0089】
実施例4は実施例3のプラグ形成の工程を第二の層間膜堆積の工程後に入れ替えた場合である。
【0090】
本発明の実施例4に係る強誘電体記憶装置の構造を示すビット線に沿う方向の断面図を図14に示す。
【0091】
基板10上にゲート絶縁膜20、ゲート電極30、拡散層40からなるトランジスタ50が備えられている。ゲート電極30の周囲は第一の層間膜60bによって絶縁されている。拡散層40上にはプラグ70bがあり、プラグ70bの上部はキャパシタの電極100と電気的に接続されている。トランジスタ50のチャネル長方向に向かいあう位置関係で電極100が備えられている。
【0092】
トランジスタ50上には、第一の層間膜60を介して強誘電体膜90が備えられている。電極100と強誘電体膜90は電気的に接続されている。第二の層間膜がプラグ70bの部分のみ除去され加工されている点で実施例3と異なっている。
【0093】
複数のセルが直列に接続されたチェーン構造を備え、チェーンの一端の拡散層はこの1チェーンを選択するか否かえを決定するブロック選択トランジスタ(図示せず)を介してビット線130と接続している。チェーンの反対端はプレート線が接続され、さらに各セルは紙面に垂直な方向にゲート電極30を介してワード線に接続された構成になっている。
【0094】
本実施例の製造方法を図15から図17のビット線に沿う方向の工程断面図を用いて説明する。
【0095】
まず、基板10の上に絶縁膜、電極膜を堆積する。ここでフォトリソグラフィーとRIEにより、電極膜を加工し、ゲート電極30を形成する。次に、イオン注入法により、基板10中に不純物を注入し拡散層40を形成する。次に、ゲート電極の側部および上部を周囲から絶縁するために、この上に第一の層間膜60を堆積し、その上部をCMPにより平坦化する。ここまでは実施例3と同様である。
【0096】
ここで、第二の層間膜60を全面に堆積する。また、第二の層間膜60上に薄いアルミナ膜を全面に堆積してもよい。次に、第二の層間膜60をフォトリソグラフィーおよびRIEによってプラグ部分を加工し、CVD法などで導電材料を堆積してプラグ内に埋め込み、表面を平坦化してプラグ70bを形成する。このように、プラグ70b部分以外の第二の層間膜を残すことによって第二の層間膜上に強誘電体膜90を形成するときに強誘電体膜90の結晶方位の制御性が良くなる効果がある。
【0097】
次に、平坦化した表面上に第一の犠牲膜140aを堆積し、RIEにより加工する。さらに第一の犠牲膜140aおよび溝150a上全面に第二の犠牲膜160aを堆積する(図15(a)参照)。このとき、第一の犠牲膜140の側壁に堆積した第二の犠牲膜160aの膜厚が将来形成される強誘電体膜の膜厚に相当する。
【0098】
ここで、図15(b)に示すように、CDEやウェットエッチングを用いて第一の犠牲膜140を除去する。このとき、実施例4ではあらかじめ第一の犠牲膜の下には第二の層間膜80は取り除かれている。これ以降の工程は実施例3と同様である。
【0099】
まず、図16(a)に示すようにこの溝150bを完全に埋め込むように、電極100dを堆積し、CMPにより表面を平坦化する。この電極100dの堆積方法としては、たとえばMOCVD法が用いられる。また、電極100dの材料として、たとえばIrやPtを用いる。溝150bの底部で、電極100dとプラグ70と電気的に接続している。
【0100】
次に、第二の犠牲膜160をCDEまたはウェットエッチング法を用いて除去し、溝150fを形成する。
【0101】
ここで、溝150fを完全に埋め込むように強誘電体膜90fを堆積する。強誘電体膜90fの堆積方法としては、たとえばMOCVD法を用いることができる。そして、CMPにより強誘電体膜90fの表面を電極100dと同じ高さまで削る(図17(a)参照)。
【0102】
ここで、熱処理により強誘電体膜90の結晶化を行ってもよい。熱処理条件として、たとえば、酸素雰囲気中でアニール温度が約700℃、約1時間である。
【0103】
次にフォトリソグラフィーとRIEにより、紙面前後方向に位置する同一ワード線上のセルの電極を分離する。
【0104】
次に、上部に第四の層間膜120を堆積しその表面をCMPで平坦に加工し、さらにその上部に導電材料を堆積し表面を平坦化してビット線130を形成する(図14(a)参照)。この後、チェーン端のブロック選択トランジスタ(図示せず)を介してビット線130に接続し、チェーンの反対端をプレート線に接続する工程を通して、チェーン型強誘電体記憶装置が完成する。
【0105】
本実施例によれば、実施例1から実施例3の効果に加えて、さらに以下のような効果が期待される。すなわち、プラグ70b部分以外の第二の層間膜を残すことによって強誘電体膜90の結晶方位の制御性が良くなる効果がある。
【0106】
なお、実施例4の電極100bを埋め込む工程でも実施例3と同様に、溝150bの中央部に溝形状の“す”が形成され、この“す”にも強誘電体膜が入り込んだ図17(b)のような形状になる可能性があるが、問題はない。
【0107】
なお、本発明は以上の構成に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、電極の材料はRuなどの金属材料でもよく、IrO2、RuO2などの導電性のある酸化物で形成してもよい。各実施例では、チェーン型強誘電体記憶装置について説明したが、本発明はチェーン型ではないコンベンショナルな強誘電体記憶装置にも適用できる。また、チェーン型、コンベンショナル型いずれの場合にも、1トランジスタ/1キャパシタ(1T1C)構造、2トランジスタ/2キャパシタ(2T2C)構造(ISSCC 1998 p130等に記載されている方式)および1トランジスタ/2キャパシタ(1T2C)構造を備える強誘電体記憶装置にも適用できる。また、各種立体スタック構造にも適用できる。本発明の用紙を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】実施例1に係る誘電体記憶装置の構造を示す断面図。
【図2】実施例1に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図3】実施例1に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図4】実施例1に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図5】実施例2に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図6】実施例2に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図7】実施例2に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図8】実施例2に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図9】実施例2に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図10】実施例3に係る誘電体記憶装置の構造を示す断面図。
【図11】実施例3に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図12】実施例3に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図13】実施例3に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図14】実施例4に係る誘電体記憶装置の構造を示す断面図。
【図15】実施例4に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図16】実施例4に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【図17】実施例4に係る誘電体記憶装置の製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
【0109】
10 基板
20 ゲート絶縁膜
30 ゲート電極
40 拡散層
50 トランジスタ
60 60b 第一の層間膜
70、70b プラグ
80、80a第二の層間膜
90、90a、90d〜90g 強誘電体膜
90b 第一の強誘電体膜
90c 第二の強誘電体膜
100、100a、100b、100d 電極
110 第三の層間膜
120 第四の層間膜
130 ビット線
140 犠牲膜
150a〜150f 溝
160a〜160c 第二の犠牲膜
170 第三の犠牲膜
170b 窪み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成されたMISトランジスタと、
前記MISトランジスタの上方に層間絶縁膜を介して形成され、前記MISトランジスタのチャネル長方向に電極間をむすぶ方向が沿うように配置された強誘電体キャパシタとを備え、
前記強誘電体キャパシタの前記電極間の距離が前記MISトランジスタのゲート幅よりも短いことを特徴とする強誘電体記憶装置。
【請求項2】
前記強誘電体キャパシタの前記電極がPt、Ir、Ru、Laのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1記載の強誘電体記憶装置。
【請求項3】
基板上にMISトランジスタを形成する工程と、
前記MISトランジスタ上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に犠牲膜を形成する工程と、
前記犠牲膜を加工する工程と、
前記犠牲膜の側壁に強誘電体膜を形成する工程と、
前記犠牲膜を除去する工程と、
前記強誘電体膜の側壁に電極を形成する工程と
を備えることを特徴とする強誘電体記憶装置の製造方法。
【請求項4】
基板上にMISトランジスタを形成する工程と、
前記MISトランジスタ上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に第一の犠牲膜を形成する工程と、
前記第一の犠牲膜を加工する工程と、
前記第一の犠牲膜の側壁に第二の犠牲膜を形成する工程と、
前記第一および第二の犠牲膜の間の溝を第三の犠牲膜で埋め込む工程と、
前記第二の犠牲膜を除去する工程と、
前記第二の犠牲膜を除去した後に形成される溝部に強誘電体膜を形成する工程と、
前記第一および第三の犠牲膜を除去する工程と、
前記第一および第三の犠牲膜を除去した後に形成される溝部に電極を形成する工程とを備えることを特徴とする強誘電体記憶装置の製造方法。
【請求項5】
基板上にMISトランジスタを形成する工程と、
前記MISトランジスタ上に絶縁膜を形成する工程と、
前記絶縁膜上に第一の犠牲膜を形成する工程と、
前記第一の犠牲膜を加工する工程と、
前記第一の犠牲膜の側壁に第二の犠牲膜を形成する工程と、
前記第一の犠牲膜を除去する工程と、
前記第一の犠牲膜を除去した後に形成される溝部に電極を埋め込み形成する工程と、
前記第二の犠牲膜を除去する工程と、
前記第二の犠牲膜を除去した後に形成される溝部に強誘電体を形成する工程とを備えることを特徴とする強誘電体記憶装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−352005(P2006−352005A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−179172(P2005−179172)
【出願日】平成17年6月20日(2005.6.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】