説明

弾性樹脂シートの固定構造及び固定方法

【課題】弾性樹脂シートのうち溶着部分の窪みを従来より浅くし又は無くすことが可能な弾性樹脂シートの固定構造及び固定方法を提供する。
【解決手段】本発明の「弾性樹脂シートの固定構造」を備えたエンジンカバー21は、溶着用突部25を突出形成して備え、各溶着用突部25の先端面にPET製の不織布23Sが振動溶着している。このように本発明では、PET製の不織布23Sの溶着相手である溶着用突部25がエンジンカバー21から突出して容易に溶け得るので、振動による加熱時間が短くなり、不織布23Sの溶ける量を抑えることができる。これにより、PET製の不織布23Sのうち溶着部分の窪みを従来より浅くしすることが可能になり、溶着部分の近傍でも不織布23Sの繊維間に空間が多く確保されて防音性が高められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製のベース部材に弾性樹脂シートを固定した弾性樹脂シートの固定構造及び固定方法に関し、特にPET製の不織布を弾性樹脂シートとしてベース部材に振動溶着する固定構造及び固定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の弾性樹脂シートの固定方法として、ベース部材に弾性樹脂シートを敷設し、軸状の振動溶着ツールを弾性樹脂シートに突き当て、ベース部材における任意の位置に弾性樹脂シートの一部を振動溶着する固定方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−216962号公報(段落[0011]〜[0013]、図2(b))
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した従来の弾性樹脂シートの固定方法では、溶着部分において弾性樹脂シートが厚さ方向全体で溶け、弾性樹脂シートの一部に深い窪みが形成される。このため、弾性樹脂シートの吸音性や弾力性が溶着部分及びその近傍で損なわれると共に、弾性樹脂シートに内部応力が発生して弾性樹脂シートが破断し易くなるという問題が生じていた。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、弾性樹脂シートのうち溶着部分の窪みを従来より浅くし又は無くすことが可能な弾性樹脂シートの固定構造及び固定方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る弾性樹脂シート(23S)の固定構造は、合成樹脂製のベース部材(21)を弾性樹脂シート(23S)で覆って固定した弾性樹脂シート(23S)の固定構造において、ベース部材(21)のうち弾性樹脂シート(23S)にて覆われる部分から溶着用突部(25,25V〜25Z)を突出形成し、溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面に弾性樹脂シート(23S)を振動溶着したところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定構造において、ベース部材(21)は、騒音源を覆う防音カバー(21)であり、弾性樹脂シート(23S)は、PET製の不織布(23S)であるところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定構造において、溶着用突部(25,25V〜25Y)は、複数の突片(25A〜25C)又は突起(25D)の集合体であるところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項3に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定構造において、溶着用突部(25)は、複数の突片(25A,25B)を交差してなるところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1又は2に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定構造において、溶着用突部(25V,25Z)は、筒体であるところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明に係る弾性樹脂シート(23S)の固定方法は、合成樹脂製のベース部材(21)を弾性樹脂シート(23S)で覆って固定した弾性樹脂シート(23S)の固定方法において、ベース部材(21)から溶着用突部(25,25V〜25Z)を突出させておき、ベース部材(21)を弾性樹脂シート(23S)で覆い、先端部が棒状になった振動溶着ツール(50)を弾性樹脂シート(23S)に突き当て、その振動溶着ツール(50)の先端面と溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面との間で弾性樹脂シート(23S)を押し潰した状態にして振動溶着ツール(50)を振動させ、溶着用突部(25,25V〜25Z)に弾性樹脂シート(23S)を振動溶着するところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項6に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定方法において、溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面を、振動溶着ツール(50)の先端面より広くしておくところに特徴を有する。
【0012】
ここで、「溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面が、振動溶着ツール(50)の先端面より広い」ということは、溶着用突部(25,25V〜25Z)を構成する複数の突片(25A〜25C)又は突起(25D)が分布した領域内に、振動溶着ツール(50)の先端面が含まれる大きさであることをいう。
【発明の効果】
【0013】
[請求項1の発明]
請求項1の構成によれば、弾性樹脂シート(23S)の溶着相手である溶着用突部(25,25V〜25Z)がベース部材(21)から突出して容易に溶け得るので、振動による加熱時間が短くなり、弾性樹脂シート(23S)の溶ける量を抑えることができる。これにより、弾性樹脂シート(23S)のうち溶着部分の窪みを従来より浅くし又は無くすことが可能になる。
【0014】
[請求項2の発明]
請求項2の構成では、弾性樹脂シート(23S)がPET製の不織布(23S)であるので、騒音を減衰させるための吸音材として利用することができる。なお、本願発明者は、実験によりPET製の不織布(23S)は8[kHz]の騒音の吸音材として適していることを見いだした。従って、請求項2の構成によれば、防音カバー(21)にPET製の不織布(23S)を固定したことで、8[kHz]の騒音を効果的に減衰させることができる。
【0015】
[請求項3,4及び5の発明]
請求項3及び5の構成のように、複数の突片(25A〜25C)又は突起(25D)の集合体又は筒体で溶着用突部(25,25V〜25Z)を構成したので、溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面を容易に溶かすことができる。また、請求項4の構成のように、複数の突片(25A,25B)を交差して溶着用突部(25)を構成すれば、それら突片(25A,25B)同士が互いに補強し合って強度が増し、その分、各突片(25A,25B)の板厚を薄くすることが可能になり、溶着用突部(25)を溶け易くすることができる。
【0016】
[請求項6の発明]
請求項6の発明に係る弾性樹脂シート(23S)の固定方法では、ベース部材(21)から溶着用突部(25,25V〜25Z)を突出させておき、振動溶着ツール(50)の先端面と溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面との間で弾性樹脂シート(23S)を押し潰した状態にして振動溶着ツール(50)を振動させる。すると、溶着用突部(25,25V〜25Z)と弾性樹脂シート(23S)とが摩擦熱によって溶けて互いに溶着する。ここで弾性樹脂シート(23S)の溶着相手である溶着用突部(25,25V〜25Z)はベース部材(21)から突出して容易に溶け得るので、振動による加熱時間が短くなり、弾性樹脂シート(23S)の溶ける量を抑えることができる。これにより、弾性樹脂シート(23S)のうち溶着部分の窪みを従来より浅くし又は無くすことが可能になる。
【0017】
[請求項7の発明]
請求項7の構成によれば、溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面を振動溶着ツール(50)の先端面より広くしたので、振動溶着ツール(50)の位置がばらついても、溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面内に振動溶着ツール(50)の先端面が収まり、溶着強度が安定する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。
図1には、本発明の「ベース部材」及び「防音カバー」に相当する合成樹脂製のエンジンカバー21が示されている。このエンジンカバー21は、エンジン10の上面を覆った状態にして、エンジン10又はその近傍部品に図示しない螺子にて固定されている。また、エンジン10は、例えば、直噴V型エンジンであって、上端部に1対のシリンダヘッド11,11を備え、それらシリンダヘッド11,11の間にインテークマニホールド12が組み付けられている。エンジン10の各シリンダ13には図示しない燃料噴射弁と空気供給弁とが備えられ、インテークマニホールド12にはそれら燃料噴射弁と空気供給弁とに接続されたパイプが備えられている。そして、燃料噴射弁に一端部が接続されたパイプの他端部には高圧ポンプが接続されている。
【0019】
エンジンカバー21は、エンジン10との対向面にウレタン吸音部22及びPET吸音部23を備えている。図2には、ウレタン吸音部22及びPET吸音部23が形成される前のエンジンカバー21を下面側から見た状態が示されている。同図に示すように、エンジンカバー21は、略矩形状の主板部21Aの外縁部から囲壁21Bを下方(図2では上方)に突出させた構造になっている。エンジンカバー21の下面のうち左右方向(1対のシリンダヘッド11,11の並び方向)の中央部分には、領域区画リブ21Cが形成されている。領域区画リブ21Cは略U字形をなし、そのU字の1対の対向辺に相当する部分が、主板部21Aにおける一端側の外縁部から他端側の外縁部に向かって途中まで延び、それらの先端間を連絡するリブによってU字の底辺が構成されている。
【0020】
エンジンカバー21の下面のうち領域区画リブ21Cの内側領域を除いた全体には、補強リブ21Dが張り巡らされている。この補強リブ21Dを備えた領域全体にウレタン発泡樹脂22Jがモールド成形されて図3に示したウレタン吸音部22になっている。そして、ウレタン吸音部22は、エンジン10の1対のシリンダヘッド11,11とインテークマニホールド12の一端部とに宛がわれている。また、ウレタン吸音部22には図示しない凹凸部が形成され、これら凹凸部をシリンダヘッド11及びインテークマニホールド12の上面の凹凸部に凹凸係合させて、ウレタン吸音部22全体がシリンダヘッド11及びインテークマニホールド12の一部に密着している(図6参照)。
【0021】
図2に示すようにエンジンカバー21の下面のうち領域区画リブ21Cの内側領域には、複数の溶着用突部25が散在して設けられている。溶着用突部25は、図4に拡大して示すように、エンジンカバー21の下面から突出した複数の突片25A,25Bを格子状に交差してなる。詳細には、溶着用突部25は、エンジンカバー21の下面から突出しかつ互いに平行になって第1の水平方向(図4のH1の方向)に延びた1対の突片25A,25Aと、第1の水平方向と直交した第2の水平方向(図4のH2の方向)に延びた1対の突片25B,25Bとを交差させてなり、全体の平面形状が「#」字形又は漢字の「井」字形になっている。また、各突片25A,25Bの水平方向の長さを、後述する振動溶着ツール50(図5(A)参照)の先端面の直径より長くして、溶着用突部25を構成する複数の突片25A,25Bが分布した領域内に、振動溶着ツール50の先端面が含まれる大きさになっている。即ち、溶着用突部25の先端面が、後述する振動溶着ツール50の先端面より広くなっている。さらに、各突片25A,25Bの板厚は、主板部21A、補強リブ21Dや領域区画リブ21Cより薄くなっている。
【0022】
エンジンカバー21の下面(本発明の「シート固定面」に相当する)のうち領域区画リブ21Cの内側領域は、本発明の「弾性樹脂シート」に相当するPET(ポリエチレンテレフタレート)製の不織布23Sで覆われ、PET吸音部23になっている。また、不織布23Sは、上記した溶着用突部25の先端面に振動溶着されてエンジンカバー21に固定されている。
【0023】
エンジンカバー21のうちPET吸音部23はエンジン10のインテークマニホールド12の上面に宛がわれると共に、前述の如くウレタン吸音部22はシリンダヘッド11及びインテークマニホールド12の一部に宛がわれる。そして、エンジン10を駆動した際にシリンダヘッド11,11から発生する騒音をウレタン吸音部22で吸音すると共に、インテークマニホールド12からの騒音をPET吸音部23で吸音する。ここで、直噴V型のエンジン10におけるインテークマニホールド12からは、8[kHz]の周波数の音を主成分とした騒音が発生しており、本実施形態によりばインテークマニホールド12からの騒音をPET製の不織布23Sにて効果的に減衰させることができる。
【0024】
さて、上記エンジンカバー21においてPET製の不織布23Sの固定方法は、以下の通りである。即ち、図5(A)に示すように領域区画リブ21Cの内側領域に不織布23Sを敷設し、先端部が棒状になった振動溶着ツール50を、不織布23Sに突き当て、その振動溶着ツール50の先端面と溶着用突部25の先端面との間で不織布23Sを押し潰した状態にする。そして、この状態で、所定時間、振動溶着ツール50を振動させることで、不織布23Sと溶着用突部25との当接部分を加熱してから振動溶着ツール50を離脱する。
【0025】
ここで、図5(B)に示すように、溶着用突部25を備えずにエンジンカバー21の下面の一部に不織布23Sを押し付けて振動を付与した場合には、エンジンカバー21のうち不織布23Sを押し付けた部分の周りが高温にならなければ、不織布23Sを押し付けた部分が溶けない。従って、振動による加熱時間が比較的長くなり、不織布23Sの溶ける量も多くなる。このため、図5(B)に示したように、不織布23Sのうち振動溶着ツール50に押し潰された部分における厚さ方向の全体が溶けて、深い窪みが形成された状態になる。即ち、溶着部分及びその近傍が押し潰された状態が維持されて、繊維間の空間が減って防音性が低下する。
【0026】
これに対し、本実施形態のエンジンカバー21では、不織布23Sを溶着した溶着用突部25がエンジンカバー21から突出しているので容易に溶け、振動による加熱時間が比較的短くなり、不織布23Sの溶ける量を抑えることができる。これにより、図5(A)に示すように、振動溶着ツール50を不織布23Sから離すと、不織布23Sが復元し、振動溶着された部分に浅く緩やかな窪みだけが残る。即ち、本実施形態によれば、不織布23Sのうち溶着部分の窪みを従来より浅くすることが可能になり、溶着部分の近傍でも不織布23Sの繊維間に空間が多く確保されて防音性が高められる。しかも、本実施形態の溶着用突部25は、エンジンカバー21から突出した複数の突片25A,25Bを格子状に交差した構成になっているので、それら突片25A,25B同士が互いに補強し合って強度が増し、その分、各突片25A,25Bの板厚を薄くして溶着用突部25を溶け易くすることができる。さらに、溶着用突部25の先端面を振動溶着ツール50の先端面より広くしたので、振動溶着ツール50の位置のばらつきいても、溶着用突部25の先端面内に振動溶着ツール50の先端面が収まり、溶着強度が安定する。
【0027】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0028】
(1)溶着用突部25は、上記した実施形態の構造以外に、例えば、図7(A)の平面図に示した溶着用突部25Vのように、第1の水平方向に延びた1対の突片25A,25Aと、第2の水平方向に延びた1対の突片25B,25Bとの矩形の枠状に接合した構成にしてもよい。即ち、溶着用突部25Vのように全体として角筒状にしてもよい。
【0029】
(2)また、図7(B)の平面図に示した溶着用突部25Wのように、互いに平行に延びた1対の突片25A,25Aのみで構成にしてもよい。
【0030】
(3)また、図7(C)の平面図に示した溶着用突部25Xのように、5つの突片25Cを星形に接合した構成にしてもよい。
【0031】
(4)また、図7(D)の平面図に示した溶着用突部25Yのように、断面円形の複数の突起25Dの集合体で構成してもよい。
【0032】
(5)さらに、図7(E)の平面図に示した溶着用突部25Zのように、円筒形状をなしていてもよい。
【0033】
(6)前記実施形態では、溶着用突部25がエンジンカバー21に散在していたが、エンジンカバー21のうち不織布23Sで覆われた部分全体に、溶着用突部を均等配置した構成にしてもよい。具体的には、エンジンカバー21のうち不織布23Sで覆われた部分全体に格子状の溶着用突部を形成してもよい。
【0034】
(7)図8示すように、エンジンカバー21のウレタン発泡樹脂22Jによって覆われた部分に複数の溶着用突部25(図8には1つの溶着用突部25のみが示されている)を設けると共に、それら溶着用突部25をウレタン発泡樹脂22Jより突出させ、各溶着用突部25の先端面に不織布23Sを振動溶着した構成にしてもよい。
【0035】
(8)また、その変形例として図9に示すように溶着用突部25を取り囲むように筒状の突部包囲壁26を形成して、溶着用突部25の基端部がウレタン発泡樹脂22Jに埋もれないようにしてもよい。
【0036】
(9)前記実施形態では、本発明に係る「弾性樹脂シート」としてPET製の不織布23Sを例示したが、弾性に富んだ樹脂シートであれば、樹脂の種類はPETに限定されるものではなく、シートの構造も不織布に限定されるものではない。従って、アクリル製の不織布やウレタン発泡樹脂製のシートも「弾性樹脂シート」に含まれる。
【0037】
(10)前記実施形態では、本発明に係る「弾性樹脂シート」としての不織布23Sを吸音材として用いたものを例示したが、緩衝材として用いてもよい。
【0038】
(11)前記実施形態では、本発明に係る「ベース部材」としてエンジンカバー21を例示したがこれに限定されるものではなく、車両のダッシュボードや家電製品のケース等を「ベース部材」としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジン及びエンジンカバーの斜視図
【図2】カバー本体の斜視図
【図3】エンジンカバーの斜視図
【図4】溶着用突部の斜視図
【図5】エンジンカバーの断面図
【図6】エンジンカバーの断面図
【図7】他の実施形態の溶着用突部における平面図
【図8】他の実施形態(7)のエンジンカバーにおける側断面図
【図9】他の実施形態(8)のエンジンカバーにおける側断面図
【符号の説明】
【0040】
21 エンジンカバー(ベース部材、防音カバー)
23S 不織布
25,25V〜25Z 溶着用突部
25A,25A,25C 突片
25D 突片
50 振動溶着ツール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製のベース部材(21)を弾性樹脂シート(23S)で覆って固定した弾性樹脂シート(23S)の固定構造において、
前記ベース部材(21)のうち前記弾性樹脂シート(23S)にて覆われる部分から溶着用突部(25,25V〜25Z)を突出形成し、前記溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面に前記弾性樹脂シート(23S)を振動溶着したことを特徴とする弾性樹脂シート(23S)の固定構造。
【請求項2】
前記ベース部材(21)は、騒音源を覆う防音カバー(21)であり、
前記弾性樹脂シート(23S)は、PET製の不織布(23S)であることを特徴とする請求項1に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定構造。
【請求項3】
前記溶着用突部(25,25V〜25Y)は、複数の突片(25A〜25C)又は突起(25D)の集合体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定構造。
【請求項4】
前記溶着用突部(25)は、前記複数の突片(25A,25B)を交差してなることを特徴とする請求項3に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定構造。
【請求項5】
前記溶着用突部(25V,25Z)は、筒体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定構造。
【請求項6】
合成樹脂製のベース部材(21)を弾性樹脂シート(23S)で覆って固定した弾性樹脂シート(23S)の固定方法において、
前記ベース部材(21)から溶着用突部(25,25V〜25Z)を突出させておき、
前記ベース部材(21)を前記弾性樹脂シート(23S)で覆い、先端部が棒状になった振動溶着ツール(50)を前記弾性樹脂シート(23S)に突き当て、その振動溶着ツール(50)の先端面と前記溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面との間で前記弾性樹脂シート(23S)を押し潰した状態にして前記振動溶着ツール(50)を振動させ、前記溶着用突部(25,25V〜25Z)に前記弾性樹脂シート(23S)を振動溶着することを特徴とする弾性樹脂シート(23S)の固定方法。
【請求項7】
前記溶着用突部(25,25V〜25Z)の先端面を、前記振動溶着ツール(50)の先端面より広くしておくことを特徴とする請求項6に記載の弾性樹脂シート(23S)の固定方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−253332(P2007−253332A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−76599(P2006−76599)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000204033)太平洋工業株式会社 (143)
【Fターム(参考)】