説明

弾球遊技機

【課題】小当たりで終わるのか、小当たりを契機に確変遊技に突入するかを関心事にし、斬新な感覚の遊技性を付与する。
【解決手段】大当たり遊技として大入賞口を多くの入賞が得られる態様で開放させる通常開放遊技を選択し且つこれが終わると再度の大当たりに至り易い特典遊技に突入させる通常開放遊技選択の特典大当たりと、大当たり遊技として大入賞口を少ない入賞に止まる態様で開放させる制限開放遊技を選択し且つこれが終わると特典遊技に突入させる制限開放遊技選択の特典大当たりとを有し、大当たりでは作動下となる条件装置の非作動下、大入賞口を開放させる小当たりを抽選する小当たり抽選手段を含み、小当たりの当選時、小当たり遊技として制限開放遊技と同程度とした大入賞口の開放態様を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、略して風営法第2条第1項第7号のぱちんこ屋や同第8号の店舗等の営業に供されるパチンコ遊技機等の弾球遊技機、これらを一般ユーザ向け仕様にした新・中古品等に関する。特に、大当たり後の再度の大当たりの当選確率を高めた確率変動遊技(略して確変遊技)や、大当たり抽選の時間効率を高めた時間短縮遊技(略して時短遊技)等の特典遊技に突入させる特典機能付き弾球遊技機の改良に係る。
【背景技術】
【0002】
確変遊技等の特典遊技は、再度の大当たりに早期に至る大当たりの所謂連荘の期待を高めることを本旨としている点、風営法関連法規たる「遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則」(以下、遊技機規則という)並びに業界内規を遵守すべき点から、先ず確変大当たり等と称する特典大当たりに当選し、大入賞口を長期に開く大当たり遊技に移行し、大入賞口を再開放させる所謂ラウンドの継続が絶たれて遊技機規則でいう役物連続作動装置の作動が終了し、大当たり遊技が完了した後に突入するのが専らである。
【0003】
確変遊技等の特典遊技に突入すると、一般には、特許文献1記載のように、特定の表示等により有利な遊技状態にあることを直ちに報知し、遊技者が一回目の大当たり遊技による大量出玉を得た後に、うっかり遊技を止めてしまうのを防いでいる。或は、特許文献2記載のように、大当たり遊技後、内部的には確変による特典遊技に突入していても直ちには報知せず、10回等の図柄変動後に遅れて報知し、逆に確変の特典が得られなかった場合の失望感を与える告知を先送りし、報知の潜伏により遊技の稼動率を高めるようにしたものもある。
【特許文献1】実開平8−21号公報(実願平3−64129号の分割)
【特許文献2】特開2000−271297号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のものは、報知のやり方に多少差異はあるが、基本的に、一度大当たりを勝ち得て、大当たり遊技を経た後に確変遊技等の特典遊技に突入するものであり、現にこれと同様な遊技機ばかりが市場に供給された結果、もはや、マンネリ化が生じ、お決まりの平凡な遊技性を遊技者に提供できるに止まるものとなった。
【0005】
本発明では、遊技者があたかも大当たり遊技を経ずにいきなり確変遊技等の特典遊技に突入したとの印象を抱き、特典遊技への突入契機に意外性を持たせることにより、従来にない魅力を付与できる弾球遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の弾球遊技機は、遊技盤に、始動口と大入賞口と、演出図柄を表示する演出表示装置と、特別図柄を表示する前記演出表示装置より小型の特別図柄表示装置を備え、前記始動口への入球に基づく抽選には、大当たり遊技として前記大入賞口の一回の最大開放時間を30秒程度とする第一の開放態様で前記大入賞口の開放を行い、大当たり遊技終了後に確変遊技及び又は時短遊技に突入する特典付き第一の大当たりと、前記大入賞口の一回の最大開放時間を1.5秒程度とする第二の開放態様で前記大入賞口の開放を行い、大当たり遊技終了後に確変遊技及び又は時短遊技に突入する特典付き第二の大当たりと、小当たり遊技として、前記特典のない小当たりとを含み、前記始動口への入球に基づいて、前記演出表示装置と前記特別図柄表示装置の図柄変動を同時に開始させ、この後、前記抽選結果を前記演出表示装置と前記特別図柄表示装置に同時に停止表示する弾球遊技機であって、前記始動口への入球に基づく前記抽選で前記特典のない小当たりの当選時に、前記演出表示装置には前記第二の大当たり当選と同一の図柄又は同一の抽選結果を表示する図柄の表示を行い、前記特別図柄表示装置には前記第二の大当たり当選とは異なる図柄の停止表示を行うとともに、前記小当たり遊技として前記大入賞口の一回の最大開放時間を1.5秒程度とする前記第二の開放態様で前記大入賞口の開放を行うように制御することを特徴とする。
【0007】
大当たりとは、遊技機規則でいう役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている同規則でいう条件装置の作動下、大入賞口を開放することをいう。小当たりとは、遊技機規則でいう条件装置の非作動下、大入賞口を開放することをいう。特典遊技には、確変遊技、時短遊技等を含み、特典大当たりには、確変大当たり、時短大当たり等を含む。
【0008】
請求項2記載の弾球遊技機は、請求項1の弾球遊技機を更に限定し、前記特典付き第二の大当たりと前記特典のない小当たりの当選時に、前記大入賞口の一回の最大開放時間を1.5秒程度とする前記第二の開放態様での前記大入賞口の開放回数が同一であるように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、小当たり時の大入賞口の開放態様を特典付き第二の大当たりの大入賞口の開放態様である大入賞口の一回の最大開放時間を1.5秒程度とする第二の開放態様と同じにしている。そのため遊技者は特典付き第二の大当たりであるか小当たりであるかの区別が付きにくい。また小当たり当選時の変動表示として、演出表示装置には特典付き第二の大当たり当選と同一の図柄又は同一の抽選結果を表示する図柄の表示を行い、演出表示装置より小型の特別図柄表示装置には遊技機規則でいう条件装置が作動することとなる特典付き第二の大当たり当選とは異なる図柄の停止表示を行うため、演出表示装置に着目する遊技者には、特典付き第二の大当たり当選であっても小当たりに当たったような錯覚を起こさせ、小当たりを契機にいきなり特典遊技に突入したとの驚きや意外性の斬新な感覚の遊技性を効果的に付与することができる。
【0010】
請求項2の発明によれば、前記特典付き第二の大当たりと前記特典のない小当たりの当選時に、前記大入賞口の一回の最大開放時間を1.5秒程度とする前記第二の開放態様での前記大入賞口の開放回数が同一であるように制御されるので、遊技者は更に、前記特典付き第二の大当たりと前記特典のない小当たりとの当選の区別が付きにくくなり、遊技者は小当たりからいきなり確変遊技に突入したと錯覚し、小当たりにもこれまでにない魅力を付与できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明を適用するパチンコ遊技機1であり、遊技枠10に本体11を開扉可能に支持している。本体11の前面上部には、丸窓12にガラス13を嵌めたフロント扉14を有し、その内方に遊技盤2(図2)を備える。本体11の前面下部には、貸球及び賞球を受止める受皿3、遊技盤2に球を打出す発射装置40の発射ハンドル4、効果音等を出音する左右スピーカ51,52を備える。受皿3には、遊技機1に隣接して設置する図示しないカードユニットと連携して球貸しする球貸ボタン31、カード返却ボタン32等を備える。フロント扉14には、飾りランプ61,62、飾りLED63,64、賞球払出等の各種表示ランプ65,66を具備する。
【0012】
図2の通り、遊技盤2には、遊技領域20を区画し且つ発射ハンドル4により打出す球を導くガイドレール21、動画と共に左中右の演出図柄を変動及び停止させるカラー液晶ディスプレイから成る大型の演出表示装置7及び2桁数字の特別図柄を変動及び停止させる7セグメントLEDから成る小型の特別図柄表示装置77をもつセンター飾り枠22、大当たり抽選、特典遊技としての確変遊技への突入付きか否かの確率変動抽選、小当たり抽選を含む抽選処理及びこれに基づく図柄変動を起動する電動チューリップから成る始動口9、大当たり時に手前に大きく開放するアタッカと称する大入賞口8、一般入賞口となる左右の袖入賞口23,24及び落し入賞口25,26、4つの風車27a〜d、左右盤面サイドランプ28a,bを備える。
【0013】
29は、遊技盤2での入賞を逃したアウト球を排出するアウト口である。図示は適宜省略したが、遊技盤2には多数の遊技釘200が打たれている。大入賞口8の内部の略3分の1の領域には、大当たり時にラウンドを継続させる特定領域を設けている。大入賞口8への入賞球一個当たりの賞球は例えば15個、これ以外の入賞口9,23〜26のそれは例えば5個である。
【0014】
大当たりの当選確率のベースは例えば300分の1、通常大当たりと特典大当たりたる確変大当たりの振分けは例えば2分の1、小当たりの当選確率は例えば25分の1にしている。始動口9への入球時、例えば、0〜299の範囲で変化する大当たり抽選用乱数、0〜9の範囲で変化する確率変動抽選用乱数、0〜24の範囲で変化する小当たり抽選用乱数を各取得し、大当たり抽選用乱数が例えば7であると大当たりの当選、大当たりの当選を前提に確率変動抽選用乱数が例えは奇数であると確変大当たりの当選、大当たりの非当選を前提に小当たり抽選用乱数が例えば2であると小当たりの当選となる。
【0015】
確変大当たり当選時は、確率変動抽選で非当選の通常大当たり当選時と同様に大入賞口8を多くの入賞が得られる態様で開放させる通常開放遊技か、大入賞口8を少ない入賞に止まる態様で開放させる制限開放遊技かの何れかを選択する。例えば0〜9の範囲で変化するいきなり確変抽選用乱数に基づく抽選処理により、例えは奇数が出る当選時は制限開放遊技、これ以外は通常開放遊技を選ぶ。通常開放遊技選択時は演出表示装置7上での大当たりの明示報知演出を経て通常開放遊技に移行させ、制限開放遊技選択時は演出表示装置7上での大当たりの明示報知演出無しで制限開放遊技に移行させる。何れの場合も、大入賞口8の開放終了後の特典遊技たる確変遊技では、大当たり抽選用乱数の当選値を例えば7,57,107,157,207,257の6種類とし、大当たり当選確率を50分の1に高める。
【0016】
大当たり時の通常開放遊技では、大入賞口8の最大開放時間を例えば30秒、最大入賞数を例えば10球としており、この範囲で大入賞口8への入賞球が特定領域を通過すると役物連続作動装置の作動は終了せず、最大開放時間又は最大入賞数何れかに達して大入賞口8が一旦閉じた後、所定インターバルを経て再び大入賞口8が開放される。特定領域への球通過がないか、最終の例えば16ラウンドを経ると、役物連続作動装置の作動が終了し、大当たり時の通常開放遊技が終わる。16ラウンドの満了により、2000個程の大量出玉が得られる。
【0017】
確変大当たり時に選択され得る制限開放遊技では、大入賞口8の最大開放時間を例えば1.5秒、最大入賞数を例えば1球としている。1.5秒以内に大入賞口8に最初に飛び込んだ入賞球が特定領域を通過するとラウンドが継続されるが、大入賞口8への入賞率に特定領域通過率の略3分の1を乗じた低い可能性に止まる。多くは1ラウンドか、せいぜい2、3ラウンドまででパンク終了する。たとえ数ラウンド継続しても、各ラウンドの最大入賞数を抑えているため、出玉は小さい。尚、この制限開放遊技での1ラウンドでのパンク終了を支援するには、例えば役物連続作動装置の作動が維持される特定領域への球通過は大入賞口8の開放から0.1秒間の極短期間にソフト上で限定する等の再開放制限をつけるのが確実であり、実施例ではこの再開放制限手段を設けている。ただし、省略してもよい。小当たり時の大入賞口8の開放態様は、制限開放遊技に倣って最大開放時間を1.5秒、最大入賞数を1球としており、ラウンドの継続はない。
【0018】
図3は、以上の遊技を制御する制御装置を示す。主制御基板MBに実装する主制御手段Mは、ROM/RAM一体型のメインCPU(100)を備える。大入賞口8への入賞数を数えるカウントスイッチ8C、大入賞口8内の特定領域への球通過を検出する特定領域通過スイッチ8V、始動口9への入賞球を検出する始動口スイッチ9S、左右の袖入賞口23,24及び落し入賞口25,26への入賞球を各検出する左右の袖入賞口スイッチ23S,24S及び落し入賞口スイッチ25S,26S、受皿3の満杯センサ3S、賞球の払出関連スイッチPSを入力している。出力側には、大入賞口8を開閉する大入賞口開閉ソレノイド8D、始動口9の電動チューリップを開閉する電チュー開閉ソレノイド9D等を接続している。また、発射装置40を接続している。
【0019】
主制御手段MのROM/RAM上には、上述の大当たり抽選、確率変動抽選、小当たり抽選を各担う大当たり抽選手段R1,確率変動抽選手段R2,小当たり抽選手段R3を含む抽選手段R、上述のいきなり確変抽選により通常開放遊技か制限開放遊技の何れかを選ぶ開放態様選択手段A、その選択に応じて大当たり遊技移行時の演出表示装置7上の演出を変える移行演出変更手段B、大当たり遊技後の確変遊技への突入及びその継続中を報知する確変遊技報知手段Cで構成する特典遊技報知手段C、上述の特定領域への球通過許容期間の限定等による確変大当たり制限開放遊技時の再開放制限手段D等を構築している。また、遊技機規則上の条件装置及び役物連続作動装置を構築している。
【0020】
演出表示装置7及び特別図柄表示装置77は、表示制御基板DBに実装する表示制御手段Dによりその表示が制御される。スピーカ51,52は、音声制御基板FBに実装する音声制御手段Fによりその出音が制御される。各種ランプ類61〜66等は、ランプ制御基板LBに実装するランプ制御手段Lによりその点灯が制御される。賞球払出装置30は、払出制御基板PBに実装する払出制御手段Pにより制御される。
【0021】
これらサブ側の各制御手段D,F,L,Pは、それぞれROM/RAM一体型のサブCPU(201〜204)を備え、それぞれ8ビットのパラレルデータb0〜b7及びストローブ信号線から成る主制御手段Mからの一方向性通信回線を介して主制御手段Mと結んでいる。主制御手段Mから送信される変動パターン等の指令に基づいて受動的動作の制御を受け持っている。
【0022】
このパチンコ遊技機1は、大当たりによる大入賞口8の開放後、再度の大当たりに至り易い特典遊技に突入させる特典大当たりの抽選を含む抽選手段Rを有し、特典大当たりの当選時、大入賞口8を多くの入賞が得られる態様で開放させる通常開放遊技と、大入賞口8を少ない入賞に止まる態様で開放させる制限開放遊技との何れかを選択する開放態様選択手段A、通常開放遊技の選択時は大当たりの明示報知演出を経て通常開放遊技に移行させ、制限開放遊技の選択時は大当たりの明示報知演出無しで制限開放遊技に移行させる移行演出変更手段B、制限開放遊技を含む特典大当たりに基づく特典遊技への突入を報知する特典遊技報知手段Cを設けている。
【0023】
これにより、特典大当たりの当選時に制限開放遊技が選択されると、大当たりの明示報知演出無しで大入賞口を少ない入賞に止まる態様で開放させる制限開放遊技に移行し、これが終わると特典遊技への突入が報知されて特典遊技に移る。このため、遊技者は、大当たりの前置を認識せずに小当たり程度の小さな利益の後にいきなり特典遊技に突入し、有利な遊技状態を突然獲得できたとの印象を抱き、これまでにない斬新な刺激を受ける。遊技機側から見ると、特典大当たりの一部が制限開放遊技により出玉を抑えたものとできるため、大当たりの当選確率のベースを高く設定でき、人気を喚起できる。
【0024】
制限開放遊技は、大入賞口8の最大開放時間を短縮すること、及び又は、大入賞口8への最大入賞数を減少することによりするものとしている。通常開放遊技では最大開放時間が例えば30秒であるのに対して、制限開放遊技では最大開放時間を例えば1.5秒に短縮する。或は、通常開放遊技では最大入賞数が例えば10球であるのに対して、制限開放遊技では最大入賞数を例えば1球に減少する。これらを単独で又は併用して適用する。
【0025】
これにより、制限開放遊技時、大入賞口8の最大開放時間の短縮及び又は大入賞口8への最大入賞数の減少により、大入賞口8の開放を短期で終わらせることができる。しかも、大入賞口8内に通常設けられる特定領域への球通過も困難となって早期に役物連続作動装置の作動を終了させることができる。このため、大当たりとは程遠い遊技状況を作り出すことができ、いきなり確変等の特典遊技への急な格上げを効果的に遊技者に印象づけることができる。
【0026】
抽選手段Rは大当たり以外で大入賞口8を開放させる小当たり抽選を含み、小当たり時の大入賞口8の開放態様と、特典大当たりにおける制限開放遊技時の大入賞口8の開放態様とを同程度に設定した。何れの開放態様も、最大開放時間を例えば1.5秒としたり、最大入賞数を例えば1球とする。これにより、特典大当たりにおける制限開放遊技は小当たりと同程度となり、小当たりを契機に確変遊技に突入したとの驚きや意外性を付与でき、小当たりにもこれまでにない魅力を付与できる。
【0027】
抽選手段Rの抽選結果を演出上顕著に表示させる演出表示装置7を有し、前記移行演出変更手段Bは、特典大当たり当選時における制限開放遊技の選択時に前記演出表示装置7に疑似非大当たり演出表示を出現させる仕様をもつ。演出表示装置7は、大入賞口8を開放させる遊技機規則でいう特別電動役物及び同規則でいう条件装置が作動することとなる図柄の組合せを表示させる同規則でいう特別図柄表示装置77とは別概念である。疑似非大当たり演出表示は、例えば、大当たり演出表示が「1」、「3」、「5」、「7」何れかの奇数数字の三つ揃いなら、これら以外の数字の組合せ等とする。これにより、特典大当たり当選時における制限開放遊技への移行時、演出表示装置に大当たり演出表示ではなく疑似非大当たり演出表示が出現されるため、遊技者に大当たりの存在を悟られるのを効果的に防止できる。
【0028】
抽選手段Rは大当たり以外で大入賞口8を開放させる小当たり抽選を含み、かつ、抽選手段Rの抽選結果を演出上顕著に表示させる演出表示装置7を有し、移行演出変更手段Bは、特典大当たり当選時における制限開放遊技の選択時に演出表示装置7に小当たりと同様な演出表示を出現させる仕様をもつ。例えば、小当たり演出表示が「2」、「4」、「6」、「8」何れかの偶数数字の三つ揃いなら、これと同じ範囲の何れかの偶数数字の三つ揃い、或は、その範囲に含まれる特定の偶数数字の三つ揃い等を出現させる。これにより、大当たりの存在を悟られるのを防止できながら、小当たりを契機にいきなり特典遊技に突入する斬新な感覚の遊技性を効果的に付与できる。
【0029】
特典大当たりにおける制限開放遊技時、大入賞口8内に設ける特定領域への球通過により大入賞口8を再開放させる機能を制限する再開放制限手段Dを設けた。ラウンドの継続を絶ち、大当たりが所謂パンク終了することを支援するものである。例えば、特定領域に球が通過してもソフト上で無視したり、特定領域への球通過を阻止したりして、強制的に1ラウンドで役物連続作動装置の作動を終了させる。或は、役物連続作動装置の作動の非終了条件となる特定領域への球通過は大入賞口8の開放から0.1秒間等の極短期間に限るものとしたり、特定領域への球通過を契機に抽選を行いその当りを加重条件としたり、特定領域への球通過を困難にする障壁等を設けたりして、殆どの場合事実上1ラウンドで終了させる。或はまた、最大継続ラウンド数を2ラウンドまで等の少ない回数に制限する。これにより、再開放制限手段Dにより、大当たりのパンク終了を支援でき、いきなり特典遊技への移行を一層効果的に印象づけることができる。
【0030】
図4に示すように、始動口9に入球があると(S1)、大当たり抽選手段R1による大当たり抽選(S2)、確率変動抽選手段R2による確率変動抽選(S3)、小当たり抽選手段R3による小当たり抽選(S4)を経て、演出表示装置7の左中右3つの演出図柄及び特別図柄表示装置77の2桁の特別図柄を変動させる(S5)。大当たり当選であれば(S6)、連続大当たりカウンタをプラス1して更新し(S7)、確率変動抽選でも当選つまり確変大当たりであれば(S8)、連続大当たりカウンタが1となる通常大当たり後の初回の確変大当たりかを判断し(S9)、初回なら開放態様選択手段Aでのいきなり確変抽選をする(S10)。
【0031】
いきなり確変抽選で当選すると(S11)、大当たり遊技として制限開放遊技を選択してこれに見合う大入賞口8の最大開放時間及び最大入賞数をセットする(S12)。続いて、小型の特別図柄表示装置77には確変大当たり図柄「7」「7」を停止表示させるが(S13)、大型の演出表示装置7には所謂リーチ演出も無しで小当たりと同じく「2」、「4」、「6」、「8」何れかの偶数数字の三つ揃いを停止表示させる(S14)。この後、大当たりの祝福表示やファンファーレ音を出すことなく、制限開放遊技下で大当たり遊技に移行させる(S15)。この制限開放遊技が終わると大当たりの当選確率を50分の1に高め(S16)、演出表示装置7に「確変中」のメッセージを出す(S17)。
【0032】
図5(ア)に以上の確変大当たり制限開放遊技の流れを示す。抽選結果を演出上顕著に表示させる演出表示装置7には、小当たり演出表示たる偶数数字の三つ揃いが停止された後、短期の制限開放遊技を経て確変遊技に突入する。このため、遊技者は小当たりからいきなり確変遊技に突入したと錯覚する。尚、特別図柄表示装置77には、遊技機規則でいう条件装置が作動することとなる図柄の組合せ「7」「7」が停止表示されるが、演出表示装置7に比べ目立たず、一般の遊技者にはどちらが遊技機規則上の特別図柄表示装置かも判らないため、大当たりの当選を悟られる恐れも少ない。
【0033】
図4のステップS9で連続大当たりカウンタが1でなく通常大当たり後の初回の確変大当たりでない場合、或はステップS11でいきなり確変抽選の非当選が判定されると、大当たり遊技として通常開放遊技を選択してこれに見合う大入賞口8の最大開放時間及び最大入賞数をセットし(S18)、特別図柄表示装置77に確変大当たり図柄「7」「7」を停止表示させると共に(S19)、演出表示装置7にリーチ演出を経て確変大当たりを明示する「3」又は「7」の三つ揃いを停止表示させる(S20)。続いて、演出表示装置7に確変大当たりを祝福する「確変大当たり」を表示させると共に(S21)、スピーカ51,52から大当たりファンファーレ音を出音させる(S22)。この後、通常開放遊技下で大当たり遊技に移行させる(S23)。この通常開放遊技が終わると大当たりの当選確率を50分の1に高め(S24)、演出表示装置7に「確変中」のメッセージを出す(S25)。
【0034】
図5(イ)に以上の確変大当たり通常開放遊技の流れを示す。抽選結果を演出上顕著に表示させる演出表示装置7には、確変大当たりの演出表示の一つ「7」「7」「7」の三つ揃いが停止された後、長期の通常開放遊技を経て確変遊技に突入する。遊技者は大量出玉を得た後、確変遊技への突入により更に大当たりの連荘に期待を持つ。
【0035】
図4のステップS8で確率変動の非当選つまり通常大当たりが判定されると、連続大当たりカウンタを0にクリアし(S26)、大当たり遊技として通常開放遊技を選択してこれに見合う大入賞口8の最大開放時間及び最大入賞数をセットし(S27)、特別図柄表示装置77に通常大当たり図柄「1」「1」を停止表示させると共に(S28)、演出表示装置7にリーチ演出を経て通常大当たりを明示する「1」又は「5」の三つ揃いを停止表示させる(S29)。特別図柄表示装置77に停止表示させる「1」「1」は、条件装置が作動することとなる他の図柄の組合せである。続いて、スピーカ51,52から大当たりファンファーレ音を出音させ(S30)、この後、通常開放遊技下で大当たり遊技に移行させる(S31)。この通常開放遊技が終わると大当たりの当選確率を通常の300分の1に戻す(S32)。
【0036】
図4のステップS6において大当たり非当選でも、小当たり当選があると(S33)、小当たり遊技としての制限開放遊技に対応した大入賞口8の最大開放時間及び最大入賞数をセットし(S34)、特別図柄表示装置77に小当たり図柄「2」「2」を停止表示させると共に(S35)、演出表示装置7にリーチ演出無しで小当たりを明示する「2」、「4」、「6」、「8」何れかの偶数数字の三つ揃いを停止表示させ(S36)、小当たり遊技をさせる(S37)。
【0037】
ステップS33において小当たり非当選であると外れとなり、特別図柄表示装置77に外れ図柄として「3」「4」や「8」「1」等の非ぞろ目数字を停止表示させると共に(S38)、演出表示装置7に外れを明示する「3」「4」「5」や「7」「6」「7」等の非三つ揃い図柄を停止表示させる(S39)。
【0038】
尚、通常大当たり後の初回の確変大当たり当選時は一律制限開放遊技に移行させるものとしてもよい。又、初回以外の確変大当たり当選時にも所定の選択確率に従う抽選等により制限開放遊技が選択されるものとしてもよい。確変遊技は、再度大当たりに当選するまで継続させる他、所定の図柄変動回数を超えると終了させて通常の大当たり当選確率に戻す仕様にしもよい。更に、大当たりに当選すると必ず確変遊技に突入する所謂フル確変機に適用してもよい。演出表示装置7及び特別図柄表示装置77はCRT、機械式リール等の他の表示器で置換してもよい。特典遊技は、確変遊技に代え、又は確変遊技と併用し、各表示装置7,77の図柄変動時間を短縮し、いわゆる保留玉の例えば4個の上限にかかって大当たり抽選の対象外となるムダ始動入賞球を減らし、大当たり抽選の時間効率を高めた時短遊技を採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明弾球遊技機の一例であるパチンコ遊技機の斜視図。
【図2】同遊技機の遊技盤の正面図。
【図3】同遊技機の制御装置のブロック図。
【図4】同遊技機の制御装置での要部フローチャート。
【図5】確変大当たりの通常開放遊技及び制限開放遊技の説明図。
【符号の説明】
【0040】
7;演出表示装置、77;特別図柄表示装置、R;抽選手段
A;開放態様選択手段、B;移行演出変更手段
C;確変遊技報知手段(特典遊技報知手段)、D;再開放制限手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に、始動口と大入賞口と、演出図柄を表示する演出表示装置と、特別図柄を表示する前記演出表示装置より小型の特別図柄表示装置を備え、前記始動口への入球に基づく抽選には、大当たり遊技として前記大入賞口の一回の最大開放時間を30秒程度とする第一の開放態様で前記大入賞口の開放を行い、大当たり遊技終了後に確変遊技及び又は時短遊技に突入する特典付き第一の大当たりと、前記大入賞口の一回の最大開放時間を1.5秒程度とする第二の開放態様で前記大入賞口の開放を行い、大当たり遊技終了後に確変遊技及び又は時短遊技に突入する特典付き第二の大当たりと、小当たり遊技として、前記特典のない小当たりとを含み、前記始動口への入球に基づいて、前記演出表示装置と前記特別図柄表示装置の図柄変動を同時に開始させ、この後、前記抽選結果を前記演出表示装置と前記特別図柄表示装置に同時に停止表示する弾球遊技機であって、前記始動口への入球に基づく前記抽選で前記特典のない小当たりの当選時に、前記演出表示装置には前記第二の大当たり当選と同一の図柄又は同一の抽選結果を表示する図柄の表示を行い、前記特別図柄表示装置には前記第二の大当たり当選とは異なる図柄の停止表示を行うとともに、前記小当たり遊技として前記大入賞口の一回の最大開放時間を1.5秒程度とする前記第二の開放態様で前記大入賞口の開放を行うように制御することを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
前記特典付き第二の大当たりと前記特典のない小当たりの当選時に、前記大入賞口の一回の最大開放時間を1.5秒程度とする前記第二の開放態様での前記大入賞口の開放回数が同一であるように制御することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−149183(P2008−149183A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−63019(P2008−63019)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【分割の表示】特願2004−87297(P2004−87297)の分割
【原出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【出願人】(000169477)アビリット株式会社 (294)
【Fターム(参考)】