説明

待ち合せ支援装置

【課題】 待ち合せの被依頼者にかかる出発時刻を調べる手間を省くことができる待ち合せ支援装置を提供する。
【解決手段】 定期運行される乗物を利用する待ち合せの依頼者に携帯される依頼端末2からの依頼を受けて、待ち合せが依頼される被依頼者側に設けられた被依頼端末3に待ち合せの依頼を通知する待ち合せ支援装置4において、被依頼端末3の位置から予め定められた距離以内にある乗物の停車施設に依頼者が到着する到着時刻(S4)と、被依頼者が該停車施設に到着するまでの所要時間(S5)とを推定することによって被依頼者が出発すべき出発時刻(S6)を被依頼端末3に通知する(S7)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、依頼者と被依頼者との待ち合せを支援する待ち合せ支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、依頼者と被依頼者との待ち合せを支援するものとして、待ち合せの依頼者側の装置で設定された目的地までの所要時間を予測することにより、目的地への到着予想時刻を算出し、予め設定された連絡条件が満たされた場合に、予め設定された被依頼者の連絡先に到着予想時刻を連絡するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−350165号公報(第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、待ち合せの依頼者が待ち合せの目的地に到着する到着予想時刻を被依頼者に連絡することができるものの、連絡された到着予想時刻までに被依頼者が目的地に到着するための出発時刻を調べる手間が待ち合せの被依頼者にかかってしまうといった問題があった。
【0004】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、待ち合せの被依頼者にかかる出発時刻を調べる手間を省くことができる待ち合せ支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の待ち合せ支援装置は、定期運行される乗物を利用する待ち合せの依頼者に携帯される依頼端末からの依頼を受けて、前記待ち合せが依頼される被依頼者側に設けられた被依頼端末に前記待ち合せの依頼を通知する待ち合せ支援装置において、前記被依頼端末の位置から予め定められた距離以内にある前記乗物の停車施設に前記依頼者が到着する到着時刻と、前記被依頼者が該停車施設に到着するまでの所要時間とを推定することによって前記被依頼者が出発すべき出発時刻を前記被依頼端末に通知する出発時刻通知手段を備えた構成を有している。
【0006】
この構成により、本発明の待ち合せ支援装置は、待ち合せの被依頼者が出発すべき出発時刻を被依頼者に通知するため、被依頼者にかかる出発時刻を調べる手間を省くことができる。
【0007】
なお、前記出発時刻通知手段は、前記被依頼端末の位置から該停車施設までの経路を探索することによって、前記所要時間を推定するようにしてもよい。
【0008】
この構成により、本発明の待ち合せ支援装置は、被依頼者が停車施設に到着するまでの所要時間を精度よく推定することができる。
【0009】
また、前記出発時刻通知手段は、前記出発時刻を前記被依頼端末に通知した後に、該停車施設を表す情報を前記被依頼端末に対応付けられた車載装置に送信するようにしてもよい。
【0010】
この構成により、本発明の待ち合せ支援装置は、経路探索のための目的地を車載装置に設定する被依頼者にかかる手間を省くことができる。
【0011】
また、前記出発時刻通知手段は、定期運行される乗物の運行情報が記憶された記憶媒体から取得した前記運行情報に基づいて前記到着時刻を推定するようにしてもよい。
【0012】
この構成により、本発明の待ち合せ支援装置は、依頼者が停車施設に到着する到着時刻を精度よく推定することができる。
【0013】
また、前記出発時刻通知手段は、前記依頼端末の位置に基づいて前記依頼者がとる経路を推定することによって前記到着時刻を推定するようにしてもよい。
【0014】
この構成により、本発明の待ち合せ支援装置は、目的地までの経路を設定する依頼者にかかる手間を省くことができる。
【0015】
また、前記出発時刻通知手段は、前記被依頼端末の位置から予め定められた距離以内に複数の停車施設がある場合には、前記依頼者がとると推定される経路に応じて1つの停車施設を選択するようにしてもよい。
【0016】
この構成により、本発明の待ち合せ支援装置は、依頼者にとって到着しやすいと推定される停車施設を目的地として選択することができる。
【0017】
また、前記出発時刻通知手段は、現在時刻が前記出発時刻を過ぎている場合には、前記被依頼者が前記停車施設に到着する時刻が、前記依頼者が前記停車施設に到着する時刻より遅くなる旨を前記依頼端末に通知するようにしてもよい。
【0018】
この構成により、本発明の待ち合せ支援装置は、被依頼者が遅れる旨を事前に依頼者に連絡することができる。
【0019】
また、本発明の待ち合せ支援システムは、定期運行される乗物を利用する待ち合せの依頼者に携帯される依頼端末と、前記待ち合せが依頼される被依頼者側に設けられた被依頼端末と、前記依頼端末からの依頼を受けて前記被依頼端末に前記待ち合せの依頼を通知する待ち合せ支援装置とを備えた待ち合せ支援システムにおいて、前記待ち合せ支援装置は、前記被依頼端末の位置から予め定められた距離以内にある前記乗物の停車施設に前記依頼者が到着する到着時刻と、前記被依頼者が該停車施設に到着するまでの所要時間とを推定することによって前記被依頼者が出発すべき出発時刻を前記被依頼端末に通知するように構成されている。
【0020】
この構成により、本発明の待ち合せ支援システムは、待ち合せの被依頼者が出発すべき出発時刻を被依頼者に通知するため、被依頼者にかかる出発時刻を調べる手間を省くことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、待ち合せの被依頼者にかかる出発時刻を調べる手間を省くことができるといった効果を有する待ち合せ支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
本発明の一実施の形態の待ち合せ支援システムを図1に示す。
【0024】
図1において、待ち合せ支援システム1は、定期運行される乗物20を利用する待ち合せの依頼者に携帯される依頼端末2と、待ち合せが依頼される被依頼者側に設けられた被依頼端末3と、依頼端末2からの依頼を受けて被依頼端末3に待ち合せの依頼を通知する待ち合せ支援装置4と、被依頼者が利用する車両21に搭載された車載装置5とを備えている。
【0025】
ここで、定期運行される乗物20とは、例えば、電車、バスおよび路面電車等のように時刻表に合わせて運行されるもののことをいう。
【0026】
本実施の形態において、待ち合せ支援装置4は、インターネット網、無線電話網および固定電話網等よりなるネットワーク6を介して、依頼端末2、被依頼端末3および車載装置5と接続されているものとする。
【0027】
なお、図1は、それぞれ1つの依頼端末2、被依頼端末3、待ち合せ支援装置4および車載装置5を示しているが、待ち合せ支援システムを構成する依頼端末、被依頼端末、待ち合せ支援装置および車載装置の数を限定するものではない。
【0028】
依頼端末2は、例えば、携帯電話、ノートパソコンまたはPDA(Personal Digital Assistant)等のモバイル情報端末によって構成されている。
【0029】
被依頼端末3は、例えば、テレビ、電話機、ファクシミリまたはパーソナルコンピュータ等の固定情報端末、もしくは、依頼端末2と同様にモバイル情報端末によって構成されている。
【0030】
車載装置5は、車両21に搭載され、乗員によって設定された目的地までの経路探索や運転中のナビゲーション等を行うナビゲーション装置によって構成されている。
【0031】
待ち合せ支援装置4は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10と、RAM(Random Access Memory)11と、ROM(Read Only Memory)12と、ハードディスク13と、ネットワーク6に接続された各装置と通信するための通信モジュール14とを備えている。
【0032】
CPU10は、ROM12およびハードディスク13に記憶されたプログラムをRAM11に読み込んで、RAM11に読み込んだプログラムを実行することによって、通信モジュール14に対する通信制御を行う等、各部を制御するようになっている。なお、プログラムを実行するCPU10は、本発明における出発時刻通知手段を構成する。
【0033】
ハードディスク13には、CPU10に実行させるためのプログラムに加えて、経路探索やナビゲーションを行うための地図データや乗物の運行情報が格納されている。ここで、運行情報には、乗物の路線図や各停車施設における時刻表等の情報が含まれている。
【0034】
以上のように構成された待ち合せ支援システム1について図3を用いてその動作を説明する。
【0035】
図3において、まず、依頼端末2は、依頼者による待ち合せ依頼の入力に応じて、待ち合せが依頼された旨を表す依頼情報を待ち合せ支援装置4に送信する(S1)。
【0036】
ここで、依頼情報には、待ち合せ支援システム1のなかで依頼者の行き先を識別するための行先IDと、待ち合せ支援システム1のなかで被依頼端末3を識別するための被依頼端末IDと、GPS(Global Positioning System)受信機等の測位手段を用いて得られた依頼端末2の緯度および経度とをそれぞれ表す情報が含まれる。
【0037】
なお、行先IDおよび被依頼端末IDは、例えば、自宅および自宅に設けた被依頼端末3をそれぞれ表すようなディフォルト値が設定されていることが望ましい。行先IDおよび被依頼者IDにディフォルト値を設定しておくことにより、簡易な操作で依頼者に待ち合せを依頼させることができる。
【0038】
依頼情報を受信した待ち合せ支援装置4では、CPU10が、被依頼端末3の位置から予め定められた距離以内にある乗物20の停車施設22(図1参照)を探索する(S2)。なお、停車施設22とは、例えば、乗物20が電車である場合には駅のことをいい、乗物20がバスや路面電車である場合には停留所のことをいう。
【0039】
ここで、CPU10は、被依頼端末3が固定情報端末によって構成される場合には、被依頼端末IDと対応してハードディスク13に予め登録された被依頼端末3の位置情報を取得する。また、CPU10は、被依頼端末3がモバイル情報端末によって構成される場合には、被依頼端末3に設けられたGPS受信機等によって得られる被依頼端末3の位置情報を被依頼端末3から取得する。
【0040】
次に、CPU10は、依頼情報に含まれる依頼端末2の緯度および経度を表す情報と、ハードディスク13に格納された運行情報とに基づいて、依頼者がとる経路を推定する(S3)。ここで、ステップS2において、被依頼端末3の位置から予め定められた距離以内に複数の停車施設22がある場合には、CPU10は、依頼者が利用すると推定した乗物20に応じて1つの停車施設22を選択する。
【0041】
なお、依頼者が既に乗物20に乗車している場合でも待ち合せを依頼できるよう、依頼端末2は、自己の緯度および経度を表す情報を予め定められた回数および時間間隔で被依頼端末3に送信し、待ち合せ支援装置4のCPU10は、依頼端末2の緯度および経度の変化に基づいて、依頼者が既に乗物20に乗車しているか否かを判断するようにしてもよい。
【0042】
また、依頼端末2がGPS受信機を備えていない場合には、依頼端末2は、依頼者が乗車中または乗車する予定の乗物20を識別するための列車番号等のような乗物識別情報を依頼者に入力させ、入力された乗物識別情報を依頼情報に含めるようにしてもよい。
【0043】
次に、CPU10は、依頼者が利用すると推定した乗物20が、探索した停車施設22に到着する到着時刻をハードディスク13に格納された運行情報に基づいて推定する(S4)。
【0044】
また、CPU10は、ハードディスク13に格納された地図データに基づいて被依頼端末3の位置から当該停車施設22までの経路23(図1参照)を探索し、探索した経路23に基づいて被依頼者が当該停車施設22に到着するまでの所要時間を推定する(S5)。
【0045】
次に、CPU10は、推定した到着時刻から所要時間を減算することによって被依頼者が出発すべき出発時刻を算出し(S6)、算出した出発時刻、依頼者および待ち合せる停車施設22等をそれぞれ表す情報を含む依頼通知情報を通信モジュール14を介して被依頼端末3に送信する(S7)。
【0046】
依頼通知情報を受信した被依頼端末3は、被依頼情報を表示出力や音声出力する依頼通知を行う(S8)。ここで、被依頼端末3に待ち合せの可否および出発予定時刻等を表す応答情報が被依頼端末3に入力されると、被依頼端末3は、入力された応答情報を待ち合せ支援装置4に送信する(S9)。
【0047】
応答情報を受信した待ち合せ支援装置4では、CPU10が、応答情報が表す出発予定時刻に所要時間を加算した到着予定時刻を算出し(S10)、算出した到着予定時刻を表す情報を応答情報に含め、この応答情報を依頼端末2に通信モジュール14を介して送信する(S11)。
【0048】
また、CPU10は、待ち合せが可能である旨を応答情報が表す場合には、待ち合せる停車施設22を表す目的地情報を被依頼端末3に対応付けられた車載装置5に通信モジュール14を介して送信する(S12)。ここで、被依頼端末3と車載装置5との対応は、ハードディスク13に予め登録されているものとする。
【0049】
応答情報を受信した依頼端末2は、応答情報が表す待ち合せの可否、出発予定時刻および到着予定時刻等を画面表示する(S13)。一方、目的地情報を受信した車載装置5は、受信した目的地情報が表す停車施設22を経路探索の目的地として設定する(S14)。
【0050】
なお、ステップS6において、CPU10は、現在時刻が算出した出発時刻を過ぎている場合には、依頼通知情報を送信するのに先立って、被依頼者が遅れる旨や予想される遅れ時間等を表す情報を依頼端末2に通信モジュール14を介して送信することによって、依頼者に待ち合せの依頼を継続するか否かを確認するようにしてもよい。
【0051】
また、車載装置5は、搭載された車両21が目的地に向けて出発したことを検知した場合や、到着予定時刻が変動した場合等に、到着予定時刻を表す情報を待ち合せ支援装置4を介して依頼端末2に送信するようにしてもよい。
【0052】
このような本発明の一実施の形態の待ち合せ支援システム1は、待ち合せの被依頼者が出発すべき出発時刻を被依頼者に通知するため、被依頼者にかかる出発時刻を調べる手間を省くことができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明にかかる待ち合せ支援システムは、待ち合せの被依頼者にかかる出発時刻を調べる手間を省くことができるという効果を有し、例えば、依頼者と被依頼者との待ち合せを支援する待ち合せ支援装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施の形態における待ち合せ支援システムのブロック図
【図2】本発明の一実施の形態における待ち合せ支援装置のブロック図
【図3】本発明の一実施の形態における待ち合せ支援システムの動作を説明するためのシーケンス図
【符号の説明】
【0055】
1 待ち合せ支援システム
2 依頼端末
3 被依頼端末
4 待ち合せ支援装置
5 車載装置
6 ネットワーク
10 CPU
11 RAM
12 ROM
13 ハードディスク
14 通信モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
定期運行される乗物を利用する待ち合せの依頼者に携帯される依頼端末からの依頼を受けて、前記待ち合せが依頼される被依頼者側に設けられた被依頼端末に前記待ち合せの依頼を通知する待ち合せ支援装置において、
前記被依頼端末の位置から予め定められた距離以内にある前記乗物の停車施設に前記依頼者が到着する到着時刻と、前記被依頼者が該停車施設に到着するまでの所要時間とを推定することによって前記被依頼者が出発すべき出発時刻を前記被依頼端末に通知する出発時刻通知手段を備えたことを特徴とする待ち合せ支援装置。
【請求項2】
前記出発時刻通知手段は、前記被依頼端末の位置から該停車施設までの経路を探索することによって、前記所要時間を推定することを特徴とする請求項1に記載の待ち合せ支援装置。
【請求項3】
前記出発時刻通知手段は、前記出発時刻を前記被依頼端末に通知した後に、該停車施設を表す情報を前記被依頼端末に対応付けられた車載装置に送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の待ち合せ支援装置。
【請求項4】
前記出発時刻通知手段は、定期運行される乗物の運行情報が記憶された記憶媒体から取得した前記運行情報に基づいて前記到着時刻を推定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の待ち合せ支援装置。
【請求項5】
前記出発時刻通知手段は、前記依頼端末の位置に基づいて前記依頼者がとる経路を推定することによって前記到着時刻を推定することを特徴とする請求項4に記載の待ち合せ支援装置。
【請求項6】
前記出発時刻通知手段は、前記被依頼端末の位置から予め定められた距離以内に複数の停車施設がある場合には、前記依頼者がとると推定される経路に応じて1つの停車施設を選択することを特徴とする請求項5に記載の待ち合せ支援装置。
【請求項7】
前記出発時刻通知手段は、現在時刻が前記出発時刻を過ぎている場合には、前記被依頼者が前記停車施設に到着する時刻が、前記依頼者が前記停車施設に到着する時刻より遅くなる旨を前記依頼端末に通知することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の待ち合せ支援装置。
【請求項8】
定期運行される乗物を利用する待ち合せの依頼者に携帯される依頼端末と、
前記待ち合せが依頼される被依頼者側に設けられた被依頼端末と、
前記依頼端末からの依頼を受けて前記被依頼端末に前記待ち合せの依頼を通知する待ち合せ支援装置とを備えた待ち合せ支援システムにおいて、
前記待ち合せ支援装置は、前記被依頼端末の位置から予め定められた距離以内にある前記乗物の停車施設に前記依頼者が到着する到着時刻と、前記被依頼者が該停車施設に到着するまでの所要時間とを推定することによって前記被依頼者が出発すべき出発時刻を前記被依頼端末に通知することを特徴とする待ち合せ支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−58413(P2007−58413A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241143(P2005−241143)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】