説明

微小電磁装置の作製方法及びそれによって作製される微小電磁装置

【課題】FIB−CVDを用いて、小型で、任意の場所、形状で微小電磁誘導装置を作製することができる微小電磁装置の作製方法及びそれによって作製される微小電磁装置を提供する。
【解決手段】 微小電磁装置の作製方法において、三次元CADを用いて設計した微小電磁装置の三次元構造モデルに基づいた描画データから、原料ガスに集束イオンビームを照射するFIB−CVD装置の集束イオンビームの照射位置とビームの強度、照射時間、照射間隔、照射方向を制御し、ガラスキャピラリー31の先端面に鉄芯35とDLCコイル36とからなる微小電磁装置を作製する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多種多様な材料、場所、形状、大きさで任意の微小立体構造物が作製可能である集束イオンビーム化学気相成長法(FIB−CVD)を用いた微小電磁装置の作製方法及びそれによって作製される微小電磁装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これまでに、本願発明者らは、FIB−CVDを用いた立体構造物の作製技術としてナノワイングラス、コイル、ピラーなどの任意の立体構造物の作製について既に提案している(下記特許文献1〜4、下記非特許文献1〜2参照)。
【0003】
ところで、従来、電磁装置は水平方向ないし垂直方向へ銅線を巻いたものであり、μmサイズからメートルサイズのものまで、銅線を巻く製造方法がとられている。
【特許文献1】特開2004−345009号公報
【特許文献2】WO2004/077536号公報
【特許文献3】WO2004/076343号公報
【特許文献4】特開2001−107252号公報
【非特許文献1】S.Matsui et.al,「Three−dimensional nanostructure fabrication by focused−ion−beam chemical vapor deposition」,J.Vac.Sci.Technol.B,Vol.18,No.6,Nov/Dec 2000,pp.3181−3184
【非特許文献2】T.Hoshino et.al,「Development of three−dimensional pattern−generating system for focused−ion−beam chemical−vapor deposition」 J.Vac.Sci.Technol.B,Vol.21,No.6,Nov/Dec 2003,pp.2732−2736
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これまでの電磁装置の作製方法には、銅線を巻く製造技術がとられてきた。そのため単一の銅線を巻くことにより銅線の線径に限界があり、外径を小さくすることが困難であった。また、銅線を巻く中心に鉄芯など心材が無い場合、形状を維持するのが難しく任意の場所、形状で作製するためには制約があった。
【0005】
本発明は、上記状況に鑑みて、FIB−CVDを用いて、小型で、任意の場所、形状で微小電磁装置を作製することができる微小電磁装置の作製方法及びそれによって作製される微小電磁装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
(1)微小電磁装置の作製方法において、三次元CADを用いて設計した微小電磁装置の三次元構造モデルに基づいた描画データから、原料ガスに集束イオンビームを照射するFIB−CVD装置の集束イオンビームの照射位置とビームの強度、照射時間、照射間隔、照射方向を制御し、基体上にコイルを含む微小電磁装置を作製することを特徴とする。
【0007】
(2)上記(1)記載の微小電磁装置の作製方法において、前記基体が基板であり、この基板の任意の箇所に鉄芯及びコイルを具備する微小電磁装置を作製することを特徴とする。
【0008】
(3)上記(1)記載の微小電磁装置の作製方法において、前記基体がガラスキャピラリーであり、このガラスキャピラリーの任意の箇所に鉄芯及びコイルを具備する微小電磁装置を作製することを特徴とする。
【0009】
(4)上記(1)記載の微小電磁装置の作製方法において、前記鉄芯は原料ガスとしてフェロセンガス〔Fe(C5 5 2 〕又はペンタカルボニルガス〔Fe(CO)5 〕を用い、前記コイルにはフェナントレンガス(C1410)を用い、前記微小電磁装置を異なる材料により作製することを特徴とする。
【0010】
(5)上記(1)記載の微小電磁装置の作製方法において、基体上に2本の配線を所定距離隔てて対向させ、該2本の配線の一方の端部間に第1の微小コイルを配置し、前記2本の配線のもう一方の端部間に第2の微小コイルを配置することを特徴とする。
【0011】
(6)上記(1)記載の微小電磁装置の作製方法において、基体上の凸部に微小コイルを巻回し、前記凸部に拡声のための振動板を取り付け、スピーカーを構成することを特徴とする。
【0012】
(7)上記(1)記載の微小電磁装置の作製方法において、基体上に2本の配線を所定距離隔てて対向させ、該2本の配線の一方の端部間に第1の微小コイルを配置し、前記2本の配線のもう一方の端部間に第2の微小コイルを配置し、前記第1の微小コイルと第2の微小コイルとの間に磁路を形成する鉄芯を配置し、変圧器を構成することを特徴とする。
【0013】
(8)上記(1)記載の微小電磁装置の作製方法において、基体上に2本の配線を複数組設け、該複数組の配線を中央部に対して放射状に配置し、前記複数組の配線の各端部間にそれぞれ微小コイルを配置して対向させ、前記中央部に回転軸が配置される複数の突極を有する回転子を配置し、電磁誘導モーターを構成することを特徴とする。
【0014】
(9)微小電磁装置であって、請求項1〜8の何れか一項記載の微小電磁装置の作製方法によって作製される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、FIB−CVDを用いて、小型で、任意の場所、形状で微小電磁装置を作製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の微小電磁装置の作製方法は、三次元CADを用いて設計した微小電磁装置の三次元構造モデルに基づいた描画データから、原料ガスに集束イオンビームを照射するFIB−CVD装置の集束イオンビームの照射位置とビームの強度、照射時間、照射間隔、照射方向を制御し、基体上にコイルを含む微小電磁装置を作製する。
【実施例】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明にかかるFIB−CVDによる微小電磁装置(電磁石)の作製装置の概略構成図である。
【0019】
まず、電子計算機(CAD)を利用して微小電磁装置の三次元モデルデータを設計し、次にその微小電磁装置の三次元モデルデータを高さ方向に分割し、その断面形状を算出して積層構造の離散的な描画データを作成する。次いでその描画データに基づいて、ビームの照射位置、ビームとビームの強度、照射時間、照射間隔、照射方向を決定し、集束イオンビームを制御する。そのために、制御装置15は、CPU(中央処理装置)16、微小電磁装置を作製するための三次元モデルデータメモリ17、入出力インターフェイス18、表示装置19、データ入力装置20とを備えている。
【0020】
そこで、ガスノズル11からCVDガスとしてフェナントレンガス(C1410)12を噴射する。フェナントレンガス12は約85℃に加熱してガス圧1.0×10-4Paで噴射し、そのガス雰囲気中でビーム照射電流約7pa程度のGa+ 集束イオンビーム13を照射することでCVDを行う。
【0021】
Ga+ 集束イオンビーム13によるCVDは、フェナントレンガス12雰囲気中にGa+ 集束イオンビーム13を照射することで、基板(シリコン基板)14〔ガラスキャピラリーであってもよい〕に吸着しているフェナントレン分子をビーム励起表面反応により分解し、カーボンを析出させ堆積させることでDLCを成長させていくものであり、Ga+ 集束イオンビーム13を任意方向にスキャンさせることにより、DLCを任意の形状にすることができる。
【0022】
ここで、Ga+ 集束イオンビーム13を制御するために用いた描画装置(図示なし)は、外部波形発生装置と立体構造のCADデータをZ軸方向の階層ごとの断面データに分割し描画させる3D−CAM(図示なし)の2種である。これらの描画装置を用いてGa+ 集束イオンビーム13の電磁界偏向制御を行うことで、Ga+ 集束イオンビーム13をソースガス12の噴射中にコントロールすることにより、DLCを任意の形状に成長させ、微小電磁装置を作成する。
【0023】
図2は本発明の実施例を示す微小電磁装置の作製装置の模式図である。
【0024】
以下、微小電磁装置の具体的製作を図2を参照しながら説明する。
【0025】
まず、ガスノズル11から原料ガス(フェナントレンガス12)を基板14に向けて噴射する。噴射された原料ガス分子が基板14表面に吸着される。そこへ、Ga+ 集束イオンビーム13を照射すると原料ガス分子が分解され堆積物21が生成される。この繰り返しの過程によって堆積物21が成長する。成長過程において独自に開発した3D−CAM(3次元CAM)を用い、Ga+ 集束イオンビーム13を任意の方向、照射位置、照射間隔を制御することによって微小電磁装置の作製が可能となる。また、噴射する原料ガスの種類を変えることにより様々な材質の微小電磁装置が作製可能である。この集束イオンビーム化学気相成長法(FIB−CVD)は、ナノサイズの微小電磁装置を作製する上で非常に有効な手段である。また、微小電磁装置を任意の場所へ作製することができる。
【0026】
図3は本発明の実施例を示すガラスキャピラリー上に製作される微小電磁装置を示す図である。
【0027】
この図において、31はガラスキャピラリー、31Aはそのガラスキャピラリー31の先端面、32はガラスキャピラリー31の内部、33はガラスキャピラリー31の内部32に配置されるAl−Niワイヤー、33AはそのAl−Niワイヤー33の端子電極、34はガラスキャピラリー31の外部、34Aはその外部34に設けられる金コーティングからなる端子電極、35はガラスキャピラリー31の先端面31Aに垂直に形成される鉄芯、36はその鉄芯35に巻回されるとともに、一方の端部はAl−Niワイヤー33の端子電極33Aへ、もう一方の端部は金コーティングからなる端子電極34Aに接続されるDLCコイルである。
【0028】
このように、ガラスキャピラリー31の内部には、Al−Niワイヤー34を通し、外部には金コーティングをして2端子電極33Aと34Aを作製した。その電極33Aと34A間にFIB−CVDを用いて、集束イオンビームの照射位置とビームの強度、照射時間、照射間隔、照射方向を制御し、まず、鉄芯35を作製し、それに巻回するようにDLCコイル36を作製し、微小電磁装置とした。
【0029】
原料ガスとしてDLCコイル36にはフェナントレンガス(C1410)を、鉄芯35にはフェロセンガス〔Fe(C5 5 2 〕又はペンタカルボニルガス〔Fe(CO)5 〕を使用した。DLCコイル36の直径は2μm、コイルの高さは11μm、線径は200nmとなった。また、鉄芯35として使用したフェロセンガス又はペンタカルボニルガスのピラーの高さは13.5μm、線径は100nmである。
【0030】
図4は本発明によって作製された微小電磁装置の動作を行う実験装置の模式図である。
【0031】
この図において、40は上記したようにして得られた微小電磁装置であり、この微小電磁装置40はガラスキャピラリー41の先端部に配置されており、鉄芯42とDLCコイル43からなり、DLCコイル43の両端は、切替えスイッチ44を有する定電流電源45に接続されている。
【0032】
このようにガラスキャピラリー41上に作製した微小電磁装置40の動作確認を図4のように配置して常温の室内光学顕微鏡下で行った。
【0033】
まず、電磁装置40側を定電流電源45に接続し、そしてFIB−CVDによって約20μmに成長させたFeピラー46(接地され接地電位にある)を微小電磁装置40の先端5μmの位置に置き、微小電磁装置40に1Aの電流を流した時のFeピラー46の動作を確認するという方法をとった。
【0034】
図5はその結果を示す図であり、図5(a)は微小電磁装置40が消勢されている初期状態を、図5(b)は微小電磁装置40のDLCコイル43に正方向の電流が印加された状態を、図5(b)は微小電磁装置40のDLCコイル43に逆方向の電流が印加された状態を示す図である。
【0035】
すなわち、まず、初期状態である図5(a)から正方向の電流、つまり、Al−Niワイヤー側から金コーティングの方に1Aの電流を流した時は、図5(b)に示すように、Feピラー46は反発し元の位置から2.5μmほど微小電磁装置40から遠ざかった。そして、逆方向の電流、つまり、金コーティング側からAl−Niワイヤー側へ1Aの電流を流した時は、図5(c)に示すように、Feピラー46は微小電磁装置40に引き寄せられ、初期状態の図5(a)から1.0μmほど微小電磁装置40へ近づいた。このことから微小電磁装置40が磁界を発生していることが明らかになった。
【0036】
次に、微小コイルを隣接して並べて配置した微小電磁誘導装置の検証を行った。
【0037】
図6は本発明の実施例を示す微小コイルを隣接して並べて配置した微小電磁誘導装置を示す図である。
【0038】
この図において、まず、シリコン基板51上に左右の配線52,53;54,55を有する四端子電極52A,53A;54A,55Aの作製を行った。左右の配線52,54と53,55と間の距離は6μm、向かい合う電極52A,53Aと54A,55A同士の距離は4μm、この左右の電極52Aと53A及び54Aと55A間に橋渡しするようにFIB−CVDを用いて微小コイル56,57を作製した。
【0039】
微小コイル56の直径は2μm、コイルの高さは11μm、線径は200nmとなった。向かい合う微小コイル57の形状は微小コイル56に同一とした。
【0040】
一方の微小コイル56に1Hzの交流電圧をかけた時に、他方の微小コイル57に生じた誘導電流の値を図7に示す。図7(a)は正弦波を入力した場合の入力電圧と誘導電流の特性図である。また、図7(b)は方形波を入力した場合の入力電圧と誘導電流の特性図である。この測定データから、さらに入力電圧を時間微分した値と誘導電流のグラフを図8に示す。図8(a)は正弦波の場合の電圧の時間微分値と誘導電流の特性図、図8(b)は方形波の場合の電圧の時間微分値と誘導電流の特性図である。
【0041】
これにより、入力電圧を時間微分した値が誘導電流の値と重なることが分る。これは磁束の変化に伴い電磁誘導によって生じた誘導電流であることを示す。
【0042】
次に、FIB−CVDにより作製した微小電磁誘導装置の適用例について述べる。
【0043】
図9は本発明の微小電磁誘導装置としての微小スピーカーを示す図である。
【0044】
この図において、基体61の凸部62に微小コイル63が巻回され、その上方に拡声を行う振動板64が配置されている。
【0045】
図10は本発明の微小電磁誘導装置としての微小変圧器を示す図である。
【0046】
この図において、基板71上に2本の配線72,73と75,76を所定距離隔てて対向させ、その配線72,73間に接続される第1次の微小コイル74と、これに対向して配置される配線75,76間に接続される第2次の微小コイル77とが配置され、この第1次の微小コイル74と第2次の微小コイル77中に磁路を形成する鉄芯78が配置される。
【0047】
図11は本発明の微小電磁誘導装置としての有する微小電磁誘導モータを示す図である。
【0048】
この図において、基板81上に4方から中心位置に向かうように、2本を1対とする4組の配線82A,82B:83A,83B:84A,84B:85A,85Bを配置し、配線82A,82B間に接続される第1の微小コイル86と、配線83A,83B間に接続される第2の微小コイル87と、配線84A,84B間に接続される第3の微小コイル88と、配線85A,85B間に接続される第4の微小コイル89とを配置し、それらの中央部に回転軸90Aと4つの突極90Bを有する回転子90を配置するようにしている。
【0049】
図12は本発明の微小電磁誘導装置としての微小ピックアップを示す図である。
【0050】
この図において、永久磁石91上に鉄芯92が設けられており、この鉄芯92に微小コイル93が巻回され、その微小コイル93の端部はギターアンプへと接続される。鉄芯92の上方には金属弦94が配置されている。
【0051】
また、核磁気共鳴装置(NMR:Nuclear Magnetic Resonance)の電磁コイルへの適用も可能である。
【0052】
上記した微小電磁誘導装置の微小コイル自身がnmからμmオーダーであることから、上記したスピーカー(図9)、変圧器(図10)、電磁誘導モーター(図11)、ピックアップ(図12)、核磁気共鳴装置など電磁コイルが主要となる電磁誘導装置がμmオーダーで作製が可能となる。
【0053】
また、微小な電磁誘導モーターをマニピュレータの動作部分に組み込み微小な動作制御を行うことが可能となる。更に、マイクロマシン、ナノマシンの機械的に動作する部品として組み込むことが可能である。
【0054】
FIB−CVDは、任意の微小な立体構造物の作製が可能であるから、図13に示すように微小コイルの巻数を自由に決めることができる。図13(a)は3巻回の微小コイル101を、図13(b)は4巻回の微小コイル102を、図13(c)は5巻回の微小コイル103をそれぞれ示している。
【0055】
このことから、巻数の異なる電磁誘導装置を鉄芯により繋げることで微小な変圧器の作製が可能となる。また、HDDの磁気ヘッドなど微小なコイルにより発生させる磁場の範囲を縮小し大容量化することもできる。電磁装置を応用し利用するNMRにおいては試料を設置する周辺のコイル及び磁場をかける電磁装置を微小とすることで、試料を微量で観測することが可能となる。
【0056】
上記にしたように、本発明によれば、
(1)FIB−CVDによる微小電磁装置の作製方法を利用することで、任意の大きさや形状を有する微小電磁装置を作製することが可能である。
(2)FIB−CVDによる微小電磁装置の作製方法を利用することで、シリコン基板上やガラスキャピラリー上の任意の場所に微小電磁装置を作製することが可能である。
(3)FIB−CVDによる微小電磁誘導装置の作製方法を利用することで、任意の場所において微小電磁誘導装置を作製することが可能である。
(4)FIB−CVDによる微小電磁誘導装置の作製方法を利用することでさまざまな装置(スピーカー、変圧器、モーター、ピックアップなど)への応用が可能である。
【0057】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形・応用が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の微小電磁装置の作製方法及びそれによって作製される微小電磁装置は、FIB−CVDを用いて、小型で、任意の場所、形状に作製される、微小電磁装置の作製方法及びそれによって作製される微小電磁装置として好適であり、ナノマシーンの部品を得るために利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明にかかるFIB−CVDによる微小電磁装置(電磁石)の作製装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施例を示す微小電磁装置の作製装置の模式図である。
【図3】本発明の実施例を示すガラスキャピラリー上に製作される微小電磁装置を示す図である。
【図4】本発明によって作製された微小電磁装置の動作を行う実験装置の模式図である。
【図5】図4における実験装置による実験結果を示す図である。
【図6】本発明の実施例を示す微小コイルを隣接して並べて配置した微小電磁誘導装置を示す図である。
【図7】図7に示す微小コイルによる誘導作用を説明する図(その1)である。
【図8】図7に示す微小コイルによる誘導作用を説明する図(その2)である。
【図9】本発明の微小電磁誘導装置としての微小スピーカーを示す図である。
【図10】本発明の微小電磁誘導装置としての微小変圧器を示す図である。
【図11】本発明の微小電磁誘導装置としての有する微小電磁誘導モータを示す図である。
【図12】本発明の微小電磁誘導装置としての微小ピックアップを示す図である。
【図13】本発明の各種の巻数が異なる微小コイルを示す図である。
【符号の説明】
【0060】
11 ガスノズル
12 CVDガスとしてフェナントレン(C1410)ガス
13 Ga+ 集束イオンビーム
14,51 基板(シリコン基板)
15 制御装置
16 CPU(中央処理装置)
17 微小電磁誘導装置を作製するための三次元モデルデータメモリ
18 入出力インターフェース
19 表示装置
20 データ入力装置
21 堆積物
31,41 ガラスキャピラリー
31A ガラスキャピラリーの先端面
32 ガラスキャピラリーの内部
33 ガラスキャピラリーの内部に配置されるAl−Niワイヤー
33A Al−Niワイヤーの端子電極
34 ガラスキャピラリーの外部
34A 金コーティングからなる端子電極
35 ガラスキャピラリーの先端面に垂直に形成される鉄芯
36,43 DLCコイル
40 微小電磁誘導装置
42,78,92 鉄芯
44 切替えスイッチ
45 定電流電源
46 Feピラー
52,53;54,55,72,73,75,76,82A,82B:83A,83B:84A,84B:85A,85B 配線
52A,53A;54A,55A 四端子電極
56,57,63,93 微小コイル
61 基体
62 凸部
64 振動板
71,81 基板
74 第1次の微小コイル
77 第2次の微小コイル
86 第1の微小コイル
87 第2の微小コイル
88 第3の微小コイル
89 第4の微小コイル
90 4つの突極を有する回転子
90A 回転軸
90B 突極
91 永久磁石板
94 金属弦
101 3巻回の微小コイル
102 4巻回の微小コイル
103 5巻回の微小コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元CADを用いて設計した微小電磁装置の三次元構造モデルに基づいた描画データから、原料ガスに集束イオンビームを照射するFIB−CVD装置の集束イオンビームの照射位置とビームの強度、照射時間、照射間隔、照射方向を制御し、基体上にコイルを含む微小電磁装置を作製することを特徴とする微小電磁装置の作製方法。
【請求項2】
請求項1記載の微小電磁装置の作製方法において、前記基体が基板であり、該基板の任意の箇所に鉄芯及びコイルを具備する微小電磁装置を作製することを特徴とすることを特徴とする微小電磁装置の作製方法。
【請求項3】
請求項1記載の微小電磁装置の作製方法において、前記基体がガラスキャピラリーであり、該ガラスキャピラリーの任意の箇所に鉄芯及びコイルを具備する微小電磁装置を作製することを特徴とする微小電磁装置の作製方法。
【請求項4】
請求項1記載の微小電磁装置の作製方法において、前記鉄芯は原料ガスとしてフェロセンガス〔Fe(C5 5 2 〕又はペンタカルボニルガス〔Fe(CO)5 〕を用い、前記コイルにはフェナントレンガス(C1410)を用い、前記微小電磁装置を異なる材料により作製することを特徴とする微小電磁装置の作製方法。
【請求項5】
請求項1記載の微小電磁装置の作製方法において、基体上に2本の配線を所定距離隔てて対向させ、該2本の配線の一方の端部間に第1の微小コイルを配置し、前記2本の配線のもう一方の端部間に第2の微小コイルを配置することを特徴とする微小電磁装置の作製方法。
【請求項6】
請求項1記載の微小電磁装置の作製方法において、基体上の凸部に微小コイルを巻回し、前記凸部に拡声のための振動板を取り付け、スピーカーを構成することを特徴とする微小電磁装置の作製方法。
【請求項7】
請求項1記載の微小電磁装置の作製方法において、基体上に2本の配線を所定距離隔てて対向させ、該2本の配線の一方の端部間に第1の微小コイルを配置し、前記2本の配線のもう一方の端部間に第2の微小コイルを配置し、前記第1の微小コイルと第2の微小コイルとの間に磁路を形成する鉄芯を配置し、変圧器を構成することを特徴とする微小電磁装置の作製方法。
【請求項8】
請求項1記載の微小電磁装置の作製方法において、基体上に2本の配線を複数組設け、該複数組の配線を中央部に対して放射状に配置し、前記複数組の配線の各端部間にそれぞれ微小コイルを配置して対向させ、前記中央部に回転軸が配置される複数の突極を有する回転子を配置し、電磁誘導モーターを構成することを特徴とする微小電磁装置の作製方法。
【請求項9】
請求項1〜8の何れか一項記載の微小電磁装置の作製方法によって作製される微小電磁装置。

【図1】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2007−69325(P2007−69325A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260588(P2005−260588)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2005年3月10日 社団法人電気学会主催の「マイクロマシン・センサシステム研究会」において文書をもって発表
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】