説明

微細気孔が含まれたポリウレタン発泡体の製造方法及びそれから製造された研磨パッド

微細気孔含有ポリウレタン発泡体の製造方法及びそれから得られる研磨パッドを提供する。その方法は、(a)イソシアネート基含有化合物を含む第1成分と、活性水素基含有化合物を含む第2成分とのうち少なくとも一つに非イオン性界面活性剤を添加する段階と、(b)前記第1成分と第2成分との混合液に非反応性気体を加えながらその混合液を撹拌・混合する段階と、(c)前記混合液を一定流速で容器の外部に吐出する段階と、(d)吐出された混合液を金型に注入して所定形状に成形する段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微細気孔を含むポリウレタン発泡体の製造方法及びそれから製造された研磨パッドに係り、特に半導体ウェーハの化学的−機械的研磨(CMP)による平坦化過程で用いられる研磨パッドの製造方法及びそれから得られた研磨パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
最近半導体素子が急速に高集積化されるにつれて配線パターンの微細−緻密化が進んでいる。この点に関し、パターンを転写する時に露光技術を改良するだけでは緻密化を克服するのに限界がある。また高集積化が進むにつれて積層膜の数が増加して半導体ウェーハ表面の凹凸を増加させるために配線を緻密に形成し難くなっており、ウェーハ表面を平坦化する技術の改善が強く要望されている。
【0003】
このように高集積半導体素子の集積度向上により、さらに小さいウェーハ面積にさらに小さい配線パターンや相互接続部の形成が要求され、従って半導体ウェーハの平坦度公差は一層小さくなっている。そのため、表面平坦化のためのCMP用研磨パッドにもさらに向上した機能が要求されている。
【0004】
一般的な半導体工程におけるCMP装置は研磨パッドが装着されて回転する回転ターンテーブルと、ウェーハを工程進行により移送させて前記回転ターンテーブル上で回転させるウェーハキャリアと、前記回転ターンテーブルの中央上部で研磨スラリを供給する研磨スラリ供給器と、ダイヤモンドドレッサ等を含む。
【0005】
このようなCMP装置は研磨パッドの上部に半導体ウェーハを位置させた後、ウェーハキャリアに荷重を加えつつターンテーブルを回転させながら研磨スラリを連続的に供給し、研磨パッドと半導体ウェーハとの摩擦による機械的研磨と研磨スラリの化学成分による化学的研磨とを同時に行って研磨工程を進める。例えば、研磨スラリのうち酸化膜用スラリは一般的にコロイドシリカやヒュームドシリカ10〜20体積比%を水酸化カリウム(KOH)あるいは水酸化アンモニウム(NH4OH)と混合してpH10〜12に調整した高アルカリ水溶液である。前記シリカ粒子は機械的な研磨作用に影響し、高アルカリ水溶液は化学的な研磨作用に影響する。
【0006】
CMP工程進行中に研磨パッドは圧力を継続的に受けながら回転され、これにより研磨パッドの微細気孔が半導体ウェーハの研磨残余物によりふさがり、それによりスラリ液を入れておく気孔の機能を失うことがある。この時ダイヤモンドドレッサで研磨パッドの表面をコンディショニングして不均一な摩耗層を除去してその不均一な摩耗層を平滑で均一にする。
【0007】
上記のCMP装置に用いられる研磨パッドは不織布にポリウレタンを含浸させて製造した多孔質型不織布タイプと、ポリウレタン溶液を湿式法で製造した発泡ポリウレタン誘導タイプの2つがある。それらは表面に気孔を有し、研磨過程中に内部に研磨スラリを保有するように機能する。
【0008】
従来技術の第1例として、特許文献1に開示された不織布タイプの研磨パッドが挙げられる。これはポリウレタン/DMF溶液を不織布に含浸させた後、DMF水溶液で凝固させて微細気孔を含有した研磨パッドを形成するものであり、研磨時に半導体ウェーハとの接触性と研磨スラリの保有性とは良いが、表面硬度が低くて圧縮変形が容易に起きて半導体ウェーハの平坦度を落とす問題点がある。
【0009】
従来技術の第2例として、特許文献2に記載された発泡ポリウレタン誘導タイプの研磨パッドが挙げられるが、これは末端イソシアネート基含有(isocyanate terminated)ウレタンプレポリマーと硬化剤(活性水素化合物)である4,4−メチレン−ビス−(2−クロロアニリン)(MOCA)とを混合・撹拌した後、膨脹した有機高分子中空球体(商品名:Expancel 551 DE(Dry Expanded))を添加・混合して型で硬化させた成形シートを一定の厚さに切断して製造されるものであり、表面硬度が高いために不織布タイプに比べて圧縮変形が少なくて研磨速度及びウェーハの平坦性が向上する。しかし、上記の研磨パッドはあらかじめ膨脹した有機高分子中空球体を用いるが、膨脹した有機高分子中空球体は比重が0.042ほどと小さいために、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと混合する時には粘度がかなり高まり、硬化剤(MOCA)と混合する時にはバブルが発生するので、成形物に気泡が残留する。また、膨脹した有機高分子中空球体は末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーと比べて比重差が大きいために、これら物質の混合物(コンパウンド)は分離されやすく、吐出される注入液は配合偏差が起きやすい。従って、前述のコンパウンドと硬化剤とを混合・撹拌した樹脂組成液を金型内に注入して成形する時に、樹脂が硬化しないうちに中空球体が浮上して上面方向に偏在する現象が発生する。従って、成形物を水平方向にスライスして得られた一定厚さの研磨パッドは上面付近と下面付近とで密度差と硬度差とが発生して材質が均一ではなくなり、研磨パッドのロット間研磨特性の偏差が発生する問題点がある。また、有機高分子中空球体は中空部に低沸点炭化水素を内包して外側部分がアクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体やアクリロニトリル共重合体の熱可塑性樹脂より構成されており、研磨時に気孔の熱可塑性樹脂によりウェーハ表面にスクラッチが発生して収率を低下させる他の問題点がある。
【0010】
このような問題点を解決するための従来技術の第3例として、別途の中空球体を添加せずにパッド組成物内に非反応性気体を注入して気孔を形成する方法が特許文献3に開示されている。これによれば、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに水酸基を含有しないシリコン系非イオン性界面活性剤を混合して第1成分液を得、これに非反応性気体を投入しつつ高速撹拌してクリーム状の気泡分散液を作った後で濾過網を通過させて比較的大きい気泡を除去する。その次に、前記クリーム状の気泡分散液を2軸遊星型混合器に入れた後、第2成分液である硬化液と混合して混合液を作った後でこれを撹拌、成形及び切断して微細気孔を形成させた研磨パッドを製造する。
【0011】
しかし、このような研磨パッドはクリーム状の気泡分散液を製造する過程で不均一な気泡が形成され、均一な大きさと分布度の気孔を得難い問題点がある。これにより、研磨速度と研磨効率とが低下し、成形体の位置及びロットによりパッドの研磨特性が変わって均一な工程制御が困難である。また、このような問題点を改善するために過度な大きさの気泡を除去するための濾過工程が必要となるので、工程が複雑になるだけではなくこのような濾過工程によっても満足すべき効果を得難い。
【0012】
また、2成分液の混合以前に特定の1成分液に非反応性気体が注入されてクリーム状の気泡分散液が得られるので、いったんこのようなクリーム状の気泡分散液が得られれば、組成物の物性変化を抑制するために2成分の混合工程が迅速に進められなければならない。すなわち、混合物中の各成分液を保持する保存特性が劣悪なのでポットライフが短くて工程余裕度が低い問題点がある。
【0013】
また、クリーム状の気泡分散液をもう一つの1成分液と混合せねばならないので、円滑な混合が困難であって工程条件が厳格になって工程時間が延長されるだけではなく、混合物内気孔の分布が均一ではなくなり、その結果ロット別、成形体位置別に研磨パッドの特性が異なってCMP工程の信頼性が低下する問題がある。
【0014】
また、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーとシリコン系非イオン性界面活性剤との混合物から構成された第1成分液に非反応性気体を注入して高速撹拌するにあたり、シリコン系非イオン性界面活性剤が水酸基を含有した場合には、高速撹拌過程で末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーが水酸基と反応して物性が変化することを防止するためには、水酸基が含まれていないシリコン系非イオン性界面活性剤を選択使用せねばならない制約があり、これは多様な物性条件が要求される研磨パッドにおいて組成成分選択の制約要素となる。また、水酸基を含有したシリコン系非イオン性界面活性剤がさらに汎用性があって価格面でも有利であるにもかかわらず、このような界面活性剤の使用が制約されるので、工程費用面で不利であって工程余裕度も低下する。
【特許文献1】特開平2−250776号公報
【特許文献2】国際特許公開第WO94/04599号パンフレット
【特許文献3】国際特許公開第WO01/96434号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上記のような問題点を解決するためのものであり、スクラッチ発生がなく、組成成分の選択可能性が高く、製造工程が単純であって工程余裕度の高まったポリウレタン発泡体製造方法を提供することを目的とする。
【0016】
気孔の大きさ及び分布度が均一であり、研磨効率が高く、ロット間研磨特性偏差の低い研磨パッドを提供することを他の目的とする。
本発明に用いられたウレタンプレポリマーのTDIモノマー含量を減少させ、作業環境改善効果面で効率的であってポットライフが長くて工程条件を調節しやすく、耐久性、機械的特性などの物性に優れた研磨パッド及びその製造方法を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明は発泡体組成物に非反応性気体を注入することにより、別途の中空球体を挿入することなく発泡体内に自体気孔を形成させてスクラッチの発生を抑制する。
また、気泡形成工程を2成分液の混合過程の間に行うことにより、2成分液の混合が円滑に進められるので、気孔の大きさ及び分布の均一性を確保してロット別研磨特性偏差を減らし、各成分液のポットライフを長くして工程余裕度を高める。また、これにより工程が単純化されるので、工程費用を安くして工程信頼性を高める。
【0018】
また、気泡形成工程が各個別の成分液段階にて行われるのではないので、選択可能な界面活性剤の範囲が拡張されて多様な物性の研磨パッドを製造でき、多様な工程条件下で組成成分の選択可能性が高まって工程余裕度を高めて工程費用を安くできる。
【0019】
このために本発明は、(a)イソシアネート基含有化合物を含む第1成分と、活性水素基含有化合物を含む第2成分とのうち少なくとも一つに非イオン性界面活性剤を添加する段階と、(b)前記第1成分と第2成分との混合液に非反応性気体を注入しつつ撹拌・混合する段階と、(c)前記混合液を一定流速で外部に吐出する段階と、(d)吐出された混合液を金型に注入して所定形状に成形する段階とを含む微細気孔含有ポリウレタン発泡体の製造方法及びこれから得られた研磨パッドを提供する。必要により、(b)段階の2成分混合液に有機中空球体または無機中空球体を添加できる。
【0020】
より詳細には、本発明は微細気孔含有ポリウレタン発泡体の製造方法及びこれから得られた研磨パッドを提供する。その方法は、(a)末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含む第1成分と、活性水素基含有化合物を含む第2成分とのうち少なくとも一つに前記末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部のシリコン系非イオン性界面活性剤を添加する段階と、(b)前記第1成分と第2成分とを2〜15barrの圧力下で非反応性気体を注入しながら混合・撹拌し、前記混合液を2〜20kg/minの流量で外部に吐出させる段階であって、前記非反応性気体を前記吐出された混合液1kg当たり0.1〜1L/minの流量で注入する前記段階と、(c)前記吐出された混合液を成形用の金型に注入する段階とを含み得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本願発明の好ましい実施形態と添付の図面に示された実施例を詳細に参照する。まず、工程条件及び組成成分条件について詳細に説明する。
【0022】
1. 工程条件
前記(b)段階を行いつつ、前記混合液を一定流速で吐出させて、前記(c)段階で金型内に注入される。
(b)段階の非反応性気体としては、窒素、アルゴン、ネオンなどの不活性気体、酸素、炭酸ガスまたは一般空気などを利用でき、その他にもイソシアネート含有化合物や活性水素と反応しない気体ならば制限なしに使用できるが、費用及び安定性などで窒素が最も適している。第3従来技術に言及された前記特許文献3は多様な非反応性気体を開示しており、その記載をここに引用して本発明を形成する。
【0023】
非反応性気体の注入流量は外部に吐出される混合液の量に基づいており、混合液吐出量1kg当たり0.1〜1L/min、望ましくは1kg当たり0.3〜0.7L/minである。すなわち、吐出流量が3kg/minならば気体注入流量は0.3〜3L/minが適当であり、吐出流量が7kg/minならば気体注入流量は0.7〜7L/minが適当である。気体注入流量が吐出流量1kg当たり0.1L/min以下になれば気孔がほとんど形成されず、吐出流量1kg当たり1L/min以上ならば気孔が大きすぎて発泡体の硬度が低下し、その結果これから製造された研磨パッドもやはり硬度が低くて過度にソフトであり、接触特性やスラリ保有特性などは優秀であるが、研磨効率と平坦度特性とが低下して望ましくない。しかし、このような物性のソフトな研磨パッドを製造しようとする場合には、1L/min以上に非反応性気体注入流量を設定できる。気体注入流量を流量調節器などを利用して正確に調節することにより均一サイズの微細気孔を形成できる。
【0024】
また、(b)段階において外部に吐出される混合液の流量は研磨パッドに要求される物性を考慮して適切に調節できるが、普通2〜20kg/min、望ましくは2〜7kg/minである。吐出流量が2kg/min以下である場合には工程時間が長くなって生産性が落ち、20kg/min以上である場合には気孔の大きさと分布度とにおいて均一性が低下する。
【0025】
また、(b)段階は一定圧力下で行われることが望ましいが、普通2〜15barr、望ましくは4〜10barr、さらに望ましくは略5barrの圧力下で行われる。圧力が2barr以下であるか15barr以上ならば、気孔の大きさと分布度の均一性が低下する。(b)段階の混合物撹拌速度は2成分液と非反応性気体とが適切に混合されるほどであって3,000〜10,000rpm、望ましくは3,000〜6,000rpm、さらに望ましくは略5,000rpmに設定できるが、これに制限されない。当業者ならば2成分液の組成と物性そして、量、混合・撹拌器の大きさ及び非反応性気体の注入流量などを考慮して適切に選択できる。
【0026】
以上で明らかにしたように、非反応性気体は、その注入流量、注入圧力、撹拌速度及び吐出流量と吐出圧力などの条件を調節することにより用いる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーあるいは活性水素化合物及びシリコン系界面活性剤などの添加物からなるマトリックス内において約5〜150μmの直径の微細気孔として存在し、上述した条件の調節によって微細気孔の直径は20〜80μmの範囲で略一定に調節することができるものである。
【0027】
2. 界面活性剤
(a)段階にて界面活性剤は第1成分と第2成分とのいずれかにまたは双方に添加できるが、第1成分に添加されることが望ましい。また、その総添加量はイソシアネート基含有化合物100重量部に対して0.1〜10重量部、望ましくは0.5〜5重量部、さらに望ましくは1〜3重量部である。界面活性剤の含量が0.1重量部未満ならば気泡が形成され難く、10重量部以上ならば気泡があまりにも多く形成されて粘度が高まり取扱いが困難であって混合工程条件が厳格になり、過度に多くの気孔形成により研磨パッドの硬度が低下し、その平坦性が低下する。
【0028】
界面活性剤としては、シリコン系非イオン性界面活性剤が適するが、それ以外にも研磨パッドに要求される物性により多様に選択できる。シリコン系非イオン性界面活性剤としては、水酸基を有するシリコン系非イオン性界面活性剤を単独で使用するか、水酸基を有さないシリコン系非イオン性界面活性剤と共に使用できる。
【0029】
水酸基を有するシリコン系非イオン性界面活性剤はイソシアネート含有化合物及び活性水素化合物との相溶性が良好であってポリウレタン技術分野に広く活用されている整泡剤の一種である。本発明の水酸基を有するシリコン系非イオン性界面活性剤にはこのような公知物質または市販物質を利用でき、市販物質としてはダウコーニングで製造する「DOW CORNING 193」(シリコーングリコールコポリマー:特性 外観=透明またはわずかに不透明の液体;25℃/15.6℃における比重=1.07;20℃における粘度=465mm2/s;セタ密閉式引火点(Flash point−closed cup)=92℃)(以下、DC−193という)などがある。
【0030】
水酸基を有さないシリコン系非イオン性界面活性剤も一般の公知物質または市販物質を使用でき、第3従来技術に言及された前記特許文献3に多様な物質が言及されているところ、本発明はこれら物質を含む。市販用にはダウコーニングで製造する「DOW CORNING 190」(シリコーングリコールコポリマー:DOW CORNING 190界面活性剤はJCICにおいてポリ(オキシエチレンオキシプロピレン)−メチルポリシロキサンコポリマーの化学名、CLS分類が1−11のコード番号521013で引用されている。(特性:色度(ガードナー)=2;25℃/15.6℃における比重=1.037;25℃における粘度=2,000mm2/s;セタ密閉式引火点=>63℃;1.0%水溶液での逆溶解性温度(Inverse solubility point)=36℃)(以下、DC−190という)などがある。
【0031】
3. イソシアネート含有化合物
多様なイソシアネート含有化合物、製造方法、製造に用いられる多様な出発物質及び反応物質が前記特許文献3に開示されており、その記載をここに引用して本発明を構成する。
【0032】
イソシアネート含有化合物としては、末端イソシアネート基含有ポリウレタンプレポリマーがさらに望ましい。
末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、(1)イソシアネートと(2)ポリオール及び(3)鎖延長剤(extender)を反応させて得られ、この時TDI(Toluene DiIsocyanate)のモノマー含量を一般的なウレタンプレポリマーのTDIモノマー含量である0.2〜0.5%より少ない0.1%以下にすれば、作業環境を改善してポットライフを延長させて工程余裕度を向上させられる。これから得られたポリウレタン発泡体及び研磨パッドの耐久性、機械的特性などの物性を向上させられる。
【0033】
前記末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの出発物質として、(1)イソシアネートは2,4−トリレンジイソシアネートを主に使用するが、その他ジイソシアネートを本発明の効果を阻害しない範囲内で併用することも可能である。その例としては、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、イソフォロンジイソシアネート(IPDI)、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI)などの化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。(2)ポリオールとしては、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリエステル系ポリオールなどを利用でき、(3)鎖延長剤としては、低分子量ポリオール、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールなどを利用できる。しかし、これに限定されず、公知の多様な物質及び前記特許文献3に開示された多様な物質を含む。
【0034】
4. 活性水素化合物
活性水素化合物は末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの架橋剤として作用して混合物を硬化させるが、これは常温で固体状態であるポリアミン(MOCA)単独あるいは固体状態であるポリアミンと液体状態であるポリオールとの混合物を使用でき、例えば3,3−ジクロロ4,4−ジアミノジフェニルメタン、クロロアニリン変性−クロロジアミノフェニルメタン、3,5−ビス(メチルチオ)2,4−トルエンジアミン、3,5−(メチルチオ)2,6−トルエンジアミン、アミノエチルピペラジン、メタキシレンジアミンなどのアミン類のうちから少なくとも一つを主に使用する。このようなジアミン類は単独でも使用が可能であるが必要により、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコールなどのポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、オリエステルポリオールなどと併用することも可能である。アミンと併用するポリオールの分子量は低分子量が適当であり、特に分子量500〜3,000範囲にあるポリ(オキシテトラメチレン)グリコールあるいはポリカーボネートグリコールなどが望ましい。その他にも前記特許文献3に開示された多様な物質や公知物質を利用できる。
【0035】
5. 有機中空球体及び無機中空球体
必要により、(b)段階の2液成分混合物に有機中空球体または無機中空球体を追加できる。
有機中空球体は有機被膜内部に中空部が形成されたものであり、これについては前記特許文献2に詳細に記載されているので、その記載事項をここに引用して本発明を構成する。
【0036】
無機中空球体はアクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体やアクリロニトリル共重合体の熱可塑性樹脂からなる内皮に低沸点炭化水素が形成されており、前記内皮の表面には、例えばチタンオキシド、炭酸カルシウム、シリカ、セリウムオキシド、セラミックのような無機粉体粒子の被膜がコーティングなどの方法で付着されている。粉体粒子の直径は20〜50μmである小さいものと、直径が80〜150μmである大きいものとか単独でまたは混合して使われる。その比重は0.1〜0.4±0.05g/cm3であるものが適している。無機中空球体を少量混合して使用すれば研磨効率が高まり、別途の研磨剤をスラリに添加させずとも研磨が可能であって経済的観点で生産コストを節減できる。
【0037】
6. 2液成分混合時の温度条件
2液成分混合の全段階、すなわち第1及び第2成分液が2液成分の成形装置に注入される段階にて、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーや活性水素化合物成分の温度は2液成形装置を循環するにおいて支障を与えない範囲に保持される。
【0038】
具体的に、末端イソシアネート基含有プレポリマーは60〜110℃、特に70〜90℃の温度範囲に保温されることが望ましい。活性水素化合物は、例えばジアミン類が常温固体の3,3−ジクロロ4,4−ジアミノフェニルメタンの場合は100〜120℃の温度範囲であり、常温液状のジアミン類及びジアミン類とポリオールの混合物である場合には60〜100℃の温度範囲に保持されことが望ましい。
【0039】
7. 研磨パッドの物性
本発明によって製造された研磨パッドは、用いる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーあるいは活性水素化合物及びシリコン系界面活性剤などの添加物からなるマトリックス内に非反応性気体が一定範囲の体積比をなしかつ均一に分布されたものであり、このような非反応性気体によって形成された研磨パッド内の微細気孔の平均的な大きさは約20〜150μmであり、平均的には50〜80μmの大きさのものが全体微細気孔の大きさの約70〜80μm/%の割合を占める。これによって微細気孔を含む研磨パッドの密度は約0.5〜1.0g/cm3の範囲であり、微細気孔を含まない状態の密度1.2±0.05g/cm3と比較される。これを百分率に換算すれば単位体積のマトリックス内に微細気孔が占める体積の割合は約17〜59%の範囲である。より望ましくは0.7〜0.9g/cm3の範囲、即ち、単位体積のマトリックス内に微細気孔が占める体積の割合が約25〜42%であることが望ましい。上述したように、研磨パッドに含まれた微細気孔は研磨パッドの硬度を顕著に低めるが、微細気孔含有研磨パッドの硬度は用いる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーあるいは活性水素化合物及びシリコン系界面活性剤などの種類及び添加量により変わる。一般的にショアD硬度は50〜70であり、望ましくはショアD硬度は56〜68の範囲である。硬度は研磨工程時のウェーハの研磨効率、表面品位及び平坦性の側面において重要である。硬度の高いパッドを使用すれば研磨効率は望ましいが表面品位及び平坦度が低下し、硬度の低いパッドを使用すれば表面品位と平坦度とは向上するものの研磨効率に劣る。従って、上述したように、微細気孔を含む研磨パッドは研磨效率を高めるのに十分な硬度を有し、ウェーハに対する表面品位及び平坦度を向上させるためには、硬度の高い研磨上層型パッドに上層パッドを支持すると共に、緩衝の役割を果たす不織布あるいは高分子フォームを積層させた複合パッドを用いるが、圧縮率5〜15%、圧縮弾性率55〜75%、ショアA硬度60〜78である不織布あるいは高分子フォームが適当である。
【0040】
上記のように研磨効率及び平坦度は研磨パッドの特性により影響されるが、パッドの表面形態などによっても変わる。研磨工程時に研磨パッドの上部面に供給されるスラリの均衡的な流動及び分布のために、主要移動通路として作用させてスラリの流出を防止してスラリがパッドの全表面に等しく分布するように持続的に流動させるX−Y形状(直交形状)あるいは四角形のマクログルーブと、前記マクログルーブ間に形成されるか単独で形成されたさらに小さい幅と深さのマイクログルーブとでパッドの表面形態を形成する。例えば、前記マクログルーブは深さ0.3〜1.5mm、幅0.1〜1.0mm、間隔1.0〜8.0mmであり、マイクログルーブは深さ0.2〜1.0mm、幅0.1〜0.5mm、間隔1.0〜5.0mmに形成できる。
【0041】
以下、本発明の望ましい実施例と比較例とによりポリウレタン発泡体を製造し(表1)、それから得られた研磨パッドの研磨特性を下記の方法で測定して評価した(表2)。
【0042】
[研磨特性評価方法]
1. 研磨速度
研磨試験を1分間行って試験前後の被研磨物の厚さを測定する。測定位置は研磨面内に49箇所をあらかじめ選択しておく。49箇所における研磨試験前後の厚さ差に対する平均値を算出して研磨パッド1枚の研磨速度とする。
【0043】
同じ微細気孔含有研磨パッド10枚分の研磨速度の平均値A及び分散値Bを表記して研磨特性とロット間偏差とを評価する。Aは研磨特性に関するものであり、数値が開くほど研磨効率にすぐれることを示している。Bはロット間偏差に関するものであり、数値が小さいほど研磨特性が安定しているということを示す。
【0044】
2. 平坦性
研磨試験を1分間行って試験前後の被研磨物の厚さを測定する。測定位置は研磨面内の49箇所をあらかじめ選択しておく。49箇所における研磨試験前後の厚さの差の最大値(Max)、最小値(Min)及び平均値(Ave)から、次式を利用して算出したものを研磨パッド1枚分の平坦性とする。
平坦性=100X(Max−Min)/Ave
【0045】
同一微細気孔含有の研磨パッド10枚分の平坦性数値の平均値C及び分散値DをC±Dとして表記して研磨特性とロット間ばらつきとを評価する。Cは研磨特性に関するものであり、Cの数値が小さいほど研磨面の平坦性にすぐれることを示す。Dはロット間ばらつきに関するものであり、Bの数値が小さいほど研磨特性が安定していることを示す。
【0046】
[実施例及び比較例]
比較例1
末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(商品名:Adiprene L−325、TDI/PTMG/DEG系、NCO content 9.0〜9.3%)100重量部に膨脹中空球体(商品名:Expencel−551 DE)2.3重量部を添加混合した混合物は70℃で、活性水素化合物としてMOCA 25重量部は120℃でそれぞれ加熱した。これら2液成分を混合した混合物を成形温度100℃の金型に注入後にオーブン中で30分間110℃に加熱して1次に硬化した。鋳物を離型した後で120℃で5時間硬化した後、鋳物を25℃まで冷却した後で1.3mm厚さにスライスして研磨パッドを製作した。ウェーハ研磨に用いられるパッド表面とウェーハ間にスラリ流入量を効果的に調節し、研磨効率を高めるべくスライスした研磨パッド表面にグルーブを形成した。研磨パッド表面上にX−Y軸を中心に並んでX−Y形状のマクログルーブを多数形成し、同時に幅、深さ、ピッチの異なる微細グルーブを形成した。前記グルーブを形成した上層型研磨パッドに、厚さ1.25±0.03mm、圧縮率10±1%、ショアA硬度70±2である不織布を接着させて積層型パッドを製造した。
【0047】
前記方法により製造した研磨パッド10枚を研磨装置に装着してSiO2膜の研磨特性を測定した。研磨スラリ流入量を150ml/min、ウェーハ荷重を5.5psi、ターンテーブル回転数を30rpm、ヘッド回転数を30rpm、研磨時間を60秒とした研磨条件で研磨試験を行った結果、研磨速度は3,000±200/分、平坦性は5±1%であった。
【0048】
比較例2
図1の模式図でのように、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーAdipren L−325 100重量部に水酸基を含まないシリコン系非イオン性界面活性剤(商品名:SH−190)1重量部を添加混合した後、混合器10に非反応性気体N2を投入しつつ3,500rpmほどで1分30秒ほど高速撹拌してクリーム状の気泡分散液を得た。前記気泡分散液を濾過網20を通過させて不均一な気泡を除去した後、遊星型混合器30に移送し、120℃で溶解させたメチレンビス−O−クロロアニリン(MBCA、イハラケミカル(株))26.2重量部を混合し、金型40に注入した後で80〜90℃の温度で12時間ほど硬化させた。鋳物を25℃まで冷却した後で1.3mm厚さにスライスして研磨パッドを製作した。前記上層型パッドを比較例1と同じ方法でグルーブを形成した後で積層型パッドを製造した。比較例1の方法による研磨条件で研磨試験を行った結果、研磨速度は2800±200/分、平坦性は3±1%であった。
【0049】
実施例1
図2の模式図でのように、末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーAdipren L−325を100重量部に水酸基を含むシリコン系界面活性剤(商品名:DC−193,ダウコーニング社)1重量部を添加して60℃ほどで2時間反応させた結果、シリコン系界面活性剤の水酸基が消滅しつつ均一であって安定化されたウレタンプレポリマー反応液(第1成分液)を得た。前記第1成分液を気泡形成成形装置100に移送した後で第2成分液に120℃で溶解させたMBCA 24重量部(末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーAdiprene L−325 100重量部を基準)を添加しつつ非反応性気体N2をマスフローメータ104を利用して注入した。次に、混合液を回転羽108で撹拌、混合して吐出口106を通じて一定流速で外部に吐出する。混合が円滑になされて気泡が均一に発生するように、回転羽108は図2の模式図でのように筒状を使用し、回転羽と成形装置内壁間の間隔を狭めることがさらに望ましい。成形装置100の工程条件は圧力5barr、吐出流量3kg/minにし、非反応性気体の注入流量は1L/min(マスフローメータの調節数値20%)、回転羽の回転速度は5,000rpmに設定した。
【0050】
外部に吐出された混合液は金型110に直接注入されて成型工程をたどる。2液成分混合物が金型に注入された後、80〜90℃の温度で12時間ほど硬化させた。鋳物は25℃まで冷却した後で前記比較例1の製造方法と同一にスライス工程とグルーブ形成工程とを経た後で積層研磨パッドを製作した。
【0051】
比較例1の方法による研磨条件で研磨試験を行った結果、研磨速度は2900±200/分、平坦性は5±1%である。また、研磨パッドの表面を走査電子顕微鏡で観察して気孔の形状と緻密度とを観察してその結果を表2に示した。図3から均一であって緻密な微細気孔が形成されたことを確認できた。
【0052】
実施例2〜9
次表1のような配合量として界面活性剤の含量、混合液の吐出流量、非反応性気体の注入流量などを変化させつつ比較例1と同じ方法で研磨パッドを製造して研磨特性を評価して表2のような結果を得た。実施例2で得られた研磨パッドを走査電子顕微鏡に観察した結果、均一であって緻密な微細気孔が形成されたことを確認することができた。(図4)
【0053】
【表1】

【0054】
【表2】

前記表1と2とから確認されるように、シリコン系非イオン性界面活性剤の含量、非反応性ガス注入流量、混合・吐出量などを適正に調節変化させつつ本発明により製造した研磨パッドは研磨効果及び平坦性にすぐれて研磨特性が安定していることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
上記したように、本発明は、別途の中空球体を発泡体複合体に挿入することを必要とする場合とは異なり、発泡体組成物に非反応性気体を注入することにより発泡体内に気孔が形成されるのでスクラッチ発生を抑制することができる。特に、気泡が2成分液混合過程の間に形成されるので、研磨パッド内に均一な大きさと分布とを有する気孔を形成することができる。また、工程が単純であって工程条件の余裕度が高くて工程費用が節減され、工程信頼度が高まって生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】比較例2によるポリウレタン発泡体の形成工程を示す模式図である。
【図2】本発明による実施例1のポリウレタン発泡体の形成工程を示す模式図である。
【図3】本発明による実施例1から得られた研磨パッドの走査電子顕微鏡写真である。
【図4】本発明による実施例2から得られた研磨パッドの走査電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)イソシアネート基含有化合物を含む第1成分と、活性水素基含有化合物を含む第2成分とのうち少なくとも一つに非イオン性界面活性剤を添加する段階と、
(b)前記第1成分と前記第2成分との混合液に非反応性気体を加えながらその混合液を撹拌・混合する段階と、
(c)前記混合液を一定流速で容器の外部に吐出する段階と、
(d)吐出された混合液を金型に注入して所定形状に成形する段階とを含むことを特徴とする微細気孔含有ポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項2】
前記(b)段階と(c)段階とは同時に行われることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項3】
(b)段階にて前記非反応性気体は前記吐出された混合液1kg当たり0.1〜1L/minの流量で注入されることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項4】
(b)段階にて前記非反応性気体は前記吐出された混合液100kg当たり0.3〜0.7L/minの流量で注入されることを特徴とする請求項3に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項5】
前記(c)段階において、前記吐出された混合液の量は2〜20kg/minであることを特徴とする請求項1または3に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項6】
前記(c)段階において、前記吐出された混合液の量は2〜7kg/minであることを特徴とする請求項5に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項7】
前記(b)段階は2〜15barrの圧力下で行われることを特徴とする請求項3または6に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項8】
前記(b)段階は4〜10barrの圧力下で行われることを特徴とする請求項7に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項9】
前記界面活性剤の添加量は前記イソシアネート基含有化合物100重量部に対して0.1〜10重量部であることを特徴とする請求項1ないし4、6及び8のうちいずれか1項に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項10】
前記(b)段階における前記混合液中の前記界面活性剤の含量は前記イソシアネート基含有化合物100重量部に対して1〜3重量部であることを特徴とする請求項9に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項11】
前記(b)段階における前記混合液中の前記活性水素含有化合物の含量は前記イソシアネート基含有化合物100重量部に対して15〜50重量部であることを特徴とする請求項1ないし4、6、8及び10のうちいずれか1項に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項12】
前記イソシアネート基含有化合物は末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーであることを特徴とする請求項1ないし4、6、8、10及び11のうちいずれか1項に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項13】
前記非イオン性界面活性剤は水酸基を含有したシリコン系非イオン性界面活性剤、水酸基を含有しないシリコン系非イオン性界面活性剤またはこれらの混合物であることを特徴とする請求項9に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項14】
前記(b)段階の前記混合液は有機中空球体または無機中空球体を追加でさらに含むことを特徴とする請求項1ないし4、6、8、10、11及び13のうちいずれか1項に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項15】
(a)末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを含む第1成分と、活性水素基含有化合物を含む第2成分とのうち少なくとも一つに、前記末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部のシリコン系非イオン性界面活性剤を添加する段階と、
(b)前記第1成分と前記第2成分とを2〜15barrの圧力下で非反応性気体を注入しながら混合・撹拌し、前記混合液を2〜20kg/minの流量で外部に吐出させる段階であって、前記非反応性気体を前記吐出された混合液1kg当たり0.1〜1L/minの流量で注入する前記段階と、
(c)前記吐出された混合液を成形用の金型に注入する段階とを含むことを特徴とする微細気孔含有ポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項16】
(b)段階において、前記非反応性気体は前記第1成分と前記第2成分の混合液1kg当たり0.3〜0.7L/minの流量で注入され、その圧力は4〜10barrであり、
(c)段階において、前記吐出された混合液の量は2〜7kg/minであることを特徴とする請求項15に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項17】
(a)段階のシリコン系非イオン性界面活性剤は水酸基を含むシリコン系非イオン性界面活性剤であるか、水酸基を含まないシリコン系非イオン性界面活性剤であるかまたはこれらの混合物であることを特徴とする請求項15または16に記載のポリウレタン発泡体の製造方法。
【請求項18】
請求項1に記載の方法で製造された研磨パッド。
【請求項19】
前記研磨パッドの密度は0.5〜1.0g/cm3、ショアD硬度は50〜70であることを特徴とする請求項18に記載の研磨パッド。
【請求項20】
請求項15に記載の方法で製造された研磨パッド。
【請求項21】
請求項16に記載の方法で製造された研磨パッド。
【請求項22】
基板の表面を平坦化するための研磨パッドにおいて、
末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーあるいは活性水素化合物及び界面活性剤などの添加物に分散された非反応性気体によって形成された微細気孔を有するマトリックスを含み、
前記微細気孔は前記マトリックスの表面が摩耗される程度に応じて前記表面から近接する順に露出されることにより前記マトリックスの連続的な表面を形成し、
前記マトリックス内の前記微細気孔が占める体積の割合は単位体積の17〜59%であることを特徴とする研磨パッド。
【請求項23】
前記マトリックス内において前記微細気孔の平均直径は20〜150μmであることを特徴とする請求項22に記載の研磨パッド。
【請求項24】
前記マトリックス内において前記微細気孔の平均直径は50〜80μmであることを特徴とする請求項22に記載の研磨パッド。
【請求項25】
前記マトリックス内の前記微細気孔が占める体積の割合は単位体積の25〜42%であることを特徴とする請求項22に記載の研磨パッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2006−502300(P2006−502300A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−553258(P2004−553258)
【出願日】平成15年11月18日(2003.11.18)
【国際出願番号】PCT/KR2003/002472
【国際公開番号】WO2004/046216
【国際公開日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願人】(505101640)ドン ソン エイ アンド ティ カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】DONG SUNG A & T CO.,LTD.
【Fターム(参考)】