説明

応答装置、応答方法、及び応答装置制御プログラム

【課題】捜索対象物が発見される可能性を高めることができる応答装置を提供する。
【解決手段】第1の識別情報を含む応答要求信号を受信する応答要求信号受信部と、第2の識別情報を記憶する第1の記憶部と、第1の識別情報と第2の識別情報を比較する比較部と、比較の結果、第1の識別情報と第2の識別情報が一致しないとき、第1の応答信号を送信する応答信号送信部を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応答装置、応答方法、及び応答装置制御プログラムに関し、特に、捜索対象物が発見される可能性を高めることができる応答装置、応答方法、及び応答装置制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
落とし物をしたり所有物が盗難に遭ったりした場合、対象物を発見するための手段としては、警察に捜索を依頼すること以外にはほとんど対処方法がないというのが実態である。また、落とし物をした場所や盗難に遭った場所は明確でないことが多いので、対象物の発見は非常に困難である。金銭やパソコン、重要書類等の貴重品は、紛失した場合に盗難に遭う可能性が高い。そのため、所有者が紛失に気付いたときには、それらの物品が紛失した場所に存在する可能性は極めて低い。現在のような情報社会では、パソコンや重要書類に機密情報が記憶されていることが多い。このような物品を紛失し、個人情報等の機密情報が流出する事態になれば、所有者の社会的信用は大きく損なわれる。
【0003】
盗難あるいは紛失された物品を発見するための技術には、GPS(Global Positioning System)を用いたものがある(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の盗難/紛失移動機サーチシステムでは、捜索対象の移動機に、GPSを用いて位置情報を取得させ、さらにその位置情報を送信させる。移動機の所有者は移動機の位置情報を受信し、対象物の捜索に役立てる。
【0004】
また、非接触IC(Integrated Circuit)タグを用いた技術もある(例えば、特許文献2参照。)。特許文献2の盗難・万引き防止システムは、監視対象物に取り付けられた非接触ICタグと携帯端末とが一定距離以上離れると、携帯端末が警告を発生するというものである。さらに、この携帯端末は、監視対象物の最後の発見位置の位置情報をその他の携帯端末に送信する機能も備える。
【0005】
特許文献3にも、特許文献2の技術に類似した技術が記載されている。特許文献3のセキュリティーシステムでは、監視対象物に取り付けられたICタグと携帯電話機に搭載されたタグ・リーダとが通信不可能状態になると、携帯電話機がその時点の位置情報を表示する。
【0006】
また、近距離無線通信機能を用いた技術も記載されている(例えば、特許文献4参照。)。特許文献4の置き忘れ発生遠隔通知システムでは、監視対象物に取り付けられた、近距離無線通信機能を有する子機と携帯端末との間の通信が一定時間以上切断されると、監視対象物を紛失したと判断される。そして、携帯端末は、対象物を紛失した旨を所有者に通報する。この携帯端末は、監視対象物を紛失したと判断した時点の位置情報も所有者に通知する。
【0007】
さらに、異常を検出したときに画像を撮影する技術も記載されている(例えば、特許文献5参照。)。特許文献5記載の技術は、RFID(Radio Frequency Identifier)タグを用いた留守宅モニタシステムである。貴重品に貼られたRFIDタグのうち、1つでも検出できないものがある場合は、タグ・リーダは、その旨を通報し、周辺の撮影を開始する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−23691号公報 (第3−4頁、図2)
【特許文献2】特開2005−11056号公報 (第4−5頁、図1)
【特許文献3】特開2005−304002号公報 (第6−10頁、図3)
【特許文献4】特開2008−160509号公報 (第5−6頁、図1)
【特許文献5】特開2005−151200号公報 (第7−8頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の各公知技術にはそれぞれ課題がある。特許文献1の盗難/紛失移動機サーチシステムは、捜索対象物にGPS機能を備える必要がある。そのため、捜索対象物は、携帯電話や自動車など、GPS機能を実現するための受信機や制御装置、及びそれらを動作させるための電源を備える必要がある。そのため、捜索対象物は比較的大きな物品に限られる。財布や鍵等、サイズが小さく、大きな電力供給源を備えることができない物品には、GPSを取り付けることは困難である。
【0010】
特許文献2の盗難・万引き防止システムでは、盗難あるいは紛失が発生したことの警告を発生し、さらにそれらが発生した位置の位置情報を他の携帯端末に送信する。しかし、携帯端末を用いて監視対象物を捜索するとき、監視対象物の非接触ICタグが携帯端末からの信号に応答しなければ、監視対象物を発見することはできない。例えば、他の監視対象物を捜索している携帯端末からの信号には応答しないので、監視対象物が発見されることはない。従って、監視対象物が発見されうる機会があるにも関わらず、その機会を逃す可能性があるという課題がある。
【0011】
特許文献3のセキュリティーシステムは、監視対象物を発見するための手段が十分でないという課題がある。すなわち、携帯電話機の所有者が知りうる情報は、監視対象物が紛失されたと判断された位置の情報のみである。第三者が監視対象物を持ち去った場合には、監視対象物を発見することは極めて困難である。
【0012】
特許文献4の置き忘れ発生遠隔通知システムでも、監視対象物の所有者へは、監視対象物を紛失した旨が通報されるのみであり、監視対象物を発見するための手段が十分でないという課題がある。
【0013】
特許文献5の留守宅モニタシステムは、監視対象の貴重品に盗難等が発生した場合、その事実を通報し、その現場の動画を撮影する。しかし、貴重品が持ち去られた場合の、貴重品を発見するための手段については示されていない。
(発明の目的)
本発明は上記のような技術的課題に鑑みて行われたもので、捜索対象物が発見される可能性を高めることができる応答装置、応答方法、及び応答装置制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の応答装置は、第1の識別情報を含む応答要求信号を受信する応答要求信号受信部と、第2の識別情報を記憶する第1の記憶部と、第1の識別情報と第2の識別情報を比較する比較部と、比較の結果、第1の識別情報と第2の識別情報が一致しないとき、第1の応答信号を送信する応答信号送信部を備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の応答方法は、第1の識別情報を含む応答要求信号を受信する工程と、記憶されている第2の識別情報と第1の識別情報を比較する工程と、比較の結果、第1の識別情報と第2の識別情報が一致しないとき、第1の応答信号を送信する工程を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の応答装置制御プログラムは、応答装置が備えるコンピュータを、第1の識別情報を含む応答要求信号を受信する手段と、記憶されている第2の識別情報と第1の識別情報を比較する手段と、比較の結果、第1の識別情報と第2の識別情報が一致しないとき、第1の応答信号を送信する手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明の応答装置、応答方法、応答装置制御プログラムは、記憶している識別情報とは異なる識別情報を含んだ応答要求信号に対して所定の応答をする。従って、他の装置から捜索されたときに発見される可能性を高めることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施形態の応答装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の応答装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施形態の応答要求装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の応答要求装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施形態の捜索システムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施形態の捜索システムの動作を示すシーケンス・チャートである。
【図7】本発明の第4の実施形態の捜索システムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施形態の捜索システムの動作を示すシーケンス・チャートである。
【図9】本発明の第4の実施形態の捜索システムの動作を示すシーケンス・チャートである。
【図10】本発明の第4の実施形態の捜索システムの動作を示すシーケンス・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施形態の応答装置の構成を示すブロック図である。第1の実施形態の応答装置10は、記憶部11、比較部12、応答要求信号受信部13、応答信号送信部14を備える。
【0020】
応答要求信号受信部13は、外部から応答要求信号101を受信する。応答要求信号101には、第1の識別情報が含まれる。
【0021】
記憶部11は、第2の識別情報を記憶している。第2の識別情報とは、応答装置10を他の装置と区別するための識別情報であり、応答装置10に固有の情報である。
【0022】
比較部12は、応答要求信号受信部13が受信した応答要求信号101中の第1の識別情報を抽出し、記憶部11が記憶している第2の識別情報と比較する。そして、第1の識別情報と第2の識別情報の一致の有無を示す比較結果信号102を応答信号送信部14へ出力する。
【0023】
応答信号送信部14は、比較結果信号102に基づいて、第1の応答信号103を送信する。すなわち、応答信号送信部14は、比較結果信号102が第1の識別情報と第2の識別情報の不一致を示すとき、第1の応答信号103を送信する。第1の応答信号は、応答装置10が、外部に対して第1の識別情報以外の識別情報を保有する応答装置として応答したことを示す信号である。
【0024】
さらに、応答信号送信部14は、比較結果信号102が第1の識別情報と第2の識別情報の一致を示すとき、第2の応答信号(図示なし)を送信してもよい。第2の応答信号は、応答装置10が、外部に対して正当な応答装置として応答したことを示す信号である。また、第2の応答信号は、応答装置10が、第2の識別情報に一致する識別情報を含む応答要求信号101を受信した後、一定時間経過後、第2の識別情報に一致しない識別情報を含む応答要求信号101を受信したときに送信してもよい。この場合の第2の応答信号は、外部の、応答要求信号101の送信元の装置が変わった可能性を示唆するものである。
【0025】
第1の実施形態の応答装置10の動作について説明する。図2は第1の実施形態の応答装置10の動作を示すフローチャートである。
【0026】
始めに、応答装置10は応答要求信号101を受信する(ステップS11)。次に、応答装置10は、応答要求信号101に含まれる第1の識別情報を抽出し、第1の識別情報と、記憶している第2の識別情報を比較する(ステップS12)。
【0027】
応答装置10は、比較結果に基づいて、第1の応答信号103を送信する。すなわち、比較結果が第1の識別情報と第2の識別情報の不一致を示すとき、応答装置10は、第1の応答信号103を送信する(ステップS13)。
【0028】
以上の処理は、応答装置10にCPU(Central Processing Unit)(図示なし)及びメモリ(図示なし)を内蔵することによって、コンピュータ処理が可能である。すなわち、メモリに内蔵された、上記のステップS11からS13までの処理を行うプログラムを、CPUが読み出して実行することによって、応答装置10のコンピュータ処理が可能である。
【0029】
なお、第1の応答信号103は、応答要求信号101を受信したときに限り送信される。応答信号送信部14は、応答要求信号受信部13が受信した信号が応答要求信号101でない場合には、たとえ第1の識別情報が含まれていても、第1の応答信号103を送信しない。そのためには、例えば、応答要求信号受信部13は、所定のフォーマットを備える信号を応答要求信号101として認識すればよい。そして、応答要求信号受信部13は、受信した信号が応答要求信号101である場合に限り、第1の識別情報を抽出する。
【0030】
以上のように、第1の実施形態の応答装置は、記憶している第2の識別情報と受信した応答要求信号に含まれる第1の識別情報が一致しないとき、応答しないのではなく、所定の応答信号を送信する。そのため、応答装置の外部では、応答要求信号に含まれる識別情報とは異なる識別情報を持つ装置が存在することを知ることができる。従って、応答装置は、応答装置自身が外部から発見される可能性を高めることができる。
【0031】
例えば、応答装置が紛失物や盗難物であった場合、特にその応答装置を特定した応答要求信号でなくても応答装置はその応答要求信号に応答する。そのため、応答装置の外部では紛失や盗難があったという事実が判明していない段階でも、何らかの異常事態が発生したことを察知することができる。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について説明する。図3は本発明の第2の実施形態の応答要求装置の構成を示すブロック図である。第2の実施形態の応答要求装置20は、応答要求信号送信部21、応答信号受信部23、記憶部22、判別部24を備える。
【0032】
記憶部22は、第1の識別情報を記憶している。第1の識別情報とは、ある応答装置を他の装置と区別するための識別情報であり、その応答装置に固有の情報である。
【0033】
応答要求信号送信部21は、記憶部22から読み出した第1の識別情報を含ませて応答要求信号101を送信する。
【0034】
応答信号受信部23は、外部から第1の応答信号103及び第2の応答信号104を受信する。
【0035】
判別部24は、応答信号受信部23が第1の応答信号103を受信したとき、第1の判別信号105を出力する。第1の応答信号103は、例えば、応答要求信号101に含まれる第1の識別情報とは異なる識別情報を持つ外部の装置が返送してくる応答信号である。外部の装置とは、例えば、第1の実施形態で示した応答装置10である。
【0036】
第1の判別信号105は、例えば、外部において異常事態が発生している可能性があることを示す信号として使用することができる。なぜなら、第1の応答信号103は、自身のものとは異なる識別情報を含んだ応答要求信号に対して外部の装置が送信してくる応答信号であるから、その装置が自身の存在を示すために送信していると推察できるからである。
【0037】
応答信号受信部23が第2の応答信号104を受信したとき、判別部24は、第2の判別信号106を出力する。第2の応答信号104とは、例えば、応答要求信号101に含まれる第1の識別情報と同じ識別情報を持つ外部の装置が返送してくる応答信号である。この場合は、応答要求装置20は、外部からの正常な応答として処理し、第2の判別信号106を出力する。
【0038】
第2の実施形態の応答要求装置20の動作について説明する。図4は第2の実施形態の応答要求装置20の動作を示すフローチャートである。
【0039】
始めに、応答要求装置20は、第1の識別情報を含めた応答要求信号101を送信する(ステップS21)。応答要求信号101が外部の装置によって受信されると、応答信号が返送される。そのため、応答要求装置20は、応答信号を受信するまで待ち受け状態となる。応答要求信号101の送信後、ある時間が経過すると、応答要求装置20は、第1の応答信号103又は第2の応答信号104を受信する(ステップS22)。
【0040】
応答要求装置20は、応答信号受信部23が受信した応答信号の種類を判別する(ステップS23)。すなわち、受信された応答信号が第1の応答信号103であるか、あるいは第2の応答信号104であるかを判別する。
【0041】
そして、受信された応答信号が第1の応答信号103であるとき、応答要求装置20は第1の判別信号を出力する(ステップS24)。
【0042】
以上の処理は、応答要求装置20にCPU(図示なし)及びメモリ(図示なし)を内蔵することによって、コンピュータ処理が可能である。すなわち、メモリに内蔵された、上記のステップS21からS24までの処理を行うプログラムを、CPUが読み出して実行することによって、応答要求装置20のコンピュータ処理が可能である。
【0043】
以上のように、第2の実施形態の応答要求装置は、応答信号の種類に従って、所定の判別信号を出力する。従って、応答要求装置は、応答要求信号に含ませた識別情報とは異なる識別情報を持つ装置が外部に存在することを知ることができる。
【0044】
例えば、応答信号を返信した装置が紛失物や盗難物であった場合、特にその装置を特定した応答要求信号でなくてもその装置はその応答要求信号に応答する。そのため、応答要求装置は、紛失や盗難があったという事実が判明していない段階でも、何らかの異常事態が発生したことを察知することができる。
(第3の実施形態)
本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の捜索システムは、第1の実施形態の応答装置10と第2の実施形態の応答要求装置20を組み合わせたものである。図5は本発明の第3の実施形態の捜索システムの全体構成を示すブロック図である。
【0045】
第3の実施形態の捜索システムの構成を説明する。第3の実施形態の捜索システムは、応答装置10、応答要求装置20を備える。応答装置10及び応答要求装置20のそれぞれの構成と動作は、第1及び第2の実施形態として説明したので、ここではこれらの説明は省略する。
【0046】
応答要求装置20は、応答要求信号101を応答装置10へ送信する。応答装置10は、第1の応答信号103又は第2の応答信号104を応答要求装置20へ送信する。応答要求装置20は、受信した応答信号の種類を判別し、第1の判別信号105又は第2の判別信号106を出力する。
【0047】
次に、第3の実施形態の捜索システムの動作を説明する。図6は第3の実施形態の捜索システムの動作を示すシーケンス・チャートである。
【0048】
始めに、応答要求装置20は、第1の識別情報を含めた応答要求信号101を送信する(ステップS21)。
【0049】
応答装置10は応答要求信号101を受信する(ステップS11)。次に、応答装置10は、応答要求信号101に含まれる第1の識別情報を抽出し、第1の識別情報と、記憶している第2の識別情報を比較する(ステップS12)。
【0050】
応答装置10は、比較結果に基づいて、第1の応答信号103又は第2の応答信号104を送信する(ステップS13)。すなわち、比較結果が第1の識別情報と第2の識別情報の不一致を示すとき、応答装置10は、第1の応答信号103を送信する。
【0051】
応答要求装置20は、第1の応答信号103又は第2の応答信号104を受信する(ステップS22)。そして、応答要求装置20は、受信した応答信号の種類を判別する(ステップS23)。すなわち、受信した応答信号が第1の応答信号103であるか、第2の応答信号104であるかを判別する。
【0052】
そして、応答要求装置20は、応答信号の種類に従って、第1の判別信号105又は第2の判別信号106を出力する(ステップS24)。
【0053】
以上のように、第3の実施形態の捜索システムでは、応答要求装置が、受信した応答信号の種類に従って、所定の判別信号を出力する。そのため、応答要求装置が、応答要求信号に含めた識別情報とは異なる識別情報を持つ応答装置が存在することを知ることができる。つまり、応答装置は、応答装置自身が応答要求装置に発見される可能性を高めることができる。
【0054】
例えば、応答装置が紛失物や盗難物であった場合、特にその応答装置を特定した応答要求信号でなくても応答装置はその応答要求信号に応答する。そのため、応答要求装置は、紛失や盗難があったという事実が判明していない段階でも、何らかの異常事態が発生したことを察知することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態の捜索システムについて説明する。第4の実施形態の捜索システムは、第3の実施形態の捜索システムに構成要素を追加し、具体的な用途に適用したものである。図7は本発明の第4の実施形態の捜索システムの全体構成を示すブロック図である。
【0055】
第4の実施形態の捜索システムは、ICタグ110、120、130、携帯電話機210、管理会社30、警備会社40、自動販売機220、電信柱230を備える。
【0056】
ICタグ110、120、130は、それぞれ貴重品111、121、131に取り付けられている。貴重品111、121、131は、パソコン、重要書類、バッグ等である。貴重品とは、後述のように捜索対象となる物品であって、物品の種類は限定されない。また、図7では、ICタグの個数は3個であるが、ICタグの個数は特に限定されない。
【0057】
ICタグ110、120、130とタグ・リーダとが通信可能な距離は10メートル程度である。ICタグ110、120、130は、それぞれ固有の識別情報を記憶している。なお、後述のように、本実施形態では、タグ・リーダは、携帯電話機210、自動販売機220、電柱230に備えられている。
【0058】
ICタグ110、120、130は、電池等の電源を備えずに、タグ・リーダからの応答要求信号101を基にして電圧を発生させ、その電圧で動作する。このように、本実施形態における「ICタグ」は、RFID、非接触ID、RFICタグ、非接触タグ、非接触ICタグ等と呼ばれる小型の無線通信装置である。ただし、本実施形態において、ICタグが電源を備えないこと、小型であることは必須の要件ではない。貴重品111、121、131が電源を取り付けることができるサイズである場合には、ICタグ110、120、130は電源を備えてもよい。また、ICタグ110、120、130のサイズも、貴重品111、121、131に取り付けることが可能なサイズであれば任意である。
【0059】
ICタグ110、120、130は、タグ・リーダからの応答要求信号101を受信し、異常応答信号103又は正常応答信号104を送信する。異常応答信号103は、ICタグが記憶している識別情報と、応答要求信号101に含まれる識別情報が異なる場合に送信される。そして、異常応答信号103には、ICタグが記憶している識別情報を含めて送信される。正常応答信号104は、ICタグが記憶している識別情報と、応答要求信号101に含まれる識別情報が一致する場合に送信される。
【0060】
携帯電話機210は、ICタグ110、120、130と無線通信が可能な、タグ・リーダ機能を備える。携帯電話機210には、ICタグ110、120、130の識別情報が登録されている。そのため、携帯電話機210は、応答要求信号101に識別情報を含ませて送信することによって、ICタグ110、120、130のうちの、指定したICタグに応答を要求することができる。本実施形態では、携帯電話機210は、ICタグ110、120、130と定期的に通信を行い、ICタグ110、120、130が通信可能な距離に存在することを常時確認している。すなわち、携帯電話機210は、ICタグ110、120、130へ定期的に応答要求信号101を送信し、ICタグ110、120、130からの異常応答信号103又は正常応答信号104の受信の有無を確認する。
【0061】
また、携帯電話機210は、ネットワーク50を経由して、管理会社30へ異常通知信号105を送信する。異常通知信号105は、ICタグ110、120、130からの応答信号の種類に基づいて判断された結果を示す信号で、紛失、盗難等が発生したことを通報する信号である。具体的には、異常通知信号105は、応答要求信号101に対してICタグ110、120、130が以下のような反応を示した場合に送信される。
【0062】
1)ICタグ110、120、130が応答しない場合
2)ICタグ110、120、130から異常応答信号103を受信した場合
ICタグ110、120、130が応答しない場合、携帯電話機210は、応答を要求した相手先であるICタグの識別情報を、異常通知信号105に含めて送信する。ICタグ110、120、130から異常応答信号103を受信した場合には、異常応答信号103に含まれる、異常応答信号103を送信したICタグの識別情報を、異常通知信号105に含めて送信する。
【0063】
また、携帯電話機210は、GPS処理部211を備えており、異常通知信号105を送信する前に、GPSを用いて位置情報を取得する。そして、所持者がアラームに一定期間、気がつかない場合、位置情報を含めて管理会社30へ通知する。なお、位置測定手段は、GPSによらない方法でもよい。例えば、固定された信号発信装置からの信号を受信することによって、現在位置がその信号発生装置の近傍であることを知る方法もある。
【0064】
なお、携帯電話機210は、異常通知信号105を送信する前に、携帯電話機210の所持者に異常の発生を通知するために、音声、振動、光等を用いて、アラームを発生してもよい。このとき、携帯電話機210は、表示画面に位置情報を表示してもよい。位置情報を表示することによって、携帯電話機210の所持者は、位置情報を参考にして貴重品111を捜索することができる。
【0065】
携帯電話機210がアラームを発生させる場合には、所持者がアラームに一定時間気がつかないときに、異常通知信号105を管理会社30へ送信する。なお、所持者がアラームに一定時間、気がつかない場合、アラームの種類を変更してもよい。また、指定されたICタグから正常応答信号104を受信した場合、アラームを解除してもよい。
【0066】
管理会社30は、携帯電話機210から異常通知信号105を受信する。管理会社30に付属するサーバ31には、管理下にあるICタグの識別情報が登録されている。管理会社30は、異常通知信号105を受信すると、異常通知信号105に含まれる、異常応答信号103を送信したICタグの識別情報を、サーバ31に登録する。そして、管理会社30は、警備会社40に当該のICタグの捜索依頼を行う。
【0067】
警備会社40は、捜索依頼を受けると、自動販売機220、電信柱230が備えるタグ・リーダ機能を起動する。
【0068】
自動販売機220、電信柱230は、道路60の端部等、所定の位置に設置されている。そして、自動販売機220、電信柱230は、それぞれの本来の機能である、商品の自動販売機能、電線・ケーブル類の支持機能に加え、ICタグ110、120、130と通信可能なタグ・リーダ機能を備える。上記のように、タグ・リーダ機能は、警備会社40からの指示によって起動及び停止することができる。つまり、自動販売機220、電信柱230は、遠隔操作可能なタグ・リーダとしての機能を備える。また、自動販売機220、電信柱230は、画像の撮影機能を備える。そして、ICタグ110、120、130から、正常応答信号104又は異常応答信号103を受信したとき、近辺の動画の撮影を開始する。
【0069】
なお、警備会社40によって起動されるタグ・リーダ機能を備える装置は、自動販売機220、電信柱230には限定されない。タグ・リーダ機能を備える装置は、ある地点に設置された任意の装置でよい。あるいは、携帯電話機等、移動可能な通信装置であってもよい。移動可能な通信装置の場合には、現在位置を特定するために、位置測定機能を備えることが望ましい。
【0070】
次に、図面を参照して第4の実施形態の捜索システムの動作について説明する。図8は、捜索システムの動作を示すシーケンス・チャートである。以下では、携帯電話機210を用いてICタグ110の所在を確認している場合を例として説明する。
【0071】
携帯電話機210は、ICタグ110の識別情報を指定して、ICタグ110へ応答要求信号101を送信する(ステップS101)。そして、ICタグ110からの応答信号を待ち受ける。携帯電話機210が、ICタグ110から正常応答信号104を受信した場合は(ステップS102)、ICタグ110が携帯電話機102との通信が可能な位置に存在することを意味する。この場合、携帯電話機210は、再びS101の処理へ戻り、以降、所定の時間間隔で定期的に応答要求信号を送信する。
【0072】
携帯電話機210は、S101、S102の処理を、ICタグ120、130についても行う。携帯電話機210は、ICタグ110、120、130の全てを同時に指定して、応答要求信号101を送信してもよい。以下の説明は、ICタグ110に関係する動作のみについて行う。
【0073】
次に、ICタグ110を取り付けられた貴重品111の所持者が、貴重品111を紛失したものと想定して説明する。携帯電話機210とICタグ110が一定の距離以上離れると、携帯電話機210のタグ・リーダ機能はICタグ110と通信を行うことができなくなる。すなわち、携帯電話機210は、応答要求信号101の送信後、ICタグ110からの応答信号103を受信できない(ステップS103)。このような事態は、応答要求信号101がICタグ110に届かないか、あるいは、応答要求信号101はICタグ110に届いたものの、正常応答信号104が携帯電話機210に届かないといった場合に発生し得る。このような場合、携帯電話機210は、ICタグ110が取り付けられている貴重品111を紛失したものと判断する。
【0074】
そして、携帯電話機210は、所持者に紛失したことを通知するためアラームを発生する(ステップS104)。アラームとは、例えば、警告音の他、ランプの点滅、音楽の再生、携帯電話機210の振動などである。携帯電話機210の所持者は、アラームに気がつき、貴重品111を捜索し、貴重品111を発見した場合、アラームを停止させる。
【0075】
アラームが発生し、停止されることなく一定時間経過すると、携帯電話機210は、ネットワーク50を経由して、管理会社30へ通報する(ステップS105)。あるいは、所持者が、貴重品111を捜索しても発見できなかった場合に、携帯電話機210を操作して管理会社30に通報してもよい。
【0076】
通報を受けた管理会社30は、ネットワーク50を経由して、警備会社40に貴重品111の捜索を依頼する(ステップS106)。
【0077】
捜索依頼を受けた警備会社40は、ネットワーク50を経由して、自動販売機220、電信柱230にタグ・リーダ機能の起動を指示する(ステップS107)。なお、図8では、自動販売機220の起動のみが示されているが、電信柱230の起動についても同様である。
【0078】
起動された自動販売機220は、ICタグ110の識別情報を指定して、応答要求信号101を送信する(ステップS108)。ICタグ110から正常応答信号104を受信した場合(ステップS109)、警備会社40へ発見の報告を行う(ステップS110)。このとき、自動販売機220は、画像撮影機能を使いて、周辺の映像を撮影してもよい。
【0079】
発見の報告を受けた警備会社40は、管理会社30へ発見の報告を行う(ステップS111)。そして、自動販売機220、電信柱230のタグ・リーダ機能を停止させる(ステップS112)。
【0080】
発見の報告を受けた管理会社30は、携帯電話機210へ発見の報告を行う(ステップS113)。以上が、捜索システムによる、貴重品111の紛失から発見までの処理である。
【0081】
なお、携帯電話機210は、管理会社30へ貴重品111の紛失を通報するときに、位置情報を含めて通報してもよい。この場合、各所に設置されている自動販売機220、電信柱230のうち、起動するものが設置されている地域を限定することができる。すなわち、警備会社40は、管理会社30から位置情報を取得することによって、貴重品111の紛失した地域の近辺に設置された自動販売機220、電信柱230のみを起動することができる。従って、捜索の範囲を限定することによる効率化や捜索のために消費されるエネルギーの削減を図ることができる。
【0082】
位置情報を基に自動販売機220、電信柱230を起動する地域を制限した場合には、応答要求信号101に対して応答がないとき、自動販売機220、電信柱230は、画像撮影機能を用いて周辺の映像を撮影してもよい。この場合、紛失した地点周辺の画像を撮影することにより、貴重品111を持ち去った人物等を撮影することができる可能性がある。また、応答要求信号101に対して応答がないとき、自動販売機220、電信柱230を起動する地域を拡大してもよい。
【0083】
また、警備会社40によって担当される、紛失物の捜索に関する一連の処理を、管理会社30が行ってもよい。この場合、自動販売機220、電信柱230のタグ・リーダ機能の起動は、管理会社30が直接行う。
【0084】
ところで、S108において、自動販売機220は、指定した識別情報以外の識別情報を持つICタグからの応答信号を受信する可能性がある。図9は、自動販売機220がICタグ120から異常応答信号103を受信するときの動作を示すシーケンス・チャートである。自動販売機220が送信する応答要求信号101にはICタグ110の識別情報が含まれている。そのため、応答要求信号101の到達範囲内に、ICタグ120が取り付けられた貴重品121が存在していると、ICタグ120が異常応答信号103を送信する(ステップS114)。
【0085】
自動販売機220は、異常応答信号103を受信すると、ICタグ110ではないICタグを発見した旨の異常報告を、警備会社40に対して行う(ステップS115)。異常応答信号103には、送信元のICタグの識別情報、すなわち、上記の例ではICタグ120の識別情報を含んでもよい。その場合、自動販売機220は、ICタグ120を発見した旨の異常報告をすることができる。
【0086】
異常報告を受けた警備会社40は、ICタグ120の捜索依頼の有無に関わらず、管理会社30へ、ICタグ120を発見した旨の発見報告を行う(ステップS111)。そして、警備会社40はICタグ110の捜索を継続する。なお、警備会社40は、ICタグ120を発見した自動販売機220の所在地を特定することができる。従って、警備会社40は、ICタグ120を発見した地点の位置情報を含めて、管理会社30へ発見報告を行ってもよい。
【0087】
ICタグ120の発見報告を受けた管理会社30は、ICタグ120の所有者が所有する通信機(図示なし)へ、ICタグ120が発見された旨の報告を行う。
【0088】
携帯電話機210も、指定したICタグの識別情報以外の識別情報を持つICタグからの応答信号を受信する可能性がある。図10は、携帯電話機210がICタグ120から異常応答を受信するときの動作を示すシーケンス・チャートである。携帯電話機210は、ICタグ110の識別情報以外の識別情報を持つICタグ、例えば、ICタグ120から異常応答信号103を受信する可能性がある(ステップS117)。この場合、携帯電話機210は、管理会社30へ、ICタグ120を発見した旨の通報を行う(ステップS118)。そして、携帯電話機210はICタグ110の捜索を継続する。
【0089】
なお、携帯電話機210はGPS機能を備えるので、ICタグ120を発見した地点を特定することができる。この場合、携帯電話機210は、ICタグ120を発見した地点の位置情報を含めて、管理会社30へ通報を行ってもよい。このように、携帯電話機210は、警備会社40によって管理されたタグ・リーダと同様の役割を果たすことができる。
【0090】
ICタグ120の発見報告を受けた管理会社30は、ICタグ120の所有者が所有する携帯電話機(図示なし)へ発見報告を行う。また、管理会社30は、ICタグ120の捜索依頼を警備会社40に対して行っていた場合には、発見の報告を行い(ステップS119)、捜索の依頼を取り下げる。
【0091】
次に、本発明の第4の実施形態の効果について説明する。本実施形態の捜索システムでは、ICタグは自身の識別情報が含まれない応答要求信号を受信したときに、応答しないのではなく、異常応答信号を送信する。そのため、他のICタグを捜索しているタグ・リーダへも存在を知らせることができるため、発見される可能性を高めることができるという効果がある。
【0092】
また、本実施形態の捜索システムは、紛失物の捜索のみでなく、盗難された物品や車両、ペット等、移動物の捜索にも適用することができる。
【0093】
なお、以上の実施形態は、各々他の実施形態と組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0094】
10 応答装置
20 応答要求装置
101 応答要求信号
102 比較結果信号
103 第1の応答信号、異常応答信号
104 第2の応答信号、正常応答信号
105 第1の判別信号、異常通知信号
106 第2の判別信号
110、120、130 応答装置
230 電柱
50 ネットワーク
60 道路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の識別情報を含む応答要求信号を受信する応答要求信号受信部と、
第2の識別情報を記憶する第1の記憶部と、
前記第1の識別情報と前記第2の識別情報を比較する比較部と、
前記比較の結果、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報が一致しないとき、第1の応答信号を送信する応答信号送信部
を備えることを特徴とする応答装置。
【請求項2】
前記応答信号送信部は、前記第2の識別情報を含む前記第1の応答信号を送信する
ことを特徴とする請求項1記載の応答装置。
【請求項3】
前記応答信号送信部は、前記比較の結果、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報が一致するとき、第2の応答信号を送信する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の応答装置。
【請求項4】
前記応答信号送信部は、前記第2の識別情報に一致する前記第1の識別情報を含む前記応答要求信号の受信後、所定の時間が経過した後、前記第2の識別情報に一致しない前記第1の識別情報を含む前記応答要求信号を受信したとき、前記第1の応答信号を送信する
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の応答装置。
【請求項5】
位置情報を取得する位置測定部を備え、
前記応答信号送信部は、前記位置情報を含めた前記第1の応答信号を送信する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の応答装置。
【請求項6】
前記第1の識別情報を記憶する第2の記憶部と、
前記応答要求信号を送信する応答要求信号送信部と、
請求項1記載の応答装置が備える前記応答信号送信部によって送信された、前記第1の応答信号を受信する応答信号受信部と、
前記第1の応答信号を受信したとき、第1の判別信号を出力する判別部
を備えることを特徴とする応答要求装置。
【請求項7】
前記第1の識別情報を記憶する第2の記憶部と、
前記応答要求信号を送信する応答要求信号送信部と、
請求項2記載の応答装置が備える前記応答信号送信部によって送信された、前記第1の応答信号を受信する応答信号受信部と、
前記第1の応答信号を受信したとき、前記第2の識別情報を含む第1の判別信号を出力する判別部
を備えることを特徴とする応答要求装置。
【請求項8】
前記第1の識別情報を記憶する第2の記憶部と、
前記応答要求信号を送信する応答要求信号送信部と、
請求項5記載の応答装置が備える前記応答信号送信部によって送信された、前記第1の応答信号を受信する応答信号受信部と、
前記第1の応答信号を受信したとき、前記位置情報を含む第1の判別信号を出力する判別部
を備えることを特徴とする応答要求装置。
【請求項9】
請求項1記載の応答装置と、
請求項6記載の応答要求装置
を備えることを特徴とする捜索システム。
【請求項10】
請求項2記載の応答装置と、
請求項7記載の応答要求装置
を備えることを特徴とする捜索システム。
【請求項11】
請求項5記載の応答装置と、
請求項8記載の応答要求装置
を備えることを特徴とする捜索システム。
【請求項12】
第1の識別情報を含む応答要求信号を受信する工程と、
記憶されている第2の識別情報と前記第1の識別情報を比較する工程と、
前記比較の結果、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報が一致しないとき、第1の応答信号を送信する工程
を備えることを特徴とする応答方法。
【請求項13】
応答装置が備えるコンピュータを、
第1の識別情報を含む応答要求信号を受信する手段と、
記憶されている第2の識別情報と前記第1の識別情報を比較する手段と、
前記比較の結果、前記第1の識別情報と前記第2の識別情報が一致しないとき、第1の応答信号を送信する手段
として機能させるための応答装置制御プログラム。
【請求項14】
請求項13記載の応答装置制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−2873(P2011−2873A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−142977(P2009−142977)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】