説明

情報処理装置、その制御方法、プログラム、及び記録媒体

【課題】一般的な印刷機構を用いて、紙を積み重ねた結果できる側面に情報が擬似的に印刷されているように見えるよう用紙の表面/裏面に対して情報を印刷することを目的とする。
【解決手段】各ページの紙面印刷イメージを生成し、指定された用紙の厚さ及び印刷するページ数から算出された側面に対して、側面印刷イメージを作成する。生成された紙面印刷イメージと、作成された側面印刷イメージとを用いて、複数枚の用紙を平積みした場合にできる用紙の側面に視認可能な情報として表示させるべく、紙面印刷イメージの側面にあたる縁部分に、側面印刷イメージの一部を割り当てて、新たな紙面印刷イメージを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷用紙の側面に情報を表示させるための印刷を印刷用紙にする情報処理装置、および制御方法およびプログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷では、印刷用紙の表面もしくは裏面への印刷が前提となっているが、印刷物を立体と考えると、これまでの印刷対象であった紙面(表/裏)のみならず側面に対しても面が存在するため、この側面への印刷が考えられる。
【0003】
通常の印刷は紙に対して用紙の表面や裏面に対し2次元的に情報を記録するものであるが、実際の印刷は複数枚印刷する場合が多く、これは印刷物を立体と考えたとき、表や裏以外にもう4側面に対して印刷が印刷対象と考えられる。
【0004】
例えば、複数枚数印刷し、それをまとめた場合、側面となる部分に何らかの情報を表現することによりその資料の所存を明確にすることが可能になる。
【0005】
このとき利用者からは、通常紙面と同じ感覚で側面に対する印刷が行えると汎用性が高まる。
【0006】
しかしながら、側面印刷を行う場合は、特許文献1に記載のような専用の印刷機構を用いる必要があるが、通常の印刷機や複写機に対して別途専用の印刷機構を追加するのは、構造・金額・保守等何らかの負担を強いるものになるため、一般的な印刷機構を用いて側面部分に印刷を行える方法が求められる。
【0007】
現在、用紙の表や裏の面に対してできるかぎり多くの面積で印刷をするため、紙の縁ぎりぎりに印刷する「縁なし印刷」という方法がある。
【0008】
特許文献2には、縁なし印刷を応用した技術が開示されており、その内容は、用紙の端部に印刷されたページマーク、部マーク、表裏マークを利用者がチェックするだけで、束(部)の仕分け、ページ順、紙の表裏方向の統一性等を容易にチェックし、整えることを容易にすることと、ふちなし印刷する際には、ふちなし印刷画像の仕上がりの美しさと、整列の容易性を同時に実現することが記載されている。
【特許文献1】特開2004−136459号公報
【特許文献2】特開2004−202852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献2に記載の技術は、紙を積み重ねた結果できる側面を積極的に活用するものではない。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するものであり、一般的な印刷機構を用いて、紙を積み重ねた結果できる側面に情報が擬似的に印刷されているように見えるよう用紙の表面/裏面に対して情報を印刷すること(以下「側面印刷」という。)を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数枚の用紙を平積みした場合にできる用紙の側面に視認可能な情報を表示させるための印刷をする情報処理装置であって、印刷ジョブから各ページの紙面印刷イメージを生成する第1の生成手段と、前記印刷ジョブから側面に表示させるための印刷情報を取得する取得手段と、指定された用紙の厚さ及び印刷するページ数から、前記用紙を平積みした場合にできる用紙の側面を算出する算出手段と、前記算出手段により算出された側面に対して、前記取得手段により取得された印刷情報を用いて、側面印刷イメージを作成する作成手段と、前記第1の生成手段により生成された紙面印刷イメージと、前記作成手段により作成された側面印刷イメージとを用いて、前記複数枚の用紙を平積みした場合にできる用紙の側面に視認可能な情報として表示させるべく、当該紙面印刷イメージの側面にあたる縁部分に、当該側面印刷イメージの一部を割り当てて、新たな紙面印刷イメージを生成する第2の生成手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、一般的な印刷機構を用いて、紙を積み重ねた結果できる側面に情報が擬似的に印刷されているように見えるよう用紙の表面/裏面に対して情報を印刷することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0015】
図1は、通常の印刷の場合の例と、本発明による方法により印刷した場合の例とを示した図である。101が通常の印刷の場合であり、105が側面印刷した場合である。
【0016】
図1において、102は印刷用紙を示し、103は紙面における印刷内容を示す。現状の機構では側面印刷を行えないので、用紙の側面である104には何も表示されない。
【0017】
106は印刷用紙を示し、107は紙面における印刷内容を示す。本発明による側面印刷は縁なし印刷の技術を用いて用紙の側面部分にあたる108にマークを行うものである。
【0018】
このとき109のように側面に印刷すべき情報を適切に展開し、該当する位置にマークをする(印刷をする)ことにより、用紙を積み重ねた結果110のようにあたかも側面に印刷されているように側面印刷を行うことを可能とする。
【0019】
なお、縁なし印刷で側面にあたる部分に印刷を行ってはいるが、あくまでも紙面に対しての印刷でありコントラストが低くなるという問題があるが、これは浸透インク/浸透トナーや発泡インクや発泡トナーを用いることで解決できる。具体例を図2に示す。
【0020】
図2は、浸透インク/浸透トナー、発泡インク/発泡トナーの概念を示した図である。
【0021】
図2において、201は、印刷用紙を示し、202は、印刷直後の浸透インク/浸透トナーを示す。その後インク/トナーは印刷用紙に浸透し、203の状態になる。
【0022】
同様に、204は、印刷直後の発泡インク/発泡トナーを示す。その後インク/トナーに対して発泡処理(加熱等の適切な処理)を行い、205の状態になる。
【0023】
これらの対応を行うことで側面部分のコントラストの低下をある程度防ぐことが可能となる。
【0024】
なお、浸透インク/浸透トナー、発泡インク/発泡トナーが使用できない場合であっても、印刷装置内で印刷工程を複数回繰り返し、同じ用紙の同じ位置に多重印刷を行うことによって、インクの濃度やトナーの厚さを高めることにより側面から見たときのコントラストを上げることが可能である。図33は、多重印刷の概念を示す図である。また、図34は、多重印刷を行う前のトナー/インクの状態と、多重印刷を行った後のトナー/インクの状態を比較する図である。通常印刷時の厚さが1201であるのに対し、多重印刷時の厚さは1203となる。
【0025】
1201は初回印刷されたトナー/インクである。1202は印刷用紙である。1203は多重印刷を行うことにより、初回印刷トナーやインクの上に同じ物が印刷されトナー厚やインク厚が高まった状態を示す。1204は印刷用紙であるが、これは1202と同一の物である。
【0026】
なお、本発明は、縁なし印刷の技術を用いなくとも、側面印刷を実現することが可能である。即ち、用紙を裁断する場合である。図3〜5に具体例を示す。
【0027】
図3は、「裁断なし」の場合を示す図である。
【0028】
図3において、301は、裁断を行わない通常の印刷時の用紙を示す。302は、用紙に対する通常の印刷エリアを示す。303は、印刷情報を示す。304は、通常紙面の場合のマーク位置であり、この場合縁なし印刷を行うので用紙の縁にマークが印刷されている。
【0029】
図4は、「裁断あり」の場合を示す図である。
【0030】
図4において、305は、裁断を行う場合の印刷用紙を示す。306は、用紙に対する通常の印刷エリアであり、308はその印刷情報である。用紙が裁断される場合は、裁断位置が示されるがこれが309を示す。
【0031】
側面印刷を行うためには、側面にあたる部分の印刷を行う必要があり、これを310で示している。当然のことながら、裁断される場所に印刷を行う必要があるため用紙の縁ではなく309が指す裁断位置にマークを印刷する必要がある。
【0032】
図5は、一裁断を行った場合の概略図である。
【0033】
図5において、401は、裁断後の側面にあたる位置にマークが印刷された用紙である。402は、裁断後の側面にあたる部分である。403は、側面部分のマークである。404は、裁断位置を示す。405は、裁断を行って側面にあたる部分が表面に現れたものである。
【0034】
なお、図では単純に太線で表しているが、実際には文字や図形等が現れる。
【0035】
上記説明のようにすることで、縁なし印刷の技術をもいることなく、側面印刷を実現することが可能となる。
【0036】
次に、本発明を実施するための、システム構成「印刷要求装置(情報処理装置)、印刷装置(プリンタ)」について説明する。
【0037】
図6は、印刷要求装置501側で本発明を実現する場合を示すものであり、図7は、印刷装置610側で本発明を実現する場合を示すものである。
【0038】
ここで、印刷を要求する側を「印刷要求装置」とし、印刷を行う側を「印刷装置」とする。なお、複写機や特定の業務に特化したシステムは、何らかの画像入力装置や他システムとの連携装置をもっているが、ここではすでに印刷すべき情報はアプリケーションが管理している前提とし、他装置の記載は不図示とする。
【0039】
501は、印刷要求装置を示す。
【0040】
504は、印刷を依頼するアプリケーションであり、その上位に502のユーザインタフェースが存在している。また、アプリケーションの下には505のデバイスドライバがあり509のオペレーティングシステムを経由し印刷装置と接続されている。本発明を実現するためには、従来のデバイスドライバ(プリンタドライバ)506に、側面印刷拡張507部分の拡張を行う。
【0041】
601は、印刷要求装置を示す。504は、印刷を依頼するアプリケーションであり、その上位に502のユーザインタフェースが存在している。また、アプリケーションの下には505のデバイスドライバがあり509のオペレーティングシステムを経由し印刷装置と接続されている。本発明を実現するためには、従来の印刷制御プログラム613に、側面印刷拡張614部分の拡張を行う。
【0042】
印刷要求装置および印刷装置はユーザインタフェースをもっているので、機能拡張にともない情報をユーザインタフェースから設定することも考えられる。
【0043】
図8は、デバイスドライバを機能拡張した場合における、印刷要求装置の表示装置上に表示される背表紙印刷設定の入力画面(「背表紙名入力」画面)を示す図である。この入力画面は、デバイスドライバの設定画面の中から読み出し可能である。例えば、デバイスドライバの設定画面の中に、「背表紙名入力」画面を表示するボタンを設けておいて、そのボタンが押された場合に入力画面を表示する。ここで、入力された文字列を側面に印刷する。また図には示さないが、利用者は、側面印刷を行う方向を指示することができる(例えば、左側面、上下面、4側面等。)。複数側面印刷する場合は、それぞれの側面に印刷する文字列を指定してもよい。その場合、側面印刷時に、各側面それぞれ対応する文字列が指定される。
【0044】
図9は、印刷制御プログラムを機能拡張した場合における、印刷装置の表示装置上に表示される入力画面の入力欄に「セビョウシメイ:」との文字が入力された例を示す図である。
【0045】
図10は、側面印刷実現時の側面の扱いを示す図である。このとき印刷用紙は、紙面を上にして平積みのようすを表現している。
【0046】
複数枚の印刷をおこなった場合、701で示すAの高さを持ち、また、702で示す印刷用紙の横幅Bを持つことになる。
【0047】
ここで、Aを用紙の縦幅、Bを用紙の横幅と考える。もしくはAを用紙の横幅、Bを用紙の縦幅と考えてもよい。これらをそれぞれA'、B'とする。
【0048】
上記において、A'XB'は二次元をあらわすので、これを印刷用紙と仮想的に取り扱い、通常の紙面同様に印刷を行う。
【0049】
図11は、フォントROM等に保存された7ドットX7ドットのフォント例を示す図である。
【0050】
現在のフォントは多様化しているが、側面印刷の原理を簡単に説明するため、ドットマトリックスで構成されたフォント例を用いることとする。
【0051】
801は、無印刷部分のピクセルを示し、802は、印刷部分のピクセルを示す。
【0052】
図12は、上記フォントを側面印刷に割り当てた場合の例を示す図である。
【0053】
なお、実際の側面印刷においては、印刷用紙一枚の厚さや文字の大きさでフォントのドットの大きさは異なるが、本説明では便宜上フォント1ドットが用紙1枚の厚さに該当する前提で記載する。同様に横方向のドットの大きさも印刷機構により異なるが、本説明では用紙1枚の厚さと同じ大きさとして記載する。
【0054】
901は、印刷用紙の厚さを示す。便宜上1ドットの大きさは用紙1枚と同じ厚さとする。902は、横方向のドットの最小単位である。903は、無印刷部分を示し、904は印刷された部分を示す。
【0055】
図11で構成されたドットマトリックスフォントを、各用紙の縁部分にそれぞれ印刷を行った場合、図12で表されるAという文字が構成されることになる。上記において1ドット単位の例で記載したが、この最小単位を1ドットではなく複数ドットで構成してもよいし、1ドット単位の印刷ルールをn倍にしても考え方は同じである。
【0056】
上記方法は、既存印刷機の内部において一般的に使用される方法であり、側面印刷においても既存の手法で描画可能である。
【0057】
図13は、図形描画における座標系と直線例を示した図である。
【0058】
1001は、Y方向の座標軸を示している。左上を原点としているため、Y方向の増加分は下向きとなる。1002は、X方向の座標軸を示している。左上を原点としているため、X方向の増加分は右向きとなる。1003は、Y=Xの線分を示している。
【0059】
図14は、上記座標系を側面印刷に割り当てた場合の例を示す。なお、実際の側面印刷においては、印刷用紙一枚の厚さや文字の1座標の大きさは異なるが、本説明では便宜上1座標が用紙1枚の厚さに該当する前提で記載する。同様に横方向の座標大きさも印刷機構により異なるが、本説明では用紙1枚の厚さと同じ大きさとして記載する。
【0060】
1101は、印刷用紙の厚さを示す。便宜上1ドットの大きさは用紙1枚と同じ厚さとする。1102は、横方向の座標の最小単位である。1103は無印刷部分を示し、1104は印刷された部分を示す。
【0061】
図13で構成される図形を各用紙の縁部分にそれぞれ印刷を行った場合、図14ような線分が用紙の側面部分に記載される。
【0062】
上記において1ピクセル単位の例で記載したが、この最小単位を1ピクセルではなく複数ピクセルで構成してもよいし、1ピクセル単位の印刷ルールをn倍にしても考え方は同じである。
【0063】
上記方法は、既存印刷機の内部において一般的に使用される方法であり、側面印刷においても既存の手法で描画可能である。
【0064】
図15は、本発明の実施の手順を示すフローチャートである。
【0065】
上述したとおり、本発明は、印刷要求装置又は印刷装置のいずれにおいても実現可能であるが、便宜上、印刷要求装置のデバイスドライバ506において実施するものとして以下説明する。
【0066】
基本的な流れは、紙面に対する印刷情報をすべて読み込み側面の高さを求める。これと同じく用紙の縦幅や横幅もとめる。この作業により4側面を4枚の用紙と考えることができる。次に各側面(4枚の用紙と想定したもの)に対して、印刷する情報を取得する。これは画像/文字/記号などが考えられる。その後1枚あたりの用紙の側面に印刷する画素を求めるため、高さにあたる部分のピクセル情報を用紙の枚数で割ることにより1枚あたりの画素が求められる。以下、各処理の説明を記載する。
【0067】
S101において、デバイスドライバ506は、紙面に印刷するためのテキスト情報、図形等の情報の取得を行う。これは紙の平面に印刷する際に取得する情報であって、通常の印刷時と変わりはない。
【0068】
S102において、デバイスドライバ506は、紙面印刷イメージの保存を行う(S110)。この時点では用紙の高さ(最後まで印刷したときの仕上がり厚)が不明であるため、一旦印刷紙面に出力すべき情報をすべて保存する。保存する形式は、特に規定しないが、以下の処理を考慮すると紙面印刷イメージの形式が望ましい。前もって紙面印刷イメージを生成しておくことで、後の処理にコンピュータ資源を配分することができるからである。低い処理能力のコンピュータ資源の場合は有効となる。
【0069】
ところで、通常の印刷時には、紙面印刷イメージを作成した後、直ちに紙面印刷イメージを印刷するための処理を実行するが、側面印刷時には、直ちに印刷しない。
【0070】
これは、印刷する全てのページの紙面印刷イメージを一時保存しておき、各ページにおける端の部分に側面印刷する文字の一部分をマッピング(割り当て)する必要があるからである。
【0071】
S103において、デバイスドライバ506は、側面部分の印刷情報を取得する。この情報は、今回新たに拡張された情報であり、通常の印刷情報と共に取得されるものである。また、この情報は、任意のものが可能であるが、データ形式印刷装置が扱えるものである必要がある。側面印刷部分の印刷情報には、少なくとも図8に示す入力画面で入力された文字列の情報を含み、その他、例えば、フォントの種類、文字列の印刷位置(文字を印刷する場所を示す座標情報)、自動的に文字列をスケーリングするか否かの指定、印刷する側面の指定(例えば、左側面、上下側面、4側面)等がある。利用者は、デバイスドライバの設定画面を通じて上記設定を行うことが可能である。
【0072】
S104において、デバイスドライバ506は、印刷対象の用紙1枚の厚さを求める。例えば、デバイスドライバの設定画面から指定された用紙の種類を判別し、用紙の種類に応じてあらかじめ定められている厚さ情報から求める方法がある。用紙の種類毎に厚さ情報は、デバイスドライバ自身が持ってもよいし、その他のアプリケーションが持っている情報を使ってもよい。また、側面印刷時にプリンタドライバで利用者により明示的に指定された用紙の厚さを用いてもよい。
【0073】
S105において、デバイスドライバ506は、印刷枚数を求める。印刷枚数は、紙面印刷イメージを作成した総数から求めることが可能である。具体的には、S102で1つの紙面印刷イメージを作成する回数をカウントすることで総数を求める。
【0074】
S106において、デバイスドライバ506は、S104で求めた1枚の用紙厚さにS105で求めた印刷枚数をかけることにより、用紙の高さ(最後まで印刷したときの仕上がり厚)を求める。この時点で、側面を印刷用紙と考えたときの面積が求まる。例えば、デバイスドライバで左側面に印刷と指定されている場合は、左側面の面積が求まる。また、4側面に印刷と指定されている場合は、上下左右の面積が求まる。この場合、面としては4面存在する。
【0075】
それぞれの印刷面に対する指定は、印刷を開始する前に、デバイスドライバの設定画面により設定可能である。例えば、1つの文字列を左側のみに印刷する設定、1つの文字列を4面すべてに印刷する設定、2つの文字列をそれぞれ上下面に印刷する設定等ができるものとする。
【0076】
S107において、デバイスドライバ506は、側面印刷情報を所定のルールに従って展開する。この所定のルールについては図16〜18において後述する。展開された側面画素イメージ(S111)を、S102で求めた紙面印刷イメージ(S110)の側面部分にあたる場所に展開するための計算をする。即ち、複数の紙面印刷イメージそれぞれについて、それぞれの紙面印刷イメージの側面にあたる部分に、擬似的な側面印刷を実現するための、側面印刷する文字の一文を印刷する位置を計算している。例えば、図3に示す304の位置を計算している。計算方法については、後に説明する。
【0077】
以上の処理により、複数ページにおけるすべての紙面印刷イメージと、その複数ページを印刷した際の側面に印刷する側面印刷イメージが生成される。
【0078】
S108において、デバイスドライバ506は、通常複数枚印刷を行うための終了の判断を行う。即ち、すべての紙面印刷イメージを印刷したか否かによって判断する。
【0079】
全て印刷した場合は、終了となり、全て印刷していない場合は、S109へ進む。
【0080】
S109において、デバイスドライバ506は、実際の印刷部分であり、この時点で通常紙面の印刷を行うと同時に側面部分にあたる縁部分にマーク(情報)を印刷する。なお、裁断する場合は、裁断される箇所の縁部分にマークを印刷する。その後、S108へ進み、全て印刷するまで繰り返す。
【0081】
具体的な方法を説明する。
【0082】
まず、一時的に記憶したすべての紙面印刷イメージを1ページ目から順に取り出す。取り出した紙面印刷イメージの側面部分にあたる縁部分(図3に示す304、310)に、そのページに印刷すべき、側面印刷する文字の一部分をマッピングして、あらたな紙面印刷イメージを生成する。側面印刷する文字の一部分は、図12に示す展開図における側面印刷イメージから、そのページに対応する側面印刷イメージを抽出することで取得することができる。また、マッピングは、この側面印刷イメージの横幅と、側面印刷する横幅とからマッピング位置を求めることができる。
【0083】
図16は、S107において文字を印刷する場合の詳細フローである。
【0084】
S201において、デバイスドライバ506は、フォントジェネレータから印刷対象文字の画素情報を取得する。このときドットマトリックスフォントであればフォントROMから取得するし、アウトラインフォントであれば描画ルールを取得する。
【0085】
S202において、デバイスドライバ506は、側面印刷する領域を面と捉えて、描画イメージを作成する。描画イメージは、ステップS106において求めた厚さと、印刷用紙の幅から求められる面に対して描画イメージを展開する。この描画イメージは、文字情報が指定された位置に指定さえた大きさでスケーリングされたピクセル画素イメージとする。
【0086】
S203において、デバイスドライバ506は、S202で展開されたピクセル画素イメージを、各用紙の側面に対してのマークに対応した形式変換する。即ち、図12に示すように、ページ毎に、そのページの側面の部分に印刷するマークを求めている。
【0087】
S204において、デバイスドライバ506は、印刷しやすいように印刷イメージとして情報を保存する(S111)。
【0088】
なお、複数の側面(上下面、4側面など)に側面印刷をする場合は、それぞれの側面に対して同じ処理を繰り返す。
【0089】
図17は、S107において画像情報を印刷する場合の詳細フローである。
【0090】
S301において、デバイスドライバ506は、画像情報を、各用紙一枚単位の側面にあたる部分のマークに展開する。
【0091】
S302において、デバイスドライバ506は、印刷しやすいように印刷イメージとして情報を保存する(S111)。
【0092】
なお、複数の側面(上下面、4側面など)に側面印刷をする場合は、それぞれの側面に対して同じ処理を繰り返す。
【0093】
図18は、図形情報を印刷する場合の詳細フローである。
【0094】
S401において、デバイスドライバ506は、指定された図形を適切な座標系に展開し二次元イメージの描画情報として取得する。
【0095】
S402において、デバイスドライバ506は、画像情報を、各用紙一枚単位の側面にあたる部分のマークに展開する。
【0096】
S403において、デバイスドライバ506は、印刷しやすいように印刷イメージとして情報を保存する(S111)。
【0097】
なお、複数の側面(上下面、4側面など)に側面印刷をする場合は、それぞれの側面に対して同じ処理を繰り返す。
【0098】
以上説明したように、本発明によれば、一般的な印刷機構を用いて、紙を積み重ねた結果できる側面に情報が擬似的に印刷されているように見えるよう用紙の表面/裏面に対して情報を印刷することが可能となる。
【0099】
図19〜図32において、本発明を応用した様々な利用形態を説明する。
【0100】
図19は、印刷枚数によって縁マーク部分の幅を制御する場合を示す図である。即ち、印刷枚数が少なく、側面の領域が十分確保できないときは、縁マーク部分の幅を通常より広くする制御を行うことで、図20に示すように、印刷物をずらすことで、視認可能な情報を側面印刷することが可能となる。
【0101】
具体的には、あらかじめ設定されるページ数(例えば50ページなど)を場合に下回った場合に、ステップS203において、展開するマークの幅を通常より広げる制御をすることで実現可能である。その他、デバイスドライバに明示的に設定項目を設け、利用者により、設定されたページ数に従って、幅を制御してもよい。
【0102】
また、広げる幅もデバイスドライバで明示的に設定項目を設け、その設定された値に従って幅を制御することも可能である。
【0103】
当然のことながらページ毎に段階的に幅を変化させることも可能である。例えば、デフォルト幅が「1」の場合、50ページ以下は、「1.5」、20ページ以下は「2」等とすることができる。
【0104】
図21は、背表紙を印刷した例である。通常紙面印刷と同時に側面印刷として背表紙タイトルを印刷することで、背表紙を効率よく作成できる。
【0105】
図22は、禁持ち出しマークを印刷した例である。側面印刷として1側面だけでなく、4側面に特定の文字や色等を印刷することで、印刷物の扱いを示すことが可能となる。禁持ち出しマークの例として、正規の状態と特定部分が抜き出された場合の例を記載する。
【0106】
一部の印刷装置においては、用紙の仕上がり厚が適切にまとまらない場合も考えられる。例えば、図23において、仕上がり厚が想定したよりも小さい場合と大きい場合の例を記載する。このような場合、背表紙としては必ずしも好ましくないが、例えば、図24に示すように印刷する文字の大きさを変更して印刷する方法が考えられる。このように印刷することで背表紙としての最低限の機能は果たすことができる。
【0107】
実際印刷においてジョブの概念があり、側面印刷を実装する場合にジョブの情報を取得できるのであれば、側面印刷において有効に活用することができる。例えば、図25には、複数ジョブ印刷を行った場合のジョブ番号を割り当てた場合の例を示す。
【0108】
回収前提のドキュメントなどは、背表紙にあわせ総部数と連番を割り当てることで回収もれを防ぐ運用も考えられる。
【0109】
また、側面印刷のロジックを複数ジョブに対し応用することで、複数の印刷物で構成される印刷物全体に対して側面印刷を行うことも考えられる。すなわち、複数の印刷ジョブまとめて、その印刷された面を1側面と考えることにより、複数ドキュメントに対して通しで印刷する方法である。
【0110】
なお、これまで側面を1つのエリアとして扱ってきたが、1つの側面を複数のエリアで構成されていると考えることにより、各エリアに対してそれぞれ異なったルールで側面印刷を行うことも考えられる。
【0111】
図35は、複数のドキュメントで構成され、全体のドキュメント情報と個々のドキュメント情報とが組み合わさった例を示す図である。この例では用紙側面を2分割し、上段を全体の情報、下段を個々の情報として割り当てている。
【0112】
1205は、複数ドキュメントを一つの側面印刷として扱う場合のエリアを示し、1206は、個々のドキュメントのエリアを示す。
【0113】
1207は、複数ドキュメントに対して一つの側面印刷を行った例を示すもので、複数ドキュメントにまたがり「複数」の文字が印刷される。1208は、複数ドキュメントそれぞれ個別に側面印刷を行った例を示すもので、各ドキュメントに対して「個別」の文字が印刷される。
【0114】
図26は、複数ジョブで構成されるドキュメントを印刷するとき、側面のエリア分割情報やジョブ数やジョブ情報およびドキュメント名などを適切な処理を行い、側面印刷を行った例を示すものである
この例では、分割情報として「側面を2分割」「上段をドキュメント名エリア」「下段をジョブ情報エリア」として通知し、印刷時に全ページ数から画面上段の横幅計算しスケーリングした後、ドキュメント名である「漱石全集」を印刷している。同様に下段は各ジョブ名である「一巻」、「二巻」、・・・、「六巻」を印刷している。

【0115】
図36は、複数ジョブで構成されるドキュメントの側面に側面印刷をする処理の流れを示すフローチャートである。
【0116】
なお、側面印刷の実装方法や印刷装置の処理能力また利用できる記憶領域のサイズにより各種方法が考えられるので一例として記載する。
【0117】
本処理は、図15に示す処理と同様、デバイスドライバにおける処理である。
【0118】
まず、側面印刷のために指定された複数のジョブをRAM等に一時的に蓄積する。
【0119】
S501において、一時的に蓄積された複数のジョブに対する側面エリア分割情報、各エリアの印刷ルールを取得する。側面エリア分割情報とは、複数のジョブを印刷することでできるドキュメントの側面をどのように分割して側面印刷を行うかの情報である。図35に示す例では、全てのドキュメントに共通な側面エリア1とそれぞれのドキュメントの側面エリア2とに分けられている。この側面エリアの設定は、デバイスドライバの設定画面から設定可能とする。例えば、図35に示すようなビジュアル的な画面を表示して、オブジェクト操作をすることにより容易に設定させることもできる。各エリアの印刷ルールとは、それぞれのエリアにどのような文字列を印刷するかの情報である。図35に示す例では、1207に「複数」と、1208に「個別」と印刷する。この文字の指定は、図8に示す画面のほか、図35に示すようなビジュアル的な画面を表示して、各エリアに文字列を入力させることもできる。
【0120】
なお、この情報を取得するにあたり、ページ記述言語の拡張やデバイスドライバ経由などの方法が考えられるが、側面印刷の機構をどのように実装するかにより取得方法が異なるので、ここでは取得方法の詳細は記述しない。
【0121】
S502において、まずジョブ単位の側面印刷イメージを作成する。具体的には、図35に示すそれぞれの印刷ジョブの側面1208をそれぞれ作成する。この作成方法については、図15に示すS101〜S107の処理と同様であるため説明は省略する。また、ここでは、側面印刷イメージと共に各印刷ジョブの紙面印刷イメージも作成される。
【0122】
なお、複数のジョブを処理する必要があるため、側面印刷イメージ用のバッファ、紙面印刷イメージ用のバッファを複数用意する必要がある。さらに、複数のジョブにまたがるページ数をカウントするためのカウンタも設ける必要がある。
【0123】
S503において、一時的に蓄積した全ての複数の印刷ジョブに対して処理をしたかの判定を行う。終了していない場合は、S502へ戻り処理を続ける。また、終了した場合は、S504へ進む。
【0124】
S504において、カウンタに記憶した全ページ数と、指定された印刷用紙の厚さ(厚さの求め方は、既に説明したとおりである。)から複数のジョブにまたがるエリアの大きさを算出する(図35に示す側面エリア1)。
【0125】
S505において、全ページにわたる側面印刷イメージを作成する(図35に示す1207「複数」)。この作成方法は、図16に示す方法を用いることで実現可能である。
【0126】
S506において、S502で作成したジョブ単位の紙面印刷イメージ及びジョブ単位の側面印刷イメージと、S505で作成した全ページにわたる側面印刷イメージとを用いて、最終的に印刷する紙面印刷イメージを作成する。
【0127】
基本的な処理は、S109における方法と同様であるが、各ページについて、それぞれの印刷ジョブについての側面印刷イメージ(図35の1208)と、全ての印刷ジョブについての側面印刷イメージ(図35の1207)の両方をマッピングする必要がある点が異なる。
【0128】
S507において、S506で作成された紙面印刷イメージを印刷するための処理を実行する。
【0129】
次に、印刷要求装置が側面印刷に対応していなくても印刷装置が側面印刷に対応していれば、印刷装置側が所定ルールに従って振舞うことで側面印刷を有効に活用することも考えられる。
【0130】
図27は、小口部分に章マークを印刷した例である。これは印刷装置が印刷を行うとき、特定のルールにしたがって章を判断し、章単位に番号を側面印刷した例である。
【0131】
図37は、章印刷を行う処理の流れを示すフローチャートである。
【0132】
ここでは、ページ記述言語に章の概念がある場合や、何らのコマンドに章情報を盛り込むことにより、印刷装置側(デバイスドライバ)でそれを検出して章を認識できることを前提としている。なお、章印刷はあくまでも一例であって、汎用的にルールを定義することにより章以外も当然のことながら対応可能である。
【0133】
この処理は、印刷要求装置のデバイスドライバの処理として説明する。
【0134】
S601において、印刷ジョブの総ページ数から側面サイズを計算する。具体的には、S104〜S106の方法により大きさを得ることができる。
【0135】
S602において、印刷要求装置から送られた印刷情報を構文解析して、特定のキーワードを検出する。検出できなかった場合は、S604へ進み、検出できた場合は、S603へ進む。
【0136】
ここでは、ページ記述言語に章の概念がある場合や、何らのコマンドに章情報を盛り込むことにより、印刷装置側(デバイスドライバ)でそれを検出して章を認識できることを前提としている。しかし、例えば、あらかじめ特定にキーワードを定めておき、印刷テキストの中にその特定のキーワードがあるかにより判定する方法も考えられる。
【0137】
S603において、章単位の側面印刷イメージを作成する。この作成方法は、図16に示す方法を用いることで実現可能である。
【0138】
S604において、通常の印刷処理を行って、紙面印刷イメージを作成する。作成した紙面印刷イメージは、側面印刷する場合は、一時的に保存しておく。側面印刷しない場合は、その後の印刷処理を継続する。
【0139】
S605において、全てのページについて処理を終えたかを判定する。終えていない場合は、S601へ戻り処理を続ける。終えた場合は、S606へ進む。
【0140】
S606において、S603で作成された側面印刷イメージと、S604で作成された紙面印刷イメージを用いて、最終的に印刷する紙面印刷イメージを作成する。作成方法は、上記説明した方法を採用することで実現可能である。
【0141】
そして、作成した最終的に印刷する紙面印刷イメージを印刷するための処理を実行する。
【0142】
また、側面印刷の例として記号の印刷も考えられる。図28は、側面部分にバーコードを印刷した場合の例である。単独でバーコードを印刷してもメリットは少ないが、図29に示すように、印刷物がベルトコンベア上にあり、バーコードセンサーによって生産管理や発送制御を行っている場合は、有効に活用できると考えられる。
【0143】
側面印刷を複数の機器で運用を行った場合のメリットも考えられる。図30はネットワーク上に複数のPC(パーソナルコンピュータ)やWS(ワークステーション)が接続された環境で、Taroユーザが月報と会議資料をX1プリンタに印刷すると同時に、Jiroユーザが議事録をX1プリンタに印刷している例である。
【0144】
印刷対象の側面印刷情報としてドキュメント名、ユーザ名、出力機器名を指定した場合の例を図31に示す。最初の「会議資料」がドキュメント名であり、「User:Taro」がユーザ名であり、「Pr:X1」が出力機器名である。このとき、ユーザ名や出力機器名の情報を側面印刷の機能として自動取得できれば効率より運用が考えられる。
【0145】
図32にプリンタトレイ上に印刷物が出力された状態を示す。側面に各種情報が印刷されているので、利用者は自分のドキュメントを効率よく探すことができる。
【0146】
側面印刷をする方法として、印刷要求装置(デバイスドライバ)もしくは印刷装置で実装する方法と、ページ記述言語を拡張し両者で実装する方法がある。
【0147】
前者の実現方法は既に上述したので、次に後者の実現方法を説明する。
【0148】
なお、側面印刷を実現するにあたり、専用プロトコルや独自のページ記述言語を作成し制御する方法も考えられるが、汎用性を考慮するとPostScript等の既存ページ記述言語を拡張する形が望ましい。
【0149】
すなわち、既存ページ記述言語を雛形とし側面印刷の規格を拡張することにより、最小限の追加/変更作業で多くの機器で利用することが可能となるからである。
【0150】
また、上記においてオペレーティングシステムのレベルで実装していれば、各アプリケーションは実際に接続されている印刷装置の仕様や機器ごとのハードウェアの差異を意識することなく側面印刷を利用することが可能となる。
【0151】
既存ページ記述言語を改造するにあたり拡張する部分は最小限に留め、新規追加を行うのは「側面指定」の制御情報のみとし、それ以外の情報は変更しないことが望ましい。これにより過去機種との互換性を最大限に保つことが可能となる。
【0152】
つまり、側面印刷に対応していない印刷装置に対して側面印刷を行っても、「側面指定」の制御情報や「側面印刷画像」が通常の紙面に印刷されるもしくは軽度のエラーになる程度で、印刷装置に自身に誤作動をおよぼすことは無いからである。
【0153】
ページ記述言語拡張において「側面指定」制御情報の実装方法としては次の方法が考えられる。
【0154】
(手法1)最初に来る4枚分の印刷情報を、それぞれ4側面分の情報として解釈する。
【0155】
(手法2)「改ページ」等のページに関するコマンドを拡張し側面を指定する情報を追加する。
【0156】
(手法3)「用紙指定」コマンドを拡張し側面を意味する指定を追加する。
【0157】
(手法4)「給紙段指定」コマンドを拡張し側面を指定する情報を追加する。
【0158】
(手法5)新たに側面を指定するための専用のコマンドを追加する。
【0159】
まず、手法1について説明する。
【0160】
手法1は、印刷装置に対して最初に通知された4枚分の印刷情報をそれぞれ4側面分の情報として解釈し側面印刷を行う方法である。
【0161】
厳密にはページ記述言語を拡張するのではなく、解釈の方法を変更し側面印刷を可能にする。
【0162】
これは印刷物を立体に見立てた場合、印刷表面(立体では上面)と印刷裏面(立体では下面)をのぞいた4側面をそれぞれ印刷ページの4枚に割り当てることにより側面印刷を実現する方法である。
【0163】
例えば、100ページの印刷物がある場合、印刷要求装置は側面画像として印刷する4枚分を加え104ページの情報を印刷装置に送信する。印刷装置は先の4ページ分をそれぞれ各側面の画像イメージとして解釈し、側面画素イメージバッファに保管する。
【0164】
そして、印刷装置は、本来のデータである100ページ分の印刷を行うが、ことのき側面画素イメージバッファに保管した側面イメージを組み合わせ印刷する。この方法をもちいることにより、既存ページ記述言語を改造せず側面情報を印刷装置に通知することが可能である。
【0165】
次に、手法2について説明する。
【0166】
手法2は、「改ページ」のコマンドを拡張する方法である。
【0167】
これはページ記述言語の「改ページ」制御コマンドに対して、このコマンドが持つ既存オプションや既存パラメータに競合しない形式で側面を指定する情報を追加することにより側面印刷を可能にする。
【0168】
印刷装置は、描画コマンドを受け取っただけでは印刷は行わず、描画イメージを印刷バッファに展開するだけである。
【0169】
そして、改ページコマンドを受け取った段階で、実際に印刷バッファに展開された内容を紙面に印刷する。
【0170】
この改ページコマンドのオプションやパラメータが通常の情報であれば紙面への印刷を行い、側面情報であれば印刷バッファに展開された印刷イメージを側面画素イメージバッファに転送し側面情報とする。
【0171】
通常最初に描画イメージと側面指定をそれぞれ4側面分通知し、その後本来の紙面印刷時に、側面画素イメージバッファに保管した情報と組み合わせ印刷を行うことにより側面印刷を実現する。
【0172】
次に、手法3について説明する。
【0173】
手法3は、「用紙指定」のコマンドを拡張する方法である。
【0174】
これはページ記述言語の「用紙指定」制御コマンドに対して、このコマンドが持つ既存オプションや既存パラメータに競合しない形式で側面を指定する情報を追加することにより側面印刷を可能にする。
【0175】
印刷装置によっては、A4やB5など複数用紙を切り替え印刷することができる。これはページ記述言語の「用紙指定」で任意の用紙を指定できるからである。
【0176】
このとき実存する用紙ではなく、側面を仮想的な用紙として仮定し、これに対して描画コマンドを通知することで側面画素イメージを作成する。
【0177】
この側面画素イメージ作成は、次の「用紙指定」コマンドで別の側面指定か、本来の印刷面に対する用紙指定が通知されるまでくりかえされる。
【0178】
最後に実際の印刷を行う場合に、これら側面画素イメージバッファに保管されたものと本来の印刷イメージを組み合わせ印刷することで側面印刷を実現する。
【0179】
次に、手法4について説明する。
【0180】
手法4は、「給紙段指定」のコマンドを拡張する方法である。
【0181】
これはページ記述言語の「給紙段指定」制御コマンドに対して、このコマンドが持つ既存オプションや既存パラメータに競合しない形式で側面を指定する情報を追加することにより側面印刷を可能にする。
【0182】
なお、機種によっては「給紙段指定」ではなく「カセット指定」や「トレイ指定」や「カートリッジ指定」など固有の名称が存在するが、給紙段を変更するという意味でここでは「給紙段指定」とする。
【0183】
印刷装置によっては、複数のカセットやトレイなどを切り替え印刷することができる。これはページ記述言語の「給紙段指定」で任意の給紙段を指定できるからである。
【0184】
このとき実存する給紙段ではなく、側面を仮想的な給紙段として仮定し、これに対して描画コマンドを通知することで側面画素イメージを作成する。
【0185】
この側面画素イメージ作成は、次の「給紙段指定」コマンドで別の側面指定か、本来の印刷面に対する用紙指定が通知されるまでくりかえされる。
【0186】
最後に実際の印刷を行う場合に、これら側面画素イメージバッファに保管されたものと本来の印刷イメージを組み合わせ印刷することで側面印刷を実現する。
【0187】
次に手法5について説明する。
【0188】
手法5は、新たに側面を指定するための専用のコマンドを追加することである。
【0189】
実際に専用コマンドを追加するにあたり、万が一あやまって側面印刷に対応していない印刷装置に通知されたとしても、このコマンドが無視されるかコマンドのみが無意味な文字として印字されるような実装が望ましい。
【0190】
ただし、具体的な実装方法は各ページ記述言語に依存するためここでは詳細を記載しない。
【0191】
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
【0192】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】側面印刷イメージを示す図である。
【図2】浸透インク/浸透トナーおよび発泡インク/発泡トナーを示す図である。
【図3】側面印刷時のマーク位置を示す図である。
【図4】裁断を行う場合の側面印刷を示す図である。
【図5】裁断を行う場合の印刷イメージを示す図である。
【図6】側面印刷をデバイスドライバで実装する場合を示す図である。
【図7】側面印刷をプリンタで実装する場合を示す図である。
【図8】側面印刷をデバイスドライバで実装した場合のユーザインタフェースを示す図である。
【図9】側面印刷をプリンタで実装した場合のユーザインタフェースを示す図である。
【図10】側面印刷時の擬似用紙面の考え方を示す図である。
【図11】フォントROMイメージを示す図である。
【図12】側面印刷時の文字印刷方法概念を示す図である。
【図13】図形描画イメージを示す図である。
【図14】側面印刷時の図形描画方法概念を示す図である。
【図15】側面印刷処理手順を示すフローチャートである。
【図16】文字印刷時の詳細手順を示すフローチャートである。
【図17】画像印刷時の詳細手順を示すフローチャートである。
【図18】図形印刷時の詳細手順を示すフローチャートである。
【図19】印刷枚数によって縁マーク部分の幅を制御する場合を示す図である。
【図20】側面印刷状態を示す図である。
【図21】背表紙印刷例を示す図である。
【図22】禁持ち出しマーク印刷例を示す図である。
【図23】仕上がり厚不定時の側面印刷例を示す図である。
【図24】用紙厚不定時の側面印刷例を示す図である。
【図25】複数ジョブ印刷例を示す図である。
【図26】複数ドキュメント印刷例を示す図である。
【図27】キーワード検出側面印刷例を示す図である。
【図28】バーコード印刷例を示す図である。
【図29】バーコード印刷活用例を示す図である。
【図30】複数マシン配置時環境例を示す図である。
【図31】複数マシン配置時の側面印刷例を示す図である。
【図32】複数マシン配置時のトレイ出力例を示す図である。
【図33】多重印刷の方法を示す図である。
【図34】多重印刷した場合の例を示す図である。
【図35】複数の印刷ジョブのドキュメントの側面に対して側面印刷する例を示す図である。
【図36】複数の印刷ジョブのドキュメントの側面に対して側面印刷する処理の流れを示すフローチャートである。
【図37】章印刷する処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0194】
501 印刷要求装置
502 ユーザインタフェース
504 アプリケーション
506 デバイスドライバ
507 側面印刷拡張1
509 オペレーティングシステム
511 印刷装置
512 ユーザインタフェース
514 印刷制御プログラム
614 側面印刷拡張2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚の用紙を平積みした場合にできる用紙の側面に視認可能な情報を表示させるための印刷をする情報処理装置であって、
印刷ジョブから各ページの紙面印刷イメージを生成する第1の生成手段と、
前記印刷ジョブから側面に表示させるための印刷情報を取得する取得手段と、
指定された用紙の厚さ及び印刷するページ数から、前記用紙を平積みした場合にできる用紙の側面を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された側面に対して、前記取得手段により取得された印刷情報を用いて、側面印刷イメージを作成する作成手段と、
前記第1の生成手段により生成された紙面印刷イメージと、前記作成手段により作成された側面印刷イメージとを用いて、前記複数枚の用紙を平積みした場合にできる用紙の側面に視認可能な情報として表示させるべく、当該紙面印刷イメージの側面にあたる縁部分に、当該側面印刷イメージの一部を割り当てて、新たな紙面印刷イメージを生成する第2の生成手段と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記算出手段は、指定された用紙の厚さ及び印刷する複数の印刷ジョブの全てのページ数から、前記用紙を平積みした場合にできる用紙の側面を算出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記作成手段は、前記算出手段により算出された一の印刷ジョブに対応する側面と、及び複数の印刷ジョブに対応する側面のそれぞれの側面印刷イメージを作成することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記第2の生成手段は、印刷ページ数に応じて、前記紙面印刷イメージの側面にあたる縁部分に、割り当てる前記面印刷イメージの一部の幅を制御することを特徴とする請求項1乃至3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記側面にあたる縁部分とは、印刷した用紙を裁断する場合においては、裁断される部分を縁部分とすることを特徴とする請求項1乃至4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
複数枚の用紙を平積みした場合にできる用紙の側面に視認可能な情報を表示させるための印刷をする情報処理装置における制御方法であって、
印刷ジョブから各ページの紙面印刷イメージを生成する第1の生成ステップと、
前記印刷ジョブから側面に表示させるための印刷情報を取得する取得ステップと、
指定された用紙の厚さ及び印刷するページ数から、前記用紙を平積みした場合にできる用紙の側面を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出された側面に対して、前記取得ステップにより取得された印刷情報を用いて、側面印刷イメージを作成する作成ステップと、
前記第1の生成ステップにより生成された紙面印刷イメージと、前記作成ステップにより作成された側面印刷イメージとを用いて、前記複数枚の用紙を平積みした場合にできる用紙の側面に視認可能な情報として表示させるべく、当該紙面印刷イメージの側面にあたる縁部分に、当該側面印刷イメージの一部を割り当てて、新たな紙面印刷イメージを生成する第2の生成ステップと
を有することを特徴とする制御方法。
【請求項7】
複数枚の用紙を平積みした場合にできる用紙の側面に視認可能な情報を表示させるための印刷をする情報処理装置において実行可能なプログラムであって、
印刷ジョブから各ページの紙面印刷イメージを生成する第1の生成手段、
前記印刷ジョブから側面に表示させるための印刷情報を取得する取得手段、
指定された用紙の厚さ及び印刷するページ数から、前記用紙を平積みした場合にできる用紙の側面を算出する算出手段、
前記算出手段により算出された側面に対して、前記取得手段により取得された印刷情報を用いて、側面印刷イメージを作成する作成手段、
前記第1の生成手段により生成された紙面印刷イメージと、前記作成手段により作成された側面印刷イメージとを用いて、前記複数枚の用紙を平積みした場合にできる用紙の側面に視認可能な情報として表示させるべく、当該紙面印刷イメージの側面にあたる縁部分に、当該側面印刷イメージの一部を割り当てて、新たな紙面印刷イメージを生成する第2の生成手段
として前記情報処理装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2010−143167(P2010−143167A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−325058(P2008−325058)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(301015956)キヤノンソフトウェア株式会社 (364)
【Fターム(参考)】